(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-29
(54)【発明の名称】バッテリSOH判定回路
(51)【国際特許分類】
G01R 19/165 20060101AFI20230922BHJP
G01R 35/00 20060101ALI20230922BHJP
G01R 19/00 20060101ALI20230922BHJP
H03M 1/10 20060101ALI20230922BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20230922BHJP
G01R 31/00 20060101ALI20230922BHJP
G01R 31/3187 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
G01R19/165 M
G01R35/00 E
G01R19/00 B
H03M1/10 C
H01M10/48 P
H01M10/48 301
G01R31/00
G01R31/3187
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023506023
(86)(22)【出願日】2021-08-12
(85)【翻訳文提出日】2023-01-27
(86)【国際出願番号】 EP2021072433
(87)【国際公開番号】W WO2022038019
(87)【国際公開日】2022-02-24
(32)【優先日】2020-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519383544
【氏名又は名称】アナログ・ディヴァイシス・インターナショナル・アンリミテッド・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー・アール・ゴルボールド
(72)【発明者】
【氏名】ポール・ジョセフ・マーヘル
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・カラナン
【テーマコード(参考)】
2G035
2G036
2G132
5H030
5J022
【Fターム(参考)】
2G035AA04
2G035AB03
2G035AC01
2G035AC02
2G035AC14
2G035AD11
2G035AD20
2G035AD28
2G035AD45
2G035AD54
2G035AD56
2G035AD65
2G036AA27
2G036BA35
2G036BA40
2G036CA10
2G132AK09
2G132AK19
2G132AK29
5H030AS08
5H030FF22
5H030FF43
5H030FF44
5J022AA01
5J022AB01
5J022AC04
5J022CB01
5J022CB02
5J022CF01
5J022CF02
5J022CF08
5J022CF10
(57)【要約】
バッテリモニタ回路の1つ以上のコンポーネントの状態を評価して、モニタ回路の動作を認証するなどを行うことができる。一例では、バッテリモニタ回路は、バッテリに結合されたバッテリ電圧測定回路に第1のテスト信号を提供することによって評価することができる。第1のアナログ-デジタル変換(ADC)回路は、第1のテスト信号に応答して、バッテリ電圧測定回路から第1の電圧信号を受信するように構成することができる。プロセッサ回路は、第1のテスト信号と受信した第1の電圧信号との間の対応関係を評価することによって、第1のADC回路を認証するように構成することができる。バッテリモニタ回路内の1つ以上の他のADC回路は、第1のADC回路からの情報を用いて測定結果をクロスチェックすることによって認証することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のバッテリのバッテリモニタ回路の状態を判定するための方法であって、前記方法が、
前記バッテリに結合されたバッテリ電圧測定回路に第1のテスト信号を提供することと、
第1のアナログ-デジタル変換(ADC)回路を使用して、前記第1のテスト信号に応答して前記バッテリ電圧測定回路から第1の電圧信号を受信することと、
前記第1のテスト信号と前記受信した第1の電圧信号との間の対応関係に基づいて、前記第1のADC回路を認証することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のADC回路及び第2のADC回路を使用して、前記バッテリに結合されたシャントデバイス内の第1の電流に関する情報を受信することと、
前記第1のADC回路及び前記第2のADC回路からの、前記第1の電流に関する前記受信した情報に基づいて、前記第2のADC回路を認証することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シャントデバイス内の前記第1の電流に関する前記情報を受信することが、前記第1のADC回路を使用して、前記シャントデバイス内の前記第1の電流の第1の大きさ特性を測定することと、前記第2のADC回路を使用して、前記シャントデバイス内の前記第1の電流の第2の大きさ特性を同時に測定することと、を含み、
前記第2のADC回路を認証することが、前記第1の大きさ特性と前記第2の大きさ特性とを比較することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
マルチプレクサ回路を使用して、前記バッテリ電圧測定回路から前記第1の電圧信号を受信するために、又は前記シャントデバイスから第2の電圧信号を受信するために、前記第1のADC回路を結合することを更に含み、前記第2の電圧信号が、前記シャントデバイス内の前記第1の電流の前記第1の大きさ特性を示す、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記バッテリ電圧測定回路に前記第1のテスト信号を提供することが、デジタル-アナログ変換(DAC)回路を使用して前記第1のテスト信号を提供することを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
プロセッサ回路を使用して、前記第1のテスト信号を提供するように前記DAC回路に指示するための制御信号を前記DAC回路に提供することと、
前記DAC回路に提供された前記制御信号の特性と、前記第1のADC回路から受信した前記第1の電圧信号の特性とに基づいて、前記第1のADC回路を認証することと、を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のADC回路を認証することが、前記第1のテスト信号の周波数特性と、前記バッテリ電圧測定回路から受信した前記第1の電圧信号の周波数特性とを比較することを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
第2のADC回路を使用して、前記バッテリに結合されたシャントデバイス内の第1の電流に関する情報を受信することと、
第3のADC回路を使用して、(1)前記第1のテスト信号に応答して、前記バッテリ電圧測定回路から前記第1の電圧信号に関する情報、及び(2)前記シャントデバイス内の前記第1の電流に関する情報を、時分割方式で受信することと、
前記第2のADC回路及び前記第3のADC回路から受信したままの前記第1の電流に関する情報に基づいて、前記第2のADC回路を認証することと、を更に含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のテスト信号を前記バッテリ電圧測定回路に提供することが、前記第1のテスト信号を前記バッテリモニタ回路内の抵抗電圧分割器回路の第1の部分に提供することを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記バッテリ電圧測定回路に前記第1のテスト信号を提供することが、前記バッテリモニタ回路内の抵抗電圧分割器回路内の1つ以上の要素をシャントするための制御信号を提供することを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のテスト信号を提供することが、経時的に周波数又は振幅が変動する信号を生成することを含み、
前記第1のADC回路を認証することが、前記第1の電圧信号が前記第1のテスト信号のそれぞれの変化に対応する周波数又は振幅の経時的な変化を含むかどうかに関する情報を使用することを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記バッテリ電圧測定回路に最初にDC参照信号を提供し、それに応答して参照結果を受信することを更に含み、
前記第1のテスト信号を提供することが、異なる第2の時間に前記第1のテスト信号を提供することを含み、
前記第1のADC回路を認証することが、前記第1のテスト信号と前記受信した第1の電圧信号との間の前記対応関係を使用することと、前記参照結果を使用することと、を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
バッテリのバッテリモニタ回路の健全性を判定するためのシステムであって、前記システムが、
バッテリ電圧測定回路内の電圧に関する情報を受信するように構成された第1のアナログ-デジタル変換(ADC)回路と、
前記バッテリ電圧測定回路にテスト信号を提供するように構成された信号発生器と、
前記第1のADC回路及び前記信号発生器に結合されたプロセッサ回路と、を備え、前記プロセッサ回路が、
前記信号発生器を制御して、前記テスト信号を前記バッテリ電圧測定回路に提供することと、
前記第1のADC回路からデジタル信号を受信することであって、前記デジタル信号が、前記バッテリ電圧測定回路内の前記電圧に関する情報を含む、受信することと、
前記テスト信号の特性及び前記バッテリ電圧測定回路内の前記電圧に関する前記デジタル信号内の情報に基づいて、前記第1のADC回路を認証することと、を行うように構成されている、システム。
【請求項14】
前記信号発生器が、前記プロセッサ回路からデジタル制御信号を受信し、それに応答して前記バッテリ電圧測定回路に前記テスト信号を提供するように構成されたデジタル-アナログ変換(DAC)回路を備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記バッテリ電圧測定回路を更に備え、前記バッテリ電圧測定回路が、抵抗減衰回路網を含み、
前記信号発生器が、前記テスト信号を前記抵抗減衰回路網の第1の部分に提供するように構成されており、
前記第1のADC回路が、前記バッテリ電圧測定回路内の前記電圧に関する情報を、前記抵抗減衰回路網の前記第1の部分から受信するように構成されている、請求項13又は14に記載のシステム。
【請求項16】
前記プロセッサ回路が、前記バッテリ電圧測定回路内の前記電圧に関する大きさ又は周波数情報に基づいて、前記第1のADC回路を認証するように構成されている、請求項13から15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記バッテリに結合されたシャントデバイス内の第1の電流に関する情報を受信するように構成された第2のADC回路を更に備え、
前記プロセッサ回路が、前記第2のADC回路によって受信された前記シャントデバイス内の前記第1の電流に関する前記情報、及び前記第1のADC回路によって受信された前記シャントデバイス内の電流に関する他の情報に基づいて、前記第2のADC回路の健全性を判定するように構成されている、請求項13から16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記バッテリに結合されたシャントデバイス内の第1の電流に関する情報を受信するように構成された第2のADC回路と、
マルチプレクサ回路と、
第3のADC回路と、を更に備え、
前記マルチプレクサ回路が、前記第3のADC回路を前記シャントデバイスに又は前記バッテリ電圧測定回路に結合するように構成されており、前記プロセッサ回路が、第2のADCによって受信された前記シャントデバイス内の前記第1の電流に関する前記情報及び前記第3のADC回路によって受信された前記シャントデバイス内の電流に関する他の情報に基づいて、前記第2のADC回路を認証するように構成されている、請求項13から16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
バッテリ状態モニタの動作を認証するための方法であって、前記バッテリ状態モニタが、バッテリに結合された抵抗減衰器回路網を備え、前記方法が、
信号発生器を使用して、プロセッサ回路から制御信号を受信し、それに応答して、テスト信号を前記抵抗減衰器回路網の第1の部分に提供することと、
第1のアナログ-デジタル変換(ADC)回路を使用して、テスト刺激に応答して前記抵抗減衰器回路網の前記第1の部分から第1の電圧情報を受信することと、
前記プロセッサ回路を使用して、前記受信した第1の電圧情報を前記テスト信号に関する情報と比較して前記第1のADC回路の動作状態を認証することと、
第2のADC回路を使用して、前記バッテリに結合された抵抗シャントから第2の電圧情報を受信することと、
前記第1のADC回路を使用して、前記バッテリに結合された前記抵抗シャントから第3の電圧情報を受信することと、
前記プロセッサ回路を使用して、前記第2の電圧情報と前記第3の電圧情報とを比較して前記第2のADC回路の動作状態を認証することと、を含む、方法。
【請求項20】
前記第1のADC回路又は前記第2のADC回路を使用して、前記バッテリの温度又は機能状態を監視するように構成されたセンサから情報を受信することを更に含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本出願は、2020年8月19日に提出された米国非仮出願第16/997,624号の優先権を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
バッテリの健全性、充電状態、又は動作状態に関する情報は、バッテリ電力に頼る様々な電気システムで役立つ。例えば、複数のシステムがバッテリからの無停電電力に依存する車両において、バッテリ又はバッテリシステムの状態に関する情報が重要であり得る。一例では、バッテリシステムモニタは、オンチップクロック生成、センサ、プロセッサ、及び測定デバイスを備えた統合ソリューションを含むことができる。バッテリシステムモニタは、様々な電流及び電圧範囲の監視を可能にすることができる1つ以上のADC回路及び1つ以上のプログラマブルゲインアンプ(PGA)を有するアナログサブシステムを含むことができる。いくつかの例では、アナログサブシステムは、1つ以上の高精度リファレンスをオンチップで含むことができる。
【0003】
バッテリ監視システムは、電圧又は電流を監視するように構成することができる。シャントベースの電流測定システムでは、電流は、既知の抵抗「シャント」又はシャントデバイスを、バッテリからの電流など、測定されるべき電流と直列に挿入し、次いで、直列シャントデバイスにわたる電圧降下を測定することによって測定することができる。オームの法則(電流(I)=電圧(V)/抵抗(R))を適用することにより、シャントデバイスを流れる電流を求めることができる。電流測定の確度は、電圧測定の確度及びシャントデバイス自体の抵抗の確度に依存し得る。
【0004】
一例では、バッテリ監視システムは、システム内の要素への温度効果を可能にするためにいくつかの温度点にわたる温度補償を含むことができるようになど、工場で較正することができる。自動車用途では、単一の温度較正が用いられることが多い。しかしながら、シャントデバイス、抵抗減衰回路網、又は他のアナログ若しくはデジタルコンポーネントの使用の耐用期間にわたって、値又はコンポーネントの挙動は、温度に依存しない、さもなければ予測できない様式で変化し得る。
【発明の概要】
【0005】
本発明者らは、とりわけ、解決すべき課題が、バッテリの健全性を評価するための堅牢なシステムを提供することを含むことを認識している。一例では、バッテリモニタ回路は、電圧測定部又は電流測定部を含むことができる。課題は、電圧測定部及び電流測定部からの情報が対応し、有効であるかどうかを判定することを含むことができる。一例では、課題は、電圧測定部及び電流測定部の各々においてそれぞれのADC回路を使用することと、ADC回路からの情報の妥当性又は確度を判定することと、を含む。
【0006】
一例では、これらの及び他の課題に対する解決策は、電圧測定チャネル及び電流測定チャネルを有するインテリジェントバッテリセンシング(IBS)システムを含むか、又は使用し得る。一例では、電圧測定チャネルは、テスト信号を減衰回路網に提供するように構成されたデジタル-アナログ変換(DAC)回路を含み得、減衰回路網は、監視されるバッテリに結合され得る。減衰回路網から電圧信号を測定することができ、テスト信号に関する情報を抽出することができる。抽出された情報を使用して、第1のアナログ-デジタル変換(ADC)回路を含む、電圧測定チャネルの1つ以上のコンポーネントの機能を認証することができる。認証された第1のADC回路は、その後の測定及び認証動作で使用することができる。例えば、電流測定チャネルでは、第2のADC回路を使用して、シャントデバイス内の電流に関する情報を測定することができる。一例では、DAC回路からの信号を使用して認証された後などの第1のADC回路は、シャントデバイス内の同じ電流を測定するように構成することができる。したがって、第1のADC回路と第2のADC回路とを使用して測定されたシャント電流値間の対応関係又は一致に関する情報を使用して、第2のADC回路の動作を認証することができる。
【0007】
この概要は、本特許出願の主題の要旨を提供することを意図している。本発明の排他的又は網羅的な説明を提供することを意図するものではない。詳細な説明は、本特許出願に関する更なる情報を提供するために含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
任意の特定の要素又は行動の考察を容易に識別するために、参照番号の最上位の桁は、その要素が最初に導入された図の番号を指す。図面においては、必ずしも縮尺通りに描かれていないが、同様の数字は、異なる図において同様の構成要素を記述する場合がある。図面は、限定ではなく例として、本文書で論じられる様々な実施形態を一般的に示している。
【0009】
【
図1】インテリジェントバッテリセンサを有するバッテリシステムの一例を一般的に示す。
【
図2】バッテリシステムにおける取得ステージの一例を一般的に示す。
【
図3】第1のADCモニタ回路の一例を一般的に示す。
【
図4】第2のADCモニタ回路の一例を一般的に示す。
【
図5】1つ以上のADC回路の動作を認証するための第1の方法を一般的に示す。
【
図6】1つ以上のADC回路の動作を認証するための第2の方法を一般的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
バッテリ用のインテリジェントバッテリセンシング(IBS)システムでは、バッテリの健全性(SOH)、充電状態(SOC)、又は機能状態(SOF)を監視することができる。一例では、バッテリ電圧又はバッテリによって供給される電流を測定することを含む、様々な動作モードでバッテリ状態情報を監視することができる。電流は、電流シャント又はシャントデバイスをバッテリ端子のうちの1つと直列に配置し、次いで、シャントデバイスにわたる電圧降下を測定することによって測定することができる。
オームの法則(電流(I)=電圧(V)/抵抗(R))の適用により、電流を導出することができる。電流(I)測定を正確に行うには、電圧(V)及び電流シャントデバイスの抵抗(R)の両方を正確に把握する必要がある。一例では、シャントデバイスの抵抗は、製造時点で測定することができ、次いで、シャントデバイスは、オフセット又は周期的に較正することができる。
【0011】
IBSシステム内のシャントデバイスがフィールドに展開された後などの抵抗を監視又は判定するための様々な技術が提案されている。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「Current Measurement Techniques to Compensate for Shunt Drift」と題された米国特許第10,359,449号において、Callananは、デュアルシステムチョップスキームのチョップフェーズと同期して既知の信号を導入し、主信号経路内で既知の信号をチョッピングし、並列信号デプロセッシング経路内で既知の信号を抽出し、次いで抽出された信号を使用してシャントデバイス抵抗特性を判定するための技術を説明している。
【0012】
IBSシステムの信号測定又は変換チェーンを検証することも同様に重要であり得る。IBSシステムは、例えば、システム内の電圧又は電流特性を測定するように構成され得るような、1つ以上のアナログ-デジタル変換(ADC)回路を含むことができる。例えば、ADC回路は、シャントデバイスを通した電圧を測定するように構成することができ、次に、測定された電圧を使用して、バッテリから受け取った動作電流を判定することができる。したがって、ADC回路から受信した情報は、バッテリから動作電流に関する信頼できる情報を取得するために正確でなければならない。したがって、IBSシステム内のADC回路の動作を検証又はチェックする必要がある。いくつかの例では、複数の並列ADC回路チャネルを使用することができ、並列回路チャネルからの測定結果をクロスチェックして一致させることができる。
【0013】
一例では、IBSシステムは、バッテリ電圧を測定するための電圧チャネルを含むことができる。チャネルは、とりわけ、減衰器、バッファ、及びシグマ・デルタADC回路、すなわち第1のADC回路を含むことができる。他の種類のADC回路も同様に使用することができる。一例では、同じIBSシステムは、外部シャントデバイスを使用するなど、バッテリ電流、又はバッテリから引き出される電流負荷を測定するための電流チャネルを含むことができる。一例では、電流チャネルは、とりわけ、レベルシフタ、増幅器、バッファ、及びシグマ・デルタADC回路、すなわち第2のADC回路を含むことができる。一例では、同じADC回路が他の情報、例えば他のシステムセンサ又はデバイスからの情報を測定することを可能にするために、1つ以上のマルチプレクサ回路を電圧経路内に設けることができる。
【0014】
一例では、IBSシステムは、電圧チャネル内の減衰器の抵抗素子間にAC又はDC信号などのテスト信号を提供するように構成されたデジタル-アナログ変換(DAC)回路を含むことができる。一例では、IBSシステムは、電圧チャネル内の減衰器の1つ以上の抵抗素子を切り替える(又はシャントする)ように構成された切替回路を含むことができる。したがって、DAC回路又は切替回路を使用して、電圧チャネル内の信号を変調することができる。変調の特性は、先験的に知られている場合もあれば、コントローラ又はプロセッサ回路によって指定する場合もある。第1のADC回路を使用して測定された電圧信号の様々な成分は、デジタル処理によって抽出されて、例えば、テスト信号又は切替回路によって導入された変調特性を含む又は示すことができる主電圧成分及び変調された成分を判定することができる。つまり、第1のADC回路を使用して、主電圧成分を中断することなく測定することができる。変調された成分は、分析、又はテスト信号若しくは切替回路の予想される効果と比較することができる。変調された成分が指定された許容範囲内で一致する場合、第1のADC回路を含む電圧チャネルは、適切に動作又は機能しているとみなすことができる。変調された成分が指定された許容範囲内で一致しない場合、障害状態が電圧チャネル内に存在する可能性がある。障害を修復する、電圧チャネルを迂回する、又は他のアクションを取るなど、様々な修復措置を取ることができる。
【0015】
電流チャネルも同様にテスト又はチェックすることができる。一例では、電流チャネルは、電圧チャネル内の第1のADC回路にシャント電圧信号を提示するためにマルチプレクサ回路を含むか、又は使用することができる。
同じ、又は実質的に同じシャント電圧信号を電流チャネル内の第2のADC回路に提供することができる。電圧チャネル内の第1のADC回路からの測定値と、電流チャネル内の第2のADC回路からの測定値が一致する場合、電流チャネルは、正しく動作又は機能しているとみなすことができる。すなわち、第1のADC回路は、電圧チャネルを使用して認証することができ、次いで、認証された第1のADCは、電流チャネルを使用して第2のADC回路を認証するために使用することができる。一例では、第1及び第2のADC回路は、共有リソースなしの異なるデバイスとすることができ、一例では、独立したリファレンスを使用することができる。
【0016】
別の例では、IBSシステムは、第3のADC回路を含むか、又は使用して、電圧チャネルからの情報と電流チャネルからの情報とをクロスチェックすることができる。第3のADC回路の動作は、電圧測定結果を電圧チャネルからの情報と比較し、次いで、認証された第3のADC回路を使用して、電流チャネルからの情報をクロスチェックすることによって検証することができる。一例では、第3のADC回路を含むか、又は使用するIBSシステムは、第3のADC回路を含まないシステムよりも、主電圧経路の電圧測定タイミングに対する混乱が低くなり得る。
【0017】
図1は、インテリジェントバッテリセンサ102を含むバッテリシステム100の一例を一般的に示している。
図1の例において、インテリジェントバッテリセンサ102は、自動車用途の文脈において示されているが、しかしながらインテリジェントバッテリセンサ102は、他の用途において同様に使用することができる。
図1において、インテリジェントバッテリセンサ102は、車又は車両バッテリなどのバッテリ106に結合されている。インテリジェントバッテリセンサ102は、コントローラ104を含むことができ、コントローラ104は、とりわけ、電圧レギュレータ108、バスインターフェース110、IBSプロセッサ回路114、及び測定ユニット116を含むことができる。バスインターフェース110は、データバス112に結合されて、インテリジェントバッテリセンサ102と他の車両システムとの間の通信を可能にすることができる。
【0018】
IBSプロセッサ回路114は、汎用又は専用プロセッサを含むことができる。IBSプロセッサ回路114は、インテリジェントバッテリセンサ102の測定ユニット116を制御するように構成することができる。いくつかの例では、メモリコントローラは、EEPROMフラッシュメモリへの又はEEPROMフラッシュメモリからなどの、IBSプロセッサ回路114のアクセスを制御することができる。一例では、IBSプロセッサ回路114は、インテリジェントバッテリセンサ102の外部に部分的に又は完全に存在し、かつ測定ユニット116とデータ通信している回路を含む。
【0019】
図1の例では、インテリジェントバッテリセンサ102はバッテリ106に結合することができる。例えば、測定ユニット116は、減衰器回路網126を含むか、又は減衰器回路網126に結合することができ、減衰器回路網126は、バッテリ106の正極118及び負極120に結合することができる。したがって、測定ユニット116は、減衰器回路網126から電圧情報を測定することによって、バッテリ106の電圧UBATに関する情報を受信することができる。バッテリ106の極性又はインテリジェントバッテリセンサ102の極性は、任意選択で逆転することができる。
【0020】
車両システムにおいて、バッテリ106からの電流は、車両シャーシ又は車体122を通して戻すことができる。シャントデバイス124は、車体122とバッテリ106との間に結合され、それによってバッテリ106から引き出される電流の測定を可能にすることができる。一例では、シャントデバイス124は、シャント抵抗器又は抵抗回路網を備える。測定ユニット116は、シャントデバイス124を通した電圧に関する情報を受信するように結合することができる。測定された電圧を使用して、測定ユニット116は、シャントデバイス124を通る電流IBATを判定することができる。バッテリ106の電圧及びシャントデバイス124内の電流に関する情報を使用して、バッテリ106の健全性、充電状態、又は他の態様を判定することができる。
【0021】
以下で更に説明されるように、測定ユニット116は、DAC回路などの信号発生器を含むか、又は使用して、既知のAC信号又はDC信号を減衰器回路網126の少なくとも一部に提供することができる。減衰器回路網126から測定された電圧信号特性情報を、既知の信号に関する特性情報とともに使用して、測定ユニット116又はインテリジェントバッテリセンサ102のうちの1つ以上の態様の健全性又は動作状態を判定することができる。すなわち、電圧信号特性からの情報を使用して、測定ユニット116又はインテリジェントバッテリセンサ102のうちの1つ以上のコンポーネントを認証することができる。
【0022】
一例では、測定ユニット116は、1つ以上のアナログ-デジタル変換(ADC)回路を含むか、又は使用して、アナログ電圧信号を受信し、そのような受信した信号をそれぞれのデジタル表現に変換する。デジタル表現は、受信した信号の様々な特性を識別するように処理することができる。例えば、デジタル表現は、受信したアナログ電圧信号の大きさ、周波数、位相、又は他の態様に関する情報を含むことができる。受信した信号から復元又は抽出された特性情報は、インテリジェントバッテリセンサ102内の回路などの様々な回路の健全性を認証又は判定するために使用することができる。一例では、測定ユニット116は、AC又はDC情報を測定するように構成することができる。例えば、測定ユニット116は、バッテリ又はバッテリに結合された1つ以上のコンポーネントから受信したままのキャリア信号からAC信号を抽出するために使用することができる同調回路を含むことができる。一例では、同調回路は、DAC回路からの変調信号を使用して同調することができる。
【0023】
DAC回路がDCテスト信号を提供する一例では、測定ユニット116は、DCテスト信号が適用されたときに、時分割多重化テストコントローラを使用して他のバッテリ測定を断続的に停止又は阻害するように構成することができる。DAC回路が、他のバッテリ測定を行うのと同時にACテスト信号を提供する一例では、測定ユニット116は、抽出手段を使用して、AC応答又はテスト結果信号を他のバッテリ測定値又は信号から分離するように構成することができる。
【0024】
一例では、健全性は、コンポーネント、コンポーネントの回路網、システム、又はデバイスが指定された許容範囲の限度内で動作しているかどうかに関する情報を含むことができる。健全性情報は、回路が情報を正確に受信、処理、又は提供しているかどうかに関する情報を含むことができる。一例では、ADC回路の健全性は、回路が正確にタイミングされているかどうか、又はそれぞれのアナログ入力信号に正確に対応するデジタル信号を生成しているかどうかに関する情報を含むことができる。一例では、ADC回路の健全性を確定することができる場合、ADC回路を含むインテリジェントバッテリセンサ102からの情報の信頼性を維持することができる。しかしながら、ADCの健全性が確定できない場合、又はADC回路が故障している、又は障害があると判定することができる場合、インテリジェントバッテリセンサ102からの情報の信頼性が低下し得、いくつかの例では、インテリジェントバッテリセンサ102によって感知されたバッテリに依存するシステムの1つ以上の態様を制限するような障害情報を生成することができる。
【0025】
図2は、測定ユニット116の取得ステージ200又はフロントエンド回路部分の一例を一般的に示している。一例では、取得ステージ200は、第1の電圧測定回路202、及び第1の電流測定回路206を含むことができる。第1の電圧測定回路202及び第1の電流測定回路206は、とりわけ、バッテリ106の異なる動作態様を測定するように構成することができる。例えば、第1の電圧測定回路202は、減衰器回路網126を使用するなどによって、バッテリ106に関する電圧情報を測定するように構成することができ、第1の電流測定回路206は、シャントデバイス124を使用するなどによって、バッテリ106に関する電流又は負荷情報を測定するように構成することができる。一例では、取得ステージ200は、例えば、バッファリング、絶縁、又は電力及び/若しくはデータ信号の調整のために、様々な外部調整回路とともに使用することができる。一例では、調整回路は、所与の用途について予想される温度範囲に対応する定格のコンポーネント(例えば、抵抗器、コンデンサ、インダクタ、ダイオードなど)を含むか、又は使用することができる。
【0026】
図2の例では、第1の電圧測定回路202は、第1のマルチプレクサ回路214、第1のバッファ回路216、及び第1のADC回路210を含むことができる。第1のマルチプレクサ回路214は、第1のADC回路210を様々な入力又はソースに結合するように構成することができる。例えば、第1のマルチプレクサ回路214は、第1のADC回路210を、第1のADC回路210が時分割方式でそれぞれのソースから情報を受信することができるように、温度センサ218、減衰器回路網126、又は1つ以上の他のソースに結合するように構成することができる。
図2の例では、第1のマルチプレクサ回路214は、ソース情報を受信し、それを第1のバッファ回路216を介して第1のADC回路210に提供することができる。第1のバッファ回路216は、第1のマルチプレクサ回路214から受信した信号をバッファリング又は増幅して、第1のADC回路210の入力でゲイン調整信号又はインピーダンス整合信号を提示するように構成することができる。
【0027】
図2の例では、第1の電流測定回路206は、電流経路プログラマブルゲインアンプ204、第2のバッファ回路208、及び第2のADC回路212を含むことができる。電流経路プログラマブルゲインアンプ204は、シャントデバイス124に結合されて、シャントデバイス124から電圧情報を測定することができる。いくつかの例では、第1の電流測定回路206は、例えば電流経路プログラマブルゲインアンプ204の前の信号チェーンに設けられており、例えば接地電位を下回る電圧電位をシフトアップするための、レベルシフタを含むことができる。
【0028】
一例では、温度センサ218は、取得ステージ200と一体化されているか、又は取得ステージ200に結合されているセンサを含むことができる。温度センサ218からの情報を使用して、健全性、充電状態、又はバッテリに関する他の情報を判定することができる。例示的な取得ステージ200は、高精度リファレンス回路224の1つ又は複数のインスタンスを含むか、又は使用することができる。高精度リファレンス回路224は、取得ステージ200の様々な部分を較正するために使用することができるデバイス又はリファレンスソースであり得る。
【0029】
図3は、第1のADCモニタ回路300の一例を一般的に示している。第1のADCモニタ回路300は、
図2の例からの第1の電圧測定回路202の一部を含むか又は備えることができる第2の電圧測定回路302を含むことができ、第1のADCモニタ回路300は、
図2の例からの第1の電流測定回路206の一部を含むか又は備えることができる第2の電流測定回路306を含むことができる。
図3及び
図4の例では、図示を簡単にするために様々なバッファ回路が省略されている。しかしながら、実際には、ADC回路又はDAC回路のうちの1つ以上は、入力信号又は出力信号を管理するのに役立つバッファ回路を含むことができる。第1のADCモニタ回路300は、
図2からの比較回路222又は結果アキュムレータ回路220、又は
図1からのIBSプロセッサ回路114のうちの1つ以上を含むか又は備えることができるような、第1のプロセッサ回路308を含むことができる。一例では、第1のプロセッサ回路308は、IBSの第2の電圧測定回路302、第2の電流測定回路306、又は取得ステージ200の他の部分のうちの1つ以上の態様を制御又は監視するように構成することができる。
【0030】
一例では、第1のプロセッサ回路308を使用して、取得ステージ200の1つ以上のコンポーネントの動作状態、又は健全性を判定又は認証することができる。例えば、第1のプロセッサ回路308は、第2の電圧測定回路302内の第1のADC回路210の動作状態を認証するように構成することができ、第1のプロセッサ回路308は、第2の電流測定回路306内の第2のADC回路212の動作状態を認証するように構成することができる。一例では、第1のプロセッサ回路308は、第1のADC回路210からの情報を使用して、第2のADC回路212の動作状態を認証するように構成することができる。
【0031】
図3の例では、第2の電圧測定回路302は、減衰器回路網126及びDAC回路304を含む。DAC回路304は、第1のプロセッサ回路308からの制御信号に応答して、減衰器回路網126の1つ以上の部分にテスト信号を提供することができる。例えば、減衰器回路網126は、少なくとも第1及び第2の抵抗器を含む抵抗分割器を含むことができる。DAC回路304は、例えば、第1のプロセッサ回路308からのコマンドに応答して、減衰器回路網126内の第1の抵抗器にわたってアナログテスト信号を提供するように構成することができる。一例では、DAC回路304を使用して、減衰器回路網126内の抵抗器のうちの1つ以上を短絡するように構成された1つ以上のシャント又は短絡デバイスを制御し、それによって、第1の電圧測定回路202を使用して減衰器回路網126から測定することができる信号を変調することができる。
【0032】
第1のマルチプレクサ回路214は、減衰器回路網126に結合することができ、かつ減衰器回路網126の1つ以上の部分から応答電圧信号を受信するように構成することができる。一例では、第1のマルチプレクサ回路214は、DAC回路304からテスト信号を受信する減衰器回路網126の同じ抵抗器又は同じ部分からの応答電圧信号を感知するように構成されている。応答電圧信号は、第1のADC回路210へのアナログ入力信号として提供することができ、応答電圧信号に基づいて、第1のADC回路210は、減衰器回路網126に関する応答電圧情報を提供することができる。例えば、第1のADC回路210は、応答電圧情報を第1のプロセッサ回路308に提供することができる。
【0033】
解決すべき課題としては、第1のADC回路210を用いて測定された情報が有効かどうかを判定することが挙げられる。本発明者らは、とりわけ、課題の解決策が、DAC回路304によって減衰器回路網126に提供されるテスト信号に関する情報と、減衰器回路網126から第1のADC回路210を使用して測定される情報とを一緒に使用することを含むことを認識している。一例では、第1のプロセッサ回路308は、ADC回路認証を実行又は調整するように構成することができる。
【0034】
一例では、第1のプロセッサ回路308は、国際標準化機構(ISO)によって定義された自動車内の電気及び/又は電子システムの機能安全のための国際標準であるISO26262に従って診断を実行又は調整するように構成されている。例えば、第1のプロセッサ回路308、又は本明細書で論じられる他のプロセッサ回路のうちの1つ以上は、1つ以上の自動車システムにおける個々の障害、外部の影響によって引き起こされた障害、タイミング障害、アドレス指定障害、(アナログ信号に対する)ドリフト障害、及び/又は一過性の障害を検出するように構成することができる。障害検出は、(例えば、時間、大きさ、値、又は他の特性の観点から)定義された許容範囲への準拠を確実にするために、監視された出力と呼ばれることもある様々なデータ出力と独立したデータ入力との比較を含むことができる。
【0035】
第1のプロセッサ回路308の制御下又は指揮下などのDAC回路304を使用してテスト信号を減衰器回路網126に提供ことができ、テスト信号は、第1のプロセッサ回路308に既知であるか、又は定義された特性を有することができる。減衰器回路網126に対するその既知の特性を有するなどのテスト信号の効果、及びそこから測定された任意の信号は、例えば、バッテリシステム100の1つ以上の部分の正常又は異常な動作条件下で、前もって知ることができるか、又は理解することができる。すなわち、バッテリ106、又は取得ステージ200の1つ以上の態様が正常又は異常に動作しているときに、テスト信号の効果又は影響を知ることができる。応答電圧信号の特性又は応答電圧情報は、テスト信号の予想される効果との対応関係又は一致について、第1のプロセッサ回路308によって監視又は分析することができる。換言すれば、第1のADC回路210からの減衰器回路網126から測定された信号に関する情報は、DAC回路304によって減衰器回路網126に提供された刺激又はテスト信号に関する情報とともに使用することができる。
【0036】
例えば、DAC回路304からのテスト信号は、DC信号、パルス信号、若しくはAC信号、又はこれらの信号の組み合わせを含むことができる。一例では、テスト信号は、指定された振幅又は非ゼロ周波数特性を有するように構成することができる。第1のマルチプレクサ回路214及び第1のADC回路210によって受信されるような、テスト信号に応答して受信される電圧信号は、DAC回路304からのテスト信号と実質的に同じ又は対応する振幅及び/若しくは周波数特性を有することができる。第1のプロセッサ回路308は、応答電圧信号を分析して、それがテスト信号と同じ又は対応する振幅及び/若しくは周波数特性を有するかどうかを判定するように構成することができる。一例では、バッテリシステム100の所与の動作状態ついての減衰器回路網126に対するテスト信号の効果は既知であり得、したがって、第1のプロセッサ回路308は、応答電圧信号を分析して、それが既知の効果に対応する特性を有するかどうかを判定するように構成することができる。したがって、第1のプロセッサ回路308によって判定された対応関係に基づいて、第1のADCモニタ回路300の1つ以上のコンポーネントの健全性又は機能を認証することができる。例えば、第1のプロセッサ回路308によって判定された対応関係に基づいて、第1のADC回路210、第1のマルチプレクサ回路214、減衰器回路網126のうちの1つ以上の健全性又は機能評価を提供することができる。一例では、健全性又は機能情報は、第1のADCモニタ回路300の様々なコンポーネントのうちの1つ以上、又はそれと関連付けられた任意の外部調整回路と関連付けられた任意の修正、較正、又は制御の妥当性に関する情報を含むことができる。
【0037】
第1のプロセッサ回路308が、測定された信号成分又は特性と予想された信号成分又は特性とが、例えば、指定された許容範囲内に対して一致しないと判定する場合、第1のプロセッサ回路308は、第2の電圧測定回路302内に障害状態が存在することを示すことができる。障害状態が識別された場合、第1のプロセッサ回路308は、様々な修復措置を取るように構成することができる。修復措置は、例えば、障害を修復するため、第2の電圧測定回路302を迂回するため、更なる診断を実行するため、又は他の修復措置を実行するための動作を含むことができる。
【0038】
図3の例では、第2の電流測定回路306は、シャントデバイス124、レベルシフト回路310、電流チャネル増幅器回路312、及び第2のADC回路212を含む。第2のADC回路212は、シャントデバイス124からの電圧情報を測定するように構成することができ、測定された電圧情報は、(例えば、第1のプロセッサ回路308によって)使用されて、オームの法則の適用、及びシャントデバイス124の抵抗に関する既知の情報の使用などよって、シャントデバイス124内の電流を判定することができる。一例では、シャントデバイス124からのシャント電圧信号は、レベルシフト回路310を使用してレベルシフトすることができ、かつ/又は測定のために第2のADC回路212に提供される前に、電流チャネル増幅器回路312を使用してゲイン調整することができる。
【0039】
解決すべき課題としては、第2のADC回路212を使用して測定された情報が有効かどうかを判定することが挙げられる。本発明者らは、とりわけ、課題の解決策が、複数のADC回路を並列に使用して情報を測定し、次にADC回路からの測定結果をクロスチェックすることを含むことを認識している。一例では、第1のプロセッサ回路308は、第1のADC回路210及び第2のADC回路212からの情報を一緒に使用するなどして、ADC回路認証を実行するように構成することができる。
【0040】
図3の例では、シャントデバイス124からの電圧情報は、並列に、第2のADC回路212を使用し、かつ第1のADC回路210を使用して測定することができる。例えば、第1のマルチプレクサ回路214は、第1のADC回路210の入力端子を減衰器回路網126又はシャントデバイス124に時間インターリーブ方式で接続するように構成することができる。換言すれば、第1のマルチプレクサ回路214は、第1のADC回路210を結合して、第1の時間間隔の間に減衰器回路網126からの情報を測定することができ、第1のマルチプレクサ回路214は、第1のADC回路210を結合して、第2の時間間隔の間にシャントデバイス124からの情報を測定することができる。第1及び第2の時間間隔は、重複しないこととなり得、一例では、第1の時間間隔は、DAC回路304が減衰器回路網126にテスト信号を提供するときの時間又は間隔に対応することができる。第2の時間間隔は、第2のADC回路212がシャントデバイス124から情報を受信するときの時間又は間隔に対応することができる。
【0041】
第1のプロセッサ回路308は、第1のADC回路210及び第2のADC回路212から電圧情報を受信することができる。第1のプロセッサ回路308は、受信した電圧情報を比較して、指定された許容範囲の限度内などで、それが同じであるかどうかを判定するように構成することができる。受信した電圧情報が十分に類似している場合、第1のプロセッサ回路308は、第2のADC回路212の健全性又は機能を判定するように構成することができる。換言すれば、第1のADC回路210の健全性は、第2の電圧測定回路302を使用して判定することができるため、第1のADC回路210を使用した後続の測定値は信頼できるか、又は正確であるとみなすことができる。
したがって、第1のADC回路210及び第2のADC回路212が、実質的に同じ刺激(例えば、シャントデバイス124にわたる電圧)に関する情報を測定するために使用される場合、回路からの測定結果間の一致は、第2のADC回路212が正しく機能していることを示すことができる。
【0042】
第1のプロセッサ回路308が、第1のADC回路210及び第2のADC回路212からの測定情報が十分に一致しない、又は指定された許容範囲外であると判定する場合、第1のプロセッサ回路308は、第2の電流測定回路306内に障害状態が存在することを示すことができる。障害状態が識別された場合、第1のプロセッサ回路308は、様々な修復措置を取るように構成することができる。修復措置は、例えば、障害を修復するため、第2の電流測定回路306を迂回するため、更なる診断を実行するため、又は他の修復措置を実行するための動作を含むことができる。
【0043】
したがって、
図3の例示的な第1のADCモニタ回路300を使用して、第1のADC回路210及び第2のADC回路212のうちの一方又は両方の動作を認証することができる。第1のADCモニタ回路300の制限は、第1のADC回路210が、減衰器回路網126からの応答電圧信号を測定するための第1の部分と、シャントデバイス124からのシャント電圧を測定するための第2の部分とを含むテスト期間で占有され得ることである。したがって、第1のADC回路210は、ADCテスト期間の間、温度センサ218を監視する、又は取得ステージ200のための他の測定を実行するなどの他のアクションを実行するために利用できない場合がある。本発明者らは、この課題に対する解決策として、第2の電圧測定回路302及び第2の電流測定回路306からの情報を、例えば第2のADCモニタ回路400を使用してクロスチェックするなど、追加のADC回路を含む又は使用することができることを認識している。
【0044】
図4は、第2のADCモニタ回路400の一例を一般的に示している。第2のADCモニタ回路400は、
図3の例からの第2の電圧測定回路302の一部を含むか、又は備えることができる第3の電圧測定回路402を含むことができ、第2のADCモニタ回路400は、
図3の例からの第2の電流測定回路306の一部を含むか、又は備えることができる第3の電流測定回路406を含むことができる。第2のADCモニタ回路400は、例えば
図2からの比較回路222若しくは結果アキュムレータ回路220、又は
図1からのIBSプロセッサ回路114のうちの1つ以上を含むか、又は備えることができる、第2のプロセッサ回路408を含むことができる。一例では、第2のプロセッサ回路408は、IBSの第3の電圧測定回路402、第3の電流測定回路406、又は取得ステージ200の他の部分のうちの1つ以上の態様を制御又は監視するように構成することができる。
【0045】
図4の例では、第2のADCモニタ回路400は、第3のADC回路404を含むことができる。第3のADC回路404は、第1のADC回路210又は第2のADC回路212と並列に情報を測定するように構成することができる。第3のADC回路404からの測定情報は、少なくとも第2のADC回路212の動作を認証するために使用することができる。
【0046】
第3の電圧測定回路402は、減衰器回路網126及びDAC回路304を含むことができる。
図3の考察において同様に記載されているように、DAC回路304は、第2のプロセッサ回路408からの信号によって制御され、それによって、減衰器回路網126に提供される信号を変調するか、又は減衰器回路網126内の信号挙動を変調することができる。第2のADCモニタ回路400では、第1のADC回路210は、減衰器回路網126からの電圧情報を読み取るように構成することができる。一例では、第1のADC回路210は、減衰器回路網126に直接結合されて、DAC回路304からの刺激又はテスト信号に応答するなどして応答電圧信号を読み取ることができる。一例では、第2のマルチプレクサ回路410は、第1のADC回路210と並列に結合されて、減衰器回路網126から応答電圧信号を受信することができる。
【0047】
第3のADC回路404は、第2のマルチプレクサ回路410に結合することができる。第1の時間間隔の間、第2のマルチプレクサ回路410は、第3のADC回路404及び第1のADC回路210が実質的に同じ入力信号を受信できるように、減衰器回路網126からの電圧情報を第3のADC回路404の入力に提供することができる。
【0048】
解決すべき課題としては、第1のADC回路210を用いて測定された情報が有効かどうかを判定することが挙げられる。本発明者らは、とりわけ、課題の解決策が、DAC回路304によって減衰器回路網126に提供されるテスト信号に関する情報と、減衰器回路網126から第1のADC回路210を使用して測定される情報とを一緒に使用することを含むことを認識している。一例では、第2のプロセッサ回路408は、ADC回路認証を実行又は調整するように構成することができる。
【0049】
第2のプロセッサ回路408の制御下又は指揮下などのDAC回路304を使用してテスト信号を減衰器回路網126に提供ことができ、テスト信号は、第2のプロセッサ回路408に既知であるか、又は定義された特性を有することができる。減衰器回路網126に対するその既知の特性を有するなどのテスト信号の効果、及びそこから測定された任意の信号は、例えば、バッテリシステム100の1つ以上の部分の正常又は異常な動作条件下で、前もって知ることができるか、又は理解することができる。すなわち、バッテリ106、又は取得ステージ200の1つ以上の態様が正常又は異常に動作しているときに、テスト信号の効果又は影響を知ることができる。応答電圧信号の特性又は応答電圧情報は、テスト信号の予想される効果との対応関係又は一致について、第2のプロセッサ回路408によって監視又は分析することができる。換言すれば、
図3の例で同様に説明されているように、第1のADC回路210からの減衰器回路網126から測定された信号に関する情報は、DAC回路304によって減衰器回路網126に提供された刺激又はテスト信号に関する情報とともに、又はその代わりに使用することができる。
【0050】
例えば、DAC回路304からのテスト信号は、指定された振幅又は周波数特性を有することができる。第1のADC回路210によって受信されるような応答電圧信号は、同じ又は対応する振幅及び/若しくは周波数特性を有することができる。第2のプロセッサ回路408は、応答電圧信号を分析して、それがテスト信号と同じ又は対応する振幅及び/若しくは周波数特性を有するかどうかを判定するように構成することができる。一例では、バッテリシステム100の所与の動作状態ついての減衰器回路網126に対するテスト信号の効果は既知であり得、したがって、第2のプロセッサ回路408は、応答電圧信号を分析して、それが既知の効果に対応する特性を有するかどうかを判定するように構成することができる。したがって、第1のADC回路210の状態又は機能は、第2のプロセッサ回路408による判定通りの対応関係に基づいて認証することができる。
【0051】
減衰器回路網126からの応答電圧信号は、例えば、第1のADC回路210と実質的に同時に、第3のADC回路404で第2のマルチプレクサ回路410を介して受信することができる。換言すれば、第1のADC回路210及び第3のADC回路404は、DAC回路304からのテスト信号に応答して、減衰器回路網126から実質的に同じ電圧信号を測定するように構成することができる。第1のADC回路210及び第3のADC回路404からの測定値が一致するか、又は十分に対応する場合、第3のADC回路404の状態又は機能を認証することができる。
【0052】
図4の例では、第3の電流測定回路406は、シャントデバイス124、レベルシフト回路310、電流チャネル増幅器回路312、及び第2のADC回路212を含む。第2のADC回路212は、シャントデバイス124からの電圧情報を測定するように構成することができ、測定された電圧情報は、(例えば、第2のプロセッサ回路408によって)使用されて、オームの法則の適用、及びシャントデバイス124の抵抗に関する既知の情報の使用などよって、シャントデバイス124内の電流を判定することができる。一例では、シャントデバイス124からのシャント電圧信号は、レベルシフト回路310を使用してレベルシフトすることができ、かつ/又は測定のために第2のADC回路212に提供される前に、電流チャネル増幅器回路312を使用してゲイン調整することができる。
【0053】
解決すべき課題としては、第2のADC回路212を用いて測定された情報が有効かどうかを判定することが挙げられる。本発明者らは、とりわけ、課題の解決策が、複数のADC回路を並列に使用して情報を測定し、次にADC回路からの測定結果をクロスチェックすることを含むことを認識している。一例では、第2のプロセッサ回路408は、第3のADC回路404及び第2のADC回路212からの情報を一緒に使用するなどして、ADC回路の認証を実行するように構成することができる。
【0054】
図4の例では、シャントデバイス124からの電圧情報は、並列に、第2のADC回路212を使用し、かつ第3のADC回路404を使用して測定することができる。例えば、第2のマルチプレクサ回路410は、第3のADC回路404の入力端子を減衰器回路網126又はシャントデバイス124に時間インターリーブ方式で接続するように構成することができる。換言すれば、第2のマルチプレクサ回路410は、第3のADC回路404を結合して、第1の時間間隔の間に減衰器回路網126からの情報を測定することができ、第2のマルチプレクサ回路410は、第3のADC回路404を結合して、第2の時間間隔の間にシャントデバイス124からの情報を測定することができる。第1及び第2の時間間隔は、重複しないこととなり得、一例では、第1の時間間隔は、DAC回路304が減衰器回路網126にテスト信号を提供するときの時間又は間隔に対応することができる。第2の時間間隔は、第2のADC回路212がシャントデバイス124から情報を受信するときの時間又は間隔に対応することができる。
【0055】
第2のプロセッサ回路408は、第3のADC回路404及び第2のADC回路212から電圧情報を受信することができる。第2のプロセッサ回路408は、受信した電圧情報を比較して、指定された許容範囲の限度内などで、それが同じであるかどうかを判定するように構成することができる。受信した電圧情報が十分に類似している場合、第2のプロセッサ回路408は、第2のADC回路212の健全性又は機能を認証するように構成することができる。換言すれば、第3のADC回路404の状態は、第3のADC回路404及び第1のADC回路210によって減衰器回路網126から受信した情報の比較を用いて判定又は認証することができるため、第3のADC回路404を使用した後続の測定値は信頼できるか、又は正確であるとみなすことができる。したがって、第3のADC回路404及び第2のADC回路212が、実質的に同じ刺激(例えば、シャントデバイス124にわたる電圧)に関する情報を測定するために使用される場合、回路からの測定結果間の一致は、第2のADC回路212が正しく機能していることを示すことができる。
【0056】
第2のプロセッサ回路408が、第3のADC回路404及び第2のADC回路212からの測定情報が十分に一致しない、又は指定された許容範囲外であると判定する場合、第2のプロセッサ回路408は、第3の電流測定回路406内に障害状態が存在することを示すことができる。障害状態が識別された場合、第2のプロセッサ回路408は、様々な修復措置を取るように構成することができる。修復措置は、例えば、障害を修復するため、第3の電流測定回路406を迂回するため、更なる診断を実行するため、又は他の修復措置を実行するための動作を含むことができる。
【0057】
したがって、第2のADCモニタ回路400を含むか又は使用するIBSシステムは、複数のADC回路を使用して、回路動作を認証するために、電圧チャネル及び電流チャネルからの情報をクロスチェックすることができる。例えば、第3のADC回路404の動作は、電圧測定結果を第3の電圧測定回路402からの情報と比較することによって検証することができる。次に、検証された第3のADC回路404を使用して、第3の電流測定回路406からの情報をクロスチェックすることができる。一例では、第3のADC回路404などを有する第2のADCモニタ回路400を含むか又は使用するIBSシステムは、第3のADC回路を含まないシステムよりも、主電圧経路の電圧測定タイミングに対する混乱が低くなり得る。
【0058】
第1のADCモニタ回路300及び第2のADCモニタ回路400の例は、一般に、DAC304からのAC刺激信号を使用するように構成されている。しかしながら、他の実施形態では、DC刺激信号、又はDCオフセットを有するAC刺激信号を同様に使用することができる。DC刺激信号が使用される場合、非刺激信号は、テスト結果を比較することができる基準値として、バッテリ106から測定することができる(例えば、DAC304がオフであるとき、又は第1のテスト信号を提供するとき)。
【0059】
図5は、バッテリシステム100、取得ステージ200、第1のADCモニタ回路300、又は第2のADCモニタ回路400を使用するなどして、1つ以上のADC回路の動作を認証するための第1の方法500の一例を一般的に示している。第1の方法500の1つ以上の態様は、IBSプロセッサ回路114、第1のプロセッサ回路308、又は第2のプロセッサ回路408などのプロセッサ回路によって実行するか、又は調整することができる。
【0060】
ブロック502において、第1の方法500は、バッテリに結合されたバッテリ電圧測定回路に第1のテスト信号を提供することを含むことができる。一例では、ブロック502は、DAC回路304を使用して第1のテスト信号を減衰器回路網126に提供することを含むことができ、減衰器回路網126は、バッテリ電圧測定回路の一部を含む。プロセッサ回路は、指定された時間に第1のテスト信号を提供するために、DAC回路304にコマンド又は制御信号を発行することができ、第1のテスト信号は、プロセッサ回路に既知である特性(例えば、振幅又は周波数特性)を有することができる。
【0061】
ブロック504において、第1の方法500は、第1のADC回路210などの第1のアナログ-デジタル変換(ADC)回路を使用して、第1のテスト信号に応答してバッテリ電圧測定回路から第1の電圧信号を受信することを含むことができる。すなわち、ブロック504は、DAC回路304によって提供された第1のテスト信号に応答して、第1の電圧信号を減衰器回路網126から受信することを含むことができる。
【0062】
ブロック506において、第1の方法500は、第1のテスト信号と第1のADC回路から受信した第1の電圧信号との間の対応関係に基づいて第1のADC回路を認証することを含むことができる。一例では、ブロック506は、プロセッサ回路を使用して、第1のテスト信号に対する応答に関するデジタル情報を第1のADC回路210から受信することを含むことができる。デジタル情報を受信するプロセッサ回路は、一例では、第1のテスト信号を提供するためにコマンド又は制御信号をDAC回路304に提供する同じプロセッサ回路であり得る。プロセッサ回路は、第1のテスト信号に関する情報と、第1のADC回路210によって測定された情報とを併せて使用して、第1のADC回路210が正しく動作しているかどうかを判定することができる。
【0063】
ブロック508において、第1の方法500は、第1のADC回路及び第2のADC回路を使用して、バッテリに結合されたシャントデバイス内の第1の電流に関する情報を受信することを含むことができる。ブロック508は、第1のADC回路210及び第2のADC回路212を使用して、例えば、シャントデバイス124にわたる電圧を測定すること、及び電流を計算するためにオームの法則を用いることによって、シャントデバイス124内の電流に関する情報を受信することを含むことができる。
【0064】
ブロック510において、第1の方法500は、第1及び第2のADC回路からの、シャントデバイス124内の電流に関する受信した情報に基づいて、第2のADC回路を認証することを含むことができる。プロセッサ回路は、第1のADC回路210から及び第2のADC回路212からの信号に基づいて、電流情報を受信又は判定するように構成することができる。電流情報が一致する場合、第2のADC回路212は、正しく動作又は機能していると判定することができる。例えば、ブロック506に従って第1のADC回路210を認証することができる場合、第1のADC回路210を使用して測定される後続の情報は、有効であるか、又は有効である可能性が高いとみなすことができる。したがって、第1のADC回路210及び第2のADC回路212が同じ刺激信号又はシャントデバイス124に関する同じ情報を測定するために使用されて、それぞれのADC回路からの測定情報が一致するとき、第2のADC回路212は正しく動作しているとみなすことができる。
【0065】
ブロック512において、第1の方法500は、バッテリに結合されたバッテリ電圧測定回路に異なる第2のテスト信号を提供することを含むことができる。一例では、ブロック512は、DAC回路304を使用して第2のテスト信号を減衰器回路網126に提供することを含むことができる。プロセッサ回路は、指定された時間に第2のテスト信号を提供するためにDAC回路304にコマンド又は制御信号を発行することができ、第2のテスト信号は、プロセッサ回路に既知であり、かつブロック502で提供された第1のテスト信号の1つ以上の特性とは異なる特性(例えば、振幅又は周波数特性)を有することができる。一例では、第1及び第2のテスト信号の値又は特性は、ADC回路の異なる動作範囲をテスト又は検証することができるように指定することができる。ブロック512に続いて、第1の方法500は、ブロック504に戻ることによって、ループ方式で続けることができる。異なるテスト信号を使用するなどのループの更なる反復を同様に実行することができる。
【0066】
図6は、バッテリシステム100、取得ステージ200、第1のADCモニタ回路300、又は第2のADCモニタ回路400を使用するなどして、1つ以上のADC回路の動作を認証するための第2の方法600の一例を一般的に示している。第2の方法600の1つ以上の態様は、IBSプロセッサ回路114、第1のプロセッサ回路308、又は第2のプロセッサ回路408などのプロセッサ回路によって実行するか、又は調整することができる。第2の方法600は、ブロック502、ブロック504、及びブロック506を含むことができ、これらのブロックは、
図5に関連して上記で説明されている。
【0067】
図6の例において、ブロック602がブロック506に続くことができる。ブロック602は、第2のADC回路を使用して、バッテリに結合されたシャントデバイス内の電流に関する情報を受信することを含むことができる。ブロック602は、第2のADC回路212を使用して、例えば、シャントデバイス124にわたる電圧を測定すること、及び電流を計算するためにオームの法則を用いることによって、シャントデバイス124内の電流に関する情報を受信することを含むことができる。
【0068】
ブロック604において、第2の方法600は、第3のADC回路を使用して、第1のテスト信号に応答してバッテリ電圧測定回路から第1の電圧信号に関する情報を受信すること、及びシャントデバイス内の第1の電流に関する情報を受信することを含むことができる。例えば、ブロック604は、第2のマルチプレクサ回路410などのマルチプレクサ回路を使用して、第1の時間間隔の間に第3のADC回路404をバッテリ電圧測定回路内の減衰器回路網126に選択的に結合すること、及び第2の時間間隔の間に第3のADC回路404をシャントデバイス124に選択的に結合することを含むことができる。第1及び第2の時間間隔は、重複しないこととなり得る。
【0069】
第2のマルチプレクサ回路410を使用して、第3のADC回路404は、第2のADC回路212の動作を認証することができる情報を受信するように構成することができる。例えば、第1の時間間隔の間、第3のADC回路404からの情報が第1のADC回路210からの情報に一致する場合、第3のADC回路404は正しく機能していると判定することができる。第2の間隔の間、第3のADC回路404からの情報がシャントデバイス124内の信号に関する第2のADC回路212からの情報に一致する場合、第2のADC回路212は正しく機能していると判定することができる。したがって、ブロック606において、第2の方法600は、シャントデバイス124内の第1の電流に関する受信した情報に基づいて、第2のADC回路212を認証することを含むことができる。
【0070】
ブロック606に続いて、第2の方法600は任意選択で、第1のテスト信号と1つ以上の異なる特性を有するなどの第2のテスト信号を提供又は使用することと、次いで、認証シーケンスを繰り返すことと、を含むことができる。例えば、第1の方法500におけるブロック512の考察を参照されたい。
【0071】
本開示の様々な態様は、本明細書で識別されるテストシステム関連の課題に対する解決策を提供するのに役立ち得る。一例では、態様1は、主題(例えば、装置、システム、デバイス、方法、行動を実行するための手段、又はデバイスによって実行されたときに、デバイスに行動を実行させることができる命令を含むデバイス可読媒体、又は製造物品)を含むか、又は使用することができ、例えば、インテリジェントバッテリセンシングシステムを含むか、又は使用することができる。一例では、態様1は、インテリジェントバッテリセンシングシステムを使用するなど、第1のバッテリのバッテリモニタ回路の状態を判定するための方法を含むことができる。態様1の方法は、バッテリに結合されたバッテリ電圧測定回路に第1のテスト信号を提供することと、第1のアナログ-デジタル変換(ADC)回路を使用して、第1のテスト信号に応答してバッテリ電圧測定回路から第1の電圧信号を受信することと、を含むことができる。
態様1は、第1のテスト信号と受信した第1の電圧信号との間の対応関係に基づいて、第1のADC回路を認証することを含むことができる。
【0072】
態様2は、第1のADC回路及び第2のADC回路を使用して、バッテリに結合されたシャントデバイス内の第1の電流に関する情報を受信することと、第1のADC回路及び第2のADC回路からの、第1の電流に関する受信した情報に基づいて、第2のADC回路を認証することと、を任意選択で含むように、態様1の主題を含む若しくは使用することができるか、又は任意選択で組み合わせることができる。
【0073】
態様3は、第1のADC回路を使用して、シャントデバイス内の第1の電流の第1の大きさ特性を測定することと、第2のADC回路を使用して、シャントデバイス内の第1の電流の第2の大きさ特性を同時に測定することと、を含む、シャントデバイス内の第1の電流に関する情報を受信することを任意選択で含むように、態様2の主題を含む若しくは使用することができるか、又は任意選択で組み合わせることができる。
態様3は、第1の大きさ特性と第2の大きさ特性とを比較することによって第2のADC回路を認証することを含むことができる。
【0074】
態様4は、マルチプレクサ回路を使用して、バッテリ電圧測定回路から第1の電圧信号を受信するために、又はシャントデバイスから第2の電圧信号を受信するために、第1のADC回路を結合することを任意選択で含むように、態様3の主題を含む若しくは使用することができるか、又は任意選択で組み合わせることができ、第2の電圧信号は、シャントデバイス内の第1の電流の第1の大きさ特性を示すことができる。
【0075】
態様5は、デジタル-アナログ変換(DAC)回路を使用して第1のテスト信号を提供することによって、バッテリ電圧測定回路に第1のテスト信号を提供することを任意選択で含むように、態様1~4のいずれか1つ又は任意の組み合わせの主題を含む若しくは使用することができるか、又は任意選択で組み合わせることができる。
【0076】
態様6は、DAC回路に及び第1のADC回路に異なる参照信号を提供することを任意選択で含むように、態様5の主題を含む若しくは使用することができるか、又は任意選択で組み合わせることができる。
【0077】
態様7は、第1のテスト信号を提供するようにDAC回路に指示するための制御信号をDAC回路に提供することと、DAC回路に提供された制御信号の特性と、第1のADC回路から受信した第1の電圧信号の特性とに基づいて、第1のADC回路を認証することと、のためにプロセッサ回路を使用することを任意選択で含むように、態様5又は6のいずれか1つ又は任意の組み合わせの主題を含む若しくは使用することができるか、又は任意選択で組み合わせることができる。
【0078】
態様8は、第1のテスト信号の周波数特性と、バッテリ電圧測定回路から受信した第1の電圧信号の周波数特性とを比較することによって、第1のADC回路を認証することを任意選択で含むように、態様1~7のいずれか1つ又は任意の組み合わせの主題を含む若しくは使用することができるか、又は任意選択で組み合わせることができる。
【0079】
態様9は、第2のADC回路を使用して、バッテリに結合されたシャントデバイス内の第1の電流に関する情報を受信することと、第3のADC回路を使用して、(1)第1のテスト信号に応答して、バッテリ電圧測定回路から第1の電圧信号に関する情報、及び(2)シャントデバイス内の第1の電流に関する情報を、時分割方式で受信することと、を任意選択で含むように、態様1の主題を含む若しくは使用することができるか、又は任意選択で組み合わせることができる。態様9は、第2のADC回路及び第3のADC回路から受信したままの第1の電流に関する情報に基づいて、第2のADC回路を認証することを含むことができる。
【0080】
態様10は、第1のテスト信号をバッテリモニタ回路内の抵抗電圧分割器回路の第1の部分に提供することによって、第1のテスト信号をバッテリ電圧測定回路に提供することを任意選択で含むように、態様1~9のいずれか1つ又は任意の組み合わせの主題を含む若しくは使用することができるか、又は任意選択で組み合わせることができる。
【0081】
態様11は、バッテリモニタ回路内の抵抗電圧分割器回路内の1つ以上の要素をシャントするための制御信号を提供することによって、バッテリ電圧測定回路に第1のテスト信号を提供することを任意選択で含むように、態様1~10のいずれか1つ又は任意の組み合わせの主題を含む若しくは使用することができるか、又は任意選択で組み合わせることができる。
【0082】
態様12は、経時的に周波数又は振幅が変動する信号を生成することによって、第1のテスト信号を提供することを任意選択で含むように、態様1~11のいずれか1つ又は任意の組み合わせの主題を含む若しくは使用することができるか、又は任意選択で組み合わせることができ、第1のADC回路を認証することは、第1の電圧信号が第1のテスト信号のそれぞれの変化に対応する周波数又は振幅の経時的な変化を含むかどうかに関する情報を使用することを含むことができる。
【0083】
態様13は、バッテリが負荷下にある間に第1のテスト信号を提供することによって、第1のテスト信号をバッテリ電圧測定回路に提供することを任意選択で含むように、態様1~12のいずれか1つ又は任意の組み合わせの主題を含む若しくは使用することができるか、又は任意選択で組み合わせることができる。
【0084】
態様14は、バッテリ電圧測定回路に最初にDC参照信号を提供し、それに応答して参照結果を受信することを任意選択で含むように、態様1~13のいずれか1つ又は任意の組み合わせの主題を含む若しくは使用することができるか、又は任意選択で組み合わせることができ、ここで、第1のテスト信号を提供することが、異なる第2の時間に第1のテスト信号を提供することを含み、第1のADC回路を認証することが、第1のテスト信号と受信した第1の電圧信号との間の対応関係を使用することと、参照結果を使用することと、を含む。
【0085】
態様15は、主題(例えば、装置、システム、デバイス、方法、行動を実行するための手段、又はデバイスによって実行されたときに、デバイスに行動を実行させることができる命令を含むデバイス可読媒体、又は製造物品)を含むか、又は使用することができ、例えば、バッテリのバッテリモニタ回路の健全性を判定するためのシステムを含む又は使用することができる。態様15において、システムは、バッテリ電圧測定回路内の電圧に関する情報を受信するように構成された第1のアナログ-デジタル変換(ADC)回路と、バッテリ電圧測定回路にテスト信号を提供するように構成された信号発生器と、第1のADC回路及び信号発生器に結合されたプロセッサ回路と、を備えることができる。態様15では、プロセッサ回路は、信号発生器を制御して、テスト信号をバッテリ電圧測定回路に提供することと第1のADC回路からデジタル信号を受信することであって、デジタル信号が、バッテリ電圧測定回路内の電圧に関する情報を含む、受信することと、テスト信号の特性及びバッテリ電圧測定回路内の電圧に関するデジタル信号内の情報に基づいて、第1のADC回路を認証することと、を行うように構成することができる。
【0086】
態様16は、プロセッサ回路からデジタル制御信号を受信し、それに応答してバッテリ電圧測定回路にテスト信号を提供するように構成されたデジタル-アナログ変換(DAC)回路を備える、信号発生器を任意選択で含むか又は使用するように、態様15の主題を含む若しくは使用することができるか、又は任意選択で組み合わせることができる。態様16は、テスト信号をAC又はDCテスト信号として提供することを含むことができる。
【0087】
態様17は、バッテリ電圧測定回路を任意選択で含むか又は使用するように、態様15又は16のいずれか1つ又は任意の組み合わせの主題を含む若しくは使用することができるか、又は任意選択で組み合わせることができ、バッテリ電圧測定回路は、抵抗減衰回路網を含み、信号発生器は、テスト信号を抵抗減衰回路網の第1の部分に提供するように構成されており、第1のADC回路は、バッテリ電圧測定回路内の電圧に関する情報を、抵抗減衰回路網の第1の部分から受信するように構成されている。
【0088】
態様18は、バッテリ電圧測定回路内の電圧に関する大きさ又は周波数情報に基づいて、第1のADC回路を認証するためのプロセッサ回路を任意選択で含むか又は使用するように、態様15~17のいずれか1つ又は任意の組み合わせの主題を含む若しくは使用することができるか、又は任意選択で組み合わせることができる。
【0089】
態様19は、バッテリに結合されたシャントデバイス内の第1の電流に関する情報を受信するように構成された第2のADC回路を任意選択で含むか又は使用するように、態様15~18のいずれか1つ又は任意の組み合わせの主題を含む若しくは使用することができるか、又は任意選択で組み合わせることができ、プロセッサ回路は、第2のADC回路によって受信されたシャントデバイス内の第1の電流に関する情報、及び第1のADC回路によって受信されたシャントデバイス内の電流に関する他の情報に基づいて、第2のADC回路の健全性を判定するように構成することができる。
【0090】
態様20は、第1のADC回路をシャントデバイスに又はバッテリ電圧測定回路に結合するように構成されたマルチプレクサ回路を任意選択で含むか又は使用するように、態様19の主題を含む若しくは使用することができるか、又は任意選択で組み合わせることができる。
【0091】
態様21は、バッテリに結合されたシャントデバイス内の第1の電流に関する情報を受信するように構成された第2のADC回路と、マルチプレクサ回路と、第3のADC回路と、を任意選択で含むか又は使用するように、態様15の主題を含む若しくは使用することができるか、又は任意選択で組み合わせることができ、ここで、マルチプレクサ回路は、第3のADC回路をシャントデバイスに又はバッテリ電圧測定回路に結合するように構成されている。
【0092】
態様22は、第2のADCによって受信されたシャントデバイス内の第1の電流に関する情報及び第3のADC回路によって受信されたシャントデバイス内の電流に関する他の情報に基づいて、第2のADC回路を認証するように構成されているプロセッサ回路を任意選択で含むように、態様21の主題を含む若しくは使用することができるか、又は任意選択で組み合わせることができる。
【0093】
態様23は、主題(例えば、装置、システム、デバイス、方法、行動を実行するための手段、又はデバイスによって実行されたときに、デバイスに行動を実行させることができる命令を含むデバイス可読媒体、又は製造物品)を含むか、又は使用することができ、例えば、バッテリ状態モニタの動作を認証するための方法を含むことができ、ここで、バッテリ状態モニタは、バッテリに結合された抵抗減衰器回路網を含む。態様23は、信号発生器を使用して、プロセッサ回路から制御信号を受信し、それに応答して、テスト信号を抵抗減衰器回路網の第1の部分に提供することと、第1のアナログ-デジタル変換(ADC)回路を使用して、テスト刺激に応答して抵抗減衰器回路網の第1の部分から第1の電圧情報を受信することと、プロセッサ回路を使用して、受信した第1の電圧情報をテスト信号に関する情報と比較して第1のADC回路の動作状態を認証することと、を含むことができる。態様23は、第2のADC回路を使用して、バッテリに結合された抵抗シャントから第2の電圧情報を受信することと、第1のADC回路を使用して、バッテリに結合された抵抗シャントから第3の電圧情報を受信することと、プロセッサ回路を使用して、第2の電圧情報と第3の電圧情報とを比較して第2のADC回路の動作状態を認証することと、を含むことができる。
【0094】
態様24は、第1のADC回路又は第2のADC回路を使用して、バッテリの温度又は機能状態を監視するように構成されたセンサから情報を受信することを任意選択で含むように、態様23の主題を含む若しくは使用することができるか、又は任意選択で組み合わせることができる。
【0095】
これらの非限定的な態様の各々は、それ自体で成り立つ場合もあれば、様々な順列で組み合わされる場合もあり、又は本明細書の他の場所で論じられる他の態様、例、若しくは特徴のうちの1つ以上と組み合わせる場合もある。
【0096】
この詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付図面の参照を含む。図面は、例示として、本発明を実施することができる特定の実施形態を示している。これらの実施形態は、本明細書では「例」とも呼ばれる。そのような例は、図示又は記載されたものに加えて要素を含むことができる。しかし、本発明者らは、図示又は記載されたそれらの要素のみが提供される例も企図している。本発明者らは、特定の例(又はその1つ以上の態様)に関して、又は本明細書に図示された又は記載された他の例(又はその1つ以上の態様)に関してのいずれかで図示された又は記載されたそれらの要素(又はその1つ以上の態様)の任意の組み合わせ又は順列を使用する例を企図している。
【0097】
この文書では、「a」又は「an」という用語は、特許文書で一般的であるように、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」の任意の他の場合又は用法とは独立して、1つ又は2つ以上を含むように使用される。この文書では、「又は」という用語は、別途指定のない限り、「A又はB」が「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、及び「A及びB」を含むように、非排他的な又は、を指すために使用される。この文書では、「含む」及び「in which」という用語は、「備える」及び「wherein」というそれぞれの用語と同等の平易な英語として使用される。
【0098】
以下の特許請求の範囲において、「含む」及び「備える」という用語は非限定型であり、すなわち、請求項でそのような用語の後に列挙されたものに加えて、要素を含むシステム、デバイス、物品、組成物、製剤、又はプロセスは、依然としてその請求項の範囲内にあるとみなされる。更に、以下の請求項では、「第1」、「第2」、及び「第3」などの用語は単にラベルとして使用され、その対象に数値的な要件を課すことを意図するものではない。
【0099】
本明細書に記載される方法の例は、少なくとも部分的に機械又はコンピュータに実装することができる。いくつかの例は、上記の例の方法又は回路動作又は回路構成命令を実行するために電子デバイスを構成するように動作可能な命令でコード化されたコンピュータ可読媒体又は機械可読媒体を含むことができる。そのような方法の実装は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、高水準の言語コードなどのコードを含むことができる。そのようなコードは、様々な方法を実行するためのコンピュータ可読命令を含むことができる。コードは、コンピュータプログラム製品の一部を形成してもよい。更に、一例では、コードは、実行中又は他の時点などで、1つ以上の揮発性、非一時的、又は不揮発性の有形のコンピュータ可読媒体に有形に格納することができる。これらの有形のコンピュータ可読媒体の例は、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、リムーバブル光ディスク(例えば、コンパクトディスク及びデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカード又はスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)などを含み得るが、これらに限定されない。
【0100】
上記の説明は例示的なものであり、限定的なものではない。例えば、上記の例(又はその1つ以上の態様)を互いに組み合わせて使用してもよい。当業者などが上記の説明を検討することにより、他の実施形態を使用することができる。要約書は、読者が技術的開示の性質を迅速に確認することを可能にするために提供される。要約書は、特許請求の範囲又は意味を解釈又は限定するために使用されないということを理解した上で提出される。また、上記の発明を実施するための形態では、本開示を簡素化するために、様々な特徴が一緒にグループ化される場合がある。これは、特許請求されていない開示された特徴がいずれかの請求項に不可欠であることを意図するものとして解釈されるべきではない。むしろ、発明の主題は、特定の開示された実施形態の全ての特徴にはない場合がある。したがって、以下の特許請求の範囲は、本明細書に例又は実施形態として発明を実施するための形態に組み込まれ、各請求項は別個の実施形態としてそれ自体で成り立ち、そのような実施形態は、様々な組み合わせ又は順列で互いに組み合わせることができることが企図されている。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲とともに決定されるべきである。
【国際調査報告】