(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-29
(54)【発明の名称】電気手術装置および使用方法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515792
(86)(22)【出願日】2021-09-09
(85)【翻訳文提出日】2023-05-09
(86)【国際出願番号】 IB2021000610
(87)【国際公開番号】W WO2022053867
(87)【国際公開日】2022-03-17
(32)【優先日】2020-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519273267
【氏名又は名称】ストライカー・ユーロピアン・オペレーションズ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】フレイ,ローラ,コンスタンス
(72)【発明者】
【氏名】マクファーランド,スコット
(72)【発明者】
【氏名】シェリダン,ポール
(72)【発明者】
【氏名】バーク,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】エリスマン,フェルナンド
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK13
4C160KK24
4C160KK36
4C160KK63
4C160KK64
4C160MM32
4C160NN09
4C160NN30
(57)【要約】
一実施例において、電気手術装置は、内部ボアを画定するハウジングと、ハウジングに結合されたシャフトと、シャフトに結合された電気手術電極とを含む。シャフトは、ハウジングの内部ボアから遠位に延びている。シャフトは、ハウジングに対して回転方向で固定されている。シャフトは、シャフトの近位端部からシャフトの遠位端部まで延びる排煙チャネルを含む。電気手術電極の遠位部分はシャフトから遠位に延びており、電気手術電極はハウジングおよびシャフトに対して回転可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気手術装置であって、
内部ボアを画定するハウジングと、
前記ハウジングに結合されたシャフトであって、前記シャフトが、前記ハウジングの前記内部ボアから遠位に延びており、前記シャフトが、前記ハウジングに対して回転方向で固定されており、前記シャフトが、前記シャフトの近位端部から前記シャフトの遠位端部まで延びる排煙チャネルを備える、シャフトと、
前記シャフトに結合された電気手術電極であって、前記電気手術電極の遠位部分が、前記シャフトから遠位に延びており、前記電気手術電極が、前記ハウジングおよび前記シャフトに対して回転可能である、電気手術電極と、
を備える、電気手術装置。
【請求項2】
前記シャフトは、前記ハウジングから前記電気手術電極の最も遠位の先端部までの距離を調節するために前記ハウジングの前記内部ボアにおいてテレスコープ式に可動である、請求項1に記載の電気手術装置。
【請求項3】
前記シャフトは、前記近位端部と前記遠位端部との間に延びる中心軸線を有し、前記電気手術電極は、前記シャフトの前記中心軸線と同一線上にある中心軸線を有する、請求項1または請求項2に記載の電気手術装置。
【請求項4】
前記排煙チャネルに流体結合された吸引スリーブをさらに備え、
前記吸引スリーブの遠位部分は、前記シャフトの前記遠位端部から遠位に延びており、
前記電気手術電極は、前記吸引スリーブを通って延びている、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項5】
前記吸引スリーブは、前記シャフトに対する前記吸引スリーブの回転が前記シャフトに対する前記電気手術電極の対応する回転を生じるように、前記電気手術電極に対して回転方向で固定されている、請求項4に記載の電気手術装置。
【請求項6】
前記吸引スリーブは、1つまたは複数の歯を備え、
前記電気手術電極は、1つまたは複数のスロットを備え、
前記吸引スリーブの回転に応答して前記電気手術電極を回転させるために前記1つまたは複数の歯が前記1つまたは複数のスロットに係合するように、前記吸引スリーブの前記1つまたは複数の歯のそれぞれが、前記1つまたは複数のスロットのそれぞれに1つずつ入っている、請求項5に記載の電気手術装置。
【請求項7】
前記吸引スリーブは、前記吸引スリーブと前記電気手術電極の最も遠位の先端部との間の距離を調節するために、前記シャフトの内部キャビティにおいてテレスコープ式に可動であり、
前記1つまたは複数の歯のそれぞれは、前記吸引スリーブが前記シャフトに対してテレスコープ式に移動することに応答して前記1つまたは複数のスロットのそれぞれと1つずつ長手方向で摺動するように構成されている、請求項6に記載の電気手術装置。
【請求項8】
前記吸引スリーブは、前記電気手術電極が前記吸引スリーブを通じて見えるように実質的に透明である、請求項4~請求項7のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項9】
前記シャフトは、前記電気手術電極の近位部分に結合される電気接点を備え、
前記電気手術電極は、前記電気接点に対して回転可能であり、
前記電気手術電極と前記電気接点とは、前記電気接点に対する前記電気手術電極の全ての回転位置において電気的に結合されている、請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項10】
(i)しきい値力よりも小さい力が前記電気手術電極に加えられたとき、前記電気接点が、前記電気接点に対する前記電気手術電極の回転を阻止し、(ii)前記しきい値力よりも大きい力が前記電気手術電極に加えられたとき、前記電気接点が、前記電気接点に対する前記電気手術電極の回転を許容するように、前記電気接点は、前記電気手術電極の前記近位部分に摩擦により係合している、請求項9に記載の電気手術装置。
【請求項11】
前記電気接点は、前記電気手術電極の前記近位部分の周囲の少なくとも半分にわたって延びている、請求項9または請求項10に記載の電気手術装置。
【請求項12】
前記電気手術電極の前記近位部分は、前記シャフトに対する前記電気手術電極の軸方向移動を阻止するために前記シャフトのストッパに係合する肩部を備える、請求項9~請求項11のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項13】
前記電気接点は、
前記電気手術電極の前記近位部分に結合された第1の端部と、
前記ハウジング内へ延びる第2の端部と、
を備え、
前記第2の端部は、前記ハウジングの長手方向軸線に対して平行な方向で前記ハウジングに沿って延びるハウジング導体と係合し、
前記電気接点の前記第2の端部は、前記シャフトが前記ハウジングに対してテレスコープ式に移動する間、前記ハウジング導体と係合されたままであるように構成されている、請求項9~請求項12のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項14】
前記シャフトの内部キャビティに光源をさらに備え、前記光源は、前記シャフトの遠位端部に向かう方向へ光を放出するように構成されている、請求項1~請求項13のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項15】
前記光源から遠位方向へ前記光を伝送し、前記光を前記シャフトの遠位端部から放出するように構成された光学レンズをさらに備える、請求項14に記載の電気手術装置。
【請求項16】
前記電気手術電極は、前記光学レンズにおける開口および前記光源における開口を通って延びている、請求項15に記載の電気手術装置。
【請求項17】
前記光源は、前記電気手術電極の周囲にわたって互いに等しい間隔で置かれた少なくとも3つの光源を含む、請求項16に記載の電気手術装置。
【請求項18】
前記シャフトは、前記シャフトが前記ハウジングに対して軸方向にテレスコープ式に移動する間、前記ハウジングにおける対応する導電体に摺動可能に係合する、正側導電体および負側導電体を備える、請求項14~請求項17のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項19】
前記光源の近位側に結合されたヒートシンクをさらに備える、請求項14~請求項18のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項20】
前記電気手術電極は、前記シャフトに対して360度よりも多く回転可能である、請求項19に記載の電気手術装置。
【請求項21】
電気手術装置であって、
内部ボアを画定するハウジングと、
前記ハウジングの前記内部ボアから遠位に延びるシャフトであって、前記シャフトが前記ハウジングに対して回転可能であり、前記シャフトが、前記シャフトの近位端部と前記シャフトの遠位端部との間に延びる長手方向軸線を有する、シャフトと、
前記シャフトの内部キャビティにおける排煙チャネルであって、前記排煙チャネルが前記ハウジングに対して回転方向で固定されている、排煙チャネルと、
前記シャフトの前記遠位端部から遠位に延びる電気手術電極であって、(i)前記シャフトが前記電気手術電極に電気手術エネルギーを伝導し、(ii)前記ハウジングに対する前記シャフトの回転が前記ハウジングに対する前記電気手術電極の対応する回転を生じる、電気手術電極と、
を備える、電気手術装置。
【請求項22】
前記電気手術電極は、前記シャフトの前記遠位端部から延びる近位部分と、組織に電気手術エネルギーを加えるように構成された作業端部を備える遠位部分と、を備え、
前記電気手術電極の前記遠位部分の中心軸線と、前記排煙チャネルの中心軸線と、が同一線上にある、請求項21に記載の電気手術装置。
【請求項23】
前記排煙チャネルは、前記排煙チャネルの近位端部と前記排煙チャネルの遠位端部との間に他の構造が存在しない空間を画定している、請求項21または請求項22に記載の電気手術装置。
【請求項24】
前記電気手術電極および前記シャフトは、モノリシック構造として形成されている、請求項21~請求項23のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項25】
前記電気手術電極および前記シャフトは、互いに結合される別個の構成要素である、請求項21~請求項23のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項26】
前記電気手術電極の近位部分は、前記シャフトの遠位端部から延びる第1の脚部と、前記シャフトの前記遠位端部から延びる第2の脚部と、を備える、請求項21~請求項25のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項27】
前記第1の脚部および前記第2の脚部は、前記シャフトの前記遠位端部の周囲において互いに直径方向で対向している、請求項26に記載の電気手術装置。
【請求項28】
前記電気手術電極の前記近位部分の近位側に面した面は、前記近位側に面した面と前記シャフトの最も遠位の端部における平面との間に間隙を画定するように、遠位方向で前記シャフトの中心軸線に向かう先細形状となっている、請求項26または請求項27に記載の電気手術装置。
【請求項29】
前記シャフトは、前記ハウジングから前記電気手術電極の最も遠位の先端部までの距離を調節するために、前記ハウジングの前記内部ボアにおいてテレスコープ式に可動である、請求項21~請求項28のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項30】
前記シャフトおよび前記電気手術電極は、前記ハウジングに対して360度よりも多く回転可能である、請求項21~請求項29のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項31】
前記排煙チャネルの少なくとも一部は、前記シャフトおよび前記電気手術電極が前記ハウジングに対して回転する間、前記ハウジングに対する前記排煙チャネルの回転を阻止するように非円形形状を有する、請求項21~請求項30のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項32】
前記排煙チャネルの近位端部は、前記ハウジングにおける対応する形状の構造に係合するように構成された非回転フィッティングを備え、
前記非回転フィッティングは、非円形の断面形状を有する、請求項31に記載の電気手術装置。
【請求項33】
前記非回転フィッティングは、前記非回転フィッティングの近位側において、前記排煙チャネルの本体の断面積よりも小さい断面積を有する貫通ボアを備える、請求項31または請求項32に記載の電気手術装置。
【請求項34】
前記シャフトの内部キャビティに光源をさらに備え、前記光源は、前記シャフトの遠位端部に向かう方向へ光を放出するように構成されている、請求項21~請求項33のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項35】
前記光源から遠位方向へ前記光を伝送し、前記光を前記シャフトの遠位端部から放出するように構成された光学レンズをさらに備える、請求項34に記載の電気手術装置。
【請求項36】
前記排煙チャネルは、前記光学レンズにおける開口および前記光源における開口を通って延びている、請求項35に記載の電気手術装置。
【請求項37】
前記光源は、前記排煙チャネルの周囲にわたって互いに等しい間隔で置かれた少なくとも3つの光源を含む、請求項36に記載の電気手術装置。
【請求項38】
前記排煙チャネルは、前記シャフトが前記ハウジングに対して軸方向にテレスコープ式に移動する間、前記ハウジングにおける対応する導電体に摺動可能に係合する、正側導電体および負側導電体を備える、請求項34~請求項37のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項39】
前記光源は、前記シャフトおよび前記電気手術電極が前記ハウジングに対して回転する間、前記ハウジングに対する前記光源の回転を阻止するために非円形形状を有する、請求項34~請求項38のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項40】
前記排煙チャネルに対する前記シャフトの回転を提供するために前記シャフトと前記排煙チャネルとの間に間隙が画定されている、請求項21~請求項39のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項41】
前記シャフトは、前記ハウジングの長手方向軸線に対して平行な方向へ前記ハウジングに沿って延びるハウジング導体と係合する電気接点を備え、
前記電気接点は、前記シャフトが前記ハウジングに対してテレスコープ式に移動する間、前記ハウジング導体と係合したままであるように構成されている、請求項21~請求項40のいずれか1項に記載の電気手術装置。
【請求項42】
内部ボアを画定するハウジングと、
前記ハウジングに結合されたシャフトであって、前記シャフトが、前記ハウジングの前記内部ボアから遠位に延びており、前記シャフトが、前記ハウジングに対して回転方向で固定されており、前記シャフトが、前記シャフトの近位端部から前記シャフトの遠位端部まで延びる排煙チャネルを備える、シャフトと、
前記シャフトに結合された電気手術電極であって、前記電気手術電極の遠位部分が、前記シャフトから遠位に延びており、前記電気手術電極が、前記ハウジングおよび前記シャフトに対して回転可能である、電気手術装置と、
を備える電気手術装置を操作する方法であって、
前記電気手術装置を提供することと、
前記ハウジングおよび前記シャフトに対して前記電気手術電極を回転させることと、
前記電気手術電極に電気手術エネルギーを供給することと、
を含む、方法。
【請求項43】
前記ハウジングから前記電気手術電極の最も遠位の先端部までの距離を調節するために、前記ハウジングの前記内部ボアにおいてテレスコープ式に可動なシャフトをテレスコープ式に移動させることをさらに含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記電気手術装置が、前記排煙チャネルに流体結合された吸引スリーブをさらに備え、前記吸引スリーブの遠位部分が、前記シャフトの前記遠位端部から遠位に延びており、前記電気手術電極が、前記吸引スリーブを通って延びており、
前記排煙チャネルに吸引力を加えることをさらに含む、請求項42または請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記電気手術電極の前記遠位部分の中心軸線の周囲に周方向に延びることができるスモーク入口を画定するために、前記吸引スリーブが前記電気手術電極から離間しており、
前記排煙チャネルに吸引力を加えることは、前記電気手術電極の周囲の前記スモーク入口を通じてスモークを排出することを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記吸引スリーブが、前記電気手術電極に対して回転方向で固定されており、
前記ハウジングおよび前記シャフトに対して前記電気手術電極を回転させることは、前記シャフトに対する前記電気手術電極の対応する回転を生じるように前記シャフトに対して前記吸引スリーブを回転させることを含む、請求項44または請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記シャフトに対して前記吸引スリーブを回転させることは、前記電気手術電極の1つまたは複数のスロットに前記吸引スリーブの1つまたは複数の歯を係合させることを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記吸引スリーブと前記電気手術電極の最も遠位の先端部との間の距離を調節するために前記シャフトの内部キャビティにおいて前記吸引スリーブをテレスコープ式に移動させることをさらに含む、請求項44~請求項46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
実質的に透明な前記吸引スリーブを通じて前記電気手術電極を観察することをさらに含む、請求項42~請求項48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記ハウジングおよび前記シャフトに対して前記電気手術電極を回転させることは、前記シャフトの電気接点に対して前記電気手術電極を回転させながら前記電気接点に対する前記電気手術電極の全ての回転位置において前記電気手術電極の近位部分と前記電気接点とを電気的に結合することを含む、請求項42~請求項49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
(i)しきい値力よりも小さい力が前記電気手術電極に加えられたとき、前記電気接点が、前記電気接点に対する前記電気手術電極の回転を阻止し、(ii)前記しきい値力よりも大きい力が前記電気手術電極に加えられたとき、前記電気接点が、前記電気接点に対する前記電気手術電極の回転を許容するように、前記電気手術電極の前記近位部分と前記電気接点とを摩擦により係合させることをさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記シャフトに対する前記電気手術電極の軸方向移動を阻止するために前記電気手術電極の前記近位部分の肩部を前記シャフトのストッパに係合させることをさらに含む、請求項50または請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記シャフトの内部キャビティにおける光源によって光を前記シャフトの遠位端部に向かう方向へ放出することをさらに含む、請求項42~請求項52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
光学レンズによって前記光源から遠位方向へ前記光を伝送し、前記光を前記シャフトの前記遠位端部から放出することをさらに含み、
前記電気手術電極が、前記光学レンズにおける開口および前記光源における開口を通って延びている、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
正側導電体および負側導電体を含む前記シャフトを前記ハウジングに対して軸方向へテレスコープ式に移動させることと、
前記ハウジングに対して前記シャフトを軸方向へテレスコープ式に移動させながら、(i)前記正側導電体および前記負側導電体と、(ii)前記ハウジングにおける複数の導電体と、を摺動可能に係合させることと、
をさらに含む、請求項53または請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記ハウジングおよび前記シャフトに対して前記電気手術電極を回転させることは、前記ハウジングおよび前記シャフトに対して前記電気手術電極を360度よりも多く回転させることを含む、請求項42~請求項55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
内部ボアを画定するハウジングと、
前記ハウジングの前記内部ボアから遠位に延びるシャフトであって、前記シャフトが前記ハウジングに対して回転可能であり、前記シャフトが、前記シャフトの近位端部と前記シャフトの遠位端部との間に延びる長手方向軸線を有する、シャフトと、
前記シャフトの内部キャビティにおける排煙チャネルであって、前記排煙チャネルが前記ハウジングに対して回転方向で固定されている、排煙チャネルと、
前記シャフトの前記遠位端部から遠位に延びる電気手術電極であって、前記電気手術電極が前記シャフトに電気的に結合されている、電気手術電極と、
を備える電気手術装置を操作する方法であって、
前記電気手術装置を提供することと、
前記ハウジングに対する前記電気手術電極の対応する回転を生じさせるために前記ハウジングに対して前記シャフトを回転させることと、
電気手術エネルギーを前記シャフトから前記電気手術電極に供給することと、
を含む、方法。
【請求項58】
前記排煙チャネルに吸引力を加えることをさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記排煙チャネルに吸引力を加えることは、前記排煙チャネルを通じてスモークを排出することを含み、前記排煙チャネルが、前記排煙チャネルの近位端部と前記排煙チャネルの遠位端部との間に他の構造が存在しない空間を画定している、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記排煙チャネルを通じて前記スモークを排出することは、
前記排煙チャネルの本体を通じて前記スモークを排出することと、
前記排煙チャネルの本体を通じて前記スモークを排出した後、前記ハウジングにおける対応する形状の構造に係合する非回転フィッティングの貫通ボアを通じて前記スモークを排出することと、を含み、
前記貫通ボアは、前記排煙チャネルの前記本体の断面積よりも小さい断面積を有し、前記非回転フィッティングの近位側にある、請求項58または請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記電気手術電極および前記シャフトは、モノリシック構造として形成されている、請求項57~請求項60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記電気手術電極および前記シャフトは、互いに結合される別個の構成要素である、請求項57~請求項61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記電気手術電極の近位部分は、前記シャフトの遠位端部から延びる第1の脚部と、前記シャフトの前記遠位端部から延びる第2の脚部と、を含む、請求項57~請求項62のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
前記第1の脚部および前記第2の脚部は、前記シャフトの前記遠位端部の周囲において互いに直径方向で対向している、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記電気手術電極の前記近位部分の近位側に面した面は、前記近位側に面した面と前記シャフトの最も遠位の端部における平面との間に間隙を画定するように、遠位方向で前記シャフトの中心軸線に向かう先細形状となっている、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
前記ハウジングから前記電気手術電極の最も遠位の先端部までの距離を調節するために、前記ハウジングの前記内部ボアにおいて前記シャフトをテレスコープ式に移動させることをさらに含む、請求項57~請求項65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
前記ハウジングに対する前記電気手術電極の対応する回転を生じるように前記ハウジングに対して前記シャフトを回転させることは、前記ハウジングに対して前記シャフトおよび前記電気手術電極を360度よりも多く回転させることを含む、請求項57~請求項66のいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
前記シャフトの内部キャビティにおける光源を使用して、光を前記シャフトの遠位端部に向かう方向へ放出することをさらに含む、請求項57~請求項67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
光学レンズによって前記光源から遠位方向へ前記光を伝送し、前記光を前記シャフトの前記遠位端部から放出することをさらに含み、
前記排煙チャネルは、前記光学レンズにおける開口および前記光源における開口を通って延びている、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記排煙チャネルが正側導電体および負側導電体を含むものであって、
前記ハウジングに対して前記シャフトを軸方向にテレスコープ式に移動させることと、
前記ハウジングに対して前記シャフトを軸方向にテレスコープ式に移動させながら、(i)前記正側導電体および前記負側導電体を(ii)前記ハウジングにおける複数の導電体に摺動可能に係合させることと、
をさらに含む、請求項57~請求項69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
前記ハウジングの長手方向軸線に対して平行な方向に前記ハウジングに沿って延びるハウジング導体に係合する電気接点を備える前記シャフトを前記ハウジングに対して軸方向にテレスコープ式に移動させることと、
前記シャフトが前記ハウジングに対してテレスコープ式に移動する間、前記電気接点を前記ハウジング導体に連続的に係合させることと、
をさらに含む、請求項57~請求項70のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2020年9月9日に出願された米国仮出願第63/076,089号および2021年6月17日に出願された米国仮出願第63/211,876号の利益を主張する。
【0002】
本開示は、概して、電気エネルギーを伝達するための方法および装置に関し、より詳細には、電気手術電極の回転調整を提供する電気手術装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電気手術は、電気手術処置中に生体組織を切断し、凝固させ、または修正するために生体組織に高周波(RF)電流(電気手術エネルギーとも呼ばれる)を加えることを含む。特に、電気手術発電機は、電流を発生させて活性電極に提供し、活性電極は、電流(ひいては、電力)を組織に加える。電流は、組織を通過し、対極板(「分散電極」とも呼ばれる)を介して発電機へ戻る。電流が組織を通過するとき、組織のインピーダンスが電流の一部を熱エネルギーに変換し(例えば、抵抗加熱の原理を介して)、この熱エネルギーは、組織の温度を上昇させ、組織に対して修正を誘発する(例えば、組織の切断、凝固、除去および/または封止)。
【発明の概要】
【0004】
一実施例において、電気手術装置が説明される。電気手術装置は、内部ボアを画定するハウジングと、ハウジングに結合されたシャフトと、シャフトに結合された電気手術電極とを含む。シャフトは、ハウジングの内部ボアから遠位に延びている。シャフトは、ハウジングに対して回転方向で固定されている。シャフトは、シャフトの近位端部からシャフトの遠位端部まで延びる排煙チャネルを含む。電気手術電極の遠位部分は、シャフトから遠位に延びている。電気手術電極は、ハウジングおよびシャフトに対して回転可能である。
【0005】
別の実施例において、電気手術装置が記載される。電気手術装置は、内部ボアを画定するハウジングと、ハウジングの内部ボアから遠位に延びるシャフトとを含む。シャフトは、ハウジングに対して回転可能である。シャフトは、シャフトの近位端部とシャフトの遠位端部との間に延びる長手方向軸線を有する。電気手術装置は、シャフトの内部キャビティにおいて排煙チャネルも含む。排煙チャネルは、ハウジングに対して回転方向で固定されている。電気手術装置は、さらに、シャフトの遠位端部から遠位に延びる電気手術電極であって、(i)シャフトが電気手術エネルギーを電気手術電極に伝導し、(ii)ハウジングに対するシャフトの回転がハウジングに対する電気手術電極の対応する回転を生じる、電気手術電極を含む。
【0006】
別の実施例において、電気手術装置を操作するプロセスが記載される。プロセスは、電気手術装置を提供することを含む。電気手術装置は、内部ボアを画定するハウジングと、ハウジングに結合されたシャフトと、シャフトに結合された電気手術電極とを含む。シャフトは、ハウジングの内部ボアから遠位に延びている。シャフトは、ハウジングに対して回転方向で固定されている。シャフトは、シャフトの近位端部からシャフトの遠位端部まで延びる排煙チャネルを含む。電気手術電極の遠位部分はシャフトから遠位に延びている。電気手術電極は、ハウジングおよびシャフトに対して回転可能である。
【0007】
プロセスは、ハウジングおよびシャフトに対して電気手術電極を回転させること、および電気手術電極に電気手術エネルギーを供給することも含む。
【0008】
別の実施例において、電気手術装置を操作するプロセスが記載される。プロセスは、電気手術装置を提供することを含む。電気手術装置は、内部ボアを画定するハウジングと、ハウジングの内部ボアから遠位に延びるシャフトと、シャフトの内部キャビティにおける排煙チャネルと、シャフトの遠位端部から遠位に延びる電気手術電極とを含む。シャフトは、ハウジングに対して回転可能である。シャフトは、シャフトの近位端部とシャフトの遠位端部との間に延びる長手方向軸線を有する。排煙チャネルは、ハウジングに対して回転方向で固定されている。電気手術電極は、シャフトに電気的に結合されている。
【0009】
プロセスは、ハウジングに対する電気手術電極の対応する回転を生じるためにシャフトをハウジングに対して回転されることも含む。プロセスは、さらに、電気手術エネルギーをシャフトから電気手術電極に供給することを含む。
【0010】
記載された特徴、機能および利点は、様々な実施形態において独立して達成することができるか、またはそのさらなる詳細を以下の説明および図面を参照して見ることができるさらに他の実施形態において組み合わされてもよい。
【0011】
例示的な実施例の新規の特徴であると考えられる特性が、添付の請求項に示されている。しかしながら、例示的な実施例およびその好ましい使用形態、さらなる目的および説明は、添付の図面に関連して読まれたときに本開示の例示的な実施例の以下の詳細な説明を参照することによって最も良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施例による、電気手術システムの簡略化されたブロック図である。
【
図2】一実施例による、電気手術装置の断面図である。
【
図3】一実施例による電気手術装置の断面図である。
【
図4A】一実施例による、シャフトがハウジングに対して第1の軸方向位置にある、
図1の電気手術装置の実施態様の斜視図である。
【
図4B】一実施例による、シャフトがハウジングに対して第2の軸方向位置にある、
図4Aの電気手術装置の実施態様の斜視図である。
【
図5】一実施例による、
図4A~
図4Bに示した電気手術装置のハウジングの部分的に分解された図である。
【
図6】一実施例による、
図4A~
図4Bに示された実施例実施態様のためのハウジング、シャフトおよび電気手術電極の遠位部分の断面図である。
【
図8】一実施例による、
図4A~
図4Bに示された実施例実施態様のためのシャフトの内側キャビティに配置された光学構成要素を示すために上側部分が排除された、シャフトの遠位部分を示す図である。
【
図9】一実施例による、電力を光源に供給するための動態を示すために構成要素が排除された、
図4A~
図8の電気手術装置を示す図である。
【
図10】別の実施例による、
図1の電気手術装置の別の実施態様の斜視図である。
【
図11】実施例による、電気手術装置の長手方向軸線に沿って見た、
図10に示された電気手術装置の断面図である。
【
図12】一実施例による、
図11に示されたシャフトおよび電気手術電極の遠位端部の断面の拡大図である。
【
図13】一実施例による、
図10~
図12に示された排煙チャネルおよび電気手術装置のシャフトの斜視図である。
【
図14】一実施例による、
図10~
図12に示された排煙チャネルおよび電気手術装置のシャフトの側面図である。
【
図15】一実施例による、
図10~
図12に示された電気手術装置の排煙チャネルにおける光源、光学レンズおよびヒートシンクのアセンブリの部分的分解図である。
【
図16】一実施例による、電気手術装置を操作するためのプロセスの一例のフローチャートである。
【
図17】少なくとも
図16に示したプロセスとともに使用することができる電気手術装置を操作するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図18】少なくとも
図16に示したプロセスとともに使用することができる電気手術装置を操作するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図19】少なくとも
図16に示したプロセスとともに使用することができる電気手術装置を操作するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図20】少なくとも
図16に示したプロセスとともに使用することができる電気手術装置を操作するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図21】少なくとも
図16に示したプロセスとともに使用することができる電気手術装置を操作するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図22】少なくとも
図16に示したプロセスとともに使用することができる電気手術装置を操作するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図23】少なくとも
図16に示したプロセスとともに使用することができる電気手術装置を操作するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図24】少なくとも
図16に示したプロセスとともに使用することができる電気手術装置を操作するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図25】少なくとも
図16に示されたプロセスとともに使用することができる電気手術装置を操作するためのプロセスの一例のフローチャートである。
【
図26】少なくとも
図16に示されたプロセスとともに使用することができる電気手術装置を操作するためのプロセスの一例のフローチャートである。
【
図27】少なくとも
図16に示されたプロセスとともに使用することができる電気手術装置を操作するためのプロセスの一例のフローチャートである。
【
図28】少なくとも
図16に示されたプロセスとともに使用することができる電気手術装置を操作するためのプロセスの一例のフローチャートである。
【
図29】少なくとも
図16に示されたプロセスとともに使用することができる電気手術装置を操作するためのプロセスの一例のフローチャートである。
【
図30】少なくとも
図16に示されたプロセスとともに使用することができる電気手術装置を操作するためのプロセスの一例のフローチャートである。
【
図31】別の実施例による電気手術装置を操作するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図32】少なくとも
図31に示されたプロセスとともに使用することができる電気手術装置を操作するためのプロセスの一例のフローチャートである。
【
図33】少なくとも
図31に示されたプロセスとともに使用することができる電気手術装置を操作するためのプロセスの一例のフローチャートである。
【
図34】少なくとも
図31に示されたプロセスとともに使用することができる電気手術装置を操作するためのプロセスの一例のフローチャートである。
【
図35】少なくとも
図31に示したプロセスとともに使用することができる電気手術装置を操作するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図36】少なくとも
図31に示したプロセスとともに使用することができる電気手術装置を操作するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図37】少なくとも
図31に示したプロセスとともに使用することができる電気手術装置を操作するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図38】少なくとも
図31に示したプロセスとともに使用することができる電気手術装置を操作するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図39】少なくとも
図31に示したプロセスとともに使用することができる電気手術装置を操作するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図40】少なくとも
図31に示したプロセスとともに使用することができる電気手術装置を操作するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
開示される実施例は、ここで、開示された実施例のうちの全てではないが幾つかが示されている添付の図面を参照して以下により完全に説明される。実際には、複数の異なる実施例が説明される場合があり、本明細書に示された実施例に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例は、本開示が十分かつ完全であり、開示の範囲を当業者に完全に伝達するように説明される。
【0014】
本明細書において説明された量または測定値に関する「約」または「実質的に」という用語は、引用された特性、パラメータまたは値が正確に達成される必要はなく、例えば、公差、測定誤差、測定精度限界、および当業者に公知のその他の要因を含む偏差または変動が、当該特性が提供しようと意図した効果を排除しない量において生じ得ることを意味する。
【0015】
上記のように、電気手術装置は、電気手術エネルギーを電気手術電極から組織に加えるために電気手術発電機によって供給される電気エネルギーを使用することができる。これにより、電気手術装置は、概して、電気手術電極に電気手術エネルギーを供給するための1つまたは複数の導体が配置されたハウジングを含む。幾つかの電気手術装置は、ハウジングに対してテレスコープ式に調整可能なシャフトを含む。これは、異なるサイズおよび/または形状の標的組織を処置するために電気手術装置の長さを調整することを容易にすることができる。
【0016】
追加的に、幾つかの電気手術装置は、ハウジングに対する電気手術電極の回転を提供する。これは、電気手術装置の1つまたは複数のユーザ入力装置に対する電気手術電極の角度を調整することを容易にすることができる。この配列において、例えば、ユーザが手術している手術部位の場所、サイズおよび/または形状に基づいてハウジングに対する複数の回転位置の中から選択された回転位置に電気手術電極がセットされながら、ユーザの指がユーザ入力装置を快適に操作することができる位置においてユーザはハウジングを快適に把持することができる。
【0017】
しかしながら、ハウジングに対して電気手術電極の回転を提供することは、設計の複雑さおよび製造コストを増大させる可能性がある。例えば、電気手術電極がハウジングに対して回転しかつ/またはハウジングに対してテレスコープ式に移動するときにハウジングおよび電気手術電極における電気的構成要素の間の電気接続を維持することは困難である可能性がある。この問題は、電気手術装置がハウジングの遠位にその他の特徴(例えば、光源、1つまたは複数の光学構成要素および/または排煙特徴)を含むとき、さらに悪化させられる場合がある。従来のアプローチは、概して、ハウジングの遠位にある全ての構成要素を一緒に回転させることを含む。上述のように、これは、設計の複雑さおよび製造コストを増大させる可能性がある。増大した複雑さは、ハウジングに対する電気手術電極の回転およびシャフトのテレスコープ式移動の両方を提供する電気手術装置にとって特に困難である可能性がある。
【0018】
本願は、上述の困難のうちの少なくとも幾つかを解決することができる電気手術装置、電気手術装置を使用する方法、および電気手術装置を製造する方法を提供する。
【0019】
ここで
図1を参照すると、一実施例による電気手術システム100が示されている。
図1に示したように、電気手術システム100は、電気手術発電機110および電気手術装置112を含む。概して、電気手術発電機110は、患者において電気手術を行うのに適した電気手術エネルギーを発生することができる。例えば、電気手術発電機110は、グリッドパワーを、例えば、高周波(RF)出力電力などの電気手術エネルギーに変換することができる電極変換器回路114を含むことができる。一実施例として、電力変換器回路114は、電気手術エネルギーの電圧、電流および/または周波数を制御することができる1つまたは複数の構成要素(例えば、1つまたは複数の変圧器)を含むことができる。
【0020】
実施例において、電気手術発電機110は、ユーザから1つまたは複数の入力を受け取りかつ/またはユーザに1つまたは複数の出力を提供することができるユーザインターフェース116を含むことができる。実施例として、ユーザインターフェース116は、1つまたは複数のボタン、1つまたは複数のスイッチ、1つまたは複数のダイアル、1つまたは複数のキーパッド、1つまたは複数のタッチスクリーン、1つまたは複数のディスプレイスクリーン、1つまたは複数のインジケータライト、1つまたは複数のスピーカ、および/または1つまたは複数の触覚出力装置を含むことができる。
【0021】
一実施例において、ユーザインターフェース116は、電気手術発電機110のための複数の動作モードの中から1つの動作モードを選択するために動作可能とすることができる。実施例として、動作モードは、切断モード、凝固モード、除去モード、および/または封止モードを含むことができる。これらの波形の組合せは、混合されたモードを生成するために形成することもできる。1つの実施態様において、動作モードは、電気手術エネルギーのためのそれぞれの波形に対応することができる。したがって、この実施態様において、電気手術発電機110は、ユーザインターフェース116を使用して選択された動作モードに少なくとも部分的に基づいて複数の波形から選択された波形を有する電気手術エネルギーを生成することができる。
【0022】
電気手術発電機110は、電気手術エネルギーおよび/または標的組織に関連する1つまたは複数の状態を感知することができる1つまたは複数のセンサ118も含むことができる。実施例として、センサ118は、1つまたは複数の電流センサ、1つまたは複数の電圧センサ、1つまたは複数の温度センサ、および/または1つまたは複数の生体インピーダンスセンサを含むことができる。実施例の中で、電気手術発電機110は、追加的または代替的に、センサ118によって感知された状態に関連する1つまたは複数のパラメータに基づいて、所定の量の電気手術エネルギー(例えば、電力)および/または複数の波形の中から選択された波形を有する電気手術エネルギーを生成することができる。
【0023】
1つの実施例において、電気手術エネルギーは、標的組織の近くの筋肉および/または神経を刺激することを減じる(または回避する)ために約100キロヘルツ(kHz)よりも大きな周波数を有することができる。別の実施例において、電気手術エネルギーは、約300kHz~約500kHzの周波数を有することができる。
【0024】
図1において、電気手術発電機110は、電気手術発電機110を電気手術装置112に結合することを容易にすることができるコネクタ120も含む。例えば、電気手術装置112は、プラグを有する電源コード122を含むことができ、プラグは、電気手術発電機110のコネクタ120のソケットに結合することができる。この配列において、電気手術発電機110は、電気手術発電機110のコネクタ120と電気手術装置112の電源コード122との間の結合を介して電気手術装置112に電気手術エネルギーを供給することができる。
【0025】
図1に示したように、電気手術装置112は、内部ボア125(
図2に示されている)を画定するハウジング124と、ハウジング124から遠位方向へ延びるシャフト126と、シャフト126に結合された電気手術電極128とを含むことができる。概して、ハウジング124は、電気手術を実行する間、ユーザが電気手術装置112を把持および操作することを容易にするように構成することができる。例えば、ハウジング124は、片手を用いて電気手術装置112を操作することによってユーザが電気手術を実行することを容易にすることができる形状および/またはサイズを有することができる。1つの実施態様において、ハウジング124は、ユーザが筆記用具把持形式で電気手術装置112を保持することを容易にする形状および/またはサイズを有することができる(例えば、電気手術装置112は電気手術ペンシルとすることができる)。
【0026】
追加的に、例えば、ハウジング124は、電気絶縁体(例えば、プラスチック材料)である1つまたは複数の材料から構成することができる。これは、電気手術を行いながら、電気手術装置112を通流する電気手術エネルギーからユーザを絶縁することを容易にすることができる。
【0027】
幾つかの実施態様において、シャフト126は、ハウジング124に固定して結合することができる。その他の実施態様において、シャフト126は、ハウジング124に対してテレスコープ式に可動とすることができる。例えば、シャフト126は、ハウジング124に対してシャフト126を遠位方向へ延長させかつシャフト126を近位方向へ収縮させるために、ハウジング124によって画定された内部ボア125においてテレスコープ式に可動とすることができる(例えば、電気手術装置112の長手方向軸線に沿って可動である)。上記のように、電気手術電極128は、シャフト126に結合されており、したがって、電気手術電極128は、シャフト126と一緒に、ハウジング124に対して長手方向軸線に沿って軸方向に移動する。これは、電気手術装置112の長さの調節を提供することができ、この調節は、組織内の複数の異なる深さにおいて(例えば、患者の異なる解剖学的形状および/またはサイズによる)および/または複数の異なる角度において電気手術を行うことを容易にすることができる。
【0028】
電気手術電極128は、追加的または代替的に、電気手術装置112の長手方向軸線に対して平行な回転軸を中心に回転可能とすることができる。幾つかの実施態様において、電気手術電極128は、ハウジング124およびシャフト126に対して回転可能とすることができる。その他の実施態様において、シャフト126および電気手術電極128が、ハウジング124と、シャフト126によって画定された内部キャビティにおける少なくとも1つの追加的な構成要素とに対して一緒に回転可能であるように、電気手術電極128をシャフト126に対して回転方向で固定することができる。これらの実施態様において、電気手術電極128は、ハウジング124に対して360度よりも多く回転可能とすることができる。
【0029】
ハウジング124に対して電気手術電極128を回転させることは、電気手術装置112の1つまたは複数のユーザ入力装置130に対する電気手術電極128の角度を調整することを容易にすることができる。この配列において、例えば、ユーザが手術している手術部位の場所、サイズおよび/または形状に基づいて、ハウジング124に対する複数の回転位置の中から選択された回転位置に電気手術電極128がセットされながら、ユーザの指がユーザ入力装置130を快適に操作することができる位置においてユーザがハウジング124を快適に把持することができる。
【0030】
上述のように、電気手術電極128がハウジング124に対して360度よりも多く回転することを提供することが有利である可能性がある。しかしながら、その他の実施態様において、電気手術電極128は、360度以下だけ回転可能とすることができる(例えば、180度だけ回転可能または360度だけ回転可能)。これにより、依然として、オペレータは、所望の回転配列を達成し得るが、オペレータが第1の方向へ回転し、さらなる回転を制限する停止位置に達し、次いで、所望の回転配列を達成するために第2の方向に戻るように回転する場合がある可能性がある。
【0031】
ユーザ入力装置130は、電気手術装置112および/または電気手術発電機110の動作モードのうちから選択することができる。例えば、1つの実施態様において、ユーザ入力装置130は、切断動作モードおよび凝固動作モードのうちから選択するように構成することができる。電気手術装置112のユーザ入力装置130の作動に応答して、電気手術装置112は、(i)ユーザ入力装置130を介して選択された動作モードに対応する電力レベルおよび/または波形を有する電気手術エネルギーを受け取り、(ii)電気手術エネルギーを電気手術電極128に供給することができる。
【0032】
図1において、電気手術装置112は、電気手術装置112が電気手術発電機110から受け取る電気手術エネルギーを電気手術電極128に供給することを容易にする、複数の電気構成要素を含む。例えば、電気手術装置112は、プリント回路基板132(例えば、フレキシブルプリント回路基板)、ハウジング導体134、および/または電気手術エネルギーを電源コード122から電気手術電極128へ伝導するための回路を提供することができるシャフト導体136を含む電気構成要素のグループから選択された少なくとも1つの電気構成要素を含むことができる。電気構成要素のうちの1つまたは複数は、ハウジング124によって画定された内部ボア125および/またはシャフト126によって画定された内部キャビティに位置決めすることができる。
【0033】
実施例において、ユーザ入力装置130は、ハウジング124の外面における1つまたは複数のボタンを含むことができる。ユーザ入力装置130の各ボタンは、プリント回路基板132の複数のスイッチ138のうちのそれぞれ1つを作動させるように動作可能とすることができる。概して、スイッチ138および/またはプリント回路基板132は、電気手術発電機110から電気手術電極128への電気手術エネルギーの供給を制御するように動作可能である。例えば、1つの実施態様において、各ボタンが操作(例えば、押下)されると、ボタンに関連したそれぞれのスイッチ138を作動させることができ、これにより、プリント回路基板132は信号を電気手術発電機110に送信し、電気手術発電機110は応答してボタンに関連した動作モードに対応する電力レベルおよび/または波形を有する電気手術エネルギーを供給する。別の実施態様において、ボタンを操作し、これにより、ボタンに関連したそれぞれのスイッチ138を作動させることにより、スイッチ138を閉じることができ、これにより、電気手術発電機110への回路を完成させ、電気手術発電機110は応答してボタンに関連した動作モードに対応する電力レベルおよび/または波形を有する電気手術エネルギーを供給する。この実施態様の幾つかの実施例において、プリント回路基板132を省略することができる。
【0034】
両実施例実施態様において、電気手術発電機110によって供給される電気手術エネルギーは、ハウジング導体134およびシャフト導体136によって(i)電源コード122、プリント回路基板132、および/またはスイッチ138から(ii)電気手術電極128へ供給することができる。これにより、
図1に示したように、プリント回路基板132は電源コード122に結合することができ、ハウジング導体134はプリント回路基板132およびシャフト導体136に結合することができ、シャフト導体136は電気手術電極128に結合することができる。この配列において、ハウジング導体134は、電気手術エネルギー(プリント回路基板132を介してハウジング導体134に供給される)をシャフト導体136に伝導することができ、シャフト導体136は、電気手術エネルギーを電気手術電極128に伝導することができる。
【0035】
概して、ハウジング導体134およびシャフト導体136はそれぞれ、電気手術電極128に電気手術エネルギーを供給するための導電性バスを提供する1つまたは複数の導電性素子を含むことができる。より具体的には、ハウジング導体134は、シャフト導体136に電気手術エネルギーを供給することができるハウジング124の1つまたは複数の導電性素子を含むことができ、シャフト導体136は、ハウジング導体134から電気手術電極128に電気エネルギーを供給することができるシャフト126の1つまたは複数の導電性素子を含むことができる。以下でさらに詳細に説明するように、(i)シャフト126および/または電気手術電極128がハウジング124に対してテレスコープ式に移動し、かつ/または(ii)電気手術電極128がハウジング124に対して回転する間、ハウジング導体134と、シャフト導体136と、電気手術電極128との間に電気的結合を維持するためにハウジング導体134はシャフト導体136に係合することができる。
【0036】
電気手術装置112は、
図1においてユーザ入力装置130を含むが、ユーザ入力装置130は、別の実施例では電気手術装置112とは別個のものとすることができる。例えば、ユーザ入力装置130は、追加的または代替的に、上述のように電気手術装置112の動作を制御するために作動可能な1つまたは複数のフットペダルを含むことができる。フットペダルは、フットペダルの作動に応答して信号を提供するために電気手術発電機110に通信可能に結合され得る。
【0037】
図1に示したように、電気手術装置112は、追加的に、光を放出するように構成された光源140を含むことができる。
図1の実施例において、光源140は、光学構造142に光学的に結合することができ、光学構造142は、電気手術電極128を使用して電気手術を実行する間に手術部位を照明するために、光源140によって放出された光を受け取り、光を遠位方向へ手術部位に向かって送出するように構成されている。
【0038】
実施例として、光学構造142は、光学レンズ、光導波路および光ファイバからなるグループの中から選択された少なくとも1つの光学構造を含むことができる。光学構造142が光学レンズ(例えば、放物面反射器レンズ)を含む場合、光学レンズ142は、光源140によって放出された光を遠位方向へ方向付け、これにより、手術部位を照明する光の質を高めることを助けることができる。光学構造142は、追加的または代替的に、光をシャフト126において比較的大きな距離にわたって伝送するために光導波路および/または光ファイバを含むことができる。例えば、光導波路は、全反射を介して光を遠位方向へ伝送することができる。このような実施態様において、光導波路は、全反射を促進することを助けるために光導波路の外面にクラッディングおよび/または空隙を含むことができる。幾つかの実施態様において、光導波路は、単一のモノリシック構造として形成することができる。
【0039】
幾つかの実施例において、光学構造142は、追加的または代替的に、例えば、複数のファセット、1つまたは複数のプリズムおよび/または1つまたは複数の光学格子などの、その他の光成形光学素子を含むことができる。光学構造142は、手術部位へ方向付けられる光の質を高めることを助けることができるが、その他の実施例において、電気手術装置112は、光学構造142を省略し、その代わりに、光学構造142を通じて光を伝送することなく光を光源140から直接に手術野へ放出することができる。
【0040】
図1において、光源140はシャフト126に結合されている。これにより、光源140もシャフト126とともにハウジング124に対してテレスコープ式に移動することができる。しかしながら、その他の実施例において、光源140は、ハウジング124の内部ボアにあるおよび/またはハウジング124の外面に結合されていることができる。実施例として、光源140は、1つまたは複数の発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、光ファイバ、非ファイバ光導波路、および/またはレンズを含むことができる。追加的に、例えば、光源140は、1つまたは複数の光源(例えば、LED)を有する発光ダイオードプリント回路基板(LED PCB)を含むことができる。以下でさらに詳細に説明するように、LED PCBは、開口を含むことができ、電気手術装置112の1つまたは複数のその他の構成要素(例えば、電気手術電極128)は、開口を通って延びることができる。
【0041】
光学構造142は、シャフト126の遠位端部にあることができる。幾つかの実施例において、光学構造142は、電気手術電極128の全ての側の周囲において光を遠位に放出するように電気手術電極128を周方向で包囲することができる。これは、ハウジング124に対するシャフト126および/または標的組織に対する電気手術装置112の全ての回転配列において、影を軽減し、照明のより高い均一性を提供することを助けることができる。
【0042】
光源140を含む実施態様において、ユーザ入力装置130、プリント回路基板132、スイッチ138、ハウジング導体134、および/またはシャフト導体136は、追加的に、直流(DC)電源144から光源140に電力を供給することができる。1つの実施例において、DC電源144は、ハウジング124および/または電源コード122のプラグに配置されたバッテリを含むことができる。電気手術装置112は、
図1においてDC電源144を含むが、DC電源144は、その他の実施例において電気手術装置112とは別個かつ異なるものとすることができる。例えば、別の実施例において、電気手術発電機110は、DC電源144を含むことができる。
【0043】
追加的に、光源140を含む実施態様において、ユーザ入力装置130は、光源140に光を放出させるように動作可能とすることができる。1つの実施例において、ユーザ入力装置130は、電気手術装置112の電気手術動作モードを制御するボタンとは別個の、光源140を独立して制御するボタンを含むことができる。別の実施例において、ユーザ入力装置130およびプリント回路基板132は、電気手術動作モードを制御するボタンの動作が光源140の動作を同時に制御するように構成することができる(例えば、電気手術電極128において電気手術エネルギーを加えるようにボタンが操作されると、光源140は光を放出するように自動的に作動され得る)。
【0044】
図1に示したように、光源140を作動させるためのユーザ入力装置130の操作に応答して、DC電源144は、プリント回路基板132、ハウジング導体134、および/またはシャフト導体136を介して光源140に電力(例えば、DC電圧)を供給することができる。この実施態様において、ハウジング導体134の導電性素子のうちの1つまたは複数は、DC電源144から光源140へ電力を供給しかつ/または光源140からDC電源144へ電力を戻すように構成することができる。したがって、ハウジング導体134は、追加的または代替的に、シャフト126および光源140がハウジング124に対してテレスコープ式に移動するときにDC電源144と光源140との間の電気通信を提供することを支援することができる。
【0045】
ハウジング124におけるユーザ入力装置130は、上述の実施例における光源140の動作を制御するために操作することができるが、光源140は、追加的または代替的に、電気手術発電機110上(例えば、ユーザインターフェース116を介して)および/または電源コード122のプラグ上の1つまたは複数のユーザ入力装置によって操作することができる。
【0046】
上記のように、電気手術装置112は、追加的に、標的組織からのサージカルスモークを手術部位の外部の場所へ排出することを提供する特徴を含むことができる。サージカルスモークは、様々な手術処置の副産物である。例えば、手術処置の間、サージカルスモークは、電気手術ユニット(ESU)、レーザ、電気焼灼装置、超音波装置、および/またはその他の電力手術器具(例えば、骨のこぎりおよび/またはドリル)の副産物として生成される場合がある。幾つかの例において、サージカルスモークは、組織の破壊により生じる有毒ガスおよび/または生物学的産物を含有する場合がある。追加的に、サージカルスモークは、不快な臭いを有する場合がある。これらの理由およびその他の理由から、多くのガイドラインは、外科医がサージカルスモークに曝されることが減じられるまたは最小限に抑えられるべきであることを示している。
【0047】
サージカルスモークに曝されることを減じる(または最小限に抑える)ために、手術処置中に排煙システムが使用されてよい。概して、排煙システムは、手術部位からサージカルスモークを吸い出すための十分な吸引力をよび/または真空圧力を生じることができる吸引ポンプ146を含んでよい。幾つかの実施態様において、排煙システムは、手術室からサージカルスモークを排出する排気システム(例えば、壁埋込み型排気システム)に結合されてよい。その他の実施態様において、排煙システムは、サージカルスモークを含んだ空気を濾過し、空気を手術室へ戻してもよい。実施例において、吸引ポンプ146および電気手術発電機110は、別個の装置として提供されるかまたは1つの装置において(例えば、共通のハウジングにおいて)一体化され得る。
【0048】
図1に示したように、シャフト126は、シャフト126の内部キャビティにおいて排煙チャネル148を含むことができる。排煙チャネル148は、電気手術電極128の遠位部分の中心軸線の周囲に円周方向に延びることができるスモーク入口も含むことができる。この配列において、排煙チャネルの煙入口は、ハウジング124に対する電気手術電極128および/または標的組織に対する電気手術装置112の全ての回転配列においてサージカルスモークを排煙チャネル148内に受け入れることを助けることができる。しかしながら、別の実施例において、排煙チャネル148は、電気手術電極128の周囲に円周方向に延びていない1つまたは複数のスモーク入口を含むことができる。
【0049】
幾つかの実施態様において、排煙チャネル148および光学構造142は同軸とすることができる。例えば、排煙チャネル148および光学構造142はそれぞれ、シャフト126の中心軸線と一致した長手方向軸線を有することができる。その他の実施態様において、排煙チャネル148および光学構造142は、排煙チャネル148および光学構造142が同軸ではないように互いに対してずれたそれぞれの長手方向軸線を有することができる。
【0050】
一実施例において、排煙チャネル148は、空隙によって光学構造142から離間した外側管を含むことができる。例えば、シャフト126は、外側管と光学構造142との間に空隙を提供するために光学構造142と排煙チャネル148の外側管との間に延びる複数のスタンドオフを含むことができる。1つの実施態様において、光学構造142は、光学構造142およびスタンドオフが単一のモノリシック構造として形成されるようにスタンドオフを含むことができる。別の実施態様において、スタンドオフは、排煙チャネル148の外側管と単一のモノリシック構造として形成することができる。別の実施態様において、スタンドオフは、排煙チャネル148の外側管および光学構造142とは別個のものとすることができる。
【0051】
一実施例において、シャフト126の排煙チャネル148はスモーク流路の第1の部分を画定しており、ハウジング124の内部ボア125はスモーク流路の第2の部分を画定している。
図2は、この実施例の実施態様による電気手術装置112の部分的な断面図を示す。この配列において、サージカルスモークは、手術部位からシャフト126の排煙チャネル148内へ受け入れられ、排煙チャネル148に沿ってハウジング124の内部ボア125へ近位に流れ得る。ハウジング124の内部ボア125において、スモークは、ハウジング124の近位端部に結合されかつスモークをハウジング124から吸引ポンプ146へ搬送するように構成されたスモーク管150へさらに流れ得る。
【0052】
別の実施例において、ハウジング124は、ハウジング124における排煙チャンバ152から内部ボア125を分離する内壁を含む。シャフト126の排煙チャネル148は、ハウジング124の排煙チャンバ152と流体連通している。この実施例において、シャフト126の排煙チャネル148は、スモーク流路の第1の部分を画定しており、ハウジング124の排煙チャンバ152は、スモーク流路の第2の部分を画定している。
図3は、本実施例の実施態様による電気手術装置112の部分的な断面図を示す。したがって、本実施例において、スモークは、内部ボア125とは別個の排煙チャンバ152を通って、ハウジング124の近位端部におけるスモーク管150へ送られる。これは、有利には、ハウジング124において電気手術装置112の1つまたは複数の構成要素をサージカルスモークに曝すことを軽減することを助けることができる。幾つかの実施態様において、別個の排煙チャンバ152を提供することは、追加的または代替的に、流路の第2の部分に沿ったガス流に対する障害物および障害を減じる(または排除する)ことによってサージカルスモークの流れを改善することを助けることができる。
【0053】
1つの実施態様において、排煙チャネル148の近位部分は、少なくとも1つの開口354を含み、ハウジング124の内壁は、少なくとも1つのスロットを含む。排煙チャネル148の少なくとも1つの開口354はハウジング124の内壁356の少なくとも1つのスロット358と整列させることができ、これにより、シャフト126の排煙チャネル148はハウジング124の排煙チャンバ152と流体連通している。シャフト126がハウジング124に対してテレスコープ式に移動するとき少なくとも1つの開口354は少なくとも1つのスロット358に沿って軸方向に可動であり、これにより、シャフト126がハウジング124に対してテレスコープ式に移動するときシャフト126の排煙チャネル148はハウジング124の排煙チャンバ152と流体連通している。
【0054】
一実施例において、少なくとも1つの開口354は複数の開口354を含み、少なくとも1つのスロット358は複数のスロット358を含む。また、本実施例において、各開口354は複数のスロット358のそれぞれ1つと整列させられており、シャフト126はハウジング124に対して回転可能であり、複数の開口354および複数のスロット358は、シャフト126がハウジング124に対して回転させられるときに排煙チャネル148と排煙チャンバ152との間の流体連通が維持されるように、シャフト126の周囲に沿って配置されている。1つの実施態様において、内壁356およびスロット358は、シャフト126および開口354と一緒に回転することができる。複数の開口354およびそれぞれのスロット358を提供することにより、開口354およびスロット358の少なくとも1つの対は、排煙チャンバ152と回転方向で整列させることができ、これにより、排煙チャネル148と排煙チャンバ152との間の流体連通を提供することができる。
【0055】
ここで
図4A~
図9を参照すると、一実施例による電気手術装置112の実施態様が示されている。
図4A~
図4Bに示したように、電気手術装置112はハウジング124を含み、シャフト126はハウジング124に結合されており、電気手術電極128はシャフト126に結合されている。ハウジング124は内部ボア125を画定しており、シャフト126はハウジング124の内部ボア125から遠位に延びている。また、
図4A~
図4Bにおいて、電気手術電極128の遠位部分128Aは、シャフト126から遠位に延びている。実施例において、電気手術電極128の遠位部分128Aは、電気手術エネルギーを組織に加えるように構成された作業端部を画定している。
【0056】
図4A~
図4Bにおいて、シャフト126は、ハウジング124から電気手術電極128の最も遠位の先端部までの距離を調整するためにハウジング124の内部ボア125においてテレスコープ式に可動である。例えば、
図4Aは、電気手術装置112の長手方向軸線に沿ったハウジング124に対する第1の位置におけるシャフト126を示しており、
図4Bは、電気手術装置112の長手方向軸線に沿ったハウジング124に対する第2の位置におけるシャフト126を示している。
図4A~
図4Bにおいて、第1の位置は第2の位置の近位にあり、これにより、第1の位置においてシャフト126はハウジング124における収縮位置にあり、第2の位置においてシャフト126はハウジング124から延長した位置にある。上記のように、ハウジング124に対してシャフト126をテレスコープ式に移動させることは、異なるサイズおよび/または形状の標的組織を処置するために電気手術装置の長さを調節することを容易にすることができる。しかしながら、上述のように、その他の実施例において、シャフト126がハウジング124に対して可動ではないようにシャフト126をハウジング124に固定して結合することができる。
【0057】
幾つかの実施例において、電気手術装置112は、ハウジング124の近位端部にカラー462を含む。カラー462は、シャフト126の外面とカラー462の内面との間の摩擦を増大および/または減少させるためにハウジング124に対して回転可能とすることができる。これにより、カラー462は、ハウジング124に対するシャフト126の軸方向のテレスコープ式移動を許容および/または阻止することができる。
【0058】
加えて、
図4A~
図4Bにおいて、シャフト126はハウジング124に対して回転方向で固定されており、電気手術電極128はハウジング124およびシャフト126に対して回転可能である。これは、設計を簡略化し、電気手術装置112の製造コストを削減することができる。例えば、ハウジング124、シャフト126および電気手術電極128のこの配列は、ハウジング導体134と、シャフト導体136と、電気手術電極128との間の電気的接続を簡略化することができる。追加的に、この配列は、ハウジング124に対するシャフト126のテレスコープ式移動中および/またはシャフト126およびハウジング124に対する電気手術電極128の回転中、電気接続に対する損傷を軽減することを助けることができる。
【0059】
図5~
図9は、上述のテレスコープ式移動および回転移動を容易にすることができる電気手術装置112の追加的な態様を示す。
図5は、ハウジング124の部分的に分解された図を示す。
図5に示したように、ハウジング124は、上側部分564Aと下側部分564Bとの間に内部ボア125を画定するために下側部分564Bに結合することができる上側部分564Aを含むことができる。概して、内部ボア25は、電気手術装置112の1つまたは複数の構成要素を収容することができるハウジング124内の空間とすることができる。
【0060】
ハウジング124の内部ボア125において、電気手術装置112は、ハウジング124の長手方向軸線に対して平行な方向(例えば、ハウジング124の近位端部124Aとハウジング124の遠位端部124Bとの間に延びる方向)に沿って延びるシャフトガイド566を含む。シャフトガイド566は、シャフト126の内部キャビティ568において延びるように構成されている。シャフト126の内部キャビティ568は、シャフト126の近位端部126Aとシャフト126の遠位端部126B(
図4A-
図4Bに示されている)との間に延びるボアとすることができる。これにより、内部キャビティ568は、シャフト126の内面によって画定することができる。
【0061】
図5に示したように、シャフトガイド566は、シャフト126とハウジング124との間の回転を防止することを支援するために非円形の断面形状を有することができる。例えば、シャフト126の内部キャビティ568において延びるシャフトガイド566の外面は、シャフト126の内部キャビティ568においてシャフト126の内面の非円形形状に係合する非円形形状を有することができる。この配列において、シャフト126は、近位方向および遠位方向に(例えば、ハウジング124の長手方向軸線に沿って)シャフトガイド566上を摺動することができるが、シャフト126は、(i)シャフト126の内部キャビティ568の内面と、(ii)シャフトガイド566の外面との間の係合により、シャフトガイド566に対して回転することを防止されている。
【0062】
また、
図5に示したように、シャフトガイド566は、ハウジング124に対して回転方向で固定されている。例えば、シャフトガイド566の一部は、対応する形状を有するハウジング124における構造に係合することができる非円形形状を有することができる。
図5において、例えば、シャフトガイド566の近位部分は、シャフトガイド566とハウジング124との間の回転を防止するために、ハウジング124の内壁(例えば、ハウジング124の上側部分564Aおよび/または下側部分564Bの内壁)に形成された六角形のソケットに係合する六角形特徴を有する。この配列において、シャフト126は、シャフト126とシャフトガイド566との間の第1の非回転係合およびシャフトガイド566とハウジング124との間の第2の非回転係合の結果として、ハウジング124に対して回転方向で固定されている。
【0063】
上記のように、電気手術電極128は、シャフト126に結合されており、電気手術電極128は、ハウジング124およびシャフト126に対して回転可能である。電気手術電極128のこのような回転を許容する形式で電気手術電極128をシャフト126に結合するための例示的な配列は、
図6~
図7に示されている。
図6は、
図4A~
図4Bに示した例示的な実施態様のためのハウジング124、シャフト126および電気手術電極128の遠位部分の断面図を示す。
図6は、ハウジング導体134の一部および実施例によるシャフト導体136の電気接点670も示す。
図7は、
図6に示された電気接点670の斜視図を示す。
【0064】
図6に示したように、シャフト126は、電気手術電極128の近位部分128Bに結合された電気接点670を含むことができる。特に、電気接点670は、電気手術電極128が電気接点670に対して回転可能であるように電気手術電極128の近位部分128Bに結合されている。この実施例において、電気手術電極128および電気接点670は、電気接点670に対する電気手術電極128の全ての回転位置において電気的に結合されている。
【0065】
実施例において、電気接点670は、電気手術電極128の近位部分128Bに摩擦式に係合することができ、これにより、(i)しきい値力よりも小さい力が電気手術電極128に加えられたときには電気接点670が電気接点670に対する電気手術電極128の回転を阻止し、(ii)しきい値力よりも大きい力が電気手術電極128に加えられたときには電気接点670が電気接点670に対する電気手術電極128の回転を許容する。しきい値力は、重力下のみでは電気手術電極128が自由に回転することを防止し、および/または組織を切断するおよび/または凝固させるために電気手術電極128が使用されるときに電気手術電極128が回転することを防止するように十分に大きい力の量とすることができる。しきい値力は、追加的または代替的に、別個の工具または器具を使用することなくユーザがハウジング124に対して電気手術電極128を手動で回転させることができるように十分に低い力の量とすることができる。
【0066】
電気手術電極128の近位部分128Bと電気接点670との間の摩擦係合を提供することを支援するために、電気接点670は、電気手術電極128の近位部分128Bの周囲の少なくとも半分にわたって延びていることができる。例えば、
図7において、電気接点670は、電気手術電極128の近位部分128Bの周囲の半分よりも多くにわたって延びておりかつ電気手術電極128の近位部分128Bに力を加えるように内方へ偏らされている一対のアーム671を含む。したがって、電気接点670によって加えられる力は、シャフト126およびハウジング124に対する電気手術電極128の回転を制御することを助けることができる。追加的に、この配列では、電気接点670のアーム671は、回転軸線(例えば、電気手術電極128の中心軸線)を中心に電気手術電極128が360度よりも多く回転することを許容することができる。
【0067】
電気接点670は、電気手術電極128をシャフト126の内部キャビティ568において軸方向で保持することを支援することもできる。例えば、電気手術電極128の近位部分128Bは、遠位方向へのシャフト126に対する電気手術電極128の軸方向移動を阻止または防止するように電気接点670に係合することができる第1の肩部772Aを含むことができる。追加的に、例えば、電気手術電極128の近位部分128Bは、近位方向へのシャフト126に対する電気手術電極128の軸方向移動を阻止するようにシャフト126のストッパ773に係合することができる第2の肩部772Bを含むことができる。
【0068】
幾つかの実施例において、第1の肩部772Aと電気接点670との間の係合は、電気手術電極128がシャフト126に固定して結合されるようにシャフト126からの電気手術電極128の取外しを阻止または防止することができる。代替的な実施例において、第1の肩部772Aと電気接点670との間の係合は、電気手術電極128が取り外され、別の電気手術電極128と交換されることを許容することができる。
【0069】
追加的に、
図6~
図7に示したように、電気接点670は、電気手術電極128の近位部分128Bに結合された第1の端部670Aと、ハウジング124内へ延びる第2の端部670Bとを含むことができる。
図6に示したように、第2の端部670Bは、ハウジング124の長手方向軸線に対して平行な方向にハウジング124に沿って延びるハウジング導体134に係合する。この実施例において、電気接点670の第2の端部670Bは、シャフト126がハウジング124に対してテレスコープ式に移動しながらハウジング導体134と係合したままであるように構成されている。例えば、電気接点670は、電気接点670がシャフト126とともにハウジング124に対して移動するようにシャフト126に固定して結合されている。この配列において、電気接点670の第2の端部670Bは、シャフト126がハウジング124に対して軸方向に移動することに応答して第2の端部670Bがハウジング導体134に沿って摺動する間、ハウジング導体134に連続的に係合し、電気的に結合されていることができる。これにより、電気接点670は、ハウジング124に対する電気手術電極128のあらゆる回転位置および/またはあらゆる軸方向位置において電気手術電極128に電気手術エネルギーを供給することを容易にすることができる。
【0070】
図6に示したように、シャフト126は、シャフト126の近位端部126Aからシャフト126の遠位端部126Bまで延びる排煙チャネル148を含むこともできる。例えば、
図4A、
図4Bおよび
図6において、電気手術電極128は、排煙チャネル148が電気手術電極128とシャフト126の内面との間に画定された間隙を含むことができるように、シャフト126の内部キャビティ568を通って延びている。例示された実施例において、シャフト126は、近位端部126Aと遠位端部126Bとの間に延びる中心軸線を有し、電気手術電極128は、シャフト126の中心軸線と同一線上にある中心軸線を有する。この配列において、排煙チャネル148は、電気手術電極18の周囲にわたって実質的に一定のサイズを有することができる。これは、電気手術電極128の周囲の各点において比較的一定の吸引力を提供することを助けることができる。しかしながら、その他の実施例において、電気手術電極128およびシャフト126の中心軸線は、互いに対してずれておりかつ平行とすることができる。
【0071】
図5を参照すると、シャフト126の近位端部126Aにおける内部キャビティ568は、排煙チャネル148(
図6に示されている)の近位端部を提供することができる。排煙チャネル148の近位端部は、ハウジング124の排煙チャンバ152と流体連通していることができる。例えば、
図5において、排煙チャンバ152は、シャフトガイド566におけるボア574と、シャフトガイド566の近位にあるハウジング124の内部ボア125の部分とを含むことができる。
【0072】
再び
図6を参照すると、電気手術装置122は、排煙チャネル148に流体結合することができる吸引スリーブ675を含むこともできる。
図6に示したように、吸引スリーブ675の遠位部分675Aはシャフト126の遠位端部126Bから遠位に延びていることができ、電気手術電極128は吸引スリーブ675を通って延びていることができる。特に、吸引スリーブ675は、電気手術電極128の遠位部分128Aの中心軸線の周囲に周方向に延びることができる煙入口を画定するように、電気手術電極128から間隔を置かれていることができる。
【0073】
一実施例において、吸引スリーブ675は、シャフト126に対する吸引スリーブ675の回転がシャフト126およびハウジング124に対する電気手術電極128の対応する回転を生じるように、電気手術電極128に対して回転方向で固定されていることができる。この配列において、ユーザは、ハウジング124に対して電気手術電極128を回転させるために吸引スリーブ675を使用することができる。これにより、有利には、ユーザが電気手術電極128に直接触れることを回避することができる。なぜならば、電気手術電極128は、使用後および使用中、比較的高温である場合があるからである。追加的に、電気手術電極128に直接触れることは、電気手術電極128のコーティングに悪影響を及ぼす場合があるため、吸引スリーブ675は、電気手術電極128の構造的一体性および動作的性能を維持することを助けることができる。
【0074】
図6において、吸引スリーブ675は1つまたは複数の歯676を含み、電気手術電極128は1つまたは複数のスロット677を含む。吸引スリーブ675の1つまたは複数の歯676のそれぞれは、吸引スリーブ675の回転に応答して電気手術電極128を回転させるために1つまたは複数の歯676が1つまたは複数のスロット677に係合するように、1つまたは複数のスロット677のそれぞれに1つずつ入っている。しかしながら、別の実施例において、吸引スリーブ675が1つまたは複数のスロット677を含むことができ、電気手術電極128が1つまたは複数の歯676を含むことができる。
【0075】
幾つかの実施例において、吸引スリーブ675は、吸引スリーブ675と電気手術電極128の最も遠位の先端部との間の距離を調整するためにシャフト126の内部キャビティ568においてテレスコープ式に可動とすることができる。例えば、1つまたは複数の歯676のそれぞれは、吸引スリーブ675がシャフト126および/または電気手術電極128に対してテレスコープ式に移動することに応答して1つまたは複数のスロット677のそれぞれと1つずつ長手方向で摺動するように構成することができる。このテレスコープ式配列において、吸引スリーブ675は、露出させられる電気手術電極128の遠位部分128Aの範囲を調整するためにシャフト126および電気手術電極128に対して移動することができる。特に、吸引スリーブ675は、(i)電気手術電極128のより大きな範囲を露出させかつ手術部位における視認性を高めるためにシャフト126の遠位端部126Bに向かって移動させられ、(ii)電気手術電極128のより少ない範囲を露出させかつ手術部位において比較的より大きい量の煙を捕捉するようにシャフト126の遠位端部126Bから離れるように移動させられ得る。
【0076】
吸引スリーブ675がシャフト126および/または電気手術電極128に対してテレスコープ式に可動であることは有利である可能性があるが、その他の実施例では吸引スリーブ675はシャフト126および/または電気手術電極128に対して軸方向に固定され得る。
【0077】
一実施例において、吸引スリーブ675は、電気手術電極が吸引スリーブを通して見えるように実質的に透明とすることができる。これは、電気手術電極128の可視性を高めることを助けることができる。しかしながら、その他の実施例において、吸引スリーブ675は不透明材料から形成することができる。
【0078】
図8は、シャフト126の内部キャビティ568に配置された光学構成要素を示すために上側部分が取り外されたシャフト126の遠位部分を示す。
図6および
図8に示したように、電気手術装置112は、シャフト126の内部キャビティ568において光源140を含むこともできる。光源140は、シャフト126の遠位端部126Bに向かう方向に光を放出するように構成されている。この実施例において、光源140は、電気手術電極128の周囲に沿って互いに等しく間隔を置かれた3つの光源(例えば、LED)を含むLED PCBである。電気手術電極128の周囲に沿って配置された少なくとも3つの光源を提供することは、ハウジング124に対する電気手術電極128および/または標的組織に対する電気手術装置112の全ての回転配列において、影を軽減し、照明のより高い均一性を提供することを助けることができる。
図8において光源140は3つの光源を含むが、光源140は、その他の実施例において異なる量の光源を含むことができる。
【0079】
追加的に、電気手術装置112は、光を光源140から遠位方向へ伝送し、光をシャフト126の遠位端部126Bから放出するように構成された光学レンズ678を含むことができる。一実施例として、光学レンズ678は、3つの放物面レンズを含むことができ、各放物面レンズは、光源のそれぞれ1つと整列させることができる。光学レンズ678の放物面レンズは、軸外光(例えば、シャフト126の長手方向軸線に対して横方向の光)をシャフト126の遠位端部126Bに向かって方向付けるように構成することができる。その他の実施例において、電気手術装置112は、上述のように、光学レンズ678に加えてまたは代えて、別の光学構造142を含むことができる。代替的に、電気手術装置112は、上述のように、光学構造142を省略することができる。
【0080】
図8に示したように、電気手術電極128は、光学レンズ678における開口および光源140における開口を通って延びていることができる。これは、電気手術電極128の全周にわたって光を分散させることを助けることができ、これは、ハウジング124に対する電気手術電極128および/または標的組織に対する電気手術装置112の全ての回転配列において、影を軽減し、照明のより高い均一性を提供することを助けることができる。しかしながら、その他の実施例において、光学レンズ678は、シャフト126の遠位端部126Bにおいて電気手術電極128の周囲に全体的に延びていなくてもよく、かつ/または光学レンズ649は、シャフト126および/またはハウジング124上の異なる位置にあることができる。
【0081】
追加的に、
図8において、吸引スリーブ675は、光学レンズ678における開口および光源140における開口を通って延びていることができる。これは、吸引スリーブ675の断面寸法を減じ、これにより、(光源140および/または光学レンズ678が吸引スリーブ675の開口にある場合と比較して)電気手術電極128の見通し線を改善することを助けることができる。
【0082】
図8に示したように、電気手術装置112は、光源140の近位側に結合されたヒートシンク680を含むこともできる。これは、光源140、ひいては電気手術装置112の温度を低下させることを助けることができる。
【0083】
一実施例において、光源140、光学レンズ678および/またはヒートシンク680は、シャフト126に固定して結合することができる。この配列において、電気手術電極128および吸引スリーブ675は、光源140、光学レンズ678および/またはヒートシンク680に対して回転可能とすることができる。例えば、光源140、光学レンズ678および/またはヒートシンク680における開口は、電気手術電極128および吸引スリーブ675が開口において回転することを許容するサイズおよび/または形状(例えば、円形形状)を有することができる。追加的に、この配列において、光源140、光学レンズ678およびヒートシンク680は、シャフト126と一緒にハウジング124に対してテレスコープ式に可動とすることができる。
【0084】
上記のように、ハウジング導体134およびシャフト導体136は、光源140をDC電源144に電気的に結合することを提供することができる。
図9は、一実施例による、DC電力を光源140に供給するためのハウジング導体134およびシャフト導体136を示すために構成要素が除去された、
図4A~
図8の電気手術装置112を示す。
図9に示したように、シャフト126は、シャフト126がハウジング124に対して軸方向にテレスコープ式に移動する間、ハウジング124における対応する導電体934A、934Bに摺動可能に係合する、正側導電体936Aおよび負側導電体936Bを含むことができる。
【0085】
図4A~
図5および
図9に示したように、ユーザ入力装置130は、ハウジング124の外面に第1のボタン430Aおよび第2のボタン430Bを含む。1つの実施態様において、第1のボタン430Aは、電気手術装置122を切断動作モードで動作させるように作動させることができ、第2のボタン430Bは、電気手術装置122を凝固動作モードで動作させるように作動させることができる。この実施例において、第3のボタン(図示せず)を電源コード122のプラグおよび/または電気手術発電機110に設けることができ、第3のボタンは、光源140を動作させるために(すなわち、光源140に光を放出させるまたは光の放出を停止させるために)作動させることができる。上述のように、ユーザ入力装置130は、その他の実施例では異なるように構成することができる。例えば、電気手術装置112は、より少ない量の動作モードにおいて、より多い量の動作モードにおいて、および/またはその他の実施例における異なるタイプの動作モード(例えば、上述の例示的な動作モードなど)において動作可能とすることができる。追加的に、例えば、少なくとも1つのユーザ入力装置130は、追加的または代替的に、電気手術発電機110のユーザインターフェース116および/または1つまたは複数の動作モードにおいて電気手術装置112を動作させるための別の外部装置(例えば、フットスイッチ)を含むことができる。また、例えば、ハウジング124におけるユーザ入力装置130は、光源140を操作するための第3のボタンを含むことができる。
【0086】
ここで
図10~
図15を参照すると、別の実施例による電気手術装置112の実施態様が示されている。
図10は、実施例による電気手術装置112の斜視図を示す。
図11は、実施例による電気手術装置の長手方向軸線1082に沿って見た電気手術装置112の断面図を示す。
【0087】
図10~
図11に示したように、電気手術装置112は、内部ボア125を画定するハウジング124と、ハウジング124の内部ボア125から遠位に延びるシャフト126と、シャフト126の内部キャビティ1068における排煙チャネル148とを含む。シャフト126は、シャフト126の近位端部126Aとシャフト126の遠位端部126Bとの間に延びる長手方向軸線1082を有する。追加的に、電気手術電極128は、シャフト126の遠位端部126Bから遠位に延びている。
【0088】
一実施例において、シャフト126は、ハウジング124から電気手術電極128の最も遠位の先端部までの距離を調節するためにハウジング124の内部ボア125においてテレスコープ式に可動とすることができる。上記のように、ハウジング124に対してシャフト126をテレスコープ式に移動させることは、異なるサイズおよび/または形状の標的組織を処置するために電気手術装置の長さを調節することを容易にすることができる。しかしながら、上述のように、シャフト126は、その他の実施例においてシャフト126がハウジング124に対して可動ではないようにハウジング124に固定して結合することができる。
【0089】
幾つかの実施例において、電気手術装置112は、ハウジング124の近位端部においてカラー1062を含むことができる。カラー1062は、シャフト126の外面とカラー1062の内面との間の摩擦を増大および/または低減するためにハウジング124に対して回転可能とすることができる。これにより、カラー1062は、ハウジング124に対するシャフト126の軸方向のテレスコープ式移動を許容および/または阻止する。
【0090】
追加的に、
図10~
図11において、シャフト126はハウジング124に対して回転可能であり、排煙チャネル148は、ハウジング124に対して回転方向で固定されている。追加的に、以下でさらに詳細に説明するように、電気手術装置112は、光源140および光学レンズ1078をさらに含むことができ、これらは両方ともハウジング124に対して回転方向で固定されていることができる。排煙148、光源140および/または光学レンズ1078を回転方向で固定しながらシャフト126と一緒に電気手術電極128の回転を提供することは、設計を簡略化しかつ/または電気手術装置112の製造コストを削減することを助けることができる。
【0091】
電気手術装置112のこれらの構成要素の回転配列は、少なくとも部分的に、電気手術電極128がシャフト126の遠位端部126Bから遠位に延びている結果として達成することができ、これにより、(i)シャフト126は、電気手術電極128へ電気手術エネルギーを伝導し、(ii)ハウジング124に対するシャフト126の回転が、ハウジング124に対する電気手術電極128の対応する回転を生じる。例えば、少なくともシャフト126の一部は、シャフト126が、電気手術エネルギーを電気手術電極128に供給するためのシャフト導体136であるように、導電性材料から形成することができる。1つの実施態様において、シャフト126は、全体的に導電性材料から形成することができる(例えば、シャフト126は、金属から形成された管状構造とすることができる)。別の実施態様において、導電性部分が電気手術電極128に電気手術エネルギーを伝導するように構成されている限り、シャフト126は、導電性部分および絶縁体部分を含むことができる。
【0092】
一実施例において、電気手術電極128およびシャフト126は、単一部分のモノリシック構造として形成されている。これは、電気手術電極128を別の電気手術電極128と交換することができないように電気手術電極128がシャフト126に永久に固定されている実施態様において有利である可能性がある。別の実施例において、電気手術電極128およびシャフト126は、(例えば、溶接、はんだ付けおよび/または摩擦ばめ結合によって)互いに結合された別個の構成要素とすることができる。電気手術電極128およびシャフト126が別個の構成要素である幾つかの実施態様において、電気手術電極128はシャフト126から取外し可能であり、別の電気手術電極128と交換することができる。その他の実施態様において、電気手術電極128は、電気手術電極128を別の電気手術電極128と交換することができないようにシャフト126に永久に固定することができる。
【0093】
図10~
図11において、シャフト126は、導電性部分126Cおよび絶縁体部分126Dを含む。上記のように、電気手術電極128は、シャフト126の導電性部分126Cから延びていることができる。シャフト126の絶縁体部分126Dは、電気手術電極128とシャフト126の導電性部分126Cとの間のインターフェースを覆うことができる。この配列において、絶縁体部分126Dは、アーク放電を軽減することを助けかつ/または電気手術電極128に電気手術エネルギーを供給することを助けることができる。追加的に、シャフト126は、アーク放電を軽減しかつ/または電気手術電極128に電気手術エネルギーを供給することを助けるためにシャフト126の導電性部分126Cの残り(例えば、シャフト126の絶縁体部分126Dによって覆われていない部分)を覆う絶縁体材料126Eの層を含むことができる。
【0094】
ここで
図12を参照すると、一実施例による、長手方向軸線1082に沿って見たシャフト126の遠位端部126Bおよび電気手術電極128の断面の拡大図が示されている。
図12に示したように、電気手術電極128の遠位部分128Aは、組織に電気手術エネルギーを加えるように構成された作業端部を画定していることができる。電気手術電極128の近位部分128Bは、シャフト126の遠位端部126Bから延びる第1の脚部1284Aと、シャフト126の伝導性部分126Cの遠位端部から延びる第2の脚部1284Bとを含むことができる。
【0095】
図12において、第1の脚部1284Aおよび第2の脚部1284Bは、シャフト126の遠位端部126Bの周囲に沿って互いに直径方向で向き合っている。追加的に、電気手術電極128の近位部分128Bの近位側に面した面1285は、近位側に面した面1285とシャフト126の最も遠位の端部における平面1287との間に間隙1286を画定するように、遠位方向でシャフト126の中心軸線に向かう先細形状とすることができる。間隙1286は、シャフト126の遠位端部126Bにおける空気流および吸引力を高めることを助けることができる。
【0096】
再び
図11を参照すると、シャフト126は、ハウジング124の(
図10に示したように)長手方向軸線1082に対して平行な方向へハウジング124に沿って延びるハウジング導体134に係合する電気接点1170を含むことができる。電気接点1170は、シャフト126がハウジング124に対してテレスコープ式に移動する間、ハウジング導体134と係合したままであるように構成することができる。例えば、電気接点1170は、電気接点1170がシャフト126とともにハウジング124に対して移動するようにシャフト126に固定して結合されている。この配列において、電気接点1170は、シャフト126がハウジング124に対して軸方向に移動することに応答して電気接点1170がハウジング導体134に沿って摺動する間、ハウジング導体134に連続的に係合し、電気的に結合され得る。
【0097】
追加的に、電気接点1170は、ハウジング124に対するシャフト126および電気手術電極128の全ての回転位置において電気接点1170がハウジング導体134と係合したままとすることができるように、シャフト126の周囲に沿って延びていることができる。これにより、電気接点1170は、ハウジング124に対する電気手術電極128のあらゆる回転位置および/またはあらゆる軸方向位置において電気手術電極128に電気手術エネルギーを供給することを容易にすることができる。
【0098】
一実施例において、シャフト126および電気手術電極128は、ハウジング124に対して360度よりも多く回転可能とすることができる。この実施例において、電気接点1170は、シャフト126の全周にわたって延びていることができる。別の実施例において、シャフト126および電気手術電極128は、ハウジング124に対して360度未満だけ回転可能とすることができる。このような実施例において、電気接点1170は、シャフト126および電気手術電極128がハウジング124に対して占めることができる回転位置の全範囲にわたってシャフト126とハウジング導体134との間に電気結合を維持するために十分なシャフト126の周囲の少なくとも一部にわたって延びていることができる。
【0099】
上記のように、電気手術電極128は、シャフト126の遠位端部から延びる近位部分128Bと、組織に電気手術エネルギーを加えるように構成された作業端部を備える遠位部分128Aとを含むことができる。
図10~
図12において、電気手術電極128の遠位部分128Aの中心軸線および排煙チャネル148の中心軸線は、同一線上にある。この配列において、排煙チャネル148は、電気手術電極128の周囲に沿って実質的に一定のサイズを有することができる。これは、電気手術電極128の周囲の各点において比較的一定の吸引力を提供することを助けることができる。しかしながら、その他の実施例において、電気手術電極128およびシャフト126の中心軸線は、互いに対してずれておりかつ平行とすることができる。
【0100】
追加的に、
図10~
図12に示したように、排煙チャネル148は、排煙チャネル148の近位端部148Aと排煙チャネル148の遠位端部148Bとの間に他の構造が存在しない空間を画定することができる。これは、電気手術電極128および/またはその他の構成要素が排煙チャネル148に配置されているその他の実施態様と比較して、排煙チャネル148を介した吸引力を高めるために比較的制限されたサイズの内部キャビティ1068をより効率的に使用することを提供することができる。
【0101】
追加的に、上記のように、排煙チャネル148は、シャフト126および電気手術電極128が排煙チャネル148に対して回転可能であるように、ハウジング124に対して回転方向で固定することができる。
図13~
図14は、一実施例による排煙チャネル148およびシャフト126を示す。
図11および
図13~
図14に示したように、排煙チャネル148の少なくとも一部は、シャフト126および電気手術電極128がハウジング124に対して回転する間、ハウジング124に対する排煙チャネル148の回転を阻止するために非円形形状を有することができる。
【0102】
例えば、排煙チャネル148の近位端部148Aは、ハウジング124における対応する形状の構造と係合するように構成された非円形フィッティングを含むことができ、非円形フィッティングは、非円形断面形状を有することができる。
図11および
図13において、例えば、排煙チャネル148の近位端部148Aは、排煙チャネル148とハウジング124との間の回転を防止するためにハウジング124の内壁に形成された六角形のソケットに係合する六角形特徴を有する。追加的に、
図14に示したように、排煙チャネル148に対するシャフト126の回転を提供するためにシャフト126と排煙チャネル148との間に間隙を画定することができる。
【0103】
図13に示したように、排煙チャネル148の近位端部148Aにおける非回転フィッティングは、非回転フィッティングの近位にある、排煙チャネル148の本体148Cの断面積よりも小さい断面積を有する貫通ボア1374を含むことができる。貫通ボア1374の比較的より小さなサイズは、煙が排煙チャネル148の近位端部148Aから出るときに煙を比較的より小さな体積の空間内へ方向付けることを支援することができる。これは、有利には、ハウジング124の内部ボア125における電気構成要素をスモークに曝すことを低減または防止することを助けることができる。
【0104】
図11に示したように、電気手術装置112は、光源140、光学レンズ1178および/またはヒートシンク1180も含むことができる。
図11および
図15に示したように、光源140は、シャフト126の内部キャビティ1068にあることができる。上記のように、光源140は、シャフト126の遠位端部126Bに向かう方向へ光を放出するように構成されている。
【0105】
図15は、一実施例による、光源140と、光学レンズ1078と、排煙チャネル148におけるヒートシンク1080とのアセンブリの部分的に分解された図を示す。この実施例において、光源140は、電気手術電極128の周囲に互いに等しい間隔を置かれた3つの光源(例えば、LED)を含むLED PCBである。電気手術電極128の周囲に配置された少なくとも3つの光源を提供することは、ハウジング124に対する電気手術電極128および/または標的組織に対する電気手術装置112の全ての回転配列において、影を軽減し、照明のより高い均一性を提供することを助けることができる。光源140は、
図11および
図15において3つの光源を含むが、光源140は、その他の実施例において異なる量の光源を含むことができる。
【0106】
追加的に、上記のように、光学レンズ1078は、光を光源140から遠位方向へ伝送し、光をシャフト126の遠位端部126Bから放出するように構成することができる。一実施例として、光学レンズ1078は、3つの放物面レンズを含むことができ、各放物面レンズは、光源のそれぞれ1つと整列させることができる。光学レンズ1078の放物面レンズは、軸外光(例えば、シャフト126の長手方向軸線に対して横方向の光)をシャフト126の遠位端部126Bに向かって方向付けるように構成することができる。その他の実施例において、電気手術装置112は、上述のように、光学レンズ1078に加えてまたは代えて、別の光学構造142を含むことができる。代替的に、電気手術装置112は、上述のように光学構造142を省略することができる。
【0107】
図15に示したように、排煙チャネル148は、光学レンズ1067における開口および光源140における開口を通って延びることができる。これは、排煙チャネル148をシャフト126の中心に配置することを助けることができ(例えば、排煙チャネル148の中心軸線およびシャフト126の中心軸線は同一線上にあることができる)、これは、手術部位における吸引力を高めることができる。追加的に、これは、電気手術電極128の全周にわたって光を分散させることを助けることができ、これは、ハウジング124に対する電気手術電極128および/または標的組織に対する電気手術装置112の全ての回転配列において、影を軽減し、照明のより高い均一性を提供することを助けることができる。
【0108】
一実施例において、光源140、光学レンズ1078および/またはヒートシンク1080は、ハウジング124に固定して結合することができる。この配列において、シャフト126および電気手術電極128は、光源140、光学レンズ1078および/またはヒートシンク1080を中心に回転することができる。例えば、光源140、光学レンズ1078および/またはヒートシンク1080は、シャフト126および電気手術電極128がハウジング124に対して回転する間、ハウジング124に対する光源140、光学レンズ1078および/またはヒートシンク1080の回転を阻止するために排煙チャネル148の本体148Cの非円形形状と係合することができる非円形形状を有することができる。
図15において、非円形形状は楕円形である。しかしながら、光源140、光学レンズ1078、ヒートシンク1080および/または排煙チャネル148は、その他の実施例においてその他の非円形形状を有することができる。
【0109】
追加的に、この配列において、光源140、光学レンズ678およびヒートシンク680は、シャフト126と一緒にハウジング124に対してテレスコープ式に可動とすることができる。上記のように、ハウジング導体134およびシャフト導体136は、このようなテレスコープ式移動の間に光源140をDC電源144に電気的に結合することを提供することができる。
図15に示したように、シャフト126は、シャフト126がハウジング124に対して軸方向にテレスコープ式に移動する間、ハウジング124における対応する電気導体に摺動可能に係合する、正側導電体1536Aおよび負側導電体1536Bを含むことができる。
【0110】
ここで
図16を参照すると、実施例による電気手術装置を操作するプロセス1600のフローチャートが示されている。
図16に示したように、ブロック1610において、プロセス1600は電気手術装置を提供することを含む。電気手術装置は、内部ボアを画定するハウジングと、ハウジングに結合されたシャフトと、シャフトに結合された電気手術電極とを含む。シャフトは、ハウジングの内部ボアから遠位に延びている。シャフトは、ハウジングに対して回転方向で固定されている。シャフトは、シャフトの近位端部からシャフトの遠位端部まで延びる排煙チャネルを含む。電気手術電極の遠位部分は、シャフトから遠位に延びている。電気手術電極は、ハウジングおよびシャフトに対して回転可能である。
【0111】
ブロック1612において、プロセス1600は、ハウジングおよびシャフトに対して電気手術電極を回転させることを含む。ブロック1614において、プロセス1600は、電気手術電極に電気手術エネルギーを供給することを含むことができる。
【0112】
図17~
図30は、さらなる実施例によるプロセス1600の追加的な態様を示す。
図17に示したように、プロセス1600は、ブロック1616においてハウジングから電気手術電極の最も遠位の先端部までの距離を調節するためにハウジングの内部ボアにおいてテレスコープ式に可動なシャフトをテレスコープ式に移動させることを含むことができる。
【0113】
図18に示した実施例において、電気手術装置は、さらに、排煙チャネルに流体結合された吸引スリーブを含み、吸引スリーブの遠位部分はシャフトの遠位端部から遠位に延びており、電気手術電極は吸引スリーブを通って延びている。
図18に示したように、プロセス1600は、ブロック1618において排煙チャネルに吸引力を加えることを含むことができる。
【0114】
図19に示した実施例において、吸引スリーブは、電気手術電極の遠位部分の中心軸線を中心に周方向に延びることができるスモーク入口を画定するために、電気手術電極から間隔を置かれている。
図19に示したように、ブロック1618において排煙チャネルに吸引力を加えることは、ブロック1620において電気手術電極の周囲のスモーク入口を通じてスモークを排出することを含むことができる。
【0115】
図20に示した実施例において、吸引スリーブは、電気手術電極に対して回転方向で固定されている。
図20に示したように、ブロック1612においてハウジングおよびシャフトに対して電気手術電極を回転させることは、ブロック1622においてシャフトに対して電気手術電極の対応する回転を生じるためにシャフトに対して吸引スリーブを回転させることを含むことができる。
【0116】
図21に示したように、ブロック1622においてシャフトに対して吸引スリーブを回転させることは、ブロック1624において吸引スリーブの1つまたは複数の歯を電気手術電極の1つまたは複数のスロットに係合させることを含むことができる。
【0117】
図22に示したように、プロセス1600は、ブロック1626において吸引スリーブと電気手術電極の最も遠位の先端部との間の距離を調節するためにシャフトの内部キャビティにおいて吸引スリーブをテレスコープ式に移動させることを含むことができる。
【0118】
図23に示したように、プロセス1600は、ブロック1628において、実質的に透明な吸引スリーブを通じて電気手術電極を観察することを含むことができる。
【0119】
図24に示したように、ブロック1612においてハウジングおよびシャフトに対して電気手術電極を回転させることは、ブロック1630において電気接点に対して電気手術電極を回転させながらシャフトの電気接点に対する電気手術電極の全ての回転位置において電気手術電極の近位部分とシャフトの電気接点とを電気的に結合することを含むことができる。
【0120】
図25に示したように、プロセス1600は、ブロック1632において、電気手術電極の近位部分と電気接点とを摩擦により係合させ、これにより、(i)しきい値力よりも小さい力が電気手術電極に加えられたとき、電気接点は、電気接点に対する電気手術電極の回転を阻止し、(ii)しきい値力よりも大きい力が電気手術電極に加えられたとき、電気接点は、電気接点に対する電気手術電極の回転を許容する。
【0121】
図26に示したように、プロセス1600は、ブロック1634においてシャフトに対する電気手術電極の軸方向移動を阻止するために電気手術電極の近位部分の肩部をシャフトのストッパに係合させることを含む。
【0122】
図27に示したように、プロセス1600は、ブロック1636において、シャフトの内部キャビティにおける光源によって、光をシャフトの遠位端部に向かう方向へ放出することを含む。
【0123】
図28に示したように、プロセス1600は、ブロック1638において光学レンズによって光を光源から遠位方向へ伝送し、光をシャフトの遠位端部から放出することを含むことができる。電気手術電極は、光学レンズにおける開口および光源における開口を通って延びることができる。
【0124】
図29に示したように、プロセス1600は、ブロック1640において、シャフトをハウジングに対して軸方向にテレスコープ式に移動させることを含むことができ、シャフトは、正側導電体および負側導電体を含む。また、
図29において、プロセス1600は、ブロック1642において、シャフトをハウジングに対して軸方向にテレスコープ式に移動させながら、(i)正側導電体および負側導電体を(ii)ハウジングにおける複数の導電体に摺動可能に係合させることを含むことができる。
【0125】
図30に示したように、ブロック1612においてハウジングおよびシャフトに対して電気手術電極を回転させることは、ブロック1644においてハウジングおよびシャフトに対して電気手術電極を360度よりも多く回転させることを含むことができる。
【0126】
ここで
図31を参照すると、別の実施例による、電気手術装置を操作するプロセス3100のフローチャートが示されている。
図31に示したように、プロセス3100は、ブロック3110において、電気手術装置を提供することを含むことができる。電気手術装置は、内部ボアを画定するハウジングと、ハウジングの内部ボアから遠位に延びるシャフトと、シャフトの内部キャビティにおける排煙チャネルと、シャフトの遠位端部から遠位に延びる電気手術電極とを含む。シャフトはハウジングに対して回転可能である。シャフトは、シャフトの近位端部とシャフトの遠位端部との間に延びる長手方向軸線を有する。排煙チャネルは、ハウジングに対して回転方向で固定されている。電気手術電極は、シャフトに電気的に結合されている。
【0127】
プロセス3100は、ブロック3112においてハウジングに対する電気手術電極の対応する回転を生じるためにハウジングに対してシャフトを回転させることも含む。プロセス3100は、さらに、ブロック3114において電気手術エネルギーをシャフトから電気手術電極に供給することを含む。
【0128】
図32~
図40は、さらなる実施例によるプロセス3100の追加的な態様を示す。
図32に示したように、プロセス3100は、ブロック3116において排煙チャネルに吸引力を加えることを含むことができる。
【0129】
図33に示したように、ブロック3116において排煙チャネルに吸引力を加えることは、ブロック3118において、排煙チャネルを通じてスモークを排出することを含むことができ、排煙チャネルは、排煙チャネルの近位端部と排煙チャネルの遠位端部との間に他の構造が存在しない空間を画定している。
【0130】
図34に示したように、ブロック3118において排煙チャネルを通じてスモークを排出することは、(i)ブロック3120において排煙チャネルの本体を通じてスモークを排出し、(ii)ブロック3120において排煙チャネルの本体を通じてスモークを排出した後、ブロック3122においてハウジングにおける対応する形状の構造に係合する非回転フィッティングの貫通ボアを通じてスモークを排出することを含むことができる。
図34において、貫通ボアは、非回転フィッティングの近位にある排煙チャネルの本体の断面積よりも小さい断面積を有することができる。
【0131】
図35に示したように、プロセス3100は、ブロック3124においてハウジングから電気手術電極の最も遠位の先端部までの距離を調節するためにハウジングの内部ボアにおいてシャフトをテレスコープ式に移動させることを含むことができる。
【0132】
図36に示したように、ブロック3112においてハウジングに対して電気手術電極の対応する回転を生じるためにハウジングに対してシャフトを回転させることは、ブロック3126においてシャフトおよび電気手術電極をハウジングに対して360度よりも多く回転させることを含むことができる。
【0133】
図37に示したように、プロセス3100は、ブロック3128において、シャフトの内部キャビティにおける光源を使用して、シャフトの遠位端部に向かう方向へ光を放出することを含むことができる。
【0134】
図38に示したように、プロセス3100は、ブロック3130において、光学レンズによって光を光源から遠位方向へ伝送し、光をシャフトの遠位端部から放出することを含むことができる。
図38において、排煙チャネルは、光学レンズにおける開口および光源における開口を通って延びることができる。
【0135】
図39に示したように、プロセス3100は、ブロック3132においてハウジングに対してシャフトを軸方向にテレスコープ式に移動させることを含むことができる。排煙チャネルは、正側導電体および負側導電体を含むことができる。また、
図38に示したように、プロセス3100は、ブロック3132においてハウジングに対してシャフトを軸方向にテレスコープ式に移動させながら、ブロック3134において(i)正側導電体および負側導電体を(ii)ハウジングにおける複数の導電体に摺動可能に係合させることを含むことができる。
【0136】
図40に示したように、プロセス3100は、ブロック3136においてハウジングに対してシャフトを軸方向にテレスコープ式に移動させることを含むことができる。
図40において、シャフトは、ハウジングの長手方向軸線に対して平行な方向にハウジングに沿って延びるハウジング導体に係合する電気接点を含むことができる。また、
図40において、プロセス40は、3138においてシャフトがハウジングに対してテレスコープ式に移動しながら電気接点をハウジング導体に連続的に係合させることを含むことができる。
【0137】
異なる有利な配列の説明は、例示および説明の目的で提示されており、包括的であることまたは開示された形態における実施例に限定されることは意図されていない。多くの修正および変更が当業者に明らかになるであろう。さらに、異なる有利な実施例は、その他の有利な実施例と比較して異なる利点を説明する場合がある。選択された1つまたは複数の実施例は、実施例の原理、実用的な用途を説明し、考えられる特定の使用に適したものとして様々な修正を備える様々な実施例のための開示を他の当業者が理解することができるように、選択および説明されている。
【0138】
また、説明された本発明の変化態様のあらゆる選択的な特徴は、独立して、または本明細書に説明された特徴のうちのいずれか1つまたは複数と組み合わせて示されかつ請求される場合があると考えられる。同様に、単数形のアイテムに言及することは、複数の同じアイテムが存在する可能性を含む。より具体的には、本明細書および添付の請求項において使用される場合、単数形の「a」、「および」、「前記」および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを規定しない限り複数の引用物を含む。さらに、請求項は、あらゆる選択的な要素を排除するように書かれる場合があることに留意されたい。これにより、この記述は、請求項要素の引用に関連した「solely」、「only」などのこのような排他的用語の使用、または「負の」限定の使用のための先行詞として機能することが意図されている。本明細書において別段の定めがない限り、本明細書において使用される全ての技術的および化学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本願の広さは、主題明細書によって限定されるのではなく、採用された請求項用語の単純な意味によってのみ限定される。
【国際調査報告】