(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-27
(54)【発明の名称】地域に基づく構成可能な無線周波数曝露量コンプライアンス
(51)【国際特許分類】
H04W 52/28 20090101AFI20230920BHJP
H04W 64/00 20090101ALI20230920BHJP
【FI】
H04W52/28
H04W64/00 171
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515159
(86)(22)【出願日】2021-09-10
(85)【翻訳文提出日】2023-03-06
(86)【国際出願番号】 US2021049829
(87)【国際公開番号】W WO2022056240
(87)【国際公開日】2022-03-17
(32)【優先日】2020-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ル、リン
(72)【発明者】
【氏名】ナダクドゥディ、ジャガディシュ
(72)【発明者】
【氏名】デオダル、アキル
(72)【発明者】
【氏名】カーティス、トロイ
(72)【発明者】
【氏名】グキアン、ポール
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067JJ52
(57)【要約】
地域に基づく構成可能な無線周波数(RF)曝露量コンプライアンスのための技法および装置。ユーザ機器(UE)によるワイヤレス通信の例示的な方法は、概して、UEが配置されている地域を識別することと、識別された地域に基づいて、RF曝露量コンプライアンスのためのモードまたは1つもしくは複数のパラメータのうちの少なくとも一方を選択することと、選択されたモードまたは選択された1つもしくは複数のパラメータのうちの少なくとも一方に少なくとも部分的に基づく送信電力レベルで、信号を送信することとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)によるワイヤレス通信の方法であって、
前記UEが配置されている地域を識別することと、
前記識別された地域に基づいて、無線周波数(RF)曝露量コンプライアンスのためのモードまたは1つもしくは複数のパラメータのうちの少なくとも一方を選択することと、
前記選択されたモードまたは前記選択された1つもしくは複数のパラメータのうちの前記少なくとも一方に少なくとも部分的に基づく送信電力レベルで、信号を送信することと
を備える方法。
【請求項2】
前記地域を識別することが、前記UEがそこで動作しているワイヤレスネットワークの運用地域識別コード(MCC)に基づいて、前記地域を識別することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記地域を識別することが、前記MCCを含むワイヤレスネットワーク識別情報を示すメッセージを、基地局から受信することを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記地域を識別することが、前記MCCが前記地域に対応するMCCのリスト内にあることを識別することを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記地域が、1つまたは複数の国を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記1つまたは複数のパラメータが、時間窓またはRF曝露量制限のうちの少なくとも一方を含み、
前記1つまたは複数のパラメータを選択することが、
第1の規制団体もしくは規格からの規制窓に準拠する前記時間窓についての第1の値を選択し、前記第1の規制団体もしくは規格とは異なる第2の規制団体もしくは規格からの規制制限に準拠する前記RF曝露量制限についての第2の値を選択すること、または
第3の規制団体もしくは規格からの規制制限に準拠する第1のRF曝露量制限についての第3の値を選択し、前記第3の規制団体もしくは規格とは異なる第4の規制団体もしくは規格からの規制制限に準拠する第2のRF曝露量制限についての第4の値を選択すること
のうちの少なくとも一方を備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の値が、前記規制窓に一致するか、または前記第2の値が、前記規制制限に一致するかの少なくとも一方である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記モードが、前記地域に対応するピーク曝露量モードを含み、
前記信号を送信することが、前記地域に対応する前記ピーク曝露量モードを使用するRF曝露量制限に少なくとも部分的に基づく前記送信電力レベルで、前記信号を送信することを備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記モードが、前記地域に対応する時間平均曝露量モードを含み、
前記信号を送信することが、前記地域に対応する前記時間平均曝露量モードを使用するRF曝露量制限に少なくとも部分的に基づく前記送信電力レベルで、前記信号を送信することを備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記1つまたは複数のパラメータが、比吸収率(SAR)制限、電力密度(PD)制限、比エネルギー吸収(SA)制限、または吸収エネルギー密度(Uab)制限のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記1つまたは複数のパラメータを選択することが、1秒から360秒までの範囲内の時間窓を選択することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
ワイヤレス通信のための装置であって、
メモリと、
前記メモリに結合されたプロセッサと、前記プロセッサおよび前記メモリが、
前記装置が配置されている地域を識別し、
前記識別された地域に基づいて、無線周波数(RF)曝露量コンプライアンスのためのモードまたは1つもしくは複数のパラメータのうちの少なくとも一方を選択する
ように構成され、
前記選択されたモードまたは前記選択された1つもしくは複数のパラメータのうちの前記少なくとも一方に少なくとも部分的に基づく送信電力レベルで、信号を送信するように構成される送信機と
を備える装置。
【請求項13】
前記プロセッサおよび前記メモリが、前記装置がそこで動作しているワイヤレスネットワークの運用地域識別コード(MCC)に基づいて、前記地域を識別するようにさらに構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記MCCを含むワイヤレスネットワーク識別情報を示すメッセージを、基地局から受信するように構成される受信機をさらに備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記プロセッサおよび前記メモリが、前記MCCが前記地域に対応するMCCのリスト内にあることを識別するようにさらに構成される、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記地域が、1つまたは複数の国を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記1つまたは複数のパラメータが、時間窓またはRF曝露量制限のうちの少なくとも一方を含み、
前記プロセッサおよび前記メモリが、
第1の規制団体もしくは規格からの規制窓に準拠する前記時間窓についての第1の値を選択し、前記第1の規制団体もしくは規格とは異なる第2の規制団体もしくは規格からの規制制限に準拠する前記RF曝露量制限についての第2の値を選択するように、または
第3の規制団体もしくは規格からの規制制限に準拠する第1のRF曝露量制限についての第3の値を選択し、前記第3の規制団体もしくは規格とは異なる第4の規制団体もしくは規格からの規制制限に準拠する第2のRF曝露量制限についての第4の値を選択するように
さらに構成される、
請求項12に記載の装置。
【請求項18】
前記第1の値が、前記規制窓に一致するか、または前記第2の値が、前記規制制限に一致するかの少なくとも一方である、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記モードが、前記地域に対応するピーク曝露量モードを含み、
前記送信機が、前記地域に対応する前記ピーク曝露量モードを使用するRF曝露量制限に少なくとも部分的に基づく前記送信電力レベルで、前記信号を送信するように構成される、
請求項12に記載の装置。
【請求項20】
前記モードが、前記地域に対応する時間平均曝露量モードを含み、
前記送信機が、前記地域に対応する前記時間平均曝露量モードを使用するRF曝露量制限に少なくとも部分的に基づく前記送信電力レベルで、前記信号を送信するように構成される、
請求項12に記載の装置。
【請求項21】
前記1つまたは複数のパラメータが、比吸収率(SAR)制限、電力密度(PD)制限、比エネルギー吸収(SA)制限、または吸収エネルギー密度(Uab)制限のうちの少なくとも1つを備える、請求項12に記載の装置。
【請求項22】
ワイヤレス通信のための装置であって、
前記装置が配置されている地域を識別するための手段と、
前記識別された地域に基づいて、無線周波数(RF)曝露量コンプライアンスのためのモードまたは1つもしくは複数のパラメータのうちの少なくとも一方を選択するための手段と、
前記選択されたモードまたは前記選択された1つもしくは複数のパラメータのうちの前記少なくとも一方に少なくとも部分的に基づく送信電力レベルで、信号を送信するための手段と
を備える装置。
【請求項23】
前記地域を識別するための前記手段が、前記装置がそこで動作しているワイヤレスネットワークの運用地域識別コード(MCC)に基づいて、前記地域を識別するための手段を備える、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記地域を識別するための前記手段が、前記MCCを含むワイヤレスネットワーク識別情報を示すメッセージを、基地局から受信するための手段を備える、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記地域を識別するための前記手段が、前記MCCが前記地域に対応するMCCのリスト内にあることを識別するための手段を備える、請求項23に記載の装置。
【請求項26】
前記地域が、1つまたは複数の国を含む、請求項22に記載の装置。
【請求項27】
前記1つまたは複数のパラメータが、時間窓またはRF曝露量制限のうちの少なくとも一方を含み、
選択するための前記手段が、
第1の規制団体もしくは規格からの規制窓に準拠する前記時間窓についての第1の値を選択するための手段と、前記第1の規制団体もしくは規格とは異なる第2の規制団体もしくは規格からの規制制限に準拠する前記RF曝露量制限についての第2の値を選択するための手段、または
第3の規制団体もしくは規格からの規制制限に準拠する第1のRF曝露量制限についての第3の値を選択するための手段と、前記第3の規制団体もしくは規格とは異なる第4の規制団体もしくは規格からの規制制限に準拠する第2のRF曝露量制限についての第4の値を選択するための手段
のうちの少なくとも一方を備える、
請求項22に記載の装置。
【請求項28】
前記第1の値が、前記規制窓に一致するか、または前記第2の値が、前記規制制限に一致するかの少なくとも一方である、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記モードが、前記地域に対応するピーク曝露量モードを含み、
前記信号を送信するための前記手段が、前記地域に対応する前記ピーク曝露量モードを使用するRF曝露量制限に少なくとも部分的に基づく前記送信電力レベルで、前記信号を送信するための手段を備える、
請求項22に記載の装置。
【請求項30】
前記モードが、前記地域に対応する時間平均曝露量モードを含み、
前記信号を送信するための前記手段が、前記地域に対応する前記時間平均曝露量モードを使用するRF曝露量制限に少なくとも部分的に基づく前記送信電力レベルで、前記信号を送信するための手段を備える、
請求項22に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、両方ともそれらの全体が参照により本明細書に明確に組み込まれる、2020年9月11日に出願された米国仮出願第63/077,467号の優先権を主張する、2021年9月9日に出願された米国出願第17/470,534号の優先権を主張する。
【0002】
[0002] 本開示の態様は、ワイヤレス通信(wireless communication)に関し、より詳細には、ワイヤレス通信デバイスが配置されているまたは動作している地域(region)に基づく構成可能な無線周波数(RF)曝露量コンプライアンス(configurable radio frequency (RF) exposure compliance)に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] ワイヤレス通信システムは、電話通信、ビデオ、データ、メッセージング、放送など、様々な電気通信サービスを提供するために、広く展開されている。現代のワイヤレス通信デバイス(セルラー電話など)は、国内および国外の規格および規制によって設定される無線周波数(RF:radio frequency)曝露量制限(exposure limit)を満たすことを概して要求される。規格の準拠を保証するために、そのようなデバイスは現在、マーケットに出荷される前に、広範な証明プロセスを受ける。ワイヤレス通信デバイスがRF曝露量制限(RF exposure limit)に準拠することを保証するために、ワイヤレス通信デバイスが、ワイヤレス通信デバイスからのRF曝露量をリアルタイムで査定し、それに応じて、RF曝露量制限に準拠するようにワイヤレス通信デバイスの送信電力を調整することを可能にするための技法が開発されてきた。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 本開示のシステム、方法、およびデバイスは、いくつかの態様をそれぞれ有し、それらの態様のうちの単一の態様が単独で本開示の望ましい属性を担うとは限らない。次に、以下の特許請求の範囲によって表される本開示の範囲を限定することなしに、いくつかの特徴が手短に説明される。この議論を考慮した後に、特に、「発明を実施するための形態」と題するセクションを読んだ後に、本開示の特徴が、所与の地域に基づく構成可能な無線周波数(RF)曝露量コンプライアンスのおかげで、所与の地域における望ましい送信電力を含む利点をどのように提供するかが理解されよう。
【0005】
[0005] 本開示において説明される主題のいくつかの態様は、ユーザ機器(UE:user equipment)によるワイヤレス通信のための方法において実装され得る。本方法は、概して、UEが配置されている地域を識別することと、識別された地域に基づいて、時間窓(time window)またはRF曝露量制限のうちの少なくとも一方を選択することと、選択された時間窓または選択されたRF曝露量制限のうちの少なくとも一方に少なくとも部分的に基づく送信電力レベル(transmission power level)で、信号(signal)を送信することとを含む。
【0006】
[0006] 本開示において説明される主題のいくつかの態様は、UEによるワイヤレス通信のための方法において実装され得る。本方法は、概して、UEが配置されている地域を識別することと、識別された地域に基づいて、RF曝露量コンプライアンス(RF exposure compliance)のためのモード(mode)または1つもしくは複数のパラメータ(parameter)のうちの少なくとも一方を選択することと、選択されたモードまたは選択された1つもしくは複数のパラメータのうちの少なくとも一方に少なくとも部分的に基づく送信電力レベルで、信号を送信することとを含む。
【0007】
[0007] 本開示において説明される主題のいくつかの態様は、ワイヤレス通信のための装置において実装され得る。装置は、概して、送信機と、メモリと、メモリに結合されたプロセッサとを含む。プロセッサおよびメモリは、装置が配置されている地域を識別し、識別された地域に基づいて、RF曝露量コンプライアンスのためのモードまたは1つもしくは複数のパラメータのうちの少なくとも一方を選択するように構成される。送信機は、選択されたモードまたは選択された1つもしくは複数のパラメータのうちの少なくとも一方に少なくとも部分的に基づく送信電力レベルで、信号を送信するように構成される。
【0008】
[0008] 本開示において説明される主題のいくつかの態様は、ワイヤレス通信のための装置において実装され得る。装置は、概して、装置が配置されている地域を識別するための手段と、識別された地域に基づいて、RF曝露量コンプライアンスのためのモードまたは1つもしくは複数のパラメータのうちの少なくとも一方を選択するための手段と、選択されたモードまたは選択された1つもしくは複数のパラメータのうちの少なくとも一方に少なくとも部分的に基づく送信電力レベルで、信号を送信するための手段とを含む。
【0009】
[0009] 本開示において説明される主題のいくつかの態様は、コンピュータ可読媒体において実装され得る。コンピュータ可読媒体は、UEが配置されている地域を識別し、識別された地域に基づいて、RF曝露量コンプライアンスのためのモードまたは1つもしくは複数のパラメータのうちの少なくとも一方を選択し、選択されたモードまたは選択された1つもしくは複数のパラメータのうちの少なくとも一方に少なくとも部分的に基づく送信電力レベルで、信号を送信するための、その上に記憶された命令を有する。
【0010】
[0010] 上記の目的および関係する目的を達成するために、1つまたは複数の態様は、以下で十分に説明され、特に特許請求の範囲において指摘される特徴を備える。以下の説明および添付の図面は、1つまたは複数の態様のいくつかの例示的な特徴を詳細に記載する。しかしながら、これらの特徴は、様々な態様の原理が採用され得る様々な方法のほんのいくつかを示すものである。
【0011】
[0011] 本開示の上記で具陳された特徴が詳細に理解され得るように、図面にその一部が示される態様を参照することによって、上記で手短に要約されたより具体的な説明が得られ得る。ただし、その説明は他の等しく有効な態様に通じ得るので、添付の図面は、本開示のいくつかの典型的な態様のみを示し、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】[0012] 本開示のいくつかの態様による、例示的なワイヤレス通信ネットワークを概念的に示すブロック図。
【
図2】[0013] 本開示のいくつかの態様による、例示的な基地局(BS:base station)とユーザ機器(UE)との設計を概念的に示すブロック図。
【
図3】[0014] 本開示のいくつかの態様による、例示的な無線周波数(RF:radio frequency)トランシーバのブロック図。
【
図4】[0015] 本開示のいくつかの態様による、UEによるワイヤレス通信のための例示的な動作を示す流れ図。
【
図5A】[0016] 本開示のいくつかの態様による、運用地域識別コード(MCC:mobile country code)リスト(list)と様々なRF曝露量パラメータおよび曝露量モードとの間の例示的なマッピングを示す表。
【
図5B】[0017] 本開示のいくつかの態様による、MCCリストと様々なRF曝露量パラメータおよび曝露量モードとの間の他の例示的なマッピングを示す表。
【
図6】[0018] 本開示のいくつかの態様による、地域に基づく構成可能なRF曝露量コンプライアンスのための例示的なシグナリングを示すシグナリング流れ図。
【
図7】[0019] 本開示のいくつかの態様による、本明細書で開示される技法のための動作を実施するように構成された様々な構成要素を含み得る通信デバイス(たとえば、UE)を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0020] 理解を容易にするために、可能な場合は、同一の参照番号が、図に共通する同一の要素を指定するために使用されている。1つの態様において開示された要素は、具体的な列挙のない他の態様において有益に利用され得ることが企図されている。
【0014】
[0021] 本開示の態様は、地域に基づく構成可能な無線周波数(RF)曝露量コンプライアンスのための装置と、方法と、処理システムと、コンピュータ可読媒体とを提供する。
【0015】
[0022] 異なる地域、または規制/規格団体(たとえば、米国の連邦通信委員会(FCC)、カナダのイノベーション科学経済開発省(ISED:the Innovation, Science and Economic Development Canada)、もしくは欧州連合(EU)が従う非電離放射線防護に関する国際委員会(ICNIRP:the International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection)規格)は、別個のRF曝露量コンプライアンス制限(たとえば、比吸収率(SAR:specific absorption rate)および/または電力密度(PD:power density))を指定することがある。異なる地域、または規制/規格団体は、RF曝露量を平均するための、またはさもなければRF曝露量を計算するための別個の時間窓を指定することもある。ユーザ機器(UE)は、UEが、より大きいRF曝露量制限またはより大きい時間窓を用いる地域において動作している場合であっても、最低制限および/または最小時間窓など、複数の地域に準拠するRF曝露量制限を使用するように構成されることがある。そのため、いくつかの状況においては、UEは、より低いRF曝露量制限および/または時間窓の適用のせいで、望ましくない送信電力を有することがある。その結果の送信電力は、セルエッジにおけるアップリンクデータレート、アップリンクキャリアアグリゲーション、および/またはアップリンク送信などにおいて、望ましくない性能をもたらすことがある。
【0016】
[0023] 動的なRF曝露量コンプライアンスを提供するために、UEは、UEが配置されているまたは動作している地域を識別し、地域に基づいて、RF曝露量コンプライアンスのための様々な設定を選択し得る。いくつかの態様においては、地域は、ワイヤレスネットワーク識別情報(wireless network identity)(たとえば、公衆陸上モバイルネットワーク(PLMN))と関連付けられた運用地域識別コード(MCC)によって識別され得る。いくつかの場合においては、UEは、地域に基づいて、時間窓および/またはRF曝露量制限を選択し得る。たとえば、UEは、地域において使用される規制値に一致する時間窓および/またはRF曝露量制限を選択し得る。いくつかの場合においては、いくつかの地域は、RF曝露量コンプライアンスを決定するために、時間窓に基づく時間平均RF曝露量制限(time-averaged RF exposure limit)の代わりに、最大またはピークRF曝露量制限(maximum or peak RF exposure limit)を使用することがある。そのような場合においては、UEは、地域におけるRF曝露量コンプライアンスのための(時間窓を使用しない、時間平均モードまたはピークモードなどの)曝露量モードを選択し得る。
【0017】
[0024] 本明細書において説明されるような動的に構成可能なRF曝露量コンプライアンスは、UEが、セルエッジにおける望ましいアップリンクデータレート、望ましいアップリンクキャリアアグリゲーション、および/または望ましいアップリンク接続など、望ましい送信性能を有することを可能にし得る。たとえば、本明細書において説明されるような動的に構成可能なRF曝露量コンプライアンスは、望ましい送信電力制限(transmit power limit)をUEに提供し得る。UEは、所与の地域についてのRF曝露量コンプライアンスのための特定のパラメータをより柔軟に構成し得、そのことが、その所与の地域における望ましい送信電力制限をもたらし得る。
【0018】
[0025] 以下の説明は、通信システムにおけるRF曝露量コンプライアンス管理の例を提供し、特許請求の範囲に記載された範囲、適用可能性、または例を限定するものではない。本開示の範囲から逸脱することなく、論じられる要素の機能および構成に変更が加えられてよい。様々な例は、適宜に、様々な手順または構成要素を省略、置換、または追加してよい。たとえば、説明される方法は、説明されるのとは異なる順序で実施されてよく、様々なステップが追加、省略、または組み合わされてよい。また、いくつかの例に関して説明される特徴は、いくつかの他の例において組み合わされてよい。たとえば、本明細書に記載された任意の数の態様を使用して、装置が実装されてよく、方法が実践されてよい。加えて、本開示の範囲は、本明細書に記載の本開示の様々な態様に加えて、または本開示の様々な態様以外の他の構造、機能、または構造と機能を使用して実践される装置あるいは方法を包含するものである。本明細書で開示される本開示のいずれの態様も、請求項の1つまたは複数の要素によって実施され得ることを理解されたい。「例示的」という単語は、「例、事例、または例示の働きをする」ことを意味するために本明細書で使用される。「例示的」として本明細書に記載されたいかなる態様も、必ずしも他の態様よりも好ましいか、または有利であると解釈されるべきではない。
【0019】
[0026] 概して、任意の数のワイヤレスネットワーク(wireless network)が所与の地理的エリア中に展開され得る。各ワイヤレスネットワークは、特定の無線アクセス技術(RAT)をサポートし得、1つまたは複数の周波数上で動作し得る。RATは、無線技術、エアインターフェースなどと呼ばれることもある。周波数は、キャリア、サブキャリア、周波数チャネル、トーン、サブバンドなどと呼ばれることもある。各周波数は、異なるRATのワイヤレスネットワーク間での干渉を回避するために、所与の地理的エリア中の単一のRATをサポートし得る。
【0020】
[0027] 本明細書で説明される技法は、様々なワイヤレスネットワークおよび無線技術のために使用され得る。本明細書では、3G、4G、および/または新無線(たとえば、5G NR)ワイヤレス技術に通常関連する用語を使用して態様が説明され得るが、本開示の態様は、他の世代ベースの通信システムにおいて適用され得る。
【0021】
[0028] NRアクセスは、(たとえば、80MHzまたはそれを超える)広帯域幅をターゲットにする拡張モバイルブロードバンド(eMBB)、(たとえば、24GHz~53GHzまたはそれを超える)高キャリア周波数をターゲットにするミリメートル波(mmW)、非後方互換性MTC技法をターゲットにするマッシブマシンタイプ通信MTC(mMTC)、および/または超高信頼低レイテンシ通信(URLLC)をターゲットにするミッションクリティカルなど、様々なワイヤレス通信サービスをサポートし得る。これらのサービスは、レイテンシおよび信頼性要件を含み得る。これらのサービスは、それぞれのサービス品質(QoS)要件を満たすために、異なる送信時間間隔(TTI)をも有し得る。さらに、これらのサービスは、同じサブフレームにおいて共存し得る。NRはビームフォーミングをサポートし、ビーム方向は動的に構成され得る。プリコーディングを用いたMIMO送信も、マルチレイヤ送信と同様に、サポートされ得る。UEごとに最高2つのストリームを用いるマルチレイヤ送信がサポートされ得る。複数のセルのアグリゲーションがサポートされ得る。
【0022】
例示的なワイヤレス通信デバイス(Example Wireless Communication Devices)
[0029]
図1は、本開示の態様が実施され得る例示的なワイヤレス通信ネットワーク100を示す。たとえば、ワイヤレス通信ネットワーク100は、NRシステム(たとえば、5G NRネットワーク)、発展型ユニバーサル地上波無線アクセス(E-UTRA)システム(たとえば、4Gネットワーク)、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)(たとえば、2G/3Gネットワーク)、もしくは符号分割多元接続(CDMA)システム(たとえば、2G/3Gネットワーク)であり得、または802.11規格のうちの1つもしくは複数などIEEE規格に従った通信のために構成され得る。
図1に示されているように、UE120aは、本開示の態様による、UE120aが配置されているまたは動作している地域(たとえば、1つまたは複数の国)に基づく構成可能なRF曝露量コンプライアンスを提供する、曝露量マネージャ122を含む。
【0023】
[0030]
図1に示されているように、ワイヤレス通信ネットワーク100は、いくつかのBS110a~z(それぞれはまた、本明細書では個々にBS110と呼ばれるか、またはBS110と総称される)と、他のネットワークエンティティとを含み得る。BS110は、固定であり得るかまたはモバイルBSのロケーションに従って移動し得る、「セル」と呼ばれることがある特定の地理的エリアに、通信カバレージを提供し得る。いくつかの例では、BS110は、任意の好適なトランスポートネットワークを使用して、様々なタイプのバックホールインターフェース(たとえば、直接物理接続、ワイヤレス接続、仮想ネットワークなど)を通して、互いに、および/あるいはワイヤレス通信ネットワーク100中の1つまたは複数の他のBSまたはネットワークノード(図示されず)に相互接続され得る。
図1に示されている例では、BS110a、110bおよび110cは、それぞれマクロセル102a、102bおよび102cのためのマクロBSであり得る。BS110xは、ピコセル102xのためのピコBSであり得る。BS110yおよび110zは、それぞれフェムトセル102yおよび102zのためのフェムトBSであり得る。BSは、1つまたは複数のセルをサポートし得る。
【0024】
[0031] BS110は、ワイヤレス通信ネットワーク100中のUE120a~y(それぞれはまた、本明細書では個々にUE120と呼ばれるか、またはUE120と総称される)と通信する。UE120(たとえば、120x、120yなど)は、ワイヤレス通信ネットワーク100全体にわたって分散され得、各UE120は、固定または移動であり得る。ワイヤレス通信ネットワーク100はまた、上流局(たとえば、BS110aまたはUE120r)からのデータおよび/または他の情報の送信を受信し、下流局(たとえば、UE120またはBS110)にデータおよび/または他の情報の送信を送るか、あるいはデバイス間の通信を容易にするためにUE120間の送信をリレーする、リレーなどとも呼ばれるリレー局(たとえば、リレー局110r)を含み得る。
【0025】
[0032] ネットワークコントローラ130は、BS110のセットと通信し、(たとえば、バックホールを介して)これらのBS110の協調および制御を行い得る。いくつかの場合においては、ネットワークコントローラ130は、たとえば、5G NRシステムにおいては、集中ユニット(CU)および/または分散ユニット(DU)を含み得る。態様においては、ネットワークコントローラ130は、アクセスおよびモビリティ管理、セッション管理、ユーザプレーン機能、ポリシ制御機能、認証サーバ機能、統合データ管理、アプリケーション機能、ネットワークエクスポージャ機能、ネットワークリポジトリ機能、ネットワークスライス選択機能など、様々なネットワーク機能を提供する、コアネットワーク132(たとえば、5Gコアネットワーク(5GC))と通信し得る。
【0026】
[0033]
図2は、本開示の態様を実装するために使用され得る、BS110aとUE120a(たとえば、
図1のワイヤレス通信ネットワーク100)との例示的な構成要素を示す。
【0027】
[0034] BS110aにおいて、送信プロセッサ220が、データソース212からデータを受信し、コントローラ/プロセッサ240から制御情報を受信し得る。制御情報は、物理ブロードキャストチャネル(PBCH)、物理制御フォーマットインジケータチャネル(PCFICH)、物理ハイブリッド自動再送要求(ARQ)インジケータチャネル(PHICH)、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)、グループ共通PDCCH(GC PDCCH)などのためのものであり得る。データは、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)などのためのものであり得る。媒体アクセス制御(MAC)-制御要素(MAC CE)は、ワイヤレスノード間の制御コマンド交換のために使用され得るMACレイヤ通信構造である。MAC-CEは、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)、または物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)などの共有チャネル中で搬送され得る。
【0028】
[0035] 送信プロセッサ220は、データおよび制御情報を処理(たとえば、符号化およびシンボルマッピング)して、それぞれデータシンボルおよび制御シンボルを取得し得る。送信プロセッサ220は、また、1次同期信号(PSS)、2次同期信号(SSS)、PBCH復調基準信号(DMRS)、およびチャネル状態情報基準信号(CSI-RS)などのための基準シンボルを生成し得る。送信(TX)多入力多出力(MIMO)プロセッサ230は、適用可能な場合、データシンボル、制御シンボル、および/または基準シンボルに対して空間処理(たとえば、プリコーディング)を実施し得、出力シンボルストリームをトランシーバ232a~232t内の変調器(MOD)に提供し得る。トランシーバ232a~232t内の各変調器は、(たとえば、OFDMなどのための)それぞれの出力シンボルストリームを処理して、出力サンプルストリームを取得し得る。各変調器は、出力サンプルストリームをさらに処理(たとえば、アナログへのコンバート、増幅、フィルタ処理、およびアップコンバート)して、ダウンリンク信号を取得し得る。トランシーバ232a~232t内の変調器からのダウンリンク信号は、それぞれ、アンテナ234a~234tを介して送信され得る。
【0029】
[0036] UE120aにおいて、アンテナ252a~252rは、BS110aからダウンリンク信号を受信し得、それぞれ、トランシーバ254a~254r内の復調器(DEMOD)に受信信号を提供し得る。トランシーバ254a~254r内の各復調器は、それぞれの受信信号を調整(たとえば、フィルタ処理、増幅、ダウンコンバート、およびデジタル化)して、入力サンプルを取得し得る。各復調器は(たとえば、OFDMなどのために)入力サンプルをさらに処理して、受信シンボルを取得し得る。MIMO検出器256は、トランシーバ254a~254r内のすべての復調器から受信シンボルを取得し、適用可能な場合、受信シンボルに対してMIMO検出を実施し、検出シンボルを提供し得る。受信プロセッサ258は、検出シンボルを処理(たとえば、復調、デインターリーブ、および復号)し、UE120aについての復号されたデータをデータシンク260に提供し、復号された制御情報をコントローラ/プロセッサ280に提供し得る。
【0030】
[0037] アップリンク上では、UE120aにおいて、送信プロセッサ264が、データソース262から(たとえば、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)のための)データを受信し、処理し得、コントローラ/プロセッサ280から(たとえば、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)のための制御情報を受信し、処理し得る。送信プロセッサ264はまた、基準信号のための(たとえば、サウンディング基準信号(SRS)のための)基準シンボルを生成し得る。送信プロセッサ264からのシンボルは、適用可能な場合、TX MIMOプロセッサ266によってプリコーディングされ、(たとえば、SC-FDMなどのために)トランシーバ254a~254r内の変調器(MOD)によってさらに処理され、BS110aに送信され得る。BS110aにおいて、UE120aからのアップリンク信号は、アンテナ234によって受信され、トランシーバ232a~232t内の変調器によって処理され、適用可能な場合、MIMO検出器236によって検出され、UE120aによって送られた復号されたデータおよび制御情報を取得するために、受信プロセッサ238によってさらに処理され得る。受信プロセッサ238は、復号されたデータをデータシンク239に提供し、復号された制御情報をコントローラ/プロセッサ240に提供し得る。
【0031】
[0038] メモリ242および282は、それぞれBS110aおよびUE120aのためのデータおよびプログラムコードを記憶し得る。スケジューラ244は、ダウンリンク上および/またはアップリンク上でのデータ送信のためにUEをスケジュールし得る。
【0032】
[0039] UE120aのアンテナ252、プロセッサ266、258、264、および/またはコントローラ/プロセッサ280、ならびに/あるいはBS110aのアンテナ234、プロセッサ220、230、238、および/またはコントローラ/プロセッサ240は、本明細書で説明される様々な技法および方法を実施するために使用され得る。
図2に示されているように、UE120aのコントローラ/プロセッサ280は、本明細書において説明される態様に従って、UE120aが配置されているまたは動作している地域に基づく構成可能なRF曝露量コンプライアンスを提供する、RF曝露量マネージャ281を有する。コントローラ/プロセッサにおいて示されているが、UE120aおよびBS110aの追加および/または他の構成要素が、本明細書において説明される動作を実施するために使用されてよい。
【0033】
[0040] NRは、アップリンクとダウンリンクとの上でサイクリックプレフィックス(CP)とともに直交周波数分割多重化(OFDM)を利用し得る。NRは、時分割複信(TDD)を使用した半二重動作をサポートし得る。OFDMとシングルキャリア周波数分割多重化(SC-FDM)とは、システム帯域幅を、トーン、ビンなどとも通常呼ばれる複数の直交サブキャリアに区分する。各サブキャリアはデータで変調され得る。変調シンボルは、OFDMでは周波数領域中で、SC-FDMでは時間領域中で送られ得る。隣接するサブキャリア間の間隔は固定であり得、サブキャリアの総数はシステム帯域幅に依存し得る。システム帯域幅は、また、サブバンドに区分され得る。たとえば、サブバンドは、複数のリソースブロック(RB)をカバーし得る。
【0034】
[0041] UE120aは、
図1および
図2に関しては、BSと通信する、および/またはネットワーク内において通信するものとして説明されているが、UE120aは、別のUE120と直接通信し/別のUE120に直接送信するように、またはネットワークを通して通信を中継することなく、別のワイヤレスデバイスと通信し/別のワイヤレスデバイスに送信するように構成され得る。いくつかの実施形態においては、
図2に示され、上記で説明されたBS110aは、別のUE120の例である。
【0035】
例示的なRFトランシーバ(Example RF Transceiver)
[0042]
図3は、本開示のいくつかの態様による、例示的なRFトランシーバ回路300のブロック図である。RFトランシーバ回路300は、1つまたは複数のアンテナ306を介して信号を送信するための(送信チェーンとしても知られる)少なくとも1つの送信(TX)経路302と、アンテナ306を介して信号を受信するための(受信チェーンとしても知られる)少なくとも1つの受信(RX)経路304とを含む。TX経路302とRX経路304とが、アンテナを共有するとき、経路は、インターフェース308を介してアンテナと接続され得、インターフェース308は、スイッチ、デュプレクサ、ダイプレクサ、およびマルチプレクサなど、様々な好適なRFデバイスのいずれかを含み得る、
[0043] デジタルアナログコンバータ(DAC)310から同相(I)または直交位相(Q)ベースバンドアナログ信号を受信するとき、TX経路302は、ベースバンドフィルタ(BBF)312と、ミキサ314と、ドライバ増幅器(DA)316と、電力増幅器(PA)318とを含み得る。BBF312、ミキサ314と、DA316と、PA318とは、1つまたは複数の無線周波数集積回路(RFIC)中に含まれ得る。PA318は、いくつかの実装については、RFICの外部にあり得る。
【0036】
[0044] BBF312は、DAC310から受信されたベースバンド信号をフィルタ処理し、ミキサ314は、フィルタ処理されたベースバンド信号を送信局部発振器(LO)信号と混合して、当該のベースバンド信号を異なる周波数にコンバートする(たとえば、ベースバンドから無線周波数にアップコンバートする)。この周波数コンバージョンプロセスは、LO周波数と当該のベースバンド信号の周波数との間の和および差周波数を生成する。和および差周波数は、ビート周波数と呼ばれる。ビート周波数は、一般に、RF範囲内にあり、したがって、ミキサ314によって出力される信号は、一般に、RF信号であり、DA316によって増幅され、および/または、アンテナ306による送信の前にPA318によって増幅され得る。1つのミキサ314が、示されているが、いくつかのミキサが、フィルタ処理されたベースバンド信号を1つまたは複数の中間周波数にアップコンバートし、その後、中間周波数信号を送信用の周波数にアップコンバートするために使用され得る。
【0037】
[0045] RX経路304は、低雑音増幅器(LNA)324と、ミキサ326と、ベースバンドフィルタ(BBF)328とを含み得る。LNA324と、ミキサ326と、BBF328とは、TX経路構成要素を含む同じRFICであることもそうでないこともあるRFIC中に含まれ得る。アンテナ306を介して受信されるRF信号は、LNA324によって増幅され得、ミキサ326は、増幅されたRF信号を受信局部発振器(LO)信号と混合して、当該のRF信号を異なるベースバンド周波数にコンバートする(たとえば、ダウンコンバートする)。ミキサ326によって出力されたベースバンド信号は、デジタル信号処理のためにデジタルIまたはQ信号にアナログデジタルコンバータ(ADC)330によってコンバートされる前に、BBF328によってフィルタ処理され得る。1つのミキサ326が、示されているが、いくつかのミキサが、増幅されたRF信号を1つまたは複数の中間周波数にダウンコンバートし、その後、中間周波数信号をベースバンドにダウンコンバートするために使用され得る。
【0038】
[0046] いくつかのトランシーバは、特定の同調範囲をもつ安定した、同調可能なLOを生成するために、電圧制御発振器(VCO)をもつ周波数シンセサイザを採用し得る。したがって、送信LOは、TX周波数シンセサイザ320によって生成され得、送信LOは、ミキサ314中でベースバンド信号と混合される前に、増幅器322によってバッファまたは増幅され得る。同様に、受信LOは、RX周波数シンセサイザ332によって生成され得、受信LOは、ミキサ326中でRF信号と混合される前に、増幅器334によってバッファまたは増幅され得る。
【0039】
[0047] コントローラ336は、TX経路302を介して信号を送信すること、および/またはRX経路304を介して信号を受信することなど、RFトランシーバ回路300の動作を指示し得る。コントローラ336は、プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス(PLD)、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、またはそれらの任意の組合せであり得る。メモリ338は、RFトランシーバ回路300を動作させるためのデータとプログラムコードとを記憶し得る。コントローラ336および/またはメモリ338は、制御ロジックを含み得る。いくつかの場合においては、コントローラ336は、本明細書でさらに説明されるように、国内および/または国外の規格規制によって設定されたRF曝露量レベルに準拠する、ある時間間隔についての送信電力レベル(たとえば、PA318における利得のあるレベル)を決定し得る。
【0040】
例示的なRF曝露量コンプライアンス(Example RF Exposure Compliance)
[0048] RF曝露量は、単位質量当たりの人間の組織によるエネルギー吸収を測定し、ワット毎キログラム(W/kg)の単位を有し得る、比吸収率(SAR)に関して表され得る。RF曝露量はまた、単位面積当たりのエネルギー吸収を測定し、mW/cm2の単位を有し得る、電力密度(PD)に関して表され得る。いくつかの場合においては、PDの観点からの最大許容曝露量(MPE:maximum permissible exposure)制限が、6GHzを上回る送信周波数を使用するワイヤレス通信デバイスに対して課され得る。MPE制限は、面積に基づく曝露量についての規制メトリック、たとえば、組織温度変化によって表される人体曝露ハザード(human exposure hazard)を防止するために、定義された面積にわたって平均され、周波数依存の時間窓にわたって時間平均された、ワット毎平方メートル(W/m2)単位の数Xとして定義されるエネルギー密度制限である。
【0041】
[0049] SARは、2G/3G(たとえば、CDMA)、4G(たとえば、LTE(登録商標))、5G(たとえば、6GHz帯におけるNR)、IEEE802.11acなどのワイヤレス通信技術をカバーする6GHz未満の送信周波数についてのRF曝露量を査定するために使用され得る。PDは、IEEE802.11ad、802.11ay、ミリ波帯における5Gなどのワイヤレス通信技術をカバーする10GHzよりも高い送信周波数についてのRF曝露量を査定するために使用され得る。このように、異なるワイヤレス通信技術のRF曝露量を査定するために、異なるメトリックが使用され得る。
【0042】
[0050] ワイヤレス通信デバイス(たとえば、UE120)は、複数のワイヤレス通信技術を使用して信号を同時に送信し得る。たとえば、ワイヤレス通信デバイスは、6GHz以下で動作する第1のワイヤレス通信技術(たとえば、3G、4G、5Gなど)と、6GHzよりも上で動作する第2のワイヤレス通信技術(たとえば、24~60GHz帯域中のmmWave5G、IEEE802.11adまたは802.11ay)とを使用して、信号を同時に送信し得る。いくつかの態様では、ワイヤレス通信デバイスは、RF曝露量がSARに関して測定される第1のワイヤレス通信技術(たとえば、サブ6GHz帯域中の3G、4G、5G、IEEE802.11acなど)と、RF曝露量がPDに関して測定される第2のワイヤレス通信技術(たとえば、24~60GHz帯域中の5G、IEEE802.11ad、802.11ayなど)とを使用して、信号を同時に送信し得る。
【0043】
[0051] 第1の技術(たとえば、サブ6GHz帯域中の3G、4G、5G、IEEE802.11acなど)を使用した送信からのRF曝露量を査定するために、ワイヤレス通信デバイスは、メモリ(たとえば、
図2のメモリ282または
図3のメモリ338)に記憶された第1の技術についての複数のSAR分布を含み得る。SAR分布の各々は、第1の技術のためにワイヤレス通信デバイスによってサポートされる、複数の送信シナリオのうちのそれぞれ1つに対応し得る。送信シナリオは、以下でさらに論じられるように、アンテナ(たとえば、
図2のアンテナ252a~252rもしくは
図3のアンテナ306)、周波数帯域、チャネルおよび/または本体位置の様々な組合せに対応し得る。
【0044】
[0052] 各送信シナリオについての(SARマップとも呼ばれる)SAR分布は、人間の身体のモデルを使用してテスト研究室中で実施される測定(たとえば、E界測定)に基づいて生成され得る。SAR分布が生成された後に、SAR分布は、以下でさらに論じられるように、プロセッサ(たとえば、
図2のコントローラ/プロセッサ280、または
図3のコントローラ336)が、リアルタイムでRF曝露量を査定することを可能にするために、メモリに記憶される。各SAR分布は、SAR値のセットを含み、ここで、各SAR値は、(たとえば、人間の身体のモデル上の)異なるロケーションに対応し得る。各SAR値は、それぞれのロケーションにおけるたとえば1gまたは10gの質量にわたって平均化されたSAR値を備え得る。
【0045】
[0053] 各SAR分布におけるSAR値は、特定の送信電力レベル(たとえば、テスト研究室中でSAR値が測定された送信電力レベル)に対応する。SARが送信電力レベルとともにスケーリングするので、プロセッサは、SAR分布における各SAR値に以下の送信電力スケーラを乗算することによって、任意の送信電力レベルのSAR分布をスケーリングし得る。
【0046】
【0047】
ここで、Txcは、それぞれの送信シナリオについての現在の送信電力レベルであり、TxSARは、記憶されたSAR分布におけるSAR値に対応する送信電力レベル(たとえば、テスト研究室中でSAR値が測定された送信電力レベル)である。
【0048】
[0054] 上記で論じられたように、ワイヤレス通信デバイスは、第1の技術について複数の送信シナリオをサポートし得る。いくつかの態様では、送信シナリオは、パラメータのセットによって指定され得る。パラメータのセットは、送信のために使用される1つまたは複数のアンテナ(すなわち、アクティブアンテナ)を示すアンテナパラメータ、送信のために使用される1つまたは複数の周波数帯域(すなわち、アクティブ周波数帯域)を示す周波数帯域パラメータ、送信のために使用される1つまたは複数のチャネル(すなわち、アクティブチャネル)を示すチャネルパラメータ、ユーザの身体ロケーション(身体から離れている、頭部、胴体など)に対するワイヤレス通信デバイスのロケーションを示す本体位置パラメータならびに/あるいは他のパラメータ、のうちの1つまたは複数を含み得る。ワイヤレス通信デバイスが多数の送信シナリオをサポートする場合、テスト環境(たとえば、テスト研究室)において各送信シナリオについて測定を実施することは、極めて時間および費用がかかり得る。テスト時間を低減するために、測定は、送信シナリオのサブセットについてSAR分布を生成するために、送信シナリオのサブセットについて実施され得る。この例では、残りの送信シナリオの各々についてのSAR分布は、以下でさらに論じられるように、送信シナリオのサブセットについてのSAR分布のうちの2つ以上を組み合わせることによって生成され得る。
【0049】
[0055] たとえば、SAR測定は、アンテナの各々についてのSAR分布を生成するために、アンテナの各々について実施され得る。この例では、アンテナのうちの2つ以上がアクティブである送信シナリオのSAR分布は、2つ以上のアクティブアンテナについてのSAR分布を組み合わせることによって生成され得る。
【0050】
[0056] 別の例では、SAR測定は、複数の周波数帯域の各々についてSAR分布を生成するために、複数の周波数帯域の各々について実施され得る。この例では、2つ以上の周波数帯域がアクティブである送信シナリオのSAR分布は、2つ以上のアクティブ周波数帯域についてのSAR分布を組み合わせることによって生成され得る。
【0051】
[0057] 第2の技術(たとえば、24~60GHz帯域中の5G、IEEE802.11ad、802.11ayなど)を使用した送信からのRF曝露量を査定するために、ワイヤレス通信デバイスは、メモリ(たとえば、
図2のメモリ282または
図3のメモリ338)に記憶された第2の技術についての複数のPD分布を含み得る。PD分布の各々は、第2の技術のためにワイヤレス通信デバイスによってサポートされる、複数の送信シナリオのうちのそれぞれ1つに対応し得る。送信シナリオは、以下でさらに論じられるように、アンテナ(たとえば、
図2のアンテナ252a~252rもしくは
図3のアンテナ306)、周波数帯域、チャネルおよび/または本体位置の様々な組合せに対応し得る。
【0052】
[0058] 各送信シナリオについての(PDマップとも呼ばれる)PD分布は、人間の身体のモデルを使用してテスト研究室中で実施される測定(たとえば、E界測定)に基づいて生成され得る。PD分布が生成された後に、PD分布は、以下でさらに論じられるように、プロセッサ(たとえば、
図2のコントローラ/プロセッサ280、または
図3のコントローラ336)が、リアルタイムでRF曝露量を査定することを可能にするために、メモリに記憶される。各PD分布は、PD値のセットを含み、ここで、各PD値は、(たとえば、人間の身体のモデル上の)異なるロケーションに対応し得る。
【0053】
[0059] 各PD分布におけるPD値は、特定の送信電力レベル(たとえば、テスト研究室中でPD値が測定された送信電力レベル)に対応する。PDが送信電力レベルとともにスケーリングするので、プロセッサは、PD分布における各PD値に以下の送信電力スケーラを乗算することによって、任意の送信電力レベルのPD分布をスケーリングし得る。
【0054】
【0055】
ここで、Txcは、それぞれの送信シナリオについての現在の送信電力レベルであり、TxPDは、PD分布におけるPD値に対応する送信電力レベル(たとえば、テスト研究室中でPD値が測定された送信電力レベル)である。
【0056】
[0060] 上記で論じられたように、ワイヤレス通信デバイスは、第2の技術について複数の送信シナリオをサポートし得る。いくつかの態様では、送信シナリオは、パラメータのセットによって指定され得る。パラメータのセットは、送信のために使用される1つまたは複数のアンテナ(すなわち、アクティブアンテナ)を示すアンテナパラメータ、送信のために使用される1つまたは複数の周波数帯域(すなわち、アクティブ周波数帯域)を示す周波数帯域パラメータ、送信のために使用される1つまたは複数のチャネル(すなわち、アクティブチャネル)を示すチャネルパラメータ、ユーザの身体ロケーション(身体から離れている、頭部、胴体など)に対するワイヤレス通信デバイスのロケーションを示す本体位置パラメータならびに/あるいは他のパラメータ、のうちの1つまたは複数を含み得る。ワイヤレス通信デバイスが多数の送信シナリオをサポートする場合、テスト環境(たとえば、テスト研究室)において各送信シナリオについて測定を実施することは、極めて時間および費用がかかり得る。テスト時間を低減するために、測定は、送信シナリオのサブセットについてPD分布を生成するために、送信シナリオのサブセットについて実施され得る。この例では、残りの送信シナリオの各々についてのPD分布は、以下でさらに論じられるように、送信シナリオのサブセットについてのPD分布のうちの2つ以上を組み合わせることによって生成され得る。
【0057】
[0061] たとえば、PD測定は、アンテナの各々についてのPD分布を生成するために、アンテナの各々について実施され得る。この例では、アンテナのうちの2つ以上がアクティブである送信シナリオのPD分布は、2つ以上のアクティブアンテナについてのPD分布を組み合わせることによって生成され得る。
【0058】
[0062] 別の例では、PD測定は、複数の周波数帯域の各々についてPD分布を生成するために、複数の周波数帯域の各々について実施され得る。この例では、2つ以上の周波数帯域がアクティブである送信シナリオのPD分布は、2つ以上のアクティブ周波数帯域についてのPD分布を組み合わせることによって生成され得る。
【0059】
地域に基づく例示的な構成可能なRF曝露量コンプライアンス(Example Configurable RF Exposure Compliance based on Region)
[0063] 時間平均されたRF曝露量コンプライアンス(たとえば、SARまたはMPE/PD)は、望ましいモデム性能(たとえば、高い送信電力)を提供し、UEにおけるユーザ安全性を保証し得る。マルチモード/マルチバンドUEは、サブ6GHz帯域および6GHzよりも大きい帯域において同時に送信することができる、複数の送信アンテナを有し得る。本明細書において説明されるように、サブ6GHz帯域のRF曝露量は、SARの観点から評価され得、6GHzよりも大きい帯域のRF曝露量は、PDの観点から評価され得る。異なる地域、または規制/規格団体(たとえば、米国の連邦通信委員会(FCC)、カナダのイノベーション科学経済開発省(ISED)、もしくは欧州連合(EU)が従う非電離放射線防護に関する国際委員会(ICNIRP)規格)は、異なるRF曝露量コンプライアンス制限(SARおよびPD)を指定することがある。いくつかの場合においては、異なる地域、または規制/規格団体は、RF曝露量を平均するための、またはさもなければRF曝露量を計算するための異なる時間窓を指定することもある。また、いくつかの規制団体(たとえば、2020年規格におけるICNIRP)は、短時間RF曝露量制限という観点からの追加のコンプライアンス制限を指定することがある。
【0060】
[0064] サブ6GHz帯域の場合においては、一般集団に対する頭部または胴体曝露量について、FCCは、1g-massの人体組織にわたって平均されたときに、1.6W/kgのSAR制限を指定している。ICNIRP 1998規格は、10g-massの人体組織にわたって平均されたときに、(EUおよび他の多くの国が従う)2.0W/kgのSAR制限を有している。ICNIRP 2020規格は、ICNIRP 1998規格と同じサブ6GHz曝露量制限を有している。
【0061】
[0065] ミリ波帯域(たとえば、6GHzよりも大きい帯域)の場合、一般集団に対するミリ波曝露量について、FCCは、4cm2の面積にわたって平均されたときに、10W/m2のPD制限を指定している。ICNIRP 1998規格は、20cm2の面積にわたって平均されたときに、10W/m2のPD制限を指定している。ICNIRP 2020規格は、異なるPD制限を提供している。
【0062】
[0066] RF曝露量制限に加えて、特定の地域は、RF曝露量を決定する際に、時間平均を許容し、RF曝露量コンプライアンスのための時間窓の長さを指定している。規制当局によって指定される時間窓長は、送信周波数に伴って変化することがある。たとえば、FCCは、3GHz未満の送信周波数について100秒の時間窓、24GHzから42GHzの間の送信周波数について4秒の時間窓などを指定している。ICNIRP 1998規格は、6GHz未満の送信周波数について360秒の時間窓、および6GHzよりも大きい送信周波数について異なる時間窓長を提供している。ICNIRP 2020規格は、すべての周波数範囲(たとえば、100kHzから300GHzまで)について360秒の時間窓を提供しているが、急激な温度上昇を制御するために、短時間RF曝露量制限も指定している。
【0063】
[0067] RF曝露量制限と、平均のための時間窓とに加えて、いくつかの規制規格(たとえば、ICNIRP 2020規格)は、任意のパルス、パルスのグループ、または一連のパルスのサブグループから、および指定された時間期間内における(非パルス送信を含む)曝露量の総和から、送信のための総RF曝露量エネルギーを制限することによって、短時間RF曝露量に対する制限を指定していることがある。
【0064】
[0068] 当業者は、本明細書において説明されるRF曝露量コンプライアンスと関連付けられた様々なパラメータ(たとえば、RF曝露量制限、短時間RF曝露量制限、および時間窓)についての特定の値が、単なる例にすぎないことを理解するであろう。たとえば、規制団体または特定の地域の規格によって採用された、RF曝露量コンプライアンスについての更新された規格および/または規制要件のために、パラメータについての代替的な値が、本明細書において説明されるものに加えて、またはそれらの代わりに使用されてよい。したがって、FCCがある値/制限を指定していることが、上述されているが、本明細書における実施形態は、それに限定されず、本開示の態様は、FCCからの他の値/制限に、ならびに/または他の値/制限、もしくは他の規制団体および/もしくは規格に当てはまり得ることが理解されるであろう。
【0065】
[0069] 概して、特定の地域は、他の地域よりも低いRF曝露量制限または小さい時間窓を有することがある。たとえば、FCCのRF曝露量制限(1.6W/kg 1g SAR)は、ICNIRP 1998のRF曝露量制限(2.0W/kg 10g SAR)よりも低い。言い換えれば、FCCのRF曝露量制限を満たす送信電力は、ICNIRP 1998のRF曝露量制限も満たすが、その逆は当てはまらない。
【0066】
[0070] いくつかの場合においては、UEは、UEが、より大きいRF曝露量制限またはより大きい時間窓を有する地域において動作している場合であっても、最低の制限および/または最小の時間窓など、複数の地域に準拠するRF曝露量制限を使用するように構成されることがある。たとえば、UEがそこで動作することが予想される、またはそこで動作するように設計されたある地域は、FCCからのRF曝露量制限と、ICNIRP 1998規格からの時間窓とを使用することがあり、またはデバイスは、異なる制限または規格を遵守する地域を越えて輸送されることが予想されることがある。そのような場合においては、UEは、コンプライアンスを保証するために、UEが、ある時間において、物理的にどこに配置されているかにかかわらず、これら2つの地域/規格のうち最も低い値を有するRF曝露量制限と、これら2つの地域/規格のうち最も低い値を有する時間窓とを使用するよう構成され得る。そのため、いくつかの状況においては、UEは、より低いRF曝露量制限および/または時間窓の適用のせいで、望ましくない送信電力を有することがある。その結果の送信電力は、セルエッジにおけるアップリンクデータレート、アップリンクキャリアアグリゲーション、および/またはアップリンク送信などにおいて、望ましくない性能をもたらすことがある。
【0067】
[0071] 本開示の態様は、デバイスが現在配置されている地域に基づいて、RF曝露量コンプライアンスを動的に構成するための様々な技法を提供する。たとえば、UEは、UEが配置されているまたは動作している地域を識別し、地域に基づいて、RF曝露量コンプライアンスのための様々な設定を選択し得る。いくつかの態様においては、地域は、ワイヤレスネットワーク識別情報(たとえば、公衆陸上モバイルネットワーク(PLMN))と関連付けられた運用地域識別コード(MCC)によって識別され得る。いくつかの場合においては、UEは、地域に基づいて、時間窓および/またはRF曝露量制限を選択し得る。たとえば、UEは、地域において使用される規制値に一致する時間窓および/またはRF曝露量制限を選択し得る。いくつかの場合においては、いくつかの地域は、RF曝露量コンプライアンスを決定するために、時間窓に基づく時間平均RF曝露量制限の代わりに、最大またはピークRF曝露量制限を使用することがある。たとえば、ピーク曝露量モード(peak exposure mode)は、時間平均を許容しないいくつかの地域において/いくつかの規制当局のために使用されることがあり、現在のピーク/最大送信電力は、RF曝露量制限(たとえば、SAR/PD制限)に制限される。時間平均モードは、たとえば、RF曝露量コンプライアンスが、所与の時間窓にわたる式(1)および式(2)の移動時間平均が1.0よりも小さいこと(たとえば、平均Tx電力≦TxSARまたはTxPD)によって決定されるような、RF曝露量に対する時間平均を許可する地域/規制当局のためのものである。UEは、地域におけるRF曝露量コンプライアンスのための曝露量モード(時間平均モード、ピークモード、または場合によっては1つもしくは複数の他のモードなど)を選択し得る。
【0068】
[0072] 複数の地域において動作可能なUEの場合、UEは、各地域ごとに、特定の地域において適用される時間平均窓、RF曝露量制限、および/または短時間RF曝露量制限どおりに、別個のRF曝露量構成を有し得る。いくつかの場合においては、UEは、特定の地域に準拠する時間窓、RF曝露量制限、短時間RF曝露量制限、および/または曝露量モードを選択し得る。たとえば、UEは、特定の地域において使用される時間窓の規制値以下である、時間窓についての値を選択し得る。いくつかの場合においては、UEは、特定の地域において使用されるRF曝露量制限の規制値以下である、RF曝露量制限を選択し得る。
【0069】
[0073] 本明細書において説明されるような動的に構成可能なRF曝露量コンプライアンスは、UEが、セルエッジにおける望ましいアップリンクデータレート、望ましいアップリンクキャリアアグリゲーション、および/または望ましいアップリンク接続など、望ましい送信性能を有することを可能にし得る。たとえば、本明細書において説明されるような動的に構成可能なRF曝露量コンプライアンスは、望ましい送信電力制限をUEに提供し得る。UEは、特定の地域についてのRF曝露量コンプライアンスのための特定のパラメータをより柔軟に構成し得、そのことが、その特定の地域における望ましい送信電力制限をもたらし得る。
【0070】
[0074]
図4は、本開示のいくつかの態様による、ワイヤレス通信のための例示的な動作400を示す流れ図である。動作400は、たとえば、UE(たとえば、ワイヤレス通信ネットワーク100中のUE120a)によって実施され得る。動作400は、1つまたは複数のプロセッサ(たとえば、
図2のコントローラ/プロセッサ280)上で実行および稼働されるソフトウェア構成要素として実装され得る。さらに、動作400におけるUEによる信号の送信および受信は、たとえば、1つまたは複数のアンテナ(たとえば、
図2のアンテナ252)によって可能にされ得る。いくつかの態様では、UEによる信号の送信および/または受信は、信号を取得および/または出力する1つまたは複数のプロセッサ(たとえば、コントローラ/プロセッサ280)のバスインターフェースを介して実装され得る。
【0071】
[0075] 動作400は、UEが、UEが配置されているまたは動作している地域を識別し得る、ブロック402において開始し得る。たとえば、UEは、ワイヤレスネットワークのMCCを含み得るワイヤレスネットワーク識別情報を示すシステム情報を、ネットワークエンティティ(たとえば、BS110)から受信し得、UEは、本明細書においてさらに説明されるように、MCCに基づいて、地域を識別し得る。
【0072】
[0076] ブロック404において、UEは、識別された地域に基づいて、RF曝露量コンプライアンスについてのモードまたは1つもしくは複数のパラメータのうちの少なくとも一方を選択し得る。モードは、ピーク曝露量モードを含み得、RF曝露量コンプライアンスは、たとえば、曝露の時間にかかわりなく、最大RF曝露量制限に従って決定される。モードは、時間平均曝露量モード(time-averaging exposure mode)も含み得、RF曝露量コンプライアンスは、別の例として、移動時間窓を有する時間平均RF曝露量制限に従って決定される。RF曝露量コンプライアンスについてのパラメータは、たとえば、時間窓、RF曝露量制限、および/または短時間RF曝露量制限(の施行)を含み得る。いくつかの場合においては、UEは、識別された地域におけるRF曝露量コンプライアンスのために使用される規制値に一致するパラメータ(たとえば、時間窓、RF曝露量制限、または短時間RF曝露量制限(の施行))を選択し得る。識別された地域のための規制値の選択は、UEが、地域についてのRF曝露量制限に準拠する最大許容送信電力(maximum permissible transmit power)で送信することを可能にし得る。
【0073】
[0077] ブロック406において、UEは、選択されたモードまたは選択された1つもしくは複数のパラメータのうちの少なくとも一方に少なくとも部分的に基づく送信電力レベルで、信号を送信し得る。たとえば、UEは、選択された時間窓を使用する時間平均RF曝露量制限に準拠する送信電力レベルで、送信し得る。
【0074】
[0078] ブロック402において、UEは、地域内に物理的に配置されている、および/または地域内において動作(たとえば、ワイヤレスネットワークと通信)していることがある。いくつかの場合においては、地域の識別は、(PLMNなどの)ワイヤレスネットワークのMCCに基づき得る。すなわち、ブロック402において、UEは、UEがそこで動作または通信しているワイヤレスネットワークのMCCに基づいて、地域を識別し得る。たとえば、UEは、基地局(たとえば、BS110)から、MCCとモバイルネットワークコード(MNC)とを含むワイヤレスネットワーク識別情報(たとえば、PLMNク識別情報)を示すメッセージ(message)(たとえば、システム情報ブロック)を受信し得る。態様においては、地域は、1つもしくは複数の国(country)(たとえば、米国、カナダ、もしくはEU)を含み、および/または1つもしくは複数のMCCと関連付けられ得る。いくつかの場合においては、ブロック402における地域の識別は、UEが、
図5Aおよび
図5Bに関して本明細書においてさらに説明されるように、たとえば、MCCが地域に対応するMCCのリスト内にあることを識別することを含み得る。
【0075】
[0079] たとえば、UEが、UEがそこで動作または通信しているワイヤレスネットワークのMCCを示すシステム情報を受信するとする。UEは、MCCが地域に対応するMCCのリストに属していることを識別し得、UEは、MCCのリストと関連付けられた様々なRF曝露量パラメータ(たとえば、RF曝露量制限および/または時間窓)を選択し得る。
【0076】
[0080] 地域を識別する他の方法が、使用され得る。たとえば、UE120は、ネットワークから、MCC以外の地域インジケータを受信し得、および/またはUE120は、全地球測位システム(GPS)、全地球航法衛星システム(GLONASS)、もしくはガリレオなど、全地球航法衛星システム(GNSS)から受信された信号に従って決定されたロケーションに基づいて、地域を決定し得る。いくつかの場合においては、UE120は、UEがどこに配置されているかを、たとえば、アクセスポイントロケーションのデータベースを通して検出するために、アクセスポイントを使用することができる、Wi-Fi(登録商標)測位システムに基づいて、地域を決定し得る。
【0077】
[0081] 態様においては、パラメータを選択することは、識別された地域において使用される規制値に準拠する時間窓および/またはRF曝露量制限についての値を選択することを伴い得る。パラメータを選択することは、追加的または代替的に、識別された地域において使用される短時間RF曝露量制限についての値を選択することを伴い得る。
【0078】
[0082] たとえば、UEは、地域において使用される第1の規制値に準拠する(たとえば、それ以下の)時間窓(たとえば、ICNIRP 1998規格についての規制値に一致する時間窓)についての第1の値(first value)を選択し、または地域において使用される第2の規制値に準拠する(たとえば、それ以下の)RF曝露量制限(たとえば、FCC規格についての規制値に一致するSAR制限)についての第2の値(second value)を選択し得る。いくつかの場合においては、第1の値は、第1の規制値に一致して(たとえば、等しくて)よい。いくつかの態様においては、第2の値は、第2の規制値に一致してよい。いくつかの場合においては、選択された第1の値は、第1の規制団体によって確立された、または第1の規格に従った、第1の規制値に準拠し、選択された第2の値は、第1の規制団体または規格とは異なる、第2の規制団体によって確立された、または第2の規格に従った、第2の規制値に準拠する。
【0079】
[0083] UEは、第3の規制団体または規格からの規制制限(regulatory limit)(たとえば、FCC規格についての規制値に一致するSAR制限)に準拠する、第1のRF曝露量制限についての第3の値(third value)を選択し、第4の規制団体または規格からの第2の規制制限(たとえば、ICNIRP 1998規格についての規制値に一致するPD制限)に準拠する、第2のRF曝露量制限(second RF exposure limit)についての第4の値(fourth value)を選択し得る。本明細書において使用される場合、規制値は、地域の規制機関または委員会によって提供または採用されるような最大許容値を表し得る。態様においては、時間窓および/またはRF曝露量制限は、送信周波数に依存し得る。たとえば、UEは、信号の送信周波数に基づいて、識別された地域において使用される規制値に準拠する時間窓および/またはRF曝露量制限についての値を選択し得る。
【0080】
[0084] いくつかの態様においては、UEは、地域のために使用される曝露量モード(たとえば、ブロック404におけるモード)を選択し、曝露量モードに基づく送信電力レベルで、信号を送信し得る。たとえば、UEは、地域に対応するピーク曝露量モードを使用する、選択されたRF曝露量制限に少なくとも部分的に基づく送信電力レベルで、信号を送信し得る。いくつかの場合においては、UEは、地域に対応する時間平均曝露量モードを使用する、選択されたRF曝露量制限および/または選択された時間窓に少なくとも部分的に基づく送信電力レベルで、信号を送信し得る。
【0081】
[0085] いくつかの場合においては、UEは、識別された地域に基づいて、RF曝露量コンプライアンスを決定するために使用される他のパラメータを選択し得る。たとえば、UEは、特定の地域におけるSARについてのRF曝露量コンプライアンスを決定するために使用される立方体質量のサイズ(たとえば、1g-mass、10g-massなど)を選択し得る。UEは、特定の地域におけるPDについてのRF曝露量コンプライアンスを決定するために使用される面積のサイズ(たとえば、4cm2の面積、20cm2の面積など)を選択し得る。
【0082】
[0086] 態様においては、UEは、BS110などの基地局と通信していることがある。たとえば、ブロック406において、UEは、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)上においてユーザデータを、および/または物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)上において様々なアップリンクフィードバック(たとえば、アップリンク制御情報(UCI)もしくはハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバック)を、基地局に送信していることがある。いくつかの場合においては、UEは、別のUEと通信していることがある。たとえば、ブロック406において、UEは、サイドリンクチャネル上においてユーザデータおよび/または様々なフィードバックを、他のUEに送信していることがある。
【0083】
[0087] いくつかの態様においては、RF曝露量制限は、比吸収率(SAR)制限、電力密度(PD)制限、比エネルギー吸収(SA:specific energy absorption)制限、および/または吸収エネルギー密度(Uab:absorbed energy density)制限を備え得る。態様においては、UEは、1秒から360秒までの範囲内の時間窓を選択し得る。たとえば、時間窓は、4秒、100秒、または360秒であり得る。1秒から360秒までの範囲は、例であり、時間窓についての他の好適な値が、使用されてよい。いくつかの場合においては、時間窓は、10ミリ秒など、1秒未満であることがある。いくつかの場合においては、時間窓は、600秒など、360秒よりも大きいことがある。
【0084】
[0088] いくつかの場合においては、UEは、地域/MCCを、たとえば、マッピングに基づいて(たとえば、ルックアップテーブルで)、RF曝露量コンプライアンスについての様々なパラメータおよびモードと関連付け得る。たとえば、
図5Aは、本開示のいくつかの態様による、MCCリストと様々なRF曝露量パラメータおよび曝露量モードとの間の例示的なマッピングを示す表である。この例においては、MCCリストの各々は、1つまたは複数のMCCを含み得、MCCリストは、カナダ、米国、またはEUなど、特定の国または地域に対応し得る。UEは、UEがそこで動作しているワイヤレスネットワークの現在のMCCを識別し得、UEは、現在のMCCが対応するMCCリストを識別し得る。現在のMCCに基づいて、UEは、識別されたMCCおよび/またはMCCリストに対応するそれぞれの曝露量モード(たとえば、時間平均モードもしくはピークモード)、時間窓(たとえば、T1、T2、もしくはT3)、SAR制限(たとえば、SAR1、SAR2、もしくはSAR3)、および/またはPD制限(たとえば、PD1、PD2、もしくはPD3)を選択し得る。たとえば、UEは、それの現在のMCCがMCCリスト#4に対応することを識別し得、これに基づいて、UEは、RF曝露量コンプライアンスを決定するためのモードおよびパラメータ値として、ピーク曝露量モード、SAR2、およびPD2を選択し得る。
【0085】
[0089] いくつかの場合においては、MCCリストは、特定の周波数範囲および/またはRF曝露量制限に対応する複数の時間窓(図示されず)を有し得る。たとえば、MCCリスト#4は、SAR制限およびサブ6GHz帯域のための第1の時間窓(T1_SAR)と、PD制限およびミリ波帯域のための第2の時間窓(T1_PD)とを有し得る。
【0086】
[0090] いくつかの場合においては、
図5Aに示される時間窓およびRF曝露量制限についての様々な値は、それぞれのMCC/地域のための時間窓、SAR制限、および/またはPD制限についての規制値を表し得る。そのような場合においては、UEは、
図5Aに示される規制値よりも小さい値を選択し得る。いくつかの場合においては、
図5Aに示される様々な値は、UEが、特定の地域におけるRF曝露量コンプライアンスを決定するために、MCCリストの同一の値を選択し得るように、それぞれのMCC/地域のための規制値よりも小さい値を表し得る。
【0087】
[0091] いくつかの場合においては、UEによって選択された値のうちの2つ以上は、異なる規制団体および/または規格からの制限に基づく。たとえば、
図5Aに示される例における「1」で終る窓/モードが、第1の規制団体または規格(たとえば、FCC)からの制限を表し、「2」で終る窓/モードが、第2の規制団体または規格(たとえば、ICNIRP 1998)からの制限を表し、「3」で終る窓/モードが、第3の規制団体または規格(たとえば、ICNIRP 2020)からの制限を表す場合、UEが、MCCリスト#5に対応する地域内にいるとき、UEは、RF曝露量(たとえば、SAR1、PD1)についての制限を定めた規制団体または規格とは異なる規制団体または規格からの制限(たとえば、T2)に基づく、時間窓についての値を選択し得る。
【0088】
[0092] 別の例として、UEは、MCCリスト#6に対応する地域内にいるとき、それぞれの規制団体または規格からの制限に基づいて、時間窓、SAR曝露量、およびPD曝露量の各々についての値を選択し得る。対照的に、MCCリスト#1に対応する制限のすべては、単一の規制団体または規格によって決定され得る。
【0089】
[0093] いくつかの場合においては、時間平均RF曝露量制限に加えて、熱拡散が起こるのに十分な時間がないことがある、短時間RF曝露量などについて、総エネルギー付与に対する追加的な制限が、存在することがある。そのような状況においては、比エネルギー吸収(SA、J/kg単位)、および/または吸収エネルギー密度(Uab、J/m2単位)が、たとえば、ICNIRP 2020規格を採用する地域のために、それぞれ6GHzを下回るおよび上回るRF帯域に対して使用され得る。
【0090】
[0094]
図5Bは、本開示のいくつかの態様による、MCCリストと(SAおよびUabなど)様々なRF曝露量パラメータおよび曝露量モードとの間の他の例示的なマッピングを示す表である。この例においては、MCCリストは、RF曝露量コンプライアンスのために、SAおよび/またはUabが地域において指定されているかどうかとさらに関連付けられ得る。たとえば、「Yes」は、地域がSAまたはUabに対する規制制限を有することを示し得、「No」は、地域がSAまたはUabに対する規制制限を有さないことを示し得る。UEは、たとえば、
図5Bに示される表を使用して、特定のMCCリストと関連付けられた地域が、SAおよび/またはUab制限を使用するかどうかを決定し得る。
【0091】
[0095] 当業者は、
図5Aおよび
図5Bに示されるパラメータが、例示的なものにすぎないことを理解するであろう。示されたものに加えて、またはそれらの代わりに、追加のパラメータまたはパラメータのカテゴリが、使用されてよい。たとえば、地域は、MCC以外の識別子によって表されてよく、および/または識別子は、リストに含まれる代わりに、個別に表されてよい。別の例として、時間平均以外の曝露量を計算する方法が、示され得、それに関連するパラメータが、提供され得る。同様に、SARおよびPD以外の曝露量のためのメトリックが、含まれ得る。さらに、値は、ルックアップテーブル内に記憶される必要はないが、任意の数のハードウェアおよび/またはソフトウェア手段を使用して、リアルタイムに記憶され、アクセスされ、引き出され、決定され得る。
【0092】
[0096]
図6は、本開示のいくつかの態様による、地域に基づく構成可能なRF曝露量コンプライアンスのための例示的な動作を示すシグナリング流れ図である。602において、UE120は、MCCを含み得るワイヤレスネットワーク識別情報(たとえば、PLMN識別情報)のインジケーションを、BS110から受信し得、またはUE120が配置されている地域を決定するために使用され得る情報を、別の方法で受信し得る。たとえば、UE120は、BS110が属するワイヤレスネットワークのPLMN識別情報を示すシステム情報(たとえば、システム情報ブロック(SIB:system information block))を受信し得る。
【0093】
[0097] 604において、UE120は、たとえば、602において受信されたMCCに基づいて、UEが配置されている地域を識別し得る。例として、UE120は、602において受信されたMCCを含むMCCのリストと関連付けられた地域を識別し得る。
【0094】
[0098] 606において、UEは、識別された地域のためのRF曝露量コンプライアンスを決定することと関連付けられた、1つもしくは複数のパラメータ(たとえば、時間窓、RF曝露量制限、および/もしくは短時間RF曝露量制限)、ならびに/またはモード(たとえば、ピーク曝露量モードもしくは時間平均曝露量モード)を選択し得る。態様においては、様々なパラメータは、SAR/PD制限に関して本明細書において説明されたように、周波数依存であり得る。例として、UEは、識別された地域におけるRF曝露量コンプライアンスを決定するために、時間窓および/またはRF曝露量制限を選択し得る。UEは、たとえば、動作400ならびに/または
図5Aおよび
図5Bに関して本明細書において説明されたように、識別された地域を対応するパラメータにマッピングすることによって、時間窓および/またはRF曝露量制限を選択し得る。UEは、たとえば、動作400ならびに/または
図5Aおよび
図5Bに関して本明細書において説明されたように、識別された地域を対応する曝露量モードにマッピングすることによって、モードを選択し得る。
【0095】
[0099] 608において、UE120は、選択されたパラメータまたは選択されたモード(たとえば、選択された時間窓または選択されたRF曝露量制限)のうちの少なくとも一方に少なくとも部分的に基づく送信電力レベルで、信号を送信し得る。
【0096】
[0100]
図7は、
図4に示されている動作400など、本明細書で開示される技法のための動作を実施するように構成された(たとえば、ミーンズプラスファンクション構成要素に対応する)様々な構成要素を含み得る通信デバイス700(たとえば、UE120)を示す。通信デバイス700は、トランシーバ708(たとえば、送信機および/または受信機)に結合された処理システム702を含む。トランシーバ708は、本明細書で説明される様々な信号など、通信デバイス700のための信号をアンテナ710を介して送信および受信するように構成される。処理システム702は、通信デバイス700によって受信されるおよび/または送信されるべき信号を処理することを含む、通信デバイス700のための処理機能を実施するように構成され得る。
【0097】
[0101] 処理システム702は、バス706を介してコンピュータ可読媒体/メモリ712に結合されたプロセッサ704を含む。いくつかの態様においては、コンピュータ可読媒体/メモリ712は、プロセッサ704によって実行されたときに、プロセッサ704に、通信デバイス700が配置されているまたは動作している地域に基づいて、構成可能なRF曝露量コンプライアンスを提供するための、本明細書において説明される様々な技法を実施するために、
図4に示される動作400または他の動作を実施させる命令(たとえば、コンピュータ実行可能コード)を記憶するように構成される。いくつかの態様においては、コンピュータ可読媒体/メモリ712は、送信するためのコード714、識別するためのコード716、および/または選択するためのコード718を記憶する。いくつかの態様においては、処理システム702は、コンピュータ可読媒体/メモリ712内に記憶されたコードを実装するように構成された回路720を有する。いくつかの態様においては、回路720は、バス706を介して、プロセッサ704および/またはコンピュータ可読媒体/メモリ712に結合される。たとえば、回路720は、送信するための回路722、識別するための回路724、および/または選択するための回路726を含む。
【0098】
例示的な態様(Example Aspects)
[0102] 上記で説明された様々な態様に加えて、態様の特定の組合せが、本開示の範囲内にあり、それらのいくつかが、以下で詳述される。
【0099】
[0103] 態様1:ユーザ機器によるワイヤレス通信の方法であって、UEが配置されている地域を識別することと、識別された地域に基づいて、無線周波数(RF)曝露量コンプライアンスのためのモードまたは1つもしくは複数のパラメータのうちの少なくとも一方を選択することと、選択されたモードまたは選択された1つもしくは複数のパラメータのうちの少なくとも一方に少なくとも部分的に基づく送信電力レベルで、信号を送信することとを備える方法。
【0100】
[0104] 態様2:地域を識別することが、UEがそこで動作しているワイヤレスネットワークの運用地域識別コード(MCC)に基づいて、地域を識別することを備える、態様1の方法。
【0101】
[0105] 態様3:地域を識別することが、MCCを含むワイヤレスネットワーク識別情報を示すメッセージを、基地局から受信することを備える、態様2の方法。
【0102】
[0106] 態様4:地域を識別することが、MCCが地域に対応するMCCのリスト内にあることを識別することを備える、態様2または3に従った方法。
【0103】
[0107] 態様5:地域が、1つまたは複数の国を含む、態様1~4のいずれかに従った方法。
【0104】
[0108] 態様6:1つまたは複数のパラメータが、時間窓またはRF曝露量制限のうちの少なくとも一方を含み、1つまたは複数のパラメータを選択することが、第1の規制団体もしくは規格(first regulatory body or standard)からの規制窓(regulatory window)に準拠する時間窓についての第1の値を選択し、第1の規制団体もしくは規格とは異なる第2の規制団体もしくは規格(second regulatory body or standard)からの規制制限に準拠するRF曝露量制限についての第2の値を選択すること、または第3の規制団体もしくは規格(third regulatory body or standard)からの規制制限に準拠する第1のRF曝露量制限についての第3の値を選択し、第3の規制団体もしくは規格とは異なる第4の規制団体もしくは規格(fourth regulatory body or standard)からの規制制限に準拠する第2のRF曝露量制限についての第4の値を選択することのうちの少なくとも一方を備える、態様1から5のいずれかに従った方法。
【0105】
[0109] 態様7:第1の値が、規制窓に一致するか、または第2の値が、規制制限に一致するかの少なくとも一方である、態様6の方法。
【0106】
[0110] 態様8:モードが、地域に対応するピーク曝露量モードを含み、信号を送信することが、地域に対応するピーク曝露量モードを使用するRF曝露量制限に少なくとも部分的に基づく送信電力レベルで、信号を送信することを備える、態様1~7のいずれかに従った方法。
【0107】
[0111] 態様9:モードが、地域に対応する時間平均曝露量モードを含み、信号を送信することが、地域に対応する時間平均曝露量モードを使用するRF曝露量制限に少なくとも部分的に基づく送信電力レベルで、信号を送信することを備える、態様1~7のいずれかに従った方法。
【0108】
[0112] 態様10:1つまたは複数のパラメータが、比吸収率(SAR)制限、電力密度(PD:power density)制限、比エネルギー吸収(SA)制限、または吸収エネルギー密度(Uab)制限のうちの少なくとも1つを備える、態様1~9のいずれかに従った方法。
【0109】
[0113] 態様11:1つまたは複数のパラメータを選択することが、1秒から360秒までの範囲内の時間窓を選択することを備える、態様1~10のいずれかに従った方法。
【0110】
[0114] 態様12:ワイヤレス通信のための装置であって、メモリと、メモリに結合されたプロセッサと、プロセッサおよびメモリが、装置が配置されている地域を識別し、識別された地域に基づいて、無線周波数(RF)曝露量コンプライアンスのためのモードまたは1つもしくは複数のパラメータのうちの少なくとも一方を選択するように構成され、選択されたモードまたは選択された1つもしくは複数のパラメータのうちの少なくとも一方に少なくとも部分的に基づく送信電力レベルで、信号を送信するように構成される送信機とを備える装置。
【0111】
[0115] 態様13:プロセッサおよびメモリが、装置がそこで動作しているワイヤレスネットワークの運用地域識別コード(MCC)に基づいて、地域を識別するようにさらに構成される、態様12の装置。
【0112】
[0116] 態様14:MCCを含むワイヤレスネットワーク識別情報を示すメッセージを、基地局から受信するように構成される受信機をさらに備える、態様13の装置。
【0113】
[0117] 態様15:プロセッサおよびメモリが、MCCが地域に対応するMCCのリスト内にあることを識別するようにさらに構成される、態様13または14に従った装置。
【0114】
[0118] 態様16:地域が、1つまたは複数の国を含む、態様12~15のいずれかに従った装置。
【0115】
[0119] 態様17:1つまたは複数のパラメータが、時間窓またはRF曝露量制限のうちの少なくとも一方を含み、プロセッサおよびメモリが、第1の規制団体もしくは規格からの規制窓に準拠する時間窓についての第1の値を選択し、第1の規制団体もしくは規格とは異なる第2の規制団体もしくは規格からの規制制限に準拠するRF曝露量制限についての第2の値を選択するように、または第3の規制団体もしくは規格からの規制制限に準拠する第1のRF曝露量制限についての第3の値を選択し、第3の規制団体もしくは規格とは異なる第4の規制団体もしくは規格からの規制制限に準拠する第2のRF曝露量制限についての第4の値を選択するようにさらに構成される、態様12~16のいずれかに従った装置。
【0116】
[0120] 態様18:第1の値が、規制窓に一致するか、または第2の値が、規制制限に一致するかの少なくとも一方である、態様17の装置。
【0117】
[0121] 態様19:モードが、地域に対応するピーク曝露量モードを含み、送信機が、地域に対応するピーク曝露量モードを使用するRF曝露量制限に少なくとも部分的に基づく送信電力レベルで、信号を送信するように構成される、態様12~18のいずれかに従った装置。
【0118】
[0122] 態様20:モードが、地域に対応する時間平均曝露量モードを含み、送信機が、地域に対応する時間平均曝露量モードを使用するRF曝露量制限に少なくとも部分的に基づく送信電力レベルで、信号を送信するように構成される、態様12~18のいずれかに従った装置。
【0119】
[0123] 態様21:RF曝露量制限が、比吸収率(SAR)制限、電力密度(PD)制限、比エネルギー吸収(SA)制限、または吸収エネルギー密度(Uab)制限のうちの少なくとも1つを備える、態様12~20のいずれかに従った装置。
【0120】
[0124] 態様22:ワイヤレス通信のための装置であって、装置が配置されている地域を識別するための手段と、識別された地域に基づいて、無線周波数(RF)曝露量コンプライアンスのためのモードまたは1つもしくは複数のパラメータのうちの少なくとも一方を選択するための手段と、選択されたモードまたは選択された1つもしくは複数のパラメータのうちの少なくとも一方に少なくとも部分的に基づく送信電力レベルで、信号を送信するための手段とを備える装置。
【0121】
[0125] 態様23:地域を識別するための手段が、装置がそこで動作しているワイヤレスネットワークの運用地域識別コード(MCC)に基づいて、地域を識別するための手段を備える、態様22の装置。
【0122】
[0126] 態様24:地域を識別するための手段が、MCCを含むワイヤレスネットワーク識別情報を示すメッセージを、基地局から受信するための手段を備える、態様23の装置。
【0123】
[0127] 態様25:地域を識別するための手段が、MCCが地域に対応するMCCのリスト内にあることを識別するための手段を備える、態様23または24に従った装置。
【0124】
[0128] 態様26:地域が、1つまたは複数の国を含む、態様22~25のいずれかに従った装置。
【0125】
[0129] 態様27:1つまたは複数のパラメータが、時間窓またはRF曝露量制限のうちの少なくとも一方を含み、1つまたは複数のパラメータを選択するための手段が、第1の規制団体もしくは規格からの規制窓に準拠する時間窓についての第1の値を選択するための手段と、第1の規制団体もしくは規格とは異なる第2の規制団体もしくは規格からの規制制限に準拠するRF曝露量制限についての第2の値を選択するための手段、または第3の規制団体もしくは規格からの規制制限に準拠する第1のRF曝露量制限についての第3の値を選択するための手段と、第3の規制団体もしくは規格とは異なる第4の規制団体もしくは規格からの規制制限に準拠する第2のRF曝露量制限についての第4の値を選択するための手段のうちの少なくとも一方を備える、態様22~26のいずれかに従った装置。
【0126】
[0130] 態様28:第1の値が、規制窓に一致するか、または第2の値が、規制制限に一致するかの少なくとも一方である、態様27の装置。
【0127】
[0131] 態様29:モードが、地域に対応するピーク曝露量モードを含み、信号を送信するための手段が、地域に対応するピーク曝露量モードを使用するRF曝露量制限に少なくとも部分的に基づく送信電力レベルで、信号を送信するための手段を備える、態様22~28のいずれかに従った装置。
【0128】
[0132] 態様30:モードが、地域に対応する時間平均曝露量モードを含み、信号を送信するための手段が、地域に対応する時間平均曝露量モードを使用するRF曝露量制限に少なくとも部分的に基づく送信電力レベルで、信号を送信するための手段を備える、態様22~28のいずれかに従った装置。
【0129】
[0133] 態様31:装置であって、実行可能命令を含むメモリと、実行可能命令を実行し、装置に態様1~11のいずれかによる方法を実施させるように構成された1つまたは複数のプロセッサとを備える装置。
【0130】
[0134] 態様32:態様1~11のいずれかによる方法を実行するための手段を備える装置。
【0131】
[0135] 態様33:装置の1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、装置に態様1~11のいずれかによる方法を実行させる実行可能命令を備えるコンピュータ可読媒体。
【0132】
[0136] 態様34:態様1~11のいずれかによる方法を実施するためのコードを備える、コンピュータ可読記憶媒体上に具体化されるコンピュータプログラム製品。
【0133】
[0137] 本明細書で説明される技法は、NR(たとえば、5G NR)、3GPP(登録商標)ロングタームエボリューション(LTE)、LTEアドバンスト(LTE-A)、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC FDMA)、時分割同期符号分割多元接続(TD-SCDMA)、および他のネットワークなど、様々なワイヤレス通信技術のために使用され得る。「ネットワーク」および「システム」という用語は、しばしば互換的に使用される。CDMAネットワークは、ユニバーサル地上波無線アクセス(UTRA)、cdma2000などの無線技術を実装し得る。UTRAは、広帯域CDMA(WCDMA(登録商標))およびCDMAの他の変異形を含む。cdma2000はIS-2000、IS-95、およびIS-856規格をカバーする。TDMAネットワークは、モバイル通信用グローバルシステム(GSM(登録商標))などの無線技術を実装し得る。OFDMAネットワークは、NR(たとえば、5G RA)、発展型UTRA(E-UTRA)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、IEEE802.11(Wi-Fi)、IEEE802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE802.20、Flash-OFDMAなどの無線技術を実装し得る。UTRAおよびE-UTRAは、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)の一部である。LTEおよびLTE-Aは、E-UTRAを使用するUMTSのリリースである。UTRA、E-UTRA、UMTS、LTE、LTE-AおよびGSMは、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)と称する団体からの文書に記載されており、cdma2000およびUMBは、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)と称する団体からの文書に記載されている。NRは、開発中の新生のワイヤレス通信技術である。
【0134】
[0138] 3GPPでは、「セル」という用語は、この用語が使用されるコンテキストに応じて、ノードB(NB)のカバレージエリアおよび/またはこのカバレージエリアをサービスするNBサブシステムを指すことができる。NRシステムでは、「セル」およびBS、次世代ノードB(gNBもしくはgノードB)、アクセスポイント(AP)、分散ユニット(DU)、キャリア、または送受信ポイント(TRP)という用語が、互換的に使用され得る。BSは、マクロセル、ピコセル、フェムトセル、および/または他のタイプのセルに通信カバレージを提供し得る。マクロセルは、比較的大きい地理的エリア(たとえば、半径数キロメートル)をカバーし得、サービスに加入しているUEによる無制限アクセスを可能にし得る。ピコセルは、比較的小さい地理的エリアをカバーし得、サービスに加入しているUEによる無制限アクセスを可能にし得る。フェムトセルは、比較的小さい地理的エリア(たとえば、自宅)をカバーし得、フェムトセルとの関連付けを有するUE(たとえば、限定加入者グループ(CSG)中のUE、自宅内のユーザのためのUEなど)による制限付きアクセスを可能にし得る。マクロセルのためのBSは、マクロBSと呼ばれることがある。ピコセルのためのBSは、ピコBSと呼ばれることがある。フェムトセルのためのBSは、フェムトBSまたはホームBSと呼ばれることがある。
【0135】
[0139] UEは、移動局、端末、アクセス端末、加入者ユニット、局、顧客構内機器(CPE)、セルラーフォン、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレスモデム、ワイヤレス通信デバイス、ハンドヘルドデバイス、ラップトップコンピュータ、コードレスフォン、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、タブレットコンピュータ、カメラ、ゲームデバイス、ネットブック、スマートブック、ウルトラブック、アプライアンス、医療デバイスまたは医療機器、生体センサー/生体デバイス、スマートウォッチ、スマートクロージング、スマートグラス、スマートリストバンド、スマートジュエリー(たとえば、スマートリング、スマートブレスレットなど)などのウェアラブルデバイス、エンターテインメントデバイス(たとえば、音楽デバイス、ビデオデバイス、衛星ラジオなど)、車両構成要素または車両センサー、スマートメーター/スマートセンサー、工業用製造機器、全地球測位システムデバイス、あるいはワイヤレス媒体またはワイヤード媒体を介して通信するように構成された任意の他の好適なデバイスと呼ばれることもある。いくつかのUEは、マシンタイプ通信(MTC)デバイスまたは発展型MTC(eMTC)デバイスと見なされ得る。MTC UEおよびeMTC UEは、たとえば、BS、別のデバイス(たとえば、リモートデバイス)、または何らかの他のエンティティと通信し得る、ロボット、ドローン、リモートデバイス、センサー、メーター、モニタ、ロケーションタグなどを含む。ワイヤレスノードは、たとえば、ワイヤードまたはワイヤレス通信リンクを介した、ネットワーク(たとえば、インターネットまたはセルラーネットワークなど、ワイドエリアネットワーク)のための、またはネットワークへの接続性を提供し得る。いくつかのUEは、狭帯域IoT(NB-IoT)デバイスであり得る、モノのインターネット(IoT)デバイスと見なされ得る。
【0136】
[0140] いくつかの例では、エアインターフェースへのアクセスがスケジュールされ得る。スケジューリングエンティティ(たとえば、BS)は、それのサービスエリアまたはセル内の一部または全部のデバイスおよび機器の間で通信のためのリソースを割り振る。スケジューリングエンティティは、1つまたは複数の下位エンティティのためのリソースをスケジュールすること、割り当てること、再構成すること、および解放することを担当し得る。すなわち、スケジュールされた通信のために、下位エンティティは、スケジューリングエンティティによって割り振られたリソースを利用する。基地局は、スケジューリングエンティティとして機能し得る唯一のエンティティではない。いくつかの例では、UEは、スケジューリングエンティティとして機能し得、1つまたは複数の下位エンティティ(たとえば、1つまたは複数の他のUE)のためのリソースをスケジュールし得、他のUEは、ワイヤレス通信のためにUEによってスケジュールされたリソースを利用し得る。いくつかの例では、UEは、ピアツーピア(P2P)ネットワーク中で、および/またはメッシュネットワーク中で、スケジューリングエンティティとして機能し得る。メッシュネットワークの例では、UEは、スケジューリングエンティティと通信することに加えて、互いに直接通信し得る。
【0137】
[0141] 本明細書で開示される方法は、方法を実現するための1つまたは複数のステップまたはアクションを備える。本方法のステップおよび/またはアクションは、特許請求の範囲から逸脱することなく互いに交換され得る。言い換えれば、ステップまたはアクションの特定の順序が指定されない限り、特定のステップおよび/またはアクションの順序および/または使用は、特許請求の範囲から逸脱することなく変更され得る。
【0138】
[0142] 本明細書で使用される、項目のリスト「のうちの少なくとも1つ」を指す句は、単一のメンバーを含む、それらの項目の任意の組合せを指す。一例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、a-b、a-c、b-c、およびa-b-c、ならびに複数の同じ要素をもつ任意の組合せ(たとえば、a-a、a-a-a、a-a-b、a-a-c、a-b-b、a-c-c、b-b、b-b-b、b-b-c、c-c、およびc-c-c、またはa、b、およびcの任意の他の順序)を包含するものとする。
【0139】
[0143] 本明細書で使用される「決定すること」という用語は、多種多様なアクションを包含する。たとえば、「決定すること」は、計算すること、算出すること、処理すること、導出すること、調査すること、探索すること(たとえば、テーブル、データベース、または別のデータ構造の中で探索すること)、確認することなどを含み得る。また、「決定すること」は、受信すること(たとえば、情報を受信すること)、アクセスすること(たとえば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを含み得る。また、「決定すること」は、解決すること、選択すること、選定すること、確立することなどを含み得る。
【0140】
[0144] 以上の説明は、当業者が本明細書で説明された様々な態様を実施することができるようにするために提供されたものである。これらの態様に対する様々な変更は当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義された一般原理は他の態様に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書で示された態様に限定されるものではなく、特許請求の範囲の言い回しに矛盾しない全範囲を与えられるべきであり、ここにおいて、単数形の要素への言及は、そのように明記されていない限り、「唯一無二の」を意味するものではなく、「1つまたは複数の」を意味するものである。別段に明記されていない限り、「いくつかの」という用語は1つまたは複数を指す。当業者に知られている、または後に知られることになる、本開示全体にわたって説明した様々な態様の要素のすべての構造的および機能的等価物は、参照により本明細書に明確に組み込まれ、特許請求の範囲に包含されるものである。さらに、本明細書に開示したいかなることも、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に説明されているかどうかにかかわらず、公に供するものではない。いかなるクレーム要素も、その要素が「ための手段」という句を使用して明確に列挙されていない限り、または方法クレームの場合には、その要素が「ためのステップ」という句を使用して列挙されていない限り、米国特許法第112条(f)の規定の下で解釈されるべきではない。
【0141】
[0145] 上記で説明された方法の様々な動作は、対応する機能を実施することが可能な任意の好適な手段によって実施され得る。それらの手段は、限定はされないが、回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはプロセッサを含む、様々なハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素および/またはモジュールを含み得る。概して、図に示された動作がある場合、それらの動作は、同様の番号をもつ対応するカウンターパートのミーンズプラスファンクション構成要素を有し得る。
【0142】
[0146] 本開示に関連して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュールおよび回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス(PLD)、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または本明細書で説明される機能を実施するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実施され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであり得るが、代替的に、プロセッサは、任意の市販されているプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装され得る。
【0143】
[0147] ハードウェアで実装される場合、例示的なハードウェア構成は、ワイヤレスノード中に処理システムを備え得る。処理システムは、バスアーキテクチャを用いて実装され得る。バスは、処理システムの特定の適用例および全体的な設計制約に応じて、任意の数の相互接続バスおよびブリッジを含み得る。バスは、プロセッサと、機械可読媒体と、バスインターフェースとを含む様々な回路を互いにリンクし得る。バスインターフェースは、ネットワークアダプタを、特に、バスを介して処理システムに接続するために使用され得る。ネットワークアダプタは、物理(PHY)レイヤの信号処理機能を実装するために使用され得る。ユーザ端末(
図1参照)の場合、ユーザインターフェース(たとえば、キーパッド、ディスプレイ、マウス、ジョイスティックなど)もバスに接続され得る。バスはまた、タイミングソース、周辺機器、電圧調整器、電力管理回路などの様々な他の回路をリンクし得るが、それらは当技術分野でよく知られており、したがってこれ以上説明されない。プロセッサは、1つまたは複数の汎用および/または専用プロセッサを用いて実装され得る。例としては、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSPプロセッサ、およびソフトウェアを実行することができる他の回路がある。当業者は、特定の適用例と、全体的なシステムに課される全体的な設計制約とに応じて、どのようにしたら処理システムについて説明した機能を最も良く実装し得るかを理解されよう。
【0144】
[0148] ソフトウェアで実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶されるか、あるいはコンピュータ可読媒体を介して送信され得る。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語などの名称にかかわらず、命令、データ、またはそれらの任意の組合せを意味すると広く解釈されたい。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。プロセッサは、機械可読記憶媒体に記憶されたソフトウェアモジュールの実行を含む、バスおよび一般的な処理を管理することを担当し得る。コンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサがその記憶媒体から情報を読み取ることができ、その記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合され得る。代替として、記憶媒体はプロセッサに一体化され得る。例として、機械可読媒体は、すべてがバスインターフェースを介してプロセッサによってアクセスされ得る、伝送線路、データによって変調された搬送波、および/またはワイヤレスノードとは別個のその上に記憶された命令をもつコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。代替的に、または追加として、機械可読媒体またはその任意の部分は、キャッシュおよび/または汎用レジスタファイルがそうであり得るように、プロセッサに統合され得る。機械可読記憶媒体の例は、例として、RAM(ランダムアクセスメモリ)、フラッシュメモリ、ROM(読取り専用メモリ)、PROM(プログラマブル読取り専用メモリ)、EPROM(消去可能プログラマブル読取り専用メモリ)、EEPROM(登録商標)(電気消去可能プログラマブル読取り専用メモリ)、レジスタ、磁気ディスク、光ディスク、ハードドライブ、もしくは任意の他の好適な記憶媒体、またはそれらの任意の組合せを含み得る。機械可読媒体はコンピュータプログラム製品において実施され得る。
【0145】
[0149] ソフトウェアモジュールは、単一の命令、または多数の命令を備え得、いくつかの異なるコードセグメント上で、異なるプログラム間で、および複数の記憶媒体にわたって分散され得る。コンピュータ可読媒体は、いくつかのソフトウェアモジュールを備え得る。ソフトウェアモジュールは、プロセッサなどの装置によって実行されたとき、プロセッサに様々な機能を実施させる命令を含む。ソフトウェアモジュールは、送信モジュールと受信モジュールとを含み得る。各ソフトウェアモジュールは、単一の記憶デバイス中に常駐するか、または複数の記憶デバイスにわたって分散され得る。例として、トリガイベントが発生したとき、ソフトウェアモジュールがハードドライブからRAMにロードされ得る。ソフトウェアモジュールの実行中、プロセッサは、アクセス速度を高めるために、命令のいくつかをキャッシュにロードし得る。次いで、1つまたは複数のキャッシュラインが、プロセッサによる実行のために汎用レジスタファイルにロードされ得る。以下でソフトウェアモジュールの機能に言及する場合、そのような機能は、そのソフトウェアモジュールからの命令を実行したときにプロセッサによって実装されることが理解されよう。
【0146】
[0150] また、いかなる接続もコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線(IR)、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)、およびBlu-ray(登録商標)ディスク(disc)を含み、ここで、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザーで光学的に再生する。したがって、いくつかの態様では、コンピュータ可読媒体は非一時的コンピュータ可読媒体(たとえば、有形媒体)を備え得る。さらに、他の態様では、コンピュータ可読媒体は一時的コンピュータ可読媒体(たとえば、信号)を備え得る。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0147】
[0151] したがって、いくつかの態様は、本明細書で提示された動作を実行するためのコンピュータプログラム製品を備え得る。たとえば、そのようなコンピュータプログラム製品は、命令がその上に記憶(および/または符号化)されたコンピュータ可読媒体を備え得、命令は、本明細書で説明される動作、たとえば、本明細書で説明され
図4に示されている動作を実施するための命令を実施するように、1つまたは複数のプロセッサによって実行可能である。
【0148】
[0152] さらに、本明細書で説明した方法および技法を実施するためのモジュールおよび/または他の適切な手段は、適用可能な場合にユーザ端末および/または基地局によってダウンロードされ、および/または他の方法で取得され得ることを諒解されたい。たとえば、そのようなデバイスは、本明細書で説明される方法を実施するための手段の転送を容易にするためにサーバに結合され得る。代替的に、本明細書で説明される様々な方法は、ユーザ端末および/または基地局が記憶手段をデバイスに結合または提供すると様々な方法を取得することができるように、記憶手段(たとえば、RAM、ROM、コンパクトディスク(CD)またはフロッピーディスクなどの物理記憶媒体など)によって提供され得る。その上、本明細書で説明される方法および技法をデバイスに提供するための任意の他の好適な技法が利用され得る。
【0149】
[0153] 特許請求の範囲は、上記に示した厳密な構成および構成要素に限定されないことを理解されたい。上記で説明された方法および装置の構成、動作および詳細において、特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な改変、変更および変形が行われ得る。
【国際調査報告】