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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-28
(54)【発明の名称】切断及び凝固のための電気手術装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/18 20060101AFI20230921BHJP
【FI】
A61B18/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023503064
(86)(22)【出願日】2021-07-13
(85)【翻訳文提出日】2023-01-16
(86)【国際出願番号】 EP2021069513
(87)【国際公開番号】W WO2022028826
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】2012034.1
(32)【優先日】2020-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512008495
【氏名又は名称】クレオ・メディカル・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CREO MEDICAL LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハンコック,クリストファー・ポール
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト,マルコム
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160JK01
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK23
(57)【要約】
本発明は、生体組織を切断及び凝固するための電気手術装置に関する。特に、本発明は、高周波(RF)電磁(EM)エネルギー及びマイクロ波周波数EMエネルギーを生成するように構成された電気手術用の発生器を提供する。ここで、該電気手術用の発生器は、凝固モード及び切断モードの各々で動作可能であり、凝固モードでは、該電気手術用の発生器は、主要なマイクロ波信号及び補助的なRF信号を含む凝固複合波形でRF EMエネルギー及びマイクロ波EMエネルギーを同時に送達するように構成され、切断モードでは、該電気手術用の発生器は、主要なRF信号及び補助的なマイクロ波信号を含む切断複合波形でRF EMエネルギー及びマイクロ波EMエネルギーを同時に送達するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波(RF)電磁(EM)エネルギー及びマイクロ波周波数EMエネルギーを生成するように構成された電気手術用の発生器であって、
前記電気手術用の発生器は、凝固モード及び切断モードの各々で動作可能であり、
前記凝固モードでは、前記電気手術用の発生器は、主要なマイクロ波信号及び補助的なRF信号を含む凝固複合波形で前記RF EMエネルギー及び前記マイクロ波EMエネルギーを同時に送達するように構成され、
前記切断モードでは、前記電気手術用の発生器は、主要なRF信号及び補助的なマイクロ波信号を含む切断複合波形で前記RF EMエネルギー及び前記マイクロ波EMエネルギーを同時に送達するように構成される、前記電気手術用の発生器。
【請求項2】
前記凝固複合波形において、前記補助的なRF信号は、生体組織の局部加熱をもたらすのに適しているが、マイクロプラズマを生成するには適していない低電力レベルで送達される、請求項1に記載の電気手術装置。
【請求項3】
前記凝固複合波形において、前記主要なマイクロ波信号は、生体組織の凝固を促進するのに適した高電力レベルで送達される、請求項1に記載の電気手術装置。
【請求項4】
前記凝固複合波形において、前記主要なマイクロ波信号は、10W以下の電力レベルで送達される、先行請求項のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項5】
前記凝固複合波形において、前記主要なマイクロ波信号は、連続波信号として送達される、先行請求項のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項6】
前記凝固複合波形において、前記補助的なRF信号は、75~100Vに及ぶRMS電圧を有して送達される、先行請求項のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項7】
前記凝固複合波形において、前記補助的なRF信号は、連続波信号として、またはパルス信号として送達される、先行請求項のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項8】
前記切断複合波形において、前記主要なRF信号は、組織の切断のためのマイクロプラズマの生成に適した高電力レベルで送達される、先行請求項のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項9】
前記切断複合波形において、前記補助的なマイクロ波信号は、生体組織を変性及び乾燥させるのに適しているが、生体組織の凝固には適していない低電力レベルで送達される、先行請求項のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項10】
前記切断複合波形において、前記主要なRF信号は、少なくとも300VのRMS電圧を有して送達される、先行請求項のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項11】
前記切断複合波形において、前記主要なRF信号は、連続波信号として、またはパルス信号として送達される、先行請求項のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項12】
前記切断複合波形において、前記補助的なマイクロ波信号は、10W以下の電力レベルで送達される、先行請求項のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項13】
前記切断複合波形において、前記補助的なマイクロ波信号は、連続波信号として、またはパルス信号として送達される、先行請求項のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項14】
電気手術装置であって、
請求項1~11のいずれか1項に記載の電気手術用の発生器、
生体組織にRF EMエネルギー及びマイクロ波周波数EMエネルギーを送達するための遠位先端アセンブリを有する電気手術器具、ならびに
前記電気手術用の発生器から前記電気手術器具に前記RF EMエネルギー及び前記マイクロ波周波数EMエネルギーを送達するように接続された給電ケーブルを含む、前記電気手術装置。
【請求項15】
電気手術用の発生器から、高周波(RF)電磁(EM)エネルギー及びマイクロ波周波数EMエネルギーを生体組織に送達するための遠位先端アセンブリを有する電気手術器具にRF EMエネルギー及びマイクロ波周波数EMエネルギーを送達する方法であって、前記発生器を、生体組織での止血を促進するための凝固複合波形または生体組織を切断するための切断複合波形のいずれかの前記RF EMエネルギー及び前記マイクロ波周波数EMエネルギーを同時に送達するように操作することを含む前記方法であり、
前記凝固複合波形は、同時に送達される主要なマイクロ波信号及び補助的なRF信号を含み、
前記切断複合波形は、同時に送達される主要なRF信号及び補助的なマイクロ波信号を含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体組織を切断及び凝固するための電気手術装置に関する。特に、本発明は、電気手術用の発生器から電気手術器具の遠位端のバイポーラ電極構成に送達するための複合高周波(RF)及びマイクロ波周波数電磁(EM)エネルギー波形に関する。該複合波形は、効果的な切断及び凝固を促進するように構成される。
【背景技術】
【0002】
外科的切除は、ヒトまたは動物の体内から器官の部分を除去する手段である。かかる器官は、血管が多い場合がある。組織が切断される(分割または離断される)際、細動脈と呼ばれる小さい血管が損傷されるかまたは破裂する。初期の出血に続いて、出血点をふさぐことを試みる際に血液が血餅に変化する凝固カスケードが起こる。手術の間、患者にとって、できるだけ血液を失わないことが望ましいため、出血がない切断をもたらすことの試みにおいて様々な装置が開発されてきた。また、内視鏡手術の場合、血流が手術者の視界を遮る可能性があり、それによって手術が打ち切られ、代わりに別の方法、例えば、開腹術を用いざるを得なくなる可能性があるため、出血が生じることも、出血ができるだけ速く、または適切な方法で対処されないことも望ましいことではない。
【0003】
電気手術用の発生器は、開腹及び腹腔鏡手術で用いるために、病院の手術室に広く普及しており、内視鏡検査室にもますます増えつつある。内視鏡手術では、電気手術用アクセサリは通常、内視鏡内側の管腔から挿入される。腹腔鏡手術に当てはまるアクセスチャネルを検討すると、かかる管腔は内径が比較的小さく、長さがより長い。
【0004】
鋭利なブレードの代わりに、高周波(RF)エネルギーを用いて生体組織を切断することが知られている。RFエネルギーを使用して切断する方法は、電流が組織マトリクスを通過すると(細胞のイオン含有量及び細胞内電解質によって補助される)、組織にわたる電子の流れへのインピーダンスが熱を生じさせるという原理を使用して動作する。組織マトリクスにRF電圧が印加されると、細胞内に十分な熱が発生して組織の水分を蒸発させる。このように乾燥が増した結果、特に、組織を通る電流路全体の中で電流密度が最も高い器具のRF放出領域に隣接して、該器具の切断ポールに隣接する組織は該ブレードとの直接の接点を失う。印加された電圧は、その後この空隙のほとんど全体にわたって現れ、結果としてイオン化し、組織と比較して極めて高い体積抵抗率を有するプラズマ(本明細書ではマイクロプラズマとも呼ばれ得る)を形成する。この差別化は重要であり、プラズマに印加エネルギーを集中させ、これが器具の切断ポールと組織の間の電気回路を閉じた。何らかの揮発性材料がプラズマに十分ゆっくりと入ると蒸発するため、組織切断性のプラズマという認識になる。
【0005】
GB2486343に、生体組織を処置するためにRF及びマイクロ波エネルギーの両方を送達する電気手術装置に対する制御システムが開示されている。プローブに送達されるRFエネルギーとマイクロ波エネルギーの両方のエネルギー送達プロファイルは、プローブに伝達されたRFエネルギーのサンプリングされた電圧及び電流の情報と、プローブに及びプローブから伝達されたマイクロ波エネルギーについて順方向にサンプリングされ、反射された電力情報に基づいて設定される。
【0006】
図3は、GB2486343に説明される電気手術装置400の概略図を示す。この装置は、RFチャネル及びマイクロ波チャネルを含む。RFチャネルは、生体組織の処理(例えば、切断、または乾燥)に適した電力レベルでRF周波数電磁信号を生成し制御するための構成要素を含む。マイクロ波チャネルは、生体組織の処理(例えば、凝固または焼灼)に適した電力レベルでマイクロ波周波数電磁信号を生成し制御するための構成要素を含む。
【0007】
マイクロ波チャネルは、マイクロ波周波数供給源402と、それに続いて電力スプリッタ424(例えば3dB電力スプリッタ)(供給源402からの信号を2つの分岐に分割する)とを有する。電力スプリッタ424からの一方の分岐が、マイクロ波チャネルを形成し、マイクロ波チャネルは、制御信号V10を介してコントローラ406によって制御される可変減衰器404と、制御信号V11を介してコントローラ406によって制御される信号変調器408とを含む電力制御モジュール、及び処理に適した電力レベルでプローブ420から送達させるための順方向マイクロ波EM放射線を発生させるための駆動増幅器410及び電力増幅器412を含む増幅器モジュールを有する。増幅器モジュールの後、マイクロ波チャネルは、マイクロ波信号カップリングモジュール(マイクロ波信号検出器の一部を構成する)と続く。マイクロ波信号カップリングモジュールは、サーキュレータ416であって、その第一及び第二のポート間の経路に沿ってマイクロ波EMエネルギーを供給源からプローブへ送達するように接続されたサーキュレータ416と、サーキュレータ416の第一のポートにおける順方向結合器414と、サーキュレータ416の第三のポートにおける反射結合器418とを含む。反射結合器を通った後、第三のポートからのマイクロ波EMエネルギーは電力ダンプ負荷422で吸収される。またマイクロ波信号カップリングモジュールは、順方向結合信号または反射結合信号のいずれかを検出用にヘテロダイン受信部に接続するために制御信号V12を介してコントローラ406によって動作されるスイッチ415を含む。
【0008】
電力スプリッタ424からの他方の分岐は測定チャネルを形成する。測定チャネルは、マイクロ波チャネル上で増幅するラインナップをバイパスし、よって、プローブから低電力信号を送達するよう構成される。本実施形態では、制御信号V13を介してコントローラ406によって制御される一次チャネル選択スイッチ426は、プローブに送達するためのマイクロ波チャネルまたは測定チャネルのいずれかからの信号を選択するよう動作可能である。マイクロ波信号発生器を低周波RF信号から保護するために、一次チャネル選択スイッチ426とプローブ420との間に高域通過フィルタ427が接続される。
【0009】
測定チャネルは、プローブから反射された電力の位相及び大きさを検出するように構成された構成要素を含む。検出によって、材料(例えば、プローブの遠位端に存在する生体組織)についての情報が得られ得る。測定チャネルは、サーキュレータ428であって、その第一及び第二のポート間の経路に沿ってマイクロ波EMエネルギーを供給源402からプローブへ送達するように接続されたサーキュレータ428を含む。プローブから戻る反射信号は、サーキュレータ428の第三のポートに向けられる。サーキュレータ428は、順方向信号と反射信号との間に分離を提供して、正確な測定を容易にするために使用される。しかしながら、サーキュレータはその第一及び第三のポート間に完全な分離を提供しない、すなわち順方向信号の一部は第三のポートへと漏出し、反射信号に干渉するので、(順方向結合器430から)順方向信号の一部を(注入結合器432を介して)第三のポートから出てくる信号に注入して戻す搬送波相殺回路が使用される。搬送波相殺回路は、注入部分が、第一のポートから第三のポートへ漏出するいかなる信号とも、その信号を相殺するために180°位相がずれていることを保証する位相調整器434を含む。また、搬送波相殺回路は、注入部分の大きさが、いかなる漏出信号とも同じであることを保証する信号減衰器436を含む。
【0010】
順方向信号におけるいかなるドリフトも補償するために、測定チャネル上に順方向結合器438が設けられている。順方向結合器438の結合出力と、サーキュレータ428の第三のポートからの反射信号とは、スイッチ440のそれぞれの入力端子に接続される。このスイッチ440は、結合された順方向信号、または反射信号のいずれかを、検出する目的で、ヘテロダイン受信部に接続するために、制御信号V14を介してコントローラ406によって動作される。
【0011】
スイッチ440の出力(すなわち、測定チャネルからの出力)とスイッチ415の出力(すなわち、マイクロ波チャネルからの出力)とが、二次チャネル選択スイッチ442のそれぞれの入力端子に接続されている。二次チャネル選択スイッチ442は、一次チャネル選択スイッチとともに、制御信号V15を介してコントローラ406によって動作可能であり、測定チャネルがプローブにエネルギーを供給しているときに測定チャネルの出力がヘテロダイン受信部に接続されること、及びマイクロ波チャネルがプローブにエネルギーを供給しているときにマイクロ波チャネルの出力がヘテロダイン受信部に接続されることを確実にする。
【0012】
ヘテロダイン受信部は、二次チャネル選択スイッチ442が出力した信号から位相及び大きさ情報を抽出するために用いられる。このシステムでは、シングルヘテロダイン受信部を示しているが、必要ならば、信号がコントローラに入る前にソース周波数を2度ミックスダウンするダブルヘテロダイン受信部(2つの局部発振器及び混合器を含む)を使用してもよい。ヘテロダイン受信部は、局部発振器444と、二次チャネル選択スイッチ442によって出力される信号をミックスダウンするための混合器448とを備える。局部発振器信号の周波数は、混合器448からの出力が、コントローラ406で受信されるのに適した中間周波数になるように選択される。局部発振器444及びコントローラ406を高周波マイクロ波信号から保護するために、帯域通過フィルタ446、450が設けられる。
【0013】
コントローラ406は、ヘテロダイン受信部の出力を受信して、そこから、マイクロ波または測定チャネル上の順方向及び/または反射信号の位相及び大きさを示す情報を決定する(例えば、抽出する)。この情報は、マイクロ波チャネル上の高電力マイクロ波EM放射またはRFチャネル上の高電力RF EM放射の送達を制御するために使用されてもよい。上記のように、使用者は、ユーザーインタフェース452を介してコントローラ406と対話し得る。
【0014】
図3に示すRFチャネルは、制御信号V16を介してコントローラ406によって制御されるゲートドライバ456に接続されたRF周波数供給源454を含む。ゲートドライバ456は、ハーフブリッジ構成であるRF増幅器458に動作信号を供給する。このハーフブリッジ構成のドレイン電圧は、可変DC電源460によって制御可能である。出力変圧器462が、生成されたRF信号を、プローブ420に送達するためのライン上に転送する。そのライン上には、高周波マイクロ波信号からRF信号発生器を保護するために、低域通過フィルタ、帯域通過フィルタ、帯域消去フィルタ、またはノッチフィルタ464が接続されている。
【0015】
変流器466が、組織負荷に送達される電流を測定するためにRFチャネル上に接続されている。電圧を測定するために、分圧器468(出力変圧器から一部が取り出され得る)が使用される。分圧器468及び変流器466からの出力信号(すなわち、電圧及び電流を示す電圧出力)は、対応するバッファ増幅器470、472及び電圧クランピングツェナーダイオード474、476、478、480によってコンディショニングされた後に、コントローラ406に直接接続される(図3では信号B及びCとして示す)。
【0016】
位相情報を得るために、電圧及び電流信号(B及びC)は位相比較器482(例えば、EXORゲート)にも接続される。位相比較器482の出力電圧はRC回路484によって積分されて、電圧波形と電流波形との間の位相差に比例する電圧出力(図3ではAとして示す)を生成する。この電圧出力(信号A)は、コントローラ406に直接接続される。
【0017】
マイクロ波/測定チャネル及びRFチャネルは、信号結合器114に接続される。信号結合器114は、両方の種類の信号を別個にまたは同時に、ケーブルアセンブリに沿ってプローブ420に伝達する。プローブ420から、それは患者の生体組織内に送達される(例えば、放射される)。
【0018】
導波管アイソレータ(図示せず)を、マイクロ波チャネルと信号結合器との間の接合部に設けてもよい。導波管アイソレータは3つの機能を行うように構成してもよい。(i)非常に高いマイクロ波電力(例えば、10Wよりも大きい)を通過させること、(ii)RF電力の通過をブロックすること、及び(iii)高耐電圧(例えば、10kVよりも大きい)をもたらすこと。容量構造(DCブレークとしても知られる)を、導波管アイソレータに(例えば、導波管アイソレータ内に)または導波管アイソレータに隣接して、設けてもよい。容量構造の目的は、隔離障壁にわたる容量結合を減らすことである。
【0019】
本発明は、電気手術装置に改良を与え、特に、切断及び凝固操作の有効性を高める。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0020】
最も一般的には、本発明は、高周波(RF)及びマイクロ波周波数電磁(EM)信号の同時送達を各々含む凝固波形及び切断波形を提供する。第一の周波数の主信号を第二の周波数の補助周波数で補うことにより、送達されたEMエネルギーの切断または凝固効果が大幅に改善されることが分かった。
【0021】
本発明の第一の態様によれば、高周波(RF)電磁(EM)エネルギー及びマイクロ波周波数EMエネルギーを生成するように構成された電気手術用の発生器を提供する。ここで、該電気手術用の発生器は、凝固モード及び切断モードの各々で動作可能であり、凝固モードでは、該電気手術用の発生器は、主要なマイクロ波信号及び補助的なRF信号を含む凝固複合波形でRF EMエネルギー及びマイクロ波EMエネルギーを同時に送達するように構成され、切断モードでは、該電気手術用の発生器は、主要なRF信号及び補助的なマイクロ波信号を含む切断複合波形でRF EMエネルギー及びマイクロ波EMエネルギーを同時に送達するように構成される。主要な信号とは、補助的な信号の電力より高い電力を有するEM信号として理解されるべきであり、補助的な信号とは、主要な信号の電力よりも低い電力を有するEM信号として理解されるべきである。このため、主要な信号は高電力信号と呼ばれる場合もあり、補助的な信号は低電力信号と呼ばれる場合もある。
【0022】
凝固モードでは、同時に送達される主要なマイクロ波信号及び補助的なRF信号を含む凝固複合波形を提供することによって、マイクロ波信号のみを使用する場合よりも大きな全電力が生体組織に送達されることが分かった。これにより、凝固することができる最大出血量が増加するため、凝固複合波形は、マイクロ波電力のみを使用して、またはマイクロ波とRF信号をインターリーブ(たとえば交互に)することによって停止され得るよりも深刻な出血に対処する能力を与える。
【0023】
好ましくは、凝固モードにおいて、補助的なRF信号は、主要なマイクロ波信号と比較して低い電力レベルでよい低電力レベルで送達され、これは、生体組織の局部加熱をもたらすのに適しているが、組織の切断をもたらし得るマイクロプラズマを生成するには適していない。このようにして補助的なRF信号を送達することによって、凝固複合波形による凝固を改善するために、電気手術器具の遠位先端におけるエネルギー送達が増加し得る。有利には、凝固モードでは、主要なマイクロ波信号は、補助的なRF信号に対して高い電力レベルでよい高電力レベルで送達され、生体組織の凝固を促進するのに適している。例えば、RF信号の電力レベルを、発生器内のRF回路に組み込まれたフィードバック回路を使用して制御してもよく、このフィードバックを使用して、電流、電力及び電圧を制御し、RF信号の電圧を制限して、電流及び電力を所定の安全限界(すなわち、マイクロプラズマの生成に至らない限界)内に収めてもよい。
【0024】
例えば、凝固複合波形では、主要なマイクロ波信号は、10W以下の電力レベルで送達され得る。主要なマイクロ波信号は、好ましくは、連続波(CW)信号として送達され得る。
【0025】
例えば、凝固複合波形では、75~100Vに及ぶRMS電圧、及び10W未満、例えば3W以下、例えば2Wの電力レベルを有する補助的なRF信号が送達され得る。補助的なRF信号は、CW信号またはパルス信号、例えば、少なくとも10%のデューティサイクルを有するパルス信号のいずれかとして送達され得る。
【0026】
切断モードでは、同時に送達される主要なRF信号及び補助的なマイクロ波信号を含む切断複合波形を提供することによって、補助的なマイクロ波信号が、電気手術器具の遠位先端で形成されるマイクロプラズマの電力を増加させるため、切断性能を改善することが分かった。さらに、マイクロ波信号は生体組織に結合してある程度の変性が生じ得るため、生体組織のインピーダンスが主要なRF信号に変化し、これによって切断性能も改善される。
【0027】
好ましくは、切断モードでは、主要なRF信号は、補助的なマイクロ波信号の電力レベルに対して高い電力レベルでよい高電力レベルで提供され、電気手術器具の遠位端で組織を切断するためにマイクロプラズマを生成するのに適している。有利には、切断モードでは、補助的なマイクロ波信号は、主要なRF信号の電力レベルに対して低い電力レベルでよい低電力レベルで送達され、生体組織を変性及び乾燥させるのに適している。例えば、このマイクロ波信号の電力レベルは、主要なRF信号と補助的なマイクロ波信号の同時送達を、切断の領域での生体組織の変性及び乾燥に合わせるための主要なRF信号の電力レベルに依存してもよい。切断モードでは、このマイクロ波信号の電力は、RF信号の電力よりも小さいが、このRF信号のレベルが組織の切断に寄与する独自の所定のまたは予め設定された最大レベルで提供されてもよい。いくつかの実施形態では、主要なRF信号及び補助的なマイクロ波信号は、同調して切り替えられ得る。
【0028】
好ましくは、切断複合波形では、主要なRF信号は、少なくとも300VのRMS電圧、及び少なくとも30W、例えば40W以上の電力レベルを有して送達され得る。この主要なRF信号は、CW信号として送達される場合もあればパルス信号として送達される場合もある。
【0029】
切断複合波形では、補助的なマイクロ波信号は、連続波信号として、またはパルス信号として、例えば、少なくとも10%のデューティサイクルを有するパルス信号として送達され得る。好ましくは、該マイクロ波信号は、10W以下の電力で送達され得る。
【0030】
切断複合波形の一例では、主要なRF信号及び補助的なマイクロ波信号は、マイクロプラズマが起きるまで同時に送達されてもよく、その後、主要なRF信号を止め、マイクロプラズマをマイクロ波信号単独で維持してもよい。例えば、マイクロプラズマは、補助的なマイクロ波信号と同じ電力またはそれより高い電力で送達されるマイクロ波信号で維持され得る。
【0031】
本発明の第二の態様によれば、本発明の第一の態様に従う電気手術用の発生器、生体組織にRF EMエネルギー及びマイクロ波EMエネルギーを送達するための遠位先端アセンブリを有する電気手術器具、ならびに該電気手術用の発生器から該電気手術器具に該RF EMエネルギー及び該マイクロ波周波数EMエネルギーを送達するように接続された給電ケーブルを含む電気手術装置が提供される。
【0032】
本発明の第三の態様によれば、電気手術用の発生器から、高周波(RF)電磁(EM)エネルギー及びマイクロ波EMエネルギーを生体組織に送達するための遠位先端アセンブリを有する電気手術器具にRF EMエネルギー及びマイクロ波周波数EMエネルギーを送達する方法が提供され、該方法は、該発生器を、生体組織での止血を促進するための凝固複合波形または生体組織を切断するための切断複合波形のいずれかのRF EMエネルギー及びマイクロ波周波数EMエネルギーを同時に送達するように操作することを含み、該凝固複合波形は、同時に送達される主要なマイクロ波周波数信号及び補助的なRF信号を含み、該切断複合波形は、同時に送達される主要なRF信号及び補助的なマイクロ波周波数信号を含む。
【0033】
本明細書において、用語「内側」とは、同軸ケーブル、プローブ先端、及び/またはアプリケータの中心(例えば軸)に、半径方向により近いことを意味する。用語「外側」とは、同軸ケーブル、プローブ先端、及び/またはアプリケータの中心(軸)から、半径方向に離れていることを意味する。
【0034】
用語「伝導性」は、文脈による別段の指示がない限り、本明細書では導電性を意味するように使用される。
【0035】
本明細書では、用語「近位」及び「遠位」は、アプリケータの端部を指す。使用時、近位端は、RFエネルギー及び/またはマイクロ波エネルギーをもたらす発生器により近く、一方、遠位端は、該発生器からより離れている。
【0036】
本明細書では、「マイクロ波」は、400MHz~100GHzの周波数範囲であるが、好ましくは1GHz~60GHzの範囲を示すように広範に使用され得る。検討された具体的な周波数は、915MHz、2.45GHz、3.3GHz、5.8GHz、10GHz、14.5GHz、及び25GHzである。対照的に、本明細書は、「高周波」または「RF」を使用して、例えば最大300MHz、好ましくは10kHz~1MHz、最も好ましくは400kHzという、少なくとも3桁低い周波数範囲を示す。送達されるマイクロ波エネルギーを最適化できるように、マイクロ波周波数を調整してもよい。例えば、プローブ先端は、特定の周波数(例えば900MHz)で動作するように設計され得るが、使用時に最も効率的な周波数が異なる場合もある(例えば902及び928MHz)。
【0037】
用語「電気手術用」は、手術中に使用され、高周波及び/またはマイクロ波周波数の電磁(EM)エネルギーを利用する器具、装置、またはツールに関連して使用される。
【0038】
以下、本発明の特徴を、下記に提供される本発明の例の詳細な説明において、添付の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明の実施形態で使用される電気手術システムの概略図である。
図2】本発明で使用するのに適した電気手術器具の遠位端の一部透視斜視図である。
図3】本発明が使用され得る電気手術装置の全体的な概略図である。
図4】本発明の実施形態による第一の複合凝固波形の略図である。
図5】本発明の実施形態による第二の複合凝固波形の略図である。
図6】本発明の実施形態による複合切断波形の略図である。
図7】本発明の実施形態による第二の複合切断波形の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
さらなる選択肢及び選好
本発明は、切断及び凝固を強化するための高周波(RF)及びマイクロ波周波数電磁(EM)エネルギーの両方の同時信号を含む複合波形に幅広く関連する。
【0041】
図1は、完全な電気手術システム100の概略図であり、これは、侵襲的な電気手術器具の遠位端に、RFエネルギー、マイクロ波エネルギー及び流体、例えば、食塩水またはヒアルロン酸のいずれかまたはすべてを選択的に供給することが可能である。システム100は、RF電磁(EM)エネルギー及び/またはマイクロ波周波数EMエネルギーを制御可能に供給するための発生器102を含む。発生器102は、図3を参照して上述した電気手術装置400に示されるようなものであってもよい。発生器102は、該器具に伝えられるべき適切な信号を決定するために、該器具から戻された反射信号を監視するように構成されてもよい。例えば、発生器102は、最適な送達電力レベルを決定するために、該器具の遠位端で見られるインピーダンスを計算するように構成されてもよい。
【0042】
発生器102は、インタフェースケーブル104によってインタフェースジョイント106に接続されている。インタフェースジョイント106はまた、流体送達装置108、例えば、シリンジからの流体供給107を受けるように接続されるが、これは必須である必要はない。必要に応じて、インタフェースジョイント106は、例えば、1つ以上の制御ワイヤまたはプッシュロッド(図示せず)の長手方向(前後)の動きを制御するために、トリガー110をスライドさせることによって動作可能な器具制御機構を収容することができる。複数の制御ワイヤがある場合、完全な制御をもたらすために、インタフェースジョイントに複数のスライド式トリガーが存在してもよい。インタフェースジョイント106の機能は、発生器102、流体送達装置108及び器具制御機構からの入力を、インタフェースジョイント106の遠位端から延びる単一の可撓性シャフト112に結合することである。インタフェースジョイント106の内部構成を、以下により詳細に論じる。
【0043】
可撓性シャフト112は、手術用スコーピング装置114、例えば、内視鏡、胃カメラ、腹腔鏡等の器具(作動)チャネルの全長を通して挿入可能である。トルク伝達ユニットは、インタフェースジョイント106と手術用スコーピング装置114との間のシャフト112の近位長に取り付けられる。該トルク伝達ユニットは、該シャフトと係合して、それが手術用スコーピング装置114の器具チャネル内で回転することを可能にする。
【0044】
可撓性シャフト112は、手術用スコーピング装置114の器具チャネルを通過し、内視鏡の管の遠位端で(例えば、患者の内部に)突出するような形の電気手術器具の先端部118を有する。該器具の先端部は、RF EMエネルギー及びマイクロ波EMエネルギーの複合波形を生体組織に送達するためのアクティブ先端部、ならびに流体を送達するための格納式皮下注射針を含む。これらの複合技術は、不必要な組織を切断して破壊し、標的領域の周囲の血管を封止する能力を提供する。格納式の皮下注射針を使用することで、外科医は、組織層の間にマーカー色素を加えた食塩水及び/またはヒアルロン酸を注入して、処理する病変の位置を広げてマークすることができる。このようにして流体を注入すると、組織層が持ち上げられて分離されるため、病変の周囲の切除と粘膜下層の平面化の両方が容易になり、腸壁の穿孔や筋肉層への不要な熱損傷のリスクが軽減される。
【0045】
以下でより詳細に説明するように、器具の先端118はさらに、該アクティブ先端部の下に配置された保護外殻を含み、組織平面化型の切除動作を補助し、これも不注意による穿孔から保護し、残りの組織の生存率を確保するのに役立ち、これが次により迅速な治癒及び術後の回復を促す。
【0046】
以下で論じる器具の先端部の構造は、特に、内径が少なくとも3.3mmでチャネル長が60cm~170cmの作業チャネルを有する従来の可動可撓性内視鏡で使用するために設計され得る。このように、比較的小径(3mm未満)の器具の大部分は、はるかに大きく、主にポリマー絶縁装置、すなわち、典型的には11mm~13mmの外径を有する可撓性内視鏡チャネルの管腔内に収容される。実際には、視野を妨げたり、カメラの焦点合わせに悪影響を与えたりしないように、遠位アセンブリの15mm~25mmのみが内視鏡チャネルの遠位端から突出する。遠位アセンブリの突出部分は、患者と直接接触する唯一の器具の部分である。
【0047】
典型的には患者から50cm~80cm離れて保持される内視鏡の作業チャネルの近位端で、可撓性シャフト112は作業チャネルポートから出て、インタフェースジョイント106までさらに30cm~100cm延びる。使用時、インタフェースジョイント106は通常、手術全体を通して手袋をはめた助手によって保持される。インタフェースジョイント106は、沿面距離及びクリアランス距離を延長した一次及び二次電気絶縁を提供するようにポリマー材料から設計及び製造される。インタフェースケーブル104は、QNタイプの同軸インタフェースを使用して発生器102に接続され、連続的な時計回りまたは反時計回りの回転を可能にするように設計されたQMAタイプの同軸インタフェースを使用して該インタフェースジョイントに接続される。これにより、インタフェースジョイント106は、使用者の制御下でトルク伝達ユニットと共に回転することができる。補助者は、使用者が、共鳴による器具の回転、針の制御及び流体の注入を行うのを支援するために、手術全体を通してインタフェースジョイント106を支持する。
【0048】
図2は、本発明の実施形態で使用され得る電気手術器具の遠位端アセンブリ214(器具の先端部と呼ばれることもある)の透視図を示す。この器具の先端部は、GB2565575において設計されているように提供され得る。管状部分218、支持スリーブ217、及びカニューレ管216は、内部構成要素が見えるように透明に示されている。管状部分218内の保護外殻222の部分は、電気導体素子230が外部導体上にどのように適合するかを示すために省略されている。
【0049】
遠位端アセンブリ214は、例えば、図1を参照して上で述べた可撓性シャフト112に対応する可撓性シャフトの外側カニューレ管216の遠位端に取り付けられている。カニューレ管216は、流体を該器具の先端部に運ぶための管腔を画定する可撓性スリーブを形成しており、該器具の先端部は、その遠位端で固定されている。トルク伝達機能を提供するために、外側カニューレ管216は、例えば、半径方向内側のポリマー層と半径方向外側のポリマー層との間に取り付けられた編組線(例えばステンレス鋼)ラップを含む編組管で形成されており、このポリマーは、例えばPebax(登録商標)でよい。
【0050】
この実施形態では、外側カニューレ管216は、その遠位端で、可撓性導管であり得る非編組管状部分218に接続されている。管状部分218は、任意の好適なポリマー材料、例えばPebax(登録商標)等から形成され得る。管状部分218は、軸方向の長さ(すなわちシャフト軸に沿った長さ)が、1mm以上であり得る。このことは、マイクロ波エネルギーの使用中に、容量性コンダクタンスの結果として編組が加熱されるリスクを回避するために、編組の端部と遠位端アセンブリ214の近位縁との間に、安全な距離が導入されることを確実にし得る。この構成は、平面伝送線路の2つのプレートまたは同軸伝送線路内の2つの導体が、短絡すること、または互いに接続されることを防ぐこともできる。
【0051】
管状部分218は、「ソフト先端部」218と呼ばれることもある。ソフト先端部218は、いくつかの実施形態では、スリーブまたはカニューレ管216の遠位端に結合された追加の長さのポリマー管であり得る。この結合には、任意の好適な接着剤、例えばエポキシ等を使用してもよい。管状部分218とカニューレ管216との間の接合部上に、追加の機械的強度を提供することによってこの接合箇所を補強するために、支持管217を取り付けてもよい。支持管217は、管状部分218及びカニューレ管216の両方が、その中で例えば接着によって固定される短いポリマー管部分であってもよい。支持管217は、可撓性であってもよく、及び/またはシャフトの可撓性に悪影響を及ぼさないことを確実にするように選ばれた長さを有し得る。
【0052】
管状部分218、カニューレ管216、及び支持管217の接合部はまた、シャフトの遠位端にさらなる構造的強度を提供するために、熱収縮スリーブ(図示せず)内に取り込まれ得る。
【0053】
カニューレ管216内の編組により、シャフトの近位端に加えられるトルクを、該器具の先端部の回転運動に変換することが可能になる。便宜上、添付の図のいくつかは、管状部分218及びカニューレ管216を透明なものとして示している。実際の実施形態では、このシャフトは不透明であり得る。
【0054】
管状部分218の遠位端は、保護外殻222の対応する近位部220上に適合するように構成される。該保護外殻は、生体組織との摩擦が少ない金属材料、例えばステンレス鋼から形成され、いくつかの機能を行うため、すなわち、
-遠位端アセンブリ214を、該可撓性シャフトに取り付け、
-周囲の生体組織にエネルギーを送達するアクティブ先端部構造に、保護下面を提供し、
-格納式の針に保護するハウジング及び支持フレームを提供し、
-組み立て時及びその後の使用時に、同軸ケーブルに対してアクティブ先端部構造を位置決めするように成形される。
【0055】
遠位端アセンブリ214は、アクティブ先端部224を含み、このアクティブ先端部224は、その上面及び下面に導電層(例えばメタライゼーションの層)を有する誘電材料221(例えば、アルミナ)の平面片である。導電層は各々、カニューレ管216によって運ばれる同軸ケーブル142の内部導体228及び外部導体のそれぞれ一方に電気的に接続されている。同軸ケーブル142の遠位端で、その外側シースが取り除かれて、ある長さの外部導体が露出する。同軸ケーブルの内部導体228は、外部導体の遠位端を越えて延在する。後述するように、同軸ケーブル142とアクティブ先端部224とは、内部導体228の突出部分がアクティブ先端部の第一の導電層上に横たわり、一方、外部導体が保護外殻222を介して第二の導電層と電気的に接続されるに至るように、互いに対して取り付けられている。第一の導電層が外部導体から分離され、第二の導電層が内部導体228から分離される。
【0056】
これらの導電層は、高融点導体、例えばWまたはTiから形成され得る。しかし、一例を挙げれば、同軸ケーブル142の内部導体及び外部導体とアクティブ先端部224との間の電気的接続において、はんだの使用を容易にするために、電気的接続が行われる導電層上の近位領域に、より融点の低い導体を堆積させてもよい。このより融点の低い導体は、銀(Ag)または金(Au)であってもよい。
【0057】
アクティブ先端部224の遠位端は、患者の体内で鋭い角が出現するのを避けるために湾曲させてある。
【0058】
この外部導体は、保護外殻222を介して、アクティブ先端部224の下面にある下部導電層に電気的に接続される。保護外殻222の近位端には、同軸給電ケーブル142の遠位端を受け入れて支持するためのU字型チャネルが形成されている。遠位端アセンブリは、外部導体の露出部分がU字型チャネル内に収まるように構成されている。外部導体の露出部分を圧着するために、スリーブまたはカラー等の導電性素子230が用いられる。圧着に起因する圧縮は、同軸ケーブルが、保護外殻222によって受け入れられる領域において変形することを意味する。例えば、同軸ケーブルの外部導体が露出している部分は、楕円形の断面を有していてもよく、それにより、U字型チャネル248の側面に当接して、安定した電気的接触を形成する。すなわち、圧着された外部導体は、締まりばめを介して外殻によって保持され得る。
【0059】
外部導体とアクティブ先端部224上の下部導電層との間の電気的接続を仕上げるために、保護外殻222が、例えば、はんだ付けによって下部導電層に電気的に結合される。この実施形態では、この目的のためにはんだプリフォームが提供される。このはんだプリフォームは、保護外殻222の上面に形成された凹部内に受容可能なように成形される。一例を挙げれば、この凹部は長方形であり、はんだプリフォームはこれに対応する形状を有しているが、任意の好適な形状を使用してもよい。この凹部は、はんだが、確実に、アクティブ先端部224の下面と保護外殻222との間にのみ存在するように、すなわち、アクティブ先端部224の側縁へ流れないように、保護外殻の縁から後退させてある。組み立てられたときに、はんだプリフォームは、上記の低融点の導体(例えば金)で被覆されたアクティブ先端部224の下面上の領域と合致し得る。はんだ付けプロセスを容易にするために、構成要素が組み立てられる際に、はんだプリフォームと共に、好適なフレックス(図示せず)が設けられてもよい。はんだ付けプロセス自体は、誘導はんだ付けであってもよい。誘導はんだ付けの効果は、はんだプリフォームにおけるアクティブ先端部224及び保護外殻222の領域に限定されてもよい。
【0060】
上記の構成は、保護外殻222が、(i)アクティブ先端部224、(ii)はんだプリフォーム、及び(iii)同軸ケーブル142の全てを、正確で再現性のある組み立てを保証する固定された空間的な関係で保持するので有利である。
【0061】
遠位端アセンブリは、保護外殻222の下面に形成された凹部内に保持される針ガイドをさらに備える。針ガイドは、例えばポリイミド製の中空管(例えばフェルール)であり、その中に皮下注射針234が摺動可能に取り付けられる。針234は、カニューレ管216の中にある液体を受け取って治療部位に送達するために、カニューレ管216の内部容積と流体連通している。
【0062】
遠位端アセンブリ214が組み立てられた後、遠位端アセンブリ214は、締まりばめ及び接着剤(例えば、エポキシ)により、管状部分218の遠位端内に固定され得る。接着剤はまた、管状部分218の遠位端のためのプラグを形成して流体密封を提供することができ、この流体密封は、界面接合箇所に導入される流体の唯一の出口が、針234を通ることを結果としてもたらす。同様に、内部導体228と上部導電層との間の接合部(例えば、はんだ付けされた接合箇所)は、好適な接着剤(例えばエポキシ)から形成され得る保護カバーを有し得る。保護カバーは、保護外殻222とアクティブ先端部224との間の接続を強化することができ、その一方では管状部分218の末端プラグ、すなわち、界面接合箇所に導入される流体の唯一の出口が針を通ることを結果としてもたらす流体密封をも形成する。
【0063】
使用時には、アクティブ先端部224が患者と密接に接触する。針234は、針234の展開及び後退を行わせるための制御ワイヤ235に作用する界面接合箇所上の摺動機構の制御を介して、アクティブ先端部224の遠位端を越えて伸長させ、ガイド管の内部に戻る位置まで後退させることができる。針は、その伸ばされた位置において、組織の局所的膨張及び/またはマーキングを行う目的で流体を注入するのに使用される。アクティブ先端部224上の導電層は、RF及び/またはマイクロ波の電磁エネルギーを供給するための双極電極を形成する。
【0064】
針ガイド232は、遠位アセンブリの内側及び近位に後進延在して、拡張された沿面クリアランスを提供し、それによってRF/マイクロ波の活性化がアクティブ先端部224の遠位先端部領域にわたってのみ生じることを確保する。
【0065】
この外殻の遠位端は、アクティブ先端部224が、遠位先端を除いて遠位縁の周りに約0.2mm張り出すことができるように成形される。従って、アクティブ先端部の下側に接触する表面は、最大幅が2mmであり、中間部分で1.6mmまで狭まり、その後、遠位部でその遠位先端に向かって先細になる。この遠位先端は、例えば、半径0.2mmを有する単一のアールを付けた曲線であってもよい。
【0066】
図4~7は、本発明の実施形態において上述したような電気手術器具からの送達のための波形の概略図を示す。各波形は、x軸が時間、y軸が信号強度のグラフとして表される。
【0067】
図4は、本発明の実施形態による第一の複合凝固波形500の略図である。複合波形500は、主要なマイクロ波信号502と補助的なRF信号504の組み合わせを含む。特に、RF信号504は、組織の不要な切断を引き起こす可能性があるブレードエッジでのマイクロプラズマの生成を回避するのに十分低い電力で送達されるべきである。補助的なRF信号504をマイクロ波信号502と同時に印加することにより、マイクロ波信号のみを使用する場合よりも大きな全電力が生体組織に送達されることが分かった。これにより、凝固することができる最大出血量が増加するため、複合凝固波形500は、マイクロ波電力のみを使用して、またはマイクロ波とRF信号をインターリーブ(たとえば交互に)することによって停止され得るよりも深刻な出血に対処する能力を与える。
【0068】
例えば、マイクロ波信号502は、10Wの電力レベルでCWモードにて生体組織に送達されてもよく、400kHzのRF信号504は、75Vrms~100Vrmsで生体組織に同時に送達され得る。これは、ブレードエッジでのマイクロプラズマの生成を回避するには好適なレベルだが、生体組織へのエネルギー送達を増加させるための局部加熱をもたらし凝固速度を改善するには十分なレベルである。例えば、RF信号504の電力は、10W未満、例えば、3W以下、例えば、2Wでよい。RF信号504は、電流及び/または電圧のフィードバック(図3に関して上述したもの等)に基づいて該発生器によって調整され、組織に送達される電力が制御され得る。このように構成された複合凝固波形500は、生体組織と接触するアクティブ先端部のミリメートル当たり2W~20Wの電力の送達の増加をもたらす。
【0069】
組織に送達される追加の電力の実際の値は、生体組織の流体量に依存する。例えば、流体含有量が高いと生体組織に送達される電力が増加し、流体含有量が低いと電力送達が減少する。例として、上記の例で凝固のために血液に送達される追加の電力は、接触しているブレードのミリメートル当たり7W程度の追加の電力である。これは、10Wのマイクロ波信号502の電力に対してかなりの増加であることが理解されよう。
【0070】
組織に送達される電力をより大きく制御するために、RF電力をパルス状にしてもよい。図5は、本発明の実施形態による第二の複合凝固波形510の略図であり、RF信号514がパルス状である。マイクロ波信号512は、10Wの電力の連続波(CW)方式で、第一の複合凝固波形500のマイクロ波信号502と実質的に同じ方式で送達され得る。しかしながら、第二の複合凝固波形510では、RF信号514はパルス状であり、デューティサイクルは、例えば少なくとも10%である。RF信号514のデューティサイクルは、電流及び/または電圧のフィードバック(図3に関して上述したもの等)に基づいて発生器によって制御され、組織に送達される電力が制御され得る。RF信号514は方形パルスとして示されているが、任意の適切なパルス形状が、所望のエネルギー送達プロファイルに従って選択され得ることが理解されよう。
【0071】
図6は、本発明の実施形態による複合切断波形520の略図である。複合切断波形520は、主要なRF信号522と補助的なマイクロ波信号524の組み合わせを含む。遠位先端アセンブリ、例えば、図2に関して上述したようなバイポーラ先端部に送達されると、RF信号522は、例えば生体組織との接触が行われる場所で、電極間に非常に高い局所電場を引き起こし、マイクロプラズマ(すなわち高熱プラズマ)を生じさせ、組織の切断が可能になる。切断のための主要なRF信号522と同時に補助的なマイクロ波信号524を印加すると、RF信号522によって生成されるマイクロプラズマの電力が増加し、切断性能が向上することが分かった。さらに、マイクロ波信号524は生体組織に結合してある程度の変性が生じ得るため、生体組織のインピーダンスがRF信号に変化する。マイクロ波信号524は、RF信号522と比較して低いレベルで送達されるため、組織に対するマイクロ波信号524の凝固効果は、RF信号522によってもたらされる切断と比較してわずかである。切断複合波形520は、例えば、RF信号単独では、ポリープの形状のため、及び組織によって器具の先端部に提示されるインピーダンスによって効果が弱くなり得る無茎性ポリープの除去、またはリボン状の切断時に特に有用であり得る。補助的なマイクロ波信号524は、主要なRF信号522によって生成されるマイクロプラズマの電力を増加させ、切断性能を向上させる。
【0072】
例えば、400kHzのRF信号522を、30W~40Wの電力にて300Vrmsで生体組織に送達してもよく、10W以下の電力レベルのマイクロ波信号524を、CWモードで生体組織に同時に送達し、RF信号522の切断性能を高めてもよい。補助的なマイクロ波信号524は、例えば、10W以下の電力で送達され得る。
【0073】
図6に示すように、RF信号522をパルスとして送達してもよい。他の例では、RF信号は、複数のパルスとして送達され得る。RF信号522は方形パルスとして示されているが、任意の適切なパルス形状が、所望のエネルギー送達プロファイルに従って選択され得る。例えば、RF信号522は、高電力の切断開始部分及び低電力の切断維持部分を有するパルスの形をとってもよい(例えば、GB2552452に記載の通り)。
【0074】
組織に送達される電力をより大きく制御するために、マイクロ波信号をCWモードで送達する必要はなく、パルス状にすることができる。図7は、本発明の実施形態による複合切断波形530の例を示す。この例では、複合波形530は、図6に示すものと実質的に同じRF信号532を、一連のパルスとして送達されるマイクロ波信号534と組み合わせて含む。例えば、マイクロ波信号534はパルス状であり、デューティサイクルは少なくとも10%であり得る。マイクロ波信号534のデューティサイクルは、電流及び/または電圧のフィードバック(図3に関して上述したもの等)に基づいて発生器によって制御され、組織に送達される電力が制御され得る。RF信号532及びマイクロ波信号534は方形パルスとして示されているが、任意の適切なパルス形状が、所望のエネルギー送達プロファイルに従って選択され得ることが理解されよう。いくつかの例では、RF信号及びマイクロ波信号は、同調して切り替えられ得る。
【0075】
切断複合波形の一例では、主要なRF信号及び補助的なマイクロ波信号は、マイクロプラズマが起きるまで同時に送達されてもよく、その後、主要なRF信号を止め、マイクロプラズマをマイクロ波信号単独で維持してもよく、このマイクロ波信号は、同じ電力で、またはより高い電力で送達される。
【0076】
前述の説明、もしくは以下の特許請求の範囲、もしくは添付の図面で開示し、その具体的な形態でもしくは開示した機能を行うための手段の形で表した特徴、または開示した結果を得るための方法もしくはプロセスを、必要に応じて、別個に、またはこのような特徴の任意の組み合わせで、本発明をその多様な形態で実現するために利用してもよい。
【0077】
本発明を、上記の例示的な実施形態と併せて説明してきたが、本開示が与えられた場合、多くの均等の修正及び変形が当業者には明らかであろう。従って、上で説明された本発明の例示的な実施形態は、例示的であり限定的でないと判断される。記載される実施形態への様々な変更は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに行われ得る。
【0078】
誤解を避けるために、本明細書に提供する理論的な説明は、読者の理解を深めることを目的として提供されている。本発明者らは、これらの理論的説明のいずれにも拘束されることを望むものではない。
【0079】
以下の請求項を含む本明細書の全体を通じて、文脈上異ならない限り、用語「~を有する(have)」、「~を含む(comprise)」、及び「~を含む(include)」、ならびに「~を有する(having)」、「~を含む(comprises)」、「~を含む(comprising)」、及び「~を含む(including)」等の変形は、記載された整数もしくはステップ、または整数もしくはステップの群を包含するが、他の整数もしくはステップ、または整数もしくはステップの群を除外しないことを示唆すると理解される。
【0080】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明確にそうでないと示されない限り、複数の指示物を包含することに留意されたい。範囲は、「約」ある特定の値から及び/または「約」他の特定の値として、本明細書において表現され得る。そのような範囲が表現される時、別の実施形態は、1つの特定の値から及び/または他の特定の値までを含む。同様に、値が近似として表現される場合に、先行詞「約」の使用によって、特定の値が別の実施形態を形成することが理解されよう。数値に関連する用語「約」は、随意であり、例えば+/-10%を意味する。
【0081】
用語「好ましい(preferred)」及び「好ましくは(preferably)」は、本明細書では、いくつかの状況の下で特定の利点を提供し得る本発明の実施形態を指して使用される。しかしながら、同じまたは異なる状況下では他の実施形態も好ましい場合があることを理解されたい。従って、1つ以上の好ましい実施形態の列挙は、他の実施形態が有用ではないことを意味または示唆するものではなく、他の実施形態を本開示の範囲または特許請求の範囲から除外することを意図するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-09-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気手術装置であって、
高周波(RF)電磁(EM)エネルギー及びマイクロ波周波数EMエネルギーを組織に送達するための遠位先端アセンブリを有する電気手術器具、
高周波(RF)電磁(EM)エネルギー及びマイクロ波周波数EMエネルギーを生成するように構成された電気手術用の発生器、ならびに
前記電気手術用の発生器から前記電気手術器具に前記RF EMエネルギー及び前記マイクロ波周波数EMエネルギーを送達するように接続された給電ケーブルを含む前記電気手術装置であり、
前記電気手術用の発生器は、凝固モード及び切断モードの各々で動作可能であり、
前記凝固モードでは、前記電気手術用の発生器は、高電力マイクロ波信号及び低電力RF信号を含む凝固複合波形で前記RF EMエネルギー及び前記マイクロ波EMエネルギーを前記電気手術器具に同時に送達するように構成され、
前記切断モードでは、前記電気手術用の発生器は、高電力RF信号及び低電力マイクロ波信号を含む切断複合波形で前記RF EMエネルギー及び前記マイクロ波EMエネルギーを前記電気手術器具に同時に送達するように構成され、
前記低電力マイクロ波信号は、生体組織を凝固することなく生体組織を変性及び乾燥する低電力レベルで前記遠位先端から送達される、前記電気手術装置。
【請求項2】
前記凝固複合波形において、前記低電力RF信号は、マイクロプラズマを生成することなく生体組織の局部加熱をもたらす低電力レベルで前記遠位先端から送達される、請求項1に記載の電気手術装置。
【請求項3】
前記凝固複合波形において、前記高電力マイクロ波信号は、生体組織の凝固を促進する高電力レベルで前記遠位先端から送達される、請求項1に記載の電気手術装置。
【請求項4】
前記凝固複合波形において、前記高電力マイクロ波信号は、10W以下の電力レベルで前記電気手術器具に送達される、先行請求項のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項5】
前記凝固複合波形において、前記高電力マイクロ波信号は、連続波信号として前記電気手術器具に送達される、先行請求項のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項6】
前記凝固複合波形において、前記低電力RF信号は、75~100Vに及ぶRMS電圧で前記電気手術器具に送達される、先行請求項のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項7】
前記凝固複合波形において、前記低電力RF信号は、連続波信号として、またはパルス信号として前記電気手術器具に送達される、先行請求項のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項8】
前記切断複合波形において、前記高電力RF信号は、組織の切断のためのマイクロプラズマを生成する高電力レベルで前記遠位先端から送達される、先行請求項のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項9】
前記切断複合波形において、前記高電力RF信号は、少なくとも300VのRMS電圧で前記電気手術器具に送達される、先行請求項のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項10】
前記切断複合波形において、前記高電力RF信号は、連続波信号として、またはパルス信号として前記電気手術器具に送達される、先行請求項のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項11】
前記切断複合波形において、前記低電力マイクロ波信号は、10W以下の電力レベルで前記電気手術器具に送達される、先行請求項のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項12】
前記切断複合波形において、前記低電力マイクロ波信号は、連続波信号として、またはパルス信号として前記電気手術器具に送達される、先行請求項のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項13】
電気手術用の発生器から、高周波(RF)電磁(EM)エネルギー及びマイクロ波周波数EMエネルギーを生体組織に送達するための遠位先端アセンブリを有する電気手術器具にRF EMエネルギー及びマイクロ波周波数EMエネルギーを送達する方法であって、前記発生器を、生体組織での止血を促進するための凝固複合波形または生体組織を切断するための切断複合波形のいずれかの前記RF EMエネルギー及び前記マイクロ波周波数EMエネルギーを同時に送達するように操作することを含む前記方法であり、
前記凝固複合波形は、同時に送達される高電力マイクロ波信号及び低電力RF信号を含み、
前記切断複合波形は、同時に送達される高電力RF信号及び低電力マイクロ波信号を含む、前記方法。
【国際調査報告】