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特表2023-540966CenterとEdge間の段差の改善及びLERの改善のためのI線用ネガ型フォトレジスト組成物、及び工程マージンの改善のためのI線用ネガ型フォトレジスト組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-27
(54)【発明の名称】CenterとEdge間の段差の改善及びLERの改善のためのI線用ネガ型フォトレジスト組成物、及び工程マージンの改善のためのI線用ネガ型フォトレジスト組成物
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/038 20060101AFI20230920BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20230920BHJP
   G03F 7/029 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
G03F7/038
G03F7/004 501
G03F7/029
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514836
(86)(22)【出願日】2021-08-26
(85)【翻訳文提出日】2023-03-02
(86)【国際出願番号】 KR2021011426
(87)【国際公開番号】W WO2022065713
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】10-2020-0123788
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】516210942
【氏名又は名称】ヨンチャン ケミカル カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】YOUNG CHANG CHEMICAL CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【弁理士】
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100199004
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 洋
(72)【発明者】
【氏名】イ スジン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ ヨンチョル
(72)【発明者】
【氏名】イ スンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】イ スンフン
【テーマコード(参考)】
2H225
【Fターム(参考)】
2H225AC31
2H225AF87P
2H225AM79P
2H225AN39P
2H225AN57P
2H225AN63P
2H225BA01P
2H225BA26P
2H225CA12
2H225CB06
2H225CC01
2H225CC12
(57)【要約】
本発明は、従来のI線用ネガ型フォトレジストに比べて優れた工程マージンを示すI線用ネガ型フォトレジスト組成物を提供するためのものであり、コンタクトホール(Contact hole)パターンの場合、パターン形成時に中央部分が凹む問題点を改善するための目的を有するものであり、重合体樹脂;下記化学式1で表される化合物;架橋剤;光酸発生剤;酸拡散防止剤;及び溶媒;からなる組成物であって、半導体工程のパターン形成工程時に中央部分が凹むCenterとEdge間の段差を改善し且つLER(Line and Edge Roughness)を改善するためのI線用ネガ型フォトレジスト組成物に関するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)重合体樹脂、
2)下記化学式1で表される化合物、
3)架橋剤、
4)光酸発生剤、
5)酸拡散防止剤、及び
6)溶媒からなる組成物である、半導体工程のパターン形成工程時のCenterとEdge間の段差の改善及びLER(Line and Edge Roughness)の改善のためのI線用ネガ型フォトレジスト組成物。
【化1】

(式中、Rは、互いに同じでも異なってもよく、それぞれ独立して、アクリロイル(Acryloyl)、アリル(Allyl)、3-エトキシアクリロイル(3-Etoxyacryloyl)、ジメチルシランアリル(Dimethysilaneallyl)、メチルアクリル(Methylacryl)、トランス-3-(ベンゾイル)アクリル(trans-3-(Benzoyl)acryl)、3-(2フリル)アクリル(3-(2furyl)acryl)、4-(ベンジルオキシ)ベンジル(4-benzyloxy)benzyl)及び1,4-ビスアクリロイルピペラジン(1,4-bisacryloylpiperazine)よりなる群から選択されるいずれか一つである。)
【請求項2】
前記組成物は、重合体樹脂100重量部、化学式1で表される化合物5~100重量部、架橋剤7~13重量部、光酸発生剤1~7重量部、酸拡散防止剤0.3~0.9重量部、及び溶媒700~1,000重量部からなることを特徴とする、請求項1に記載のCenterとEdge間の段差の改善及びLERの改善のためのI線用ネガ型フォトレジスト組成物。
【請求項3】
前記化学式1で表される化合物は、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1-エチル-4-イソプロピルベンゼン(1,1,1-Tris(4-hydroxyphenyl)-1-ethyl-4-isopropylbenzene)にモノマーを置換反応して得た化合物であることを特徴とする、請求項2に記載のCenterとEdge間の段差の改善及びLERの改善のためのI線用ネガ型フォトレジスト組成物。
【請求項4】
前記化学式1で表される化合物は、重量平均分子量が550~600であることを特徴とする、請求項2に記載のCenterとEdge間の段差の改善及びLERの改善のためのI線用ネガ型フォトレジスト組成物。
【請求項5】
前記重合体樹脂は、重量平均分子量が2,000~25,000であることを特徴とする水酸基が含まれたフェノール重合体樹脂、及び重量平均分子量が2,000~25,000であることを特徴とするクレゾール重合体樹脂よりなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項2に記載のCenterとEdge間の段差の改善及びLERの改善のためのI線用ネガ型フォトレジスト組成物。
【請求項6】
前記フェノール重合体樹脂のモノマーは、4-ヒドロキシ-3-メチル安息香酸(4-Hydroxy-3-methyl benzoic acid)、4-ヒドロキシ-2-メチル安息香酸(4-Hydroxy-2-methyl benzoic acid)、5-ヒドロキシ-2-メチル安息香酸(5-Hydroxy-2-methyl benzoic acid)、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ安息香酸(3,5-Di-tert-butyl-4-hydroxy benzoic acid)、4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル安息香酸(4-Hydroxy-3,5-dimethyl benzoic acid)、4-ヒドロキシイソフタル酸(4-Hydroxy isophthalic acid)、2,4,6-ヒドロキシトルエン(2,4,6-Hydroxy toluene)、2,4,6-トリヒドロキシ安息香酸一水和物(2,4,6-Trihydroxy benzoic acid monohydrate)、及び2,4,6-トリヒドロキシベンズアルデヒド(2,4,6-Trihydroxy benzaldehyde)よりなる群から選択される1種以上であり、クレゾール重合体樹脂のモノマーは、オルソクレゾール(o-cresol)、パラクレゾール(p-cresol)、メタクレゾール(m-cresol)、エポキシオルソクレゾール(Epoxy o-cresol)、エポキシパラクレゾール(Epoxy p-cresol)及びエポキシメタクレゾール(Epoxy m-cresol)よりなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項5に記載のCenterとEdge間の段差の改善及びLERの改善のためのI線用ネガ型フォトレジスト組成物。
【請求項7】
前記架橋剤は、トリス(2,3-エポキシプロピル)イソシアヌレート(Tris(2,3-epoxypropyl)isocyanurate)、トリメチロールメタントリグリシジルエーテル(Trimethylolmetanetriglycydyleter)、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(Trimethylolpropanetriglycidylether)、ヘキサメチロールメラミン(Hexamethylolmelamine)、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル(Trimethylolethanetriglycidylether)、ヘキサメトキシメチルメラミン(Hexamethoxymethylmelamine)、ヘキサメトキシエチルメラミン(Hexamethoxyethylmelamine)、テトラメチロール2,4-ジアミノ-1,3,5-トリアジン(Tetramethylol 2,4-diamino-1,3,5-triazine)、テトラメトキシメチル-2,4-ジアミノ-1,3,5-トリアジン(Tetramethoxymethyl-2,4-diamino-1,3,5-triazine)、テトラメチロールグリコウリル(Tetramethylolglycoluril)、テトラメトキシメチルグリコウリル(Tetramethoxymethylglycoluril)、テトラメトキシエチルグリコウリル(Tetramethoxyethylglycoluril)、テトラメチロールウレア(Tetramethylolurea)、テトラメトキシメチルウレア(Tetramethoxymethylurea)、テトラメトキシエチルウレア(Tetramethoxyethylurea)及びテトラメトキシエチル2,4-ジアミノ-1,3,5-トリアジン(Tetramethoxyethyl-2,4-diamino-1,3,5-troazine)よりなる群から選択される1種以上のものを含むことを特徴とする、請求項2に記載のCenterとEdge間の段差の改善及びLERの改善のためのI線用ネガ型フォトレジスト組成物。
【請求項8】
前記光酸発生剤は、トリス(トリクロロメチル)トリアジン(Tris(trichloromethyl)triazine)、1,1-ビス(p-クロロフェニル)-2,2,2-トリクロロエタン(1,1-Bis(p-chlorophenyl)-2,2,2,-trichloroethane)、トリス(メタンスルホニル)ベンゼン(Tris(methanesulfonyl)benzene)、1,1-ビス(クロロフェニル)-2,2,2-トリクロロエタノール(1,1-Bis(chlorophenyl)-2,2,2,-trichloroethanol)、2,4,6-トリス(トリブロモメチル)-s-トリアジン(2,4,6-tris(tribromomethyl)-s-triazine)、2-メチル-4,6-ビス(トリブロモメチル)-s-トリアジン(2-methyl-4,6-bis(tribromomethyl)-s-triazine)、2-フェニル-4,6-ビス(トリブロモメチル)-s-トリアジン(2-phenyl-4,6-bis(tribromomethyl)-s-triazine)、2-(4-メトキシ-フェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン(2-(4-methoxy-phenyl)-4,6-bis(trichloromethyl)-1,3,5-triazine)、2,4,6-トリス(クロロメチル)1,3,5-トリアジン(2,4,6,-tris(chloromethyl)1,3,5-triazine)、トリフェニルスルホニウムトリフラート(Triphenylsulfoniumtriflate)、及びトリブロモフェニルスルホン(Tribromopheylsulfone)よりなる群から選択される1種以上のものを含むことを特徴とする、請求項2に記載のCenterとEdge間の段差の改善及びLERの改善のためのI線用ネガ型フォトレジスト組成物。
【請求項9】
前記酸拡散防止剤は、メチルトリアミン(Methyltriamine)、エチルトリアミン(ethyltriamine)、ジメチルアミン(Dimethylamine)、ジエチルアミン(Diethylamine)、トリメチルアミン(Trimethylamine)、トリエチルアミン(Triethylamine)、トリブチルアミン(Tributhylamine)、メタノールトリアミン(Methanoltriamine)、エタノールトリアミン(Ethanoltriamine)、ジメタノールアミン(Dimethanolamine)、ジエタノールアミン(Diethanolamine)、トリメタノールアミン(Trimethanolamaine)、トリエタノールアミン(Triethanolamine))、及びトリブタノールアミン(Tributanolamine)よりなる群から選択される1種以上のものを含むことを特徴とする、請求項2に記載のCenterとEdge間の段差の改善及びLERの改善のためのI線用ネガ型フォトレジスト組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工程マージンに優れたI線用ネガ型フォトレジスト組成物に係り、より詳細には、工程マージンの中でCenterとEdge間の段差を改善し、LER(Line and Edge Roughness)を改善するためのI線用ネガ型フォトレジスト組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体製造工程技術の発展に伴って半導体素子の小型化及び高集積化が要求されるにつれて、数十nm以下の線幅を有する超微細パターンを実現しようとする技術が求められている。このような超微細パターンを形成するための技術の進歩は、より小さな波長を有する光源、光源による工程技術の開発、光源に適したフォトレジスト(Photoresist)の開発などによって行われてきた。
各種のパターンを形成するためのフォトリソグラフィ(Photholithography)では、フォトレジストが使用される。フォトレジストとは、光の作用によって現像液への溶解性が変化して、露光パターンに対応する画像を得ることができる感光性樹脂を意味する。
前記フォトレジストパターン形成方法としては、ネガ型現像液を用いる方法(NTD、Negative Tone Development)と、ポジ型現像液を用いる方法(PTD、Positive Tone Development)がある。
前記ネガ型現像液を用いたパターン形成方法は、非露光領域をネガ型現像液で選択的に溶解及び除去することによりパターンを形成する方法であり、ポジ型現像液を用いたパターン形成方法は、露光領域をポジ型現像液で選択的に溶解及び除去することによりパターンを形成する方法である。
前記ネガ型現像液を用いたパターン形成方法は、ポジ型現像液を用いたパターン形成方法と比較した場合、露光量の不足で形成し難いコンタクトホールパターンやトレンチパターンなどにおいても逆相のパターンを実現することにより、同一パターンの実現時にパターンの形成が容易であり、未露光部分を除去するための現像液として有機溶媒を用いるので、より効果的にフォトレジストパターンを形成することができる。また、ネガ型フォトレジストを用いたコンタクトホールパターンの場合は、パターン形成時に中央部分が凹む現象により、一部のCIS Device及びその他の工程適用時にマージンが足りない場合が発生するという問題点が生じており、これにより歩留まりにも影響を及ぼしている。
一方、一般にフォトレジスト組成物を用いたフォトリソグラフィ工程は、ウェハー上にフォトレジストをコーティングする工程、コーティングされたフォトレジストを加熱して溶剤を蒸発させるソフトベーキング工程、フォトマスクを通過した光源によってイメージングする工程、現像液を用いて露光部と非露光部との溶解度の差によってパターンを形成する工程、及びこれをエッチングして回路を完成する工程から構成される。
前記フォトレジスト組成物は、エキシマレーザーの照射により酸を発生する感光剤(Photo Acid Generator)、基礎樹脂及びその他の添加剤から構成されている。基礎樹脂は、フェノール構造に水酸基がある構造であって、ポリスチレン重合体、クレゾール重合体、ノボラック重合体が基本的に使用され、感光剤は、特定の波長で酸(H)を発生させることができればいずれも使用可能であり、主にスルホニウム塩系、スルホニルジアゾ系、ベンゾスルホニル系、ヨウ素系、塩素系、カルボン酸系などの有機酸及び無機酸が主に使用されている。
しかし、上述した組成物を用いて製造されたネガ型フォトレジストは、下部に位置する感光剤が十分な量の酸(H)を発生させないなどの欠点により、所望の形状を形成することができなくなり、より微細なパターンを形成する工程である場合、より良くないプロファイルが作られるという問題点がある。
上述した工程に主に使用している光源は、I線、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー光源を用いた365nm~193nmの波長領域であり、短い波長であるほどより微細なパターンを形成することができると知られている。その中でも、I線ネガ型フォトレジスト技術に対する従来の特許としては、韓国公開特許公報第2013-0032071号の「I線フォトレジスト組成物及びこれを用いた微細パターン形成方法」、韓国登録特許公報第10-1598826号の「エッチング耐性に優れたI線用ネガ型フォトレジスト組成物」などが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】韓国公開特許第2013-0032071号公報
【特許文献2】韓国公開特許第10-1598826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来のI線用ネガ型フォトレジストに比べて優れた工程マージンを示すI線用ネガ型フォトレジスト組成物を提供することにあり、特に、工程マージンの中でCenterとEdge間の段差を改善し、LER(Line and Edge Roughness)を改善するためのI線用ネガ型フォトレジスト組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明は、下記化学式1で表される化合物を含むことを特徴とする、I線用ネガ型フォトレジスト組成物を提供する。
【化1】

式中、Rは、互いに同じでも異なってもよく、それぞれ独立して、アクリロイル(Acryloyl)、アリル(Allyl)、3-エトキシアクリロイル(3-Etoxyacryloyl)、ジメチルシランアリル(Dimethysilaneallyl)、メチルアクリル(Methylacryl)、トランス-3-(ベンゾイル)アクリル(trans-3-(Benzoyl)acryl)、3-(2フリル)アクリル(3-(2furyl)acryl)、4-(ベンジルオキシ)ベンジル(4-benzyloxy)benzyl)及び1,4-ビスアクリロイルピペラジン(1,4-bisacryloylpiperazine)よりなる群から選択されるいずれか一つである。
本発明の好適な一実施形態において、前記化学式1で表される化合物は、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1-エチル-4-イソプロピルベンゼン(1,1,1-Tris(4-hydroxyphenyl)-1-ethyl-4-isopropylbenzene)にモノマーを置換反応して得た化合物であることを特徴とする。
本発明の好適な一実施形態において、前記化学式1で表される化合物は、それぞれ平均分子量が550~600であることを特徴とする。
【0006】
本発明の好適な一実施形態において、組成物は、重合体樹脂、化学式1で表される化合物、架橋剤、光酸発生剤、酸拡散防止剤及び溶媒からなる組成物であって、その具体的な組成比は、重合体樹脂100重量部を基準とするとき、化学式1で表される化合物5~100重量部、架橋剤7~13重量部、光酸発生剤1~7重量部、酸拡散防止剤0.3~0.9重量部及び溶媒700~1,000重量部からなることを特徴とする。
本発明の好適な一実施形態において、前記重合体樹脂は、重量平均分子量が2,000~25,000であることを特徴とする水酸基が含まれたフェノール重合体樹脂、及び重量平均分子量が2,000~25,000であることを特徴とするクレゾール重合体樹脂よりなる群から選択される1種以上であることを特徴とする。
本発明の好適な一実施形態において、前記フェノール重合体樹脂のモノマーは、4-ヒドロキシ-3-メチル安息香酸(4-Hydroxy-3-methyl benzoic acid)、4-ヒドロキシ-2-メチル安息香酸(4-Hydroxy-2-methyl benzoic acid)、5-ヒドロキシ-2-メチル安息香酸(5-Hydroxy-2-methyl benzoic acid)、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ安息香酸(3,5-Di-tert-butyl-4-hydroxy benzoic acid)、4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル安息香酸(4-Hydroxy-3,5-dimethyl benzoic acid)、4-ヒドロキシイソフタル酸(4-Hydroxy isophthalic acid)、2,4,6-ヒドロキシトルエン(2,4,6-Hydroxy toluene)、2,4,6-トリヒドロキシ安息香酸一水和物(2,4,6-Trihydroxy benzoic acid monohydrate)及び2,4,6-トリヒドロキシベンズアルデヒド(2,4,6-Trihydroxy benzaldehyde)よりなる群から選択される1種以上を使用することができ、クレゾール重合体樹脂のモノマーは、オルソクレゾール(o-cresol)、パラクレゾール(p-cresol)、メタクレゾール(m-cresol)、エポキシオルソクレゾール(Epoxy o-cresol)、エポキシパラクレゾール(Epoxy p-cresol)及びエポキシメタクレゾール(Epoxy m-cresol)よりなる群から選択される1種以上を使用することができる。
【0007】
本発明の好適な一実施形態において、前記架橋剤は、トリス(2,3-エポキシプロピル)イソシアヌレート(Tris(2,3-epoxypropyl)isocyanurate)、トリメチロールメタントリグリシジルエーテル(Trimethylolmetanetriglycydyleter)、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(Trimethylolpropanetriglycidylether)、ヘキサメチロールメラミン(Hexamethylolmelamine)、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル(Trimethylolethanetriglycidylether)、ヘキサメトキシメチルメラミン(Hexamethoxymethylmelamine)、ヘキサメトキシエチルメラミン(Hexamethoxyethylmelamine)、テトラメチロール2,4-ジアミノ-1,3,5-トリアジン(Tetramethylol 2,4-diamino-1,3,5-triazine)、テトラメトキシメチル-2,4-ジアミノ-1,3,5-トリアジン(Tetraethoxymethyl-2,4-diamino-1,3,5-triazine)、テトラメチロールグリコウリル(Tetramethylolglycoluril)、テトラメトキシメチルグリコウリル(Tetramethoxymethylglycoluril)、テトラメトキシエチルグリコウリル(Tetramethoxyethylglycoluril)、テトラメチロールウレア(Tetramethylolurea)、テトラメトキシメチルウレア(Tetramethoxymethylurea)、テトラメトキシエチルウレア(Tetramethoxyethylurea)及びテトラメトキシエチル2,4-ジアミノ-1,3,5-トリアジン(Tetramethoxyethyl-2,4-diamino-1,3,5-troazine)よりなる群から選択される1種以上のものを含むことを特徴とする。
【0008】
本発明の好適な一実施形態において、前記光酸発生剤は、トリス(トリクロロメチル)トリアジン(Tris(trichloromethyl)triazine)、1,1-ビス(p-クロロフェニル)-2,2,2-トリクロロエタン(1,1-Bis(p-chlorophenyl)-2,2,2,-trichloroethane)、トリス(メタンスルホニル)ベンゼン(Tris(methanesulfonyl)benzene)、1,1-ビス(クロロフェニル)-2,2,2-トリクロロエタノール(1,1-Bis(chlorophenyl)-2,2,2,-trichloroethanol)、2,4,6-トリス(トリブロモメチル)-s-トリアジン(2,4,6-tris(tribromomethyl)-s-triazine)、2-メチル-4,6-ビス(トリブロモメチル)-s-トリアジン(2-methyl-4,6-bis(tribromomethyl)-s-triazine)、2-フェニル-4,6-ビス(トリブロモメチル)-s-トリアジン(2-phenyl-4,6-bis(tribromomethyl)-s-triazine)、2-(4-メトキシ-フェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン(2-(4-methoxy-phenyl)-4,6-bis(trichloromethyl)-1,3,5-triazine)、2,4,6-トリス(クロロメチル)1,3,5-トリアジン(2,4,6,-tris(chloromethyl)1,3,5-triazine)、トリフェニルスルホニウムトリフラート(Triphenylsulfoniumtriflate)、及びトリブロモフェニルスルホン(Tribromopheylsulfone)よりなる群から選択される1種以上であることを特徴とする。
【0009】
本発明の好適な一実施形態において、前記酸拡散防止剤は、メチルトリアミン(Methyltriamine)、エチルトリアミン(ethyltriamine)、ジメチルアミン(Dimethylamine)、ジエチルアミン(Diethylamine)、トリメチルアミン(Trimethylamine)、トリエチルアミン(Triethylamine)、トリブチルアミン(Tributhylamine)、メタノールトリアミン(Methanoltriamine)、エタノールトリアミン(Ethanoltriamine)、ジメタノールアミン(Dimethanolamine)、ジエタノールアミン(Diethanolamine)、トリメタノールアミン(Trimethanolamaine)、トリエタノールアミン(Triethanolamine))、及びトリブタノールアミン(Tributanolamine)よりなる群から選択される1種以上のものを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、従来のI線用ネガ型フォトレジストに比べて優れた工程マージンを示すI線用ネガ型フォトレジスト組成物を提供する効果を示すものであり、特に、工程マージンの中でCenterとEdge間の段差を改善し、LER(Line and Edge Roughness)を改善するためのI線用ネガ型フォトレジスト組成物を提供する効果を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
他に定義されない限り、本明細書で使用されたすべての技術的及び科学的用語は、本発明の属する技術分野における熟練した専門家によって通常理解されるのと同じ意味を有する。一般に、本明細書で使用された命名法は、当該技術分野でよく知られており、通常使用されるものである。
本明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
本発明において、「フォトレジスト(Photoresist)」とは、高分子と感光剤が混ざった混合物であって、光によってその化学的性質が変化して、ある波長の光にさらすと特定の溶媒に対する溶解度が変わるが、その溶媒に対する露光部と非露光部との溶解速度の差が生じるため、一定時間の溶解時間が過ぎると、溶けていない部分が残ってパターンが形成されることを意味する。
本発明における「フォトリソグラフィ(phtolithographic)工程」とは、上述したフォトレジストの性質を利用して、半導体が描かれた設計図を刻み込んだマスク(Mask)を、光源とシリコンウェハー上にコーティングされたフォトレジスト膜との間に入れ、光源をオンにすると、マスクに刻み込まれた回路がそのままフォトレジストに移されることを意味する。
本発明において、「線」とは、365nmの波長領域を有する光源を意味する。
【0012】
本発明の一実施形態は、下記化学式1で表される化合物を含むことを特徴とするI線用ネガ型フォトレジスト組成物を提供する。
【化1】

式中、Rは、互いに同じでも異なってもよく、それぞれ独立して、アクリロイル(Acryloyl)、アリル(Allyl)、3-エトキシアクリロイル(3-Etoxyacryloyl)、ジメチルシランアリル(Dimethysilaneallyl)、メチルアクリル(Methylacryl)、トランス-3-(ベンゾイル)アクリル(trans-3-(Benzoyl)acryl)、3-(2フリル)アクリル(3-(2furyl)acryl)、4-(ベンジルオキシ)ベンジル(4-benzyloxy)benzyl)、及び1,4-ビスアクリロイルピペラジン(1,4-bisacryloylpiperazine)よりなる群から選択されるいずれか一つである。
前記化学式1で表される化合物は、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1-エチル-4-イソプロピルベンゼン(1,1,1-Tris(4-hydroxyphenyl)-1-ethyl-4-isopropylbenzene)にモノマーを置換反応して得た化合物であることを特徴とする。
【0013】
下記反応式1は、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1-エチル-4-イソプロピルベンゼン(1,1,1-Tris(4-hydroxyphenyl)-1-ethyl-4-isopropylbenzene)を基本として有する構造とモノマーとの置換反応を一例として示したものである。
【化2】

前記反応式1において、X-Rは、反応性モノマーを表し、ここで、Xは、Cl、NH、Br、OH及びOCHよりなる群から選択される1種以上であり、Rは、アクリロイル(Acryloyl)、アリル(Allyl)、3-エトキシアクリロイル(3-Etoxyacryloyl)、ジメチルシランアリル(Dimethysilaneallyl)、メチルアクリル(Methylacryl)、トランス-3-(ベンゾイル)アクリル(trans-3-(Benzoyl)acryl)、3-(2フリル)アクリル(3-(2furyl)acryl)、4-(ベンジルオキシ)ベンジル(4-benzyloxy)benzyl)、及び1,4-ビスアクリロイルピペラジン(1,4-bisacryloylpiperazine)よりなる群から選択される1種以上であり得る。
【0014】
前記反応性モノマーの具体例としては、アクリロイルクロリド(Acryloylchloride)、アリールクロリド(Arylchlorid)、アクリロイルブロミド(Acryloylbromide)、アリールクロリドジメチルシラン(Arylchloriddimethylsilrane)、アクリル酸(Acrylic acid)、ブロモアセトフェノン(Bromoacetonephenone)、アントラキノンカルボニルクロリド(Anthraquinonecarbonyl chloride)、アリールブロミドジメチルシラン(Arylbromidedimethylsilrane)、クロロアセトフェノン(Chloroacetonephenone)、クロロアントラセン(Chloroanthracene)、ブロモアントラセン(Bromoanthracene)などがある。
上述したように置換反応によって得られた化学式1で表される化合物は、550~600の重量平均分子量を有するものであってもよい。
本発明によるI線用ネガ型フォトレジスト組成物は、重合体樹脂、化学式1で表される化合物、架橋剤、光酸発生剤、酸拡散防止剤及び溶媒からなる組成物であって、その具体的な組成比は、重合体樹脂100重量部を基準とするとき、化学式1で表される化合物5~100重量部、架橋剤7~13重量部、光酸発生剤1~7重量部、酸拡散防止剤0.3~0.9重量部、及び溶媒700~1,000重量部からなるものであってもよい。
【0015】
前記化学式1で表される化合物は、重合体樹脂100重量部を基準とするとき、5~100重量部を含むことが好ましい。もし、前記化合物を5重量部未満で使用する場合には、コンタクトホールパターンの場合、パターン形成時に中央部分が凹む現象(Pattern EdgeとCenterとの段差)の改善が不十分であって効果がなく、Profileなどの性能的な側面でも改善点を確認し難く、前記化合物を100重量部超過で使用する場合には、パターン形成時に中央部分が凹む現象(Pattern EdgeとCenterとの段差)の改善は可能であるものの、パターンLER(Line and Edge Roughness)不良及び解像度不足などの問題点の原因になれるため、好ましくない。
前記重合体樹脂は、水酸基が含まれたフェノール重合体樹脂及びクレゾール重合体樹脂よりなる群から選択される1種以上であり得る。
【0016】
より具体的には、前記フェノール重合体樹脂のモノマーは、4-ヒドロキシ-3-メチル安息香酸(4-Hydroxy-3-methyl benzoic acid)、4-ヒドロキシ-2-メチル安息香酸(4-Hydroxy-2-methyl benzoic acid)、5-ヒドロキシ-2-メチル安息香酸(5-Hydroxy-2-methyl benzoic acid)、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ安息香酸(3,5-Di-tert-butyl-4-hydroxy benzoic acid)、4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル安息香酸(4-Hydroxy-3,5-dimethyl benzoic acid)、4-ヒドロキシイソフタル酸(4-Hydroxy isophthalic acid)、2,4,6-ヒドロキシトルエン(2,4,6-Hydroxy toluene)、2,4,6-トリヒドロキシ安息香酸一水和物(2,4,6-Trihydroxy benzoic acid monohydrate)及び2,4,6-トリヒドロキシベンズアルデヒド(2,4,6-Trihydroxy benzaldehyde)よりなる群から選択される1種以上を使用することができ、クレゾール重合体樹脂のモノマーは、オルソクレール(o-cresol)、パラクレゾール(p-cresol)、メタクレゾール(m-cresol)、エポキシオルソクレゾール(Epoxy o-cresol)、エポキシパラクレゾール(Epoxy p-cresol)及びエポキシメタクレゾール(Epoxy m-cresol)よりなる群から選択される1種以上を使用することができる。
前記重合体樹脂は、組成物の基準となるものであって、100重量部を含むことが好ましい。もし、重合体樹脂を基準量である100重量部未満で使用する場合には、パターニング(patterning)及び現像時に高い露光エネルギーが要求されるという問題点があり、重合体樹脂を基準量である100重量部を超えて使用する場合には、均一なパターン(Pattern)形成が難しいため、残存物が発生するという問題点があり得る。
【0017】
前記架橋剤は、トリス(2,3-エポキシプロピル)イソシアヌレート(Tris(2,3-epoxypropyl)isocyanurate)、トリメチロールメタントリグリシジルエーテル(Trimethylolmetanetriglycydyleter)、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(Trimethyllolphopantriglysideleter)、ヘキサメチロールメラミン(Hexamethylolmelamine)、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル(Trimethylolethanetriglycidylether)、ヘキサメトキシメチルメラミン(Hexamethoxymethylmelamine)、ヘキサメトキシエチルメラミン(Hexamethoxyethylmelamine)、テトラメチロール2,4-ジアミノ-1,3,5-トリアジン(Tetramethylol 2,4-diamino-1,3,5-triazine)、テトラメトキシメチル-2,4-ジアミノ-1,3,5-トリアジン(Tetramethoxymethyl-2,4-diamino-1,3,5-triazine)、テトラメチロールグリコウリル(Tetramethylolglycoluril)、テトラメトキシメチルグリコウリル(Tetramethoxymethylglycoluril)、テトラメトキシエチルグリコウリル(Tetramethoxyethylglycoluril)、テトラメチロールウレア(Tetramethylolurea)、テトラメトキシメチルウレア(Tetramethoxymethylurea)、テトラメトキシエチルウレア(Tetramethoxyethylurea)、及びテトラメトキシエチル2,4-ジアミノ-1,3,5-トリアジン(Tetramethoxyethyl-2,4-diamino-1,3,5-triazine)よりなる群から選択される1種以上のものを含むことができる。
【0018】
前記架橋剤は、重合体樹脂100重量部を基準とするとき、架橋剤を7~13重量部含むことが好ましい。もし、架橋剤を7重量部未満で使用する場合には、残膜率不足などの原因でパターン形成が不可能になる場合が発生することがあり、架橋剤を13重量部超過で使用する場合には、過剰な架橋によるパターンとパターンとの間のブリッジ(Bridge)現象による不良が現れることがある。
前記光酸発生剤は、トリス(トリクロロメチル)トリアジン(Tris(trichloromethyl)triazine)、1,1-ビス(p-クロロフェニル)-2,2,2-トリクロロエタン(1,1-Bis(p-chlorophenyl)-2,2,2,-trichloroethane)、トリス(メタンスルホニル)ベンゼン(Tris(methanesulfonyl)benzene)、1,1-ビス(クロロフェニル)-2,2,2-トリクロロエタノール(1,1-Bis(chlorophenyl)-2,2,2,-trichloroethanol)、2,4,6-トリス(トリブロモメチル)-s-トリアジン(2,4,6-tris(tribromomethyl)-s-triazine)、2-メチル-4,6-ビス(トリブロモメチル)-s-トリアジン(2-methyl-4,6-bis(tribromomethyl)-s-triazine)、2-フェニル-4,6-ビス(トリブロモメチル)-s-トリアジン(2-phenyl-4,6-bis(tribromomethyl)-s-triazine)、2-(4-メトキシ-フェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン(2-(4-methoxy-phenyl)-4,6-bis(trichloromethyl)-1,3,5-triazine)、2,4,6-トリス(クロロメチル)1,3,5-トリアジン(2,4,6,-tris(chloromethyl)1,3,5-triazine)、トリフェニルスルホニウムトリフラート(Triphenylsulfoniumtriflate)、及びトリブロモフェニルスルホン(Tribromopheylsulfone)よりなる群から選択される1種以上のものを含むことができる。
【0019】
前記光酸発生剤は、重合体樹脂100重量部を基準とするとき、光酸発生剤を1~7重量部含むことが好ましい。もし、光酸発生剤を1重量部未満で使用する場合には、架橋密度の不足でパターン形成が不可能になり、光酸発生剤を7重量部超過で使用する場合には、過剰な酸発生によりパターンの壁面又はエッジ部分のパターンが不良(LWR、LER)になる等のパターン不良問題が発生することがある。
前記酸拡散防止剤としては、メチルトリアミン(Methyltriamine)、エチルトリアミン(ethyltriamine)、ジメチルアミン(Dimethylamine)、ジエチルアミン(Diethylamine)、トリメチルアミン(Trimethylamine)、トリエチルアミン(Triethylamine)、トリブチルアミン(Tributhylamine)、メタノールトリアミン(Methanoltriamine)、エタノールトリアミン(Ethanoltriamine)、ジメタノールアミン(Dimethanolamine)、ジエタノールアミン(Diethanolamine)、トリメタノールアミン(Trimethanolamine)、トリエタノールアミン(Triethanolamine)、及びトリブタノールアミン(Tributhanolamine)よりなる群から選択される1種以上のものを含むことができる。
【0020】
前記酸拡散防止剤は、重合体樹脂100重量部を基準とするとき、0.3~0.9重量部で含むことが好ましい。もし、酸拡散防止剤を0.3重量部未満で使用する場合には、過剰な酸発生によりパターンの壁面又はエッジ部分のパターンが不良(LWR、LER)になる等のパターンの不良問題が発生することがあり、酸拡散防止剤を0.9重量部超過で使用する場合には、パターン形成が不可能になる場合が発生することがあるという問題点がある。
一方、本発明のI線用ネガ型フォトレジスト組成物は、使用する溶媒の種類及び使用量に応じて1,000Å~100,000Åで使用することができ、I線用ネガ型フォトレジスト組成物中の溶媒は、重合体樹脂100重量部を基準とするとき、他の組成成分に溶媒700~1,000重量部を加えて溶かした後に使用することができる。
前記溶媒としては、エチレングリコールモノメチルエーテル(Ethyleneglycolmonomethylether)、エチレングリコールモノエチルエーテル(Ethyleneglycolmonoethylether)、メチルセロソルブアセテート(Methylcellosolveacetate)、エチルセロソルブアセテート(Ethylcellosolveacetate)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(Diethyleneglycolmonomethylether)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(Diethyleneglycolmonoethylether)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(Propyleneglycolmethyletheracetate)、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート(Propyleneglycolpropyletheracetate)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(Diethyleneglycoldimethylether)、乳酸エチル(Ethyllactate)、トルエン(Toluene)、キシレン(Xylene)、メチルエチルケトン(Methylethylketone)、シクロヘキサノン(Cyclohexanone)、2-ヘプタノン(2-heptanone)、3-ヘプタノン(3-heptanone)及び4-ヘプタノン(4-heptanone)よりなる群から選択される1種以上を用いることができる。
【0021】
上述したように、本発明から提供される本発明のI線用ネガ型フォトレジスト組成物は、化学式1で表される化合物を含んでなることにより、半導体製造工程で使用するのに適したフォトレジスト組成物を提供してI線(365nm)露光源においてもPattern EdgeとCenter間の段差の最小化によってマージンが改善され、より垂直なプロファイルを実現することができる。
【0022】
[実施例]
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。これらの実施例は本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の範囲がこれらの実施例によって制限されるものと解釈されないのは、当技術分野における通常の知識を有する者にとって自明であろう。

置換反応例1
500mlのアルゴン還流可能装置付き三口丸底フラスコに1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1-エチル-4-イソプロピルベンゼン61.2g、トリエチルアミン74.5g及び無水テトラヒドロフラン250mlを加え、マグネットバーを用いて撹拌した。アルゴン雰囲気下で10分攪拌した後、アクリロイルクロリド36.2gを、滴下パネルを用いて10分間ゆっくり投入し、常温で2時間攪拌した後、反応完了した結果物をフィルタリングし、しかる後に、水を用いて2回洗浄した。前記フィルタリングされた結果物をクロロホルム150mlに完全に溶かした後、500mlの分別漏斗を用いて5回精製した。最後に、クロロホルムに溶かした結果物を塩化メチレンとヘキサンの1:1比率の溶媒を用いてカラムクロマトグラフィーによって追加精製して未反応物を除去した。最終的に、重量平均分子量586の化学式1(R:アクリロイル)で表される構造の白色の固体結果物を得た。ゲルクロマトグラフィ分析を行った結果、未反応物は確認されなかった。
【0023】
実施例1
基礎樹脂として平均分子量5,000の4-ヒドロキシ-3-メチル安息香酸を基本構造とするフェノール重合体樹脂100g、置換反応例1で提示した化合物5.0g、架橋剤としてテトラメトキシメチルグリコウリル10g、光酸発生剤として2-(4-メトキシ-フェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン4g、酸拡散防止剤としてトリブチルアミン0.6gを用い、溶媒としては乳酸エチル150gとプロピレングリコールメチルエーテルアセテート700gの混合液を用いて、I線用ネガ型フォトレジスト組成物を製造した。前記製造された組成物を0.1μmのテフロン材質のシリンジフィルターを用いてフィルタリングした後、スピンコーターを用いて、Contact Hole Pattern(ホールサイズ5.0μm)が作られたシリコンウェハー上にコーティングし、90℃で90秒間ソフトベーキングした後、365nmの光源で露光工程を行った。前記露光工程を終えると、110℃で90秒間ベーキング工程を行った後、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドで現像する工程を行ってパターン形成をした。

実施例2
置換反応例1で提示した化合物10.0gを用いる以外は、実施例1と同様にして実験を行った。

実施例3
置換反応例1で提示した化合物20.0gを用いる以外は、実施例1と同様にして実験を行った。

実施例4
置換反応例1で提示した化合物30.0gを用いる以外は、実施例1と同様にして実験を行った。

実施例5
置換反応例1で提示した化合物40.0gを用いる以外は、実施例1と同様にして実験を行った。

実施例6
置換反応例1で提示した化合物50.0gを用いる以外は、実施例1と同様にして実験を行った。

実施例7
置換反応例1で提示した化合物60.0gを用いる以外は、実施例1と同様にして実験を行った。

実施例8
置換反応例1で提示した化合物70.0gを用いる以外は、実施例1と同様にして実験を行った。

実施例9
置換反応例1で提示した化合物80.0gを用いる以外は、実施例1と同様にして実験を行った。

実施例10
置換反応例1で提示した化合物90.0gを用いる以外は、実施例1と同様にして実験を行った。

実施例11
置換反応例1で提示した化合物100.0gを用いる以外は、実施例1と同様にして実験を行った。
【0024】
比較例1
置換反応例1から得られた化合物を添加しない以外は、実施例1と同様にして実験を行った。

比較例2
置換反応例1で提示した化合物2.5gを用いる以外は、実施例1と同様にして実験を行った。

比較例3
置換反応例1で提示した化合物110.0gを用いる以外は、実施例1と同様にして実験を行った。
【0025】
特性測定
前記実施例1~11及び比較例1~3のように製造されたI線用ネガ型フォトレジスト組成物に対する特性を測定した。

Profile特性は、実施例1~11と比較例1~3で得られたウェハーのパターン線幅(Critical Dimension)を観察することができるCD-SEM(Critical Dimension-Scanning Electron Microscope)を用いたLER(Line and Edge Roughness)を観察し、パターン断面(Cross Profile)を観察することができるFE-SEM(Field Emission-Scanning Electron Microscope)を用いてC/H(Contact Hole) PatternのEdgeとCenter間の高さを基準として、段差(Gap*?*=Center高さ-Edge高さ)の程度を観察して確認した。
このように測定した結果を下記表1に示す。

【表1】
*Gap=Center-Edge:比較例1の結果100を基準とした相対的な比較値であって、低いほど優れる
*LER(Line and Edge Roughness):10(良好)、5(普通)、1(不良)
[絵1]

前記絵1は、本実施例1~11と比較例1~3で使用されたパターンウェハー(Pattern Wafer)であって、コンタクトホールサイズ(Contact Hole Size)を基準に3.0μm、5.0μm、7.0μm、9.0μmを含んでおり、本実施例では、コンタクトホールサイズ5.0μmのパターンを使用した。
前記表1から分かるように、実施例1~11は、比較例1と同様に、CenterとEdge間の段差の改善効果が大きく、LER特性も7点以上の良好な結果を示していることが確認されたので、採用することができた。
【0026】
また、比較例1の結果から分かるように、化学式1で表される化合物を含まない場合、CenterとEdge間の段差の改善効果が全くなく、LER特性も普通レベル以下の4点と確認されたので、採用できないのであった。
また、比較例2の結果から分かるように、化学式1で表される化合物を2.5g以下で含む場合、CenterとEdge間の段差の改善効果が非常に低いため採用できないだけでなく、LER特性も普通レベル以下の4点と確認されたので、採択できないのであった。
また、比較例3の結果から分かるように、化学式1で表される化合物を110g以上で含む場合、CenterとEdge間の段差の改善には効果的であるものの、LER特性において不良なレベルである1点と確認されたので、採用できないのであった。
その結果、化学式1で表される化合物を実施例1~11で提示された最適な含有量範囲で含む場合、パターン形成時に中央部分が凹む現象の改善(CenterとEdge間の段差の改善)及びLER特性も良好な結果を示しているので、工程適用時にマージンが改善された優秀なI線用ネガ型フォトレジスト組成物を提供することができることを確認した。
本発明の単純な変形又は変更はいずれも、当該分野における通常の知識を有する者によって容易に実施でき、それらの変形又は変更も本発明の領域に含まれるものと見なすことができる。
【国際調査報告】