(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-27
(54)【発明の名称】光記録デバイスを較正する方法
(51)【国際特許分類】
G06T 7/80 20170101AFI20230920BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20230920BHJP
【FI】
G06T7/80
H04N23/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515121
(86)(22)【出願日】2021-09-13
(85)【翻訳文提出日】2023-05-01
(86)【国際出願番号】 EP2021075071
(87)【国際公開番号】W WO2022053671
(87)【国際公開日】2022-03-17
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591121683
【氏名又は名称】エッペンドルフ エスイー
【氏名又は名称原語表記】Eppendorf SE
【住所又は居所原語表記】Barkhausenweg 1, 22339 Hamburg,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘルウェグ、ルーカス ウルフ
(72)【発明者】
【氏名】ピーターマン、アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
5C122
5L096
【Fターム(参考)】
5C122DA27
5C122GE23
5C122GE27
5C122HB01
5L096EA15
5L096EA16
5L096FA66
(57)【要約】
光記録デバイス(150)を較正する(216)コンピュータ実装方法であって、前記光記録デバイス(150)は、少なくともモデルパネル(140)を使用することによって視野及び画像平面に関連付けられ、前記モデルパネル(140)は、較正指標のセット(40~49)及び第1の較正ビューを有し、前記第1の較正ビューは、前記視野の較正ロケーションの第1のセット(20~29)を含み、前記方法は、少なくとも、少なくとも複数のシーンを、前記較正ロケーションの第1のセット(20~29)の各ロケーションについて、前記指標のセットのうちの較正指標が、前記各ロケーションにおける前記複数のシーンのそれぞれのシーン内で位置確定されるように構築する段階(204、207)、ここで、前記複数のシーンの各シーンは、前記モデルパネル(140)を前記光記録デバイス(150)に対するそれぞれの位置に並進させることによって構築される;少なくとも複数の画像(920、930)を、前記複数のシーンの各シーンが、前記複数の画像(920、930)のそれぞれの画像において表示されるように捕捉する段階(205、208);少なくとも複数の較正地点(60~69)を、前記較正ロケーションの第1のセット(20~29)の各ロケーションについて、前記複数の較正地点(60~69)のそれぞれの地点が、前記複数の画像(920、930)のそれぞれの画像内に含まれるように位置確定する段階(206、209)、前記それぞれの画像は、それぞれの較正指標を表示し、前記それぞれの較正指標は、前記各ロケーションにおいて位置確定され、前記それぞれの地点において表示される;及び少なくとも前記複数の較正地点(60~69)のうちの前記地点を、前記第1の較正ビューの前記画像平面上への投影の前記画像平面内のロケーションとして使用することによって、前記光記録デバイス(150)を較正する段階(216)を備える、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光記録デバイスを較正するコンピュータ実装方法であって、前記光記録デバイスは、少なくともモデルパネルを使用することによって視野及び画像平面に関連付けられ、前記モデルパネルは、較正指標のセット及び第1の較正ビューを有し、前記第1の較正ビューは、前記視野の較正ロケーションの第1のセットを含み、
前記方法は、少なくとも、
-少なくとも複数のシーンを、前記較正ロケーションの第1のセットの各ロケーションについて、前記較正指標のセットのうちの較正指標が、前記各ロケーションにおける前記複数のシーンのそれぞれのシーン内で位置確定されるように構築する段階、ここで、前記複数のシーンの各シーンは、前記モデルパネルを前記光記録デバイスに対してそれぞれの位置に並進させることによって構築される;
-少なくとも複数の画像を、前記複数のシーンの各シーンが、前記複数の画像のそれぞれの画像において表示されるように捕捉する段階;
-少なくとも複数の較正地点を、前記較正ロケーションの第1のセットの各ロケーションについて、前記複数の較正地点のそれぞれの地点が、前記複数の画像のそれぞれの画像内に含まれるように位置確定する段階、前記それぞれの画像は、それぞれの較正指標を表示し、前記それぞれの較正指標は、前記各ロケーションにおいて位置確定され、前記それぞれの地点において表示される;及び
-少なくとも前記複数の較正地点のうちの前記地点を、前記第1の較正ビューの前記画像平面上への投影の前記画像平面内のロケーションとして使用することによって、前記光記録デバイスを較正する段階
を備える、方法。
【請求項2】
前記光記録デバイスは、第2の較正ビューを使用することによって較正され、前記第2の較正ビューは、前記視野の較正ロケーションの第2のセットを有し、
前記較正ロケーションの第2のセットの各ロケーションは、第1の回転並進を使用することによって、前記較正ロケーションの第1のセットのそれぞれのロケーションにマッピング可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
-前記第1の回転並進を使用することによって、前記較正ロケーションの第2のセットの各ロケーションを前記視野のそれぞれのロケーション上にマッピングし、これにより、前記較正ロケーションの第1のセットを構築する段階
をさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ロケーションの第1のセットのうちの前記ロケーションは、前記視野の第1の平面領域上に配置され、前記較正ロケーションの第2のセットのうちの前記ロケーションは、前記視野の第2の平面領域上に配置され、前記第1の平面領域及び前記第2の平面領域は、互いに対して角度を形成し、特に、互いに対して実質的に垂直である、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記ロケーションの第1のセットのうちの前記ロケーション及び前記ロケーションの第2のセットのうちの前記ロケーションは、前記視野の第3の平面領域上に配置される、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項6】
前記較正ロケーションの第1のセットのうちの前記ロケーションは、前記較正ロケーションの第1のセットの各ロケーションが、グリッドグラフのそれぞれのノードにおいて位置確定されるように互いに対して配置され、特に、前記グリッドグラフは、長方形及び/又は正方形グリッドグラフである、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記較正ロケーションの第1のセットは、少なくとも第1のロケーション及び第2のロケーションを有し、前記第1のロケーション及び前記第2のロケーションは、互いに対して第1の距離を置いて第1の線上に位置合わせされ、前記較正指標のセットは、少なくとも第1の指標及び第2の指標を有し、前記第1の指標及び前記第2の指標は、互いに対して第2の距離を置いて第2の線上に位置合わせされ、
前記第1の距離及び前記第2の距離は、互いに実質的に等しく、前記第1の線及び前記第2の線は、互いに対して実質的に平行であり、
前記複数のシーンを構築する前記段階は、前記モデルパネルを前記光記録デバイスに対する第1の位置に並進させることによって、前記第1の位置において、前記第1の指標及び前記第2の指標がそれぞれ前記第1のロケーション及び前記第2のロケーションにおいて位置確定されるように第1のシーンを構築する段階を有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記較正ロケーションの第1のセットは、少なくとも第3のロケーション及び第4のロケーションを有し、
前記第3のロケーション及び前記第4のロケーションは、第3の線上に位置合わせされ、前記第3の線は、前記第1の線に対して実質的に平行であり、前記第1のロケーション及び前記第3のロケーションは、第4の線上に位置合わせされ、前記第2のロケーション及び前記第4のロケーションは、第5の線上に位置合わせされ、前記第4の線及び前記第5の線は、互いに対して実質的に平行であり、
前記複数のシーンを構築する前記段階は、前記モデルパネルを前記光記録デバイスに対する前記第1の位置から第2の位置に並進させることによって、前記第2の位置において、前記第1の指標及び前記第2の指標がそれぞれ前記第3のロケーション及び前記第4のロケーションにおいて位置確定されるように第2のシーンを構築する段階を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記較正指標のセットは、第3の指標からなり、任意選択で、前記第3の指標は、ドット又は多角形、特に正方形である、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記モデルパネルは、正方形グリッド又はチェスボードパターンを形成する複数の正方形を有し、前記正方形グリッド又はチェスボードパターンは、前記複数の正方形の頂点のセットを含み、前記較正指標のセットの各較正指標は、前記頂点のセットのうちのそれぞれの頂点である又はそれにおいて位置確定される、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記複数の較正地点を位置確定する前記段階は、画像認識アルゴリズムを使用することによって、少なくとも前記複数の較正地点のうちの地点を位置確定する段階を有する、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記光記録デバイスを較正する前記段階は、パラメータのセットを使用することによって実行され、前記パラメータのセットは、第2の回転並進及び/又はホモグラフィ変換をパラメータ化するパラメータを有する、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記光記録デバイスを較正する前記段階は、前記パラメータのセットのうちの前記パラメータに関するパラメトリック関数を最小化する段階を有し、前記パラメトリック関数は、前記パラメータのセットのうちの前記パラメータに依存する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
視野及び画像平面に関連付けられる光記録デバイス、前記視野内でモデルパネルを並進させる並進手段、及び請求項1~13のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成されている処理手段を備える、データ処理システム。
【請求項15】
視野及び画像平面に関連付けられる光記録デバイス、前記視野内でモデルパネルを並進させる並進手段、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成されている処理手段、及び実験器具物品を位置決めする作業デッキを備える、自動実験室システム。
【請求項16】
システムに請求項1~13のいずれか1項に記載の方法を実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光記録デバイス、特に、自動実験室システム(ALS)内、例えば、自動ピペッティングシステム内に含まれる光記録デバイスを較正する方法に関する。本発明は、本発明の方法を実行するように構成されている自動実験室システムにも関する。例えば、光記録デバイスは、ビデオカメラ及び/又は写真カメラであり得、視野及び画像平面に関連付けられる。特に、デバイスの視野は、光記録デバイスによって示すことができる3次元空間の一部である。特に、視野は、3次元空間における光記録デバイスの位置及び/又は向きに依存する。
【0002】
光記録デバイスを較正する方法は、デバイスの固有カメラパラメータの値を推定することを目指している。例えば、固有カメラパラメータは、焦点距離、画像座標系に対する画像中心の2次元座標、センサスケール、対角歪み、及びレンズ歪みを表すパラメータである。
【0003】
当該技術分野において既知の較正方法は、モデルパネル、例えば、平面較正パターンを使用することによって、固有カメラパラメータの値を推定する。通常、モデルパネルは、既知のパターン内に配置されたいくつかの較正指標を有する。例えば、較正指標は、モデルパネル上に示された2次元チェスボード又は2次元グリッドの頂点である。
【0004】
既知の較正方法によれば、固有カメラパラメータの値は、複数の較正ビューを使用することによって推定される。較正ビューは、視野の較正ロケーションのセットを含む、例えば、それからなる。特に、上記較正ロケーションは、カメラを較正するのに使用される視野のロケーションである。一般に、較正ビューのロケーションは、視野の略平面領域内に配置される。
【0005】
固有カメラパラメータは、較正ビューのロケーション及び画像平面におけるそれらの投影の座標を使用することによって推定される。通常、較正ビューのロケーションの投影は、これらのロケーションが較正ビューに関連付けられる画像に示される位置から推定される。
【0006】
既知の較正方法によれば、較正ビューに関連付けられる画像は、光記録デバイスに対する或るロケーション及び向きにおいてモデルパネルを示し、画像に関連付けられる較正ビューのロケーションがモデルパネルの較正指標によってマーキングされるようになっている。特に、画像に関連付けられる較正ビューの各ロケーションは、モデルパネルのそれぞれの較正指標によってマーキングされる。したがって、各較正ビューは、較正ビューの各ロケーションがモデルパネルの指標によってマーキングされる単一の画像に関連付けられ、したがって、異なる較正ビューが異なる画像に関連付けられる。
【0007】
当該技術分野において既知の方法は、特定の条件を満たす必要があるいくつかの較正ビューを必要とする。特に、少なくとも或る較正ビューのロケーションは、3次元回転並進によって別の較正ビューのロケーションに対してマッピング可能とする。したがって、光記録デバイスが、モデルパネルが前者の較正ビューのロケーションをマーキングする画像、及びモデルパネルが後者の較正ビューのロケーションをマーキングする画像を作製することを可能にするために、モデルパネルは、回転可能及び並進可能である必要がある。
【0008】
モデルパネルにおけるこの条件は、特に、モデルパネルの移動が自動化される場合、モデルパネルに適切な回転手段が設けられるものとするため、較正動作の複雑さを増大させる。一般に、モデルパネルの自動化された動きは、較正精度を向上させ、いくつかの用途において、これは必須である。例えば、多くのALSにおいて、光記録デバイスは、作業デッキ及び光記録デバイスの間の空間の低減した寸法に起因して、デバイス及び作業デッキの間の空間がモデルパネルの手動の移動を可能にしないように、作業デッキに対して位置確定及び方向付けされる。
【0009】
また、通常、較正方法は、比較的多数の較正ロケーションを有する較正ビューを必要とする。したがって、モデルパネルは、比較的多数の較正指標に適応するように寸法決めされ、これは、モデルパネルが有し得る最小サイズに制約を与える。多くの用途において、モデルパネルのサイズが比較的大きいことにより、特に、モデルパネルを比較的小さい空間内、例えば、ALSの光記録デバイス及び作業デッキの間の空間内で移動させる必要がある場合、較正動作の複雑さが増大し得る。
【0010】
したがって、モデルパネルの並進移動のみを必要とし、比較的小さいサイズのモデルパネルを使用することによって実行され得る検出方法が必要となる。これらの問題のうちの少なくともいくつかは、少なくとも部分的に、請求項1に記載のコンピュータ実装方法、請求項13に記載のデータ処理システム、請求項14に記載のコンピュータプログラム製品、及び請求項15に記載のコンピュータ可読記憶媒体に関する本願の発明によって解決される。本発明の実施形態は、従属請求項の主題である。
【0011】
第1の態様において、本発明は、少なくともモデルパネル及び第1の較正ビューを使用することによって光記録デバイスを較正するコンピュータ実装方法に関する。光記録デバイスは、視野及び画像平面に関連付けられ、モデルパネルは、較正指標のセットを有する。第1の較正ビューは、視野の較正ロケーションの第1のセットを含む。
【0012】
本発明の第1の態様による方法は、
-少なくとも第1の複数のシーンを、前記較正ロケーションの第1のセットの各ロケーションについて、前記指標のセットのうちの較正指標が、前記各ロケーションにおける前記第1の複数のシーンのそれぞれのシーンにおいて位置確定されるように構築する段階、ここで、前記第1の複数のシーンの各シーンは、前記モデルパネルを前記光記録デバイスに対するそれぞれの位置に並進させることによって構築される;及び
-少なくとも第1の複数の画像を、前記第1の複数のシーンの各シーンが、前記第1の複数の画像のそれぞれの画像において表示されるように捕捉する段階
を備える。特に、第1の複数の画像の上記それぞれの画像は、第1の複数のシーンの上記各シーンに関連付けられる。
【0013】
本発明の第1の態様の方法は、
-少なくとも第1の複数の較正地点を、前記較正ロケーションの第1のセットの各ロケーションについて、前記第1の複数の較正地点のそれぞれの地点が、前記第1の複数の画像のそれぞれの画像内に含まれるように位置確定する段階、前記それぞれの画像は、それぞれの較正指標を表示し、前記それぞれの較正指標は、前記各ロケーションにおいて位置確定され、前記それぞれの地点において表示される
をさらに備える。特に、較正ロケーションの第1のセットの上記ロケーションは、第1の複数の較正地点の上記それぞれの地点に関連付けられる。
【0014】
また、本発明の第1の態様の方法は、
-少なくとも前記第1の複数の較正地点のうちの前記地点を、前記第1の較正ビューの前記画像平面上への投影の前記画像平面内のロケーションとして使用することによって、前記光記録デバイスを較正する段階
をさらに備える。
【0015】
特に、光記録デバイスを較正する段階は、第1の複数の較正地点の各地点を、上記各較正地点に関連付けられるロケーションの第1のセットのそれぞれのロケーションの画像平面上への投影の画像平面内のロケーションとして使用することによって、実行される。
【0016】
光記録デバイスは、写真カメラ及び/又はビデオカメラを含む又はそれからなり得る。例えば、光記録デバイスは、デジタルカメラ及び/又はアナログカメラを含む又はそれからなり得る。特に、光記録デバイスは、多色カメラ、単色カメラ、グレースケールカメラ、白黒カメラ、UVカメラ、IRカメラ、ビデオカメラ、及び/又は3次元RGBDカメラを含む又はそれからなり得る。
【0017】
例えば、光記録デバイスは、スマートデバイスであり、例えば、画像を撮像する記録手段、処理要素(CPU、GPU等)を有し得る。光記録デバイスは、揮発性1次メモリ(例えば、RAM、DRAM、SRAM、CPUキャッシュメモリ等)、不揮発性1次メモリ(例えば、ROM、PROM、EPROM等)、及び/又は2次メモリを含む記憶手段を有し得る。特に、光記録デバイスは、本発明の方法を実行するコンピューティングデバイスであり得る。
【0018】
光記録デバイスは、3次元世界の固定ロケーションにおいて、及び/又は視野内に含まれる対象物に対して固定されたロケーションにおいて位置確定され得る。例えば、視野が自動実験室システムの作業デッキを含む場合、光記録デバイスは、作業デッキに対して固定されたロケーションにおいて位置確定され得る。
【0019】
例えば、ピンホールカメラモデルにおいて、画像平面は、カメラの開口を通して3次元世界が投影される平面である。例えば、光記録デバイスがアナログカメラである場合、画像平面は、開放したシャッターを通過する光が衝突するフィルムの感光面である。光記録デバイスがデジタルカメラである場合、画像平面は、センサー平面であり得る。特に、画像平面は、例えば、光記録デバイスのレンズの幾何学形状を考慮するために、曲面であり得る。
【0020】
画像平面内のロケーションは、画像平面内に規定される基準フレームFIにおける2つの座標に関して表現され得る。以下において、これらの座標は、画像平面座標とも呼ばれる。
【0021】
特に、デバイスの視野は、光記録デバイスによって示すことができる3次元空間の一部である。特に、視野は、3次元空間における光記録デバイスの位置及び/又は向きに依存する。
【0022】
較正ビューは、特に、視野のロケーションのセットであり、これらのロケーションのうちの少なくともいくつかは、光記録デバイスを較正するために使用される。較正ビューは、回転並進及び/又はホモグラフィ変換に関連付けられ得る。上記回転並進及び/又はホモグラフィ変換は、3次元世界の基準フレームFfixに対する視野における較正ビューのロケーションの位置を規定するのに使用することができ、上記基準フレームは、光記録デバイスに対して固定されている。特に、回転並進及び/又はホモグラフィ変換は、少なくとも第1の複数の較正地点のうちの地点を使用することによって光記録デバイスを較正する段階を実行するように使用され得るパラメータのセットによってパラメータ化され得る。
【0023】
第1の較正ビューは、ロケーションの第1のセットのうちのロケーションからなり得る。例えば、第1の較正ビューは、較正ロケーションの第1のセットのうちのロケーションによって規定される。特に、較正ロケーションの第1のセットのうちのロケーションは、視野の第1の領域上に配置される。例えば、第1の領域は、実質的に平面であり得る。特に、較正ロケーションの第1のセットは、N個のロケーションP(1),1,P(1),2,...,P(1),Nを含む。
【0024】
ロケーションの第1のセットのうちのロケーションは、3次元世界において、例えば、視野内に規定される第1の基準フレームF1における3つの座標に関して表現され得る。較正ロケーションの第1のセットのうちのロケーションが第1の平面領域内に配置される場合、第1の基準フレームF1は、その(X,Y)平面が第1の平面領域にあるように、すなわち、較正ロケーションの第1のセットの各ロケーションのZ座標が消えるように規定され得る。特に、第1の較正ビューに関連付けられる回転並進及び/又はホモグラフィ変換は、第1の基準フレームの座標を基準フレームFfixの座標にマッピングする変換である。
【0025】
特に、シーンは、光記録デバイスの視野内に位置確定される対象物を有する。シーンは、光記録デバイスの視野内に位置確定される対象物によって、及び視野内の上記対象物の位置によって規定され得る。同じ対象物を有する2つの異なるシーンは、視野内の上記対象物のロケーションとは異なり得る。例えば、第1の複数のシーンの各シーンは、光記録デバイスに対するモデルパネルの位置において、第1の複数のシーンのうちの他のシーンとは異なる。
【0026】
例えば、第1の複数のシーンの各シーンは、少なくとも指標のセットのうちの指標が較正ロケーションの第1のセットのロケーションにおいて位置確定されるように、視野内に位置決め及び方向付けされるモデルパネルを有する。特に、第1の複数のシーンの各シーンにおいて、モデルパネルは、少なくとも較正ロケーションの第1のセットのうちのロケーションが指標のセットのうちの指標によってマーキングされるように、配置される。
【0027】
例えば、少なくとも第1の複数のシーンのうちのシーンは、較正指標のセットのサブセットの各指標が較正ロケーションの第1のセットのそれぞれのロケーションにおいて位置確定されるように、視野内に位置決め及び方向付けされるモデルパネルを有する。例えば、少なくとも第1の複数のシーンのうちのシーンにおいて、モデルパネルは、少なくとも較正ロケーションの第1のセットのうちの第5のロケーション及び第6のロケーションが、第1の指標及び第2の指標によってそれぞれマーキングされるように、配置される。したがって、特に、第1の複数のシーンのうちのシーンの数は、較正ロケーションの第1のセットのうちのロケーションの数よりも小さいか又は等しくなり得る。
【0028】
本発明によれば、特に、較正ロケーションの第1のセットの各ロケーションについて、指標のセットのうちの較正指標は、第1の複数のシーンのそれぞれのシーン内で位置確定される。本明細書を通して、上記それぞれのシーンは、上記各ロケーションに関連付けられるシーンとしても参照される。第1の複数のシーンのうちのシーンは、ロケーションの第1のセットのうちの複数のロケーションに関連付けられ得る。
【0029】
本発明によれば、画像、例えば、少なくとも第1の複数の画像のうちの画像は、ベクトル画像又はピクセルの2次元グリッド、例えば、ピクセルの長方形グリッドであり得る。特に、画像内のピクセルのロケーションは、画像内の2次元画像座標に関して一義的に決定され得、上記座標は、ピクセルの2次元グリッド内の上記ピクセルのロケーションを表す。
【0030】
画像、例えば、少なくとも第1の複数の画像のうちの画像は、少なくともビットマップによってエンコードされ得る。画像又はその一部をエンコードするビットマップは、上記画像又はその一部の各ピクセルの強度、例えば色を指定するビットのアレイを有する、例えばそれからなり得る。ビットマップは、アレイのエントリがカラーテーブル上へのインデックスとなるように、パレットインデックス化され得る。アレイのエントリは、ピクセルの色をエンコードするビットを格納し得る。ビットマップは、ピクセルの2次元グリッドを表すドットマトリックスデータ構造を有する、例えばそれからなり得る。ビットマップは、ピクセルごとのビットの数、2次元グリッドの行ごとのピクセルの数、及び/又は上記グリッドの列ごとのピクセルの数に関する情報をさらに有し得る。画像ビューワは、ビットマップ内でエンコードされた情報を使用して、コンピューティングデバイスのスクリーン上の画像をレンダリングし得る。
【0031】
第1の複数の画像のうちの画像を捕捉する段階は、光記録デバイスを使用することによって上記画像を撮像することにより、実行され得る。この段階は、例えば、コンピューティングデバイス及び/又は光記録デバイスの1次又は2次メモリ内の第1の複数の画像のうちの画像を格納することをさらに含み得る。特に、光記録デバイスによって撮像された画像、すなわち、少なくとも第1の複数の画像のうちの画像は、ビデオキャップであり得る。例えば、光記録デバイスによって撮像された画像、すなわち、少なくとも第1の複数の画像のうちの画像は、ビデオフレームであり得る。
【0032】
少なくとも第1の複数の較正地点のうちの較正地点のロケーションは、画像平面座標に関して表現され得る。特に、第1の複数の較正地点の各較正地点のロケーションは、画像平面座標に関して表現される。例えば、第1の複数の較正地点は、N個の要素、M
(1),1,M
(1),2,...,M
(1),Nを有する、例えばそれからなり得る。各j∈{1,2,...,N}について、較正地点M
(1),jは、画像座標
【数1】
によって表され得る。特に、各j∈{1,2,...,N}について、ロケーションP
(1),jは、較正地点M
(1),jに関連付けられる。
【0033】
光記録デバイスを較正する段階は、少なくとも較正ロケーションの第1のセットのうちのロケーション、及び第1の複数の較正地点のうちの地点を入力として使用する較正アルゴリズムを使用することによって実行され得る。特に、上記較正アルゴリズムは、観察される地点として第1の複数の較正地点の各地点を使用し、ここでは、上記各地点に関連付けられるロケーションが画像平面内に表示される。例えば、光記録デバイスを較正する段階は、Zhangの較正アルゴリズム及び/又はTsaiの較正アルゴリズムを使用することによって実行される。
【0034】
本発明の1つの実施形態において、第1の複数の較正地点を位置確定する段階は、第1の複数のシーンを構築する段階の完了後及び/又は第1の複数の画像を捕捉する段階の完了後にのみ開始される。代替的に、第1の複数の較正地点のうちの地点を位置確定する段階は、複数の下位段階において実行され得、これらの下位段階のうちの少なくとも1つは、第1の複数のシーンのうちのシーンを構築する段階の完了前、及び/又は第1の複数の画像のうちの画像を捕捉する段階の完了前に実行され得る。本発明によれば、第1の複数のシーンを構築する段階、及び/又は第1の複数の画像を捕捉する段階は、複数の下位段階において実行され得る。
【0035】
本発明によれば、セットは、少なくとも1つの要素を有し、特に、単一の要素からなり得る。代替的に、セットは、複数の要素を有し得る。例えば、指標のセットは、指標からなり、又は複数の指標を含み得る。較正ロケーションの第1のセットは、少なくとも1つのロケーション及び/又は複数のロケーションを含み得る。特に、較正ロケーションの第1のセットは、少なくとも4つのロケーションを含み得る。
【0036】
本発明は、第1の較正ビューのロケーションが第1の複数の画像を使用することによって画像平面内に示される地点の座標を推定する。各画像は、少なくとも、較正ロケーションの第1のセットのうちの較正ロケーションにおいて位置確定されるモデルパネルの指標を示し、モデルパネルを並進させることによって構築される。本発明によれば、較正ロケーションの第1のセットのうちの較正ロケーションは、同じピクチャ内にマーキングされる必要はなく、したがって、モデルパネルのサイズは、較正ロケーションの第1のセットのうちのロケーションの数によって規定されない。したがって、光記録デバイスは、比較的小さいモデルパネル、特に、単一の較正指標に適応することができるほど小さいモデルパネルを使用することによって較正され得る。
【0037】
また、本発明の方法は、例示的な実施形態に関して下記に示されているように、モデルパネルを回転させる必要なく、光記録デバイスを較正することを可能にする。
【0038】
本発明の方法の一実施形態において、光記録デバイスは、第2の較正ビューも使用することによって較正され、第2の較正ビューは、視野の較正ロケーションの第2のセットを含む。特に、較正ロケーションの第2のセットの各ロケーションは、第1の回転並進を使用することによって、較正ロケーションの第1のセットのそれぞれのロケーションにマッピング可能である。
【0039】
第2の較正ビューは、ロケーションの第2のセットのうちのロケーションからなり得る。例えば、第2の較正ビューは、ロケーションの第2のセットのうちのロケーションによって規定され得る。特に、較正ロケーションの第2のセットのうちのロケーションは、視野の第2の領域上に配置される。例えば、第2の領域は、実質的に平面であり得る。較正ロケーションの第2のセットは、少なくとも1つのロケーション及び/又は複数のロケーションを含み得る。特に、較正ロケーションの第2のセットは、少なくとも4つのロケーションを含み得る。特に、較正ロケーションの第2のセットは、N個のロケーションP(2),1,P(2),2,...,P(2),Nを含む。
【0040】
ロケーションの第2のセットのうちのロケーションは、3次元世界において、例えば、視野内に規定される第2の基準フレームF2における3つの座標に関して表現され得る。例えば、第2の基準フレームは、第1の基準フレームであり得る。較正ロケーションの第2のセットのうちのロケーションが第2の平面領域内に配置される場合、第2の基準フレームF2は、その(X,Y)平面が第2の平面領域にあるように、すなわち、較正ロケーションの第2のセットの各ロケーションのZ座標が消えるように規定され得る。特に、第2の較正ビューに関連付けられる回転並進及び/又はホモグラフィ変換は、第2の基準フレームの座標を基準フレームFfixの座標にマッピングする変換である。
【0041】
回転並進は、回転及び/又は並進を含む、3次元世界の適切な剛体変換である。特に、回転並進は、回転及び任意選択で並進を含む適切な剛体変換である。例えば、第1の平面を第2の平面に変換する回転並進(後者の平面は、前者の平面に対して非平行である)は、回転を含むものとする。
【0042】
3次元世界の基準フレームFにおいて、第1の回転並進は、3×3の直交回転行列R
F及び3次元並進ベクトル
【数2】
に関して表現され得る。例えば、各j∈{1,2,...,N}について、ロケーションP
(2),jは、較正ロケーションの第1のセットのうちのロケーションP
(1),jにマッピングされる。特に、各j∈{1,2,...,N}について、基準フレームFにおけるロケーションP
(1),jの座標
【数3】
は、
【数4】
によって与えられ、
【数5】
は、ロケーションP
(2),jの基準フレームFにおける座標である。
【0043】
上述したように、本発明の方法は、モデルパネルを回転させる必要なく、光記録デバイスを較正することを可能にする。下記に示すように、これは、例えば、モデルパネルの指標が較正ロケーションの第2のセットの全てのロケーションをマーキングするように、モデルパネルが第3の位置に位置決めされ、視野内で第3の向きに方向付けられている場合にも当てはまる。特に、モデルパネルの指標は、基準フレームFにおいて座標
【数6】
によって表されるロケーションP
(2),1において位置確定され、したがって、それをマーキングする。
【0044】
例えば、この場合、ロケーションP
(1),1に関連付けられるシーンは、並進によって第3の位置からロケーションP
(1),1に関連付けられる位置にモデルパネルを並進させることによって構築される。基準フレームFにおいて、上記並進は、3次元並進ベクトル
【数7】
によって表される。
【0045】
ロケーションP
(1),2に関連付けられるシーンは、並進によってロケーションP
(1),1に関連付けられる位置からロケーションP
(1),2に関連付けられる位置にモデルパネルを並進させることによって構築される。基準フレームFにおいて、上記並進は、3次元並進ベクトル
【数8】
によって表される。
【0046】
位置P
(1),3,P
(1),4,...,P
(1),Nに関連付けられるシーンは、適切な並進を使用することによってモデルパネルを並進させることによって同様の方法で構築される。特に、第jのロケーションP
(1),j(j≧2)に関連付けられるシーンは、並進によってロケーションP
(1),j-1に関連付けられる位置からロケーションP
(1),jに関連付けられる位置にモデルパネルを並進させることによって構築される。基準フレームFにおいて、上記並進は、3次元並進ベクトル
【数9】
によって表される。
【0047】
本発明の一実施形態は、
-少なくとも第2の複数のシーンを構築する段階であって、較正ロケーションの第3のセットの各ロケーションについて、前記指標のセットのうちの較正指標が、前記各ロケーションにおける前記第2の複数のシーンのそれぞれのシーンにおいて位置確定されるようにし、前記第2の複数のシーンの各シーンは、前記モデルパネルを前記光記録デバイスに対するそれぞれの位置に並進させることによって構築される、段階;及び
-少なくとも第2の複数の画像を捕捉する段階であって、前記第2の複数のシーンの各シーンが、前記第2の複数の画像のそれぞれの画像において表示されるようにする、段階
をさらに備える。
【0048】
特に、較正ロケーションの第3のセットは、少なくとも、較正ロケーションの第1のセットに含まれない較正ロケーションの第2のセットのロケーションを含む。例えば、較正ロケーションの第3のセットは、較正ロケーションの第2のセットに等しく、例えば、較正ロケーションの第3のセットは、較正ロケーションの第2のセットに含まれるロケーションからなる。
【0049】
この実施形態は、
-少なくとも第2の複数の較正地点を位置確定する段階であって、前記較正ロケーションの第3のセットの各ロケーションについて、前記第2の複数の較正地点のそれぞれの地点が、前記第2の複数の画像のそれぞれの画像内に含まれるようにし、前記それぞれの画像は、それぞれの較正指標を表示し、前記それぞれの較正指標は、前記各ロケーションにおいて位置確定され、前記それぞれの地点において表示される、段階
をさらに備え得る。
【0050】
また、この実施形態では、光記録デバイスを較正する段階は、第3の複数の較正地点のうちの地点を、第2の較正ビューの画像平面上への投影の画像平面内のロケーションとして使用することによって、実行され得る。
【0051】
特に、第3の複数の較正地点は、条件のセットの各条件を満たす、第2の複数の較正地点のうちの較正地点及び第1の複数の較正地点のうちの較正地点を含む。第3の複数の較正地点は、例えば、第1の複数の較正地点のうちの較正地点のいずれも条件のセットの各条件を満たさない場合、第2の複数の較正地点のうちの較正地点からなり得る。
【0052】
例えば、条件のセットは、較正地点が、較正ロケーションの第1のセット及び較正ロケーションの第2のセットに含まれる視野のロケーションに関連付けられる条件を有する、例えばそれからなる。例えば、第3の複数の較正地点の各地点について、上記各地点は、第2の複数の較正地点に含まれ、及び/又は上記各地点は、較正ロケーションの第1のセット及び較正ロケーションの第2のセットの双方に含まれるロケーションに関連付けられる。
【0053】
本発明の方法の一実施形態は、
-較正ロケーションの第2のセットの各ロケーションを、第1の回転並進を使用することによって視野のそれぞれのロケーション上にマッピングし、これにより、較正ロケーションの第1のセットを構築する段階
をさらに備える。
【0054】
本発明の方法のさらなる実施形態において、ロケーションの第1のセットのうちのロケーションは、視野の第1の平面領域上に配置され、ロケーションの第2のセットのうちのロケーションは、視野の第2の平面領域上に配置される。特に、第1の平面領域及び第2の平面領域は、互いに対して角度を形成する。例えば、第1の平面領域及び第2の平面領域は、互いに対して実質的に垂直である。特に、第1及び第2の平面領域は、互いに対して平行でない。
【0055】
この場合、方法は、モデルパネルを回転させる必要なく、互いに対して平行でない2つのビューを使用することによって光記録デバイスの較正を可能にする。
【0056】
特に、ロケーションの第1のセットのうちのロケーション及びロケーションの第2のセットのうちのロケーションは、視野の第3の平面領域上に配置される。
【0057】
本発明の一実施形態によれば、較正ロケーションの第1のセットのうちのロケーションは、較正ロケーションの第1のセットの各ロケーションが第1のグリッドグラフのそれぞれのノードにおいて位置確定されるように、互いに対して配置される。特に、第1のグリッドグラフは、2次元グリッドグラフ、より詳細には、長方形及び/又は正方形グリッドである。本発明によれば、グリッドグラフは、特に、第1の格子定数及び第2の格子定数によって規定される格子グラフである。
【0058】
較正ロケーションの第1のセットのロケーションのこの配置は、第1の複数のシーンのうちのシーンの数の低減を可能にする。特に、ロケーションの第1のセットのうちのいくつかのロケーションは、同じシーン内にマーキングされ得る。例えば、これは、第1のグリッドグラフに対応する、例えば実質的に等しいグリッドグラフのノードに指標が配置される、モデルパネルを使用することによって達成され得る。例えば、後者のグリッドグラフの第1の格子定数及び第2の格子定数は、第1のグリッドグラフの第1の格子定数及び第2の格子定数にそれぞれ等しい。
【0059】
本発明の一実施形態によれば、較正ロケーションの第2のセットのうちのロケーションは、較正ロケーションの第2のセットの各ロケーションが第2のグリッドグラフのそれぞれのノードにおいて位置確定されるように、互いに対して配置される。特に、第2のグリッドグラフは、2次元グリッドグラフ、より詳細には、長方形及び/又は正方形グリッドである。例えば、第2のグリッドグラフの第1の格子定数及び第2の格子定数は、第1のグリッドグラフの第1の格子定数及び第2の格子定数にそれぞれ等しい。例えば、第2のグリッドグラフは、第1の回転並進を使用することによって第1のグリッドグラフにマッピング可能である。1つの実施形態において、第2のグリッドグラフの第1の格子定数及び/又は第2の格子定数は、第1のグリッドグラフの第1の格子定数及び/又は第2の格子定数とは異なり得る。
【0060】
本発明の一実施形態において、較正ロケーションの第1のセットは、少なくとも第1のロケーション及び第2のロケーションを有し、第1のロケーション及び第2のロケーションは、互いに対して第1の距離を置いて第1の線上に位置合わせされ、較正指標のセットは、少なくとも、第1の指標及び第2の指標を含み、第1の指標及び第2の指標は、互いに対して第2の距離を置いて第2の線上に位置合わせされる。
【0061】
特に、第1の距離及び第2の距離は、互いに実質的に等しく、第1の線及び第2の線は、互いに対して実質的に平行である。
【0062】
この実施形態において、第1の複数のシーンを構築する段階は、モデルパネルを光記録デバイスに対する第1の位置に並進させ、第1の位置において、第1の指標及び第2の指標が第1のロケーション及び第2のロケーションにおいてそれぞれ位置確定されるようにすることによって、第1のシーンを構築する段階を含む。
【0063】
特に、較正ロケーションの第1のセットは、第1の線上に位置合わせされる少なくとも第1の複数の較正ロケーションを含み、較正指標は、第2の線上に位置合わせされる少なくとも第1の複数の指標を含む。例えば、第1の位置において、第1の複数の指標の各指標は、第1の複数の較正ロケーションのそれぞれのロケーションにおいて位置確定される。
【0064】
この実施形態において、第1のロケーション及び第2のロケーションは、同じシーン内にマーキングされ、したがって、同じ画像内に示される。したがって、この場合、第1の複数のシーンのうちのシーンの数、したがって、第1の複数の画像における画像の数は低減され、較正プロセスは簡略化される。
【0065】
本発明の一実施形態において、較正ロケーションの第1のセットは、少なくとも第3のロケーション及び第4のロケーションを含む。第3のロケーション及び第4のロケーションは、第3の線上に位置合わせされ、第3の線は、第1の線に対して実質的に平行である。この実施形態によれば、第1のロケーション及び第3のロケーションは、第4の線上に位置合わせされ、第2のロケーション及び第4のロケーションは、第5の線上に位置合わせされ、第4の線及び第5の線は、互いに対して実質的に平行である。
【0066】
第1の複数のシーンを構築する段階は、モデルパネルを光記録デバイスに対する第1の位置から第2の位置に並進させ、第2の位置において、第1の指標及び第2の指標が第3のロケーション及び第4のロケーションにおいてそれぞれ位置確定されるようにすることによって、第2のシーンを構築する段階を含み得る。特に、較正ロケーションの第1のセットは、第3の線上に位置合わせされる第2の複数の較正ロケーションを含み得、較正指標は、第2の線上に位置合わせされる第2の複数の指標を含む。特に、第2の位置において、第2の複数の指標の各指標は、第2の複数の較正ロケーションのそれぞれのロケーションにおいて位置確定される。例えば、第2の複数の指標は、第1の複数の指標を含むか又はそれに含まれ得る。第2の複数の指標は、第1の複数の指標からなり得る。
【0067】
この実施形態において、第1の複数のシーンのうちのシーンの数、したがって、第1の複数の画像における画像の数は、さらに低減される。特に、この場合、第3のロケーション及び第4のロケーションは、同じシーン内にマーキングされ、したがって、同じ画像内に示される。
【0068】
本発明の一実施形態において、並進ベクトル
【数10】
は、第5及び第4の線に対して実質的に平行である。したがって、第1及び第2の位置の間のモデルパネルの移動は、最小化される。こうして、較正プロセスは合理化され、この処理を実行するためのエネルギー消費が低減される。例えば、基準フレームFにおいて、並進ベクトル
【数11】
は、
【数12】
によって与えられる。
【0069】
本発明の一実施形態において、較正指標のセットは、第3の指標からなり、任意選択で、第3の指標は、ドット又は多角形、特に正方形である。
【0070】
この場合、モデルパネルのサイズは、このパネルが単一の指標を含むことから、低減され得る。
【0071】
本発明の一実施形態によれば、較正指標のセットのうちの較正指標は、較正指標のセットの各較正指標が第3のグリッドグラフのそれぞれのノードにおいて位置確定されるように、モデルパネル上に互いに対して配置される。特に、第3のグリッドグラフは、2次元グリッドグラフ、より詳細には、長方形及び/又は正方形グリッドである。例えば、第3のグリッドグラフの第1の格子定数及び第2の格子定数は、第1のグリッドグラフの第1の格子定数及び第2の格子定数にそれぞれ等しい。
【0072】
本発明によれば、モデルパネルは、正方形グリッド又はチェスボードパターンを形成する複数の正方形を含み得る。存在する場合、正方形グリッド又はチェスボードパターンは、複数の正方形の頂点のセットを含み得、較正指標のセットの各較正指標は、頂点のセットのそれぞれの頂点にある又は位置確定される。
【0073】
本発明の一実施形態において、前記第1の複数の較正地点を位置確定する前記段階は、画像認識アルゴリズムを使用することによって、少なくとも前記第1の複数の較正地点のうちの地点を位置確定する段階を有する。特に、第1の複数の較正地点の各地点は、画像認識アルゴリズムを使用することによって位置確定される。
【0074】
アルゴリズムは、特に、出力情報を取得するために入力情報を処理する命令の集合体、例えばシーケンスである。アルゴリズムの命令は、コンピュータ内に実装され、例えば、本発明によるデータ処理システムのプロセッサによって実行され得る。特に、アルゴリズムの入力情報は、アルゴリズムを実行するプロセッサによってアクセスされ得る入力データにおいてエンコードされる。特に、プロセッサは、出力情報を生成するアルゴリズムの命令に従って入力データを処理し、これは、通常、出力データにおいてエンコードされる。本発明によれば、特に、アルゴリズムは、プロセッサによって実行されると、上記プロセッサにこれらのデータを処理させる命令をアルゴリズムが含む場合、データを処理する。
【0075】
例えば、画像認識アルゴリズムは、入力画像又はその一部の各ピクセルの位置及び強度値を含む入力データを処理する。特に、画像認識アルゴリズムは、プロセッサによって実行されると、入力画像内で指標のセットのうちの1つ又は複数の指標を検出することを試みるように、上記プロセッサに入力データを処理させる命令を含む。
【0076】
画像認識アルゴリズムは、光記録デバイスによって取得される入力ビデオにおける指標のセットのうちの1つ又は複数の指標を検出するように試みるアルゴリズムであり得る。例えば、画像認識アルゴリズムは、プロセッサによって実行されると、入力ビデオのフレーム内で指標のセットのうちの1つ又は複数の指標を検出することを試みるように、上記プロセッサに上記フレームを処理させる命令を含む。
【0077】
出力情報は、指標のセットのうちの1つ又は複数の指標が入力画像内に表示されているか否かを示す情報を含み得る。これが当てはまる場合、出力情報は、検出された指標が上記画像内に表示されている地点を示す情報をさらに含み得る。
【0078】
方法の一実施形態によれば、画像認識アルゴリズムは、少なくとも機械学習アルゴリズムを含む。特に、機械学習アルゴリズムは、入力情報を処理して出力情報を取得する命令を含み、これらの命令のうちの少なくともいくつかは、トレーニングデータ及びトレーニングアルゴリズムのセットを使用することによって設定される。機械学習アルゴリズムは、人工ニューラルネットワーク(ANN)、決定木、ランダムフォレスト、サポートベクターマシン(SVM)等を含み得る。例えば、第1の機械学習アルゴリズムは、畳み込みニューラルネットワーク及び/又はディープニューラルネットワークであり得る。
【0079】
本発明の一実施形態において、前記光記録デバイスを較正する前記段階は、パラメータのセットを使用することによって実行され、前記パラメータのセットは、第2の回転並進及び/又はホモグラフィ変換をパラメータ化するパラメータを有する。特に、第2の回転並進及び/又はホモグラフィ変換は、第1の較正ビューに関連付けられる。例えば、第2の回転並進及び/又はホモグラフィ変換は、3次元世界の基準フレームに関する視野における較正ロケーションの第1のセットのうちのロケーションの位置を規定するのに使用することができる。特に、上記基準フレームは、光記録デバイスに対して固定される。
【0080】
パラメータのセットは、第2の回転並進を一意に決定するのに好適なパラメータを含む、例えばそれからなり得る。特に、パラメータのセットは、
【数13】
(1)によって与えられるA次元リスト
【数14】
内に集合され得るA個の要素からなる。例えば、第2の回転並進は、3×3の直交回転行列及び並進ベクトルに関して表現され得る。
【数15】
(2)この場合、パラメータのセットは、並進ベクトル
【数16】
の3つのエントリ、及び回転行列R
(1)のエントリをパラメータ化する3つのパラメータを含み得る。例えば、これらの3つのパラメータは、回転行列R
(1)をパラメータ化するロドリゲスベクトル又は3つのオイラー角のエントリであり得る。
【0081】
基準フレームFにおいて、ホモグラフィ変換は、3×3のホモグラフィ行列H
(1),3及び/又は3×4のホモグラフィ行列H
(1),4に関して表現され得る。この場合、パラメータのセットは、H
(1),3の9個のエントリ及び/又はH
(1),4の12個のエントリを含み得る。これらのホモグラフィ行列のエントリは、第2の回転並進を、例えば、行列R
(1)及びベクトル
【数17】
のエントリに関してパラメータ化するパラメータに関してパラメータ化され得る。例えば、
【数18】
及び/又は
【数19】
λは全体の倍率、fは光記録デバイスの焦点距離、(u
c v
c)
Tは画像中心のロケーション、s
θは半径方向歪みである。s
x及びs
yは、それぞれx及びy方向における第2の倍率である。カメラのこれらの較正パラメータは、
【数20】
によって与えられる6次元リスト
【数21】
内に集合され得る。本発明の一実施形態において、光記録デバイスを較正する段階は、パラメータ化された地点の第1のセットを使用することによって実行され、パラメータ化された地点の第1のセットの各パラメータ化された地点は、較正ロケーションの第1のセットのそれぞれのロケーションの画像平面上への投影のロケーションのパラメータ化である。パラメータ化された地点の第1のセットの各パラメータ化された地点は、少なくともパラメータのセットのうちのパラメータに依存し得る。
【0082】
特に、パラメータ化された地点のセットは、N個の要素Q
(1),1,Q
(1),2,...,Q
(1),Nを含み得る。各j∈{1,2,...,N}について、パラメータ化された地点Q
(1),jは、画像座標
【数22】
によって表され得る。
【0083】
例えば、各j∈{1,2,...,N}について、画像座標
【数23】
は、較正パラメータ及び座標(X' Y' Z')の関数であり得る。
【数24】
係数D(X',Y',Z')は、
【数25】
によって与えられる量rの関数であり得る。例えば、係数D(X',Y',Z')は、
【数26】
又は(7a)
【数27】
によって与えられ得る。特に、Kは、2、3、又は4に等しいものであり得る。係数k
cは、光記録デバイスの歪み係数である。これらの係数は、
【数28】
によって与えられるK次元リスト
【数29】
内に集合され得る。例えば、D(X',Y',Z')は、レンズ歪みがない又は無視できる場合、式(7a)によって与えられ得る。
【0084】
特に、座標(X' Y' Z')は、ロケーションP
(1),jの座標
【数30】
に関して表現され得る。
【数31】
上述したように、回転行列R
(1)及び並進ベクトル
【数32】
は、パラメータのセットのうちのパラメータによって、例えば、A次元リスト
【数33】
内に含まれるパラメータによってパラメータ化され得る。特に、回転行列R
(1)及び並進ベクトル
【数34】
は、基準フレームFをカメラ基準フレームF
cにマッピングする回転並進を表す。特に、基準フレームF
cは、3次元世界において規定され、(i)その原点が光記録デバイスの光学中心において位置確定され;(ii)そのz軸が光記録デバイスの光軸と位置合わせされ;(iii)そのz軸が画像平面に対して垂直であるようになっている。特に、フレームF
cにおいて、画像平面は、点(0 0 f)
Tにおいてz軸に交差する。
【0085】
例えば、各j∈{1,2,...,N}について、画像座標
【数35】
は、上述のホモグラフィ行列の関数であり得る。
【数36】
及び/又は
【数37】
特に、後者の式は、基準フレーム内で成り立ち、Z
(1),j=0である。例えば、基準フレームFが、各j∈{1,2,...,N}について、Z
(1),F,j=0になるように選択される場合、行列H
(1),3のエントリのそれぞれの数値は、座標
【数38】
、画像座標
【数39】
、及び直接線形変換を使用することによって推定され得る。この場合、行列H
(1),3のエントリは、式(3a)に従ってパラメータ化され得る。したがって、この場合、行列H
(1),3のエントリの数値は、リスト
【数40】
内に含まれる較正パラメータのそれぞれの数値、行列R
(1)の最初の2つの列のエントリのそれぞれの数値、及びベクトル
【数41】
のエントリのそれぞれの数値を推定するのに使用され得る。
【0086】
例えば、各j∈{1,2,...,N}について、画像座標
【数42】
は、較正パラメータ及び座標(X' Y' Z')の関数であり得る。
【数43】
f
x及びf
yは、ピクセル単位で表現される焦点距離である。座標(X'' Y'' Z'')は、式(9)において規定される座標(X' Y' Z')及び式(6)において規定される量rに関して、以下のように表現され得る。
【数44】
係数
【数45】
~
【数46】
は、半径方向歪み係数であり、係数
【数47】
及び
【数48】
は、接線方向歪み係数である。
【0087】
パラメータ化された地点の使用は、較正パネルにおける指標の(既知の)座標、及び視野の第1の領域の位置及び向きに関して、較正ロケーションの第1のセットのうちのロケーションを決定することを可能にする。後者の位置及び向きは、パラメータのセットのうちのパラメータによってパラメータ化される第2の回転並進及び/又はホモグラフィ変換によって表される。これらのパラメータは、較正段階中に、例えば、Zhangの較正アルゴリズム及び/又はTsaiの較正アルゴリズムを使用することによって推定され得、前もって既知である又は較正段階の前に測定される必要はなく、これにより、較正手順が合理化される。
【0088】
特に、光記録デバイスを較正する段階は、パラメータのセットのうちのパラメータに関してパラメトリック関数を最小化する段階を含む。パラメトリック関数は、パラメータのセットのうちのパラメータに依存する。
【0089】
特に、パラメトリック関数は、複数の較正地点のうちの地点、及びパラメータ化された地点のセットのうちのパラメータ化された地点に依存する。より詳細には、パラメトリック関数は、パラメータ化された地点のセットのうちのパラメータ化された地点への依存を介してパラメータのセットのうちのパラメータに依存する。
【0090】
特に、パラメトリック関数は、少なくとも、カメラの較正パラメータ及び/又はパラメータのセットのうちのパラメータに関して最小化される。特に、パラメトリック関数は、少なくとも、リスト
【数49】
及びリスト
【数50】
内に含まれるパラメータ、及び存在する場合、リスト
【数51】
内に含まれるものに関して最小化される。最小化は、レーベンバーグ・マーカート法等の反復法を使用することによって実行され得る。
【0091】
例えば、パラメトリック関数は、下記に与えられる関数G
(1)を含む。
【数52】
【数53】
は、2次元ベクトル
【数54】
のノルムを示し、
【数55】
は、式(5)~(9)又は式(6)、(9)、(11)、及び(12)を使用することによって計算され得る。関数G
(1)は、座標
【数56】
がこれらのパラメータに依存し得るため、リスト
【数57】
内に含まれる較正パラメータ、及び存在する場合、リスト
【数58】
のうちの較正パラメータに依存し得る(式(5)~(9)を参照)。これらの座標、及びしたがって、関数G
(1)は、パラメータのセットのうちのパラメータにも依存し得る。
【0092】
基準フレームFが、各j∈{1,2,...,N}について、Z
(1),F,j=0になるように選択される場合、パラメトリック関数は、下記に与えられる関数L
(1)を含み得る。
【数59】
【数60】
は、3次元ベクトル
【数61】
のノルムを示す。この場合、パラメトリック関数は、少なくとも行列H
(1),3のエントリに関して最小化され得る。最小化は、これらのエントリのそれぞれの数値の推定を可能にする。上記に説明したように、これらの数値は、リスト
【数62】
内に含まれる較正パラメータのそれぞれの数値、及びR
(1)の最初の2つの列のエントリのそれぞれの数値、及びベクトル
【数63】
のエントリのそれぞれの数値を推定することを可能にする。
【0093】
較正関数の最小化は、較正ロケーションの数の増大を可能にし、これにより、例えば、視野内のモデルパネルの位置及び/又は第1の複数の画像のうちの画像内の地点の位置の不確実性に関連する較正エラーに影響を与える統計誤差の影響が低減される。
【0094】
本発明の方法の一実施形態によれば、光記録デバイスは、第3の較正ビューも使用することによって較正され、第3の較正ビューは、視野の較正ロケーションの第4のセットを含む。特に、較正ロケーションの第4のセットの各ロケーションは、第3の回転並進を使用することによって、較正ロケーションの第2のセットのそれぞれのロケーションにマッピング可能である。
【0095】
特に、本発明の方法は、較正ロケーションの第4のセットの各ロケーションを、第3の回転並進を使用することによって視野のそれぞれのロケーション上にマッピングし、これにより、較正ロケーションの第2のセットを構築する段階をさらに備え得る。
【0096】
本発明の一実施形態において、光記録デバイスは、複数の較正ビューも使用することによって較正される。特に、複数の較正ビューの各較正ビューは、視野の較正ロケーションのそれぞれのセットを含む。特に、較正ロケーションの上記それぞれのセットの各ロケーションは、それぞれの回転並進を使用することによって、較正ロケーションの第1のセットのそれぞれのロケーションにマッピング可能である。複数の較正ビューは、少なくとも4つの較正ビュー、及び特に第2の較正ビュー及び/又は第3の較正ビューを含み得る。
【0097】
本発明は、視野及び画像平面に関連付けられる光記録デバイス、前記視野内でモデルパネルを並進させる並進手段、及び本発明による方法を実行するように構成されている処理手段を備える、データ処理システムに関する。特に、並進手段は、少なくとも視野内でモデル平面を並進させるように構成されている。データ処理システムは、モデルパネルをさらに備え得る。
【0098】
本発明は、本発明のデータ処理システムを含む自動実験室システムにも関する。特に、本発明の自動実験室システムは、視野及び画像平面に関連付けられる光記録デバイス、及び視野内でモデルパネルを並進させる並進手段を備える。本発明の自動実験室システムは、本発明による方法を実行するように構成されている処理手段、及び実験器具物品を位置決めする作業デッキをさらに備える。本発明の自動実験室システムは、モデルパネルをさらに備え得る。
【0099】
実験器具物品は、臨床又は実験室環境において使用されるコンテナを含む又はそれからなり得る。このコンテナは、ガラス、プラスチック、金属等から作製され得る。例えば、実験器具物品は、頂部、蓋、及び/又は底部を有し得る培養皿を含む、又はそれからなり得る。特に、実験器具物品は、サンプルバイアル及び/又は試験管を含む又はそれからなる。実験器具物品は、単回使用、複数回使用、及び/又は使い捨てのものであり得る。例えば、実験器具物品は、プレート、チップ、管、リザーバ、チップボックス、高さアダプタ、リザーバラック、及び/又は管ラックを含む又はそれからなり得る。
【0100】
本発明は、プログラムが本発明によるデータ処理システムによって実行されると、上記システムに本発明による方法を実行させる命令を含む、コンピュータプログラム製品にも関する。
【0101】
本発明は、本発明によるシステムによって実行されると、上記システムに本発明の方法を実行させる命令を含む、コンピュータ可読記憶媒体に関する。
【0102】
本発明によれば、コンピューティングデバイスは、処理要素(CPU、GPU等)及び記憶手段を有し得る。記憶手段は、少なくとも、揮発性1次メモリ(例えば、RAM、DRAM、SRAM、CPUキャッシュメモリ等)、不揮発性1次メモリ(例えば、ROM、PROM、EPROM等)、及び/又は2次メモリを含み得る。特に、揮発性1次メモリは、処理要素によって実行されるプログラムファイル及び関連データを一時的に保持し、不揮発性1次メモリは、コンピューティングデバイスのオペレーティングシステムのブートストラップコードを含み得る。本発明によれば、コンピューティングデバイスは、入力及び/又は出力デバイスを含むコンピュータシステムであり得、より詳細には、スマートフォン、コンピュータ、タブレット等であり得る。特に、コンピュータネットワークの第1のノード、第2のノード、第3のノード、及び/又は第4のノードは、コンピューティングデバイス又はそのクラスタであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0103】
本発明の例示的な実施形態を、添付図面に関連して以下に説明する。図面及び対応する詳細な説明は、単に本発明のよりよい理解を提供する役目を果たし、特許請求の範囲に定義される本発明の範囲をいかようにも制限しない。詳細は以下である。
【0104】
【
図1a】本発明による自動実験室システム(ALS)の第1の実施形態のデータ処理システムの概略図である。
【
図1b】本発明によるALSの第1の実施形態の概略図である。
【
図1c】本発明によるALSの第1の実施形態の概略図である。
【
図1d】本発明によるALSの第1の実施形態の概略図である。
【
図2】本発明による方法の第1の実施形態の動作のフロー図である。
【
図8a】本発明の方法の第1の実施形態を実行することによって撮像される画像の概略図である。
【
図8b】本発明の方法の第1の実施形態を実行することによって撮像される画像の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0105】
図1b~
図1dは、本発明によるALS100の第1の実施形態の概略図である。
図1c及び
図1dは、それぞれ、
図1bの線1-1に沿った断面図、及び線2-2に沿った断面図である。
【0106】
ALS100は、デジタルカメラ150の形態の光記録デバイスを備える。カメラ150は、特に、第1の複数の画像のうちの画像を撮像するように構成されており、写真カメラ及び/又はビデオカメラを含む又はそれからなり得る。ALS100は、1つ又は複数の実験器具物品を位置決めする作業デッキ110をさらに備える。
図1cに最もよく示されているように、作業デッキ110は、廃棄コンテナ111を有する。ALS100は、この実施形態では実質的に平行六面体形状を有するモデルパネル140を備える。
図1cに最もよく示されているように、モデルパネル140は、光記録デバイス150に面するモデルパネル140の面141上に配置された較正指標のセット40~49を有する(
図1bを参照)。指標のセット40~49の各指標は、長方形グリッドグラフのそれぞれのノードに配置される。
【0107】
モデルパネル140は、少なくとも光記録デバイス150の視野内でモデルパネル140を並進させるように適合されている並進手段120に作動的に接続される。例えば、並進手段120は、第1のレール、第2のレール、及び第2のレールに作動的に接続された第1のモータ(図示せず)を有し得る。第1のレール及び第2のレールは、それぞれ第1の方向310及び第2の方向320に対して実質的に平行に延在する。特に、第2のレールは、第2のレールが第1のモータによって、第1のレールに沿って、例えば、第1の方向310に対して平行に並進可能であるように、第1のレールに移動可能に接続される。
【0108】
並進手段120は、伸長式アーム121、例えば、テレスコピックアームを有する。また、並進手段120は、アーム121に作動的に接続された第2のモータ及び第3のモータ(図示せず)をさらに有し得る。アーム121は、第3の方向330に対して平行に延在し、モデルパネル140に接続されており、上記パネル140とともに移動する。アーム121は、アーム121が第2のモータによって第2のレールに沿って並進可能であるように、第2のレールに移動可能に接続されている。アーム121は、第3のモータによって伸長方向240に沿って伸長可能である。
図1bに示されているように、伸長方向は、第3の方向330に対して実質的に平行である。第1のモータ、第2のモータ、及び/又は第3のモータは、サーボ及び/又はステップモータであり得る。
【0109】
ALS100は、
図1aに概略的に示されているデータ処理システム(DPS)160を備える。DPS160は、コンピューティングデバイス又はそのクラスタを有し得る。例えば、DPS160は、スマートフォン、デスクトップコンピュータ、タブレット、ラップトップ等であり得る。DPS160は、互いにデータ通信する処理要素170及び記憶手段180を有する。処理要素170は、CPU及び/又はGPUからなる又はそれを含み得、本発明の方法の段階を実行するように構成されているいくつかのモジュール171~174を有する。
【0110】
記憶手段180は、揮発性1次メモリ181(例えば、RAM、DRAM、SRAM、CPUキャッシュメモリ等)及び/又は不揮発性1次メモリ182(例えば、ROM、PROM、EPROM等)を有し得る。特に、揮発性1次メモリは、RAMからなり得る。例えば、揮発性1次メモリ181は、処理要素によって実行されるプログラムファイル及び関連データを一時的に保持し、不揮発性1次メモリ182は、DPS160のオペレーティングシステムのブートストラップコードを含み得る。
【0111】
記憶手段180は、オペレーティングシステム及び/又は本発明の方法を実行するように使用されるアルゴリズムの命令を格納し得る、2次メモリ183をさらに有し得る。また、2次メモリ183は、命令を有するコンピュータプログラム製品を格納し得、命令は、コンピュータプログラム製品がDPS160によって実行されると、DPS160に本発明による方法を実行させる。
【0112】
2次メモリ183、1次メモリ181、182、及び処理要素170は、同じハウジング内に物理的に収容される必要はなく、その代わり、互いに空間的に分離され得る。特に、2次メモリ183、1次メモリ181、182、及び処理要素170は、互いに空間的に分離され得、有線及び/又は無線媒体(図示せず)を介して互いにデータを交換し得る。
【0113】
DPS160は、入出力(I/O)インターフェース161を有し得、これにより、DPS160が入出力デバイス(例えば、ディスプレイ、キーボード、タッチスクリーン、プリンタ、マウス、カメラ等)と通信することを可能にする。DPS160は、DPS160を好適なネットワーク(図示せず)と接続するように構成されているネットワークインターフェースコントローラ(NIC)162をさらに有し得る。本発明によれば、好適なネットワークは、例えば、イントラネット、インターネット、又はセルラーネットワークであり得る。
【0114】
カメラ150は、I/Oインターフェース161を介して処理要素170に接続され得る。例えば、カメラ150は、NIC162を介してI/Oインターフェースに無線接続され得る。カメラ150は、I/Oインターフェース161又は周辺機器とともに使用される関連付けられた命令及びデータを格納する固有のメモリを有するインテリジェントデバイスであり得る。
【0115】
処理要素170は、本発明の方法を実行するように構成されているいくつかのモジュール171~174を有する。構築モジュール171は、シーン、例えば、第1の複数のシーンのうちのシーンを構築するように構成されている。特に、構築モジュール171は、モデルパネル140の並進移動を制御し、これにより、シーン、例えば、第1の複数のシーンのうちのシーンを構築するように構成されている。より詳細には、構築モジュール171は、アーム121を並進及び/又は伸長させ、これにより、モデルパネル140を並進させるように、第1、第2、及び/又は第3のモータを動作させるように構成されている。捕捉モジュール172は、画像、例えば、第1の複数の画像のうちの画像を捕捉するように、カメラ150を動作させるように構成されている。
【0116】
位置確定モジュール173は、少なくとも第1の複数の較正地点を位置確定するように構成されている。較正モジュール174は、少なくとも第1の複数の較正地点のうちの地点を、第1の較正ビューの画像平面上への投影の画像平面内のロケーションとして使用することによって、光記録デバイスを較正するように構成されている。
【0117】
ALS100は、自動ピペッティングシステムであり得る。この場合、ALS100は、液体移送用のピペッティングヘッド(図示せず)を備える。ピペッティングヘッドは、サーボモータ及び/又はステッパモータによって作業デッキに対して移動可能であり得る。特に、DPS160は、ピペッティングヘッドを移動させるモータを動作させるように構成されているモジュールを有し得る。
【0118】
図2は、本発明による方法の第1の実施形態の動作のフロー
図200である。特に、方法のこの実施形態は、上述され、
図1a~1dに概略的に示されているALS100の第1の実施形態によって実行され得る。
【0119】
段階201において、ALS100は、
図3a~3cに概略的に示されている第1のシーンを構築する。
図3b及び
図3cは、それぞれ、
図3aの線1-1に沿った断面図、及び線2-2に沿った断面図である。特に、段階201において、DPS160は、並進手段120を制御して、モデルパネル140をカメラ150に対する第1の位置に並進させ、これにより、第1のシーンを構築する。
【0120】
図3bに最もよく示されているように、第1のシーンにおいて、指標のセット40~49の各較正指標は、較正ロケーションの第4のセット10~19のそれぞれのロケーションに配置される。特に、
図3a~3cにおいて、参照番号nによって識別される較正指標は、参照番号n-30によって識別されるロケーションにおいて位置確定される。
図6a及び6bにおいて、較正ロケーションの第4のセット10~19のうちのロケーションは、影付きのドットによってマーキングされている。特に、
図6bは、
図6aの線1-1に沿った断面図、及び線2-2に沿った断面図である。
【0121】
較正ロケーションの第4のセット10~19のうちのロケーションは、第3の較正ビューに含まれ、特にそれを規定する。特に、この実施形態において、第3の較正ビューは、10個のロケーションP
(3),1,P
(3),2,...,P
(3),10を有し、各j∈{1,2,...,10}について、ロケーションP
(3),jは、
図3bにおいて参照番号(j+9)によって識別される。
【0122】
段階202において、DPS160は、
図8aに概略的に表されている第1の画像910を捕捉するように、カメラ150を動作させる。
【0123】
段階203において、ALS100は、較正ロケーションの第1のセット10~19の各ロケーションについて、第4の複数の較正地点50~59のそれぞれの地点が第1の画像910内に含まれるように、第4の複数の較正地点50~59のうちの較正地点を位置確定する。特に、各n∈{10,11,...,19}について、
図3bにおいて参照番号nによって識別されるロケーションが、
図8aにおいて参照番号n+40によって識別されるそれぞれの地点に関連付けられる。
【0124】
較正ロケーションの第1のセット10~19の各ロケーションについて、第1の画像910は、それぞれの較正指標を表示し、上記それぞれの較正指標は、上記各ロケーションにおいて位置確定され、上記各ロケーションに関連付けられるそれぞれの地点において表示される。特に、各n∈{10,11,...,19}について、
図3bにおいて参照番号nによって識別されるロケーションが、
図3bにおいて参照番号n+30によって識別されるそれぞれの較正指標に関連付けられる。
【0125】
第4の複数の較正地点50~59のうちの較正地点は、画像認識アルゴリズム、例えば、機械学習画像認識アルゴリズムを使用することによって、第1の画像910内で位置確定され得る。
【0126】
この実施形態において、第3の複数の較正地点50~59は、10個の較正地点M
(3),1,M
(3),2,...,M
(3),10からなり、各j∈{1,2,...,10}について、較正地点M
(3),jは、画像座標
【数64】
によって表され、
図8aにおいて参照番号(j+49)によって識別される。
【0127】
段階204において、ALS100は、
図4a~4cに概略的に示されている第1の複数のシーンのうちの第1のシーンを構築する。特に、
図4b及び
図4cは、それぞれ、
図4aの線1-1に沿った断面図、及び線2-2に沿った断面図である。段階204において、DPS160は、並進手段120を制御して、モデルパネル140をカメラ150に対する第1の位置からカメラ150に対する第2の位置に並進させ、これにより、第1の複数のシーンのうちの第1のシーンを構築する。
【0128】
図4a及び4bに最もよく示されているように、第1の複数のシーンのうちの第1のシーンにおいて、指標のセット40~49の第1のサブセット40~44の各較正指標は、較正ロケーションの第1のセット20~29の第1のサブセット20~24のそれぞれのロケーションに配置される。特に、
図4a~4cにおいて、参照番号nによって識別される較正指標は、参照番号n-20によって識別されるロケーションにおいて位置確定される。
図6a及び6bにおいて、較正ロケーションの第1のセット20~29の第1のサブセット20~24うちのロケーションは、影付きの四角形によってマーキングされている。後者の図に最もよく示されているように、第1の複数のシーンのうちの第1のシーンを構築するために、モデルパネル140が第1の位置から第2の位置に並進される場合、較正指標40がロケーション10からロケーション20に移動するように、モデルパネル140は、並進ベクトル70によって並進される。
【0129】
段階205において、DPS160は、第1の複数の画像920、930のうちの第1の画像920を捕捉するように、カメラ150を動作させる(
図8aを参照)。
【0130】
段階206において、ALS100は、較正ロケーションの第1のセット20~29の第1のサブセット20~24の各ロケーションについて、第1の複数の較正地点60~69の第1のサブセット60~64のそれぞれの地点が画像920内に含まれるように、第1の複数の較正地点60~69の第1のサブセット60~64のうちの較正地点を位置確定する。特に、各n∈{20,21,...,24}について、
図4bにおいて参照番号nによって識別されるロケーションが、
図8aにおいて参照番号n+40によって識別されるそれぞれの地点に関連付けられる。
【0131】
較正ロケーションの第1のセット20~29の第1のサブセット20~24の各ロケーションについて、画像920は、それぞれの較正指標を表示し、上記それぞれの較正指標は、上記各ロケーションにおいて位置確定され、上記各ロケーションに関連付けられるそれぞれの地点において表示される。特に、各n∈{20,21,...,24}について、
図4bにおいて参照番号nによって識別されるロケーションが、
図4bにおいて参照番号n+20によって識別されるそれぞれの較正指標に関連付けられる。
【0132】
第1の複数の較正地点60~69の第1のサブセット60~64のうちの較正地点は、画像認識アルゴリズムを使用することによって、第1の複数の画像920、930のうちの第1の画像920内で位置確定され得る。
【0133】
段階207において、ALS100は、
図5a~5cに概略的に示されている第1の複数のシーンのうちの第2のシーンを構築する。特に、
図5b及び
図5cは、それぞれ、
図5aの線1-1に沿った断面図、及び線2-2に沿った断面図である。特に、段階207において、DPS160は、並進手段120を制御して、モデルパネル140をカメラ150に対する第2の位置からカメラ150に対する第3の位置に並進させ、これにより、第1の複数のシーンのうちの第2のシーンを構築する。
【0134】
図5a及び5bに最もよく示されているように、第1の複数のシーンのうちの第2のシーンにおいて、指標のセット40~49の第1のサブセット40~44の各較正指標は、較正ロケーションの第1のセット20~29の第2のサブセット25~29のそれぞれのロケーションに配置される。特に、
図5a~5cにおいて、参照番号nによって識別される較正指標は、参照番号n-15によって識別されるロケーションにおいて位置確定される。
【0135】
図6a及び6bにおいて、較正ロケーションの第1のセット20~29の第2のサブセット25~29のうちのロケーションは、影付きの四角形によってマーキングされている。後者の図に最もよく示されているように、第1の複数のシーンのうちの第2のシーンを構築するために、モデルパネル140が第2の位置から第3の位置に並進される場合、較正指標40がロケーション20からロケーション25に移動するように、モデルパネル140は、並進ベクトル71によって並進される。ベクトル71の長さは、指標40及び指標45の間の距離に等しく、それにより、ロケーション20及びロケーション25の間の距離は、ロケーション10及びロケーション15の間の距離に等しい。
【0136】
図6a及び6bに最もよく示されているように、較正ロケーションの第1のセット20~29のうちのロケーションは、第1の平面領域720上に配置され、ロケーションの第4のセット10~19のうちのロケーションは、第4の平面領域710上に配置される。第1の平面領域720及び第4の平面領域710は、互いに対して角度760を形成する。第4の平面領域710は、回転並進によって、第1の平面領域720上にマッピング可能である。
【0137】
較正ロケーションの第1のセット20~29のうちのロケーションは、第1の較正ビューに含まれ、特にそれを規定する。特に、この実施形態において、第1の較正ビューは、10個のロケーションP
(1),1,P
(1),2,...,P
(1),10を有し、各j∈{1,2,...,10}について、ロケーションP
(1),jは、
図6a及び7aにおいて参照番号(j+19)によって識別される。
【0138】
段階208において、DPS160は、第1の複数の画像920、930のうちの第2の画像930を捕捉するように、カメラ150を動作させる(
図8aを参照)。
【0139】
段階209において、ALS100は、較正ロケーションの第1のセット20~29の第2のサブセット25~29の各ロケーションについて、第1の複数の較正地点60~69の第2のサブセット65~69のそれぞれの地点が画像930内に含まれるように、第1の複数の較正地点60~69の第2のサブセット65~69のうちの較正地点を位置確定する。特に、各n∈{25,26,...,29}について、
図5bにおいて参照番号nによって識別されるロケーションが、
図8aにおいて参照番号n+40によって識別されるそれぞれの地点に関連付けられる。
【0140】
較正ロケーションの第1のセット20~29の第2のサブセット25~29の各ロケーションについて、画像930は、それぞれの較正指標を表示し、上記それぞれの較正指標は、上記各ロケーションにおいて位置確定され、上記それぞれの地点において表示される。特に、各n∈{25,26,...,29}について、
図5bにおいて参照番号nによって識別されるロケーションが、
図5bにおいて参照番号n+15によって識別されるそれぞれの較正指標に関連付けられる。
【0141】
第1の複数の較正地点60~69の第2のサブセット65~69のうちの較正地点は、画像認識アルゴリズムを使用することによって、第1の複数の画像920、930のうちの第2の画像930内で位置確定され得る。
【0142】
この実施形態において、第1の複数の較正地点60~69は、10個の較正地点M
(1),1,M
(1),2,...,M
(1),10からなる。各j∈{1,2,...,10}について、較正地点M
(1),jは、画像座標
【数65】
によって表され、
図8aにおいて参照番号(j+59)によって識別される。
【0143】
本発明の方法の第1の実施形態によれば、第2の複数の較正地点90~99のうちの較正地点の位置確定は、段階212~214を5回繰り返すことによって実行される。これらの反復のそれぞれにおいて、第2の複数のシーンのうちのシーンが構築され(段階212)、第2の複数の画像940~980のそれぞれの画像が捕捉され(段階213)、第2の複数の較正地点90~99のそれぞれのサブセットのうちの較正地点がそれぞれの画像内で位置確定される(段階214)。段階212~214の一般的な反復は、カウンタsに関して説明され、これは、段階210において、ゼロ値に初期化され、6未満である。
【0144】
第sの反復の段階212において、ALS100は、第2の複数のシーンのうちの第sのシーンを構築する。特に、第sの反復の段階212において、DPS160は、並進手段120を制御して、モデルパネル140をカメラ150に対する第(s+2)の位置からカメラ150に対する第(s+3)の位置に並進させ、これにより、第2の複数のシーンのうちの第sのシーンを構築する。
【0145】
第1の反復s=1において、カメラ150に対する第(s+2)の位置は、カメラに対する第3の位置であり、すなわち、第1の複数のシーンのうちの第2のシーンにおいてモデルパネル140が配置される位置である。s>1の場合、カメラ150に対するモデルパネル140の第(s+2)の位置は、特に、第2の複数のシーンのうちの第(s-1)のシーンにおけるモデルパネル140の位置であり、このシーンは、第(s-1)の反復の段階212において構築される。
【0146】
図7a及び7bにおいて、較正ロケーションの第2のセット30~39のうちのロケーションは、影付きの三角形によってマーキングされている。特に、
図7bは、
図7aの線2-2に沿った断面図である。第2の複数のシーンのうちの第sのシーンにおいて、較正指標40は、参照番号(s+29)によって識別される、
図7a及び7bにおいて識別されるロケーションに配置される。このシーンにおいて、較正指標45は、
図7a及び7bにおいて参照番号(s+34)によって識別されるロケーションに配置される。
図7a及び7bに最もよく示されているように、第2の複数のシーンのうちの第sのシーンを構築するために、モデルパネル140は、参照番号(s+79)によって識別される並進ベクトルによって並進される。
【0147】
例えば、第1の反復(s=1)において、較正指標40及び較正指標45は、ロケーション30及びロケーション35にそれぞれ配置される。例えば、第2の複数のシーンのうちの第1のシーンを構築するために(第1の反復の段階212)、モデルパネル140が第3の位置から第4の位置に並進される場合、較正指標40がロケーション25からロケーション30に移動するように、モデルパネル140は、並進ベクトル80によって並進される(
図7a、7bを参照)。並進ベクトル81~84は、同じ長さを有し、これは、特に、指標40及び指標41の間の距離に等しい。
【0148】
図7aに最もよく示されているように、較正ロケーションの第2のセット30~39のうちのロケーションは、第2の平面領域730上に配置される。第1の平面領域720及び第2の平面領域730は、互いに角度を形成し、後者の平面領域730は、回転並進によって前者の平面領域720上にマッピング可能である。
【0149】
較正ロケーションの第2のセット30~39のうちのロケーションは、第2の較正ビューに含まれ、特にそれを規定する。特に、この実施形態において、第2の較正ビューは、10個のロケーションP
(2),1,P
(2),2,...,P
(2),10を含む。各j∈{1,2,...,10}について、ロケーションP
(2),jは、
図7bにおいて参照番号(j+29)によって識別される。
【0150】
第sの反復の段階213において、DPS160は、第2の複数の画像941~945のうちの第sの画像を捕捉するように、カメラ150を動作させる。第2の複数の画像のうちの第1の画像941は、
図8aに概略的に示されている。
図8bにおいて、第2の複数の画像のうちの第sの画像(s>1)は、参照番号(s+940)によって識別される。
【0151】
第sの反復の段階214において、ALS100は、第2の複数の画像941~945のうちの第sの画像において、第2の複数の較正地点90~99の第sのサブセットのうちの較正地点を位置確定する。これらの較正地点は、画像認識アルゴリズムを使用することによって第2の複数の画像941~945の第sの画像内で位置確定され得る。
【0152】
第2の複数の較正地点90~99の第sのサブセットは、
図8a又は8bにおいて参照番号(s+89)によって識別される較正地点、及び
図8a又は8bにおいて参照番号(s+94)によって識別される較正地点からなる。例えば、第2の複数の較正地点90~99の第1のサブセットは、第2の複数の画像941~945のうちの第1の画像941の較正地点90及び95からなる(
図8aを参照)。
【0153】
特に、
図7bにおいて参照番号(s+29)によって識別されるロケーションは、
図8a又は8bにおいて参照番号(s+89)によって識別される較正地点に関連付けられる。
図7bにおいて参照番号(s+34)によって識別されるロケーションは、
図8a又は8bにおいて参照番号(s+94)によって識別される較正地点に関連付けられる。例えば、ロケーション30及び35は、較正地点90及び95にそれぞれ関連付けられる(
図7b及び8aを参照)。
【0154】
この実施形態において、第2の複数の較正地点90~99は、10個の較正地点M
(2),1,M
(2),2,...,M
(2),10からなり、各j∈{1,2,...,10}について、較正地点M
(2),jは、画像座標
【数66】
によって表され、
図8a又は
図8bにおいて参照番号(j+89)によって識別される。
【0155】
第1のシーン、第1の複数のシーンのうちのシーン、及び第2の複数のシーンのうちのシーンは、モデルパネル140を回転させる必要なく構築される。
【0156】
各i∈{1,2,3}について、及び各j∈{1,2,...,10}について、ロケーションP
(i),jは、基準フレームF
(i)において3つの座標
【数67】
によって表され得る。各i∈{1,2,3}について、基準フレームF
(i)は、その(X,Y)平面が10個のロケーションP
(i),1,P
(i),2,...,P
(i),10を含むように選択される。特に、各i∈{1,2,3}について、及び各j∈{1,2,...,10}について、
【数68】
である。
【0157】
特に、フレームF(1)の座標は、第4及び第5の回転並進をそれぞれ使用することによって、フレームF(2)の座標及びフレームF(3)の座標に変換され得る。各i∈{1,2,3}について、基準フレームF(i)は、基準フレームF(i)の各軸について同じ単位長さL(i)を使用することによって規定することができる。特に、L(1)=L(2)=L(3)である。
【0158】
段階216において、DPS160は、第1の較正ビューの画像平面上への投影の画像平面におけるロケーションとして第1の複数の較正地点60~69のうちの地点、第2の較正ビューの画像平面上への投影の画像平面におけるロケーションとして第2の複数の較正地点90~99のうちの地点、第3の較正ビューの画像平面上への投影の画像平面におけるロケーションとして第4の複数の較正地点50~59のうちの地点を使用することによって、カメラ150を較正する。特に、カメラ150の較正は、各j∈{1,2,...,10}及び各i∈{1,2,3}について、ロケーションP(i),jの画像平面上への投影の画像平面におけるロケーションとして較正地点M(i),jを使用することによって実行される。
【0159】
カメラ150の較正は、以下に与えられるパラメトリック関数を最小化することによって実行される。
【数69】
式(15)中、各j∈{1,2,...,10}及び各i∈{1,2,3}について、
【数70】
が、式(5)~(9)を(1)→(i)及びF→F
(i)に代えて使用することによって計算される。回転行列R
(2)及び並進ベクトル
【数71】
が、第2のビューに関連付けられるパラメータのセットのうちのパラメータによってパラメータ化される。このパラメータのセットは、並進ベクトル
【数72】
の3つのエントリ、及び回転行列R
(2)のエントリをパラメータ化する3つのパラメータを含み得る。第2のビューに関連付けられるパラメータのセットは、6次元リスト
【数73】
内に集合され得るA個の要素からなる。回転行列R
(3)及び並進ベクトル
【数74】
が、第3のビューに関連付けられるパラメータのセットのうちのパラメータによってパラメータ化される。このパラメータのセットは、並進ベクトル
【数75】
の3つのエントリ、及び回転行列R
(3)のエントリをパラメータ化する3つのパラメータを含み得る。特に、第3のビューに関連付けられるパラメータのセットは、6次元リスト
【数76】
内に集合され得るA個の要素からなる。
【0160】
パラメトリック関数Gは、リスト
【数77】
、及び
【数78】
内に含まれるパラメータに関して最小化される。レンズ歪みが無視できないほどである場合、関数Gは、係数D(X',Y',Z')を介してリスト
【数79】
内に含まれるパラメータに依存する(式(7a)を参照)。この場合、関数Gは、リスト
【数80】
内に含まれるパラメータに関しても最小化される。関数Gの最小化は、レーベンバーグ・マーカート法等の反復法を使用することによって実行され得る。
【0161】
代替的に、上記に関して、式(15)において、各j∈{1,2,...,10}及び各i∈{1,2,3}について、
【数81】
が、式(6)~(9)、(11)及び(12)を(1)→(i)及びF→F
(i)に代えて使用することによって計算され得る。この場合、特に、パラメトリック関数Gは、リスト
【数82】
、及び
【数83】
内に含まれるパラメータに関して最小化され得、リスト
【数84】
は、
【数85】
によって与えられる。
【0162】
本発明の方法の第1の実施形態において、第1の複数のシーンのうちのシーンを構築する段階は、2つの下位段階(段階204及び207)において実行される。また、第1の複数の画像のうちの画像を捕捉する段階も、2つの下位段階(段階205及び208)において実行される。第1の複数の較正地点のうちの較正地点を位置確定する段階も、2つの下位段階(段階206及び209)において実行される。
【0163】
この実施形態によれば、段階207及び208が段階206の後に実行されることから、第1の複数の較正地点のうちの較正地点を位置確定する段階は、第1の複数の画像のうちの画像を捕捉する段階の完了の前、及び第1の複数のシーンのうちのシーンを構築する段階の完了の前に開始される。
【0164】
本発明による方法のさらなる実施形態は、上述した第1の実施形態の段階201~216を備え得る。前者の実施形態は、互いに及び第1の実施形態とは、段階201~216が実行される順序が異なり得る。例えば、本発明の一実施形態によれば、段階207は、段階204の後及び段階205の前に実行され得る。上記に関して、段階208は、段階205の後及び段階206の前に実行され得る。例えば、方法の一実施形態において、段階206は、段階208の後及び段階209の前に実行される。
【0165】
まだ明確に説明されていない場合はいつでも、図面に関して説明された個々の実施形態又はその個々の態様及び特徴は、記載の発明の範囲を制限又は拡大することなく、組み合わせ又は交換が本発明に関して有意味である場合はいつでも、そのように互いに組み合わせる又は交換することができる。本発明の特定の実施形態に関して又は特定の図に関して説明された利点は、適用可能な場合はいつでも、本発明の他の実施形態の利点にもなる。
【国際調査報告】