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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-27
(54)【発明の名称】シリンジ作動装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/19 20060101AFI20230920BHJP
【FI】
A61M5/19
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515860
(86)(22)【出願日】2021-03-24
(85)【翻訳文提出日】2023-03-09
(86)【国際出願番号】 KR2021003636
(87)【国際公開番号】W WO2022055059
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0116780
(32)【優先日】2020-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522376645
【氏名又は名称】ジン,セ フン
(71)【出願人】
【識別番号】522376656
【氏名又は名称】ジン,キョン ソク
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジン,セ フン
(72)【発明者】
【氏名】ジン,キョン ソク
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD08
4C066EE14
4C066FF05
4C066GG15
4C066LL13
(57)【要約】
【課題】真皮再生を行う際に施術の誤差を低減し、便利かつ迅速に施術ができるシリンジ作動装置を提供する。
【解決手段】
本発明によるシリンジ作動装置は、1種以上の流体が充填されたシリンジが装着される本体と、本体の後方に設けられ、シリンジのピストンを前後に移動させて、シリンジに充填された1種以上の流体を選択的に吐出させる駆動部と、本体の下側に設けられてユーザの指又は手の甲が据え置かれ、ユーザの指又は手の甲に支持できるように一定の面積を有する曲面状の据置部と、を含む。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種以上の流体が充填されたシリンジが装着される本体と、
本体の後方に設けられ、シリンジのピストンを前後に移動させて、シリンジに充填された1種以上の流体を選択的に吐出させる駆動部と、
本体の下側に設けられてユーザの指又は手の甲が据え置かれ、ユーザの指又は手の甲に支持できるように一定の面積を有する曲面状の据置部と、を含むことを特徴とするシリンジ作動装置。
【請求項2】
据置部は、
本体の下側前方に設けられ、指の一部に据え置かれるように一定の面積を有し、指の一部を包み込むように一定の面積に曲率が形成された第1据置部、及び本体の下側後方に設けられ、手の甲の親指と人差し指との間の箇所に据え置かれるように一定の面積を有し、親指と人差し指との間の箇所を包み込むように一定の面積に曲率が形成された第2据置部のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載のシリンジ作動装置。
【請求項3】
シリンジは、
内筒と外筒で構成され、内筒には第1流体が充填され、外筒は内筒と離間して内筒を包み込む形状であり、内筒と外筒との間には第2流体の充填される充填空間が形成されたシリンジボディと、
シリンジボディに設けられ、シリンジボディの充填空間と連通して第2流体が充填空間に充填されるようにする第2流体注入口と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のシリンジ作動装置。
【請求項4】
シリンジボディの下側には、本体に装着されるための装着突起が設けられ、
本体には、シリンジボディが装着されるときに装着突起の位置と対応する位置に装着溝が設けられたことを特徴とする請求項3に記載のシリンジ作動装置。
【請求項5】
駆動部の下側に設けられ、第2流体注入口を介してシリンジの外筒に第2流体を供給する第2流体供給部をさらに含み、
第2流体注入口と第2流体供給部とはチューブで連結されたことを特徴とする請求項3に記載のシリンジ作動装置。
【請求項6】
本体は、
シリンジの下側を包み込む形状であり、シリンジが着座する第1着座部と、
第1着座部に対して段差を有するように形成され、第1流体の充填されたシリンダが着座する第2着座部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のシリンジ作動装置。
【請求項7】
駆動部は、
ピストンの端が着座する第3着座部と、
モータを含み、ピストンの端面に面着されてモータが駆動されるにつれてピストンを前後に移動させる駆動ボディと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のシリンジ作動装置。
【請求項8】
シリンジの上側を包み込む形状であり、一側が本体とヒンジ結合によって結合され、ヒンジを介して回転して、本体に装着されたシリンジをカバーすることにより、本体と共にシリンジを固定するカバー部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のシリンジ作動装置。
【請求項9】
本体は、一側にカバー部とヒンジ結合される第1ヒンジ部、及び他側にカバー部を固定させる第1固定部をさらに含み、
カバー部は、一側に第1ヒンジ部と結合する第2ヒンジ部、及び他側に第1固定部に固定される第2固定部を含み、
第1ヒンジ部及び第2ヒンジ部は、ヒンジ軸を共有し、ヒンジ軸を中心に回転し、第1固定部及び第2固定部は、互いに結合されることによりシリンジを固定させることを特徴とする請求項8に記載のシリンジ作動装置。
【請求項10】
第1ヒンジ部及び第2ヒンジ部は一側に突出し、第1固定部及び第2固定部は他側に突出することにより、親指及び人差し指が第1ヒンジ部及び第2ヒンジ部と第1固定部及び第2固定部に支持されることを特徴とする請求項9に記載のシリンジ作動装置。
【請求項11】
カバー部の内側面には、第2流体注入口と第2流体供給部とを連結するチューブが折り曲げられることを防止し、チューブを固定させるチューブ溝が設けられたことを特徴とする請求項8に記載のシリンジ作動装置。
【請求項12】
カバー部には、シリンジ内の流体の残量を確認可能にする一定面積の貫通部が形成されたことを特徴とする請求項8に記載のシリンジ作動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンジ作動装置に係り、より詳細には、真皮再生を行う際に施術の誤差を低減し且つより便利に施術ができるようにするためのシリンジ作動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚は、真皮と表皮からなるが、真皮は、表皮層の下にある皮膚であって、皮膚の弾力を掌握するコラーゲン、エラスチン、基質タンパク質から構成されている。老化が進むと、真皮層の細胞再生が遅くなり、ヒアルロン酸の生成が遅くなるため、皮膚の弾力に関連する繊維が切れたり弾力を失ったりする。よって、損傷した真皮の再生は皮膚管理の核心であるといえる。
治療が難しい陥没瘢痕と深いシワの場合、真皮層に微量のガスを先に注入して真皮層を引き裂き、その引き裂かれた真皮層に微量の液体を注入して物理的、化学的、生物学的な刺激が同時に起こるようにすることにより、多量のコラーゲン繊維組織が所望の箇所に生成されるように誘導して治療が可能である。
【0003】
したがって、このような自己真皮再生術の実現のためには、一つのシリンジが侵襲した状態でガスと液体を交互に注入する必要があり、そのために特殊な構造のシリンジが必要とされて真皮再生用シリンジが開発された。
しかし、真皮再生用シリンジを用いた施術を行う際に、広くて多い量のシワや陥没瘢痕に対して人の手によってシリンジの作動を調節すれば、施術者の個人能力によって施術結果の差が激しく、たとえ熟練者であっても、広くて多い量を施術する場合には多くの時間がかかり、施術過程も便利ではないという問題点があった。
【0004】
また、シリンジのピストンの前進・後退を無限に繰り返さなければならない作業であるから、ピストンの輪部分を強く握らなければならない親指及び人差し指の関節部分の痛みが誘発され、真皮再生用シリンジの基本的な目的を達成するためには、施術者が所望の微量のガスを所望の箇所に先に注入して真皮層を引き裂き、その引き裂かれた真皮層部位に正確に所望の微量の液体を注入して物理的、化学的、生物学的な刺激が同時に起こるようにすることにより、多量のコラーゲン繊維組織が所望の箇所に生成されるように誘導する方法であるので、瘢痕やシワの状態に応じて真皮再生用シリンジの作動方法を異にしなければならないという問題があった。
【0005】
したがって、手動で施術して生じる施術者の能力差による施術結果の激しい差を平均化させ、広い部位を施術するときの施術者の施術する手の肉体的苦痛を解消し、その施術時間を減らして患者の苦痛の時間を最小限に抑えるためには、真皮再生用シリンジのピストンの前進と後退を自動化する必要があった。
また、同時にピストンを、必要に応じて、先に後退させてから前進させるか、或いは先に前進させてから後退させるか、或いは後退と前進の順序だけでなく、相対的な後退距離と前進距離を特定化して予めプログラム化しておくことにより、瘢痕又はシワの深さや広さ等の状態に応じて個人偏差なく施術熟練度の偏差を最小限に抑えて自己真皮再生術の効果を最大化することができる真皮再生用シリンジの自動化作動方法を特定化する必要があった。
上記の背景技術として説明された事項は、本発明の背景に対する理解を増進させるためのものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者に既に知られている従来技術に該当することを認めるものと受け入れられてはならないであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、その目的は、真皮再生を行う際に施術の誤差を低減し、便利かつ迅速に施術ができるようにするためのシリンジ作動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるシリンジ作動装置は、1種以上の流体が充填されたシリンジが装着される本体と、本体の後方に設けられ、シリンジのピストンを前後に移動させて、シリンジに充填された1種以上の流体を選択的に吐出させる駆動部と、本体の下側に設けられてユーザの指又は手の甲が据え置かれ、ユーザの指又は手の甲に支持できるように一定の面積を有する曲面状の据置部と、を含むことを特徴とする。
【0008】
据置部は、
本体の下側前方に設けられ、指の一部に据え置かれるように一定の面積を有し、指の一部を包み込むように一定の面積に曲率が形成された第1据置部、及び本体の下側後方に設けられ、手の甲の親指と人差し指との間の箇所に据え置かれるように一定の面積を有し、親指と人差し指との間の箇所を包み込むように一定の面積に曲率が形成された第2据置部のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0009】
シリンジは、
内筒と外筒で構成され、内筒には第1流体が充填され、外筒は内筒と離間して内筒を包み込む形状であり、内筒と外筒との間には第2流体の充填される充填空間が形成されたシリンジボディと、シリンジボディに設けられ、シリンジボディの充填空間と連通して第2流体が充填空間に充填されるようにする第2流体注入口と、を含むことができる。
【0010】
シリンジボディの下側には、本体に装着されるための装着突起が設けられ、
本体には、シリンジボディが装着されるときに装着突起の位置と対応する位置に装着溝が設けられることができる。
【0011】
駆動部の下側に設けられ、第2流体注入口を介してシリンジの外筒に第2流体を供給する第2流体供給部をさらに含み、第2流体注入口と第2流体供給部とはチューブで連結できる。
【0012】
本体は、
シリンジの下側を包み込む形状であり、シリンジが着座する第1着座部と、第1着座部に対して段差を有するように形成され、第1流体の充填されたシリンダが着座する第2着座部と、を含むことができる。
【0013】
駆動部は、
ピストンの端が着座する第3着座部と、モータを含み、ピストンの端面に面着され、モータが駆動されるにつれてピストンを前後に移動させる駆動ボディと、を含むことができる。
【0014】
シリンジの上側を包み込む形状であり、一側が本体とヒンジ結合によって結合され、ヒンジを介して回転して、本体に装着されたシリンジをカバーすることにより、本体と共にシリンジを固定するカバー部を含むことができる。
【0015】
本体は、一側にカバー部とヒンジ結合される第1ヒンジ部、及び他側にカバー部を固定させる第1固定部をさらに含み、
カバー部は、一側に第1ヒンジ部と結合される第2ヒンジ部、及び他側に第1固定部に固定される第2固定部を含み、
第1ヒンジ部及び第2ヒンジ部は、ヒンジ軸を共有し、ヒンジ軸を中心に回転し、第1固定部及び第2固定部は、互いに結合されることによりシリンジを固定させることができる。
【0016】
第1ヒンジ部及び第2ヒンジ部は一側に突出し、第1固定部及び第2固定部は他側に突出することにより、親指及び人差し指が第1ヒンジ部及び第2ヒンジ部と第1固定部及び第2固定部に支持されることができる。
【0017】
カバー部の内側面には、第2流体注入口と第2流体供給部とを連結するチューブが折り曲げられることを防止し、チューブを固定させるチューブ溝が設けられることができる。
【0018】
カバー部には、シリンジ内の流体の残量を確認可能にする一定面積の貫通部が形成できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、シリンジが装着される本体に、指の一部、及び手の甲の親指と人差し指との間の箇所に据え置かれるように一定の面積を有する据置部を設けることにより、真皮再生手術を行う過程でユーザが便利に施術を行うようにすることができる。
また、本体の後方に設けられた駆動部を介してシリンジ内の充填された流体を自動的に吐出させることにより、施術者の施術する手の肉体的苦痛を解消し、施術時間を減らして患者の苦痛時間を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態によるシリンジ作動装置を示す図である。
図2】本発明の一実施形態によるシリンジ作動装置を上から見た図である。
図3】本発明の一実施形態によるシリンジ作動装置を側面から見た図である。
図4】本発明の一実施形態によるシリンジ作動装置においてカバー部を開放した状態を示す図である。
図5】本発明の一実施形態によるシリンジ作動装置においてシリンジの結合を解除した状態を示す図である。
図6】本発明の他の実施形態によるシリンジ作動装置においてシリンジの結合を解除した状態を示す図である。
図7】本発明の一実施形態によるシリンジ作動装置のシリンジの構成を説明するための図である。
図8】本発明の一実施形態によるシリンジ作動装置が適用されるシリンジ作動システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明によるシリンジ作動装置は、1種以上の流体が充填されたシリンジが装着される本体と、本体の後方に設けられ、シリンジのピストンを前後に移動させて、シリンジに充填された1種以上の流体を選択的に吐出させる駆動部と、本体の下側に設けられてユーザの指又は手の甲が据え置かれ、ユーザの指又は手の甲に支持できるように一定の面積を有する曲面状の据置部と、を含むことができる。
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態によるシリンジ作動装置を詳細に説明する。
【0023】
図1は本発明の一実施形態によるシリンジ作動装置を示す図、図2は本発明の一実施形態によるシリンジ作動装置を上から見た図、図3は本発明の一実施形態によるシリンジ作動装置を側面から見た図、図4は本発明の一実施形態によるシリンジ作動装置においてカバー部を開放した状態を示す図、図5は本発明の一実施形態によるシリンジ作動装置においてシリンジの結合を解除した状態を示す図、図6は本発明の他の実施形態によるシリンジ作動装置においてシリンジの結合を解除した状態を示す図である。
【0024】
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるシリンジ作動装置10は、本体100、駆動部200及び据置部300を含むことができ、カバー部400及び第2流体供給部600をさらに含むことができる。
本体100には、1種以上の流体が充填されたシリンジ500が装着できる。具体的には、図5を参照すると、本体100は、シリンジ500の下側を包み込む形状であり、シリンジ500が着座する第1着座部110、及び第1着座部110に対して段差を有するように形成され、第1流体が充填されたシリンジ500のシリンダ520が着座する第2着座部120を含むことができる。
【0025】
また、図6を参照すると、本発明の他の実施形態によるシリンジ作動装置において、本体100は、シリンジ500を本体100から脱去するとき、ユーザの指がシリンジ500のピストン560を容易に把持することができるように助けるピストン把持補助部160を含むことができる。ピストン把持補助部160は、図6に示すように、第2着座部120と第3着座部210との間に設けられるが、本体100の両側壁に一定の深さだけ凹むように形成されることにより、ピストン560の下端に指が位置するようにして、シリンジ500を脱去するとき、ピストン把持補助部160を介して指でピストン560が容易に把持されるようにすることができ、これによりシリンジ500が本体100から容易に脱去されるようにすることができる。
【0026】
追って説明するが、本発明の一実施形態によるシリンジ作動装置10に使用されるシリンジ500は、内筒511と外筒512で構成され、内筒511に第1流体の充填されたシリンダ520が後方から挿入されることにより、シリンダ520とシリンジ500の下側端には段差が存在する。本発明では、このようなシリンジ500の構造を考慮して、シリンジボディ510が着座する第1着座部110と、シリンジ500のシリンダ520が着座する第2着座部120との間に段差が付くように形成することにより、二重管構造を有するシリンジ500がより安定的に本体100に着座するようにすることができる。
【0027】
一方、本体100にシリンジボディ510が装着されるとき、シリンジボディ510の下側に設けられた装着突起590の位置と対応する位置に装着溝130が設けられることができる。ここで、装着溝130の形状は、実施形態によって、装着突起590がスリット状の突起である場合にはスリット状であってもよく、他の実施形態によって、装着突起590が一定の面積を有する突起である場合には当該一定の面積を有する溝状であってもよい。しかし、これは一実施形態に過ぎず、本体100に設けられた装着溝130の形状及び構造は特定の形状及び構造に制限されるものではない。
このように、本体100における、シリンジボディ510の下側に設けられた装着突起590の位置に対応する位置に装着溝130を設けることにより、シリンジ500がより安定的に本体に結合されるようにすることができる。
【0028】
駆動部200は、本体100の後方に設けられ、シリンジ500のピストン560を前後に移動させて、シリンジ500に充填された1種以上の流体が選択的に吐出されるようにすることができる。具体的には、駆動部200は、ピストン560の端が着座する第3着座部210、及びモータ221を含み、ピストン560の端面に面着されてモータ221が駆動されるにつれてピストン560を前後に移動させる駆動ボディ220を含むことができる。ここで、第3着座部210はシリンジ500のピストン560を固定させることにより、駆動ボディ220が動いても、ピストン560は本来の位置を維持することができる。
【0029】
すなわち、本発明によるシリンジ作動装置10によれば、シリンジ500のピストン560が第3着座部210に着座し、ピストン560の端面が駆動ボディ220に面着されることにより、駆動ボディ220に含まれているモータ221の駆動によってピストン560が前進又は後退するにつれて、シリンジ500に充填された流体がシリンジ500の針を介して吐出されるようにすることができる。このような構成によって、シリンジ500は、制御部(図示せず)にプログラムされた或いはユーザが指示する操作命令に従って駆動ボディ220が動くことにより、ピストン560が定められた通りに前進又は後退するように自動化できる。
【0030】
据置部300は、図1及び図3を参照すると、本体100の下側に設けられてユーザの指又は手の甲が据え置かれ、ユーザの指又は手の甲に支持できるように一定の面積を有する曲面形状に形成され得る。
具体的には、据置部300は、実施形態によって、本体100の下側前方に設けられ、指の一部に据え置かれるように一定の面積を有し、指の一部を包み込むように一定の面積に曲率が形成された第1据置部310、及び本体100の下側後方に設けられ、手の甲の親指と人差し指との間の箇所に据え置かれるように一定の面積を有し、親指と人差し指との間の箇所を包み込むように一定の面積に曲率が形成された第2据置部320のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0031】
本発明によるシリンジ作動装置10は、従来、手動でシリンジ500を操作して施術したときに発生した問題を改善するために提案されたものであって、シリンジ500を本体100に装着し、駆動部200を介して、シリンジ500に充填された流体を吐出させながら真皮再生施術を行うが、このような真皮再生施術は、シリンジ500の針を人体の皮膚に侵襲して行うものであって、高い精度と安全性が要求されるので、施術過程において本体100が揺れることなく安定的に固定されるようにしなければならない。
【0032】
かかる問題点を解決するために、本発明によるシリンジ作動装置10は、本体100の下側前方に設けられ、指の一部に据え置かれるように一定の面積を有し、指の一部を包み込むように一定の面積に曲率が形成された第1据置部310、及び本体100の下側後方に設けられ、手の甲の親指と人差し指との間の箇所に据え置かれるように一定の面積を有し、親指と人差し指との間の箇所を包み込むように一定の面積に曲率が形成された第2据置部320のうちの1つ以上を設けたのである。
【0033】
追ってカバー部400について説明しながら再び説明するが、本発明によるシリンジ作動装置10において、第1ヒンジ部140及び第2ヒンジ部410と第1固定部150及び第2固定部420は、施術者の親指と人差し指によって把持されるが、このとき、中指の一部に第1据置部310が据え置かれ、手の甲の親指と人差し指との間の箇所に第2据置部320が据え置かれることにより、施術過程で本体100が揺れることなく安定的に据え置かれることができ、これにより施術の精度と安全性を向上させることができる。
カバー部400は、シリンジ500の上側を包み込む形状であり、一側が本体100とヒンジ結合を介して結合され、ヒンジを介して回転して、本体100に装着されたシリンジ500をカバーすることにより、本体100と共にシリンジ500を固定することができる。
【0034】
具体的には、本体100は、一側にカバー部400とヒンジ結合される第1ヒンジ部140、及び他側にカバー部400を固定させる第1固定部150をさらに含むことができ、カバー部400は、一側に第1ヒンジ部140と結合される第2ヒンジ部410、及び他側に第1固定部150に固定される第2固定部420を含むことができる。実施形態によって、第1固定部150及び第2固定部420は、図2に示すように、第1固定部150に設けられた突起が、第2固定部420に設けられた溝に嵌合されることによりロック状態となり、第1固定部150に設けられたスライダを摺動させると、突起と溝のロックが解除される構成であり得る。このようなロック装置の構造は、公知の技術であるので、その詳細な説明は省略する。
【0035】
上述したように、第1ヒンジ部140と第2ヒンジ部410は、ヒンジ軸を共有し、ヒンジ軸を中心に回転することができ、第1固定部150及び第2固定部420は、互いに結合されることにより、シリンジ500を固定させることができる。
【0036】
一方、図2を参照すると、第1ヒンジ部140及び第2ヒンジ部410は一側に突出し、第1固定部150及び第2固定部420は他側に突出することができる。このとき、第1ヒンジ部140及び第2ヒンジ部410は一定の面積をもって一側に突出し、第1固定部150及び第2固定部420は一定の面積以上をもって他側に突出することにより、親指及び人差し指で第1ヒンジ部140及び第2ヒンジ部410と第1固定部150及び第2固定部420を把持するとき、親指及び人差し指が第1ヒンジ部140及び第2ヒンジ部410と第1固定部150及び第2固定部420に支持されるようにすることができる。
【0037】
本発明では、第1ヒンジ部140及び第2ヒンジ部410と第1固定部150及び第2固定部420を一定の面積を有するように突設することにより、ヒンジ部及び固定部の役目をすると同時に把持の役目もする。
また、施術の際に、施術者が第1ヒンジ部140及び第2ヒンジ部410と第1固定部150及び第2固定部420を介してシリンジ作動装置10を安定的に把持することにより、施術過程で本体100が揺れないようにすることができ、これにより施術の精度及び安全性を向上させることができる。
【0038】
一方、カバー部400の内側面には、第2流体注入口570と第2流体供給部600とを連結するチューブ700が折り曲げられるのを防止し、チューブ700を固定させるチューブ溝430が設けられることができる。図2図4を参照すると、シリンジボディ510の上側には、シリンジボディ510の側壁を貫通して充填空間580と連通して第2流体が充填空間580に充填されるようにする第2流体注入口570が形成されるが、第2流体注入口570と第2流体供給部600とはチューブ700を介して連結できる。
【0039】
ここで、第2流体注入口570と第2流体供給部600とを連結するチューブ700が動いたり折り曲げられたりする場合、第2流体が漏れるか或いはチューブ700が折り曲げられることにより、第2流体注入口570に第2流体が正常に供給されないことがあるという問題が発生する可能性がある。
【0040】
かかる問題を防止するために、本発明では、カバー部400の内側面にチューブ700を固定させることができるチューブ溝430を設けることにより、カバー部400が閉鎖されるとき、チューブ700がチューブ溝430に固定され、シリンジ作動装置10が駆動される過程でチューブ700が動かずに固定されるようにすることができ、これにより第2流体が漏れるか或いはチューブ700が折り曲げられるなどの問題が発生するのを防止することができる。
【0041】
また、カバー部400には、シリンジ500内の流体の残量を確認可能にする一定面積の貫通部440が形成できる。本発明によるシリンジ作動装置10によれば、シリンジ500の第1流体が全て吐出されると、第1流体が充填されたシリンダ520を交換しなければならないが、カバー部400に貫通部440を形成することにより、第1流体の残量を容易に確認することができ、これにより第1流体が充填されたシリンダ520の交換時点を容易に把握することができる。
【0042】
さらに、図6を参照すると、カバー部400には、カバー部400を開放するときに指又は爪などが挿入されることにより、カバー部400を容易に開放させることができるように補助する補助溝450が設けられることができる。実施形態によって、補助溝450は、カバー部400における、固定部が設けられた側面に形成され、一定の面積を有するが、一側に一定の深さを有するように形成できる。言い換えれば、カバー部400を開放するときに、ユーザは、指又は爪を補助溝450に挿入してカバー部400を把持した後、カバー部400を開放させることができる。
【0043】
一方、第2流体供給部600は、駆動部200の下側に設けられ、第2流体注入口570を介してシリンジ500の外筒512に第2流体を供給することができる。このとき、第2流体注入口570と第2流体供給部600とはチューブ700で連結できる。しかし、これは一実施形態に過ぎず、チューブ700以外の装置によっても、第2流体注入口570と第2流体供給部600とは連結できる。
図7を参照すると、シリンジ500は、シリンジボディ510、注入部530、貫通孔540、チェックバルブ550、ピストン560及び第2流体注入口570のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0044】
シリンジ500は、円柱状であってもよく、ボディは、内筒511と外筒512で構成できる。内筒511には、第1流体の充填されたシリンダ520が後方から挿入されて結合できる。シリンダ520に充填された第1流体は、後述する注入部530の内部空間を介して針から流出することができる。
外筒512は、内筒511と一定間隔離間して内筒511を包み込む形状であり得る。すなわち、外筒512の直径は、内筒511の直径よりも大きく形成できる。内筒511と外筒512との間には、第2流体の充填される充填空間580が形成できる。そして、内筒511の長さは、外筒512の長さよりも短く形成されるが、長さ差によって形成される空間に第2パート532が挿入される。第2パート532の一部は、外筒512の内周面に接してシールされ、第2パートの残りの一部は、内筒511の内周面に接してシールされてもよい。
【0045】
一方、本発明において、第1流体Aはヒアルロン酸を主成分として含み、第2流体Bは二酸化炭素を主成分として含むことができる。
注入部530は、シリンジ500のボディの前方部に結合され、第1流体と第2流体が流出する通路を形成することができ、第1パート531及び第2パート532で構成できる。
【0046】
第1パート531は、ボディの外部に位置し、前端は針と結合され、後端は外筒512と接してシールされる。第1パート531の側面部には、後端から前端へ行くほど中心に向かって傾いた傾斜面が形成できる。傾斜面は、人の皮膚に侵襲しやすくする。
第2パート532は、第1パート531の後端に連結され、シリンジボディ510の内部に挿入されて内筒511と接してシールされ得る。外筒512と内筒511との長さ差によって形成された空間に第2パート532が挿入されて内筒511と接する。
貫通孔540は、充填空間580と注入部530の内部とを連通させる機能を行うことができる。貫通孔540は、注入部530の第2パート532の一側に形成されて充填空間580と連通することができる。したがって、充填空間580において、第2流体が貫通孔540を介して注入部530の内部に流入することができる。
【0047】
チェックバルブ550は、流体が一側方向にのみ流れるように許容し、反対側方向には流れないように遮断する弁であって、貫通孔540に設けられ、注入部530から充填空間580への流体流れは遮断し、充填空間580から注入部530への流体流れは許容することができる。
ピストン560は、駆動部200に連結され、駆動部200が駆動されるにつれて前後に移動して、シリンジ500に充填された第1流体及び第2流体のうちの1種以上の流体がシリンジ500の針を介して吐出されるようにすることができる。
第2流体注入口570は、シリンジボディ510の上側に形成され、シリンジボディ510の側壁を貫通して充填空間580と連通して第2流体が充填空間580へ充填されるようにすることができる。
【0048】
一方、図8は、本発明の一実施形態によるシリンジ作動装置10が適用されるシリンジ作動システム1を示す図である。
【0049】
実施形態によって、本発明の一実施形態によるシリンジ作動装置10は、図8のようなシリンジ作動システム1に適用できる。本発明の一実施形態によるシリンジ作動装置10が適用されたシリンジ作動システム1は、図8に示すように、シリンジ作動装置10、シリンジに供給する第2流体を貯蔵する第2流体貯蔵部が設けられたメインボディ20、メインボディ20から上方に延びた後、再び下方に延びてシリンジ作動装置10が空中に吊り下げられ、針が下方を向くようにするリンク機構30、及びペダルスイッチをさらに含むことができる。
【0050】
ここで、コントローラ22は、シリンジ作動装置の作動要求又は作動停止要求が認識された場合、設定されたモードに基づいて、予め設定された動きに従ってピストンを移動させることができる。
言い換えれば、コントローラ22は、シリンジ作動装置10の作動要求が認識されると、設定されたモードに基づいて、予め設定された動きに従ってピストン560を移動させ、シリンジ作動装置10の作動停止要求が認識された場合、設定されたモードに基づいて、予め設定された動きに従ってピストン560を移動させてシリンジ500の針から第1流体及び第2流体のうちの1種以上の流体が吐出されるようにすることができる。
【0051】
実施形態によって、シリンジ作動システム1において、コントローラ22へのシリンジ作動装置10の作動要求及び作動停止要求の伝達は、ペダルスイッチを介して行われることができる。
【0052】
一方、本発明によるシリンジ作動装置10が用いられる真皮再生施術の場合、皮膚又は患部に応じて様々な施術の場合が存在し、それらの様々な場合の施術のためにコントローラ22も様々な方式で駆動部200を制御する必要がある。
このために、本発明によるシリンジ作動システム1は、ピストン560の動きを設定する設定部をさらに含むことができ、設定部を介して第1モード又は第2モードの設定が可能である。第1モード又は第2モードによるピストン560の動きについては、以下で詳細に説明する。
【0053】
実施形態によって、設定部を介して第1モードに設定された状態で、ペダルスイッチが踏まれてから離された場合、コントローラ22は、ピストン560を予め設定された第1距離だけ後退させた後、予め設定された第1距離と予め設定された第2距離との和だけ前進させ、予め設定された第3距離だけピストン560を後退させた後、第3距離と同じかそれより短い距離だけ前進させることができる。
本発明において、シリンジには第1流体及び第2流体が充填できるが、このとき、第1距離は、シリンジ500から吐出される第2流体の吐出量に基づいて設定され、第2距離は、シリンジ500から吐出される第1流体の吐出量に基づいて設定されたものであってもよい。
【0054】
本発明で使用される第1流体はヒアルロン酸を主成分として含み、第2流体は二酸化炭素を主成分として含むことができる。主成分とすることの意味は、ヒアルロン酸と二酸化炭素が最も多くの比重を占める成分であるということであり、場合によっては種類の成分が一緒に含まれ得るという意味である。
言い換えれば、実施形態によって、第1モードに設定された状態で、ペダルスイッチが踏まれてから離された場合、コントローラ22は、シリンジ500から吐出させる二酸化炭素量の体積だけピストン560を第1距離だけ後退させた後、第1距離だけ前進させることにより、設定された二酸化炭素がシリンジ500から吐出されるようにして真皮層を引き裂き、吐出させるヒアルロン酸量の体積だけピストン560を第2距離だけ前進させることにより、設定されたヒアルロン酸がシリンジ500から吐出されるようにして、引き裂かれた空間にヒアルロン酸が供給されるようにするのである。ここで、第2距離は、施術状況に応じて、第1距離と同じか、或いはそれより小さいか大きい。ここで、第2距離はピストン560の前進距離を意味し、第1距離はピストン560の後退距離を意味する。
【0055】
また、コントローラ22は、第1モードに設定された状態で、ペダルスイッチが踏まれてから離された場合、上述したようにピストン560を予め設定された第1距離だけ後退させ、予め設定された第1距離と予め設定された第2距離との和だけ前進させた後、予め設定された第3距離だけ後退させ、その後、第3距離と同じかそれより短い距離だけ前進させることができる。
【0056】
ここで、ピストン560を予め設定された第1距離だけ後退させ、予め設定された第1距離と予め設定された第2距離との和だけ前進させた後、予め設定された第3距離だけ後退させ、その後、第3距離と同じかそれより短い距離だけ前進させる理由は、
シリンジ500の末端端又は針に微量の第1流体が残っている場合、これをまず綺麗に除去した後、侵襲して第2流体を吐出しなければならないため、残っている第1流体の残量を除去するからである。
【0057】
すなわち、前述した説明をまとめると、施術者によって第1モードに設定された状態で、ペダルスイッチが踏まれてから離された場合、コントローラ22は、ピストン560を第1距離だけ後退させ、予め設定された第1距離と予め設定された第2距離との和だけ前進させた後、予め設定された第3距離だけ後退させ、その後、第3距離と同じかそれより短い距離だけ前進させることにより、シリンジ500の末端端又は針に残っている微量の第1液体を綺麗に除去した後、次の侵襲を行うことができる。
【0058】
このように、ペダルスイッチを踏んだり離したりする簡単な動作だけで、シリンジ作動装置10を自動的に作動させて所望の量だけの第1流体及び第2流体がシリンジ500から吐出されるようにするが、侵襲前にシリンジ500の末端部又は針に残っている第1流体の残量を綺麗に除去した後、侵襲を行うことにより、シリンジ500から吐出される第1流体及び第2流体の量を一定に維持させることができ、結果として施術結果の偏差を最小限に抑えることができる。
【0059】
一方、設定部を介して第2モードに設定された状態でペダルスイッチが踏まれている場合、コントローラ22は、ピストン560を予め設定された第1距離だけ後退させた後、予め設定された第1距離と予め設定された第2距離との和だけ前進させることができる。ここで、第2モードに設定された状態で、ペダルスイッチが踏まれている場合、コントローラ22は、ペダルスイッチが離される前まで、ピストン560を予め設定された第1距離だけ後退させた後、予め設定された第1距離と予め設定された第2距離との和だけ前進させる動きが繰り返し行われるようにすることができる。
反面、第2モードに設定された状態でペダルスイッチが離された場合、コントローラ22は、予め設定された第3距離だけピストンを後退させた後、第3距離と同じかそれより短い距離だけ前進させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、真皮再生を行う際に施術の誤差を低減し且つより便利に施術ができるシリンジ作動装置として好適である。
【符号の説明】
【0061】
1 シリンジ作動システム
10 シリンジ作動装置
20 メインボディ
30 リンク機構
110 第1着座部
120 第2着座部
130 装着溝
140 第1ヒンジ部
150 第1固定部
160 ピストン把持補助部
200 駆動部
210 第3着座部
220 駆動ボディ
221 モータ
300 据置部
310 第1据置部
320 第2据置部
400 カバー部
410 第2ヒンジ部
420 第2固定部
430 チューブ溝
440 貫通部
450 補助溝
510 シリンジボディ
511 内筒
512 外筒
520 シリンダ
530 注入部
531 第1パート
532 第2パート
540 貫通孔
550 チェックバルブ
560 ピストン
570 第2流体注入口
580 充填空間
590 装着突起
600 第2流体供給部
700 チューブ


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】