(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-28
(54)【発明の名称】クロックソース回路、ケース、及びマルチケースカスケードシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 1/06 20060101AFI20230921BHJP
【FI】
G06F1/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517327
(86)(22)【出願日】2020-11-06
(85)【翻訳文提出日】2023-03-15
(86)【国際出願番号】 CN2020127103
(87)【国際公開番号】W WO2022062094
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】202011021236.5
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521394428
【氏名又は名称】蘇州華興源創科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Suzhou HYC Technology CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 8, Qingqiu Lane, Suzhou Industrial Park, Suzhou City, Jiangsu Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】倪 江雄
(57)【要約】
クロックソース回路(10)、ケース(20)、及びマルチケースカスケードシステム(30)を提供する。該クロックソース回路(10)は、基準信号生成回路(110)と、クロック信号生成回路(120)と、プログラマブルゲートアレイ(130)と、同期信号生成回路(140)とを含む。該クロックソース回路(10)が動作している時、スロット(22)に対して第1基準信号、第2基準信号、第1クロック信号、第1トリガ信号、及び同期信号を提供して、クロックソースボードの機能を実現することが可能である。該クロックソース回路(10)は、回路の形式によってクロックソースボードの機能を実現することができ、クロックソースボードが占有する空間を節約することで、ケース(20)の集積化を向上させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースのスロットに接続するために用いられるクロックソース回路であって、
前記スロットに接続され、第1基準信号及び第2基準信号を生成して前記スロットに伝達するための基準信号生成回路と、
前記基準信号生成回路と前記スロットとの間に接続され、前記第1基準信号及び前記第2基準信号を取得して、第1クロック信号を生成して前記スロットに伝達するためのクロック信号生成回路と、
前記基準信号生成回路及び前記クロック信号生成回路に接続され、さらに前記スロットに接続され、前記第1基準信号、前記第2基準信号、及び前記第1クロック信号を取得して、前記スロットに伝達される第1トリガ信号、及びソース同期信号を生成するためのプログラマブルゲートアレイと、
前記プログラマブルゲートアレイと前記スロットとの間に接続され、前記ソース同期信号を取得し、同期信号を生成して前記スロットに伝達するための同期信号生成回路と、を含む
ことを特徴とするクロックソース回路。
【請求項2】
前記基準信号生成回路は、
第1パルス信号を出力するための定温水晶振動子と、
前記定温水晶振動子に接続され、前記第1パルス信号を取得して、前記第1基準信号および前記第2基準信号を生成するための第1クロック発生器と、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のクロックソース回路。
【請求項3】
入力端が第1ケーブルを介して前記基準信号生成回路に接続され、出力端が前記スロット及び前記クロック信号生成回路に接続され、前記第1基準信号を取得して、前記第1基準信号に対するジッタ除去、同期化、及び拡張を行うための第1クロックチップと、
入力端が第2ケーブルを介して前記基準信号生成回路に接続され、出力端が前記スロット及び前記クロック信号生成回路に接続され、前記第2基準信号を取得して、前記第2基準信号に対するジッタ除去、同期化、及び拡張を行うための第2クロックチップと、を更に含む
ことを特徴とする請求項1に記載のクロックソース回路。
【請求項4】
前記第1ケーブルと前記第2ケーブルとは長さが同じである
ことを特徴とする請求項3に記載のクロックソース回路。
【請求項5】
前記クロック信号生成回路は、
前記基準信号生成回路と前記スロットとの間に接続され、前記第1基準信号及び前記第2基準信号を取得して、第1クロック信号を生成して前記スロットに伝達するための第2クロック発生器と、
前記第2クロック発生器に接続され、前記第2クロック発生器に第2パルス信号を出力するための電圧制御発振器と、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のクロックソース回路。
【請求項6】
前記第1基準信号と前記第2基準信号とは位相が同じである
ことを特徴とする請求項1に記載のクロックソース回路。
【請求項7】
前記ケースは、いくつかのスロットを有し、前記第1基準信号および前記第2基準信号は、前記基準信号生成回路からいずれかの前記スロットまでの伝送距離が等しい
ことを特徴とする請求項1に記載のクロックソース回路。
【請求項8】
いくつかのスロットと、
いくつかの前記スロットに接続される、請求項1から7のいずれか一項に記載のクロックソース回路と、を含む
ことを特徴とするケース。
【請求項9】
請求項8に記載のケースを複数含み、複数の前記ケースは、1つのマスターケースといくつかのスレーブケースを備え、
前記マスターケースと前記スレーブケースとは、前記マスターケースの基準信号生成回路を共用する
ことを特徴とするマルチケースカスケードシステム。
【請求項10】
前記クロックソース回路は、入力端が第1ケーブルを介して前記基準信号生成回路に接続され、出力端が前記スロット及び前記クロック信号生成回路に接続され、前記第1基準信号を取得して、前記第1基準信号に対するジッタ除去、同期化、及び拡張を行うための第1クロックチップと、入力端が第2ケーブルを介して前記基準信号生成回路に接続され、出力端が前記スロット及び前記クロック信号生成回路に接続され、前記第2基準信号を取得して、前記第2基準信号に対するジッタ除去、同期化、及び拡張を行うための第2クロックチップと、を含み、
前記マスターケースの基準信号生成回路は、いずれかの前記ケースの前記第1クロックチップに接続されて、前記第1基準信号を出力し、
前記マスターケースの基準信号生成回路は、いずれかの前記ケースの前記第2クロックチップに接続されて、前記第2基準信号を出力し、
前記マスターケースの基準信号生成回路といずれかの前記第1クロックチップとの間の電気的接続距離と、前記マスターケースの基準信号生成回路といずれかの前記第2クロックチップとの間の電気的接続距離とは等しい
ことを特徴とする請求項9に記載のマルチケースカスケードシステム。
【請求項11】
第1同期バッファおよび第2同期バッファをさらに含み、前記第1同期バッファおよび前記第2同期バッファは、前記マスターケースの前記プログラマブルゲートアレイにそれぞれ接続され、
前記第1同期バッファは、前記マスターケースのプログラマブルゲートアレイが前記第1同期バッファを介していずれかの前記第1クロックチップを配置するように、いずれかの前記第1クロックチップにそれぞれ接続され、
前記第2同期バッファは、前記マスターケースのプログラマブルゲートアレイが前記第2同期バッファを介していずれかの前記第2クロックチップを配置するように、いずれかの前記第2クロックチップにそれぞれ接続される
ことを特徴とする請求項10に記載のマルチケースカスケードシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、クロック回路の技術分野に関し、特にクロックソース回路、ケース、及びマルチケースカスケードシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
PXIeケースとは、pcie(peripheral component interconnect express,高速シリアルコンピュータ拡張バス規格)通信方式により拡張計測を行うケースである。PXIeケースは、一般的に、複数のスロットとバックプレーンを有し、バックプレーンを介して各スロット間の電気的接続を実現している。
【0003】
従来技術において、PXIeケースは、一般的に、システムタイミングスロットを備える。システムタイミングスロットは、クロックソースボードが挿入されるために用いられる。クロックソースボードは、PXIeケースの他のスロットにクロック信号を提供する。
【0004】
本発明者らは、従来技術を実現する過程において、クロックソースボードの占有空間が大きく、PXIeケースの集積化に不利であることを見出した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このことに鑑みて、従来技術におけるクロックソースボードの占有空間が大きく、PXIeケースの集積化に不利であるという問題に対して、クロックソース回路、ケース、及びマルチケースカスケードシステムを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ケースのスロットに接続するために用いられるクロックソース回路であって、
前記スロットに接続され、第1基準信号及び第2基準信号を生成して前記スロットに伝達するための基準信号生成回路と、
前記基準信号生成回路と前記スロットとの間に接続され、前記第1基準信号及び前記第2基準信号を取得して、第1クロック信号を生成して前記スロットに伝達するためのクロック信号生成回路と、
前記基準信号生成回路及び前記クロック信号生成回路に接続され、さらに前記スロットに接続され、前記第1基準信号、前記第2基準信号、及び前記第1クロック信号を取得して、前記スロットに伝達される第1トリガ信号、及びソース同期信号を生成するためのプログラマブルゲートアレイと、
前記プログラマブルゲートアレイと前記スロットとの間に接続され、前記ソース同期信号を取得し、同期信号を生成して前記スロットに伝達するための同期信号生成回路と、を含む。
【0007】
一実施例において、前記基準信号生成回路は、
第1パルス信号を出力するための定温水晶振動子と、
前記定温水晶振動子に接続され、前記第1パルス信号を取得して、前記第1基準信号および前記第2基準信号を生成するための第1クロック発生器と、を含む。
【0008】
一実施例において、前記クロックソース回路は、
入力端が第1ケーブルを介して前記基準信号生成回路に接続され、出力端が前記スロット及び前記クロック信号生成回路に接続され、前記第1基準信号を取得して、前記第1基準信号に対するジッタ除去、同期化、及び拡張を行うための第1クロックチップと、
入力端が第2ケーブルを介して前記基準信号生成回路に接続され、出力端が前記スロット及び前記クロック信号生成回路に接続され、前記第2基準信号を取得して、前記第2基準信号に対するジッタ除去、同期化、及び拡張を行うための第2クロックチップと、を更に含む。
【0009】
一実施例において、前記第1ケーブルと前記第2ケーブルとは長さが同じである。
【0010】
一実施例において、前記クロック信号生成回路は、
前記基準信号生成回路と前記スロットとの間に接続され、前記第1基準信号及び前記第2基準信号を取得して、第1クロック信号を生成して前記スロットに伝達するための第2クロック発生器と、
前記第2クロック発生器に接続され、前記第2クロック発生器に第2パルス信号を出力するための電圧制御発振器と、を含む。
【0011】
一実施例において、前記第1基準信号と前記基準信号とは位相が同じである。
【0012】
一実施例において、前記ケースは、いくつかのスロットを有し、前記第1基準信号および前記第2基準信号は、前記基準信号生成回路からいずれかの前記スロットまでの伝送距離が等しい。
【0013】
ケースであって、
いくつかのスロットと、
いくつかの前記スロットに接続される、上記の実施例のいずれかに記載のクロックソース回路と、を含む。
【0014】
マルチケースカスケードシステムであって、上記の実施例に記載のケースを複数含み、複数の前記ケースは、1つのマスターケースといくつかのスレーブケースを備え、
前記マスターケースと前記スレーブケースとは、前記マスターケースの基準信号生成回路を共用する。
【0015】
一実施例において、前記クロックソース回路は、入力端が第1ケーブルを介して前記基準信号生成回路に接続され、出力端が前記スロット及び前記クロック信号生成回路に接続され、前記第1基準信号を取得して、前記第1基準信号に対するジッタ除去、同期化、及び拡張を行うための第1クロックチップと、入力端が第2ケーブルを介して前記基準信号生成回路に接続され、出力端が前記スロット及び前記クロック信号生成回路に接続され、前記第2基準信号を取得して、前記第2基準信号に対するジッタ除去、同期化、及び拡張を行うための第2クロックチップと、を含み、
前記マスターケースの基準信号生成回路は、いずれかの前記ケースの前記第1クロックチップに接続されて、前記第1基準信号を出力し、
前記マスターケースの基準信号生成回路は、いずれかの前記ケースの前記第2クロックチップに接続されて、前記第2基準信号を出力し、
前記マスターケースの基準信号生成回路といずれかの前記第1クロックチップとの間の電気的接続距離と、前記マスターケースの基準信号生成回路といずれかの前記第2クロックチップとの間の電気的接続距離とは等しい。
【0016】
一実施例において、前記マルチケースカスケードシステムは、第1同期バッファおよび第2同期バッファをさらに含み、前記第1同期バッファおよび前記第2同期バッファは、前記マスターケースの前記プログラマブルゲートアレイにそれぞれ接続され、
前記第1同期バッファは、前記マスターケースのプログラマブルゲートアレイが前記第1同期バッファを介していずれかの前記第1クロックチップを配置するように、いずれかの前記第1クロックチップにそれぞれ接続され、
前記第2同期バッファは、前記マスターケースのプログラマブルゲートアレイが前記第2同期バッファを介していずれかの前記第2クロックチップを配置するように、いずれかの前記第2クロックチップにそれぞれ接続される。
【発明の効果】
【0017】
上記のクロックソース回路は、ケースのスロットに接続され、基準信号生成回路と、クロック信号生成回路と、プログラマブルゲートアレイと、同期信号生成回路とを含む。該クロックソース回路が動作している時、基準信号生成回路は、第1基準信号および第2基準信号を生成し、スロットおよびクロック信号生成回路に伝達することができる。クロック信号生成回路は、第1基準信号及び第2基準信号に基づいて第1クロック信号を生成してスロットに伝達することができる。プログラマブルゲートアレイは、第1基準信号、第2基準信号、および第1クロック信号を取得して、第1トリガ信号およびソース同期信号を生成し、第1トリガ信号をスロットに伝達することができる。同期信号生成回路は、ソース同期信号を取得し、同期信号を生成してスロットに伝達することができる。これにより、該クロックソース回路は、スロットに対して第1基準信号、第2基準信号、第1クロック信号、第1トリガ信号、及び同期信号を提供して、クロックソースボードの機能を実現することが可能である。該クロックソース回路は、回路の形式によってクロックソースボードの機能を実現することができ、クロックソースボードが占有する空間を節約することで、ケースの集積化を向上させることができる。
【0018】
本願の実施例または従来技術における技術案をより明確に説明するために、本願の実施例または従来技術に使用される図面を簡単に説明する。添付の図面が本願の一部の実施例に過ぎず、当業者にとって発明的な努力を費やせず、これらの図面から他の図面を得ることが可能であることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本願の一実施例におけるクロックソース回路の概略構造図である。
【
図2】本願の別の実施例におけるクロックソース回路の概略構造図である。
【
図3】本願のさらに別の実施例におけるクロックソース回路の概略構造図である。
【
図4】本願の一実施例におけるケースの回路構成の概略図である。
【
図5】本願の一実施例におけるマルチケースカスケードシステムの接続関係概略図である。
【
図6】本願の別の実施例におけるマルチケースカスケードシステムの接続関係概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本願の上記目的、特徴、及び利点がより明確に理解されるように、以下は図面を参照しながら本願の具体的な実施形態について詳細に説明する。本願が十分に理解されるように、多くの具体的な詳細が以下の説明で説明されている。しかし、本願は、本明細書に記載された以外の多くの態様で実施することができ、当業者は、本願の思想から逸脱することなく類似な改良を行うことができ、したがって、本願は、以下に開示される具体的な実施例に限定されない。
【0021】
本明細書では、例えば「第1」、「第2」などの部品に付けられる番号自体は、説明している対象物を区別するためにのみ使用され、いかなる順序または技術的な意味も有しない。本願に言及される「接続」、「結合」とは、特に断らない限り、直接および間接の両方の接続(結合)を含む。本願の説明において、理解すべきものとして、用語である「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」などに指示される方位又は位置関係は、図面に基づいて示されるものであり、本願を説明しやすいようにして説明を簡略化するためのものだけであり、言及される装置又は要素が特定の方位を有し、特定の方位で構造され操作されなければならないことを意味又は示唆するものではないので、本願を限定するものと解釈されるべきではない。
【0022】
本願において、別途明確な規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴とが直接に接触してもよいし、第1特徴と第2特徴が中間媒体を介して間接的に接触してもよい。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」、及び「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上又は斜め上にあるか、あるいは第1特徴の水平高さが第2特徴よりも大きいことを示すだけであってもよい。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」、及び「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の直下又は斜め下にあるか、あるいは第1特徴の水平高さが第2特徴よりも小さいことを示すだけであってもよい。
【0023】
本願は、クロックソース回路、及び該クロックソース回路を含むケースとマルチケースカスケードシステムを提供する。該クロックソース回路は、回路の形式によってクロックソースボードの機能を実現することができ、クロックソースボードが占有する空間を節約することで、ケースの集積化を向上させることができる。本願の各実施例では、2つの電子デバイスまたは/および回路の間の接続は、いずれも電気的接続を指す。ここでの電気的接続とは、接続によって、2つの電子デバイスまたは/および回路の間で電気信号の伝送を可能にすることを意味する。
【0024】
一実施例において、本願は、
図1に示すように、ケース20のスロット22に接続することにより、ケース20のスロット22に複数種類のクロック信号を供給するクロックソース回路10を提供する。該クロックソース回路10は、基準信号生成回路110と、クロック信号生成回路120と、プログラマブルゲートアレイ130と、同期信号生成回路140とを含む。
【0025】
基準信号生成回路110は、第1基準信号及び第2基準信号を生成するために用いられる。基準信号生成回路110は、スロット22に接続されることで、生成された第1基準信号及び第2基準信号をスロット22に伝達することができる。第1基準信号および第2基準信号は、基準クロックを提供するためのクロック信号の1つである。本願の実施例では、第1基準信号および第2基準信号は、異なる周波数のパルス信号であってもよい。例えば、第1基準信号の周波数は10MHzであり、第2基準信号の周波数は100MHzであってもよい。
【0026】
クロック信号生成回路120は、基準信号生成回路110とスロット22との間に接続されている。言い換えれば、クロック信号生成回路120は、入力端が基準信号生成回路110に接続されることで、基準信号生成回路110で生成された第1基準信号及び第2基準信号を取得することができる。クロック信号生成回路120は、第1基準信号及び第2基準信号に基づいて第1クロック信号を生成するために用いられる。第1クロック信号は、正確な計時に使用されて、高速に切り替えられるLVPECL(Low Voltage PosiTIve Emitter-Couple Logic,低電圧正エミッタ結合論理)を提供することが可能である。クロック信号生成回路120は、出力端がスロット22に接続されることで、第1クロック信号をスロット22に出力する。
【0027】
プログラマブルゲートアレイ130(FPGA:Field-Programmable Gate Array)は、基準信号生成回路110に接続されることで、基準信号生成回路110で生成された第1基準信号及び第2基準信号を取得する。プログラマブルゲートアレイ130は更に、クロック信号生成回路120に接続されることで、クロック信号生成回路120で生成された第1クロック信号を取得する。プログラマブルゲートアレイ130は、第1基準信号、第2基準信号、および第1クロック信号を取得した後、第1基準信号、第2基準信号、および第1クロック信号に基づいて、第1トリガ信号およびソース同期信号を生成することができる。ここで、第1トリガ信号は、プログラマブルゲートアレイ130からスロット22への情報伝達およびトリガを可能にするためのものである。例えば、
図1に示す実施例では、プログラマブルゲートアレイ130は、スロット22と対話する必要がある場合、スロット22に第1トリガ信号を送信することができる。スロット22が第1トリガ信号を取得した後、プログラマブルゲートアレイ130に第2トリガ信号を送信することができる。すなわち、第2トリガ信号は、第1トリガ信号のフィードバック信号である。プログラマブルゲートアレイ130は更に、スロット22に接続されることで、生成された第1トリガ信号をスロット22に出力し、スロット22によってフィードバックされた第2トリガ信号を取得する。
【0028】
同期信号生成回路140は、プログラマブルゲートアレイ130とスロット22との間に接続されている。言い換えれば、同期信号生成回路140は、入力端がプログラマブルゲートアレイ130に接続されることで、プログラマブルゲートアレイ130により生成されて出力されたソース同期信号を取得することができる。同期信号生成回路140は、ソース同期信号を取得した後、ソース同期信号に基づいて同期信号を生成することができる。同期信号生成回路140は、出力端がスロット22に接続されることで、生成された同期信号をスロット22に出力する。同期信号によって、第1基準信号と第2基準信号との位相関係が定義され得る。本願の実施例では、同期信号生成回路140は、ADCLK954型式のクロック分配器であってもよい。
【0029】
本願のクロックソース回路10が動作している時、基準信号生成回路110は、第1基準信号および第2基準信号を生成して、スロット22およびクロック信号生成回路120に伝達することができる。クロック信号生成回路120は、第1基準信号及び第2基準信号に基づいて第1クロック信号を生成してスロット22に伝達することができる。プログラマブルゲートアレイ130は、第1基準信号、第2基準信号、および第1クロック信号を取得して、第1トリガ信号およびソース同期信号を生成し、第1トリガ信号をスロット22に伝達することができる。同期信号生成回路140は、ソース同期信号を取得し、同期信号を生成してスロット22に伝達することができる。これにより、該クロックソース回路10では、スロット22に対して第1基準信号、第2基準信号、第1クロック信号、第1トリガ信号、及び同期信号を提供し、そしてスロット22が第1トリガ信号に基づいてフィードバックした第2トリガ信号を取得し、クロックソースボードの機能を実現することが可能である。該クロックソース回路10は、回路の形式によってクロックソースボードの機能を実現することができ、クロックソースボードが占有する空間を節約することで、ケース20の集積化を向上させることができる。
【0030】
なお、上記の実施例では、理解を容易にするために、スロット22を導入して、本願のクロックソース回路10の接続方式及び動作手順を説明した。しかし、実際の応用において、本願のクロックソース回路10は、ケース20のスロット22を含まなくてもよい。言い換えれば、スロット22は、本願のクロックソース回路10の環境要素であり、導入されるか否かは、本願のクロックソース回路10の保護範囲に対する制限として理解されるべきではない。
【0031】
一実施例において、
図2に示すように、本願のクロックソース回路10では、基準信号生成回路110は、定温水晶振動子112および第1クロック発生器114を含んでよい。
【0032】
具体的には、定温水晶振動子112(OCXO:Oven Controlled Crystal Oscillator)は即ち、安定した第1パルス信号を出力するための定温水晶発振器である。該第1パルス信号は、第1クロック発生器114に基準を提供するためのものである。
【0033】
第1クロック発生器114は、定温水晶振動子112に接続され、第1パルス信号を取得して第1基準信号および第2基準信号を生成するために用いられる。第1クロック発生器114は、内部に2つの位相ロックループ(PLL:Phase Locked Loop)が備えられてよい。2つの位相ロックループを備える第1クロック発生器114は、第1パルス信号に基づいて、同じ位相の第1基準信号および第2基準信号を生成することができる。本願の実施例では、第1クロック発生器114は、LMK03318型式の低雑音クロック発生器であってもよい。第1基準信号は、第1パルス信号と周波数が同じである。第2基準信号は、差動信号であってもよい。例えば、定温水晶振動子112は、第1クロック発生器114に周波数10MHzの第1パルス信号を出力することができる。第1クロック発生器114によって生成される第1基準信号の周波数は10MHzであり、第1クロック発生器114によって生成される第2基準信号の周波数は100MHzである。第1基準信号は、良好な互換性を有する。第2基準信号は高周波基準クロック信号であり、ジッタが小さく、安定度と精度が高い。定温水晶振動子112から第1クロック発生器114に第1パルス信号が出力されることにより、第1クロック発生器114の出力周波数をより正確にして安定させることができる。
【0034】
一実施例において、依然として
図2に示すように、本願のクロックソース回路10は、第1クロックチップ150および第2クロックチップ160をさらに含んでよい。
【0035】
具体的には、第1クロックチップ150は、基準信号生成回路110とスロット22との間に接続され、且つ基準信号生成回路110とクロック信号生成回路120との間に接続され、基準信号生成回路110で生成された第1基準信号に対するジッタ除去、同期化、及び拡張に用いられてもよい。ここで、第1基準信号の拡張とは、1つの第1基準信号を基にして、コピーして位相及び周波数等が全て同一である複数の第1基準信号を得ることをいう。基準信号生成回路110によって第1基準信号が生成されると、第1基準信号が第1クロックチップ150を介して複数の第1基準信号に拡張され、スロット22及びクロック信号生成回路120に出力される。
【0036】
第2クロックチップ160も、基準信号生成回路110とスロット22との間に接続され、且つ基準信号生成回路110とクロック信号生成回路120との間に接続され、基準信号生成回路110で生成された第2基準信号に対するジッタ除去、同期化、及び拡張に用いられる。ここで、第2基準信号の拡張とは、1つの第2基準信号を基にして、コピーして位相及び周波数等が全て同一である複数の第2基準信号を得ることをいう。基準信号生成回路110によって第2基準信号が生成されると、第2基準信号が第2クロックチップ160を介して複数の第2基準信号に拡張され、スロット22及びクロック信号生成回路120に出力される。
【0037】
より具体的には、第1クロックチップ150の入力端は、第1ケーブル152を介して基準信号生成回路110に接続されてよく、すなわち、第1クロックチップ150の入力端は、第1ケーブル152を介して第1クロック発生器114に接続されてよい。第1クロックチップ150の出力端は、スロット22及びクロック信号生成回路120に接続されてよい。第2クロックチップ160の入力端は、第2ケーブル162を介して基準信号生成回路110に接続されてよく、すなわち、第2クロックチップ160の入力端は、第2ケーブル162を介して第1クロック発生器114に接続されてよい。第2クロックチップ160の出力端は、スロット22及びクロック信号生成回路120に接続されてよい。本願の実施例では、第1ケーブル152と第2ケーブル162は、同じ長さの同軸ケーブルであってもよい。第1ケーブル152と第2ケーブル162を同じ長さとすることにより、第1基準信号と第2基準信号とにおいて、伝送中に遅延がないことを保証できる。本願の実施例では、第1クロックチップ150および第2クロックチップ160は、クロック信号に対するジッタ除去、同期化、および拡張の機能を有するLMK04808型式のクロックチップであってもよい。
【0038】
理解すべきものとして、
図2に示す実施例では、プログラマブルゲートアレイ130と、基準信号生成回路110およびクロック信号生成回路120との間の接続関係は示されていない。本願の実施例の説明によれば、第1クロックチップ150は、基準信号生成回路110とプログラマブルゲートアレイ130との間に接続されてもよい。言い換えれば、第1クロックチップ150の入力端は、第1ケーブル152を介して基準信号生成回路110に接続され、すなわち、第1ケーブル152を介して第1クロック発生器114に接続される。第1クロックチップ150の出力端がプログラマブルゲートアレイ130に接続されることで、プログラマブルゲートアレイ130によって取得された第1基準信号は、すでにジッタ除去及び同期化がなされたものになる。同様に、第2クロックチップ160も、基準信号生成回路110とプログラマブルゲートアレイ130との間に接続される。言い換えれば、第2クロックチップ160の入力端は、第2ケーブル162を介して基準信号生成回路110に接続され、すなわち、第2ケーブル162を介して第1クロック発生器114に接続される。第2クロックチップ160の出力端がプログラマブルゲートアレイ130に接続されることで、プログラマブルゲートアレイ130によって取得された第2基準信号は、すでにジッタ除去及び同期化がなされたものになる。
【0039】
一実施例において、依然として
図2に示すように、本願のクロックソース回路10のクロック信号生成回路120は、第2クロック発生器122及び電圧制御発振器124を含む。
【0040】
具体的には、電圧制御発振器124(VCXO:Voltage-Controlled Crystal Oscillator)は、電圧によって水晶振動子の出力周波数を制御する水晶発振器である。本願の実施例では、電圧制御発振器124は、第2パルス信号を出力するために用いられる。電圧制御発振器124は、第2クロック発生器122に接続されることで、第2パルス信号を第2クロック発生器122に出力してもよい。該第2パルス信号は、第2クロック発生器122に基準を提供するためのものである。
【0041】
第2クロック発生器122は、第2パルス信号を取得するように電圧制御発振器124に接続される。また、第2クロック発生器122は、基準信号生成回路110とスロット22との間に接続されることで、第1基準信号及び第2基準信号を取得する。第2クロック発生器122は、第1基準信号、第2基準信号、及び第2パルス信号に基づいて第1クロック信号を生成してスロット22に出力することができる。本願の実施例では、第2クロック発生器122は、HMC7044型式のクロック発生器であってもよい。
図2に示されていない実施例では、第2クロック発生器122は、本願の説明に従って、プログラマブルゲートアレイ130に接続されることで、第1クロック信号をプログラマブルゲートアレイ130に出力してもよい。第1クロック信号は、正確な計時に使用されて、高速に切り替えられるLVPECLを提供することが可能である。
【0042】
一実施例では、本願のクロックソース回路10が適用されるケース20は、いくつかのスロット22を有してもよい。ここで、いくつかとは、1つ以上の整数を意味する。本願の実施例では、ケース20がいくつかのスロット22を有する場合、第1基準信号及び第2基準信号は、基準信号生成回路110からいずれかのスロット22までの伝送距離が等しい。
【0043】
具体的には、ケース20がいくつかのスロット22を有する場合、第1基準信号は、基準信号生成回路110から各々のスロット22に伝送される必要がある。第2基準信号も、基準信号生成回路110から各々のスロット22に伝送される必要がある。本願の実施例では、第1基準信号の、基準信号生成回路110から各々のスロット22までの伝送距離が等しく、且つ第2基準信号の基準信号生成回路110から各々のスロット22までの伝送距離と等しい。
【0044】
一実施例において、
図3に示すように、本願のクロックソース回路10では、プログラマブルゲートアレイ130とスロット22との間で第3トリガ信号によっても対話する。
【0045】
具体的には、本願の実施例では、プログラマブルゲートアレイ130とスロット22との間で第3トリガ信号による対話のみが選択される場合、第1基準信号、第2基準信号、および第1クロック信号は、スロット22に出力されなくなる。この時、第1基準信号は、基準信号生成回路110によって生成されてから、第1クロックチップ150によって拡張され、第2クロック発生器122及びプログラマブルゲートアレイ130に出力される。第2基準信号は、基準信号生成回路110によって生成されてから、第2クロックチップ160によって拡張され、第2クロック発生器122及びプログラマブルゲートアレイ130に出力される。第2クロック発生器122は、第1基準信号、第2基準信号、及び第2パルス信号に基づいて第1クロック信号を生成してプログラマブルゲートアレイ130に出力することができる。プログラマブルゲートアレイ130は、第1基準信号、第2基準信号、及び第1クロック信号に基づいて上り信号を生成して、スロット22に出力する。スロット22は、上り信号を取得してから、下り信号を生成して、プログラマブルゲートアレイ130にフィードバックする。
図3に示す実施例では、該上り信号および下り信号は、合わせて第3トリガ信号として表記されている。第3トリガ信号でも、ある程度でプログラマブルゲートアレイ130とスロット22との間の対話を実現できる。プログラマブルゲートアレイ130とスロット22との間の対話は、第3トリガ信号よりも、第1トリガ信号および第2トリガ信号によって行った方が、対話が高速で安定性も高い。
【0046】
なお、本願のクロックソース回路10が動作している時、プログラマブルゲートアレイ130とスロット22との間の対話は、第1トリガ信号および第2トリガ信号のみによって行うことができる。一方、プログラマブルゲートアレイ130とスロット22との間の対話は、第3トリガ信号のみによって行ってもよい。さらに、プログラマブルゲートアレイ130とスロット22との間の対話は、第1トリガ信号および第2トリガ信号の他に、第3トリガ信号によっても行ってもよい。
【0047】
以下は、
図3を参照して、具体的な実施例から本願のクロックソース回路10の動作過程を説明する。
【0048】
本願のクロックソース回路10が動作している時、定温水晶振動子112は、10MHzの第1パルス信号を安定して出力することで、第1クロック発生器114に基準を提供し、第1クロック発生器114の出力周波数をより正確にして安定させることができる。第1クロック発生器114は、2つの位相ロックループを備えるLMK03318型式のクロック発生器であってもよい。2つの位相ロックループによっては、第1クロック発生器114の出力信号の位相を入力信号の位相と同じにすることができる。第1クロック発生器114は、周波数10MHzの第1基準信号と周波数100MHzの第2基準信号を同時に出力する。ここで、第2基準信号は差動信号であり、これにより、クロックソース回路10のノイズ耐性を高めることができる。
【0049】
第1基準信号は、第1ケーブル152を介して第1クロックチップ150に伝達される。第2基準信号は、第2ケーブル162を介して第2クロックチップ160に伝達される。第1ケーブル152と第2ケーブル162とは同じ長さの同軸ケーブルであり、これにより、第1基準信号と第2基準信号とにおいて伝送の遅延がないことを保証できる。第1クロックチップ150及び第2クロックチップ160は、LMK04808型式のクロックチップであってもよい。
【0050】
ケース20は、いくつかのスロット22を有してもよい。第1クロックチップ150は、第1基準信号を取得した後、第1基準信号に対して位相調整を行うことにより、ジッタを除去する。第1クロックチップ150は、それと同時に、第1基準信号に対して同期化及び拡張を行うことにより、第1基準信号をいくつかに分割して、それぞれケース20のいくつかのスロット22、第2クロック発生器122、およびプログラマブルゲートアレイ130に伝達することもできる。第2クロックチップ160は、第2基準信号を取得した後、第2基準信号に対して位相調整を行うことにより、ジッタを除去する。第2クロックチップ160は、それと同時に、第2基準信号に対して同期化及び拡張を行うことにより、第2基準信号をいくつかに分割して、それぞれケース20のいくつかのスロット22、第2クロック発生器122、およびプログラマブルゲートアレイ130に伝達することもできる。
【0051】
各スロット22に伝達される第1基準信号及び第2基準信号は、基準クロックを提供するために使用される。ここで、第1基準信号は、周波数10MHzの低ジッタ基準信号である。本願の実施例では、第1クロックチップ150からいずれかのスロット22までの配線長さは等しく、これにより、各々のスロット22に受信される第1基準信号の位相が等しいことは保証される。低周波数の第1基準信号は、良好な互換性を有する。第2基準信号は、周波数100MHzの高周波基準クロックである。第2基準信号の位相と、第1基準信号の位相とは精度よく揃えられている。第2基準信号は、第1基準信号よりもジッタが新しい。同様に、第2クロックチップ160からいずれかのスロット22までの配線長さは等しく、これにより、各々のスロット22に受信される第2基準信号の位相が等しいことは保証される。
【0052】
第2クロック発生器122は、第1基準信号、第2基準信号、及び電圧制御発振器124からの第2パルス信号をそれぞれ受信し、第1クロック信号を生成してケース20の各スロット22に伝達する。第1クロック信号は、正確な計時に使用されて、高速に切り替えられるLVPECLを提供する。第1クロック信号は、プログラマブルゲートアレイ130にも伝達される。第2クロック発生器122は、HMC7044型式のクロック発生器であってもよい。
【0053】
プログラマブルゲートアレイ130は、第1基準信号、第2基準信号、および第1クロック信号を取得した後、高速で高品質のトリガ信号、すなわち第1トリガ信号を生成する。プログラマブルゲートアレイ130は、第1トリガ信号をケース20の各スロット22に伝達する。スロット22は、第1トリガ信号を受信すると、第2トリガ信号をプログラマブルゲートアレイ130にフィードバックし、これにより、スロット22とプログラマブルゲートアレイ130との間の対話が実現される。
【0054】
プログラマブルゲートアレイ130は、第1基準信号、第2基準信号、および第1クロック信号を取得した後、さらにソース同期信号を生成する。プログラマブルゲートアレイ130は、ソース同期信号を同期信号生成回路140に伝達する。同期信号生成回路140は、ソース同期信号を同期信号に変換し、各スロット22に伝達することができる。同期信号によって、第1基準信号と第2基準信号との位相関係が定義され得る。同期信号生成回路140は、ADCLK954型式のクロック分配器であってもよい。
【0055】
一実施例において、本願は、
図4に示すように、いくつかのスロット22及び上記のいずれか一つの実施例によるクロックソース回路10を含むケース20をさらに提供する。
【0056】
具体的には、クロックソース回路10は、スロット22に接続される。クロックソース回路10は、基準信号生成回路110と、クロック信号生成回路120と、プログラマブルゲートアレイ130と、同期信号生成回路140とを含んでよい。基準信号生成回路110は、スロット22に接続されることで、第1基準信号及び第2基準信号を生成してスロット22に伝達する。クロック信号生成回路120は、基準信号生成回路110とスロット22との間に接続され、第1基準信号及び第2基準信号を取得し、第1クロック信号を生成してスロット22に伝達するために用いられる。プログラマブルゲートアレイ130は、基準信号生成回路110及びクロック信号生成回路120と接続される。プログラマブルゲートアレイ130はさらにスロット22に接続されることにより、第1基準信号、第2基準信号、および第1クロック信号を取得して、第1トリガ信号およびソース同期信号を生成し、第1トリガ信号をスロット22に伝達する。同期信号生成回路140は、プログラマブルゲートアレイ130とスロット22との間に接続されることにより、ソース同期信号を取得し、同期信号を生成してスロット22に伝達する。
【0057】
一実施例において、本願はさらに、マルチケースカスケードシステム30を提供する。該マルチケースカスケードシステム30は、上述の実施例のようなケース20を複数含む。ここで、複数とは、2つ以上の整数を意味する。複数のケース20は、1つのマスターケース32と、複数のスレーブケース34とを含む。ここで、いくつかとは、1つ以上の整数を意味する。マスターケース32とスレーブケース34とは、マスターケース32の基準信号生成回路110を共用している。
【0058】
具体的には、いずれかのケース20についても、該ケース20内のプログラマブルゲートアレイ130は、該ケース20の基準信号生成回路110に接続されて、基準信号生成回路110を動作させるように制御するために、基準信号生成回路110に命令を出すことができる。マルチケースカスケードシステム30については、複数のケース20のプログラマブルゲートアレイ130は、情報の対話を可能にするように、相互に接続されてもよい。
【0059】
各ケース20にディップスイッチが設けられてよく、ユーザは、ディップスイッチを介して、該ケース20がマスターケース32とされるかスレーブケース34とされるかを決定する。マスターケース32のプログラマブルゲートアレイ130は、マスターケース32の基準信号生成回路110を動作させるように制御して、マスターケース32のクロック信号生成回路120及びプログラマブルゲートアレイ130に第1基準信号及び第2基準信号を提供させ、スレーブケース34のクロック信号生成回路120及びプログラマブルゲートアレイ130に第1基準信号及び第2基準信号を提供させる。スレーブケース34のプログラマブルゲートアレイ130は、スレーブケース34の基準信号生成回路110を動作させないように制御する。
【0060】
一実施例において、
図5に示すように、本願のマルチケースカスケードシステム30において、各ケース20については、そのクロックソース回路10は第1クロックチップ150および第2クロックチップ160をさらに含む。
【0061】
具体的には、第1クロックチップ150の入力端は、第1ケーブル152を介して基準信号生成回路110に接続されることで、第1基準信号を取得し、第1基準信号に対するジッタ除去、同期化、及び拡張を行う。第1クロックチップ150の出力端は、スロット22、クロック信号生成回路120、及びプログラマブルゲートアレイ130に接続される。第2クロックチップ160の入力端は、第2ケーブル162を介して基準信号生成回路110に接続されることで、第2基準信号を取得し、第2基準信号に対するジッタ除去、同期化、及び拡張を行う。第2クロックチップ160の出力端は、スロット22、クロック信号生成回路120、及びプログラマブルゲートアレイ130に接続される。言い換えれば、いずれかのケース20についても、そのスロット22、クロック信号生成回路120、及びプログラマブルゲートアレイ130によって取得された第1基準信号は、第1クロックチップ150によって出力されるものである。スロット22、クロック信号生成回路120、及びプログラマブルゲートアレイ130によって取得された第2基準信号は、第2クロックチップ160によって出力されるものである。
【0062】
図5に示すように、基準信号生成回路110は、定温水晶振動子112と、定温水晶振動子112に接続され、第1基準信号及び第2基準信号を出力するための第1クロック発生器114とを含むことができる。これにより、各スレーブケース34の第1クロックチップ150は、それぞれマスターケース32の第1クロック発生器114に接続されることで、第1基準信号を取得して該スレーブケース34のスロット22、クロック信号生成回路120、およびプログラマブルゲートアレイ130に出力することができる。各スレーブケース34の第2クロックチップ160は、それぞれマスターケース32の第1クロック発生器114に接続されることで、第2基準信号を取得して該スレーブケース34のスロット22、クロック信号生成回路120、およびプログラマブルゲートアレイ130に出力することができる。それと同時に、マスターケース32の第1クロックチップ150も、第1基準信号を取得するためにマスターケース32の第1クロック発生器114に接続される。マスターケース32の第2クロックチップ160も、第2基準信号を取得するためにマスターケース32の第1クロック発生器114に接続される。
【0063】
本願の実施例では、マスターケース32の基準信号生成回路110といずれかの第1クロックチップ150との間の電気的接続距離と、マスターケース32の基準信号生成回路110といずれかの第2クロックチップ160との間の電気的接続距離とは等しい。言い換えれば、マスターケース32の第1クロック発生器114といずれかの第1クロックチップ150との間の配線距離と、マスターケース32の第1クロック発生器114といずれかの第2クロックチップ160との間の配線距離とは等しい。
【0064】
一実施例において、
図6に示すように、本願のマルチケースカスケードシステム30は、第1同期バッファ170および第2同期バッファ180をさらに含む。
【0065】
第1同期バッファ170は、マスターケース32のプログラマブルゲートアレイ130に接続されることで、プログラマブルゲートアレイ130によって制御される。第1同期バッファ170は更にいずれかのケース20の第1クロックチップ150に接続されることで、各ケース20の第1基準信号が同じ位相になるように全ての第1クロックチップ150を配置する。第2同期バッファ180は、マスターケース32のプログラマブルゲートアレイ130に接続されることで、プログラマブルゲートアレイ130によって制御される。第2同期バッファ180は更にいずれかのケース20の第2クロックチップ160に接続されることで、各ケース20の第2基準信号が同じ位相になるように全ての第2クロックチップ160を配置する。
【0066】
本願のマルチケースカスケードシステム30に基づいて、本願はさらに、マルチケースカスケードシステム30の制御方法を提供する。該制御方法は該マルチケースカスケードシステム30における各ケース20に適用され、以下のステップを含む。
【0067】
S100において、第1入力命令及び第2入力命令のいずれか一方を含む入力命令を取得する。
【0068】
S210において、入力命令が第1入力命令である場合、プログラマブルゲートアレイ130は、基準信号生成回路110を動作させるように制御することで、第1基準信号及び第2基準信号を出力させる。
【0069】
S220において、入力命令が第2入力命令である場合、プログラマブルゲートアレイ130は、基準信号生成回路110の動作を停止させるように制御する。
【0070】
具体的には、ここでの入力命令は、ユーザがディップスイッチを介して入力した制御命令であってもよい。ユーザは、ディップスイッチを介して命令を入力すると、ケース20がマスターケース32とされるかスレーブケース34とされるかを決定することができる。本願の実施例では、第1入力指令を受けたケース20はマスターケース32とされ、第2入力指令を受けたケース20はスレーブケース34とされる。これにより、第1入力命令を受けたマスターケース32において、そのプログラマブルゲートアレイ130は、基準信号生成回路110を動作させるように制御することで、第1基準信号及び第2基準信号を出力させる。第2入力命令を受けたスレーブケース34において、プログラマブルゲートアレイ130は、基準信号生成回路110の動作を停止させるように制御して、マスターケース32からの第1基準信号及び第2基準信号を取得する。
【0071】
さらに、ステップS210は具体的に、入力命令が第1入力命令である場合、プログラマブルゲートアレイ130は、基準信号生成回路110を動作させるように制御することで、第1基準信号を第1クロックチップ150に出力させ、第2基準信号を第2クロックチップ160に出力させることを含む。
【0072】
ステップS220は具体的に、入力命令が第2入力命令である場合、プログラマブルゲートアレイ130は、基準信号生成回路110の動作を停止させるように制御して、第1クロックチップ150によってマスターケース32の第1基準信号を取得し、第2クロックチップ160によってマスターケース32の第2基準信号を取得することを含む。
【0073】
具体的には、各ケース20の第1クロックチップ150及び第2クロックチップ160はいずれも、マスターケース32の基準信号生成回路110に接続されている。各ケース20の第1クロックチップ150はいずれも、マスターケース32の基準信号生成回路110によって出力される第1基準信号を取得する。各ケース20の第2クロックチップ160はいずれも、マスターケース32の基準信号生成回路110によって出力される第2基準信号を取得する。
【0074】
さらに、ステップS220の後に以下のことが含まれる。
【0075】
ステップS300において、入力命令が第1命令である場合、プログラマブルゲートアレイ130は、各第1クロックチップ150を配置するように第1同期バッファ170を制御し、各第2クロックチップ160を配置するように第2同期バッファ180を制御する。
【0076】
具体的には、ケース20がマスターケース32である場合、マスターケース32のプログラマブルゲートアレイ130は、各ケース20の第1クロックチップ150を配置するように、マスターケース32の第1同期バッファ170を制御する。マスターケース32のプログラマブルゲートアレイ130は、各ケース20の第2クロックチップ160を配置するように、マスターケース32の第2同期バッファ180を制御する。
【0077】
以下は、
図6を参照して、具体的な実施例から本願のマルチケースカスケードシステム30の動作過程を説明する。
【0078】
マルチケースカスケードシステム30は、複数のカスケード接続されるケース20を含む。各ケース20のバックプレーンにディップスイッチが設けられてよく、ユーザは、ディップスイッチを介して、該ケース20をマスターケース32またはスレーブケース34に定義する。
【0079】
マルチケースカスケードシステム30が作動している時、各ケース20のプログラマブルゲートアレイ130は、ディップスイッチを読み取って、このケース20がマスターケース32であるかスレーブケース34であるかを判断する。スレーブケース34である場合、プログラマブルゲートアレイ130は、その基準信号生成回路110の動作を停止させるように制御する。マスターケース32である場合、プログラマブルゲートアレイ130は、その基準信号生成回路110を動作させるように制御する。
【0080】
マスターケース32の基準信号生成回路110は動作すると、複数の第1基準信号及び第2基準信号を出して、同じ長さの同軸ケーブルを介して各ケース20の第1クロックチップ150及び第2クロックチップ160に伝達する。一方、マスターケース32のプログラマブルゲートアレイ130は、第1同期バッファ170を介して各第1クロックチップ150を配置し、第2同期バッファ180を介して各第2クロックチップ160を配置することで、各ケース20内の第1クロックチップ150と第2クロックチップ160を動作させる。各ケース20内の第1クロックチップ150と第2クロックチップ160は動作すると、スロット22に第1基準信号、第2基準信号、第1クロック信号、及び第1トリガ信号を出力し、スロット22からフィードバックされる第2トリガ信号を取得する。
【0081】
上述した実施例の各技術的特徴は任意に組み合わせることが可能であり、説明の簡潔さのために、上述した実施例の各技術的特徴の可能な組み合わせがすべて記載されていないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、本明細書の範囲内にあるとみなされるべきである。
【0082】
上記の実施例は、本願のいくつかの実施形態を示しているに過ぎず、その叙述は具体的かつ詳細であるが、本願の発明の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。当業者にとっては、本願の思想から逸脱することなく、多くの変形や改良が可能であり、これらは本願の保護範囲に含まれることに留意されたい。したがって、本願の特許の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に規定されるものとする。
【符号の説明】
【0083】
10 クロックソース回路
110 基準信号生成回路
112 定温水晶振動子
114 第1クロック発生器
120 クロック信号生成回路
122 第2クロック発生器
124 電圧制御発振器
130 プログラマブルゲートアレイ
140 同期信号生成回路
150 第1クロックチップ
152 第1ケーブル
160 第2クロックチップ
162 第2ケーブル
170 第1同期バッファ
180 第2同期バッファ
20 ケース
22 スロット
30 マルチケースカスケードシステム
32 マスターケース
34 スレーブケース
【国際調査報告】