特表 2023-541017 焼き嵌め結合を用いた高圧遮断器、および、その高圧遮断器の製造方法

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2023-09-27

(54)【発明の名称】焼き嵌め結合を用いた高圧遮断器、および、その高圧遮断器の製造方法

(51)【国際特許分類】

   H01H 33/662 20060101AFI20230920BHJP

【ＦＩ】

H01H33/662 E

【審査請求】有

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2023515217

(86)(22)【出願日】2021-09-02

(85)【翻訳文提出日】2023-03-28

(86)【国際出願番号】 EP2021074270

(87)【国際公開番号】W WO2022053391

(87)【国際公開日】2022-03-17

(31)【優先権主張番号】102020211514.1

(32)【優先日】2020-09-14

(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】521001582

【氏名又は名称】シーメンス エナジー グローバル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト

【氏名又は名称原語表記】ＳＩＥＭＥＮＳ ＥＮＥＲＧＹ ＧＬＯＢＡＬ ＧＭＢＨ ＆ ＣＯ． ＫＧ

(74)【代理人】

【識別番号】110003317

【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所

(74)【代理人】

【識別番号】100075166

【弁理士】

【氏名又は名称】山口 巖

(74)【代理人】

【識別番号】100133167

【弁理士】

【氏名又は名称】山本 浩

(74)【代理人】

【識別番号】100169627

【弁理士】

【氏名又は名称】竹本 美奈

(72)【発明者】

【氏名】グリューンラー，ロベルト

(72)【発明者】

【氏名】クリップシュタイン，シュテファン

【テーマコード（参考）】

5G026

【Ｆターム（参考）】

5G026EA04

5G026EB01

(57)【要約】

本発明は、高圧遮断器（１）の少なくとも１つのホルダー（５、６）によって支承された真空遮断バルブ（２）を少なくとも１つ備えた高圧遮断器（１）、および、この高圧遮断器（１）の製造方法に関する。この真空遮断バルブ（２）は少なくとも２つの接触子（３、４）を有し、これらの接触子は少なくとも１つのホルダー（５、６）に結合されている。少なくとも１つ接触子（３、４）が焼き嵌めにより少なくとも１つのホルダー（５、６）に直接に結合されている。

【特許請求の範囲】

【請求項1】

真空遮断バルブ（２）を少なくとも１つ備えた高圧遮断器（１）であって、前記真空遮断バルブが前記高圧遮断器（１）の少なくとも１つのホルダー（５、６）によって支承されており、前記真空遮断バルブ（２）が少なくとも２つの接触子（３、４）を有し、前記接触子が前記少なくとも１つのホルダー（５、６）に結合されている高圧遮断器（１）において、
少なくとも１つの接触子（３、４）が前記少なくとも１つのホルダー（５、６）に焼き嵌め結合により直接に結合されていることを特徴とする高圧遮断器（１）。

【請求項2】

前記少なくとも２つの接触子（３、４）が前記少なくとも１つのホルダー（５、６）に、特に、１つのホルダー（５、６）に、焼き嵌め結合を介して結合されていることを特徴とする請求項１に記載の高圧遮断器（１）。

【請求項3】

前記焼き嵌め結合が熱的な収縮によって生じることを特徴とする請求項１または２に記載の高圧遮断器（１）。

【請求項4】

前記焼き嵌め結合が、前記少なくとも１つの接触子（３、４）と前記少なくとも１つのホルダー（５、６）との間に機械的に安定した直接的な電気接触を生成するように形成されていることを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載の高圧遮断器（１）。

【請求項5】

前記少なくとも１つのホルダー（５、６）が前記少なくとも１つの接触子（３、４）上に焼き嵌めされていることを特徴とする請求項１から４のいずれか１項に記載の高圧遮断器（１）。

【請求項6】

前記少なくとも１つのホルダー（５、６）が、その内部に特に円筒形または円錐台形の１つの開口部、特に中心部の開口部を有していることを特徴とする請求項１から５のいずれか１項に記載の高圧遮断器（１）。

【請求項7】

前記少なくとも１つのホルダー（５、６）の前記開口部が貫通開口であり、
および／または、
前記少なくとも１つのホルダー（５、６）と結合している前記少なくとも１つの接触子（３、４）が少なくとも部分的に前記開口部の形状をしており、
および／または、
前記少なくとも１つのホルダー（５、６）と結合している前記少なくとも１つの接触子（３、４）が前記開口部を貫通して配設されている、
ことを特徴とする請求項６に記載の高圧遮断器（１）。

【請求項8】

前記少なくとも１つのホルダー（５、６）の前記開口部の片側が閉鎖されており、
および／または、
前記少なくとも１つのホルダー（５、６）と結合している前記少なくとも１つの接触子（３、４）の形状が少なくとも部分的に前記開口部の形状であり、
および／または、
前記少なくとも１つのホルダー（５、６）と結合している前記少なくとも１つの接触子（３、４）が前記開口部内に突き出るように配設されている、
ことを特徴とする請求項６に記載の高圧遮断器（１）。

【請求項9】

１つの接触子（４）が可動接触子であり、１つのホルダー（６）が可動接触子（４）のホルダーであり、このホルダーは１つの固定されたホルダースリーブ（８）を含み、さらに、前記ホルダースリーブ（８）内に移動可能に支承された１つのスライドピース（７）を含み、
前記移動可能に支承された１つのスライドピース（７）が前記可動接触子（４）上で焼き嵌め結合されていることを特徴とする請求項１から８のいずれか１項に記載の高圧遮断器（１）。

【請求項10】

前記少なくとも１つの接触子（３、４）が銅を含むおよび／または銅製であり、
および／または
前記少なくとも１つのホルダー（５、６）がアルミニウムを含むおよび／またはアルミニウム製である、
ことを特徴とする請求項１から９のいずれか１項に記載の高圧遮断器（１）。

【請求項11】

前記少なくとも１つの接触子（３、４）が銀でコーティングされており、特に電気化学的に堆積されており、
および／または、
前記少なくとも１つのホルダー（５、６）が銀でコーティングされており、特に電気化学的に堆積されている、
ことを特徴とする請求項１から１０のいずれか１項に記載の高圧遮断器（１）。

【請求項12】

前記真空遮断バルブ（２）が少なくとも１つの固定接触子（３）および少なくとも１つの可動接触子（４）を含み、
前記固定接触子（３）が焼き嵌めによって１つの固定されたホルダー（５）と結合されており、
および／または、
前記可動接触子（４）が焼き嵌めによってホルダー（６）の可動スライドピース（７）と結合されており、前記可動スライドピース（７）が前記ホルダー（６）の固定されたホルダースリーブ（８）内に配設されている、
ことを特徴とする請求項１から１１のいずれか１項に記載の高圧遮断器（１）。

【請求項13】

前記高圧遮断器（１）が数キロボルトから１２００キロボルトの範囲までの電圧を開閉するように構成されていることを特徴とする請求項１から１２のいずれか１項に記載の高圧遮断器（１）。

【請求項14】

高圧遮断器（１）の製造方法であって、特に請求項１から１３のいずれか１項に記載の、前記高圧遮断器（１）の少なくとも１つのホルダー（５、６）により支承される真空遮断バルブ（２）を少なくとも１つ備え、前記真空遮断バルブ（２）が少なくとも２つの接触子（３、４）を有し、これらの接触子が少なくとも１つのホルダー（５、６）と結合されるように構成された、高圧遮断器（１）の製造方法において、
少なくとも１つの接触子（３、４）と前記少なくとも１つのホルダー（５、６）との結合が、特に、導電性が良好で機械的に安定なように、焼き嵌めにより直接に行われることを特徴とする方法。

【請求項15】

前記焼き嵌めが、
特に、接触子（３、４）上への、特に室温の接触子（３、４）上への加熱されたホルダー（５、６）の熱的な冷却により行なわれる、
および／または、
ホルダー（５、６）上への、特に室温のホルダー（５、６）上への加熱された接触子（３、４）の熱的な冷却により行われる、
ことを特徴とする請求項１４に記載の方法。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、高圧遮断器の少なくとも１つのホルダーによって支承された真空遮断バルブを少なくとも１つ備えた高圧遮断器、および、その高圧遮断器の製造方法に関する。この場合、この真空遮断バルブは少なくとも２つの接触子を有し、これらの接触子は少なくとも１つのホルダーと結合されている。

【0002】

高圧遮断器は、１２００ｋＶ以下の電圧範囲で、かつ、数千アンペア以下の電流範囲で電圧を開閉するように形成されている。高圧遮断器は、例えば、支持体上に少なくとも１つの開閉接点を備えたハウジングを含む。このハウジングは、例えば、特に、セラミック、シリコーンおよび／または複合材料からなる絶縁体であり、その絶縁体は、例えば円筒形の中空体であり、沿面漏れ電流を長く延ばすために、特に、外周部に複数の傘状のリブを備えている。碍子形高圧遮断器とは対照的に、タンク形高圧遮断器ではハウジングが接地されており、このハウジングは例えば中空円筒形の金属製タンクからなり、その内部には少なくとも１つの開閉接点が配設されている。

【0003】

その開閉接点は少なくとも２つの接触子、例えば、１つの固定接触子および１つの可動接触子を含み、これらの接触子は、例えば、鋼、アルミニウムおよび／または銅のような導電性材料から成っている。これに代えてまたはこれに加えて、１つの開閉接点が例えば少なくとも２つの可動接触子を含むことができる。この場合、２つの可動接触子を有する実施例は、本発明における１つの固定接触子および１つの可動接触子に類似しており、簡略化のために以降ではこれ以上は説明しない。開閉接点のこれらの接触子は、高圧遮断器内に配設されるか、または、複数のホルダーによって支承され、特に、移動可能に、もしくは、固定して支承されており、ハウジングによって特に気密に封止されている。

【0004】

ハウジングは絶縁ガスまたは遮断ガス、特にＳＦ_６および／または清浄空気で満たされている。これらの開閉接点は、例えば、定格電流接触子および／またはアーク接触子を含み、遮断ガスにより、駆動装置のような高圧遮断器の特定の装置および周辺部から、電気的に絶縁される。ＳＦ_６のような遮断ガスは気候に有害であり、および／または、毒性成分を含む可能性がある。遮断ガスが高圧遮断器から漏れるのを防ぐためには、ハウジングの気密で永続的なシールが必要であり、それは複雑で高価であり、コストがかかる。高圧遮断器の寿命の終わりの、特に遮断ガスの環境に優しい廃棄処理も複雑でコスト高になる。環境に優しい代案は、上述した典型的なハウジング内で真空バルブを使用することである。

【0005】

上述のような典型的なハウジングを使用することにより、電力系統内の高圧遮断器の簡単でコスト効率の良い交換、および、特に多数の高圧遮断器の簡単でコスト効率の良い製造が可能となる。例えばＳＦ_６のような環境に有害な遮断ガスを環境にやさしい遮断ガス、例えば清浄空気、すなわち、乾燥され浄化された空気、で置き換えるためには、典型的なハウジングにおいて必要な絶縁距離を保持するために、定格電流系およびアーク放電接点系を真空遮断バルブに置き換える必要がある。

【0006】

真空遮断バルブは、ハウジングの内部で少なくとも２つの外部電気接続部の間に、機械的に安定に、電気を電導するように配設され、接続されている。この場合、この電気接続部は、例えば、高圧ケーブル、発電者および／または電力使用者の接続のための接続端子の形態で形成されている。高圧遮断器用の真空遮断バルブの構造は、例えば特許文献１で知られている。その真空遮断バルブは、円形で直線状の円筒形のハウジングを備え、この円筒の内部は排気されている。このハウジングは、セラミック製のまたは複数のセラミック部品でできた、例えば、直線円筒形の２つの同一の半部分で構成されており、これらの２つの半部分は１つの金属円筒または1つの金属部分を介してハウジングの中央部で複数の移行部品と結合されている。これらの移行部品はハウジング内のシールド電極またはシールドとして形成されている。

【0007】

この真空遮断バルブは開閉のために少なくとも１つの電気接点を備え、この電気接点は１つの固定接触子および１つの可動接触子を有する。これらの接触子は真空遮断バルブ内で皿状に構成されており、真空封止されている。これらの接触子は外側に向けてボルトの形状で案内され、各々が、例えば、高圧遮断器の接続端子の形状の外部の電気接続部に接続されている。可動接触子はベローズを介して真空密に、真空遮断バルブ内に移動可能に案内され、支承されている。

【0008】

閉路する時には、可動接触子は、両接触子間の機械的および電気的接触が確立するまで固定接触子に向かって移動する。開路する時には、可動接触子は、両接触子間の電気接触が遮断され、かつ、印加された電圧において電気的フラッシュオーバを回避するのに十分な距離がとれるまで固定接触子から離される。高電圧では両接触子間の距離が大きいことが必要である。真空遮断バルブは、内部で十分な距離を確保できるように、長い形状に作られている。真空遮断バルブのハウジングのセラミック製のまたは複数のセラミック部品で作られた直線状の円筒形の半部分は、例えば、いくつかの部品で構成されており、これらの部品は複数の金属部品を介して複数の移行部に結合されている。これらの移行部は、それぞれ、ハウジング内のシールド電極またはシールドとして製作されている。例えば銅および／または鋼で作られた金属部品を介してのハウジングのセラミック部品の接合は、例えばろう付けによって行われる。

【0009】

真空遮断バルブの複数の接触子の、これら接触子を支承するための特に複数のホルダーへの連結、ひいては、高圧遮断器の駆動装置および／または複数の固定された導電部への連結は、クランプ結合によって行われる。これらのホルダーは、例えば、アルミニウム製および／または鋼製である。アルミニウムは質量が小さく、駆動装置の加速度を少ないエネルギー消費で可動接触子に伝えることができ、さらに、固定接触子を高圧遮断器内で軽量のホルダーで簡単かつ安価に固定することができる。真空遮断バルブの接触子は高い通電性能を目的として、例えば銅で作られている。これらの接触子とそれぞれのホルダーとの結合は特にアルミニウムと銅部品との間でクランプ結合によって行われる。嵌め合い式のクランプ結合には２つの電気的な接触箇所が含まれており、これらが遮断器内の過大な加熱および電気的損失をもたらす。数千アンペアに達する非常に高い電流では、非常に大きい電気的損失が発生する可能性があり、遮断器内の高温が損傷および／または破壊につながる可能性がある。例えばねじ止めにより圧着されるクランプ結合は着脱可能で、技術的に複雑であり、それが高い故障率と高コストをもたらす。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0010】

【特許文献1】欧州特許出願公開第ＥＰ０１０２３１７Ａ２号明細書

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0011】

本発明の課題は、上述した問題点を解決する高圧遮断器、および、その高圧遮断器の、特に上述した高圧遮断器の製造方法を提供することにある。特にこの課題は、少なくとも１つの真空遮断バルブが機械的に安定して配設され支承されており、低コストで、故障率が低く、閉路状態において電気損失が小さく、特に大電流での発熱が小さい高圧遮断器を提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0012】

この課題は、特許請求項１の特徴を有する高圧遮断器により、および／または、高圧遮断器、特に前述の高圧遮断器の特許請求項１４による製造方法により解決される。本発明による高圧遮断器の有利な形態、および／または、本発明による高圧遮断器、特に上述した高圧遮断器の製造方法の有利な形態は従属請求項に記載されている。主たる請求項の主題は互いに、および、従属請求項の特徴と組み合わせることができ、ならびに、従属請求項の特徴は相互に組み合わせることができる。

【0013】

本発明による高圧遮断器は少なくとも１つの真空遮断バルブを備え、この真空遮断バルブは高圧遮断器の少なくとも１つのホルダーによって支承されており、この場合、この真空遮断バルブは少なくとも２つの接触子を有し、これらの接触子は少なくとも１つのホルダーと結合されている。少なくとも１つの接触子が少なくとも１つのホルダーと焼き嵌め結合によって直接に結合されている。

【0014】

焼き嵌め結合により、少なくとも１つの接触子と少なくとも１つのホルダーとの、機械的に安定で、良好な導電性の結合が可能となり、この結合は恒久的で、簡単に、低コストで実施することができる。少なくとも１つの接触子および少なくとも１つのホルダーとの接触スリーブの境界面を通る接触抵抗が小さいので、特に、結合面および／または接触子、ならびに、ホルダーおよびそれらの境界面での発熱が少なくなり、特に数百アンペアまでの範囲の電流を流すことが可能となる。

【0015】

従来技術でよく行われているような、ねじ止めされた継手を介してのクランプ結合は２つ以上の結合面を有し、これらの結合面での接触抵抗が大きく、出力損失が大きく、１つの要素の上に他の要素を収縮させる結合に比べて機械的な安定度が低い。加熱された要素ないし部品の収縮前の温度により、結合面およびこれを越えての拡散プロセスにより直接的な、分離不能な結合が生じ、その導電性は良好で抵抗は小さい。焼き嵌め結合の良好な熱伝導度により、特に開閉時に真空遮断バルブから過剰な熱の良好な排出が可能となる。これにより、高圧遮断器が損傷から破壊に至る確率は低くなり、耐久性が向上する。

【0016】

これらの少なくとも２つの接触子は少なくとも１つのホルダーに、特に、それぞれが１つのホルダーに、それぞれ焼き嵌め結合を介して結合することができる。これにより、高圧遮断器の閉路状態において、高圧遮断器を経由する、特に、両方の接触子およびそれらのホルダーを経由する、良好な導電性結合が得られる。この焼き嵌め結合により、高い機械的な安定性および上述した良好な電気的特性が得られ、これは上述の利点を有する。

【0017】

この焼き嵌め結合は熱的な収縮により生じさせることができる。熱的な収縮は、少なくとも１つの要素または部品を加熱し、その後、冷却することにより、簡単かつ低コストで実施可能である。特に、冷たい、例えば室温の構成部品を加熱された構成部品の開口部に挿入することができ、この加熱された構成部品が冷却されると、加熱された構成部品の寸法、ひいては開口部が収縮する。このようにして、冷却された構成部品と特に室温の構成部品との間に、簡単で、安価で、機械的に強固で、導電性の良好な結合を実現することができる。同様に、１つの構成部品を冷却し、例えば室温の構成部品の開口部に挿入されたその冷却された構成部品を次に加熱することも有効であり、ならびに、一方の構成部品を冷却し他方の構成部品を加熱する組み合わせも有効である。この定義により、このようにして実施された結合も以下においては焼き嵌め結合として説明する。

【0018】

この焼き嵌め結合は、少なくとも１つの接触子と少なくとも１つのホルダーとの間に機械的に安定した直接的な電気接触を生成するように形成することができる。直接的な接触により、特に高い機械的な安定度および特に良好な電気的特性が得られる。こうして、高圧遮断器の閉路状態において、高圧遮断器を経由する、特に、両方の接触子およびそれらのホルダーを経由する、良好な導電性結合が得られ、これは上述の利点を有する。

【0019】

少なくとも１つのホルダーを少なくとも１つの接触子上に焼き嵌めすることができる。これは好適には、接触子が少なくとも部分的に、例えばその端部の寸法、例えば直径が、少なくとも１つのホルダーよりも小さい場合であり、特にそのホルダー内部の開口部の寸法が接触子のその部分とほゞ同じ場合である。

【0020】

この少なくとも１つのホルダーは、その内部に特に円筒形または円錐台形の１つの開口部、特に中心部の開口部を有することができる。この少なくとも１つのホルダーのこの開口部は貫通開口とすることができる。この少なくとも１つのホルダーと結合している該少なくとも１つの接触子は少なくとも部分的にこの開口部の形状をしている。この少なくとも１つのホルダーと結合している該少なくとも１つの接触子はこの開口部を貫通して配設することができる。このことは技術的に簡単に実行することができ、特に大きな製造公差を有する、例えば長い接触子を使用することが可能となる。

【0021】

これに代えてまたはこれに加えて、この少なくとも１つのホルダーの開口部の片側を閉鎖することができる。この少なくとも１つのホルダーと結合することができる少なくとも１つの接触子の形状は少なくとも部分的にこの開口部の形状とすることができる。この少なくとも１つのホルダーと結合可能な少なくとも１つの接触子はこの開口部内に突き出るように配設することができる。これによって、良好な電気的および／または熱的な接触のための付加的な接触面積、これはこの閉鎖面に存在する、を備えた機械的に安定な構成が可能となる。

【0022】

１つの接触子は可動接触子とすることができ、１つのホルダーは可動接触子のホルダーとすることができ、このホルダーは１つの固定されたホルダースリーブを含み、さらに、このホルダースリーブ内に移動可能に支承された１つのスライドピースを含み、この場合、この移動可能に支承されたスライドピースが可動接触子上で焼き嵌め結合されている。この可動接触子とスライドピースとの機械的に安定な結合により、この結合が破壊されることなく、信頼性の高い開閉および高速の移動が可能となり、さらに、スライドピースとホルダースリーブとの間の、特に、例えばばね接点および／または電気的な摺動接点による、特に、接触子からスライドピースおよびホルダースリーブを越えての電気的および／または熱的に良好な伝導が可能となる。

【0023】

その少なくとも１つの接触子は銅を含む、および／または、銅製とすることができる。銅の電気伝導度は非常に高く、したがって大電流時の発熱が小さい。銅の熱伝導度は大きく、機械的に安定である。この少なくとも１つのホルダーはアルミニウムを含む、および／または、アルミニウム製とすることができる。アルミニウムは安価、軽量で、高い電気伝導度、高い熱伝導度および高い機械的強度を有し、これらの伝導度は銅よりも低い。特に可動接触子用のホルダーでは、重量が小さいので、特にホルダーのスライドピースの少ないエネルギー消費で、高速の開閉速度が可能となる。

【0024】

少なくとも１つの接触子は銀でコーティングすることができ、特に電気化学的に堆積することができる。少なくとも１つのホルダーは銀でコーティングすることができ、特に電気化学的に堆積することができる。これらの銀コーティングは良好な電気的および／または熱的な接触を可能とし、異なる材料を使用する場合に、特に両方の材料を特に銀でコーティングする場合に、特に熱処理時に接触子とホルダーとの一体化を生じさせることができる。これにより、電気的に、熱的におよび機械的に良好な特性を有する結合が生じ、これは上述した利点を備えている。

【0025】

この真空遮断バルブは少なくとも１つの固定接触子および少なくとも１つの可動接触子を含み、その固定接触子は焼き嵌めによって１つの固定されたホルダーと結合することができる、および／または、その可動接触子は焼き嵌めによって１つのホルダーの可動スライドピース、この可動スライドピースはそのホルダーの固定されたホルダースリーブ内に配設することができる、と結合することができる。これによって、開閉時に少ないエネルギー消費で容易に移動可能な接触子を備えた、機械的に安定した高圧遮断器が可能となり、この高圧遮断器は良好な電気的特性、特に、閉路された状態においてこの高圧遮断器を通る高い電気伝導度および低抵抗を有している。

【0026】

この高圧遮断器は数キロボルトから１２００キロボルトの範囲までの電圧を開閉するように構成することができる。上述した利点は大電流および／または高電圧時に特に有利に生じる。

【0027】

高圧遮断器の製造方法、特に上述した、その高圧遮断器の少なくとも１つのホルダーにより支承される真空遮断バルブを少なくとも１つ備え、この真空遮断バルブが少なくとも２つの接触子を有し、これらの接触子が少なくとも1つのホルダーと結合されるように構成された高圧遮断器の製造方法は、少なくとも１つの接触子と少なくとも１つのホルダーとの結合が、特に導電性が良好で機械的に安定なように、焼き嵌めにより直接に行われることを含む。

【0028】

この焼き嵌めは、特に、接触子上への、特に室温の接触子上への加熱されたホルダーの熱的な冷却により行うことができ、および／または、ホルダー上への、特に室温のホルダー上への加熱された接触子の熱的な冷却により行うことができる。

【0029】

高圧遮断器の、特に上述した高圧遮断器の請求項１４による製造方法の利点は、請求項１による高圧遮断器の利点と同様であり、その逆も然りである。

【0030】

以下、図１から図４に、従来技術による高圧遮断器および本発明による実施例を模式的に示し、より詳細に説明する。

【図面の簡単な説明】

【0031】

【図1】従来技術による高圧遮断器１の一部を側面から見た部分断面模式図であり、クランプによってホルダー３に固定された真空遮断バルブ２を備えている。

【図2】本発明による、真空遮断バルブ２を備えた高圧遮断器１の断面模式図であり、この真空遮断バルブ２はその２つの接触子（３、４）を介してホルダー（５、６）により支承されており、これらの接触子（３、４）は焼き嵌め結合により、それぞれのホルダー（５、６）と結合されている。

【図3】可動スライドピース７を備えた図２の高圧遮断器１の一部の断面模式図であり、可動スライドピース７は焼き嵌め結合により可動接触子４に結合されており、この接触子４はスライドピース７の一方が閉じられた開口部内に配設されている。

【図4】図３と同様な高圧遮断器１の一部の断面模式図であり、可動接触子４を備えているが、この可動接触子４は図３とは異なり、可動スライドピース７の貫通された開口部内に配設されている。

【発明を実施するための形態】

【0032】

図１は、従来技術による高圧遮断器１の一部を側面から見た部分断面模式図である。この高圧遮断器１は１つの真空遮断バルブ２を備えており、この真空遮断バルブはネジ止めクランプを介して繰り返し着脱可能なクランプによってホルダー６に固定されている。図１には、特に銅製の可動接触子４と、この可動接触子４の特にアルミニウム製の例えば銀メッキしたホルダー６とを備えた真空遮断バルブ２の片側が示されている。

【0033】

このホルダー６はクランプ装置の形に形成されているか、または、クランプ装置を含んでおり、このクランプ装置は繰り返し着脱可能な締め付けによって接触子４の円筒形端部をホルダー６に機械的に固定し、接触子４とホルダー６との電気伝導を可能にする。クランプされていない状態では、図１でホルダー６のハッチングのない上半分に示すように、このホルダーは外皮面が開いているか、または、隙間が形成されている。クランプするために、接触子４の例えば円筒形の端部がホルダー６の開口部に挿入される。図1で上半分に円形に表示されている穴を例えばねじ締めすることにより、ホルダー６の隙間を押圧することによって、その隙間が閉じられ、接触子４は繰り返し着脱可能なクランプ装置により、機械的に安定に、導電性を有して、挟み込まれる。

【0034】

上述のクランプ結合は着脱可能で、技術的に複雑であり、それ故に高い故障率と高コストにつながる。ホルダー６と接触子４との嵌め合い結合および／または材料結合は、クランプ結合の場合には面状には形成されない。というのは、クランプ力が強くても面の凹凸および空気含有部が、面状の嵌め合い結合を妨げるからである。強いクランプ力、特に不均一に分布したクランプ力、は特にホルダー６の材料疲労および／または破損につながり、これは高圧遮断器１の耐久性および／または信頼性を低下させる。

【0035】

図２に、本発明による高圧遮断器１の断面を模式図で示す。この高圧遮断器１は１つの真空遮断バルブ２を備えており、この真空遮断バルブはその２つの接触子３、４を介してホルダー５、６によって支承されている。接触子３、４は、焼き嵌め結合を介してそれぞれのホルダー５、６に直接に結合されている。焼き嵌めは、例えば、それぞれのホルダー５、６をそれぞれに割り当てられた接触子３、４上に収縮させることによって形成される。ホルダー５、６は、例えば加熱されて膨張し、接触子３、４がホルダー３，４の開口部に挿入され、特に押し込まれる。その後、ホルダー５、６は特に室温まで冷却されるか、または、冷える。冷えると、ホルダー５、６、すなわちホルダー５、６の開口部は収縮し、接触子３、４との結合が生じる。この結合は、特に嵌め合い結合的に、および、例えば収縮プロセス中の高温により、特に、ホルダー材料および／または接触子材料が対応する他の材料内に拡散すると、例えば材料結合的に、形成される。結合面を介してホルダー５、６と接触子３、４との間に作用する強くて均一な力により、機械的に強固で、安定で、恒久的で、分離不能で、特に材料結合的な結合が可能となり、この結合は良好な電気的特性を有する、すなわち、結合部を経由する接触抵抗が小さい。

【0036】

この良好な電気的特性により、この高圧遮断器１を通る電力損失は小さくなり、数アンペアから数百アンペアまでの範囲での特に大電流時の発熱が小さくなる。低発熱は高圧遮断器１の耐久性および信頼性を高め、高温または高い廃熱による高圧遮断器１の損傷または破壊の確率を減少させる。焼き嵌め結合は、機械的に安定で、恒久的で、特に分離不能であり、さらに、材料結合的であり、このことにより高電圧遮断器１の高い信頼性が得られる。

【0037】

図３は真空遮断バルブ２の可動接触子４の拡大図であり、この可動接触子はそのホルダーの可動スライドピース７に結合されている。可動接触子４のホルダー６は、図２に示されているように、固定されたホルダースリーブ８ないしホルダーフランジを含み、このホルダースリーブは高圧遮断器１の例えばハウジングに固定されている。簡略化のために、図面にはハウジングは示されていない。固定されたホルダースリーブ８の内部に、例えば、スライドディスクおよび／またはスライドシリンダーの形のスライドピース７が配設されている。可動接触子４はこのスライドピース７に、機械的に固定され電気的に導電性を有するように、直接に固定されている。この可動スライドピース７は固定されたホルダースリーブ８の内部に移動可能に配設されており、固定されたホルダースリーブ８に、例えば摺動接点を介して導電的に結合されている。可動接触子４は、例えば駆動装置を介しておよび／または運動機構の複数の要素を介して移動可能な可動スライドピース７により、特に高圧遮断器１の開閉時に駆動することができる。運動機構の要素および駆動装置は、簡略化のために、図面には示されていない。

【0038】

図３の実施例では、可動接触子４の一端部が円筒形に形成されている。可動スライドピース７はスライドディスクおよび／または内部ディスクを有するスライドシリンダーの形に形成されており、例えば、特に中央部に円筒形の突出部がある。この突出部内に凹部が形成されていて、この凹部の形状は可動接触子４の特に円筒形端部の形状である。この凹部の大きさは可動接触子４よりも僅かに小さいか、ほとんど同じである。スライドピース７を加熱すると、このスライドピース７、ひいてはこの凹部は膨張し、可動接触子４の端部をこの凹部内に挿入することができる。スライドピース７が冷えると凹部は収縮し、スライドピース７は接触子４に、機械的に強固に固着する。これに代えてまたはこれに加えて、接触子４を冷却して凹部内に挿入することができる。この接触子４は加熱すると膨張し、スライドピース７との強固な機械的結合が形成される。以降では、上述した代案も焼き嵌めと呼ぶが、第１の案のみを詳しく説明する。この場合、全ての代案が組み合わせに含まれる。

【0039】

図３ではスライドピース７の凹部は底のある鍋状に形成されている。図４には代案の実施形態が示されており、これは両側が開いたパイプ状の凹部を備えている。この場合、接触子４の端部はこの凹部を貫通し、一端がこの凹部から真空遮断バルブ２とは反対側に突き出ている。前述した焼き嵌め方法は図３の例と同様である。

【0040】

図３および図４に示した例と同様に、固定接触子３の端部は固定されたホルダー５に結合することができる。このことは、簡略化のために、図面には示されていない。というのは、その基本原理は図３および図４と同じであり、利点は前述の通りだからである。３つ以上のホルダー５、６の組み合わせ、および／または、２つ以上の可動ホルダー６の組み合わせ、ならびに、従来技術による複数のホルダーの固定装置との組み合わせも、簡略化のために、図面には示されていない。

【0041】

接触子３、４は、導電性の良好な材料、例えば銅で作られている。ホルダー５、６、特に可動ホルダー７は例えば、アルミニウム製である。焼き嵌めにより、２つの異なる材料間に、固定された、良好な導電性結合が形成される。代案として、他の材料を使用することができる。例えば、接触子３、４、および、ホルダー５、６、特に、スライドピース７を同じ材料、例えば、銅またはアルミニウムとすることができる。これらの材料はまた、鋼を含むかおよび／または鋼とすることもでき、あるいは、例えば、銅合金、アルミニウム合金および／または鋼合金を含むこともできる。

【0042】

上述した複数の実施例は互いに組み合わせることが可能であり、および／または、従来技術と組み合わせることができる。すなわち、ホルダー５、６の凹部および／または接触子３、４の端部は円筒形、円錐台形および／または長方形、特に立方体形とすることができる。これらの形状の組み合わせも可能である。１つ、または、例えば、直列および／または並列に接続された複数の真空遮断バルブ２を使用することができる。

【0043】

１つの真空遮断バルブ２は、３５ｋＶおよび／または１４５ｋＶまでの開閉用に構成されている。簡略化のために、この真空遮断バルブ２の個々の要素または部品は図面には詳細には示されていない。この真空遮断バルブ２は例えば円筒形に形成されており、複数の導電性接触子、特に、例えば銅製の、１つの可動接触子４および１つの固定接触子３を備えており、これらの接触子の端部がセラミック製の、真空にされた中空絶縁体から突き出ている。この場合、この中空絶縁体の可動接触子側は金属ベローズにより気密に封止されており、固定接触子側は固定された金属ディスクまたは固定された金属蓋により気密に封止されている。真空遮断バルブは、例えばシールド電極のような他の要素または部品を含むが、これについては以下では詳しくは説明しない。

【0044】

ホルダー５、６ないしホルダースリーブ８は例えば中空パイプ状に形成されており、その端部に外部へ向けて案内される固定フランジを備えている。代案では、これらのホルダーは高圧遮断器１のハウジングの一体化された部分とすることができる。空間的に固定されたホルダースリーブ８と可動スライドピース７とを備えたホルダー６、および、ホルダー５は例えば中空パイプ状に形成されており、この中空パイプ内に真空遮断バルブ２が嵌め込み挿入されており、例えばシールにより気密封止されている。

【0045】

この高圧遮断器１は、遮断ガス、特にＳＦ_６および／または清浄空気が充填されたハウジング、これは簡略化のために図面には示されていない、を有することができる。このハウジングは、例えば、特に、気密封止された中空絶縁体であり、その外周部に沿面漏れ電流を低減するためのセラミック、シリコーン、および／または複合材料からなる複数のリブを備えている。あるいは、このハウジングは、例えば、気密封止された金属タンクであり、このタンクは電気的にアースされている。これらのホルダーから、この高圧遮断器１を電力系統へ、特に発電者および／または消費者および／または電力ケーブルへ、電気的に接続するための接続端子がハウジングから外部向きに案内されている。この高圧遮断器１はさらに、特にそれ自身を基礎上に配設するための支持体を備えている。この高圧遮断器１はさらに、駆動装置、特にばね式駆動装置、および、開閉時に可動接触子を駆動するための運動機構の要素、例えば、ギアおよび少なくとも１つの駆動ロッドを有している。

【0046】

この高圧遮断器１は１つの可動接触子および１つの固定接触子で構成されている。これに代えてまたはこれに加えて、さらなる複数の接触子を含むことができる、および／または、少なくとも２つの可動接触子を含むことができる。特に銅製の接触子３、４を備えた真空遮断バルブ２と、特にアルミニウム製のホルダー５およびホルダー６すなわち可動スライドピース７との、機械的に安定で、良好な導電性の結合は、典型的な、特に嵌め合い式のクランプ結合では実現するのが難しい。接触子３、４と、ホルダー５、６、特にスライドピース７との間に、本発明による直接の焼き嵌め結合を使用することにより、真空遮断バルブ２の接触子３、４とホルダー５、６すなわち特に可動スライドピース７との間の、特に高速駆動動作時に機械的に安定で、良好な導電性を有し、大きな発熱が発生しない移行または接触が可能となる。良好な熱伝導性により、特に、真空遮断バルブ２からの廃熱の良好な排出が可能となる。これにより、真空遮断バルブ２の損傷および／または破壊のリスクが低減される、および／または、排除される。

【符号の説明】

【0047】

１ 高圧遮断器
２ 真空遮断バルブ
３ 固定接触子
４ 可動接触子
５ 固定接触子のホルダー
６ 可動接触子のホルダー
７ 可動スライドピース
８ 固定されたホルダースリーブ

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【手続補正書】

【提出日】2023-05-01

【手続補正1】

【補正対象書類名】特許請求の範囲

【補正対象項目名】全文

【補正方法】変更

【補正の内容】

【特許請求の範囲】

【請求項1】

真空遮断バルブ（２）を少なくとも１つ備えた高圧遮断器（１）であって、前記真空遮断バルブが前記高圧遮断器（１）の少なくとも１つのホルダー（５、６）によって支承されており、前記真空遮断バルブ（２）が少なくとも２つの接触子（３、４）を有し、前記接触子が前記少なくとも１つのホルダー（５、６）に結合されている高圧遮断器（１）において、
少なくとも１つの接触子（３、４）が前記少なくとも１つのホルダー（５、６）に焼き嵌め結合により直接に結合されていることを特徴とする高圧遮断器（１）。

【請求項2】

前記少なくとも２つの接触子（３、４）が前記少なくとも１つのホルダー（５、６）に、焼き嵌め結合を介して結合されていることを特徴とする請求項１に記載の高圧遮断器（１）。

【請求項3】

前記焼き嵌め結合が熱的な収縮によって生じることを特徴とする請求項１または２に記載の高圧遮断器（１）。

【請求項4】

前記焼き嵌め結合が、前記少なくとも１つの接触子（３、４）と前記少なくとも１つのホルダー（５、６）との間に機械的に安定した直接的な電気接触を生成するように形成されていることを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載の高圧遮断器（１）。

【請求項5】

前記少なくとも１つのホルダー（５、６）が前記少なくとも１つの接触子（３、４）上に焼き嵌めされていることを特徴とする請求項１から４のいずれか１項に記載の高圧遮断器（１）。

【請求項6】

前記少なくとも１つのホルダー（５、６）が、その内部に開口部を有していることを特徴とする請求項１から５のいずれか１項に記載の高圧遮断器（１）。

【請求項7】

前記少なくとも１つのホルダー（５、６）の前記開口部が貫通開口であり、
および／または、
前記少なくとも１つのホルダー（５、６）と結合している前記少なくとも１つの接触子（３、４）が少なくとも部分的に前記開口部の形状をしており、
および／または、
前記少なくとも１つのホルダー（５、６）と結合している前記少なくとも１つの接触子（３、４）が前記開口部を貫通して配設されている、
ことを特徴とする請求項６に記載の高圧遮断器（１）。

【請求項8】

前記少なくとも１つのホルダー（５、６）の前記開口部の片側が閉鎖されており、
および／または、
前記少なくとも１つのホルダー（５、６）と結合している前記少なくとも１つの接触子（３、４）の形状が少なくとも部分的に前記開口部の形状であり、
および／または、
前記少なくとも１つのホルダー（５、６）と結合している前記少なくとも１つの接触子（３、４）が前記開口部内に突き出るように配設されている、
ことを特徴とする請求項６に記載の高圧遮断器（１）。

【請求項9】

１つの接触子（４）が可動接触子であり、１つのホルダー（６）が可動接触子（４）のホルダーであり、このホルダーは１つの固定されたホルダースリーブ（８）を含み、さらに、前記ホルダースリーブ（８）内に移動可能に支承された１つのスライドピース（７）を含み、
前記移動可能に支承された１つのスライドピース（７）が前記可動接触子（４）上で焼き嵌め結合されていることを特徴とする請求項１から８のいずれか１項に記載の高圧遮断器（１）。

【請求項10】

前記少なくとも１つの接触子（３、４）が銅を含むおよび／または銅製であり、
および／または
前記少なくとも１つのホルダー（５、６）がアルミニウムを含むおよび／またはアルミニウム製である、
ことを特徴とする請求項１から９のいずれか１項に記載の高圧遮断器（１）。

【請求項11】

前記少なくとも１つの接触子（３、４）が銀でコーティングされており、
および／または、
前記少なくとも１つのホルダー（５、６）が銀でコーティングされている、
ことを特徴とする請求項１から１０のいずれか１項に記載の高圧遮断器（１）。

【請求項12】

前記真空遮断バルブ（２）が少なくとも１つの固定接触子（３）および少なくとも１つの可動接触子（４）を含み、
前記固定接触子（３）が焼き嵌めによって１つの固定されたホルダー（５）と結合されており、
および／または、
前記可動接触子（４）が焼き嵌めによってホルダー（６）の可動スライドピース（７）と結合されており、前記可動スライドピース（７）が前記ホルダー（６）の固定されたホルダースリーブ（８）内に配設されている、
ことを特徴とする請求項１から１１のいずれか１項に記載の高圧遮断器（１）。

【請求項13】

前記高圧遮断器（１）が数キロボルトから１２００キロボルトの範囲までの電圧を開閉するように構成されていることを特徴とする請求項１から１２のいずれか１項に記載の高圧遮断器（１）。

【請求項14】

高圧遮断器（１）の製造方法であって、前記高圧遮断器（１）の少なくとも１つのホルダー（５、６）により支承される真空遮断バルブ（２）を少なくとも１つ備え、前記真空遮断バルブ（２）が少なくとも２つの接触子（３、４）を有し、これらの接触子が少なくとも１つのホルダー（５、６）と結合されるように構成された、高圧遮断器（１）の製造方法において、
少なくとも１つの接触子（３、４）と前記少なくとも１つのホルダー（５、６）との結合が、焼き嵌めにより直接に行われることを特徴とする方法。

【請求項15】

前記焼き嵌めが、
接触子（３、４）上への加熱されたホルダー（５、６）の熱的な冷却により行なわれる、
および／または、
ホルダー（５、６）上への加熱された接触子（３、４）の熱的な冷却により行われる、
ことを特徴とする請求項１４に記載の方法。

【国際調査報告】