(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-27
(54)【発明の名称】貯蔵コンテナ、成長及び/又は繁殖ステーション、栽培システム、及び成長材料を栽培する方法
(51)【国際特許分類】
A01G 9/02 20180101AFI20230920BHJP
【FI】
A01G9/02 E
A01G9/02 103U
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537453
(86)(22)【出願日】2021-08-23
(85)【翻訳文提出日】2023-03-10
(86)【国際出願番号】 EP2021073275
(87)【国際公開番号】W WO2022048935
(87)【国際公開日】2022-03-10
(32)【優先日】2020-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523074205
【氏名又は名称】カプセロ アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルッツ, ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】デュル, ギュンター
(72)【発明者】
【氏名】シリロ, ファビオ
【テーマコード(参考)】
2B327
【Fターム(参考)】
2B327NC24
2B327NC53
2B327ND01
2B327UA16
2B327UB22
2B327UB30
2B327VA17
(57)【要約】
本発明は、内部空間(3)とその中に配置された基質(4)とを備える貯蔵コンテナ(1)に関する。貯蔵コンテナ(1)は、基質(4)の中又は上に位置する生体成長材料(6)を更に備え、貯蔵コンテナ(1)は、無菌大気を提供するために密封カプセルとして形成され、基質(4)は、乾燥状態での吸水量が少なくとも水分が50g/cm
3である吸水性材料である。貯蔵コンテナ(1)は、少なくとも2つの端部セグメント(8)と管状の中間セグメント(2)からなり、基質(4)と成長材料(6)が中間セグメント(2)に配置される。端部セグメント(8)の少なくとも1つは、中間セグメント(2)と比較して、より小さな壁厚を有し、及び/又は熱的、物理的及び/又は化学的攻撃をより受けやすく、及び/又は所定の分離点を有している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間(3)と基質(4)とを備え、基質(4)は内部空間(3)内にて貯蔵コンテナの壁面に静止して配置され、更に基質(4)内又は基質(4)上に配置された生物学的な生体成長材料(6)とを更に備える貯蔵コンテナ(1)であって、
貯蔵コンテナ(1)は、無菌大気を確保するための封入カプセルとして構成されており、
基質(4)は乾燥状態でが少なくとも水分が50g/cm
3以上の吸水能力を有する吸収材であり、
貯蔵コンテナ(1)は、少なくとも2つの端部セグメント(8)と管状の中間セグメント(2)を有し、基質(4)と成長材料(6)は、中間セグメント(2)に配置され、少なくとも第1の端部セグメント(8)は中間セグメント(2)と対向して配置されて、中間セグメント(2)よりも、
より薄い壁を有し、及び/又は
より熱的、物理的、及び/又は化学的に攻撃可能及び/又は影響を受けやすい壁材料を有し、
所定の分離点を有する、貯蔵コンテナ。
【請求項2】
前記基質の材料が、少なくとも1つの多孔質材料、特に多孔質岩、及び/又は少なくとも1つのスポンジ材料、及び/又は少なくとも1つのゲル状材料、特に水が貯蔵形態で存在する生物学的材料のハイドロゲルまたはゲルを含む、請求項1に記載の貯蔵コンテナ。
【請求項3】
前記基質の下方に、好適に根を収容するためのガスで充填され又は真空化される空洞としての空間を有し、この空間は貯蔵コンテナの壁部及び基質によって境界付けられる、請求項1又は2に記載の貯蔵コンテナ。
【請求項4】
第1の端部セグメント(8)は、生物学的な生体成長材料(6)に関する下方の端部セグメントである、請求項1乃至3の何れかに記載の貯蔵コンテナ。
【請求項5】
少なくとも第2の端部セグメント(8)は、特に蓋側の端部セグメントであり、ガス選択性の材料、半透過性の材料、好ましくはCO
2、O
2、N
2及び/又はCH
4の選択的な材料から形成される、請求項1乃至4の何れかに記載の貯蔵コンテナ。
【請求項6】
貯蔵コンテナ(1)の壁(7)は、特に中間セグメント(2)の壁であり、少なくとも一部領域または全体が透明材料からなり、特に、外側に向けて少なくとも部分的に気密である透明で、UV非透過性の、熱絶縁性材料からなる、請求項1乃至5の何れかに記載の貯蔵コンテナ。
【請求項7】
中間セグメント(2)が、少なくとも1つの円周方向に分布する制限ストッパ(13)または複数の円周方向に分布する制限ストッパまたは円錐形を有し、及び/又は、貯蔵コンテナを静止して耐振動性に固定するためのロック装置を有する、請求項1乃至6の何れかに記載の貯蔵コンテナ。
【請求項8】
制限ストッパ及び/又はロック装置が、中間セグメントの下半分に取り付けられている、請求項1乃至7の何れかに記載の貯蔵コンテナ。
【請求項9】
前記基質(4)が貯蔵コンテナ(1)内に唯一の水貯蔵庫として配置され、貯蔵コンテナの中間セグメントに、水分が30g/cm
3の、好ましくは成形体として位置する、請求項1乃至8の何れかに記載の貯蔵コンテナ。
【請求項10】
前記貯蔵コンテナ(1)が、過酸化物及び/又は根が安定する材料で全面を覆うのが好ましい滅菌可能な表面を有し、根が安定する材料は特にオゾン-過酢酸及び/又は過酸化水素-安定材料であり、コーティング又はアルミニウム、鉄などの金属に基づいた壁が好ましく、根が安定する材料は例えばポリアミド、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリアクリル、ポリメタクリル、ハロゲン化エチレンなどの熱可塑性物質及び/又はゴム、ハロゲン化エラストマー、シリコーンなどのエラストマーである、請求項1乃至9の何れかに記載の貯蔵コンテナ。
【請求項11】
大容量のコンテナとして、特にISOコンテナとして構成されている成長材料(6)を栽培する産業用の成長及び/又は繁殖ステーション(100)であって、
大容量のコンテナは、無菌の内部雰囲気を提供し及び監視すると同時に、最適な生育条件を設定、監視及び/又は維持するための装置、特にセンサ監視分配装置を有し、
これらの成長条件を確保するために、装置は、少なくともパラメータである気圧、温度、湿度、及びガス交換率を有して、これらは装置によって感知及び調整することができることを特徴とする産業用の成長及び/又は繁殖ステーション(100)。
【請求項12】
装置はさらに、個々にまたは組み合わせて、SALレベル、ガス分圧、肥料温度、風力強さ、風の方向、音のレベル及び/又は音周波数の連続のパラメータを、センサによって決定及び/又は調整することができる、請求項11に記載の産業用の成長及び/又は繁殖ステーション(100)。
【請求項13】
装置はさらに、個々にまたは組み合わせて、光強度、肥料量、肥料組成、pH値及び/又はコンダクタンスのパラメータが、装置によりセンサ的に決定及び/又は調整される、請求項11又は12に記載の産業用の成長及び/又は繁殖ステーション(100)。
【請求項14】
ガス分圧は、CO
2、O
2、N
2、He、Ar、O
3、CO、CH
4、エタン、エテン、エチン、及び/又はテルペンの単一または組み合わせのガス分圧である、請求項12に記載の産業用の成長及び/又は繁殖ステーション(100)。
【請求項15】
テルペンが単独又は組み合わせのヘミテルペン、モノテルペン、セスキテルペン、ジテルペン、セステルペン、トリテルペン、テトラテルペン、ポリテルペン、及びテルペノイドであることを特徴とする。請求項14の産業用の成長及び/又は繁殖ステーション(100)。
【請求項16】
成長及び/又は繁殖ステーション(100)が、CIP媒体、特にオゾンの供給部及び/又は出口を有する成長室を備える、請求項11乃至15の何れかに記載の産業用の成長及び/又は繁殖ステーション(100)。
【請求項17】
成長及び/又は繁殖ステーション(100)が、CIP洗浄のための洗浄媒体、特にオゾンの入口及び/又は出口を有する成長室を備える、請求項11乃至16の何れかに記載の産業用の成長及び/又は繁殖ステーション(100)。
【請求項18】
大容量のコンテナが、請求項1乃至10の何れかに記載の1つ又は好ましくは複数の貯蔵コンテナ(1)を配置するための少なくとも1つの貯蔵ラック(14)を備える、請求項11乃至17の何れかに記載の産業用の成長及び/又は繁殖ステーション(100)。
【請求項19】
前記大容量のコンテナが、
成長材料に照射するための光源(23)、
栄養含有媒体及び/又は滅菌媒体を含む媒体を輸送するためのポンプ(29)のようなアクチュエータ、
成長材料(6)の健全性状態を監視するためのセンサ(33)、
内部大気をセンサ(33)によって検出された変化に少なくとも1つの所定の設定値に適合させるための制御ループを制御する制御及び/又は評価ユニット(32)、
水供給ユニット(26)及び/又は処理ユニット(27)、
空調機器(24)、
栄養物コンテナ(30)、
電源及び/又は管理ユニット(20)、
混合室(31)及び/又は、
外部装置とデータ交換するための通信モジュール(21)の装置の少なくとも1つ、または、より好ましくは全てを含む、請求項11乃至18の何れかに記載の産業用の成長及び/又は繁殖ステーション(100)。
【請求項20】
請求項11乃至19の何れか1つに記載の成長及び/又は繁殖ステーション(100)と、特に保守ユニット(300)及び/又は特に収穫ユニットである処理ユニット(500)とからなる栽培システムであって、ここで、保守ユニットは、2つのユニット(100及び300または500)間で成長材料または機械類を移動させるために、成長及び/又は繁殖ユニットに接続され、ここで、保守ユニット(300)または処理ユニット(500)は、少なくとも成長及び/又は繁殖ステーション(100)と組み合わせて、無菌の内部大気を維持するために装備されることを特徴とする栽培システム。
【請求項21】
成長材料(6)を栽培する方法であって、
a)請求項1乃至10の何れかに記載の貯蔵コンテナ(1)を配備する工程と、
b)請求項1乃至10の何れかに記載の貯蔵コンテナ(1)を成長及び/又は繁殖ステーション(100)の貯蔵ラック(14)へ挿入し、少なくとも一端部にて貯蔵コンテナ(1)を開く工程、好ましくは両端部にて貯蔵コンテナ(1)を開く工程と、
c)収穫のための成長及び/又は繁殖段階の検出まで、無菌の内部大気中の成長材料(6)の成長及び/又は繁殖を監視する工程と、
d)保守ユニット(300)及び/又は処理ユニット(500)を使用して、無菌大気を維持しながら、収穫された成長材料から、価値ある材料、特に活物質を含む生物材料を回収する工程を含む、方法。
【請求項22】
工程bにおいて、好ましくは貯蔵コンテナ(1)を貯蔵ラック(14)に挿入した後に、CIP法に従って滅菌を行い、即ち、貯蔵ラック(14)と貯蔵コンテナ(1)の配置を分解せずに定置式洗浄方法による滅菌を行うことが好ましい、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
工程cにおいて、成長及び/又は繁殖のための大気を確保するために、少なくとも空気圧、温度、湿度、光度、ガス交換率、肥料量、肥料組成、pH及びコンダクタンスのパラメータが決定され、監視され、及び/又は調整される、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
工程cにおいて、成長及び/又は繁殖のための大気を確保するために、SALレベル、ガス分圧、肥料温度、風力強さ、風の方向、音波レベル及び/又は音波の系列のパラメータが決定され、監視され、及び/又は調整される、請求項21乃至23の何れかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯蔵コンテナ、成長及び/又は繁殖ステーション、栽培システム、及び成長材料を栽培する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
日本国特許第4979976号の明細書には、自動化された無菌培養室が記載されている。この技術は、技術的な設備が原因で、部屋を植え付けに最大限に使用することができず、植え付け材料を無菌で導入することも、植え付け材料を導入した後に部屋を滅菌することもできないというデメリットがある。さらに、市販の包装された被覆種子が入手可能であるが、これらも無菌雰囲気に置かれず、包装の所定の位置に置かれていない。
【0003】
さらに、温室は、先行技術の日本国特許第4979976号から知られており、そこでは、収穫は、収穫ロボットによって無菌条件下で行われる。さらに、日本国特許第4979976号及び国際公開公報2017/041757号からは、植物又は類似の物品の栽培に利用可能なコンテナが知られており、これにより、種苗からの苗の栽培、及び苗からの植物品の同時栽培並びにその収穫のための装置が可能となる。しかし、これらには収穫後の無菌処理の対策はない。
【0004】
さらに明細書(米国公開公報2015/027049号、ヨーロッパ特許3398429号、米国特許5375372号)、生産物の無菌栽培を可能にする輸送用コンテナが各場合で挙げられているが(named)、一方では媒体の供給と除去のためにアダプタを利用し、他方では一方で外部への透過性または半透過性の開口または膜を介して供給と除去を達成する。先行技術では、媒体の交換を防止することを意図し、又は導管または類似の開口を通して貯蔵庫から栄養分及び液体を引き出すことを意図したセクションも挙げられている。
【0005】
したがって、気密条件下で無菌輸送を可能にし、栽培室への導入後、一方では滅菌することができ、他方では自己開放することができるする輸送コンテナは先行技術からは知られていない。また、前述の先行技術における成長材料の栽培は、成長の段階によって限られた範囲内でしか可能ではなく、また、成長性の高い、または大量の成長材料の栽培はできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、現状の技術に基づき、栽培用成長材料を提供することを目的とし、成長材料は、導入、成長、収穫、及び処理中に汚染されず、成長段階に応じて成長材料の栽培を行うことができ、成長材料の輸送コンテナは、成長材料に応じて可能な限り小さな体積を占め、成長材料は、成長材料に対応する無菌で最適な条件、つまりさまざまな気候の下で収穫されるまで、輸送コンテナの内側と外側の両方で、成長することができる。
【0007】
さらに、成長材料は、保護された方法で輸送され、すでに栽培のための輸送期間を使用し、よく貯蔵され、農場管理の枠組みの中でモジュール方式で拡張できるような方法で提供されなければならない。
特に、この課題は、医薬品、化粧品、食品サプリメントなどの規制産業からの要求事項が発生する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、請求項1の特徴を有する貯蔵コンテナ、並びに請求項11の特徴を有する成長及び/又は繁殖ステーション、並びに請求項19の保守ユニット、及び請求項20の方法によって課題を解決するものである。
【0009】
本発明に係る貯蔵コンテナは、内部空間と、その中に配置された基質とを備える。基質は、生物学的な生体成長材料を成長または繁殖させる表面を形成する。特に、基質は、発根、即ち、根の浸透または付着を可能にする。特に、多孔質岩やスポンジ材などの多孔質材料、生体材料のハイドロゲルやゲルなどのゲル状材料がこの目的に好適である。特に成長材料は高い吸水能力を有するのが好ましい。水の代わりに、他の液体媒体、例えば、栄養液も当然吸収することができる。栄養素は、例えば液体形態で、しかしまた塩のような固体形態で、基質中に含有され得る。
【0010】
本発明によれば、基質は、好ましくは内部空間の全幅にわたって延在することができ、貯蔵コンテナの壁上に、例えば摩擦接続によって、又は例えば貯蔵コンテナの長手方向軸に直交して配置されたネット層上の基質支持部によって静止して配置される。あるいは、さらに、基質は、支持構造を持たない場合に、貯蔵コンテナの壁への接着及び基質自体内の粘着によって基質が静止するように形成することもできる。
【0011】
本発明によれば、上記基質は、乾燥状態における少なくとも50g/cm3の吸水能力を有する吸収性材料として形成される。吸水能力は、ヒドロゲルの様式で存在するように、非結合水及び結合水の両方を含み得る。これにより、貯蔵コンテナの端部セグメントにおける追加的な水蓄積の必要性を排除することができる。例えば、植物根の加湿は、水の充填レベルによって変わらない。無菌大気中の貯蔵コンテナの端部セグメントの開口は、流出する水によって妨げられない。
【0012】
吸収性材料は、幾つかの成分を有してもよく、あるいは、幾つかの層に形成されてもよい。例えば、吸収性材料は、追加の支持構造によって定位置に保持され得るスポンジ状材料であり得る。或いは、吸収性材料は、おそらく追加の栄養素を備えた寸法的に安定したスポンジ材料である。その寸法の安定性を失わずに基質を固定することは、特に、これにより、端部セグメントの領域における貯留庫の形成、例えば、水の蓄積を防止することができ、これにより、下部の端部セグメントにおける貯蔵コンテナの開放を困難にすることができるので、有利である。
【0013】
本発明によれば、貯蔵コンテナはさらに基質内又は基質上に配置された生物学的な生体成長材料を含む。成長材料は、例えば種子、苗またはクローン苗の形式の植物であるのが好ましい。
しかしながら、菌類、菌類の胞子、藻類または他の生物体も成長材料として使用することができる。「成長材料」という用語に該当するさらなる生物は、以下の説明で言及される。
【0014】
特に、植物の場合、熟練者は、貯蔵コンテナに開放装置、例えば、フラワーポット等を提供するであろう。なぜなら、植物は、長期間貯蔵されれば、水の供給が不可能であり、適切な栄養分の供給が確保されないならば、カビ状になるであろうからである。
【0015】
要約すると、生物学的な生体成長材料は、植物、細胞のクラスター、種子、合成種子、または胚として、特にクローン化された生物学的生物として形成され得る。特に、生物学的な生体成長材料は、体積対生物学的質量比のみに結び付けられているわけではない。
【0016】
しかしながら、この考慮に反して、本発明に従って、貯蔵コンテナは、閉鎖カプセルとして構成され、貯蔵コンテナは、長手方向の軸を規定する管状の中間セグメントを備えることが好ましい。カプセルは、例えばクローニング工程、及びコンテナの無菌雰囲気への植物の挿入である植物の提供の間の橋渡しのみを目的としている。従って、閉鎖状態における貯蔵コンテナ内の成長材料の滞留は、14日未満、特に5日未満であることが好ましい。貯蔵コンテナが無菌雰囲気であれば、貯蔵コンテナを開放することができ、給水及び空気交換が可能となり、カビの成長を防止することができる。
【0017】
したがって、貯蔵コンテナは好ましくは、少なくとも10-5のSALの滅菌工程の目標値を持つISO11135、ISO11137、ISO17665-1、ISO13408-1、EUGMP付属書1、またはUScGMPに準拠した無菌大気を確保する。特に、貯蔵コンテナは、貯蔵ラックの開口部に挿入することができる寸法的に安定した材料からなるのが好ましい。
【0018】
本発明によれば、貯蔵コンテナは、2つの端部セグメント及び管状の中間セグメント、中間セグメントに配置された基質及び成長材料、特に植物とを有し、端部セグメントの少なくとも1つは、中間セグメントよりも小さな壁厚を有するか、又は中間セグメントよりも熱的、物理的、及び/又は化学的に攻撃可能な寸法的に安定した壁材を有する。熱的な攻撃性は,夫々の壁材の融点の差に起因する。物理的な攻撃性は、例えば、超音波や機械的な振動による機械的な破壊性である。
【0019】
あるいは、異なる壁の厚さ及び/又は異なる破壊性に加えて、中間セグメントと端部セグメントとの間に、所定の分離点を設けることもできる。所定の分離点は、所定の破断点とすることができる。また、電熱線がこの時点で材料を溶かすことも可能である(例えば、誘導加熱によって)。この場合、所定の破断点は所定の融点となるであろう。
【0020】
少なくとも貯蔵コンテナの中間セグメントは、寸法的に安定した壁材からなることが好ましい。これは、フィルムバッグ等とは区別されるように、貯蔵ラック内に保持し、貯蔵するのに特に有利である。本発明の文脈において、寸法安定性とは、フィルムとは異なり、壁材料が折り畳み式ではなく、コンテナ、つまり成形体を形成することを意味する。しかし、例えばプラスチックカプセルの場合、壁の可撓性は本発明の範囲内で可能である。
【0021】
貯蔵コンテナもまた、オートクレーブ処理はできないが、表面滅菌が可能なように構成されていることが好ましい。
基質は、中間セグメントの領域に固定して配置されることが好ましい。基質は、多孔性材料を含むことができる。基質は、吸収性材料に組み込まれた水溶性材料をさらに含んでもよい。
【0022】
貯蔵コンテナは、換気または媒体供給または濾過のための追加的な接続なしに、密封されたカプセルとして構成することができる。
貯蔵コンテナは、無菌環境下で両側にて開くことができるように構成され得る。成長材料の挿入と位置決めのために、基質は中間セグメントに配置される。
本発明のさらに有利な実施形態は、従属請求項の主題事項である。
【0023】
貯蔵コンテナの閉鎖状態において少なくともガス交換を確実にするために、端部セグメントの少なくとも1つをガス透過性材料から形成することができる。特に、材料は、ガス選択性の半透過性材料、好ましくはCO2、O2、N2及び/又はCH4の選択的な材料として形成することができる。
【0024】
貯蔵コンテナは、好都合には、基質の下にガスで充填され又は真空化される空洞としての空間を有しており、これは、基質から伸び出た根を含むように機能することが好ましい。この空洞は、貯蔵コンテナの壁部と基質によって囲まれている。これはこの領域で水の蓄積がないことを意味する。
【0025】
第1の端部セグメントは、中間セグメントよりも薄い壁厚さを有し、及び/又は熱的、物理的及び/又は化学的攻撃の影響をより受けやすい、及び/又は所定の破断点を有する壁材料を有し、好ましくは生物学的な生体成長材料に関して下部の端部セグメントとして形成される。
【0026】
貯蔵コンテナの壁、特に中間セグメントの壁は、透明材料で少なくとも部分的または全体的に作ることができ、その結果、貯蔵コンテナ内の成長材料の状態の視覚的監視が可能となる。特に、材料は、外部に対して少なくとも部分的に気密である、透明でUV非透過性の熱絶縁性材料から成るのが好ましい。
【0027】
貯蔵ラックの開口内の貯蔵コンテナの規定位置に関して、中間セグメントは、少なくとも1つの円周方向に分布する制限ストッパ、または同じ目的の軸方向のストッパまたは円錐形形状として幾つかの円周方向に分布する制限ストッパを有することができる。
【0028】
或いは又は更に、貯蔵コンテナは、貯蔵コンテナを静止及び耐振性の方法で固定するためのロック機構を有してもよい。このような制限ストッパ及び/又はロック機構は、中間セグメント、特に中間セグメントの下半分に取り付けられる。
【0029】
特に、基質は、貯蔵コンテナ内に唯一の水貯蔵庫として配置されるのが好ましい。このとき、基質は、水分が少なくとも30g/cm3であり、貯蔵コンテナの中間セグメントに成形体として位置することが好ましい。これは、基質が必ずしもその最大吸収能力まで水で満たされる必要はないことを意味するが、最大吸収能力まで水で満たされることが好ましい。
【0030】
貯蔵コンテナはまた、UVC、エタノール、オゾン、ペルクロロ酢酸、過酸化水素などの適切な滅菌方法によって滅菌可能である全てを包含する滅菌可能な表面を有してもよい。滅菌は、WIP、ワイプ滅菌、液浸滅菌、曝露、またはガス処理と同様にCIPとして実施することができる。
この目的に特に適しているのは、金属、熱可塑性樹脂及び/又はエラストマーに基づく貯蔵コンテナの材料であり、金属は例えばアルミニウムであり、熱可塑性樹脂はポリアミド、ポリオレフィン、ポリアクリル、ポリメタクリル、ハロゲン化エチレン等であり、エラストマーはゴム、ハロゲン化エラストマー、シリコーン等であり、貯蔵コンテナの材料の少なくとも50%はこれらの材料からなる。
【0031】
さらに、本発明によれば、成長材料を栽培するための成長及び/又は繁殖ステーションがあり、成長及び/又は繁殖ステーションは、特にISOコンテナとして大容量のコンテナとして構成され、大容量のコンテナは無菌の内部大気を生成及び/又は監視する装置を有する。
【0032】
特に、装置は、センサ監視型の分配装置として構成され得る。このような分配装置は、入口及び出口、ファン又はポンプのようなアクチュエータ、及びバルブ又はガスフラップのような制御装置を有することができる。分配装置の更なる部分は、様々なパラメータを決定するための1つ以上のセンサを備えるセンサ配置である。分配装置の別の部分は、少なくとも1つの制御及び/又は評価ユニットとすることができ、この制御及び/又は評価ユニットは、センサから測定データを受け取り、必要に応じて、測定データに基づいてアクチュエータ又は制御装置を設定値に調整する。
【0033】
したがって、上記の装置は、様々なパラメータに基づいて最適な成長条件を設定し、監視し、及び/又は維持しながら、無菌の内部大気を提供及び監視するように構築され、構成されている。
パラメータの監視、調整及び/又は維持は、成長条件を確実にするのに役立つ。それらは、温度、空気圧、湿度及びガス交換率を含み、これらは、センサを用いて装置によって決定され、調整され得る。
【0034】
必要に応じて、特に好ましくは、パラメータの大気圧、光強度、肥料量、肥料組成、pH及び/又はコンダクタンスもまた、パラメータの監視、調整及び/又は維持のより良い実現に役立つ。
特に、ガス交換速度のパラメータの監視及び調整は、エネルギ効率を最適化しながら、制御された密閉した大気を作り出すのに有益である。
【0035】
この任務を遂行するための対応するセンサは、当業者に知られている。湿度センサ、圧力センサ、イオン選択電極、流量センサ、導電率センサなどを、とりわけ使用することができる。
さらに、この装置が、個別にまたは組み合わされて、センサによって追加的に決定され、監視され及び/又は調整するパラメータは、SALレベル、ガス分圧、肥料温度、風力強さ、風の方向、音のレベル及び/又は音の周波数の連続である。SALとは、幾つかの測定値を組み合わせて決定され得る無菌性の保証レベルのことである。
【0036】
監視され及び調整可能なガス分圧は、CO2、O2、N2、He、Ar、O3、CO、CH4、エタン、エテン、エチン、及び/又はテルペンの個々のガス分圧または組み合わせたガス分圧であり得る。
特に、テルペンについては、ヘミテルペン、モノテルペン、セスキテルペン、ジテルペン、セステルペン、トリテルペン、テトラテルペン、ポリテルペン、及び/又はテルペノイドの1つ以上のテルペンの集合とすることができる。
【0037】
有利なことには、成長及び/又は繁殖ステーションは、CIP媒体、特にUV-C放射線、オゾン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドのようなガス、または過酸化水素、無機酸または無機塩基のような噴霧状の液体媒体の供給及び/又は放出を行う成長室を有している。ガスやミストについては、内部全体を除染する分配システムが配備されるのが好ましい。特に、これは、換気または圧送された噴霧媒体で行うことができる。特に、ガスや流体用のスプレーノズルには換気分布が有利である。
【0038】
除染の成功の監視は、ガス濃度を決定するガスセンサ、光子フラックスを決定する放射線センサ、酸又は塩基の強度を決定するpHセンサ、及び/又はイオン強度を決定するイオン選択電子などの適切なセンサ技術によって測定される。濃度に関連して、除染が成功したかどうかを確認するために曝露時間を測定しなければならない。
【0039】
除染の間、オゾンは有利に使用され、それはアーク放電または大気酸素上のUV-Cによって形成され、濃度及び/又は曝露時間が到来するまで成長室に導入される。
除染が成功した後、成長材料を傷つけないように、余剰なCIP媒体が成長室から除去される。これに対する適切な手段は、新鮮な空気またはプロセスガス(窒素、二酸化炭素、アルゴン及び/又は空気中の微量のそれらなど)による通気、洗流し又は滴定である。水で洗い落とし、次いで中和することが有利である。
【0040】
さらに、本発明によれば、大容量のコンテナは、1つまたは好ましくは複数の貯蔵コンテナを配置するための少なくとも1つの貯蔵ラックを有することができる。好ましくは、貯蔵ラックは、コンテナの壁に対して移動可能に、特に変位可能に配置されるか、または配置される。この目的のために、貯蔵ラックは、ローラベアリング上に、圧縮空気ベアリング上に、及び/又は滑り軸受に取り付けることができる。
【0041】
さらに、本発明の大容量のコンテナは、以下のデバイスの少なくとも1つ、より好ましくは以下のデバイスの全てを含むことができる。
成長材料の照射用の光源
栄養含有媒体及び/又は滅菌媒体を含む媒体輸送のためのポンプ
成長材料の健全性を監視するためのセンサ
室内大気をセンサによって検出された変更に適応させるための制御回路を制御するための制御及び/又は評価ユニット
給水及び/又は処理ユニット
空調装置
栄養物コンテナ
電源及び/又は管理ユニット
混合室、及び/又は
外部デバイスとのデータ交換用通信モジュール
【0042】
個々のデバイス、特に電子デバイスは、成長室から空間的に分離されたサービス領域内に配置することができ、この領域は外部からアクセス可能であり、無菌の大気の影響を受けない。
【0043】
このサービス領域から成長室への媒体及び/又は信号線または電力線は、隔壁内で媒体を密閉する方法で入れられることが好ましく、内部の大気がサービスルームに侵入することはなく、逆に、サービス領域にアクセスしても、成長室内の無菌状態が維持される。成長及び/又は繁殖ステーションのさらなる有利な実施形態は、以下の説明および図から得られる。
【0044】
さらに、本発明によれば、栽培システムは、成長及び/又は繁殖ステーションと保守ユニット、特に収穫ユニットを含み、ここで、保守ユニットは、成長及び/又は繁殖ユニットに接続されて、成長材料または機械類を2つのユニット間に移動させて、ここで、保守ユニットは、無菌の内部大気を有する。
【0045】
保守ユニットは、成長室を併せ持つコンテナの一部とすることもでき、より大きなモジュラー構成の場合には特に好ましくは、保守ユニットを別々のコンテナに配置することもできる。
保守ユニットは、成長室も有するコンテナの一部とすることができるか、または、特に好ましくはより大きなモジュラ装置の場合に、保守ユニットを別個のコンテナに配置することができる。
エアロックが、2つのコンテナ間に配置され、負圧、特に真空のような適切な手段、または上記の1つ以上のCIP媒体で除染することができる。両方のコンテナを開くことにより、エアロックを無菌の内部大気で満たすことができる。しかし、これは2つのコンテナを連結する1つの変形例にすぎない。また、2つのコンテナの一方または両方にある二重ドアは、コンテナを連結するための安全装置を表すこともできる。この場合、コンテナは、2つのコンテナを隣接する位置で、好ましくは中程度の密閉状態でしっかりと接続するための適切な連結デバイスを有する。
【0046】
また、本発明によれば、成長材料を栽培する方法であって、少なくとも、
a)本発明に従って、貯蔵コンテナを提供する工程と、
b)無菌条件での貯蔵コンテナ内へ成長材料を配置する工程と、
c)貯蔵コンテナを、成長及び/又は繁殖ステーション、特に、本発明に従った成長及び/又は繁殖ステーションの貯蔵ラックに挿入し、少なくとも両端部において貯蔵コンテナを開く工程と、
d)収穫用の成長及び/又は繁殖段階が検出されるまで、無菌の内部大気中の成長物質の成長及び/又は繁殖を監視する工程と、
e)無菌大気を維持しつつ、貴重な物質、特に活性物質を含む生物学的材料の回収を伴った保守ユニットを使用する工程を含み、
成長又は繁殖段階は、光学分析、例えば、植物のサイズ、菌株の拡散、または有機物のガス放出によって決定することができ、目標値と比較され得る。しかしながら、本発明の範囲内で他の測定方法も可能である。
【0047】
次に、保守ユニット、好ましくは本発明に係る保守ユニットを用いて、価値のある材料を回収する。
好ましくは、滅菌は工程cで行われ、好ましくは貯蔵コンテナの挿入後、好ましくはCIP工程の一部として行われる。これは、貯蔵コンテナが、少なくとも滅菌中は滅菌条件に耐えうることを意味し、したがって、成長材料を保護する。
【0048】
本発明のさらに有利な実施形態は、本方法と本装置の双方で、以下に説明する。
この手順の第1の工程は、とりわけ、成長に影響を与える基質とともに、貯蔵コンテナに成長材料を導入することである。
【0049】
成長材料は、個々の苗木であったり、成長可能な何らかの形態、特に生物、バイオマスであったりする。
貯蔵コンテナは、特に地上、水上、航空輸送の場合、成長生産物の貯蔵、操作、輸送防護の役割を果たすことができる。
【0050】
貯蔵コンテナは、工程において滅菌することができ、貯蔵ラックのトレイへの挿入後、及び内部大気の滅菌後に、自動開放するのが好ましい。
さらに、貯蔵コンテナをトレイに安定的に固定することができ、貯蔵コンテナに置かれたマーキングによって明確に識別することができる。
【0051】
さらに、単一の成長及び/又は繁殖ステーション、または、いわゆる農場を形成するために結合されたいくつかのそのようなステーションは、以下プロセスルームと呼ばれるサービス領域を有し、及び保守ユニットを有する。
成長及び/又は繁殖ステーションまたは農場は、人間がシステムに入る必要も許容もなく、成長材料と呼ばれるバイオマスの連続的な無菌栽培を可能にする。
成長及び/又は繁殖ステーションは、積み重ね可能であり、特にコーナー領域では、ISOコンテナに典型的な積み重ねのためのストッパを有する。
【0052】
成長及び/又は繁殖ステーションまたは農場は、ユニット内に室内の大気条件(室内大気と称する)を有することができ、これは、以下により、成長材料のニーズに従って提供されることが好ましい。
i)ユニット内の大気条件は閉ループとして設定され、
ii)ISO及び/又はGMPに従い、大気条件が制御されて、クリーンルームの無菌基準を満たすことができ、
iii)必要に応じて、温度、湿度、栄養成分、圧力、磁場、気流、大気成分、pH、光強度、光周波数、及び/又は日/夜間サイクルを成長材料に提供し、
iv)室内の大気中の状態を測定し、時間的に記録し、
v)記録されたデータは、分析及び解釈のために、局地的及び/又は中央で使用され、処理され、さらなる工程を制御するために使用される。
【0053】
成長及び/又は繁殖ステーション又は農場は、トラックまたは船で輸送できる標準コンテナ(ISOコンテナ)の大量及び輸送特性を有する。
成長及び/又は繁殖ステーションまたは農場は、動作のために、少なくとも1つの電源及び通信モジュール、特に無線モジュールを含むことができる。
【0054】
取り付けスペースのために最適化された貯蔵ラックまたは棚システムを備えたユニットは、互いに平行に移動可能な少なくとも2つの棚から形成することができ、この棚には、夫々供給システムが一体化されている。
全ての液体媒体、部分的にはガス媒体、及びエネルギ、センサ及びそれらの接続をラックシステムの空洞に導くことができる。
ラックシステムにより、栽培のために作物に栄養分を届けることが可能になる。特に、栄養分は、好気性及び水耕性の両方、またはこれらの混合物を、栽培材料に運ぶことができる。
【0055】
気耕栽培は、圧電素子を用いた噴霧により、低圧システムから達成するのが好ましい。
養液栽培は、低圧システム、特に栄養フィルム技術によって達成できる。
【0056】
個々の棚は、貯蔵コンテナを保持するための1つ以上のトレイを含むことができ、該トレイは貯蔵コンテナまたは複数の貯蔵コンテナを保持することができる。トレイは、モジュラー式で、再利用可能で、洗浄可能で、滅菌可能であり、貯蔵コンテナを固定するアンカーの可能性を備えている。
保守ユニットは、成長及び/又は繁殖ステーションから保守ユニット、特に収穫ユニットの形態への成長材料の無菌移動を可能にする。
【0057】
前記保守ユニットは、水平及び垂直方向に移動可能であることが好ましく、
(a)垂直方向の移動には、はさみリフトが使用でき、
(b)水平方向の移動には、Mecanum(商標)駆動装置を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
本発明の個々の実施形態は、添付の図を参照して以下により詳細に説明される。図は単に好適な実施形態の変形を示しており、本発明の主題に限定されるものではない。しかしながら、当業者は、各実施形態の個々の要素をさらに別の実施形態にも適用することになるので、これらは、特定の実施形態の文脈において開示されるだけではない。
【
図1】生体バイオマス、特に成長または生殖が可能なバイオマスの貯蔵コンテナを通る側面断面図である。
【
図2】成長及び/又は繁殖ステーションの長手方向の断面図である。
【
図3】成長及び/又は繁殖ステーションの背面図である。
【
図4】成長及び/又は繁殖ステーションに接続する保守ステーションを通る側面断面図である。
【
図5】成長及び/又は繁殖ステーションに接続する第1の保守ユニットを通る側面断面図である。
【
図6】成長及び/又は繁殖ステーションに接続する第2の保守ユニットを通る側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
既知のクローニングまたは他の再生産または生産方法によって、バイオマスが生産されるが、これは、後続の成長段階において、再生産及び/又は成長させる出発生産物として適している。以下、成長段階を成熟期と呼ぶ。
【0060】
バイオマスは、真核生物のグループだけでなく、原核生物のグループにも属している。特に、バイオマスは、無菌状態を維持する能力を特徴とする方法によって、体細胞胚形成、接合胚形成及び/又はアポミクシス及びそれらのサブグループによって生成され得る。
クローニングの場合の出発細胞として、細胞は分裂組織、単純永久組織及び/又は複合永久組織から得ることができる。さらに、幹細胞、胞子、精子、卵母細胞及び/又は精液を使用することができる。
【0061】
さらに、バイオマスは、ホルモン、毒素、酵素などの適切な化学的、生物学的、及び/又は物理的手段によって、及び/又は冷却、凍結、または乾燥によって保存することができる。以下では、得られたバイオマスは、ここで述べた工程I、II、IIIで収穫可能な形態へとしの成長に供給されるため、バイオマスを成長材料と呼ぶ。
第1の工程では、成長材料を無菌条件下でパッケージに入れ、以下ではパッケージを貯蔵コンテナと呼ぶ。
【0062】
図1は、周囲環境から気密に封入された無菌の貯蔵コンテナ1の貯蔵コンテナを示す。この目的のために、実施形態の変形例では、貯蔵コンテナは、中間セグメント2の領域において、内部空間3を有し、この内部空間3には、基質4が配置され、基質4はこの基質4内に配置され無菌条件下で培養される成長材料6、特に植物種子、植物苗又は植物胚芽及び/又は菌類胞子及び/又は藻類等に対する栄養分5の供給及び/又は貯蔵のために配置されている。このような基質は、とりわけ水または水和物含有ゲル、ならびに植物成長をさらに支持する種々の塩、ホルモン、ビタミン、炭水化物、キレート及び/又はアミノ酸を含むことができる。
【0063】
内部空間3は、管の様式で基質4の周囲に円周方向に延びる壁7によって境界付けられる。中間セグメント2は、両側に端部セグメント8を有しており、これは、端部にて内部空間3を閉鎖する。端部セグメント8は、中間セグメント2への移行領域に、例えば密閉された機械的インターフェース及び/又は所定の破断点9のような着脱可能な接続部を有する。
【0064】
機械的インターフェース9は、端部セグメントと中間セグメントとの摩擦接続部として、例えば、周方向シールを有するように設計することができ、それにより、端部セグメント及び中間セグメントは、各場合において、機械的接続機構、例えば、ラッチ機構を介して互いに接続される。或いは又は更に、例えば融着可能なシールの場合のように、材料のロック接続部を、所定の破断点、または絶縁及び/又は接着連結部のように設けることもできる。
【0065】
変形例に応じて、機械的インターフェースはまた、フィルムヒンジを有することができ、このフィルムヒンジは、機械的接続機構が解除された後、蓋状の実施形態として、各端部セグメントを中間セグメント2に接続する。
或いは又は更に、貯蔵コンテナ1は、水及び/又は汚染物をはじく保護コーティング10、例えばワックスコーティングを有してもよい。コーティングは、CIP工程または他のあらゆる滅菌工程の一部として表面滅菌性を可能にし、及び/又は無菌バリアを維持する。CIP工程は、ここでは、適切な場所での清掃または適切な場所での滅菌が実施される清掃及び/又は滅菌工程であると理解される。CIP工程は、清掃、すすぎ、洗浄及び滅菌を含むと理解される。
【0066】
このため、貯蔵コンテナ1の壁7は、バリア層11を有し、バリア層はガラス、ポリオレフィン、ポリアミド、ハロゲン化ポリビニレン、テレフタレート及び/又はEVOHからなるのが好ましく、拡散バリア層は、壁厚の少なくとも2%、好ましくは壁厚の10%-100%を占める。さらに、拡散バリア層は、2つの支持層12の間に配置される。これは、貯蔵コンテナ内のプラントの状態が視覚的に認識できるように、任意の透明な材料とすることができる。
【0067】
貯蔵コンテナ1の壁7はさらに、ベンゾトリアゾール、トリアジン、アクリレート、フェノン及び/又はHALSのシリーズの高分子添加物のような材料及び/又は材料添加物の形で、及び/又は色素化及び/又は不透明な高分子のようなUV阻害材料のバリア層11のようなUV保護を有している。
【0068】
貯蔵コンテナ1は、貯蔵コンテナ及び貯蔵コンテナの中に含まれる商品の輸送が地上、水上、及び空中によって可能となるように、好ましい寸法安定性を有する。特に、貯蔵コンテナは、少なくとも255hPa、より好ましくは500hPaの圧力差の寸法安定性を有する。
さらに、貯蔵コンテナ1は、中間セグメント2から半径方向に突出し、貯蔵コンテナ1の成長及び/又は繁殖ステーション100内の貯蔵ラック14への挿入深さを制限する少なくとも1つの制限ストッパ13を有する。
【0069】
機械的インターフェース及び/又は所定の破断点9故に、貯蔵コンテナ1は、所定の位置で、好ましくは自動的に開放することができる。したがって、両端部における貯蔵コンテナ1の開口は、後述する及び本発明に従った成長及び/又は繁殖ステーション100の無菌雰囲気へ人が介入することが無く、実施することができる。
【0070】
特に、貯蔵コンテナ1は、熟成の場所で成長材料6の熟成用に設けられた貯蔵ラック14の開口部に自動的に挿入できるように形成されている。貯蔵ラック14内の熟成用の開口部を以下、設置場所と呼ぶ。貯蔵コンテナ1内への成長材料6の挿入から、設定場所への貯蔵コンテナの挿入までの段階を、以下プロセス工程IIと呼ぶ。
【0071】
この設置場所は、成長及び/又は繁殖ステーション100内の場所であり、以下、成長室とも呼ばれ、貯蔵コンテナ1は収穫まで熟成中に残り、そこでは、貯蔵コンテナ1によって、成長材料6が安定して保持される。
【0072】
本発明に係る貯蔵コンテナ1には、前記の基質4上に配置された成長材料6を備え、成長材料6は、成長材料6の成長又は増幅を停止させ、抑制させ、減速させ、加速させ、促進させ、及び/又は許容する物質の貯蔵所を含む。
【0073】
貯蔵コンテナ1は、成長及び/又は繁殖ステーション100と成長材料6の外側の環境との間に滅菌バリアを設けるように構成されている。貯蔵コンテナ1は、成長材料6の包装の間、及びその貯蔵、輸送、取扱い、ならびに成長及び/又は繁殖ステーション100内の設定場所への導入の間の両方において、この滅菌バリアを提供する。貯蔵コンテナ1は、液体、放射線、ガス、または前述の変種の混合物のいずれを用いても、特に成長及び繁殖ステーション100の成長室への導入後に滅菌可能である。貯蔵コンテナ1は、この滅菌工程の間、成長材料6を保護する。
【0074】
滅菌後、貯蔵コンテナ1は、自動化及び/又は制御可能な開き手順によって開かれる。
【0075】
この開き手順の変形例には以下が含まれる。
I.破裂、ブラスト、切断、溶解、貫通、ねじり抜き、(非)ねじり、プレス、音、超音波、振動、タッピング、打撃、穿孔などの機械的工程
II.及び/又は特に熱的及び/又は化学的手段による劣化または分解、
III.及び/又は発酵によって、
IV.及び/又は直流、交流、磁気放射線、磁気、レーザーのようなエネルギー投入によって、
V.及び/又は前述の2つ以上の工程の混合によって、
【0076】
前述のように、貯蔵コンテナ1は、貯蔵、輸送、及び成長及び/又は繁殖ステーション100への導入の間に、成長材料6を供給するための物質を含む。これらには、水、栄養分、及びその他の媒体または物質が含まれるが、これらに限定されない。特に、基質は、成長サイクルを中断し、抑制し、減速し、促進し、加速し、及び/又は継続し得る。
【0077】
貯蔵コンテナ1の壁はまた、成長材料6の無菌性を維持しながら、ガス交換を可能にする。好ましくは、拡散障壁層に代わる、または拡散障壁層に加えて、貯蔵コンテナの壁は、少なくとも1つの壁セグメントを配備し、該壁セグメントはガスの拡散を可能にするが、液体に関しては拡散しにくい。特に好ましくは、膜が壁に組み込まれ、これにより、ガスは一方の側では逃れることができるが、液体では逃れることができない。特に、膜は、特定のガスまたはガス混合物を標的とした方法で出入りすることを可能にするように壁に組み込むことができる。
【0078】
また、貯蔵コンテナ1の外側は、成長材料6の識別表示と、貯蔵コンテナ1の位置または設定場所、並びにそれ以上の情報を示すマーキングを有する。マーキング、及びその結果、成長材料6は、QRコード(登録商標)、バーコード、データマトリクスコード、ドットマトリクス、シンボル、色又は色、パターン、RFID、又はこれらの上述の変形物の混合物として形成され、成長材料6が識別可能であり、追跡可能であることが好ましい。
【0079】
本発明はさらに、少なくとも1つの成長及び/又は繁殖ステーション100または以下、農場200と言及する複数の組立式モジュラー成長室を含む栽培システムに関し、この場合、プロセス工程IIIが行われる。
個々の成長及び/又は繁殖ステーション100は、標準的な海外コンテナの寸法を有するコンテナ、すなわち、本発明の優先日において有効なISO668に定義される大容量コンテナの形態であり得る。
【0080】
コンテナは、特にトラックまたは船によって輸送することができ、ISO668に従う通常の装置によって積み重ねられ、及び/又はボルトで留められることができ、したがって、いくつかの成長及び/又は繁殖ステーション100と、おそらくはさらなるステーションと農場200への接続が可能になる。
【0081】
成長及び/又は繁殖ステーション100は、内部熱絶縁体15によって外界から熱的に分離され、所望の気候を提供することができる。特に、内部熱絶縁体15は、ポリスチレン、ポリウレタン、セルロース、鉱物材料、ガラスまたは発泡体、繊維またはそれらの毛で構成されている。
したがって、成長材料6は、内部大気とも呼ばれる独自の半球を備え、これは、様々な熟成サイクルにわたって成長材料6に必要な条件に従って、各成長及び/又は繁殖ステーション100または農場全体に対して供給することができる。
【0082】
成長及び/又は繁殖ステーション100は、水門のような設置及び/又はドッキング点16をさらに備え、任意に、処理システムへの延長部において、成長及び/又は繁殖ステーション100の第1の端部側にある保守ユニット17を含む。以下、保守ユニット300と呼ぶ保守ユニット17により、成長及び/又は繁殖ステーション100及び/又は収穫の保守は、汚染がない滅菌された方法で行うことができる。この点に関し、保守ユニット300は、とりわけ、エアロックのような設置を可能にする二重ドア18を有することができる。この点に関しては、収穫はプロセス工程IVで行われる。
【0083】
プロセス工程II-IVにおいて、成長及び/又は繁殖ステーション100は、人間が入ってはならない。これは、成長材料6に無菌の内部大気を提供し、その結果として、成長材料6の処理に農薬を使用しないようにするために必要である。
【0084】
媒体の供給は、成長及び/又は繁殖ステーション100の技術面19である第2の端面を介して提供することができ、これは、好ましくはコンテナの形態であり、したがって、外部からの保守及びサービス作業のために、特にプロセス工程IIIの間にアクセスすることができる。成長材料6の成長及び繁殖に必要な全ての材料及び媒体は、成長及び/又は繁殖ステーション100の技術面19を介して、各場合において供給及び/又は除去することができる。成長室内で制御及び無菌状態を維持するために、この供給及び/又は除去のために、任意で、特に好ましい保守サイクルを設けることができる。
【0085】
成長及び/又は繁殖ステーション100は、少なくとも1つの専用の電源及び管理ユニット20を備える。エネルギー供給及び管理ユニット20は、少なくとも1つの専用の通信モジュール21を備える。成長材料6にとって重要なプロセスを恒久的に提供するために、電源及び管理ユニット20は、無停電電源22をさらに有してもよい。
【0086】
成長材料6が外部から完全に密閉分離された成長材料6の無菌的な生産を可能にするために、成長及び/又は繁殖ステーション100の技術的な構成は、ISO及び/又はGMPに従ったクリーンルーム基準が、プロセス工程II乃至IVのために成長室内の生物学的汚染のために存在するようなものでなければならない。
【0087】
さらに、光源23が配備されて、較正可能な光条件を成長材料6に提供するために、すなわち、昼/夜サイクルまたは要求される可変光スペクトラム及び光強度などの任意の他の大気圧条件を成長材料6に提供する。特に、成長サイクル全体の間、一定の光強度を成長材料6に提供することができる。
【0088】
さらに、成長及び/又は繁殖ステーション100は、以下、空調ユニット24と称する加湿及び/又は換気ユニットを有して、必要な湿度、大気組成及び風を、好ましくは換気スロット25を介して成長材料に提供する。
【0089】
さらに、成長及び/又は繁殖ステーション100は、栄養素または潅漑システム26を備えて、成長サイクル全体に対して必要な調整された栄養を成長材料6に提供し、成長材料6によって必要な点、例えば、根または葉構造において利用可能にする。
特に、潅漑システム26において、その構成要素または栄養媒体の構成が知られているような方法で栄養素を供給することが有利である。これは、水処理ユニット27によって水から重金属を消毒、脱イオン化及び/又は除去することによって実現することができる。この処理された水は、貯蔵庫28に一時的に貯蔵するか、または、栄養媒体または潅漑システム26に戻すためにリサイクルすることができる。
【0090】
気耕栽培は、養分と水の液のエアゾールで根を湿らせることが特徴である。この技術を実施するために、成長及び/又は繁殖ステーション100は、例えば、低圧システムを有してもよい。あるいは、高圧システムまたは超音波噴霧器を使用してもよい。低圧システムの好ましい場合では、圧電要素を用いて溶液の噴霧を行うことができる。
【0091】
また、NFT(栄養フィルム技術)による水耕栽培も可能である。この場合、成長材料は、網のポットまたは類似品に配置され、これにより、植物または菌類の菌体または成長材料の他の部分の根は、ポットから突き出て、栄養液が案内される液体運搬チャネルに突き出ることが可能となる。
このチャネルはわずかに傾いているため、栄養液の流れの方向を提供する。次いで、栄養液は排出開口を介して排出され、トラフの下方の収集領域で収集され、必要であれば、再循環され、好ましくは押し出されて、トラフに戻ることができる。栄養液とポットの間には空隙が配置されており、該空隙は栄養液に到達するためには、成長材料の一部によって乗り越えられなければならない、または橋渡しされなければならない。
【0092】
栄養媒体は、予め水処理ユニット27を通過した、及び/又はアクチュエータ29及び/又は重力的に貯蔵庫28から伝達された水と、栄養物コンテナ30内に有利に貯留された様々な栄養素とから混合される。有利には、栄養物コンテナ30からの栄養素は、混合室31によって受動的に及び/又は能動的に混合される。
このようにして、栄養培地組成の勾配、パルス、ステップまたは変化を実現し、成長材料6の成長サイクルと協調して、成長材料6の開発に影響を与えることができる。
【0093】
さらに、成長及び/又は繁殖ステーション100は、制御及び/又は評価ユニット32と複数のアクチュエータ29及びセンサ33とを備える閉ループ制御システムを有する。制御回路は、内部大気中及び供給される栄養媒体中の物質の濃度を検出し、内部大気の変化を分析することができる。次に、制御ループのアクチュエータ29を制御及び/又は規制することによって、制御及び/又は評価ユニット32は、分析されたデータに基づいて、適応された内部大気及び/又は栄養媒体を成長材料6に提供することを可能にする。これは、迅速に、または丁度のときに行うことができるため、測定と適応との間の好ましい期間は30分未満、好ましくは15分未満である。
【0094】
本発明の文脈において、有利なことには、前述の制御ループは成長及び/又は繁殖ステーション100の一部である。制御ループは、閉制御ループとして有利に構成することができる。制御ループは、その制御のための制御及び/又は評価ユニット32を含むことができる。制御は、特に、成長及び/又は繁殖ステーション100内の対応するセンサ33によるセンサ信号の評価後に行われる。
制御及び/又は評価ユニット32、さらに、制御ループ全体が、通信モジュール21を介して外部装置から遠隔制御可能であり、特に好ましくは双方向制御可能であることが好ましい。測定データのより複雑な分析は、外部装置によって実行することができる。データ蓄積は、特に、外部装置によって実行されることがある。この文脈での「外部装置」という用語には、クラウドやニューラルネットワークなどのITインフラストラクチャも含まれる。
【0095】
データ伝送は、好ましくは双方向のデータ伝送であり、制御ループと外部装置との間で行われる。さらに、制御ループの制御には、人工ニューラルネットワークの形態のITインフラストラクチャを使用することもでき、例えば、センサデータから傾向を認識し、対応する解析対数によって成長材料6の全体的な状態に関する結論を導き出すことができる。
この時点で、人工的に生成された群知能は、大量のセンサデータの解析に利用することができる。制御ループと外部装置との間のデータ伝送は、GSM、WiFi、LoRa及び/又はBluetooth(商標)を介して送受信する通信モジュール21を介して行われることが好ましい。
【0096】
制御ループは、センサ33から収集されたデータがログに記録され、成長材料6に対応する評価によって使用され、状態を維持、回復、及び/又はもたらすことを特徴とする。有利には、これらの条件は、所望の、または必要とされる内部大気、または栄養成分の変化が引き金となることがある。これは、リアルタイムで適用することもできるし、時間遅れや、いわゆる時間シフトプロセスで適用することもできる。制御ループは、全成長室及び全農場200からのデータを、分析のために同時に及び一定期間にわたって使用することができる。このデータは、成長段階の分析、健全性の状態、または成長材料6のパラメータの最大化及び/又は最小化、特に限度値及び/又は目標値の決定のために使用することができる。
【0097】
さらに、外部の文献、分析、あるいはその他のデータが補足されたり、検証されたり、あるいは分析のために妥当なものとされたりするかもしれない。データは、数学的分析、解釈、因果関係、意味決定、意思決定及び/又は予測の方法によって作成することができる。分析は、統計的手法によって精緻化、補足、拡張、及び/又は完了することができる。特に、誤差分析、ANOVA、系列展開、最大値、最小値、微分、積分、及び/又は収束分析などの統計的手法が適切である。
【0098】
データの分析、管理、保管、ファイル保管、及びバックアップは、成長及び/又は繁殖ステーション100から又は外部装置内の農場200から遠隔で実行することができ、共通の伝送プロトコル、技術、及びインフラストラクチャを使用し、以下データ処理と呼ぶ。
【0099】
この文脈で、データ処理は、成長及び/又は繁殖ステーション100及び/又は農場200との双方向通信が可能であり、そのデータが、AI(人工知能、機械学習または指揮された機械学習)を使用するアルゴリズムによって(中央に)利用され、処理され、そこから得られた知識が成長材料6の栽培に使用されるという事実によって特徴づけられる。
【0100】
さらに、前述のように、成長及び/又は繁殖ステーション100は、特に貯蔵コンテナの実施形態において、貯蔵コンテナ1を貯蔵するための貯蔵ラック14又は棚を備える。貯蔵ラック14は、成長室内で移動可能となるように配置することができる。任意に、夫々の貯蔵ラック14は、接続された保守ユニット300内に移動可能であってもよい。このような貯蔵ラックの有利な変形例は、ローラ貯蔵ラックであってもよく、ローラはガイド、例えば、成長及び/又は繁殖ステーション100の床または天井上のガイドレール上に案内される。
【0101】
トレイ34及び/又は貯蔵コンテナ1を備えた貯蔵ラック14を洗浄及び/又は再装着するために、夫々の貯蔵ラック14を各成長室から外すことができる。
【0102】
この文脈において、貯蔵ラック14は、成長材料6に媒体を供給するのに必要な全ての接続部及び/又は設置を含むラックシステムであるのが好ましい。これらの媒体は、好適には、栄養素、水、ガス、風力、及び/又は成長又は再生に影響を与える可能性のある他の物質である。必要な設置及び/又は接続部は、設置場所に対して個別であるように設計されることが好ましく、例えば、スプレーノズル、供給及び/又は排出ライン、分配システム、電気信号ライン、電源ライン、設置場所に対して個々の無線モジュール、及び設定場所に対して個々のセンサ33及び/又はアクチュエータ29を含むことができる。栄養物コンテナ30及びその他の媒体は、設定場所-個別または貯蔵ラック-に個別のベースで提供することができ、これは、異なる成長材料6、例えば異なる植物品種が異なる設定場所または貯蔵ラックに配置されている限り、特に有利である。
【0103】
夫々の貯蔵ラック14は、いくつかの部分から構成することができ、1つ以上の貯蔵コンテナ1のための1つ以上の受入口を備えた、挿入可能なトレイ34及び/又は回収トレイを備えることが好ましい。トレイ34は、別々に滅菌することもできるし、必要があれば、1回使用の要素として廃棄することもでき、再使用の際に新しいトレイ34と交換することもできる。
【0104】
成長及び/又は繁殖ステーション100に単一の品種の成長材料6のみが存在することを前提として、単一の貯蔵庫28及び/又は栄養物コンテナ30は、成長及び/又は繁殖ステーション100ごとに、あるいは処理システム400ごとにのみ提供されることもある。
貯蔵ラック14はさらに、使用済媒体の廃棄に必要な設置を含むことができる。貯蔵庫28及び栄養物コンテナ30に関する前述の説明は、それに従って、残留媒体用の収集タンクに適用される。
【0105】
有利には、トレイ34は、構成上モジュラー式であり、培養中に成長材料6を確実かつ制御して保持するために、トレイ34当たり9つ以上の設置場所を成長材料6に設けることができることが好ましい。
トレイ34はさらに、栄養媒体に面する根または成長材料6の部分のための収集装置が好ましくはトレイ34に取り付けられているので、効率的な収穫が可能になる。これは、例えば、ネット、バッグ及び/又はタブである。
【0106】
可動式の貯蔵ラック14は、内部の大気内に循環領域が不要となるように設置されているので、成長材料6を貯蔵するための成長室を最大限に利用することができる。
複数の成長及び/又は繁殖ステーション100を組み合わせて、農場200と呼ばれるより大きなユニットを形成することができる。農場200、即ち、任意の数の複数の個別栽培室からなるより大きなユニットは、それらの維持、収穫、および供給のために、1つの保守ユニット300、例えば、別個のコンテナから操作することができる。
【0107】
しかしながら、1つの成長及び/又は繁殖ステーション100のみを提供することも可能であり、また、成長及び/又は繁殖ステーション100に隣接した保守ユニット300を、1つのコンテナ内、好ましくは成長室に隣接した場所に配置することも可能である。
【0108】
こうして、両方の保守ユニット300、処理ユニット500、及び/又は成長及び/又は繁殖ステーション100が、処理システム400を形成し、それによって、成長材料6の成長/繁殖、並びに、無菌の下での収穫された成長材料6の収穫、加工及び包装、特に、成長材料6の挿入及び封止の瞬間から、例えば、貯蔵コンテナ1内の種子としての気密状態を確保する。この点に関し、処理システムは、1つ以上の大容量のコンテナに分配され、これにより、少なくとも成長及び繁殖のために、また、好ましくは、処理ユニット500及び/又は包装の中での収穫、処理のために、気密性の内部大気の保守が確保される。
【0109】
例えば、薬用植物等は、無菌条件下で栽培することができる。完全な処理システム400、または少なくとも成長及び繁殖ステーション100、特に好ましくは処理システム400の各コンテナは、それにより、洗浄媒体、好ましくはCIP媒体、例えば蒸気などの導入のための入口及び/又は出口を有し、その結果、システムは、使用後に再利用のために滅菌される。
【0110】
保守ユニット300は、ロボットシステム及び/又は成長材料6の時間遅延収穫のような自動システムによって、成長材料6を操作し、成長材料6を監視することを可能にし、よって、無菌の内部大気を汚染することなく外部からの操作を可能にする。この点に関し、成長材料6の種類及び収穫プロセスを開始するための所望の成長段階(例えば、植物サイズ、葉のサイズ、果実のサイズ、果実の熟度、真菌のサイズ、菌数など)に関係する1つ以上のデータセットが、制御及び評価ユニット32のデータメモリ35上に記憶される。成長段階に対応する設定点又は複数の設定点の組み合わせに到達すると、制御及び/又は評価ユニット32は、収穫プロセスを開始する。
【0111】
これは、とりわけ、収穫機、特に収穫ロボット、または可能であれば、保守ユニット300の成長及び/又は繁殖ステーション100への気密結合、及び、その後の収穫機、特に、収穫ロボットの成長及び/又は繁殖ステーション100への移動、または、成長及び/又は繁殖ステーション100から接続された保守ユニット300への貯蔵ラック14の移動を含むことができる。
【0112】
あるいは、例えば、貯蔵ラック14と関連しない可動ロボットの一部として、成長及び/又は繁殖ステーション100のみに開き装置を配置することもできる。しかしながら、この解決策は、各貯蔵コンテナを開くのに要する時間がこの解決策に関して増加するので、あまり好ましくない。
【0113】
保守ユニット300は、垂直方向及び横方向に操作するためのベアリング又は輸送要素、例えばベアリングローラを含むことができる。例えば、リフティング機構、特にリフティング機構、及び/又はMecanum(商標)駆動装置、例えばMecanum(商標)ホイールを、保守ユニットの一部として設けることができる。1つの保守ユニット300は、多くの成長室、処理ユニット500、及び/又は農場200の役目を有する。
【0114】
保守ユニット300は、1つの成長及び/又は繁殖ステーション100、処理ユニット500または農場200を維持するために使用されてもよい。保守ユニット300は、成長材料6を収穫して、成長材料6を乾燥、破砕、分離、強化、包装、蒸留、抽出、洗浄、写真撮影、及び/又は分析などの加工をすることができる。これらの工程のうちの1つ以上は、プロセス工程IIIで個別にまたは組み合わせて実行することができる。この目的のために、保守ユニット300、即ちコンテナは、個々に又は一緒に、収穫装置、乾燥装置、通信装置、例えばチョッパ及び/又はミル、ろ過及び/又は遠心分離装置、温度制御装置、例えばブラスト凍結装置、包装装置、蒸留装置、抽出装置、精製モジュール、フォト又はビデオ装置、及び/又は分析装置、より好ましくはHPLC、GC(ガスクロマトグラフィー)、UV-Vis、ラマン及び/又はIR分析装置を備えることができる。また、プロセスフォトメータのようなより新しい装置も、処理プロセスにおけるインライン測定を可能にし、本事例において適用することができる。
【0115】
有利には、以上の工程を別のコンテナである処理ユニット500に委託し、保守ユニット300は、成長及び/又は繁殖ステーション100、保守ユニット300、処理ユニット500における夫々のドッキング点16を介して、成長及び繁殖ステーション100から収穫された成長材料6を処理ユニット500に供給し、成長材料6を汚染なく連続して処理することを確実にする。
【0116】
保守ユニット300は、プロセス工程III及び/又はIVを実行するための成長及び/又は繁殖ステーション100の大気状態及びニーズに適合させることができる。さらに、保守ユニット300は、人員ロックを含み、該人員ロックにより、人がクリーンルームまたはクリーンルーム類似の条件下で入退室することを可能にするか、または追加のユニット、例えば処理ユニット500のドッキングを容易にすることができる。保守ユニット300のプロセス工程III及び/又はIVは、手作業、半手作業又は自動化で実施することができる。プロセス工程IVまでの成長材料6の製造中は大気及び/又は微生物条件が一定であるため、収穫可能な成長材料6とその処理は一定の品質と均一性を高度に達成することができる。
【0117】
保守ユニット300及び/又は処理ユニット500は、非加工及び/又は加工された商品のための貯蔵スペースを備えることができ、この貯蔵スペースは、温度制御、大気制御、及び/又は不活性ガスの下に置かれて、成長材料6をコンテナ外の環境の好ましくない影響から保護することができる。倉庫管理は、自動化されることもあれば、リフト、パターノスターリフト、または同様のシステムによって手作業で行うこともある。
【0118】
図に示された実施形態は、以下により詳細に記載される。
図1は、カプセル形態の貯蔵コンテナ1を示す。貯蔵コンテナ1は、壁7を有し、管状領域の形をした中間セグメント2、上側キャップとして構成された第1の端部セグメント8、及び下側キャップとして構成された第2の端部セグメント8を有する。上側キャップまたは第1の端部セグメントは、ガス透過性を有するように構成することができる。管状領域、すなわち中間セグメント2には、栄養分5を有するマトリックスまたは基質4があり、そこに成長材料6が配置されている。
【0119】
中間セグメント2と端部セグメント8との間には、各場合において、機械的インターフェース及び/又は所定の破断点9が形成される。機械的インターフェース9は、例えば、ラッチ機構を備えることができる。更に、壁7に円周方向に分布する保持装置として少なくとも1つの制限ストッパ13が設けられている。この場合、円周方向に分布するということは、中間セグメントの高さにて円周に分布するいくつかの個々のセグメント、または或る高さで延びる単一のセグメントを意味し、単一のセグメントは、軸上のストッパを表し、開口における中間セグメント2の挿入深さを制限する。
【0120】
図2乃至
図4は、コンテナの形態の成長及び繁殖ステーション100を示しており、これはISO668による他のコンテナ又は支持装置への圧力嵌め接続を可能にする装置を備えた外側シェルと、内部熱絶縁体15と、供給ユニット20と、二重ドア18を備えたドッキングステーション16とを有している。
コンテナの内部には、1つの又はより好ましくは、1つ以上の貯蔵ラック14またはラックシステムの装置が存在し、該貯蔵ラック14はセンサ33、灌漑システム26、換気システム、または例えば換気スロット25のような換気システムの少なくとも一部、及び光源23を含む。供給ユニット20は、各々ポンプ及び/又は弁のような1つ又はそれ以上のアクチュエータ29と、センサ33と、制御及び評価ユニット32と、空調ユニット24と、水処理ユニット27と、貯蔵庫28と、栄養素タンク30と、混合室31と、エネルギー供給及び管理ユニット20と、通信モジュール21とを含むことができ、これらは好ましくは無線モジュールとしての実施形態においてである。コンテナは一緒に連結されて農場200を形成することができる。
【0121】
図5は、保守ユニット300を示し、該保守ユニットは垂直及び水平移動のための持ち上げ機構37及び/又は駆動装置38を備えることができる。保守ユニット300は、1つの場所、特に第1の端部にドッキング点16を有し、別の場所、特に第2の端部に人員ロック34を有し、電力供給及び管理ユニット20ならびに熱絶縁体15を内部に有する。内部は、貯蔵ラック14を運搬するためのコンベアシステム37と、自動収穫のためのロボット状の設備40とを有することができる。さらに、保守ユニット300は、貯蔵空間41を含む。
【0122】
図6は、処理ユニット500を図示し、この処理ユニットは、電源及び管理ユニット20、人員ロック39、ドッキングステーション16、及び内部熱絶縁体15を含むことができる。電源及び管理ユニット20は、技術側19、通信モジュール21、及び/又は貯蔵庫28を含んでもよい。ドッキングステーション16は、二重ドア18を含むことができる。処理ユニット500の内部には、1つ以上の技術的設備があり、その大部分は、ロボット状の設備40がその内部に設置され、未加工及び加工品のための貯蔵領域41が設置されている。
【符号の説明】
【0123】
1 貯蔵コンテナ
2 中間セグメント
3 内部
4 基質
5 栄養素
6 成長材料
7 壁
8 端部セグメント
9 機械的インターフェース
10 保護層
11 バリア層
12 支持層
13 制限ストッパ
14 貯蔵ラック
15 熱絶縁体
16 ドッキング点
17 保守ユニット
18 二重ドア
19 技術的コンパートメント
20 エネルギー供給及び管理ユニット
21 通信モジュール
22 無停電電源
23 光源
24 空調装置
25 換気スロット
26 灌漑システム
27 水処理装置
28 貯蔵庫
29 アクチュエータ
30 栄養素コンテナ
31 混合室
32 制御及び評価ユニット
33 センサー
34 トレー
35 データメモリ
36 人員ロック
37 持ち上げメカニズム
38 駆動部
39 コンベヤシステム
40 ロボット状の装置
41 蓄積室
100 成長及び/又は繁殖ステーション
200 農場
300 保守ユニット
400 処理システム
500 処理ユニット
【手続補正書】
【提出日】2023-05-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間(3)と基質(4)とを備え、基質(4)は内部空間(3)内にて貯蔵コンテナの壁面に静止して配置され、更に基質(4)内又は基質(4)上に配置された生物学的な生体成長材料(6)とを更に備える貯蔵コンテナ(1)であって、
貯蔵コンテナ(1)は、無菌大気を確保するための封入カプセルとして構成されており、
基質(4)は乾燥状態でが少なくとも水分が50g/cm
3以上の吸水能力を有する吸収材であり、
貯蔵コンテナ(1)は、少なくとも2つの端部セグメント(8)と管状の中間セグメント(2)を有し、基質(4)と生体成長材料(6)は、中間セグメント(2)に配置され、少なくとも第1の端部セグメント(8)は中間セグメント(2)と対向して配置されて、中間セグメント(2)よりも、
より薄い壁を有し、及び/又は、
より熱的、物理的、及び/又は化学的に攻撃可能及び/又は影響を受けやすい壁材料を有し、
及び/又は、
所定の分離点を有する、貯蔵コンテナ。
【請求項2】
前記基質の材料が、少なくとも1つの多孔質材料、特に多孔質岩、及び/又は少なくとも1つのスポンジ材料、及び/又は少なくとも1つのゲル状材料、特に水が貯蔵形態で存在する生物学的材料のハイドロゲルまたはゲルを含む、請求項1に記載の貯蔵コンテナ。
【請求項3】
前記基質の下方に、好適に根を収容するためのガスで充填され又は真空化される空洞としての空間を有し、この空間は貯蔵コンテナの壁部及び基質によって境界付けら
れ、及び/又は前記基質(4)が貯蔵コンテナ(1)内に唯一の水貯蔵庫として配置され、貯蔵コンテナの中間セグメントに、水分が30g/cm
3
の、好ましくは成形体として位置する、請求項1又は2に記載の貯蔵コンテナ。
【請求項4】
第1の端部セグメント(8)は、生物学的な生体成長材料(6)に関する下方の端部セグメントである、請求項1乃至3の何れかに記載の貯蔵コンテナ。
【請求項5】
少なくとも第2の端部セグメント(8)は、特に蓋側の端部セグメントであり、ガス選択性の材料、半透過性の材料、好ましくはCO
2、O
2、N
2及び/又はCH
4の選択的な材料から形成される、請求項1乃至4の何れかに記載の貯蔵コンテナ。
【請求項6】
貯蔵コンテナ(1)の壁(7)は、特に中間セグメント(2)の壁であり、少なくとも一部領域または全体が透明材料からなり、特に、少なくとも部分的に気密である透明で、UV非透過性の、熱絶縁性材料からな
り、及び/又は前記貯蔵コンテナ(1)が、過酸化物及び/又は根が安定する材料で全面を覆うのが好ましい滅菌可能な表面を有し、根が安定する材料は特にオゾン-過酢酸及び/又は過酸化水素-安定材料であり、過酸化水素-安定材料はポリアミド、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリアクリル、ポリメタクリル、ハロゲン化エチレン及び/又はゴム、ハロゲン化エラストマー、シリコーンなどのエラストマーである、請求項1乃至5の何れかに記載の貯蔵コンテナ。
【請求項7】
中間セグメント(2)が、少なくとも1つの円周方向に分布する制限ストッパ(13)または複数の円周方向に分布する制限ストッパまたは円錐形を有し、及び/又は、貯蔵コンテナを静止して耐振動性に固定するためのロック装置を有
し、及び/又は前記制限ストッパ及び/又はロック装置が、中間セグメントの下半分に取り付けられている、請求項1乃至6の何れかに記載の貯蔵コンテナ。
【請求項8】
成長材料(6)を栽培する産業用の成長及び/又は繁殖ステーション(100)であって、
該成長及び/又は繁殖ステーション(100)は、大容量のコンテナとして、特にISOコンテナとして構成され、
大容量のコンテナは、無菌の内部雰囲気を提供し及び監視すると同時に、最適な生育条件を設定、監視及び/又は維持するための装置、特にセンサ監視分配装置を有し、
これらの成長条件を確保するために、装置は、少なくともパラメータである気圧、温度、湿度、及びガス交換率を有して、これらは装置によって感知及び調整することができることを特徴とする産業用の成長及び/又は繁殖ステーション(100)。
【請求項9】
装置はさらに、個々にまたは組み合わせて、SALレベル、
CO
2
、O
2
、N
2
、He、Ar、O
3
、CO、CH
4
、エタン、エテン、エチン、及び/又はテルペンの単一または組み合わせのガス分圧であるガス分圧、
及び/又は肥料温度、風力強さ、風の方向、音のレベル及び/又は音周波数の連続のパラメータを、センサによって決定及び/又は調整することがで
き、及び/又は装置はさらに、個々にまたは組み合わせて、光強度、肥料量、肥料組成、pH値及び/又はコンダクタンスのパラメータが、センサにより決定され及び/又は調整される、請求項
8に記載の産業用の成長及び/又は繁殖ステーション(100)。
【請求項10】
テルペンが単独又は組み合わせのヘミテルペン、モノテルペン、セスキテルペン、ジテルペン、セステルペン、トリテルペン、テトラテルペン、ポリテルペン、及びテルペノイドであることを特徴とする。請求項
8に記載の産業用の成長及び/又は繁殖ステーション(100)。
【請求項11】
成長及び/又は繁殖ステーション(100)が、
CIP洗浄のための洗浄媒体、及び/又はCIP媒体、特にオゾンの入口及び/又は出口を有する成長室を備える、請求項
8乃至10の何れかに記載の産業用の成長及び/又は繁殖ステーション(100)。
【請求項12】
大容量のコンテナが、請求項1乃至
7の何れかに記載の1つ又は好ましくは複数の貯蔵コンテナ(1)を配置するための少なくとも1つの貯蔵ラック(14)を備える、請求項
8乃至11の何れかに記載の産業用の成長及び/又は繁殖ステーション(100)。
【請求項13】
請求項
8乃至12の何れか1つに記載の成長及び/又は繁殖ステーション(100)と、特に保守ユニット(300)及び/又は特に収穫ユニットである処理ユニット(500)とからなる栽培システムであって、ここで、保守ユニットは、2つのユニット(100及び300または500)間で成長材料または機械類を移動させるために、成長及び/又は繁殖ユニットに接続され、ここで、保守ユニット(300)または処理ユニット(500)は、少なくとも成長及び/又は繁殖ステーション(100)と組み合わせて、無菌の内部大気を維持するために装備されることを特徴とする栽培システム。
【請求項14】
成長材料(6)を栽培する方法であって、
a)請求項1乃至
7の何れかに記載の貯蔵コンテナ(1)を配備する工程と、
b)前記貯蔵コンテナ(1)を
請求項8乃至12の何れかに記載の成長及び/又は繁殖ステーション(100)の貯蔵ラック(14)へ挿入し、
好ましくは貯蔵コンテナ(1)を貯蔵ラック(14)に挿入いた後に、好ましくは滅菌、特に好ましくはCIP工程に従って、即ち、貯蔵ラック(14)及び貯蔵コンテナ(1)の構成を分解することなく局所的な洗浄プロセスに従って滅菌し、少なくとも一端部にて貯蔵コンテナ(1)を開く工程、好ましくは両端部にて貯蔵コンテナ(1)を開く工程と、
c)収穫のための成長及び/又は繁殖段階の検出まで、無菌の内部大気中の成長材料(6)の成長及び/又は繁殖を監視する工程と、
d)保守ユニット(300)及び/又は処理ユニット(500)を使用して、無菌大気を維持しながら、収穫された成長材料から、価値ある材料、特に活物質を含む生物材料を回収する工程を含む、方法。
【請求項15】
工程cにおいて、成長及び/又は繁殖のための大気を確保するために、少なくとも空気圧、温度、湿度、光度、ガス交換率、肥料量、肥料組成、pH
値及びコンダクタンスのパラメータが決定され、監視され、及び/又は調整さ
れ、及び/又は工程cにおいて、成長及び/又は繁殖のための大気を確保するために、SALレベル、ガス分圧、肥料温度、風力強さ、風の方向、音波レベル及び/又は音波の系列のパラメータが決定され、監視され、及び/又は調整される、請求項
14に記載の方法。
【国際調査報告】