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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-29
(54)【発明の名称】発電システム
(51)【国際特許分類】
   F03G 7/00 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
F03G7/00 G
F03G7/00 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515807
(86)(22)【出願日】2021-08-13
(85)【翻訳文提出日】2023-03-16
(86)【国際出願番号】 TR2021050807
(87)【国際公開番号】W WO2022060326
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】2020/14603
(32)【優先日】2020-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523084938
【氏名又は名称】アールイーピージー エネルジ システムレリ サナイ ヴェ ティカレット アノニム シルケティ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】アヤルテュルク,ハサン
(57)【要約】
本発明は発電機(170)を備えるシステム(100)であり、発電機(170)は、異なる密度を有する、第1の体積に取得された液体と、第2の体積に取得された液体との間に設けられた浸透膜によって、一方の液体から他方の液体までの溶媒通路を提供し、溶媒通路に発生する液体の圧力の増加をもたらし、生じた圧力から発電をもたらす。したがって、主題のシステム(100)は、システム(100)の中に収容された液体の蒸気圧と、空気の蒸気圧との均等化をもたらすために具体化された第1の再生ユニット(110)及び第2の再生ユニット(120)と;、時間帯によって、第2の再生ユニット(120)によって取得された液体を移送するために、第2の再生ユニット(120)に油圧で接続された保持チャンバー(150)と;、バルブユニット(140)であって、該第1の再生ユニット(110)及び発電機(170)の第1の体積が油圧で接続され、保持チャンバー(150)及び発電機(170)の第2の体積は選択的に油圧で接続される、第1の動作モード(I)と、第1の再生ユニット(110)及び発電機(170)の第2の体積が油圧で接続され、保持チャンバー(150)及び発電機(170)の第1の体積が油圧で接続される、第2の動作モード(II)と、で動作する、バルブユニット(140)と;、第1の再生ユニット(110)とバルブユニット(140)との間に設けられた第1の密度センサー(131)と、保持チャンバー(150)とバルブユニット(140)との間に設けられた第2の密度センサー(132)と;、該第1の密度センサー(131)及び該第2の密度センサー(132)によって作られた測定値を取得し、バルブユニット(140)の動作を制御するように構成された制御ユニット(130)と;、を備え、該制御ユニット(130)は、取得された測定値に従って、高密度を有する液体を決定し、状況に応じて、バルブユニット(140)の動作モードを決定するように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電機(170)を備えるシステム(100)であって、前記発電機(170)は、異なる密度を有する、第1の体積に取得された液体と、第2の体積に取得された液体との間に設けられた浸透膜によって、一方の液体から他方の液体までの溶媒通路を提供し、前記発電機(170)は、前記溶媒通路に発生する液体の圧力の増加をもたらし、前記発電機(170)は前記生じた圧力から発電をもたらし、
前記主題のシステム(100)は、前記システム(100)の中に収容された液体の蒸気圧と、空気の蒸気圧との均等化をもたらすために具体化された第1の再生ユニット(110)及び第2の再生ユニット(120)と、
時間帯によって、前記第2の再生ユニット(120)によって取得された液体を移送するために、前記第2の再生ユニット(120)に油圧で接続された保持チャンバー(150)と、
バルブユニット(140)であって、前記第1の再生ユニット(110)及び前記発電機(170)の前記第1の体積が油圧で接続され、前記保持チャンバー(150)及び前記発電機(170)の前記第2の体積は選択的に油圧で接続される、第1の動作モード(I)と、前記第1の再生ユニット(110)及び前記発電機(170)の前記第2の体積が油圧で接続され、前記保持チャンバー(150)及び前記発電機(170)の前記第1の体積が油圧で接続される、第2の動作モード(II)と、で動作する、バルブユニット(140)と、
前記第1の再生ユニット(110)と前記バルブユニット(140)との間に設けられた第1の密度センサー(131)と、前記保持チャンバー(150)と前記バルブユニット(140)との間に設けられた第2の密度センサー(132)と、
前記第1の密度センサー(131)及び前記第2の密度センサー(132)によって作られた測定値を取得し、前記バルブユニット(140)の動作を制御するように構成された制御ユニット(130)と、を備え、
前記制御ユニット(130)は、取得された前記測定値に従って、高密度を有する液体を決定し、状況に応じて、前記バルブユニット(140)の動作モードを決定するように構成される、システム(100)。
【請求項2】
液体ポンプ(160)は、前記バルブユニット(140)と、前記発電機(170)の前記第1の体積との間に設けられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記発電機(170)は、前記発電機(170)が高圧で前記チャンバーに存在する液体によって駆動されるとき、低圧で前記チャンバーに存在する液体に吸引力を加えることを提供するために、低圧ならびに高圧で前記チャンバーに存在する液体を加速することを提供するために、及び前記第1の再生ユニット(110)ならびに前記第2の再生ユニット(120)に液体を送るために、ベンチュリ型のエジェクタを備える、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発電機を備えるシステムに関し、発電機は、異なる密度を有する、第1の体積に取得された液体と、第2の体積に取得された液体との間に設けられた浸透膜によって、一方の液体から他方の液体までの溶媒通路を提供し、溶媒通路に発生する液体の圧力の増加をもたらし、生じた圧力から発電をもたらす。
【背景技術】
【0002】
エネルギーは、浸透の原理によって生成でき、言い換えれば、エネルギーは、異なる溶質密度を有する液体の溶媒移動から生じる流量の増加を利用することによって、主要な移動源の移動を提供することによって生成できる。より詳細には、高溶質を有する液体及び低溶質を有する液体が、選択式の浸透可能膜によって分離される2つのチャンバーを通過するとき、溶媒流が低溶質を有する液体から高溶質を有する液体まで発生し、ひいては、高溶質を有する液体の流量が増加し、この増加する流量は、タービンによって駆動された発電機によって、電気エネルギーに変換される。これらのシステムは、低溶質を有する液体及び高溶質を有する液体を連続的に必要とする。高溶質を有する液体は海水であり得、低溶質を有する液体は浄水であり得る。液体が低溶質を有するため、言い換えれば、浄水が機能するのに必要であるため、使用エリアは制限され、費用がかかる。
【0003】
特開2015-001209号公報では、前述の説明と同様に電気を生成するシステムが説明されている。
【0004】
米国特許出願公開第2014/0138956号明細書では、海水を水源として使用するシステムが説明されている。両方の特許文献の解決策では、高溶質を有する液体及び低溶質を有する液体の連続的な追加が必要である。
【0005】
結果として、前述の問題のために、関連技術分野で改善が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015-001209号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2014/0138956号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述の不利点をなくし、新しい利点を関連技術分野にもたらすための発電用システムに関する。
【0008】
本発明の目的は、液体の密度差を利用することによって、電気を生成し、低溶質を有する液体及び高溶質を有する液体を連続的に使用する必要性をなくすシステムを提供することである。
【0009】
別の本発明の目的は、電気を生成しながら、消費するエネルギー量を減らすシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の目的、及び下記の詳細な説明から推測される目的を実現するために、本発明は発電機を備えるシステムであり、発電機は、異なる密度を有する、第1の体積に取得された液体と、第2の体積に取得された液体との間に設けられた浸透膜によって、一方の液体から他方の液体までの溶媒通路を提供し、溶媒通路に発生する液体の圧力の増加をもたらし、生じた圧力から発電をもたらす。したがって、主題のシステムは、システムの中に収容された液体の蒸気圧と、空気の蒸気圧との均等化をもたらすために具体化された第1の再生ユニット及び第2の再生ユニットと;、時間帯によって、第2の再生ユニットによって取得された液体を移送するために、第2の再生ユニットに油圧で接続された保持チャンバーと;、バルブユニットであって、該第1の再生ユニット及び発電機の第1の体積が油圧で接続され、保持チャンバー及び発電機の第2の体積は選択的に油圧で接続される、第1の動作モードと、第1の再生ユニット及び発電機の第2の体積が油圧で接続され、保持チャンバー及び発電機の第1の体積が油圧で接続される、第2の動作モードと、で動作する、バルブユニットと;、第1の再生ユニットとバルブユニットとの間に設けられた第1の密度センサーと、保持チャンバーとバルブとの間に設けられた第2の密度センサーと;、該第1の密度センサー及び該第2の密度センサーによって作られた測定値を取得し、バルブユニットの動作を制御するように構成された制御ユニットと;、を備え、該制御ユニットは、取得された測定値に従って、高密度を有する液体を決定し、状況に応じて、バルブユニットの動作モードを決定するように構成される。したがって、日中の異なる時間における空気の蒸気圧と等しくなる液体形態が保持チャンバーに保持され、後で使用されるため、第1の再生ユニット及び保持チャンバーの密度は異なる。したがって、この差を使用することによって、エネルギーは生成される。1つだけのタイプの液体を使用することによって、例えば、海水及び浄水の連続的な使用の必要性をなくし、電気は海水だけによって生成できる。
【0011】
本発明の可能な実施形態では、液体ポンプは、バルブユニットと、発電機の第1の体積との間に設けられている。
【0012】
本発明の別の可能な実施形態では、発電機は、発電機が高圧でチャンバーに存在する液体によって駆動されるとき、低圧でチャンバーに存在する液体に吸引力を加えることを提供するために、低圧ならびに高圧でチャンバーに存在する液体を加速することを提供するために、及び第1の再生ユニットならびに第2の再生ユニットに液体を送るために、ベンチュリ型のエジェクタを備える。したがって、追加のエネルギーを消費することなく、液体は運ばれる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】バルブが第1の動作モードである間のシステムの動作の代表図が与えられている。
図2】バルブが第2の動作モードである間のシステムの動作の代表図が与えられている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この詳細な説明では、主題をさらに深く理解するために、何らかの制限的な影響を生じさせることなく、例を参照して、主題を説明する。
【0015】
本発明は、本質的に、空気が異なる時間で異なる蒸気圧を有するため、液体の密度を減少または増加させるために、空気中に存在する湿度の使用を提供するシステム(100)であり、システム(100)は、異なる密度で液体形態を取得することを提供し、そのシステムから発電をもたらす。
【0016】
図1を参照すると、システム(100)は、液体の蒸気圧と、媒体中に存在する空気の蒸気圧との均等化をもたらす、第1の再生ユニット(110)及び第2の再生ユニット(120)を備える。第1の再生ユニット(110)及び第2の再生ユニット(120)は、当技術分野で既知の冷却塔であり得る。第2の再生ユニット(120)は保持チャンバー(150)に油圧で接続される。第2の再生ユニットに関連付けられる保持チャンバー(150)が存在し、第2の再生ユニット(120)で取得された蒸気圧が、再生プロセスが実現する時点で媒体中に存在する空気の蒸気圧に等しくなるように液体は保持される。保持チャンバー(150)は、同時に、異なる密度を有する液体形態へのアクセスを提供する。例えば、夜間の22:00~2:00に取得された液体は保持チャンバー(150)に保持される。この液体が日中の8:00~12:00に使用されるとき、これらの時間の間に第1の再生ユニット(110)によって取得された液体の密度は、20:00~2:00に取得され、保持された液体の密度と異なる。
【0017】
本システムは発電機(170)を備える。該発電機(170)は、異なる密度を有する、第1の体積に取得された液体と、第2の体積に取得された液体との間に設けられた浸透膜によって、一方の液体から他方の液体までの溶媒通路を提供し、溶媒通路に発生する液体の圧力の増加をもたらし、生じた圧力から発電をもたらすように構成される。また、発電機(170)はタービンを備え得る。発電機(170)は、発電機(170)が高圧でチャンバーに存在する液体によって駆動されるとき、低圧でチャンバーに存在する液体に吸引力を加えることを提供するために、低圧ならびに高圧でチャンバーに存在する液体を加速することを提供するために、及び第1の再生ユニット(110)ならびに第2の再生ユニット(120)に液体を送るために、ベンチュリ型のエジェクタを備える。
【0018】
システム(100)はバルブユニット(140)を備え、バルブユニット(140)は、該第1の再生ユニット(110)及び発電機(170)の第1の体積が油圧で接続され、保持チャンバー(150)及び発電機(170)の第2の体積は選択的に油圧で接続される、第1の動作モード(I)と、第1の再生ユニット(110)及び発電機(170)の第2の体積が油圧で接続され、保持チャンバー(150)及び発電機(170)の第1の体積が油圧で接続される、第2の動作モード(II)と、で動作する。バルブユニット(140)は、4方向バルブを備え得る、またはチャネルによって相互に接続された複数のバルブを備え得る。
【0019】
システムは、さらに、第1の再生ユニット(110)とバルブユニット(140)との間に設けられた第1の密度センサー(131)と、保持チャンバー(150)とバルブユニット(140)との間に設けられた第2の密度センサー(132)とを備える。密度センサーは、液体導電率を感知するセンサーであり得る。
【0020】
制御ユニット(130)は、第1の密度センサー(131)及び第2の密度センサー(132)から受信した測定値を基準として、第1の動作モード(I)または第2の動作モード(II)で、バルブユニット(140)の動作を制御する。
【0021】
本発明の可能な実施形態では、システム(100)は、バルブユニット(140)と、発電機(170)の第1の体積との間に設けられた液体ポンプ(160)を備える。液体ポンプ(160)は低密度の液体の加速をもたらす。
【0022】
システム(100)の動作は以下のとおり実現する。第1の再生ユニット(110)及び第2の再生ユニット(120)は、それらのユニットの液体のガス圧と空気ガス圧との均等化をもたらす。第2の再生ユニット(120)によって事前に取得された液体は保持チャンバー(150)に保持される。例えば、相対湿度が日中に低いとき、液体は蒸発し、密度は増加し、相対湿度が夜間に高いとき、液体の密度は減少する。存在する相対湿度比と異なる相対湿度で取得された液体は保持チャンバー(150)で保持されるため、第1の再生ユニット(110)によって取得された液体の密度及び保持チャンバー(150)で保持された液体の密度は異なる。例えば、制御ユニット(130)は、第1の密度センサー(131)及び第2の密度センサー(132)から受信した測定値に従って、日中の間に第1の再生ユニット(110)に存在する液体の密度が、保持チャンバー(150)に存在する液体の密度よりも高いことを検出し、制御ユニット(130)は、バルブユニット(140)が第1の動作モード(I)で動作することをもたらす。相対湿度が夜間に増加するとき、同時に、低密度の液体は第1の再生ユニット(110)で取得され、日中から依然としてある高密度の液体は保持チャンバー(150)に存在する。この場合、制御ユニット(130)は、第1の再生ユニット(110)から取得された液体の密度が、保持チャンバー(150)に存在する液体の密度よりも高いことを検出し、制御ユニット(130)は、バルブユニット(140)が第2の動作モード(II)で動作することをもたらす。したがって、第2の体積中に存在する液体と比較すると、より高密度を有する液体が発電機(170)の第1の体積中に存在し、システム(100)の連続性が提供される。
【0023】
本発明の保護範囲は付属の特許請求の範囲に記載され、詳細な説明に従って、上記に与えられた例示的な開示に制限できない。それは、当業者が、本発明の主要原理から逸脱することなく、前述の開示を考慮して、明らかに同様の実施形態を生成できるためである。
【符号の説明】
【0024】
100 システム
110 第1の再生ユニット
120 第2の再生ユニット
130 制御ユニット
131 第1の密度センサー
132 第2の密度センサー
140 バルブユニット
I 第1の動作モード
II 第2の動作モード
150 保持チャンバー
160 液体ポンプ
170 発電機
図1
図2
【国際調査報告】