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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-28
(54)【発明の名称】ワンタッチコンタクトレンズケース
(51)【国際特許分類】
   G02C 11/00 20060101AFI20230921BHJP
【FI】
G02C11/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575391
(86)(22)【出願日】2021-09-14
(85)【翻訳文提出日】2022-12-07
(86)【国際出願番号】 IB2021058380
(87)【国際公開番号】W WO2022054033
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】63/077,784
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510294139
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 Centurion Parkway, Jacksonville, FL 32256, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ポプウェル・サム・ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】アンセル・スコット・エフ
(72)【発明者】
【氏名】ウォード・ダニエル・グラハム
(72)【発明者】
【氏名】サムズ・スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ハニー・ウィリアム・スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】アクラム・イスマイル
【テーマコード(参考)】
2H006
【Fターム(参考)】
2H006BB03
2H006BB05
2H006BB06
2H006BB08
2H006CA00
(57)【要約】
本発明は、レンズをレンズケースからワンタッチで取り出すことを可能にするコンタクトレンズケースに関する。レンズケースは、レンズを凸位置に保持するレンズ支持体を含む。パッケージが排液されると、支持体と濡れたコンタクトレンズとの間の接触面積は、ユーザの指とコンタクトレンズとの間の接触面積よりも小さくなり、所望のワンタッチ移送が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトレンズケースであって、
a.支持体であって、コンタクトレンズを、保管中及び前記ケースの開封時に前記支持体上の凸位置に維持するための支持体を備え、
b.前記レンズは、周縁部及びレンズプロファイルを有し、
c.前記支持体は、前記レンズプロファイルと実質的に一致しないプロファイルを有し、前記支持体と前記レンズとの間の湿潤接触が、約20mm未満、18mm未満、又は15mm未満である、
コンタクトレンズケース。
【請求項2】
コンタクトレンズケースであって、
a.ケース基部と、
b.ケース蓋と、
c.周縁部とレンズプロファイルとを有するコンタクトレンズを、前記ケース基部に対して凸位置に保持するための支持体と、
を備え、
d.前記基部及び前記蓋は、封止されて、前記支持体、前記コンタクトレンズ及びパッケージング溶液を含むキャビティを形成し、
e.前記レンズ支持体は、複数の周辺支持体を含み、前記複数の周辺支持体は、前記コンタクトレンズ周縁部を越えて少なくとも1mm延在する遠位端を有し、前記周辺支持体に沿って前記コンタクトレンズ縁部との少なくとも3、3~14、4~14、3~8、又は4~8、4~6、又は6個の接触点を提供し、前記ケースが開封され、前記パッケージング溶液が前記レンズ及び前記支持体から離れるように方向付けられた後の前記支持体と前記レンズとの間の湿潤接触が、約20mm未満、18mm未満、又は15mm未満である、
コンタクトレンズケース。
【請求項3】
前記支持体は、レンズ溶液からの取り出しの際に、前記レンズと前記レンズ支持体との間にパッケージング溶液を閉じ込めることなく、前記レンズ溶液を前記レンズ及び前記支持体から排出することを可能にする、請求項1又は2に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項4】
前記レンズは光学ゾーンを更に含み、前記レンズ支持体は、前記コンタクトレンズ光学ゾーンの少なくとも一部の下に、開放構造を有する実質的に平坦な上部セクションを更に含む、請求項1又は2に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項5】
前記支持体は、前記コンタクトレンズ光学ゾーンの少なくとも一部の下に空隙を更に含む、請求項1又は2に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項6】
前記コンタクトレンズは、前記ケースが封止されている間は非圧縮状態に維持される、請求項1又は2に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項7】
前記支持体は、少なくとも2つの周辺支持体を含む、請求項1に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項8】
前記周辺支持体は、前記レンズ周辺の周りに分布している、請求項2又は7に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項9】
前記レンズは、前記光学ゾーンに中心がある頂点を有し、前記支持体は、前記レンズ周辺から測定して、前記コンタクトレンズ頂点の下0.5mm以下の高さを有する中央支持体を更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項10】
前記中央レンズ支持体は、約1~約10mm、約3mm~約9mm、約5mm~約9mm、又は約6mm~約9mmの直径を更に有する、請求項9に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項11】
前記中央レンズ支持体は開放構造を有する、請求項9又は10に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項12】
前記中央レンズ支持体は、前記レンズ頂点の下に中央円柱を含む、請求項11に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項13】
前記中央レンズ支持体は複数のアームを含み、各アームは、
平坦な上部セクション、任意選択の側部セクション及び任意選択の周辺支持体、前記上部セクションと前記任意選択の側部セクションとを接続するショルダ遷移部、並びに前記任意選択の側部セクションと前記任意選択の周辺支持体とを接続する任意選択のエルボ遷移部を含む、
請求項11に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項14】
前記平坦な上部セクションにおける前記アームは、前記レンズ頂点の下の中心点で互いに接続されているか、又は前記レンズ頂点の下に中心がある開いた完全なリングもしくは部分的なリングに接続されている、請求項13に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項15】
前記複数のアームは、前記ケース基部に接続されたフィンの形態である、請求項13に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項16】
前記複数のアームのうちの少なくともいくつかの一端が前記周辺レンズ支持体に取り付けられて上方に突出し、前記アームの遠位端が前記平坦な上部セクションを形成する、請求項13に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項17】
前記周辺支持体の前記遠位端のうちの少なくともいくつかが、前記周辺支持体を前記レンズ基部から持ち上げる垂直支持体に接続されている、請求項1~16のいずれか一項に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項18】
前記周辺支持体の前記遠位端の周りに、前記コンタクトレンズ周縁部を少なくとも2mm越えて少なくとも部分的なリングを更に備える、請求項2~17のいずれか一項に記載のケース。
【請求項19】
3~8本のアームを更に含む、請求項13~18のいずれか一項に記載のケース。
【請求項20】
3~6本のアームを更に含む、請求項13~18のいずれか一項に記載のケース。
【請求項21】
前記アームの少なくとも2本がY字形状を有する、請求項13~20のいずれか一項に記載のケース。
【請求項22】
3本のY字形アームを有する、請求項13~20のいずれか一項に記載のケース。
【請求項23】
2本の直線アーム及び2本のY字形アームを備える、請求項13~20のいずれか一項に記載のケース。
【請求項24】
前記Y字形アームが、前記Y字の上部を横切る曲線を含む、請求項21~23のいずれか一項に記載のケース。
【請求項25】
前記アームは直線状である、請求項13~20のいずれか一項に記載のケース。
【請求項26】
少なくとも部分的なリングが、約16~約25mm、約18~約25mm又は約18~約24mmの直径を有する、請求項18に記載のケース。
【請求項27】
前記実質的に平坦な上部は、変形されていない状態で、前記コンタクトレンズ頂点から高さ0.5mm、約0.5~約2mm、0.5~約1.5mm、又は約0.8~約1mmの撓みを有する、請求項4に記載のケース。
【請求項28】
前記支持体は、前記平坦な上部セクションに中心がある中央フィレットを更に含み、前記中央フィレットは、その最長寸法にわたって約0.1~約3mm、約0.1~約2mm、又は1.5mm未満の幅を有する、請求項9~27のいずれか一項に記載のケース。
【請求項29】
前記アーム及び前記周辺支持体の各々は、約0.5~約1.5mm、約0.5mm~約1mm、又は約0.5mm~約0.7mmの幅を有する、請求項13~28のいずれか一項に記載のケース。
【請求項30】
前記アームは、部品の成形性及び開封時の効率的なパッケージング溶液の排出を提供する幅を有する、請求項13~29のいずれか一項に記載のケース。
【請求項31】
各アームは、前記平坦な上部セクションの高さが約0.5~約5mmである、請求項13~30のいずれか一項に記載のケース。
【請求項32】
前記平坦な上部は、前記レンズ支持体の中心に中心点を有し、前記ショルダは、前記平坦な上部中心の周りに放射状に配置されている、請求項9~29のいずれか一項に記載のケース。
【請求項33】
前記アームは前記中心点に取り付けられ、各アームは、前記ショルダから前記中心点までの長さが約1.5~約4mmである、請求項32に記載のケース。
【請求項34】
前記アームの前記平坦な上部セクション及び前記側部セクションにおける垂直からの角度が、最大約15°、又は約1°~約10°である、請求項9~33のいずれか一項に記載のケース。
【請求項35】
前記側部セクションと前記周辺支持体との間の角度が、約60°~約120°、又は約80°~約100°である、請求項1~34のいずれか一項に記載のケース。
【請求項36】
前記アームは、前記平坦な上部の中心で接続されている、請求項1~35のいずれか一項に記載のケース。
【請求項37】
前記アームは、前記支持構造体の中心の周りに放射状に分布している、請求項1~36のいずれか一項に記載のケース。
【請求項38】
前記基部は実質的に平坦である、請求項1~37のいずれか一項に記載のケース。
【請求項39】
前記レンズは前記アーム側部セクションに接触しない、請求項1~38のいずれか一項に記載のケース。
【請求項40】
前記アーム側部セクションは直線状である、請求項1~39のいずれか一項に記載のケース。
【請求項41】
前記支持体は、100°より大きい接触角を有するポリマーから作製されている、請求項1~40のいずれか一項に記載のケース。
【請求項42】
前記レンズ支持体は、前記ケース基部から少なくとも約20°の角度で配置されている、請求項1~41のいずれか一項に記載のケース。
【請求項43】
前記周辺支持体は、前記ケース基部に平行であり、前記ケース基部から少なくとも約4mm又は少なくとも約5mmである、請求項2~42のいずれか一項に記載のケース。
【請求項44】
前記レンズ支持体を前記レンズ溶液から持ち上げるための手段を更に備える、請求項1~43のいずれか一項に記載のケース。
【請求項45】
前記持ち上げ手段は、レバー、ばね、ヒンジ、ピボットアーム、折り目、機械的トラップ、ハンドル、及びそれらの組み合わせから選択されている、請求項44に記載のケース。
【請求項46】
前記持ち上げ手段は、前記レンズ支持体を前記基部から、水平に対する約15~約80°、約20°~約70°、約30°~約60°又は約40°~約60°の角度まで傾けることによって、前記レンズを前記パッケージング溶液から持ち上げる、請求項44に記載のケース。
【請求項47】
前記レンズ及び前記支持体が前記ケース基部から分離されるときにパッケージング溶液を捕捉するためのリザーバを更に備える、請求項1~46のいずれか一項に記載のケース。
【請求項48】
コンタクトレンズケースであって、
a.支持体であって、凸面を有するコンタクトレンズを前記支持体に対して凸位置に保持するための支持体と、
b.少なくとも1つの空気入口ガイドを含むレンズ対向面であって、前記少なくとも1つの空気入口ガイドは、ユーザが前記ケースを開封すると、前記コンタクトレンズ凸面を越えて前記ケース内へと入る空気を案内して、前記レンズ対向面への前記レンズ凸面の付着の発生を低減するように構成されている、レンズ対向面と、
を備える、コンタクトレンズケース。
【請求項49】
前記ケース内部は、前記支持体と、前記少なくとも1つの空気入口ガイドと、前記コンタクトレンズと、パッケージング溶液とを含むキャビティを画定し、
a.前記ケースを開封し、ユーザの指による接触の前に前記レンズから前記パッケージング溶液を排出する際に、前記レンズは前記レンズ支持体上で凸形状を維持し、前記支持体は、前記レンズ周辺の周りに分布した少なくとも2つの点で前記レンズに接触する、
請求項48に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項50】
前記レンズはプロファイルを有し、前記支持体は前記レンズプロファイルと実質的に一致しないプロファイルを有する、請求項48又は49に記載のケース。
【請求項51】
前記ケースの後の前記支持体と前記レンズとの間の接触面積が、約20mm未満、18mm未満、又は15mm未満である、請求項48~50のいずれか一項に記載のケース。
【請求項52】
前記少なくとも1つの空気入口ガイドと前記レンズとの間の接触面積が、約50mm未満又は約30mm未満である、請求項48~50のいずれか一項に記載のケース。
【請求項53】
前記空気入口ガイドは、前記レンズ対向面からの突出部として、又は前記レンズ対向面の凹部として、前記レンズ対向面と一体である、請求項48~52のいずれか一項に記載のケース。
【請求項54】
前記空気入口ガイドは、前記レンズ凸面と前記蓋レンズ対向面との間に配置された別個の構造体の一部である、請求項48~52のいずれか一項に記載のケース。
【請求項55】
前記空気入口ガイドは、ケース開封時に空気が入る経路と平行に位置合わせされている、請求項48~54のいずれか一項に記載のケース。
【請求項56】
前記空気入口ガイドは、少なくとも約2mm離間しているか、約2~約5mm離間しているか、又は2~約4.5mm離間している、請求項48~55のいずれか一項に記載のケース。
【請求項57】
前記コンタクトレンズは、光学ゾーンと、前記光学ゾーンと前記周縁部との間の湾曲したレンズ側部セクションとを含み、前記空気入口ガイドは、前記ケースの前部から後部まで直線状に延びるか、前記光学ゾーンの周りで湾曲するか、又はこれらの組み合わせである、請求項48~56のいずれか一項に記載のケース。
【請求項58】
前記光学ゾーンを横断する前記空気入口ガイドは、前記光学ゾーンにわたるより短いプロファイルを有する、請求項48~57のいずれか一項に記載のケース。
【請求項59】
前記空気入口ガイドは、連続リブ、不連続リブ、及びそれらの組み合わせを含む、請求項48~58のいずれか一項に記載のケース。
【請求項60】
前記空気入口ガイドは、少なくとも約2mm、又は約2mm~約4mmの最大高さを有する、請求項48~59のいずれか一項に記載のケース。
【請求項61】
前記光学ゾーンにわたる前記空気入口ガイドプロファイルは、約0.5mm以下の高さを有する、請求項60に記載のケース。
【請求項62】
少なくとも1つの基部セクション及び少なくとも1つの蓋対向面を更に備え、これらが一緒になって、可逆的に封止されたキャビティを形成し、前記キャビティは、前記支持体、前記コンタクトレンズ及び前記レンズ溶液をその中に含む、請求項1及び48に記載のケース。
【請求項63】
前記蓋対向面はケース蓋の内面であり、前記ケースは、少なくとも1つの基部セクションを更に含み、前記基部セクションは、前記蓋と共に、前記レンズ支持体、前記レンズ、及び前記パッケージング溶液を収容する前記キャビティを形成し、
a.前記ケースは、前記キャビティを形成するシール線に沿って前記基部からの前記蓋の分離を開始するための少なくとも1つの開封タブを更に備える、
請求項2~62のいずれか一項に記載のケース。
【請求項64】
前記封止されたキャビティを形成するシール線に沿って前記基部からの前記蓋の分離を開始するための開封タブを備え、前記開封タブにおいて、前記シール線と前記レンズ支持体との間に少なくとも約2mmのクリアランスがある、請求項1~63のいずれか一項に記載のケース。
【請求項65】
前記空気入口タブは、少なくとも1つの空気入口ガイドを更に備える、請求項48~61及び63~64のいずれか一項に記載のケース。
【請求項66】
前記レンズ支持体、前記レンズ対向面、及び前記少なくとも1つの空気入口ガイドは、協働して、前記レンズと、前記支持体と、前記少なくとも1つの空気入口ガイドとの間の接触を最小限に抑えながら、前記レンズの中心を前記支持体の周りに維持する、請求項48~61及び63~65のいずれか一項に記載のケース。
【請求項67】
前記レンズと、前記少なくとも1つの空気入口ガイドと、前記支持体との間の接触は一時的である、請求項66に記載のケース。
【請求項68】
前記キャビティ内の空気によって占有される、前記レンズ光学ゾーンから離れた空気捕捉空間を更に備える、請求項48~61及び63~67のいずれか一項に記載のケース。
【請求項69】
前記空気は、ケースの向きにかかわらず、前記レンズから離れた前記空気捕捉空間内に留まる、請求項68に記載のケース。
【請求項70】
前記空気捕捉空間は、前記ケース内に密封される空気の体積と等しいか、又はそれよりわずかに大きい体積を有する、請求項68~69のいずれか一項に記載のケース。
【請求項71】
前記基部及び前記蓋は単一の一体部品である、請求項1~70のいずれか一項に記載のケース。
【請求項72】
前記基部及び前記レンズ支持体は単一の一体部品である、請求項1~71のいずれか一項に記載のケース。
【請求項73】
前記基部、前記レンズ支持体及び前記蓋は単一の一体部品である、請求項1~72のいずれか一項に記載のケース。
【請求項74】
前記蓋及び前記基部は、閉じると水密シールを形成する、請求項2~47及び62~73のいずれか一項に記載のケース。
【請求項75】
前記シールは、スクリュートップシール又はスナップシールから選択されている、請求項74に記載のケース。
【請求項76】
バープ弁を更に備える、請求項74又は75に記載のケース。
【請求項77】
前記基部は、レンズ支持セクション及びレンズ溶液保持セクションの2つのセクションを含む、請求項74~76のいずれか一項に記載のケース。
【請求項78】
前記レンズケースが開封されると前記レンズ支持体を前記レンズ溶液から持ち上げる、前記レンズ支持体の下のばねを更に備える、請求項2~47及び74~77のいずれか一項に記載のケース。
【請求項79】
前記レンズ溶液保持セクションは、前記レンズ支持体の周りとのシールを形成し、レンズ溶液が前記レンズ保持セクション内に導入され、前記コンタクトレンズは前記レンズ支持体上に配置される、請求項77に記載のケース。
【請求項80】
一方は前記溶液保持セクションに封着し、開くと前記溶液保持セクションと係合して前記レンズ支持セクションを露出させ、他方は開くと前記溶液保持セクションを露出させる、2つの蓋を備える、請求項79に記載のケース。
【請求項81】
少なくとも1つの変位手段を更に含む、請求項1~80のいずれか一項に記載のケース。
【請求項82】
前記レンズは、前記蓋内に凹向きでレンズ溶液と共に配置され、前記ケースは、前記レンズ支持体を前記凹状のレンズ表面に向けて前記基部を前記蓋の上に配置し、前記基部及び前記蓋を封止して水密シールを形成することによって閉じられ、保管及び開封のために、前記レンズケースは、前記レンズが凸位置で前記レンズ支持体上に配置されるように反転される、請求項2~47及び62~73のいずれか一項に記載のケース。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
長年にわたり、「ワンタッチ」ケース、すなわち、コンタクトレンズの着用者が自身の指のうちの1本のワンタッチでレンズをレンズ保管ケースから取り出し、次いで、このワンタッチで、レンズを眼に正しく位置付けることができるケースをコンタクトレンズのユーザに提供することが理想的であるというのが一般的な認識であった。そのような設計では、眼の上にレンズを配置する前に、(現在一般的であるように)レンズを1つの指から別の指に移したり操作したりする必要はない。そのようなワンタッチケースを提供することは、レンズの準備及び挿入プロセスを効率化するだけでなく、レンズの眼の上に向けて挿入しようとしている最中にレンズを落としてしまったり、ユーザの他の指上の更なる細菌にレンズを曝露してしまう可能性を低減させ、また、レンズの眼に接触するように意図された側に触れてしまう可能性も低減させる。
【0002】
ワンタッチレンズケースの設計は、いくつかの異なる課題に直面している。ユーザは、理想的には、ケースからの取り出し中にレンズを指に付着するように一貫して配置することができるべきであり、次いで、レンズは指から眼の上へと一貫して移される必要がある。(再利用可能及び一日使い捨ての両方の種類の)コンタクトレンズはそれぞれ、それ自体の独自の表面、バルク、及び幾何学的特性を有する。指サイズ及び移送中にコンタクトレンズ着用者がレンズに付与する力も異なることがある。これらの要因は、レンズをケースから指に取り、次いで眼の表面上に置くプロセスに影響を与える可能性がある。他の考慮事項の中でも、レンズ及びケースに付着するレンズ溶液の量の変動がレンズを指上に配置するプロセスに影響を与える可能性があるため、レンズを指に付着させる能力に影響を与える可能性のある任意のレンズ溶液をユーザが排出することができることが望ましいであろう。また、着用者は、細菌又は化粧品などの外部製品をコンタクトレンズに移してしまう可能性を懸念する場合があり、また当然のことながら、ケースの製造自体が、医療提供者及び商業的提供者の団体によって認識されている、期待される業界標準に適合するべきである。
【0003】
更に、ワンタッチケースは、理想的には、商品のコストを現在のコンタクトレンズケースよりも過度に増加させるべきではなく、これは、ユーザコミュニティに対するコストの増加をもたらす可能性があるためである。ケースは、ケースからの取り出しの際にレンズを保持することを困難にするべきではない。加えて、ケースの構成がレンズをケースに入れるのに必要な溶液の体積を維持するか、又は更に減少させる場合には、レンズケースの生態学的影響が低減するであろう。同様に、ケースの全て又は一部をリサイクル材料から作製され、かつ/又は全体もしくは一部がリサイクル可能であれば有益であろう。
【0004】
加えて、様々な規制機関によって既に承認されており、理想的には溶液の化学的性質又はレンズ組成物の変化を必要としない材料でケースが構成されていれば有利であろう。更に最適には、ケース又はレンズのいずれかの性能に悪影響を及ぼす可能性がある場合には、ケースの機能性に電子機器又は他の電気部品を組み込まないことが好ましい。
【0005】
いくつかの望ましい属性は、ワンタッチケースの機能を達成することを困難にし、かつワンタッチケースを作成する既知の試みに欠けていることが多い。これらの属性には、例えば、以下が含まれる。
●レンズケースは、理想的にはレンズを保護すべきである。レンズケースは、レンズの完全性を保証すると同時に、レンズの破砕又は損傷を防止すべきである。
●レンズケースは、保管時にレンズの水和性を維持すべきである。これにより、レンズの特性が維持される。ケース内のレンズは、必要に応じてレンズ溶液中に完全に沈められるが、着用者の指に移す準備ができたときにそのような溶液が除去されるように構成されるべきである。
●ケースは、好ましくは、レンズを着用者に対して所望の凸向きに維持するべきである。レンズは、ユーザが容易に取り出すことができるように、レンズ支持体上に正確に配置されるべきである。
●レンズケースは、着用者の指へ、次いで眼へのより容易な移送を可能にするために、ケースを開封した時かつレンズを取り出す前にレンズ溶液がレンズから効果的に排出されることを可能にするべきである。
【0006】
例えば、米国特許第7,398,877号、国際公開第2014/195588号、同第2009/069265号、日本特許第6339322号は、凸状のボウルを下にした構成でレンズを呈示するケースを開示している。しかしながら、レンズ支持構造体は、コンタクトレンズの形状と実質的に一致し、これにより、レンズとレンズ支持体との間に望ましくない接触面積を提供する。これらの参考文献はまた、レンズ及びレンズ支持体からの効果的な溶液排出のためのメカニズムに関して言及していない。
【0007】
米国特許出願公開第20190046353号は、レンズの取り出しを容易にするコンタクトレンズ保存容器を開示している。しかしながら、このケースは、ユーザがレンズ溶液を捨てることを必要とし、また、所望の一貫したワンタッチ取り出しを提供しない湾曲した支持リブを有する。
【0008】
米国特許出願公開第20200229560号は、コンタクトレンズの凹(前方又は前)面を支持するレンズ支持体を有するか、又はコンタクトレンズ周縁部を支持し、レンズケースを開封時にレンズ溶液が格子を通って底部チャンバに排出されることを可能にする格子を有するケースを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、一貫したワンタッチレンズ取り出し体験を提供するコンタクトレンズケースが依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のケースは、レンズケースから着用者の指へのレンズの一貫したワンタッチ移送を可能にする、保管排液、レンズ移送の際の改善された機能性及び再利用性を提供する。ワンタッチ機構は、以下の機構を個別に組み合わせて含む:
レンズは、保管中はレンズ溶液中に完全に沈んでおり、蓋及び基部は、完全に閉じているときには水密シールを形成している。光学的歪みを防止するために、レンズ支持体及び蓋内部は、レンズ光学ゾーンがいかなる機構/構造上にも恒久的に載置されないことによって歪みを防止するように設計されてもよい。
レンズ支持体は、レンズを所望の凸向きに維持するが、レンズとレンズ支持体との間の接触を最小限に抑えて良好な排液性を提供するように設計されており、このことにより、開封時に流体がレンズとの間でブリッジを形成したり、流体がレンズと支持体との間の接触領域の周りに滞留したりすることなく、レンズ溶液がレンズから排出される。ケースは再利用可能であるため、使用が容易であることが望ましい。レンズ着用者がレンズをケースに入れ、ケースを正しいレベルの溶液で満たしてレンズを確実に沈め、ケースを開け、閉じ、洗浄し、液切れさせ、乾燥させることが容易であるべきである。
【0011】
ケース内のレンズケース構造体及び機構は、微生物の蓄積を最小限に抑えるように設計されてもよい。
【0012】
本発明は、
支持体であって、コンタクトレンズを、保管中及びケースの開封時に支持体上の凸位置に維持するための支持体を備え、
レンズは、周縁部及びレンズプロファイルを有し、
支持体は、レンズプロファイルと実質的に一致しないプロファイルを有し、支持体とレンズとの間の湿潤接触が、約20mm未満、18mm未満、又は15mm未満である、コンタクトレンズケースに関する。
【0013】
本発明は更に、コンタクトレンズケースであって、
基部と、
蓋と、
周縁部とレンズプロファイルとを有するコンタクトレンズを、基部に対して凸位置に保持するための支持体と、
を備え、
基部及び蓋は、封止されて、支持体、コンタクトレンズ及びパッケージング溶液を含むキャビティを形成し、
レンズ支持体は、複数の周辺支持体を含み、複数の周辺支持体は、コンタクトレンズ周縁部を越えて少なくとも1mm延在する遠位端を有し、周辺支持体に沿ってコンタクトレンズ縁部との少なくとも3、3~14、4~14、3~8、又は4~8、4~6、又は6個の接触点を提供し、ケースが開封され、パッケージング溶液がレンズ及び支持体から離れるように方向付けられた後の支持体とレンズとの間の湿潤接触が、約20mm未満、18mm未満、又は15mm未満である、コンタクトレンズケースに関する。
【0014】
本発明は更に、コンタクトレンズケースであって、
支持体であって、凸面を有するコンタクトレンズを支持体に対して凸位置に保持するための支持体と、
少なくとも1つの空気入口ガイドを含むレンズ対向面であって、少なくとも1つの空気入口ガイドは、ユーザがケースを開封すると、コンタクトレンズ凸面を越えてケース内へと入る空気を案内して、内面へのレンズの付着の発生を低減するように構成されている、レンズ対向面と、
を備える、コンタクトレンズケースに関する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明は、添付の図面からより良く理解されるであろう。
図1A】様々なレンズ支持体構成の図である。
図1B】様々なレンズ支持体構成の図である。
図1C】様々なレンズ支持体構成の図である。
図1D】様々なレンズ支持体構成の図である。
図1E】様々なレンズ支持体構成の図である。
図1F】様々なレンズ支持体構成の図である。
図1G】様々なレンズ支持体構成の図である。
図1H】様々なレンズ支持体構成の図である。
図1I】様々なレンズ支持体構成の図である。
図1J】様々なレンズ支持体構成の図である。
図1K】様々なレンズ支持体構成の図である。
図1L】様々なレンズ支持体構成の図である。
図1M】様々なレンズ支持体構成の図である。
図1N】様々なレンズ支持体構成の図である。
図1O】様々なレンズ支持体構成の図である。
図1P】様々なレンズ支持体構成の図である。
図1Q】様々なレンズ支持体構成の図である。
図1R】様々なレンズ支持体構成の図である。
図2A】様々なレンズ支持体及び持ち上げ手段を示すコンタクトレンズケースの図である。
図2B】様々なレンズ支持体及び持ち上げ手段を示すコンタクトレンズケースの図である。
図2C】様々なレンズ支持体及び持ち上げ手段を示すコンタクトレンズケースの図である。
図3A】本発明における空気流管理機構の例を示す蓋の図である。
図3B】本発明における空気流管理機構の例を示す蓋の図である。
図3C】本発明における空気流管理機構の例を示す蓋の図である。
図3D】本発明における空気流管理機構の例を示す蓋の図である。
図3E】本発明における空気流管理機構の例を示す蓋の図である。
図3F】本発明における空気流管理機構の例を示す蓋の図である。
図3G】本発明における空気流管理機構の例を示す蓋の図である。
図3H】本発明における空気流管理機構の例を示す蓋の図である。
図3I】本発明における空気流管理機構の例を示す蓋の図である。
図3J】本発明における空気流管理機構の例を示す蓋の図である。
図4A】本発明におけるコンタクトレンズケースを示す図である。
図4B】本発明におけるコンタクトレンズケースを示す図である。
図4C】本発明におけるコンタクトレンズケースを示す図である。
図5A】本発明のレンズケースの分解側面図である。
図5B図5Aに示すレンズケースの側面図である。
図5C】本発明のレンズケースの図である。
図5D】本発明のレンズケースの図である。
図5E】本発明のレンズケースの図である。
図5F】本発明のレンズケースの図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、コンタクトレンズ、例えばヒドロゲルコンタクトレンズのためのケースであって、ユーザがコンタクトレンズの頂点又はその近くで指先に触れてコンタクトレンズをケースから取り出すことを可能にするケースに関する。指先に一旦移されたレンズは、着用者が眼の上に配置するのに適した位置にあり、それにより、レンズのケースからの取り出し及び眼への挿入が簡単になる。
【0017】
本明細書で使用される場合、以下の用語は前述の意味を有する。
【0018】
本発明のレンズケースは、レンズが反転したり、指から落下することなく、また更なる操作なしに、ケースから着用者の指への、次いで指から着用者の眼への一貫したワンタッチレンズ移送を提供するという利点を有する。一貫したレンズ移送は、指で最初のタッチ(又は「ダブ(dab)」)の際の少なくとも約70%、少なくとも約80%、又は少なくとも約90%の移送の移送率を含む。レンズはまた、望ましくは、陥没する又は反転することなく、指上に「起き上がり」、次いで、眼に配置されたときに眼に移送する。本発明のケースは、様々な指サイズ及びダブ圧力にわたって所望のワンタッチ移送を提供することができる。温度及び指が湿っている又は乾燥しているかなどの環境条件もまた、移送率に影響を与える可能性があり、より高い温度では、一般にレンズ移送を改善する。本発明で評価したレンズ移送は室温で行われた。
【0019】
コンタクトレンズとは、眼の表面上に置かれる眼科用デバイスを指す。それらは、一般に、半球形状を有し、光学補正、美容増進、UV遮蔽及び可視光もしくはグレア低減、創傷治癒、薬もしくは栄養補助食品の送達を含む治療効果、診断評価もしくはモニタリング、又はそれらの任意の組み合わせを提供することができる。レンズという用語は、一般に水和状態のケースで消費者に提供され、それらが角膜に適合することを可能にする比較的低い弾性率を有する、ソフトヒドロゲルコンタクトレンズを含む。本発明のケースと共に使用するのに好適なコンタクトレンズは、従来のヒドロゲルコンタクトレンズ及びシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを含む、全ての水和コンタクトレンズを含む。
【0020】
ヒドロゲルは、平衡状態で水を含有する水和架橋ポリマー系であり、水和状態で少なくとも約25%、又は少なくとも35%の水を含有することができる。ヒドロゲルは、典型的には、酸素透過性かつ生体適合性であり、コンタクトレンズの製造に優秀な材料である。
【0021】
従来のヒドロゲルコンタクトレンズは、シリコーン含有成分を含まず、一般に、シリコーンヒドロゲルよりも高い含水量、低い酸素透過性、弾性率、及び形状記憶を有する。従来のヒドロゲルは、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(「HEMA」)、N-ビニルピロリドン(「NVP」)、又はポリビニルアルコールなどの親水性モノマーを主として含むモノマー混合物から調製される。米国特許第4,495,313号、同第4,889,664号、及び同第5,039,459号は、従来のヒドロゲルの形成物を開示している。従来のヒドロゲルは、イオン性又は非イオン性であり得、ポリマコン(polymacon)、エタフィルコン(etafilcon)、ネルフィルコン(nelfilcon)、オキュフィルコン(ocufilcon)レネフィルコン(lenefilcon)などを含む。これらの従来のヒドロゲル材料の酸素透過性は、典型的には、20~30バーラー未満である。
【0022】
シリコンヒドロゲル配合物としては、バラフィルコン(balafilcon)サムフィルコン(samfilcon)、ロトラフィルコン(lotrafilcon)A及びB、デルフィルコン(delfilcon)、ガリーフィルコン(galyfilcon)、セノフィルコン(senofilcon)A、B及びC、ナラフィルコン(narafilcon)、コムフィルコン(comfilcon)、フォルモフィルコン(formofilcon)、リオフィルコン(riofilcon)、ファンフィルコン(fanfilcon)、ステンフィルコン(stenfilcon)、ソモフィルコン(somofilcon)、カリフィルコン(kalifilcon)などが挙げられる。「シリコーンヒドロゲル」は、少なくとも1つの親水性成分及び少なくとも1つのシリコーン含有成分から作製されるポリマーネットワークを指す。シリコーンヒドロゲルは、60~200、60~150、又は80~130psiの範囲の弾性率、20~60%の範囲の含水量を有することができる。シリコーンヒドロゲルの例としては、アクアフィルコン(acquafilcon)、アスモフィルコン(asmofilcon)、バラフィルコン(balafilcon)、コムフィルコン(comfilcon)、デレフィルコン(delefilcon)、エンフィルコン(enfilcon)、ファンフィルコン(fanfilcon)、フォルモフィルコン(formofilcon)、ガリーフィルコン(galyfilcon)、ロトラフィルコン(lotrafilcon)、ナラフィルコン(narafilcon)、リオフィルコン(riofilcon)、サムフィルコン(samfilcon)、セノフィルコン(senofilcon)、ソモフィルコン(somofilcon)、及びステンフィルコン(stenfilcon)(これらの変形の全てを含む)に加えて、米国特許第4,659,782号、同第4,659,783号、同第5,244,981号、同第5,314,960号、同第5,331,067号、同第5,371,147号、同第5,998,498号、同第6,087,415号、同第5,760,100号、同第5,776,999号、同第5,789,461号、同第5,849,811号、同第5,965,631号、同第6,367,929号、同第6,822,016号、同第6,867,245号、同第6,943,203号、同第7,247,692号、同第7,249,848号、同第7,553,880号、同第7,666,921号、同第7,786,185号、同第7,956,131号、同第8,022,158号、同第8,273,802号、同第8,399,538号、同第8,470,906号、同第8,450,387号、同第8,487,058号、同第8,507,577号、同第8,637,621号、同第8,703,891号、同第8,937,110号、同第8,937,111号、同第8,940,812号、同第9,056,878号、同第9,057,821号、同第9,125,808号、同第9,140,825号、同第9156,934号、同第9,170,349号、同第9,244,196号、同第9,244,197号、同第9,260,544号、同第9,297,928号、同第9,297,929号、並びに国際公開第03/22321号、同第2008/061992号、及び米国特許出願公開第2010/0048847号で調製されるようなシリコーンヒドロゲルが挙げられる。これらの特許は、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。シリコンヒドロゲルは、従来のコンタクトレンズよりも高い形状記憶を有することができる。
【0023】
ヒドロゲルレンズは、粘弾性材料である。コンタクトレンズは、レンズがケース又はケース内の任意の気泡のいずれかと相互作用する場合、光学的歪みを形成することがある。光学的歪みの程度、及び歪みが緩和するのに必要な時間の長さは、化学的性質に応じて変化し、かつレンズの幾何学的形状に応じてより低い程度まで変化する。エタフィルコンA又はポリマコンのようなポリヒドロキシエチルメタクリレート系レンズなどの従来のレンズ材料は、シリコーンヒドロゲルと比較して低損失弾性率及びタンデルタを有し、パッケージとの接触の結果として、より少なく、かつより重大でない光学的歪みを形成することができる。(一般にバルク弾性応答を増加させる)シリコーンの組み込み、(一般に粘性応答を増加させる)PVPなどの湿潤剤、又は(レンズ界面での弾性応答を低下させ得る)プラズマコーティングもしくは従来のヒドロゲル材料などのコーティングは、レンズの粘弾性特性を変化させることができる。短い又は剛性のある架橋剤及びもしくは硬化剤を有する従来のヒドロゲルコンタクトレンズ及びシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、短い形状記憶を有し、保管中の変形の影響をより受けにくいことがある。本明細書で使用されるとき、形状記憶性が高いか又はより高いヒドロゲルは、気泡又はケースとの接触から、55℃で5週間の加速エージング後に、少なくとも約0.18の光学的歪みを示す。損失弾性率及びタンデルタを含む粘弾性特性は、動的機械分析を使用して測定することができる。
【0024】
コンタクトレンズは、任意の幾何学的形状又はパワーのものであってもよく、概ね半球形状を有し、使用時に眼に対して静止する凹状後側面と、眼から離れる方向に向き、かつまばたき中に眼瞼と接触する凸状前側面と、を有する。
【0025】
レンズの中心は、レンズ光学ゾーンの中心である。光学ゾーンは、光学的矯正を提供し、約7mm~約10mmの直径を有し得る。レンズ光学ゾーンは、視力矯正を提供する。レンズ周辺又はレンズ縁部は、前側面及び後側面が交わる縁部である。
【0026】
湿潤レンズは、コンタクトレンズ、及びレンズ溶液の排出後にそれに付着した任意の残留溶液である。湿潤接触は、湿潤レンズとレンズ支持体との間の総計した接触面積である。
【0027】
コンタクトレンズケースは、可逆的に封止可能なチャンバによって囲まれたレンズ支持体を含む。チャンバは、任意の便利な形態を有することができ、1つ以上の区画又は基部セグメントを有することができる基部と、レンズ支持体と、少なくとも1つの蓋とを含むことができ、これらのそれぞれについて以下で詳細に説明する。本明細書で使用されるとき、「蓋(the lid)」、「蓋(a lid)」、「基部(the base)」、及び「基部(a base)」という語句は、単数形及び複数形の両方を包含する。蓋及びケース基部は、互いに封止されて、洗浄及び保管中にコンタクトレンズ、支持体、及びレンズ溶液を保持する水密キャビティを形成する。コンタクトレンズケースは、コンタクトレンズ及び溶液と適合性があり、更に生物学的に不活性な材料から作製されている。
【0028】
レンズ洗浄又は多目的溶液(「レンズ溶液」)は、選択されたレンズ材料及びケースに適合する任意の生理学的溶液である。レンズ溶液は、緩衝生理食塩水溶液などの生理的pHを有する緩衝溶液を含む。レンズ溶液は、緩衝液、pH及び弾力性調整剤、潤滑剤、湿潤剤、栄養補助食品、医薬品、ケースコーティング成分などを含む既知の成分を含有することができる。
【0029】
ケース基部は、ケースの底部を形成する。それは、プラスチックを含む、医療デバイスを包装するのに好適な任意の材料から作製することができる。レンズ支持体の底部は、ケースキャビティ内に面する基部表面上に配置され、基部表面によって支持される。レンズ支持体は、基部と一体であってもよい。レンズ支持体は、ケース基部の内表面上に載置されてもよく、ケース基部の内表面は、水平であってもよいが、基部の底部が水平であるときにレンズ支持体及びレンズを傾斜位置に維持するように傾斜していてもよい。基部がある角度で配置される場合、角度は、好ましくは、水平に対する少なくとも約15°、少なくとも約20°、約20°~約80°、約20°~約60°、又は約20°~約40°である。
【0030】
蓋は、ケースの最上部構造体を形成し、基部に封着して、レンズ支持体、レンズ、レンズ溶液、及び任意の他の組み込まれた機構を含むキャビティを形成する。蓋は、箔もしくはプラスチックの平坦な又は成形されたシート、積層フィルム、又はプラスチックを含む、医療デバイスを包装するのに好適な任意の材料から作製することができる。一方の構造体のためのプラスチック及び他方として箔もしくは積層フィルムを含むケース、又は蓋及び基部としてプラスチックを含むケースは、当該技術分野で既知であり、好適な組み合わせの例である。
【0031】
レンズ支持体及び移送
レンズ支持体は、保管中にレンズを所望の(基部に対してボウルを下にした)凸向き及び(支持体上に中心のある)位置に保持する。レンズ支持体は、開封時にレンズ溶液が支持体との間に水を閉じ込めることなくレンズ及び支持体から排出されることを可能にするために、レンズボウルの下に開放構造を提供すると共に、レンズが支持体上に陥没したり、支持体から離れて回転したり、支持体を横切って平行移動したりすることを防止するのに十分な数のレンズとの接触点を提供するように設計されている。これにより、支持体とレンズとの間の接触面積を制限しながら、レンズの頂点をレンズ自身の弾性剛性によって支持するか、又はレンズ頂点の沈みを最小限に抑えることができる。溶液排出後の支持体とレンズとの間の接触及び支持体とレンズとの間に閉じ込められた水が過度に多いことにより、着用者の指とレンズとの間の表面張力よりも大きい、レンズ支持体上及びレンズ支持体の周囲のレンズと水との間の表面張力を生成して、効率的なレンズ移送を妨げる可能性がある。ケースが開封され、かつレンズ及びレンズ支持体から溶液が排出されたときのレンズとレンズ支持体との間の接触の和は、総接触面積であり、これは、約20mm未満、18mm未満、又は15mm未満であってもよく、本明細書に記載されるように、少なくともレンズ周辺の周りに分布している。
【0032】
より長い形状記憶を有するポリマーから作製されたレンズについて、レンズ支持体は、保管中のレンズと支持体との間の接触を制限するように設計することができる。そのような接触は、レンズ周縁部の周りに分布させることができる。レンズ光学ゾーン、レンズ支持体、及び蓋内部(任意の空気入口ガイドを含む)間の接触は、一時的であってもよく、又は光学ゾーンと支持体、蓋、もしくは空気入口ガイドとの間に接触がなくてもよい。より短い形状記憶を有する従来のヒドロゲルなどのレンズは、パッケージ接触から歪む傾向がより低く、レンズ中心ゾーン(約9mm、又は約5mmの直径)を含む、周辺の周り及びレンズプロファイル全体にわたって分布した接触点を有することができる。
【0033】
本発明のレンズ支持体は、ダビング中の過剰に大きな圧力から取り出し中にレンズ反転又はレンズへの損傷を引き起こすことなく、ダビング時に、指先及びレンズの両方が互いの形状に一致するように変形することを可能にする。したがって、本ケースからのレンズの取り出しの態様は、指とレンズとの間の接触面積がレンズ下側のレンズ支持体の接触表面積を上回るように、レンズとレンズ支持体との間の面積と比較して、指とレンズとの間の接触面積の比率を制御することである。これにより、指とレンズとの間の表面張力がレンズとレンズ支持体との間の表面張力を上回ることを確実にする。したがって、レンズは、レンズ移送及び眼上への配置のために、指に付着する。
【0034】
図1A図1Pは、本発明に有用なレンズ支持体の例を示す。これらのレンズ支持体の各々は、本明細書に記載されるいずれの場合にも有用であり得る。レンズ支持体は、レンズを指に付着させることができるように、レンズ移送中にレンズに軽い抵抗力を提供することができる。図1A図1Pに示すように、レンズ支持体は、様々な構成で設計することができる。本明細書に示す構成は例示的な例であることを理解されたい。図示されていない構成、又は図示された例示的な構成の態様を組み合わせた構成は、本開示の残りの部分を考慮すれば当業者には明らかであるように、添付の特許請求の範囲内で可能である。
【0035】
レンズ支持体は、周辺支持体105に沿ってコンタクトレンズ縁部との少なくとも2、少なくとも3、少なくとも3、3~14、4~14、3~8又は4~8、4~6又は6個の接触点を提供する。2つの周辺支持体が使用される場合、それらは、一貫したレンズ移送に望ましい接触面積を上回ることなく、安定性を提供するようにより広くてもよい。周辺接触点は、レンズがレンズから外れて回転するのを防止し、最も遠い隣接する接触間の空間がレンズの直径よりも小さい限り、多数の構成で分布することができる。接触点が3つの場合、実施例16に示すように、接点を鋭角の三角形に配置してもよい。周辺支持体の全て(図1B図1C図1H図1K及び図1L)又はほとんど(図1M図1O)が、レンズ周辺の周りに均等に分布していてもよい。周辺支持体の数が増加するにつれて、レンズ溶液の排出が増加し、隣接する周辺支持体との間にレンズ溶液膜が残り、支持体とレンズとの間に溶液ブリッジが形成される可能性が高まることがある。スクリーン又はストレーナの形態のものなどの、50%未満の開放空間を有する周辺支持体は、一般に、ワンタッチ移送を保証するのに不十分な排出を提供する。凸状ドームの形状の支持体は、リブで形成されていようと、中実ドームで形成されていようと、穿孔されたドームで形成されていようと、一般にレンズとの接触面積が大きすぎ、排液が一貫しない。
【0036】
図1Gは、レンズ支持体の中心で接合し、支持されていない遠位端まで外向きに延びる6つの平坦な周辺支持体105を含むレンズ支持体を示している。チャネル部材115は、レンズ溶液の排出を容易にするのを助けるために使用することができる一構造体であり、以下で詳細に説明する。
【0037】
周辺支持体105は、ケースが開かれたときにレンズからレンズ溶液を排出するための経路を提供する。レンズ溶液の排出を容易にするために、周辺支持体はレンズ縁部に対して概ね横断方向であり、これはレンズが支持体に巻き付くのを防止するのに役立ち、直線状であり、コンタクトレンズ周縁部を越えて外側に少なくとも1mmの距離まで延在することができる。周辺支持体の遠位端がレンズ縁部を越えて2mm未満しか延在しないと、レンズ溶液がレンズの下に望ましくなく閉じ込められ、効果的なレンズ移送を妨げる可能性がある。中央周辺端部(図1Dの周辺支持体105の「V」ノッチなど)は、中央支持体に接続されていない場合、図1Dの例示的な構成で示すように、レンズとの接触点から支持体の中心に向かって、少なくとも約3mm延在することができる。周辺支持体がレンズ接触点からレンズに向かって3mm未満しか延在しない場合、レンズは周辺支持体から滑り落ちる可能性がある。
【0038】
周辺支持体105は、支持体の中心の周りに放射状に配置されてもよい。それらは、図1Gに示すように互いに取り付けられてもよく、又は図1A及び図1Bに示すようにレンズ支持体アームの末端部としてエルボ104で取り付けられてもよい。周辺支持体105は、図1C及び図1Dに示すように、少なくとも部分的な周リング109から内向きに延在してもよい。また、周辺支持体105は、図1Eに示すような中央円柱又は円筒107、あるいは前述の任意の組み合わせに接続されてもよい。周辺支持体は、内向きに延在している場合、単一の中心点(図1G)、円柱、又は円筒107(図1E)で交わってもよく、図1Dに示すように、隣接する周辺支持体と接触して開いた中心を形成してもよい。代替的に又は追加的に、周辺支持体105のうちの1つ以上が、少なくとも部分的な周リング上のそれらの遠位端から、レンズの周囲の内側の支持されていない近位端まで、又は図1Cに示すように周リング上の別の点まで内向きに延在してもよい。周辺支持体は、図1B図1Gのように平坦であってもよく、又は図1Aのように傾斜していてもよい。傾斜している場合、その角度は、水平から0°~約30°、又は0°~約15°であってもよく、支持体の中心に向かって傾斜していても、周辺支持体の遠位端に向かって傾斜していてもよい。
【0039】
隣接する周辺支持体105の遠位端は、図1B及び図1Dに示すような部分的な周リング109又は図1Cに示すような完全なリング109を形成する末端横材を介して互いに接続されてもよい。例えば、図1Dは、レンズ支持体の中心の周りに放射状に配置された、開いた6本のアームのアスタリスク形状の平坦な周辺支持体105を有する部分的な周リング109を含むレンズ支持体を示している。レンズケースは数週間又は数ヶ月にわたって繰り返し使用されるので、より堅牢なレンズ支持体が好ましい場合がある。全周リング、周縁円柱を有するレンズ支持体、又は基部に一体成形されたレンズ支持体が好ましい場合がある。そのような支持体の例を、図1H図1K図1Rに示す。
【0040】
完全な周リング又は部分的な周リングが含まれる場合、リングは、レンズ及びレンズ支持体からのレンズ溶液の排出を容易にするために、コンタクトレンズよりも少なくとも4mm大きい直径(全てのコンタクトレンズ縁部から少なくとも2mm)を有し得る。図1Dの部分的な周リングなどの複雑な形状を有する部分的な周リングの場合、少なくとも部分的な周リングの直径は、レンズ支持体の中心付近に中心を有してもよく、対向する部分的な周リングセクション109にわたって測定される。約16~約25mm、約18~約25mm又は約18~約24mmの周リング直径が、市販のコンタクトレンズに適している。
【0041】
周リングは、含まれている場合には、保管中は基部上に載置されてもよく、基部に固定して取り付けられてもよく、あるいは、図1K及び図1Pに示すような脚柱110、隆起した基部フィンセクション(図1H)、周リングを基部から隆起した状態に維持する、図1Qに示すような中央円柱又は円筒107などの垂直支持体147に取り付けられてもよい。垂直支持体は、水平に配置されたレンズ支持体の場合は約4~約5mm、あるいは、図1Hに示す傾斜レンズ支持体など、ケースが閉じると傾斜するレンズ支持体の場合は、約2~約5mm、約2.5~約5mm、又は約3~約4mm、基部から延在してもよい。垂直支持体は、含まれている場合には、同じ長さであってもよく、又はレンズを水平に対するある角度に維持するために異なる長さであってもよい。垂直支持体の高さの上限は、垂直支持体の長さを増加させると、ケース全体の高さ及び必要な溶液の量が増加するため、ケースの所望のサイズによって制限される。周リングはまた、基部からレンズ支持体を持ち上げやすくしてレンズからのレンズ溶液の排出を助けるために、以下に説明するレバー又は延在チャネル部材等の持ち上げ構造体又は枢動構造体に取り付けられてもよい。
【0042】
ケース基部はまた、周辺支持体105(図1Hの例示的な実施形態では隆起フィンの一部として示されている)が互いに水平であるが、基部床120及びレンズ支持体136がある角度で配置されるように設計されてもよい(図1H)。レンズ支持体は、別個の構造体であってもよく、又は図1Hに示すように基部の一部であってもよい。
【0043】
レンズ支持体は、レンズがレンズ支持体を横切って水平方向に平行移動するのを防止するための、特にケース内で、又は開封及び取り出しの際にある角度で配置される支持体のための、少なくとも1つの位置決め構造体(図示せず)を更に含んでもよい。これらの位置決め構造体は、レンズ周辺の外側の周辺支持体に沿った切欠き、突起又は止め具、(以下に説明する)開いた中央支持体、レンズ表面がレンズの中央ゾーン(直径約5mm、約6mm、又は約7mm)の外側に位置するなど、より急に傾斜している場合のレンズ周辺付近のレンズ内側の位置決めピン又はタブ、あるいはそれらの組み合わせを含む。
【0044】
図1E図1J、及び図1Hに示すように、レンズ支持体は、更なる抵抗や排液路を提供するため、及び/又はレンズ移送中に指とレンズとの間の接触面積を増加させるために、開放構造の中央支持体を更に含んでもよい。中央支持体のプロファイルは、輸送中及び保管中は、レンズを好ましくは支持体上の中心の凸位置に極力接触せずに維持し、排液後及びユーザの指による接触の前は所望のレンズ接触領域を提供するように設計することができる。中央支持体は、例えば、実質的に平坦な上部を有することによって、レンズ支持体とレンズとの間にギャップが形成され、レンズの上部が指及び指の腹によって平たく変形されて、表面積に所望の偏りが形成されるように構成されてもよい。中央支持体は、存在する場合には平坦であってもよく、又はわずかに凹状であってもよく、排液時にレンズ頂点と中央支持体の上部とを(レンズ頂点と支持体との間の接触を最小限に抑えるために)少なくとも0.5mm離間させ、レンズとレンズ支持体の残りの部分(「実質的に平坦な上部」又は「平坦な上部」)との間の接触面積よりも大きいレンズ-指接触面積を提供することが好ましい。中央支持体は、わずかに湾曲している場合には、少なくとも約10mm、又は少なくとも約6mmの曲率半径を有するわずかに凹状の湾曲、あるいは、これらほど望ましくないが、約10mm以上のわずかに凸状の湾曲を有してもよい。レンズ移送まで中央支持体がレンズ光学ゾーンに接触しないように中央支持体を設計することが望ましくてもよい。
【0045】
中央支持体の上部は、約1mm~約10mm、約3mm~約9mm、約5~約9mm、又は約6~約9mmの直径を有してもよい。直径が約5mm未満の平坦な上部領域を有する中央支持体では、追加の位置決め構造体が望ましくてもよい。中央支持体上部は、図1A図1Fに示すように、レンズ周辺に平行に配向されて円柱を形成してもよい。中央支持体上部はまた、ユーザがレンズの頂点を押し下げてレンズ移送を開始する際に、指に対する抵抗を提供する。
【0046】
中央支持体は、複数のアームから形成されてもよい。アームは、平坦な上部セクション101を形成し、図1Jに示すような、基部から上方に延在する1つ以上の円柱108、図1A図1B図1C図1E図1Fに示すような少なくとも1つの周辺支持体105、図1Dに示すような少なくとも1つのアーム、又は、図1Hに示すようなフィンの形態の垂直支持体110、又は図1Kに示すような開いた支持体110によって支持されてもよい。アームが平坦な上部を越えて延在する場合、アームは、任意選択の側部セクション103、平坦な上部セクション101と任意選択の側部セクション103とを接続するショルダ遷移部102、周辺支持体105、任意選択の側部セクション103と周辺支持体105とを接続する任意選択のエルボ遷移部104を含むことができる。アームの平坦な上部セクションは、図1A及び図1Bに示すような点106、図1iのような円柱108、リングで中央に接続されてもよく、図1Eに示すような開いた完全な又は部分的な円筒107に接続されてもよく、あるいは、アームが、実質的に平坦な上部101(図1H)の中央に空隙106aを有する中実フィンとしてケース基部に接続されてもよい。アームはまた、図1Kに示すように、レンズ支持体の底部に取り付けられてもよく、レンズ支持体は、湾曲した側部セクション103を有する6つのアームと、アームの上向きの端部によって形成される平坦な上部セクション101とを有する。周辺支持体105の遠位端はまた、図1K及び図1Pに示すように、基部からの個々の支持体に接続されてもよく、図1Qにおけるように中空の円柱に接続されてもよく、又は図1L及び図1Rにおけるように基部に直接に接続されてもよい。
【0047】
図1H及び図1Mに示すように、フィン、基部、又はその両方は、使用されるパッケージ材料の量を最小限に抑えるために中空であってもよい。中空又は中実のフィンもレンズ溶液を変位させ、必要な溶液量を減少させる。アームは、支持構造体の中心の周りに放射状に分散されてもよい。
【0048】
平坦な上部セクションはまた、図1A図1O、及び図1Nに示すように、平坦な上部セクションの中心にある任意の中央フィレット106aを含んでもよい。中央フィレットは、それぞれ、図1N及び図1Aなどのように、中央円柱の有無にかかわらず、レンズ支持体に含まれてもよい。中央フィレットは、含まれる場合、その最長寸法にわたって約0.1~約3mm、約0.1~約2mm、又は1.5mm未満の幅を有することができる。中央フィレットは、滑らかな又は波形の縁を有する円、三角形又は四角形を含む任意の形状を有することができる。三角形又は四角形の点は、アーム上に位置してもよく、アームからオフセットされてもよく、丸みを帯びていても尖っていてもよい。
【0049】
開封時に、コンタクトレンズ周辺は、周辺支持体105上に載置され、レンズは更に、中央支持体上又は、例えばショルダ遷移部102などの中央支持体の一部の上に載置されてもよい。側部セクション103は、レンズ移送時に所望の接触面積差が達成されるように、パッケージ開封時及び排液時にコンタクトレンズとの最小限の接触を提供し、好ましくはコンタクトレンズと接触しない任意の形状を有してもよい。側部セクションは、図1B図1Fに示すように、直線状(非湾曲)であってもよい。レンズはまた、平坦な上部セクション101が中央円柱108によって支持される図1Jに示すように、側部支持体を有さなくてもよい。溶液が排出されるのに伴い、レンズが中央支持体に向かって陥没する場合がある。中央支持体(存在する場合)を含む、本発明の周辺支持体の構成及びレンズ支持体のプロファイルは、レンズ移送中にレンズが中央支持体に付着せずにその形状を回復できるように、レンズプロファイルと実質的に一致せず、排液中のレンズの変形やレンズ支持体との相互作用を防止する。好ましくは、レンズプロファイルと実質的に一致しないレンズ支持体プロファイルは、レンズと側部支持体(存在する場合)との間に、少なくとも垂直から約10°以下の外向きの角度を有する直線状の傾斜した側部セクションによって提供されるクリアランスを提供する中央支持体プロファイルを含み、側部セクションを有さない中央支持体、又は側部セクションに凹状の湾曲部を含む。より高い弾性率を有するレンズ(シリコーンヒドロゲルなど)は、変形がより少なくてもよく、不一致がより少ない中央支持体を必要とし得ることが理解されるであろう。
【0050】
平坦な上部セクション(含まれる場合)の高さは、レンズと周辺支持体との間の接触点からショルダの上部まで測定され、コンタクトレンズのサジタルデプス及び曲率に応じて変化し得る。効果的な移送のために、変形されていないコンタクトレンズ頂点から少なくとも約0.5mm、約0.5~約2mm、0.5~約1.5mm、又は約0.8~約1mmの撓みが望ましくてもよい。3.8mmのサジタルデプスを有するコンタクトレンズの場合、高さ約2mm~約3.3mm、約2.5~3.3mm、又は約3~約3.5mmの平坦な上部を使用してもよい。円柱の高さが約2mm未満であると、レンズ溶液が支持体基部内に閉じ込められ、レンズの中央での変形及び陥没が助長される可能性がある。これらの高さは、レンズの頂点から、存在する場合には平坦な上部の頂部まで測定されるか、又は基部から測定されるかにかかわらず、指とレンズとの間の所望の接触面積を提供し、レンズを反転させることのない一貫したレンズ移送を提供する。
【0051】
特に排液後に中立形状を有するレンズの場合は、中央円柱を除去し、中央に空隙を残すことによって、所望のレンズ移送を提供することができる。空隙の直径は、約5mm~レンズ直径であってもよい(これは、図1F及び図1Mのように、周辺支持体のみを有する支持体を提供する)。空隙は、レンズの基部まで空であっても、又はレンズの基部より下まで空であってもよい。空隙は、適切な排液を提供するために、全体にわたって少なくとも5mmであることが望ましい。
【0052】
空隙の下のいかなる構造体も、レンズ溶液の排出を妨げないように表面積が小さいことが好ましい。例えば、レンズの基部まで延在する空隙の場合、基部における空隙の面積の少なくとも約50%が空である。レンズの基部の下に延在する空隙は、それらの構造体が基部の上に突出しない限り、より大きい表面積を有する構造体を有してもよい。
【0053】
アームの長さはまた、アームが平坦な上部領域内のどこの何に取り付けられるか、及びアームが周辺支持体を有するかどうかに応じて様々であってもよい。図1Aに示すような中央支持体に取り付けられたアームは、ショルダから中心点までの長さが約1.5~約4.5mm、約2.5~約4.5mm、又は約3~約4.5mmであってもよい。アーム側部セクション(存在する場合)の長さは、レンズ支持体の高さによって決定され、約1.5~約4.5mm、約1.5~約3.5mm、又は約2~約3.5mmであってもよい。
【0054】
側部セクションは、基部に対して垂直であってもよく、又は所望の接触面積を超えないように、レンズの曲率未満である任意の角度103a(図1A)もしくは曲線を有してもよい。好適な角度には、垂直から外向きに最大約15°、又は約1°~約10°が含まれる。
【0055】
側部セクションと周辺支持体(アームに接続されている場合)との間のエルボ遷移部における角度103bは、約60°~約120°、又は約80°~約100°であってもよい。
【0056】
アームの数及び形状もまた、開封時のレンズ溶液の効率的な排出とレンズとの接触面積との所望のバランスを提供する限り、様々であってもよい。本発明のケースは、中央支持体を形成する1本以上、3~8本、又は3~6本のアームを有してもよく、これらのアームは、レンズと指との間の所望の接触面積、及び指の接触に対する平坦な上部に沿った抵抗を提供するが、任意の側部セクション及びショルダ遷移部ではコンタクトレンズとの一時的な接触のみを提供するように設計されてもよい。ショルダ遷移部は、支持体の中心の周りに放射状に配置されてもよい。ショルダ遷移部は、中心からほぼ等しい角度で離間していてもよい。アームは、図1Aに示すように平坦であってもよく、又は例えばU字形(図示せず)に湾曲していてもよく、又は例えば図1Bに示す直線状もしくは湾曲した「Y」字形101b、U字形もしくはT字形に分岐していてもよい。アームは、図1Bに示すように平坦な上部領域内で、又は図1Cに示すように周辺支持体105cで分岐していてもよい。支持体は、平坦なアームのみ、分岐したアームのみ、あるいは例えば、図1Cに示すような2本の分岐したアーム及び2本の直線アームなどの平坦なアームと分岐したアームとの組み合わせ、図1bに示すような3本の分岐したアーム、又は図1Aに示すような平坦なアームのみを有してもよい。好適なアーム構成の例としては、3~8本又は3~6本の平坦なアーム、3個の直線状の又は湾曲したY字形のアーム、2~4本の平坦なアーム及び2本の分岐した(直線状の又は湾曲したY字形、U字形又はT字形であってもよい)アーム、並びに2本の平坦なアーム及び2本の分岐した(直線状の又は湾曲したY字形、U字形又はT字形であってもよい)アームが挙げられる。アーム構成は、アーム平面に沿って配置されたショルダ及び周辺支持体接触点(図1A)、又は互いからオフセットされたショルダ及び周辺支持体接触点(図1C)を提供してもよい。
【0057】
各アームは、排液中にレンズが陥没したり、レンズ移送中にレンズとレンズ支持体とが過剰に接触したりすることを防止するための抵抗を有するレンズ支持体を提供するのに十分な断面を有する。レンズ支持体は、好ましくは、剛性材料から形成され、アームの抵抗は、選択されたレンズ支持体材料の弾性率及びアームの寸法によって制御されてもよい。ポリプロピレンホモポリマー及びコポリマー、環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィンコポリマー(COC)、及びそれらの混合物などの、小さな部品を射出成形するのに適した硬質プラスチックは、適切な材料である。含まれる添加剤パッケージに応じて、ポリプロピレンホモ及びコポリマーは一般に1100~1800MPaの範囲の曲げ弾性率を有し、COP及びCOCは1800~2900MPaの範囲の曲げ弾性率を有し、ポリプロピレンとCOP又はCOCとのブレンドは1100~2900MPaの範囲の曲げ弾性率を有し得る。ポリプロピレンは、有核、制御されたレオロジー、又はその両方であってもよく、チーグラー・ナッタ及びメタロセン触媒ポリプロピレンの両方が使用されてもよい。ポリプロピレンポリマーはまた、グリセロールモノステアレート、ステアリン酸亜鉛及びステアリン酸カルシウムなどの加工助剤、ポリプロピレンの特性を改変することができる充填剤などを含む添加剤を含んでもよい。レンズケースでの使用に適したポリプロピレンの一例は、Boremed HF840であり、これは、スリップ剤、19g/10分のメルトフローインデックス及び1,250MPaの曲げ弾性率を有するポリプロピレンホモポリマーである。
【0058】
この説明全体を通して、従来の射出成形プロセス及び従来から射出成形に適用されている材料の使用に対する言及は、例示として理解されるべきである。当業者は、代替成形プロセス、熱成形、3D印刷などを含むがこれらに限定されない、他の製造手段が添付の特許請求の範囲の範囲内で可能であることを理解するであろう。
【0059】
アームの幅は、選択された成形プロセスの限界及び、開封時の効率的なレンズ溶液の排出のために必要な幅に応じて様々であってもよい。
【0060】
好適なアーム幅は、約0.5~約1.5mm、約0.5~約1、又は約0.5~約0.7mmを含み、より少ない接触点を有するレンズ支持体設計は、より太いアームを有することができることが理解されよう。
【0061】
アームの高さは、射出成形プロセスの限界から、アームが図1E及び図1Hに示すようなフィンである場合の基部からのアームの高さまで様々であってもよく、フィンは、基部に取り付けられてもよく、基部の一部として成形されてもよく、又は基部上に載置されてもよい。アームは、フィンでない場合には、0.5~約1.5mm、約0.5~約1mm、又は約0.5~約0.7mmの高さを有することができる。より低い弾性率を有する材料は、高さ、幅のいずれか、又は両方においてより大きなプロファイルを有するアームから利益を得ることができることが理解されるであろう。
【0062】
レンズ支持体に適した材料はまた、浸出せず、様々なレンズ洗浄及びケア溶液に適合し、生物医学装置での使用に適し、安価でなければならない。好ましくは、材料はリサイクル可能でもある。レンズ支持体材料は光学的に透明であってもよいが、透明である必要はない。レンズ支持体材料は、レンズ溶液の排出を促進するために非極性であってもよい。非極性材料は、25℃で脱イオン水を使用する液滴法によって90°より大きい接触角を有する材料である。
【0063】
図から分かるように、本発明のレンズ支持体は、様々なアーム及び周辺支持体の構成及び機構を有することができ、図に示され、本明細書で説明される特定の組み合わせに限定されない。
【0064】
アーム構成の更なる組み合わせは、本出願の教示を参照すれば当業者には明らかであろう。アームの設計上の唯一の制限は、レンズ支持体を成形する能力、並びにレンズ支持と開封時の所望の排液とのバランスをとるための接触点の数及び向きである。
【0065】
レンズ溶液排出
本発明のケースは、レンズ支持体がレンズ溶液をレンズ及びレンズ支持体から排出させることを可能にする追加の機構を有してもよい。追加の排液機構は、レンズ溶液のための排液路を提供する。排液路は、開封時に、隣接する周辺支持体などの2つの中実部材の間に形成される傾斜した流体膜、中央円柱と側部セクションなどの2つの中実部材の間に形成されるほぼ垂直な流体膜、又は側部セクションもしくは周辺円柱壁などの滑らかな中実表面に沿った急勾配のもしくはほぼ垂直な経路を形成する。排液路の角度が浅いほど、流路が遮断されやすくなり、リザーバ及び残留膜を含む、レンズとレンズ支持体との間に閉じ込められたレンズ溶液の形成が促進される。10°~約90°の角度を有する傾斜した排液路が好適である。鋭い縁部及び非常に長い経路を有するレンズ支持体及び排液機構もまた、排液路を遮断する場合がある。
【0066】
上記で説明し、図1K図1L、及び図1P図1Rに示すような、一体的に傾斜した、隆起した、又は隆起しかつ傾斜したレンズ支持体が、所望の排液を提供してもよい。レンズ支持体はまた、基部上に水平に配置されてもよく、後述するように、持ち上げ構造体を含んでもよい。排液チャネルは、存在する場合には、持ち上げ構造体と協働して、レンズから流出するレンズ溶液の一時的な膜と、その膜を排出するために重力と協働する経路とを生成する。このようにして、排液チャネルは、ケースが開かれ、レンズ支持体がレンズ溶液から持ち上げられるか又は傾けられたときに、レンズの背面とレンズ支持構造体との間のレンズ溶液の滞留を最小限に抑えるのに役立つ。排液チャネルは、周リングの弧、少なくとも部分的な周リング、又は細長くない周辺支持体の遠位端によって形成される弧から外向きに延在する少なくとも1つのチャネル部材を含む。排液チャネルは、2つの隣接する部材間のギャップ、又は単一の部材が使用される場合には、単一の部材内の割れ目を含む。全周リングのないレンズ支持体の場合、排液チャネルギャップは、レンズ周辺の内側の任意の点で開始してもよい。図1C図1I、及び図1M図1Oに示すような全周リングを有する支持体の場合、排液チャネルギャップは、図1Cに示すように周リングの内縁で開始してもよく、又はレンズ周辺の内側の任意の点で開始してもよい。排液チャネルは、周リング又は、周リングが含まれない場合にはレンズ周辺を越えて、少なくとも2mm、約2~約4mm、又は約2.5~約3.5mmの長さで延在することができる。排液チャネルギャップは、コンタクトレンズの周辺の外側に空気流のための空間を提供し、開封時にレンズをレンズ支持体上に吸引することなくレンズの凹面から空気及びレンズ溶液を排出できるようにする。したがって、図1Eでは、ギャップ111のうちのレンズ周辺の内側にある部分は、排液には実質的に関与しない。
【0067】
排液チャネルの長さの上限は、パッケージ及び、含まれる場合には持ち上げ構造体の最終的なサイズによって規定される。
【0068】
図1Bを参照すると、排液チャネル部材115は、隣接する周辺支持体セクション105を少なくとも部分的な周リング109の弧を越えて延在させ、排液チャネル部材115の間にギャップ又は開放チャネル111を形成するように横材114を介して遠位端を接合することによって形成されてもよい。チャネル部材115は、図1Cに示すように、少なくとも部分的な周リング109に取り付けられ、それと同一平面であってもよい。図1Dに示すように、排液チャネル113はまた、レンズ縁部の内側の点112から少なくとも部分的な周リングの弧を越える点までリング支持構造体105を延在させることによって形成され、横材114によって遠位端で接合されてもよい。排液チャネルはまた、図1Fに示すようにアームがフィンである場合には、フィンの底部を含む任意の点でチャネル部材115をアームに取り付けることによって形成されてもよい。排液チャネルはまた、図1Cに示すように、平坦なアームがそこから延在する周リング内に、周リングと排液スロット113とが鍵穴形状を形成するようにギャップを設けることによって形成されてもよい。周リング/部分的な周リングは、存在する場合には、細長いアームに接続されていてもよい。
【0069】
排液チャネル部材115は、図1C図1Gに示すように直線状であってもよく、図1Bに示すように湾曲していてもよく、周リングの弧でフレア状に広がり、弧から遠位端に向かってテーパ状になっていてもよく、少なくとも部分的な周リングから排液チャネルの遠位端に向かってテーパ状になっていてもよい。テーパは、直線状であっても曲線状であってもよい。排液チャネルがテーパ状である場合、チャネルは横材114に向かってテーパ状である。排液チャネルは、幅が約0.8~約3mmであってもよく、テーパ状である場合の遠位端又は横材での幅が約1mm又は約0.8mmであってもよい。
【0070】
本開示の残りの部分を考慮すれば当業者には明らかであるように、図示されていない他の排液チャネル構成、又は図示された例示的な構成の態様を組み合わせた排液チャネル構成が可能であり、添付の特許請求の範囲内である。更に、いくつかの実施形態では、排液チャネルは完全に省略されてもよい。例えば、図1Hに示すように、レンズ支持体が基部の底部に対して固定的に傾斜している場合、排液チャネルは不要であり、レンズ支持体の角度は、ケースを開いたときに所望の排液を提供する。
【0071】
レンズの呈示
本発明のケースはまた、レンズ支持体をレンズ溶液から持ち上げるための持ち上げ構造体を備えてもよい。持ち上げ構造体は、レンズ支持体を上に傾けること、基部を下に傾けること、レンズ支持体を基部から上に持ち上げること、基部を下に下げること、又はそれらの任意の組み合わせなどを含む任意の適切な手段によって、レンズ支持体及びレンズを基部及びレンズ溶液から呈示することができる。
【0072】
排液チャネルは、ケースの他の機構と協働して、持ち上げ部材として機能してもよく、又は持ち上げ部材は、ばね、ヒンジ、レバー、ピボットアーム、折り目、機械的トラップ、ハンドル、及びそれらの組み合わせなどの構造を含んでもよい。持ち上げ部材は、レンズ支持体の底部に沿って配置された構造体から外側に延びる、排液チャネルの一部を形成することができる剛性の細長い部材を含んでもよい。例えば、図2Aに示すように、細長い排液チャネル215を有するレンズ支持体が、レンズ支持体236と蓋235との間に可撓性アタッチメント245を含んでもよく、蓋開封タブ228の反対側に位置している。可撓性アタッチメントは、ヒンジ、可撓性の折り目、ピボットアーム、機械的トラップなどを含む、任意の好適な構造を有することができる。タブ228及び蓋235を引き上げる動作は、ケースを開くと共に、基部240からレンズ支持体236を持ち上げ、ユーザによる取り出しのためにレンズを呈示する。
【0073】
持ち上げ部材はまた、図2Bに示すように、蓋とレンズ支持体との間の関節式又は可撓性のストリップもしくはリング、あるいは基部及びレンズ支持体を、折り畳みアームの反対側の蓋及びレンズ支持体との間の可撓性アタッチメントと接続する折り畳みアームを含んでもよい。レンズ呈示が、レンズケースを開く際にレンズを基部及びレンズ溶液から上方に枢動させるレンズ部材を含む場合、持ち上げ部材は、レンズ支持体を水平に対する約15°~約80°、約20°~約70°、約30°~約60°、又は約40°~約60°の角度に枢動させる。
【0074】
持ち上げ部材を蓋、基部、又はレンズ支持体に取り付けるための任意の手段が使用されてもよく、接着剤、糊、熱、超音波、もしくはレーザ溶接を含むがこれらに限定されない任意の好適な溶接、又は機械的トラップを含む。持ち上げ部材はまた、蓋の一部として成形されてもよい。
【0075】
追加の持ち上げ機構が、単純なループ、タブ、又はハンドルを含み、持ち上げ機構としてのヒンジ245と置き換えることができる。ユーザは、蓋を開け、タブ又はハンドルを持ち上げることによってレンズ支持体を溶液から持ち上げることができる。
【0076】
他のヒンジ及びレバー構成は、米国特許第20140027462号、独国特許第4415003号、及び日本国特許第6339322号に開示されているものなどが当技術分野で知られている。代替的に、レンズ支持体側部セクションは、閉位置で蓋がレンズ支持体と係合して、レンズを圧縮することなくばね又は支持体を圧縮するように、変形可能であってもよく、ばね構造で置き換えられてもよく、又は、図2Cに示すように、ばね237が周辺支持体又は周リングの下に含まれてもよい。ケースが開かれると、ばねが弛緩し、レンズ支持体がレンズをレンズ溶液の上方に持ち上げる。この構成では、周辺支持体及び中央支持体上部セクション(存在する場合)は、レンズとレンズ支持体との接触を制限し、レンズ移送中に抵抗を提供するために、剛性材料から作製されている。ばねは、直線状であっても曲線状であってもよい可撓性アーム、コイルなどを含む任意の形態を有し得る。アームは、レンズ支持体の周リングの周りの蓋機構と相互作用して、ケースが閉じられたときにばねを圧縮してもよい。
【0077】
周辺支持体の下に組み込まれるいかなる変形可能な構造も、レンズ(周辺支持体及びリングを含む)に含まれる排液機構を損なわないように設計されるべきである。
【0078】
レンズを基部と平行に持ち上げる持ち上げ機構は、別個の排液チャネルを必要としなくてもよいことが理解されよう。
【0079】
レンズ溶液はまた、レンズケースのキャビティから少なくとも1つの変位部材を取り外すことによって、又はキャビティの底部付近の別個のシールを開くことによって、レンズから排出されてもよく、又はキャビティから注出されてもよい。変位部材は、基部又は蓋構造内に成形されてもよく、ケースが閉じられると、基部キャビティ内のレンズ溶液を変位させ、溶液レベルを上昇させ、レンズ支持体及びレンズを沈める。変位部材430が図4Aに示すように基部に成形されている場合には、(凹状の又はボウルを上にした)レンズ及び溶液を蓋の中に配置することができ、次いで、基部を蓋の上で閉じ、ケースを裏返してレンズ縁部を周辺支持体405上に載置する。変位部材はまた、図4B及び図4Cに示すように、プラグの形態であってもよい。プラグは、任意の構成を有し得る。レンズ溶液は、プラグが取り外されたときにケース基部内に排出されてもよく、又はケースが閉じられたときに変位部材によって遮断される別個のチャンバ内に排出されてもよい。例えば、図4Bは、プラグの形態の変位部材430を有する本発明のレンズケースを示す。レンズケースは、タブ428a及びタブ428bによって示される二段蓋を有する。保管及び洗浄のためにレンズをケース内に配置するために、タブ428bが持ち上げられ、レンズ溶液キャビティ及びレンズ支持体を含む上部基部チャンバ440aを露出させる。レンズ溶液がレンズ溶液キャビティに充填線まで加えられ、レンズは、レンズ周縁部が周辺支持体405上に載置された状態でレンズ支持体上に配置される。指からレンズ支持体への良好な移送を可能にするために、溶液を最初に加えることが好ましい。キャビティ内に溶液が存在しない場合、指とレンズとの間の表面積は、レンズとレンズ支持体との間の表面積よりも大きい。レンズ支持体にレンズを移す前にレンズ支持体を部分的に又は完全に沈めることで、レンズケースへの移送が容易になる。タブ428bは閉じられ、上部基部チャンバ440aとの水密シールを形成する。レンズをケースから取り出すには、タブ428aを持ち上げて上部基部チャンバ440aを上昇させ、これにより変位部材434を上昇させてプラグ穴431を露出させる。レンズ溶液は、プラグ穴431を通って、レンズ支持体と基部の底部との間の排液チャンバの形態のリザーバ419に排出される。この時点で、レンズ400は、着用者によってワンタッチでレンズ支持体から取り出されてもよい。基部の底部419は、溶液の除去及び洗浄を可能にするために、ヒンジ式の基部又はドア439などの任意の便利な手段を介して開く。
【0080】
基部自体はまた、図4Aのような「逆さまの」構成で、又は、レンズ支持体536の下に隆起した基部セクション548を含み、レンズ支持体536は隆起した基部セクション548の周囲の周りの摺動周辺円柱505に取り付けられている図5Cのケースのような構成で、レンズ及び溶液が蓋の中に装填される場合のような変位部材であってもよい。蓋535が基部540にねじ込まれると、蓋535の内側のスプライン549が摺動周辺円柱505の外側のレッジ551と係合して、摺動周辺円柱505及びレンズ支持体536をレンズ溶液の下に押す。空気入口ガイド527は、ボウル553を空気入口ガイド527の周縁部に接続する可撓性の楔552を含む。蓋535が基部540にねじ込まれると、可撓性の楔552が通気孔555を最後まで閉じないように開いた状態に保持するので、ボウル553と摺動円柱505との間に形成されたチャンバから空気を排出することができる。
【0081】
レンズ支持体は、図2B及び図2Cに示すように基部の底部に平行に配置されてもよく、又は、図4Bに示すようにレンズ基部の底部に対してある角度をなしてもよい。変位部材は、レンズ及びレンズ支持体の周りに嵌合する中空の円筒、中実の円筒又はプラグを含む任意の形態をとることができる。
【0082】
変位部材が含まれる場合には、正確な体積の溶液がレンズ着用者によって加えられてケースキャビティを満たすことができるようにするために、充填線も基部キャビティに含まれてもよい。
【0083】
基部はまた、レンズが基部から持ち上げられたときにレンズ溶液を捕捉するためのリザーバ419を含んでもよい。リザーバは、図4Aに示すようにレンズ支持体の周囲、図4Bに示すように別個の排液チャンバ内のレンズ支持体の下、又は図4Cに示すようにレンズ支持体の下及び後ろなどの基部キャビティの一部を含む、基部内のいかなる場所にあってもよい。
【0084】
記載された性能要件を満たす限り、材料の任意の組み合わせを基部に使用することができる。
【0085】

本発明のケースは、蓋を更に備える。従来のコンタクトレンズケースでは、コンタクトレンズは、典型的には、凹状のボウルを上にした位置でコンタクトレンズを収容するボウルを有する成形プラスチック基部内に置かれる。本明細書に記載されるように、本発明のケースは、レンズを凸位置に格納し、レンズ溶液を含まないレンズを、着用者の指へのワンタッチ移送のために呈示する。
【0086】
蓋は、ねじ又はスナップ留めを含むがこれらに限定されない任意の適切な手段によって、ケースに解除可能に封着されて水密シールを形成する。
【0087】
ケースを密閉することに加えて、蓋はまた、開封時にケース内への空気の流れを制御するように設計されてもよい。コンタクトレンズは、開封時に蓋に付着するのではなく、レンズ支持体上に残ることが望ましい。これを達成するために、開封時にケース内に入る空気は、最初にレンズの上部を越えて移動するように方向付けられてもよい。2つ以上の蓋セクションを有する場合には、一番上の蓋が最後に閉じ、最初に開いてもよい。
【0088】
ケースを閉じるときに空気を排除するために、キャビティのシール線は、キャビティの内部の最も高い点又はその近くにある。シール線は、レンズケースを閉じる際にレンズが完全に沈むように設計されてもよい。開封時に、空気がレンズの上方のキャビティに入るか、又はレンズの上方に入る空気を導くための空間を蓋が有してもよい。図4B及び図4Cに示すレンズケースなど、複数の開封タブを有するレンズケースの場合には、一番上のタブ428bは、レンズをキャビティ内に装填するためのものであってもよく、下側のタブ428aは、レンズを取り出すためにケースを開く。
【0089】
2つの機構、すなわち、蓋内面に沿った空気入口ガイドと、シール線の内側などの設計された開封点における空気入口スクープとが、開封時にレンズを越えて空気を導くのに有益であることが分かっている。本発明のケースは、これらの機構のうちの一方を含んでも、両方を含んでもよく、又はいずれも含まなくてもよい。
【0090】
空気入口ガイドは、空気が閉じ込められたり方向転換されたりすることなくレンズを越えて移動するための空間を提供し、また、いくらかの空気がレンズの上方のケースに入るまで、レンズが支持構造体から浮き上がったり滑り落ちたりしないように、レンズ支持体と協働することができる。空気入口ガイドとレンズとの間の接触面積は、好ましくは小さく、約50mm未満又は約30mm未満である。
【0091】
空気入口ガイドは、蓋の内面上に、又は蓋からの突出部として、蓋に成形されてもよく、又はケースが封止されるときにレンズと蓋との間に配置される別個の構造であってもよい。ケースを開くと、空気入口ガイドは、ケース内に入る空気をレンズの上部の上の設計された経路に沿って方向付け、レンズが所望の凸向きでレンズ支持体上に留まることができるようにする。空気入口ガイドは、ケースを開く際にケース蓋が移動する方向に沿って配置される。空気入口ガイドは、所望の空気流の経路に対して垂直以外の任意の向きを有することができる。ケースが前部から開かれるように設計されている場合、空気入口ガイドは、好ましくは、ケースの前部から後部に配置され、意図的に設計された経路は、ケースの前部から後部までレンズ上にある。
【0092】
好適な空気入口ガイドは、図3A及び図3Bに示すように、レンズの周辺の周りで蓋から突出する突起321を含んでもよい。突起は、支持リング又は成形プラスチックリング(図3A)に堅固に取り付けられてもよく、又はリッドストック(lidstock)などの可撓性シート(図3B)に柔軟に取り付けられてもよい。突起は、コンタクトレンズの周辺に放射状に、一般にレンズ縁部から1mm以内に配置されてもよい。空気入口ガイドは、周辺全体の周りに、あるいは主に前部に沿って、側部に沿って、又は前部及び側部に沿って配置された突起を含むことができる。突起は、図3Bに示すように互いに隣接していてもよく、又は図3Aに示すように離間していてもよい。放射状突起が使用される場合には、レンズの縁部が蓋に付着しないようにしながら、空気がレンズの上部を越えて移動できるように、レンズの光学ゾーンが突起から離れていてもよい。
【0093】
空気入口ガイドはまた、連続リブ又は不連続(分断された)リブの形態であってもよい。リブは、成形された蓋の内面に取り付けられてもよく(図3C)、又は別個の成形された構造を介して含まれてもよい(図3D)。リブは、ケースが開いたときに空気が入る経路に平行に位置合わせされている。リブは、少なくとも約2mm離間しているか、約2~約5mm離間しているか、又は2~約4.5mm離間していてもよい。リブは、前部から後部へ直線状に延びてもよく(図3C及び図3D)、又は高形状記憶ヒドロゲルに光学的歪みを引き起こす可能性のあるリブとコンタクトレンズとの相互作用を防止するために、光学ゾーンの周りで湾曲してもよい(図3E)。リブは、蓋の内表面を横切って「縁から縁まで」延在してもよく、又はリブの始点又は終点は、図3Gに示すように縁からオフセットされていてもよい。
【0094】
リブはまた、レンズから離れて延在し、図3Hに示すように、蓋表面から上方に突出する凹部337を形成してもよい。そのような凹部は、開封の際の空気入口ガイドとして、及び以下に説明する空気捕捉空間として作用することができる。
【0095】
リブは、直線状の壁を有してもよく、図3Gのように楔形であってもよく、円弧を含んでもよく、あるいは1つの直線状の壁と1つの傾斜した又は円弧状の壁とを有してもよい。傾斜した又は円弧状の壁は、コンタクトレンズの曲率に沿って傾斜していてもよい。
【0096】
リブの高さは、リブの前部から後部まで同じであってもよく(図3Bの外側リブ)、又は後部よりも前部で大きくてもよい(図3C図3F、及び図3G)。リブは、図3Cの中央リブ及び図3Gの楔によって示すように、光学ゾーンにわたってより短いプロファイルを有してもよく、又は図3Fに示すように、リブにギャップがあってもよい(「分断されたリブ」322b)。光学ゾーンを横切るリブの高さが段階的に低くなっている中央リブを含む空気入口ガイドは、コンタクトレンズの光学ゾーンとの接触を最小限に抑えながら、空気を所望の方向に導くのに有効である。図に示すように、異なる高さプロファイル及び形状を単一の空気入口ガイド構造に組み込むことができる。
【0097】
リブは、少なくとも約2mmの高さを有してもよく、蓋の内部からコンタクトレンズに向かって延びてもよく、又はコンタクトレンズから離れて延び、別個の空気入口チャネルを画定してもよい。リブの高さは、522(光学ゾーンの外側の空気入口ガイド)等の最高点で少なくとも約2mmであってもよく、図3C及び図3Gにおけるリブの後部又は図3D図3E、及び図3Fにおける中央リブの中央部分などの最低点で0~約0.5mmであってもよい。リブを含む実施形態では、リブの少なくとも一部の0.5mmのピークリブ高さより下では、気泡がレンズの上部全体にわたって伝搬することができず、レンズがボウルに付着する場合がある。約4mmを超えるリブ高さは、ケースのサイズ並びに必要とされるパッケージ材料及びレンズ溶液の体積を望ましくなく増加させる可能性がある。
【0098】
中央リブ322aで直線状のリブがより短いプロファイルで使用される場合(図3D)、リブに沿って段階的に低くなっているプロファイルの最大長さは、約8.5mmである。中央リブ322aで湾曲したリブがより短いプロファイルで使用される場合(図3D)、リブに沿って段階的に低くなっているプロファイルの最大長さは、約9mmである。
【0099】
任意のリブ322aのコンタクトレンズの光学ゾーンを横切る部分の高さプロファイルを最小化することに加えて、隣接するリブ322bは、光学ゾーンの外側に湾曲していてもよい。湾曲したリブが含まれる場合、湾曲したリブ領域の直径は、最大11mm、又は約7~約11mm、又は約8~約11mmであってもよい。
【0100】
リブは、別個の成形プラスチックフレームの一部である場合、リブの裏側に交差支持体を含んでもよい。しかしながら、リブの高さは、理想的には、所望の空気流を提供するために、レンズと交差支持体との間に少なくとも約2mmのクリアランスを維持すべきである。好ましくは、交差支持体は、使用される場合にはリブの裏側に配置され、空気入口ガイドによって画定される経路内に突出又は延在しない。好ましくは、空気入口ガイド構造は、例えば交差支持体などの交差構造体を有さないか、又は3つ未満、又は1つ未満の交差支持体を有するか、又は交差支持体を有さない。
【0101】
図3D図3Fに示すように、空気入口ガイドが蓋とは別個の構造である場合、空気入口ガイドは、図3Eの327a及び図3Bの327bとしてそれぞれ示される、空気入口ガイドの周囲の完全な又は部分的なリングを更に含んでもよい。使用時に、そのような空気入口ガイドは、空気入口ガイドの前部に対向するヒンジ(図示せず)によってレンズ支持体に取り付けられ、レンズの周囲にクラムシェル構造を形成してもよい。
【0102】
本発明の蓋はまた、レンズ及びレンズ溶液を保持するための密閉されたキャビティを形成することに加えて、レンズ支持体と協働して、レンズの光学ゾーンと支持体及び蓋との間の接触を最小限に抑えながら、レンズの中心を支持体の周りに維持することができる。高い形状記憶性を有するレンズの場合、リブは、ケースが封止されている間のレンズと蓋又はレンズ支持体との間のいかなる接触も一時的であるように設計されてもよい。
【0103】
フリップトップを有するケースはまた、図3G及び図3Hに示され、図2Bに224として示す空気入口スクープ324を有してもよい。空気入口スクープは、含まれる場合には、図3Gのケースの前部である、レトルト可能なシールの内側の設計された開口点に配置される。スクープは、図3G及び図3Hに示すように直接的に開封タブと位置合わせされてもよく、又は図2Bに示すようにオフセットされているが開封タブ228と位置合わせされてもよい。この実施形態では、スクープ324は、コンタクトレンズ縁部の周辺から少なくとも約1mm又は少なくとも約2mm突出し、シール内に配置されている。突出部の長さは、ケースの所望のサイズによってのみ制限される。空気入口スクープは、約2mm~シール円弧325の内径の幅を有する。空気入口スクープは、図3Gに示すように、蓋よりも浅くてもよく、蓋キャビティ内に傾斜していてもよい。スクープは、上の寸法とは別に、円形、卵形、三角形、正方形、長方形、又は不規則形状を含むがこれらに限定されない任意の形状を有することができる。本発明のケースは、開封タブにおいて蓋内壁とレンズ支持体との間に少なくとも約2mmのクリアランスを設けることなどによって、別個の空気入口スクープを省略することができる。
【0104】
図3Gは、ケース蓋及びスカート領域の内側図である。蓋は、シール線326に沿ってフィルム基部に封止される。空気入口スクープ324は、蓋の前部にあり、3つの分断された空気入口ガイドリブ322a(光学ゾーンの中央を横切るが、光学ゾーン内では浅い高さを有する)及び322b(レンズの光学ゾーンの周りで湾曲している)の前部セクションを含む。ケースは、空気入口タブの遠位端を起点として蓋を基部から分離するタブ328を引き上げることによって開かれる。タブは、箔又はプラスチックタブ、グリップ、リングプル、ハンドルなどを含む任意の形態を有してもよい。
【0105】
ケースはまた、ケースを開いている間、レンズをレンズ支持体上に維持するために、空気がレンズケース内に入ってレンズの上方を通過することを可能にするバープ弁又は空気アドミッタンス弁を備えてもよい。
【0106】
気泡管理
いくつかのレンズでは、封止中のレンズとケース内の気泡との接触を最小限に抑えることが望ましい場合がある。これは、好ましくは全ての保管方向において、レンズを覆う一定の体積の溶液を収容するようにレンズケースキャビティを設計することによって達成され得る。レンズ蓋はまた、ケース内に閉じ込められた空気を封止中に逃がし、閉じているレンズケース内の空気の量を最小限にする1つ以上の空気出口チャネルを含んでもよい。
【0107】
複数の向きで保管される場合のある旅行用ケースなどのケースでは、レンズから離れて気泡を捕捉するための機構をケース内に含めることが望ましい場合がある。上述したように、これは、より長い形状記憶を有するレンズでより望ましい場合がある。
【0108】
本発明の蓋は、封止されたケース内の空気によって占有される、レンズ光学ゾーンから離れた少なくとも1つの空気捕捉空間を更に含んでもよい。空気捕捉空間は、ケースの向きにかかわらず、レンズから離れた少なくとも1つの空気捕捉空間内に空気が留まるように設計される。空気捕捉空間は、密封時に存在する全ての空気を確保するために、ケース内に密封される空気及び保管中にケース内に拡散する可能性がある空気の体積に等しいか、又はそれよりわずかに大きい体積を有してもよく、保管中に拡散する可能性があるいかなる空気も、レンズの光学ゾーンから離れて保持される。
【0109】
空気捕捉空間は、多くの方法で設計することができる。例えば、図3Gに示すように、蓋は、レンズ支持体の中心の上方に窪み又はディンプル329を更に含み、閉じ込められた空気をディンプル329の周辺330の周りに押し上げ、レンズ頂点(図示せず)から遠ざけることができる。ディンプルの深さは、ケースを封止するときに、蓋内部のディンプルの最下点も空気入口ガイドもレンズの頂点に接触しないように選択される。光学ゾーンと任意の空気入口ガイド又はディンプルとの間のギャップは、約0.25~約2mmである。図4Aは、本発明の蓋を含むケースの外観の図である。ディンプル430は、空気捕捉チャネル431によって取り囲まれている。ディンプルによって形成された窪みは、閉じ込められた空気を空気捕捉チャネル内に移動させる。ディンプルは、少なくともレンズの光学ゾーンの直径程度の直径を有することができる。ディンプルと空気捕捉チャネルとの組み合わせは、閉じ込められた空気を(基部を下にした)直立から90°までの範囲の位置に保持する。ケースの上下が逆の場合、気泡はレンズ縁部よりも上にあり、問題にならない。
【0110】
チャネル431は、図4Aに示すようにリングの形態を有してもよく、又は蓋の中心よりも高いセクションを提供する任意の他の接続された形状を有してもよい。例えば、空気捕捉空間は、3つの隆起チャネル部分431aのある図4Bに示すように、蓋の頂点の上方及び下方にセクションのある、内側シール縁部の周囲の連続チャネルの形態を有してもよい。空気捕捉チャネルの寸法は、ケース内に含まれる空気の体積と、保管中に拡散する空気の量とに基づいて決定することができ、これらは容易に計算することができる。チャネルは、丸みを帯びた縁部、半円形又は半楕円形、長方形又は正方形を含むいかなる断面形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、チャネルは、約1.5~約3mm、又は約2~約3mmの内部幅を有してもよい。
【0111】
チャネルの代わりに、又はチャネルに組み込まれて、空気捕捉空間は、内側シール縁部に沿って蓋から突出する少なくとも2つの空気ポッドを含んでもよい。図4Bの隆起チャネル部分431aは、連続チャネルに連結された3つの空気ポッドの例である。空気ポッド331aは、直線状又は(図3Hに示すように)弓形であってもよく、空気進入方向に対して平行又は横断方向であってもよく、ディンプルによって分離されてもよく、又は接続チャネル337によって接続されてもよい。空気捕捉空間は、接続チャネルの有無にかかわらず、少なくとも1つ、2つ、3つ、又はそれを上回る空気ポッドを備えてもよい。空気ポッドは、接続チャネルよりも幅が広くても、高さが高くても、又は幅が広くかつ高さが高くてもよい。
【0112】
空気ポッド及び接続チャネルは、丸みを帯びた縁部、半円形又は半楕円形、長方形又は正方形を含む、成形可能ないかなる断面形状を有してもよい。接続チャネルは、気泡がポッドの間を通過することが望ましい場合には約1.5~約3mm、又は気泡がポッドから出ることを防止するように意図された設計では約0.5~約2mmの内部幅を有してもよい。
【0113】
空気捕捉チャネル及び空気ポッドは、ディンプルの有無にかかわらず蓋に含めることができる。
【0114】
レンズ支持体及び蓋は、封止された向きにあるときに協働して、レンズが支持構造体又は蓋の上に載らないようにしながらレンズの中心を支持構造体の周りに維持するように設計されてもよい。これは、シリコーンヒドロゲルレンズなどのより長い形状記憶を有するレンズにとってより重要であり、レンズの光学系は、任意のパッケージング機構又はケース内に閉じ込められた任意の気泡との長期接触によって歪む可能性がある。保管中及び輸送中の支持体、蓋、及びコンタクトレンズ間の接触は、より短い形状記憶を有する従来のヒドロゲルコンタクトレンズでは、許容可能であり得る。
【0115】
レンズ支持体は、指への一貫した「ワンタッチ」レンズ移送を保証するのに十分な排液及びレンズとの接触を提供するという基本的な機能が満たされる限り、所望の排液及び支持を提供するように、いくつかの構成で設計されてもよい。本明細書に記載のパッケージング機構を、所望のワンタッチケースを達成するために様々な組み合わせで使用できることは、パッケージング分野の当業者には明らかであろう。例えば、レンズ溶液がレンズと支持体との間に閉じ込められる場合、排液路の効率は、例えば、レンズ支持体の下の空き面積を増加させること、レンズと支持体との間の接触面積を減少させること、鋭い縁部及び浅い排液路を減少させること、傾斜手段もしくは持ち上げ手段又はそれらの組み合わせの有無にかかわらず、排液チャネルを追加することによって増加させることができる。開封時にレンズが蓋に付着する場合には、空気入口ガイド及び/又は空気入口スクープを追加してもよい。
【0116】
本発明のケースの利点は、使用時に明らかである。図2A図4A図4C及び図5A図5Fは、様々な組み合わせの機構を有する本発明のケースの例を含む。図及び説明は例示的なものに過ぎず、本発明のケース設計を限定するものとみなすべきではない。
【0117】
図5Aは、基部540と、基部カラー541と、レンズ支持体536と、空気入口ガイド構造体533と、蓋535とを備えるレンズケースの分解側面図を示す。基部及び基部カラーは、互いにスナップ嵌めしてもよく、互いに接着又は溶接してもよく、あるいは1つの一体部品として成形してもよい。それらが取り外し可能に取り付けられている場合、基部を開くか又は取り外すことができ、レンズ、レンズケースキャビティ又はその両方を新しいレンズ溶液ですすぐことができる。
【0118】
基部カラーは、レンズ及びレンズ支持体536を収容するキャビティを形成する円筒である。基部カラーの内側に、レンズ支持体を受容するための棚542が含まれてもよい。棚は、排液性能を低下させない限り、周リング509又は周リングの一部などのレンズ支持体の一部を支持してもよく、あるいはレンズ支持体の下側のプロファイルに沿うように成形されていてもよい。
【0119】
レンズ支持体536は、基部カラー541の内側に載置される。カラー内のより良好な嵌合及び機械的耐久性を提供するために、レンズ支持体周リング509を拡張してもよく、又は、第2のリングを周リングの下に追加してもよい。図5Aのレンズケースでは、上述の任意のレンズ支持体を使用することができる。基部カラーの外壁は、蓋535の内側のねじ山543と共にケースを螺合して水密シールを形成することを可能にするねじ山543を含む。
【0120】
空気入口ガイドリング527の壁は、ケースを閉じると基部カラーキャビティ内に突出してレンズ溶液を変位させる変位構造であり、ケースが閉じているときにはレンズが完全に沈むようにする。蓋及び空気入口ガイド構造体が取り出されると、レンズ溶液レベルは周リングよりも下に下がり、レンズ溶液がレンズ及びレンズ支持体から排出されることを可能にする。
【0121】
図5Aのレンズケースはまた、基部カラー541の内壁と入口ガイドリング527の垂直外壁とによって形成される任意選択の摺動シールを含む。蓋が基部から外されると、空気入口ガイドリング527の外壁が蓋と共に上方に摺動し、これにより、空気がカラーキャビティの上部に入り、レンズを覆って、レンズ支持体上のレンズを付勢することが可能になる。
【0122】
図5Bに示す封止状態では、レンズ550は、ケース蓋535とレンズ支持体536(レンズキャビティ)との間に形成された空間内に維持される。レンズキャビティは、レンズ550(特に光学ゾーン内)が輸送中に圧縮されず、ケースの内部機構に最小限にしか接触せず、ケースが開かれるまで完全性を維持するように設計されてもよい。また、レンズキャビティは、保管中にレンズがケース基部に対して所望の凸向きで保持されるように、レンズと内部ケース機構との間に過度に大きなギャップを提供すべきではない。
【0123】
図5Cは、本発明の別のレンズケースを示す。基部540及び蓋535は、従来のレンズケース構造を有するが、本発明のレンズ支持体536及び空気入口ガイドリング527を有する。図5Cでは、レンズ支持体は、レンズ支持体を基部540の内部から持ち上げられた状態に維持する周辺円柱の形態の垂直支持体547によって囲まれた6つの中空アームを有する。蓋及び基部は、ねじ山543を介して封止される。
【0124】
図5D及び図5Fでは、レンズ及び溶液は、空気入口リブ522上の蓋535内に配置され、ケースは、解除可能なシール525に沿って基部を蓋にスナップ留めすることによって閉じられる。図5Dでは、レンズ支持体はレバー546によって蓋に接続され、図5Fでは、レンズ支持体は、圧縮可能なばねアームセクションの形態の垂直支持体547を有する。コンタクトレンズ550は、レンズ支持体536上で蓋535の下に載置される。レンズ支持体のアームセクションは、各周辺支持体の遠位端をレンズ基部に接続する。レンズ支持体を本明細書で説明するように機能させるために、全ての周辺支持体が圧縮可能なアームを必要とするわけではない。図5D及び図5Fは、それぞれレバー及びばねを開示しているが、持ち上げ構造体は、上で詳述したような様々な構成を有することができる。図5Eのレンズケースは、基部キャビティが一方だけではなく両方のレンズのためのレンズ支持体536を収容することを除いて、図5Dと同様である。
【0125】
一般に、レンズ支持体536は、ケースが開かれたときに最小限の接触面積でレンズを所望の凸位置に保持して、ユーザの指へのレンズの効率的な移送を保証する。内側チャンバ544(図5Cに示す)は、保管中にレンズを完全に沈んだ状態に保つと共に、レンズ、レンズ支持体536、及び蓋535が適切に協働できるようにするために、正しい体積のレンズ溶液を保持するように設計されている。
【0126】
ケースは、タブ528を上方に引っ張ってシール526を破る(図5D図5F)か、又は蓋535を回して基部540もしくは基部カラー541から外す(図5A図5C)など、任意の好都合な手段によって開かれる。空気が、制御された方法でケース内に導入され、空気入口ガイド522によってケース内に案内され、その結果、レンズがケース蓋535から離れるように付勢され、レンズ支持体536上に維持される。この穏やかな力は、レンズ550及びレンズ支持体536からの溶液の排出と連動して作用し、その結果、レンズはレンズ支持体536上の「使用準備完了」位置に概ね維持される。蓋535が基部から分離されると、レンズ溶液はレンズ及び支持体から排出される。
【0127】
図5Dを参照すると、蓋535が持ち上げられ、レバーアーム546を介してレンズ支持体536を基部から上方に枢動させて、レンズ550及びレンズ支持体536からレンズ溶液を排出し、着用者の指に移すためにレンズを呈示する。レンズ550の中央光学ゾーンは、周辺支持体505以外ではアームとの接触がほとんどない。平坦な上部領域501は、レンズ550を「ワンタッチ」で指に移す能力を高めるための抵抗を提供する。
【0128】
蓋535及びリザーバ519は、ポリプロピレン又は医療デバイス包装に使用することのできる任意の他の材料であってもよく、基部540はプラスチックで形成されていてもよい。
【0129】
図5A図5Fに示すように、レンズ支持体、蓋、及び空気入口ガイドを含むケースの機構は、どのように作成されても、光学ゾーンの外側でレンズと相互作用して、レンズ光学ゾーンへの損傷を防止するように設計することができる。
【0130】
レンズ550とレンズ支持体536との接触面積が最小化され、レンズ溶液が効果的に抜き取られるので、着用者は、指で一回触れるだけでケースからレンズ550を取り出し、レンズ550の凸側を指に付着させることができる。したがって、レンズ550の頂点を指の上に配置し、その凹状部分を眼球の上に直接配置して、眼に直接装着することができる。現在設計されているコンタクトレンズケースでは一般的であるように、着用者が一方の手の指から他方の手の指にレンズを移す必要はない。この改善された一連のステップは、ユーザにとってより容易かつより便利であるだけでなく、ユーザの指に運ばれる細菌による汚染も低減する。
【0131】
したがって、本発明は、レンズ及びレンズ支持体からレンズ溶液を効果的に排出し、レンズとレンズ支持体との間の接触面積に対する指とレンズとの間の接触面積の比を制御して、指とレンズとの間の表面張力がレンズとレンズ支持体との間の表面張力を上回るようにするケースを提供する。このように提供されたレンズは、一貫して指に付着し、着用者に「ワンタッチ」レンズ移送体験を提供する。
【0132】
本発明のケースは、既知の材料及びプロセスを使用して製造することができる。パッケージ材料は、バージン、リサイクル、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0133】
上述のように、本明細書に記載される全ての特徴を全てのケースに組み込む必要はなく、当業者は、本明細書の教示を使用して、これらの機構を組み合わせて、多種多様なワンタッチケースを提供することができる。例えば、中央レンズ支持体を有するレンズ支持体が、約25psi未満の弾性率を有するレンズ、ワンタッチレンズ取り出しに慣れていない未経験の着用者、又はよりタッチ力の強い着用者にとって望ましくてもよい。経験豊富な着用者及びよりタッチ力の弱い着用者が、周辺支持体のみを有するケースを必要してもよい。本発明のケースは、例えば、周辺支持体及びリング、アーム、フィン、空気管理ポッド及びチャネル、並びに全体的なケースの形状及びプロファイルの設計において、装飾的な設計及び機構を含む多くの機会を提供することも理解されるであろう。
【0134】
要約すると、本発明のコンタクトレンズケースは、本明細書に記載されるような多種多様な組み合わせで組み合わされて、所望のワンタッチパッケージを提供することができる、以下を含むいくつかの新規の機能を組み込んでいる。
【0135】
鋭角三角形に配置されてもよい最低3つの接触点をレンズの周辺上に含めることによって、レンズが回転して支持体から外れないようにすることができる。
【0136】
レンズ表面がより急に傾斜しているレンズの周辺付近(直径が少なくとも約5mm、約6mm、又は約7mmの中心領域の外側に位置する)に水平に又はほぼ水平に接触するか、あるいはレンズ周辺の外側のみに接触することによって、レンズが支持体を横切って水平に平行移動しないようにすることができる。
【0137】
排液後、レンズを、レンズ移送のための呈示のための中立形状又はほぼ中立形状に維持する。
【0138】
これは、平坦な上部セクションの頂部とレンズ頂点との間に約0.5~約2mm、約0.5~約1.5mm、又は約0.8~約1mmのクリアランスを有する中央レンズ支持体を設けてレンズ頂点と支持体との間の接触を最小限に抑えるか、又は、レンズ頂点から概ねレンズ基部の高さまで空である少なくとも直径約6mmの空隙を延在させることによって達成することができる。
【0139】
ダビング時の指への抵抗
指の表面積を増大させると共に、ダビング時のダブ力及び接触時間を制御することが有益である。
【0140】
低弾性率のレンズの場合は、このためにレンズの頂点の下に強化構造体が必要とされるが、この構造体はシリコーンヒドロゲルを含む高弾性率のレンズの移送の一貫性を改善することもできる。この構造体は、存在する場合には、レンズの基部以上の高さを有する。支持構造体はまた、レンズ頂点の下2mm未満であってもよい。
●表面の形状は、平坦であっても、わずかに凹状(例えば、最小曲率半径約10mm)であってもよく、あるいはこれらほど好ましくないが、わずかに凸状(最小曲率半径約10mm)であっても、より凹状(例えば、最小曲率半径約6mm)であってもよい。
●表面の直径は、(指先の大きさに合わせて)約1~10mm、好ましくは6~9mmであるべきである。
●表面は連続的である必要はなく、一連の点又は線で構成されてもよい。
【0141】
光学ゾーンは自由に浮遊し、保管中のレンズ支持体との接触は一時的であるか又は存在しない。これは、任意の中央支持体をレンズのプロファイルよりもわずかに低くすることによって達成することができる(その結果、レンズは周辺でのみ支持体に接触する)。
【実施例
【0142】
以下の実施例では以下を使用した。
緩衝溶液:1000gのDI水、13.55gmのNaCl、27gmのホウ酸、5gmのホウ酸ナトリウム、0.3gmのEDTA、約7.4のpH。
パッケージング溶液:RevitaLens Complete(アレキシジン0.00016%;ポリクオタニウム-1 0.0003%(PQ-1);EDTA。
ポリプロピレン:24g/10分のMFRを有するTotalからのアイソタクチックポリプロピレンホモポリマー(Lumicene M3766)
リッドストック:延伸ポリプロピレン(12μm)、アルミニウム箔(50μm)及びポリエステルフィルム(12μm)の層を含む多層フィルム。
【0143】
実施例1~6及び比較例1~2
いくつかのレンズ支持構造を評価して、望ましいレンズ支持、レンズ溶液排出、及びレンズ移送を提供することができる支持機構を決定した。評価したレンズ支持体のそれぞれを、Formlabs Formlabs透明樹脂を使用して、Form 2上に3D印刷した。30mm×45mm×25mmの寸法を有するパッケージング溶液チャンバから支持体及びレンズを下降及び上昇させることができるように、90°レバーで終端する排液チャネルをレンズ支持体に印刷した。
【0144】
1-Day ACUVUE MOISTコンタクトレンズをそのパッケージから取り出し、支持体が完全に濡れるようにパッケージング溶液中に沈んでいる間に各レンズ支持体上に置き、支持体上の中心にレンズを置いた。レンズ支持体及びレンズをパッケージング溶液チャンバに少なくとも5秒間、レンズの下に気泡が残らないように完全に沈めた。点眼器を使用して、パッケージング溶液を抜き取り、周辺支持体を露出させた。次いで、レバーを使用して支持体を残りのパッケージング溶液からゆっくりと枢動させ、溶液をレンズ及び支持体から排出されたように見えるか、又は約10秒後のいずれか早い方まで排出した。レンズを、永続的な流体膜、溶液リザーバ、及びレンズと支持体との間の内部ブリッジについて評価した。レンズの中心、レンズ支持アームとレンズとの間に閉じ込められた流体の面積、及びレンズの変形について写真を撮影し、評価した。
【0145】
一貫したダブ表面を確保して指への低い付着性をシミュレートするために、ゴムニトリル手袋をダブ試験に使用される手に装着した。試験を各支持設計について少なくとも5回繰り返し、2回繰り返すごとにレンズを交換した。
【0146】
結果を、代表的な写真及びレンズ支持体構成を示すCAD図面と共に表1に示す。
【0147】
【表1-1】
【0148】
【表1-2】
【0149】
【表1-3】
各レンズの排液を以下の特性に基づいて分類した。
永続的な流体膜(「Perm.膜)は、レンズ支持構造体とレンズの(外側)表面との間に形成され、排液後も破れない膜である。以下の評価尺度を使用した:
●重度(レンズ周囲の50%超が覆われている)
●中程度(レンズ周囲の50%未満が覆われている)
●なし
溶液リザーバ(「リザーバ」)は、排液が行われた後にレンズの内側に保持されるより大きな体積の溶液である。以下の評価尺度を使用した:
●多(多量の流体が見え、総体積は50μl超と推定される)
●中(いくらかの流体が見え、総体積は20~50μlと推定される)
●小(流体がほとんど/全く見えず、総体積は20μl未満と推定される)
内部流体ブリッジ(「ブリッジ」)は、流体メニスカスが支持構造体とレンズとの間を橋渡しする領域である。以下の評価尺度を使用した:
●重度(>15mmの線状ブリッジ)
●中程度(5~15mmの線状ブリッジ)
●軽度(<5mmの線状ブリッジ)
排液速度は、レンズを溶液から引き上げてから、排液の変化が観察されなくなるまでの時間である。以下の評価尺度を使用した:
●低速(>5秒)
●中速(2~5秒)
●高速(<2秒)
【0150】
パッケージング溶液がコンタクトレンズから排出されるにつれて、パッケージング溶液の膜がレンズ縁部と周リングとの間に形成されてもよい。排液の開始時に形成される膜は良好であり、排液が良好なレンズ支持体の場合は、膜は排液が完了する前に破れる。排液が安定した後に残る膜は、レンズの移送を妨げる可能性がある。表に示す膜は、排液が安定した後に残った残留膜である。
【0151】
レンズが変形して支持構造体に巻き付く例では、レンズ内により多くの溶液が保持される傾向がある。これは、ダビング(比較例1)又は排液の減速(例4)に有害であり得る。周辺支持体及び中央支持体の両方の配置は、巻き付きを低減及び防止する上で重要である。レンズの巻き付きは、4つの周辺支持体(実施例4)と比較して、6つの周辺支持体(実施例3)で有意に低減された。不十分に分布した中央支持体(比較例1)では、十分に分布した中央支持体(例3)よりもはるかに多くの巻き付きが生じた。
【0152】
周リングはまた、レンズの周辺の周りに形成された膜の表面張力に起因して、レンズ巻き付きを低減することができる。実施例1は、実施例2(リングなし)よりも少ないレンズ巻き付きを示した。
【0153】
実施例5は、実施例3と同じレンズ支持体であるが、周辺支持体の周りに周リングが追加されている。実施例5及び実施例3の両方は、優れた排液速度(それぞれ中速~高速及び高速)及び優れた排液効率を示し、これは、永続的な流体膜がなく、溶液リザーバが小さく、内部流体ブリッジが軽度であることによって証明された。
【0154】
実施例6は、実施例2と同じレンズ支持体設計であるが、アームは、周辺支持体に接続する中実フィンである。アーム構造内の充填は排液速度を遅くしたが、排液効率は実施例2と同じであり、開放アーム又は中実フィンを伴う本発明のレンズ支持体が良好な排液及び一貫したレンズ移送を提供することができることを確認した。実施例2と実施例6との比較はまた、レンズ支持体の下の構造(固体フィンなど)を除去することによって排液速度を低下させることができることを示している。
【0155】
比較例2のレンズ支持体は、実施例1と同様の構造を有するが、湾曲した側部セクションを有し、この湾曲した側部は、レンズをレンズ支持体に付着させる深刻な内部流体ブリッジを形成し、レンズと支持体との接触面積が望ましくないほど増加した。接触の増加により、ダビングの際の移送率が0%となった。したがって、より多くの溶液ブリッジを形成する支持構造体では、ダブがうまくいく可能性が低い。比較例3のレンズ支持体は、比較例2のレンズ支持体よりも小さい半径を有する十分に湾曲したレンズ支持体を有していたが、依然として望ましくない溶液リザーバ及び内部流体ブリッジを示した。比較例3も、十分に湾曲した上部セクションを有し、これは、ダビング時のレンズと指との間の接触面積が不十分であった(初回ダビング成功0%)。
【0156】
比較例3~4及び実施例7~8
表2に示すレンズ支持体を使用して、実施例1に記載したようにレンズ支持体試験を繰り返した。
【0157】
【表2】
【0158】
実施例7のレンズ支持体は、4つの側部セクションが除去されたことを除いて、実施例1と同じ構造を有し、これは、より迅速かつより効率的な排液をもたらした。実施例1、5及び7のレンズ支持体は、実質的に平坦な上部領域を有するレンズ支持体と、種々の側部又は中央円柱支持体を有する周辺支持体とが、優れた排液性及びレンズ移送性の両方を提供することを示している。実施例8及び9は、レンズ支持体から側部セクションの一部又は全部を除去することによって排液性を改善できることを示している。比較例3及び4並びに実施例8は、平坦な上部セクションのアームを除去することができ、側部セクションの上部が平坦な上部の機能を提供することができることを示している。実施例8を比較例4と比較すると、基部における中央空隙の幅を広げることによって、排液性及びレンズ移送性を改善することができることが分かる。比較例4のレンズ支持体は、パッケージング溶液が比較例4の円錐の基部に滞留する可能性があるため、実施例8よりもわずかに劣る排液性をもたらした。これは、基部における中央空隙の幅を広げることによって容易に改善された(実施例8)。実施例8を比較例3と比較すると、レンズから離れる側方アームの角度を大きくすると、溶液ブリッジが減少し、排液速度が改善されることが示されている。
【0159】
比較例5
細長い周辺支持体間の排液ギャップを埋めたことを除いて、実施例2を繰り返した。結果(参照を容易にするために実施例2からのデータをコピーした)を以下の表3に示す。
【0160】
【表3】
【0161】
実施例9~10及び比較例6~7
実施例1の手順を繰り返したが、中央支持体を有さず周辺支持体を有するレンズ支持体を評価した。結果を以下の表4に示す。
【0162】
【表4】
【0163】
実施例9、10及び比較例6では、開封中にレンズが大きく動いたが、これは、1つ以上の周辺支持体の上部に沿って1つ以上の位置決めガイドを設けることによって改善することができた。実施例9及び10は、周辺支持体のみを有し、中央円柱を有さないレンズ支持体が、良好な排液及びレンズ移送を提供できることを示している。実施例10は、対向する周辺支持体の間に8mmのギャップを有し、排液チャネルの一方の側が支持体の中心まで延びている。比較例6のレンズ支持体は、実施例10のレンズ支持体と同様であるが、レンズの中心の下に延在する周辺支持アームがない。レンズの中心に構造がないため、排液中又はレンズを移送しようと試みた際に、レンズが中央に陥没し、レンズ移送中の抵抗も不十分であった。使用したACUVUE Moistレンズは、非常に低い弾性率を有し、シリコーンヒドロゲルなどのより高い弾性率を有するレンズは、容易に陥没しない。実施例9及び10によって示されるように、少なくとも1つの周辺支持アームをレンズ中心の下に延在させることは、中心におけるレンズの陥没を減少させ、良好なレンズ移送をもたらす。平坦なドームは、レンズをドームに吸着させてレンズが動かないようにするのに十分な表面積を有するように設計することができ(比較例10)、ダビングも防止する。
【0164】
実施例11~14
表5に示すように、周リングの直径を変えて実施例7を繰り返した。16mmの周リングを有する支持体は、レンズと支持体との間に溶液を閉じ込めた。18mm及び25mmの周リングを有する支持体は両方とも、閉じ込められたパッケージング溶液のリザーバがほとんどなく、良好な排液を提供した。実施例14の支持体に使用された16mmの直径は、直径14.2mmのレンズには小さすぎるが、直径がより小さいレンズには許容可能であろう。
【0165】
【表5】
【0166】
実施例15~16及び比較例8~10
いくつかのレンズ支持構造を評価して、望ましいレンズ支持、レンズ溶液排出、及びレンズ移送を提供することができる支持機構を決定した。評価したレンズ支持体のそれぞれを、Formlabs Formlabs白色樹脂を使用して、Form 2上に3D印刷した。30mm×45mm×25mmの寸法を有するパッケージング溶液チャンバから支持体及びレンズを下降及び上昇させることができるように、レンズ支持体の両側に「L」字形のグリップを印刷した。
【0167】
1-Day ACUVUE MOISTコンタクトレンズをそのパッケージから取り出し、支持体が完全に濡れるようにパッケージング溶液中に沈んでいる間に各レンズ支持体上に置き、支持体上の中心にレンズを置いた。レンズ支持体及びレンズをパッケージング溶液チャンバに少なくとも5秒間、レンズの下に気泡が残らないように完全に沈めた。レンズホルダをチャンバからゆっくりと持ち上げ、溶液チャンバと同様のサイズであるが、グリップを支持するための2つの側面のみを有する支持体上にセットした。レンズホルダを約10秒間(排液が変化しなくなるまで)排液した後、排液及びレンズ移送を評価した。レンズの中心、レンズ支持アームとレンズとの間に閉じ込められた流体の面積、及びレンズの変形について写真を撮影し、評価した。
【0168】
一貫したダブ表面を確保して指への低い付着性をシミュレートするために、ゴムニトリル手袋をダブ試験に使用される手に装着した。試験を各支持設計について少なくとも5回繰り返し、2回繰り返すごとにレンズを交換した。
【0169】
結果を、代表的な写真及びレンズ支持体構成を示すCAD図面と共に表6に示す。
【0170】
【表6-1】
【0171】
【表6-2】
【0172】
レンズと排液リザーバ(パック又は試験セットアップの基部)との間に垂直な又は急勾配の流体膜が形成されてダビング前に破れた場合は、排液、したがってダビングはより良好であった。実施例15では、レンズの周辺と下側周リングとの間に流体膜が形成され、排液は十分であった。比較例10及び比較例9では、実施例15と非常に類似した形状を有するにもかかわらず、垂直な膜は形成されず、両方とも排液が不十分であった。平坦な上部セクションと、7mmのエルボ幅を有する直線状の側部セクションとを有する実施例15のレンズ支持体は、レンズとレンズ支持体との最小限の接触で良好な排液を提供し、指でのダビングに対する一貫した初回での移送をもたらした(80%)。
【0173】
実施例15において膜が早期に破れた場合、レンズは同様に排液されなかった。
【0174】
水平な膜は排液には不十分である。比較例8では、レンズと外側リングとの間に膜が形成されているが、レンズがまだ排液されていない。水平な膜はまた、はるかに破れにくい傾向があり、したがって、レンズの取り出しを妨げる。
【0175】
本発明は、以下の実施形態/要素/特徴を任意の順序及び任意の組み合わせで含む。
【0176】
1.コンタクトレンズケースであって、
支持体であって、コンタクトレンズを、保管中及びケースの開封時に支持体上の凸位置に維持するための支持体を備え、
レンズは、周縁部及びレンズプロファイルを有し、
支持体は、レンズプロファイルと実質的に一致しないプロファイルを有し、支持体とレンズとの間の湿潤接触が、約20mm未満、18mm未満、又は15mm未満である、
コンタクトレンズケース。
2.コンタクトレンズケースであって、
ケース基部と
ケース蓋と
周縁部とレンズプロファイルとを有するコンタクトレンズを、ケース基部に対して凸位置に保持するための支持体と、
を備え、
基部及び蓋は、封止されて、支持体、コンタクトレンズ及びパッケージング溶液を含むキャビティを形成し、
レンズ支持体は、複数の周辺支持体を含み、複数の周辺支持体は、コンタクトレンズ周縁部を越えて少なくとも1mm延在する遠位端を有し、周辺支持体に沿ってコンタクトレンズ縁部との少なくとも3、3~14、4~14、3~8、又は4~8、4~6、又は6個の接触点を提供し、ケースが開封され、パッケージング溶液がレンズ及び支持体から離れるように方向付けられた後の支持体とレンズとの間の湿潤接触が、約20mm未満、18mm未満、又は15mm未満である、
コンタクトレンズケース。
3.支持体は、レンズ溶液からの取り出しの際に、レンズとレンズ支持体との間にパッケージング溶液を閉じ込めることなく、レンズ溶液をレンズ及び支持体から排出することを可能にする、請求項1又は2に記載のコンタクトレンズケース。
4.レンズは光学ゾーンを更に含み、レンズ支持体は、コンタクトレンズ光学ゾーンの少なくとも一部の下に、開放構造を有する実質的に平坦な上部セクションを更に含む、請求項1又は2に記載のコンタクトレンズケース。
5.支持体は、コンタクトレンズ光学ゾーンの少なくとも一部の下に空隙を更に含む、請求項1又は2に記載のコンタクトレンズケース。
6.コンタクトレンズは、ケースが封止されている間は非圧縮状態に維持される、請求項1又は2に記載のコンタクトレンズケース。
7.支持体は、少なくとも2つの周辺支持体を含む、請求項1に記載のコンタクトレンズケース。
8.周辺支持体は、レンズ周辺の周りに分布している、請求項2又は7に記載のコンタクトレンズケース。
9.レンズは、光学ゾーンに中心がある頂点を有し、支持体は、レンズ周辺から測定して、コンタクトレンズ頂点の下0.5mm以下の高さを有する中央支持体を更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のコンタクトレンズケース。
10.中央レンズ支持体は、約1~約10mm、約3mm~約9mm、約5mm~約9mm、又は約6mm~約9mmの直径を更に有する、請求項9に記載のコンタクトレンズケース。
11.中央レンズ支持体は開放構造を有する、請求項9又は10に記載のコンタクトレンズケース。
12.中央レンズ支持体は、レンズ頂点の下に中央円柱を含む、請求項11に記載のコンタクトレンズケース。
13.中央レンズ支持体は複数のアームを含み、各アームは、
平坦な上部セクション、任意選択の側部セクション及び任意選択の周辺支持体、上部セクションと任意選択の側部セクションとを接続するショルダ遷移部、並びに任意選択の側部セクションと任意選択の周辺支持体とを接続する任意選択のエルボ遷移部を含む、
請求項11に記載のコンタクトレンズケース。
14.平坦な上部セクションにおけるアームは、レンズ頂点の下の中心点で互いに接続されているか、又はレンズ頂点の下に中心がある開いた完全なリングもしくは部分的なリングに接続されている、請求項13に記載のコンタクトレンズケース。
15.複数のアームは、ケース基部に接続されたフィンの形態である、請求項13に記載のコンタクトレンズケース。
16.複数のアームのうちの少なくともいくつかの一端が周辺レンズ支持体に取り付けられて上方に突出し、アームの遠位端が平坦な上部セクションを形成する、請求項13に記載のコンタクトレンズケース。
17.周辺支持体の遠位端のうちの少なくともいくつかが、周辺支持体をレンズ基部から持ち上げる垂直支持体に接続されている、請求項1~16のいずれか一項に記載のコンタクトレンズケース。
18.周辺支持体の遠位端の周りに、コンタクトレンズ周縁部を少なくとも2mm越えて少なくとも部分的なリングを更に備える、請求項2~17のいずれか一項に記載のケース。
19.3~8本のアームを更に含む、請求項13~18のいずれか一項に記載のケース。
20.3~6本のアームを更に含む、請求項13~18のいずれか一項に記載のケース。
21.アームの少なくとも2本がY字形状を有する、請求項13~20のいずれか一項に記載のケース。
22.3本のY字形アームを有する、請求項13~20のいずれか一項に記載のケース。
23.2本の直線アーム及び2本のY字形アームを備える、請求項13~20のいずれか一項に記載のケース。
24.Y字形アームが、Y字の上部を横切る曲線を含む、請求項21~23のいずれか一項に記載のケース。
25.アームは直線状である、請求項13~20のいずれか一項に記載のケース。
26.少なくとも部分的なリングが、約16~約25mm、約18~約25mm又は約18~約24mmの直径を有する、請求項18に記載のケース。
27.実質的に平坦な上部は、変形されていない状態で、コンタクトレンズ頂点から高さ0.5mm、約0.5~約2mm、0.5~約1.5mm、又は約0.8~約1mmの撓みを有する、請求項4に記載のケース。
28.支持体は、平坦な上部セクションに中心がある中央フィレットを更に含み、中央フィレットは、その最長寸法にわたって約0.1~約3mm、約0.1~約2mm、又は1.5mm未満の幅を有する、請求項9~27のいずれか一項に記載のケース。
29.アーム及び周辺支持体の各々は、約0.5~約1.5mm、約0.5mm~約1mm、又は約0.5mm~約0.7mmの幅を有する、請求項13~28のいずれか一項に記載のケース。
30.アームは、部品の成形性及び開封時の効率的なパッケージング溶液の排出を提供する幅を有する、請求項13~29のいずれか一項に記載のケース。
31.各アームは、平坦な上部セクションの高さが約0.5~約5mmである、請求項13~30のいずれか一項に記載のケース。
32.平坦な上部は、レンズ支持体の中心に中心点を有し、ショルダは、平坦な上部中心の周りに放射状に配置されている、請求項9~29のいずれか一項に記載のケース。
33.アームは中心点に取り付けられ、各アームは、ショルダから中心点までの長さが約1.5~約4mmである、請求項32に記載のケース。
34.アームの平坦な上部セクション及び側部セクションにおける垂直からの角度が、最大約15°、又は約1°~約10°である、請求項9~33のいずれか一項に記載のケース。
35.側部セクションと周辺支持体との間の角度が、約60°~約120°、又は約80°~約100°である、請求項1~34のいずれか一項に記載のケース。
36.アームは、平坦な上部の中心で接続されている、請求項1~35のいずれか一項に記載のケース。
37.アームは、支持構造体の中心の周りに放射状に分布している、請求項1~36のいずれか一項に記載のケース。
38.基部は実質的に平坦である、請求項1~37のいずれか一項に記載のケース。
39.レンズはアーム側部セクションに接触しない、請求項1~38のいずれか一項に記載のケース。
40.アーム側部セクションは直線状である、請求項1~39のいずれか一項に記載のケース。
41.支持体は、100°より大きい接触角を有するポリマーから作製されている、請求項1~40のいずれか一項に記載のケース。
42.レンズ支持体は、ケース基部から少なくとも約20°の角度で配置されている、請求項1~41のいずれか一項に記載のケース。
43.周辺支持体は、ケース基部に平行であり、ケース基部から少なくとも約4mm又は少なくとも約5mmである、請求項2~42のいずれか一項に記載のケース。
44.レンズ支持体をレンズ溶液から持ち上げるための手段を更に備える、請求項1~43のいずれか一項に記載のケース。
45.持ち上げ手段は、レバー、ばね、ヒンジ、ピボットアーム、折り目、機械的トラップ、ハンドル、及びそれらの組み合わせから選択されている、請求項44に記載のケース。
46.持ち上げ手段は、レンズ支持体を基部から、水平に対する約15~約80°、約20°~約70°、約30°~約60°又は約40°~約60°の角度まで傾けることによって、レンズをパッケージング溶液から持ち上げる、請求項44に記載のケース。
47.レンズ及び支持体がケース基部から分離されるときにパッケージング溶液を捕捉するためのリザーバを更に備える、請求項1~46のいずれか一項に記載のケース。
48.コンタクトレンズケースであって、
支持体であって、凸面を有するコンタクトレンズを支持体に対して凸位置に保持するための支持体と、
少なくとも1つの空気入口ガイドを含むレンズ対向面であって、少なくとも1つの空気入口ガイドは、ユーザがケースを開封すると、コンタクトレンズ凸面を越えてケース内へと入る空気を案内して、レンズ対向面へのレンズ凸面の付着の発生を低減するように構成されている、レンズ対向面と、
を備える、コンタクトレンズケース。
49.ケース内部は、支持体と、少なくとも1つの空気入口ガイドと、コンタクトレンズと、パッケージング溶液とを含むキャビティを画定し、
ケースを開封し、ユーザの指による接触の前にレンズからパッケージング溶液を排出する際に、レンズはレンズ支持体上で凸形状を維持し、支持体は、レンズ周辺の周りに分布した少なくとも2つの点でレンズに接触する、
請求項48に記載のコンタクトレンズケース。
50.レンズはプロファイルを有し、支持体はレンズプロファイルと実質的に一致しないプロファイルを有する、請求項48又は49に記載のケース。
51.ケースの後の支持体とレンズとの間の接触面積が、約20mm未満、18mm未満、又は15mm未満である、請求項48~50のいずれか一項に記載のケース。
52.少なくとも1つの空気入口ガイドとレンズとの間の接触面積が、約50mm未満又は約30mm未満である、請求項48~50のいずれか一項に記載のケース。
53.空気入口ガイドは、レンズ対向面からの突出部として、又はレンズ対向面の凹部として、レンズ対向面と一体である、請求項48~52のいずれか一項に記載のケース。
54.空気入口ガイドは、レンズ凸面と蓋レンズ対向面との間に配置された別個の構造体の一部である、請求項48~52のいずれか一項に記載のケース。
55.空気入口ガイドは、ケース開封時に空気が入る経路と平行に位置合わせされている、請求項48~54のいずれか一項に記載のケース。
56.空気入口ガイドは、少なくとも約2mm離間しているか、約2~約5mm離間しているか、又は2~約4.5mm離間している、請求項48~55のいずれか一項に記載のケース。
57.コンタクトレンズは、光学ゾーンと、光学ゾーンと周縁部との間の湾曲したレンズ側部セクションとを含み、空気入口ガイドは、ケースの前部から後部まで直線状に延びるか、光学ゾーンの周りで湾曲するか、又はこれらの組み合わせである、請求項48~56のいずれか一項に記載のケース。
58.光学ゾーンを横断する空気入口ガイドは、光学ゾーンにわたるより短いプロファイルを有する、請求項48~57のいずれか一項に記載のケース。
59.空気入口ガイドは、連続リブ、不連続リブ、及びそれらの組み合わせを含む、請求項48~58のいずれか一項に記載のケース。
60.空気入口ガイドは、少なくとも約2mm、又は約2mm~約4mmの最大高さを有する、請求項48~59のいずれか一項に記載のケース。
61.光学ゾーンにわたる空気入口ガイドプロファイルは、約0.5mm以下の高さを有する、請求項60に記載のケース。
62.少なくとも1つの基部セクション及び少なくとも1つの蓋対向面を更に備え、これらが一緒になって、可逆的に封止されたキャビティを形成し、キャビティは、支持体、コンタクトレンズ及びレンズ溶液をその中に含む、請求項1及び48に記載のケース。
63.蓋対向面はケース蓋の内面であり、ケースは、少なくとも1つの基部セクションを更に含み、基部セクションは、蓋と共に、レンズ支持体、レンズ、及びパッケージング溶液を収容するキャビティを形成し、
ケースは、キャビティを形成するシール線に沿って基部からの蓋の分離を開始するための少なくとも1つの開封タブを更に備える、
請求項2~62のいずれか一項に記載のケース。
64.封止されたキャビティを形成するシール線に沿って基部からの蓋の分離を開始するための開封タブを備え、開封タブにおいて、シール線とレンズ支持体との間に少なくとも約2mmのクリアランスがある、請求項1~63のいずれか一項に記載のケース。
65.空気入口タブは、少なくとも1つの空気入口ガイドを更に備える、請求項48~61及び63~64のいずれか一項に記載のケース。
66.レンズ支持体、レンズ対向面、及び少なくとも1つの空気入口ガイドは、協働して、レンズと、支持体と、少なくとも1つの空気入口ガイドとの間の接触を最小限に抑えながら、レンズの中心を支持体の周りに維持する、請求項48~61及び63~65のいずれか一項に記載のケース。
67.レンズと、少なくとも1つの空気入口ガイドと、支持体との間の接触は一時的である、請求項66に記載のケース。
68.キャビティ内の空気によって占有される、レンズ光学ゾーンから離れた空気捕捉空間を更に備える、請求項48~61及び63~67のいずれか一項に記載のケース。
69.空気は、ケースの向きにかかわらず、レンズから離れた空気捕捉空間内に留まる、請求項68に記載のケース。
70.空気捕捉空間は、ケース内に密封される空気の体積と等しいか、又はそれよりわずかに大きい体積を有する、請求項68~69のいずれか一項に記載のケース。
71.基部及び蓋は単一の一体部品である、請求項1~70のいずれか一項に記載のケース。
72.基部及びレンズ支持体は単一の一体部品である、請求項1~71のいずれか一項に記載のケース。
73.基部、レンズ支持体及び蓋は単一の一体部品である、請求項1~72のいずれか一項に記載のケース。
74.蓋及び基部は、閉じると水密シールを形成する、請求項2~47及び62~73のいずれか一項に記載のケース。
75.シールは、スクリュートップシール又はスナップシールから選択されている、請求項74に記載のケース。
76.バープ弁を更に備える、請求項74又は75に記載のケース。
77.基部は、レンズ支持セクション及びレンズ溶液保持セクションの2つのセクションを含む、請求項74~76のいずれか一項に記載のケース。
78.レンズケースが開封されるとレンズ支持体をレンズ溶液から持ち上げる、レンズ支持体の下のばねを更に備える、請求項2~47及び74~77のいずれか一項に記載のケース。
79.レンズ溶液保持セクションは、レンズ支持体の周りとのシールを形成し、レンズ溶液がレンズ保持セクション内に導入され、コンタクトレンズはレンズ支持体上に配置される、請求項77に記載のケース。
80.一方は溶液保持セクションに封着し、開くと溶液保持セクションと係合してレンズ支持セクションを露出させ、他方は開くと溶液保持セクションを露出させる、2つの蓋を備える、請求項79に記載のケース。
81.少なくとも1つの変位手段を更に含む、請求項1~80のいずれか一項に記載のケース。
82.レンズは、蓋内に凹向きでレンズ溶液と共に配置され、ケースは、レンズ支持体を凹状のレンズ表面に向けて基部を蓋の上に配置し、基部及び蓋を封止して水密シールを形成することによって閉じられ、保管及び開封のために、レンズケースは、レンズが凸位置でレンズ支持体上に配置されるように反転される、請求項2~47及び62~73のいずれか一項に記載のケース。
【0177】
本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物から決定されるべきであることを理解されたい。
【0178】
〔実施の態様〕
(1) コンタクトレンズケースであって、
a.支持体であって、コンタクトレンズを、保管中及び前記ケースの開封時に前記支持体上の凸位置に維持するための支持体を備え、
b.前記レンズは、周縁部及びレンズプロファイルを有し、
c.前記支持体は、前記レンズプロファイルと実質的に一致しないプロファイルを有し、前記支持体と前記レンズとの間の湿潤接触が、約20mm未満、18mm未満、又は15mm未満である、
コンタクトレンズケース。
(2) コンタクトレンズケースであって、
a.ケース基部と、
b.ケース蓋と、
c.周縁部とレンズプロファイルとを有するコンタクトレンズを、前記ケース基部に対して凸位置に保持するための支持体と、
を備え、
d.前記基部及び前記蓋は、封止されて、前記支持体、前記コンタクトレンズ及びパッケージング溶液を含むキャビティを形成し、
e.前記レンズ支持体は、複数の周辺支持体を含み、前記複数の周辺支持体は、前記コンタクトレンズ周縁部を越えて少なくとも1mm延在する遠位端を有し、前記周辺支持体に沿って前記コンタクトレンズ縁部との少なくとも3、3~14、4~14、3~8、又は4~8、4~6、又は6個の接触点を提供し、前記ケースが開封され、前記パッケージング溶液が前記レンズ及び前記支持体から離れるように方向付けられた後の前記支持体と前記レンズとの間の湿潤接触が、約20mm未満、18mm未満、又は15mm未満である、
コンタクトレンズケース。
(3) 前記支持体は、レンズ溶液からの取り出しの際に、前記レンズと前記レンズ支持体との間にパッケージング溶液を閉じ込めることなく、前記レンズ溶液を前記レンズ及び前記支持体から排出することを可能にする、実施態様1又は2に記載のコンタクトレンズケース。
(4) 前記レンズは光学ゾーンを更に含み、前記レンズ支持体は、前記コンタクトレンズ光学ゾーンの少なくとも一部の下に、開放構造を有する実質的に平坦な上部セクションを更に含む、実施態様1又は2に記載のコンタクトレンズケース。
(5) 前記支持体は、前記コンタクトレンズ光学ゾーンの少なくとも一部の下に空隙を更に含む、実施態様1又は2に記載のコンタクトレンズケース。
【0179】
(6) 前記コンタクトレンズは、前記ケースが封止されている間は非圧縮状態に維持される、実施態様1又は2に記載のコンタクトレンズケース。
(7) 前記支持体は、少なくとも2つの周辺支持体を含む、実施態様1に記載のコンタクトレンズケース。
(8) 前記周辺支持体は、前記レンズ周辺の周りに分布している、実施態様2又は7に記載のコンタクトレンズケース。
(9) 前記レンズは、前記光学ゾーンに中心がある頂点を有し、前記支持体は、前記レンズ周辺から測定して、前記コンタクトレンズ頂点の下0.5mm以下の高さを有する中央支持体を更に含む、実施態様1~8のいずれかに記載のコンタクトレンズケース。
(10) 前記中央レンズ支持体は、約1~約10mm、約3mm~約9mm、約5mm~約9mm、又は約6mm~約9mmの直径を更に有する、実施態様9に記載のコンタクトレンズケース。
【0180】
(11) 前記中央レンズ支持体は開放構造を有する、実施態様9又は10に記載のコンタクトレンズケース。
(12) 前記中央レンズ支持体は、前記レンズ頂点の下に中央円柱を含む、実施態様11に記載のコンタクトレンズケース。
(13) 前記中央レンズ支持体は複数のアームを含み、各アームは、
平坦な上部セクション、任意選択の側部セクション及び任意選択の周辺支持体、前記上部セクションと前記任意選択の側部セクションとを接続するショルダ遷移部、並びに前記任意選択の側部セクションと前記任意選択の周辺支持体とを接続する任意選択のエルボ遷移部を含む、
実施態様11に記載のコンタクトレンズケース。
(14) 前記平坦な上部セクションにおける前記アームは、前記レンズ頂点の下の中心点で互いに接続されているか、又は前記レンズ頂点の下に中心がある開いた完全なリングもしくは部分的なリングに接続されている、実施態様13に記載のコンタクトレンズケース。
(15) 前記複数のアームは、前記ケース基部に接続されたフィンの形態である、実施態様13に記載のコンタクトレンズケース。
【0181】
(16) 前記複数のアームのうちの少なくともいくつかの一端が前記周辺レンズ支持体に取り付けられて上方に突出し、前記アームの遠位端が前記平坦な上部セクションを形成する、実施態様13に記載のコンタクトレンズケース。
(17) 前記周辺支持体の前記遠位端のうちの少なくともいくつかが、前記周辺支持体を前記レンズ基部から持ち上げる垂直支持体に接続されている、実施態様1~16のいずれかに記載のコンタクトレンズケース。
(18) 前記周辺支持体の前記遠位端の周りに、前記コンタクトレンズ周縁部を少なくとも2mm越えて少なくとも部分的なリングを更に備える、実施態様2~17のいずれかに記載のケース。
(19) 3~8本のアームを更に含む、実施態様13~18のいずれかに記載のケース。
(20) 3~6本のアームを更に含む、実施態様13~18のいずれかに記載のケース。
【0182】
(21) 前記アームの少なくとも2本がY字形状を有する、実施態様13~20のいずれかに記載のケース。
(22) 3本のY字形アームを有する、実施態様13~20のいずれかに記載のケース。
(23) 2本の直線アーム及び2本のY字形アームを備える、実施態様13~20のいずれかに記載のケース。
(24) 前記Y字形アームが、前記Y字の上部を横切る曲線を含む、実施態様21~23のいずれかに記載のケース。
(25) 前記アームは直線状である、実施態様13~20のいずれかに記載のケース。
【0183】
(26) 少なくとも部分的なリングが、約16~約25mm、約18~約25mm又は約18~約24mmの直径を有する、実施態様18に記載のケース。
(27) 前記実質的に平坦な上部は、変形されていない状態で、前記コンタクトレンズ頂点から高さ0.5mm、約0.5~約2mm、0.5~約1.5mm、又は約0.8~約1mmの撓みを有する、実施態様4に記載のケース。
(28) 前記支持体は、前記平坦な上部セクションに中心がある中央フィレットを更に含み、前記中央フィレットは、その最長寸法にわたって約0.1~約3mm、約0.1~約2mm、又は1.5mm未満の幅を有する、実施態様9~27のいずれかに記載のケース。
(29) 前記アーム及び前記周辺支持体の各々は、約0.5~約1.5mm、約0.5mm~約1mm、又は約0.5mm~約0.7mmの幅を有する、実施態様13~28のいずれかに記載のケース。
(30) 前記アームは、部品の成形性及び開封時の効率的なパッケージング溶液の排出を提供する幅を有する、実施態様13~29のいずれかに記載のケース。
【0184】
(31) 各アームは、前記平坦な上部セクションの高さが約0.5~約5mmである、実施態様13~30のいずれかに記載のケース。
(32) 前記平坦な上部は、前記レンズ支持体の中心に中心点を有し、前記ショルダは、前記平坦な上部中心の周りに放射状に配置されている、実施態様9~29のいずれかに記載のケース。
(33) 前記アームは前記中心点に取り付けられ、各アームは、前記ショルダから前記中心点までの長さが約1.5~約4mmである、実施態様32に記載のケース。
(34) 前記アームの前記平坦な上部セクション及び前記側部セクションにおける垂直からの角度が、最大約15°、又は約1°~約10°である、実施態様9~33のいずれかに記載のケース。
(35) 前記側部セクションと前記周辺支持体との間の角度が、約60°~約120°、又は約80°~約100°である、実施態様1~34のいずれかに記載のケース。
【0185】
(36) 前記アームは、前記平坦な上部の中心で接続されている、実施態様1~35のいずれかに記載のケース。
(37) 前記アームは、前記支持構造体の中心の周りに放射状に分布している、実施態様1~36のいずれかに記載のケース。
(38) 前記基部は実質的に平坦である、実施態様1~37のいずれかに記載のケース。
(39) 前記レンズは前記アーム側部セクションに接触しない、実施態様1~38のいずれかに記載のケース。
(40) 前記アーム側部セクションは直線状である、実施態様1~39のいずれかに記載のケース。
【0186】
(41) 前記支持体は、100°より大きい接触角を有するポリマーから作製されている、実施態様1~40のいずれかに記載のケース。
(42) 前記レンズ支持体は、前記ケース基部から少なくとも約20°の角度で配置されている、実施態様1~41のいずれかに記載のケース。
(43) 前記周辺支持体は、前記ケース基部に平行であり、前記ケース基部から少なくとも約4mm又は少なくとも約5mmである、実施態様2~42のいずれかに記載のケース。
(44) 前記レンズ支持体を前記レンズ溶液から持ち上げるための手段を更に備える、実施態様1~43のいずれかに記載のケース。
(45) 前記持ち上げ手段は、レバー、ばね、ヒンジ、ピボットアーム、折り目、機械的トラップ、ハンドル、及びそれらの組み合わせから選択されている、実施態様44に記載のケース。
【0187】
(46) 前記持ち上げ手段は、前記レンズ支持体を前記基部から、水平に対する約15~約80°、約20°~約70°、約30°~約60°又は約40°~約60°の角度まで傾けることによって、前記レンズを前記パッケージング溶液から持ち上げる、実施態様44に記載のケース。
(47) 前記レンズ及び前記支持体が前記ケース基部から分離されるときにパッケージング溶液を捕捉するためのリザーバを更に備える、実施態様1~46のいずれかに記載のケース。
(48) コンタクトレンズケースであって、
a.支持体であって、凸面を有するコンタクトレンズを前記支持体に対して凸位置に保持するための支持体と、
b.少なくとも1つの空気入口ガイドを含むレンズ対向面であって、前記少なくとも1つの空気入口ガイドは、ユーザが前記ケースを開封すると、前記コンタクトレンズ凸面を越えて前記ケース内へと入る空気を案内して、前記レンズ対向面への前記レンズ凸面の付着の発生を低減するように構成されている、レンズ対向面と、
を備える、コンタクトレンズケース。
(49) 前記ケース内部は、前記支持体と、前記少なくとも1つの空気入口ガイドと、前記コンタクトレンズと、パッケージング溶液とを含むキャビティを画定し、
a.前記ケースを開封し、ユーザの指による接触の前に前記レンズから前記パッケージング溶液を排出する際に、前記レンズは前記レンズ支持体上で凸形状を維持し、前記支持体は、前記レンズ周辺の周りに分布した少なくとも2つの点で前記レンズに接触する、
実施態様48に記載のコンタクトレンズケース。
(50) 前記レンズはプロファイルを有し、前記支持体は前記レンズプロファイルと実質的に一致しないプロファイルを有する、実施態様48又は49に記載のケース。
【0188】
(51) 前記ケースの後の前記支持体と前記レンズとの間の接触面積が、約20mm未満、18mm未満、又は15mm未満である、実施態様48~50のいずれかに記載のケース。
(52) 前記少なくとも1つの空気入口ガイドと前記レンズとの間の接触面積が、約50mm未満又は約30mm未満である、実施態様48~50のいずれかに記載のケース。
(53) 前記空気入口ガイドは、前記レンズ対向面からの突出部として、又は前記レンズ対向面の凹部として、前記レンズ対向面と一体である、実施態様48~52のいずれかに記載のケース。
(54) 前記空気入口ガイドは、前記レンズ凸面と前記蓋レンズ対向面との間に配置された別個の構造体の一部である、実施態様48~52のいずれかに記載のケース。
(55) 前記空気入口ガイドは、ケース開封時に空気が入る経路と平行に位置合わせされている、実施態様48~54のいずれかに記載のケース。
【0189】
(56) 前記空気入口ガイドは、少なくとも約2mm離間しているか、約2~約5mm離間しているか、又は2~約4.5mm離間している、実施態様48~55のいずれかに記載のケース。
(57) 前記コンタクトレンズは、光学ゾーンと、前記光学ゾーンと前記周縁部との間の湾曲したレンズ側部セクションとを含み、前記空気入口ガイドは、前記ケースの前部から後部まで直線状に延びるか、前記光学ゾーンの周りで湾曲するか、又はこれらの組み合わせである、実施態様48~56のいずれかに記載のケース。
(58) 前記光学ゾーンを横断する前記空気入口ガイドは、前記光学ゾーンにわたるより短いプロファイルを有する、実施態様48~57のいずれかに記載のケース。
(59) 前記空気入口ガイドは、連続リブ、不連続リブ、及びそれらの組み合わせを含む、実施態様48~58のいずれかに記載のケース。
(60) 前記空気入口ガイドは、少なくとも約2mm、又は約2mm~約4mmの最大高さを有する、実施態様48~59のいずれかに記載のケース。
【0190】
(61) 前記光学ゾーンにわたる前記空気入口ガイドプロファイルは、約0.5mm以下の高さを有する、実施態様60に記載のケース。
(62) 少なくとも1つの基部セクション及び少なくとも1つの蓋対向面を更に備え、これらが一緒になって、可逆的に封止されたキャビティを形成し、前記キャビティは、前記支持体、前記コンタクトレンズ及び前記レンズ溶液をその中に含む、実施態様1及び48に記載のケース。
(63) 前記蓋対向面はケース蓋の内面であり、前記ケースは、少なくとも1つの基部セクションを更に含み、前記基部セクションは、前記蓋と共に、前記レンズ支持体、前記レンズ、及び前記パッケージング溶液を収容する前記キャビティを形成し、
a.前記ケースは、前記キャビティを形成するシール線に沿って前記基部からの前記蓋の分離を開始するための少なくとも1つの開封タブを更に備える、
実施態様2~62のいずれかに記載のケース。
(64) 前記封止されたキャビティを形成するシール線に沿って前記基部からの前記蓋の分離を開始するための開封タブを備え、前記開封タブにおいて、前記シール線と前記レンズ支持体との間に少なくとも約2mmのクリアランスがある、実施態様1~63のいずれかに記載のケース。
(65) 前記空気入口タブは、少なくとも1つの空気入口ガイドを更に備える、実施態様48~61及び63~64のいずれかに記載のケース。
【0191】
(66) 前記レンズ支持体、前記レンズ対向面、及び前記少なくとも1つの空気入口ガイドは、協働して、前記レンズと、前記支持体と、前記少なくとも1つの空気入口ガイドとの間の接触を最小限に抑えながら、前記レンズの中心を前記支持体の周りに維持する、実施態様48~61及び63~65のいずれかに記載のケース。
(67) 前記レンズと、前記少なくとも1つの空気入口ガイドと、前記支持体との間の接触は一時的である、実施態様66に記載のケース。
(68) 前記キャビティ内の空気によって占有される、前記レンズ光学ゾーンから離れた空気捕捉空間を更に備える、実施態様48~61及び63~67のいずれかに記載のケース。
(69) 前記空気は、ケースの向きにかかわらず、前記レンズから離れた前記空気捕捉空間内に留まる、実施態様68に記載のケース。
(70) 前記空気捕捉空間は、前記ケース内に密封される空気の体積と等しいか、又はそれよりわずかに大きい体積を有する、実施態様68~69のいずれかに記載のケース。
【0192】
(71) 前記基部及び前記蓋は単一の一体部品である、実施態様1~70のいずれかに記載のケース。
(72) 前記基部及び前記レンズ支持体は単一の一体部品である、実施態様1~71のいずれかに記載のケース。
(73) 前記基部、前記レンズ支持体及び前記蓋は単一の一体部品である、実施態様1~72のいずれかに記載のケース。
(74) 前記蓋及び前記基部は、閉じると水密シールを形成する、実施態様2~47及び62~73のいずれかに記載のケース。
(75) 前記シールは、スクリュートップシール(screw top seal)又はスナップシールから選択されている、実施態様74に記載のケース。
【0193】
(76) バープ弁(burp valve)を更に備える、実施態様74又は75に記載のケース。
(77) 前記基部は、レンズ支持セクション及びレンズ溶液保持セクションの2つのセクションを含む、実施態様74~76のいずれかに記載のケース。
(78) 前記レンズケースが開封されると前記レンズ支持体を前記レンズ溶液から持ち上げる、前記レンズ支持体の下のばねを更に備える、実施態様2~47及び74~77のいずれかに記載のケース。
(79) 前記レンズ溶液保持セクションは、前記レンズ支持体の周りとのシールを形成し、レンズ溶液が前記レンズ保持セクション内に導入され、前記コンタクトレンズは前記レンズ支持体上に配置される、実施態様77に記載のケース。
(80) 一方は前記溶液保持セクションに封着し、開くと前記溶液保持セクションと係合して前記レンズ支持セクションを露出させ、他方は開くと前記溶液保持セクションを露出させる、2つの蓋を備える、実施態様79に記載のケース。
【0194】
(81) 少なくとも1つの変位手段を更に含む、実施態様1~80のいずれかに記載のケース。
(82) 前記レンズは、前記蓋内に凹向きでレンズ溶液と共に配置され、前記ケースは、前記レンズ支持体を前記凹状のレンズ表面に向けて前記基部を前記蓋の上に配置し、前記基部及び前記蓋を封止して水密シールを形成することによって閉じられ、保管及び開封のために、前記レンズケースは、前記レンズが凸位置で前記レンズ支持体上に配置されるように反転される、実施態様2~47及び62~73のいずれかに記載のケース。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図1J
図1K
図1L
図1M
図1N
図1O
図1P
図1Q
図1R
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
【手続補正書】
【提出日】2023-03-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトレンズケースであって、
a.支持体であって、コンタクトレンズを、保管中及び前記ケースの開封時に前記支持体上の凸位置に維持するための支持体を備え、
b.前記レンズは、周縁部及びレンズプロファイルを有し、
c.前記支持体は、前記レンズプロファイルと実質的に一致しないプロファイルを有し、前記支持体と前記レンズとの間の湿潤接触が、約20mm未満、18mm未満、又は15mm未満である、
コンタクトレンズケース。
【請求項2】
コンタクトレンズケースであって、
a.ケース基部と、
b.ケース蓋と、
c.周縁部とレンズプロファイルとを有するコンタクトレンズを、前記ケース基部に対して凸位置に保持するための支持体と、
を備え、
d.前記基部及び前記蓋は、封止されて、前記支持体、前記コンタクトレンズ及びパッケージング溶液を含むキャビティを形成し、
e.前記レンズ支持体は、複数の周辺支持体を含み、前記複数の周辺支持体は、前記コンタクトレンズ周縁部を越えて少なくとも1mm延在する遠位端を有し、前記周辺支持体に沿って前記コンタクトレンズ縁部との少なくとも3、3~14、4~14、3~8、又は4~8、4~6、又は6個の接触点を提供し、前記ケースが開封され、前記パッケージング溶液が前記レンズ及び前記支持体から離れるように方向付けられた後の前記支持体と前記レンズとの間の湿潤接触が、約20mm未満、18mm未満、又は15mm未満である、
コンタクトレンズケース。
【請求項3】
前記支持体は、レンズ溶液からの取り出しの際に、前記レンズと前記レンズ支持体との間にパッケージング溶液を閉じ込めることなく、前記レンズ溶液を前記レンズ及び前記支持体から排出することを可能にする、請求項1又は2に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項4】
前記レンズは光学ゾーンを更に含み、前記レンズ支持体は、前記コンタクトレンズ光学ゾーンの少なくとも一部の下に、開放構造を有する実質的に平坦な上部セクションを更に含む、請求項1又は2に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項5】
前記支持体は、前記コンタクトレンズ光学ゾーンの少なくとも一部の下に空隙を更に含む、請求項1又は2に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項6】
前記コンタクトレンズは、前記ケースが封止されている間は非圧縮状態に維持される、請求項1又は2に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項7】
前記支持体は、少なくとも2つの周辺支持体を含む、請求項1に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項8】
前記レンズは、前記光学ゾーンに中心がある頂点を有し、前記支持体は、前記レンズ周辺から測定して、前記コンタクトレンズ頂点の下0.5mm以下の高さを有する中央支持体を更に含む、請求項1~のいずれか一項に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項9】
前記中央レンズ支持体は開放構造を有する、請求項に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項10】
前記中央レンズ支持体は、前記レンズ頂点の下に中央円柱を含む、請求項8又は9に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項11】
前記中央レンズ支持体は複数のアームを含み、各アームは、
平坦な上部セクション、任意選択の側部セクション及び任意選択の周辺支持体、前記上部セクションと前記任意選択の側部セクションとを接続するショルダ遷移部、並びに前記任意選択の側部セクションと前記任意選択の周辺支持体とを接続する任意選択のエルボ遷移部を含む、
請求項8~10のいずれか一項に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項12】
前記平坦な上部セクションにおける前記アームは、前記レンズ頂点の下の中心点で互いに接続されているか、又は前記レンズ頂点の下に中心がある開いた完全なリングもしくは部分的なリングに接続されている、請求項11に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項13】
前記複数のアームは、前記ケース基部に接続されたフィンの形態である、請求項11に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項14】
前記複数のアームのうちの少なくともいくつかの一端が前記周辺レンズ支持体に取り付けられて上方に突出し、前記アームの遠位端が前記平坦な上部セクションを形成する、請求項11に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項15】
前記周辺支持体の前記遠位端のうちの少なくともいくつかが、前記周辺支持体を前記レンズ基部から持ち上げる垂直支持体に接続されている、請求項11のいずれか一項に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項16】
前記周辺支持体の前記遠位端の周りに、前記コンタクトレンズ周縁部を少なくとも2mm越えて少なくとも部分的なリングを更に備える、請求項2~15のいずれか一項に記載のケース。
【請求項17】
前記実質的に平坦な上部は、変形されていない状態で、前記コンタクトレンズ頂点から高さ0.5mm、約0.5~約2mm、0.5~約1.5mm、又は約0.8~約1mmの撓みを有する、請求項4に記載のケース。
【請求項18】
前記支持体は、前記平坦な上部セクションに中心がある中央フィレットを更に含み、前記中央フィレットは、その最長寸法にわたって約0.1~約3mm、約0.1~約2mm、又は1.5mm未満の幅を有する、請求項17のいずれか一項に記載のケース。
【請求項19】
前記レンズ支持体は、前記ケース基部から少なくとも約20°の角度で配置されている、請求項1~18のいずれか一項に記載のケース。
【請求項20】
前記レンズ支持体を前記レンズ溶液から持ち上げるための手段を更に備える、請求項1~19のいずれか一項に記載のケース。
【請求項21】
前記持ち上げ手段は、レバー、ばね、ヒンジ、ピボットアーム、折り目、機械的トラップ、ハンドル、及びそれらの組み合わせから選択されている、請求項20に記載のケース。
【請求項22】
前記持ち上げ手段は、前記レンズ支持体を前記基部から、水平に対する約15~約80°、約20°~約70°、約30°~約60°又は約40°~約60°の角度まで傾けることによって、前記レンズを前記パッケージング溶液から持ち上げる、請求項20又は21に記載のケース。
【請求項23】
前記レンズ及び前記支持体が前記ケース基部から分離されるときにパッケージング溶液を捕捉するためのリザーバを更に備える、請求項1~22のいずれか一項に記載のケース。
【請求項24】
コンタクトレンズケースであって、
a.支持体であって、凸面を有するコンタクトレンズを前記支持体に対して凸位置に保持するための支持体と、
b.少なくとも1つの空気入口ガイドを含むレンズ対向面であって、前記少なくとも1つの空気入口ガイドは、ユーザが前記ケースを開封すると、前記コンタクトレンズ凸面を越えて前記ケース内へと入る空気を案内して、前記レンズ対向面への前記レンズ凸面の付着の発生を低減するように構成されている、レンズ対向面と、
を備える、コンタクトレンズケース。
【請求項25】
前記ケース内部は、前記支持体と、前記少なくとも1つの空気入口ガイドと、前記コンタクトレンズと、パッケージング溶液とを含むキャビティを画定し、
a.前記ケースを開封し、ユーザの指による接触の前に前記レンズから前記パッケージング溶液を排出する際に、前記レンズは前記レンズ支持体上で凸形状を維持し、前記支持体は、前記レンズ周辺の周りに分布した少なくとも2つの点で前記レンズに接触する、
請求項24に記載のコンタクトレンズケース。
【請求項26】
前記ケースの後の前記支持体と前記レンズとの間の接触面積が、約20mm未満、18mm未満、又は15mm未満である、請求項24又は25に記載のケース。
【請求項27】
前記少なくとも1つの空気入口ガイドと前記レンズとの間の接触面積が、約50mm未満又は約30mm未満である、請求項2426のいずれか一項に記載のケース。
【国際調査報告】