(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-29
(54)【発明の名称】オーダーピッキング装置用把持装置
(51)【国際特許分類】
B25J 15/08 20060101AFI20230922BHJP
B65G 47/90 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
B25J15/08 D
B65G47/90 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515558
(86)(22)【出願日】2021-08-24
(85)【翻訳文提出日】2023-03-08
(86)【国際出願番号】 EP2021073391
(87)【国際公開番号】W WO2022063507
(87)【国際公開日】2022-03-31
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516389064
【氏名又は名称】ベクトン・ディッキンソン・ロワ・ジャーマニー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディートマル グロス
【テーマコード(参考)】
3C707
3F072
【Fターム(参考)】
3C707ES03
3C707ES10
3C707ES17
3C707EU11
3C707HT04
3C707HT20
3F072AA06
3F072GA05
3F072GA10
3F072GD00
3F072HA05
3F072KD01
3F072KD09
3F072KE11
3F072KE13
(57)【要約】
本発明は、小片物品、特に、医薬品パッケージや食品サプリメントパッケージが、それによって、オーダーピッキング装置に収納されたり、そこから取り出されたりする、把持装置に関する。既知の把持装置の場合、把持顎によって加えられ得るクランプ力は限定される。増大したクランプ力を提供するために、把持装置は、第1の水平方向(X方向)及び第2の水平方向(Y方向)に延びる、載置台(10)と、載置台(10)上に配置され、把持顎案内装置(30)に固定される、2つの把持顎(40、50)を備え、把持顎(40、50)の少なくとも1つは、自由端部分(41、51)を有する少なくとも部分的に弾性の長手方向ガイド(42、52)及び固定端部分(44、54)を有し、さらに把持顎コード(43、53)を有し、把持顎コード(43、53)の第1の端部分(45、55)が自由端部分(41、51)で固定され、把持顎コード(43、53)の第2の端部分(46、56)は、把持顎コード(43、53)がX方向に移動させられ得るように、固定端部分(44、54)に配置された、牽引手段(60、70)に結合される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小片物品のピッキング装置への収納、及び、ピッキング装置からの取り出しのための把持装置(1)であって、前記把持装置(1)は、
第1の水平方向(X方向)、及び、前記第1の水平方向と直交する第2の水平方向(Y方向)に延び、少なくとも1つの収納及び取り出し端面(14)を有する受渡し台(10)と、
前記受渡し台(10)の上方に配置され、X方向に延びる、2つの細長い把持顎(40、50)を有する、把持顎案内装置(30)であって、前記把持顎案内装置(30)は、前記X方向に移動可能であり、前記把持顎の少なくとも1つが、前記Y方向に移動可能である、前記把持顎案内装置(30)を有し、
前記把持顎(40、50)の少なくとも1つが、前記把持顎案内装置(30)から離れた方向に向く自由端部分(41、51)、及び、対向する固定端部分(44、54)を有する、少なくとも部分的に弾性の長手方向ガイド(42、52)を備えると共に、前記弾性の長手方向ガイド(42、52)の一部に沿って、平行に、緊張していない状態で延びる、把持顎コード(43、53)を有し、
前記把持顎コード(43、53)の第1の端部分(45、55)が、前記弾性の長手方向ガイドの前記自由端部分(41、51)に締結され、前記把持顎コード(43、53)の第2の端部分(46、56)が、前記把持顎コード(43、53)が前記X方向へ移動させられ得るように、前記固定端部分(44、54)に配置された牽引手段(60、70)に結合され、
前記把持顎コード(43、53)の前記X方向への移動が、前記弾性の長手方向ガイド(42、52)の前記自由端部分(41、51)の前記Y方向への移動をもたらすことを特徴とする把持装置(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の、小片物品のピッキング装置への収納、及び、ピッキング装置からの取り出しのための把持装置(1)であって、前記把持顎コード(43、53)の少なくとも一つが、前記弾性の長手方向ガイド(42、52)と対向する把持顎(50、40)との間に配置され、前記把持顎コードに割り当てられた前記牽引手段(60、70)によって、前記把持顎コード(43、53)に及ぼされる引張運動が、前記把持顎(40、50)の前記自由端部分(41、51)を、前記対向する把持顎(50、40)に向って移動させることを特徴とする把持装置(1)。
【請求項3】
請求項1に記載の、小片物品のピッキング装置への収納、及び、ピッキング装置からの取り出しのための把持装置(1)であって、前記把持装置は、二つの牽引手段(60、70)を有し、両方の把持顎(40、50)が、弾性の長手方向ガイド(42、52)、及び、把持顎コード(43、53)を有し、前記把持顎コード(43、53)は、両方の弾性の長手方向ガイド(42、52)の間に配置され、前記牽引手段(60、70)によって、前記把持顎コード(43、53)に及ぼされる引張運動が、前記把持顎の前記自由端部分(41、51)を互いに向かって移動させることを特徴とする把持装置(1)。
【請求項4】
請求項1-3のいずれか一項に記載の、小片物品のピッキング装置への収納、及び、ピッキング装置からの取り出しのための把持装置(1)であって、牽引手段(60、70)は、力アーム(61、71)と回転軸(62、72)とを備えたレバー装置として設計され、前記回転軸(62、72)は、把持顎コード(43、53)の前記第2の端部分(46、56)の開口(47、57)に係合する、偏心した円形アタッチメント(63、73)を有することを特徴とする把持装置(1)。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の、小片物品のピッキング装置への収納、及び、ピッキング装置からの取り出しのための把持装置(1)であって、前記牽引手段(60、70)の力アーム(61、71)の自由端の各々が、いずれの場合も、前記X方向に移動させられ得る牽引手段作動装置(80)の細長い孔(82)に係合することを特徴とする把持装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小片物品、特に、医薬品パッケージや食品サプリメントパッケージを、ピッキング装置へ収納し、ピッキング装置から取り出すのに使用する把持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薬局でしばしば使用されるような、最新のピッキング装置では、多数の、異なった、及び、異なる寸法の医薬品パッケージ又は食品サプリメントパッケージが、無秩序かつ空間的に最適化された方法で、長い水平棚に収納される。これらの棚は、棚壁とともに、複数の棚区画を形成し、各棚区画又は各棚に、多数の小片物品が収納される。空間的に最適化された無秩序の貯蔵では、医薬品パッケージや食品サプリメントパッケージなどの小片物品は、棚の単位面積当たり可能な限り多くの小片物品が収納され得るように、すなわち、できるだけ少ない空き空間が棚に残るように、棚に収納される。
【0003】
最新のピッキング装置では、複数の小片物品は、通常、(収納方向と取り出し方向との関係で)、一つが、他の1つの後ろに収納され、その寸法によって、小片物品が、ピッキング装置に用いられる把持装置によって把持され得、少なくとも2つの小片物品が棚から把持装置の受渡し台上に一度に移動させられ得るように、小片物品が収納されることを確実にするために、定期的に注意が払われる。
【0004】
先行技術から公知のタイプの把持装置は、収納、取り出し方向(X方向)に延びる2つの細長い把持顎を含み、そのうちの少なくとも1つは、収納、取り出し方向に対して直交して(Y方向に)移動可能である。把持顎は、通常、把持顎案内装置に固定され、把持顎案内装置は、収納、取り出し方向に移動させられ得、少なくとも1つの把持顎を、Y方向に移動させるための構成要素を含む。
【0005】
把持顎の少なくとも1つは、通常、その固定端によって、把持顎案内装置に回動可能に取り付けられ、把持顎の自由端部は、他の把持顎に向って移動させられ得る。相応して設計された把持装置を用い、小片物品は、少なくとも1つの回動可能な把持顎の自由端部分により把持され得る。小片物品の配置によっては、少なくとも1つの把持顎がY方向にのみ移動可能である場合にそうであるように、小片物品は背後から把持され得、取り出される小片物品は、全く、クランプされない。
【0006】
既知の把持装置では、回動運動は、把持顎の自由端部分に向いあって(すなわち、固定端において)、開始されるので、一定のクランプ力のみが、少なくとも1つの回動可能な把持顎で印加され得る。回動が開始される位置と、取り出される小片物品(単数又は複数)との「係合点」との間の差のために、回動される把持顎が曲がることは、既知の把持装置において、さらに不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、少なくとも1つの回動可能な把持顎により、取り出される小片物品に、増大したクランプ力が提供され得る、ピッキング装置用の把持装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、ピッキング装置に小片物品を収納し、又は、ピッキング装置から小片物品を取り出すための、請求項1に記載の把持装置によって達成される。本発明による把持装置は、第1の水平方向(X方向)、及び、第1の水平方向と直交する、第2の水平方向(Y方向)に延在し、少なくとも1つの収納、取り出し端面を有する、受渡し台と、受渡し台上に延びる、2つの細長い把持顎を有する、把持顎案内装置とを備え、把持顎案内装置は、X方向に移動させられ得、把持顎の少なくとも1つが、Y方向に移動させられ得る。
【0009】
本発明によれば、把持顎の少なくとも1つが、把持顎案内装置から離れた方向に向いた自由端部分と、反対側の固定端部分を有する、少なくとも部分的に弾性の長手方向ガイドを有すると共に、弾性の長手方向ガイドの一部に沿って非緊張状態で平行に延びる把持顎コードを備え、把持顎コードの第1の端部は、弾性の長手方向ガイドの自由端部分に締結され、把持顎コードの第2の端部は、把持顎コードがX方向に移動させられ得るように、X方向に配置された牽引手段に結合され、把持顎コードのX方向における移動は、弾性の長手方向ガイドの自由端部分のY方向における移動をもたらす。
【0010】
公知の把持装置の場合とは異なり、把持顎の回動運動は、固定端部分において開始されず、代わりに、把持顎コードへの結合を介して自由端部分において開始される。把持顎コードのX方向への移動は、弾性の長手方向ガイドの端部分の間の把持顎コード部分を「短縮」又は「伸長」させる。その弾性により、短縮は、回動運動に変換され、延長は、元の位置への回動をもたらす。
【0011】
その動きが、回動又は戻り運動を起こす、把持顎コードが、弾性の長手方向ガイドの自由端部分と係合するので、本発明による把持装置で、より大きなクランプ力が印加され得る。通常、取り出される小片物品は、自由端部分の領域で把持/クランプされ、この領域で伝達され得る力は、決定的なものである。この設計は、また、把持顎コードの、弾性の長手方向ガイドの自由端部分との接点のため、屈曲を防止する。
【0012】
本発明は、1つの収納、取り出し端面のみを介して、小片物品を収納し、取り出す、把持装置で使用され得、また、2つの収納、取り出し端面を有する配送テーブルを備えたシステムにおいて使用され得る。
【0013】
把持顎が、Y方向において、把持装置から離れる方向に移動/回動するか、X方向に延びる、その長手方向軸に向かって移動/回動するかは、弾性の長手方向ガイドと把持顎コードの配置、及び/又は、それらの固定に依存する。小片物品は、通常、自由端部分を互いに向かって移動させることによって取り出しがもたらされるような方法で収納される。本発明による把持装置の好ましい実施形態では、したがって、少なくとも一つの把持顎コードが、弾性の長手方向方向ガイドと反対側の把持顎の間に配置され、把持顎コードに割り当てられた牽引手段によって把持顎コードに及ぼされる引張運動が、把持顎の自由端部分を反対側の把持顎に向けて動かすことが提供される。
【0014】
小片物品又は複数の小片物品を確実に取り出すために、好ましい実施形態では、把持装置が2つの牽引手段を有し、両方の把持顎が、弾性の長手方向ガイド及び把持顎コードを有し、把持顎コードは、弾性の長手方向ガイド間に配置され、牽引手段によって把持顎コードに及ぼされる引張運動が、把持顎の自由端部分を互いに向かって移動させることが提供される。
【0015】
把持顎コードの移動がもたらされる正確な態様は、本発明にとって本質的ではない。例えば、把持顎コードは、リニア駆動として設計される牽引手段に結合され得る。あるいは、把持顎コードは、ケーブル引張機構に結合され得るであろう。しかしながら、前述の実施形態は、構造的に比較的複雑である。構造的に簡単な実施形態では、牽引手段が、力アームと回転軸を有するレバー装置として設計され、回転軸が、把持顎コードの第2の端部分における開口部に係合する、偏心円形アタッチメントを有することが提供される。
【0016】
X方向への力アームの運動は、回転軸の回転運動に変換される。把持顎コードの第2端部分の開口部に係合する偏心アタッチメントにより、回転軸の回転は偏心アタッチメントのX方向への変位を引き起こし、順に、把持顎コードのX方向への移動と、したがって、回動をもたらす。
【0017】
X方向への力アームの移動(従って、回転軸の回転)は、各力アームが別々の駆動装置に結合されることによってもたらされ得る。好ましい、構造的に非常に単純な実施形態では、しかしながら、牽引手段の力アームの自由端が、X方向に移動可能な牽引手段アクチュエータの細長い孔に係合することが提供される。
【0018】
以下において、本発明による把持装置の好ましい実施形態が添付図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1a】把持装置の把持顎が回動している、把持装置の好ましい実施形態の斜視図である。
【
図1b】把持装置の好ましい実施形態の斜視図である。
【
図2a】把持顎が回動している、好ましい実施形態の平面図である。
【
図2b】牽引手段作動装置が部分的に省略された、好ましい実施形態の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1a及び
図1bは、本発明による把持装置1の好ましい実施形態を示す斜視図である。把持装置1は、第1の水平方向(収納、取り出し方向;X方向)、及び、第1の水平方向と直交する、第2の水平方向(Y方向)に延びる、受渡し台10を備え、少なくとも1つの収納、取り出し端面14を有する。受渡し台10の上方には、X方向に延びる2つの細長い把持顎40、50を有する把持顎案内装置30が配置される。示される実施形態では、2つの把持顎40、50は、Y方向に移動可能であり、移動機構は、以下の図を参照してより詳細に説明される。
【0021】
本発明による把持装置は、さらに、2つの牽引手段の力アーム61、71の自由端が係合する2つの細長い孔82を有する、牽引手段ガイド81を有する牽引手段作動装置80を備える。以下の図を参照してより詳細に説明されるように、牽引手段自体は、Y方向に移動可能であり、把持顎40、50の回動をもたらす。示される実施形態では、収納及び取り出しプロセスの異なる側面が監視され得るセンサ2が、牽引手段作動装置80に配置される。
【0022】
2つの把持顎40、50は、把持顎案内装置30から離れた方向に向いた自由端部分41、51を有する、弾性の長手方向ガイド42、52と、弾性の長手方向ガイドが牽引手段に固定される、反対側の固定端部分44、54とを備え、その正確な設計、及び、その動作態様は、以下の図を参照して、より詳細に説明されるであろう。それらの自由端部分41、51で、2つの把持顎40、50は、把持顎コード43、53の第1の端部分45、55に結合され、把持顎コード43、53は、
図1bに示される把持顎の非回動状態において、弾性の長手方向ガイド42、52と平行に延びる。さらに、把持顎コード43、53は、把持顎コードがX方向に移動させられ得るように、第2の端部分を介して牽引手段に結合される。把持顎コードのそのようなX方向への移動は、関連する弾性の長手方向ガイドの自由端部分のY方向への移動を引き起こす。本発明による把持装置の把持顎コードは、円弧/コード原理に従って、把持顎の弾性の長手方向ガイドを湾曲させる、すなわち、把持顎コードの短縮(把持顎コードの第2端部分が自由端部分から離れる移動に対応)は、弾性の長手方向ガイドの湾曲をもたらす。この動きは、ここでは単に「回動」と称される。示される実施形態では、把持顎コードは弾性の長手方向ガイドに対して「内側に」配置されるので、把持顎コードの把持顎案内装置に向けたX方向への移動は、弾性の長手方向ガイドの自由端部の互いに向けた回動を引き起こす。
【0023】
公知の把持装置とは対照的に、把持顎の自由端の「回動」は、したがって、把持顎案内装置に配置されたピボット継手により把持顎の回動運動を開始することによってもたらされるのではなく、把持顎コードが、把持顎案内装置に対向する弾性の長手方向ガイドの自由端部分に係合して、X方向への移動によって、把持顎の自由端部分の運動を生じさせる。把持装置の代替的な実施形態において、また、小片物品がピッキング装置内に収納される態様に従って、小片物品を取り出す目的で、把持顎を「それぞれ外側に」移動又は回動させることも、純粋に原理的には考えられ得るであろう。
【0024】
図1a及び
図1bに示される把持装置は、受渡し台10のX方向に延びる凹部11を備え、その中にスライド装置12が案内され、このスライド装置によって、小片物品は受渡し台からピッキング装置の棚ベース上に、特に、受渡し台10の収納、取り出し端面14を経て移動させられ得る。スライド装置の駆動装置は、受渡し台の下方に配置され、図には示されない。
【0025】
把持顎案内装置30はX方向に移動されられ得、そのために駆動ユニットに結合される。駆動装置の正確な設計は、本発明にとって本質的ではなく、多数の特定の実施形態が、当業者に知られる。示される実施形態では、把持装置は、把持顎案内装置30の側に配置された駆動装置90を含み、この駆動装置は、受渡し台と平行に延びるスピンドル91を駆動し得、このスピンドルは、今度は、把持顎案内装置30の結合手段31と相互作用し、把持顎案内装置は、スピンドル91の回転運動によってX方向に移動させられ得る。
【0026】
示される実施形態において、牽引手段作動装置80は、把持顎案内装置30に結合され、前述の回転運動が、また、牽引手段作動装置80をX方向に移動させる。牽引手段作動装置80は、それによって、牽引手段ガイド81が把持顎案内装置30に対してX方向に移動させられ得る、駆動装置83を含む。牽引手段ガイド81の移動が、どのように正確に、把持顎コードの移動を引き起こすかは、後続の図を参照して、より詳細に説明されるであろう。
【0027】
図2a及び
図2bは、本発明による把持装置の好ましい実施形態の平面図を示し、
図2aでは、2つの把持顎40、50は、弾性の長手方向ガイドの自由端部分41、51において、互いに向かって移動させられ、すなわち、回動させられる。
図2bでは、牽引手段作動装置、及び、右の把持顎が省略され、把持顎が、牽引手段にどのように配置されるかが、既に認識され得る。
【0028】
図2aにおいて、回動運動は、非回動状態(
図2b参照)において平行に延びる、把持顎コードと弾性の長手方向ガイドが、互いから「分離」することをもたらし、この分離は、把持顎の回動の程度に依存することが、理解され得る。特に
図2aにおいて、把持顎コード43、53は、それぞれ、その第1の端部分45、55において、弾性の長手方向ガイドの自由端部分と結合されることが理解され得る。第2の端部分46、56において、把持顎コードは、牽引手段のガイドハウジング64、74の中に走り、このガイドハウジングにおいて、第2の端部分は、牽引手段の回転軸上の偏心アタッチメントに結合される。さらに、弾性の長手方向ガイドは、ガイドハウジング内に固定される。
【0029】
図2bにおいて、牽引手段のガイドハウジングは、また、図の右側部分で省略され(把持顎自体に加えて)、牽引手段は、回転軸72と円形アタッチメント73を備えることが理解され、その正確な構成は、以下の図を参照してより詳細に説明される。
【0030】
図3a及び3bは、把持顎に割り当てられた牽引手段60、70での把持顎40、50の固定領域の詳細図を示す(そのうちのガイドハウジングは、ガイド手段の内部構成要素をより良く説明するために省略される)。牽引手段は、以下の
図4において、斜視図ではっきりと見られ得、ガイドハウジング(不図示)を介して、把持顎スライド32に結合され、このスライドは、順に、把持顎案内装置のYガイド33に結合され、Y方向への把持顎の移動を確実にする。牽引手段自体は、力アーム61、71を含み、そのX方向への移動は、把持顎コードのX方向への移動を生じさせ、したがって、把持顎の回動を生じさせる。
【0031】
図3aでは、把持顎は、回動状態で示され、
図3bでは、把持顎は、非回動状態で示される。2つの図における力アーム61、71の比較で、
図3aにおいて、それらは、わずかに斜めに、すなわち、把持顎スライド32に向かってZ軸からわずかに移動させられることが理解され得、この移動がどのように正確に開始されるかは、
図4を参照して説明される。
【0032】
図3aの右側で、円形アタッチメント73が、回転軸72上で右の把持顎に割り当てられた、把持手段の回転軸72上に偏心して配置されていることが理解され得る。
図3aと
図3bの比較で、
図3aでのアタッチメントは、さらにX方向に、把持顎スライド上に回転させられることが理解され得る。アタッチメント73は、把持顎コードの第2の端部分における円形開口に係合するので、
図3bの位置(回動していない)から
図3aの位置(回動した把持顎)への回転軸の回転は、把持顎コードが、その第2の端部分で、把持顎スライドの方へX方向に移動させられ、この移動は、弾性の長手方向ガイドの自由端部分41、51の互いに対する回動をもたらす。
【0033】
図4は、牽引手段60、70への把持顎の固定領域における好ましい実施形態の詳細な斜視図を示し、上方図(Fig.4a)では、把持顎の非回動状態が図示され、下方図(Fig.4b)では、把持顎の回動状態が図示される。特に、牽引手段ガイド81と牽引手段60、70の力アーム61、71の異なる位置を図示するために、上方図と下方図は互いに非常に接近して配置され、2本の垂直破線Z1、Z2が両図を貫いて描かれる。
【0034】
力アーム61、71と牽引手段ガイド81との比較から理解されるように、牽引手段ガイド81は、
図4の下方図において、受渡し台の収納、取り出し端面から離れて、さらに「後方」に移動させられる。この後方への移動の結果、牽引手段ガイド81の直線運動は、回転軸との組み合わせての力アーム61、71によって、回転軸の回転運動に変換される。回転軸には偏心アタッチメント63、73が配置されるので、回転軸の回転運動は、順に、把持顎コードのX方向への移動を引き起こす。
【0035】
前図で見られたように、弾性の長手方向ガイドの各々は、また、それを通って、牽引手段のそれぞれの回転軸が通る、固定領域内の円形開口を含む。しかし、この回転軸は偏心的に形成されないので、その回転は、弾性の長手方向ガイドのいかなる変位も引き起こさない。偏心したアタッチメントの結果、回転軸の回転は、したがって、弾性の長手方向ガイドに向かった把持顎コードの相対的な移動を引き起こす。
【0036】
垂直線Z2に「接合された」力アーム61、71の自由端の比較で、また、
図4の下方図の図面で、それらがさらに後方に移動させられることが理解され得る。
【0037】
図5は、把持顎案内装置の詳細図であり、この図では、特に、把持顎案内装置の内部構成要素を図示するために、牽引手段ガイドが省略される。示された実施形態では、両方の把持顎がY方向に移動可能である。把持顎の可動性がY方向にどのように正確に達成されるかは、特に、把持装置の特定の適用領域に依存し、多数の変形例が、先行技術から当業者に知られる。例えば、各把持顎を、対応するガイド上で、Y方向に移動させるリニアモータを備えて提供することが考えられる。示される実施形態では、把持顎案内装置30は、2つの部分のYガイド33を含み、その各部分に把持顎スライド32が着座する。各把持顎スライドは、歯付きラックとして設計されたガイド手段34に結合され、ガイド手段は、2つのガイド手段の歯面が対向し、広い範囲内で重なるように配置される。ギアホイール35は、ガイド手段34の間に縦横に配置され、ギアホイールの回転がガイド手段、ひいてはYガイド上の把持顎スライドの対称的な移動を引き起こすように、ガイド手段の歯面と相互作用する。この実施形態では、2つの把持顎スライドを移動させるために1つの駆動装置しか必要とされないが、これはまた、2つの把持顎スライドが同期してのみ移動可能であることをもたらす。
【0038】
図6は、回動する把持顎の詳細図である。
図6では、特に、把持顎コードが一種のケーブルとしてではなく、細長いストリップとして設計されることが理解され得、これは、把持顎が把持顎コードの領域で小片部品と接触する場合、取り出される小片部品との改善された接触をもたらす。さらに、把持顎コード43、53は、回動中に弾性の長手方向ガイド42、52から「分離」し、したがって、それらの間に空間が生成されることが再び理解され得る。
【国際調査報告】