(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-29
(54)【発明の名称】可変流れ領域を備えたインペラを有する心血管補助ポンプ
(51)【国際特許分類】
A61M 60/242 20210101AFI20230922BHJP
A61M 60/135 20210101ALI20230922BHJP
A61M 60/422 20210101ALI20230922BHJP
A61M 60/806 20210101ALI20230922BHJP
A61M 60/81 20210101ALI20230922BHJP
A61M 60/827 20210101ALI20230922BHJP
【FI】
A61M60/242
A61M60/135
A61M60/422
A61M60/806
A61M60/81
A61M60/827
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516584
(86)(22)【出願日】2021-09-10
(85)【翻訳文提出日】2023-05-10
(86)【国際出願番号】 US2021071419
(87)【国際公開番号】W WO2022056542
(87)【国際公開日】2022-03-17
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520469457
【氏名又は名称】カルディオン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】KARDION GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】ベッテ,ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ポポヴ,ヴラディミール
(72)【発明者】
【氏名】ミッツェ,マルヴィン
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA04
4C077BB10
4C077DD10
4C077DD21
4C077EE01
4C077FF04
4C077KK27
(57)【要約】
本開示は、概して、血液の移動を支援するために医療分野で使用される機械的心血管補助システムを対象とする。特に本開示は、性能向上を可能にする特徴を有するインペラを対象とする。回転インペラの周りの環状流れ領域は、インペラの軸長さに沿って可変であってもよい。インペラの遠位領域と周囲の管状ハウジングとの間の第一のラジアルギャップは、インペラの近位領域と周囲の管状ハウジングとの間の第二のラジアルギャップよりも大きいか、または小さい場合がある。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械的循環補助装置であって、
流入領域(5)、流出領域(6)、および遠位インペラ領域(11)を含む管状カニューレ(4)と、
近位端および遠位端を有するインペラ(2)であって、前記インペラ(2)が少なくとも部分的に前記流出領域(6)内に、および少なくとも部分的に前記遠位インペラ領域(11)内に前記管状カニューレ(4)内に位置付けられている、インペラ(2)と、を含み、
前記インペラ(4)と前記管状カニューレ(4)の内表面との間のラジアルギャップが、前記近位端と前記遠位端との間でサイズが変化し、前記近位端と前記遠位端との間の特定の位置での前記ラジアルギャップの前記サイズが、前記特定の位置で、最大インペラ幅と前記管状カニューレ(4)の前記内表面との間のラジアル距離を含む、機械的循環補助装置。
【請求項2】
前記インペラ(2)が、第一の直径(13)から遠位直径(20)まで遠位に先細りした遠位に先細りした部分(21)を備え、前記遠位直径(20)が前記第一の直径(13)よりも小さい、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記インペラ(2)が、前記遠位に先細りした部分(21)から近位に延在する一定の直径部分(22)を備え、前記一定の直径部分(22)が前記第一の直径(13)を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記一定の直径部分(22)が、前記遠位インペラ領域(11)内に少なくとも部分的に、および前記流出領域(6)内に少なくとも部分的に延在する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記一定の直径部分(22)が、前記遠位に先細りした部分(21)から前記インペラ(2)の前記近位端まで延在する、請求項3または請求項4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記インペラ(2)が、前記一定の直径部分(22)に対して近位の近位に狭まった直径部分(23)を備え、前記近位に狭まった直径部分(23)が前記第一の直径(13)よりも小さい狭まった直径(15)を有する、請求項3または請求項4のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記狭まった直径(15)が、前記第一の直径(13)よりも0.15mm~0.35mm小さい、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記近位に狭まった直径部分(23)における前記ラジアルギャップが、前記遠位インペラ領域(11)における最小ラジアルギャップよりも約0.20mm大きい、請求項6~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記近位に狭まった直径部分(23)における前記ラジアルギャップが、前記遠位インペラ領域(11)における最小ラジアルギャップよりも約0.125mm大きい、請求項6~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記ラジアルギャップが、前記遠位直径(20)の位置で0.095mm~0.125mmである、請求項2~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記ラジアルギャップが、前記第一の直径(13)の位置で0.060mm~0.090mmである、請求項2~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記遠位直径(20)が、前記第一の直径(13)よりも0.40mm~0.100mm小さい、請求項2~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記先細りした部分(21)の傾斜が約0.0117である、請求項2~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記管状カニューレ(4)の内径が4.39mm~4.45mmである、請求項2~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記インペラの長さが7.5mm~8.5mmである、請求項2~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記インペラ(2)の前記近位端が、駆動シャフト(10)に取り付けられる、請求項2~15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記インペラ(2)の前記遠位端が、遊離端部である、請求項2~16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
モータハウジング(9)をさらに備え、前記モータハウジング(9)が前記入口カニューレ(4)の近位端に結合される、請求項2~17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
駆動磁気ロータ(42)をさらに備え、前記インペラ(2)が前記駆動磁気ロータ(42)に結合される、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記インペラ(2)の前記遠位端を前記管状カニューレ(4)の軸中心に保持するように構成されたベアリング(43)をさらに備える、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記ベアリング(43)が、前記ベアリング(43)を前記管状カニューレ(4)に接続し、前記ベアリング(43)の位置を前記管状カニューレ(4)に対して維持するように構成された複数のスポークを含む、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記駆動磁気ロータ(42)が、前記流出領域(6)に少なくとも部分的に位置付けられる、請求項19~21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記インペラ(2)と前記管状カニューレ(4)の前記内表面との間の前記ラジアルギャップが、前記遠位インペラ領域(11)よりも前記流出領域(6)において大きい、請求項19~22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記インペラ(2)と前記管状カニューレ(4)の前記内表面との間の前記ラジアルギャップが、前記遠位インペラ領域(11)よりも前記流出領域(6)の少なくとも一部分において2~3倍大きい、請求項19~23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記インペラが一定の直径を含む、請求項19~22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記インペラ(2)が、前記遠位インペラ領域(11)内に第一の直径(41)を備え、前記駆動磁気ロータ(42)が、前記第一の直径(41)よりも小さい前記流出領域(6)内に第二の直径(40)を備える、請求項19~25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
前記第一の直径(41)の位置における前記インペラ(2)と前記管状カニューレ(4)の前記内表面との間の前記ラジアルギャップ(1a)が、前記第二の直径(40)の位置における前記駆動磁気ロータ(42)と前記管状カニューレ(4)との間の第二のラジアルギャップ(1b)よりも大きい、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記第一の直径(41)の前記位置における前記インペラ(2)と前記管状カニューレ(4)の前記内表面との間の前記ラジアルギャップ(1a)が、0.065mm~0.150mmである、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記第二のラジアルギャップ(1b)が、前記第一の直径(41)の前記位置における前記インペラ(2)と前記管状カニューレ(4)の前記内表面との間の前記ラジアルギャップの2~3倍大きい、請求項27または28のいずれかに記載の装置。
【請求項30】
機械的循環補助装置であって、
流入領域(5)、流出領域(6)、および遠位インペラ領域(11)を含む管状カニューレ(4)と、
前記流出領域(6)に部分的に、および前記遠位インペラ領域(11)に部分的に、前記管状カニューレ内に位置付けられたインペラ(2)と、を備え、
前記インペラ(2)と前記遠位インペラ領域(11)との間の第一のラジアルギャップ(1a)が、前記インペラ(2)と前記管状カニューレの前記流出領域(6)との間の第二のラジアルギャップ(1b)よりも小さい、機械的循環補助装置。
【請求項31】
前記流出領域(6)が、一つ以上の支柱(8)を含む、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記インペラ(2)が、前記遠位インペラ領域(11)の第一の直径(13)および前記流出領域(6)の第二の直径(15)を有し、前記第二の直径が前記第一の直径よりも小さい、請求項30~31のいずれか一項に記載の装置。
【請求項33】
前記第一の直径(13)が3.8mm~5.92mmの範囲内である、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記第二の直径(15)が0.5mm~5.92mmの範囲内である、請求項32または請求項33のいずれかに記載の装置。
【請求項35】
前記第一の直径(13)から前記第二の直径(15)への移行が、ステップ移行(16)である、請求項32~34のいずれか一項に記載の装置。
【請求項36】
前記第一の直径(13)から前記第二の直径(15)への移行が傾斜した移行(16)である、請求項32~34のいずれか一項に記載の装置。
【請求項37】
前記第一の直径(13)から前記第二の直径(15)への移行が、湾曲した移行である、請求項32~34のいずれか一項に記載の装置。
【請求項38】
前記インペラ(2)が一定の直径を有する、請求項30~31のいずれか一項に記載の装置。
【請求項39】
前記遠位インペラ領域(11)内に位置する挿入スリーブ(19)をさらに含む、請求項32~34または38のいずれか一項に記載の装置。
【請求項40】
前記挿入スリーブ(19)が、面取りされた遠位端および面取りされた近位端を含む、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記挿入スリーブ(19)が、PEEKから作製される、請求項39~40のいずれか一項に記載の装置。
【請求項42】
前記挿入スリーブ(19)が、潤滑コーティングを含む内表面を含む、請求項39~41のいずれか一項に記載の装置。
【請求項43】
前記第一のラジアルギャップ(1a)が0.04mm~0.5mmの範囲内である、請求項30~42のいずれか一項に記載の装置。
【請求項44】
前記第二のラジアルギャップ(1b)が、0.04mm~3mmの範囲内である、請求項30~43のいずれか一項に記載の装置。
【請求項45】
前記インペラ(2)がモータ(9)の駆動シャフトに接続される、請求項30~44のいずれか一項に記載の装置。
【請求項46】
前記インペラ(2)がモータ(9)に磁気的に結合される、請求項30~44のいずれか一項に記載の装置。
【請求項47】
前記インペラ(2)が、少なくとも二つのインペラブレード(3)を備える、請求項30~46のいずれか一項に記載の装置。
【請求項48】
前記支柱が、前記管状カニューレの厚さよりも大きい厚さを有する、請求項31と組み合わせた請求項30~47のいずれか一項に記載の装置。
【請求項49】
前記インペラ(2)が、前記遠位インペラ領域(11)内にインペラブレード(3)を備え、前記装置が、前記流出領域(6)内に放射状に対称な円錐形状(30、35)をさらに含む、請求項30~37のいずれか一項に記載の装置。
【請求項50】
前記放射状に対称な円錐形状(30、35)が、電気研磨された表面を含む、請求項49に記載の装置。
【請求項51】
前記放射状に対称な円錐形状(30、35)が、凹面(31、37)を含む、請求項49~50のいずれか一項に記載の装置。
【請求項52】
前記放射状に対称な円錐形状(30、35)が凸面(32)を含む、請求項49~51のいずれか一項に記載の装置。
【請求項53】
前記凸面(32)が前記凹面(31)の近位にある、請求項51と組み合わせた、請求項52に記載の装置。
【請求項54】
前記放射状に対称な円錐形状(30)が、インペラシャフト(10)に貼り付けられるか、またはその一部である、請求項49~53のいずれか一項に記載の装置。
【請求項55】
前記放射状に対称な円錐形状(35)が、モータハウジング(9)または前記管状カニューレ(4)に貼り付けられるか、またはその一部である、請求項49~53のいずれか一項に記載の装置。
【請求項56】
前記インペラ(2)のインペラシャフト(10)が、前記円錐形状(35)の内腔を通過する、請求項55に記載の装置。
【請求項57】
ベアリング(36)が、前記インペラシャフト(10)と前記円錐形状(35)との間に位置付けられる、請求項56に記載の装置。
【請求項58】
シールが、前記インペラシャフト(10)と前記円錐形状(35)との間に位置付けられる、請求項56または請求項57に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年9月14日に出願された米国仮特許出願第63/078207号の優先的利益を主張するものであり、その開示全体は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、血液の移動を支援するために医療分野で使用される機械的心血管補助システムを対象とする。特に、本開示は、インペラブレードもしくはシャフトもしくは他の構成要素と周囲の入口管との間の最適化された流れ領域、または特定の静止部分と可動部分との間の最適化された空間などの改善された性能を可能にする特徴を有する機械的心血管補助装置を対象とする。
【背景技術】
【0003】
[関連技術の説明]
機械的循環補助装置は、患者の心臓が血液を体中に移動させることを補助するために使用される。それらは多くの場合、電気モータ、遠位端に流入領域と近位端に流出領域を有する管状流入カニューレ、および管状流入カニューレを通して血液を移動し、流出領域を通して外へ出るモータによって回転するインペラからなる。特定の設計上の課題は、装置または血液への損傷のリスクを最小限に抑えながら血流を最適化することである。現在の装置によって提供されるものよりも高い血流は、軽度の心原性ショック患者または高リスクの経皮的冠動脈インターベンション患者の転帰を改善する可能性がある。しかしながら、流量の増加は、溶血または装置損傷のリスクも増大させる可能性がある。
【0004】
したがって、他の改善の中でも溶血または装置損傷のリスクを回避しながら、血流をより多くすることができる、改善された機械的循環補助設計に対するニーズがある。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、可変外径を備えたインペラを有するか、またはインペラブレードもしくはインペラの他の構成要素と間の可変ラジアルギャップを有する機械的循環補助システムと、インペラを含有する管状カニューレとに関連する。本明細書に開示される実施形態はそれぞれ、複数の態様を有し、そのうちの一つだけが、本開示の望ましい特性に対して責任を負うものではない。本開示の範囲を制限することなく、そのより顕著な特徴をここで簡単に説明する。この説明を検討した後、特に「発明を実施するための形態」と題されたセクションを読んだ後、本明細書に記載の実施形態の特徴が、機械的循環補助システムの既存のシステム、装置、および方法に対してどのように利点を提供するかを理解するであろう。
【0006】
以下の開示は、機械的循環補助装置の一部の実施形態の非限定的な実施例を説明する。例えば、本開示のシステムおよび方法の他の実施形態は、本明細書に記載される特徴を含み得るか、または含まない場合がある。さらに、開示された利点および利益は、特定の実施形態にのみ適用することができ、本開示の制限に使用されてはならない。
【0007】
本開示の第1の態様は、流入領域、流出領域、および遠位インペラ領域を含む管状カニューレと、近位端および遠位端を有するインペラと含む、機械的循環補助装置であり、インペラが、少なくとも部分的に流出領域内に、かつ少なくとも部分的に遠位インペラ領域に管状カニューレ内に配置され、インペラと管状カニューレの内表面との間のラジアルギャップが、近位端と遠位端との間でサイズが変化し、近位端と遠位端との間の特定の位置でのラジアルギャップのサイズが、特定の位置で、最大インペラ幅と管状カニューレの内表面との間のラジアル距離を含む。
【0008】
本開示の第2の態様は、態様1に記載の装置に関し、インペラは、第一の直径から遠位直径まで遠位に先細りした遠位に先細りした部分を含み、遠位直径は第一の直径よりも小さい。
【0009】
本開示の第3の態様は、態様2に記載の装置に関し、インペラは、遠位に先細りした部分から近位に延在する一定の直径部分を含み、一定の直径部分は第一の直径を有する。
【0010】
本開示の第4の態様は、態様3に記載の装置に関し、一定の直径部分は、少なくとも部分的に遠位インペラ領域内に、および少なくとも部分的に流出領域内に延在する。
【0011】
本開示の第5の態様は、態様3または態様4のいずれかに記載の装置に関し、一定の直径部分は、遠位に先細りした部分からインペラの近位端まで延在する。
【0012】
本開示の第6の態様は、態様3または態様4のいずれかに記載の装置に関し、インペラは、一定の直径部分の近位にある近位の狭まった直径部分を含み、近位の狭まった直径部分は、第一の直径よりも小さい狭まった直径を有する。
【0013】
本開示の第7の態様は、態様6の装置に関し、狭まった直径は、第一の直径よりも0.15mm~0.35mm小さい。
【0014】
本開示の第8の態様は、態様6~7のうちのいずれか一つに記載の装置に関し、近位の狭まった直径部分のラジアルギャップは、遠位インペラ領域における最小ラジアルギャップよりも約0.20mm大きい。
【0015】
本開示の第9の態様は、態様6~7のうちのいずれか一つに記載の装置に関し、近位の狭まった直径部分のラジアルギャップは、遠位インペラ領域における最小ラジアルギャップよりも約0.125mm大きい。
【0016】
本開示の第10の態様は、態様2~9のうちのいずれか一つに記載の装置に関し、ラジアルギャップは、遠位直径の位置で0.095mm~0.125mmである。
【0017】
本開示の第11の態様は、態様2~10のうちのいずれか一つに記載の装置に関し、ラジアルギャップは、第一の直径の位置で0.060mm~0.090mmである。
【0018】
本開示の第12の態様は、態様2~11のいずれか一つに記載の装置に関し、遠位直径は、第一の直径よりも0.40mm~0.100mm小さい。
【0019】
本開示の第13の態様は、態様2~12のうちのいずれか一つに記載の装置に関し、先細りした部分の傾斜は約0.0117である。
【0020】
本開示の第14の態様は、態様2~13のうちのいずれか一つに記載の装置に関し、管状カニューレの内径は、4.39mm~4.45mmである。
【0021】
本開示の第15の態様は、態様2~14のうちのいずれか一つに記載の装置に関し、インペラの長さは7.5mm~8.5mmである。
【0022】
本開示の第16の態様は、態様2~15のうちのいずれか一つに記載の装置に関し、インペラの近位端は、駆動シャフトに取り付けられる。
【0023】
本開示の第17の態様は、態様2~16のうちのいずれか一つに記載の装置に関し、インペラの遠位端は、遊離端部である。
【0024】
本開示の第18の態様は、モータハウジングをさらに含む、態様2~17のうちのいずれか一つに記載の装置に関し、モータハウジングが入口カニューレの近位端に結合される。
【0025】
本開示の第19の態様は、駆動磁気ロータをさらに含む、態様1に記載の装置に関し、インペラが駆動磁気ロータに結合される。
【0026】
本開示の第20の態様は、管状カニューレの軸中心にインペラの遠位端を保持するように構成されたベアリングをさらに含む、態様19に記載の装置に関する。
【0027】
本開示の第21の態様は、態様20に記載の装置に関し、ベアリングは、管状カニューレにベアリングを接続し、管状カニューレに対するベアリングの位置を維持するように構成された複数のスポークを含む。
【0028】
本開示の第22の態様は、態様19~21のいずれか一つに記載の装置に関し、駆動磁気ロータは、少なくとも部分的に流出領域に位置付けられる。
【0029】
本開示の第23の態様は、態様19~22のうちのいずれか一つに記載の装置に関し、インペラと管状カニューレの内表面との間のラジアルギャップは、遠位インペラ領域よりも流出領域の方が大きい。
【0030】
本開示の第24の態様は、態様19~23のうちのいずれか一つに記載の装置に関し、インペラと管状カニューレの内表面との間のラジアルギャップは、遠位インペラ領域よりも流出領域の少なくとも一部分において2~3倍大きい。
【0031】
本開示の第25の態様は、態様19~22のうちのいずれか一つに記載の装置に関し、インペラは、一定の直径を含む。
【0032】
本開示の第26の態様は、態様19~25のうちのいずれか一つに記載の装置に関し、インペラは、遠位インペラ領域内に第一の直径を含み、駆動磁気ロータは、第一の直径よりも小さい流出領域内に第二の直径を含む。
【0033】
本開示の第27の態様は、態様26に記載の装置に関し、第一の直径の位置におけるインペラと管状カニューレの内表面との間のラジアルギャップは、第二の直径の位置における駆動磁気ロータと管状カニューレとの間の第二のラジアルギャップよりも大きい。
【0034】
本開示の第28の態様は、態様27に記載の装置に関し、第一の直径の位置におけるインペラと管状カニューレの内表面との間のラジアルギャップは、0.065mm~0.150mmである。
【0035】
本開示の第29の態様は、態様27または28のいずれかに記載の装置に関し、第二のラジアルギャップは、第一の直径の位置で、インペラと管状カニューレの内表面との間のラジアルギャップの2~3倍大きい。
【0036】
本開示の第30の態様は、流入領域、流出領域、および遠位インペラ領域を含む管状カニューレと、流出領域の一部および遠位インペラ領域の一部において管状カニューレ内に位置するインペラとを含む機械的循環補助装置であり、インペラと遠位インペラ領域との間の第一のラジアルギャップは、インペラと管状カニューレの流出領域との間の第二のラジアルギャップよりも小さい。
【0037】
本開示の第31の態様は、態様30に記載の装置に関し、流出領域は一つ以上の支柱を含む。
【0038】
本開示の第32の態様は、態様30~31のいずれか一つに記載の装置に関し、インペラは、遠位インペラ領域に第一の直径を有し、流出領域に第二の直径を有し、第二の直径は、第一の直径よりも小さい。
【0039】
本開示の第33の態様は、態様32に記載の装置に関し、第一の直径は3.8mm~5.92mmの範囲内である。
【0040】
本開示の第34の態様は、態様32または態様33に記載の装置に関し、第二の直径は0.5mm~5.92mmの範囲内である。
【0041】
本開示の第35の態様は、態様32~34のうちのいずれか一つに記載の装置に関し、第一の直径から第二の直径への移行は、ステップ移行である。
【0042】
本開示の第36の態様は、態様32~34のうちのいずれか一つに記載の装置に関し、第一の直径から第二の直径への移行は傾斜した移行である。
【0043】
本開示の第37の態様は、態様32~34のうちのいずれか一つに記載の装置に関し、第一の直径から第二の直径への移行は、湾曲した移行である。
【0044】
本開示の第38の態様は、態様30~31のいずれか一つに記載の装置に関し、インペラは一定の直径を有する。
【0045】
本開示の第39の態様は、態様30~31または38のいずれか一つに記載の装置に関し、遠位インペラ領域内に位置する挿入スリーブをさらに含む。
【0046】
本開示の第40の態様は、態様39に記載の装置に関し、挿入スリーブは、面取りされた遠位端および面取りされた近位端を含む。
【0047】
本開示の第41の態様は、態様39または40のうちのいずれか一つに記載の装置に関し、挿入スリーブは、PEEKから作製される。
【0048】
本開示の第42の態様は、態様39~41のうちのいずれか一つに記載の装置に関し、挿入スリーブは、潤滑コーティングを有する内表面を含む。
【0049】
本開示の第43の態様は、態様30~42のうちのいずれか一つに記載の装置に関し、第一のラジアルギャップは0.04mm~0.5mmの範囲内である。
【0050】
本開示の第44の態様は、態様30~43のうちのいずれか一つに記載の装置に関し、第二のラジアルギャップは0.04mm~3mmの範囲内である。
【0051】
本開示の第45の態様は、態様30~44のうちのいずれか一つに記載の装置に関し、インペラはモータの駆動シャフトに接続される。
【0052】
本開示の第46の態様は、態様30~44のうちのいずれか一つに記載の装置に関し、インペラはモータに磁気的に連結される。
【0053】
本開示の第47の態様は、態様30~46のうちのいずれか一つに記載の装置に関し、インペラは少なくとも二つのインペラブレードを含む。
【0054】
本開示の第48の態様は、態様31と組み合わせた態様30~47のいずれか一つに記載の装置に関し、支柱は管状カニューレの厚さよりも大きい厚さを有する。
【0055】
本開示の第49の態様は、態様30~37のいずれか一つに記載の装置に関し、インペラは、遠位インペラ領域にインペラブレードを含み、装置は、流出領域に放射状に対称な円錐形状をさらに含む。
【0056】
本開示の第50の態様は、態様49に記載の装置に関し、放射状に対称な円錐形状は、電気研磨された表面を有する。
【0057】
本開示の第51の態様は、態様49または50のうちのいずれか一つに記載の装置に関し、放射状に対称な円錐形状は、凹面を含む。
【0058】
本開示の第52の態様は、態様49~51のいずれか一つに記載の装置に関し、放射状に対称な円錐形状は凸面を含む。
【0059】
本開示の第53の態様は、態様51と組み合わせた態様52に記載の装置に関し、凸面は凹面に近位である。
【0060】
本開示の第54の態様は、態様49~53のうちのいずれか一つに記載の装置に関し、放射状に対称な円錐形状は、インペラシャフトに貼り付けられるか、またはその一部である。
【0061】
本開示の第55の態様は、態様49~53のうちのいずれか一つに記載の装置に関し、放射状に対称な円錐形状は、モータハウジングまたは管状カニューレに貼り付けられるか、またはその一部である。
【0062】
本開示の第56の態様は、態様55に記載の装置に関し、インペラのインペラシャフトは円錐形状の内腔を通過する。
【0063】
本開示の第57の態様は、態様56に記載の装置に関し、ベアリングは、インペラシャフトと円錐形状との間に位置付けられる。
【0064】
本開示の第58の態様は、態様56または57に記載の装置に関し、シールは、インペラシャフトと円錐形状との間に位置付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
本開示の前述および他の特徴は、添付の図面と併せて捉えた、以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかとなるだろう。これらの図面は、本開示に従って一部の実施形態のみを示し、その範囲を制限するものと見なされるべきではないと理解して、添付の図面の使用を通して、本開示をさらに具体的かつ詳細に説明するものとする。以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付図面を参照する。図面では、文脈上別段の指示がない限り、類似の記号は、典型的には類似の構成要素を識別する。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載される例示的実施形態は、限定することを意図するものではない。他の実施形態を利用してもよく、また他の変更も、ここに示した主題の趣旨または範囲から逸脱することなく行われてもよい。本開示の態様は、概して本明細書に記載され、図面に図示されるように、多種多様な異なる構成で配置、置換、組み合わせ、および設計することができ、それらすべては明示的に意図され、本開示の一部をなすことが容易に理解されよう。
【
図1】
図1は、機械的循環補助(MCS)装置の概略図である。
【
図2A】
図2Aは、MCS装置の一部分の切り取り図の概略図である。
【
図3】
図3は、遠位インペラ領域および流出領域に一定のラジアルギャップを有するMCS装置の概略図である。
【
図4】
図4は、遠位インペラ領域に最小化されたラジアルギャップおよび流出領域により大きなラジアルギャップを有するMCS装置の概略図である。
【
図5】
図5は、遠位インペラ領域に最小化されたラジアルギャップと、傾斜した移行を有する流出領域により大きなラジアルギャップを有するMCS装置の概略図である。
【
図6】
図6は、遠位インペラ領域におけるラジアルギャップを最小化するための、一定の直径および挿入スリーブを有するインペラを有するMCS装置の概略図である。
【
図7】
図7は、遠位インペラ領域にインペラブレードを有し、流出領域にインペラブレードのないインペラを有するMCS装置の概略図である。
【
図8】
図8は、遠位インペラ領域にインペラブレードを有し、インペラに接続された流出領域に円錐形状を有するインペラを有するMCS装置の概略図である。
【
図9】
図9は、遠位インペラ領域にインペラブレードを有し、モータハウジングおよび管状カニューレに対して静止したままの流出領域に円錐形状を有するインペラを有するMCS装置の概略図である。
【
図10】
図10は、先細りした遠位部分を有するインペラを有するMCS装置の概略図である。
【
図11】
図11は、先細りした遠位部分および近位の狭まった部分を有するインペラを有するMCS装置の概略図である。
【
図12A】
図12Aは、インペラと周囲のカニューレまたはインペラハウジングとの間に可変ラジアルギャップを有し、かつ駆動磁気ロータを有するMCS装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
本明細書の開示は、装置または血液への損傷のリスクを最小限に抑えながら、血液を移動させる能力を最適化しうる特徴を有する機械的循環補助装置に関する。特に、本開示は、回転することを意図するインペラまたは構成要素の特徴、ならびに静止したままでいることを意図する管状流入カニューレまたは構成要素とのそれらの関係、およびそれらの流出領域に関する。以下の詳細な説明は、ある特定の実施形態を対象とする。この説明では、図面を参照し、明確化のために、同様の部品または工程は、全体を通して同様の数字で指定することができる。本明細書における「一実施形態」、「一つの実施形態」、または「一部の実施形態では」という言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも一実施形態に含まれることを意味する。本明細書中の様々な場所における「一実施形態」、「一つの実施形態」、または「一部の実施形態では」の語句の出現は、必ずしもすべて同じ実施形態を指すわけではなく、また別個のまたは代替的な実施形態が必ずしも他の実施形態と相互に排他的であるわけでもない。さらに、一部の実施形態によって示され、他の実施形態によって示されない様々な特徴が説明される。同様に、一部の実施形態では要件となり得るが、他の実施形態では要件とならない可能性がある、様々な要件が記載されている。ここで、本発明の実施形態について詳細に説明し、その例を添付図面に示す。
【0067】
図1に示すように、機械的循環補助(MCS)装置は、近位端25および遠位端26を有する入口管または管状流入カニューレ4、遠位端に流入領域5、近位端に流出領域6、および管状カニューレ内に少なくとも部分的に位置付けられるインペラ2を駆動するためのモータ9を含みうる。回転するインペラは、血液を流入領域5を通して静止した流入カニューレ4に引き込み、流出領域6を通して少なくとも部分的に装置から血液を押し出す。
【0068】
図2Aは、
図1のMCS装置の一部分の拡大切り取り図である。流出領域6は、管状入口カニューレ4をモータハウジング9に接続する支柱8を含みうる。例えば、MCS装置は、少なくとも二つの支柱8(例えば、三、四、五つの支柱)を有してもよい。流出領域6は、支柱8によって画定される管状カニューレの開口部または窓7を有する。開口部の内側または外側の縁、または開口部7の切断面は、丸みを帯びていてもよい(例えば、0.10~0.15mmの範囲でありうる管状流入カニューレの厚さに等しい湾曲の直径を有する)。インペラブレード3の外縁と管状流入カニューレ4の内表面との間に非常に小さなラジアルギャップ1aがある。インペラブレード3の回転エッジは、機械的摩耗、摩擦、インペラ速度の損失、モータの引き込みの増加、熱の発生、またはその他の望ましくない影響を避けるために、管状カニューレ4と接触してはならない。しかしながら、効率を最大化し、溶血を低減するために、インペラブレード3とカニューレ4の内表面との間に最小のラジアルギャップ1aを有するのが有利であり得る。溶血は、血液細胞に適用される油圧せん断応力によって引き起こされ得る血液損傷の形態である。溶血は、損傷したヘモグロビンによって特徴付けられてもよく、溶血の尺度は、血液サンプル中のヘモグロビンの総量に対する遊離ヘモグロビンの比率に対応する、溶血損傷可能性(HDP)を含み得る。溶血の量は、いくつかの要因に依存し得、その一つはインペラ速度でありうる。したがって、概して、所与のインペラ速度によって生成される効率または流量が高いほど、溶血を最小限に抑えながら流量を高くし得る。ラジアルギャップ1aを最小化する効果は、効率に影響を与える要因である、リフローを最小限に抑えることを含みうる。結果として、インペラブレードと管状カニューレ4の内表面との間のラジアルギャップ1aが小さいほど、溶血損傷可能性に対するより高い流量が実現され、十分な流量の生成を促進しつつ、許容可能なほど低い溶血を引き起こし得る。これは、インペラブレードが管状カニューレ4の剛性のある部分で回転する、遠位インペラ領域11、流出領域6の遠位領域に適用され、例えば、レーザー切断は剛性を増加させるために行われず、最小のラジアルギャップを除いて、血液は管状カニューレの内表面およびインペラによって画定される空間に流れなければならない。十分な速度で、管状カニューレによって画定される限定された空間内の回転インペラブレードのらせん状ピッチによって、血液が遠位インペラ領域11を通って流出領域6に向かって流れるようにする油圧動作点を生成する。血液の変位は、管状カニューレ4の流入領域5内に血液を引き込む圧力差を作り出す。
【0069】
流出領域6では、回転するインペラブレードが流出窓7から血流を方向付ける。管状カニューレ4が、支柱8によって画定される流出開口部または窓7を有する流出領域6では、インペラブレード3と支柱8の内表面との間のラジアルギャップ1bを最小化することは、血流と支柱8との間の相互作用として生じる流れの乱れのため、遠位インペラ領域11と比較して効率にあまり寄与しない場合がある。一部の実施形態では、流出領域6のラジアルギャップ1bを最小化することは、部分的には、インペラブレードと支柱との間の空間1bの血球に適用される油圧せん断応力によって、望ましくないほど溶血損傷の可能性を増大させうる。さらに、ラジアルギャップ1bを最小化することは、使用中にブレードおよび支柱が接触するリスクを増加させる可能性がある非常に小さな製造公差の課題を引き起こすことがあり、これは材料摩耗、モータ電流の増加、熱産生、または他の装置損傷ならびに溶血の増加をもたらしうる。したがって、本開示の態様は、インペラブレードと遠位インペラ領域11の管状カニューレの内表面との間の第一のラジアルギャップ1aが最小化される(例えば、0.04mm~0.5mmの範囲内である)MCS装置の設計に関し、インペラブレードと支柱8の内表面との間の第二のラジアルギャップ1bは、第一のラジアルギャップよりも大きく(0.04mm~3mmの範囲で、第一のラジアルギャップよりも大きい)、使用中に血液または装置自体を損傷するリスクを減らし、効率を最適化しうる。
【0070】
第二のラジアルギャップ1bを増加させる一つの方法は、一定の管状カニューレの内径を維持しながら、遠位インペラ領域11のインペラブレードの直径と比較して、流出領域6のインペラブレードの直径を減少させることである。このアプローチでは、ラジアルギャップ1bが大きいほど、流出領域内のインペラブレードの直径が小さい。
図2Aは、遠位インペラ領域11に第一の半径27、および流出領域6に第二の半径28を有するインペラ3の実施例を示す。
図2Bは、遠位インペラ領域11における
図2Aの断面図であり、
図2Cは、流出領域6における
図2Aの断面図である。インペラ半径27は、インペラ半径28より大きく、結果として、ラジアルギャップ1aはラジアルギャップ1bよりも小さい。
【0071】
図3は、現在のMCS装置における一部の配置を表すことができる、一定のインペラ直径を有するインペラを示す、MCS装置の一部分の切り取り図の概略図である。簡略化のために、インペラ2は、少なくとも二つのらせん状に傾斜したインペラブレードの最も外側の範囲を表し、直径13を示すように円筒として描かれる。インペラ2は、三つ以上のインペラブレードを有してもよく、好ましくは放射状にバランスがとられている。インペラブレードは、実質的にらせん状であってもよく、または変化するピッチを有してもよく、または複数の屈曲を有してもよい。管状カニューレ4は、内径12、例えば、3.8mm~6mmの範囲(例えば、3.8mm~5mmの範囲、または4.3mm~4.5mmの範囲)を有してもよい。インペラは、遠位インペラ領域11の第一の直径13と、流出領域6の第二の直径14とを有する。
図3では、第一の直径13および第二の直径14は等しく、第一のギャップ1aおよび第二のギャップ1bが等しくなる。
【0072】
図3とは対照的に、
図4は簡略化のための円筒として描かれたインペラ2を示し、遠位インペラ領域11に第一の直径13、および流出領域6に第二の直径15を有し、第二の直径15が第一の直径13よりも小さい。結果として得られる第一のギャップ1aは、最適な効率のために最小化され、例えば、0.040mm~0.200mmの範囲(例えば、0.070~0.1mmの範囲、約0.075mm)であり、第二のギャップ1bは、第一のギャップ1aよりも大きく、例えば、第二のギャップ1bは、第一のギャップ1aの1~50倍の範囲の大きさ(例えば、第二のギャップ1bは、約0.040mm~2mmの範囲、約0.20mmであってもよい)であってもよい。第一の直径13と減少した直径15との間の差は、約0.25mmでありうる。第一の直径13と第二の直径15との間の移行16は、
図4に示すようなステップであってもよい。あるいは、
図5に示すように、移行は漸進的な傾斜17であってもよい。例えば、傾斜移行17は、0.011~2(例えば、1)の範囲の傾斜の直径対長さの上昇対実行または変化を有してもよい。さらに、移行は、湾曲であってもよく、または複数の屈曲(例えば、S字形状の曲線)を有してもよい。
【0073】
代替的な実施形態が
図6に示されており、これは、一定の直径を有するインペラ2の切り取り図、すなわち、遠位インペラ領域11の第一の直径13が、流出領域6の第二の直径14と等しいことを示す、MCS装置の一部分の概略図である。管状カニューレ4は、遠位インペラ領域11および流出領域6において一定の外径を有する。スリーブ19は、少なくとも遠位インペラ領域11では管状カニューレに挿入されるが、流出領域6には挿入されない。スリーブ19は、入口管に対して使用時に静止したままであることを意図している。スリーブは、管状カニューレの内径にぴったり合い、随意に接着され、嵌合を形成し、または一緒に圧入される外径、およびギャップ1aと等しい距離だけ第一のインペラ直径13よりもわずかに大きい内径を有する。スリーブ19が流出領域6にないため、ギャップ1bは、例えば、0.04~2mmの範囲でありうるスリーブ19の厚さ18によってギャップ1aよりも大きい。任意選択で、スリーブ19は、流体流れを改善するために示されるように、遠位端および先細りのまたは面取りされた近位端を有する。任意選択で、スリーブ19は、インペラが使用中にスリーブに接触する場合に摩耗に耐えるために、PEEKなどの高密度ポリマーで作製されてもよい。任意選択で、スリーブの内表面は、血液中の油圧シアーな応力をさらに低減するために潤滑コーティングを有してもよい。
【0074】
別の実施形態が
図7に示されており、遠位インペラ領域11にインペラブレード3を有し、流出領域6にインペラブレードを有しないインペラ2の切り取り図を示す、MCS装置の一部分の概略図である。インペラシャフト10は、遠位インペラ領域11においてロッド形状であってもよく、そこからインペラブレード3は放射状に延在し、ロッド形状シャフト10は流出領域を通過して、モータ駆動シャフトまたはロータに接続してもよい。インペラブレード3と管状カニューレ4の内表面との間の第一のラジアルギャップ1aは、0.04mm~0.5mm(例えば、0.1mm)の範囲とすることができ、第二のラジアルギャップ1bは、シャフト10と支柱8の内表面との間の距離に渡り、1.75mm~3mmの範囲とすることができる。
【0075】
別の方法として、
図8に示すように、シャフト10は、遠位インペラ領域11でロッド形状であってもよく、その後、流出領域内に円錐形状30を有する。任意選択で、円錐形状30は、流出領域6の窓7を通して血流を方向付けることを容易にしうる、凹状テーパ31を有してもよい。任意選択で、シャフト30の円錐形の部分の近位部分は、凸状曲線32を有する。インペラブレード3と管状カニューレ4の内表面との間の第一のラジアルギャップ1aは、0.04mm~0.5mmの範囲内(例えば、0.1mm)であってもよい。第二のラジアルギャップ1bは、円錐シャフト30と支柱8の内表面との間の距離であり、支柱8に最も近い点におけるギャップ1bは、0.04mm~2mmの範囲内でありうる。任意選択で、円錐形状30は、電気研磨された表面を有してもよい。
【0076】
別の実施形態が
図9に示されており、遠位インペラ領域11にインペラブレード3を有し、流出領域6にインペラブレードを有しないインペラ2の切り取り図を示す、MCS装置の一部分の概略図である。
図8に示す装置と同様に、流出領域内に円錐形状35がある。しかしながら、円錐形状35は、インペラシャフト10に強固に接続されていない。代わりに、円錐形状35は、管状カニューレ4またはモータハウジングに対して固定され、例えば、円錐形状35は、モータハウジングまたは管状カニューレに強固に接続されてもよい。インペラシャフト10は、円錐形状35を通過する。任意選択で、ベアリングまたはシール36は、インペラシャフト10と円錐形状35との間に位置付けられてもよい。円錐形状は、窓7を通して血流を方向付けることを容易にする凹面37を有してもよい。任意選択で、円錐形状35の近位部分は、凸面(図示せず)を有してもよい。インペラブレード3と管状カニューレ4の内表面との間の第一のラジアルギャップ1aは、0.04mm~0.5mmの範囲内(例えば、0.1mm)であってもよい。流出領域では、円錐形状35と支柱8の内表面との間の第二のラジアルギャップは、わずか0であってもよく、言い換えれば、円錐形状35は、近位端で支柱8に接続されてもよく、円錐形状35と支柱8との間の距離は、遠位に移動を増加させてもよい。
【0077】
別の実施形態が
図10に示されており、インペラ領域を示すMCS装置の一部分の切り取り図の概略図である。簡略化のために、インペラ2は、インペラの外径の範囲の輪郭として示されている。こうした輪郭は、回転インペラ2によって一掃される、円筒形であり得る幾何学的基準体積を指しうる。したがって、輪郭は、インペラブレード3の最大直径であってもよい。インペラ2は、二つ以上のインペラブレード3を有してもよく、好ましくは放射状にバランスが取られている。いくつかの実施形態では、インペラ2は、駆動シャフト10上に取り付けられてもよい。
図10に示すように、インペラ2は、
図2Aに示すように、流出領域6および遠位インペラ領域11を有する管状カニューレ4内に位置付けられる。本明細書に記載される他の実施形態とは対照的に、遠位領域11の少なくとも一部分の第一のインペラ直径13は、流出領域6の第二のインペラ直径14と等しい。一部の実施形態では、遠位インペラ領域11は、領域11の遠位端まで遠位にテーパ状の遠位に先細りした部分21を有してもよい。言い換えれば、遠位インペラ領域11は、一定の直径部分22の遠位に位置する遠位に先細りした部分21を含みうる。一定の直径部分22は、遠位に先細りした部分21から少なくとも部分的にインペラ領域11内で近位に延在し得、流出領域6内に延在しえる。
【0078】
第一の領域におけるインペラ2と周囲の管状構造との間の第一のラジアルギャップは、第二の領域が第一の領域の近位に位置する、第二の領域におけるインペラ2と周囲の管状構造との間の第二のラジアルギャップよりも大きい場合がある。第一の領域のインペラ2の第一の直径は、第二の領域のインペラ2の第二の直径よりも小さくてもよく、第二の領域は、第一の領域の近位に位置する。遠位直径20は、第一の直径13よりも小さくてもよい。本明細書で使用される場合、インペラおよび周囲の構造に関連する「直径」、「幅」、「ギャップ」などは、上述のように、回転インペラ2によって一掃された幾何学的基準体積の輪郭でありうる、その領域におけるインペラの最大半径方向外幅に対して測定されうる。
【0079】
いくつかの実施形態では、遠位に先細りした部分21のインペラの直径は、遠位に先細りした部分21の長さにわたって、第一の直径13での最大から比較的小さな遠位直径20まで減少しうる。いくつかの実施形態では、遠位に先細りした部分21の先細りは、インペラ2の遠位態様と管状流入カニューレ4との間の接触を防止し得る。
図10に示すように、いくつかの実施形態では、インペラ2は、その近位端で駆動シャフト10に取り付けられてもよく、その遠位端でベアリングによって保持されない。さらに、管状流入カニューレ4は、モータハウジングから片持ちすることができる。この構成では、管状流入カニューレ4がわずかに偏向する可能性があり、これは流出領域6と比較して遠位インペラ領域11でより顕著でありうる。また、その回転軸が正確に平行であり、かつ駆動シャフト10の回転軸と整列しているインペラ2の取り付けに非常に小さな欠陥があり得る。これらの要因は、特にインペラ2の遠位端で、インペラ2とカニューレ4との間の接触のリスクに寄与し得る。遠位に先細りした部分21の寸法は、流れ効率に無視できるほどの影響がある一方で、接触のリスクを低減または排除するように選択されうる。これらの寸法は、インペラ2の長さおよびカニューレ4の内径に依存し得る。
【0080】
MCS装置の一つの実施形態において、インペラ2は、7.5mm~8.5mmの範囲(例えば、7.97mm)の近位端と遠位端との間の長さを有し、入口管は、少なくともインペラ2が位置付けられる領域において、4.39mm~4.45mmの範囲(例えば、約4.42mm)の内径を有する。第一の直径13と遠位直径20との間の差は、0.040mm~0.100mm(例えば、0.050mm~0.090mm、0.060mm~0.080mm、または約0.070mm)の範囲内であってもよい。第一の直径13は約4.270mmであってもよく、遠位直径20は約4.200mmであってもよく、先細りした部分21の長さは約3mmであってもよい。したがって、先細りした部分21の傾斜は(0.07mm/2)/3mm=0.0117でありうる。インペラ2とカニューレ4との間の結果として生じるラジアルギャップは、例えば0.060~0.090mmの範囲(例えば、約0.075mm)の一定の直径部分22で一定であってもよく、インペラ2の遠位端で0.095~0.125mmの範囲(例えば、約0.110mm)のギャップまで増大してもよく、インペラ2は遠位直径20を有する。
【0081】
任意選択で、遠位に先細りした部分21は、直線傾斜部でテーパを有してもよい。あるいは、直径の減少は、非線形、例えば、凹曲線、凸曲線、または複合曲線であってもよい。
【0082】
任意選択で、
図11に示すように、インペラ2は、遠位に先細りした部分21を有してもよく、さらに、流出領域6に少なくとも部分的に整列した近位の狭まった直径部分23を有してもよい。この実施形態は、インペラ2とカニューレ4との間の接触リスクの減少という利点を有し得る。この実施形態はまた、流出領域6における溶血の改善を有し得る。インペラ2の狭まった直径部分23の狭まった直径15は、第一の直径13よりも0.15mm~0.35mm(例えば、約0.25mm)狭い範囲であってもよい。インペラ2とカニューレ4との間のラジアルギャップ、または少なくとも、狭まった直径部分23(例えば、狭まった直径15の位置)における流出支柱8は、約0.20mm、または遠位インペラ領域11(例えば、最大直径13の位置)における最小ラジアルギャップよりも約0.125mm大きくてもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、MCS装置は、
図2Aに示すものとは異なる構成を有するインペラを有し、インペラと周囲のカニューレまたはインペラハウジングとの間に可変ラジアルギャップを有してもよい。例えば、
図12Aは、インペラ2を含むMCS装置の一部分の部分的な切り取り図を示す。インペラ2の遠位端は、ベアリング43によって管状流入カニューレまたはインペラハウジング4の軸中心に保持されてもよい。ベアリング43は、カニューレまたはインペラハウジング4に接続するスポークを有してもよく、カニューレまたはインペラハウジング4に対するその位置を維持する。これにより、インペラ2の遠位端がカニューレまたはインペラハウジング4に接触するリスクが低減または排除され得る。一部の実施形態では、この構成は、溶血を低減するように流出領域6におけるインペラ直径の減少から利益を得る。したがって、MCS装置は、遠位インペラ領域11内に第一のラジアルギャップを、および流出領域6内に少なくとも部分的に第二のラジアルギャップを有してもよく、第二のラジアルギャップは、例えば、本明細書の他の実施形態に記載されるように、第一のラジアルギャップよりも大きい。第一のラジアルギャップは約0.075mmであってもよく、第二のラジアルギャップは約0.200mmであってもよい。いくつかの実施形態では、第二のラジアルギャップは、2~3倍の第一のラジアルギャップの範囲内であってもよい。
【0084】
インペラ2は、
図12に示すように、非接触磁気カップリングを用いてモータ9に連結されるように構成され得る。磁気結合を達成するために、インペラ2は、モータ9の駆動シャフトに取り付けられた第二の磁気ロータ44を囲む駆動磁気ロータ42に結合されてもよい。こうした構成の例の実施形態は、国際PCT公開第2019/219874号、第2019/219883号、第2020/011795号、第2020/011797号、第2020/030700号、第2020/064911号、および係属中の米国仮特許出願第63/116,616号に開示されており、それらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。駆動磁気ロータ42は、流出領域6内に、インペラブレード3の一部と共に位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、カニューレまたはインペラ2を囲むインペラハウジング4は、一定の内径を有してもよい。インペラ2は、第一の直径41を有してもよく、駆動磁気ロータ42は、第一の直径41よりも小さい第二の直径40を有してもよい。これにより、駆動磁気ロータ42の周りの第二のラジアルギャップ1bよりも小さい、インペラ2の周りの第一のラジアルギャップ1a(例えば、0.065~0.150mm、約0.070mm~0.110mm、または約0.075mmの範囲で)が得られ、これは
図12Aの一部の拡大図である
図12Bに示されるように、第1のラジアルギャップの2~3倍の範囲でありうる。
図12Aに示すように、第一の直径41は、遠位インペラ領域(11)内に位置付けられてもよく、第二の直径40は、流出領域6内に位置付けられてもよい。例えばインペラブレードは、遠位インペラ領域11の第一の直径41から少なくとも部分的に流出領域6の第二の直径40に変化する最大外径を有し得、かつ/またはインペラブレードは、遠位インペラ領域11の第一の直径41に等しい最大外径を有してもよく、インペラ2は、流出領域6に少なくとも部分的に位置付けられた第二の直径40に等しい最大外径を有する磁気カップリング42を含み得る。
【0085】
上記の説明は、一つまたは複数のプロセスまたは装置の例を提供するが、他のプロセスまたは装置は、添付の特許請求の範囲の範囲内であり得ることが理解されよう。
【0086】
本明細書に記載される特定の実施形態は、任意の特許請求の範囲を制限することを意図しておらず、任意の特許請求の範囲は、特に別段の指示がない限り、以下に記載されるものとは異なるプロセスまたは装置を包含し得る。特許請求の範囲は、特に別段の指示がない限り、以下に記載された任意の一つの装置もしくはプロセスの特徴の全てを有する装置もしくはプロセス、または以下に記載された複数もしくは全ての装置に共通する特徴に限定されるものではない。以下に記載される装置またはプロセスは、本特許出願の発行によって付与される任意の排他的権利の実施形態ではない可能性がある。以下に記載され、本特許出願の発行によって排他的権利が付与されない主題は、例えば、継続中の特許出願などの別の保護手段の主題である可能性があり、出願人、発明者または所有者は、本書における開示により、かかる主題を放棄、棄権、または公に奉献する意図はない。
【0087】
本開示に記載される実装に対する様々な修正は、当業者に容易に明らかであり、本明細書に定義される一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実装に適用することができる。したがって、本開示は、本明細書に示される実施に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示する特許請求の範囲、原理および新規の特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。用語「実施例」は、本明細書では、「実施例、実例、または例示として役立つ」ことを意味するためにのみ使用される。本明細書に「実施例」として記載される任意の実装は、別段の記載がない限り、必ずしも他の実装よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。
【0088】
別個の実装の文脈で本明細書に記載される特定の特徴は、単一の実装で組み合わせて実装することもできる。逆に、単一の実装の文脈で記述される様々な特徴は、複数の実装で別々に、または任意の適切なサブコンビネーションで実装されてもよい。さらに、特徴は、特定の組み合わせで作用するものとして上述され、当初はそのように特許請求されたとしても、特許請求された組み合わせからの一つまたは複数の特徴は、場合により、その組み合わせから削除され、特許請求された組み合わせは、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形に向けられてもよい。
【0089】
同様に、操作は特定の順序で図面に図示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、このような操作が、示される特定の順序で、もしくは連続した順序で実行されること、または図示されたすべての操作が実行されることを必要とするとは理解されるべきでない。さらに、他の実装は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。一部の事例では、特許請求の範囲に列挙された動作は、異なる順序で実行されてもよく、それでも望ましい結果を達成することができる。
【0090】
一般に、本明細書で使用される用語は概して、「オープン」な用語として意図されていることを、当業者は理解するであろう(例えば、用語「含む(including)」は、「含む(including)が限定されない」と解釈されるべきであり、「有する」は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」は、「含む(includes)が限定されない」などと解釈されるべきである)。導入された特許請求の範囲の記述の特定の数字が意図される場合、そのような意図は特許請求の範囲に明示的に記述され、そのような記述がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、理解の補助として、以下の添付の特許請求の範囲は、特許請求の範囲の記述を導入するための導入語句「少なくとも一つ」および「一つまたは複数」の使用を含み得る。しかし、こうした語句の使用は、不定冠詞「a」または「an」による特許請求の範囲の記述の導入が、同じ特許請求の範囲が、導入語句「一つまたは複数」または「少なくとも一つ」、および「a」または「an」などの不定冠詞(例えば、「a」および/または「an」は通常、「少なくとも一つ」または「一つまたは複数」を意味すると解釈されるべきである)を含む場合でも、そのような導入された特許請求の範囲の記述を含む任意の特定の特許請求の範囲を、そのような記述を一つのみ含む実施形態に限定することを暗示するものとして解釈されるべきではない。特許請求の範囲の記述を導入するために使用される定冠詞の使用についても同様である。さらに、導入された特許請求の範囲の記述の特定の数字が明示的に記述されているとしても、当業者は、このような記述は、典型的には、少なくとも記述された数字を意味すると解釈されるべきであることを認識するであろう(例えば、他の修飾語なしで「二つの記述」の単なる記述は、通常、少なくとも二つの記述、または二つ以上の記述を意味する)。さらに、「A、B、およびCなどのうちの少なくとも一つ」に類似する慣例が使用される場合、一般に、このような解釈は、当業者が、慣例を理解するという意味で意図される(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも一つを有するシステム」は、A単独で、B単独で、C単独で、AおよびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、および/またはA、B、およびCを一緒に有するシステムなどを含むが、これらに限定されない)。「A、B、またはCなどのうちの少なくとも一つ」に類似する慣例が使用される場合、一般に、このような解釈は、当業者が、慣例を理解するという意味で意図される(例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも一つを有するシステム」は、A単独で、B単独で、C単独で、AおよびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、および/またはA、B、およびCを一緒に有するシステムなどを含むが、これらに限定されない)。説明、特許請求の範囲、または図面のいずれにおいても、二つ以上の代替的な用語を提示する実質的に任意の離接語および/または語句は、用語のうちの一つ、用語のいずれか、または両方の用語を含む可能性を企図していると理解されるべきであると、当技術分野の者によってさらに理解されるであろう。例えば、語句「AまたはB」は、「A」もしくは「B」、または「AおよびB」の可能性を含むと理解されるであろう。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械的循環補助装置であって、
流入領域(5)、流出領域(6)、および遠位インペラ領域(11)を含む管状カニューレ(4)と、
近位端および遠位端を有するインペラ(2)であって、前記インペラ(2)が少なくとも部分的に前記流出領域(6)内に、および少なくとも部分的に前記遠位インペラ領域(11)内に前記管状カニューレ(4)内に位置付けられている、インペラ(2)と、を含み、
前記インペラ(4)と前記管状カニューレ(4)の内表面との間のラジアルギャップが、前記近位端と前記遠位端との間でサイズが変化し、前記近位端と前記遠位端との間の特定の位置での前記ラジアルギャップの前記サイズが、前記特定の位置で、最大インペラ幅と前記管状カニューレ(4)の前記内表面との間のラジアル距離を含
み、
前記インペラ(2)が、第一の直径(13)から遠位直径(20)まで遠位に先細りした遠位に先細りした部分(21)を備え、前記遠位直径(20)が前記第一の直径(13)よりも小さく、
前記インペラ(2)が、前記遠位に先細りした部分(21)から近位に延在する一定の直径部分(22)を備え、前記一定の直径部分(22)が前記第一の直径(13)を有する、機械的循環補助装置。
【請求項2】
前記一定の直径部分(22)が、前記遠位インペラ領域(11)内に少なくとも部分的に、および前記流出領域(6)内に少なくとも部分的に延在する、請求項
1に記載の装置。
【請求項3】
前記一定の直径部分(22)が、前記遠位に先細りした部分(21)から前記インペラ(2)の前記近位端まで延在する、請求項
2に記載の装置。
【請求項4】
前記ラジアルギャップが、前記遠位直径(20)の位置で0.095mm~0.125mmである、請求項
1に記載の装置。
【請求項5】
前記ラジアルギャップが、前記第一の直径(13)の位置で0.060mm~0.090mmである、請求項
1に記載の装置。
【請求項6】
前記遠位直径(20)が、前記第一の直径(13)よりも0.040mm~0.100mm小さい、請求項
1に記載の装置。
【請求項7】
前記先細りした部分(21)
が直線傾斜部で先細る、請求項
6に記載の装置。
【請求項8】
前記遠位直径(20)が、前記第一の直径(13)より0.06mm~0.08mm小さい、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記先細りした部分(21)が、直線傾斜部で先細る、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記先細りした部分(21)の傾斜部が、0.017である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
機械的循環補助装置であって、
流入領域(5)、流出領域(6)、および遠位インペラ領域(11)を含む管状カニューレ(4)と、
近位端および遠位端を有するインペラ(2)であって、前記インペラ(2)が少なくとも部分的に前記流出領域(6)内に、および少なくとも部分的に前記遠位インペラ領域(11)内に前記管状カニューレ(4)内に位置付けられている、インペラ(2)と、
前記インペラ(2)が前記駆動磁気ロータ(42)に結合される、駆動磁気ロータ(42)と、を含み、
前記インペラ(4)と前記管状カニューレ(4)の内表面との間のラジアルギャップが、前記近位端と前記遠位端との間でサイズが変化し、前記近位端と前記遠位端との間の特定の位置での前記ラジアルギャップの前記サイズが、前記特定の位置で、最大インペラ幅と前記管状カニューレ(4)の前記内表面との間のラジアル距離を含む、機械的循環補助装置。
【請求項12】
前記インペラ(2)の前記遠位端を前記管状カニューレ(4)の軸中心に保持するように構成されたベアリング(43)をさらに備
え、
前記ベアリング(43)が、前記ベアリング(43)を前記管状カニューレ(4)に接続し、前記ベアリング(43)の位置を前記管状カニューレ(4)に対して維持するように構成された複数のスポークを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記駆動磁気ロータ(42)が、前記流出領域(6)に少なくとも部分的に位置付けられる、請求項
11に記載の装置。
【請求項14】
前記インペラ(2)と前記管状カニューレ(4)の前記内表面との間の前記ラジアルギャップが、前記遠位インペラ領域(11)よりも前記流出領域(6)において大きい、請求項
11に記載の装置。
【請求項15】
前記インペラが一定の直径を含む、請求項
11に記載の装置。
【請求項16】
機械的循環補助装置であって、
流入領域(5)、流出領域(6)、および遠位インペラ領域(11)を含む管状カニューレ(4)と、
前記流出領域(6)に部分的に、および前記遠位インペラ領域(11)に部分的に、前記管状カニューレ内に位置付けられたインペラ(2)と、を備え、
前記インペラ(2)と前記遠位インペラ領域(11)との間の第一のラジアルギャップ(1a)が、前記インペラ(2)と前記管状カニューレの前記流出領域(6)との間の第二のラジアルギャップ(1b)よりも小さ
く、
前記インペラ(2)が、一定の直径を有する、機械的循環補助装置。
【請求項17】
前記流出領域(6)が、一つ以上の支柱(8)を含む、請求項
16に記載の装置。
【請求項18】
前記支柱が、前記管状カニューレの厚さよりも大きい厚さを有する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記第一のラジアルギャップ(1a)が0.04mm~0.5mmの範囲内である、請求項
16に記載の装置。
【請求項20】
前記第二のラジアルギャップ(1b)が、0.04mm~3mmの範囲内である、請求項
16に記載の装置。
【国際調査報告】