(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-27
(54)【発明の名称】結合された位置確認エージェントを含むシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 90/00 20160101AFI20230920BHJP
A61B 34/20 20160101ALI20230920BHJP
【FI】
A61B90/00
A61B34/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514753
(86)(22)【出願日】2021-09-10
(85)【翻訳文提出日】2023-04-19
(86)【国際出願番号】 US2021049796
(87)【国際公開番号】W WO2022060633
(87)【国際公開日】2022-03-24
(32)【優先日】2020-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523072083
【氏名又は名称】エルーセント メディカル,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】ヒルトナー,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ディーン,ブライアン
(57)【要約】
本明細書では、リンカによって互いに結合される2つ以上の位置確認エージェントを含むシステムおよび方法が提供される。例えば、本明細書では、生物システム内での2つ以上の結合された位置確認デバイスの配置、および標的手術または他の医療手技のためのそのような位置確認デバイスの検出のためのシステムおよび方法が提供される。例えば、本明細書では、互いに結合される、および標的位置へと置かれ、磁場の遠隔導入によって活性化される、1つまたは複数の小型検出可能デバイスを備えるシステムが提供される。
【選択図】
図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも2つのタグと、
b)前記少なくとも2つのタグに装着されるリンカと、
c)各タグの領域内に磁場を生成する遠隔活性化デバイスと、
d)各タグが前記磁場に曝露される間、各タグから信号を検出するように構成される複数のセンサと
を備える、システム。
【請求項2】
前記タグは、前記信号と比較してオフセット周波数で前記磁場からの信号に応答するようにプログラムされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記タグは、非誘電共振アンテナコンデンサを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記タグは、標準薄膜コンデンサまたは多層セラミックコンデンサを備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
ワイヤまたは線をさらに備え、前記ワイヤまたは線は、前記リンカ上の2つ以上の地点において、前記リンカに装着される、および/または前記リンカを通過する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ワイヤまたは線は、前記2つ以上のタグが互いに対して第1の位置に保持されるように、前記リンカに装着される、および/または前記リンカを通過し、前記リンカは、前記ワイヤまたは線が前記リンカに装着されない、および/または前記リンカを通過しないとき、前記2つ以上のタグを第2の位置に保持するように構成され、前記第2の位置は、前記第1の位置とは異なる、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記リンカは、ねじりばねを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記タグの各々は、熱収縮チューブを介して前記リンカに装着される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記リンカは、前記タグが挿入デバイス内に存在するとき、前記少なくとも2つのタグを第1の位置に保持するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記リンカは、前記少なくとも2つのタグを、組織内に存在するとき、第2の位置に保持するように構成され、前記第2の位置にある前記タグのうちの少なくとも1つは、およそX次元を指し示し、前記タグのうちの少なくとも1つは、およそY次元を指し示す、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも2つのタグは、第1、第2、および第3のタグを含み、前記第2の位置にあるとき、i)前記第1のタグは、およそX次元を指し示し、ii)前記第2のタグは、およそY次元を指し示し、iii)前記第3のタグは、およそZ次元を指し示す、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記リンカは、可撓性リンカである、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記リンカは、プラスチックを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記リンカは、形状記憶合金を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記形状記憶合金は、ニッケル-チタン合金を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ニッケル-チタン合金は、ニチノール55またはニチノール60である、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも2つのタグは、15度~40度の範囲内の角度を形成するように位置付けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記角度は、25度である、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記リンカは、手術器具によって把持可能であるグリップを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記グリップは、球体である、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記リンカは、前記グリップを露出する切り込みを有するパッケージ内に位置付けられる、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
各タグは、アンテナを備え、各タグは、前記磁場による活性化の際に規定の周波数で側波帯を放出する、請求項1~21のいずれかに記載のシステム。
【請求項23】
各タグアンテナは、コイルアンテナを備える、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
各コイルアンテナは、フェライト磁心コイルアンテナを備える、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
各コイルアンテナは、100~200kHzで共振する、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
各コイルアンテナは、同じまたは実質的に同じ周波数で共振する、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
各コイルアンテナは、異なる周波数で共振する、請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
各コイルアンテナは、集積回路に連結される、請求項24~27のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項29】
各タグは、前記タグアンテナの周りに筐体を備える、請求項1~28のいずれかに記載のシステム。
【請求項30】
前記遠隔活性化デバイスは、少なくとも1つの励起コイルを備える、請求項1~29のいずれかに記載のシステム。
【請求項31】
前記遠隔活性化デバイスは、2つ以上のエキサイタコイルを備え、それらの各々は、前記遠隔活性化デバイスによって生成される前記磁場が、X、Y、およびZ方向のうちの1つまたは複数において選択的に生成され得るように、時計回りまたは反時計回り方向に電流を流すように構成される、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記遠隔活性化デバイスは、4つ以上のエキサイタコイルを備える、請求項30に記載のシステム。
【請求項33】
前記エキサイタコイルは、直列に接続される、請求項30~32のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項34】
前記エキサイタコイルは、前記磁場が、X、Y、およびZ方向のうちの2つ以上に生成されるように構成される、請求項31~33のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項35】
前記エキサイタコイルは、前記磁場が、X、Y、およびZ方向に生成されるように構成される、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
座標(X1,Y1)、(X1,Y2)、(X2,Y1)、および(X2,Y2)を中心とする2列のレイアウトで4つのエキサイタコイルを備える、請求項32に記載のシステム。
【請求項37】
前記遠隔活性化デバイスは、以下の電流構成:
a)Z軸に垂直の平面と整列される、または実質的に整列されるエキサイタコイルをシミュレートするためにすべての電流が時計回り、
b)X軸に整列される、または実質的に整列されるエキサイタコイルをシミュレートするために、電流を反時計回りに流す、(X2,Y1)、(X2,Y2)を中心とするエキサイタコイル、および
c)Y軸に整列される、または実質的に整列されるエキサイタコイルをシミュレートするために、電流を反時計回りに流す、(X1,Y2)、(X2,Y2)を中心とするエキサイタコイル、のうちの1つまたは複数を含む、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記遠隔活性化デバイスは、励起周波数を維持するためにスイッチング関数を提供する、複数の中継器、少なくとも1つのPINダイオード、または電界効果トランジスタを備える、請求項30~37のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項39】
前記スイッチング関数は、同調中心周波数が前記励起周波数に維持されるように、合計インダクタンスが増加されるとき容量素子を介して追加の直列容量性リアクタンスを挿入する、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記容量素子は、複数のコンデンサから成る、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記遠隔活性化デバイスは、前記エキサイタコイルに近接してバランをさらに備える、請求項30~40のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項42】
前記システムは、前記遠隔活性化デバイスと電子通信状態にある増幅器をさらに備える、請求項1~41のいずれかに記載のシステム。
【請求項43】
前記遠隔活性化デバイスは、患者内に埋め込まれた前記少なくとも2つのタグを有する前記患者の下に置かれるように構成されるパッドを備える、請求項1~42のいずれかに記載のシステム。
【請求項44】
複数のセンサは、複数の観察ステーションを備える、請求項30~43のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項45】
ロックイン増幅器をさらに備え、前記ロックイン増幅器ロックイン増幅器は、前記少なくとも2つのタグの場所を決定するための全方向性検出を提供するために、低帯域検出のために構成される、請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
各観察ステーションは、複数のアンテナを備える、請求項44または45に記載のシステム。
【請求項47】
前記観察ステーションアンテナの各々は、時分割多重化される受信チャネルをフィードする、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
観察ステーション内の前記複数のアンテナは、互いに直交状に配置される、請求項46または47に記載のシステム。
【請求項49】
前記観察ステーションアンテナは、前記タグのうちの少なくとも1つの周波数での共振のために同調されるフェライト充填された円筒コイルアンテナを備える、請求項46~48のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項50】
医療デバイスをさらに備える、請求項1~49のいずれかに記載のシステム。
【請求項51】
前記医療デバイスは、ハンドヘルド手術器具である、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記ハンドヘルド手術器具への装着のために構成される1つまたは複数の場所エミッタをさらに備える、請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記1つまたは複数の場所エミッタは、前記ハンドヘルド手術器具の一部分の上を摺動するシース上に位置付けられる、請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
前記1つまたは複数の場所エミッタは、アンテナを備え、前記1つまたは複数の場所エミッタは、磁場による活性化の際に規定の周波数で側波帯を放出する、請求項51または52に記載のシステム。
【請求項55】
磁場生成およびセンサ検出を制御するコンピュータシステムをさらに備える、請求項1~54のいずれかに記載のシステム。
【請求項56】
前記コンピュータシステムは、前記複数のセンサから情報を受信し、前記タグの位置に関する情報を生成する、請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
前記コンピュータシステムは、1つまたは複数のタグの最適検出を識別するために磁場配向を調節する探索アルゴリズムを適用する、請求項55に記載のシステム。
【請求項58】
前記ハンドヘルド手術器具に装着されるディスプレイ画面をさらに備える、請求項51~57のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項59】
前記ディスプレイ画面は、前記タグの位置に関する情報をユーザに表示する、請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
対象におけるタグの位置を検出するための、請求項1~59のいずれか一項に記載のシステムの使用。
【請求項61】
前記対象は、ヒトである、請求項60に記載の使用。
【請求項62】
前記対象は、腫瘍近くまたは腫瘍上の組織である、請求項60に記載の使用。
【請求項63】
医療デバイスに対するタグの位置を検出するための、請求項1~62のいずれか一項に記載のシステムの使用。
【請求項64】
2つの結合タグの位置を識別する方法であって、
a)請求項1~59のいずれかに記載のシステムを提供するステップと、
b)前記少なくとも2つのタグを対象内に置くステップと、
c)前記遠隔活性化デバイスを用いて磁場を生成するステップと、
d)前記複数のセンサを用いて、前記少なくとも2つのタグから放出される情報を収集することによって、前記対象内の前記少なくとも2つのタグの前記位置を識別するステップとを含む、方法。
【請求項65】
前記少なくとも2つのタグの前記位置は、医療デバイスに対する各タグの相対的な場所を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記少なくとも2つのタグの前記位置は、医療デバイスに対する各タグの距離を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
前記対象は、ヒトである、請求項64~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記対象は、腫瘍近くまたは腫瘍内の組織である、請求項64~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記少なくとも2つのタグを対象内に置くステップは、導入デバイスを使用して前記少なくとも2つのタグを前記対象内へ位置付けることを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項70】
前記少なくとも2つのタグは、前記導入デバイス内の第1の位置に配置される、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記少なくとも2つのタグは、前記対象内に置かれるとき、第2の位置へと移動する、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記第2の位置にある前記タグのうちの少なくとも1つは、およそX次元を指し示し、前記タグのうちの少なくとも1つは、およそY次元を指し示す、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記少なくとも2つのタグは、第1、第2、および第3のタグを含み、前記第2の位置にあるとき、i)前記第1のタグは、およそX次元を指し示し、ii)前記第2のタグは、およそY次元を指し示し、iii)前記第3のタグは、およそZ次元を指し示す、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
前記導入デバイスは、カニューレを備える、請求項69~73のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年9月16日に提出された米国仮出願第63/078,971号の利益を主張するものであり、その内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書では、リンカによって互いに結合される2つ以上の位置確認エージェント(localization agent)を含むシステムおよび方法が提供される。例えば、本明細書では、生物システム内での2つ以上の結合された位置確認デバイスの配置、および標的手術または他の医療手技のためのそのような位置確認デバイスの検出のためのシステムおよび方法が提供される。例えば、本明細書では、互いに結合される、および標的位置へと置かれ、磁場の遠隔導入によって活性化される、1つまたは複数の小型検出可能デバイスを備えるシステムが提供される。
【背景技術】
【0003】
多くの医療手技にとっての共通かつ深刻な課題は、治療領域の正確な位置確認である。例えば、外科的切除を含む治療を経るべき腫瘍などの病変の場所は、医学界に課題を提示し続けている。既存のシステムは、高価で、複雑で、時間がかかり、また多くの場合、患者にとって不快なものである。
【0004】
医療手技のための組織位置確認のための近年の方法は、患者内に置かれ得るRFIDタグなどの位置確認エージェントの使用を伴う。しかしながら、これらのタグは、配置と外科手技の実施との間に患者内で移動する場合があり、患者内の所望の場所を適切にマークすることができないということをもたらす。さらには、タグの配向は、患者内での配置後にシフトする場合があり、患者内でのタグの3次元位置を識別することにおける正確性の損失をもたらす。単一タグによって生成される信号の強度が、存在する組織の量に起因して検出されるのに不十分である、より大きい患者では、有効性におけるさらなる問題が生じる場合がある。
【0005】
したがって、改善されたシステムおよび方法が、医療手技のための組織位置確認に必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書では、リンカによって互いに結合される2つ以上の位置確認エージェント(例えば、「タグ」)を含むシステムおよび方法が提供される。例えば、本明細書では、生物システム内での2つ以上の結合タグの配置、および標的手術または他の医療手技のためのそのようなタグの検出のためのシステムおよび方法が提供される。以下の説明は、ヒト外科手技の例を使用した発明を例証するが、本発明は、そのように限定されず、獣医学用途、農業用途、工業用途、機械用途、軍事用途(例えば、対象または領域からの危険物質のセンシングおよび除去)、航空宇宙用途、および同様のものを含む、ということを理解されたい。
【0007】
いくつかの実施形態において、本明細書では、a)少なくとも2つのタグ、b)少なくとも2つのタグの各々に装着されるリンカ、c)各タグの領域内に磁場(例えば、時間的に変化する磁場)を生成する遠隔活性化デバイス(例えば、エキサイタアセンブリ)、およびd)タグが磁場に曝露されるとき、少なくとも2つのタグから信号を検出するように構成される複数のセンサ、の各々の1つまたは複数を備えるシステムが提供される。
【0008】
少なくとも2つのタグの各々は、リンカによって少なくとも1つの他のタグに装着される(例えば、結合される)。リンカによって互いに接続されるタグは、本明細書では「結合タグ」と称される。
【0009】
いくつかの実施形態において、リンカは、可撓性リンカである。いくつかの実施形態において、リンカは、プラスチックを含む。他の実施形態において、リンカは、形状記憶合金を含む。例えば、リンカは、ニッケル-チタン合金(例えば、ニチノール60またはニチノール55)を含み得る。
【0010】
いくつかの実施形態において、少なくとも2つのタグは、15度~40度の範囲内の角度を形成するように位置付けられる。いくつかの実施形態において、角度は、25度である。
【0011】
いくつかの実施形態において、リンカは、手術器具によって把持可能であるグリップを含む。いくつかの実施形態において、グリップは、球体である。いくつかの実施形態において、リンカは、グリップを露出する切り込みを含むパッケージ内に位置付けられる。
【0012】
いくつかの実施形態において、リンカは、ねじりばねを備える。いくつかの実施形態において、タグの各々は、熱収縮チューブを介してリンカに装着される。
【0013】
いくつかの実施形態において、リンカは、タグが挿入デバイス内に存在するとき、少なくとも2つのタグを第1の位置に保持するように構成される。いくつかの実施形態において、リンカは、組織内に存在するとき、少なくとも2つのタグを、第2の位置に保持するように構成され、第2の位置にあるタグのうちの少なくとも1つは、およそX次元を指し示し、タグのうちの少なくとも1つは、およそY次元を指し示す。いくつかの実施形態において、少なくとも2つのタグは、第1、第2、および第3のタグを含む。そのような実施形態において、上記第2の位置にあるとき、i)上記第1のタグは、およそX次元を指し示し、ii)上記第2のタグは、およそY次元を指し示し、iii)上記第3のタグは、およそZ次元を指し示す。
【0014】
いくつかの実施形態において、本システムは、ワイヤまたは線をさらに備える。ワイヤまたは線は、リンカ上の2つ以上の地点において、リンカに装着され得、および/またはリンカを通過し得る。例えば、ワイヤまたは線は、2つ以上のタグが互いに対して第1の位置に保持されるように、リンカに装着され得、および/またはリンカを通過し得る。リンカは、ワイヤまたは線がリンカに装着されない、および/またはリンカを通過しないとき、2つ以上のタグを第2の位置に保持するように構成され得る。第2の位置は、第1の位置とは異なり得る。
【0015】
いくつかの実施形態において、タグは、信号と比較してオフセット周波数で磁場からの信号に応答するようにプログラムされる。いくつかの実施形態において、タグは、非誘電共振アンテナコンデンサを備える。
【0016】
いくつかの実施形態において、少なくとも2つのタグの各々は、アンテナを備え、各タグは、磁場による活性化の際に規定の周波数で側波帯を放出する。いくつかの実施形態において、各タグアンテナは、コイルアンテナを備える。例えば、各コイルアンテナは、フェライト磁心コイルアンテナを備え得る。
【0017】
いくつかの実施形態において、各コイルアンテナは、100~200kHzで共振する。各コイルアンテナは、同じまたは実質的に同じ周波数で共振し得る。代替的に、各コイルアンテナは、異なる周波数で共振し得る。
【0018】
いくつかの実施形態において、遠隔活性化デバイスは、少なくとも1つの励起コイルを備える。いくつかの実施形態において、遠隔活性化デバイスは、遠隔活性化デバイスによって生成される磁場が、X、Y、およびZ方向のうちの1つまたは複数において選択的に生成され得るように、時計回りまたは反時計回りのいずれかの方向に電流を流すように(例えば、タグが、それが置かれ得る複数または任意の角度について励起され得ることを確実にするように)構成される2つ以上の励起コイルを備える。いくつかの実施形態において、磁場は、X、Y、およびZ方向のうちの2つ以上に生成される。いくつかの実施形態において、磁場は、X、Y、およびZ方向の各々に生成される。
【0019】
いくつかの実施形態において、遠隔活性化デバイスは、4つ以上のエキサイタコイルを備える。いくつかの実施形態において、エキサイタコイルは、直列に接続される。いくつかの実施形態において、エキサイタコイルのうちの4つは、座標(X1,Y1)、(X1,Y2)、(X2,Y1)、および(X2,Y2)を中心とする2列のレイアウトにある。いくつかの実施形態において、遠隔活性化デバイス(例えば、エキサイタアセンブリ)は、3つの電流構成:a)Z軸に垂直の方向と整列されるエキサイタコイルをシミュレートするためにすべての電流が時計回り、b)X軸に整列されるエキサイタコイルをシミュレートするために、電流を反時計回りに流す、(X2,Y1)、(X2,Y2)を中心とするエキサイタコイル、およびc)Y軸に実質的に整列されるエキサイタコイルをシミュレートするために、電流を反時計回りに流す、(X1,Y2)、(X2,Y2)を中心とするエキサイタコイル、のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、遠隔活性化デバイスは、上の電流構成の3つすべてを含む。
【0020】
いくつかの実施形態において、遠隔活性化デバイス(例えば、エキサイタアセンブリ)は、追加の容量性リアクタンスをスイッチングすることによって、励起周波数を維持しながらも電流方向変化(極性)を達成するためにスイッチング関数を提供する複数の中継器を備える。いくつかの実施形態において、スイッチング関数は、同調中心周波数が上記励起周波数に維持されるように、合計インダクタンスが増加されるとき容量素子を介して追加の直列容量性リアクタンスを挿入する(例えば、4つのコイルが用いられるとき、4つのコイルの合計インダクタンスは、電流方向が各コイルまたはコイル対内で変化されるときに変わる)。いくつかの実施形態において、容量素子は、複数のコンデンサから成る(例えば、共振における電位差により良好に対応するため、および/または、周波数同調におけるより大きい柔軟性をもたらすため)。いくつかの実施形態において、遠隔活性化デバイスは、エキサイタコイルに近接してバランをさらに備える。バランは、コモンモード電流を除去し、さもなければコモンモード電流が、別途正確性を低減し得る望ましくない電場成分をもたらすことになる。それは、コイルインピーダンスの実成分を伝送線の実成分、典型的には50オーム、に整合させるために、インピーダンス変換も提供する。いくつかの実施形態において、バランは、一次側(増幅器側)に8つの巻き、および二次側(コイル側)に4つの巻きを有する。いくつかの実施形態において、本システムは、遠隔活性化デバイスと電子通信状態にある増幅器をさらに備える。いくつかの実施形態において、本システムは、磁場生成およびセンサ検出を制御するコンピュータをさらに備える。いくつかの実施形態において、コンピュータは、少なくとも2つのタグの最適検出を識別する(および電力供給する)ために磁場配向を調節する探索アルゴリズム(例えば、プロセッサ上で実行するソフトウェアで具現化される)を備える。
【0021】
また、本明細書では、上記システムのいずれかの使用(例えば、対象内の2つ以上の結合タグの位置を検出するため、医療デバイスに対する2つ以上の結合タグの位置を検出するため、など)が提供される。
【0022】
さらに本明細書に提供では、2つ以上の結合タグの位置を識別する方法が提供され、本方法は、a)本明細書に説明されるシステムのいずれかを提供するステップ、b)少なくとも2つのタグを対象内に置くステップ、c)遠隔活性化デバイスを用いて磁場を生成するステップ、およびd)観察ステーションを用いて、各タグから放出される情報を収集することによって上記対象内のタグの位置を識別するステップを含む。いくつかの実施形態において、位置または、医療デバイスに対するタグの相対的な場所または距離を含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、少なくとも2つのタグを対象内に置くステップは、導入デバイスを使用して少なくとも2つのタグを上記対象内へ位置付けることを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも2つのタグは、上記導入デバイス内の第1の位置に配置される。いくつかの実施形態において、少なくとも2つのタグは、上記対象内に置かれるとき、第2の位置へと移動する。いくつかの実施形態において、上記第2の位置にある上記タグのうちの少なくとも1つは、およそX次元を指し示し、上記タグのうちの少なくとも1つは、およそY次元を指し示す。いくつかの実施形態において、少なくとも2つのタグは、第1、第2、および第3のタグを含み、上記第2の位置にあるとき、i)上記第1のタグは、およそX次元を指し示し、ii)上記第2のタグは、およそY次元を指し示し、iii)上記第3のタグは、およそZ次元を指し示す。
【0024】
定義
本明細書で使用される場合、用語「プロセッサ」および「中央処理装置」または「CPU」は、同義に使用され、コンピュータメモリ(例えば、ROMまたは他のコンピュータメモリ)からプログラムを読み出し、そのプログラムに従ってステップのセットを実施することができるデバイスを指す。
【0025】
本明細書で使用される場合、用語「コンピュータメモリ」および「コンピュータメモリデバイス」は、コンピュータプロセッサによって読み出し可能な任意の記憶媒体を指す。コンピュータメモリの例としては、RAM、ROM、コンピュータチップ、デジタルビデオディスク(DVD)、コンパクトディスク(CD)、ハードディスクドライブ(HDD)、光学ディスク、および磁気テープが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、コンピュータメモリおよびコンピュータプロセッサは、(例えば、制御装置内の)非一時的なコンピュータの一部である。特定の実施形態において、非一時的なコンピュータ可読媒体が用いられ、非一時的なコンピュータ可読媒体は、一時的な伝播信号を唯一の例外として、すべてのコンピュータ可読媒体を含む。
【0026】
本明細書で使用される場合、用語「コンピュータ可読媒体」は、情報(例えば、データおよび命令)を格納し、コンピュータプロセッサに提供するための任意のデバイスまたはシステムを指す。コンピュータ可読媒体の例としては、DVD、CD、ハードディスクドライブ、磁気テープ、および、ローカルであろうと遠方(例えば、クラウドベース)であろうとネットワークを通じてメディアをストリーミングするためのサーバが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
本明細書で使用される場合、用語「電子通信状態にある」は、直接または間接シグナリングを通じて互いと通信するように構成される電気デバイス(例えば、コンピュータ、プロセッサなど)を指す。同様に、(例えば、ケーブル、ワイヤ、赤外信号、電話線、放送波などを通じて)情報を別のコンピュータまたはデバイスに伝送するように構成されるコンピュータは、他のコンピュータまたはデバイスと電子通信状態にある。
【0028】
本明細書で使用される場合、用語「伝送」は、任意の好適な手段を使用した、1つの場所から別の場所へ(例えば、1つのデバイスから別のデバイスへ)の情報(例えば、データ)の移動を指す。
【0029】
本明細書で使用される場合、用語「合金」は、金属と、少なくとも1つの他の金属または非金属との組合せを指す。用語「形状記憶合金」は、冷却されるときに変形され得るが、加熱されるときに、その予め変形した(例えば、「記憶した」)形状に戻る合金を指す。
【0030】
本明細書で使用される場合、用語「対象」または「患者」は、特定の治療を受ける、ヒト、ヒト以外の霊長類、ペット、家畜、ウマ、げっ歯動物、および同様のものを含むがこれらに限定されない、任意の動物(例えば、哺乳動物)を指す。典型的には、用語「対象」および「患者」は、ヒト対象に関連して本明細書では同義に使用される。
【0031】
本明細書で使用される場合、用語「がんを患っている疑いのある対象/患者」は、がんを示す1つもしくは複数の症状(例えば、顕著なこぶまたは塊)を呈するか、または(例えば、通常検診中に)がん検査を受けている対象を指す。がんを患っている疑いのある対象はまた、1つまたは複数の危険因子を有し得る。がんを患っている疑いのある対象は、一般的には、がんの検査を受けていない。しかしながら、「がんを患っている疑いのある対象」は、初期診断(例えば、塊を示すCTスキャン)を受けたが、がんのステージが分かっていない個人を包含する。この用語は、一度がんになったことのある人(例えば、寛解期にある個人)をさらに含む。
【0032】
本明細書で使用される場合、用語「生検組織」は、組織(例えば、乳房組織)の試料を指し、これは、試料ががん組織を含有するかどうかを決定する目的のために対象から摘出される。いくつかの実施形態において、生検組織は、対象ががんを患っている疑いがあることが理由で、獲得される。生検組織は、次いで、がんの存在または不在について、(例えば、顕微鏡検査によって、分子検査によって)調べられる。
【0033】
本明細書で使用される場合、用語「リンカ」は、本明細書では、1つのタグを別のタグに接続する好適な材料を指す。リンカは、任意の好適な材料を含み得る。例えば、リンカは、プラスチックを含み得る。代替的に、リンカは、形状記憶合金を含み得る。
【0034】
本明細書で使用される場合、用語「結合タグ」は、少なくとも2つのタグの群を指し、少なくとも1つのタグが、リンカを介して少なくとも1つの他のタグに装着される。この用語は、2つの装着されたタグを指し得る。この用語は、3つ以上のタグを指し得、各タグが、1つまたは複数のリンカを介して少なくとも1つの他のタグに装着される。
【0035】
本明細書で使用される場合、用語「タグ」または「マーカタグ」は、エキサイタの時間的に変化する磁場によって励起されるとき、観察コイルによって受信され、その場所を決定するために使用される周波数の「ホーミングビーコン」スペクトルを放出する小さい埋め込み可能マーカを指す。それは、固有のスペクトルを生成するようにプログラムされ得、故に、複数のタグが同時に埋め込まれて、配置されることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】エキサイタアセンブリ、ディスプレイ構成要素が装着された状態の医療デバイス、および腫瘍の隣にタグが埋め込まれた状態の患者の例示的な位置付けを示す図である。
【
図2】デバイス先端25を有する医療デバイス20に装着される装着構成要素10を示す図であり、装着構成要素10は、中に2つの場所エミッタ70が配置されており、装着構成要素10は、ディスプレイ構成要素40に装着されるか、これと一体である、図である。
【
図3】エキサイタアセンブリの例示的なコイル構成を示す図である。
【
図4A】ケーブル束200を介してコントローラ210に装着される例示的なエキサイタアセンブリ250を示す図である。
【
図4B】例示的な観察コイルアセンブリ(別名、観察ステーションアセンブリ)161を示す図である。
【
図4C】ワイヤが金属磁心166の上にコイル167を形成するために巻かれる3つの方向を含む、例示的な観察コイル160を示す図である。
【
図5】電流が4つすべてのエキサイタコイルにおいて時計回り方向に流れている、4つのエキサイタコイル(コイルA-D)を伴う例示的なエキサイタアセンブリを示す図である。
【
図6】電流がコイルAおよびBにおいては時計回り方向に流れており、コイルCおよびDにおいては反時計回り方向に流れている、4つのエキサイタコイル(コイルA-D)を伴う例示的なエキサイタアセンブリを示す図である。
【
図7】電流がコイルAおよびCにおいては時計回り方向に流れており、コイルBおよびDにおいては反時計回り方向に流れている、4つのエキサイタコイル(コイルA-D)を伴う例示的なエキサイタアセンブリを示す図である。
【
図8】エキサイタアセンブリ250がケーブル束200を中に引いた状態で示される、トップカバー230が付いた状態の例示的なエキサイタアセンブリ250を示す図である。
【
図9】医療デバイス20の遠位端25が挿入される角度付きの遠位端300を伴う、例示的な装着構成要素10を示す図である。
【
図10】
図10Aは最初に装着構成要素10の角度付きの遠位端300に挿入された後の医療デバイス20の遠位端25を示す図である。
図10Bはディスプレイ構成要素ハウジング330のケーブル管理構成要素315に装着される前の装着構成要素ワイヤ60を示す図であり、ディスプレイ構成要素ハウジング330のケーブル管理構成要素315に装着される前の装着構成要素ワイヤ60を示す図であって、装着構成要素10の近位端テーパ接続部350が挿入されるハウジングテーパ接続部340も示し、ケーブル管理構成要素315は、装着構成要素ワイヤ60および医療デバイスワイヤ50の両方に装着され、これらを整列させる2つのクリップを有する。
【
図11】ディスプレイ構成要素ハウジング330に装着される例示的な装着構成要素10を示す図であり、装着構成要素10は、チューブ360の内側にある場所エミッタワイヤリード72に結合される一対の場所エミッタ70を有し、装着構成要素はまた、手術デバイスまたは他のデバイスの先端が通って挿入されることを可能にする遠位端開口部305を伴う角度付きの遠位端300を有し、ディスプレイ構成要素ハウジング330は、絶縁ワイヤを保持するための一対のクリップから成るケーブル管理構成要素315を有する。
【
図12】ディスプレイ構成要素40が中に配置された状態のディスプレイ構成要素ハウジング330に装着される例示的な装着構成要素10を示す図であり、ディスプレイ構成要素ハウジング330の内側にディスプレイ構成要素40を固定するために使用されるディスプレイカバー370が示され、装着構成要素の内側に適合し、医療デバイスを装着構成要素に固定するのを助けるように形状化およびサイズ決定される接着ストリップ380も示される。
【
図13】
図13Aはディスプレイ構成要素ハウジング330のハウジングテーパ接続部340内へ押し込み適合するように構成される装着構成要素10の近位端テーパ接続部350を示す図である。
図13Bはケーブル管理構成要素315の一部であり、ディスプレイ構成要素ハウジング330のテーパ接続部穴319内に挿入されるように設計されるケーブル管理テーパ接続部317を含む、
図13Aの区域Aの拡大図であり、ケーブル管理テーパ接続部317が、角度位置を係止するために平坦部分318を含む、図である。
【
図14】患者に埋め込まれるタグを位置確認するための例示的なシステムを示す図であり、本システムは、患者内のタグを活性化させる信号を放出するエキサイタアセンブリから成り、システム電子機器筐体は、エキサイタアセンブリに信号を送達し、患者内のタグから信号を受信して処理する移動可能なカートとして示され、外科医のためのガイダンスは、ディスプレイ構成要素、ならびにシステム電子機器筐体上の画面に表示される。
【
図15】ニチノールリンカによって接続される2つのタグの例示的な配置を示す図である。
【
図16】ニチノールリンカ、およびクリンプおよび自己緊締ワッシャを含むワイヤまたは線によって接続される2つのタグの例示的な配置を示す図である。
【
図17】リンカによって接続される2つのタグの例示的な配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本明細書では、リンカによって接続される、例えば、患者の組織内の、2つまたはタグを位置確認するためのシステム、デバイス、アセンブリ、および方法が提供される。例えば、本明細書では、a)患者などの対象内へ置かれる2つ以上の結合タグ、b)タグの領域内に電磁場を生成する遠隔活性化デバイス、c)電磁場に曝露されたタグから情報を受信する複数のセンサ(例えば、観察ステーション)、d)電磁場に曝露され、センサ(例えば、観察ステーション)によって受信される情報を放出する、医療デバイス上に位置付けられる1つまたは複数のエミッタ、ならびにe)センサによって受信される情報を分析し、医療デバイスおよび/または1つもしくは複数のタグの位置に関する情報(例えば、相対的な場所、相対的な距離、配向など)を生成および表示するためのコンピュータシステム、のうちの1つもしくは複数またはすべてを用いたシステム、デバイス、および方法が提供される。
【0038】
本システム、デバイス、アセンブリ、および方法は、対象内に結合タグを配置するための医療用途を含む様々な用途における使用を満たす。本明細書は、ヒト組織における医療使用に焦点を合わせるが、本システムおよび方法は、非ヒト使用(例えば、家畜、ペット、野生動物、または任意の獣医環境などの非ヒト動物での使用)を含む、幅広い使用を満たすということを理解されたい。例えば、本システムは、環境保護環境、農業環境、工業環境、または同様のものにおいて使用され得る。いくつかの実施形態において、本システム、デバイス、アセンブリ、および方法は、正弦波磁場を用いて遠隔タグデバイスに電力供給する電磁的ナビゲーションシステムにおける使用を満たす(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第9,730,764号、米国出願第15/281,862号および同第15/674,455号を参照)。
【0039】
いくつかの実施形態において、本明細書では、少なくとも2つのタグであって、各タグが、リンカを介して少なくとも1つの他のタグに装着される、少なくとも2つのタグと、各タグの領域内に磁場を生成する遠隔活性化デバイスと、各タグが上記磁場に曝露される間、各タグから信号を検出するように構成される複数のセンサと、を備えるシステムが提供される。
【0040】
いくつかの実施形態において、タグは、ワイヤレスであり、理想的には最小限にサイズ決定される。いくつかの実施形態において、電力供給される間、タグは、1つまたは複数の側波帯周波数で独自の時間的に変化する磁場を生成する。磁場の形状は、およそ、タグに位置付けられる磁気双極子の形状である。センサとも呼ばれる受信アンテナコイル、センシングコイル、観察コイル、または観察ステーションを用いていくつかの位置において磁場を監視することによって、タグの場所が識別される。いくつかの実施形態において、本システム、デバイス、アセンブリ、および方法は、電気外科用器具をさらに含む。いくつかの実施形態において、電気外科用器具、またはこの器具に装着される、もしくはこれに物理的に近接している構成要素は、磁気双極子に類似する磁場を同様に生成する2つ以上の場所エミッタを備える。いくつかの実施形態において、場所エミッタは、エキサイタ周波数およびタグ応答周波数の両方と異なる、2つの異なる周波数信号で駆動される。特定の実施形態において、場所エミッタは、信号供給源にワイヤ接続される。
【0041】
いくつかの実施形態において、単一のエキサイタアセンブリが、タグ、および電気外科用器具と関連付けられる装着構成要素内の場所エミッタと相互作用する信号を生成するために用いられる(例えば、
図4Aに示されるように)。いくつかの実施形態において、エキサイタアセンブリは、単一の薄いアセンブリ内に含まれる。いくつかの実施形態において、エキサイタを備えるアセンブリは、センサ(例えば、受信アンテナ/センシング/観察ステーションコイル)をさらに備える。いくつかの実施形態において、エキサイタアセンブリは、医療手技を受けている患者の下に配備されるように構成される。例示的な手技構成は、患者90が表面95(例えば、マットレスまたは手術台)に位置付けられた状態で
図1に示される。表面95は、表面フレーム97によって保持される。患者90は、病変(例えば、腫瘍)110、および腫瘍の近く、上、または中に位置付けられた埋め込みタグ100を有する。エキサイタアセンブリ250は、患者の真下、および表面の真下(例えば、表面フレーム97上)に位置付けられ、タグ100の位置を包囲する患者の周りの領域および患者の上の手術野内の医療デバイス20(例えば、手術デバイス)において電磁場(示されない)を生成する。
【0042】
図2は、本発明のいくつかの実施形態における使用を満たす例示的な電気焼灼手術デバイス(例えば、BOVIE)を示す。デバイス20は、組織の治療のための動作面を提供する先端25、システムがデバイス20の場所および位置を感知することを可能にする2つの埋め込まれた場所エミッタ70、および患者内のタグの場所に関して視覚情報をユーザ(例えば、外科医)に提供するディスプレイ装置40を含む。
【0043】
いくつかの実施形態において、エキサイタアセンブリは、エキサイタアセンブリがなければ場所、位置、および距離分析、特にそのような因子のリアルタイム分析を複雑にするいくつかの異なる環境下で、遠隔対象(例えば、タグおよび手術デバイス)の増強検出をもたらすように構成される。
【0044】
いくつかの実施形態において、本システムおよび方法は、複数の構成要素を含む。いくつかの実施形態において、第1の構成要素は、少なくとも2つの結合タグ(用語「マーカ」と同義で使用され得る)を備え、その場所、位置、距離、または他の特性が分析されることになる。本明細書に説明される結合タグは、WO2018031826A1、WO2017059228A1、WO2019236600A1、およびWO2015112863A1に開示されるものなど、様々なシステムおよび方法における使用を満たし、それら特許の各々の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態において、本システムおよび方法は、2つの結合タグ、3つの結合タグ、4つの結合タグ、5つの結合タグ、または6つ以上の結合タグを含み得る。いくつかの実施形態において、本システムおよび方法は、2つの結合タグを含む。例えば、本システムおよび方法は、リンカを介して互いに装着される2つの結合タグ「A」および「B」を含み得る。代替的に、本システムおよび方法は、3つ以上の結合タグを含み得る。そのような実施形態において、タグは、各タグが同じまたは異なるリンカを介して少なくとも1つの他のタグに装着されるという意味で、結合される。例えば、3つのタグが結合され得、この場合、タグ「A」は、リンカを介してタグ「B」に装着され、タグ「B」は、リンカを介してタグ「C」に装着される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのタグが、2つ以上のタグに装着され得る。例えば、3つのタグが結合され得、この場合、タグ「A」は、タグ「B」に装着され、タグ「B」は、タグ「C」に装着され、タグ「C」は、タグ「A」に装着される。
【0045】
タグは、好適なリンカによって結合される。リンカは、1つのタグを別のタグに接続する任意の好適な材料を含み得る。例えば、リンカは、プラスチックを含み得る。代替的に、リンカは、形状記憶合金を含み得る。いくつかの実施形態において、形状記憶合金リンカは、銅、鉄、アルミニウム、ニッケル、チタン、マンガン、ケイ素、亜鉛、または金から選択される任意の1つまたは複数の金属を含み得る。例えば、形状記憶合金は、ニッケル-チタン合金(例えば、ニチノール)であってもよい。別の例として、形状記憶合金は、銅-アルミニウム-ニッケル合金であってもよい。形状記憶合金内の金属は、所望の合金特徴を達成するために任意の好適な量で存在し得る。例えば、ニチノールの場合、ニッケルおよびチタンは、典型的には、55%~60%ニッケルおよび40~45%チタン(重量で)の範囲に及ぶ原子百分率で存在する。例えば、ニチノール55は、55%ニッケルおよび45%チタンを含む。代替的に、ニチノール60は、60%ニッケルおよび40%チタン(重量%)を含む。
【0046】
図15を参照すると、第1のタグ500Aおよび第2のタグ500Bは、リンカ504に連結される。第1のタグ500Aおよび第2のタグ500Bは、熱収縮チューブ508(または他の同様の保持手段)によってリンカ504に機械的に連結されるガラスタグである。リンカ504は、ニチノールワイヤ製であり、第1のタグ500Aと第2のタグ500Bとの間に位置付けられるねじりばね512を含む。
【0047】
いくつかの実施形態において、リンカは、2つ以上の結合タグを、対象内に置かれる前に第1の位置に保持し、結合タグはその後、対象内に置かれた後に、第2の位置を形成する。例えば、結合タグが、対象内に結合タグを位置付けるために使用される導入デバイス内に適合するように、結合タグは、まず、対象内に置かれる前に、拘束配置に保持され得る。これは、結合タグが導入デバイス内に適合することを可能にするために折り曲がる、または屈曲するプラスチックリンカの使用によって達成され得る。代替的に、これは、導入デバイス内への配置を可能にするために第1の位置へと冷蔵および型成形され得る形状記憶合金リンカを使用して達成され得る。例えば、第1の位置は、少なくとも2つのタグの各々が導入デバイス(例えば、カニューレ)内に適合するために直線に配向されるように、線形形状を含み得る。結合タグはその後、対象内での位置付け後、第2の位置に入り得る。例えば、形状記憶合金(例えば、ニチノール)リンカは、対象内での位置付け後、記憶された形状(例えば、L字状、T字状、V字状など)へと再び折り曲げられ得る。別の例として、リンカは、結合タグが導入デバイス(例えば、カニューレ)内に適合することを可能にするために折り曲げられるか、または屈曲されるプラスチックであってもよく、プラスチックリンカは、結合デバイスが第2の位置へ入ることを可能にするために対象内での位置付けの際に広げられ得る。代替的に、形状記憶合金リンカは、対象内での位置付けの際に対象の体温まで加熱され、こうして合金がその「記憶した」形状へと戻ることを可能にする。
【0048】
第2の位置(例えば、対象内での位置付け後の結合タグの配置)は、任意の好適な配置であってもよい。例えば、2つの結合タグを伴う実施形態では、第2の位置は、L字状、T字状、V字状、またはX字状であってもよい。別の例として、3つ以上の結合タグを伴う実施形態では、第2の配置は、結合タグの数に応じて、三角形、正方形、矩形などの形状であってもよい。上記の配置のいずれかは、対象の組織内での結合タグの改善された固着を可能にする。いくつかの実施形態において、結合タグは、体内の標的領域をマークするために手術場所または他の臨床的に関連のある場所において対象内に置かれるように構成される。
【0049】
いくつかの実施形態において、第2の位置にあるとき、タグは、およそ15°~およそ40°の範囲内の角度(すなわち、タグ分離の角度)だけ分離される。いくつかの実施形態において、タグは、改善された6自由度の位置確認のために第2の位置においておよそ30°だけ分離される。いくつかの実施形態において、タグは、改善された6自由度位置確認のために第2の位置においておよそ25°だけ分離される。タグは、有利には、全6自由度座標システムを確立するために互いに対して十分に大きく角度付けされる一方で、両方のタグが同時に電力供給され得るように互いに対して十分に小さく角度付けされる。タグ間の0°角度は、タグがその長軸の周りを回転される際にタグ信号が変化しないことから、全6自由度座標システムが確立されることを可能にしない。同様に、タグ間の90°角度は、1つのタグがエキサイタ電場に完全に整列されて全電力を受信するとき、他のタグが電力を受信しないことから、好ましくない。タグ間の90°角度はまた、構造体全体がいつ反転されるかが曖昧である(すなわち、Tは鏡面対称を有する一方、Lは有さない)ことから、1つのタグが他のタグの中心を指す場合には好ましくない。
【0050】
いくつかの実施形態において、第2の位置は、1つまたは複数の追加の促進特徴部(例えば、ワイヤ、線、クリンプ、ワッシャなど)の使用によって達成され得る。例えば、少なくとも2つのタグは、形状記憶合金によって結合され得る。リンカおよび/またはタグは、少なくとも2つのタグが所望の配置を達成することを確実にするために、クリンプ、ワッシャなどをさらに備えるワイヤまたは線に装着され得る。例えば、ワイヤまたは線は、クリンプを含み得、クリンプ間の間隔が、少なくとも2つのタグが結合される角度(例えば、タグを結合する形状記憶合金の角度)を決定する。いくつかの実施形態において、少なくとも2つのタグの第1の位置(例えば、導入デバイス内の配置)は、直線であってもよく、ワイヤ/線は、クリンプが結合タグ/形状合金に適切な圧力を印加し、こうして、対象内に所望の第2の位置を達成するために合金を屈曲させるように、対象内へのデバイスの配置の後に引っ張られ得る。いくつかの実施形態において、第2の位置を達成すると、ワイヤ/線は、切断され、その後、対象から取り除かれ得る。これらの追加の促進特徴部を使用する例示的な実施形態は、
図16に示される。
【0051】
図16を参照すると、第1のタグ600Aおよび第2のタグ600Bは、リンカ604に機械的に連結される。第1のタグ600Aおよび第2のタグ600Bは、切断されてリンカ604へと形成されるクリップ608によって保持されるガラスタグである。例証された実施形態において、リンカ604は、切断され、第1のタグ600Aと第2のタグ600Bとの間に位置付けられる屈曲部612を伴うニチノールチューブに形成される。ワイヤ616(または線)は、リンカ604の第1の端620とリンカ604の第2の端624との間に延びる。例証された実施形態において、ワイヤ616は、第1の端および第2の端620、624の両方に形成される穴を通過する。クリンプ628A、628Bは、位置停止部を作成するためにワイヤ616に沿って位置付けられ、自己緊締ワッシャ632は、ワイヤ616に沿って調節可能に位置付けられる。自己緊締ワッシャ632は、第2の端624に対してワイヤ616に沿って相対位置第1の端620を調節するためにワイヤ616に沿って摺動するように構成される。
【0052】
図17を参照すると、第1のタグ700Aおよび第2のタグ700Bは、リンカ704に機械的に連結される。第1のタグ700Aおよび第2のタグ700Bは、リンカ704上に形成される対応するクリップ708によってリンカ704に対して保持される。リンカ704は、第1のタグ700Aと第2のタグ700Bとの間に位置付けられる屈曲部分712を伴うニチノールリンケージである。例証された実施形態において、リンカ704は、リンカ704の第1の端720においてグリップ716を含む。例証された実施形態において、グリップ716は、例えば、手術用鉗子によって把持可能であるように構成される球体である。そのようなものとして、タグ700A、700Bおよびリンカ704は、手術器具または機器によって容易に操作される。
【0053】
図18を参照すると、第1のタグ700A、第2のタグ700B、およびリンカ704は、気管支鏡、内視鏡、または同様のものへの容易な配備のためにパッケージ724(シース)内に位置付けられる。パッケージ724は、スコープ動作チャネル内へ適合するように構成される。典型的には、スコープ動作チャネルは、不連続部を含み、パッケージ724は、リンカ704およびタグ700A、700Bがそれらの不連続部に捕らえられる、または引っかかることを防ぐ。パッケージ724は、スコープ動作チャネル内の特徴部を過ぎて延びるほどに十分に長いが、動作チャネルが解剖学的構造内へ屈曲しているところに延びないほどに十分に短い。いくつかの実施形態において、パッケージ724は、およそ100cm~およそ180cmの範囲内の長さを含む。パッケージ724は、グリップ716が露出されることを除き、リンカ704を取り囲む(リンカ704を第1の位置に保持する)。グリップ716は、外科医の鉗子によって把持される。言い換えると、パッケージ724は、グリップ716を露出する切り込み728を含む。把持されると、鉗子は、タグ700A、700Bおよびリンカ704を展開部位へと押すために使用される。展開部位に到達する前、タグ700A、700Bおよびリンカ704は、適所に解放されるまで回収可能である。そのようなものとして、リンカ704は、リンカ704を適所に置く前に困難に遭遇した場合には回収される。
【0054】
少なくとも2つの結合タグの使用は、より少ないエキサイタ電場方向が、少なくとも1つのタグの方向を依然として確実にしながら生成され得るという点で、単一のタグのみの場合に勝る利点をもたらす。したがって、タグは、2つの結合タグのうちの少なくとも1つの検出の損失のリスクを冒すことなく、異なる配向で対象内に置かれ得る。いくつかの実施形態において、リンカは、少なくとも2つのタグを、組織内に存在するとき、第2の位置に保持するように構成され、上記第2の位置にある上記タグのうちの少なくとも1つは、およそX次元を指し示し、上記タグのうちの少なくとも1つは、およそY次元を指し示す。いくつかの実施形態において、3つのタグが使用され、上記第2の位置にあるとき、i)第1のタグは、およそX次元を指し示し、ii)第2のタグは、およそY次元を指し示し、iii)第3のタグは、およそZ次元を指し示す。
【0055】
2つ以上の結合タグの各々の間の任意の好適な間隔が使用され得る。例えば、2つ以上の結合タグは、タグが体内の標的領域(例えば、腫瘍)をマークすることを可能にするために好適な距離で互いから離間され得る。そのような実施形態において、少なくとも2つのタグの各々の間の適切な間隔は、標的(例えば、腫瘍)の予測サイズおよび形状に基づいて決定され得る。いくつかの実施形態において、結合タグの各々の間の間隔は同じである。いくつかの実施形態において、結合タグのうちの2つ以上の間の間隔は、可変である(例えば、タグAとBとの間の距離は、タグAとCとの間の距離、またはタグBとCとの間の距離とは異なり得る)。いくつかの実施形態において、第1のタグおよび第2のタグは、クロスカップリングの影響を低減するために、少なくともおよそ2mm分離される。
【0056】
いくつかの実施形態において、第2の構成要素は、磁場を生成する遠隔活性化デバイス(例えば、エキサイタアセンブリ)を備える。いくつかの実施形態において、第2の構成要素は、結合タグを含む対象の近く(例えば、下)に位置付けられたデバイス内に配置される。いくつかの実施形態において、第3の構成要素は、第2の構成要素によって生成される磁場に曝露されるとタグによって生成される信号を受信するように構成される複数のセンサ(例えば、観察ステーション)を備える。いくつかの実施形態において、第2および第3の構成要素は、同じデバイス内に物理的に含まれる(例えば、
図4Aに示されるように)。いくつかの実施形態において、第4の構成要素が、医療デバイス場所エミッタを備える。第4の構成要素は、医療デバイス内に統合され得るか、または装着構成要素(例えば、シース)に装着されるか、別途これと関連付けられ得る。第4の構成要素は、電気ワイヤフィードを介して、または第2の構成要素によって生成される磁場への曝露の際に、信号を生成する1つまたは複数の場所エミッタ(例えば、信号を放出するアンテナ、または他のタイプのエミッタ)を備え、上記信号は、第3の構成要素によって検出可能である。いくつかの実施形態において、第5の構成要素が、第3の構成要素の観察ステーションから情報を受信し、タグ、医療デバイス、および観察ステーションの相対的な場所、距離、または他の特徴に関する情報を生成するプロセッサを備えるコンピューティングデバイスを備える。いくつかの実施形態において、第5の構成要素は、そのように生成された情報をシステムのユーザに表示するディスプレイを備える。
【0057】
いくつかの実施形態において、第1の構成要素は、2つ以上のタグ(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12など)である。いくつかの実施形態において、タグは、同一タイプのものである。他の実施形態において、タグは、異なるタイプのものである。
【0058】
任意の数のタグ設計が用いられ得る。いくつかの実施形態において、結合タグのうちの少なくとも1つは、鉄ペレットまたは粒子を含むか、またはこれから成る。鉄の物体が磁場内に導入されるとき、この物体は、交互磁場内に不規則性を作り出し、これは観察ステーション内に含まれるセンスコイルによって検出可能であり、ヌルから相および振幅シフトをもたらす。ヌルは、鉄の物体が2つのセンスコイルに対して物理的に等距離にあるとき、回復される。
【0059】
いくつかの実施形態において、結合タグのうちの少なくとも1つは、共振でAC磁場によって電力供給される集積回路(IC)に連結されるフェライト磁心コイルアンテナ(例えば、100~200kHzで共振する)を備える。いくつかの実施形態において、磁心は、筐体(例えば、円筒ガラスまたはプラスチックハウジング)に含まれる。いくつかの実施形態において、エキサイタアンテナは、タグに電力供給するために十分なレベルで従来の発振器および電力増幅器によって駆動される。いくつかの実施形態において、埋め込みタグは、エキサイタからの連続波(CW)キャリア電力を振幅変調(AM)し、こうして、タグのカウンタ内にプログラムされる数によって規定される周波数で側波帯を放出する。いくつかの実施形態において、これらの側波帯、ならびに、はるかにより強力なCWキャリアは、最終的に第3の構成要素によって検出される。
【0060】
いくつかの実施形態において、結合タグのうちの少なくとも1つは、自己共振物体(例えば、巻線インダクタを伴う小さいフェライト磁心)を備える。巻線インダクタは、インダクタンスと組み合わせて高周波数共振回路を生成する巻間容量を保有する。いくつかの実施形態において、結合タグのうちの少なくとも1つは、共振物体を備える(例えば、自己共振物体には、定められた周波数で共振をもたらすためにチップコンデンサが装備される)。特定の実施形態において、チップコンデンサは、誘電体共振アンテナではなく、代わりに、標準薄膜コンデンサ、または多層セラミックコンデンサ(MLCC)である。誘電体共振アンテナコンデンサは、低周波数(例えば、100~200kHz)ではあまり効果的ではないため、誘電体共振アンテナコンデンサは、本方法における使用にはあまり適していない場合がある。対照的に、標準薄膜コンデンサまたはMLCCは、低周波数(例えば、100~200kHz)で一貫した機能性を有するように作成され得る。さらには、標準薄膜コンデンサまたはMLCCは、それらが、(例えば、対象内に置かれると)周囲温度および体温の両方において効果的に動作するように、温度とは独立して、一貫した機能性を提供するように製造され得る。加えて、標準薄膜コンデンサまたはMLCCは、誘電体共振アンテナよりも安価である。
【0061】
いくつかの実施形態において、タグは、ダイオードを伴う共振または自己共振物体を備える。LC回路と組み合わせたダイオードは、十分な強度の磁場に浸される(課された電圧がダイオードのバンドギャップ電位を超える)とき、分数調波周波数をもたらす。いくつかの実施形態において、タグは、能動変調器を伴う共振物体または自己共振物体を備える(例えば、集積回路振幅が共振回路を変調する)。いくつかの実施形態において、検出は、変調パターンが、コード化されたバイナリパターンではなくむしろ単純な分数調波であることを除き、全二重(FDX)無線周波数識別(RFID)と類似して発生し、いくつかの実施形態において、検出は、半二重(HDX)動作モードと類似して励起後に発生する。
【0062】
いくつかの実施形態において、結合タグのうちの少なくとも1つは、1回使用のために構成される。いくつかのそのような実施形態において、結合タグは、無効化または不活性化され得る(例えば、EASタグのように)。これは特に、複数のタグが手技において使用される場合に有用であり、この場合、個々のタグは、他のタグの検出をより容易にするために(例えば、複数のタグ間の干渉を回避または低減するために)オフにされる。いくつかの実施形態において、外部デバイスからのエネルギー爆発が、タグを無効化または不活性化するために使用される。他の実施形態において、結合タグのうちの少なくとも1つは、外部デバイスから命令を受信すると、タグをオンまたはオフにする(例えば、タグは、一時的または永久に「話す」のを止める)内部制御構成要素を有する。
【0063】
いくつかの実施形態において、結合タグの各々は、外側長さ、幅、および深さを有し、長さは、30mm以下(例えば、20mm以下、...、10mm以下、...、9mm以下、...、8mm以下、...、5mm以下、...、3mm以下、...など)であり、幅は、5mm以下(例えば、4mm以下、...、3mm以下、...、2mm以下、...、1mm以下、...0.5mm以下、...など)、および深さは、5mm以下(例えば、4mm以下、...、3mm以下、...、2mm以下、...、1mm以下、...0.5mm以下、...など)である。
【0064】
いくつかの実施形態において、結合タグの各々は、ハウジングまたはシース内に含まれる。いくつかの実施形態において、ハウジングは用いられない。いくつかの実施形態において、結合タグのうちの少なくとも1つは、ハウジング内に含まれ、結合タグのうちの少なくとも1つは、ハウジング内に含まれない。いくつかの実施形態において、ハウジングは、生体適合性材料を含む。いくつかの実施形態において、ハウジングは、信号源をハウジングの外側と分離する液体および/またはガス抵抗バリアを提供する。いくつかの実施形態において、ハウジングは小さく、針、カニューレ、内視鏡、カテーテル、または他の医療デバイスを通じた結合タグの投与を可能にする。いくつかのそのような実施形態において、ハウジングは、外側長さ、幅、および深さを有し、長さは、30mm以下(例えば、20mm以下、...、10mm以下、...、9mm以下、...、8mm以下、...、5mm以下、...、3mm以下、...など)であり、幅は、5mm以下(例えば、4mm以下、...、3mm以下、...、2mm以下、...、1mm以下、...0.5mm以下、...など)、および深さは、5mm以下(例えば、4mm以下、...、3mm以下、...、2mm以下、...、1mm以下、...0.5mm以下、...など)である。ハウジングは、任意の所望の形状のものであってもよい。いくつかの実施形態において、ハウジングは、長さ軸に沿って円筒である。いくつかの実施形態において、ハウジングは、米粒のように形状化される(例えば、丸みを帯びた端を伴う円筒)。いくつかの実施形態において、ハウジングは、柱のように形状化される(例えば、平坦な端を伴う円筒)。いくつかの実施形態において、ハウジングは、長さ軸に沿って多角形である(例えば、断面が三角形、正方形、矩形、台形、五角形など)。いくつかの実施形態において、ハウジングは、タグを適所に保って組織内での移動を回避するために支柱または他の固定具を有する。これらの支柱は、組織への配置の際に展開し得る。いくつかの実施形態において、固定具は、周囲組織と接着する生体適合性材料であってもよい。有利には、シースを含まない2つの結合タグの実施形態は、より狭い屈曲半径で位置付けられることができる。
【0065】
いくつかの実施形態において、ハウジングは、タグの内部構成要素の周りに合成される単一の均一な構成要素である。他の実施形態において、ハウジングは、タグの内部構成要素の導入後に一緒に封止される2つ以上の別個の区域で構成される。いくつかの実施形態において、タグは、コーティングで完全または部分的に被覆される。いくつかの実施形態において、コーティングは、生体適合性材料(例えば、パリレン-Cなど)を含む。
【0066】
いくつかの実施形態において、結合タグのうちの1つまたは複数は、いかなる電源も含まない。いくつかの実施形態において、結合タグの各々は、いかなる電源も含まない。例えば、いくつかの実施形態において、信号は、活性化イベント(すなわち、電磁誘導)として磁場に応答して信号源から生成される。
【0067】
いくつかの実施形態において、結合タグのうちの少なくとも1つは、無線周波数識別(RFID)チップを(例えば、ハウジング内に)含む。例えば、結合タグの各々は、RFIDチップを含み得る。いくつかの実施形態において、RFIDチップは、リーダデバイスによってクエリされるとき、コード化された識別番号および/または他のコード化された情報を転送するために、外部磁場を変調する無線周波数電磁場コイルを備える。いくつかの実施形態において、RFIDチップは、第2の構成要素(または他のデバイス)によって生成されるEM磁場からエネルギーを収集し、次いで、マイクロ波またはUHF電波を放出するために受動トランスポンダとして作用する。いくつかの実施形態において、RFIDチップは、読み出し専用である。他の実施形態において、それは、読み出し/書き込み用である。本技術は、RFIDチップによって提供される情報の性質によって制限されない。いくつかの実施形態において、情報は、シリアル番号、ロットまたはバッチ番号、時間情報(例えば、製造日、手術日など);患者特有の情報(例えば、名前、家族歴、摂取薬物、アレルギー、危険因子、手技タイプ、性別、年齢など);手技特有の情報などを含む。本技術は、使用される周波数によって制限されない。いくつかの実施形態において、RFID周波数は、120~150kHz帯(例えば、134kHz)、13.56MHz帯、433MHz帯、865~868MHz帯、902~928MHz帯、2450~5800MHz帯または同様のものにある。いくつかの実施形態において、RFIDチップは、その効果を増大させるためにブラウザベースのソフトウェアと合体される。いくつかの実施形態において、このソフトウェアは、異なるグループ、または特定の病院スタッフ、看護師、および患者が、タグ、手技、または人に関連したリアルタイムデータを見ることを可能にする。いくつかの実施形態において、リアルタイムデータは、履歴報告機能性を活用するため、および様々な業界規則の順守を証明するために格納およびアーカイブされる。いくつかの実施形態において、RFIDチップは、センサデータ(例えば、温度、動きなど)を報告する。いくつかの実施形態において、RFIDチップは、後で(例えば、手術後)に読まれる情報を含有または収集する。いくつかの実施形態において、情報は、手術中にレビューされる。例えば、メッセージが、外科医を誘導する(例えば、適切なマージンを伴った腫瘍の除去を最適化すること)のを支援するために外科医に提供され得る(例えば、「チップは、腫瘍のちょうど左にある」)。
【0068】
いくつかの実施形態において、2つ以上の結合タグの各々は、同じ構成要素から成る。言い換えると、結合タグの各々は、タグが固有に識別可能であるために異なる電気的特性を伴う構成要素から成る必要はない。いくつかの実施形態において、結合タグの各々は、信号源およびハウジング、または信号源、ハウジング、およびRFIDチップから成るか、または実質的にこれらから成る。いくつかの実施形態において、タグは(例えば、チップを介して)、超音波信号(例えば、グレースケール、スペクトル、またはカラードプラ)を、信号が超音波プローブまたはハンドヘルド・ドプラ装置によって検出可能であるように放出する。
【0069】
いくつかの実施形態において、タグは、手技中に加熱される(例えば、外部エネルギー源への曝露により)。いくつかのそのような実施形態において、加熱は、組織の凝固もしくは前凝固を支援するため、または温熱療法を提供するために使用され得る(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許公開第2008/0213382号を参照)。加熱はまた、放射線療法の効果を向上させるために使用され得る。
【0070】
いくつかの実施形態において、第2の構成要素は、遠隔活性化デバイスを提供する。いくつかの実施形態において、遠隔活性化デバイスは、少なくとも1つの励起コイルを備える。いくつかの実施形態において、遠隔活性化デバイスは、2つ以上の励起コイルを備える(例えば、
図4Aに示されるエキサイタアセンブリ)。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの励起コイルは、ベース基板上に提供される。ベース基板は、任意の好適な材料から成ってもよく、これは、例えば、ポリカーボネートまたは同様のものであってもよく、典型的には、非磁性および非導電性である。
【0071】
いくつかの実施形態において、励起コイルは、患者上または手術台の上に置かれるパッチまたはパッド内に提供されるが、それは、タグの機能距離内の任意の所望の場所に位置付けられ得る。いくつかの実施形態において、遠隔活性化デバイスは、1つまたは複数のエキサイタアンテナに由来するAC磁場を提供する。いくつかの実施形態において、本システムが乳房腫瘍を位置確認するために使用される場合、パッチは、治療される乳房を取り囲むか、または別途乳房の近くに置かれる。同様の手法が、身体の他の標的領域に対して使用され得る。いくつかの実施形態において、励起コイルを含有するパッドが、患者の真下に置かれる。そのような実施形態において、大きなコイルまたは複数のコイルが用いられる。励起コイルは、誘電体基板上でパターン化される平板導体のいくつかの巻きを備え得るか、もしくはこれから成り得、または、好適な心棒の周りに巻かれる磁石ワイヤを備え得るか、もしくはこれから成り得、コイルは、外部周波数源によって電力供給され、コイルから発する磁場は、患者の身体内を貫通してタグを励起し、その放出は、検出構成要素によって検出される。
【0072】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の励起コイルは、対象または対象の一部分の周りに置かれるベルト内に含まれる。いくつかの実施形態において、外部励起コイルは、放射線療法などの患者ケアの他の態様のため、または電気手術において使用される接地電流戻りパッドとして作用するように、さらに使用され得る。いくつかの実施形態において、遠隔活性化デバイスは、光(例えば、レーザ光)を放出する。いくつかの実施形態において、遠隔活性化デバイスは、1回使用のために構成される(例えば、使い捨てである)。
【0073】
いくつかの実施形態において、遠隔活性化デバイスは、未変調一定周波数活性化を用いる(すなわち、活性化信号は、一定の振幅および周波数を有する)。いくつかの実施形態において、遠隔活性化デバイスは、未変調掃引周波数を用いる(すなわち、活性化信号は、2つの端点の間に一定の振幅および掃引周波数を有する)。そのようなデバイスは、共振タイプのタグとの使用を満たすため、結果として、伝送された周波数がタグの共振周波数と一致するとき、活性化信号の振幅における検出可能な変化が発生する。いくつかの実施形態において、遠隔活性化デバイスは、パルス周波数を用いる(すなわち、活性化信号は、周期的な周波数で短い励起パルスを含み、この周期的な周波数は、2つの密接に関わる周波数から成り得、その合計または差が、タグの応答周波数である)。パルス活性化は、ポストパルス正弦波減衰信号をもたらす。タグは、振幅または時間のいずれかにおいて、減衰する信号の特徴を変化させる。
【0074】
本明細書に提供されるシステムは、少なくとも2つの結合タグの各々が、信号伝送周波数(例えば、活性化信号)、例えば、遠隔活性化デバイスによって提供される活性化信号などに応答し得るという点において有利である。言い換えると、伝送周波数は、すべてのタグに共通である。例えば、少なくとも2つの結合タグの各々は、活性化デバイスによって提供される単一の伝送周波数に応答して固有周波数を生成するようにプログラムされ得る。少なくとも2つの結合タグは、広範囲の周波数(例えば、100~150kHz)に応答するようにプログラムされ得、各タグの応答周波数は刺激周波数に従ってスケーリングする。
【0075】
いくつかの実施形態において、遠隔活性化デバイスは、ハンドヘルド構成要素を備える。いくつかの実施形態において、ハンドヘルド構成要素は、外科医が手技にわたって構成要素を保持および操作することを可能にするために軽量である(例えば、5kg以下、4kg以下、3kg以下、2kg以下、1kg以下、0.5kg以下、0.25kg以下、またはそれらの間の任意の範囲、例えば、0.5~5kg、1~4kgなど)。いくつかの実施形態において、ハンドヘルド構成要素は、医師によって保持される近位端および結合タグを内包する治療対象または組織の方に向けられる遠位端を有する、棒のように形状化される。いくつかの実施形態において、ハンドヘルド構成要素は、構成要素の本体から傾斜して(例えば、直角に)終端する遠位端を有する、オトスコープのように形状化される。いくつかの実施形態において、遠隔活性化デバイスは、磁場を生成するアンテナを備える。いくつかの実施形態において、遠隔活性化デバイスは、単一のアンテナのみを有する(すなわち、モノスタティックである)。いくつかの実施形態において、遠隔活性化デバイスは、2つのアンテナのみを有する(すなわち、バイスタティックである)。
【0076】
いくつかの実施形態において、遠隔活性化デバイス(例えば、
図4Aに示されるエキサイタアセンブリ)の磁場は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサによって制御される。いくつかの実施形態において、遠隔活性化デバイスは、ユーザが遠隔活性化デバイスを制御すること、および/または使用中にその機能を監視することを可能にするディスプレイまたはユーザインターフェースを備える。いくつかの実施形態において、遠隔活性化デバイスは、結合タグを位置確認すること、または遠隔活性化デバイスからタグまでの距離もしくは方向を識別することにおいてユーザを支援する視覚、音声、数値、符号(例えば、矢印)、文字、または他の出力を提供する。
【0077】
いくつかの実施形態において、第3の構成要素の複数の観察コイルは、タグに対する複数の規定の場所にいくつかのアンテナ(例えば、観察アンテナ)をまとめて提供し、第2の構成要素によって生成される磁場に曝露されると1つまたは複数のタグによって生成される信号を受信するように構成される。
【0078】
いくつかの実施形態において、各観察コイルは、受信複雑性を低減するために時分割多重(TDM)化される受信チャネルをフィードする。タグおよび互いに対する規定の場所の固定された観察ステーション(例えば、患者に沿って配列される)は、タグからAC磁場の様々な構成要素を感知するために局所的に直交状に配置される1つまたは複数の(例えば、1~3つの)観察コイルを含む。いくつかの実施形態において、観察ステーション内のこれらの観察コイルのうちの1つもしくは複数またはすべてもまた、受信チャネル内へTDM化され、複雑性、ならびにアンテナ間のクロストークを低減する。
【0079】
いくつかの実施形態において、観察コイルは、フェライト充填された円筒コイルアンテナ(例えば、観察アンテナ)を備えるか、またはこれから成り、エキサイタ(例えば、タグまたはエミッタ)の周波数(例えば、100~200kHz)での共振のために同調される(例えば、並列状態にある1つまたは複数のコンデンサにより)。観察コイルの典型的な寸法は、直径3~5mmおよび長さ8~12mmであるが、より小さい寸法およびより大きい寸法の両方が用いられ得る。いくつかの実施形態において、観察ステーションアンテナは、0.635×2.54センチ(0.25×1インチ)のフェライト磁心サイズを有し、75~80巻きの10/46(#46の10ストランド)リッツ線を含み、これが0.157mH(Q=53)を提供する(75巻き)。
【0080】
いくつかの実施形態において、各観察コイルは、フェライト磁心の周りに対称に巻かれ、コイルからの各ワイヤにつき1つ、2つの直列容量を通じて小さいバラン変換器の二次に接続される。合計直列容量は、コイルのインダクタンスと共振するように選択され、バラン変換器の巻数比は、共振コイル/コンデンサ回路の実インピーダンスを、伝送線、典型的には50オームに整合させるように選択され得る。共振コイル/コンデンサ回路の実インピーダンスは、典型的には、10~25オームであるが、ほんの数オームから50オーム超まで様々であり得、またバラン変換器一次および二次巻数の適切な選択によって適切に整合され得る。インピーダンス変換器としてのその役割に加えて、バランは、観察コイルアセンブリからのいかなる電場生成/磁化率も最小限にし、交互に、それは、共通モード効果を除去すると考えられ得る。
【0081】
いくつかの実施形態において、各観察ステーションは、互いに直交して配向され、最小クロストーク(すなわち、互いとの干渉)を有するようにさらに配列される1~3つの観察アンテナを含む。観察ステーションを収納する構成要素は、観察ステーションのアンテナによって獲得される情報を収集するための1つまたは複数の受信チャネルをさらに備える。いくつかの実施形態において、受信機は、1つまたは複数チャネルを備えるか、またはこれから成り、各チャネルは、1つまたは複数の観察アンテナによって(多重化スイッチを介して)フィードされる。
【0082】
いくつかの実施形態において、観察ステーションは、患者の下(例えば、患者の下に位置付けられるパッド、衣類、または他のデバイス内)に提供される。いくつかの実施形態において、観察ステーションは、患者が医療手技中に置かれる手術台または撮像デバイス内に統合される。いくつかの実施形態において、観察ステーションは、手術室の床、壁、もしくは天井に、または医療輸送車内に置かれる。いくつかの実施形態において、観察ステーションは、医療手技において使用される医療デバイス内に統合されるか、またはこれに装着される。
【0083】
いくつかの実施形態において、第4の構成要素が、システムが1つまたは複数のタグに対する医療デバイスの場所、位置、距離、または他の特徴を決定することを可能にするために装着構成要素内の医療デバイス場所エミッタ(
図9~12を参照)を提供する。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の医療デバイス場所エミッタは、医療デバイス内または装着構成要素内に統合される。他の実施形態において、それらは、医療デバイスに装着可能である。いくつかのそのような実施形態において、場所エミッタは、医療デバイスの一部分の上を滑動する装着構成要素(例えば、スリーブ)内に提供される。場所エミッタは、タグと同じ材料として動作し得る、および/またはこれを備え得るが、組織内というよりも医療デバイス上またはその近くに位置付けられる。例えば、いくつかの実施形態において、エミッタは、キャリアおよび/または側波帯の両方により励起されるコイルを備え、エミッタがタグであるかのように信号を放出することを可能にする。他の実施形態において、場所エミッタは、電源および信号源にワイヤ接続される。
【0084】
いくつかの実施形態において、場所エミッタの場所は、複数の観察ステーション(例えば、4つ以上のステーション)においてエミッタから検出される準同時的電力を測定すること、および電力差を使用して曖昧性なしにエミッタの場所を決定するベクトル演算を実施することによって、幾何学的に達成される。このプロセスは、手技の前に既知の場所における既知のタグを使用して予備較正によって促進される。
【0085】
いくつかの実施形態において、場所エミッタを含む構成要素(例えば、装着構成要素)は、手術手技中に医療デバイスを結合タグの方へ向けることにおいてユーザを支援するために、ディスプレイをさらに備え得る。いくつかのそのような実施形態において、視覚または音声ディスプレイは、コンピュータシステムから結合タグのうちの1つまたは複数に関する場所情報を受信する医療デバイス上に提供されるか、またはこれと関連付けられる。ディスプレイは、タグへの方向および/または距離を示すLEDなどの1つまたは複数の方向指示器であってもよい。色変化が、「オンターゲット」対「オフターゲット」位置を示すために用いられ得る。特定の実施形態において、ディスプレイは、タグまでの距離情報を提示するための第1のディスプレイ(例えば、視覚、可聴、光、色、振動、触覚など);患者内の結合タグに接近するための予め設定された好ましい角度など、垂直軸配向を提示するための第2のディスプレイ(例えば、視覚、可聴、光、色、振動、触覚などのディスプレイ);および/または水平配向を提示するための第3のディスプレイ(例えば、タグに接近するときに手術デバイスが中央に位置することができるように、左右情報)を備える。いくつかの実施形態において、ディスプレイは、正しいピッチおよびヨー軸が用いられることを可能にする(非標的組織損傷を最小限にするため)複数のディスプレイ(例えば、視覚、可聴、感覚など)、ならびに/または、さらに、タグまでの距離情報を提供するディスプレイを備える。特定の実施形態において、一連の光および/または音が、外科医を誘導するディスプレイ上に提供される(例えば、外科医は、「X」個の一連の光の中心に光を保つこと、および/または警告音の音量をオフまたはできる限り低く保つことを試みる)。
【0086】
場所エミッタの場所を説明するベクトルは、埋め込みタグに対する、または(例えば、コンピュータ誘導を伴って)病変境界に対する医療デバイス(例えば、特にその先端)の空間的関係に関して外科医に視覚化ガイダンスを提供するために使用される。医療デバイスに装着される装着構成要素上での複数の場所エミッタの使用は、同じベクトル演算を使用してデバイスの主軸を決定するためにベクトルを提供する。ロボット手術システム(例えば、ダ・ヴィンチ手術システム)などのより複雑な医療デバイスが用いられる場合、デバイスの複数の異なる場所に位置する複数の場所エミッタが、デバイスの複数の構成要素(例えば、アーム)の場所、配向、および他の位置情報を提供するために用いられる。いくつかの実施形態において、場所エミッタはまた、検出器として使用される(例えば、医療デバイス上に観察ステーションを提供する)。
【0087】
いくつかの実施形態において、第5の構成要素が、タグおよびエミッタ位置情報を分析、計算、および表示するために1つまたは複数のコンピュータプロセッサおよび適切なソフトウェアを備える1つまたは複数のコンピューティングシステムを提供する(
図4A内の部品210を参照)。いくつかの実施形態において、ディスプレイは、タグ、患者、および/または医療デバイスのグラフィック描写をモニタ上に提供する。他の実施形態において、ディスプレイは、医療デバイスを移動させる、または位置付けるための方向情報を提供する。いくつかの実施形態において、本システムは、自動的に(例えば、ロボット制御で)医療デバイスまたはその1つもしくは複数の機能を制御する。いくつかの実施形態において、ディスプレイは、タグおよび/または医療デバイス情報を、以前に獲得したまたは同時に獲得した患者または標的組織の医療画像(例えば、CT、MRI、超音波、または他の画像診断法)と統合する。例えば、いくつかの実施形態において、1つまたは複数のタグを示す画像は、撮像デバイスから獲得される対象の組織または身体領域の画像と融合される。いくつかの実施形態において、情報は、リアルタイムで分析される。いくつかの実施形態において、情報は、1つまたは複数の個別の時間点において分析される。
【0088】
いくつかの実施形態において、第5の構成要素は、システムのユーザのために命令および制御機能を提供する。いくつかの実施形態において、第5の構成要素には、装着構成要素上に表示される情報を導くのを助ける情報が格納されている。例えば、情報は、装着構成要素が装着される医療デバイスのタイプ、またはどんな先端または切断器具が特定の医療デバイスと共に使用されるかについてのデータを含み得る。この点に関して、医療デバイスの切断先端の厳密な場所およびタグに対するその関係(例えば、タグまでの距離)が、外科医に通信される(例えば、切断組織に関する非常に厳密な指示のため)。そのような情報は、例えば、いくつかの実施形態において、ユーザによって制御装置もしくは装着構成要素へ手動で入力されるか、または検出構成要素が特定の医療デバイスに装着されるとき(例えば、バーコードもしくは他の指示器によって)自動的に発見される。
【0089】
本システムは、様々な医療デバイスおよび手技との使用を満たす。いくつかの実施形態において、手術デバイスは、ユーザによってオンおよびオフにされる電気手術デバイスを備え、第5の構成要素の一部である制御装置は、電気手術デバイスがオフであるとき遠隔活性化デバイスが磁場を生成することを可能にし、電気手術デバイスがオンであるとき遠隔活性化デバイスが磁場を生成することを防ぐ(例えば、手術デバイスおよび検出システムが互いに干渉しないことを確実にする)。他の実施形態において、手術デバイスは、電源コードを備え、AC電流クランプが電源コードに装着され、AC電流クランプは、制御装置に電気結合またはワイヤレス結合され、AC電流クランプは、電気手術デバイスがオンまたはオフであるときを感知し、これを制御装置に報告する(例えば、その結果として、制御装置は、手術デバイスからの磁場および遠隔活性化デバイスからの磁場が同時に活性化しないことを確実にすることができる)。
【0090】
特定の実施形態において、手術デバイスは、電気焼灼デバイス、レーザ切断デバイス、プラズマ切断デバイス、または金属切断デバイス(例えば、BOVIE MEDICALによって製造される手術デバイス)を含む。本システムの実施形態における使用を満たす医療デバイスの追加の例は、例えば、以下の米国特許:第9,144,453号、第9,095,333号、9,060,765号、第8,998,899号、第8,979,834号、第8,802,022号、第8,795,272号、第8,795,265号、第8,728,076号、第8,696,663号、第8,647,342号、第8,628,524号、第8,409,190号、第8,377,388号、第8,226,640号、第8,114,181号、第8,100,897号、第8,057,468号、第8,012,154号、第7,993,335号、第7,871,423号、第7,632,270号、第6,361,532号に見られ、それらのすべてが、それらの全体において、および特に本明細書に開示されるハンドヘルド医療デバイスに関して、参照により本明細書に組み込まれる。
【0091】
いくつかの実施形態において、装着構成要素は、外科医を1つまたは複数のタグの方へ向けるためのディスプレイ構成要素を有するか、またはこれに装着される。いくつかの実施形態において、ディスプレイ構成要素は、i)空間配向指示器(例えば、視覚、可聴など)、および/またはii)タグまでの距離指示器(例えば、視覚、可聴など)を提供する。いくつかの実施形態において、ディスプレイ構成要素は、タグまでの距離情報を提示するための第1のディスプレイ(例えば、視覚、可聴、光、色、振動、触覚など);患者内のタグに接近するための予め設定された好ましい角度など、垂直軸配向を提示するための第2のディスプレイ(例えば、視覚、可聴、光、色、振動、触覚などのディスプレイ);および/または水平配向を提示するための第3のディスプレイ(例えば、タグに接近するときに手術デバイスが中央に位置するように、左右情報)を備える。いくつかの実施形態において、ディスプレイ構成要素は、正しいピッチおよびヨー軸が用いられることを可能にする(非標的組織損傷を最小限にするため)複数のディスプレイ(例えば、視覚、可聴、感覚など)、ならびに/または、さらに、タグまでの距離情報を提供するディスプレイを備える。特定の実施形態において、医療デバイスは、外科医がエミッタおよびディスプレイ構成要素を配向する前に、患者の身体の周りを移動される。特定の実施形態において、一連の光および/または音が、外科医を誘導するディスプレイ構成要素上に提供される(例えば、外科医は、「X」個の一連の光の中心に光を保つこと、および/または警告音の音量をオフまたはできる限り低く保つことを試みる)。
【0092】
本明細書に開示される結合タグは、特定の身体領域、身体部位、器官、または組織内への配置に限定されない。例えば、いくつかの実施形態において、タグは、頭部、頸部、胸部、腹部、骨盤、上肢、または下肢身体領域に置かれる。いくつかの実施形態において、タグは、骨格系、筋肉系、心循環系、消化器系、内分泌系、外皮系、泌尿器系、リンパ系、免疫系、呼吸器系、神経系、または生殖器系などの器官系内に置かれる。いくつかの実施形態において、タグは、器官内に置かれる。そのような器官は、心臓、肺、血管、靱帯、腱、唾液腺、食道、胃、肝臓、胆嚢、膵臓、腸、直腸、肛門、視床下部、脳下垂体、松果体、甲状腺、副甲状腺、副腎、皮膚、髪、脂肪、爪、腎臓、尿管、膀胱、尿道、咽頭、喉頭、気管支、横隔膜、脳、脊髄、末梢神経系、卵巣、卵管、子宮、膣、乳腺、精巣、精管、精嚢、および前立腺を含み得る。いくつかの実施形態において、タグは、結合、筋、神経、および上皮組織などの組織内に置かれる。そのような組織は、心筋組織、骨格筋組織、平滑筋組織、疎性結合組織、密性結合組織、網様結合組織、脂肪組織、軟骨、骨、血液、繊維結合組織、弾性結合組織、リンパ球結合組織、乳輪結合組織、単層扁平上皮、単層立方上皮、単層円柱上皮、重層上皮、多裂上皮、および移行上皮を含み得る。
【0093】
いくつかの実施形態において、タグが位置する組織領域は、病変を含む。いくつかの実施形態において、病変は、腫瘍、または腫瘍を形成するリスクがあると識別される組織領域である。例えば、結合タグが腫瘍の外縁を線引きするように、1つのタグは、腫瘍の境界に置かれ得、別のタグは、腫瘍の第2の境界に置かれ得る。いくつかの実施形態において、病変は、線維化組織である。いくつかの実施形態において、病変は、炎症または感染領域である。いくつかの実施形態において、タグは、器官の機能または他のプロセスを検出するか、位置確認情報を提供するために、内腔内に置かれる。例えば、タグは、飲み込まれ得るか、または内視鏡により中空器官内に置かれ得る。いくつかの実施形態において、組織領域は、健康な組織である。いくつかの実施形態において、2つの結合タグは、病変からオフセットで位置付けられる。いくつかの実施形態において、2つの結合タグは、最大およそ5mmまで気道内に位置付けられる。
【0094】
いくつかの実施形態において、結合タグは、固形腫瘍内に置かれる。タグが置かれ得る固形腫瘍の例は、異常基底細胞癌、腺房細胞腫瘍、腺房細胞癌、腺癌、腺様嚢胞癌、腺様/偽腺様扁平上皮癌、付属器新生物、副腎皮質腺腫、副腎皮質癌、アプドーマ、基底細胞癌、類基底扁平上皮癌、カルチノイド、胆管細胞癌、瘢痕性基底細胞癌、明細胞腺癌、明細胞扁平上皮癌、混合型小細胞癌、面皰癌、複合上皮癌、円柱腫、嚢胞腺癌、嚢胞腺腫、嚢胞性基底細胞癌、嚢胞性新生物、腺管癌、類内膜腫瘍、上皮性新生物、乳房外ページェット病、家族性腺腫性ポリポーシス、ピンカスの線維上皮腫、ガストリノーマ、グルカゴノーマ、グラヴィッツ腫瘍、肝細胞腺腫、肝細胞癌、汗嚢腫、ハースル細胞、浸潤性基底細胞癌、インスリノーマ、表皮内扁平上皮癌、浸潤性小葉癌、内反性乳頭腫、ケラトアカントーマ、クラツキン腫瘍、クルケンベルグ腫瘍、大型細胞角化扁平上皮癌、大型細胞非角化扁平上皮癌、形成性胃炎、脂肪肉腫、小葉癌、リンパ上皮癌、乳管癌、髄様癌、乳房の髄様癌、甲状腺髄様がん、小結節性基底細胞癌、斑状強皮症型基底細胞癌、硬化性基底細胞癌、粘液性癌、粘液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺腫、粘表皮癌、多発性内分泌腫瘍症、神経内分泌腫瘍、結節性基底細胞癌、オンコサイトーマ、骨肉腫、卵巣漿液性嚢胞腺腫、乳房のパジェット病、膵管癌、膵漿液性嚢胞腺腫、乳頭癌、乳頭状汗腺腫、乳頭漿液性嚢胞腺癌、乳頭扁平上皮癌、色素沈着基底細胞癌、ポリープ状基底細胞癌、孔様基底細胞癌、プロラクチノーマ、腹膜偽粘液腫、腎細胞癌、腎膨大細胞腫、蚕食性潰瘍、漿液性癌、漿液性嚢胞腺癌、印環細胞癌、印環細胞扁平上皮癌、皮膚付属器腫瘍、小細胞癌、小細胞角化扁平上皮癌、ソマトスタチノーマ、紡錘細胞扁平上皮癌、扁平上皮癌、扁平上皮型肺癌、扁平細胞甲状腺癌、表在性基底細胞癌、表在性多中心性基底細胞癌、乳頭状汗管のう胞腺腫、汗管腫、胸腺腫、移行上皮癌、いぼ状癌、いぼ状扁平上皮癌、ビポーマ、およびWarthin腫瘍を含むがこれらに限定されない、癌腫、リンパ腫、および肉腫を含む。
【0095】
いくつかの実施形態において、結合タグを置くことは、導入デバイスを対象内へ挿入するステップ、および導入デバイスを通じて対象内へ結合タグを導入するステップを含む。いくつかの実施形態において、導入デバイスは、針、カニューレ、または内視鏡である。いくつかの実施形態において、結合タグは、導入デバイスへ(例えば、物理的な力、圧力、または任意の好適な技術により)押し通され、導入デバイスの遠位端において対象内へ解放される。タグが置かれた後、導入デバイスは、タグを対象との所望の位置に残して撤退される。いくつかの実施形態において、タグの導入は、撮像技術によって誘導される。いくつかの実施形態において、結合タグは、所望の位置へと移動されながら、パッケージ内に位置付けられる。
【0096】
本明細書に提供される実施形態において、複数のタグが、対象内へ置かれる。タグは、互いに結合される(例えば、リンカによって)。タグは、同一タイプのものであり得るが、または異なり得る(例えば、信号タイプが異なる)。タグは、互いに近接して、または離れた場所に置かれ得る。複数のタグは、いくつかの実施形態において、医療介入を意図した場所を三角測量するために使用され得る。
【0097】
いくつかの実施形態において、タグは、放射線療法(または他の標的療法)のための基準としてさらに使用される。タグの場所は、外部リーダにより識別され、例えば、レーザ光を、まさにチップが位置する皮膚表面に置くために使用される。これは、基準を見るためにX線、CT、または蛍光透視を使用する必要性を排除する。これはまた、患者に皮膚マーカ(例えば、タトゥー)をつける必要性を低減または排除する。これはまた、基準が肺または腹部内の腫瘍と共に上下に移動するため、呼吸性代償を助ける。したがって、腫瘍が正しい位置にあるときにのみリアルタイム放射を実行し、背景組織に対する損傷を減少させる(例えば、腫瘍が上下に移動するとき、患者内の縦縞を焼くことを回避する)ことができる。導波器療法(例えば、放射線療法)のための基準としての使用はまた、深さ情報(信号強度に基づく)が付随的損傷を最小限にするように腫瘍の位置確認を支援するため、三角測量を向上させる。
【0098】
いくつかの実施形態において、本明細書では、a)2つ以上の結合タグ(例えば、アンテナ;例えば、コイルアンテナ;例えば、フェライト磁心コイルアンテナ;例えば、集積回路に連結されるアンテナ;例えば、100~200kHzで共振するアンテナ、を備える)、b)タグの領域内に磁場を生成する遠隔活性化デバイス、およびc)複数のセンサ(例えば、観察ステーション)であって、観察ステーションの各々が、タグによって生成される情報、または上記タグによって引き起こされる、遠隔活性化デバイスによって生成される磁場における変化を検出するように構成されるアンテナを備える、複数のセンサ、のうちの1つもしくは複数またはすべてを用いたシステムおよび方法が提供される。いくつかの実施形態において、結合タグのうちの少なくとも1つは、磁場による活性化の際に規定の周波数で側波帯を放出し、観察ステーションがそのような側波帯を検出する。いくつかの実施形態において、結合タグのうちの少なくとも1つは、タグ内のカウンタ内へプログラムされる数によって規定される周波数で側波帯を放出する。
【0099】
いくつかの実施形態において、遠隔活性化デバイスは、例えば、遠隔活性化デバイスに電気接続されるジェネレータによって電力供給される励起コイルを備える。いくつかの実施形態において、遠隔活性化デバイスは、患者内に埋め込まれる結合タグを有する患者に近接して(例えば、下、上、横に)置かれるように構成されるパッドを備える。いくつかの実施形態において、パッドはまた、観察ステーションを含む。
【0100】
特定の実施形態において、本明細書では、タグの領域内に磁束を生成する遠隔活性化デバイスを備えるデバイスおよびシステムが提供され、遠隔活性化デバイスは、a)ベース基板、b)磁束を生成するベース基板に装着される少なくとも1つのエキサイタコイル、およびc)ベース基板に装着される複数の観察ステーションアセンブリを備え、観察ステーションアセンブリの各々は、センシング軸を有し、かつi)コイルなし近位端、コイルなし遠位端、および中央領域を有する磁心であって、金属を含む磁心、ならびにii)磁心の中央領域の周りに巻かれるコイル巻線を備える、観察コイルを備え、観察ステーションアセンブリの各々は、観察コイルの各々のセンシング軸が、A)磁心の近位端から遠位端へ延び、B)i)磁束、および/またはii)少なくとも1つのエキサイタコイルに対して直角、または実質的に直角であるように、ベース基板上に配向される。特定の実施形態において、少なくとも1つのエキサイタコイルは、電流を時計回りまたは反時計回り方向に選択的に流すように構成される。他の実施形態において、観察コイルの各々のセンシング軸は、時計回り方向および反時計回り方向の両方について、磁束に対して実質的に直角である。
【0101】
特定の実施形態において、エキサイタコイルの各々は、中央平面を備え、観察ステーションアセンブリの各々は、観察コイルの各々のセンシング軸が、C)エキサイタコイルの各々の中央平面と同一平面上にあるように、ベース基板上にさらに配向される。特定の実施形態において、磁束は、実質的にXおよび/またはY方向に生成されるとき観察コイル内に信号を誘起しない。
【0102】
他の実施形態において、観察ステーションアセンブリの各々は、i)第1および第2の観察コイルブラケット、ならびにii)第1および第2のエラストマ部品をさらに備え、磁心のコイルなし近位端は、第1の観察コイルブラケットと第1のエラストマ部品との間に固定され、磁心のコイルなし遠位端は、第2の観察コイルブラケットと第2のエラストマ部品との間に固定される。さらなる実施形態において、第1および第2の観察コイルブラケットは各々、少なくとも1つの調節部品を備える。他の実施形態において、少なくとも1つの調節部品は、少なくとも1つのねじおよび/または少なくとも1つの棒を備える。特定の実施形態において、本明細書では、観察コイルを、それらのセンシング軸が磁束および/または少なくとも1つのエキサイタコイルに対して直角または実質的に直角であるように、調節するために調節部品を用いる方法が提供される。
【0103】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの調節部品は、観察コイルの各々のセンシング軸が、それが、X、Y、またはZ方向のうちの1つまたは複数において磁束に対して直角または実質的に直角であるように、調節されることを可能にする。いくつかの実施形態において、観察コイルの各々のセンシング軸は、それがXおよびY方向に対して直角であるように調節され得る。さらなる実施形態において、磁束は、実質的にZ方向に選択的にさらに生成され得、観察ステーションアセンブリの各々は、観察コイルの各々のセンシング軸が磁束Z方向に対して直角または実質的に直角であるように、ベース基板上で配向される。さらなる実施形態において、磁束は、実質的にZ方向に生成されるとき観察コイル内に信号を誘起しない。さらなる実施形態において、少なくとも1つの調節部品は、観察コイルの各々のセンシング軸が、それが、X、Y、およびZ方向の各々において磁束に対して直角または実質的に直角であるように、調節されることを可能にする。いくつかの実施形態において、金属は、フェライトを含む。
【0104】
他の実施形態において、観察ステーションアセンブリの各々は、観察コイルの各々のセンシング軸が少なくとも1つのエキサイタコイルに対して直角または実質的に直角であるように、ベース基板上で配向される。例えば、観察ステーションアセンブリの各々は、センシング軸が、少なくとも2つのエキサイタコイル、少なくとも3つのエキサイタコイル、または少なくとも4つのエキサイタコイルに対して直角または実質的に直角であるように、ベース基板上に配向され得る。いくつかの実施形態において、観察ステーションアセンブリの各々は、観察コイルの各々のセンシング軸が、XおよびY方向の各々において磁束に対して直角または実質的に直角であるように、ベース基板上で配向される。さらなる実施形態において、4つ以上のエキサイタコイルは、4つのエキサイタコイルまたは6つのエキサイタコイルである。他の実施形態において、4つのエキサイタコイルは、座標(X1,Y1)、(X1,Y2)、(X2,Y1)、および(X2,Y2)を中心とする2列のレイアウトにある。追加の実施形態において、遠隔活性化デバイスは、3つの電流構成:a)Z軸に垂直の平面と整列される、または実質的に整列されるエキサイタコイルをシミュレートするために、すべての電流が時計回り、b)X軸に整列される、または実質的に整列されるエキサイタコイルをシミュレートするために、電流を反時計回りに流す、(X2,Y1)、(X2,Y2)を中心とするエキサイタコイル、およびc)Y軸に整列される、または実質的に整列されるエキサイタコイルをシミュレートするために、電流を反時計回りに流す、(X1,Y2)、(X2,Y2)を中心とするエキサイタコイルを含む。
【0105】
いくつかの実施形態において、観察コイルのセンシング軸は、少なくとも4つのエキサイタコイルと観察コイルとの間の分離がXおよびY方向において60dB以上であるとき、実質的に直角である。他の実施形態において、観察コイルのセンシング軸は、少なくとも4つのエキサイタコイルと観察コイルとの間の分離がX、Y、およびZ方向において60dB以上であるとき、実質的に直角である。
【0106】
特定の実施形態において、本明細書では、タグに信号を発生させるために少なくとも第1、第2、および第3の磁場(例えば、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、および/または第8の磁場)を生成することを循環するエキサイタアセンブリを備えるシステムおよびデバイスが提供され、エキサイタアセンブリは、A)ベース基板、B)ベース基板に装着される第1のエキサイタコイルを備え、第1のエキサイタコイル内の電流は、第1、第2、および第3の磁場が生成されるとき、時計回りに進む。いくつかの実施形態において、エキサイタは、C)ベース基板に装着される第2のエキサイタコイルをさらに備え、第2のエキサイタコイル内の電流は、第1および第2の磁場が生成されるとき時計回りに進み、第3の磁場が生成されるとき反時計回りに進む。いくつかの実施形態において、エキサイタアセンブリは、D)ベース基板に装着される第3のエキサイタコイルをさらに備え、第3のエキサイタコイル内の電流は、第1および第3の磁場が生成されるとき時計回りに進み、第2の磁場が生成されるとき反時計回りに進む。いくつかの実施形態において、エキサイタアセンブリは、E)ベース基板に装着される第4のエキサイタをさらに備え、第4のエキサイタコイル内の電流は、第1の磁場が生成されるとき時計回りに進み、第2および第3の磁場が生成されるとき反時計回りに進む。
【0107】
エキサイタコイルは、例えば、周波数が増加する際に発生する表皮効果に起因する抵抗損失を最小限にするために、リッツ線を使用して巻かれ得る。巻きの数は、一般的には、コイル「Q」(インダクタンス/抵抗の比率)を最大限にするように選択される。例示的なコイル例は、38 AWG ワイヤの100ストランドから成る63巻きのリッツ線である。個々のコイルのインダクタンスは、約1.1mHであり、Q(抵抗に対する誘導性リアクタンスの比率)は、134.5KHzにおいて500を超える。異なる値のインダクタンスおよびQを有する他のワイヤを使用した他のコイル構造が使用され得る。しかしながら、一般的には、効率の損失およびより大きい熱的加熱を結果としてもたらす抵抗損失を最小限にするために「Q」をできる限り高く保つことが所望される。
【0108】
いくつかの実施形態において、本明細書では、a)ベース基板、b)基板に装着され、タグに信号を生成させるための磁場を生成するように構成される第1のエキサイタコイル、およびc)第1のエキサイタコイルに電気結合されるバラン回路を備えるシステムおよびデバイスが提供される。いくつかの実施形態において、本システムおよびデバイスは、基板に装着され、タグに信号を生成させるための磁場を生成するように構成される第2のエキサイタコイル、およびc)第2のエキサイタコイルに電気結合されるバラン回路をさらに備える。いくつかの実施形態において、本システムおよびデバイスは、基板に装着され、タグに信号を生成させるための磁場を生成するように構成される第3のエキサイタコイルまたは第3および第4のエキサイタコイル、ならびにc)第3のエキサイタコイルまたは第3および第4のエキサイタコイルに電気結合されるバラン回路をさらに備える。
【0109】
特定の実施形態において、第2のエキサイタコイル、第2および第3のエキサイタコイル、または、第2、第3、および第4のエキサイタコイルの各々は、コイルを通る電流の方向を制御するスイッチに動作可能に接続される。特定の実施形態において、各スイッチは、中継器素子、PINダイオード、電界効果トランジスタ、または他のソリッドステートスイッチングデバイスを備える。特定の実施形態において、各スイッチは、追加的に、コイル極性を変えることから生じる全コイルインダクタンスにおける変化に関わりなく、エキサイタコイルの直列結合の共振周波数を一定に保つために、少なくとも1つのコンデンサ(例えば、2つのコンデンサ)を回路内へスイッチングする。
【0110】
例示的なエキサイタコイルシステムのインダクタンスは、各々個々のコイルについてQ>500で1.1mHである。4コイルのものなど(例えば、
図4Aに示されるような)、直列結合コイルのインダクタンスは、各コイルによってもたらされる磁束の相互作用が理由で、コイルの極性(電流方向)により変化する。4つすべての例示的なコイルの直列結合のインダクタンスは、すべてのコイルが時計回り方向に流れる電流を有する
図5に描写される電流方向については、Q=435で3.9mHである。4つすべての例示的なコイルの直列結合のインダクタンスは、コイルAおよびBが時計回り方向に電流を有し、コイルCおよびDが反時計回り方向に流れる電流を有する
図6に描写される電流方向については、Q=500で4.6mHである。4つすべての例示的なコイルの直列結合のインダクタンスは、コイルAおよびCが時計回り方向に電流を有し、コイルBおよびDが反時計回り方向に流れる電流を有する
図7に描写される電流方向については、Q=473で4.3mHである。合計インダクタンスにおけるこの変動は、コイル極性が変化されるときに適切な補償コンデンサにおけるスイッチングを必要とする。
【0111】
いくつかの実施形態において、中継器またはスイッチの構成要素および関連付けられたコンデンサは、しっかりとした取り付け、優れた誘電特性を提供するためにセラミック基板上に置かれ得、個々の構成要素の局所加熱を低減するために熱スプレッダとしての機能も果たす。
【0112】
いくつかの実施形態において、本システムおよびデバイスは、基板に装着され、タグからの信号を検出するように構成される複数の観察コイルまたは観察ステーションアセンブリをさらに備える。いくつかの実施形態において、観察コイルは、コイルの軸がエキサイタコイルの中央平面と同一平面上にあるように置かれる。この平面において、エキサイタによってもたらされる磁束は、先に説明されるコイル電流方向の全組合せについて、観察コイルのセンシング軸に対して直角である。直角エキサイタ電流は、観察コイル内へ信号を誘起せず、故に、エキサイタコイルと観察コイルとの間に分離を提供する。この分離は、一般的には、非常に弱いタグ信号が非常に大きなエキサイタ磁場の存在下で検出され得るように、必要なシステムダイナミックレンジを達成するために必要とされる。この分離はまた、クロストーク期間がすべての観察コイルへの同じ磁気双極子(エキサイタ)から生じる重大な信号に寄与し、したがって観察コイルがそれらの空間インピーダンスを失うことが理由で、エキサイタコイルと観察コイルとの間のクロストークが、この分離なしでは、ナビゲーションを大いに妨げることから、重要である。追加点は、z配向されたエキサイタの存在が、タグ(およびエミッタ)磁場のz成分を著しく変形させ、ナビゲーションのためにそれを役立たなくさせることである。
【0113】
さらなる実施形態において、複数の観察コイル、または複数の観察ステーションアセンブリは、6~30個の観察コイル(例えば、6...9...12...20...または30)を備える。追加の実施形態において、複数の観察コイルは、i)上記ベース基板の反対側に、しかしながら上記反対側に隣接せずに位置し、および/または、ii)各々、他の観察コイルに対してxおよびy軸に沿って交互の反対配向に位置付けられる。この位置付けは、観察コイル間のクロストークを最小限にし、以て、(例えば、数学解法ソフトウェアによって)適用されるそのクロストーク補償程度を低減する。
【0114】
いくつかの実施形態において、本システムおよびデバイスは、複数の印刷回路基板をさらに備え、複数の観察コイルの各々は、複数の回路基板のうちの1つに動作可能に結合される。特定の実施形態において、各回路基板は、少なくとも2つのコンデンサおよび少なくとも1つのバラン回路を備える。特定の実施形態において、本システムおよびデバイスは、結合タグをさらに備える。
【0115】
特定の実施形態において、本システムおよびデバイスは、少なくとも1つのエキサイタコイルの各々に電気結合されるバラン回路をさらに備える。さらなる実施形態において、本システムおよびデバイスは、バラン回路に電気結合されるケーブル束をさらに備える。追加の実施形態において、本システムおよびデバイスは、基板に装着され、結合タグからの信号を検出するように構成される複数の観察コイルをさらに備え、複数の観察コイルは、ケーブル束に電気結合される。
【0116】
いくつかの実施形態において、本システムおよびデバイスは、少なくとも1つの自己診断エミッタをさらに備える。他の実施形態において、本システムおよび方法は、トップカバーをさらに備え、トップカバーは、エキサイタコイルの各々を中に包囲するためにベース基板と嵌合する。
【0117】
他の実施形態において、本システムおよびデバイスは、信号をエキサイタコイルに提供するように構成されるシステム電子機器筐体をさらに備える。他の実施形態において、エキサイタコイルの各々の中心は、少なくとも5センチメートル(例えば、5...10...15...25...100...1000cm)互いから分離される。他の実施形態において、エキサイタコイルの各々の中心は、コイル自体の最大寸法の2~5倍互いから分離される。特定の実施形態において、第4のエキサイタコイルは、第2のエキサイタコイルの隣に位置付けられ、第3のエキサイタコイルは、第1のエキサイタコイルの隣に、および第2のエキサイタコイルの斜め向かいに位置付けられる。
【0118】
いくつかの実施形態において、本明細書では、a)本明細書に開示されるシステムまたはデバイスを少なくとも2つの結合タグが中に位置する患者の下または近くに位置付けるステップ、およびb)磁場が生成され、以て、結合タグの各々に信号を生成させるようにシステムまたはデバイスを活性化するステップを含む方法が提供される。
【0119】
いくつかの実施形態において、本明細書では、観察ステーションアセンブリを備えるシステムおよびデバイスが提供され、観察ステーションアセンブリは、a)観察コイルであって、i)コイルなし近位端、コイルなし遠位端、および中央領域を有する金属磁心、ならびにii)金属磁心の中央領域の周りに巻かれるコイル巻線を備える、観察コイルと、b)第1および第2の観察コイルブラケットと、c)第1および第2のエラストマ部品を備え、金属磁心のコイルなし近位端は、第1の観察コイルブラケットと第1のエラストマ部品との間に固定され、金属磁心のコイルなし遠位端は、第2の観察コイルブラケットと第2のエラストマ部品との間に固定される。特定の実施形態において、本システムまたはデバイスは、遠隔活性化デバイス(例えば、本明細書に説明されるような)をさらに備え、遠隔活性化デバイスは、少なくとも1つのエキサイタコイルを備える。さらなる実施形態において、本システムおよびデバイスは、エキサイタアセンブリ(例えば、本明細書に説明されるような)をさらに備え、エキサイタアセンブリは、少なくとも1つのエキサイタコイルを備える。
【0120】
さらなる実施形態において、第1および第2の観察コイルブラケットは各々、少なくとも1つの調節部品(例えば、2つの隣接するねじ)を備える。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの調節部品は、少なくとも1つのねじおよび/または少なくとも1つの棒を備える。他の実施形態において、観察ステーションアセンブリは、観察コイルに電気結合される電子機器部品をさらに備える。他の実施形態において、電子機器部品は、少なくとも1つのコンデンサおよび/または少なくとも1つのバラン回路を備える。さらなる実施形態において、電子機器部品は、印刷回路基板を備える。
【0121】
特定の実施形態において、観察ステーションアセンブリは、ファラデーシールドをさらに備える。他の実施形態において、観察ステーションアセンブリは、i)上記観察コイルに電気結合される電子機器部品、およびii)ファラデーシールドをさらに備える。追加の実施形態において、第1および第2のエラストマ部品は、エラストマポリマーおよびばねから選択される材料を含む。
【0122】
いくつかの実施形態において、金属磁心は、フェライト磁心を含む。他の実施形態において、金属磁心は、4~25mm(4...8...12...14...16...25mm)の直径を有する。特定の実施形態において、金属磁心は、15~75mm(例えば、15...30...45...58...75mm)の長さを有する。特定の実施形態において、コイル巻線は、金属ワイヤを含む。他の実施形態において、金属ワイヤは、上記金属磁心の周りに150~300回巻かれる。さらなる実施形態において、第1および第2の観察コイルブラケットは各々、上記金属磁心のワイヤなし近位端および/またはワイヤなし遠位端に適合するように構成される切り込みを備える。
【0123】
特定の実施形態において、本明細書では、a)デバイス先端を伴うハンドヘルド医療デバイスに装着されるように構成される装着構成要素(例えば、シース)であって、i)近位端、ii)角度付きの遠位端であって、デバイス先端が通過することは可能にするが医療デバイスの残部は通過させないように構成される遠位端開口部を備える、角度付きの遠位端、およびiii)近位端と角度付きの遠位端との間に伸びる本体を備える、装着構成要素、ならびにb)装着構成要素に装着される第1および第2の場所エミッタを備えるデバイスおよびシステムが提供される。
【0124】
特定の実施形態において、角度付きの遠位端は、装着構成要素の長手方向軸に対して少なくとも35度(例えば、少なくとも35...45...65...85...または95度)の角度を有する。いくつかの実施形態において、角度付きの遠位端は、装着構成要素の長手方向軸に対して約90度の角度を有する。さらなる実施形態において、第1および第2の場所エミッタは、装着構成要素の本体に装着される(例えば、離間される)。
【0125】
他の実施形態において、本システムおよびデバイスは、c)ディスプレイ構成要素ハウジングをさらに備え、ディスプレイ構成要素ハウジングは、装着構成要素の近位端に装着されるか、またはこれに装着可能である。追加の実施形態において、本システムおよびデバイスは、ディスプレイ構成要素ハウジングに装着されるディスプレイ構成要素をさらに備え、ディスプレイ構成要素は、医療デバイス上のデバイス先端に対する患者内の埋め込みタグの場所を表示するためのディスプレイ画面(例えば、LCD画面)を備える。他の実施形態において、ディスプレイ構成要素ハウジングは、ケーブル管理構成要素を備える。追加の実施形態において、ディスプレイ構成要素ハウジングは、ハウジングテーパ接続部を備える。さらなる実施形態において、装着構成要素の近位端は、近位テーパ接続部を備える。
【0126】
他の実施形態において、本デバイスおよびシステムは、第1および第2の場所エミッタワイヤリードをさらに備え、第1の場所エミッタワイヤリードは、第1の場所エミッタ(例えば、小コイル)に電気結合され、第2の場所エミッタワイヤリードは、第2の場所エミッタ(例えば、小コイル)に電気結合される。他の実施形態において、本システムおよびデバイスは、c)装着構成要素本体の少なくとも50%(例えば、50%...75%...90%)を被覆するようにサイズ決定および形状化され、装着構成要素を医療デバイスに接着させるように構成される接着ストリップをさらに備える。特定の実施形態において、本システムおよびデバイスは、c)医療デバイスをさらに備える。他の実施形態において、医療デバイスは、電気焼灼手術デバイスを含む。
【0127】
A.外部コイル(例えば、タグコイル)とエキサイタアセンブリとの可変整列に対処すること
いくつかの実施形態において、エキサイタは、タグのコイルとエキサイタとの整列とは独立して、タグに電力を提供するように構成される。例えば、いくつかの実施形態において、タグへの電力転送は、タグに対するエキサイタ磁場の相対的配向に依存し得る。いくつかのそのような実施形態において、是正措置がない限り、タグは、タグのコイル(例えば、タグに含まれるフェライト磁心コイル)に整列される電場の部分からのみ電力を収集し得る。この問題は、磁場の3つすべての直交方向をもたらすことができる複数のエキサイタを含むことによって解決され得る。しかしながら、これは、より厚いアセンブリにつながり、一次エキサイタコイル(例えば、エキサイタアセンブリ内に位置する)とセンシングコイルとの結合(同様にエキサイタアセンブリ内に位置する)の拒絶(以下のセクションBを参照)、および、その後センシングコイルに結合してタグまたはエミッタの位置確認を損なう、タグ/エミッタとエキサイタコイルとの間の二次電場結合の拒絶(以下のセクションCを参照)の両方を防ぐ。この課題に対処するため、本明細書では、1つの磁気方向にのみ配備され得るエキサイタコイルにより磁場の配向を変化させる機序を提供するエキサイタアセンブリの構成が提供される。
【0128】
いくつかの実施形態において、これは、エキサイタアセンブリ内に複数のコイルを有し(例えば、
図4Aを参照)、各コイル内の電流の方向を時計回りまたは反時計回りのいずれかに設定する(例えば、
図5~
図7を参照)ことによって達成される。いくつかの実施形態において、コイルは、同じ電流が各々に流れているように直列に接続される。いくつかの実施形態において、コイルレイアウトは、(X1,Y1)、(X1,Y2)、(X2,Y1)、および(X2,Y2)座標を中心とする2列に4つのコイルを備え、構成1:Z軸に垂直の平面と整列されるエキサイタコイルをシミュレートするために、すべての電流が時計回り;構成2:X軸に整列されるエキサイタコイルをシミュレートするために、電流を反時計回りに流す、(X2,Y1)、(X2,Y2)を中心とするコイル;および構成3:Y軸に整列されるエキサイタコイルをシミュレートするために、電流を反時計回りに流す(X1,Y2)、(X2,Y2)を中心とするコイル、という電流構成の3つのセットを伴う。任意の数の他のコイル構成が用いられ得る。効率性のため、構成要素の数および設計の全体的な複雑性を最小限にすることが(必須ではないが)所望される。しかしながら、いくつかの実施形態において、システム複雑性を犠牲にするとしても、電場方向性を変化させるためのさらなる柔軟性を提供するためにエキサイタアセンブリ内に5つ以上のコイル(例えば、6、8、10、16など)を有することが望ましい場合がある。
【0129】
各構成についてエキサイタアセンブリ内のコイルの同調は、同じ電流が全構成においてすべてのコイルを通って流れているとき、構成間の変化をあまり必要としない。これは、1つのエキサイタコイルの他のものに対する影響が、第1のエキサイタコイルの状態(開回路、電流搬送など)に依存するためである。
【0130】
最適性能を提供するため、エキサイタコイルの面積は、最大限にされるべきであり、コイルの中心の間の距離は、最小限にされるべきである。より大面積のコイルは、同じ印加電流ではより高い電場を提供する。より大きい距離だけ分離されるコイルは、構成2および3についてはより大きい方向変化をもたらす。
【0131】
図3は、本発明のいくつかの実施形態における4コイルエキサイタアセンブリの例示的な概略を提供し、4つのコイルは、コイルA、コイルB、コイルC、およびコイルD(
図4Aを参照)とラベル付けされる。
【0132】
エキサイタアセンブリが患者の真下の平らな平面型(例えば、パッド)で提供される医療用途では、臨床的に好ましいシステム幾何形状は、4つすべてのコイルが互いと非常に近くに置かれるということを伴う。その結果、各コイル同士の磁気結合は、個々のコイル極性により変化し、したがって、直列にある4つすべてのコイルの合計インダクタンスは、コイル極性の組合せにより変化する。故に、最適性能は、必然的に、相反する因子のバランスを取ることになる。これを補償するため、いくつかの実施形態において、同調中心周波数が所望の励起周波数に維持されるように、合計インダクタンスが増加されるとき追加の直列容量性リアクタンスが挿入されるという、スイッチングのシステムが用いられる。
図3に示される好ましい実施形態において、中継器がスイッチングのために利用される。他の実施形態は、PINダイオードなどのソリッドステートスイッチング手法を用い得る。スイッチングを達成する任意の好適な機序が用いられ得る。
【0133】
いくつかの実施形態において、コイルの中心は、10...50...100...500...または1000cm分離される。いくつかの実施形態において、各コイルは、面積が25...625...2500...62,500...または250,000cm
2からである。最大合計直列容量は、4つすべてのコイルが同じ極性を有する状態の場合に必要とされる。いくつかの実施形態において、この直列容量は、4つすべてのコイル間で等しく配分され、
図3に示されるようなスイッチング中継器の両側でバランスを保たれる。このように容量を配分することは、スイッチにおいて存在する接触電圧を最小に保つ。さもなければ、コイルの高い「Q」は、スイッチおよび相互接続部に存在する、いくつかの構成では10KVを超える過剰に高い電圧を結果として生じ得る。
【0134】
上に説明されるような所望の共振周波数を維持するのに有用な追加の容量(例えば、容量を低減するためにコンデンサを直列に追加すること)は、極性スイッチング中継器、または必要とされるときに通電され得る別個のスイッチによってスイッチングされる。いくつかの実施形態において、この容量は、端子電圧を最小限にすること、および最良の対称性を達成することによって共通モード結合を最小限にすることの両方のために、極性スイッチング中継器間で配分される。
【0135】
いくつかの実施形態において、各容量素子は、各コンデンサにわたる電圧を最小限にして、コンデンサの電圧能力を超えないことを確実にするため、およびさもなければ共振周波数をドリフトさせ得る損失に起因する加熱を最小限にするために、複数のコンデンサから成る。
【0136】
いくつかの実施形態において、バランが、エキサイタコイルのできる限り近くに組み込まれる(以下のセクションDおよび
図3を参照)。以下に説明されるバランは、電場生成を低減または排除するために共通モード拒否を達成し、また、コイルアセンブリインピーダンスを伝送線および電力増幅器のものと最適に整合させるためにインピーダンス変換を提供する。いくつかの実施形態において、バランの一次(増幅器側)は、8つの巻きを有し、二次(コイル側)は、4つの巻きを有し、故に、上手く整合する4から1へのインピーダンス変化、例えば、共振で50オームジェネレータ出力インピーダンスから12オームコイルインピーダンス、をもたらす。他の巻数比が、他の特徴的なインピーダンス伝送線および増幅器への最適なインピーダンス変換のために用いられ得る。
【0137】
図3は、エキサイタアセンブリに用いられるコイルシステムの例示的な実施形態を提供する。この図では、複数のコンデンサは、数字(例えば、C1、C5、C11、C40など;pF(ピコファラッド))、ならびにコイルA、B、C、およびD(例えば、
図4Aを参照)に対するそれらの相対的な位置によって識別される。7:4巻数比を有するバランが示される(バラン変圧比は、50オーム側に7つの巻きおよびコイル側に4つの巻きを伴う7:4比を用いて、50オームへのインピーダンスに整合する)。本システムは、コイルが利用される様式に基づいて性能を最適化するように構成または調節され得る。例えば、
図3の例示的な実施形態に示されるように:
電場:Z平面(++++)コンデンサC9およびC10は、25,600pFであり(5,600pFと並列に20,000);
電場:X平面(+-+-)コンデンサC19およびC20は、27,235pFであり((2)470pFコンデンサの直列結合と並列に27,000pFを使用);
電場:Y平面(++--)コンデンサC29およびC30は、6,050pFであり((2)100pFコンデンサの直列結合と並列に3,300pFと並列の2,700);
共通(すべての電場):コンデンサC39およびC40は、9,000pFであり((3)3,000pFコンデンサの並列結合);
C39およびC40コンデンサ(値XY-固定)は、9,000pFである(18,000pFと直列に18,000pF;9,220pFであり得;820pFと並列に8,200、または他の組合せ;合計電圧は660Vrmである)。
【0138】
容量の他の特定の値は、異なるコイル構造から生じ得る異なるインダクタンス値を有する1つまたは複数の所望の共振周波数を提供するために利用され得る。
【0139】
B.センサ近くのエキサイタ電場強度に対処すること
タグに電力供給するために使用されるエキサイタ電場強度は、一般に、1つまたは複数のタグが電力供給され得る大きな電圧を作成するために、エキサイタの近くにある。この電場は、1つもしくは複数のタグまたは手術器具と関連付けられたエミッタによって提供される電場よりもはるかに大きい(タグおよびエミッタは、本明細書では、まとめておよび個々に、「ビーコン」と称される)。また、単一の励起アセンブリデバイスが励起およびセンシングの両方を提供するために好ましいことから、センシング構成要素は、エキサイタ構成要素に極めて接近していなければならない。したがって、磁場センサは、通常、非常に大きい、およそ160dBであるか、または(ビーコンからの)目的の信号よりも大きい、エキサイタ周波数で磁場を感知する。
【0140】
この問題は、電子フィルタを用いて部分的に解決され得る。しかしながら、これらのフィルタの拒否能力は、限られており、それらは高価であり、またそれらは物理的に大きい。フィルタは、能動または受動であり得る。しかしながら、能動電子フィルタは、この非常に高いダイナミックレンジ状況ではダイナミックレンジおよびフィルタリング有効性を制限する固有のノイズフロアを有するため、受動フィルタがいくつかの実施形態において用いられ得る。
【0141】
代替的(または追加的)解決策は、上のセクションAに説明されるコイルシステムを利用することである。そのような実施形態においては、磁場のベクトル性を利用することによって、センサによるエキサイタ電場ピックアップを低減することができる。いくつかの実施形態において、センシングコイルを含むX-Y平面に実質的に垂直の磁束のみを生成する配向を有するエキサイタコイルが選択される。いくつかの実施形態において、同様に本来非常に方向性のあるフェライト磁心コイルが、次いで、その平面に整列され、結果として、平面に対して直角である磁束は感知されない。これは、40dB超によるエキサイタ電場の拒否をもたらす。好ましい幾何形状において、70dB超の分離は、上に説明される3つすべての極性構成においてすべてのセンシングコイルについて達成される。各観察コイルの高さおよび傾きの両方は、3つすべてのコイル極性状態についてこのレベルの分離を達成することが必要とされる整列を達成するように調節される。分離は、典型的には、エキサイタコイルをポート1に、および特定の観察コイルをポート2に接続することによって、ベクトルネットワークアナライザを使用して測定される。S21の大きさおよび位相が、次いで、受信周波数で測定される。好ましい実施形態において、選択される受信周波数は、130.2KHzである。
【0142】
そのような実施形態において、本システムは、したがって、励起のために1つの磁場方向、およびセンシングのために2つの残りの方向(励起方向に対して直角)を使用する。他の実施形態において、励起のために2つの直交度およびセンシングのために1つの直交度を使用することができる。しかしながら、ビーコン位置のより速い予測を提供するために、センシングのために2つの直交度を使用することが好ましい場合がある。
【0143】
C.エキサイタ/ビーコン結合に対処すること
いくつかの実施形態において、エキサイタは、高共振コイルである。いくつかの実施形態において、ビーコンの周波数がエキサイタの共振周波数に近いことが理由で、エキサイタコイル配向に整列されるビーコンのAC磁場の一部分は、エキサイタ内に電流を誘起し得、したがって、ビーコン周波数でエキサイタコイル配向に磁場をもたらし得る。この効果は、ビーコンからの元の電場を変形させ、ビーコンを位置確認することをより困難にする。臨床的に好ましい幾何形状において、この変形は、ビーコンの真の場所をマスクし、その結果として、ナビゲーションが、困難または不可能になる場合がある。
【0144】
この結合は、エキサイタ共振にあまり近くない異なるビーコン周波数を選択することによって減少され得る。しかしながら、いくつかの好ましい実施形態において、ビーコンが受信および送信の両方のために単一のフェライト磁心RFコイルを利用することが理由で、利用可能な帯域幅は限られる。
【0145】
代わりに、上のセクションAおよびBに説明されるエキサイタ構成を使用すると、センシングコイルから成るセンシングシステムがエキサイタコイルに対して直角に配向されるため、変形された電場は感知されない。言い換えると、変形は、センシングシステムに対して直角であるエキサイタコイルに実質的に整列される磁場方向に限定される。故に、ビーコンの真の場所は、ビーコン周波数でエキサイタ電流によってもたらされる電場変形によってもはやマスクされないため、正確なナビゲーションがアーチファクトなしに達成される。
【0146】
D.システムによってもたらされる電場の大きさに対処すること
エキサイタおよび関連回路は、システムによってもたらされる電場の大きさを最小限にするように設計されるべきである。電場がもたらされる場合、これは、センシングシステム内へ容量的に結合し、システム正確性を低下させ得る。電場はまた、磁場よりもはるかに著しく患者および環境と相互作用する。
【0147】
いくつかの実施形態において、この課題は、バランをできる限りエキサイタコイルの近くに組み込むことによって解決される。インピーダンス変換器としても作用することができるバランは、接地に対して非対称の電流を排除することによって電場を最小限にする。これについて考えられる別の方法は、バランが共通モード結合を排除することである。いくつかの実施形態において、バランのエキサイタ側では、回路設計およびレイアウトは、バランスを維持するためにできる限り対称でなければならない。
【0148】
電場効果を低減することに加えて、変換器は、市販の50オーム同軸伝送線が不整合なしに使用されることを可能にする。これは、最高効率および最小の、最も可撓性の、同軸ケーブルによりエキサイタアセンブリに電力を最適に伝送するために、伝送線電圧および電流をスケーリングする。
【0149】
E.複数のビーコンの場所を識別および管理すること
本明細書に説明される方法によると、2つ以上のビーコン(例えば、タグ、1つもしくは複数の手術デバイスと関連付けられたエミッタ、または、場所、位置、相対的な位置、もしくは他の空間的情報が所望される他の物体)が用いられる。2つ以上のビーコン(例えば、タグ)は、リンカによって互いに結合される(例えば、「結合タグ」)。いくつかの実施形態において、各ビーコンは、同じ周波数を生成する。そのような実施形態は、信号強度が、1つのビーコン単独の場合よりも最大で2倍大きくなり得ることが理由で(2つのタグが使用されると仮定して、3つのタグが使用される場合は3倍大きい、4つのタグが使用される場合は4倍大きいなど)、有利であり得る。したがって、そのような実施形態は、大きい患者において有用であり得、患者の組織体積は、さもなければ、単一のビーコンから信号を検出する能力を制限する。
【0150】
いくつかの実施形態において、各ビーコンは、同じ周波数を生成し、2つの信号は、検出における全体的な正確性を向上させるためにデコンボリューションされ得る。いくつかの実施形態において、タグは、刺激周波数の周波数と比較してオフセット周波数で応答するようにプログラムされる。いくつかの実施形態において、タグは、オフセット周波数、および刺激信号の位相にロックされる安定相で応答するようにプログラムされる。この戦略は、応答信号が刺激信号から容易にデカップリングされることを可能にする。特に、刺激信号にロックされる安定相は、少なくとも2つの結合タグの各々の信号の厳密な位置確認を可能にする。いくつかの実施形態において、2つ以上のタグの各々は、同じ周波数を生成するが、設定された位相オフセットを有するようにプログラムされる。いくつかの実施形態において、各ビーコンは、同じ周波数を生成するが、各ビーコンの位相は、11.25度のランダム因子であってもよく、これは、2つの信号をデコンボリューションするために活用され得る。
【0151】
いくつかの実施形態において、各々の異なるビーコン(例えば、タグ)は、固有の周波数、周波数のスペクトル、または別途区別できる信号を生成する。いくつかのそのような実施形態において、探索アルゴリズムが、ビーコンのうちの1つまたは複数の空間的情報を識別するために用いられる。いくつかの実施形態において、最適なエキサイタ極性および電力レベルは、異なる平面を通じてエキサイタを循環させることによって、各ビーコンについて(例えば、エキサイタに対するビーコンの任意の相対的な配向を考慮して)識別される。この情報に基づいて、最適なエキサイタパターンが、手技の質およびユーザ(例えば、治療医師)に伝えられる情報の正確性を最大限にするために計算される。いくつかのそのような実施形態において、第1の最適パターンは、第1のタグに関する空間的情報を提供するために利用され、手技の第1の部分が実行される。次に、第2の最適パターン(同じまたは異なり得る)は、第2のタグに関する空間的情報を提供するために利用され、手技の第2の部分が実行される。さらなる循環が、追加のタグのために実行され得る。代替的に、エキサイタパターン(極性および電力)は、複数のビーコンのほぼリアルタイムの最適空間的情報を提供するために手技中に複数の異なる最適パターン間で循環し得る。いくつかのそのような実施形態において、エミッタ内のコイル極性の迅速なスイッチングは、2つ以上のビーコンに同時にまたはほぼ同時に電力供給するために用いられる。
【0152】
F.例示的なプロトコル
本技術は、タグ配置のモードによって限定されず、観血的手術、腹腔鏡検査、内視鏡検査、血管内カテーテルなどを含むがこれらに限定されない様々な配置技術が企図される。タグは、注射器、内視鏡、気管支鏡、広幅気管支鏡、腹腔鏡、胸腔鏡などを含むがこれらに限定されない任意の好適なデバイスによって置かれ得る。例示的なプロトコルは、以下に提供される。
【0153】
乳房腫瘍を有すると以前に識別された患者は、医療施設へ入れられる。患者は、最初、放射線科へ送られる。放射線科医は、標的腫瘍を識別する以前の撮像情報を調べる。対象は、経皮的に導入される針を使用して、局所麻酔薬、通常、リドカインまたは派生物が投与される。対象は、撮像デバイス、一般的には、超音波、従来のマンモグラフィ、または定位固定装置のいずれかに位置付けられる。腫瘍の場所が決定される。誘導針(通常、6~20ゲージ)が、腫瘍内または腫瘍の直近位のいずれかに挿入され、生検針が、誘導針を通じて置かれ、試料は、様々な方法(吸引、機械的切断、組織の位置を固定するために凍結した後に機械的切断)を使用して獲得される。試料が獲得され、病理学検査のために送られた後、6~20ゲージのタグ送達針が、同軸誘導針内へと、遠位開口端が病変に位置付けられた状態で組織へと挿入される。2つの結合タグが、送達針の近位端内へ挿入され、針の遠位端における開口部を通じて、組織内へとプランジャによって送達される。同様に、タグは、送達針の遠位端に予め位置付けられていてもよい。結合タグの正しい場所は、撮像によって確認される。送達針は、タグを乳房組織内の適所に残して、抜去される。
【0154】
このタイプの手技は、事実上、任意の身体空間、器官、または病理組織において、さらなる診断または何らかの種類の治療のためにその組織または空間を位置確認する目的で、類似の様式で実施され得る。特定の目的の領域は、以下の器官、およびそれらの中で起こる疾患過程を含むがこれらに限定されない:脳、頭蓋骨、頭頸部、胸腔、肺、心臓、血管、胃腸構造体、肝臓、脾臓、膵臓、腎臓、後腹膜、リンパ節、骨盤、膀胱、泌尿生殖器系、子宮、卵巣、および神経。
【0155】
いくつかの実施形態において、手術中、患者は、手術領域が露出および殺菌された状態で、手術台の上に置かれる。外科医には、標的組織(例えば、腫瘍)およびタグの場所を示す撮像情報が提供される。切開が、配置針の侵入地点の場所で行われる。遠隔活性化デバイスは、タグを活性化するために組織に近接して置かれる。観察ステーションを備える検出構成要素(例えば、
図4Aに示されるような)は、タグから信号を検出し、外科医が医療デバイスの方向を腫瘍の方へ誘導することを可能にする。腫瘍が位置確認されると、外科医は、適切な組織を除去し、および任意選択的に、タグを除去する。
【0156】
いくつかの実施形態において、本システムは、タグが身体上または身体内に基準として置かれる手術における使用を満たす。タグおよび任意の手術器具の相対的な位置は、電磁場を使用して特定される。この情報は、視覚(コンピュータ画面、様々な方法を使用する方向および深さ指示器、触覚フィードバック、音声フィードバック、ホログラムなど)を含むがこれに限定されない様々な方法を使用して、医師にリアルタイムで通信され、器具の位置は、CT、MRI、または2Dもしくは3DでのPETスキャンなどの任意の医用画像に表示される。このデータは、手技中に医師を誘導するための使用を満たすか、または、医師が仮想手技を実施することができるように訓練方法として使用される。そのようなシステムは、神経外科などの用途のためのSTEALTHシステム(Medtronic)など、既存の手術システム内に統合され得るか、またはこれに対する代替手法を提供し得る。
【0157】
いくつかの実施形態において、タグの場所またはタグまでの手術経路もしくはルートに関する情報は、1つまたは複数の拡張現実または仮想現実構成要素を含む様式で外科医または他のユーザに伝えられる。例えば、いくつかの実施形態において、外科医は、患者または手術様相の部分または完全仮想画像を示す仮想現実デバイス(例えば、ゴーグル、眼鏡、ヘルメットなど)を装着するか、またはこれにアクセスする。本明細書に説明されるシステムによって収集および計算されるタグ位置情報は、1つまたは複数のタグの正確なターゲッティングを支援するために、1つまたは複数の視覚構成要素によって外科医に示される。例えば、結合タグを含む組織は、示されるタグ場所の仮想画像により表され得る。同様に、いくつかの実施形態において、手術経路は、例えば、たどるべき色付きの線として、視覚的に提示される。拡張現実特徴部を用いるいくつかの実施形態において、ディスプレイは、モニタが存在しなかった場合に外科医が視覚化するものを表す患者の図形または映像捕捉を提示し、1つまたは複数の拡張特徴部をディスプレイ上に重ねる。図形または映像表示データは、手術野内の1つまたは複数のカメラによって捕捉され得る。拡張特徴部は、標的組織内のタグの場所の表現、投影された手術路、外科医が手術デバイスの先端を整列する標的地点、治療するべきシミュレートされた手術マージン領域、最適経路から逸脱する場合に運動を推奨する矢印もしくは他の場所指示器、または同様のものを含むが、これらに限定されない。
【0158】
例示的なエキサイタアセンブリ250は、
図4、
図5、
図6、および
図7に示される。このエキサイタアセンブリは、
図1に示されるように、手術台またはマットレスなどの表面に横たわる患者のマットレスの下に位置付けられ得る。これらの図内の例示的なエキサイタアセンブリは、患者内のタグのために、4つのエキサイタコイル150を介して、励起信号を提供する。
図4A内の例示的なエキサイタアセンブリは、埋め込みタグ、および手術デバイスに装着される装着構成要素内のタグから信号を検出するために、各々が観察コイル160を有する複数の観察コイルアセンブリ(別名、観察ステーションアセンブリ)161を提供する。エキサイタアセンブリは、他の構成要素が一般的に装着されるかまたは統合されるベース基板140から成る。ベース基板は、任意の好適な材料から成り、これは、例えば、ポリカーボネートまたは同様のものであってもよく、典型的には、非磁性および非導電性である。
図4Aに描写されないのは、すべての内部構成要素を中に包囲する、ベース基板と嵌合するトップカバー230(
図8を参照)である。トップカバーは、ここでも典型的には非磁性および非導電性の、ケブラー(登録商標)および/または他の剛体材料を含む任意の好適な材料から成る。発泡体または他のタイプの詰め物が、トップカバーの上部に含まれ得る。
【0159】
ベース基板に装着されるのは、4つの大きなエキサイタコイル150であり、これらは、
図4Aでは「コイルA」、「コイルB」、「コイルC」、および「コイルD」と称される。各エキサイタコイル150は、4つのエキサイタコイル架台155の周りに巻かれ得る。特定の実施形態において、エキサイタコイルは、任意の特定の形態で巻かれず、代わりに、コイル形状を作成するために自身に接着するワイヤを用いる。
図4Aには示されないが、特定の実施形態において、コイルカバー(例えば、プラスチックコイルカバー)が、4つのエキサイタコイルの各々の上に位置する。概して中心に位置する4つのエキサイタコイルの間にあるのは、大きな中央バラン回路180である。
【0160】
エキサイタコイルB、C、およびDの内部にあるのは、スイッチ190である。スイッチ190は、それぞれのエキサイタコイルにおける電流の方向性(時計回りまたは反時計回り)を制御する、中継器または複数のPINダイオード(例えば、少なくとも4つのPINダイオード)などの構成要素、または電界効果トランジスタを含む。
図4A内の特定の実施形態において、励起コイルAは、このコイル内の方向が変化されないため、スイッチ190を有さない。スイッチ190は、電流の方向性を変化させることから生じる異なるインダクタンスを正しく整合させるために用いられる異なるコンデンサに結合される。中継器(例えば、4つのSPST、2つのSPDTタイプ、または1つのDPDT)がスイッチ内で用いられる場合、それは、概して、2つの出力のうちの1つへ入力を向ける。複数のPINダイオードがスイッチ190内で用いられる場合(中継機能を作り出すため)、これは、「オフ」のとき非常に高いインピーダンスを、および「オン」のとき低いインピーダンスを提供する。各スイッチ190はまた、エキサイタコイルインダクタと一緒に共振回路を形成する容量を修正するために、1つまたは複数のコンデンサに結合される。これが必要であるのは、電流方向が変化されるときに、すべてのエキサイタコイルの効果的な全直列インダクタンスが変化するためである。さらにコイルA~Dの内側にあるのは、両脇に金属リード199が並ぶ中央コンデンサ197から成る一対のコンデンサアセンブリ195である。特定の実施形態において、金属リード199は、手術中に蓄積する熱を消散させるために。セラミック熱スプレッダに固着される。
【0161】
動作中、
図4A内のエキサイタアセンブリは、特定の実施形態において、構成1(
図5に示される)、構成2(
図6に示される)、および構成3(
図7に示される)と呼ばれる3つの構成の間で循環するように構成される。
図5に示されるような構成1において、4つすべてのエキサイタコイルからの電流は、Z軸に垂直のその平面と概して整列されるエキサイタコイルをシミュレートするために時計回りである。
図6に示されるような構成2において、Y軸と概して整列されるエキサイタコイルをシミュレートするために、コイルAおよびコイルBからの電流は、時計回りである一方、コイルCおよびコイルDからの電流は、反時計回りである。
図7に示されるような構成3において、X軸と概して整列されるエキサイタコイルをシミュレートするために、コイルAおよびコイルCからの電流は、時計回りである一方、コイルBおよびコイルDからの電流は、反時計回りである。これは好ましい実施形態ではあるが、他の値の追加直列容量を有するコイル極性の他の組合せが、特定のタグ配向には有利であり得る。例えば、コイルA内の電流は、時計回りである代わりに、反時計回りであってもよく、このとき他の3つのコイルのすべて(コイルB、C、およびD)は、
図5、
図6、または
図7に示されるような電流を有し得るか、または他の3つのコイル(コイルB、C、およびD)は、
図5、
図6、および
図7に示されるような反対の電流を有する。他の実施形態において、電流配置は、コイルB内の電流が反時計回りであり、コイルD内の電流が時計回りであることを除き、
図6に示されるようなものである。コイルA~Dの時計回りおよび反時計回りのすべての異なる組合せが企図される(すなわち、16個すべての組合せ)。
【0162】
図4A内の例示的なエキサイタアセンブリ250はまた、12個の観察ステーションアセンブリ161(各々が観察コイル160を有する)と共に示される。12個の観察コイル160は、クロストークを低減するために(xおよびy軸に沿って)反対配向を交互にとる。他の実施形態において、ソフトウェアが、同様に、または代替的に、クロストークを低減するために使用される。特定の実施形態において、交互配向よりもむしろ、観察コイルのすべてが中心の方を向き、これは、クロストークを増加させるが、ビーコンがエキサイタアセンブリの外周をまたいで移行されると、観察コイル信号ピックアップにおける変曲点の場所をシフトさせるという利点を有し得る。一般的に好ましくは、分離における低減および雑音ピックアップを妨げるために、エキサイタコイル内へフィードするワイヤは、観察コイルのいずれかに極めて接近しない。
図4Aにおいて、中央バラン回路から4つのエキサイタコイルの各々へのワイヤは、12個の観察コイル160から離れた場所にある。また、
図4Aに示されるように、観察コイルは、エキサイタアセンブリの左側および右側を下へ延び、エキサイタアセンブリの上部または下部をまたいで延びない。上部および/または下部をまたいで観察ステーションを追加することは、強力なクロストークを発生させ得る。代替的に、ソフトウェアアプリケーションが、観察コイルがクロストークを誘起する位置に置かれる場合に、クロストークを低減するために使用され得る。観察コイル160は、一対の観察コイルブラケット165によって適所に保持される。
【0163】
各観察コイル160の隣にあるのは、印刷回路基板170である。各印刷回路基板170は、コンデンサおよび小さいバラン回路を含む。コンデンサは、観察コイルと一緒に、共振回路を作成するために用いられる。バランは、共通モード効果を排除する役割を果たし、共通モード効果は、バランなしでは、観察コイルアセンブリを電場相互作用に対して敏感にさせる。それはまた、一次巻きおよび二次巻きの数を最適に選択することによって、コイル/コンデンサ共振回路の実インピーダンスを伝送線特徴インピーダンス、典型的には50オームに整合させるインピーダンス整合素子としての役割を果たし得る。
【0164】
図4A内のエキサイタアセンブリ250はまた、一対の自己診断エミッタ220と共に示される。これらの自己診断エミッタ220は、既知の信号を印加し、すべての観察コイルに対する応答をチェックすることができるように存在する。観察コイルが予測した信号を示さない場合、それは、システム問題を示すか、または、電場を変形させて全体的な位置確認正確性を低下させている干渉磁石または金属片の存在を示し得る。用いられ得る別の自己診断は、装着構成要素(例えば、ハンドヘルド手術デバイス上のシース)上のエミッタのうちの1つに通常印加されるエキサイタコイル上の信号を生成することであるということに留意されたい。エキサイタから各観察コイルへ渡される信号を測定することによって、それらの間の分離のレベルを確認することができる。依然として別の自己診断において、信号は、各観察コイルに個々に印加され得、残りの観察コイルは、信号を検出するために使用され得る。他の実施形態において、電場観察コイルクロストークもまた、このやり方で測定され、システムを較正するために使用され得る。
【0165】
図4Aは、エキサイタアセンブリの様々な構成要素同士の様々なワイヤ接続を示す。各観察コイル160は、ケーブル束200を介してシステム電子機器筐体(「コントローラ」210とラベル付けされる)に接続される同軸ケーブルに装着される。エキサイタ信号は、中央バラン回路180内へのケーブル束200から生じる。そこから、ワイヤが、信号をスイッチ190および/またはコンデンサアセンブリ195へ伝達する。システム電子機器筐体(コントローラ210)は、観察コイル信号に対して信号処理(例えば、複数の周波数「チャネル」のフィルタリング、混合、増幅、デジタル化、および復調)を実施する。一般的には、A/C主電源は、観察コイルに印加されない。
【0166】
各コンデンサアセンブリ195内で用いられるコンデンサに関して、および印刷回路基板170においては、一般に、コンデンサは、エキサイタの共振周波数が温度により変化しないように、容量値が温度により変化しないCOG/NPOタイプであるように選択される。コンデンサはまた、共振周波数を変化させるために容量を直列に選択的に追加することができる同調ネットワークを提供し、これは、製造中の許容誤差を低減するのを助け、ならびに温度および他の因子に起因する同調変化の耐性をより高くする。一般に、用いられるすべての材料は、エキサイタアセンブリが使用され温度が上昇される際に幾何学的変化を防ぐために、温度に対して高い絶縁耐力および高い安定性を有するべきである。
【0167】
例示的な観察コイルアセンブリ(別名、観察ステーションアセンブリ)161は、
図4Bに示される。観察コイルアセンブリ161は、頑丈な観察コイル160をエラストマ162に対して締め付けるために使用される、観察コイル2つの観察コイルブラケット165を含む。観察コイル160は、
図4Bおよび
図4Cに示されるように、金属磁心(例えば、フェライト磁心)166、およびワイヤから形成されるコイル167から成る。例示的な
図4Cに示されるように、金属磁心166は、ワイヤなし近位端171およびワイヤなし遠位端172を伴って、中央領域173(
図4Cではワイヤの下)から成る。フェライト磁心(ワイヤなしである近位および遠位端を使用)のみが、ブラケット165およびエラストマ162によって締め付けられる(例えば、最良の登録を提供し、観察コイル160のコイル巻線167に損傷を及ぼす可能性を排除するため)。観察コイル160の各端の高さは、調節ねじ163(各観察コイルブラケット165内に存在する)によって上下に調節され得る一方、復元力がエラストマ162によって提供される。エラストマ厚さおよび硬度計は、調節ねじが容易に調節されながらも、最適位置が達成されると所望の設定を保持するように、所望の範囲の調節に対する必要な復元力を提供するように選択される。追加的に、コイルブラケット165は各々、それらが金属磁心166の近位および遠位端を固定することを可能にする「V」または「U」字形状の特徴部を有する。これは、例えば、ブラケット165が、観察コイル磁心(例えば、フェライト磁心)を所望の方向に厳密に登録することを可能にするため、それは、エキサイタコイルを含む平面に垂直の軸の周りを回転することができない。観察コイルアセンブリ161はまた、印刷回路基板170(コンデンサおよびバラン回路を有する)およびファラデーシールド168を含む。ファラデーシールドは、真ちゅうまたは銅などの導電材料から成り得る。
【0168】
特定の実施形態において、エキサイタコイル(例えば、
図4Aに示されるような)は、ベクトルネットワークアナライザすなわちVNAのポート1に接続される。観察コイル出力は、一般的には、VNAのポート2に接続され、送信(S21)は、測定および表示される。この測定は、ポート1に提供される励起から生じるポート2に存在する信号の直接測定であり、したがって、分離の直接測定である。S21が低いほど(ネガティブであるほど)よりよい。S21がネガティブであるほどよりよい。一般的に好ましい実施形態により達成される典型的な分離値(S21)は、-70dBであり、-50dBから-100dB超(例えば、VNAのノイズフロア)を含む使用可能な範囲を伴う。
【0169】
一般に、最大ナビゲーション量に対する最良の正確性のためにエキサイタコイルと観察コイルとの間の最良の分離を達成するには、一般的には、エキサイタコイルによってもたらされる磁束に対して直角(例えば、厳密に直角)に観察コイルを位置付けることが重要である。
図4Aは、12個の観察コイルのそのような直角配置を示す。この最適位置からの観察コイルの高さまたは傾きの小さなオフセットが、一般的には、分離をひそかに害するエキサイタコイルから観察コイルへの信号カップリングを結果としてもたらすことになる。したがって、特定の実施形態において、観察コイルブラケット上のねじ(または他のコネクタ)は、細かい調節を行うために用いられる。
【0170】
図4Cは、どのようにしてコイル167が、i)ワイヤが金属磁心の前半の大半の周りに巻かれる、巻き方向1、ii)ワイヤが、前半の上に巻かれるワイヤの上部に、ならびに金属磁心の後半の大半の上に巻かれる、巻き方向2、ならびにiii)ワイヤが後半のワイヤの上に巻き戻される、巻き方向3、という3つのステージにおいて、金属磁心の周りに巻かれるワイヤによって形成されるかを含む、例示的な観察コイル160を示す。特定の実施形態において、80~140巻線(例えば、80...90...112...140)が、金属磁心の各半分にある(例えば、合計で160~280巻線(例えば、160...200...224...280)。特定の実施形態において、ワイヤは、単層ポリエステルエナメルおよび接着コートを有する32AWG銅磁石ワイヤ(例えば、直径0.02794センチ(0.011インチ))であり、熱が、ワイヤラップを固定するためにラッピング中に使用される。特定の実施形態において、金属磁心は、FAIR-RITE Products Corporationからのフェライト磁心部品番号4077484611である。特定の実施形態において、金属磁心(例えば、フェライト磁心)は、約10~15mm(例えば、10...12...14...15mm)の直径を有し、長さ約30~50mm(例えば、30...35...45...50mm)である。特定の実施形態において、金属磁心は、約12.7mmの直径および約41.5mmの長さを有する。
【0171】
ワイヤはまた、コイルからの各ワイヤにつき1つ、2つの直列容量(例えば、印刷回路基板内)を通じて、小さいバラン変換器(印刷回路基板内、
図4Bの部品170)の二次に接続される。一般に、特定の実施形態において、合計直列容量は、タグ内のコイルのインダクタンスと共振するように選択され、バラン変換器の巻数比は、共振コイル/コンデンサ回路の実インピーダンスを、伝送線(例えば、約50オーム)に整合させるように選択され得る。特定の実施形態において、共振コイル/コンデンサ回路の実インピーダンスは、典型的には、10~25オームであるが、ほんの数オームから50オーム超まで様々であり得、またバラン変換器一次および二次巻数の適切な選択によって適切に整合され得る。インピーダンス変換器としてのその役割に加えて、バランは、観察コイルアセンブリからのいかなる電場生成/磁化率も最小限にし、交互に、それは、共通モード効果を除去することと考えられ得る。電場磁化率をさらに低減するために、バランおよびコンデンサを覆う導電性ファラデーシールド168の使用が採用される。このファラデーシールド(例えば、ファラデーケージ)は、シールドの下の構成要素に対する観察された電場を低減する。典型的には、ファラデーシールドは、シールドの下の構成要素の電場の放出を低減するために使用され、この場合、それは、電場の受信も低減している。
【0172】
図8は、トップカバー230が付いた状態のエミッタ構成要素250を示す。トップカバー230は、ケブラー(登録商標)または他の好適に強靭な材料から成り得る。エキサイタアセンブリ250は、ケーブル束200を中に引いた状態で示される。
【0173】
図9は、医療デバイス20の遠位端25が挿入される角度付きの遠位端300を伴う、装着構成要素10を示す。ディスプレイ構成要素40は、装着構成要素ワイヤ60を介して装着構成要素制御装置310に装着される。
【0174】
図10Aは、最初に装着構成要素10の角度付きの遠位端300に挿入された後の医療デバイス20の遠位端25を示す。この図は、装着構成要素ワイヤ60がケーブル管理構成要素315内へ挿入される前のものである。
図10Bは、ディスプレイ構成要素ハウジング330のケーブル管理構成要素315に装着される前の装着構成要素ワイヤ60を示す。
図10Bはまた、装着構成要素10の近位端テーパ接続部350が挿入されるハウジングテーパ接続部340を示す。ケーブル管理構成要素315は、装着構成要素ワイヤ60および医療デバイスワイヤ50の両方を整列させる2つのクリップを有する。
【0175】
図11は、ディスプレイ構成要素ハウジング330に装着される装着構成要素10を示す。装着構成要素10は、チューブ360の内側にある場所エミッタワイヤリード72に結合される一対の場所エミッタ70を有する。場所エミッタ70は、観察コイルによって検出される信号を生成するためにワイヤリード72によって電力供給される。装着構成要素はまた、医療デバイスまたは他のデバイスの先端が通って挿入されることを可能にする遠位端開口部305を伴う角度付きの遠位端300を有する。ディスプレイ構成要素ハウジング330は、装着構成要素ワイヤおよび医療デバイスワイヤを保持するための一対のクリップから成るケーブル管理構成要素315を有する。
【0176】
図12は、ディスプレイ構成要素40が中に配置された状態のディスプレイ構成要素ハウジング330に装着される例示的な装着構成要素10を示す。ディスプレイ構成要素ハウジング330の内側にディスプレイ構成要素40を固定するために使用されるディスプレイカバー370が示される。装着構成要素の内側に適合し、医療デバイスを装着構成要素に固定するのを助けるように形状化およびサイズ決定される接着ストリップ380(例えば、両方の側面に強力な接着剤を有する両面ストリップ)も示される。
【0177】
図13Aは、ディスプレイ構成要素ハウジング330のハウジングテーパ接続部340内へ押し込み適合するように構成される装着構成要素10の近位端テーパ接続部350を示す。
図13Bは、ケーブル管理構成要素315の一部であり、ディスプレイ構成要素ハウジング330のテーパ接続部穴319内に挿入されるように設計されるケーブル管理テーパ接続部317を含む、
図13Aの区域Aの拡大図を示す。ケーブル管理テーパ接続部317が、角度位置を係止するために平坦部分318を含む。
【0178】
図14は、患者に埋め込まれるタグを位置確認するための例示的なシステムを示す。本システムは、患者内のタグを活性化させる信号を放出するエキサイタアセンブリから成る。システム電子機器筐体は、エキサイタアセンブリに信号を送達し、患者内のタグおよび装着構成要素内の場所エミッタから信号を受信して処理する移動可能なカートとして示される。外科医のためのガイダンスは、ディスプレイ構成要素、ならびにシステム電子機器筐体上の画面に表示される。
【国際調査報告】