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特表2023-541192CDDO-2P-Im及びCDDO-3P-Imの類似体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-28
(54)【発明の名称】CDDO-2P-Im及びCDDO-3P-Imの類似体
(51)【国際特許分類】
   C07J 63/00 20060101AFI20230921BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20230921BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230921BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230921BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230921BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20230921BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20230921BHJP
   A61P 21/02 20060101ALI20230921BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20230921BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230921BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20230921BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
C07J63/00 CSP
A61K31/4439
A61P43/00 111
A61P35/00
A61P25/00
A61P25/28
A61P25/16
A61P21/02
A61P25/14
A61P43/00 105
A61P29/00
A61P25/18
A61P25/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516814
(86)(22)【出願日】2021-09-14
(85)【翻訳文提出日】2023-04-25
(86)【国際出願番号】 US2021050183
(87)【国際公開番号】W WO2022056439
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】63/077,869
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/077,873
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523091132
【氏名又は名称】トリテルペノイド・セラピューティクス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スポーン,マイケル・ビー
【テーマコード(参考)】
4C086
4C091
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC17
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA13
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA02
4C086ZA12
4C086ZA16
4C086ZA18
4C086ZA23
4C086ZB11
4C086ZB21
4C086ZB26
4C086ZC41
4C091AA06
4C091BB03
4C091BB10
4C091CC01
4C091DD03
4C091DD16
4C091EE07
4C091FF02
4C091FF06
4C091GG03
4C091GG05
4C091HH01
4C091JJ03
4C091KK01
4C091LL02
4C091LL03
4C091LL06
4C091LL09
4C091MM01
4C091NN02
4C091NN15
4C091PA20
4C091PB03
4C091QQ02
4C091QQ05
(57)【要約】
本開示は、合成トリテルペノイド、そのような合成トリテルペノイドを調製するための方法並びにそのような合成トリテルペノイドを使用して、がん、特に脳腫瘍、神経精神障害及び神経変性疾患などの疾患又は障害を治療及び/又は予防する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)又は式(III):
【化1】
(式中、nは、1~4から選択される整数であり、Rは、ハロゲン、任意に置換されたカルボキサミド又は任意に置換されたC1~6-ハロアルキルである。)の構造を有する化合物、又はそのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
nが1である、請求項1に記載の化合物、そのN-オキシド又はその塩。
【請求項3】
が、C1~6-ハロアルキルである、請求項1又は2に記載の化合物、そのN-オキシド又はその塩。
【請求項4】
が、C1~6-フルオロアルキルである、請求項1又は2に記載の化合物、そのN-オキシド又はその塩。
【請求項5】
が、-CFである、請求項1又は2に記載の化合物、そのN-オキシド又はその塩。
【請求項6】
が、任意に置換されたカルボキサミドである、請求項1又は2に記載の化合物、そのN-オキシド又はその塩。
【請求項7】
が、-C(O)NHである、請求項1又は2に記載の化合物、そのN-オキシド又はその塩。
【請求項8】
式(II)又は式(IV):
【化2】
(式中、nは、1~4から選択される整数であり、Rは、ハロゲン、任意に置換されたカルボキサミド又は任意に置換されたC1~6-ハロアルキルである。)の構造を有する化合物、又はそのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
nが1である、請求項8に記載の化合物、そのN-オキシド又はその塩。
【請求項10】
が、C1~6-ハロアルキルである、請求項8又は9に記載の化合物、そのN-オキシド又はその塩。
【請求項11】
が、C1~6-フルオロアルキルである、請求項8又は9に記載の化合物、そのN-オキシド又はその塩。
【請求項12】
が、-CFである、請求項8又は9に記載の化合物、そのN-オキシド又はその塩。
【請求項13】
が、任意に置換されたカルボキサミドである、請求項8又は9に記載の化合物、そのN-オキシド又はその塩。
【請求項14】
が、-C(O)NHである、請求項8又は9に記載の化合物、そのN-オキシド又はその塩。
【請求項15】
化合物が、
【表1】
の構造を有する、請求項8に記載の化合物、そのN-オキシド又はその塩。
【請求項16】
Nrf2活性の調節を必要とする患者において、Nrf2活性を調節するための方法であって、前記患者に、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、又はそのN-オキシド又はその塩を投与することを含む、方法。
【請求項17】
がんの治療を必要とする患者において、がんを治療するための方法であって、前記患者に、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、又はそのN-オキシド又はその塩を投与することを含む、方法。
【請求項18】
がんが、脳がんである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
神経変性疾患の治療を必要とする患者において、神経変性疾患をするための方法であって、前記患者に、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、又はそのN-オキシド又はその塩を投与することを含む、方法。
【請求項20】
神経変性疾患が、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)又はハンチントン病である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
炎症性疾患又は状態の治療を必要とする患者において、炎症性疾患又は状態を治療するための方法であって、前記患者に、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、又はそのN-オキシド又はその塩を投与することを含む、方法。
【請求項22】
炎症性疾患又は状態が、神経精神障害、特にうつ病である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
(i)請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、又はそのN-オキシド又はその塩、及び(ii)薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年9月14日に出願された米国特許出願第63/077,869号及び第63/077,873号の優先権を主張するものであり、これらの文献の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、新たなクラスの合成トリテルペノイド並びにがん、特に脳腫瘍、自己免疫疾患、炎症性疾患、神経精神障害、神経変性疾患及び腎/腎臓疾患などの疾患又は障害を治療するためのその使用を提供する。
【背景技術】
【0003】
スクアレンの環化によって植物中で生合成されるトリテルペノイドは、多くのアジアの国において医療目的で使用されており、ウルソール酸及びオレアノール酸などのいくつかのものは、抗炎症性及び抗発がん性であることが知られている。しかしながら、これらの天然に存在する分子の生物学的活性は、比較的弱く、したがって、その効力を増強するための新たな類似体の合成が行われている。
【0004】
この点において、オレアノール酸の合成誘導体は、抗炎症及び抗がん活性を示す。そのような化合物は、例えば、2-シアノ-3,12-ジオキソオレアナ-1,9(11)-ジエン-28-酸(「CDDO」)及びそのC-28メチルエステル誘導体である2-シアノ-3,12-ジオキソオレアナ(dioxoolean)-1,9(11)-ジエン-28-酸メチルエステル(「CDDO-Me」)及びそのC-28イミダゾール誘導体である1-(2-シアノ-3,12-ジオキソオレアナ-1,9(11)-ジエン-28-オイル)イミダゾール(「CDDO-Im」)を含む。Hondaら、Bioorg Med Chem Lett.8(19):2711~2714(1998);Suhら、Cancer Res.58:717~723(1998);Hondaら、Bioorg Med Chem Lett.9(24):3429~3434(1999);WO1999/065478;WO2004/064723を参照されたい。CDDO-Meは、腎臓疾患、例えばアルポート症候群及び糖尿病性腎臓疾患の治療のために開発中である。さらに、CDDO-Imのピリジル類似体、例えば1-[2-シアノ-3,12-ジオキソオレアナ-1,9(11)-ジエン-28-オイル]-4(-ピリジン-3-イル)-1H-イミダゾール(「CDDO-3P-Im」)が、合成され、ある特定の状況における活性について試験されている。Caoら、Pharmacol Res.100:135~47(2015);WO2016/033132を参照されたい。
【0005】
神経膠腫(グレードI~IV)は、すべての悪性脳腫瘍の80パーセント、すべての中枢神経系腫瘍の約30パーセントを構成する致死性の原発性脳腫瘍である。低グレード神経膠腫(グレードI及びII)は、時間とともに増悪して、高グレード神経膠腫(グレードIII及びIV)になる。これらは、症例の90%超において再発し、14か月の生存率中央値及び10%未満の5年生存率を有する。多形性神経膠芽細胞腫(GBM)は、最も一般的な原発性脳腫瘍である。GBMにおける生存率は低く、5%未満の患者が診断後5年間生存し、過去30年間に人口統計の顕著な改善はなく、この致死性疾患を治療する新たな革新的手法の切実な必要性を強調している。
【0006】
新たに診断されたGBMを有する成人患者について、テモゾロミド(TMZ)が、現在、放射線療法と同時に、次いで維持治療として与えられる。10年以上前の標準治療へのTMZの追加にもかかわらず、GBMを有する患者の平均生存期間は、14か月のままである。さらに、TMZへの長期曝露は、重度のリンパ球減少症を含む重大な毒性及び薬物耐性の発現を伴う。GBMは、現在多くの場合治癒不可能であることから、GBMにおける療法耐性の根底にある機構を標的とし、TMZ及び放射線に対する応答を増強し得る新規薬物が緊急に必要とされている。
【0007】
神経変性疾患は、中枢神経系(CNS)細胞の構造及び/又は機能の進行性喪失を伴う。過去20年間に神経変性疾患のための薬理学的手法の開発に膨大な科学的努力が注がれたにもかかわらず、有効な薬物は、ほとんど発見されていない。したがって、これらの壊滅的な障害の大半、例えばアルツハイマー病(AD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)及びパーキンソン病(PD)について、有効な療法は、ほとんど存在しない。
【0008】
血液脳関門(BBB)は、脳毛細血管を裏打ちする内皮細胞間の特殊化された密着結合によって形成されて、脳と身体の他の部分との間に高度に選択的な障壁を生成する。治療剤を特定のCNS部位に送達することの困難性を克服することは、CNS疾患及び障害、例えば脳腫瘍、神経精神疾患及び神経変性疾患の新たな治療の発見における大きな課題の1つである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第1999/065478号
【特許文献2】国際公開第2004/064723号
【特許文献3】国際公開第2016/033132号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Hondaら、Bioorg Med Chem Lett.8(19):2711~2714(1998)
【非特許文献2】Suhら、Cancer Res.58:717~723(1998)
【非特許文献3】Hondaら、Bioorg Med Chem Lett.9(24):3429~3434(1999)
【非特許文献4】Caoら、Pharmacol Res.100:135~47(2015)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
(発明の要旨)
本開示は、新規化合物、特に、親油性増強部分を有するCDDO-2P-Im又はCDDO-3P-Imの類似体に関する。ある特定の実施形態において、親油性増強部分は、CDDO-2P-Imのピリジル環中の水素原子を置き換える。ある特定の実施形態において、親油性増強部分は、CDDO-3P-Imのピリジル環中の水素原子を置き換える。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一態様において、本開示は、式(I)の化合物、そのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩:
【0013】
【化1】
(式中、nは、1~4から選択される整数である。)に関する。ある特定の実施形態において、Rは、親油性増強部分である。ある特定の実施形態において、Rは、ハロゲン、任意に置換されたカルボキサミド又は任意に置換されたC1~6-ハロアルキル、例えばC1~6-フルオロアルキルである。
【0014】
ある特定の実施形態において、nは1であり、Rは、C1~6-フルオロアルキル、好ましくは-CFである。
【0015】
本開示はまた、例えば、医薬組成物中の生物学的に活性な(例えば、治療)構成成分としての並びに/又は直接的にヒト及び/若しくは動物の治療薬及び医薬品としての、そのような化合物、そのN-オキシド又はその塩の使用に関する。
【0016】
一態様において、本開示は、Nrf2活性を調節するための方法を提供する。方法は、本明細書に開示された化合物、そのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与することを含む。いくつかの実施形態において、化合物は、表A~B中の化合物の一覧から選択される。
【0017】
別の態様において、本開示は、インフラマソーム活性、特にNLRP3インフラマソーム活性によって少なくとも部分的に媒介される疾患又は状態を治療するための方法を提供する。方法は、本明細書に開示された化合物、そのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与することを含む。いくつかの実施形態において、化合物は、表A~B中の化合物の一覧から選択される。
【0018】
一態様において、本開示は、式(III)の化合物、そのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩:
【0019】
【化2】
(式中、nは、1~4から選択される整数である。)に関する。ある特定の実施形態において、Rは、親油性増強部分である。ある特定の実施形態において、Rは、ハロゲン、任意に置換されたカルボキサミド又は任意に置換されたC1~6-ハロアルキル、例えばC1~6-フルオロアルキルである。
【0020】
ある特定の実施形態において、nは1であり、Rは、C1~6-フルオロアルキル、好ましくは-CFである。
【0021】
本開示はまた、例えば、医薬組成物中の生物学的に活性な(例えば、治療)構成成分としての並びに/又は直接的にヒト及び/若しくは動物の治療薬及び医薬品としての、そのような化合物、そのN-オキシド又はその塩の使用に関する。
【0022】
一態様において、本開示は、Nrf2活性を調節するための方法を提供する。方法は、本明細書に開示された化合物、そのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与することを含む。いくつかの実施形態において、化合物は、表C~D中の化合物の一覧から選択される。
【0023】
別の態様において、本開示は、インフラマソーム活性、特にNLRP3インフラマソーム活性によって少なくとも部分的に媒介される疾患又は状態を治療するための方法を提供する。方法は、本明細書に開示された化合物、そのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与することを含む。いくつかの実施形態において、化合物は、表C~D中の化合物の一覧から選択される。
【0024】
化合物、化合物を含む医薬組成物並びに化合物を投与することによって状態、障害又は疾患を治療又は予防するための方法が、本明細書にさらに記載されている。
【0025】
本発明のこれら及び他の目的が、以下の段落に記載されている。これらの目的は、本発明の範囲を狭めるとみなされるべきでない。
【発明を実施するための形態】
【0026】
この詳細な説明は、他の当業者が本発明をその多数の形態において特定の使用の要件に最も適し得るように適合させ、適用することができるように、他の当業者に本発明、その原理及びその実際の適用を知らせることのみが意図されている。この説明及びその具体例は、例示のみを目的とすることが意図される。したがって、本発明は、本特許出願に記載された実施形態に限定されず、様々に修正され得る。
【0027】
一態様において、本開示は、式(I)の化合物、そのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩:
【0028】
【化3】
(式中、nは、1~4から選択される整数である。)に関する。ある特定の実施形態において、Rは、親油性増強部分である。ある特定の実施形態において、Rは、ハロゲン、任意に置換されたカルボキサミド又は任意に置換されたC1~6-ハロアルキル、例えばC1~6-フルオロアルキルである。ある特定の実施形態において、nは1であり、Rは、C1~6-フルオロアルキル、好ましくは-CFである。ある特定の実施形態において、nは1であり、Rは、非置換カルボキサミド(すなわち、-C(O)NH)である。
【0029】
ある特定の実施形態において、本開示は、式(II)の化合物、そのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩:
【0030】
【化4】
(式中、nは、1~4から選択される整数である。)に関する。ある特定の実施形態において、Rは、親油性増強部分である。ある特定の実施形態において、Rは、ハロゲン、任意に置換されたカルボキサミド又は任意に置換されたC1~6-ハロアルキル、例えばC1~6-フルオロアルキルである。ある特定の実施形態において、nは1であり、Rは、C1~6-フルオロアルキル、好ましくは-CFである。ある特定の実施形態において、nは1であり、Rは、非置換カルボキサミド(すなわち、-C(O)NH)である。
【0031】
一態様において、本開示は、式(III)の化合物、そのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩:
【0032】
【化5】
(式中、nは、1~4から選択される整数である。)に関する。ある特定の実施形態において、Rは、親油性増強部分である。ある特定の実施形態において、Rは、ハロゲン、任意に置換されたカルボキサミド又は任意に置換されたC1~6-ハロアルキル、例えばC1~6-フルオロアルキルである。ある特定の実施形態において、nは1であり、Rは、C1~6-フルオロアルキル、好ましくは-CFである。ある特定の実施形態において、nは1であり、Rは、非置換カルボキサミド(すなわち、-C(O)NH)である。
【0033】
ある特定の実施形態において、本開示は、式(IV)の化合物、そのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩:
【0034】
【化6】
(式中、nは、1~4から選択される整数である。)に関する。ある特定の実施形態において、Rは、親油性増強部分である。ある特定の実施形態において、Rは、ハロゲン、任意に置換されたカルボキサミド又は任意に置換されたC1~6-ハロアルキル、例えばC1~6-フルオロアルキルである。ある特定の実施形態において、nは1であり、Rは、C1~6-フルオロアルキル、好ましくは-CFである。ある特定の実施形態において、nは1であり、Rは、非置換カルボキサミド(すなわち、-C(O)NH)である。
【0035】
本開示の化合物の親油性は、cLogP(計算されたlogオクタノール/水分配値)値によって定量化され得る。いくつかのそのような実施形態において、化合物のcLogP値とは、当業者に知られているとおり、n-オクタノールと水との間のその分配係数の対数log(cオクタノール/c)を指す。高い親油性は、高いcLogP値に対応する。
【0036】
ある特定の実施形態において、親油性増強部分は、cLogPを増加させ、BBB透過機能を付与する(すなわち、BBBを介した脳内への受動輸送を増強する。)。ある特定の実施形態において、本開示の化合物は、部分及び/又は置換基の組合せにより、0.5~4.5の範囲内、好ましくは1.0~3.0の範囲内の特定のcLogP値を有するように構成され得る。
【0037】
A.定義
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、逆の指定がない限り、以下の用語は、表示された意味を有する:
本明細書で使用される「約」という用語は、おおよそを意味し、大半の場合、記述された値の10%以内を意味する。
【0038】
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、指定された数の炭素原子を有する非分枝状(直鎖状)又は分枝状の飽和炭化水素基を指す。C1~6-アルキルは、例えば、Cアルキル基からC以下のアルキル基を含む。アルキル基は、非置換である又はハロ、アリール、ヘテロアリール、アミノ、カルボニル及び/若しくはヒドロキシルを含むがこれらに限定されない1つ以上の基で置換されていてもよい。
【0039】
「脳腫瘍」という用語は、神経膠腫、例えば星細胞腫(例えば、退形成性星細胞腫)、神経膠芽細胞腫、上衣腫(例えば、退形成性上衣腫又は粘液乳頭状上衣腫)、乏突起神経膠腫(例えば、退形成性乏突起神経膠腫又は退形成性乏突起星細胞腫)及びWHOグレード1~グレード4に分類されるすべての神経膠腫を含む。
【0040】
本明細書で使用される「カルボキサミド」という用語は、-C(O)NH基を指す。
【0041】
本明細書で使用される「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選択される原子を含む。
【0042】
「ハロアルキル」という用語は、同一であっても又は異なっていてもよく、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選択される1つ以上のハロゲン原子で置換された非分枝状(直鎖状)又は分枝状のアルキル基を指す。ハロアルキルの例は、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル及び2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルを含むがこれらに限定されない。
【0043】
本明細書で使用される「N-オキシド」という用語は、複素環の窒素原子が対応するN-オキシドに酸化されている本発明の化合物を指し、本発明の化合物のピリジルN-オキシド誘導体を含むがこれらに限定されない。そのような化合物は、好適な酸化剤によるピリジル窒素原子の酸化によって調製されてもよい。N-酸化誘導体は、例えば、ピリジル窒素原子への酸素原子(質量数16)の付加から生じるクロマトグラム上の追加の16質量単位を有する分子又は付加物の検出によって同定され得る。
【0044】
「薬学的に許容される」という用語は、修飾された名詞がヒトへの使用のための医薬製品又はヒトへの使用のための医薬製品の一部としての使用に適切であることを意味するために形容詞的に使用される。
【0045】
「薬物動態パラメータ」という用語は、任意の好適な薬物動態パラメータ、例えばTmax、Cmax及びAUCを指す。「Cmax」という用語は、ピーク濃度、特に、薬物の最大観察血漿/血清濃度を指す。「Tmax」という用語は、ピーク濃度に達するまでの時間を指す。「AUC」という用語は、血漿濃度-時間曲線下面積を指し、ここで、tは、研究における最後の測定可能な血漿濃度の時間である。「AUC」という用語は、単回投薬後0時間から無限大時間までの血漿濃度-時間曲線下面積を指す。
【0046】
B.化合物
一態様において、本明細書に開示された化合物は、例えば、1つ以上の内因性経路、例えばKelch様ECH関連タンパク質1(Keap1)-核因子赤血球-2(NF-E2)関連因子2(NRF2)経路及び/又はNLRP3インフラマソーム活性を調節する経路に作用することによって、生物学的活性を保有する。ある特定の実施形態において、本明細書に開示された化合物は、インビボで代謝物に変換される場合があり、代謝物は、それ自体生物学的活性を保有し、及び/又は生物学的活性を保有する分子にさらに変換され得る。
【0047】
一態様において、本開示は、式(II)の化合物、そのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩:
【0048】
【化7】
(式中、nは、1~4から選択される整数であり、Rは、ハロゲン、任意に置換されたカルボキサミド又は任意に置換されたC1~6-ハロアルキル、例えばC1~6-フルオロアルキルである。)を提供する。
【0049】
ある特定の実施形態において、nは1である。ある特定の実施形態において、nは2である。ある特定の実施形態において、nは3である。ある特定の実施形態において、nは4である。
【0050】
ある特定の実施形態において、Rは、ハロゲン、好ましくはフルオロ又はクロロ(cholro)である。
【0051】
ある特定の実施形態において、Rは、C1~6-ハロアルキル、好ましくはC1~3-ハロアルキルである。いくつかのそのような実施形態において、Rは、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルである。いくつかのそのような実施形態において、Rは、-CF、-CHF、-CHF、-CHCF、-CHCHF、-CHCHF、-CFCF、-CHFCF、-CHFCHF、-CHFCHF、-CFCHF又は-CFCHFである。
【0052】
ある特定の実施形態において、Rは、非置換カルボキサミド(すなわち、-C(O)NH)である。ある特定の実施形態において、Rは、置換カルボキサミドである。いくつかのそのような実施形態において、置換カルボキサミドは、少なくとも1つの水素原子がアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリールで置き換えられたカルボキサミド部分である。
【0053】
ある特定の実施形態において、化合物は、式(II-A)、式(II-B)、式(II-C)又は式(II-D):
【0054】
【化8】
の構造を有する。
【0055】
一態様において、本開示は、表Aに挙げられた例の1つの構造を有する化合物、そのN-オキシド又はその塩を提供する。
【0056】
選択された化合物が、表Aに示されている:
【0057】
【表1】
【0058】
一態様において、本開示は、表Bに挙げられた例の1つの構造を有する化合物、そのN-オキシド又はその塩を提供する。
【0059】
選択された化合物が、表Bに示されている:
【0060】
【表2】
【0061】
一態様において、本開示は、式(IV)の化合物、そのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩:
【0062】
【化9】
(式中、nは、1~4から選択される整数であり、Rは、ハロゲン、任意に置換されたカルボキサミド又は任意に置換されたC1~6-ハロアルキル、例えばC1~6-フルオロアルキルである。)を提供する。
【0063】
ある特定の実施形態において、nは1である。ある特定の実施形態において、nは2である。ある特定の実施形態において、nは3である。ある特定の実施形態において、nは4である。
【0064】
ある特定の実施形態において、Rは、ハロゲン、好ましくはフルオロ又はクロロである。
【0065】
ある特定の実施形態において、Rは、C1~6-ハロアルキル、好ましくはC1~3-ハロアルキルである。いくつかのそのような実施形態において、Rは、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルである。いくつかのそのような実施形態において、Rは、-CF、-CHF、-CHF、-CHCF、-CHCHF、-CHCHF、-CFCF、-CHFCF、-CHFCHF、-CHFCHF、-CFCHF又は-CFCHFである。
【0066】
ある特定の実施形態において、Rは、非置換カルボキサミド(すなわち、-C(O)NH)である。ある特定の実施形態において、Rは、置換カルボキサミドである。いくつかのそのような実施形態において、置換カルボキサミドは、少なくとも1つの水素原子がアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリールで置き換えられたカルボキサミド部分である。
【0067】
ある特定の実施形態において、化合物は、式(IV-A)、式(IV-B)、式(IV-C)又は式(IV-D):
【0068】
【化10】
の構造を有する。
【0069】
一態様において、本開示は、表Cに挙げられた例の1つの構造を有する化合物、そのN-オキシド又はその塩を提供する。
【0070】
選択された化合物が、表Cに示されている:
【0071】
【表3】
【0072】
一態様において、本開示は、表Dに挙げられた例の1つの構造を有する化合物、そのN-オキシド又はその塩を提供する。
【0073】
選択された化合物が、表Dに示されている:
【0074】
【表4】
【0075】
C.合成方法
以下の一般スキームは、方法の特定の実施形態を代表するものであり、本明細書に記載されたある特定の化合物の合成を可能にする:
【0076】
【化11】
【0077】
示されているとおり、本明細書に開示された化合物の調製は、置換イミダゾール(b)と市販されているCDDO(a)とのカップリングによって達成され得る。
【0078】
ある特定の実施形態において、置換イミダゾール(b)は、触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの存在下での臭化アリール(例えば、ブロモ-トリフルオロメチルピリジン又はブロモ-シアノピリジン)の置換によって調製され得る。したがって、置換イミダゾールの調製は、パラジウム触媒カップリング反応、例えばスティルカップリングを伴ってもよい。置換イミダゾール(imidzaole)の調製は、当業者に公知の方法に従った、脱保護、例えばトリチル(tryityl)脱保護をさらに伴ってもよい。
【0079】
【化12】
【0080】
ピリジルカルボキサミド類似体の場合、下記に描写されているとおり、加水分解ステップを実施して、例えば、ニトリル中間体を第一級アミドに転化させることができる。
【0081】
【化13】
【0082】
D.使用方法
一態様において、本開示は、増殖性疾患又は障害、例えばがんを治療又は予防するための方法を提供する。方法は、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書に記載された化合物、そのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。いくつかの実施形態において、化合物は、表A又は表Bに挙げられた化合物である。いくつかの実施形態において、化合物は、表C又は表Dに挙げられた化合物である。いくつかの実施形態において、化合物(又はそのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩)は、経口投与される。ある特定の実施形態において、がんは、固形腫瘍、例えば脳腫瘍(例えば、髄芽腫又は神経膠芽細胞腫)を含む。いくつかのそのような実施形態において、患者は、成人患者である。他のそのような実施形態において、患者は、小児患者であり、例えば、小児患者は、脳腫瘍、例えば神経膠芽細胞腫又は髄芽腫を有してもよい。ある特定の実施形態において、がんは、血液がん、例えば白血病、リンパ腫又は骨髄腫であり、いくつかのそのような実施形態において、血液がんは、例えば、ホジキン又は非ホジキンリンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫又はマントル細胞リンパ腫)である。
【0083】
別の態様において、本開示は、神経変性疾患を治療するための方法を提供する。方法は、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書に記載された化合物、そのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。いくつかの実施形態において、化合物は、表A又は表Bに挙げられた化合物である。いくつかの実施形態において、化合物は、表C又は表Dに挙げられた化合物である。いくつかの実施形態において、化合物(又はそのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩)は、経口投与される。ある特定の実施形態において、神経変性疾患は、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)又はハンチントン病である。
【0084】
別の態様において、本開示は、炎症性疾患又は状態を治療するための方法を提供する。方法は、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書に記載された化合物、そのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。いくつかの実施形態において、化合物は、表A又は表Bに挙げられた化合物である。いくつかの実施形態において、化合物は、表C又は表Dに挙げられた化合物である。いくつかの実施形態において、化合物(又はそのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩)は、経口投与される。ある特定の実施形態において、炎症性疾患又は状態は、クローン病、炎症性腸疾患、関節リウマチ又は異常な炎症応答を伴う別の疾患であり、別の疾患は、神経精神障害、特にうつ病を含み得る。したがって、ある特定の実施形態において、本開示は、神経精神障害、例えばうつ病を治療するための方法を提供する。
【0085】
また別の態様において、本開示は、肺の疾患(例えば、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫、肺線維症、気管支肺異形成症);肝臓の疾患(例えば、慢性代謝性疾患、様々な毒素による肝損傷);腎臓の疾患(例えば、アルポート症候群及び慢性腎臓疾患(CKD)、糖尿病、急性腎損傷及び老化から生じるCKDを含む。);並びにアテローム性動脈硬化症を治療するための方法を提供する。方法は、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書に記載された化合物、そのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。いくつかの実施形態において、化合物は、表A又は表Bに挙げられた化合物である。いくつかの実施形態において、化合物は、表C又は表Dに挙げられた化合物である。いくつかの実施形態において、化合物(又はそのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩)は、経口投与される。
【0086】
別の態様において、本開示は、ウイルスに感染した宿主を治療するための方法であって、本明細書に開示された化合物又はそのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩を宿主に投与することによる、方法を提供する。ある特定の実施形態において、宿主は、ヒトである。ある特定の実施形態において、ウイルスは、コロナウイルス科(Coronaviridae)、フィロウイルス科(Filoviridae)又はオルトコロナウイルス亜科(Orthocoronavirinae)に属する。いくつかのそのような実施形態において、ウイルスは、インフルエンザAである。いくつかのそのような実施形態において、ウイルスは、SARS-CoV-2である。いくつかのそのような実施形態において、宿主は、ウイルスによって引き起こされる疾患の初期段階にある。ウイルス感染を治療するために使用される場合、化合物(又はそのN-オキシド又はその塩)は、1種以上の追加の治療又は予防剤、例えばもう1種の抗ウイルス剤と組み合わせて使用され得る。いくつかの実施形態において、化合物は、表A又は表Bに挙げられた化合物である。いくつかの実施形態において、化合物は、表C又は表Dに挙げられた化合物である。いくつかの実施形態において、化合物(又はそのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩)は、経口投与される。
【0087】
別の態様において、本開示は、ウイルス、例えばCOVID-19によって引き起こされる疾患と診断された又はそれに罹患していると疑われる患者を治療するための方法を提供する。方法は、治療有効量の本明細書に開示された化合物又はそのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む。ある特定の実施形態において、患者は、ヒトである。いくつかのそのような実施形態において、患者は、SARS-CoV-2陽性であることが確認されている。他のそのような実施形態において、患者は、SARS-CoV-2陽性であることが疑われる。いくつかの実施形態において、化合物は、表A又は表Bに挙げられた化合物である。いくつかの実施形態において、化合物は、表C又は表Dに挙げられた化合物である。いくつかの実施形態において、化合物(又はそのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩)は、経口投与される。
【0088】
ある特定の実施形態において、前述の態様のいずれかについて、患者は、哺乳動物である。いくつかのそのような実施形態において、哺乳動物は、ヒトである。
【0089】
ある特定の実施形態において、前述の態様のいずれかについて、方法は、対象に、治療有効量の本明細書に記載された化合物、そのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩を単剤として又は別の治療剤と組み合わせて投与することを含む。ある特定の実施形態において、化合物、そのN-オキシド又はその塩は、経口化学療法剤と共投与又は共製剤化される(co-formulated)。いくつかのそのような実施形態において、経口化学療法剤は、アルキル化剤である。いくつかのそのような実施形態において、アルキル化剤は、テモゾロミドであり、テモゾロミドは、化学的には3,4-ジヒドロ-3-メチル-4-オキソイミダゾ[5,1-d]-as-テトラジン-8-カルボキサミドと記載され、Temodar(登録商標)として市販されており、(1)放射線療法と同時に、次いで維持治療として、新たに診断された多形性神経膠芽細胞腫を有する成人患者並びに(2)ニトロソ尿素及びプロカルバジンを含有する薬物レジメンで疾患進行を経験した難治性退形成性星細胞腫患者の治療において使用されることが承認されている。ある特定の実施形態において、化合物、そのN-オキシド又はその塩は、経口投与される。
【0090】
化合物、そのN-オキシド又はその塩(単一又は分割用量で投与される。)の好ましい総1日用量は、典型的には、約0.001~約100mg/kg、より好ましくは約0.001~約30mg/kg、さらにより好ましくは約0.01~約10mg/kg(すなわち、体重1kg当たりの化合物、そのN-オキシド又はその塩のmg)である。ある特定の実施形態において、投薬単位組成物は、そのような量又は1日用量を構成するその約数を含有する。多くの事例において、化合物、そのN-オキシド又はその塩の投与は、複数回繰り返される。ある特定の実施形態において、所望の場合、総1日用量を増加させるために、1日当たり複数用量が典型的には使用され得る。
【0091】
好ましい投薬レジメンに影響を及ぼす因子は、患者のタイプ、年齢、体重、性別、食事及び状態;病的状態の重症度;投与ルート;薬理学的考慮事項、例えば使用される特定の化合物又は塩の活性、有効性、薬物動態及び毒性学プロファイル;薬物送達システムが利用されるか否か;並びに化合物又は塩が薬物の組合せの一部として投与されるか否かを含む。このように、実際に用いられる投薬レジメンは、大きく変動する場合があり、したがって、上記の好ましい投薬レジメンから派生し得る。
【0092】
化合物及び/又はその代謝物のバイオアベイラビリティ及び/又は生物学的活性は、様々な公知の方法を使用して決定され得る。バイオアベイラビリティの尺度は、薬物動態パラメータ、例えばTmax、Cmax及びAUCを含むがこれらに限定されない。
【0093】
E.組成物
少なくとも1つの態様において、本開示は、本明細書に記載された化合物、そのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩を含む組成物を含む。ある特定の実施形態において、組成物は、1種以上の従来の薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0094】
本明細書に開示された任意の態様のいくつかの実施形態において、化合物は、酸又は塩基付加塩の形態で医薬組成物中に存在し得る。酸付加塩は、当技術分野で周知の方法によって調製されてもよく、有機及び無機酸から形成されてもよい。好適な有機酸は、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、ケイ皮酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、グリコール酸、グルタミン酸及びベンゼンスルホン酸を含む。好適な無機酸は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸及び硝酸を含む。好適な塩基付加塩は、有機及び無機カチオン、例えばアルカリ及びアルカリ土類金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、バリウム及びカルシウム)から選択されるもの並びにアンモニウムイオン及びその置換誘導体(例えば、ジベンジルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、2-ヒドロキシエチルアンモニウムなど)と形成される塩を含む。したがって、「薬学的に許容される塩」という用語は、あらゆる許容される塩形態を包含することが意図されている。
【0095】
本明細書に開示された医薬組成物は、本明細書に開示された化合物、そのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、経口剤形、例えば錠剤又はカプセル剤である。いくつかのそのような実施形態において、経口剤形は、薬学的に許容される賦形剤、例えば結合剤、流動化剤、滑沢剤及びフィラーとして機能する賦形剤を含んでもよい。したがって、本明細書に開示された化合物又はその薬学的に許容される塩を含む経口剤形は、1種以上の従来の薬学的に許容される賦形剤を任意にさらに含む。
【0096】
いくつかの実施形態において、化合物は、少なくとも1種の追加の治療剤と共投与される。いくつかのそのような実施形態において、追加の治療剤は、テモゾロミドである。
【0097】
いくつかの実施形態において、追加の治療剤及び本開示の化合物は、患者に、実質的に同時の様式で(例えば、若しくは互いに約5分以内に)、逐次的様式で又はその両方で共投与される。例えば、そのような組合せ療法は、ある治療剤を他の治療剤の投与間に複数回投与することを含み得ることが企図される。各薬剤の投与間の期間は、数秒(以下)から数時間又は数日までの範囲であってよく、例えば、各組成物及び活性成分の特性(例えば、効力、溶解度、バイオアベイラビリティ、半減期及び動態プロファイル)並びに患者の状態によって決まる。いくつかの実施形態において、追加の治療剤及び本開示の化合物は、別個の医薬組成物中で投与される。いくつかの実施形態において、追加の治療剤及び本開示の化合物は、同一の医薬組成物中で投与される。
【0098】
少なくとも1つの態様において、本開示は、Nrf2活性の調節及び/又はインフラマソーム活性、特にNLRP3インフラマソーム活性によって少なくとも部分的に媒介される疾患若しくは状態の治療における使用のための医薬組成物を含む。ある特定の実施形態において、組成物は、本明細書に開示された化合物、そのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0099】
錠剤、カプセル剤又は他の剤形は、個別の単位で提供されてもよく、好都合には、化合物、そのN-オキシド又はその塩の1日用量又はその適切な割合を含有する。剤形は、約0.5mg~約1500mg、約1mg~約300mg、約2.5mg~約100mg、約5mg~約30mg又はその中の増分の用量の本明細書に記載された化合物、そのN-オキシド又はその薬学的に許容される塩を含有することができる。
【0100】
本発明又は本明細書に開示された実施形態の範囲から逸脱することなく、好適な均等物を使用して、本明細書に記載された本発明の組成物及び方法の他の好適な修正及び適合が行われ得ることが当業者には容易に明らかである。
【実施例
【0101】
F.実施例
[実施例1]
A.(6aS,6bR,8aS,12bR,14bS)-4,4,6a,6b,11,11,14b-ヘプタメチル-3,13-ジオキソ-8a-(4-(6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1H-イミダゾール-1-カルボニル)-3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-オクタデカヒドロピセン-2-カルボニトリル(化合物104)の調製。
【0102】
【化14】
【0103】
スティルカップリング
【0104】
【化15】
【0105】
4-(トリブチルスタンニル)-トリチル-1H-イミダゾールを当技術分野で公知の方法に従って調製した。Jetterら、Synthesis 6:829(1998)を参照されたい。
【0106】
4-(トリブチルスタンニル)-トリチル-1H-イミダゾール(4.29g、7.15mmol)のトルエン(20mL)中の撹拌溶液に、2-ブロモ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン(1.6g、7.08mmol)を投入し、混合物を窒素で15分間脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.245g、0.212mmol)を添加し、混合物を100℃に加熱し、18時間撹拌した。反応混合物を25℃に冷却し、10%フッ化カリウム水溶液(16mL)を添加し、30分間撹拌した。混合物をセライトを通して濾過し、相を分離した。有機層を水(16mL)で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル4:1)によって精製して、所望の生成物を黄色泡状物として80%の収率で得た。
【0107】
トリチル脱保護
【0108】
【化16】
【0109】
2-(トリフルオロメチル)-6-(1-トリチル-1H-イミダゾール-4-イル)ピリジン(3.22g、7.07mmol)をジオキサン(65mL)に溶解し、100℃に加熱した。ジオキサン中のHCl(5.3mL、21.2mmol、4M)を添加し、混合物を1時間加熱した。混合物を室温に冷却し、濾過し、ジオキサン(2×10mL)で洗浄し、真空下で乾燥して、所望の生成物を白色固体として90%の収率で得た。
【0110】
CDDOとのカップリング
【0111】
【化17】
【0112】
CDDOを商業的供給業者から入手した。CDDO(1g、2.03mmol)のジクロロメタン(10mL)中の撹拌溶液に、DMF(8μL、0.1mmoL)を添加した。塩化オキサリル(0.25mL、2.85mmol)を15分にわたって添加し、混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、真空下で濃縮乾固した。残渣をジクロロメタン(4mL)に再溶解し、2-(1H-イミダゾール-4-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン塩酸塩(0.611g、2.136mmol)及びトリエチルアミン(0.94mL、6.71mmol)のジクロロメタン(8mL)中の混合物に添加し、2時間撹拌した。水(6mL)を添加し、相を分離し、有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)によって精製して、生成物を淡黄色固体として65%の収率で得た。
【0113】
以下の化合物は、化合物104について記載された様式と同様の様式で調製した。
【0114】
B.(6aS,6bR,8aS,12bR,14bS)-4,4,6a,6b,11,11,14b-ヘプタメチル-3,13-ジオキソ-8a-(4-(3-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1H-イミダゾール-1-カルボニル)-3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-オクタデカヒドロピセン-2-カルボニトリル(化合物101)。
【0115】
【化18】
【0116】
C.(6aS,6bR,8aS,12bR,14bS)-4,4,6a,6b,11,11,14b-ヘプタメチル-3,13-ジオキソ-8a-(4-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1H-イミダゾール-1-カルボニル)-3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-オクタデカヒドロピセン-2-カルボニトリル(化合物102)。
【0117】
【化19】
【0118】
D.(6aS,6bR,8aS,12bR,14bS)-4,4,6a,6b,11,11,14b-ヘプタメチル-3,13-ジオキソ-8a-(4-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1H-イミダゾール-1-カルボニル)-3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-オクタデカヒドロピセン-2-カルボニトリル(化合物103)。
【0119】
【化20】
【0120】
[実施例2]
A.6-(1-((4aS,6aR,6bS,12aS,14aR)-11-シアノ-2,2,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-10,14-ジオキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,12a,14,14a,14b-オクタデカヒドロピセン-4a-カルボニル)-1H-イミダゾール-4-イル)ピコリンアミド(化合物204)の調製。
【0121】
【化21】
【0122】
化合物204は、ブロモ-シアノピリジンを対応するブロモ-トリフルオロメチルピリジンの代わりに使用したことを除いて、化合物104と同様の様式で調製した。トリチル脱保護の前に追加の加水分解ステップを実施して、ニトリルを第一級アミドに転化させた。
【0123】
【化22】
【0124】
6-(1-トリチル-1H-イミダゾール-4-イル)ピコリノニトリル(4.46g、10.81mmol)をt-BuOH(42.37ml)に懸濁した。
【0125】
カリウムtert-ブトキシド(3.75g、32.4mmol)を添加し、反応混合物を2時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、水(44.6ml)を添加した。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮して、生成物を定量的収率で黄色固体として得、これをさらに精製することなく次のステップにおいて使用した。
【0126】
以下の化合物は、化合物204について記載された様式と同様の様式で調製した。
【0127】
B.2-(1-((4aS,6aR,6bS,12aS,14aR)-11-シアノ-2,2,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-10,14-ジオキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,12a,14,14a,14b-オクタデカヒドロピセン-4a-カルボニル)-1H-イミダゾール-4-イル)ニコチンアミド(化合物201)。
【0128】
【化23】
【0129】
C.2-(1-((4aS,6aR,6bS,12aS,14aR)-11-シアノ-2,2,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-10,14-ジオキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,12a,14,14a,14b-オクタデカヒドロピセン-4a-カルボニル)-1H-イミダゾール-4-イル)イソニコチンアミド(化合物202)。
【0130】
【化24】
【0131】
D.6-(1-((4aS,6aR,6bS,12aS,14aR)-11-シアノ-2,2,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-10,14-ジオキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,12a,14,14a,14b-オクタデカヒドロピセン-4a-カルボニル)-1H-イミダゾール-4-イル)ニコチンアミド(化合物203)。
【0132】
【化25】
【0133】
[実施例3]
A.(6aS,6bR,8aS,12bR,14bS)-4,4,6a,6b,11,11,14b-ヘプタメチル-3,13-ジオキソ-8a-(4-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)-1H-イミダゾール-1-カルボニル)-3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-オクタデカヒドロピセン-2-カルボニトリル(化合物303)の調製。
【0134】
【化26】
【0135】
スティルカップリング
【0136】
【化27】
【0137】
4-(トリブチルスタンニル)-トリチル-1H-イミダゾールを当技術分野で公知の方法に従って調製した。Jetterら、Synthesis 6:829(1998)を参照されたい。
【0138】
4-(トリブチルスタンニル)-トリチル-1H-イミダゾール(4.55g、7.60mmol)のトルエン(21mL)中の撹拌溶液に、3-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)ピリジン(1.7g、7.52mmol)を投入し、混合物を窒素で15分間脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.261g、0.226mmol)を添加し、混合物を100℃に加熱し、18時間撹拌した。反応混合物を25℃に冷却し、10%フッ化カリウム水溶液(17mL)を添加し、30分間撹拌した。混合物をセライトを通して濾過し、相を分離した。有機層を水(17mL)で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH97:3)によって精製して、所望の生成物を黄色泡状物として88%の収率で得た。
【0139】
トリチル脱保護
【0140】
【化28】
【0141】
3-(トリフルオロメチル)-5-(1-トリチル-1H-イミダゾール-4-イル)ピリジン(3.43g、7.53mmol)をジオキサン(67mL)に溶解し、100℃に加熱した。ジオキサン中のHCl(5.65mL、22.6mmol、4M)を添加し、混合物を1時間加熱した。混合物を室温に冷却し、濾過し、ジオキサン(2×10mL)で洗浄し、真空下で乾燥して、所望の生成物を白色固体として85%の収率で得た。
【0142】
CDDOとのカップリング
【0143】
【化29】
【0144】
CDDOを商業的供給業者から入手した。CDDO(1.6g、3.27mmol)のジクロロメタン(16mL)中の撹拌溶液に、DMF(13μL、0.16mmoL)を添加した。塩化オキサリル(0.4mL、4.58mmol)を15分にわたって添加し、混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、真空下で濃縮乾固した。残渣をジクロロメタン(6.4mL)に再溶解し、3-(1H-イミダゾール-4-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン二塩酸塩(0.984g、3.44mmol)及びトリエチルアミン(1.56mL、10.8mmol)のジクロロメタン(13mL)中の混合物に添加し、2時間撹拌した。水(10mL)を添加し、相を分離し、有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)によって精製して、生成物を淡黄色固体として58%の収率で得た。
【0145】
以下の化合物は、化合物303について記載された様式と同様の様式で調製した。
【0146】
B.(6aS,6bR,8aS,12bR,14bS)-4,4,6a,6b,11,11,14b-ヘプタメチル-3,13-ジオキソ-8a-(4-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)-1H-イミダゾール-1-カルボニル)-3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-オクタデカヒドロピセン-2-カルボニトリル(化合物301)。
【0147】
【化30】
【0148】
C.(6aS,6bR,8aS,12bR,14bS)-4,4,6a,6b,11,11,14b-ヘプタメチル-3,13-ジオキソ-8a-(4-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)-1H-イミダゾール-1-カルボニル)-3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-オクタデカヒドロピセン-2-カルボニトリル(化合物302)。
【0149】
【化31】
【0150】
D.(6aS,6bR,8aS,12bR,14bS)-4,4,6a,6b,11,11,14b-ヘプタメチル-3,13-ジオキソ-8a-(4-(6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)-1H-イミダゾール-1-カルボニル)-3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-オクタデカヒドロピセン-2-カルボニトリル(化合物304)。
【0151】
【化32】
【0152】
[実施例4]
化合物401~404は、ブロモ-シアノピリジンを対応するブロモ-トリフルオロメチルピリジンの代わりに使用することを除いて、実施例3と同様の様式で調製する。トリチル脱保護の前に追加の加水分解ステップを実施して、ニトリルを第一級アミドに転化させる。
【0153】
A.CDDO-3P-Im-2-カルボキサミド(化合物401)。
【0154】
【化33】
【0155】
B.CDDO-3P-Im-4-カルボキサミド(化合物402)。
【0156】
【化34】
【0157】
C.CDDO-3P-Im-5-カルボキサミド(化合物403)。
【0158】
【化35】
【0159】
D.CDDO-3P-Im-6-カルボキサミド(化合物404)。
【0160】
【化36】
【0161】
上述の詳細な説明及び付随する実施例は、例示的なものにすぎず、本発明の範囲に対する限定と解釈されるべきでなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物によってのみ定義されると理解される。開示された実施形態に対する様々な変更及び修正が当業者には明らかである。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、限定はしないが、化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成、製剤若しくは方法に関する変更及び修正を含む、そのような変更及び修正又は本発明の使用のそのような変更及び修正の任意の組合せが行われ得る。
【0162】
上記に引用されたすべての参考文献(特許及び非特許)は、参照により本特許出願に組み込まれる。それらの参考文献の考察は、単にその著者によってなされた主張を要約することが意図されている。任意の参考文献(又は任意の参考文献の一部分)が関連する先行技術(又は何らかの先行技術)であると認められるものではない。出願人は、引用された参考文献の正確性及び適切性に異議を申し立てる権利を留保する。
【国際調査報告】