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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-27
(54)【発明の名称】ヒトの接触箇所の病原菌の汚染除去
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/10 20060101AFI20230920BHJP
【FI】
A61L2/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515126
(86)(22)【出願日】2021-09-04
(85)【翻訳文提出日】2023-04-20
(86)【国際出願番号】 US2021049177
(87)【国際公開番号】W WO2022051693
(87)【国際公開日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】63/075,040
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523078351
【氏名又は名称】マイクロルミックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ヒッキー,クリストファー,エリック
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンダーホフ,デブラ,マリー
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA30
4C058BB06
4C058DD01
4C058DD03
4C058EE01
4C058KK02
4C058KK23
4C058KK28
(57)【要約】
病原菌汚染除去器具は、開放位置または閉位置にあるように構成可能なアクセスドア、媒介物の上または周りに筐体を位置決めするための開口部、トリガーまたはトリガーイベントに応答してアクセスドアを開くための開口手段、筐体の内側に配置され、媒介物を汚染除去するように構成された1種または複数の紫外線源を含む筐体を含む。病原菌汚染除去器具は、トリガーイベントを検出するように構成された1種または複数のセンサーを含み得る。1種または複数のセンサーは、障害物センサー、動きセンサーまたは検出器、光センサー、音響センサー、および/または熱または赤外線センサーを含み得る。アクセスドアは、1つまたは複数のアクセスパネルを含み得る。1種または複数の紫外線源は、200~280nmの範囲の波長を有するUV-C放射線を生成し得る。
【選択図】図1A

【特許請求の範囲】
【請求項1】
病原菌汚染除去器具であって、
開および/または閉位置であるように構成可能なアクセスドアを含む筐体;
前記筐体を、媒介物を囲むように位置決めするための開口部;
トリガーイベントに応答して前記アクセスドアを開くための開口手段;
前記筐体の内側に配置され、前記媒介物を汚染除去するように構成された1種または複数の紫外線源;
前記トリガーイベントを検出するように構成された1種または複数のセンサー;および
前記1種または複数のセンサー、前記開口手段、および/または前記1種または複数の紫外線源を制御するように構成されたマイクロコントローラー、を含む、病原菌汚染除去器具。
【請求項2】
前記開口手段が、前記トリガーイベントに応答して前記アクセスドアを開くように構成された駆動装置組立品または機構である、請求項1に記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項3】
前記1種または複数のセンサーが、障害物センサー、動きセンサーまたは検出器、光センサー、音響センサー、および/または熱または赤外線センサーを含む、請求項1または2に記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項4】
前記汚染除去が、病原菌集団を99%以上不活化することを含む、請求項1~3のいずれかに記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項5】
前記1種または複数の紫外線源が、200~280nmの範囲の波長を有するUV-C放射線を生成する、請求項1~4のいずれかに記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項6】
前記1種または複数の紫外線源が、発光ダイオード(LED)を含み、前記LEDが1種または複数の半導体チップおよび/または1種または複数のLEDアレイを含む、請求項1~5のいずれかに記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項7】
前記筐体の内側の1つまたは複数の表面が、UV反射コーティングでコートされる、請求項1~6のいずれかに記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項8】
前記媒介物が、ドアハンドル、洗面所の掛け金、本締めボルト、ガスポンプハンドル、小売店頭(POS)端末、ショッピングカートハンドル、エレベーター制御パネル、公衆電話、紙タオル取り出しレバー、コンピューターキーボード、トイレハンドルおよび/またはシートを含む、請求項1~7のいずれかに記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項9】
前記ドアが閉位置にある場合、前記筐体が、気密性または半気密性である、請求項1~8のいずれかに記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項10】
前記筐体の内側に配置された前記1種または複数の紫外線源が、前記媒介物の全ての露出面を汚染除去するように構成されている、請求項1~9のいずれかに記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項11】
前記筐体が、照射後に前記媒介物の風媒性の病原体による再汚染を実質的に防止するように構成されている、請求項1~10のいずれかに記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項12】
前記器具が組立済みで、追加の組み付け品なしに媒介物上に固定されるように構成されている、請求項1~11のいずれかに記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項13】
前記アクセスドアが、積層アクセスパネルを含む、請求項1~12のいずれかに記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項14】
媒介物を汚染除去するための方法であって、前記媒介物を囲い込み、紫外線殺菌照射(UVGI)により前記媒介物の全ての露出面を汚染除去するための請求項1~13のいずれか1項に記載の病原菌汚染除去器具の使用を含む、方法。
【請求項15】
病原菌汚染除去器具であって、
開および/または閉位置であるように構成可能なアクセスドアを含む筐体であって、前記筐体の内側の1つまたは複数の表面が、紫外線の反射コーティングでコートされ、前記ドアが閉位置にある場合、前記筐体が気密性または半気密性である筐体;
前記筐体を、媒介物を囲むように位置決めするための開口部;
トリガーイベントに応答して前記アクセスドアを開くように構成された駆動装置組立品または機構;
前記筐体の内側に配置され、前記媒介物の全露出面を汚染除去するように構成された1種または複数の紫外線源;
前記トリガーイベントを検出するように構成された1種または複数のセンサー;および
前記1種または複数のセンサー、前記開口手段、および/または前記1種または複数の紫外線源を制御するように構成されたマイクロコントローラー、を含む、病原菌汚染除去器具。
【請求項16】
前記1種または複数のセンサーが、障害物センサー、動きセンサーまたは検出器、光センサー、音響センサー、および/または熱または赤外線センサーを含む、請求項15に記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項17】
前記汚染除去が、病原菌集団を99%以上不活化することを含む、請求項15または16に記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項18】
前記1種または複数の紫外線源が、200~280nmの範囲の波長を有するUV-C放射線を生成する、請求項15~17のいずれか1項に記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項19】
前記1種または複数の紫外線源が、発光ダイオード(LED)を含み、前記LEDが1種または複数の半導体チップおよび/または1種または複数のLEDアレイを含む、請求項15~18のいずれか1項に記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項20】
前記媒介物が、ドアハンドル、洗面所の掛け金、本締めボルト、ガスポンプハンドル、小売店頭(POS)端末、ショッピングカートハンドル、エレベーター制御パネル、公衆電話、紙タオル取り出しレバー、コンピューターキーボード、トイレハンドルおよび/またはシートを含む、請求項15~19のいずれか1項に記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項21】
前記筐体が、照射後に前記媒介物の風媒性の病原体による再汚染を実質的に防止するように構成されている、請求項15~20のいずれか1項に記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項22】
前記器具が組立済みで、追加の組み付け品なしに媒介物上に固定されるように構成されている、請求項15~21のいずれか1項に記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項23】
前記アクセスドアが、積層アクセスパネルを含む、請求項15~22のいずれか1項に記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項24】
媒介物を汚染除去するための方法であって、前記媒介物を囲い込み、紫外線殺菌照射(UVGI)により前記媒介物の全ての露出面を汚染除去するための請求項15~23のいずれか1項に記載の病原菌汚染除去器具の使用を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年9月4日に出願された米国仮出願第63/075,040号の優先権を主張する。この仮出願の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、感染性疾患予防の技術分野に属する。さらに具体的には、本発明は、紫外線殺菌照射を用いたヒトの接触箇所付近の病原微生物の汚染除去による感染性疾患予防の技術分野に属する。
【背景技術】
【0003】
感染性疾患は、多くの場合、人から人へ直接的にまたは間接的に伝染する、細菌、ウィルス、真菌、および寄生生物などの病原微生物により引き起こされる。病原菌は95~100°Fの温かい環境中で繁殖するので、98.6°Fのヒトの皮膚温度は、これらの微生物が生存し、増殖するための最適の担体プラットフォームを提供する。実際に、臨床試験では、一部の細菌は、20分毎に倍増し、ただの8時間で数百万個の細菌を形成することが示された。
【0004】
すべての病原菌が疾患を引き起こすとは限らないが、全ての感染性疾患は、病原菌に起因する。ヒトの疾患を引き起こす4種の主要な病原菌の種類には、細菌、ウィルス、真菌、および寄生生物が挙げられる。研究により、20%の人は、洗面所の使用後に手を洗わず、手を洗う人の30%は、石けんを使用しないことが分かった。全体として、ヒトの指先と肘の間には、200~1000万個の病原菌が常に存在する。個人がヒトの接触箇所の、例えば、市販のドアハンドル、洗面所掛け金(restroom stall latch)、クレジットカード支払い端末、またはガスポンプハンドルなどの媒介物(無生物)と接触するたびに、病原菌が媒介物の次の使用者に間接的に移動する過程が開始される。
【0005】
感染性疾患の80%が手により伝染するので、公衆の接触箇所を介した病原微生物の急速な拡散は、SARSおよび、直近では、COVID19を含む、いくつかの世界的な健康パンデミックにおける主要な要因となってきた。これらのイベントは、世界経済に大きな影響を与え、数百万人の病的状態および死亡に繋がった。
【0006】
この問題を解決するために採用された現在の方法には、マニュアル洗浄、媒介物を製造および/またはコートするための抗菌物質、自動的および使用者開始型の機械的な消毒装置、および紫外線殺菌照射(UVGI)が挙げられる。これらの方法のそれぞれは役立つが、アクセスの多い領域では、急速な再汚染および長い汚染除去サイクルなどの問題により、それらの効果は比較的小さい。
【0007】
マニュアル洗浄は、媒介物の表面を浄化し、消毒するために、異なる結果を達成するように設計されたそれぞれの種類の製品を含む、殺菌剤、消毒剤、および滅菌剤の使用を必要とする。殺菌剤は、細菌の増殖を防ぐ、および/または細菌を30秒~5分で死滅させるが、ウィルスではそうはならない。消毒剤は、細菌、一部のウィルス、および真菌に対しては殺菌剤として機能するが、通常、10分で成果を達成する。滅菌剤は、最も強力な洗浄剤であり、適切に使用すると、100%の細菌、ウィルス、真菌、および胞子を、通常、10~15分の殺菌時間で死滅させるが、これは、特定の使用される薬剤、それが適用される環境、および滅菌される物質の組成に依存して変化する。
【0008】
浄化作業者の健康リスクおよび環境ハザードに加えて、洗浄剤の有効性は、適用工程およびそれが適用される物質の表面に依存する。前述のように、洗浄剤は通常、病原微生物の100%の減少を達成するためには、5~15分間、湿潤のまま残すことが特に必要である。この時間要件は、使用者の訓練不足、作業者の生産性の要求、および使用者の媒介物に対するアクセスの迅速な原状復帰の要請のために無視されることが多い。
【0009】
さらに、浄化作業者は、ほとんどの洗浄剤は、特定の表面タイプに合わせて調製されているために、滅菌効力を減らす多孔性または非多孔性材料で媒介物が構成されているかどうかにかかわらず、全ての媒介物を浄化するために同じ薬剤を使用することが多い。病院の調査は、洗浄剤により「死滅させた」一部の病原菌は、光回復として知られる過程で、2時間ほどの短い時間で、生きている微生物へと再生されることも示した。最後に、媒介物が適切に滅菌された場合でも、風媒性細菌または次の使用者の相互作用による再汚染までそのままであるに過ぎない。
【0010】
抗菌性物質は、既存の媒介物用材料および表面コーティング材の両方として使用されてきた。ごく最近では、銅およびその合金(真鍮、青銅、白銅、銅-ニッケル-亜鉛、など)が広範囲の微生物を破壊する固有の特性を有する天然の抗菌物質であることが示された。公衆の接触箇所への銅の使用のための1つの不利な点は、研究で示されたように、定期的な洗浄スケジュールと組み合わせる場合、99.9%の細菌を死滅させるのに2時間、99.9%のウィルスを死滅させるのに最大6時間要することである。
【0011】
抗菌膜および光線力学的高分子コーティングの利用も、可能な解決策として議論されている。これらの解決策に伴う1つの問題は、材料を感光性にするのに要する時間である。酸素および自然光のみを必要とする、光線力学的高分子の場合には、この過程は、1log抗菌低減を達成するために、60分を要する。
【0012】
ヒト接触箇所の媒介物からの感染性疾患の伝染を防止するために抗菌物質およびコーティングが適切な解決策になるのを妨げる3つの主要な問題が存在する。1つ目は、99.9%の病原微生物の不活化を達成するのに必要な長い時間中に、新しい使用者による数百万個の追加の微生物が媒介物上に付着してしまい、媒介物が多用される期間中に消毒される見込みをなくすることである。2つ目は、それらの効力は、戦う相手の病原菌に応じて変化することである。一部のものは、細菌またはウィルスに対してのみ有効であり、両方には有効ではない。細菌およびウィルスの両方を死滅させることができることが明らかになっているものの内で、それらの多くは、真菌、胞子、および/または寄生生物などの他の種類の病原微生物を死滅させることができない。一方、これらの物質のいずれも、全ての微生物に対し、同等に効果的であることを示さなかった。最後は、全ての公衆向けの媒介物を置き換える、およびコートするためのコストおよび導入時間は、この選択肢を望ましくない、非現実的なものにすることである。
【0013】
ヒト接触箇所の媒介物の機械的な滅菌選択肢には、病原微生物を死滅させるために、殺菌剤、消毒剤、または滅菌剤の形態の化学薬品、または殺菌光動作紫外線殺菌照射(本明細書では、UVGIと呼ばれる)を利用した使用者作動型および自動化機械装置が含まれる。化学薬品を利用する装置は通常、媒介物の近くに取り付けられ、使用者作動型レバーを介して、または自動化センサーによるトリガー作用を介して、標的表面に適用される浄化製品で満たされたハウジングを有する。使用者作動型モデルは、病原菌が各使用者の手からレバーへ伝播し、これが装置の使用の度に蓄積するので、開始の時点で問題を提起する。
【0014】
自動化センサー作動型装置は、ユーザーインターフェース問題を解決するが、しかし、特に公共の場でのヒト接触箇所病原菌汚染との闘いにおいて、他の重大な問題が残される。第1に、化学薬品は通常、病原微生物の死滅で最適効力を得るためには最大15分を必要とし、これは多くの場合、頻繁にアクセスされる媒介物の次の使用者との相互作用の前に感染力をなくするのに適切な時間ではない。第2に、媒介物上の病原菌を死滅させるのに有効であるとしても、化学的残留物が新しい健康上のリスクを提起する。理由は、それが、その後の使用者の手に分配されるためである。最後に、分布領域周辺の化学的残留物は、スリップおよび転倒傷害の可能性をもたらす。
【0015】
紫外線殺菌照射(UVGI)は、1950年代から、医療および外科的環境での滅菌方法として検証されてきた。200~280nmの波長は、UV-C光として分類され、最強の殺菌効果を有する。UV-Cへの曝露により、病原体のDNAは破壊され、それらを複製不可能にする。比較的最近まで、殺菌光を生成する主要な方法は、水銀充填管を使用することであった。これらは、通称、殺菌ランプとして知られており、外観的に標準的蛍光灯に似ている。253.7nmでピークのある光の生成は、病原微生物を死滅させるのに効果的であるが、最適ではない。理由は、265nmが広範囲の細菌およびウィルスに対して、最も効果的な波長であることが証明されたためである。
【0016】
病原微生物を除去するためのUV-C光の使用は、世界的に認められている解決策であり、機器、装置、手術および患者室、およびHVACシステム内の滅菌を含む医療環境において広く使用されている。それはまた、空気、水、および、限定されないが、水質浄化プラント、食品の生産および梱包、および倉庫を含む、種々の産業およびセクターにおける表面の処理によく使われている。近年では、ランプおよび手持ち式のワンドなどの小型の使用者作動型UV-C装置が、流し台、トイレ、歯ブラシ、鍵、および携帯電話などの表面の滅菌のための消費者市場に利用可能になってきた。
【0017】
しかし、殺菌ランプは、公衆の接触箇所の媒介物上の病原菌の根絶のための商業的に利用可能な解決策であることが実証されていない。ドアハンドルおよびエレベーターボタンなどのアクセスの多い表面に対する殺菌ランプの使用の欠点には、例えば、限定されないが、迅速な繰返しができないこと、オンおよびオフの反復繰り返しの場合、総余命を短縮すること、始動時間のピーク波長に達するまでの始動時間が遅いこと、高熱の発生、動作させるのに追加の装置、すなわち、安定器が必要なこと、および欠陥または破壊バルブからの漏れた水銀がヒト皮膚または眼と接触する場合の公衆に対する危険性、が挙げられる。
【0018】
従って、新規病原菌汚染除去方法、装置、および感染性疾患のまん延および数百万人の生命の損失を防ぐために、ヒト接触箇所の媒介物の迅速で、効率的な滅菌ができる器具に関する分野でニーズが存在する。
【発明の概要】
【0019】
病原菌汚染除去器具は、開放位置または閉位置にあるように構成可能なアクセスドア、媒介物の上または周りに筐体を位置決めするための開口部、トリガーまたはトリガーイベントに応答してアクセスドアを開くように構成された 駆動装置組立品、筐体の内側に配置され、媒介物を汚染除去するように構成された1種または複数の紫外線源を含む筐体を含む。病原菌汚染除去器具は、トリガーイベントを検出するように構成された1種または複数のセンサーを含み得る。1種または複数のセンサーは、動き検出センサーおよび/または光センサーを含み得る。アクセスドアは、1つまたは複数のアクセスパネルを含み得る。1種または複数の紫外線源は、200~280nmの範囲の波長を有するUV-C放射線を生成し得る。
【0020】
本開示は、病原菌汚染除去方法および限定されないが、ドアハンドル、洗面所掛け金、本締めボルト、ガスポンプハンドル、小売店頭(POS)端末、ショッピングカートハンドル、エレベーター制御パネル、公衆電話、ペーパータオル取り出しレバー、トイレハンドルおよびシート、などを含むヒト接触箇所の媒介物に取り付け、それを囲い込むチャンバーを形成する器具に関する。この器具は、使用者とのそれぞれの相互作用後に、紫外線殺菌照射(本明細書では「UVGI」と呼ぶ)により近くの病原菌を数秒以内に自動的に死滅させる。UVGI線量は、適切な適用範囲および最も効果的な配置を確保するように、台板および/または上部ハウジングに固定または調節可能角度で最適に取り付けられたUV-C LED半導体チップ(本明細書では「UV-C」とも呼ぶ)から送出される。チップは、好ましくは、それらの線量を265nmの最適波長で、あるいは、多波長UV-C LEDアレイを介して送出して、異なる種類の病原菌を特異的に標的にする。チャンバー内の媒介物を囲む内側部品は、アルミニウム箔、PTFE、UV反射性塗料、または反射率を最適化することがわかっている任意の類似の物質などのUV-C反射物質で層状に重ねられる。UVGI線量が投与されると、媒介物は、風媒性の病原微生物からの再汚染を防ぐために、筐体中に密閉状態で残される。センサー技術によるその後の使用者の存在の検出時には、駆動およびプーリーシステムが積層アクセスパネルを収納させて、媒介物との病原菌不含接触箇所の相互作用を可能にし、終わる際には、これが、アクセスパネルおよび反復されるUVGIサイクル終止のトリガーになる。
【0021】
他の特徴および態様は、以下の発明を実施するための形態、図面、および特許請求の範囲により明らかとなるであろう。
以下の図は、本発明の種々の特徴および態様を示す。
図面および発明を実施するための形態の全体を通して、同じ参照番号は、同じ要素を意味し得る。図面は縮尺通りでない場合があり、図面中の要素の相対的な寸法、比率、描写は、明瞭さ、説明、および利便性のために誇張されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1A】本発明の種々の実施形態によるヒトの接触箇所の媒介物のための病原菌汚染除去チャンバーの1例の立面正面図を示す。
図1B】電池部品と部分的に収納された駆動パネルとからなる病原菌汚染除去チャンバーの右側立面斜視図を示す。
図1C】アクセスパネルレールおよび障害物センサーを含む前面内部の立面正面斜視図である。
図1D】病原菌汚染除去チャンバーに取り付けた台板の立面後面斜視図である。
図2】上部ハウジング組立品と台板組立品内に含まれる部品の立面背面分解図である。
図3A】マイクロコントローラーおよび取り付けられたUV-C源を含む病原菌汚染除去チャンバーの台板の正面図である。
図3B】台板カバーの正面図を示す。
図3C】台板上の台板カバーの配置の分解正面図である。
図3D】台板と組み合わせて台板組立品を形成する台板カバーの正面図である。
図4】上部ハウジング、台板カバー、および台板の立面正面分解図である。
図5】調節可能UV-C取り付けスタンド部品の分解平面図である。
図6A】UV-C取り付けスタンドにより形成される15°~90°の範囲の旋回角の側面図である。
図6B】30°の前方角度で傾けたUV-C取り付けスタンドの側面斜視図である。
図6C】75°の角度で傾けたUV-Cスタンドの平面図である。
図6D】45°の角度で傾けたUV-C取り付けスタンドの正面斜視図である。
図6E】15°の角度で傾けたUV-C取り付けスタンドの立面正面図である。
図6F】UV-C取り付けスタンドにより起こされる旋回動作の平面図である。
図7】アクセスパネル組立品の正面クローズアップ図である。
図8A】組み込まれたレールを備えたアクセスパネルフレームの平面図である。
図8B】パネルレール内のナイロングライドの側面クローズアップ図である。
図9A】駆動クリップの側面図である。
図9B】駆動クリップの平面図である。
図9C】アクセスパネル支持アームの外側側面図である。
図9D】アクセスパネル支持アームの内側側面図を示す。
図10A】左側アクセスパネルフレーム、パネルレール、および駆動レールの側面断面図である。
図10B】プーリーおよびチェーンの駆動クリップ、支持アーム、および分解図を追加した8Aに示す側面断面図である。
図10C】その動作位置でプーリーおよびチェーンを示すように修正した8Bに示す側面断面図である。
図11】閉位置のそれらのそれぞれのレールに連結され、アクセスパネルが収納された場合にパネル区画の位置を特定するアクセスパネルの側面断面図を示す。
図12】A)閉位置にある;B)25%収納された;C)50%収納された;D)75%収納された;およびE)完全に収納されてパネル区画中に待機させられる、アクセスパネル群の側面断面図を示す。
図13】駆動装置組立品の背面クローズアップ図である。
図14】上部ハウジング組立品の背面クローズアップ図である。
図15A】エレベーター制御パネルに隣接する開放病原菌汚染除去チャンバーの正面内部図を示す。
図15B】ドアハンドルに隣接する開放病原菌汚染除去チャンバーの正面内部図を示す。
図15C】壁取付け型無料電話に隣接する開放病原菌汚染除去チャンバーの正面内部図を示す。
図15D】洗面所仕切り本締めボルトに隣接する開放病原菌汚染除去チャンバーの正面内部図を示す。
図16】病原菌汚染除去チャンバーのための工程フロー図である。
図17】A)閉止および密閉された;B)アクセスパネルが25%収納された;C)アクセスパネルが50%収納された;D)アクセスパネルが75%収納された;E)アクセスパネルが100%収納されてパネル区画中で待機させられ、エレベーター制御パネルを露呈した、病原菌汚染除去チャンバーの正面図を示す。
図18A】取り外されたはめ込み型ドアハンドル台板および市販のドアハンドルとロックの正面図を示す。
図18B】市販のドアハンドルとロックに隣接するはめ込まれたドアハンドル台板の正面図を示す。
図18C】取り外されたドアハンドル台板カバーならびに市販のドアハンドルとロックに隣接するはめ込まれたドアハンドル台板の正面図を示す。
図18D】はめ込まれたドアハンドル台板組立品および市販のドアハンドルとロックの正面図を示す。
図19A】ドアハンドル台板組立品および市販のドアに隣接する位置に投射された上部ハウジング組立品の正面分解斜視図を示す。
図19B】市販のドアに隣接して収納されたアクセスパネルを備えた市販のドアハンドル病原菌汚染除去チャンバーの正面図を示す。
図20A】マイクロコントローラー、UV-C、およびガスポンプハンドルを備えた取り外されたはめ込み型ガスポンプ台板の正面図を示す。
図20B】ガスポンプハンドルに隣接してマイクロコントローラーおよびUV-Cを備えたはめ込まれたガスポンプ台板の正面図を示す。
図20C】ガスポンプハンドルハンドルに隣接する取り外されたガスポンプ台板カバーおよびはめ込まれた台板の正面図を示す。
図20D】はめ込まれたガスポンプ台板組立品およびガスポンプハンドルの正面図を示す。
図21A】ガスポンプ台板組立品およびガスポンプハンドルに隣接する位置に投射された上部ハウジング組立品の正面分解斜視図を示す。
図21B】ガスポンプハンドルに隣接して収納されたアクセスパネルを備えた病原菌汚染除去チャンバーの正面図を示す。
図21C】ガスポンプに隣接してガスポンプハンドル病原菌汚染除去チャンバーを備えたガスポンプサービス台座の正面図を示す。
図22A】閉位置にある洗面所掛け金の病原菌汚染除去チャンバーの正面図である。
図22B】洗面所掛け金の病原菌汚染除去チャンバーおよびブラシシールドの立面斜視図を示す。
図22C】掛け金に隣接する開位置の洗面所掛け金の病原菌汚染除去チャンバーの正面図である。
図22D】洗面所掛け金の病原菌汚染除去チャンバーおよび電池アクセスドアの上面斜視図を示す。
図23A】取り外されたはめ込み型仕切り掛け金台板、マイクロコントローラー、および取り付けられたUV-Cの正面図を示す。
図23B】洗面所掛け金に隣接してマイクロコントローラーおよびUV-Cを備えたはめ込まれた仕切り掛け金台板の正面図を示す。
図23C】洗面所掛け金に隣接する取り外された仕切り掛け金台板カバーおよびはめ込まれた台板の正面図を示す。
図23D】はめ込み型仕切り掛け金台板組立品および洗面所掛け金の正面図を示す。
図24】洗面所掛け金アクセスパネル組立品の正面クローズアップ図である。
図25】洗面所掛け金の駆動装置組立品の背面クローズアップ図である。
図26】洗面所掛け金上部ハウジング組立品内に含まれる部品の背面分解図である。
図27】洗面所掛け金の上部ハウジング組立品の背面クローズアップ図である。
図28】洗面所掛け金の上部ハウジング、台板カバー、および台板の正面分解図である。
図29】洗面所掛け金およびドアに隣接する開位置の洗面所扉用錠の病原菌汚染除去チャンバーの正面図である。
図30A】小売店頭端末(「POS」)病原菌汚染除去チャンバー(本明細書では、「POSチャンバー」と呼ぶ)および取り付けスタンドの正面図である。
図30B】開放POSチャンバーおよび取り付けスタンドの正面図である。
図30C】POSチャンバーおよび取り付けスタンドの後面斜視図である。
図31A】マイクロコントローラーおよびUV-Cを備えたPOS台板の正面図である。
図31B】UV-C切り欠き部を備えたPOS台板カバーの正面図である。
図32A】POS台板および取り付けスタンドの上および隣接した位置に投射されているPOS台板カバーの正面分解図である。
図32B】POS台板組立品および取り付けスタンドの正面図である。
図33A】POSチャンバーアクセスパネル組立品の正面クローズアップ図である。
図33B】POSチャンバー駆動装置組立品の背面図である。
図33C】POSチャンバー上部ハウジング組立品の背面図である。
図34A】POS台板組立品および取り付けスタンド上の位置に投射されたPOSチャンバー上部ハウジング組立品の正面分解図である。
図34B】閉止POSチャンバーの正面図である。
図35】A)閉位置の;B)1つのアクセスパネルが収納された;C)2つのアクセスパネルが収納された;D)3つのアクセスパネルが収納された;E)4つのアクセスパネルが収納された;F)5つのアクセスパネルが収納された;およびG)6つのアクセスパネルが収納された、POSチャンバーの正面図である。
図36】小売りレジに取り付けられたPOSチャンバーの正面斜視図を示す。
図37A】ショッピングカートに隣接したショッピングカート円筒形病原菌汚染除去チャンバー(本明細書では、「SCチャンバー」とも呼ぶ)の正面図を示す。
図37B】SCチャンバー、アクセスセンサー、およびステータスランプの正面クローズアップ図である。
図38A】SCチャンバー台板の正面図を示す。
図38B】SCチャンバー台板およびUV-Cの平面斜視図を示す。
図39A】UV-C切り欠き部を備えたSCチャンバー台板カバーの立面側面図である。
図39B】合わせて下部構造組立品を形成するSCチャンバー台板上の位置に投射されたSCチャンバー台板カバーの立面正面分解斜視クローズアップ図である。
図40A】ショッピングカートハンドルおよびSCチャンバーの左右ハウジングの近くに投射された下部構造組立品の正面分解図である。
図40B】構築された左ハウジングおよび電池アクセスパネルの側面斜視図を示す。
図41A】SCチャンバーの左ハウジングを含む部品の立面側面斜視分解図である。
図41B】左ハウジングおよび電池アクセスパネルの側面クローズアップ図である。
図42A】左ハウジングの駆動ドラム(本明細書では、「ドラム」とも呼ばれる)の近くに投射された駆動ハブ(本明細書では、「ハブ」とも呼ばれる)の側面斜視分解図である。
図42B】閉位置の左ハブおよびドラム組立品(本明細書では、「H&D」とも呼ばれる)の側面クローズアップ図である。
図43A】SCチャンバーの右ハウジングを含む部品の立面側面斜視分解図である。
図43B】閉位置のcyl駆動パネル(本明細書では、「cylパネル#1」とも呼ばれる)に隣接する向かい合って配置され、平行な左ハウジングおよび右ハウジングの側面斜視図を示す。
図44A】収納過程中に駆動ハブおよびドラム部品の回転の詳細を示す投射線を有する閉位置の左ハブおよびドラム組立品および円筒形レール群(本明細書では、まとめて、「cylレール」または「レール」とも呼ばれる)の側面クローズアップ図である。
図44B】ナイロングライドの側面クローズアップ図を示す。
図45A】円筒形アクセスパネルの平面斜視図を示す。
図45B】円筒形アクセスパネルの底面斜視図を示す。
図45C】円筒形駆動クリップ(本明細書では、「cyl駆動クリップ」とも呼ばれる)および円筒形チャネルガイド(本明細書では、「cylチャネルガイド」とも呼ばれる)を備えた3つのアクセスパネルの境界を投射した底面斜視分解図を示す。
図46】A)ハブ位置「0」(閉止)での;B)ハブ位置「1」(1つのパネルが収納された)での;C)ハブ位置「2」(2つのパネルが収納された)での;D)ハブ位置「3」(3つのパネルが収納された)での;およびE)ハブ位置「4」(アクセスパネル開放)での、左ハブおよびドラム組立品の側面クローズアップ図である。
図47】A)閉止状態(ハブ位置「0」)での;B)1つのアクセスパネルが収納された状態(ハブ位置「1」)で;C)2つのアクセスパネルが収納された状態(ハブ位置「2」)で;D)3つのアクセスパネルが収納された状態(ハブ位置「3」)で;および全てのアクセスパネルが収納された状態(ハブ位置「4」)で、滅菌ショッピングカートハンドルへのアクセスを可能にする、SCチャンバーのパネル立面平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためであり、本発明を制限することを意図していない。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、1つまたは複数の関連リスト項目の組み合わせの全てを含む。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈により別義が明示されない限り、複数形ならびに単数形を包含することが意図されている。
【0024】
用語の「含む(comprise)」および/または「含む(comprising)」は、本明細書中で使用される場合、述べられた特徴、ステップ、操作、要素、および/または成分の存在を明示するが、1つまたは複数のその他の特徴、ステップ、操作、要素、成分および/またはそれらの集合の存在または追加を排除しないこともさらに理解されよう。
【0025】
別段に定義されていない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術的および科学的用語を含む)は、本発明が属する分野の当業者に通常理解されているものと同じ意味を有する。よく使われる辞書で定義されるものなどの用語は、当該技術および本開示との関連で、それらの意味に一致する意味を有すると解釈されるべきであり、理想化されたまたは過度に格式ばった意味に解釈されることは、本明細書中で明示的にそのように定義されない限り、ないであろうこともさらに理解されよう。
【0026】
次の詳細説明は、読者が本明細書で記載の方法、製品、および/またはシステムの全面的な理解を得るのを支援するために提供される。しかし、本明細書で記載の方法、製品、および/またはシステムの種々の変形物、修正物、および等価物は、当業者には明らかであろう。
【0027】
本発明の記載では、多数の技術およびステップが開示されることは理解されよう。これらのそれぞれは、個別の利点があり、各々はまた、1つまたは複数の、またはいくつかの事例では、全ての他の開示技術と共に、使用できる。従って、この説明では、わかりやすくするために、個々のステップの可能な全ての組み合わせを不必要に繰り返すことは控える。とはいえ、このような組み合わせは、本発明の範囲に完全に含まれるという理解を前提として、本明細書は読まれるべきである。
【0028】
ヒト接触箇所の無生物(以降では「媒介物」と呼ばれる)からの病原菌を汚染除去し、感染性疾患の拡散を防ぐために、使用の間に、風媒性の病原体から媒介物を密閉する新規方法および装置が本明細書で考察される。本発明では、媒介物の例には、限定されないが、ドアハンドル、洗面所掛け金、本締めボルト、ガスポンプハンドル、小売店頭(POS)端末、ショッピングカートハンドル、エレベーター制御パネル、公衆電話、ペーパータオル取り出しレバー、トイレハンドルおよびシート、などが挙げられる。次の記述では、説明のために、本発明の完全な理解を提供するために、多くの具体的詳細が記述される。しかしながら、本発明はこれらの具体的詳細がなくても実施が可能であることは、当業者には明らかであろう。
【0029】
本開示は、本発明の例示と見なされるべきであり、本発明を以下の図または記述により説明される特定の実施形態に限定する意図はない。
【0030】
ある実施形態では、ヒト接触箇所の媒介物の滅菌および密閉の方法が提供される。固体外板を含む装置は、媒介物に近接し、またはそれに取り付けて、風媒性病原体から媒介物を密閉するチャンバーを形成する。外板は前部に切り欠き部および後部開口部を含む。前部切り欠き部は、接触箇所の前に適切に配置され、1種または複数の収納式パネルで密閉され、これは、収納された場合、媒介物への使用者のアクセスを可能にする。外板の後部は、媒介物が取り付けられる台板により、または構造物により直接に密閉される。使用が終わるたびに、殺菌工程は完了して、微生物を死滅/不活化させ、続けて、装置を密閉のまま維持し、センサー技術による使用者検出時にのみ開いて、風媒性病原体の使用中の媒介物への付着を防ぐ。
【0031】
ある実施形態では、病原菌からヒト接触箇所の媒介物を汚染除去し、密閉するように構成された器具(「装置」または「チャンバー」とも呼ばれる)が提供される。装置は、固体外側前部外板を含み、これは、媒介物を覆って配置され、媒介物に隣接して、またはそれに取り付けて固定し、密閉チャンバーを形成する。外板は、媒介物の前部の開口部を特徴とし、これは、1つまたは複数の収納式パネルにより密閉され、後部には別の開口部があり、これは、台板により完全にまたは部分的に取り囲まれる。チャンバーの内部は、アルミニウム箔、PTFE、UV反射性塗料、またはUV反射率を最大化することがわかっている任意の類似の物質などのUV-C反射物質でコートされる。チャンバー内部はまた、適切な適用範囲および媒介物の周りに最も効果的な配置を確保するように、台板および/または収納式パネルを含む上部のハウジング組立品に固定または調節可能角度で最適に取り付けられた、1つまたは複数の紫外線-C波長LED半導体チップ(以降では、「UV-C」、「UV-C源」または「チップ」と呼ばれる)を含み、使用者との相互作用が終わる毎に、紫外線殺菌照射(本明細書では「UVGI」とも呼ばれる)により数秒以内に近くの病原菌を死滅させる。この実施形態では、UV-Cは好ましくは、それらの線量を265nmの最適波長で送出する。装置は、UVGIサイクル後、風媒性病原体が使用者間で媒介物を汚染するのを防ぐために、密閉されたままで維持される。センサー技術による使用者の検出時には、アクセスパネルが収納され、病原菌不含媒介物への妨害を受けないアクセスを提供し、次いで使用後に閉止され、UVGIサイクルおよび風媒性病原体からの媒介物の密閉が再度実施される。
【0032】
特定の実施形態では、装置は、265nmの代わりに、207~222nmの範囲のfar UV-Cなどの単一の代替UV-C波長から構成して、代替波長で最適に不活化し得る特異的病原菌(単一または複数)を標的にしてもよい。特定の実施形態では、装置は、チャンバー内で多波長UV-Cアレイから構成して、代替波長で最適に不活化される種々の種類の病原菌を標的にしてもよい。例えば、いくつかのタンパク質ベース病原菌は、265nmではなく、220nmで最適に死滅するが、他の病原菌は、280nmの波長に対し感受性がより高い場合がある。特定の実施形態では、装置のチャンバーは、非オゾン産生UV-Cと併せて、または独立型殺菌方式として採用できる185nmの波長で稼働するオゾン産生UVから構成してもよい。特定の実施形態では、チャンバー内のUV光源は、LED、パルスキセノン、低圧水銀、または任意の他の好適な光送達送フォーマットであり得る。特定の実施形態では、装置は、背面台板なしの単一の自立型ハウジングから構成されてもよい。
【0033】
以下では、好ましい実施形態である添付の図面を参照することにより、本発明が説明される。図の1A~17Eは、広範囲のヒト接触箇所の媒介物で使用するための病原菌汚染除去チャンバーの実施形態について記載する。
【0034】
図1A~1Dは、ヒト接触箇所の媒介物115のための、病原菌汚染除去チャンバー(本明細書では、「チャンバー」または「装置」とも呼ばれる)100の正面図、側面斜視図、正面斜視図、および立面後面斜視図をそれぞれ示す。図1Aは、病原菌汚染除去チャンバー100の外側の正面図を示し、上部ハウジング組立品101(本明細書では、「UHA」とも呼ばれる)の外面要素も明らかにする。シャーシ102は、チャンバー100の外板であり、媒介物115に対する前面アクセスを提供するための中央部切り欠き部ならびに媒介物115上への、およびチャンバー100の背面の台板組立品118(図1D)に隣接した配置を可能にするための開放背面領域(図1D)を含む。シャーシ102は、プラスチック、アルミニウム、炭素繊維、ガラス繊維、または任意の他の好適な材料で構成できる。切り欠き部の後部に、装置100のための4つのアクセスパネルの集合体(本明細書では、「アクセスパネル」または「パネル」とも呼ばれる)を含むアクセスパネル群103が、紫外線殺菌照射(本明細書では、「UVGI」または「UVGIサイクル」と呼ばれる)サイクルの間に、およびアクセスが必要ない場合に、風媒性微生物による再汚染を防ぐために、アクセスチャンバー100の正面を密閉するように配置される。
【0035】
図1Aはまた、アクセスパネル103の底部近くに配置され、出力損失または機械的機能不全の場合には上げ下げするための組み込まれた緊急事態ハンドル104を示す。アクセスセンサー106は、アクセスパネル103の下に配置され、使用者の存在を認識し、アクセスパネル103の開放を開始させる。2つのチャンバーステータスランプ105は、アクセスセンサーの両側に配置され、システムの作動可能状態、すなわち、電力オン、UVGI進行、機能不全、および電池状態を目視により報告する。
【0036】
図1Bは、図1Cでも示される、障害物センサー110を露呈させるために部分的に収納されたアクセスパネル151の#4(本明細書では、「駆動パネル」とも呼ばれる)を備えたチャンバー100の側面斜視図を示す。チャンバーの右側は、電池アクセスドア107、電池リリースラッチ108(本明細書では、「電池ラッチ」とも呼ばれる)、および電池ロック109からなる。好ましい実施形態では、電池126は、リチウムニッケルマンガン酸化コバルト酸化物(Li-NMC)、リチウムイオン(「Liイオン」)、またはチャンバーの動作を最適化すると思われる任意の他の持続性タイプであり得る。特定の実施形態では、装置は、AC結線、無線、太陽光、または動作するのに十分な電力を供給する任意の他の手段により動力供給できる。
【0037】
図1Cは、パネル区画111中に隆起した(目視できない)アクセスパネル103を備えたチャンバー100の正面図を示し、矩形破線により示されるように、アクセスパネルフレーム113(本明細書では、「APフレーム」とも呼ばれる)、組み込まれたパネルレール112(本明細書では、「レール(複数)」、または個別に「レール(単数)」とも呼ばれる)、サポートブリッジ114、および媒介物115を含むアクセスパネル組立品139(本明細書では、「AP組立品」とも呼ばれる)の周辺部品を露呈している。図1Cはさらに、アクセスパネル103の閉鎖の間の使用者または異物の存在を検出し、チャンバー100が閉鎖手順を逆転させ、アクセスパネル103をパネル区画111中に収納することを促す、障害物センサー110の位置を明らかにしている。チャンバー100の背面は、図1Dの立面図で示されており、台板組立品118および矩形破線により境界が画定された媒介物115の例を含む。
【0038】
図2を参照すると、立面背面斜視分解図は、上部ハウジング組立品101および台板組立品118内に含まれるチャンバーの100の主要部品を示す。対角線上を右上部から左下部まで見ると、シャーシ102の背面図が例示されている。駆動モーター119、駆動シャフト120(本明細書では、「シャフト」とも呼ばれる)、プーリー121、およびアクセスパネル103を含む駆動装置組立品122が、アクセスパネル103に整列させるように、シャーシ102の正面中央開口部に取り付けられる。UV反射コーティング124を含むu形状囲い板123は、駆動モーター119上に固定され、囲い板の脚部123は、駆動装置組立品122の側面をカバーするように伸びる。UV-C125は、囲い板の垂直アームに隣接して取り付けられ、その位置から直接にUVGI線量を媒介物115の正面および/または側面に送達する。特定の実施形態では、UV-C125は、媒介物115に面するアクセスパネル103の背面上を含む、上部ハウジング組立品101内の他の位置に取り付けて、最適UVGI線量を送達してもよい。電池126は、囲い板123の最上部に固定されて、上部ハウジング組立品101の主要部品が完成される。UV-C切り欠き部127からなる台板カバー117、続けて、マイクロコントローラー128および媒介物115に隣接して配置されるUV-C125からなる台板116を上部ハウジング組立品101の背面に取り付ける。組み合わせた台板カバー117および台板116は、図3Dに示すように、台板組立品118を形成する。
【0039】
ここで、図3A~Dを参照すると、図3Aおよび3Bは、それぞれ、台板116および台板カバー117の正面図を示し、それぞれは、2つの片側部、LとRに分離される。右側の台板116-Rおよび台板カバー117-Rはそれぞれ、上端および底部インターロックオスタブ129を含み、これらは、台板116-Lおよび台板カバー117-Lの左側のメスタブ受け具130(まとめて、「インターロックタブ」と呼ばれる)に結合する。これは、図3Dに示すように、台板116および台板カバー117を、および台板組立品118を形成する単一の組み合わせ単位として、媒介物115の基部に隣接して取り付けることを可能にする。
【0040】
図3Aに戻ると、台板116は、チャンバー100の電力、センサー、機械的および全てのプログラム機能を管理するマイクロコントローラー128を含む。好ましい実施形態では、台板116は、調節可能なUV-C取り付けスタンド131に固定されている接着ストリップ内に組み込まれる、またはそれに固定される1種または複数のUV-C LEDチップ125(本明細書では、「UV-C」、「UV-C源」、または「チップ」とも呼ばれる)も含む。UV-C取り付けスタンド131はその後、台板116に隣接して取り付けられる。台板に固定されたUV-C125は、波長を、正面または表面への接触を受ける割合が小さいドアハンドル155(図15B)などの正面ではなく、それらの領域の一部または全てのヒト接触を受ける媒介物115の背面および側面に向けることを可能にする。代替的実施形態では、UV-C取り付けスタンド131は取り外され、UV-C125が台板116に直接固定されることを可能にする。
【0041】
図3AのUV-C125への参照を継続すると、好ましい実施形態は、UV-C LEDの125が正確に、紫外線滅菌のための最適波長として広く認識されている265nmで実行されることを目的とする。実質上、全ての病原菌は、UV-C125により265nmの波長で不活化されることが実証されているが、いくつかのタンパク質ベース病原菌に対する最適波長は、220nmであり、一方、他のものは、280nmより近くで最も急速に不活化される。従って、代替的実施形態は、チャンバー100の内側全体に配置され、特異的に特定の種類の病原菌を標的とするためにパルスフォ-マットで送達する多波長またはマルチモードUV-C125アレイを必要とする。
【0042】
図3Bに示すように、台板カバー117は、PTFE反射板、塗料、アルミニウム箔またはUV反射率を高めることが明らかになっている任意の他の材料またはコーティングなどのUV反射性材料または物質124でコートされる。台板カバー117は、UV-C切り欠き部127を有し、これは、台板116のUV-C125上に直接配置される。好ましい実施形態では、UV-C切り欠き部127は、カバーされないが、特定の実施形態では、それらは、用途により必要に応じて、UV-C125を密閉するために好適な半透明材料でカバーされ得る。
【0043】
図3Cの正面分解投射図に示すように、台板カバー117を台板116に被せて、図3Dに示すように、それらは、一緒に、台板組立品118を形成する。台板116および台板カバー117は、プラスチック、金属、または任意の他の好適な材料で構成できる。これは好ましい実施形態であるが、代替実施形態は、一体型台板116および媒介物115を通って配置を可能とする中空コア部を有するカバー、カバーのない台板116、単一の一体型台板116とカバー、または本明細書で記載されない他の実施形態などを目的の結果を達成するために採用し得る。
【0044】
ここで、図4を参照すると、台板カバー117および台板116上に投射した上部ハウジング組立品101(「UHA」)の分解正面図がさらに詳細に示される。UV-C125およびマイクロコントローラー128を備えた台板116は、媒介物115に隣接して取り付けられ、UV-C切り欠き部127を備えた台板カバー117を、台板116に取り付け、一緒に、図3Dに示す、台板組立品118を形成する。上部ハウジング組立品101はその後、媒介物115を覆って配置され、台板組立品118に固定され、チャンバー100を稼働可能にする。代替実施形態では、上部ハウジング101および台板組立品118は、組立済みであり、チャンバー100を媒介物115に一体のものとして取り付け可能にする。
【0045】
図5は、取り付け基部132を含むUV-C取り付けスタンド131、旋回プレート134、およびUV-C取り付けトレー137(本明細書では、「UV-Cトレー」、「トレー」、または「取り付けトレー」とも呼ばれる)の平面分解図を示す。破線投射矢印により示されるように、旋回プレート134は、取り付け基部132に結合し、旋回プレートネジおよびワッシャー135は、旋回プレートの中心を通って、取り付け基部132中のねじ山付きねじ受体133中に配置され、旋回プレート134を水平に旋回可能とする。UV-Cトレー137は、取り付けトレーヒンジネジ138を使って、旋回プレート134の両側に並行に、向かい合って配置された旋回プレートヒンジ136に結合し、UV-Cトレー137が旋回軸前方におよび後方に旋回するのを可能にする。UV-C取り付けスタンド131を台板116に固定すると、最も効率的にそのUVGI機能を遂行するために、UV-C125は、UV-C線量を最適方向および角度で送達するように配置できる。
【0046】
図6A~Fは、UV-C取り付けスタンド131により適用される方向および角度の柔軟性を示す。図6Aは、15°増分での15°~90°の範囲の旋回角の側面図を示す。図6Bは、30°前方角度の正面斜視図を示し、図6Cは、傾斜角75°の平面図を示し、図6Dは、45°の傾斜角の正面斜視図を示し、図6Eは、傾斜角15°の正面斜視図を示し、および図6Fは、取り付けスタンド131の旋回の範囲の平面図を示す。
【0047】
ここで、図7を参照すると、アクセスパネル組立品139(本明細書では、「AP組立品」とも呼ばれる)の正面クローズアップ図が示されている。AP組立品139は、アクセスパネルフレーム113(本明細書では、「APフレーム」とも呼ばれる)に隣接するアクセスパネル群(本明細書では、「アクセスパネル」とも呼ばれる)103、パネルレール112、および並行に配置され、向かい合って配置されて左および右側のAP組立品139を形成するサポートブリッジ114を含む。
【0048】
図8Aは、並行に、左および右側の、向かい合って配置されたアクセスパネルフレーム113、パネルレール112、およびサポートブリッジ114の平面図を示す。アクセスパネルフレーム113を参照すると、図8Bに示すように、アクセスパネル103の動作中に、滑り作用を改善し、摩擦を減らすために、それぞれナイロングライド140が並んで示される、3つの組み込まれたパネルレール112が存在する。この4パネルの実施形態の4番目のレールは、サポートブリッジ114として確認されるアクセスパネルフレーム113の基部と、3番目の組み込まれたパネルレールの下端との間に形成される開口部である。
【0049】
部品群として認識されるパネルレール112に加えて、それぞれ個別のパネルレールは、この4パネル実施形態中で、個別に、レール#1~4の範囲であることが図8Aで明らかになる。上端のレールから底部のレールまでの左側の図(左から右へ示されている)を考察すると、この4パネル構成のレール143の#1は、そのパネル区画111位置からチャンバー100の開口部の最初の25%を遮蔽するために移動する。レール144の#2は、チャンバー100の開口部の25~50%部分を遮蔽する。レール145の#3は、開口部の50~75%部分を遮蔽する。レール145の#4(本明細書では、「駆動レール」とも呼ばれる)は、サポートブリッジ114と認識されるアクセスパネルフレーム113の基部と、パネルレール145の#3の下端との間に形成される開口部であり、チャンバー100の開口部の75~100%(底部)を遮蔽し、チャンバー100の閉止および密閉を完結する。
【0050】
図9Aおよび9Bは、それぞれ、駆動クリップ141の平面および側面図を示す。駆動クリップ141は、駆動パネル151の外側右および左部分に結合し(または、任意選択で、その中に成形され)、その環状フォーク部は、駆動チェーン147に結合し、駆動パネル151をそれぞれの方向に動かす。駆動クリップ141の平坦基部は、APフレーム113の突き出たエッジ(本明細書では、サポートブリッジ114と呼ばれる)上を移動し、収納中にパネル支持アーム142に対し当接させ、それぞれのパネル103が同期および安定性を維持することを確実にする。
【0051】
図9Cおよび9Dは、それぞれ、AP群103内の各個別のアクセスパネルの外側左および右側に取り付ける(または任意選択で、その中に成形する)支持アーム142の立面側面図および側面クローズアップ図を示す。支持アーム142の基部は、サポートブリッジ114に沿って横方向に動き、アクセスパネル103の同期を安定化し、維持する。収納中、支持アーム142は、それらが動かされ、詰め重ねられ、パネル区画111中で待機させられるにつれて、駆動クリップにより押し込まれる。
【0052】
図10A~10Cは、左側アクセスパネルフレーム113、パネルレール112、およびサポートブリッジ114(図11の取り付けパネル103の図により裏付けられる)の側面断面図を示す。図10Aは、図8Aの平面図で同様に言及されたように、レール143の#1を上端レールとして明らかにし、アクセスパネル148の#1(図11)のための側面支持体としての役割を果たし、これは、パネル103が完全に閉止される場合、チャンバー100の上部25%の密閉に関与する。レール144の#2は、アクセスパネル149の#2(図11)に隣接し、チャンバー100の開口部の25~50%を密閉し、レール145の#3は、アクセスパネル150の#3(図11)に隣接し、50~75%を密閉し、およびレール146の#4(駆動レール)は、アクセスパネル151の#4(本明細書では、「駆動パネル」とも呼ばれる)(図11)に隣接し、75~100%を密閉する。図10Bは、それらのそれぞれのパネルからサポートブリッジ114まで伸ばした支持アーム142および駆動クリップ141の透視図を加えることにより、10Aから詳細さを高めている。さらに、図10Bは、プーリー121および駆動チェーン位置147のアクセスパネルフレーム113に対する分解投射図を示す。図10Cは、プーリー121および駆動チェーン147をこの実施形態の位置に配置することにより、この図を完結している。この図は、チャンバーの右側に反映される。
【0053】
図11は、APフレーム113、サポートブリッジ114、レール112、およびアクセスパネル103を含み、アクセスパネル103が閉位置にあり、各パネルがそれらそれぞれに専用のパネルレール112に連結された(図10Aで以前に示した)、アクセスパネル組立品139の側面断面クローズアップ図を示す。図11の図を右から左へ見ると、パネル148の#1は、チャンバー100の前面の上部25%を密閉し、続けて、パネル149の#2、パネル150の#3、およびパネル151の#4(本明細書では、「駆動パネル」とも呼ばれる)は、この4パネル実施形態では、チャンバー100の残部を25%ずつ増やして密閉する。収納されると、パネル103は、相互に詰め重ねられ、パネル区画111中で「待機させられ」て、図12Eで明確に示されるように、媒介物115適用範囲領域の外側のチャンバー100の設置面積を減らす。この実施形態では、プーリー121は、APフレーム113の各末端に配置され、駆動チェーン147は、サポートブリッジ114の上端と底部の周りをループする。
【0054】
ここで、AP組立品139の動作をより詳細に参照すると、図12A~Eは、4パネル実施形態での5段階のパネル収納の側面断面クローズアップ図を示す。図12Aは、閉位置でのアクセスパネル103を示す。パネル151の#4(駆動パネル)は、アクセスパネル103の底部に配置され、それが収納されるに伴い、図12Bに示すように、アクセスパネル150の#3を押し始める。パネル150の#3は、駆動パネル151により収納され続けるので、それは、図12Cに示されるように、パネル149の#2を捕捉する。駆動パネル151、アクセスパネル150の#3、およびアクセスパネル149の#2は、それらがパネル148の#1と接続するにつれて、同期して収納され続ける(図12Dに示すが、この図では、全てのアクセスパネル103が相互に詰め重ねられている)。チェーン147は、駆動パネル151を収納し続け、パネル149の#2に、それらが全てパネル区画111(パネル区画領域は、図12A~E中の垂直破線により境界が画定されている)中のそれらのレール143、144、145、146内に収容されるまで、図12Eに示すように、パネル148の#1を捕捉させる。
【0055】
図13は、駆動モーター119、駆動シャフト120、プーリー121、チェーン147、アクセスパネルフレーム113、レール112、サポートブリッジ114、AP148、149、150、151の#1~4(この図では、個別に呼ばれる)を含むアクセスパネル103、支持アーム142、駆動パネル151、駆動クリップ141、チャネルガイド153、ガイドクリップ152、パネル区画111、およびUV反射コーティング124を含む駆動装置組立品122の背面クローズアップ図を示す。駆動モーター119の作動時には、駆動シャフト120およびプーリー121は、チェーン147および取り付けられた駆動クリップ141を動かし始め、これは、次に、駆動パネル151の移動を開始させる。向かい合って配置された2つのガイドクリップ152は、駆動パネル151の水平前縁に、およびその後、それぞれ、アクセスパネル103に取り付けられ(またはそれに組み込まれ)、ガイドクリップ152の突き出ている先端が隣接するチャネルガイド153にはめ込まれる。収納中、駆動パネル151上の2つのガイドクリップ152は、アクセスパネル150の#3のチャネルガイド153内で垂直に動き、アクセスパネル149の#2の方向にそれを押し始める。アクセスパネル150の#3上のガイドクリップ152および、その後、それらの隣接するチャネルガイド153内でアクセスパネルがそれぞれ移動して、アクセスパネル103がパネル区画111内に待機させられるまで、隣接するパネルを適切な方向に押す。アクセスパネル103は、支持アーム142およびサポートブリッジ114に沿ってスライドし、それにより支えられる駆動クリップ141の基部により、移動中に、安定化および同期される。代替実施形態では、駆動装置組立品122は、限定されないが、ベルト、バネ、磁石、および液圧、空気圧、または電気的線形アクチュエーターを含むアクセスパネルを上下できる任意の機序からなり得る。
【0056】
図14は、上部ハウジング組立品101の内部の背面クローズアップ図を示す。この図で示された部品は、シャーシ102、電池126、パネル区画111、UV-C125、UV-C取り付けスタンド131、支持アーム142、チャネルガイド153、ガイドクリップ152、駆動クリップ141、緊急事態ハンドル104、障害物センサー110、アクセスパネル103、およびUV反射面124(目視できない)を含む。
【0057】
図15A~Dは、チャンバー内の異なる媒介物115の位置決めを示す例を示している、収納されたアクセスパネル103を備えた病原菌汚染除去チャンバー100の正面斜視図を示す。図15Aは、エレベーター制御パネル154に隣接する病原菌汚染除去チャンバー100を示す。図15Bは、劇場および公会堂で使用されるものなどの内部垂直バー型ドアハンドル155に隣接するチャンバー100を示す。図15Cは、空港およびホテルのものなどの壁に取り付けられた無料電話156に隣接したチャンバー100を示す。図15Dは、洗面所本締めボルトハンドル157に隣接したチャンバー100を示す。
【0058】
図16は、ヒト接触箇所の媒介物115で使用するための病原菌汚染除去チャンバー100の1種の動作を示すフローダイヤグラム158を示す。待機モードでは、アクセスセンサー106は、使用者の存在を監視し、その定義は、用途に応じて変化する。特定の実施形態では、使用者は、チャンバー100の一定の距離、すなわち、6フィート、以内の任意の人として定義され得、一方で、特定の他の実施形態では、使用者は、センサー106の一定の範囲、すなわち、6インチ、以内に手を置いた誰かと定義され得、一方で、またさらに他の実施形態では、使用者は、モバイルアプリケーション、キーフォブ、またはチャンバー100により認定された使用者として定義される他の類似の方法もしくは器具を有するチャンバー100の範囲内の誰かとして定義され得る。使用者が検出された場合、アクセスパネル103は収納され、プログラムされた期間、またはセンサー106がもはや何らの障害物も検出しなくなるまで、または両者の組み合わせの間、開放のまま残される。閉鎖基準が適合する場合、アクセスパネル103は閉鎖を開始し、障害物または新しく定義された使用者の場合にのみ閉鎖を停止し、その場合には、アクセスパネル103は再度収納を開始する。装置100が密閉されると、UVGIサイクルが開始される。サイクルが進行中に使用者が検出される場合、サイクルは停止され、アクセスパネル103は開放される。UVGIサイクルが完了すると、アクセスパネル103は、風媒性病原体による再汚染を防止するために、閉止のままになり、装置100は、使用者の存在が検出されるまで、待機状態のまま残される。
【0059】
図17A~Eは、エレベーター制御パネル154を媒介物115の例として用いて、5段階のパネル収納を示す病原菌汚染除去チャンバー100の正面斜視図を示す。図17Aは、閉止および密閉されたチャンバー100を示し、図17Bは、パネル151(駆動パネル)の#4が収納されたチャンバー100を示し、図17Cは、チャンバー100の50%開放を示し、図17Dは、チャンバー100の75%開放を示し、および図17Eは、滅菌し、病原菌不含エレベーター制御パネル154を露呈している開放チャンバー100を示す。
【0060】
代替的実施形態を参照すると、図18A~20Bは、市販のドアハンドルとロックによる病原菌汚染除去チャンバー200(本明細書では、「DHLチャンバー」とも呼ばれる)を示す。この実施形態は、台板116および台板カバー117の構成を別にして、本発明の図1A(病原菌汚染除去チャンバー)と変化はない。従って、本発明の図は、その変更および得られた本発明の実施形態に限定される。
【0061】
図18A~Dの前部で示されるように、この実施形態でのドアハンドルとロック台板組立品203(本明細書では、「DHL台板組立品」とも呼ばれる)は、媒介物115の輪郭に適合するように、形状はめ込み型切り欠き部、この場合には、市販のドアハンドルとロック204、を有する。図18Aは、オス129およびメス130インターロックタブを用いてハンドル&ロック203の基部に隣接してはめ込まれるように作成された、マイクロコントローラー128、UV-C125、およびUV-C取り付けスタンド131を含む2つの部分から成るドアハンドルとロック台板(本明細書では、「DHL台板」とも呼ばれる)の左側と右側、201-L、201-Rを示す。得られた一体型DHL台板201を図18Bに示す。図18Cは、DHL台板201にはめ込まれるように作成されたUV反射コーティング124およびUV-C切り欠き部127を含むはめ込み型ドアハンドルとロック台板カバー(本明細書では、「DHL台板カバー」とも呼ばれる)の取り外された左側および右側、202-L、202-Rを示し、図18Dは、得られたDHL台板組立品203を示し、UV反射コーティング124は、ドアハンドルとロック204に隣接してはめ込まれている。
【0062】
図19Aは、DHL台板組立品203に隣接する位置に投射された上部ハウジング組立品101の分解正面図に加えて、隣接してはめ込まれた、図18Dから図を挿入したDHL台板組立品203を備えた市販のドア205、ハンドル、およびロック204の遠位正面斜視図を示す。図19Bは、アクセスパネル103を開放して、隣接するドアハンドルとロック204を露呈している市販のドア205に取り付けられたDHL病原菌汚染除去チャンバー200の正面斜視図を示す。
【0063】
ここで別の実施形態を参照すると、図20A~21Cは、ガスポンプハンドル病原菌汚染除去チャンバー(本明細書では、「GPチャンバー」とも呼ばれる)を示す。この実施形態は、台板116および台板カバー117の構成を別にして、本発明の図1A(病原菌汚染除去チャンバー)の実施形態と変化はない。従って、この図は、その変更および得られた本発明の実施形態の説明に限定される。
【0064】
図20A~Dの正面図で示されるように、この実施形態でのガスポンプ台板組立品303(本明細書では、「GP台板組立品」とも呼ばれる)は、媒介物115の輪郭に適合するような形状はめ込み型切り欠き部、この場合にはガスポンプハンドル304(本明細書では、「GPハンドル」または「ガスポンプ」とも呼ばれる)、を有する。図20Aは、オス129およびメス130インターロックタブを用いてガスポンプハンドル304および収納式ホースウェル305の基部に隣接してはめ込まれるように作成された、マイクロコントローラー128、UV-C125、およびUV-C取り付けスタンド131を含む2つの部分から成るガスポンプ台板(本明細書では、「GP台板」とも呼ばれる)の左側と右側、301-L、301-Rを示す。得られた一体型GP台板301を、GPハンドル304および収納式ホースウェル305に隣接して、図20Bに示す。 図20Cは、GP台板301上にはめ込まれるように作成されたUV反射コーティング124およびUV-C切り欠き部127を含む取り外された左側および右側はめ込み型ガスポンプ台板カバー302-L、302-R(本明細書では、「GP台板カバー」とも呼ばれる)を示し、図20Dは、得られた、GPハンドル304および収納式ホースウェル305に隣接してはめ込まれたUV反射コーティング124を備えたGP台板組立品303を示す。
【0065】
図21Aは、ガスポンプハンドル304に隣接する位置に投射された上部ハウジング組立品101の分解正面図に加えて、図20Dから図を挿入したUV反射コーティング124を有する隣接してはめ込まれたGP台板組立品303を有する、ガスポンプハンドル304および収納式ホースウェル305の遠位正面斜視図を示す。図21Bは、パネル103を開放して、隣接するガスポンプハンドル304および収納式ホースウェル305を露呈しているGP病原菌汚染除去チャンバー300の正面斜視図を示す。図21Cは、ガソリンスタンドサービス台座306内のガスポンプハンドル304に隣接する、閉位置のガスポンプハンドル病原菌汚染除去チャンバー300の例を示す。
【0066】
ここで、本発明の別の実施形態を参照すると、図22A~Dは、それぞれ、洗面所掛け金病原菌汚染除去チャンバー400(本明細書では、「RSチャンバー」とも呼ばれる)の実施形態における単一パネル病原菌汚染除去チャンバーの正面閉鎖図、側面斜視図、正面開放図、および上面斜視図を示す。図22Aに示すように、RSチャンバーの前面は、洗面所駆動パネル412(アクセスパネル)(本明細書では、「RS駆動パネル」とも呼ばれる)、緊急事態ハンドル104、アクセスセンサー106、およびアクセスセンサー106の右側に4つのシステムステータスランプ105を含み、仕切り掛け金406は、側面から突き出ている。
【0067】
図22Bに示すように、立面斜視図は、掛け金出入り口404に隣接する位置に投射されたブラシシールド405の分解図に加えて、RSチャンバー400の側面上に掛け金出入り口404を示す。ブラシシールド405は、掛け金出入り口404を構成し、掛け金出入り口404を密閉し、同時に、仕切り掛け金406(本明細書では、「掛け金」とも呼ばれる)に外側移動を可能にする自由度を有するように、多層の、密であるが柔軟な繊維からなる。ブラシシールド405の内向きの繊維は、UV反射コーティング124で層状に重ねられて、UV反射性を促進し、同時に、外向きの層は、RSチャンバー400の内部から光が逃げるのを防ぐのに十分に緻密である。特定の他の実施形態では、ブラシシールド405は、掛け金406を横方向に移動するのと同時に、掛け金出入り口404を密閉し続ける任意の材料または物質で構築し得る。特定の他の実施形態では、RSチャンバー400は、ブラシシールド405を含まなくてもよい。
【0068】
図22Cは、駆動パネル412がパネル区画111に収納されて、掛け金406への使用者アクセスを可能にするRSチャンバー400の正面図を示し、RSチャンバー400の底部のすぐ近くに配置された障害物センサー110を明らかにする。RSチャンバー400の立面上面斜視図は、図22Dで認められ、電池アクセスドア107、電池リリースラッチ108(本明細書では、「電池掛け金」とも呼ばれる)、および電池ロック109(本明細書では、「安全性ロック」とも呼ばれる)を示す。
【0069】
図23A~Dの正面図で示されるように、洗面所掛け金台板組立品403(本明細書では、「RS台板組立品」とも呼ばれる)は、媒介物115の輪郭に適合するように、形状はめ込み型切り欠き部、この場合には洗面所掛け金406(本明細書では、「仕切り掛け金」とも呼ばれる)、を有する。図23Aは、オス129およびメス130インターロックタブを用いて、仕切り掛け金406の基部に隣接してはめ込まれるように作成されたマイクロコントローラー128、UV-C125、およびUV-C取り付けスタンド131からなる、2つの部分から成る洗面所掛け金台板401(本明細書では、「RS台板」とも呼ばれる)の左側および右側を示す。得られた一体型RS台板401を図23Bに示す。図23Cは、RS台板401上に、および仕切り掛け金406に隣接してはめ込むように投射されたUV-C切り欠き部127およびUV反射コーティング124を含む2つの部分から成る洗面所掛け金台板カバー402(本明細書では、「RS台板カバー」とも呼ばれる)の左側および右側を示し、図23Dは、仕切り掛け金406にはめ込まれた、UV反射コーティング124を有する、得られたRS台板組立品403を示す。
【0070】
ここで、図24を参照すると、洗面所掛け金アクセスパネル組立品413(本明細書では、「RSアクセスパネル組立品」とも呼ばれる)の正面クローズアップ図が示されている。第2のパネルのためのレールも同様に含む以前のマルチパネル実施形態とは対照的に、RSアクセスパネル組立品413は、アクセスパネルフレーム113、サポートブリッジ114、およびRS駆動パネル412を含む。機能性は、以前の実施形態と同じままである。アクセスセンサー106、ステータスランプ105、障害物センサー110、および緊急事態ハンドル104も同様に示される。
【0071】
図25は、駆動モーター119、駆動シャフト120、プーリー121、駆動チェーン147、アクセスパネルフレーム113、サポートブリッジ114、駆動クリップ141、チャネルガイド153、ガイドクリップ152、障害物センサー110、RS駆動パネル412、および緊急事態ハンドル104を含む洗面所掛け金駆動装置組立品410(本明細書では、「RS駆動装置組立品」とも呼ばれる)の背面クローズアップ図を示す。機能性は、本発明の1Aと同じである。
【0072】
図26は、UV反射コーティング124を含む洗面所仕切りシャーシ409(本明細書では、「RSシャーシ」とも呼ばれる)、UV反射コーティング124を含むRS駆動装置組立品410、UV反射コーティングを含む囲い板123、UV-C125、およびUV反射コーティング124を含む電池126を含む洗面所掛け金上部ハウジング組立品408(本明細書では、「RS UHA」とも呼ばれる)の分解後面斜視図を示す。機能性は、本発明の図1Aと一致するままであるが、しかし、物理的構造は、追加のパネル、パネルレール、および関連支持部品を除く単一パネル実施形態であるために異なる。
【0073】
図27は、RSシャーシ409、囲い板123、電池126、UV-C125、UV反射コーティング124、RS駆動パネル412、チャネルガイド153、ガイドクリップ152、障害物センサー110、および緊急事態ハンドル104を含む目視可能な部品を有するRS UHA408の背面図を示す。
【0074】
図28は、洗面所掛け金406に隣接した位置に投射されたRS台板401、RS台板カバー402、およびRS UHA408の前面分解正面図を示す。
【0075】
図29は、RS駆動パネル412を開放して、仕切り掛け金406へのアクセスを可能にした隣接するRSチャンバー400を有する洗面所仕切りドア411、仕切り掛け金406、および仕切り掛け金受け具407の正面斜視図を示す。
【0076】
ここで、本発明の追加の実施形態を参照すると、図30A~36は、小売りレジ508などでの使用のための、小売りレジ自立型小売店頭(POS)端末病原菌汚染除去チャンバー500(本明細書では、「POSチャンバー」とも呼ばれる)を示す。
【0077】
図30A~Cは、それぞれ、POS取り付けスタンドに隣接するPOSチャンバーの正面閉止図、正面開放図、および後面斜視図を示す。スタンドは、テーブルまたはカウンターなどの固定物に締結具または接着剤により永久に固定できる、あるいは、用途および環境に応じて、必要があれば、取り付けないで、移動させることができる。この実施形態では、POSチャンバーの正面は、シャーシ502、アクセスセンサー106、ステータスランプ105、障害物センサー110、POSスタンド506、および6パネルのアクセスパネル群(本明細書では、「アクセスパネル」とも呼ばれる)524を含み、図30A~Bに示されるように装置の垂直設置面積を最小化する。図30Cの後面斜視図は、POSチャンバー用の直接AC電気出力結線509を示す。代替実施形態は、AC結線が利用できない環境のための電池126電源を含み得る。POSチャンバーは、プラスチック、金属、または任意の他の好適な材料で構成できる。
【0078】
ここで、図31A~Bを参照すると、図31Aは、台板503、マイクロコントローラー128、組み込まれたPOS取り付けプレート表面507、UV-C125、およびUV-C取り付けスタンド131を含むPOS台板503の正面図を示す。POS台板503の深度は、POS端末510(図35G)の設置を可能とし、UV-C125およびUV-C取り付けスタンド131をその表面に取り付けた上向きの傾斜下端は、光をPOS端末510(図35G)の表面に投射するのを可能にする。代替的実施形態では、UV-C125は、UV-C取り付けスタンド131を使わないで台板503の表面上に直接配置できる。別の実施形態では、UV-C125は、アクセスパネル524の背面に配置できる。図31Bは、UV-C切り欠き部127、UV反射面124、およびPOSスタンド取り付けプレート508を含むPOS台板カバー504の正面図を示す。
【0079】
図32Aは、UV-C切り欠き部127およびマイクロコントローラー128、UV-C125、および組み込まれたPOS取り付けプレート表面507を含むPOS台板503の上に、およびそれに隣接した位置に投射された取り付けスタンドプレート508を含むPOS台板カバー504の正面分解図を示す。図32Bに示すように、POS台板503とPOS台板カバー504の組み合わせにより、POS台板組立品505が形成される。図32Bに示すように、POS取り付けスタンドプレート508は、POSスタンド506に取り付けられる。代替的実施形態では、POS台板組立品505は、POSスタンド506または外部取り付け器具の使用なしに、独立型組立品として機能し得る。
【0080】
図33Aは、並行に、向かい合って配置されたアクセスパネルフレーム113(本明細書では、「APフレーム」とも呼ばれる)、POSパネルレール512(本明細書では、「POSレール」とも呼ばれる)、およびサポートブリッジ114を含み、POS AP組立品515の左側および右側を形成し、個別に定義されたPOS駆動パネル513を含む全てのアクセスパネルを含むPOSアクセスパネル群514(本明細書では、「POSアクセスパネル」または「アクセスパネル」とも呼ばれる)を構成するPOSアクセスパネル組立品515(本明細書では、「POS AP組立品」とも呼ばれる)の正面図を示す。POS AP組立品515は、相対的に等価な部品を含み、アクセスパネル514の数(6対4)およびアクセスパネル514を支持するためのレール515の数(5対3)を別にして、本発明の図1Aおよび図7に示されるアクセスパネル組立品139に与えられた記述と同じ機能的動作を共有する。
【0081】
図33Bは、駆動モーター119、駆動シャフト120、プーリー121、チェーン147、アクセスパネルフレーム113、POSレール512、サポートブリッジ114、POSアクセスパネル514、支持アーム142、POS駆動パネル513、駆動クリップ141、チャネルガイド153、ガイドクリップ152、パネル区画111、緊急事態ハンドル104、およびUV反射コーティング124を含むPOS駆動装置組立品516の背面クローズアップ図を示す。
【0082】
図33Bで示したPOS駆動装置組立品516をさらに参照すると、駆動モーター119の作動時には、駆動シャフト120およびプーリー121は、チェーン147および取り付けられた駆動クリップ141を動かし始め、これは、次に、POS駆動パネル513の移動を開始させる。向かい合って配置された2つのガイドクリップ152は、POS駆動パネル513の水平前縁に、およびその後、それぞれがPOSアクセスパネル514に取り付けられ(またはそれに組み込まれ)、ガイドクリップ152の突き出ている先端が隣接するチャネルガイド153にはめ込まれる。収納中、駆動パネル513上の2つのガイドクリップ152は、隣接するPOSアクセスパネル514のチャネルガイド153内を垂直に動き、次の隣接するPOSアクセスパネル514の方向にそれを押し始める。各POSアクセスパネル514上のガイドクリップ152は、それらの隣接するチャネルガイド153内で移動して隣接するアクセスパネル514を、POSアクセスパネル514がパネル区画111内に待機させられるまで、適切な方向に押す。POSアクセスパネル514は、支持アーム142およびサポートブリッジ114に沿ってスライドし、それにより支えられる駆動クリップ141の基部により、移動中に、安定化および同期される。図33Bに示されたPOS駆動装置組立品516は、相対的に等価な部品を含み、アクセスパネル514、レール512、およびそれらの支持部品の数を別にして、本発明の図1Aおよび図13の詳細な記述と同じ機能的動作を共有する。
【0083】
図33Cは、矩形破線により示される、隣接するPOS端末510を含むPOS上部ハウジング組立品501(本明細書では、「POS UHA」とも呼ばれる)の背面クローズアップ図を示す。この図で示された部品は、POSシャーシ502、任意選択の電池126、パネル区画111、UV-C125、UV-C取り付けスタンド131、支持アーム142、チャネルガイド153、ガイドクリップ152、駆動クリップ141、緊急事態ハンドル104、障害物センサー110、POSアクセスパネル514(駆動パネル513を含む)、およびUV反射面124(目視できない)を含む。図33Cに示されたPOS UHA501は、相対的に等価な部品を含み、アクセスパネル514、レール512、およびそれらの支持部品の数を別にして、本発明の図1Aおよび図14の詳細な記述と同じ機能的動作を共有する。
【0084】
図34Aは、POS台板組立品505の上に、およびそれに隣接した位置に投射されたPOS UHA501の正面分解図を示し、POSチャンバー500の得られた正面斜視図は、図34Bで示されている。
【0085】
図35A~Gは、図35Aの閉止および密閉されているPOS端末から始まり、図35Gの完全に利用可能であるPOS端末510で終わる、POSチャンバー500の7つのアクセスパネル位置の正面図を示す。
【0086】
図36は、小売りレジ511に隣接するPOSチャンバー500の正面斜視例を示す。
【0087】
ここで、本発明の追加の実施形態を参照すると、図37A~47Eは、円筒形病原菌根絶チャンバー600を示す。好ましい実施形態では、円筒形チャンバー600は、細長いおよび水平方向に変位した媒介物115、すなわち、プッシュ型ドアハンドル(例えば、パニックバー、クラッシュバー、水平プッシュバー)、ショッピングカートハンドルなどから病原菌を汚染除去するために使用される。代替実施形態では、円筒形病原菌汚染除去チャンバー600は、媒介物115上で垂直方向または対角線方向に配向させて、円筒形チャンバー600で、線形チャンバーよりも良好に役立たせ得る。
【0088】
ここで、図37A~47Eに示される本発明を参照すると、ショッピングカートハンドル600(本明細書では、「SCチャンバー」とも呼ばれる)用の円筒形病原菌汚染除去チャンバーが示される。図37Aは、ショッピングカート609に隣接するSCチャンバー600の正面図の例を提供する。図37Bは、円筒形アクセスパネル群604(本明細書では、「cylパネル」または「アクセスパネル」とも呼ばれる)、左ハウジング605、右ハウジング606、アクセスセンサー106、ステータスランプ105、および下部構造組立品603を含む正面を向いた部品を有するショッピングカート609から取り外したSCチャンバー600の正面図を示す。
【0089】
図38A~Bは、SCチャンバー600の円筒形台板601(本明細書では、「cyl台板」とも呼ばれる)の、それぞれ、正面図および立面正面斜視図を示す。図38Bに示すように、cyl台板601は、UVGIをショッピングカートハンドル610(図40A)の方向に直接送達するための傾斜の上部背面のすぐ近くに配置されたUVC125を含む。好ましい実施形態では、UV-C125は、UV接着剤細片611に組み込まれるか、または固定され、これらは、UV-C125に電力を送るように予め配線されている。代替実施形態は、UVC125は、限定されないが、表面に直接接着する、UV-C取り付けスタンド131でcyl台板601に取り付ける、またはいずれか他の好適する方法により、製造工程中に表面に直接組み込み得ることを含む。別の実施形態では、UV-C125は、cylパネル604の1種または複数に直接固定し得る。
【0090】
図39Aは、UV反射性塗料、TPFE、アルミニウム箔または紫外線反射率を最適化することが証明されている任意の他の物質/材料からなるUV反射面124を含む円筒形台板カバー602(本明細書では、「cyl台板カバー」とも呼ばれる)の上面斜視図を示す。cyl台板カバー602はまた、UV-C切り欠き部612を含み、この612は、cyl台板601からのUV-C125を覆って、光がショッピングカートハンドル610に送達されるのを可能とし(図40A)、同時に、使用者による不正変更を防止する。
【0091】
図39Bは、cyl台板601上に投射され、設置されて、SCチャンバー600の下部構造組立品603を形成する、cyl台板カバー602の立面正面分解斜視図を示す。cyl台板601およびcyl台板カバー602は、金属、プラスチック、または任意の他の好適な材料から製造できる。
【0092】
ショッピングカートハンドル610は、図40Aの分解正面図で示されるように、左ハウジング605および右ハウジング606として確認される並行ボックスにより両側に隣接される。左ハウジング605(本明細書では、「駆動ハウジング」とも呼ばれる)は、アクセスセンサー106およびステータスランプ105を含む、SCチャンバー600の機能出力、電気、および電動部品を含む。右ハウジング606(本明細書では、「駆動されるハウジング」とも呼ばれる)は右側のcylアクセスパネル604(図44B)のための受け具として機能する。さらに図40Aを参照すると、分解図は、左ハウジング605と右ハウジング606の間の中心にあり、それらに隣接し、さらに、ショッピングカートハンドル610の下のチャンバー600上のその位置に対して投射された下部構造組立品603を示す。
【0093】
図40Bは、電池アクセスドア107、電池掛け金108、および安全ロック109を含む左ハウジング605の側面図を示す。左ハウジング605および右ハウジング606の両方は、チャンバー600の動作を最適化するために、必要な強度、剛性、および耐久性を与え得る金属、プラスチック、または任意の他の好適な材料から構成できる。
【0094】
図41Aは、左ハウジングシャーシ607、マイクロコントローラー128、電池126、円筒形駆動モーター613(本明細書では、「cylモーター」または「モーター」とも呼ばれる)、駆動シャフト615、モーター支持体614、駆動ハブ616(本明細書では、「ハブ」とも呼ばれる)、駆動されるドラム617(本明細書では、「ドラム」とも呼ばれる)、およびエンドキャップ618を含む左ハウジング605の部品の側面斜視分解図を示す。ハブ616は、図41Aに示すように、cylモーター613および駆動シャフト615に直接連結し、時計回りに回転させて、cylアクセスパネル604を積層アレイに収納し、ショッピングカートハンドル610へのアクセスを可能にし、また、反時計回りに回転させて、チャンバー600を閉じ、密閉する。ドラム617は、対照的に、静止部品として機能し、従って、回転しない。
【0095】
エンドキャップ618の開放楕円形中央部は、ドラム617の端部の周りに配置され、それを所定位置に固定した後、左シャーシ607に取り付けて左ハウジング605を密閉する。ハブ位置「0」(閉止)635における左ハウジング605の組み立て図が図41Bに示されている。
【0096】
図42Aは、左ドラム617の中央部内のその位置へ投射された左ハブ616の正面クローズアップ分解図を示す。2つの一体型の部品は、図42Bに示されるように、左ハブ&ドラム組立品621(本明細書では、「左H&D組立品」とも呼ばれる)を形成する。cylパネル604を支持するcylレール630もまた、図42Bに示される。ハブ616、ドラム617、およびcylアクセスパネル604の間の境界に関する追加の詳細が図44A~48Eに提供される。
【0097】
より詳細には、本発明の図37Aをさらに参照すると、右シャーシ608、自由スピニングハブ619、駆動シャフト615、自由スピニングハブサポート620、右H&D組立品622、およびエンドキャップ618を含む右ハウジング606の側面斜視分解図が、図43Aに示されている。右ハウジング606は、以前に述べたように、「駆動されるハウジング」であり;SCチャンバー600内に電力または制御機能を持たないという点で、左ハウジング605に従属する。右シャーシ608は、図40Aに以前に示すように、マイクロコントローラー128および電池126がシャーシ608から非存在になるために、より少ない内部領域を有することにより左シャーシ607からさらに区別される。代替実施形態は、限定されないが、単一または複数のcyl駆動モーター613によりおよび単一または複数の電池126に電力を供給されて、左および右ハウジング621、622の両方に電動H&D組立品を含み得る。
【0098】
さらに、図43Aを参照すると、右ハウジング606は、自由スピニングハブ619および反対側の左ハウジング605内の部品の動きを介して作動させられる連結された駆動シャフト615を含む。ドラム617は、エンドキャップ618がシャーシ608に挿入され、右ハウジング組立品606を閉じる場合、右シャーシ608内の自由スピニングハブ619に重ね合わされて、静止位置で固定される。
【0099】
図43Bは、閉位置で右ハウジング606に連結されているcylパネル631の#1(本明細書では、「駆動パネル」とも呼ばれる)に連結された左シャーシ607(側面を除去して図示した)および左H&D組立品621(視認性のために他の内部部品は取り除いた)の側面斜視図を示す。
【0100】
図44Aは、ハブ位置「0」635(閉止)における左H&D組立品621の側面クローズアップ図を示す。左ハブ616は、左シャーシ608の右側(内側)から見た場合、時計方向に回転して、図44Aの左H&D組立品621内の方向矢印により示されるように、cylアクセスパネル604を相互上に積層形式で収納する。ハブ位置「ゼロ」635(閉止位置)では、cylパネル631の#1(図47Aで示したような駆動パネル)は、図44Aで示されるように、ハブ616上の8~10時位置のスロットのcylレール626の#1(本明細書では、「駆動レール」とも呼ばれる)に固定される。ドラム617内の組み込まれたレールはそれぞれ、図44Bに示す組み込まれたナイロングライド140を含み、運動の自由度を促進し、cylパネル604移動中の摩擦を防ぐ。代替実施形態は、限定されないが、ボールベアリングまたは類似の装着物、表面コーティング、材料、またはcylパネル604のために、運動の自由度を促進し、摩擦を減らす任意の他の好適な解決策を含むcylレール630を含む。別の実施形態では、cylパネル604は、運動の自由度を促進し、追加の成分を使用することなく、cylレール630間の摩擦を減らす任意の材料から構築され得る。
【0101】
図45A~Bは、図45A~45Bおよび図45Cの左の図中のcylパネル631の#1を用いた円筒形アクセスパネル604の平面および底面斜視図をそれぞれ示す。図45Bの底面図は、円筒形駆動クリップ623(本明細書では、「cyl駆動クリップ」または「駆動クリップ」とも呼ばれる)およびアルミニウム箔、UV反射性塗料、TPFE、またはSCチャンバー600内のUV-C光の反射率を最適化する任意の他の物質/材料などのUV反射コーティング124を示す。本発明の種々の実施形態中の全ての媒介物に面する部品と同様に、下部構造組立品603およびSCチャンバー600のアクセスパネル604内の全ての内部領域は、UV反射性材料/物質124でコートされる。図45Cは、アレイ内の各アクセスパネル604の配置を示す投射矢印を有するそれらの境界の例である3つのアクセスパネル604の底部分解図を示す。図45Cを左から右へより詳細に説明すると、左パネルは、cylパネル631の#1(駆動パネル)の例であり、cyl駆動クリップ623を有するがチャネルガイド624が存在しないパネルを示す。図の上部と底部に示されるcyl駆動クリップ623は、垂直方向に向けられ、矢印により図示されるように、隣接するcylパネル633の#3(中央のパネル)のチャネルガイド624の陥凹バレル内にそれらがはめ込まれることを可能にする。チャネルガイド624は、各末端に堅い端部を有し、これは、隣接パネルに取り付けられたcyl駆動クリップ623により、パネル移動の方向に応じて、パネルを押す、または引っ張る。cylパネル633の#3(中央のパネル)は、チャネルガイド624およびcyl駆動クリップ623からなる。中央パネルからのcyl駆動クリップ623は、cylパネル634の#4(出口パネル)として参照される図45Cの右側のパネルでチャネルガイド624の並行におよび向かい合って配置された稜線内にはめ込まれる。右パネルは、直前のパネルのcyl駆動クリップ623の動作により、収納および閉止中に押される、および引っ張られることを可能とするチャネルガイド624から構成されることからも明らかなように、出口パネルとして特徴付けされるが、それは、アレイ中の最終パネルとして、それ自体動かされるが、いずれか他のパネル604を動かすことはないので、それ自身の駆動クリップ623から構成されない。
【0102】
図46A~Eおよび図47A~Eは、cylアクセスパネル604の動作およびH&D組立品621とのそれらの境界についてさらに詳述する。図46A~Eは、5段階のパネル収納を示す左H&D621組立品の側面クローズアップ図を示し、図47A~Eは、4パネルSCチャンバー600の実施形態における5段階収納工程全体を通して収納される、対応するcylパネル604の上面斜視図を示す。
【0103】
図46Aを参照すると、ハブ616およびドラム617のスロットは、左ハウジング605内のハブ位置「0」635(閉止)にある(右に反映される)。cylレール630を番号で特定すると、cylレール626の#1は、図47Aに示されるcylパネル631の#1が、8~10時の位置の破線により特定される駆動ハブ616上の位置(図47Aに示されるパネル位置)に固定される駆動レールである。cylレール626の#1は、cylパネル631の#1(駆動パネル)が連結し、ハブ616と同期して回転する固定幅スロットを含む。時計方向回転を続けると、固定式ドラム617は、破線で示されるそれぞれのレールに対し閉止パネル位置の図46Aで解るように、cylレール627の#2、cylレール628の#3、およびcylレール629の#4を含む。この実施形態でのドラム617上のそれぞれ3つのレールは、回転領域全体に続き、cylパネル区画625で終わるナイロングライド149(図44B)を有する組み込まれたレールを含む。この位置でのSCチャンバー600の対応する図は、図47Aに示される。
【0104】
図46Bは、ハブ位置636の#1を示し、この場合、破線の整列により示されるように、ハブ616はcylレール627の#2の下の位置に時計回りに回転した。この位置でのSCチャンバー600内のcylパネル604の対応する位置は、図47Bで示される。
【0105】
図46Cは、ハブ位置637の#2を示し、この場合、ハブ616は、cylレール628の#3の下の位置に回転し、それと共にcylレール627の#2を同伴し、図46Cの破線の整列により示されるように、3つの積層パネルを形成した。この位置でのSCチャンバー600内のcylパネル604の対応する位置は、図47Cで示される。
【0106】
図46Dは、ハブ位置638の#3を示し、この場合、ハブ616は、cylレール629の#4の下の位置に回転し、cylレール627の#2および628の#3内のパネルを一緒に動かし、それにより、4つの積層パネルを形成した。この位置でのSCチャンバー600内のcylパネル604の対応する位置は、図47Dで示され、cylパネル604が75%開放されているとして示す。ハブ位置639の#4は、図46Eで示されるように、パネル収納工程の最終段階である。この段階では、ハブ616は、cylパネル区画625内の最内側位置に回転し、cylレール627の#2、628の#3、および629の#4を取り付けたcylパネル604を一緒に持ち込んだ。この位置でのSCチャンバー600内のcylパネル604の対応する位置は、図47Eで示され、cylアクセスパネル604が100%収納され、図47Eに示されるように、cylパネル区画625中に相互に積層されたことを示す。
【0107】
図47A~Eをより詳細に参照すると、それらは、SCチャンバー600の5段階のパネル収納の上面斜視図を示す。図47Aは、完全に閉止および密閉されたSCチャンバー600を示し、個別のcylパネル604を明らかにする。図47Aを左から右へ見ると、cylパネル631の#1は、駆動パネルの役割をし、これは、図46Aに示すようにハブ616に連結され;続けて、cylパネル632の#2、cylパネル633の#3、およびcylパネル634の#4の順に、左から右へ連結され、これらは、図46Aに示されるように、ドラム617上のそれらの専用のレールに取り付けられる。
【0108】
図47Bは、cylパネル632の#2の下に収納されたcylパネル631の#1を示し、ショッピングカートハンドル610の25%を露呈させる。パネル631の#1により、今や、駆動クリップ623が、cylパネル632の#2のチャネルガイド624の後壁に隣接する位置に配置され、cylパネル631の#1の回転がcylパネル632の#2をcylパネル633の#3の下に押し込み、図47Cに示すように、ショッピングカートハンドル610の50%を露呈させる。cylパネル631の#1が回転し、cylパネル632の#2を押し続けるのに伴い、cylパネル632の#2の駆動クリップ623は、cylパネル633の#3をcylパネル634の#4の下に押し込み、図47Dに示すように、ショッピングカートハンドル610の75%を露呈させる。収納の最終段階では、cylパネル631の#1は、cylパネル632の#2を押し、cylパネル632の#2がcylパネル633の#3を押すのに伴い、cylパネル633の#3の駆動クリップ623がcylパネル634の#4を円筒形パネル区画625中に押し込み、図47Eに示すように、4つ全てのパネルが相互に積層される。パネルを閉じ、チャンバーを密閉するために、cylパネル#1により導かれる工程が反復される。
【0109】
本明細書で使用される場合、「筐体」という用語は通常、上述の通りであり、一般に、チャンバーまたは1つまたは複数の側面を有するシャーシを含むか、またはそれであり得る。筐体は、種々の幾何学的形状にでき、一般に、ドアまたはアクセスパネル、および媒介物が他の何かに取り付けられる場合に媒介物を収容するための開口部を除いて、完全に媒介物を密閉する。例えば、ドアに連結されたドアハンドル、またはガスポンプに連結されたガスポンプハンドル、など。いくつかの実施形態では、筐体は、6つの側面を有する3次元矩形の形状であり得る。いくつかの実施形態では、筐体は、立方体、直角プリズム、球体、錐体および/または円筒形形状であってよいが、これらに限定されない。筐体は、ドアまたはアクセスパネルが閉止される場合、気密性および/または水密であり得る。
【0110】
いくつかの実施形態では、本明細書で使用されるセンサーには、障害物センサー、動きセンサーまたは検出器、光センサー、音響センサー、および/または熱または赤外線センサーが挙げられ得る。上記で考察したように、いくつかの実施形態では、センサーは、使用者の存在を検出でき、その後、筐体またはチャンバーのドアまたはアクセスパネルの開口を自動的に開始させる。このようなシステムは、使用者がドアまたはアクセスパネルに接触することなく、媒介物にアクセスするのを可能にする。
【0111】
トリガーまたはトリガーイベントは、アクセスドアを開くイベントまたはトリガーであり、通常、センサーにより検出される。すなわち、媒介物に接近している使用者は、筐体のドアまたはアクセスパネルを開き、媒介物へのアクセスを可能にするセンサーを起動し得る。従って、トリガーイベントは、上述のようなセンサーにより検出されるイベントであり得る。例えば、洗面所環境では、動きセンサーまたは光センサーを使用して、トリガーイベントおよび使用者の存在を検出できる(洗面所の個室でトイレの流水式洗浄、または器具水栓のオン・オフを行うために定型作業で行われているのと同様に)。ドアハンドルの場合、トリガーイベントは、動きセンサーまたは光センサーにより検出されるドアに接近する、またはドアまたはアクセスパネルアクセスパネルに近づいている使用者であり得る。それにもかかわらず、本開示は、センサーの使用に限定されず、トリガーはまた、機械的な手段、例えば、フットペダルにより生成され得る。
【0112】
アクセスドアは通常、筐体の内部にアクセスできるように開くことができる筐体に組み込まれた、またはそれと一体化しているドアまたはパネルである。扉は、例えば、スイングオープン、スライドオープン、アコーディオン方式アクセスドアまたはパネルオープンなど、従来の任意の手段で開くことができる。ドアやパネルの大きさは、媒介物の大きさや媒介物を利用するために必要なアクセスに従って必然的に変化する。例えば、ドアハンドルの場合、開口部はドアハンドルを収容する、およびドアを開けるユーザーの手を入れるのに十分な大きさが必要である。小売店頭端末の場合、ユーザーが小売店頭端末を使用するのに十分な大きさの開口部が必ず必要である。したがって、いくつかの実施形態では、ドアまたはアクセスパネルのサイズは、少なくともユーザーの手を収容するのに十分な大きさになる。
【0113】
開位置のドアは、完全に閉止されていない任意の位置である。閉位置のドアは通常、ドアを完全に閉止して、媒介物を外部環境から密閉または保護することを意味する。いくつかの実施形態では、ドアは、気密性、水密性であってよく、透明またはシースルー材料、例えば、プラスチックポリカーボネート、ガラス、または任意の他のシースルー材料を含んでもよい。他の実施形態では、ドアまたはアクセスパネルは、金属またはプラスチックまたは複合材を含み、遮光性であってもよい。
【0114】
媒介物を取り囲む筐体は通常、筐体またはチャンバーが媒介物を完全に囲い込むことを意味する。いくつかの実施形態では、筐体は媒介物を取り囲み、空気の流れが筐体の外部から内部に容易に通過できない気密または半気密の筐体を提供する。
【0115】
UV光源は上記で説明されており、UV-C範囲で動作可能な任意のUV光源であり得る。UV光源は通常、病原菌、細菌、ウィルス、または他の病原体を死滅させるのに十分なUV光の強度または能力を産出できる。UV光の出力は、2,000~8,000μW・s/cmの範囲であり得る。紫外線殺菌照射、Wikipedia(en.wikipedia.org/wiki/Ultraviolet_germicidal_irradiation)、最終改訂日:2021年2月20日を参照されたい。本文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0116】
上述のように、UV光源は、好ましくは、病原菌、細菌、ウィルス、および他の病原体を死滅させるために最適化された1種または複数の周波数範囲でUV光を提供できるLEDアレイであり得る。例えば、UVアレイは、265nm、220nm、および/または280nmの光を生成し得る。他の実施形態では、UVアレイは、220nm、225nm、230nm、235nm、240nm、245nm、250nm、255nm、260nm、265nm、270nm、275nm、および/または280nmの光を生成し得る。
【0117】
本明細書で使用される用語としての汚染除去は通常、細菌またはウィルスの破壊または中和を意味する。いくつかの実施形態では、細菌またはウィルスの99%の減少が5秒以下で達成される。いくつかの実施形態では、細菌またはウィルスの99%の減少が3秒以下で達成される。いくつかの実施形態では、細菌またはウィルスの99%の減少が1秒間で達成される。いくつかの実施形態では、細菌またはウィルスの99.9%の減少が5秒以下で達成される。いくつかの実施形態では、細菌またはウィルスの99.9%の減少が3秒以下で達成される。いくつかの実施形態では、細菌またはウィルスの99.9%の減少が1秒間で達成される。いくつかの実施形態では、ウィルスは、SARS-CoVもしくはSARS-CoV-1またはαもしくはδバリアントを含むバリアントである。いくつかの実施形態では、SARS-CoVもしくはSARS-CoV-1またはαもしくはδバリアントを含むバリアントの99.9%の減少が1秒間で達成される。
【0118】
汚染除去は、任意の関連病原菌、細菌、またはウィルスであり得るが、好ましくは、ヒトを含む哺乳類で疾患を発生させ得るウィルス、細菌、原生動物、プリオン、ウイロイド、または真菌などの病原体である。好ましい一実施形態では、病原体は、SARS-CoVまたはSARS-CoV-1またはαまたはδバリアントを含む変異体であってよい。例えば、Pathogen、Wikipedia(en.wikipedia.org/wiki/Pathogen),last edited 8 July 2021を参照されたい。この文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0119】
取り付けスタンドは通常、筐体またはチャンバーの内部にUV光源を取り付けるために使用される。取り付けスタンドは移動可能であってもよく、筐体内の異なる方向または異なる角度でUV光の投与量を方向付けることが可能であり得る。紫外線光源を取り付けスタンドに取り付ける、または連結することは、機械的な連結、ネジ、鋲などを含む任意の従来の手段により、または接着剤を使用して実施し得る。
【0120】
本明細書で使用されるマイクロプロセッサーは通常、データ処理ロジックおよび制御が単一の集積回路、または少数の集積回路に含まれる任意のコンピュータープロセッサーを含み得る。マイクロプロセッサーは通常、クロック駆動のレジスターベースの多目的デジタル集積回路であり、2値データを入力として受け入れ、メモリに格納された命令に従って処理した後に、結果を出力として提供する。本明細書で意図されているマイクロプロセッサーは、センサー、ドアまたはアクセスパネルを開けるための駆動システム、UV光源を管理することができ、さらには、バッテリー出力を含む電源も管理できる。
【0121】
本開示には特定の実施例が含まれているが、特許請求の範囲およびその等価物の趣旨および範囲から逸脱することなく、これらの実施例において形態および詳細における種々の変更がなされ得ることは、本願の開示が達成されたことを理解した後に明らかとなるであろう。
【0122】
実施例
実施例1-COVID-19実験
SARS-CoV-2は、COVID-19を引き起こすウィルスである。今までに、現在のCOVID-19パンデミックは、世界中で4百55万人以上の死亡の原因であり、その内の645,000人超は、米国での死亡であった。
Crystal IS(Green Island,NY)は、Klaran UVC LEDおよびシステムを製造するISO9001:2015認証会社である。ISは、米国ボストン大学国立新興感染症研究所(NEIDL)と共に、SARS-CoV-2がKlaran UVC LEDの放射範囲全体にわたる紫外線(260nm~270nm)および異なる線量に対して、どのように応答するかを理解するために研究を開始した。Klaran WDシリーズUVC LEDのアレイを用いて、試験表面からの7cmの距離で実験を実施した。
【0123】
Klaran UVC LEDのアレイを用いて、SARS-CoV-2を含む乾燥プラスチック表面に7cmの距離で照射した。
結果は、1.25mW/cmのUVC強度へのウィルスの異なる時間の曝露により達成されたlog減少を示す。6.25mJ/cmのUVC線量は、99.9%のウィルスの減少を生じた(下表1)。
【表1】
【0124】
Klaran LED波長規格の両端(260nmおよび270nm)である異なるピーク波長のLEDからの5mJ/cmの線量を用いて試験を繰り返した。結果は、試験した波長範囲全体にわたり類似の有効性を示す(下表2)。これらの結果と宮崎大学から発表された結果(これは、280nmでのUVC LED放射を使用)との比較は、270nmを超える波長での有効性の顕著な低下を明確に示す(Inagaki et al.(2020)Rapid inactivation of SARS-CoV-2 with deep-UV LED irradiation,Emerging Microbes & Infections,9(1):1744-1747、を参照されたい)。
【表2】
【0125】
結論
SARS-CoV-2は、比較的弱いウィルスであり、低線量のUVC光で不活化できる。SARS-CoV-2は、基本的な殺菌範囲の低線量のUVC光への曝露により、数秒程度の間に効果的に不活化できる。さらに、UVC波長が重要である。宮崎大学から発表された結果(これは、280nmでのUVC LED放射を使用)は、270nmを超える波長での有効性の顕著な低下を意味する。Klaran UVC LEDは、260nm~270nmの波長範囲のUVC光を放射し、これは、数秒程度の間に完全なウィルス不活性化を達成できる波長範囲である。
【0126】
実施例2-MicroLumix製品分析とCOVID-19
SARS-CoV-2に対する本発明の実施形態に従って、Crystal ISにより病原菌汚染除去器具の有効性のシミュレーションが実施された。ドアハンドルの場合、ハンドルの後面を含む全表面上の最小平均強度は、>6.25mW/cmであった。実施例1の結果によると、これは、1秒間で99.9%のSARS-CoV-2の減少を可能にする。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図10C
図11
図12A-12E】
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図15D
図16
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図18A
図18B
図18C
図18D
図19A
図19B
図20A
図20B
図20C
図20D
図21A
図21B
図21C
図22A
図22B
図22C
図22D
図23A
図23B
図23C
図23D
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30A
図30B
図30C
図31A
図31B
図32A
図32B
図33A
図33B
図33C
図34A
図34B
図35A
図35B
図35C
図35D
図35E
図35F
図35G
図36
図37A
図37B
図38A
図38B
図39A
図39B
図40A
図40B
図41A
図41B
図42A
図42B
図43A
図43B
図44A
図44B
図45A
図45B
図45C
図46A
図46B
図46C
図46D
図46E
図47A-47E】
【手続補正書】
【提出日】2023-05-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年9月4日に出願された米国仮出願第63/075,040号の優先権を主張する。この仮出願の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、感染性疾患予防の技術分野に属する。さらに具体的には、本発明は、紫外線殺菌照射を用いたヒトの接触箇所付近の病原微生物の汚染除去による感染性疾患予防の技術分野に属する。
【背景技術】
【0003】
感染性疾患は、多くの場合、人から人へ直接的にまたは間接的に伝染する、細菌、ウィルス、真菌、および寄生生物などの病原微生物により引き起こされる。病原菌は95~100°Fの温かい環境中で繁殖するので、98.6°Fのヒトの皮膚温度は、これらの微生物が生存し、増殖するための最適の担体プラットフォームを提供する。実際に、臨床試験では、一部の細菌は、20分毎に倍増し、ただの8時間で数百万個の細菌を形成することが示された。
【0004】
すべての病原菌が疾患を引き起こすとは限らないが、全ての感染性疾患は、病原菌に起因する。ヒトの疾患を引き起こす4種の主要な病原菌の種類には、細菌、ウィルス、真菌、および寄生生物が挙げられる。研究により、20%の人は、洗面所の使用後に手を洗わず、手を洗う人の30%は、石けんを使用しないことが分かった。全体として、ヒトの指先と肘の間には、200~1000万個の病原菌が常に存在する。個人がヒトの接触箇所の、例えば、市販のドアハンドル、洗面所掛け金(restroom stall latch)、クレジットカード支払い端末、またはガスポンプハンドルなどの媒介物(無生物)と接触するたびに、病原菌が媒介物の次の使用者に間接的に移動する過程が開始される。
【0005】
感染性疾患の80%が手により伝染するので、公衆の接触箇所を介した病原微生物の急速な拡散は、SARSおよび、直近では、COVID19を含む、いくつかの世界的な健康パンデミックにおける主要な要因となってきた。これらのイベントは、世界経済に大きな影響を与え、数百万人の病的状態および死亡に繋がった。
【0006】
この問題を解決するために採用された現在の方法には、マニュアル洗浄、媒介物を製造および/またはコートするための抗菌物質、自動的および使用者開始型の機械的な消毒装置、および紫外線殺菌照射(UVGI)が挙げられる。これらの方法のそれぞれは役立つが、アクセスの多い領域では、急速な再汚染および長い汚染除去サイクルなどの問題により、それらの効果は比較的小さい。
【0007】
マニュアル洗浄は、媒介物の表面を浄化し、消毒するために、異なる結果を達成するように設計されたそれぞれの種類の製品を含む、殺菌剤、消毒剤、および滅菌剤の使用を必要とする。殺菌剤は、細菌の増殖を防ぐ、および/または細菌を30秒~5分で死滅させるが、ウィルスではそうはならない。消毒剤は、細菌、一部のウィルス、および真菌に対しては殺菌剤として機能するが、通常、10分で成果を達成する。滅菌剤は、最も強力な洗浄剤であり、適切に使用すると、100%の細菌、ウィルス、真菌、および胞子を、通常、10~15分の殺菌時間で死滅させるが、これは、特定の使用される薬剤、それが適用される環境、および滅菌される物質の組成に依存して変化する。
【0008】
浄化作業者の健康リスクおよび環境ハザードに加えて、洗浄剤の有効性は、適用工程およびそれが適用される物質の表面に依存する。前述のように、洗浄剤は通常、病原微生物の100%の減少を達成するためには、5~15分間、湿潤のまま残すことが特に必要である。この時間要件は、使用者の訓練不足、作業者の生産性の要求、および使用者の媒介物に対するアクセスの迅速な原状復帰の要請のために無視されることが多い。
【0009】
さらに、浄化作業者は、ほとんどの洗浄剤は、特定の表面タイプに合わせて調製されているために、滅菌効力を減らす多孔性または非多孔性材料で媒介物が構成されているかどうかにかかわらず、全ての媒介物を浄化するために同じ薬剤を使用することが多い。病院の調査は、洗浄剤により「死滅させた」一部の病原菌は、光回復として知られる過程で、2時間ほどの短い時間で、生きている微生物へと再生されることも示した。最後に、媒介物が適切に滅菌された場合でも、風媒性細菌または次の使用者の相互作用による再汚染までそのままであるに過ぎない。
【0010】
抗菌性物質は、既存の媒介物用材料および表面コーティング材の両方として使用されてきた。ごく最近では、銅およびその合金(真鍮、青銅、白銅、銅-ニッケル-亜鉛、など)が広範囲の微生物を破壊する固有の特性を有する天然の抗菌物質であることが示された。公衆の接触箇所への銅の使用のための1つの不利な点は、研究で示されたように、定期的な洗浄スケジュールと組み合わせる場合、99.9%の細菌を死滅させるのに2時間、99.9%のウィルスを死滅させるのに最大6時間要することである。
【0011】
抗菌膜および光線力学的高分子コーティングの利用も、可能な解決策として議論されている。これらの解決策に伴う1つの問題は、材料を感光性にするのに要する時間である。酸素および自然光のみを必要とする、光線力学的高分子の場合には、この過程は、1log抗菌低減を達成するために、60分を要する。
【0012】
ヒト接触箇所の媒介物からの感染性疾患の伝染を防止するために抗菌物質およびコーティングが適切な解決策になるのを妨げる3つの主要な問題が存在する。1つ目は、99.9%の病原微生物の不活化を達成するのに必要な長い時間中に、新しい使用者による数百万個の追加の微生物が媒介物上に付着してしまい、媒介物が多用される期間中に消毒される見込みをなくすることである。2つ目は、それらの効力は、戦う相手の病原菌に応じて変化することである。一部のものは、細菌またはウィルスに対してのみ有効であり、両方には有効ではない。細菌およびウィルスの両方を死滅させることができることが明らかになっているものの内で、それらの多くは、真菌、胞子、および/または寄生生物などの他の種類の病原微生物を死滅させることができない。一方、これらの物質のいずれも、全ての微生物に対し、同等に効果的であることを示さなかった。最後は、全ての公衆向けの媒介物を置き換える、およびコートするためのコストおよび導入時間は、この選択肢を望ましくない、非現実的なものにすることである。
【0013】
ヒト接触箇所の媒介物の機械的な滅菌選択肢には、病原微生物を死滅させるために、殺菌剤、消毒剤、または滅菌剤の形態の化学薬品、または殺菌光動作紫外線殺菌照射(本明細書では、UVGIと呼ばれる)を利用した使用者作動型および自動化機械装置が含まれる。化学薬品を利用する装置は通常、媒介物の近くに取り付けられ、使用者作動型レバーを介して、または自動化センサーによるトリガー作用を介して、標的表面に適用される浄化製品で満たされたハウジングを有する。使用者作動型モデルは、病原菌が各使用者の手からレバーへ伝播し、これが装置の使用の度に蓄積するので、開始の時点で問題を提起する。
【0014】
自動化センサー作動型装置は、ユーザーインターフェース問題を解決するが、しかし、特に公共の場でのヒト接触箇所病原菌汚染との闘いにおいて、他の重大な問題が残される。第1に、化学薬品は通常、病原微生物の死滅で最適効力を得るためには最大15分を必要とし、これは多くの場合、頻繁にアクセスされる媒介物の次の使用者との相互作用の前に感染力をなくするのに適切な時間ではない。第2に、媒介物上の病原菌を死滅させるのに有効であるとしても、化学的残留物が新しい健康上のリスクを提起する。理由は、それが、その後の使用者の手に分配されるためである。最後に、分布領域周辺の化学的残留物は、スリップおよび転倒傷害の可能性をもたらす。
【0015】
紫外線殺菌照射(UVGI)は、1950年代から、医療および外科的環境での滅菌方法として検証されてきた。200~280nmの波長は、UV-C光として分類され、最強の殺菌効果を有する。UV-Cへの曝露により、病原体のDNAは破壊され、それらを複製不可能にする。比較的最近まで、殺菌光を生成する主要な方法は、水銀充填管を使用することであった。これらは、通称、殺菌ランプとして知られており、外観的に標準的蛍光灯に似ている。253.7nmでピークのある光の生成は、病原微生物を死滅させるのに効果的であるが、最適ではない。理由は、265nmが広範囲の細菌およびウィルスに対して、最も効果的な波長であることが証明されたためである。
【0016】
病原微生物を除去するためのUV-C光の使用は、世界的に認められている解決策であり、機器、装置、手術および患者室、およびHVACシステム内の滅菌を含む医療環境において広く使用されている。それはまた、空気、水、および、限定されないが、水質浄化プラント、食品の生産および梱包、および倉庫を含む、種々の産業およびセクターにおける表面の処理によく使われている。近年では、ランプおよび手持ち式のワンドなどの小型の使用者作動型UV-C装置が、流し台、トイレ、歯ブラシ、鍵、および携帯電話などの表面の滅菌のための消費者市場に利用可能になってきた。
【0017】
しかし、殺菌ランプは、公衆の接触箇所の媒介物上の病原菌の根絶のための商業的に利用可能な解決策であることが実証されていない。ドアハンドルおよびエレベーターボタンなどのアクセスの多い表面に対する殺菌ランプの使用の欠点には、例えば、限定されないが、迅速な繰返しができないこと、オンおよびオフの反復繰り返しの場合、総余命を短縮すること、始動時間のピーク波長に達するまでの始動時間が遅いこと、高熱の発生、動作させるのに追加の装置、すなわち、安定器が必要なこと、および欠陥または破壊バルブからの漏れた水銀がヒト皮膚または眼と接触する場合の公衆に対する危険性、が挙げられる。
【0018】
従って、新規病原菌汚染除去方法、装置、および感染性疾患のまん延および数百万人の生命の損失を防ぐために、ヒト接触箇所の媒介物の迅速で、効率的な滅菌ができる器具に関する分野でニーズが存在する。
【発明の概要】
【0019】
病原菌汚染除去器具は、開放位置または閉位置にあるように構成可能なアクセスドア、媒介物の上または周りに筐体を位置決めするための開口部、トリガーまたはトリガーイベントに応答してアクセスドアを開くように構成された 駆動装置組立品、筐体の内側に配置され、媒介物を汚染除去するように構成された1種または複数の紫外線源を含む筐体を含む。病原菌汚染除去器具は、トリガーイベントを検出するように構成された1種または複数のセンサーを含み得る。1種または複数のセンサーは、動き検出センサーおよび/または光センサーを含み得る。アクセスドアは、1つまたは複数のアクセスパネルを含み得る。1種または複数の紫外線源は、200~280nmの範囲の波長を有するUV-C放射線を生成し得る。
【0020】
本開示は、病原菌汚染除去方法および限定されないが、ドアハンドル、洗面所掛け金、本締めボルト、ガスポンプハンドル、小売店頭(POS)端末、現金自動預入支払機、ショッピングカートハンドル、エレベーター制御パネル、公衆電話、ペーパータオル取り出しレバー、トイレハンドルおよびシート、などを含むヒト接触箇所の媒介物に取り付け、それを囲い込むチャンバーを形成する器具に関する。この器具は、使用者とのそれぞれの相互作用後に、紫外線殺菌照射(本明細書では「UVGI」と呼ぶ)により近くの病原菌を数秒以内に自動的に死滅させる。UVGI線量は、適切な適用範囲および最も効果的な配置を確保するように、台板および/または上部ハウジングに固定または調節可能角度で最適に取り付けられたUV-C LED半導体チップ(本明細書では「UV-C」とも呼ぶ)から送出される。チップは、好ましくは、それらの線量を265nmの最適波長で、あるいは、多波長UV-C LEDアレイを介して送出して、異なる種類の病原菌を特異的に標的にする。チャンバー内の媒介物を囲む内側部品は、アルミニウム箔、PTFE、UV反射性塗料、または反射率を最適化することがわかっている任意の類似の物質などのUV-C反射物質で層状に重ねられる。UVGI線量が投与されると、媒介物は、風媒性の病原微生物からの再汚染を防ぐために、筐体中に密閉状態で残される。センサー技術によるその後の使用者の存在の検出時には、駆動およびプーリーシステムが積層アクセスパネルを収納させて、媒介物との病原菌不含接触箇所の相互作用を可能にし、終わる際には、これが、アクセスパネルおよび反復されるUVGIサイクル終止のトリガーになる。
【0021】
本開示はまた、媒介物を含む製品を含む病原菌汚染除去システムにも関し、本明細書で記載のいずれかの病原菌汚染除去器具は、媒介物を含む製品に一体化されるように構成される。特定の実施形態では、媒介物を含む製品は、ドア、トイレの個室、本締めボルト、ガスポンプ、小売店頭(POS)端末、現金自動預入支払機、ショッピングカート、エレベーター、公衆電話、紙タオルディスペンサー、コンピューターキーボード、またはトイレを含む。
【0022】
他の特徴および態様は、以下の発明を実施するための形態、図面、および特許請求の範囲により明らかとなるであろう。
以下の図は、本発明の種々の特徴および態様を示す。図面および発明を実施するための形態の全体を通して、同じ参照番号は、同じ要素を意味し得る。図面は縮尺通りでない場合があり、図面中の要素の相対的な寸法、比率、描写は、明瞭さ、説明、および利便性のために誇張されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1A】本発明の種々の実施形態によるヒトの接触箇所の媒介物のための病原菌汚染除去チャンバーの1例の立面正面図を示す。
図1B】電池部品と部分的に収納された駆動パネルとからなる病原菌汚染除去チャンバーの右側立面斜視図を示す。
図1C】アクセスパネルレールおよび障害物センサーを含む前面の内部の立面正面斜視図である。
図1D】病原菌汚染除去チャンバーに取り付けた台板の立面後面斜視図である。
図2】上部ハウジング組立品と台板組立品内に含まれる部品の立面背面分解図である。
図3A】マイクロコントローラーおよび取り付けられたUV-C源を含む病原菌汚染除去チャンバーの台板の正面図である。
図3B】台板カバーの正面図を示す。
図3C】台板上の台板カバーの配置の分解正面図である。
図3D】台板と組み合わせて台板組立品を形成する台板カバーの正面図である。
図4】上部ハウジング、台板カバー、および台板の立面正面分解図である。
図5】調節可能UV-C取り付けスタンド部品の分解平面図である。
図6A】UV-C取り付けスタンドにより形成される15°~90°の範囲の旋回角の側面図である。
図6B】30°の前方角度で傾けたUV-C取り付けスタンドの側面斜視図である。
図6C】75°の角度で傾けたUV-Cスタンドの平面図である。
図6D】45°の角度で傾けたUV-C取り付けスタンドの正面斜視図である。
図6E】15°の角度で傾けたUV-C取り付けスタンドの立面正面図である。
図6F】UV-C取り付けスタンドにより起こされる旋回動作の平面図である。
図7】アクセスパネル組立品の正面クローズアップ図である。
図8A】埋め込まれたレールを備えたアクセスパネルフレームの平面図である。
図8B】パネルレール内のナイロングライドの側面クローズアップ図である。
図9A】ドライブクリップの側面図である。
図9B】ドライブクリップの平面図である。
図9C】アクセスパネル支持アームの外側側面図である。
図9D】アクセスパネル支持アームの内側側面図を示す。
図10A】左側アクセスパネルフレーム、パネルレール、およびドライブレールの側面断面図である。
図10B】プーリーおよびチェーンのドライブクリップ、支持アーム、および分解図を追加している8Aに示す側面断面図である。
図10C】その動作位置でプーリーおよびチェーンを示すように修正した8Bに示す側面断面図である。
図11】閉位置のそれらのそれぞれのレールに連結され、アクセスパネルが収納された場合にパネル区画の位置を特定するアクセスパネルの側面断面図を示す。
図12A】閉位置のアクセスパネル群の側面断面図を示す。
図12B】25%収納されたアクセスパネル群の側面断面図を示す。
図12C】50%収納されたアクセスパネル群の側面断面図を示す。
図12D】75%収納されたアクセスパネル群の側面断面図を示す。
図12E】完全に収納され、パネル区画中に待機させられているアクセスパネル群の側面断面図を示す。
図13】駆動装置組立品の背面クローズアップ図である。
図14】上部ハウジング組立品の背面クローズアップ図である。
図15A】エレベーター制御パネルの近くの開放病原菌汚染除去チャンバーの正面内部図を示す。
図15B】ドアハンドルの近くの開放病原菌汚染除去チャンバーの正面内部図を示す。
図15C】壁取付け型無料電話の近くの開放病原菌汚染除去チャンバーの正面内部図を示す。
図15D】洗面所仕切り本締めボルトの近くの開放病原菌汚染除去チャンバーの正面内部図を示す。
図16】病原菌汚染除去チャンバーのための工程フロー図である。
図17A】閉止および密閉された病原菌汚染除去チャンバーの正面図である。
図17B】アクセスパネルが25%収納された病原菌汚染除去チャンバーの正面図である。
図17C】アクセスパネルが50%収納された病原菌汚染除去チャンバーの正面図である。
図17D】アクセスパネルが75%収納された病原菌汚染除去チャンバーの正面図である。
図17E】アクセスパネルが100%収納されてパネル区画中で待機させられ、エレベーター制御パネルを露呈した、病原菌汚染除去チャンバーの正面図を示す。
図18A】取り外されたはめ込み型ドアハンドル台板および市販のドアハンドルとロックの正面図を示す。
図18B】市販のドアハンドルとロックに隣接するはめ込まれたドアハンドル台板の正面図を示す。
図18C】取り外されたドアハンドル台板カバーならびに市販のドアハンドルとロックに隣接するはめ込まれたドアハンドル台板の正面図を示す。
図18D】はめ込まれたドアハンドル台板組立品および市販のドアハンドルとロックの正面図を示す。
図19A】ドアハンドル台板組立品および市販のドアに隣接する位置に投影された上部ハウジング組立品の正面分解斜視図を示す。
図19B】市販のドアに隣接して収納されたアクセスパネルを備えた市販のドアハンドル病原菌汚染除去チャンバーの正面図を示す。
図20A】マイクロコントローラー、UV-C、およびガスポンプハンドルを備えた取り外されたはめ込み型ガスポンプ台板の正面図を示す。
図20B】ガスポンプハンドルに隣接してマイクロコントローラーおよびUV-Cを備えたはめ込まれたガスポンプ台板の正面図を示す。
図20C】ガスポンプハンドルハンドルに隣接する取り外されたガスポンプ台板カバーおよびはめ込まれた台板の正面図を示す。
図20D】はめ込まれたガスポンプ台板組立品およびガスポンプハンドルの正面図を示す。
図21A】ガスポンプ台板組立品およびガスポンプハンドルに隣接する位置に投射された上部ハウジング組立品の正面分解斜視図を示す。
図21B】ガスポンプハンドルに隣接して収納されたアクセスパネルを備えた病原菌汚染除去チャンバーの正面図を示す。
図21C】ガスポンプに隣接してガスポンプハンドル病原菌汚染除去チャンバーを備えたガスポンプサービス台座の正面図を示す。
図22A】閉位置にある洗面所掛け金の病原菌汚染除去チャンバーの正面図である。
図22B】洗面所掛け金の病原菌汚染除去チャンバーおよびブラシシールドの立面斜視図を示す。
図22C】掛け金に隣接する開位置の洗面所掛け金の病原菌汚染除去チャンバーの正面図である。
図22D】洗面所掛け金の病原菌汚染除去チャンバーおよび電池アクセスドアの上面斜視図を示す。
図23A】取り外されたはめ込み型仕切り掛け金台板、マイクロコントローラー、および取り付けられたUV-Cの正面図を示す。
図23B】洗面所掛け金に隣接してマイクロコントローラーおよびUV-Cを備えたはめ込まれた仕切り掛け金台板の正面図を示す。
図23C】洗面所掛け金に隣接する取り外された仕切り掛け金台板カバーおよびはめ込まれた台板の正面図を示す。
図23D】はめ込み型仕切り掛け金台板組立品および洗面所掛け金の正面図を示す。
図24】洗面所掛け金アクセスパネル組立品の正面クローズアップ図である。
図25】洗面所掛け金の駆動装置組立品の背面クローズアップ図である。
図26】洗面所掛け金上部ハウジング組立品内に含まれる部品の背面分解図である。
図27】洗面所掛け金の上部ハウジング組立品の背面クローズアップ図である。
図28】洗面所掛け金の上部ハウジング、台板カバー、および台板の正面分解図である。
図29】洗面所掛け金およびドアに隣接する開位置の洗面所扉用錠の病原菌汚染除去チャンバーの正面図である。
図30A】小売店頭端末(「POS」)病原菌汚染除去チャンバー(本明細書では、「POSチャンバー」と呼ぶ)および取り付けスタンドの正面図である。
図30B】開放POSチャンバーおよび取り付けスタンドの正面図である。
図30C】POSチャンバーおよび取り付けスタンドの後面斜視図である。
図31A】マイクロコントローラーおよびUV-Cを備えたPOS台板の正面図である。
図31B】UV-C切り欠き部を備えたPOS台板カバーの正面図である。
図32A】POS台板および取り付けスタンドの上および隣接した位置に投影されているPOS台板カバーの正面分解図である。
図32B】POS台板組立品および取り付けスタンドの正面図である。
図33A】POSチャンバーアクセスパネル組立品の正面クローズアップ図である。
図33B】POSチャンバー駆動装置組立品の背面図である。
図33C】POSチャンバー上部ハウジング組立品の背面図である。
図34A】POS台板組立品および取り付けスタンド上の位置に投影されたPOSチャンバー上部ハウジング組立品の正面分解図である。
図34B】閉止POSチャンバーの正面図である。
図35A】閉位置のPOSチャンバーの正面図である。
図35B】1つのアクセスパネルが収納されたPOSチャンバーの正面図である。
図35C】2つのアクセスパネルが収納されたPOSチャンバーの正面図である。
図35D】3つのアクセスパネルが収納されたPOSチャンバーの正面図である。
図35E】4つのアクセスパネルが収納されたPOSチャンバーの正面図である。
図35F】5つのアクセスパネルが収納されたPOSチャンバーの正面図である。
図35G】6つのアクセスパネルが収納されたPOSチャンバーの正面図である。
図36】小売りレジに取り付けられたPOSチャンバーの正面斜視図を示す。
図37A】ショッピングカートに隣接したショッピングカート円筒形病原菌汚染除去チャンバー(本明細書では、「SCチャンバー」とも呼ぶ)の正面図を示す。
図37B】SCチャンバー、アクセスセンサー、およびステータスランプの正面クローズアップ図である。
図38A】SCチャンバー台板の正面図を示す。
図38B】SCチャンバー台板およびUV-Cの平面斜視図を示す。
図39A】UV-C切り欠き部を備えたSCチャンバー台板カバーの立面側面図である。
図39B】ひとまとめにして下部構造組立品を形成するSCチャンバー台板上の位置に投影されたSCチャンバー台板カバーの立面正面分解斜視クローズアップ図である。
図40A】ショッピングカートハンドルおよびSCチャンバーの左右ハウジングに隣接して投影された下部構造組立品の正面分解図である。
図40B】構築された左ハウジングおよび電池アクセスパネルの側面斜視図を示す。
図41A】SCチャンバーの左ハウジングを含む部品の立面側面斜視分解図である。
図41B】左ハウジングおよび電池アクセスパネルの側面クローズアップ図である。
図42A】左ハウジングの駆動ドラム(本明細書では、「ドラム」とも呼ばれる)の近くに投影された駆動ハブ(本明細書では、「ハブ」とも呼ばれる)の側面斜視分解図である。
図42B】閉位置の左ハブおよびドラム組立品(本明細書では、「H&D」とも呼ばれる)の側面クローズアップ図である。
図43A】SCチャンバーの右ハウジングを含む部品の立面側面斜視分解図である。
図43B】閉位置のcyl駆動パネル(本明細書では、「cylパネル#1」とも呼ばれる)に隣接する向かい合って配置され、平行な左および右ハウジングの側面斜視図を示す。
図44A】後退過程中に駆動ハブおよびドラム部品の回転の詳細を示す投影線を有する閉位置の左ハブおよびドラム組立品および円筒形レール群(本明細書では、まとめて、「cylレール」または「レール」とも呼ばれる)の側面クローズアップ図である。
図44B】ナイロングライドの側面クローズアップ図を示す。
図45A】円筒形アクセスパネルの上面斜視図を示す。
図45B】円筒形アクセスパネルの底面斜視図を示す。
図45C】円筒形駆動クリップ(本明細書では、「cyl駆動クリップ」とも呼ばれる)および円筒形チャネルガイド(本明細書では、「cylチャネルガイド」とも呼ばれる)を備えた3つのアクセスパネルの境界を投影する底面斜視分解図を示す。
図46A】ハブ位置「0」(閉止)における左ハブおよびドラム組立品の側面クローズアップ図を示す。
図46B】ハブ位置「1」(1つのパネルが収納された)における左ハブおよびドラム組立品の側面クローズアップ図を示す。
図46C】ハブ位置「2」(2つのパネルが収納された)における左ハブおよびドラム組立品の側面クローズアップ図を示す。
図46D】ハブ位置「3」(3つのパネルが収納された)における左ハブおよびドラム組立品の側面クローズアップ図を示す。
図46E】ハブ位置「4」(アクセスパネル開放)における左ハブおよびドラム組立品の側面クローズアップ図を示す。
図47A】A)閉止状態(ハブ位置「0」)でのSCチャンバーのパネルの立面平面図を示す。
図47B】1つのアクセスパネルが収納された状態(ハブ位置「1」)でのSCチャンバーのパネルの立面平面図を示す。
図47C】2つのアクセスパネルが収納された状態(ハブ位置「2」)でのSCチャンバーのパネルの立面平面図を示す。
図47D】3つのアクセスパネルが収納された状態(ハブ位置「3」)でのSCチャンバーのパネルの立面平面図を示す。
図47E】全てのアクセスパネルが収納された状態(ハブ位置「4」)で、滅菌ショッピングカートハンドルへのアクセスを可能にする、SCチャンバーのパネルの立面平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためであり、本発明を制限することを意図していない。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、1つまたは複数の関連リスト項目の組み合わせの全てを含む。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈により別義が明示されない限り、複数形ならびに単数形を包含することが意図されている。
【0025】
用語の「含む(comprise)」および/または「含む(comprising)」は、本明細書中で使用される場合、述べられた特徴、ステップ、操作、要素、および/または成分の存在を明示するが、1つまたは複数のその他の特徴、ステップ、操作、要素、成分および/またはそれらの集合の存在または追加を排除しないこともさらに理解されよう。
【0026】
別段に定義されていない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術的および科学的用語を含む)は、本発明が属する分野の当業者に通常理解されているものと同じ意味を有する。よく使われる辞書で定義されるものなどの用語は、当該技術および本開示との関連で、それらの意味に一致する意味を有すると解釈されるべきであり、理想化されたまたは過度に格式ばった意味に解釈されることは、本明細書中で明示的にそのように定義されない限り、ないであろうこともさらに理解されよう。
【0027】
次の詳細説明は、読者が本明細書で記載の方法、製品、および/またはシステムの全面的な理解を得るのを支援するために提供される。しかし、本明細書で記載の方法、製品、および/またはシステムの種々の変形物、修正物、および等価物は、当業者には明らかであろう。
【0028】
本発明の記載では、多数の技術およびステップが開示されることは理解されよう。これらのそれぞれは、個別の利点があり、各々はまた、1つまたは複数の、またはいくつかの事例では、全ての他の開示技術と共に、使用できる。従って、この説明では、わかりやすくするために、個々のステップの可能な全ての組み合わせを不必要に繰り返すことは控える。とはいえ、このような組み合わせは、本発明の範囲に完全に含まれるという理解を前提として、本明細書は読まれるべきである。
【0029】
ヒト接触箇所の無生物(以降では「媒介物」と呼ばれる)からの病原菌を汚染除去し、感染性疾患の拡散を防ぐために、使用の間に、風媒性の病原体から媒介物を密閉する新規方法および装置が本明細書で考察される。本発明では、媒介物の例には、限定されないが、ドアハンドル、洗面所掛け金、本締めボルト、ガスポンプハンドル、小売店頭(POS)端末、現金自動預入支払機、ショッピングカートハンドル、エレベーター制御パネル、公衆電話、ペーパータオル取り出しレバー、トイレハンドルおよびシート、などが挙げられる。次の記述では、説明のために、本発明の完全な理解を提供するために、多くの具体的詳細が記述される。しかしながら、本発明はこれらの具体的詳細がなくても実施が可能であることは、当業者には明らかであろう。
【0030】
本開示は、本発明の例示と見なされるべきであり、本発明を以下の図または記述により説明される特定の実施形態に限定する意図はない。
【0031】
ある実施形態では、ヒト接触箇所の媒介物の滅菌および密閉の方法が提供される。固体外板を含む装置は、媒介物に近接し、またはそれに取り付けて、風媒性病原体から媒介物を密閉するチャンバーを形成する。外板は前部に切り欠き部および後部開口部を含む。前部切り欠き部は、接触箇所の前に適切に配置され、1種または複数の収納式パネルで密閉され、これは、収納された場合、媒介物への使用者のアクセスを可能にする。外板の後部は、媒介物が取り付けられる台板により、または構造物により直接に密閉される。使用が終わるたびに、殺菌工程は完了して、微生物を死滅/不活化させ、続けて、装置を密閉のまま維持し、センサー技術による使用者検出時にのみ開いて、風媒性病原体の使用中の媒介物への付着を防ぐ。
【0032】
ある実施形態では、病原菌からヒト接触箇所の媒介物を汚染除去し、密閉するように構成された器具(「装置」または「チャンバー」とも呼ばれる)が提供される。装置は、固体外側前部外板を含み、これは、媒介物を覆って配置され、媒介物に隣接して、またはそれに取り付けて固定し、密閉チャンバーを形成する。外板は、媒介物の前部の開口部を特徴とし、これは、1つまたは複数の収納式パネルにより密閉され、後部には別の開口部があり、これは、台板により完全にまたは部分的に取り囲まれる。チャンバーの内部は、アルミニウム箔、PTFE、UV反射性塗料、またはUV反射率を最大化することがわかっている任意の類似の物質などのUV-C反射物質でコートされる。チャンバー内部はまた、適切な適用範囲および媒介物の周りに最も効果的な配置を確保するように、台板および/または収納式パネルを含む上部のハウジング組立品に固定または調節可能角度で最適に取り付けられた、1つまたは複数の紫外線-C波長LED半導体チップ(以降では、「UV-C」、「UV-C源」または「チップ」と呼ばれる)を含み、使用者との相互作用が終わる毎に、紫外線殺菌照射(本明細書では「UVGI」とも呼ばれる)により数秒以内に近くの病原菌を死滅させる。この実施形態では、UV-Cは好ましくは、それらの線量を265nmの最適波長で送出する。装置は、UVGIサイクル後、風媒性病原体が使用者間で媒介物を汚染するのを防ぐために、密閉されたままで維持される。センサー技術による使用者の検出時には、アクセスパネルが収納され、病原菌不含媒介物への妨害を受けないアクセスを提供し、次いで使用後に閉止され、UVGIサイクルおよび風媒性病原体からの媒介物の密閉が再度実施される。
【0033】
特定の実施形態では、装置は、265nmの代わりに、207~222nmの範囲のfar UV-Cなどの単一の代替UV-C波長から構成して、代替波長で最適に不活化し得る特異的病原菌(単一または複数)を標的にしてもよい。特定の実施形態では、装置は、チャンバー内で多波長UV-Cアレイから構成して、代替波長で最適に不活化される種々の種類の病原菌を標的にしてもよい。例えば、いくつかのタンパク質ベース病原菌は、265nmではなく、220nmで最適に死滅するが、他の病原菌は、280nmの波長に対し感受性がより高い場合がある。特定の実施形態では、装置のチャンバーは、非オゾン産生UV-Cと併せて、または独立型殺菌方式として採用できる185nmの波長で稼働するオゾン産生UVから構成してもよい。特定の実施形態では、チャンバー内のUV光源は、LED、パルスキセノン、低圧水銀、または任意の他の好適な光送達送フォーマットであり得る。特定の実施形態では、装置は、背面台板なしの単一の自立型ハウジングから構成されてもよい。
【0034】
特定の実施形態では、媒介物を含む器具または製品に一体化されるように構成された本明細書で記載のいずれかの病原菌汚染除去器具を含む病原菌汚染除去システムも提供される。本発明において、媒介物を含む器具または製品の例としては、限定されないが、ドア、トイレの個室、本締めボルト、ガスポンプ、小売店頭(POS)端末、現金自動預入支払機、ショッピングカート、エレベーター、公衆電話、紙タオルディスペンサー、コンピューターキーボード、トイレなどが挙げられる。
【0035】
以下では、好ましい実施形態である添付の図面を参照することにより、本発明が説明される。図の1A~17Eは、広範囲のヒト接触箇所の媒介物で使用するための病原菌汚染除去チャンバーの実施形態について記載する。
【0036】
図1A~1Dは、ヒト接触箇所の媒介物115のための、病原菌汚染除去チャンバー(本明細書では、「チャンバー」または「装置」とも呼ばれる)100の正面図、側面斜視図、正面斜視図、および立面後面斜視図をそれぞれ示す。図1Aは、病原菌汚染除去チャンバー100の外側の正面図を示し、上部ハウジング組立品101(本明細書では、「UHA」とも呼ばれる)の外面要素も明らかにする。シャーシ102は、チャンバー100の外板であり、媒介物115に対する前面アクセスを提供するための中央部切り欠き部ならびに媒介物115上への、およびチャンバー100の背面の台板組立品118(図1D)に隣接した配置を可能にするための開放背面領域(図1D)を含む。シャーシ102は、プラスチック、アルミニウム、炭素繊維、ガラス繊維、または任意の他の好適な材料で構成できる。切り欠き部の後部に、装置100のための4つのアクセスパネルの集合体(本明細書では、「アクセスパネル」または「パネル」とも呼ばれる)を含むアクセスパネル群103が、紫外線殺菌照射(本明細書では、「UVGI」または「UVGIサイクル」と呼ばれる)サイクルの間に、およびアクセスが必要ない場合に、風媒性微生物による再汚染を防ぐために、アクセスチャンバー100の正面を密閉するように配置される。
【0037】
図1Aはまた、アクセスパネル103の底部近くに配置され、出力損失または機械的機能不全の場合には上げ下げするための組み込まれた緊急事態ハンドル104を示す。アクセスセンサー106は、アクセスパネル103の下に配置され、使用者の存在を認識し、アクセスパネル103の開放を開始させる。2つのチャンバーステータスランプ105は、アクセスセンサーの両側に配置され、システムの作動可能状態、すなわち、電力オン、UVGI進行、機能不全、および電池状態を目視により報告する。
【0038】
図1Bは、図1Cでも示される、障害物センサー110を露呈させるために部分的に収納されたアクセスパネル151の#4(本明細書では、「駆動パネル」とも呼ばれる)を備えたチャンバー100の側面斜視図を示す。チャンバーの右側は、電池アクセスドア107、電池リリースラッチ108(本明細書では、「電池ラッチ」とも呼ばれる)、および電池ロック109からなる。好ましい実施形態では、電池126は、リチウムニッケルマンガン酸化コバルト酸化物(Li-NMC)、リチウムイオン(「Liイオン」)、またはチャンバーの動作を最適化すると思われる任意の他の持続性タイプであり得る。特定の実施形態では、装置は、AC結線、無線、太陽光、または動作するのに十分な電力を供給する任意の他の手段により動力供給できる。
【0039】
図1Cは、パネル区画111中に隆起した(目視できない)アクセスパネル103を備えたチャンバー100の正面図を示し、矩形破線により示されるように、アクセスパネルフレーム113(本明細書では、「APフレーム」とも呼ばれる)、組み込まれたパネルレール112(本明細書では、「レール(複数)」、または個別に「レール(単数)」とも呼ばれる)、サポートブリッジ114、および媒介物115を含むアクセスパネル組立品139(本明細書では、「AP組立品」とも呼ばれる)の周辺部品を露呈している。図1Cはさらに、アクセスパネル103の閉鎖の間の使用者または異物の存在を検出し、チャンバー100が閉鎖手順を逆転させ、アクセスパネル103をパネル区画111中に収納することを促す、障害物センサー110の位置を明らかにしている。チャンバー100の背面は、図1Dの立面図で示されており、台板組立品118および矩形破線により境界が画定された媒介物115の例を含む。
【0040】
図2を参照すると、立面背面斜視分解図は、上部ハウジング組立品101および台板組立品118内に含まれるチャンバーの100の主要部品を示す。対角線上を右上部から左下部まで見ると、シャーシ102の背面図が例示されている。駆動モーター119、駆動シャフト120(本明細書では、「シャフト」とも呼ばれる)、プーリー121、およびアクセスパネル103を含む駆動装置組立品122が、アクセスパネル103に整列させるように、シャーシ102の正面中央開口部に取り付けられる。UV反射コーティング124を含むu形状囲い板123は、駆動モーター119上に固定され、囲い板の脚部123は、駆動装置組立品122の側面をカバーするように伸びる。UV-C125は、囲い板の垂直アームに隣接して取り付けられ、その位置から直接にUVGI線量を媒介物115の正面および/または側面に送達する。特定の実施形態では、UV-C125は、媒介物115に面するアクセスパネル103の背面上を含む、上部ハウジング組立品101内の他の位置に取り付けて、最適UVGI線量を送達してもよい。電池126は、囲い板123の最上部に固定されて、上部ハウジング組立品101の主要部品が完成される。UV-C切り欠き部127からなる台板カバー117、続けて、マイクロコントローラー128および媒介物115に隣接して配置されるUV-C125からなる台板116を上部ハウジング組立品101の背面に取り付ける。組み合わせた台板カバー117および台板116は、図3Dに示すように、台板組立品118を形成する。
【0041】
ここで、図3A~Dを参照すると、図3Aおよび3Bは、それぞれ、台板116および台板カバー117の正面図を示し、それぞれは、2つの片側部、LとRに分離される。右側の台板116-Rおよび台板カバー117-Rはそれぞれ、上端および底部インターロックオスタブ129を含み、これらは、台板116-Lおよび台板カバー117-Lの左側のメスタブ受け具130(まとめて、「インターロックタブ」と呼ばれる)に結合する。これは、図3Dに示すように、台板116および台板カバー117を、および台板組立品118を形成する単一の組み合わせ単位として、媒介物115の基部に隣接して取り付けることを可能にする。
【0042】
図3Aに戻ると、台板116は、チャンバー100の電力、センサー、機械的および全てのプログラム機能を管理するマイクロコントローラー128を含む。好ましい実施形態では、台板116は、調節可能なUV-C取り付けスタンド131に固定されている接着ストリップ内に組み込まれる、またはそれに固定される1種または複数のUV-C LEDチップ125(本明細書では、「UV-C」、「UV-C源」、または「チップ」とも呼ばれる)も含む。UV-C取り付けスタンド131はその後、台板116に隣接して取り付けられる。台板に固定されたUV-C125は、波長を、正面または表面への接触を受ける割合が小さいドアハンドル155(図15B)などの正面ではなく、それらの領域の一部または全てのヒト接触を受ける媒介物115の背面および側面に向けることを可能にする。代替的実施形態では、UV-C取り付けスタンド131は取り外され、UV-C125が台板116に直接固定されることを可能にする。
【0043】
図3AのUV-C125への参照を継続すると、好ましい実施形態は、UV-C LEDの125が正確に、紫外線滅菌のための最適波長として広く認識されている265nmで実行されることを目的とする。実質上、全ての病原菌は、UV-C125により265nmの波長で不活化されることが実証されているが、いくつかのタンパク質ベース病原菌に対する最適波長は、220nmであり、一方、他のものは、280nmより近くで最も急速に不活化される。従って、代替的実施形態は、チャンバー100の内側全体に配置され、特異的に特定の種類の病原菌を標的とするためにパルスフォ-マットで送達する多波長またはマルチモードUV-C125アレイを必要とする。
【0044】
図3Bに示すように、台板カバー117は、PTFE反射板、塗料、アルミニウム箔またはUV反射率を高めることが明らかになっている任意の他の材料またはコーティングなどのUV反射性材料または物質124でコートされる。台板カバー117は、UV-C切り欠き部127を有し、これは、台板116のUV-C125上に直接配置される。好ましい実施形態では、UV-C切り欠き部127は、カバーされないが、特定の実施形態では、それらは、用途により必要に応じて、UV-C125を密閉するために好適な半透明材料でカバーされ得る。
【0045】
図3Cの正面分解投射図に示すように、台板カバー117を台板116に被せて、図3Dに示すように、それらは、一緒に、台板組立品118を形成する。台板116および台板カバー117は、プラスチック、金属、または任意の他の好適な材料で構成できる。これは好ましい実施形態であるが、代替実施形態は、一体型台板116および媒介物115を通って配置を可能とする中空コア部を有するカバー、カバーのない台板116、単一の一体型台板116とカバー、または本明細書で記載されない他の実施形態などを目的の結果を達成するために採用し得る。
【0046】
ここで、図4を参照すると、台板カバー117および台板116上に投射した上部ハウジング組立品101(「UHA」)の分解正面図がさらに詳細に示される。UV-C125およびマイクロコントローラー128を備えた台板116は、媒介物115に隣接して取り付けられ、UV-C切り欠き部127を備えた台板カバー117を、台板116に取り付け、一緒に、図3Dに示す、台板組立品118を形成する。上部ハウジング組立品101はその後、媒介物115を覆って配置され、台板組立品118に固定され、チャンバー100を稼働可能にする。代替実施形態では、上部ハウジング101および台板組立品118は、組立済みであり、チャンバー100を媒介物115に一体のものとして取り付け可能にする。
【0047】
図5は、取り付け基部132を含むUV-C取り付けスタンド131、旋回プレート134、およびUV-C取り付けトレー137(本明細書では、「UV-Cトレー」、「トレー」、または「取り付けトレー」とも呼ばれる)の平面分解図を示す。破線投射矢印により示されるように、旋回プレート134は、取り付け基部132に結合し、旋回プレートネジおよびワッシャー135は、旋回プレートの中心を通って、取り付け基部132中のねじ山付きねじ受体133中に配置され、旋回プレート134を水平に旋回可能とする。UV-Cトレー137は、取り付けトレーヒンジネジ138を使って、旋回プレート134の両側に並行に、向かい合って配置された旋回プレートヒンジ136に結合し、UV-Cトレー137が旋回軸前方におよび後方に旋回するのを可能にする。UV-C取り付けスタンド131を台板116に固定すると、最も効率的にそのUVGI機能を遂行するために、UV-C125は、UV-C線量を最適方向および角度で送達するように配置できる。
【0048】
図6A~Fは、UV-C取り付けスタンド131により適用される方向および角度の柔軟性を示す。図6Aは、15°増分での15°~90°の範囲の旋回軸角の側面図を示す。図6Bは、30°前方角度の正面斜視図を示し、図6Cは、傾斜角75°の平面図を示し、図6Dは、45°の傾斜角の正面斜視図を示し、図6Eは、傾斜角15°の正面斜視図を示し、および図6Fは、取り付けスタンド131の旋回の範囲の平面図を示す。
【0049】
ここで、図7を参照すると、アクセスパネル組立品139(本明細書では、「AP組立品」とも呼ばれる)の正面クローズアップ図が示されている。AP組立品139は、アクセスパネルフレーム113(本明細書では、「APフレーム」とも呼ばれる)に隣接するアクセスパネル群(本明細書では、「アクセスパネル」とも呼ばれる)103、パネルレール112、および並行に配置され、向かい合って配置されて左および右側のAP組立品139を形成するサポートブリッジ114を含む。
【0050】
図8Aは、並行に、左および右側の、向かい合って配置されたアクセスパネルフレーム113、パネルレール112、およびサポートブリッジ114の平面図を示す。アクセスパネルフレーム113を参照すると、図8Bに示すように、アクセスパネル103が動作中に、滑り作用を改善し、摩擦を減らすために、それぞれナイロングライド140が並んで示される、3つの組み込まれたパネルレール112が存在する。この4パネルの実施形態の4番目のレールは、サポートブリッジ114として確認されるアクセスパネルフレーム113の基部と、3番目の組み込まれたパネルレールの下端との間に形成される開口部である。
【0051】
部品群として認識されるパネルレール112に加えて、それぞれ個別のパネルレールは、この4パネル実施形態中で、個別に、レール#1~4の範囲であることが図8Aで明らかになる。上端のレールから底部のレールまでの左側の図(左から右へ示されている)を考察すると、この4パネル構成のレール143の#1は、そのパネル区画111位置からチャンバー100の開口部の最初の25%を遮蔽するために移動する。レール144の#2は、チャンバー100の開口部の25~50%部分を遮蔽する。レール145の#3は、開口部の50~75%部分を遮蔽する。レール145の#4(本明細書では、「駆動レール」とも呼ばれる)は、サポートブリッジ114と認識されるアクセスパネルフレーム113の基部と、パネルレール145の#3の下端との間に形成される開口部であり、チャンバー100の開口部の75~100%(底部)を遮蔽し、チャンバー100の閉止および密閉を完結する。
【0052】
図9Aおよび9Bは、それぞれ、駆動クリップ141の平面および側面図を示す。駆動クリップ141は、駆動パネル151の外側右および左部分に結合し(または、任意選択で、その中に成形され)、その環状フォーク部は、駆動チェーン147に結合し、駆動パネル151をそれぞれの方向に動かす。駆動クリップ141の平坦基部は、APフレーム113の突き出たエッジ(本明細書では、サポートブリッジ114と呼ばれる)上を移動し、収納中にパネル支持アーム142に対し当接させ、それぞれのパネル103が同期および安定性を維持することを確実にする。
【0053】
図9Cおよび9Dは、それぞれ、AP群103内の各個別のアクセスパネルの外側左および右側に取り付ける(または任意選択で、その中に成形する)支持アーム142の立面側面図および側面クローズアップ図を示す。支持アーム142の基部は、サポートブリッジ114に沿って横方向に動き、アクセスパネル103の同期を安定化し、維持する。収納中、支持アーム142は、それらが動かされ、詰め重ねられ、パネル区画111中で待機させられるにつれて、駆動クリップにより押し込まれる。
【0054】
図10A~10Cは、左側アクセスパネルフレーム113、パネルレール112、およびサポートブリッジ114(図11の取り付けパネル103の図により裏付けられる)の側面断面図を示す。図10Aは、図8Aの平面図で同様に言及されたように、レール143の#1を上端レールとして明らかにし、アクセスパネル148の#1(図11)のための側面支持体としての役割を果たし、これは、パネル103が完全に閉止される場合、チャンバー100の上部25%の密閉に関与する。レール144の#2は、アクセスパネル149の#2(図11)に隣接し、チャンバー100の開口部の25~50%を密閉し、レール145の#3は、アクセスパネル150の#3(図11)に隣接し、50~75%を密閉し、およびレール146の#4(駆動レール)は、アクセスパネル151の#4(本明細書では、「駆動パネル」とも呼ばれる)(図11)に隣接し、75~100%を密閉する。図10Bは、それらのそれぞれのパネルからサポートブリッジ114まで伸ばした支持アーム142および駆動クリップ141の透視図を加えることにより、10Aから詳細さを高めている。さらに、図10Bは、プーリー121および駆動チェーン位置147のアクセスパネルフレーム113に対する分解投影図を示す。図10Cは、プーリー121および駆動チェーン147をこの実施形態の位置に配置することにより、この図を完結している。この図は、チャンバーの右側に反映される。
【0055】
図11は、APフレーム113、サポートブリッジ114、レール112、およびアクセスパネル103を含み、アクセスパネル103が閉位置にあり、各パネルがそれらそれぞれに専用のパネルレール112に連結された(図10Aで以前に示した)、アクセスパネル組立品139の側面断面クローズアップ図を示す。図11の図を右から左へ見ると、パネル148の#1は、チャンバー100の前面の上部25%を密閉し、続けて、パネル149の#2、パネル150の#3、およびパネル151の#4(本明細書では、「駆動パネル」とも呼ばれる)は、この4パネル実施形態では、チャンバー100の残部を25%ずつ増やして密閉する。収納されると、パネル103は、相互に詰め重ねられ、パネル区画111中で「待機させられ」て、図12Eで明確に示されるように、媒介物115適用範囲領域の外側のチャンバー100の設置面積を減らす。この実施形態では、プーリー121は、APフレーム113の各末端に配置され、駆動チェーン147は、サポートブリッジ114の上端と底部の周りをループする。
【0056】
ここで、AP組立品139の動作をより詳細に参照すると、図12A~Eは、4パネル実施形態での5段階のパネル収納の側面断面クローズアップ図を示す。図12Aは、閉位置でのアクセスパネル103を示す。パネル151の#4(駆動パネル)は、アクセスパネル103の底部に配置され、それが収納されるに伴い、図12Bに示すように、アクセスパネル150の#3を押し始める。パネル150の#3は、駆動パネル151により収納され続けるので、それは、図12Cに示されるように、パネル149の#2を捕捉する。駆動パネル151、アクセスパネル150の#3、およびアクセスパネル149の#2は、それらがパネル148の#1と接続するにつれて、同期して収納され続ける(図12Dに示すが、この図では、全てのアクセスパネル103が相互に詰め重ねられている)。図12Dに示されるチェーン147は、駆動パネル151を収納し続け、パネル149の#2に、それらが全てパネル区画111(パネル区画領域は、図12A~E中の垂直破線により境界が画定されている)中のそれらのレール143、144、145、146内に収容されるまで、図12Eに示すように、パネル148の#1を捕捉させる。
【0057】
図13は、駆動モーター119、駆動シャフト120、プーリー121、チェーン147、アクセスパネルフレーム113、レール112、サポートブリッジ114、AP148、149、150、151の#1~4(この図では、個別に呼ばれる)を含むアクセスパネル103、支持アーム142、駆動パネル151、駆動クリップ141、チャネルガイド153、ガイドクリップ152、パネル区画111、およびUV反射コーティング124を含む駆動装置組立品122の背面クローズアップ図を示す。駆動モーター119の作動時には、駆動シャフト120およびプーリー121は、チェーン147および取り付けられた駆動クリップ141を動かし始め、これは、次に、駆動パネル151の移動を開始させる。2つの向かい合って配置されたガイドクリップ152は、駆動パネル151の水平前縁に、およびその後、それぞれ、アクセスパネル103に取り付けられ(またはそれに組み込まれ)、ガイドクリップ152の突き出ている先端が隣接するチャネルガイド153にはめ込まれる。収納中、駆動パネル151上の2つのガイドクリップ152は、アクセスパネル150の#3のチャネルガイド153内で垂直に動き、アクセスパネル149の#2の方向にそれを押し始める。アクセスパネル150の#3上のガイドクリップ152および、その後、それらの隣接するチャネルガイド153内でアクセスパネルがそれぞれ移動して、アクセスパネル103がパネル区画111内に待機させられるまで、隣接するパネルを適切な方向に押す。アクセスパネル103は、支持アーム142およびサポートブリッジ114に沿ってスライドし、それにより支えられる駆動クリップ141の基部により、移動中に、安定化および同期される。代替実施形態では、駆動装置組立品122は、限定されないが、ベルト、バネ、磁石、および液圧、空気圧、または電気的線形アクチュエーターを含むアクセスパネルを上下できる任意の機序からなり得る。
【0058】
図14は、上部ハウジング組立品101の内部の背面クローズアップ図を示す。この図で示された部品は、シャーシ102、電池126、パネル区画111、UV-C125、UV-C取り付けスタンド131、支持アーム142、チャネルガイド153、ガイドクリップ152、駆動クリップ141、緊急事態ハンドル104、障害物センサー110、アクセスパネル103、およびUV反射面124(目視できない)を含む。
【0059】
図15A~Dは、チャンバー内の異なる媒介物115の位置決めを示す例を示している、収納されたアクセスパネル103を備えた病原菌汚染除去チャンバー100の正面斜視図を示す。図15Aは、エレベーター制御パネル154に隣接する病原菌汚染除去チャンバー100を示す。図15Bは、劇場および公会堂で使用されるものなどの内部垂直バー型ドアハンドル155に隣接するチャンバー100を示す。図15Cは、空港およびホテルのものなどのウオールに取り付けられた無料電話156に隣接したチャンバー100を示す。図15Dは、洗面所本締めボルトハンドル157に隣接したチャンバー100を示す。
【0060】
図16は、ヒト接触箇所の媒介物115で使用するための病原菌汚染除去チャンバー100の1種の動作を示すフローダイヤグラム158を示す。待機モードでは、アクセスセンサー106は、使用者の存在を監視し、その定義は、用途に応じて変化する。特定の実施形態では、使用者は、チャンバー100の一定の距離、すなわち、6フィート、以内の任意の人として定義され得、一方で、特定の他の実施形態では、使用者は、センサー106の一定の範囲、すなわち、6インチ、以内に手を置いた誰かと定義され得、一方で、またさらに他の実施形態では、使用者は、モバイルアプリケーション、キーフォブ、またはチャンバー100により認定された使用者として定義される類似の方法もしくは器具を有するチャンバー100の範囲内の誰かとして定義され得る。使用者が検出された場合、アクセスパネル103は収納され、プログラムされた期間、またはセンサー106がもはや何らの障害物も検出しなくなるまで、または両者の組み合わせの間、開放のまま残される。閉鎖基準が適合する場合、アクセスパネル103は閉鎖を開始し、障害物または新しく定義された使用者の場合にのみ閉鎖を停止し、その場合には、アクセスパネル103は再度収納を開始する。装置100が密閉されると、UVGIサイクルが開始される。サイクルが進行中に使用者が検出される場合、サイクルは停止され、アクセスパネル103は開放される。UVGIサイクルが完了すると、アクセスパネル103は、風媒性病原体による再汚染を防止するために、閉止のままになり、装置100は、使用者の存在が検出されるまで、待機状態のまま残される。
【0061】
図17A~Eは、エレベーター制御パネル154を媒介物115の例として用いて、5段階のパネル収納を示す病原菌汚染除去チャンバー100の正面斜視図を示す。図17Aは、閉止および密閉されたチャンバー100を示し、図17Bは、パネル151(駆動パネル)の#4が収納されたチャンバー100を示し、図17Cは、チャンバー100の50%開放を示し、図17Dは、チャンバー100の75%開放を示し、および図17Eは、滅菌し、病原菌不含エレベーター制御パネル154を露呈している開放チャンバー100を示す。
【0062】
代替的実施形態を参照すると、図18A~20Bは、市販のドアハンドルとロックによる病原菌汚染除去チャンバー200(本明細書では、「DHLチャンバー」とも呼ばれる)を示す。この実施形態は、台板116および台板カバー117の構成を別にして、本発明の図1A(病原菌汚染除去チャンバー)と変化はない。従って、本発明の図は、その変更および得られた本発明の実施形態に限定される。
【0063】
図18A~Dの前部で示されるように、この実施形態でのドアハンドルとロック台板組立品203(本明細書では、「DHL台板組立品」とも呼ばれる)は、媒介物115の輪郭に適合するように、形状はめ込み型切り欠き部、この場合には、市販のドアハンドルとロック204、を有する。図18Aは、オス129およびメス130インターロックタブを用いてハンドル&ロック203の基部に隣接してはめ込まれるように作成された、マイクロコントローラー128、UV-C125、およびUV-C取り付けスタンド131を含む2つの部分から成るドアハンドルとロック台板(本明細書では、「DHL台板」とも呼ばれる)の左側と右側、201_L、201_Rを示す。得られた一体型DHL台板201を図18Bに示す。図18Cは、DHL台板201にはめ込まれるように作成されたUV反射コーティング124およびUV-C切り欠き部127を含むはめ込み型ドアハンドルとロック台板カバー(本明細書では、「DHL台板カバー」とも呼ばれる)の取り外された左側および右側、202-L、202-Rを示し、図18Dは、得られたDHL台板組立品203を示し、UV反射コーティング124は、ドアハンドルとロック204に隣接してはめ込まれている。
【0064】
図19Aは、DHL台板組立品203に隣接する位置に投射された上部ハウジング組立品101の分解正面図に加えて、隣接してはめ込まれた、図18Dから図を挿入したDHL台板組立品203を備えた市販のドア205、ハンドル、およびロック204の遠位正面斜視図を示す。図19Bは、アクセスパネル103を開放して、隣接するドアハンドルとロック204を露呈している市販のドア205に取り付けられたDHL病原菌汚染除去チャンバー200の正面斜視図を示す。
【0065】
ここで別の実施形態を参照すると、図20A~21Cは、ガスポンプハンドル病原菌汚染除去チャンバー(本明細書では、「GPチャンバー」とも呼ばれる)を示す。この実施形態は、台板116および台板カバー117の構成を別にして、本発明の図1A(病原菌汚染除去チャンバー)の実施形態と変化はない。従って、この図は、その変更および得られた本発明の実施形態の説明に限定される。
【0066】
図20A~Dの正面図で示されるように、この実施形態でのガスポンプ台板組立品303(本明細書では、「GP台板組立品」とも呼ばれる)は、媒介物115の輪郭に適合するような形状はめ込み型切り欠き部、この場合にはガスポンプハンドル304(本明細書では、「GPハンドル」または「ガスポンプ」とも呼ばれる)、を有する。図20Aは、オス129およびメス130インターロックタブを用いてガスポンプハンドル304および収納式ホースウェル305の基部に隣接してはめ込まれるように作成された、マイクロコントローラー128、UV-C125、およびUV-C取り付けスタンド131を含む2つの部分から成るガスポンプ台板(本明細書では、「GP台板」とも呼ばれる)の左側と右側、301-L、301-Rを示す。得られた一体型GP台板301を、GPハンドル304および収納式ホースウェル305に隣接して、図20Bに示す。 図20Cは、GP台板301上にはめ込まれるように作成されたUV反射コーティング124およびUV-C切り欠き部127を含む取り外された左側および右側はめ込み型ガスポンプ台板カバー302-L、302-R(本明細書では、「GP台板カバー」とも呼ばれる)を示し、図20Dは、得られた、GPハンドル304および収納式ホースウェル305に隣接してはめ込まれたUV反射コーティング124を備えたGP台板組立品303を示す。
【0067】
図21Aは、ガスポンプハンドル304に隣接する位置に投射された上部ハウジング組立品101の分解正面図に加えて、図20Dから図を挿入したUV反射コーティング124を有する隣接してはめ込まれたGP台板組立品303を有する、ガスポンプハンドル304および収納式ホースウェル305の遠位正面斜視図を示す。図21Bは、パネル103を開放して、隣接するガスポンプハンドル304および収納式ホースウェル305を露呈しているGP病原菌汚染除去チャンバー300の正面斜視図を示す。図21Cは、ガソリンスタンドサービス台座306内のガスポンプハンドル304に隣接する、閉位置のガスポンプハンドル病原菌汚染除去チャンバー300の例を示す。
【0068】
ここで、本発明の別の実施形態を参照すると、図22A~Dは、それぞれ、洗面所掛け金病原菌汚染除去チャンバー400(本明細書では、「RSチャンバー」とも呼ばれる)の実施形態における単一パネル病原菌汚染除去チャンバーの正面閉鎖図、側面斜視図、正面開放図、および上面斜視図を示す。図22Aに示すように、RSチャンバーの前面は、洗面所駆動パネル412(アクセスパネル)(本明細書では、「RS駆動パネル」とも呼ばれる)、緊急事態ハンドル104、アクセスセンサー106、およびアクセスセンサー106の右側に4つのシステムステータスランプ105を含み、仕切り掛け金406は、側面から突き出ている。
【0069】
図22Bに示すように、立面斜視図は、掛け金出入り口404に隣接する位置に投射されたブラシシールド405の分解図に加えて、RSチャンバー400の側面上に掛け金出入り口404を示す。ブラシシールド405は、掛け金出入り口404を構成し、掛け金出入り口404を密閉し、同時に、仕切り掛け金406(本明細書では、「掛け金」とも呼ばれる)に外側移動を可能にする自由度を有するように、多層の、密であるが柔軟な繊維からなる。ブラシシールド405の内向きの繊維は、UV反射コーティング124で層状に重ねられて、UV反射性を促進し、同時に、外向きの層は、RSチャンバー400の内部から光が逃げるのを防ぐのに十分に緻密である。特定の他の実施形態では、ブラシシールド405は、掛け金406を横方向に移動するのと同時に、掛け金出入り口404を密閉し続ける任意の材料または物質で構築し得る。特定の他の実施形態では、RSチャンバー400は、ブラシシールド405を含まなくてもよい。
【0070】
図22Cは、駆動パネル412がパネル区画111に収納されて、掛け金406への使用者アクセスを可能にするRSチャンバー400の正面図を示し、RSチャンバー400の底部のすぐ近くに配置された障害物センサー110を明らかにする。RSチャンバー400の立面上面斜視図は、図22Dで認められ、電池アクセスドア107、電池リリースラッチ108(本明細書では、「電池掛け金」とも呼ばれる)、および電池ロック109(本明細書では、「安全性ロック」とも呼ばれる)を示す。
【0071】
図23A~Dの正面図で示されるように、洗面所掛け金台板組立品403(本明細書では、「RS台板組立品」とも呼ばれる)は、媒介物115の輪郭に適合するように、形状はめ込み型切り欠き部、この場合には洗面所掛け金406(本明細書では、「仕切り掛け金」とも呼ばれる)、を有する。図23Aは、オス129およびメス130インターロックタブを用いて、仕切り掛け金406の基部に隣接してはめ込まれるように作成されたマイクロコントローラー128、UV-C125、およびUV-C取り付けスタンド131からなる、2つの部分から成る洗面所扉用錠台板401(本明細書では、「RS台板」とも呼ばれる)の左側および右側を示す。得られた一体型RS台板401を図23Bに示す。 図23Cは、RS台板401上に、および仕切り掛け金406に隣接してはめ込むように投射されたUV-C切り欠き部127およびUV反射コーティング124を含む2つの部分から成る洗面所掛け金台板カバー402(本明細書では、「RS台板カバー」とも呼ばれる)の左側および右側を示し、図23Dは、仕切り掛け金406にはめ込まれた、UV反射コーティング124を有する、得られたRS台板組立品403を示す。
【0072】
ここで、図24を参照すると、洗面所掛け金アクセスパネル組立品413(本明細書では、「RSアクセスパネル組立品」とも呼ばれる)の正面クローズアップ図が示されている。第2のパネルのためのレールも同様に含む以前のマルチパネル実施形態とは対照的に、RSアクセスパネル組立品413は、アクセスパネルフレーム113、サポートブリッジ114、およびRS駆動パネル412を含む。機能性は、以前の実施形態と同じままである。アクセスセンサー106、ステータスランプ105、障害物センサー110、および緊急事態ハンドル104も同様に示される。
【0073】
図25は、駆動モーター119、駆動シャフト120、プーリー121、駆動チェーン147、アクセスパネルフレーム113、サポートブリッジ114、駆動クリップ141、チャネルガイド153、ガイドクリップ152、障害物センサー110、RS駆動パネル412、および緊急事態ハンドル104を含む洗面所掛け金駆動装置組立品410(本明細書では、「RS駆動装置組立品」とも呼ばれる)の背面クローズアップ図を示す。機能性は、本発明の1Aと同じである。
【0074】
図26は、UV反射コーティング124を含む洗面所仕切りシャーシ409(本明細書では、「RSシャーシ」とも呼ばれる)、UV反射コーティング124を含むRS駆動装置組立品410、UV反射コーティングを含む囲い板123、UV-C125、およびUV反射コーティング124を含む電池126を含む洗面所掛け金上部ハウジング組立品408(本明細書では、「RS UHA」とも呼ばれる)の分解後面斜視図を示す。機能性は、本発明の図1Aと一致するままであるが、しかし、物理的構造は、追加のパネル、パネルレール、および関連支持部品を除く単一パネル実施形態であるために異なる。
【0075】
図27は、RSシャーシ409、囲い板123、電池126、UV-C125、UV反射コーティング124、RS駆動パネル412、チャネルガイド153、ガイドクリップ152、障害物センサー110、および緊急事態ハンドル104を含む目視可能な部品を有するRS UHA408の背面図を示す。
【0076】
図28は、洗面所掛け金406に隣接した位置に投射されたRS台板401、RS台板カバー402、およびRS UHA408の前面分解正面図を示す。
【0077】
図29は、RS駆動パネル412を開放して、仕切り掛け金406へのアクセスを可能にした隣接するRSチャンバー400を有する洗面所仕切りドア411、仕切り掛け金406、および仕切り掛け金受け具407の正面斜視図を示す。
【0078】
ここで、本発明の追加の実施形態を参照すると、図30A~36は、小売りレジ508などでの使用のための、小売りレジ自立型小売店頭(POS)端末病原菌汚染除去チャンバー500(本明細書では、「POSチャンバー」とも呼ばれる)を示す。
【0079】
図30A~Cは、それぞれ、POS取り付けスタンドに隣接するPOSチャンバーの正面閉止図、正面開放図、および後面斜視図を示す。スタンドは、テーブルまたはカウンターなどの固定物に締結具または接着剤により永久に固定できる、あるいは、用途および環境に応じて、必要があれば、取り付けないで、移動させることができる。この実施形態では、POSチャンバーの正面は、シャーシ502、アクセスセンサー106、ステータスランプ105、障害物センサー110、POSスタンド506、および6パネルのアクセスパネル群(本明細書では、「アクセスパネル」とも呼ばれる)524を含み、図30A~Bに示されるように装置の垂直設置面積を最小化する。図30Cの後面斜視図は、POSチャンバー用の直接AC電気出力結線509を示す。代替実施形態は、AC結線が利用できない環境のための電池126電源を含み得る。POSチャンバーは、プラスチック、金属、または任意の他の好適な材料で構成できる。
【0080】
ここで、図31A~Bを参照すると、図31Aは、台板503、マイクロコントローラー128、組み込まれたPOS取り付けプレート表面507、UV-C125、およびUV-C取り付けスタンド131を含むPOS台板503の正面図を示す。POS台板503の深度は、POS端末510(図35G)の設置を可能とし、UV-C125およびUV-C取り付けスタンド131をその表面に取り付けた上向きの傾斜下端は、光をPOS端末510(図35G)の表面に投射するのを可能にする。代替的実施形態では、UV-C125は、UV-C取り付けスタンド131を使わないで台板503の表面上に直接配置できる。別の実施形態では、UV-C125は、アクセスパネル524の背面に配置できる。図31Bは、UV-C切り欠き部127、UV反射面124、およびPOSスタンド取り付けプレート508を含むPOS台板カバー504の正面図を示す。
【0081】
図32Aは、UV-C切り欠き部127およびマイクロコントローラー128、UV-C125、および組み込まれたPOS取り付けプレート表面507を含むPOS台板503の上に、およびそれに隣接した位置に投射された取り付けスタンドプレート508を含むPOS台板カバー504の正面分解図を示す。図32Bに示すように、POS台板503とPOS台板カバー504の組み合わせにより、POS台板組立品505が形成される。図32Bに示すように、POS取り付けスタンドプレート508は、POSスタンド506に取り付けられる。代替的実施形態では、POS台板組立品505は、POSスタンド506または外部取り付け器具の使用なしに、独立型組立品として機能し得る。
【0082】
図33Aは、並行に、向かい合って配置されたアクセスパネルフレーム113(本明細書では、「APフレーム」とも呼ばれる)、POSパネルレール512(本明細書では、「POSレール」とも呼ばれる)、およびサポートブリッジ114を含み、POS AP組立品515の左側および右側を形成し、個別に定義されたPOS駆動パネル513を含む全てのアクセスパネルを含むPOSアクセスパネル群514(本明細書では、「POSアクセスパネル」または「アクセスパネル」とも呼ばれる)を構成するPOSアクセスパネル組立品515(本明細書では、「POS AP組立品」とも呼ばれる)の正面図を示す。POS AP組立品515は、相対的に等価な部品を含み、アクセスパネル514の数(6対4)およびアクセスパネル514を支持するためのレール515の数(5対3)を別にして、本発明の図1Aおよび図7に示されるアクセスパネル組立品139に与えられた記述と同じ機能的動作を共有する。
【0083】
図33Bは、駆動モーター119、駆動シャフト120、プーリー121、チェーン147、アクセスパネルフレーム113、POSレール512、サポートブリッジ114、POSアクセスパネル514、支持アーム142、POS駆動パネル513、駆動クリップ141、チャネルガイド153、ガイドクリップ152、パネル区画111、緊急事態ハンドル104、およびUV反射コーティング124を含むPOS駆動装置組立品516の背面クローズアップ図を示す。
【0084】
図33Bで示したPOS駆動装置組立品516をさらに参照すると、駆動モーター119の作動時には、駆動シャフト120およびプーリー121は、チェーン147および取り付けられた駆動クリップ141を動かし始め、これは、次に、POS駆動パネル513の移動を開始させる。2つの向かい合って配置されたガイドクリップ152は、POS駆動パネル513の水平前縁に、およびその後、それぞれがPOSアクセスパネル514に取り付けられ(またはそれに組み込まれ)、ガイドクリップ152の突き出ている先端が隣接するチャネルガイド153にはめ込まれる。収納中、駆動パネル513上の2つのガイドクリップ152は、隣接するPOSアクセスパネル514のチャネルガイド153内を垂直に動き、次の隣接するPOSアクセスパネル514の方向にそれを押し始める。各POSアクセスパネル514上のガイドクリップ152は、それらの隣接するチャネルガイド153内で移動して隣接するアクセスパネル514を、POSアクセスパネル514がパネル区画111内に待機させられるまで、適切な方向に押す。POSアクセスパネル514は、支持アーム142およびサポートブリッジ114に沿ってスライドし、それにより支えられる駆動クリップ141の基部により、移動中に、安定化および同期される。図33Bに示されたPOS駆動装置組立品516は、相対的に等価な部品を含み、アクセスパネル514、レール512、およびそれらの支持部品の数を別にして、本発明の図1Aおよび図13の詳細な記述と同じ機能的動作を共有する。
【0085】
図33Cは、矩形破線により示される、隣接するPOS端末510を含むPOS上部ハウジング組立品501(本明細書では、「POS UHA」とも呼ばれる)の背面クローズアップ図を示す。この図で示された部品は、POSシャーシ502、任意選択の電池126、パネル区画111、UV-C125、UV-C取り付けスタンド131、支持アーム142、チャネルガイド153、ガイドクリップ152、駆動クリップ141、緊急事態ハンドル104、障害物センサー110、POSアクセスパネル514(駆動パネル513を含む)、およびUV反射面124(目視できない)を含む。図33Cに示されたPOS UHA501は、相対的に等価な部品を含み、アクセスパネル514、レール512、およびそれらの支持部品の数を別にして、本発明の図1Aおよび図14の詳細な記述と同じ機能的動作を共有する。
【0086】
図34Aは、POS台板組立品505の上に、およびそれに隣接した位置に投射されたPOS UHA501の正面分解図を示し、POSチャンバー500の得られた正面斜視図は、図34Bで示されている。
【0087】
図35A~Gは、図35Aの閉止および密閉されているPOS端末から始まり、図35Gの完全に利用可能であるPOS端末510で終わる、POSチャンバー500の7つのアクセスパネル位置の正面図を示す。
【0088】
図36は、小売りレジ511に隣接するPOSチャンバー500の正面斜視例を示す。
【0089】
ここで、本発明の追加の実施形態を参照すると、図37A~47Eは、円筒形病原菌根絶チャンバー600を示す。好ましい実施形態では、円筒形チャンバー600は、細長いおよび水平方向に変位した媒介物115、すなわち、プッシュ型ドアハンドル(例えば、パニックバー、クラッシュバー、水平プッシュバー)、ショッピングカートハンドルなどから病原菌を汚染除去するために使用される。代替実施形態では、円筒形病原菌汚染除去チャンバー600は、媒介物115上で垂直方向または対角線方向に配向させて、円筒形チャンバー600で、線形チャンバーよりも良好に役立たせ得る。
【0090】
ここで、図37A~47Eに示される本発明を参照すると、ショッピングカートハンドル600(本明細書では、「SCチャンバー」とも呼ばれる)用の円筒形病原菌汚染除去チャンバーが示される。図37Aは、ショッピングカート609に隣接するSCチャンバー600の正面図の例を提供する。図37Bは、円筒形アクセスパネル群604(本明細書では、「cylパネル」または「アクセスパネル」とも呼ばれる)、左ハウジング605、右ハウジング606、アクセスセンサー106、ステータスランプ105、および下部構造組立品603を含む正面を向いた部品を有するショッピングカート609から取り外したSCチャンバー600の正面図を示す。
【0091】
図38A~Bは、SCチャンバー600の円筒形台板601(本明細書では、「cyl台板」とも呼ばれる)の、それぞれ、正面図および立面正面斜視図を示す。図38Bに示すように、cyl台板601は、UVGIをショッピングカートハンドル610(図40A)の方向に直接送達するための傾斜の上部背面のすぐ近くに配置されたUVC125を含む。好ましい実施形態では、UV-C125は、UV接着剤細片611に組み込まれるか、または固定され、これらは、UV-C125に電力を送るように予め配線されている。代替実施形態は、UVC125は、限定されないが、表面に直接接着する、UV-C取り付けスタンド131でcyl台板601に取り付ける、またはいずれか他の好適する方法により、製造工程中に表面に直接組み込み得ることを含む。別の実施形態では、UV-C125は、cylパネル604の1種または複数に直接固定し得る。
【0092】
図39Aは、UV反射性塗料、TPFE、アルミニウム箔または紫外線反射率を最適化することが証明されている任意の他の物質/材料からなるUV反射面124を含む円筒形台板カバー602(本明細書では、「cyl台板カバー」とも呼ばれる)の上面斜視図を示す。cyl台板カバー602はまた、UV-C切り欠き部612を含み、この612は、cyl台板601からのUV-C125を覆って、光がショッピングカートハンドル610に送達されるのを可能とし(図40A)、同時に、使用者による不正変更を防止する。
【0093】
図39Bは、cyl台板601上に投射され、設置されて、SCチャンバー600の下部構造組立品603を形成する、cyl台板カバー602の立面正面分解斜視図を示す。cyl台板601およびcyl台板カバー602は、金属、プラスチック、または任意の他の好適な材料から製造できる。
【0094】
ショッピングカートハンドル610は、図40Aの分解正面図で示されるように、左ハウジング605および右ハウジング606として確認される並行ボックスにより両側に隣接される。左ハウジング605(本明細書では、「駆動ハウジング」とも呼ばれる)は、アクセスセンサー106およびステータスランプ105を含む、SCチャンバー600の機能出力、電気、および電動部品を含む。右ハウジング606(本明細書では、「駆動されるハウジング」とも呼ばれる)は右側のcylアクセスパネル604(図44B)のための受け具として機能する。さらに図40Aを参照すると、分解図は、左ハウジング605と右ハウジング606の間の中心にあり、それらに隣接し、さらに、ショッピングカートハンドル610の下のチャンバー600上のその位置に対して投射された下部構造組立品603を示す。
【0095】
図40Bは、電池アクセスドア107、電池掛け金108、および安全ロック109を含む左ハウジング605の側面図を示す。左ハウジング605および右ハウジング606の両方は、チャンバー600の動作を最適化するために、必要な強度、剛性、および耐久性を与え得る金属、プラスチック、または任意の他の好適な材料から構成できる。
【0096】
図41Aは、左ハウジングシャーシ607、マイクロコントローラー128、電池126、円筒形駆動モーター613(本明細書では、「cylモーター」または「モーター」とも呼ばれる)、駆動シャフト615、モーター支持体614、駆動ハブ616(本明細書では、「ハブ」とも呼ばれる)、駆動されるドラム617(本明細書では、「ドラム」とも呼ばれる)、およびエンドキャップ618を含む左ハウジング605の部品の側面斜視分解図を示す。ハブ616は、図41Aに示すように、cylモーター613および駆動シャフト615に直接連結し、時計回りに回転させて、cylアクセスパネル604を積層アレイに収納し、ショッピングカートハンドル610へのアクセスを可能にし、また、反時計回りに回転させて、チャンバー600を閉じ、密閉する。ドラム617は、対照的に、静止部品として機能し、従って、回転しない。
【0097】
エンドキャップ618の開放楕円形中央部は、ドラム617の端部の周りに配置され、それを所定位置に固定した後、左シャーシ607に取り付けて左ハウジング605を密閉する。ハブ位置「0」(閉止)635における左ハウジング605の組み立て図が図41Bに示されている。
【0098】
図42Aは、左ドラム617の中央部内のその位置へ投射された左ハブ616の正面クローズアップ分解図を示す。2つの一体型の部品は、図42Bに示されるように、左ハブ&ドラム組立品621(本明細書では、「左H&D組立品」とも呼ばれる)を形成する。cylパネル604を支持するcylレール630もまた、図42Bに示される。ハブ616、ドラム617、およびcylアクセスパネル604の間の境界に関する追加の詳細が図44A~48Eに提供される。
【0099】
より詳細には、本発明の図37Aをさらに参照すると、右シャーシ608、自由スピニングハブ619、駆動シャフト615、自由スピニングハブサポート620、右H&D組立品622、およびエンドキャップ618を含む右ハウジング606の側面斜視分解図が、図43Aに示されている。右ハウジング606は、以前に述べたように、「駆動されるハウジング」であり;SCチャンバー600内に電力または制御機能を持たないという点で、左ハウジング605に従属する。右シャーシ608は、図40Aに以前に示すように、マイクロコントローラー128および電池126がシャーシ608から非存在になるために、より少ない内部領域を有することにより左シャーシ607からさらに区別される。代替実施形態は、限定されないが、単一または複数のcyl駆動モーター613によりおよび単一または複数の電池126に電力を供給されて、左および右ハウジング621、622の両方に電動H&D組立品を含み得る。
【0100】
さらに、図43Aを参照すると、右ハウジング606は、自由スピニングハブ619および反対側の左ハウジング605内の部品の動きを介して作動させられる連結された駆動シャフト615を含む。ドラム617は、エンドキャップ618がシャーシ608に挿入され、右ハウジング組立品606を閉じる場合、右シャーシ608内の自由スピニングハブ619に重ね合わされて、静止位置で固定される。
【0101】
図43Bは、閉位置で右ハウジング606に連結されているcylパネル631の#1(本明細書では、「駆動パネル」とも呼ばれる)に連結された左シャーシ607(側面を除去して図示した)および左H&D組立品621(視認性のために他の内部部品は取り除いた)の側面斜視図を示す。
【0102】
図44Aは、ハブ位置「0」635(閉止)における左H&D組立品621の側面クローズアップ図を示す。左ハブ616は、左シャーシ608の右側(内側)から見た場合、時計方向に回転して、図44Aの左H&D組立品621内の方向矢印により示されるように、cylアクセスパネル604を相互上に積層形式で収納する。ハブ位置「ゼロ」635(閉止位置)では、cylパネル631の#1(図47Aで示したような駆動パネル)は、図44Aで示されるように、ハブ616上の8~10時位置のスロットのcylレール626の#1(本明細書では、「駆動レール」とも呼ばれる)に固定される。ドラム617内の組み込まれたレールはそれぞれ、図44Bに示す組み込まれたナイロングライド140を含み、運動の自由度を促進し、cylパネル604移動中の摩擦を防ぐ。代替実施形態は、限定されないが、ボールベアリングまたは類似の装着物、表面コーティング、材料、またはcylパネル604のために、運動の自由度を促進し、摩擦を減らす任意の他の好適な解決策を含むcylレール630を含む。別の実施形態では、cylパネル604は、運動の自由度を促進し、追加の成分を使用することなく、cylレール630間の摩擦を減らす任意の材料から構築され得る。
【0103】
図45A~Bは、図45A~45Bおよび図45Cの左の図中のcylパネル631の#1を用いた円筒形アクセスパネル604の平面および底面斜視図をそれぞれ示す。図45Bの底面図は、円筒形駆動クリップ623(本明細書では、「cyl駆動クリップ」または「駆動クリップ」とも呼ばれる)およびアルミニウム箔、UV反射性塗料、TPFE、またはSCチャンバー600内のUV-C光の反射率を最適化する任意の他の物質/材料などのUV反射コーティング124を示す。本発明の種々の実施形態中の全ての媒介物に面する部品と同様に、下部構造組立品603およびSCチャンバー600のアクセスパネル604内の全ての内部領域は、UV反射性材料/物質124でコートされる。図45Cは、アレイ内の各アクセスパネル604の配置を示す投射矢印を有するそれらの境界の例である3つのアクセスパネル604の底部分解図を示す。図45Cを左から右へより詳細に記載すると、左パネルは、cylパネル631の#1(駆動パネル)の例であり、cyl駆動クリップ623を有するがチャネルガイド624が存在しないパネルを示す。図の上部と底部に示されるcyl駆動クリップ623は、垂直方向に向けられ、矢印により図示されるように、隣接するcylパネル633の#3(中央のパネル)のチャネルガイド624の陥凹バレル内にそれらがはめ込まれることを可能にする。チャネルガイド624は、各末端に堅い端部を有し、これは、隣接パネルに取り付けられたcyl駆動クリップ623により、パネル移動の方向に応じて、パネルを押す、または引っ張る。cylパネル633の#3(中央のパネル)は、チャネルガイド624およびcyl駆動クリップ623からなる。中央パネルからのcyl駆動クリップ623は、cylパネル634の#4(出口パネル)として参照される図45Cの右側のパネルでチャネルガイド624の並行におよび向かい合って配置された稜線内にはめ込まれる。右パネルは、直前のパネルのcyl駆動クリップ623の動作により、収納および閉止中に押される、および引っ張られることを可能とするチャネルガイド624から構成されることからも明らかなように、出口パネルとして特徴付けされるが、それは、アレイ中の最終パネルとして、それ自体動かされるが、いずれか他のパネル604を動かすことはないので、それ自身の駆動クリップ623から構成されない。
【0104】
図46A~Eおよび図47A~Eは、cylアクセスパネル604の動作(以前に、図37Bで示した)およびH&D組立品621(図47A)とのそれらの境界についてさらに詳述する。図46A~Eは、5段階のパネル収納を示す左H&D組立品621の側面クローズアップ図を示し、図47A~Eは、4パネルSCチャンバー600の実施形態における5段階収納工程全体を通して収納される、対応するcylパネル604(図47A)の上面斜視図を示す。
【0105】
図46Aを参照すると、ハブ616およびドラム617のスロットは、左ハウジング605内のハブ位置「0」635(閉止)にあり(図41Bで示される)これは、相対する側の右ハウジング606内に反映される(図43Bに示される)。cylレール630を番号で特定すると、cylレール626の#1は、図47Aに示されるcylパネル631の#1が、8~10時の位置の破線により特定される駆動ハブ616上の位置に固定される駆動レールである。cylレール626の#1は、cylパネル631の#1(図47Aに示す駆動パネル)が連結し、ハブ616と同期して回転する固定幅スロットを含む。時計方向回転を続けると、固定式ドラム617は、破線で示されるそれぞれのレールに対し閉止パネル位置の図46Aで解るように、cylレール627の#2、cylレール628の#3、およびcylレール629の#4を含む。この実施形態でのドラム617上のそれぞれ3つのレールは、回転領域全体に続き、図46Eで示されるcylパネル区画625で終わるナイロングライド149(図44B)を有する組み込まれたレールを含む。cylパネルが取り付けられたこの位置でのSCチャンバー600の対応する図は、図47Aに示される。
【0106】
図46Bは、ハブ位置636の#1を示し、この場合、破線の整列により示されるように、ハブ616およびcylレール626の#1はcylレール627の#2の下の位置に時計回りに回転した。この位置でのSCチャンバー600内のcylパネル604の対応する位置は、図47Bで示される。
【0107】
図46Cは、ハブ位置637の#2を示し、この場合、ハブ616およびcylレール626の#1は、cylレール628の#3の下の位置に回転し、それと共にcylレール627の#2を同伴し、図46Cの破線の整列により示されるように、3つの積層パネルを形成した。この位置でのSCチャンバー600内のcylパネル604の対応する位置は、図47Cで示される。
【0108】
図46Dは、ハブ位置638の#3を示し、この場合、ハブ616およびcylレール626の#1は、cylレール629の#4の下の位置に回転し、cylレール627の#2および628の#3内のパネルを一緒に動かし、それにより、4つの積層パネルを形成した。この位置でのSCチャンバー600内のcylパネル604の対応する位置は、図47Dで示され、cylパネル604が75%開放されているとして示す。ハブ位置639の#4は、図46Eで示されるように、パネル収納工程の最終段階である。この段階では、ハブ616およびcylレール626の#1(駆動レール)は、cylパネル区画625内の最内側位置に回転し、cylレール627の#2、628の#3、および629の#4を取り付けたcylパネル604(図47E)を一緒に持ち込み、それにより、cylレール群630は、相互上に整列される。この位置でのSCチャンバー600内のcylパネル604の対応する位置は、図47Eで示され、cylアクセスパネル604が100%収納され、図47Eに示されるように、cylパネル区画625内に相互に積層されたことを示す。
【0109】
図47A~Eをより詳細に参照すると、これらは、SCチャンバー600の5段階のパネル収納の上面斜視図を示す。図47Aは、完全に閉止および密閉されたSCチャンバー600を示し、個別のcylパネル604を明らかにする。図47Aを左から右へ見ると、cylパネル631の#1は、駆動パネルの役割をし、これは、図46Aに示すようにハブ616に連結され;続けて、cylパネル632の#2、cylパネル633の#3、およびcylパネル634の#4の順に、左から右へ連結され、これらは、図46Aに示されるように、ドラム617上のそれらの専用のレールに取り付けられる。
【0110】
図47Bは、cylパネル632の#2の下に収納され、これは、cylパネル631の#1を示し、ショッピングカートハンドル610の25%を露呈させるはずである(図示せず)。パネル631の#1ドライブが、今や、cyl623の#2の下に配置され、cylパネル631の#1の引き続く回転がcylパネル632の#2をcylパネル633の#3の下に押し込み、図47Cに示すように、ショッピングカートハンドル610の50%を露呈させる。cylパネル631の#1が回転し、cylパネル632の#2およびcylパネル633の#3を押し続け、cylパネル634の#4の下に積層し、図47Dに示すように、ショッピングカートハンドル610の75%を露呈させる。収納の最終段階では、cylパネル631の#1は、cylパネル632の#2、cylパネル633の#3のおよびcylパネル634の#4を円筒形パネル区画625中に押し込み、図47Eに示すように、4つ全てのパネルが相互上に積層される。パネルを閉じ、SCチャンバー600を密閉するために(図37Aに示すように)、cylパネル#1により導かれる工程が反復される。
【0111】
本明細書で使用される場合、「筐体」という用語は通常、上述の通りであり、一般に、チャンバーまたは1つまたは複数の側面を有するシャーシを含むか、またはそれであり得る。筐体は、種々の幾何学的形状にでき、一般に、ドアまたはアクセスパネル、および媒介物が他の何かに取り付けられる場合に媒介物を収容するための開口部を除いて、完全に媒介物を密閉する。例えば、ドアに連結されたドアハンドル、またはガスポンプに連結されたガスポンプハンドル、など。いくつかの実施形態では、筐体は、6つの側面を有する3次元矩形の形状であり得る。いくつかの実施形態では、筐体は、立方体、直角プリズム、球体、錐体および/または円筒形形状であってよいが、これらに限定されない。筐体は、ドアまたはアクセスパネルが閉止される場合、気密性および/または水密であり得る。
【0112】
いくつかの実施形態では、本明細書で使用されるセンサーには、障害物センサー、動きセンサーまたは検出器、光センサー、音響センサー、および/または熱または赤外線センサーが挙げられ得る。上記で考察したように、いくつかの実施形態では、センサーは、使用者の存在を検出でき、その後、筐体またはチャンバーのドアまたはアクセスパネルの開口を自動的に開始させる。このようなシステムは、使用者がドアまたはアクセスパネルに接触することなく、媒介物にアクセスするのを可能にする。
【0113】
トリガーまたはトリガーイベントは、アクセスドアを開くイベントまたはトリガーであり、通常、センサーにより検出される。すなわち、媒介物に接近している使用者は、筐体のドアまたはアクセスパネルを開き、媒介物へのアクセスを可能にするセンサーを起動し得る。従って、トリガーイベントは、上述のようなセンサーにより検出されるイベントであり得る。例えば、洗面所環境では、動きセンサーまたは光センサーを使用して、トリガーイベントおよび使用者の存在を検出できる(洗面所の個室でトイレの流水式洗浄、または器具水栓のオン・オフを行うために定型作業で行われているのと同様に)。ドアハンドルの場合、トリガーイベントは、動きセンサーまたは光センサーにより検出されるドアに接近する、またはドアまたはアクセスパネルアクセスパネルに近づいている使用者であり得る。それにもかかわらず、本開示は、センサーの使用に限定されず、トリガーはまた、機械的な手段、例えば、フットペダルにより生成され得る。
【0114】
アクセスドアは通常、筐体の内部にアクセスできるように開くことができる筐体に組み込まれた、またはそれと一体化しているドアまたはパネルである。扉は、例えば、スイングオープン、スライドオープン、アコーディオン方式アクセスドアまたはパネルオープンなど、従来の任意の手段で開くことができる。ドアやパネルの大きさは、媒介物の大きさや媒介物を利用するために必要なアクセスに従って必然的に変化する。例えば、ドアハンドルの場合、開口部はドアハンドルを収容する、およびドアを開けるユーザーの手を入れるのに十分な大きさが必要である。小売店頭端末の場合、ユーザーが小売店頭端末を使用するのに十分な大きさの開口部が必ず必要である。したがって、いくつかの実施形態では、ドアまたはアクセスパネルのサイズは、少なくともユーザーの手を収容するのに十分な大きさになる。
【0115】
開位置のドアは、完全に閉止されていない任意の位置である。閉位置のドアは通常、ドアを完全に閉止して、媒介物を外部環境から密閉または保護することを意味する。いくつかの実施形態では、ドアは、気密性、水密性であってよく、透明またはシースルー材料、例えば、プラスチックポリカーボネート、ガラス、または任意の他のシースルー材料を含んでもよい。他の実施形態では、ドアまたはアクセスパネルは、金属またはプラスチックまたは複合材を含み、遮光性であってもよい。
【0116】
媒介物を取り囲む筐体は通常、筐体またはチャンバーが媒介物を完全に囲い込むことを意味する。いくつかの実施形態では、筐体は媒介物を取り囲み、空気の流れが筐体の外部から内部に容易に通過できない気密または半気密の筐体を提供する。
【0117】
UV光源は上記で説明されており、UV-C範囲で動作可能な任意のUV光源であり得る。UV光源は通常、病原菌、細菌、ウィルス、または他の病原体を死滅させるのに十分なUV光の強度または能力を産出できる。UV光の出力は、2,000~8,000μW・s/cmの範囲であり得る。紫外線殺菌照射、Wikipedia(en.wikipedia.org/wiki/Ultraviolet_germicidal_irradiation)、最終改訂日:2021年2月20日を参照されたい。本文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0118】
上述のように、UV光源は、好ましくは、病原菌、細菌、ウィルス、および他の病原体を死滅させるために最適化された1種または複数の周波数範囲でUV光を提供できるLEDアレイであり得る。例えば、UVアレイは、265nm、220nm、および/または280nmの光を生成し得る。他の実施形態では、UVアレイは、220nm、225nm、230nm、235nm、240nm、245nm、250nm、255nm、260nm、265nm、270nm、275nm、および/または280nmの光を生成し得る。
【0119】
本明細書で使用される用語としての汚染除去は通常、細菌またはウィルスの破壊または中和を意味する。いくつかの実施形態では、細菌またはウィルスの99%の減少が5秒以下で達成される。いくつかの実施形態では、細菌またはウィルスの99%の減少が3秒以下で達成される。いくつかの実施形態では、細菌またはウィルスの99%の減少が1秒間で達成される。いくつかの実施形態では、細菌またはウィルスの99.9%の減少が5秒以下で達成される。いくつかの実施形態では、細菌またはウィルスの99.9%の減少が3秒以下で達成される。いくつかの実施形態では、細菌またはウィルスの99.9%の減少が1秒間で達成される。いくつかの実施形態では、ウィルスは、SARS-CoVもしくはSARS-CoV-1またはαもしくはδバリアントを含むバリアントである。いくつかの実施形態では、SARS-CoVもしくはSARS-CoV-1またはαもしくはδバリアントを含むバリアントの99.9%の減少が1秒間で達成される。
【0120】
汚染除去は、任意の関連病原菌、細菌、またはウィルスであり得るが、好ましくは、ヒトを含む哺乳類で疾患を発生させ得るウィルス、細菌、原生動物、プリオン、ウイロイド、または真菌などの病原体である。好ましい一実施形態では、病原体は、SARS-CoVまたはSARS-CoV-1またはαまたはδバリアントを含む変異体であってよい。例えば、Pathogen、Wikipedia(en.wikipedia.org/wiki/Pathogen),last edited 8 July 2021を参照されたい。この文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0121】
取り付けスタンドは通常、筐体またはチャンバーの内部にUV光源を取り付けるために使用される。取り付けスタンドは移動可能であってもよく、筐体内の異なる方向または異なる角度でUV光の投与量を方向付けることが可能であり得る。紫外線光源を取り付けスタンドに取り付ける、または連結することは、機械的な連結、ネジ、鋲などを含む任意の従来の手段により、または接着剤を使用して実施し得る。
【0122】
本明細書で使用されるマイクロプロセッサーは通常、データ処理ロジックおよび制御が単一の集積回路、または少数の集積回路に含まれる任意のコンピュータープロセッサーを含み得る。マイクロプロセッサーは通常、クロック駆動のレジスターベースの多目的デジタル集積回路であり、2値データを入力として受け入れ、メモリに格納された命令に従って処理した後に、結果を出力として提供する。本明細書で意図されているマイクロプロセッサーは、センサー、ドアまたはアクセスパネルを開けるための駆動システム、UV光源を管理することができ、さらには、バッテリー出力を含む電源も管理できる。
【0123】
本開示には特定の実施例が含まれているが、特許請求の範囲およびその等価物の趣旨および範囲から逸脱することなく、これらの実施例において形態および詳細における種々の変更がなされ得ることは、本願の開示が達成されたことを理解した後に明らかとなるであろう。
【0124】
実施例
実施例1-COVID-19実験
SARS-CoV-2は、COVID-19を引き起こすウィルスである。今までに、現在のCOVID-19パンデミックは、世界中で4百55万人以上の死亡の原因であり、その内の645,000人超は、米国での死亡であった。
Crystal IS(Green Island,NY)は、Klaran UVC LEDおよびシステムを製造するISO9001:2015認証会社である。ISは、米国ボストン大学国立新興感染症研究所(NEIDL)と共に、SARS-CoV-2がKlaran UVC LEDの放射範囲全体にわたる紫外線(260nm~270nm)および異なる線量に対して、どのように応答するかを理解するために研究を開始した。Klaran WDシリーズUVC LEDのアレイを用いて、試験表面からの7cmの距離で実験を実施した。
【0125】
Klaran UVC LEDのアレイを用いて、SARS-CoV-2を含む乾燥プラスチック表面に7cmの距離で照射した。
結果は、1.25mW/cmのUVC強度へのウィルスの異なる時間の曝露により達成されたlog減少を示す。6.25mJ/cmのUVC線量は、99.9%のウィルスの減少を生じた(下表1)。
【表1】
【0126】
Klaran LED波長規格の両端(260nmおよび270nm)である異なるピーク波長のLEDからの5mJ/cmの線量を用いて試験を繰り返した。結果は、試験した波長範囲全体にわたり類似の有効性を示す(下表2)。これらの結果と宮崎大学から発表された結果(これは、280nmでのUVC LED放射を使用)との比較は、270nmを超える波長での有効性の顕著な低下を明確に示す(Inagaki et al.(2020)Rapid inactivation of SARS-CoV-2 with deep-UV LED irradiation,Emerging Microbes & Infections,9(1):1744-1747、を参照されたい)。
【表2】
【0127】
結論
SARS-CoV-2は、比較的弱いウィルスであり、低線量のUVC光で不活化できる。SARS-CoV-2は、基本的な殺菌範囲の低線量のUVC光への曝露により、数秒程度の間に効果的に不活化できる。さらに、UVC波長が重要である。宮崎大学から発表された結果(これは、280nmでのUVC LED放射を使用)は、270nmを超える波長での有効性の顕著な低下を意味する。Klaran UVC LEDは、260nm~270nmの波長範囲のUVC光を放射し、これは、数秒程度の間に完全なウィルス不活性化を達成できる波長範囲である。
【0128】
実施例2-MicroLumix製品分析とCOVID-19
SARS-CoV-2に対する本発明の実施形態に従って、Crystal ISにより病原菌汚染除去器具の有効性のシミュレーションが実施された。ドアハンドルの場合、ハンドルの後面を含む全表面上の最小平均強度は、>6.25mW/cmであった。実施例1の結果によると、これは、1秒間で99.9%のSARS-CoV-2の減少を可能にする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
病原菌汚染除去器具であって、
開および/または閉位置であるように構成可能なアクセスドアを含む筐体;
前記筐体を、媒介物を囲むように位置決めするための開口部;
トリガーイベントに応答して前記アクセスドアを開くための開口手段;
前記筐体の内側に配置され、前記媒介物を汚染除去するように構成された1種または複数の紫外線源;
前記トリガーイベントを検出するように構成された1種または複数のセンサー;および
前記1種または複数のセンサー、前記開口手段、および/または前記1種または複数の紫外線源を制御するように構成されたマイクロコントローラー、を含む、病原菌汚染除去器具。
【請求項2】
前記開口手段が、前記トリガーイベントに応答して前記アクセスドアを開くように構成された駆動装置組立品または機構である、請求項1に記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項3】
前記1種または複数のセンサーが、障害物センサー、動きセンサーまたは検出器、光センサー、音響センサー、および/または熱または赤外線センサーを含む、請求項1に記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項4】
前記汚染除去が、病原菌集団を99%以上不活化することを含む、請求項1に記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項5】
前記1種または複数の紫外線源が、200~280nmの範囲の波長を有するUV-C放射線を生成する、請求項1に記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項6】
前記1種または複数の紫外線源が、発光ダイオード(LED)を含み、前記LEDが1種または複数の半導体チップおよび/または1種または複数のLEDアレイを含む、請求項1に記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項7】
前記筐体の内側の1つまたは複数の表面が、UV反射コーティングでコートされる、請求項1に記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項8】
前記媒介物が、ドアハンドル、洗面所の掛け金、本締めボルト、ガスポンプハンドル、小売店頭(POS)端末、現金自動預入支払機、ショッピングカートハンドル、エレベーター制御パネル、公衆電話、紙タオル取り出しレバー、コンピューターキーボード、トイレハンドルおよび/またはシートを含む、請求項1に記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項9】
前記ドアが閉位置にある場合、前記筐体が、気密性または半気密性である、請求項1に記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項10】
前記筐体の内側に配置された前記1種または複数の紫外線源が、前記媒介物の全ての露出面を汚染除去するように構成されている、請求項1に記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項11】
前記筐体が、照射後に前記媒介物の風媒性の病原体による再汚染を実質的に防止するように構成されている、請求項1に記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項12】
前記アクセスドアが、積層アクセスパネルを含む、請求項1に記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項13】
媒介物を含む製品に一体化されるように構成された、請求項1に記載の病原菌汚染除去器具を含む、病原菌汚染除去システム。
【請求項14】
媒介物を含む前記製品が、ドア、トイレの個室、本締めボルト、ガスポンプ、小売店頭(POS)端末、現金自動預入支払機、ショッピングカート、エレベーター、公衆電話、紙タオルディスペンサー、コンピューターキーボード、またはトイレである、請求項13に記載の病原菌汚染システム。
【請求項15】
媒介物を汚染除去するための方法であって、前記媒介物を囲い込み、紫外線殺菌照射(UVGI)により前記媒介物の全ての露出面を汚染除去するための請求項1に記載の病原菌汚染除去器具の使用を含む、方法。
【請求項16】
病原菌汚染除去器具であって、
開および/または閉位置であるように構成可能なアクセスドアを含む筐体であって、前記筐体の内側の1つまたは複数の表面が、紫外線の反射コーティングでコートされ、前記ドアが閉位置にある場合、前記筐体が気密性または半気密性である筐体;
前記筐体を、媒介物を囲むように位置決めするための開口部;
トリガーイベントに応答して前記アクセスドアを開くように構成された駆動装置組立品または機構;
前記筐体の内側に配置され、前記媒介物の全露出面を汚染除去するように構成された1種または複数の紫外線源;
前記トリガーイベントを検出するように構成された1種または複数のセンサー;および
前記1種または複数のセンサー、前記開口手段、および/または前記1種または複数の紫外線源を制御するように構成されたマイクロコントローラー、を含む、病原菌汚染除去器具。
【請求項17】
前記1種または複数のセンサーが、障害物センサー、動きセンサーまたは検出器、光センサー、音響センサー、および/または熱または赤外線センサーを含む、請求項16に記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項18】
前記汚染除去が、病原菌集団を99%以上不活化することを含む、請求項16に記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項19】
前記1種または複数の紫外線源が、200~280nmの範囲の波長を有するUV-C放射線を生成する、請求項16に記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項20】
前記1種または複数の紫外線源が、発光ダイオード(LED)を含み、前記LEDが1種または複数の半導体チップおよび/または1種または複数のLEDアレイを含む、請求項16に記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項21】
前記媒介物が、ドアハンドル、洗面所の掛け金、本締めボルト、ガスポンプハンドル、小売店頭(POS)端末、ショッピングカートハンドル、エレベーター制御パネル、公衆電話、紙タオル取り出しレバー、コンピューターキーボード、トイレハンドルおよび/またはシートを含む、請求項16に記載の病原菌汚染除去器具。
【請求項22】
媒介物を含む製品に一体化されるように構成された、請求項16に記載の病原菌汚染除去器具を含む、病原菌汚染除去システム。
【請求項23】
媒介物を含む前記製品が、ドア、トイレの個室、本締めボルト、ガスポンプ、小売店頭(POS)端末、現金自動預入支払機、ショッピングカート、エレベーター、公衆電話、紙タオルディスペンサー、コンピューターキーボード、またはトイレである、請求項22に記載の病原菌汚染除去システム。
【請求項24】
媒介物を汚染除去するための方法であって、前記媒介物を囲い込み、紫外線殺菌照射(UVGI)により前記媒介物の全ての露出面を汚染除去するための請求項16に記載の病原菌汚染除去器具の使用を含む、方法。
【国際調査報告】