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特表2023-540987ブラインシュリンプを用いた熱帯魚飼料の製造方法及びそれによって製造された熱帯魚飼料
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  • 特表-ブラインシュリンプを用いた熱帯魚飼料の製造方法及びそれによって製造された熱帯魚飼料 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-27
(54)【発明の名称】ブラインシュリンプを用いた熱帯魚飼料の製造方法及びそれによって製造された熱帯魚飼料
(51)【国際特許分類】
   A23K 50/80 20160101AFI20230920BHJP
   A23K 10/22 20160101ALI20230920BHJP
   A23K 40/00 20160101ALI20230920BHJP
【FI】
A23K50/80
A23K10/22
A23K40/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514988
(86)(22)【出願日】2021-09-02
(85)【翻訳文提出日】2023-03-01
(86)【国際出願番号】 KR2021011822
(87)【国際公開番号】W WO2022050706
(87)【国際公開日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0111603
(32)【優先日】2020-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523075800
【氏名又は名称】シム、ホン ソン
【氏名又は名称原語表記】SIM,Hong Sun
【住所又は居所原語表記】1905ho,110dong,43,Imgok-ro,Dongan-gu Anyang-si Gyeonggi-do 13916,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】シム、ホン ソン
【テーマコード(参考)】
2B005
2B150
【Fターム(参考)】
2B005GA03
2B005JA04
2B005KA01
2B005LA05
2B150AA08
2B150AB02
2B150AB04
2B150BA02
2B150BA03
2B150BD10
2B150CD26
2B150DD01
(57)【要約】
ブラインシュリンプを用いた熱帯魚飼料の製造方法及びそれによって製造された熱帯魚飼料に関し、詳細には、孵化したブラインシュリンプにスピルリナとヘマトコッカスを摂取させて熱帯魚飼料として製造することにより、熱帯魚の成長を促進し、免疫力を強化し、熱帯魚の摂取、消化、吸収及び嗜好性を向上させることができるブラインシュリンプを用いた熱帯魚飼料の製造方法及びそれによって製造された熱帯魚飼料に関する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
培養塩水を準備する培養塩水準備段階(S100)と、
前記準備された培養塩水にブラインシュリンプの卵を投入して前記ブラインシュリンプの卵を孵化させるために準備するブラインシュリンプ培養塩水投入段階(S200)と、
前記ブラインシュリンプの卵が投入された培養塩水にエアを循環させて微細気泡を噴射してブラインシュリンプの卵を孵化させるエア噴射及び孵化段階(S300)と、
前記ブラインシュリンプの卵の孵化後にスピルリナを最初に投入するスピルリナ投入段階(S400)と、
前記孵化したブラインシュリンプの卵の卵殻を分離して除去する卵殻分離段階(S500)と、
前記卵殻が分離された培養塩水に同濃度の培養塩水を補充して供給する培養塩水補充段階(S600)と、
前記同濃度の培養塩水を補充して供給した後、スピルリナをさらに投入して前記孵化したブラインシュリンプに栄養成分を供給するスピルリナ追加投入段階(S700)と、
前記スピルリナをさらに投入した培養塩水にヘマトコッカス粉末を投入するヘマトコッカス粉末投入段階(S800)と、
前記ヘマトコッカス粉末を投入した培養塩水から卵殻を再分離して除去することにより、ブラインシュリンプの幼生のみを分離して収集する卵殻再分離段階(S900)と、
前記分離して収集されたブラインシュリンプの幼生を冷凍保存して前記ブラインシリンプの幼生を冷凍し、前記冷凍したブラインシリンプの幼生に含まれている卵殻を再分離して除去するブラインシュリンプ幼生冷凍及び卵殻再分離段階(S1000)と、
前記冷凍後に卵殻が再分離されたブラインシュリンプの幼生を冷凍包装して熱帯魚飼料を製造する冷凍包装段階(S1100)とを含む
ことを特徴とするブラインシュリンプを用いた熱帯魚飼料の製造方法。
【請求項2】
前記培養塩水準備段階(S100)において前記培養塩水は、水温が28~30℃であり、精製水1リットル(L)に33~50gの塩が溶解して製造された培養塩水を使用し、
前記ブラインシュリンプ培養塩水投入段階(S200)において前記ブラインシュリンプの卵は、-8~-4℃の温度で冷蔵保管されたブラインシュリンプの卵を使用し、前記冷蔵保管されたブラインシュリンプの卵を12~20時間、15~25℃の温度で保管した後、前記準備した培養塩水に投入することにより行われ、
前記ブラインシュリンプ培養塩水投入段階(S200)では、培養塩水120リットル(L)当たり、ブラインシュリンプの卵330~350gの割合で投入することにより行われる
請求項1に記載のブラインシュリンプを用いた熱帯魚飼料の製造方法。
【請求項3】
前記エア噴射及び孵化段階(S300)では、前記ブラインシュリンプの卵が投入された培養塩水に6.5~7.5L/minの量でエアを噴射して微細気泡を生成し、前記培養塩水の上部及び側面に照度2000~2500ラックス(LUX)の光を36時間まで維持し、以後、ブラインシュリンプの卵が孵化するまで1000ラックス(LUX)の光を維持することにより行われ、
前記スピルリナ投入段階(S400)では、前記ブラインシュリンプの卵が孵化を開始して18時間が経過した後、前記ブラインシュリンプの卵330~350g当たり、スピルリナ1.5~2.5gを最初に投入して行われる
請求項2に記載のブラインシュリンプを用いた熱帯魚飼料の製造方法。
【請求項4】
前記スピルリナ追加投入段階(S700)では、前記ブラインシュリンプの卵の孵化後に18時間が経過して最初にスピルリナを投入した後、48時間が経過するまで90~120分間隔で2~8g重量のスピルリナをさらに投入することにより、ブラインシュリンプの卵330~350g当たり、合計でスピルリナが90~100g投入され、
前記ヘマトコッカス粉末投入段階(S800)では、水800mL当たり、ヘマトコッカス粉末2gの重量比で粉砕機に投入した後、1~2分間粉砕し、前記ブラインシュリンプの卵の孵化後40時間が経過した時から50時間が経過するまで、前記水とともに粉砕されたヘマトコッカスを2gずつ5回、前記孵化したブラインシュリンプに投入する
請求項3に記載のブラインシュリンプを用いた熱帯魚飼料の製造方法。
【請求項5】
前記卵殻再分離段階(S900)では、前記培養塩水を1~1.5m長さのパイプ状の管を通過させるが、前記パイプ状の管の両側には10000~12000ガウスの磁力を持つ円形磁石を設けることにより、前記管を通過する鉄コーティングされた卵殻を分離し、ブラインシュリンプの幼生のみを分離して収集し、
前記ブラインシュリンプ幼生冷凍及び卵殻再分離段階(S1000)では、前記分離して収集されたブラインシュリンプ幼生を2.5~3.5時間冷凍保存する
請求項4に記載のブラインシュリンプを用いた熱帯魚飼料の製造方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の方法で製造された
ことを特徴とするブラインシュリンプを用いた熱帯魚飼料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラインシュリンプを用いた熱帯魚飼料の製造方法及びそれによって製造された熱帯魚飼料に関し、より詳細には、孵化したブラインシュリンプにスピルリナとヘマトコッカスを摂取させて熱帯魚飼料として製造することにより熱帯魚の成長を促進し、免疫力を強化し、熱帯魚の摂取、消化、吸収及び嗜好性を向上させることができるブラインシュリンプを用いた熱帯魚飼料の製造方法及びそれによって製造された熱帯魚飼料に関する。
【背景技術】
【0002】
ブラインシュリンプは水生小型動物で、かねてより魚類養殖の生き餌として使用されてきており、今でも使用されている。近年では、様々な乾燥微粒子飼料の開発にもかかわらず、生きているブラインシュリンプが魚類の餌として脚光を浴びている理由は、ブラインシュリンプの卵は、一般ユーザーが商品として購入が容易で、孵化させやすく、サイズが小さく栄養価が高く、成魚や稚魚の健康と成長に最も良い餌生物であるという点である。それで魚類の餌としてブラインシュリンプに対する需要が徐々に増えている。
【0003】
前記ブラインシュリンプは、通常、アルテミア(Artemia)とも呼ばれ、成体のサイズは、10~15mmであるが、卵と孵化したブラインシュリンプは、サイズが1mm以下であるため、口の小さい幼魚には最高の餌として扱われている。しかし、孵化しない殻がついているブラインシュリンプの卵と腐敗した卵は、幼魚と成魚に消化不良及び腹水病の原因となり斃死しやすいので、格別の注意が必要であり、直接給餌を目的に流通されるブラインシュリンプは、いずれも卵の殻を剥いた脱殻製品であるか、または孵化直後に冷凍させた形態である。
【0004】
このような理由から、魚類を育てる一般ユーザーが孵化できるように乾燥保管されたブラインシュリンプの卵をオンオフラインで容易に購入し、ブラインシュリンプ孵化器や透明なPETボトルを用いて直接孵化させ、殻と腐敗した卵は廃棄し、孵化したブラインシュリンプだけを収集して魚類の餌として提供している。
【0005】
前記ブラインシュリンプ孵化器によって一般的に使用されるブラインシュリンプの孵化方法と収集装置及びその方法について簡単に説明すると、次の通りである。
【0006】
内面がある程度見える透明な容器の下部に排出部とバルブを結合させ、きれいな水で満たした後、天日塩を加えて溶かした後、空気ポンプを連結して空気を持続的に入れ、適当な水温を維持した塩水に乾燥されたブラインシュリンプの卵を一定量入れ、36~48時間程度経過すると、ブラインシュリンプが孵化するようになる。
【0007】
前記孵化進行は、およそ36~48時間程度にわたって行われ、孵化してうごめくブラインシュリンプを目視で識別し、孵化が進行されてブラインシュリンプの採取が可能であると思われれば、空気ポンプを止めて20~30分程度待つが、その理由は、水流を安定させて、孵化して残った卵の殻が水面の上に浮かび上がり、孵化したブラインシュリンプは、流動的に動き、未孵化の卵と腐敗したブラインシュリンプの卵は、中間と底側に位置するためである。以後、光に向かって集まるブラインシュリンプの特性を用いるため、容器の周りをなるべく暗くし、透明な容器の下部に光を照らすと、その光を中心にブラインシュリンプが集まるようになる。これは光を見ると、発光部側に強く集まる孵化したブラインシュリンプの本能的な特性を用いたものである。
【0008】
このように集まったブラインシュリンプを収集する方法には、孵化容器の下部にバルブを取り付けて、バルブを開いて収集する方法と少しずつ群集したブラインシュリンプをスポイトや注射器などを使用して直接収集する方法がある。
【0009】
前記方法は、すべて孵化したブラインシュリンプを収集できるが、バルブを開いて収集する方法は、孵化したブラインシュリンプの他にも、孵化せず腐敗したブラインシュリンプの卵やまだ孵化しない卵、そして、一部の卵殻まで収集されるので、根本的に魚類に最上の餌の状態である孵化したブラインシュリンプだけを収集できないという問題点が大きい。
【0010】
また、腐敗したブラインシュリンプの卵と孵化して残った卵殻を魚の餌として他の水槽に提供する場合、水質を急激に汚染させ、成魚及び稚魚が食べて消化不良及び腹水病を起こして斃死する原因を提供するという大きな問題点があり、スポイトや注射器を使用して直接収集する方法は、前記問題の他にも孵化したブラインシュリンプの収集量が少なく、選別作業が煩わしく実質的に困難であり、多くの時間と努力をかけて孵化させたブラインシュリンプを殻などとともに捨てなければならないという避けられない問題点がある。
【0011】
また、ブラインシュリンプの卵を少量孵化する場合には、餌として提供する分だけ孵化させるので、前記孵化の進行手順を繰り返さなければならない煩わしさがあり、孵化したブラインシュリンプを完全に分離して収集できない収集手順の繰り返しは、非効率的かつ非経済的な問題点がある。
【0012】
本発明が属する技術分野の先行技術文献には、特許文献1-3:韓国登録特許第10-1127311号、韓国登録特許第10-0927683号、韓国公開特許第10-2019-0060026号などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1127311号
【特許文献2】韓国登録特許第10-0927683号
【特許文献3】韓国公開特許第10-2019-0060026号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、孵化したブラインシュリンプにスピルリナとヘマトコッカスを摂取させて熱帯魚飼料として製造することにより、熱帯魚の成長を促進し、免疫力を強化して熱帯魚の摂取、消化、吸収及び嗜好性を向上させることができるブラインシュリンプを用いた熱帯魚飼料の製造方法及びそれによって製造された熱帯魚飼料を提供する。
【0015】
また、本発明は、熱帯魚の免疫力を強化して疾病の予防及び水質汚染を防止でき、冷蔵保管が可能であるため、飼料を新鮮な状態で長期間保管できるブラインシュリンプを用いた熱帯魚飼料の製造方法及びそれによって製造された熱帯魚飼料を提供する。
【0016】
本発明が解決しようとする様々な課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は、以下の記載から当業者が明確に理解できる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明によるブラインシュリンプを用いた熱帯魚飼料の製造方法は、培養塩水を準備する培養塩水準備段階(S100)、前記準備された培養塩水にブラインシュリンプの卵を投入して前記ブラインシュリンプの卵を孵化させるために準備するブラインシュリンプ培養塩水投入段階(S200)、前記ブラインシュリンプの卵が投入された培養塩水にエアを循環させて微細気泡を噴射してブラインシュリンプの卵を孵化させるエア噴射及び孵化段階(S300)、前記ブラインシュリンプの卵の孵化後にスピルリナを最初に投入するスピルリナ投入段階(S400)、前記孵化したブラインシュリンプの卵の卵殻を分離して除去する卵殻分離段階(S500)、前記卵殻が分離された培養塩水に同濃度の培養塩水を補充して供給する培養塩水補充段階(S600)、前記同濃度の培養塩水を補充して供給した後、スピルリナをさらに投入して前記孵化したブラインシュリンプに栄養成分を供給するスピルリナ追加投入段階(S700)、前記スピルリナをさらに投入した培養塩水にヘマトコッカス粉末を投入するヘマトコッカス粉末投入段階(S800)、前記ヘマトコッカス粉末を投入した培養塩水から卵殻を再分離して除去することにより、ブラインシュリンプの幼生のみを分離して収集する卵殻再分離段階(S900)、前記分離して収集されたブラインシュリンプの幼生を冷凍保存して前記ブラインシリンプの幼生を冷凍し、前記冷凍したブラインシリンプの幼生に含まれている卵殻を再分離して除去するブラインシュリンプ幼生冷凍及び卵殻再分離段階(S1000)、及び前記冷凍後に卵殻が再分離されたブラインシュリンプの幼生を冷凍包装して熱帯魚飼料を製造する冷凍包装段階(S1100)を含む。
【0018】
前記培養塩水準備段階(S100)で前記培養塩水は、水温が28~30℃であり、精製水1リットル(L)に33~50gの塩が溶解して製造された培養塩水を使用してもよい。
【0019】
前記ブラインシュリンプ培養塩水投入段階(S200)で前記ブラインシュリンプの卵は、-8~-4℃の温度で冷蔵保管されたブラインシュリンプの卵を使用し、前記冷蔵保管されたブラインシュリンプの卵を12~20時間、15~25℃の温度で保管した後、前記準備した培養塩水に投入することにより行われ、前記ブラインシュリンプ培養塩水投入段階(S200)では、培養塩水120リットル(L)当たり、ブラインシュリンプの卵330~350gの割合で投入することにより行われてもよい。
【0020】
前記エア噴射及び孵化段階(S300)では、前記ブラインシュリンプの卵が投入された培養塩水に6.5~7.5L/minの量でエアを噴射して微細気泡を生成し、前記培養塩水の上部と側面に照度2000~2500ラックス(LUX)の光を36時間まで維持し、以後、ブラインシュリンプの卵が孵化するまで1000ラックス(LUX)の光を維持することにより、行われてもよい。
【0021】
前記スピルリナ投入段階(S400)では、前記ブラインシュリンプの卵が孵化を開始して18時間が経過した後、前記ブラインシュリンプの卵330~350g当たり、スピルリナ1.5~2.5gを最初に投入して行われてもよい。
【0022】
前記スピルリナ追加投入段階(S700)では、前記ブラインシュリンプの卵の孵化後18時間が経過して最初にスピルリナを投入した後、48時間が経過するまで90~120分間隔で2~8g重量のスピルリナをさらに投入することにより、ブラインシュリンプの卵330~350g当たり、合計でスピルリナが90~100g投入されてもよい。
【0023】
前記ヘマトコッカス粉末投入段階(S800)では、水800mL当たり、ヘマトコッカス粉末2gの重量比で粉砕機に投入した後、1~2分間粉砕し、前記ブラインシュリンプの卵の孵化後、40時間が経過した時から50時間が経過するまで、前記水とともに粉砕されたヘマトコッカスを2gずつ5回、前記孵化したブラインシュリンプに投入してもよい。
【0024】
前記卵殻再分離段階(S900)では、前記培養塩水を1~1.5m長さのパイプ状の管を通過させるが、前記パイプ状の管の両側には10000~12000ガウスの磁力を持つ円形磁石を設けることにより、前記管を通過する鉄コーティングされた卵殻を分離し、ブラインシュリンプの幼生のみを分離して収集してもよい。
【0025】
また、ブラインシュリンプ幼生冷凍及び卵殻再分離段階(S1000)では、前記分離して収集されたブラインシュリンプの幼生を2.5~3.5時間冷凍保存してもよい。
【0026】
また、本発明は、前記方法で製造されたブラインシュリンプを用いた熱帯魚飼料を含む。
【0027】
その他の実施例の具体的な事項は、詳細な説明に含まれている。
【発明の効果】
【0028】
本発明によるブラインシュリンプを用いた熱帯魚飼料の製造方法は、孵化したブラインシュリンプにスピルリナとヘマトコッカスを摂取させて熱帯魚飼料として製造することにより、熱帯魚の成長を促進し、免疫力を強化して熱帯魚の摂取、消化、吸収及び嗜好性を向上させることができる。
【0029】
また、本発明により製造されたブラインシュリンプを用いた熱帯魚飼料は、熱帯魚の免疫力を強化して疾患の予防及び水質汚染を防止でき、冷蔵保管が可能であるため、飼料を新鮮な状態で長期間保管しうる。
【0030】
本発明の技術的思想の実施例は、具体的に言及されていない様々な効果を提供できることを十分に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明によるブラインシュリンプを用いた熱帯魚飼料の製造方法を説明するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の利点及び特徴、そして、それらを達成する方法は、詳細に後述されている実施例を参照すると明らかになる。本発明は、ここで説明する実施例に限定されず、他の形態で具体化されてもよい。むしろ、ここで紹介される実施例は、開示された内容が徹底して完全になるように、そして、当業者に本発明の思想を十分に伝達させるために提供されるものである。
【0033】
本出願で使用される用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたもので、本発明を限定することを意図していない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を持たない限り、複数の表現を含む。
【0034】
特に定義されない限り、技術的または科学的な用語を含めてここで使用されるすべての用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同じ意味がある。一般的に使用される辞書に定義されている用語は、関連技術の文脈上の意味と一致する意味があると解釈されるべきであり、本出願で明確に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味として解釈されない。
【0035】
以下、添付図面を参照して本発明によるブラインシュリンプを用いた熱帯魚飼料の製造方法について好ましい実施例を挙げて詳細に説明する。
【0036】
図1は、本発明によるブラインシュリンプを用いた熱帯魚飼料の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【0037】
図1を参照すると、本発明によるブラインシュリンプを用いた熱帯魚飼料の製造方法は、培養塩水準備段階(S100)、ブラインシュリンプ培養塩水投入段階(S200)、エア噴射及び孵化段階(S300)、スピルリナ投入段階(S400)、卵殻分離段階(S500)、培養塩水補充段階(S600)、スピルリナ追加投入段階(S700)、ヘマトコッカス粉末投入段階(S800)、卵殻再分離段階(S900)、ブラインシュリンプ幼生冷凍及び卵殻再分離段階(S1000)、及び冷凍包装段階(S1100)を含む。
【0038】
1.培養塩水準備段階(S100)
前記培養塩水準備段階(S100)は、ブラインシュリンプを培養する培養塩水を準備する段階である。
【0039】
前記培養塩水準備段階(S100)において前記培養塩水は、塩素、細菌などをナノフィルタリングして除去した精製水を用いて製造されてもよいが、例えば、前記培養塩水は、水温が28~30℃であり、精製水1リットル(L)に33~50gの塩が溶解して製造された培養塩水を使用してもよい。
【0040】
2.ブラインシュリンプ培養塩水投入段階(S200)
前記ブラインシュリンプ培養塩水投入段階(S200)は、前記準備された培養塩水にブラインシュリンプの卵を投入して、前記ブラインシュリンプの卵を孵化させるために準備する段階である。
【0041】
前記ブラインシュリンプ培養塩水投入段階(S200)において前記ブラインシュリンプの卵は、-8~-4℃の温度で冷蔵保管されたブラインシュリンプの卵を使用してもよく、前記冷蔵保管されたブラインシュリンプの卵を12~20時間15~25℃の温度で保管した後、前記準備された培養塩水に投入することにより、行われてもよい。
【0042】
前記ブラインシュリンプ培養塩水投入段階(S200)では、前記準備された培養塩水にブラインシュリンプの卵を投入して前記ブラインシュリンプの卵を孵化させるための最適な環境を造成できるが、例えば、前記ブラインシュリンプ培養塩水投入段階(S200)では、培養塩水120リットル(L)当たり、ブラインシュリンプの卵330~350gの割合で投入することにより、行われてもよい。
【0043】
3.エア噴射及び孵化段階(S300)
前記エア噴射及び孵化段階(S300)は、前記ブラインシュリンプの卵が投入された培養塩水にエアを循環させて微細気泡を噴射してブラインシュリンプの卵を孵化させる段階である。
【0044】
前記エア噴射及び孵化段階(S300)では、ブラインシュリンプの卵に加えられる衝撃を最小化するため、前記ブラインシュリンプの卵が投入された培養塩水に6.5~7.5L/minの量でエアを噴射して微細気泡を生成させ、ビタミンDの体内合成のために自然光、人工照明、水中灯を設けて前記ブラインシュリンプの卵を孵化させることができるが、例えば、前記培養塩水の上部と側面に照度2000~2500ラックス(LUX)の光を36時間まで維持し、以後、ブラインシュリンプの卵が孵化するまで1000ラックス(LUX)の光を維持することにより、行われてもよい。
【0045】
4.スピルリナ投入段階(S400)
前記スピルリナ投入段階(S400)は、前記ブラインシュリンプの卵の孵化後にスピルリナを最初に投入する段階である。
【0046】
前記スピルリナ投入段階(S400)では、前記ブラインシュリンプの卵の孵化後、スピルリナを投入することにより、前記孵化したブラインシュリンプに栄養成分を供給できるが、例えば、前記スピルリナ投入段階(S400)では、前記ブラインシュリンプの卵が孵化を開始して18時間が経過した後、前記ブラインシュリンプの卵330~350g当たり、スピルリナ1.5~2.5gを最初に投入することにより、前記孵化したブラインシュリンプの栄養摂取を最大化できる。
【0047】
前記スピルリナ(spirulina)は、藍藻類の螺旋状の多細胞微生物で、葉緑素、ピコシアン色素があり光合成を行うが、エチオピアが原産であり、タンパク質含有量が60%以上でクロレラなどとともに未来のタンパク質源として注目されている。現在、約30種が知られており、熱帯地方の塩湖(salt lake)に自生する。スピルリナは、シアノバクテリアの一種で、海水と塩度が高く強いアルカリ性を持つ熱帯地方の温かい水で繁殖し、植物と動物の混合形態である。
【0048】
前記スピルリナの構成成分は、タンパク質60~70%、脂質6~9%、炭水化物15~20%からなり、ビタミン、無機質、繊維素などを含有しており、カロテノイド、クロロフィル、ピコシアンなどの色素が入っている。必須アミノ酸をすべて含有しており、必須脂肪酸であるリノレン酸、ガンマリノレン酸も豊富で、消化吸収率が95%以上で消化がよいのが長所である。
【0049】
前記スピルリナは、健康食品としての安全性と完全食品としての栄養的価値は、国際連合(UN)、世界保健機関(WHO)、米国食品医薬品局(FDA)などでも公式に認められており、米国航空宇宙局(NASA)により宇宙飛行士らの非常食として決定されたこともある。栄養学的な価値、健康食品としての有用性の他にも、スピルリナの抗がん効果、各種免疫機能の増強効果、機能性化粧品素材としての可能性なども研究報告されている。
【0050】
5.卵殻分離段階(S500)
前記卵殻分離段階(S500)は、前記孵化したブラインシュリンプの卵の卵殻を分離して除去する段階である。
【0051】
前記卵殻分離段階(S500)では、前記ブラインシュリンプの卵が孵化を開始して40時間が経過した後、棒磁石を用いて前記ブラインシュリンプの卵の卵殻を分離できるが、例えば、前記卵殻分離段階(S500)では、前記棒磁石を用いて卵殻を分離することにより、70~80%の卵殻を除去しうる。
【0052】
このとき、前記卵殻分離段階(S500)では、エアによる微細気泡の噴射を中止した後、卵殻を除去できるが、前記卵殻分離段階(S500)において前記微細気泡噴射の中止は、10~30秒間行われることにより、前記孵化したブラインシュリンプの酸素不足による成長の鈍化や斃死を防止しうる。
【0053】
6.培養塩水補充段階(S600)
前記培養塩水補充段階(S600)は、前記卵殻が分離された培養塩水に同濃度の培養塩水を補充して供給する段階である。
【0054】
前記培養塩水補充段階(S600)では、前記卵殻が分離された培養塩水を20重量%分離して除去した後、同濃度の培養塩水24リットル(L)を1時間徐々に補充することにより行われてもよいが、例えば、前記培養塩水補充段階(S600)では、26~28℃の温度の培養塩水を徐々に補充することにより、アンモニア数値の低下による水汚染度を緩和し、突然の環境変化によるブラインシュリンプの成長鈍化や斃死を防止しうる。
【0055】
7.スピルリナ追加投入段階(S700)
前記スピルリナ追加投入段階(S700)は、前記同濃度の培養塩水を補充して供給した後、スピルリナをさらに投入して前記孵化したブラインシュリンプに栄養成分を供給する段階である。
【0056】
前記スピルリナ追加投入段階(S700)では、前記ブラインシュリンプの卵の孵化後、18時間が経過して最初にスピルリナを投入した後、48時間が経過するまで90~120分の間隔で2~8g重量のスピルリナをさらに投入することにより、ブラインシュリンプの卵330~350g当たり、合計でスピルリナ90~100gを投入して摂取させることができるが、前記スピルリナ追加投入段階(S700)において前記スピルリナの投入量が前記範囲を外れる場合には、培養塩水が汚染されるか、または孵化したブラインシュリンプの餌不足の問題が発生することがある。
【0057】
8.ヘマトコッカス粉末投入段階(S800)
前記ヘマトコッカス粉末投入段階(S800)は、前記スピルリナをさらに投入した培養塩水にヘマトコッカス粉末を投入する段階である。
【0058】
前記ヘマトコッカス粉末投入段階(S800)では、水800mL当たり、ヘマトコッカス(アスタキサンチン6重量%含有)粉末2gの重量比で粉砕機に投入した後、1~2分間粉砕し、前記ブラインシュリンプの卵の孵化後、40時間が経過した時から50時間が経過するまで、前記水とともに粉砕されたヘマトコッカスを2gずつ5回、すなわち計10gを前記孵化したブラインシュリンプに投入して栄養を供給することにより、行われてもよい。
【0059】
前記ヘマトコッカス粉末投入段階(S800)において前記ヘマトコッカスは、高付加価値カロテノイドであるアスタキサンチンを合成する微細藻類で、一般的な微細藻類が成長の全期間中、ほぼ類似した細胞形態を維持するのとは異なり、ヘマトコッカスは、培養時の周囲環境によって細胞の形態が変化する。
【0060】
すなわち、周辺に栄養塩類が多く、光の強さが高くない環境では、鞭毛を持って動く緑色の楕円形で生活をし、光の強さが次第に強くなる場合、鞭毛がなくなり、丸い緑色細胞に変化する。この状態で次第に光を使用して光合成を行い、細胞のサイズが大きくなる。このような過程を通じて細胞のサイズは、初期の鞭毛を持つ楕円形の細胞よりも5倍以上高い質量を持つほど異なる形態になる。
【0061】
また、以後、周辺環境が生存のための普遍的な範囲を越えてストレスを受けると、これを克服するために細胞内にカロテノイド系色素を合成するようになり、細胞が徐々に赤く変化する。持続的な刺激を受けると、乾重量の約4~5%レベルまでアスタキサンチンを合成することになり、最初の緑色の細胞とは異なり、赤色の細胞の形態を持つ。
【0062】
前記ヘマトコッカスに多量に含まれているアスタキサンチンは、代表的な抗酸化剤であるビタミンEより500倍、β-カロチンより20倍程度高い抗酸化活性を持つ。このような高い抗酸化活性機能によりアスタキサンチンは、医薬品、食品添加剤及び動物と稚魚の飼料添加剤として広く使用されている。
【0063】
9.卵殻再分離段階(S900)
前記卵殻再分離段階(S900)は、前記ヘマトコッカス粉末を投入した培養塩水から卵殻を再分離して除去することにより、ブラインシュリンプの幼生のみを分離して収集する段階である。
【0064】
前記卵殻再分離段階(S900)では、前記スピルリナ及びヘマトコッカス粉末を投入して計50時間栄養成分を供給した後、前記培養塩水を円形磁石が設けられた管を通過させることにより、前記卵殻を除去してもよい。
【0065】
例えば、前記卵殻再分離段階(S900)では、前記培養塩水を1~1.5m長さのパイプ状の管を通過させるが、前記パイプ状の管の両側には10000~12000ガウスの磁力を持つ円形磁石を設けることにより、前記管を通過する鉄コーティングされた卵殻を分離し、ブラインシュリンプの幼生のみを分離して収集してもよい。
【0066】
10.ブラインシュリンプ幼生冷凍及び卵殻再分離段階(S1000)
前記ブラインシュリンプ幼生冷凍及び卵殻再分離段階(S1000)は、前記分離して収集されたブラインシュリンプの幼生を冷凍保存して前記ブラインシリンプの幼生を冷凍し、前記冷凍されたブラインシュリンプの幼生に含まれている卵殻を再分離して完全除去する段階である。
【0067】
前記ブラインシュリンプ幼生冷凍及び卵殻再分離段階(S1000)では、前記分離して収集されたブラインシリンプの幼生を2.5~3.5時間冷凍保存して前記ブラインシュリンプの幼生を冷凍して殺し、前記冷凍されたブラインシュリンプの幼生に含まれている卵殻を再分離して完全に除去することにより、行われてもよい。
【0068】
例えば、前記ブラインシュリンプ幼生冷凍及び卵殻再分離段階(S1000)では、前記冷凍されたブラインシュリンプの幼生を水に投入して卵殻を除去してもよいが、前記冷凍されて死んだブラインシュリンプは遊泳せずに沈み、卵殻は上部に浮遊する性質を用いて前記冷凍されたブラインシュリンプの幼生に含まれている卵殻を再分離して完全除去してもよい。
【0069】
前記ブラインシュリンプ幼生冷凍及び卵殻再分離段階(S1000)では、前記冷凍されたブラインシュリンプの幼生に含まれている卵殻を完全に除去することにより、卵殻が含まれているブラインシュリンプの幼生を熱帯魚の稚魚が食べて消化不良及び腹水病を起こして斃死するという問題点を解決できる。
【0070】
11.冷凍包装段階(S1100)
前記冷凍包装段階(S1100)は、前記冷凍後に卵殻が再分離されたブラインシュリンプの幼生を冷凍包装して熱帯魚飼料を製造する段階である。
【0071】
例えば、前記冷凍包装段階(S1100)では、前記冷凍後に卵殻が再分離されたブラインシュリンプの幼生を水分含量が93.3%以下になるように包装した後、-27℃以下の温度で冷蔵保存することにより、熱帯魚の飼料として製品化できるが、前記ブラインシュリンプの幼生を冷凍包装する段階の構成は公知の技術であるため、説明の便宜及び本発明の技術的思想の明確性のため、これに対する説明は、省略する。
【0072】
以下、添付図面を参照し、本発明によるブラインシュリンプを用いた熱帯魚の飼料に対する実施例及び比較例を挙げて、より具体的に説明する。
【0073】
<実施例>
まず、塩素、細菌などをナノフィルタリングして除去した29℃温度の精製水に塩を溶解して培養塩水を準備した。
【0074】
次に、前記培養塩水に-6℃温度で冷蔵保管されたブラインシュリンプの卵を15時間20℃の温度で保存した後、前記準備された培養塩水に投入した。このとき、培養塩水120リットル(L)当たり、ブラインシュリンプの卵343gの割合で投入した。
【0075】
次に、前記ブラインシュリンプの卵が投入された培養塩水に7L/minの量でエアを噴射して微細気泡を生成し、前記培養塩水が収容された容器の上部と側面に照度2200ラックス(LUX)の光を36時間まで維持し、以後、ブラインシュリンプの卵が孵化するまで1000ラックス(LUX)の光を維持した。
【0076】
次に、前記ブラインシュリンプの卵が孵化を開始して18時間が経過した後、前記ブラインシュリンプの卵343g当たり、スピルリナ2gを最初に投入し、前記ブラインシュリンプの卵が孵化を開始して40時間が経過した後、棒磁石を用いて前記ブラインシュリンプの卵の卵殻を分離した。
【0077】
次に、前記卵殻が分離された培養塩水を20重量%分離して除去した後、同濃度及び27℃の温度の培養塩水24リットル(L)を1時間徐々に補充し、前記ブラインシュリンプの卵の孵化後、18時間が経過して最初にスピルリナを投入した後に48時間が経過するまで90~120分間隔で2~8g重量のスピルリナをさらに投入することにより、ブラインシュリンプの卵343g当たり、合計でスピルリナを96g投入して摂取させた。
【0078】
次に、水800mL当たり、ヘマトコッカス(アスタキサンチン6重量%含有)粉末2gの重量比で粉砕機に投入した後、1.5分間粉砕し、前記ブラインシュリンプの卵の孵化後、40時間が経過したときから50時間が経過するまで、前記水とともに粉砕されたヘマトコッカスを2gずつ5回、すなわち、計10gを前記孵化したブラインシュリンプに投入して栄養供給した。
【0079】
次に、前記スピルリナ及びヘマトコッカス粉末を投入して計50時間栄養成分を供給した後、前記培養塩水を11000ガウスの磁力を持つ円形磁石が設けられた1.3mの管を通過させて卵殻を除去することにより、ブラインシュリンプの幼生のみを分離し、前記ブラインシュリンプの幼生を3時間冷凍保存して前記ブラインシュリンプの幼生を冷凍して殺し、前記冷凍されたブラインシュリンプの幼生に含まれている卵殻を再分離して完全に除去することにより、熱帯魚飼料を製造した。
【0080】
<比較例>
実施例と同じ方法により熱帯魚飼料を製造したが、比較例では実施例と異なりスピルリナ及びヘマトコッカス粉末をブラインシュリンプが摂取しないようにした。
【0081】
1.魚体の体重増加実験
実施例及び比較例により製造された熱帯魚飼料をヒラメ稚魚に投与する実験を行い、ヒラメ稚魚の増体率を調査し、その結果を下記の表1に示した。
【0082】
養殖実験は、海水養殖場でヒラメ稚魚を対象に行い、ヒラメ稚魚345匹を水温15~25℃で30日間養殖し、実施例及び比較例により製造された熱帯魚飼料を市販の魚類用飼料1kg当たり、10gの割合で混合して毎日供給した。
【0083】
【表1】
【0084】
前記表1を参照すると、30日間実施例では29.5%の体重増加が観察され、一方、比較例では20.0%の体重増加が観察された。
【0085】
これは実施例によって製造された熱帯魚飼料は、魚体の成長を促進し、栄養成分の摂取、消化及び吸収を促進して魚体の体重を増加させたものと判断される。
【0086】
2.魚体の致死率実験
実施例及び比較例により製造された熱帯魚飼料をヒラメ稚魚に投与する実験を行い、ヒラメ稚魚の致死率を調査し、その結果を下記の表2に示した。
【0087】
養殖実験は、海水養殖場でヒラメ稚魚を対象に行い、ヒラメ稚魚345匹を水温15~25℃で30日間養殖し、実施例及び比較例により製造された熱帯魚飼料を市販の魚類用飼料1kg当たり、10gの割合で混合して毎日供給した。
【0088】
【表2】
【0089】
前記表2を参照すると、比較例では、5.3%の致死率を示し、一方、実施例では0%の致死率を示し、実施例による飼料を摂取した魚体の生存率が優れていることが確認できる。
【0090】
以上、本発明の望ましい一実施例を説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明がその技術的思想や必須的な特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施できる。したがって、前述した一実施例は、あらゆる面で例示的なものであり、限定的でない。
図1
【国際調査報告】