(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-29
(54)【発明の名称】体外診断システムにおける動作エラーを検出および報告するための方法、および体外診断システム
(51)【国際特許分類】
G01N 35/00 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
G01N35/00 A
G01N35/00 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516612
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(85)【翻訳文提出日】2023-03-13
(86)【国際出願番号】 EP2021075271
(87)【国際公開番号】W WO2022058324
(87)【国際公開日】2022-03-24
(32)【優先日】2020-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】501205108
【氏名又は名称】エフ ホフマン-ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エスピー、クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】プリスタット-グプタ、アンドレ
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058GB08
2G058GC06
2G058GD05
2G058GE10
(57)【要約】
本開示は、体液のサンプルを測定するための体外診断システム(1)において動作エラーを検出および報告するための方法であって、それぞれが体液のサンプルを収容する複数のサンプル容器(2)を提供することと、サンプルを測定するように構成された分析装置(4)と、複数のサンプル容器(2)を取り扱うように構成されたハンドリングシステム(5)と、ハンドリングシステム(5)によって提供され、複数のサンプル容器(2)を分析装置(4)に搬送するように構成された、自動化トラック(6)と、を備える複数の機能モジュール(3)を提供することと、を含む方法に関する。本方法は、機能モジュール(3)のうちの少なくとも1つに接続され、少なくとも1つの機能モジュール(3)の動作を制御するように構成され、1つまたは複数のデータプロセッサ(8)を備える動作制御装置(7)を提供することであって、少なくとも1つの機能モジュール(3)の動作を制御するために1つまたは複数のデータプロセッサ(8)上でアプリケーションソフトウェアが実行されている、動作制御装置(7)を提供することと、動作制御装置(7)によって少なくとも1つの機能モジュール(3)の動作を制御することと、エラー検出および報告装置(9)によって動作エラーを検出および報告することであって、複数の機能モジュール(3)のうちの少なくとも1つおよび動作制御装置(7)の動作の動作エラーを検出することと、動作エラーを示すエラーデータを提供することと、動作エラーを検出した後にユーザインターフェース(10)を介してユーザ入力を受け取ることと、ユーザ入力を受け取ること応答して、エラーデータに加えて動作エラーに関する情報を示すラベリングデータを提供することと、エラーデータおよびラベリングデータを含むエラーレポートデータを提供することと、複数の機能モジュール(3)と動作制御装置(7)の双方に対して遠隔に位置するエラーリポジトリ(11)にエラーレポートデータを送信することと、を含む、動作エラーを検出および報告することと、エラーリポジトリ(11)に接続されたデータ処理装置において実行されている機械学習プロセスにおいてエラーレポートデータを受け取ることと、データ処理装置における機械学習プロセスによってエラーレポートデータを処理することと、データ処理装置における機械学習プロセスによるエラーレポートデータの処理に応答して、アプリケーションソフトウェアについてのアプリケーションソフトウェア更新を提供することと、アプリケーションソフトウェア更新を動作制御装置(7)に提供することと、アプリケーションソフトウェア更新を含むアプリケーションソフトウェアを実行することを含む、動作制御装置(7)による少なくとも1つの機能モジュール(3)の動作を制御することと、をさらに含む。さらに、体液のサンプルを測定するための体外診断システムが提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体液のサンプルを測定するように構成された体外診断システム(1)において動作エラーを検出および報告するための方法であって、体外診断システム(1)において、
それぞれが体液のサンプルを収容する複数のサンプル容器(2)を提供することと、
複数の機能モジュール(3)を提供することであって、前記複数の機能モジュール(3)が、
前記サンプルを測定するように構成された分析装置(4)と、
前記複数のサンプル容器(2)を取り扱うように構成されたハンドリングシステム(5)と、
前記ハンドリングシステム(5)によって提供され、前記複数のサンプル容器(2)を前記分析装置(4)に搬送するように構成された、自動化トラック(6)と
を備える、複数の機能モジュール(3)を提供することと、
前記機能モジュール(3)のうちの少なくとも1つに接続され、前記少なくとも1つの機能モジュール(3)の動作を制御するように構成され、1つまたは複数のデータプロセッサ(8)を備える動作制御装置(7)を提供することであって、前記少なくとも1つの機能モジュール(3)の動作を制御するために前記1つまたは複数のデータプロセッサ(8)上でアプリケーションソフトウェアが実行されている、動作制御装置(7)を提供することと、
前記動作制御装置(7)によって前記少なくとも1つの機能モジュール(3)の動作を制御することと、
エラー検出および報告装置(9)によって動作エラーを検出および報告することであって、
前記複数の機能モジュール(3)のうちの少なくとも1つおよび前記動作制御装置(7)の動作の前記動作エラーを検出することと、
前記動作エラーを示すエラーデータを提供することと、
前記動作エラーを検出した後にユーザインターフェース(10)を介してユーザ入力を受け取ることと、
前記ユーザ入力を受け取ることに応答して、前記エラーデータに加えて前記動作エラーに関する情報を示すラベリングデータを提供することと、
前記エラーデータおよび前記ラベリングデータを含むエラーレポートデータを提供することと、
前記複数の機能モジュール(3)と前記動作制御装置(7)の双方に対して遠隔に位置するエラーリポジトリ(11)に前記エラーレポートデータを送信することと
を含む、動作エラーを検出および報告することと、
前記エラーリポジトリ(11)に接続されたデータ処理装置において実行されている機械学習プロセスにおいて前記エラーレポートデータを受け取ることと、
前記データ処理装置における前記機械学習プロセスによって前記エラーレポートデータを処理することと、
前記データ処理装置における前記機械学習プロセスによる前記エラーレポートデータの前記処理に応答して、前記アプリケーションソフトウェアについてのアプリケーションソフトウェア更新を提供することと、
前記アプリケーションソフトウェア更新を前記動作制御装置(7)に提供することと、
前記アプリケーションソフトウェア更新を含む前記アプリケーションソフトウェアを実行することを含む、前記動作制御装置(7)による前記少なくとも1つの機能モジュール(3)の動作を制御することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記データ処理装置において前記エラーレポートデータを前処理することをさらに含み、前記前処理することが、前記エラーレポートデータを、前記機械学習プロセスによって処理可能なデータフォーマットを有するフォーマットされたエラーレポートデータにフォーマッティングすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エラーデータが、前記分析装置(4)の動作エラーを示す、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記エラーデータが、前記ハンドリングシステム(5)の動作エラーを示す、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記エラーデータが、前記自動化トラック(6)の動作エラーを示す、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記エラーデータが、偽陽性エラーおよび偽陰性エラーのうちの1つを示す、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザ入力を受け取ることが、
複数の種類の動作エラーを示すユーザ情報データを提供することと、
前記ユーザ情報データを表示装置を介して出力することにより、前記複数の種類の動作エラーのメニューを前記表示装置上に提示することと、
前記ユーザインタフェース(10)を介して前記ユーザ入力を受け取ることであって、前記ユーザ入力が、前記複数の種類の動作エラーのうちの少なくとも1つのユーザ選択を示す、前記ユーザ入力を受け取ることと、
前記ユーザによって選択された前記複数の種類の動作エラーのうちの前記少なくとも1つに割り当てられたラベリングデータを提供することと
をさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ユーザ情報データを提供することが、
データキャリア読み取り装置から読み取りデータを受け取ることであって、前記読み取りデータが、前記サンプル容器(2)に設けられたデータキャリアに記憶されたサンプル容器データを示す、読み取りデータを受け取ることと、
前記読み取りデータを受け取ることに応答して前記ユーザ情報データを提供することと
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ユーザ情報データを提供することが、
入力装置からユーザメッセージデータを受け取ることであって、前記ユーザメッセージデータが、ユーザビデオメッセージ入力とユーザオーディオメッセージ入力のうちの少なくとも一方を示す、ユーザメッセージデータを受け取ることと、
前記ユーザメッセージデータを受け取ることに応答して前記ユーザ情報データを提供することと
を含む、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記ユーザ情報データを提供することが、
前記表示装置を介して、前記複数の機能モジュールからの前記機能モジュールのうちの1つおよび前記動作制御装置の視覚的表現を出力することと、
前記ユーザが前記視覚的表現を選択していることを示すユーザ選択入力を受け取ることと
を含む、請求項7から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ユーザ入力を受け取ることの中でユーザエラーレポートメッセージを受け取ることと、
前記ユーザエラーレポートメッセージを示すユーザエラーレポートメッセージデータを生成することと、
前記ユーザエラーレポートメッセージデータを含む前記ラベリングデータを提供することと
をさらに含む、請求項7から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
体液のサンプルを測定するための体外診断システム(1)であって、
それぞれが体液のサンプルを収容する複数のサンプル容器(2)と、
複数の機能モジュール(3)であって、
前記サンプルを測定するように構成された分析装置(4)と、
前記複数のサンプル容器(2)を取り扱うように構成されたハンドリングシステム(5)と、
前記ハンドリングシステム(5)によって提供され、前記複数のサンプル容器(2)を前記分析装置(4)に搬送するように構成された、自動化トラック(6)と
を備える、複数の機能モジュール(3)と、
動作制御装置(7)であって、
前記機能モジュール(3)のうちの少なくとも1つに接続され、前記少なくとも1つの機能モジュール(3)の動作を制御するように構成され、
1つまたは複数のデータプロセッサ(8)を備え、
前記少なくとも1つの機能モジュール(3)の動作を制御するために前記1つまたは複数のデータプロセッサ(8)上で実行されるアプリケーションソフトウェアが設けられている、
動作制御装置(7)と、
動作エラーを検出および報告するように構成されたエラー検出および報告装置(9)であって、
前記複数の機能モジュール(3)のうちの少なくとも1つおよび前記動作制御装置(7)の動作についての前記動作エラーを検出することと、
前記動作エラーを示すエラーデータを提供することと、
前記動作エラーを検出した後にユーザインターフェース(10)を介してユーザ入力を受け取ることと、
前記ユーザ入力を受け取ることに応答して、前記エラーデータに加えて前記動作エラーに関する情報を示すラベリングデータを提供することと、
前記エラーデータおよび前記ラベリングデータを含むエラーレポートデータを提供することと、
前記複数の機能モジュール(3)と前記動作制御装置(7)の双方に対して遠隔に位置するエラーリポジトリ(11)に前記エラーレポートデータを送信することと
を含む、エラー検出および報告装置(9)と、
前記エラーリポジトリ(11)に接続されたデータ処理装置であって、
前記データ処理装置において実行されている機械学習プロセスにおいて前記エラーレポートデータを受け取り、
前記機械学習プロセスによって前記エラーレポートデータを処理し、
前記機械学習プロセスによる前記エラーレポートデータの前記処理に応答して、前記アプリケーションソフトウェアについてのアプリケーションソフトウェア更新を提供するように構成され、前記アプリケーションソフトウェア更新が、前記アプリケーションソフトウェア更新を含む前記アプリケーションソフトウェアを実行することを含む、前記動作制御装置(7)による前記少なくとも1つの機能モジュール(3)の動作を制御するために前記動作制御装置(7)に提供される、データ処理装置と
を備える、体外診断システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、体液のサンプルを測定するように構成された体外診断システムにおいて動作エラーを検出および報告するための方法、および体外診断システムに関する。
【背景技術】
【0002】
体外診断システムは、体液のサンプルを測定するために適用される。サンプルは、体外診断システムにおいて処理されるサンプル容器または容器に収容される。サンプル容器は、例えばサンプル容器をサンプル容器キャリア内に配置し、サンプル容器キャリアからサンプル容器を取り出すために、サンプル容器取り扱いまたは分配システムによって取り扱われ得る。例えば、実験室サンプル分配システムは、国際公開第2016/038014号パンフレットに開示されている。
【0003】
体外診断システムでは、サンプル容器は、処理のために処理のラインに沿って移動され、サンプル容器および/またはサンプル容器キャリアは、1つまたは複数のアクチュエータと、アクチュエータを駆動するためのアクチュエータ駆動部または駆動装置と、を有する搬送装置によって移動される。例えば、サンプル容器は、体外診断システムの処理のラインに設けられた第1の作業ステーションから第2の作業ステーションに移動、または再配置され得る。作業ステーションはまた、作業位置と称されることがある。
【0004】
診断システムは、現在、予めインストールされたアルゴリズムを使用して現場で品質管理を実行している。特に、そのような診断システムにおけるサンプルの品質チェックのための現在のソフトウェアソリューションは、通常、カメラベースであり、現場に設置されたシステムの挙動に基づいて開発されていない。
【0005】
サンプルのカメラベースの品質チェックのためのシステムは、米国特許出願公開第2019/0 033 209号明細書、欧州特許出願公開第3 408 640号明細書、および欧州特許出願公開第3 408 641号明細書に開示されている。検体を定量するためのモデルベースの方法が開示される。本方法は、検体を提供することと、異なる公称波長で複数のスペクトルに照射されている間に検体の画像をキャプチャすることと、露光することと、検体を、血清または血漿部分、沈降血液部分、ゲル分離器(使用する場合)、空気、チューブ、ラベル、またはキャップのうちの1つまたは複数を含む様々なクラス類に分類することと、検体を定量化することと、を含む。定量化は、液体-空気界面の位置、血清-血液界面の位置、血清-ゲル界面の位置、血液-ゲル界面の位置、血清または血漿部分の体積および/または深さ、または沈降した血液部分の体積および/または深さ、のうちの1つまたは複数を決定することを含む。
【0006】
欧州特許出願公開第3 171 302号明細書は、オペレータが実行しなければならない少なくとも1つのアクションを指定する実験ワークフローを選択することであって、アクションが、1つまたは複数の実験室装置を含む、選択することと、オペレータが、オペレータによって装着された拡張現実装置に関連付けられたカメラを使用することによって、オペレータによるアクションの1つまたは複数の画像またはビデオを記録することと、記録された1つまたは複数の画像またはビデオに基づいて電子実験室ジャーナルのエントリを生成することと、を含む電子実験室ジャーナルのエントリを生成する方法を開示している。
【0007】
中国特許出願公開第108 984 613号明細書の開示は、転移学習に基づく欠陥報告の項目間分類方法であって、データを選択することと、ソースデータおよびターゲットデータを決定することと、データを前処理することと、欠陥レポート意味モデルを訓練することによってステップにおける各欠陥レポートのベクトル表現を計算することと、ステップにおけるソースデータとターゲットデータとを訓練データと検査データとに分割し、分類結果の誤差が最小となるように訓練データの重みを転移学習によって調整することと、ステップにおいて移行されたデータ訓練分類器を使用して、機械学習分類器を介して項目にわたってターゲットデータを分類することと、を含む、方法に言及している。
【0008】
命令を記憶するように構成されたメモリを含むコンピューティング装置を含むシステムが、国際公開第2019/089 578号パンフレットに開示されている。システムはまた、少なくとも1つのフォントのテキストコンテンツを含む画像を受信することを含む動作を実行するための命令を実行するためのプロセッサを含む。動作はまた、機械学習システムを使用して受信画像に表された少なくとも1つのフォントを識別することを含む。複数の訓練用フォントを表す画像を使用して訓練が行われている機械学習システムがある。訓練画像の一部は、前景に位置し、キャプチャされた背景画像の上に配置されたテキストを含む。
【0009】
米国特許出願公開第2018/232 657号明細書は、ユーザと認知学習および推論システムとの間の相互作用に基づく訓練データを受け取ることと、訓練データに対して複数の機械学習動作を実行することと、複数の機械学習動作を実行することによって生成された情報に基づいて認知プロファイルを生成することと、複数の機械学習動作を使用して生成されたプロファイルに基づいて認知的洞察を生成することと、を含む、認知的洞察を生成するための方法およびシステムを開示している。
【0010】
米国特許出願公開第2019/102 700号明細書の開示は、統合機械学習プラットフォームに関する。機械学習プラットフォームは、異なるスキーマを有する機械学習モデルを共通のスキーマを共有する機械学習モデルに変換し、機械学習モデルを特定の基準に基づいてモデルグループに編成し、機械学習モデルの展開前評価を実行することができる。モデルグループ内の機械学習モデルは、個別にまたはグループとして評価または使用され得る。機械学習プラットフォームは、生産環境にモデルグループおよびセレクタを展開するために使用可能であり、セレクタは、特定のビジネス目標などの特定のスコアリングメトリックを使用して決定されたスコアに基づいて、異なるコンテキストまたは異なる入力データにおいて生産環境のモデルグループからモデルを動的に選択するように学習することができる。
【0011】
顧客サービスに基づく障害修理報告管理方法は、中国特許出願公開第109 635 968号明細書に開示されている。本方法は、修理報告ユーザの音声情報を取得するステップと、音声情報に対応するテキスト情報を取得するために音声情報を分析するステップと、テキスト情報および事前設定キーワードライブラリにしたがってキーワードキャプチャアルゴリズムを介して修理作業注文を生成するステップと、修理作業注文をターゲット端末に配信し、ターゲット端末によって送信されたフィードバック情報を受け取るステップと、を含む。
【0012】
中国特許第1 043 011 368号明細書は、障害情報を報告および処理するための方法および機器を開示している。本方法は、障害情報の予め設定された関連パラメータにしたがってユーザ機器のログを分析するステップを含み、障害情報は、ログから取得され得、障害情報の予め設定された関連パラメータは、障害キーワードを含む。取得された障害情報にしたがって、障害ファイルが生成され、サーバに報告され、障害ファイルは、障害キーワードを含む。
【0013】
欧州特許出願公開第3 517 970号明細書は、自動分析装置の異常に起因してアラームが発生し、自動分析装置が停止した場合に、顧客が自らアラームを扱うことが困難であると決定された場合に、サービス部門が顧客サービスを改善するために顧客に連絡するためのシステムに言及している。自動分析装置は、アラーム画面を表示するディスプレイと、異常に起因してアラームが発生したことを示すアラーム発生情報と、アラーム発生情報に基づいて、アラーム画面に表示されたアラームを顧客が削除したことを示すアラーム削除情報とを生成するコンピュータと、コンピュータによって生成されたアラーム生成情報およびアラーム削除情報を外部のアラームメンテナンスシステムと共有する情報共有部と、を含む。
【0014】
米国特許出願公開第2009/199 052号明細書は、複数の分析機器を含む管理システム、およびネットワークを介して分析機器に接続されたコンピュータシステムであって、分析機器のそれぞれが、分析機器によって生成されたデータをネットワークを介してコンピュータシステムに送信するためのデータ送信機を備え、コンピュータシステムが、プロセッサの制御下にあるメモリを含み、メモリが、プロセッサが動作を実行することを可能にする命令を記憶し、動作が、(a)複数の分析機器のデータ送信機から送信された複数のデータを受け取ることと、(b)複数の受け取ったデータに基づいて、分析機器のユーザへの通知が必要であるか否かを決定するための決定条件を決定するために使用される集計結果を生成することと、(c)集約結果を出力することと、を含む、管理システムおよびコンピュータシステムに言及している。コンピュータシステムおよび情報を提供する方法も開示される。
【0015】
米国特許出願公開第2007/174653号明細書は、実験室サンプルに対して動作を実行する機構と、プログラムされたプロセスにしたがって機構に実験室サンプルを処理させるスケジューラと、スケジューラによって制御されるプロセスにおいて発生するエラーを検出するロジックと、エラーに対するユーザ定義のエラー処理ルーチンを受け入れるロジックと、エラーに遭遇したときにエラー処理ルーチンを実行するロジックと、を備える自動化された実験室装置を開示している。実験室自動化システム、実験室自動化の方法、コンピュータ実装ソフトウェアプログラム製品、ビジネスを行う方法、および実験室自動化ネットワークも記載される。
【0016】
英国特許出願公開第2 573 336号明細書は、装置のモジュール内に既に存在するセンサおよびアクチュエータを使用して障害について自己検査されるモジュール式医療装置、例えば体外診断(IVD)装置を開示しており、これらは、装置内の異常動作をチェックするための検査実行を実行するために使用される。アクチュエータは、ポンプもしくはステッパモータ、ペルチェ素子、RFIDセンサ、音響もしくは光学センサ、または静電容量、圧力、流量もしくは充填レベルのためのセンサとすることができる。センサはまた、ロータリエンコーダまたはリニアエンコーダまたはRFIDレシーバであってもよい。モジュール式装置は、ピペッタ、ポンプ、反応容器を洗浄するためのモジュール、サーモスタットモジュール、または反応強度を測定するためのモジュールを含む。検査シーケンスは、経時的に繰り返され、データを比較して差し迫った障害を示す。
【0017】
米国特許第9,430,312号明細書は、サンプルを分析する分析機器、またはサンプルを前処理する処理装置と、分析機器および処理装置のうちの少なくとも一方を管理する管理装置とを含むシステムであって、管理装置が、分析機器または処理装置のエラーを検出するエラー検出手段と、エラーの種類毎に少なくとも1人のオペレータが登録されたオペレータ通知管理テーブルが記憶された記憶手段と、オペレータ通知管理テーブルに基づいて、エラー検出手段によって検出されたエラーの種類にしたがって、エラー検出手段が検出したエラーを、エラーを個別に対処すべきオペレータに通知するエラー通知手段と、エラー通知手段からエラーが通知されたオペレータのうち、エラーをトラブルシュータとして扱ったオペレータを登録する登録手段と、を含む、システムに言及している。
【発明の概要】
【0018】
動作エラーを回避するための改善された技術を用いて体液のサンプルを測定するように構成された体外診断システムにおいて動作エラーを検出および報告するための方法を提供することを目的とする。また、安全な動作を可能にする体外診断システムが提供される。
【0019】
この課題を解決するために、それぞれ独立請求項1および12に記載の体液のサンプルを測定するように構成された体外診断システムにおいて動作エラーを検出および報告するための方法、ならびに体外診断システムが提供される。追加の実施形態は、従属請求項において言及されている。
【0020】
一態様によれば、体液のサンプルを測定するように構成された体外診断システムにおいて動作エラーを検出および報告するための方法であって、体外診断システムにおいて、それぞれが体液のサンプルを収容する複数のサンプル容器を提供することと、複数の機能モジュールを提供することであって、複数の機能モジュールが、サンプルを測定するように構成された分析装置と、複数のサンプル容器を取り扱うように構成されたハンドリングシステムと、ハンドリングシステムによって提供され、複数のサンプル容器を分析装置に搬送するように構成された自動化トラックと、を備える、複数の機能モジュールを提供することと、を含む、方法が提供される。本方法は、機能モジュールのうちの少なくとも1つに接続され、少なくとも1つの機能モジュールの動作を制御するように構成され、1つまたは複数のデータプロセッサを備える動作制御装置を提供することであって、アプリケーションソフトウェアが、少なくとも1つの機能モジュールの動作を制御するために1つまたは複数のデータプロセッサ上で実行されている、動作制御装置を提供することと、動作制御装置によって少なくとも1つの機能モジュールの動作を制御することと、エラー検出および報告装置によって動作エラーを検出および報告することであって、複数の機能モジュールのうちの少なくとも1つの機能モジュールおよび動作制御装置の動作の動作エラーを検出することと、動作エラーを示すエラーデータを提供することと、動作エラーを検出した後にユーザインターフェースを介してユーザ入力を受け取ることと、ユーザ入力の受け取ることに応答して、エラーデータに加えて動作エラーに関する情報を示すラベリングデータを提供することと、エラーデータおよびラベリングデータを含むエラーレポートデータを提供することと、複数の機能モジュールおよび動作制御装置の双方に対して遠隔に位置するエラーリポジトリにエラーレポートデータを送信することと、を含む、動作エラーを検出および報告することと、をさらに含む。本方法は、エラーリポジトリに接続されたデータ処理装置において実行されている機械学習プロセスにおいてエラーレポートデータを受け取ることと、データ処理装置における機械学習処理によってエラーレポートデータを処理することと、データ処理装置における機械学習プロセスによるエラーレポートデータの処理に応答して、アプリケーションソフトウェアについてのアプリケーションソフトウェア更新を提供することと、アプリケーションソフトウェア更新を動作制御装置に提供することと、アプリケーションソフトウェア更新を含むアプリケーションソフトウェアを実行することを含む、動作制御装置による少なくとも1つの機能モジュールの動作を制御することと、をさらに含む。
【0021】
別の態様によれば、体液のサンプルを測定するための体外診断システムであって、それぞれが体液のサンプルを収容する複数のサンプル容器と、サンプルを測定するように構成された分析装置と、複数のサンプル容器を取り扱うように構成されたハンドリングシステムと、ハンドリングシステムによって提供され、複数のサンプル容器を分析装置に搬送するように構成された自動化トラックとを備える複数の機能モジュールと、を備える、体外診断システムが提供される。動作制御装置は、機能モジュールのうちの少なくとも1つに接続され、少なくとも1つの機能モジュールの動作を制御するように構成され、1つまたは複数のデータプロセッサを備える。アプリケーションソフトウェアは、少なくとも1つの機能モジュールの動作を制御するために1つまたは複数のデータプロセッサ上で実行される。エラー検出および報告装置は、複数の機能モジュールのうちの少なくとも1つおよび動作制御装置の動作についての動作エラーを検出すること、動作エラーを示すエラーデータを提供すること、動作エラーを検出した後にユーザインターフェースを介してユーザ入力を受け取ること、ユーザ入力を受け取ることに応答して、エラーデータに加えて動作エラーに関する情報を示すラベリングデータを提供すること、エラーデータおよびラベリングデータを含むエラーレポートデータを提供すること、複数の機能モジュールおよび動作制御装置の双方に対して遠隔に位置するエラーリポジトリにエラーレポートデータを送信することを含む、動作エラーを検出および報告するように構成されている。体外診断システムは、エラーリポジトリに接続されたデータ処理装置であって、データ処理装置において実行されている機械学習プロセスにおいてエラーレポートデータを受け取り、機械学習プロセスによってエラーレポートデータを処理し、機械学習プロセスによるエラーレポートデータの処理に応答して、アプリケーションソフトウェアについてのアプリケーションソフトウェア更新を提供するように構成され、アプリケーションソフトウェア更新が、アプリケーションソフトウェア更新を含むアプリケーションソフトウェアを実行することを含む、動作制御装置による少なくとも1つの機能モジュールの動作を制御するために動作制御装置に提供される、データ処理装置をさらに備える。
【0022】
そのような動作エラーを示すデータ、すなわちエラーデータが提供されるだけでなく、体外診断システムを動作させるための動作対策を実施しているユーザから収集された追加情報も提供される。そのような追加情報は、ラベリングデータによって提供される。したがって、エラーリポジトリ内で受け取った(および記憶された)エラーデータおよびラベリングデータの双方を含むエラーレポートデータは、現場、すなわち体外診断システムの使用場所だけでなく、遠隔でも体外診断システムのエラーまたは障害分析のための改善された方法を提供する。例えば、開発チームは、エラーレポートデータにアクセスすることができる。
【0023】
機械学習プロセスは、アプリケーションソフトウェア更新を提供するように構成されてもよい。
【0024】
実施形態では、現場での体外診断システムの作動中に、動作制御装置は、最初に、予めインストールされたアプリケーションソフトウェアが設けられてもよい。しかしながら、予めインストールされたソフトウェアは、動作エラーを引き起こす可能性がある。特に、動作エラーは、システム的エラーであり得る。学習プロセスがなければ、エラー、例えばシステム的エラーは、通常残る。例えばエラーレポートデータを介してエラーを報告することにより、機械学習プロセスは、これらのエラーから学習することができ、具体的にはシステム的エラーが識別されることができる。換言すれば、エラー(特にエラーレポートデータ)は、機械学習プロセスのための入力として訓練データおよび/または検証データとして提供されることができる。機械学習プロセスは、体外診断システム、特に動作制御装置に予めインストールされるソフトウェアに使用されることができるものと同じであり得る。機械学習プロセスは、予めインストールされたアプリケーションソフトウェアよりもエラーが少ない動作制御装置用の更新されたアプリケーションソフトウェア(例えば、動作モデル)を計算または決定するために提供される。
【0025】
機械学習プロセスによって受け取ったエラーレポートデータは、現場の体外診断システムのエラーおよび/またはさらなる体外診断システムのエラーを示すことができる。
【0026】
機械学習プロセスは、開発者の監督なしに学習することができ、それによって、エラーレポートデータを受け取ることに応答して機械学習を自動的に行うことができる。そのような自動機械学習プロセスは、動作エラーを示すエラーレポートデータを受け取った後、またはエラーリポジトリ内の所定数の動作エラーについてのエラーレポートデータを受け取ったことに応答して、自動的に開始することができる。
【0027】
あるいは、機械学習プロセスは、開発者によって監督されてもよい。エラーリポジトリ内のエラーレポートデータは、開発者に提供されることができる。開発者は、第1の機械学習プロセスとは異なる第2の機械学習プロセスを提供することができる。開発者は、複数のエラーレポートデータから1つまたは複数のエラーレポートデータを選択することができ、選択されたエラーレポートデータは、訓練データに含まれても含まれなくてもよい。実施形態では、エラーレポートデータの選択のみが機械学習プロセスによって受け取られてもよい。
【0028】
エラーレポートデータ(エラーレポートデータ)を介して報告されることがある典型的な種類のエラーは、以下、すなわち、サンプル容器内で検出された物質/体液の量または種類に関連してシステムによって引き起こされるエラー、サンプル容器の識別に関連して引き起こされるエラー、サンプル容器内の物質の質の決定に関連して引き起こされるエラー、およびに関連して引き起こされるエラーのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0029】
機械学習処理によるエラーレポートデータの処理に応答して、動作制御装置用の新たなアプリケーションソフトウェアが提供されてもよい。動作制御装置用の新たなアプリケーションソフトウェアは、現場における体外診断システムにおいて現在提供されている動作制御装置用アプリケーションソフトウェアとは異なっていてもよい。現場における体外診断システムにおいて現在提供されている動作制御装置用アプリケーションソフトウェア(古いアプリケーションソフトウェア)は、新たなアプリケーションソフトウェアによって上書きされてもよい。あるいは、古いアプリケーションソフトウェアと新たなアプリケーションソフトウェアとの間の差を示す部分のみが、古いアプリケーションソフトウェア(すなわち、アプリケーションソフトウェア更新を提供する)に組み込まれてもよい。
【0030】
実施形態では、本方法は、データ処理装置においてエラーレポートデータを前処理することをさらに含み、前処理することは、エラーレポートデータを、機械学習プロセスによって処理可能なデータフォーマットを有するフォーマットされたエラーレポートデータにフォーマッティングすることを含む。データ処理装置は、エラーレポートデータにアクセスするために、エラーリポジトリによって構成されるか、またはエラーリポジトリに機能的に接続されてもよい。前処理することは、例えば、データパッケージを解凍および/または復号すること、およびデータが階層フォーマットで記憶されている場合に再構築することのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0031】
データ処理装置におけるエラーレポートデータの前処理は、アナログデータをデジタルデータに変換すること、特に、アナログエラーデータまたはアナログラベリングデータをデジタルエラーデータまたはデジタルラベリングデータに変換することを含むことができる。さらに、例えば、エラーデータから1以上の特徴が選択されてもよい。特徴は、体外診断システムの1つまたは複数の動作パラメータを示すことができる。処理装置は、そのようなエラーデータの特徴選択のために設けられてもよい。あるいは、エラーリポジトリは、エラーデータからのそのような特徴選択のために設けられてもよい。エラーデータは、これらの選択された特徴を含むことができる特徴ベクトルが提供されるようにフォーマットされてもよい。特徴ベクトルは、n個の特徴を示すn次元ベクトルとすることができる。あるいは、特徴ベクトルは、スカラであってもよい。好ましい実施形態では、特徴ベクトルは、数値ベクトルである。
【0032】
ラベリングデータは、エラーデータ、特に特徴ベクトルにリンクされたターゲットが提供されるようにフォーマットされてもよい。換言すれば、ターゲットは、エラーデータ、特に特徴ベクトルにラベル付けする。ターゲットは、ラベリングデータを示すことができる。ターゲットは、動作エラーの種類を示すことができる。ターゲットは、スカラまたはベクトルであってもよい。ターゲットは、数値スカラまたはベクトルであってもよい。
【0033】
ターゲットおよび特徴ベクトルは、機械学習プロセスまたはアルゴリズムのための入力データとして提供されてもよい。ターゲットおよび特徴ベクトルは、訓練データセットに組み込まれてもよい。訓練データセットは、訓練エントリを含む。特徴ベクトルは、ターゲットとともに1つの訓練エントリを定義することができる。それぞれ、特徴ベクトルは、特徴行列に組み込まれてもよく、ターゲットは、ターゲットベクトル/行列に組み込まれてもよい。特に、特徴ベクトルおよびターゲットは、最近傍分類、ニューラルネットワーク、およびベイジアンアプローチなどの統計的手法としてアルゴリズムを訓練するために使用されることができるように提供されることができる。あるいは、特徴ベクトルおよびターゲットは、他の機械学習アルゴリズム/プロセスを訓練するために提供されてもよい。本明細書に開示されるスカラ、ベクトル、および行列は、ビットベクトルとして提供されてもよい。新たにフォーマットされたエラーレポートデータは、既存の機械学習アルゴリズムに容易に供給されることができる。特に、新たにフォーマットされたエラーレポートデータは、以前にフォーマットされたエラーレポートデータを補完することができる。各エラーが検出されると、新たなエラーレポートデータがフォーマットされ、連続的に増加するエラーレポートデータのセットを生成する機械学習アルゴリズムに供給されることができる。連続的に増加するエラーレポートデータのセットは、連続的に増加する訓練データのセットを伴うことができる。訓練データのより大きなセットは、機械学習アルゴリズムのより正確な結果に関連することができる。
【0034】
エラーデータは、分析装置の動作エラーを示すことができる。別の実施形態では、エラーデータは、ハンドリングシステムの動作エラーを示すことができる。追加的に、または代替として、エラーデータは、自動化トラックの動作エラーを示すことができる。エラーデータは、分析装置、ハンドリングシステム、または自動化トラックのうちの少なくとも1つの動作パラメータを示すことができる。特に、エラーデータは、エラーが発生した、すなわち検出または報告されたときの分析装置、ハンドリングシステム、または自動化トラックのうちの少なくとも1つの動作パラメータを示すことができる。あるいは、エラーデータは、エラーが発生する前の時点での分析装置、ハンドリングシステム、または自動化トラックのうちの少なくとも1つの動作パラメータを示すことができる。エラーデータは、分析装置、ハンドリングシステム、および/または自動化トラックの動作パラメータの関数によって決定される関数値を示すことができる。例えば、エラーデータは、エラーの発生前の時間における分析装置、ハンドリングシステム、および/または自動化トラックの動作パラメータの平均値(あるいは、最大値、最小値、中央値など)を示すことができる。
【0035】
エラーデータは、偽陽性エラーおよび偽陰性エラーのうちの1つを示すことができる。医療検査では、より一般的にはバイナリ分類では、偽陽性は、実際には存在しない場合、検査結果が疾患などの状態の存在を不適切に示す(結果が陽性である)データ報告のエラーであり、偽陰性は、実際には存在する場合、検査結果が状態の存在を不適切に示さない(結果が陰性である)エラーである。これらは、バイナリ検査における2種類のエラーである(真陽性または真陰性のいずれかの正しい結果と対比される)。それらはまた、医学において偽陽性(それぞれ陰性)診断として、また統計学的分類において偽陽性(それぞれ陰性)エラーとして知られている。偽陽性は、過剰診断とは異なり、過剰検査とも異なる。エラーのバイナリ分類に関して、ユーザは、エラーデータをラベル付けするための2つのオプション、例えば「0」または「1」、すなわち偽陰性または偽陽性を有するだけでよい。エラーのバイナリ分類に関して、ターゲットは、2つの可能なエントリ、例えばエントリ「0」または「1」を有するスカラのみであってもよい。あるいは、エラーのバイナリ分類に関して、ターゲットは、3つの可能なエントリ、例えば、偽陰性、偽陽性、または正解を有するスカラであってもよい。ターゲットはまた、4つの可能なエントリ、例えば、偽陰性、偽陽性、正しい陰性、または正しい陽性を有することができる。例えば、チューブまたはサンプル容器が誤ってエラーラックに分類されると、偽陰性が検出されることができる。エラーラックは、陰性として分類されるサンプル容器を含むことができる。
【0036】
ユーザ入力を受け取ることは、複数の種類の動作エラーを示すユーザ情報データを提供することと、ユーザ情報データを表示装置を介して出力することにより、複数の種類の動作エラーのメニューを表示装置上に提示することと、ユーザインターフェースを介してユーザ入力を受け取ることであって、ユーザ入力が、複数の種類の動作エラーのうちの少なくとも1つのユーザ選択を示す、ユーザ入力を受け取ることと、ユーザによって選択された複数の種類の動作エラーのうちの少なくとも1つに割り当てられたラベリングデータを提供することと、をさらに含むことができる。
【0037】
複数の種類の動作エラーを含むメモリが、例えばリストにおいて提供されてもよい。第1のユーザ入力を受け取ることに応答して、リストが表示装置上でユーザに示されることができる。あるいは、複数の種類の動作エラーは、異なるカテゴリ(任意に、さらに異なるサブカテゴリまたはサブ-サブカテゴリ)においてメモリに保存されることができる。第1のユーザ入力を受け取ることに応答して、カテゴリが表示装置上でユーザに示されることができる。ユーザによって選択されたカテゴリを示す第2のユーザ入力に応答して、選択されたカテゴリの対応する種類の動作エラーが表示装置上でユーザに示されることができる。いくつかのサブカテゴリ(サブ-サブカテゴリ)が提供された場合、最終的に選択されたサブカテゴリ(サブ-サブカテゴリ)に対応する動作エラーの種類が表示装置上でユーザに提示/表示されるまで、さらなるユーザ入力(複数のユーザ入力)を受け取ってもよい。
【0038】
例えば、メモリにおいて、複数の種類の動作エラーは、異なる機能モジュールまたは動作制御装置の動作エラーによって分類されてもよい。特に、複数の種類の動作エラーは、分析装置、ハンドリング装置、および自動化トラックの動作エラーに分類されてもよい。複数の種類の動作エラーは、例えば、分析装置、ハンドリング装置、自動化トラックおよび/または動作制御装置の各動作エラーに対して対応する(標準的な)種類の動作エラーがリンクされるように、メモリに記憶されてもよい。
【0039】
ユーザ入力を受け取るユーザインターフェースは、ボタン、ジョイスティック、タッチスクリーン、マイクロフォン、走査装置、および/またはビデオカメラを備えることができる。
【0040】
複数の種類の動作エラーのメニューを表示装置上に提示することは、ユーザが選択するための一握りの可能な標準エラーを提示することを含むことができる。さらに、ユーザが非標準エラーを示す他の何かを書き込むことができるオプションが提供されることができる。非標準エラーを示すユーザ入力を受け取ることに応答して、非標準エラーは、メモリに記憶されることができる。非標準エラーは、分析装置、ハンドリング装置、自動化トラック、および/または動作制御装置のうちの少なくとも1つにリンクされてもよい。
【0041】
ユーザ入力は、新たな種類の動作エラーを示すことができる。新たな種類の動作エラーは、ユーザ入力の前にメモリに記憶されなくてもよい。ユーザ入力が新たな種類の動作エラーを示すことに応答して、新たな動作エラーがメモリに記憶されることができる。新たな種類の動作エラーは、複数の動作エラーに組み込まれてもよい。ユーザは、例えばキーパッド、ジェスチャ認識システム、または音声認識システムを介して、新たな種類の動作エラーを入力することができる。
【0042】
ユーザ入力はまた、カテゴリのうちの1つについての新たな動作エラーの種類を示すことができる。カテゴリのうちの1つについての新たな動作エラーの種類は、ユーザ入力の前に対応するカテゴリ内のメモリに記憶されなくてもよい。ユーザ入力がカテゴリのうちの1つについての新たな動作エラーの種類を示すことに応答して、カテゴリのうちの1つについての新たな動作エラーの種類がメモリに記憶されることができる。カテゴリのうちの1つについての新たな動作エラーの種類は、メモリ内の対応するカテゴリに組み込まれてもよい。換言すれば、カテゴリのうちの1つについての新たな動作エラーの種類は、メモリ内のこのカテゴリにリンクされてもよい。ユーザは、(例えば、キーパッド、ジェスチャ認識システム、または音声認識システムを介して)カテゴリのうちの1つについての新たな動作エラーの種類を入力することができる。
【0043】
ユーザ情報データを提供することは、データキャリア読み取り装置から読み取りデータを受け取ることであって、読み取りデータが、サンプル容器上に提供されたデータキャリアに記憶されたサンプル容器データを示す、読み取りデータを受け取ることと、読み取りデータを受け取ることに応答してユーザ情報データを提供することと、を含むことができる。
【0044】
データキャリア読み取り装置は、走査装置、例えばバーコードスキャナまたはQRコードスキャナを備えてもよい。あるいは、データキャリア読み取り装置は、カメラ装置またはRFIDリーダを備えてもよい。サンプル容器上に提供されたデータキャリアに記憶されたサンプル容器データを示す読み取りデータは、このサンプル容器に関連する典型的なユーザ情報データ、特に動作エラーの種類を含むことができる。これらの典型的な種類の動作エラーは、例えば、このサンプル容器に関する履歴的に検出および報告された動作エラーに応答して提供されることができる。あるいは、サンプル容器に設けられたデータキャリアに記憶されたサンプル容器データを示す読み取りデータは、固有の識別番号を含んでもよい。例えば、メモリ装置において、複数の種類の動作エラーのそれぞれには、1以上の固有の識別番号が関連付けられていてもよい。固有の識別番号を受け取ることに応答して、この固有の識別番号に関連する動作エラーが提供されることができる。この固有の識別番号に関連するこれらの動作エラーは、その後、表示装置上でユーザに提供/表示されることができる。複数の種類の動作エラーのうちのどれに固有の識別番号が関連するかは、対応するサンプル容器に関連する履歴的に検出および報告された動作エラーに依存することができる、および/または事前設定されることができる。
【0045】
各サンプル容器には、1つまたは複数の種類の動作エラーを含む対応するカテゴリが提供されることができる。サンプル容器の1つに対応する1つまたは複数の種類の動作エラーを含むカテゴリは、このサンプル容器に関連する動作エラーの種類を含むことができる。メモリでは、記憶された動作エラーのそれぞれに、1つまたは複数のサンプル容器がリンクされることができる。読み取りデータを受け取ることに応答して、サンプル容器の1つに対応するカテゴリの1つが選択されることができる。次いで、選択されたカテゴリに記憶された動作エラーは、表示装置上でユーザに提供/表示されることができる。
【0046】
ユーザ情報データを提供することは、入力装置からユーザメッセージデータを受け取ることであって、ユーザメッセージデータは、ユーザビデオメッセージ入力とユーザオーディオメッセージ入力のうちの少なくとも1つを示す、ユーザメッセージデータを受け取ることと、ユーザメッセージデータを受け取ることに応答してユーザ情報データを提供することと、を含むことができる。
【0047】
例えば、メモリには、複数の種類の動作エラーが設けられてもよい。したがって、ユーザは、例えば、(選択された)複数の動作エラーを示すユーザ情報データが表示装置に出力される前に、ユーザ入力装置または入力装置を介して事前選択を行うことができることが意図されることができる。ユーザ入力装置は、入力装置を備えてもよい。(全体的な)複数の動作エラーの一部は、ユーザメッセージデータを受け取ることに応答して提供されてもよい。特に、ユーザメッセージを受け取ることに応答して、(例えば、分析装置、ハンドリング装置、自動化トラック、またはサンプル容器に関連する)(全体的な)複数の動作エラーの特定のカテゴリ(またはサブカテゴリまたはサブ-サブカテゴリ)が提供されることができる。ユーザ情報データは、(全体的な)複数の動作エラーのうちの一部(カテゴリ、サブカテゴリまたはサブ-サブカテゴリ)を示すものであってもよい。
【0048】
ビデオメッセージ入力は、カメラによって提供されることができる。ジェスチャ認識装置が設けられてもよい。入力装置は、カメラおよび/またはジェスチャ認識装置を備えることができる。カメラによってユーザのアテンションが常時監視されることができる。ユーザがカメラの方向を見ていない場合、アテンションは、否定的として分類されることができ、カメラはスタンバイモードにある。注意が肯定的に分類された場合、すなわち、ユーザがカメラの方向を見ている場合、カメラはオンにされることができる。あるいは、カメラは、常にオンにされることができる。別の例示的な実施形態では、カメラは、ボタン、タッチスクリーン、ジョイスティック、またはマイクロフォンなどの他の入力装置によってオンモードとスタンバイモードとの間で切り替えられることができる。カメラがオンにされると、ユーザの写真(ビデオ)がジェスチャ認識装置によって提供および受け取られてもよい。ジェスチャ認識装置は、(カメラによってキャプチャされた)ユーザのジェスチャを認識することができる。ユーザのジェスチャの認識に応答して、対応するユーザ(ビデオ)メッセージデータがジェスチャ認識装置によって提供されてもよい。カメラがスタンバイモードにある場合、ユーザの写真(ビデオ)は、ジェスチャ認識装置によって受け取られなくてもよい。ユーザがジェスチャ言語文字を提供する場合、ジェスチャ認識装置は、ジェスチャ言語文字をvテキストに変換することができる。ユーザ(ビデオ)メッセージデータは、vテキストを含むことができる。
【0049】
オーディオメッセージ入力は、マイクロフォンによって提供されることができる。音声認識装置が設けられてもよい。入力装置は、マイクロフォンおよび/または音声認識装置を備えることができる。マイクロフォンは、スタンバイモードおよびオンモードを含むことができる。マイクロフォンがオンにされると、ユーザのオーディオデータが提供され、音声認識装置によって受け取られてもよい。ユーザのオーディオデータを受け取ることに応答して、対応するユーザ(オーディオ)メッセージデータが音声認識装置によって提供されてもよい。マイクロフォンがスタンバイモードにある場合、ユーザのオーディオデータは、音声認識装置によって受け取られなくてもよい。音声認識装置は、オーディオデータをaテキストに変換することができる。ユーザ(ビデオ)メッセージデータは、aテキストを含むことができる。マイクは、常時オンであってもよい。あるいは、マイクロフォンは、一般に、スタンバイモードにあり、特定のユーザ入力に応答してオンになる。特定のユーザ入力は、特定の話し言葉であってもよい。そのような話し言葉の例は、以下とすることができる:「こんにちは<体外診断システムの名称>」、「バグレポート」、「エラーレポート」など。あるいは、マイクロフォンは、ボタン、タッチスクリーン、ジョイスティック、および/またはカメラなどの他の入力装置によってオンモードとスタンバイモードとの間で切り替えられることができる。
【0050】
本方法では、ユーザ情報データを提供することは、表示装置を介して複数の機能モジュールおよび動作制御装置から機能モジュールのうちの1つの視覚的表現を出力することと、ユーザが視覚的表現を選択することを示すユーザ選択入力を受け取ることと、を含むことができる。
【0051】
メモリには、複数の種類の動作エラーの全てが記憶されてもよい。さらに、メモリにおいて、各動作エラーは、1つまたは複数の機能モジュールまたは動作制御装置にリンクされることができるかまたはリンクされることができない。機能モジュールのうちの1つまたは動作制御装置の視覚的表現のユーザ選択に応答して、複数の種類の動作エラー全体の一部が提供されることができる。(全体の)複数の種類の動作エラーの一部は、選択された機能モジュールまたは動作制御装置に関連付けられた種類の動作エラーを含むように選択されてもよい。換言すれば、複数の種類の動作エラーは、メモリにおいて異なるカテゴリに分類される。複数の機能モジュールのうちの1つの機能モジュールの視覚的表現および動作制御装置の選択に応答して、カテゴリのうちの1つが選択されてもよい。表示装置は、ユーザ選択のために設けられてもよい。あるいは、ボタン、ジョイスティック、タッチスクリーン、マイクロフォン、走査装置、および/またはビデオカメラがユーザ選択のために設けられてもよい。さらに、機能モジュールのうちの1つまたは動作制御装置の視覚的表現のユーザ選択に応答して、ユーザは、(例えば、キーボード、ジェスチャ認識装置、または音声認識装置を介して)新たな種類の動作エラーを入力することができる。
【0052】
ユーザが機能モジュールのうちの1つまたは動作制御装置の視覚的表現を選択したことに応答して、表示装置は、複数の種類の動作エラーの一部のメニューを提示することができる。複数の種類の動作エラーの一部は、選択された機能モジュールまたは動作制御装置にリンクされた動作エラーの種類を示してもよい。
【0053】
本方法は、ユーザ入力を受け取ることの内にユーザエラーレポートメッセージを受け取ることと、ユーザエラーレポートメッセージを示すユーザエラーレポートメッセージデータを生成することと、ユーザエラーレポートメッセージデータを含むラベリングデータを提供することと、をさらに含むことができる。動作エラーの種類の選択に加えて、ユーザエラーレポートメッセージが提供されてもよい。ユーザエラーレポートメッセージは、選択された動作エラーに関するさらなる情報を含むことができる。換言すれば、ユーザエラーレポートメッセージは、選択された種類の動作エラーに関する詳細、特にエラーデータによって提供されない、または本質的に動作エラーの種類に含まれる詳細を示す。ユーザエラーレポートメッセージは、テキストメッセージ、音声メッセージ、画像メッセージ、および/またはビデオメッセージであってもよい。ユーザレポートメッセージデータは、テキスト、音声ファイル、画像、および/またはビデオを含むことができる。好ましい実施形態では、ユーザレポートメッセージデータは、テキストデータのみを含んでもよい。(ユーザ入力を提供する)ユーザ入力装置は、マイクロフォンを有する音声認識装置を備えることができる。音声認識装置は、音声メッセージを(テキストメッセージを示す)音声-テキストメッセージに変換することができる。(ユーザ入力を提供する)ユーザ入力装置は、カメラを備えたジェスチャ認識装置を備えることができる。ジェスチャ認識装置は、(ユーザの)ビデオメッセージを(テキストメッセージを示す)ビデオ-テキストメッセージに変換することができる。ジェスチャ認識装置は、(ユーザの)画像メッセージを(テキストメッセージを示す)画像-テキストメッセージに変換することができる。
【0054】
体液のサンプルを測定するように構成された体外診断システムに関して、体外診断システムにおいて動作エラーを検出および報告するための方法について記載された実施形態が準用することができる。
【0055】
以下、図を参照することによりさらなる実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】体液のサンプルを測定するように構成された体外診断システムの機能モジュールまたは構成要素の概略図である。
【
図2】体外診断システムにおいて動作エラーを検出および報告する方法の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図1は、体液のサンプルを測定するように構成された体外診断システム1の機能モジュールまたは構成要素の概略図を示している。
【0058】
体液は、サンプル容器2に収容されている。特に、サンプルの取り扱いおよび分析のために、複数の機能モジュール3が設けられる。複数の機能モジュール3は、分析装置4と、ハンドリングシステム5と、自動化トラック6とを備え得る。分析装置4は、サンプルを測定するように構成されている。例えば、血糖値がサンプルについて決定され得る。代替的または追加的に、いくつかの他の物理的または化学的パラメータが、サンプル容器に受け入れられたサンプルについて決定され得る。
【0059】
ハンドリングシステム5は、複数のサンプル容器2を取り扱うように構成され、自動化トラック6は、ハンドリングシステム5によって提供され、サンプル容器2が(搬送)ラックに受け入れられ得る受け入れ場所から分析装置4まで複数のサンプル容器2を搬送し、任意に、何らかの出力装置または場所に追従するように構成されている。
【0060】
さらに、動作制御装置7が設けられている。動作制御装置7は、機能モジュール3のうちの少なくとも1つに接続され、少なくとも1つの機能モジュール3の動作を制御するように構成されている。動作制御装置7は、
図1に示す例では、分析装置4、ハンドリングシステム5および自動化トラック6に(動作制御のために)機能的に接続されている。機能モジュール3の導通動作制御のために、動作制御装置7は、1つまたは複数のデータプロセッサ8と、1つまたは複数のデータプロセッサ8上で実行されるアプリケーションソフトウェアとを備える。
【0061】
体外診断システム1は、さらに、動作エラーを検出および報告するためにエラー検出および報告装置9を備える。特に、エラー検出および報告装置9は、複数の機能モジュール3のうちの少なくとも1つの機能モジュールおよび動作制御装置7の動作についての動作エラーを検出するために設けられている。エラー検出および報告装置9は、例えば、動作制御装置7と共通に実装されてもよい。少なくとも部分的には、エラー検出および報告装置9は、1つまたは複数のデータプロセッサ8上で実行されるアプリケーションソフトウェアによって実装されてもよい。あるいは、動作制御装置7とは別に設けられてもよい。
【0062】
提供されるユーザインターフェース10は、エラー検出および報告装置9と通信接続している。さらにまた、エラーリポジトリ11が設けられている。エラーリポジトリ11は、複数の機能モジュール3および動作制御装置7の双方に対して遠隔に位置する。エラーリポジトリ11は、遠隔ターゲットまたはサーバ端末に設けられてもよい。エラーリポジトリ11は、複数の体外診断システムからエラーレポートデータを受け取るまたは収集するために異なる場所に設けられた複数の体外診断システムに接続可能であってもよい。
【0063】
図2は、体外診断システム1において動作エラー100を検出および報告する方法の概略ブロック図を示している。
【0064】
ステップ101において、複数の機能モジュール3のうちの少なくとも1つの機能モジュールおよび動作制御装置7の動作に対するエラーを検出する。これに応答して、ステップ102において、動作エラーを示すエラーデータがエラー検出および報告装置9に提供される。エラーデータは、どの機能モジュール3について動作エラーが検出されたかの情報を含むことができる。動作エラーは、以下から選択される動作エラーの種類のものとすることができる。識別不能なサンプル容器:サンプル識別ユニットがサンプル容器または容器2の種類を決定することができなかった、誤って調製されたサンプル容器2:例えば、アリコートが要求されたが、サンプル容器2において利用可能であると決定された材料が少なすぎる、バーコードの読み取りができなかった、および、サンプル容器2が体外診断システム1において許可されていない。
【0065】
ステップ103において、動作エラーの検出に応答して、ユーザインターフェース10を介してユーザ入力が受け取られる。ユーザ入力を受け取ることに応答して、ステップ104においてラベリングデータが提供される。ラベリングデータは、エラーデータに加えて、動作エラーに関する情報を示す。ラベリングデータは、以下からの少なくとも1つを示すことができる。
エラーが正しいかどうか、
装置内のセンサによって記録されていない実験室内の環境条件の妨害、
エラーが生じた処理後のサンプル容器2内の材料の使用目的、宛先など、
モジュールがエラーを投げたときのソリューション全体の意図されたワークフロー、および
さらなるコンテキスト情報。
【0066】
ステップ105およびステップ106において、それぞれ、エラーデータおよびラベリングデータを含むエラーレポートデータが提供され、複数の機能モジュール3および動作制御装置7の双方に対して遠隔に位置するエラーリポジトリ11に送信される。エラーレポートデータは、複数の体外診断システムのエラーおよび障害分析に使用可能であり、そのような体外診断システムの一部または全ては、エラーレポートデータをエラーリポジトリ11に提供する。例えば、エラーレポートデータは、機械学習プロセスの訓練データおよび検証データのうちの少なくとも1つなどの入力データを提供することができる。機械学習プロセスによるそのような処理の結果として、更新されたまたは新たなアプリケーションソフトウェアが生成され、現場の複数の体外診断システムの一部または全てに提供され得る。したがって、現場での体外診断システムの動作を改善するために、集中化されたエラーおよび障害分析が行われ得る。そのような分析および処理のために、エラーデータ自体が収集されてエラーリポジトリ11に送信されるだけでなく、体外診断システム実装の場所において受け取られたユーザ入力に応答して生成されたラベリングデータも収集され送信される。
【国際調査報告】