(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-28
(54)【発明の名称】ジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトル
(51)【国際特許分類】
B65G 1/06 20060101AFI20230921BHJP
B61B 13/00 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
B65G1/06 M
B61B13/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517335
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(85)【翻訳文提出日】2023-03-15
(86)【国際出願番号】 CN2021118431
(87)【国際公開番号】W WO2022057816
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】202010968454.3
(32)【優先日】2020-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519307953
【氏名又は名称】隆鏈智能科技(上海)有限公司
【氏名又は名称原語表記】LONLINK SMART STORAGE SOLUTION(SHANGHAI)CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】407,King Tower,28 New Jinqiao Road,Pudong District,Shanghai 201206,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】黄 暁明
(72)【発明者】
【氏名】馬 云龍
【テーマコード(参考)】
3D101
3F022
【Fターム(参考)】
3D101BB06
3D101BB16
3F022AA15
3F022FF01
3F022JJ13
3F022MM55
(57)【要約】
本発明は、支持フレームと、横方向走行駆動機構と、縦方向走行駆動機構と、斜引張転向・ジャッキング機構と、を備えるジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルを提供するものであって、横方向走行駆動機構は、横方向能動輪、第1横方向従動輪、第2横方向従動輪及び第3横方向従動輪を備え、縦方向走行駆動機構は、第1縦方向能動輪、第2縦方向能動輪、第1縦方向従動輪及び第2縦方向従動輪を備え、斜引張転向・ジャッキング機構は、ジャッキングプレートと、第1斜引張ジャッキングスライダー及び第2斜引張ジャッキングスライダーとを備え、ジャッキング軸孔内にボールブッシュが移動可能に設けられ、ボールブッシュの前後両側に斜引張ジャッキング柱が設けられ、両端の斜引張ジャッキングスライダーはジャッキング軸により連結される。本発明のジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルは、16輪ツーウェイ走行車の構造設計を形成し、車の耐荷重と障害越え能力を大幅に向上させる。その構造設計がコンパクトであるため、コストを削減するだけでなく、スペースを節約することができる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持フレーム(100)と、前記支持フレーム(100)に搭載されている、横方向走行駆動機構(200)と、縦方向走行駆動機構(300)と、斜引張転向・ジャッキング機構(400)と、を備えるジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルであって、
前記横方向走行駆動機構(200)は、前記支持フレーム(100)の前後両側にそれぞれ対称に配置された横方向能動輪(201)、第1横方向従動輪(202)、第2横方向従動輪(203)及び第3横方向従動輪(204)を備え、二つの前記横方向能動輪(201)は横方向伝動軸(206)の両端にそれぞれ配置され、二つの前記第3横方向従動輪(204)は横方向連結軸(209)の両端にそれぞれ配置され、前記横方向伝動軸(206)は、第1横方向伝動ベルト(207)を介して横方向モータ(208)に伝動連結され、
前記縦方向走行駆動機構(300)は、前記支持フレーム(100)の左右両側にそれぞれ対称に配置された第1縦方向能動輪(301)、第2縦方向能動輪(302)、第1縦方向従動輪(303)及び第2縦方向従動輪(304)を備え、両側の前記第1縦方向能動輪(301)と第2縦方向能動輪(302)はそれぞれ第1縦方向伝動ベルト(308)を介して縦方向伝動軸(305)に連結され、前記縦方向伝動軸(305)は第2縦方向伝動ベルト(306)を介して縦方向モータ(307)に連結され、
前記斜引張転向・ジャッキング機構(400)は、前記支持フレーム(100)の前後両側にそれぞれ対称に配置されたジャッキングプレート(410)と、前記ジャッキングプレート(410)の両端にそれぞれ配置された第1斜引張ジャッキングスライダー(401)及び第2斜引張ジャッキングスライダー(402)とを備え、前記ジャッキングプレート(410)の両端には、前記横方向伝動軸(206)と横方向連結軸(209)を組み立てるための第1転向組立スロット(411)と第2転向組立スロット(412)がそれぞれ設けられ、前記第1斜引張ジャッキングスライダー(401)と第2斜引張ジャッキングスライダー(402)は、左右に貫通したジャッキング軸孔(414)と前後に貫通して傾斜に配置されたジャッキング傾斜孔(415)が設けられる同じ構造をしており、前記ジャッキング軸孔(414)内にボールブッシュ(418)が移動可能に設けられ、前記ボールブッシュ(418)の前後両側に斜引張ジャッキング柱(420)が設けられ、斜引張ジャッキング柱(420)は前記ジャッキング傾斜孔(415)内に移動可能に埋め込まれ、二つの前記第1斜引張ジャッキングスライダー(401)は、ボールブッシュ(418)内に移動可能に挿入された第1ジャッキング軸(404)によって互いに連結され、二つの前記第2斜引張ジャッキング軸(402)は、ボールブッシュ418)内に移動可能に挿入された第2ジャッキング軸(405)によって互いに連結され、前記第1ジャッキング軸(404)及び/又は第2ジャッキング軸(405)はジャッキング伝動ベルト(408)を介してジャッキングモータ(409)に伝動連結されている、ことを特徴とする、ジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトル。
【請求項2】
前記支持フレーム(100)の前後両側壁に4つの角形組立孔(101)がそれぞれ設けられ、前記支持フレーム(100)の左右両側壁に4つの円形組立孔(102)がそれぞれ設けられ、
前記横方向能動輪(201)は、前記第2転向組立スロット(412)を貫通して前記角形組立孔(101)に対応する前記横方向伝動軸(206)に軸連結され、前記第1横方向従動輪(202)及び第2横方向従動輪(203)の輪軸はそれぞれ対応の前記角形組立孔(101)を貫通して前記ジャッキングプレート(410)に連結され、前記第3横方向従動輪(204)は、前記第1転向組立スロット(411)を貫通して前記角形組立孔(101)に対応する横方向連結軸(209)に連結され、
前記第1縦方向能動輪(301)及び第2縦方向能動輪(302)の輪軸はそれぞれ前記円形組立孔(102)を貫通して第1ベアリングホルダ(105)を介して前記支持フレーム(100)の底部に接続され、前記第1縦方向従動輪(303)、第2縦方向従動輪(304)は対応の前記円形組立孔(102)に設けられる、ことを特徴とする、請求項1に記載されるジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトル。
【請求項3】
前記横方向能動輪(201)は第2横方向伝動ベルト(205)を介して同じ側の前記第1横方向従動輪(202)に連結され、及び/又は第2横方向伝動ベルト(205)を介して同じ側の前記第3横方向従動輪(204)に連結される、ことを特徴とする、請求項1に記載されるジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトル。
【請求項4】
前記第1縦方向伝動ベルト(308)の外側に配置されたテンション調整機構(700)をさらに備え、
前記テンション調整機構(700)は、前記第1縦方向伝動ベルト(308)の外側に付けて配置された第1テンションホイール(701)と第2テンションホイール(703)を備え、前記第1テンションホイール(701)は第1固定板702によって前記支持フレーム(100)の内側壁に固定的に設置され、前記第2テンションホイール(703)は調整板(704)を介して前記支持フレーム(100)の内側壁に移動可能に設置される、ことを特徴とする、請求項1に記載されるジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトル。
【請求項5】
前記調整板(704)は調整角孔(705)を水平に備え、前記調整角孔(705)内に挿入されたボルトによって前記支持フレーム(100)の内側壁に移動可能に固定され、その一つの端部には、調整ナットとボルトによって前記支持フレーム(100)の内側壁に固定されている第2固定板(706)に調整可能に連結される、ことを特徴とする、請求項4に記載されるジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトル。
【請求項6】
前記斜引張転向・ジャッキング機構(400)は、
前記支持フレーム(100)に設けられ、その頂部にベアリングを設けて前記第1ジャッキング軸(404)と及び/又は第2ジャッキング軸(405)を支持する第2ベアリングホルダ(403)と、
前記ボールブッシュ(418)に固定的に嵌められ、その前後両側壁がそれぞれ前記斜引張ジャッキング柱(420)に溶接されるジャッキングナット(419)と、をさらに備える、ことを特徴とする、請求項1に記載されるジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトル。
【請求項7】
前記ジャッキングプレート(410)には、その両端に設けられるガイドスロット(413)により、前記支持フレーム(100)の四隅のジャッキングガイド柱(103)を上下にスライド可能に連結し、前記ジャッキングガイド柱(103)の上下両端はそれぞれガイド柱固定板(104)を介して前記支持フレーム(100)に固定的に連結される、ことを特徴とする、請求項1に記載されるジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトル。
【請求項8】
前記ジャッキング傾斜孔(415)は、その傾斜角度は5~85°であり、その上下高さはジャッキング軸孔に等しくなっている、ことを特徴とする、請求項1に記載されるジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトル。
【請求項9】
前記第1ジャッキング軸(404)の両端部に第1タイミングホイール(416)が設けられ、前記第2ジャッキング軸(405)に第2タイミングホイール(417)が設けられ、前記第1タイミングホイール(416)と第2タイミングホイール(417)はジャッキングタイミングベルト(406)によって互いに連結されている、ことを特徴とする、請求項1に記載されるジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトル。
【請求項10】
前記ジャッキングタイミングベルト(406)の両端には、前記第1タイミングホイール(416)と前期第2タイミングホイール(417)に近づいた位置にそれぞれジャッキングテンションホイール(407)が設けられる、ことを特徴とする、請求項9に記載されるジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォーウェイシャトルに関し、特にジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルに関する。
【背景技術】
【0002】
倉庫・物流業界の急速な発展に伴い、立体倉庫の平面上により多くの棚を配置し、高さ方向により多くの棚仕切りを配置することで、入庫、出庫通路に占められる空間を最小化するように、立体倉庫の空間の利用率をさらに求めている。
【0003】
現在の立体倉庫の構造は、一つの出入庫通路と複数の収納ラック通路とが直交に連結するパターンを採用することが多いので、シャトルには、縦の方向と横方向の互いに直交する2方向に移動できることが必要となる。従来技術では、立体倉庫は通常、親子車のシステムを使用する。すなわち、母車は子車を運んで出入庫通路を走行し、そして母車の走行方向の直交の方向から子車が歩き出し、収納ラック通路に入り、それから元の道に沿って母車に戻り、最後に母車によって運ばれて去る。
【0004】
従来の親子車の2台のシャトルの組み合わせは、双方向8輪の構造設計を採用することが多く、その貨物耐荷重が低く、障害を越える能力が弱く、故障率が高いので、ますます忙しくなる倉庫・物流のニーズを満たすことができない。また、通常にカムジャッキング構造を使用しているので、摩耗しやすいカムにより駆動部品の不均一と伝送効率が低いという欠陥がある。なお、従来の親子車のシャトルは、自体がかなりの空間を占め、棚と仕切りの数が減らされ、立体倉庫の空間利用率が低下する上に、製造、調達、メンテナンスのコストが増加させられた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術課題は、従来技術の上記欠陥に対して、ジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の通りの技術案を採用している。
【0007】
本発明は、支持フレームと、前記支持フレームに搭載されている、横方向走行駆動機構と、縦方向走行駆動機構と、斜引張転向・ジャッキング機構と、を備えるジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルを提供するものであって、
前記横方向走行駆動機構は、前記支持フレームの前後両側にそれぞれ対称に配置された横方向能動輪、第1横方向従動輪、第2横方向従動輪及び第3横方向従動輪を備え、二つの前記横方向能動輪は横方向伝動軸の両端にそれぞれ配置され、二つの前記第3横方向従動輪は横方向連結軸の両端にそれぞれ配置され、前記横方向伝動軸は、第1横方向伝動ベルトを介して横方向モータに伝動連結され、
前記縦方向走行駆動機構は、前記支持フレームの左右両側にそれぞれ対称に配置された第1縦方向能動輪、第2縦方向能動輪、第1縦方向従動輪及び第2縦方向従動輪を備え、両側の前記第1縦方向能動輪と第2縦方向能動輪はそれぞれ第1縦方向伝動ベルトを介して縦方向伝動軸に連結され、前記縦方向伝動軸は第2縦方向伝動ベルトを介して縦方向モータに連結され、
前記斜引張転向・ジャッキング機構は、前記支持フレームの前後両側にそれぞれ対称に配置されたジャッキングプレートと、前記ジャッキングプレートの両端にそれぞれ配置された第1斜引張ジャッキングスライダー及び第2斜引張ジャッキングスライダーとを備え、前記ジャッキングプレートの両端には、前記横方向伝動軸と横方向連結軸を組み立てるための第1転向組立スロットと第2転向組立スロットがそれぞれ設けられ、前記第1斜引張ジャッキングスライダーと第2斜引張ジャッキングスライダーは、左右に貫通したジャッキング軸孔と前後に貫通して傾斜に配置されたジャッキング傾斜孔が設けられる同じ構造をしており、前記ジャッキング軸孔内にボールブッシュが移動可能に設けられ、前記ボールブッシュの前後両側に斜引張ジャッキング柱が設けられ、斜引張ジャッキング柱は前記ジャッキング傾斜孔内に移動可能に埋め込まれる。二つの前記第1斜引張ジャッキングスライダーは、ボールブッシュ内に移動可能に挿入された第1ジャッキング軸によって互いに連結され、二つの前記第2斜引張ジャッキング軸は、ボールブッシュ内に移動可能に挿入された第2ジャッキング軸によって互いに連結され、前記第1ジャッキング軸及び/又は第2ジャッキング軸はジャッキング伝動ベルトを介してジャッキングモータに伝動連結されている。
【0008】
さらに、前記ジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルにおいて、前記支持フレームの前後両側壁に4つの角形組立孔がそれぞれ設けられ、前記支持フレームの左右両側壁に4つの円形組立孔がそれぞれ設けられ、
前記横方向能動輪は、前記第2転向組立スロットを貫通して前記角形組立孔に対応する前記横方向伝動軸に軸連結される。前記第1横方向従動輪及び第2横方向従動輪の輪軸はそれぞれ対応の前記角形組立孔を貫通して前記ジャッキングプレートに連結される。前記第3横方向従動輪は、前記第1転向組立スロットを貫通して前記角形組立孔に対応する横方向連結軸に連結され、
前記第1縦方向能動輪及び第2縦方向能動輪の輪軸はそれぞれ前記円形組立孔を貫通して第1ベアリングホルダを介して前記支持フレームの底部に接続され、前記第1縦方向従動輪、第2縦方向従動輪は対応の前記円形組立孔に設けられる。
【0009】
さらに、前記ジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルにおいて、前記横方向能動輪は第2横方向伝動ベルトを介して同じ側の前記第1横方向従動輪に連結され、及び/又は第2横方向伝動ベルトを介して同じ側の前記第3横方向従動輪に連結される。
【0010】
さらに、前記ジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルにおいて、前記第1縦方向伝動ベルトの外側に配置されたテンション調整機構をさらに備え、
前記テンション調整機構は、前記第1縦方向伝動ベルトの外側に付けて配置された第1テンションホイールと第2テンションホイールを備え、前記第1テンションホイールは第1固定板によって前記支持フレームの内側壁に固定的に設置される、前記第2テンションホイールは調整板を介して前記支持フレームの内側壁に移動可能に設置される。
【0011】
さらに、前記ジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルにおいて、前記調整板は調整角孔を水平に備え、前記調整角孔内に挿入されたボルトによって前記支持フレームの内側壁に移動可能に固定され、その一つの端部には、調整ナットとボルトによって前記支持フレームの内側壁に固定されている第2固定板に調整可能に連結される。
【0012】
さらに、前記ジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルにおいて、前記斜引張転向・ジャッキング機構は、
前記支持フレームに設けられ、その頂部にベアリングを設けて前記第1ジャッキング軸と及び/又は第2ジャッキング軸を支持する第2ベアリングホルダと、
前記ボールブッシュに固定的に嵌められ、その前後両側壁がそれぞれ前記斜引張ジャッキング柱に溶接されるジャッキングナットと、をさらに備える。
【0013】
さらに、前記ジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルにおいて、前記ジャッキングプレートには、その両端に設けられるガイドスロットにより、前記支持フレームの四隅のジャッキングガイド柱を上下にスライド可能に連結し、前記ジャッキングガイド柱の上下両端はそれぞれガイド柱固定板を介して前記支持フレームに固定的に連結される。
【0014】
さらに、前記ジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルにおいて、前記ジャッキング傾斜孔は、その傾斜角度は5~85°であり、その上下高さはジャッキング軸孔に等しくなっている。
【0015】
さらに、前記ジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルにおいて、前記第1ジャッキング軸の両端部に第1タイミングホイールが設けられ、前記第2ジャッキング軸に第2タイミングホイールが設けられ、前記第1タイミングホイールと第2タイミングホイールはジャッキングタイミングベルトによって互いに連結されている。
【0016】
さらに、前記ジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルにおいて、前記ジャッキングタイミングベルトの両端には、前記第1タイミングホイールと前期第2タイミングホイールに近づいた位置にそれぞれジャッキングテンションホイールが設けられる。
【0017】
本発明は、上記技術案を用いることにより、従来技術と比べて、以下の技術的効果を奏する。
【0018】
(1)二つの第1斜引張ジャッキングスライダーは第1ジャッキング軸を介して横方向に配置され、二つの第2斜引張ジャッキングスライダーは第2ジャッキング軸を介して横方向に配置され、そして第1ジャッキング軸と第2ジャッキング軸とはジャッキングタイミングベルトで同期連動を実現し、第1斜引張ジャッキングスライダーと第2斜引張ジャッキングスライダーの昇降の一致性を向上させ、車の作動の安定性を向上させる。
【0019】
(2)横方向に8輪、縦方向に8輪、及び強化された支持フレームを採用することで耐荷重を向上させる。各輪の配置位置を最適化することで、車の障害越え能力を向上させる。
【0020】
(3)16輪に合わせるために、輪の伝動機構を最適化した。縦方向伝動軸の位置を上方にずらし、縦方向の輪の直径を大きくすることで、車に優れた搭載能力を持たせる。
【0021】
(4)第1縦方向伝動ベルトのテンションをテンション調整機構により調整することで、第1縦方向能動輪と第2縦方向能動輪の動力輸送の安定性と連続性を同時に確保する。
【0022】
(5)斜引張転向・ジャッキング機構は斜引張ジャッキングスライダーと斜引張ジャッキング軸との転がり接触により、伝動の効率が高く、圧力角の変化がない。ジャッキングスライダーの両側のジャッキング傾斜孔は対称に配置されるので、力受けが均一である。その設計は斬新で、構造がコンパクトで、体積が小さく、耐荷重が高く、機器構造のメンテナンスや修理の頻度を減らせる。作動効率が高く、耐用年数が長い。
【0023】
(6)ボールねじとボールブッシュを合わせる伝動構造を採用し、伝動の効率は50~70%まで達し、また、ボールブッシュとジャッキング軸はジャッキングナットで直接に連結され、運動エネルギーの損失が少なくなる。
【0024】
(7)該16輪フォーウェイシャトルは構造設計がコンパクトであるため、コストを削減するだけでなく、スペースを節約することができる。また、車全体の重量と体積を減らし、作動能力と貨物出入の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明のジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルの上面構造を示す模式図である。
【
図2】本発明のジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルの正面構造を示す模式図である。
【
図3】本発明のジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルの側面構造を示す模式図である。
【
図4】本発明のジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルの立体構造を示す模式図である。
【
図5】本発明のジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルにおける支持フレームの構造を示す模式図である。
【
図6】本発明のジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルにおけるテンション調整機構の組立構造を示す模式図である。
【
図7】本発明のジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルにおける斜引張転向・ジャッキング機構の構造の一部を示す模式図である。
【
図8】本発明のジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルにおける斜引張転向・ジャッキング機構の構造の全体を示す模式図である。
【
図9】本発明のジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルにおける斜引張ジャッキングスライダーの構造を示す模式図である。
【
図10】本発明のジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルにおける斜引張ジャッキングスライダーの断面構造を示す模式図である。
【
図11】本発明のジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルにおけるボールねじとボールブッシュの断面構造を示す模式図である。
【
図12】本発明のジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルにおける斜引張ジャッキングスライダーの構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明をよりよく理解できるように、具体的な実施例により詳細で具体な説明をするが、下記の実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
【0027】
一部の実施例では、
図1に示すように、支持フレーム100と、支持フレーム100に搭載されている、横方向走行駆動機構200と、縦方向走行駆動機構300と、斜引張転向・ジャッキング機構400と、電池パック500と、コントローラ600と、を備えるジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルを提供する。
【0028】
一つの実施例において、支持フレーム100は、車全体の耐荷重を大幅に向上させるように板金曲げと部分補強筋により連結された一つの全体である。電池パック500は動力源として車全体の動力を提供し、電池パック500はリチウムイオン二次電池、蓄電池またはその他の任意のエネルギー貯蔵電池を用いて車の各機能電源に電力を供給できる。コントローラ600は車全体の頭脳として、車全体の移動を制御し、コントローラ600は、電池パック500、横方向走行駆動機構200の横方向モータ208、縦方向走行駆動機構300、縦方向モータ307及び転向・ジャッキング機構400のジャッキングモータ408に電気的に連結される。コントローラ600の制御により車は柔軟に縦方向または横方向に走行し、転向・ジャッキング機構400により車はジャッキングと転向を行う。
【0029】
一部の実施例では、
図2及び
図4に示すように、16輪フォーウェイシャトルの横方向の移動の実行ユニットとして、横方向走行駆動機構200は、支持フレーム100の前後両側にそれぞれ対称に配置された横方向能動輪201、第1横方向従動輪202、第2横方向従動輪203及び第3横方向従動輪204を備える。その中、横方向能動輪201、第1横方向従動輪202、第2横方向従動輪203及び第3横方向従動輪204はいずれも2個であり、支持フレーム100の前後両側に配置され、片方向に8輪の車体構造を形成し、車の横方向の走行時の耐荷重と障害越え能力を向上させる。
【0030】
一つの実施例において、
図2及び
図4に示すように、二つの横方向能動輪201は横方向伝動軸206の両端にそれぞれ配置され、横方向伝動軸206を介してその両端の横方向能動輪201の回転が駆動され、横方向伝動軸206に横方向カップリング210(Coupling)が設けられる。車の走行安定性を高めるために、二つの第3横方向従動輪204は横方向連結軸209を介して連結され、両側の第3横方向従動輪204の同期動作を確保する。横方向伝動軸206は、第1横方向伝動ベルト207を介して横方向モータ208に伝動連結され、横方向モータ208は第1横方向伝動ベルト207を介して横方向伝動軸206の回転を駆動する。前記横方向モータ208はサーボ駆動のモータである。
【0031】
該16輪フォーウェイシャトルにおける横方向走行駆動機構200の作動原理は下記の通りである。横方向モータ208が第1横方向伝動ベルト207を介して横方向伝動軸206の回転を駆動し、横方向伝動軸206の両端の横方向主動輪201の回転を同期に駆動しつつ、支持フレーム100に位置する第1横方向従動輪202、第2横方向従動輪203及び第3横方向従動輪204の回転を同期に駆動し、該16輪フォーウェイシャトルの横方向の走行を実現する。
【0032】
一部の実施例では、
図3及び
図4に示すように、16輪フォーウェイシャトルの縦方向の移動の実行ユニットとして、縦方向走行駆動機構300は、支持フレーム100の左右両側にそれぞれ対称に配置された第1縦方向能動輪301、第2縦方向能動輪302、第1縦方向従動輪303及び第2縦方向従動輪304を備える。その中、第1縦方向能動輪301、第2縦方向能動輪302、第1縦方向従動輪303、第2縦方向従動輪304はいずれも2個であり、支持フレーム100の両側に対称に配置され、片方向に8輪の車体構造を形成し、車の縦方向の走行時の耐荷重と障害越え能力を向上させる。
【0033】
一つの実施例において、
図3及び
図4に示すように、両側の第1縦方向能動輪301と第2縦方向能動輪302は能動輪として、それぞれ第1縦方向伝動ベルト308を介して縦方向伝動軸305に連結され、縦方向伝動軸305は第2縦方向伝動ベルト306を介して縦方向モータ307に連結され、縦方向モータ307は第2縦方向伝動ベルト306を介して縦方向伝動軸305の回転を駆動する。前記縦方向モータ307はサーボ駆動のモータである。
【0034】
一つの実施例において、16輪に合わせるために、縦方向の輪の伝動機構を最適化した。縦方向伝動軸305の位置を上方にずらして、縦方向伝動軸305、第1縦方向能動輪301と第2縦方向能動輪302の組立構造がその側面で三角構造を形成する。一本の縦方向伝動軸305を用いて第1縦方向能動輪301と第2縦方向能動輪302を同時で同期に回転させ、一方、上方にずらしている縦方向伝動軸305はその下方に配置された転向・ジャッキング機構400をずらすことができ、車の設計をよりコンパクトで合理的にし、スペースを節約することができる。
【0035】
一つの実施例において、車に優れた耐荷重を持たせるために、横方向走行駆動機構200が採用した8つの横方向の輪と比べて、縦方向走行駆動機構300が採用した8つの縦方向の輪はいずれもより大きな直径をした縦方向の輪とされている。具体的には、横方向能動輪201、第1横方向従動輪202、第2横方向従動輪203及び第3横方向従動輪204の直径は、第1縦方向能動輪301、第2縦方向能動輪302、第1縦方向従動輪303及び第2縦方向従動輪304の直径よりもやや小さくなり、その直径比は1:1.1~1.3、好ましくは1:1.2である。
【0036】
該16輪フォーウェイシャトルにおける縦方向走行駆動機構300の作動原理は下記の通りである。縦方向モータ307が第2縦方向伝動ベルト306を介して縦方向伝動軸305の回転を駆動し、縦方向伝動軸305の両端の第1縦方向能動輪301と第2縦方向能動輪302の回転を同期に駆動しつつ、支持フレーム100に位置する第1縦方向従動輪303と第2縦方向従動輪304を同期に駆動し、該16輪フォーウェイシャトルの縦方向の走行を実現する。縦方向伝動軸305には縦方向カップリング306が設けられる。また、第2縦方向伝動ベルト306は一定の作動時間を経たら改めて引っ張られるため、ベルトホイールのテンションの具合に応じて、テンション調整機構700を横方向に移動させることで調整するとよい。
【0037】
一部の実施例では、
図4及び
図7に示すように、16輪フォーウェイシャトルにおける上下ジャッキング・転向の実行ユニットとして、斜引張転向・ジャッキング機構400は、支持フレーム100の前後両側にそれぞれ対称に配置されたジャッキングプレート410と、各側のジャッキングプレート410の両端にそれぞれ配置される第1斜引張ジャッキングスライダー401及び第2斜引張ジャッキングスライダー402を備える。第1斜引張ジャッキングスライダー401と第2斜引張ジャッキングスライダー402はジャッキングプレート410と一体成型され、第1斜引張ジャッキングスライダー401と第2斜引張ジャッキングスライダー402の頂部端面はジャッキングプレート410より高くされており、第1斜引張ジャッキングスライダー401と第2斜引張ジャッキングスライダー402はジャッキング平面(図示なし)に直接に接触して連結される。ジャッキングプレート410の両端には、横方向伝動軸206と横方向連結軸209を組み立てるための第1転向組立スロット411と第2転向組立スロット412がそれぞれ設けられ、横方向伝動軸206の両端は第1転向組立スロット411を貫通して横方向能動輪201に連結され、横方向連結軸209の両端は第2転向組立スロット412を貫通して第3横方向従動輪204に連結される。
【0038】
一つの実施例において、
図7及び
図8に示すように、第1斜引張ジャッキングスライダー401と第2斜引張ジャッキングスライダー402はいずれも2個であり、支持フレーム100の前後両側にそれぞれ対称に設置され、第1斜引張ジャッキングスライダー401と第2斜引張ジャッキングスライダー402は同じ構造と作動原理をしている。第1斜引張ジャッキングスライダー401と第2斜引張ジャッキングスライダー402は、ジャッキングモータ409によって駆動されて支持フレーム100に対して上下に昇降運動を行いつつ、ジャッキングプレート410を介して両側の横方向能動輪201、第1横方向従動輪202、第2横方向従動輪203及び第3横方向従動輪204の昇降を駆動し、横方向走行駆動機構200と縦方向走行駆動機構の転向機能を柔軟に実現する。
【0039】
一つの実施例において、
図9、
図10、
図11、
図12に示すように、第1斜引張ジャッキングスライダー401を例として、該第1斜引張ジャッキングスライダー401には左右に貫通したジャッキング軸孔414と前後に貫通して傾斜に配置されたジャッキング傾斜孔415が設けられる。ジャッキング軸孔414内にボールブッシュ418が移動可能に設けられ、ボールブッシュ418の前後両側に斜引張ジャッキング柱420が設けられ、斜引張ジャッキング柱420はジャッキング傾斜孔415内に移動可能に埋め込まれる。二つの第1斜引張ジャッキングスライダー401は、ボールブッシュ418内に移動可能に挿入された第1ジャッキング軸404によって互いに連結され、二つの第2斜引張ジャッキング軸402は、ボールブッシュ418内に移動可能に挿入された第2ジャッキング軸405によって互いに連結され、第1ジャッキング軸404及び/又は第2ジャッキング軸405はジャッキング伝動ベルト408を介してジャッキングモータ409に伝動連結されている。
【0040】
該16輪フォーウェイシャトルにおける斜引張転向・ジャッキング機構400の作動原理は下記の通りである。ジャッキングモータ409はジャッキング伝動ベルト408を介して第1ジャッキング軸404及び/又は第2ジャッキング軸405の回転を駆動し、第1ジャッキング軸404と第2ジャッキング軸405は回転の中で、その両端のボールブッシュ418及び二つの斜引張ジャッキング柱420をそれぞれジャッキング軸孔414とジャッキング傾斜孔415に沿って左右にスライドするように駆動しつつ、第1斜引張ジャッキングスライダー401と第2斜引張ジャッキングスライダー402を上下に移動させることで、第1斜引張ジャッキングスライダー401と第2斜引張ジャッキングスライダー402の頂部のジャッキング平面を昇降させ、車のジャッキングと転向機能を実現する。
【0041】
一つの実施例において、
図4及び
図7に示すように、横方向伝動軸206と横方向連結軸209の両端はそれぞれジャッキングプレート410の両端の第1転向組立スロット411と第2転向組立スロット412を貫通して配置されることで、該横方向伝動軸206と横方向連結軸209をジャッキングプレート410に同期して上下に移動させつつ、横方向走行駆動機構200の横方向能動輪201、第1横方向従動輪202、第2横方向従動輪203及び第3横方向従動輪204からなる8個の横方向の輪を8個の縦方向の輪に対して同期に上下移動をさせることで、地面から離脱したり地面に接触したりさせ、横方向走行駆動機構200と縦方向走行駆動機構300との転向機能を実現する。
【0042】
一部の実施例では、
図5に示すように、支持フレーム100は、板金曲げと部分補強筋によって連結された一つの全体である。支持フレーム100の前後両側壁に、横方向の輪を組み立てるための4つの角形組立孔101がそれぞれ設けられ、それに対応して、支持フレーム100の左右両側壁に、縦方向の輪を組み立てるための4つの円形組立孔102がそれぞれ設けられる。
【0043】
一つの実施例において、
図5及び
図7に示すように、前後両側の横方向能動輪201は、第2転向組立スロット412を貫通して角形組立孔101に対応する横方向伝動軸206に軸連結される。第1横方向従動輪202及び第2横方向従動輪203の輪軸はそれぞれ対応の角形組立孔101を貫通してジャッキングプレート410に連結される。第3横方向従動輪204は、第1転向組立スロット411を貫通して角形組立孔101に対応する横方向連結軸209に連結される。また、転向・ジャッキング機構400のジャッキング機能と転向機能に合わせるために、横方向能動輪201、第1横方向従動輪202、第2横方向従動輪203及び第3横方向従動輪204は、対応の角形組立孔101内にジャッキングプレート410と共に、上下の所定な昇降を行うことができる。
【0044】
一つの実施例において、
図4、
図5、
図6に示すように、第1縦方向能動輪301及び第2縦方向能動輪302の輪軸はそれぞれ対応の円形組立孔102を貫通して縦方向伝動軸305に連結される。車の搭載能力を向上させるように、縦方向伝動軸305は第1縦方向伝動ベルト308を介して第1縦方向能動輪301及び第2縦方向能動輪302の回転を同期に駆動する。また、該第1縦方向能動輪301及び第2縦方向能動輪302の輪軸はそれぞれ円形組立孔102を貫通して配置され、第1ベアリングホルダ105を介して支持フレーム100の底部に固定接続されることで、第1縦方向能動輪301及び第2縦方向能動輪302の回転時の安定性を確保する。
【0045】
一つの実施例において、
図3、
図4、
図5、
図6に示すように、第1縦方向従動輪303、第2縦方向従動輪304は従動輪として、支持フレーム100に連れられて受動的に作動し、主に支持とガイドの役割を果たす。該第1縦方向従動輪303、第2縦方向従動輪304は対応の円形組立孔102に固定的に設けられる。
【0046】
一部の実施例では、
図2、
図4及び
図7に示すように、該16輪フォーウェイシャトルの輪の組み立て構造を最適化した。第1横方向従動輪202を車のサブの能動輪として使用することで、車の横方向の地面付着力と障害越え能力を更に向上させる。具体的には、横方向能動輪201は第2横方向伝動ベルト205を介して同じ側の第1横方向従動輪202に連結され、第2横方向伝動ベルト205を介して横方向能動輪201の動力を第1横方向従動輪202に輸送することで、第1横方向従動輪202の回転を同期に駆動する。
【0047】
また、実際の車走行の需要に応じて、第2横方向伝動ベルト205を介して同じ側の第3横方向従動輪204を連結し、第3横方向従動輪204を横方向能動輪201の連動機構とすることで、車の横方向走行の安定性や地面付着力と障害越え能力をさらに向上させてもよい。
【0048】
一部の実施例では、
図1及び
図5に示すように、縦方向走行駆動装置300の動力輸送の安定性を確保するために、該16輪フォーウェイシャトルでは、第1縦方向伝動ベルト308の外側に配置されたテンション調整機構700をさらに備える。テンション調整機構700によって第1縦方向伝動ベルト308と第1縦方向能動輪301、第2縦方向能動輪302との連結を最適化し、第1縦方向伝動ベルト308を取り付け易くする。
【0049】
一つの実施例において、
図6に示すように、テンション調整機構700は、第1縦方向伝動ベルト308の外側に付けて配置された第1テンションホイール701と第2テンションホイール703を備える。第1テンションホイール701は第1固定板702によって支持フレーム100の内側壁に固定的に設置される。第1テンションホイール701は固定されて常に第1テンションホイール701と第1縦方向伝動軸との間に位置し、そして常に第1縦方向伝動ベルト308とは付けた状態にある。第2テンションホイール703は調整板704を介して支持フレーム100の内側壁に移動可能に設置される。第2テンションホイール703は調整板704の調整作用により、第2テンションホイール703に対して縦方向伝動軸305に向かって位置を変更でき、第1縦方向伝動ベルト308の他側の端面に押し付けられ、第1縦方向伝動ベルト308に対してテンション状態になったり、或いは、第2テンションホイール703を縦方向伝動軸305から離して、第1縦方向伝動ベルト308から脱離させることで、第1縦方向伝動ベルト308のテンション状態を解除したりすることができる。
【0050】
一つの実施例において、
図6に示すように、調整板704は調整角孔705を水平に備え、調整角孔705内に挿入されたボルトによって支持フレーム100の内側壁に移動可能に固定される。該調整角孔705はボルトにより一定の位置決めの役割を果たす。調整角孔705の長さは該第2テンションホイール703の調整可能な左右距離を決定して、第1縦方向伝動ベルト308のテンションの需要を満たす。
【0051】
一つの実施例において、
図6に示すように、調整板704の遠位端には、調整ナットとボルトによって第2固定板706に調整可能に連結される。調整ナットとボルトにより、調整板704とその第2テンションホイール703を調整角孔705の長手方向に沿って左右に移動させることで、第1縦方向伝動ベルト308のテンションを調整する。第2固定板706は、支持フレーム100の内側壁に固定されている。調整板704と第2固定板706はいずれも側端部が互いに対向して配置されたL字型の板であり、該対向して配置されたL字型の板に調整ナットとボルトが配置される。調整ナットとボルトの調整方法は従来の慣例構造により実現するので、ここでは省略する。
【0052】
一つの実施例において、
図4、
図7、
図8、
図9、
図10に示すように、斜引張転向・ジャッキング機構400は、支持フレーム100に設けられ、その頂部にベアリングを設けて第1ジャッキング軸404と第2ジャッキング軸405を支持する第2ベアリングホルダ403をさらに備える。各側の第2ベアリングホルダ403は少なくとも2個であり、それぞれ第1斜引張ジャッキングスライダー401と第2斜引張ジャッキングスライダー402の内側位置に設けられる。第1ジャッキング軸404と第2ジャッキング軸405はそれぞれベアリングを介して第2ベアリングホルダ403の上端の組立孔に配置される。第2ベアリングホルダ403は第1ジャッキング軸404と第2ジャッキング軸405を安定的に支持する役割を果たし、該斜引張転向・ジャッキング機構の作動の安定性を向上させる。また、ジャッキング・転向機構400の安定性をさらに確保するために、第1ジャッキング軸404及び第2ジャッキング軸405の両端は、それぞれブッシュを介して支持フレーム100に設けられている。
【0053】
一つの実施例において、
図11及び
図12に示すように、斜引張転向・ジャッキング機構400は、ボールブッシュ407に固定的に嵌められ、その前後両側壁がそれぞれ斜引張ジャッキング柱420に溶接されるジャッキングナット419をさらに備える。ジャッキングナット419は銅のナットである。ジャッキングナット419はボールブッシュ407に固定的に嵌められることで、伝動の効率は50~70%まで達し、運動エネルギーの損失が低減される。
【0054】
一つの実施例において、
図4及び
図7に示すように、転向・ジャッキング機構400の転向・ジャッキング時の安定性を確保するために、ジャッキングプレート410には、その両端に設けられるガイドスロット413により、支持フレーム100の四隅のジャッキングガイド柱103を上下にスライド可能に連結する。ジャッキングプレート410の両端は昇降中にジャッキングガイド柱103に沿ってスライド可能であるので、ジャッキングプレート410のジャッキング時に左右に揺れる不具合を回避できる。ジャッキングガイド柱103の上下両端はそれぞれガイド柱固定板104を介して支持フレーム100に固定的に連結され、上下両端に設けられたガイド柱固定板104は同時にジャッキングプレート410の昇降に対する位置決めの役割を果たす。
【0055】
一つの実施例において、
図11に示すように、実際の需要に基づいて、異なる使用条件に応じてジャッキング傾斜孔415の異なる傾斜角度を設計することができる。ジャッキング傾斜孔415の傾斜角度は5~85°である。好ましくは、ジャッキング傾斜孔415の傾斜角度は15~75°である。好ましくは、ジャッキング傾斜孔342の傾斜角度は25~65°である。さらに好ましくは、ジャッキング傾斜孔415の傾斜角度は30~65°である。より好ましくは、ジャッキング傾斜孔415の傾斜角度は35~65°である。より好ましくは、ジャッキング傾斜孔415の傾斜角度は40~45°である。
【0056】
一つの実施例において、
図9及び
図11に示すように、ジャッキング軸孔414はジャッキング傾斜孔415に連結され、両者はいずれも弧状のスロット孔の構造設計を採用している。ジャッキング軸孔414の上下高さは、ジャッキング傾斜孔415の上下高さと等しくなっていることで、ジャッキングスライダーの上下移動の中に、ジャッキング軸孔414内の第1ジャッキング軸404と第2ジャッキング軸405の上下移動の過程及びジャッキング傾斜孔415内の斜引張ジャッキング柱420の上下移動の過程を満足させる。
【0057】
一つの実施例において、
図4及び
図8に示すように、ジャッキング動作と転向動作の安定性を確保するために、第1斜引張ジャッキングスライダー401と第2斜引張ジャッキングスライダー402との伝動の安定性を確保する必要がある。第1ジャッキング軸404の両端部に第1タイミングホイール416が設けられ、第2ジャッキング軸405に第2タイミングホイール417が設けられ、第1タイミングホイール416と第2タイミングホイール417はジャッキングタイミングベルト406によって互いに連結されている。ジャッキングタイミングベルト406の両端には、第1タイミングホイール416と第2タイミングホイール417に近づいた位置にそれぞれジャッキングテンションホイール407が設けられる。該ジャッキングテンションホイール407は少なくとも2個であり、ジャッキングタイミングベルト406の上端面の位置に設置され、ジャッキングタイミングベルト406のテンションを制御する。ジャッキングテンションホイール407の両端部は固定板を介して支持フレーム100の底面に固定的に取り付けられる。
【0058】
本発明で提供されるジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルは、各側に8つの輪にして、16輪ツーウェイ走行車の構造設計を形成し、車の耐荷重と障害越え能力を大幅に向上させる。斜引張転向・ジャッキング機構を採用し、斜引張ジャッキングスライダーと斜引張ジャッキング軸との転がり接触により、伝動の効率が高く、圧力角の変化がない。ジャッキングスライダーの両側のジャッキング傾斜孔は対称に配置されるので、力受けが均一である。その設計は斬新で、構造がコンパクトで、体積が小さく、耐荷重が高く、機器構造のメンテナンスや修理の頻度を減らせる。作動効率が高く、耐用年数が長い。該ジャッキング連動式16輪フォーウェイシャトルは構造設計がコンパクトであるため、コストを削減するだけでなく、スペースを節約することができる。また、車全体の重量と体積を減らし、作動能力と貨物出入の効率を向上させることができる。
【0059】
以上、本発明の具体的な実施例について詳細に説明したが、これらは例示であり、本発明は上記の具体的な実施例に限定されるものではない。当業者にとって、本発明に対する任意の等価な変更及び置換も本発明の範囲内である。従って、本発明の精神と範囲から逸脱することなくなされた同等の変形及び修正は、いずれも本発明の範囲に包含されるものとする。
【符号の説明】
【0060】
100 支持フレーム
101 角形組立孔
102 円形組立孔
103 ジャッキングガイド柱
104 ガイド柱固定板
105 第1ベアリングホルダ
200 横方向走行駆動機構
201 横方向能動輪
202 第1横方向従動輪
203 第2横方向従動輪
204 第3横方向従動輪
205 第2横方向伝動ベルト
206 横方向伝動軸
207 第1横方向伝動ベルト
208 横方向モータ
209 横方向連結軸
210 横方向カップリング
300 縦方向走行駆動機構
301 第1縦方向能動輪
302 第2縦方向能動輪
303 第1縦方向従動輪
304 第2縦方向従動輪
305 縦方向伝動軸
306 第2縦方向伝動ベルト
307 縦方向モータ
308 第1縦方向伝動ベルト
400 斜引張転向・ジャッキング機構
401 第1傾斜・ジャッキングスライダー
402 第2傾斜・ジャッキングスライダー
403 第2ベアリングホルダ
404 第1ジャッキング軸
405 第2ジャッキング軸
406 ジャッキングタイミングベルト
407 ジャッキングテンションホイール
408 ジャッキング伝動ベルト
409 ジャッキングモータ
410 ジャッキングプレート
411 第1転向組立スロット
412 第2転向組立スロット
413 ガイドスライドスロット
414 ジャッキング軸孔
415 ジャッキング傾斜孔
416 第1タイミングホイール
417 第2タイミングホイール
418 ボールブッシュ
419 ジャッキングナット
420 斜引張ジャッキング柱
500 電池パック
600 コントローラ
700 テンション調整機構
701 第1テンションホイール
702 第1固定板
703 第2テンションホイール
704 調整板
705 調整角孔
706 第2固定板
【国際調査報告】