(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-29
(54)【発明の名称】ドリルストリング継手の設計
(51)【国際特許分類】
E21B 17/042 20060101AFI20230922BHJP
F16L 15/00 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
E21B17/042
F16L15/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516667
(86)(22)【出願日】2021-09-16
(85)【翻訳文提出日】2023-04-28
(86)【国際出願番号】 EP2021075470
(87)【国際公開番号】W WO2022058420
(87)【国際公開日】2022-03-24
(32)【優先日】2020-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520344785
【氏名又は名称】サンドヴィック マイニング アンド コンストラクション ツールズ アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヤンソン, トマス
(72)【発明者】
【氏名】ノードベリ, アンデシュ
【テーマコード(参考)】
2D129
3H013
【Fターム(参考)】
2D129BA19
2D129EC06
2D129EC30
3H013GA05
3H013GA08
(57)【要約】
接続されたドリルストリングロッド(1、1b)のアセンブリ(10)の一部を形成するドリルストリングロッド(1)であって、雄端部(3)と雌端部(4)との間で軸方向に延在する細長い中央ロッド部分(2)を備え、ここで、前記中央ロッド部分(2)が、内側の第1の直径(d
rod)及び外側の第2の直径(D
rod)によって画定される中空円筒形であり、前記雄端部(3)がスピゴット(5)を備え、前記スピゴット(5)が、前記スピゴット(5)と前記中央ロッド部分(2)とを軸方向に分離する、肩部(7)から軸方向に突出する基部(6)を備え、前記雌端部(4)が、前記スピゴット(5)に嵌合するように構成されたスリーブ部分(8)を備え、前記基部(6)には雄ねじが設けられ、前記スリーブ部分(8)には雌ねじが設けられ、前記雌ねじが、前記スリーブ部分(8)の前記雌ねじが前記アセンブリ(10)のさらなるドリルストリングロッド(1b)の前記スピゴット(5)の前記基部(6)の前記雄ねじに取り付け可能であるように前記雄ねじに対応し、前記ドリルストリングロッド(1)の前記長手方向軸(9)に対する半径方向平面(P)において、前記スピゴット(5)の前記基部(6)が外側の第3の直径(D
spigot)及び内側の第4の直径(d
spigot)によって画定され、前記スリーブ部分(8)が外側の第5の直径(D
sleeve)及び内側の第6の直径(d
sleeve)によって画定され、前記第2の直径(D
rod)が30~60mmであり、言及された6つの直径が特定の制約内で選択される、ドリルストリングロッド(1)。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続されたドリルストリングロッド(1、1b)のアセンブリ(10)の一部を形成するドリルストリングロッド(1)であって、
雄端部(3)と雌端部(4)との間で軸方向に延在する細長い中央ロッド部分(2)
を備え、前記中央ロッド部分(2)が、内側の第1の直径(d
rod)及び外側の第2の直径(D
rod)によって画定される中空円筒形であり、
前記雄端部(3)がスピゴット(5)を備え、
前記スピゴット(5)が、前記スピゴット(5)と前記中央ロッド部分(2)とを軸方向に分離する肩部(7)から軸方向に突出する基部(6)を備え、
前記雌端部(4)が、前記スピゴット(5)に嵌合するように構成されたスリーブ部分(8)を備え、
前記基部(6)には雄ねじが設けられ、前記スリーブ部分(8)には雌ねじが設けられ、
前記雌ねじが、前記スリーブ部分(8)の前記雌ねじが前記アセンブリ(10)のさらなるドリルストリングロッド(1b)の前記スピゴット(5)の前記基部(6)の前記雄ねじに取り付け可能であるように、前記雄ねじに対応し、
前記ドリルストリングロッド(1)の前記長手方向軸(9)に対する半径方向平面(P)において、前記スピゴット(5)の前記基部(6)が外側の第3の直径(D
spigot)及び内側の第4の直径(d
spigot)によって画定され、前記スリーブ部分(8)が外側の第5の直径(D
sleeve)及び内側の第6の直径(d
sleeve)によって画定され、前記第2の直径(D
rod)が30~60mmであり、
であり、式中、C
sleeve>2.0又はC
spigot>0.6である、ドリルストリングロッド(1)。
【請求項2】
C
sleeve>2.0かつC
spigot>0.6である、請求項1に記載のドリルストリングロッド(1)。
【請求項3】
前記スピゴット(5)の前記基部(6)が円錐形である、請求項1又は2に記載のドリルストリングロッド(1)。
【請求項4】
前記スピゴット(5)の前記基部(6)が円筒形である、請求項1又は2に記載のドリルストリングロッド(2)。
【請求項5】
前記第1の直径(d
rod)が30mmであり、前記第2の直径(D
rod)が57mmであり、前記第3の直径(D
spigot)が48mmであり、前記第4の直径(d
spigot)が21mmであり、前記第5の直径(D
sleeve)が76mmであり、前記第6の直径(d
sleeve)が51mmである、請求項1又は4に記載のドリルストリングロッド(1)。
【請求項6】
外側の第7の直径(D
hole)を有するドリルビットと共に使用するのに適しており、前記第5の直径(D
sleeve)が、前記第7の直径(D
hole)の0.90倍未満である、請求項1から6のいずれか一項に記載のドリルストリングロッド(1)。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の複数のドリルストリングロッド(1、1b)を備えるシステム(10)。
【請求項8】
前記ドリルビットを備える、請求項6に従属する場合の請求項7に記載のシステム(10)。
【請求項9】
前記第7の直径(D
hole)が、54~127mm以上、例えば、54、57、64、70、76、89、102、115、又は127mmである、請求項8に記載のシステム(10)。
【請求項10】
前記第2の直径(D
rod)が40~60mmである、請求項7から9のいずれか一項に記載のシステム(10)。
【請求項11】
前記基部(6)及び前記スリーブ部分(8)の前記ねじ山が両方とも直線状である、請求項7から10のいずれか一項に記載のシステム(10)。
【請求項12】
前記基部(6)及び前記スリーブ部分(8)の前記ねじ山が両方とも弓形である、請求項1から10のいずれかに記載のシステム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、打撃削岩用ドリルビットと共に使用するためのドリルストリングロッドに関する。具体的には、本発明は、そのようなドリルストリングロッドの信頼性及び寿命を改善することに関する。
【背景技術】
【0002】
打撃穿孔は、相互接続された雄ねじ端部及び雌ねじ端部によって互いにエンドツーエンドで結合された複数の細長いドリルストリングロッドを介して、長いボアホールを形成するために使用される。確立された技術では、ドリルストリングの一端に取り付けられた削岩機ビットから伝達された衝撃を、ボアホールの底部の岩石に打ち込むことによって岩石を破壊する。典型的には、岩石を破壊するのに必要なエネルギーは、ドリルストリングの端部に(シャンクアダプタを介して)接触する油圧駆動ピストンによって生成され、ドリルストリングを介して最終的に岩石まで伝搬する応力(又は衝撃)波を生成する。従来の雄ねじ結合部及び雌ねじ結合部は、米国特許第4,332,502号明細書、米国特許第4,398,756号明細書、米国特許第4,687,368号明細書、及び独国特許第2800887号明細書に記載されている。
【0003】
隣接するドリルロッドの雄ねじ端部及び雌ねじ端部は結合されてドリルストリングを形成し、継手は典型的には、穿孔中に大きな力を受ける。これらの力は、結合部を疲労させ、継手のねじ部分内の摩耗及び破損をもたらす。典型的には、損傷し、結合部の動作寿命を決定するのは、ねじ付き雄型スピゴットである。米国特許第6,767,156号明細書は、確実な結合を達成し、ねじ山の損傷を防止する試みにおいて、雄部及び雌部の軸方向先端に設けられた円錐形の案内面を有する、2つの打撃ドリルロッド間のねじ継手を開示している。
【0004】
本出願人による欧州特許第2845992号明細書は、上述の欠点を軽減することを目的としている。
【0005】
公知のドリルストリング継手の設計に伴う1つの問題は、非直線孔に由来する屈曲に起因して故障が発生することである。スピゴット又はスリーブ部分に亀裂が発生する可能性があり、したがってドリルストリングロッドの信頼性及び寿命が低下する。
【0006】
したがって、応力が低減され、屈曲抵抗が増加し、したがって信頼性が向上し、ドリルストリングロッドの寿命が延びたドリルストリング継手の設計が必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、ドリルストリングロッドの信頼性及び寿命が改善されたドリルストリングロッドを提供することである。本発明の第1の態様によれば、この目的は、添付の独立請求項1に定義される本発明のドリルストリングロッドによって達成され、代替の実施形態は従属請求項に定義される。ドリルストリングロッドは、接続された当該ドリルストリングロッドのアセンブリの一部を形成する。ドリルストリングロッドは、雄端部と雌端部との間で軸方向に延在する細長い中央ロッド部分を備える。中央ロッド部分は、内側の第1の直径(d
rod)及び外側の第2の直径(D
rod)によって画定される中空円筒形である。雄端部はスピゴットを備え、スピゴットは、スピゴットと中央ロッド部分とを軸方向に分離する肩部から軸方向に突出する基部を備える。雌端部は、スピゴットに嵌合するように構成されたスリーブ部分を備える。また、基部には雄ねじが設けられ、スリーブ部分には雌ねじが設けられ、雌ねじは、スリーブ部分の雌ねじがアセンブリのさらなるドリルストリングロッドのスピゴットの基部の雄ねじに取り付け可能であるように、雄ねじに対応する。ドリルストリングロッドの長手方向軸に対する半径方向平面において、スピゴットの基部は、外側の第3の直径(D
spigot)及び内側の第4の直径(d
spigot)によって画定され、スリーブ部分は、外側の第5の直径(D
sleeve)及び内側の第6の直径(d
sleeve)によって画定される。本発明は、30~60mm、好ましくは40~60mmの外側の第2の直径(D
rod)を有するドリルストリングロッドに限定される。C
sleeve及びC
spigotは、以下の式によって定義されるようにドリルストリングロッドの直径に関連する。
【0008】
Csleeveは2.0より大きくなければならず、又はCspigotは0.6より大きくなければならない。
【0009】
当業者は、直径を自由に選択することができないことを理解している。例えば、スピゴットの外径は、当然ながらスリーブ部分の内径によって制限される。また、スリーブ部分の外径は、典型的には、穿孔されるボアのサイズ、及びスリーブ部分とボアの内壁との間でスリーブ部分を越えてドリルカッティングを洗い流すための十分な空間の要件によって制限される。同様に、スピゴットの内径は、フラッシング流体がドリルストリングロッドを通って圧送され得る速度を制限するので、小さすぎてはならない。ドリルストリングロッドの設計は、バランスを取ることが明らかに困難であり、本発明は、当業者に、持続的なフラッシング性能を有するドリルストリングロッドにおいて材料故障のリスクを低減することを可能にするパラメータの組み合わせの選択を案内する。この問題を解決することは、見た目よりも困難であることが示されている。
【0010】
本発明の発明者らは、ドリルストリングロッドの故障が、中央ロッド部分の剛性の増加と、岩石のより硬い層又は亀裂によって引き起こされるドリルストリングの強制屈曲との組み合わせに起因することを認識した。ドリルストリングロッドの屈曲は、ロッドが回転している間に発生し、それにより、屈曲に起因する追加の応力と、屈曲状態にある間にボア内のロッドの回転によって引き起こされる屈曲軸の一定の変化に起因する疲労との両方が生じる。
【0011】
提案される解決策は、スピゴット及びスリーブ部分の計算された最大屈曲応力がそれぞれ中央ロッド部分の計算された最大屈曲応力に関連するように、スピゴット及びスリーブ部分を寸法決めすることである。しかしながら、本発明者らは、例えば、ドリルストリングロッドの製造時の不均一な硬化及び/又は機械加工に起因して生じる可能性がある局所的な材料変動に起因して生じる強度の一般的に生じる差を説明するために、スリーブ部分及びスピゴットのそれぞれの計算された最大応力が、中央ロッド部分の計算された最大屈曲応力と等しくなることはなく、むしろ、それぞれ係数Csleeve又はCspigotが乗算された中央ロッド部分の計算された最大屈曲応力に関連するはずであることに認識した。
【0012】
いくつかの実施形態では、Csleeve>2.0かつCspigot>0.6である。関与する第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の直径のこのバランスは、ドリルストリングロッドの高い信頼性及び寿命を提供する。
【0013】
いくつかの実施形態では、スピゴットの基部は円錐形である。
【0014】
いくつかの実施形態では、スピゴットの基部は円筒形である。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1の直径(drod)は30mmであり、第2の直径(Drod)は57mmであり、第3の直径(Dspigot)は48mmであり、第4の直径(dspigot)は21mmであり、第5の直径(Dsleeve)は76mmであり、第6の直径(dsleeve)は51mmである。
【0016】
いくつかの実施形態では、ドリルストリングロッドは、外側の第7の直径(Dhole)を有するドリルビットと共に使用するのに適しており、第5の直径は第7の直径(Dhole)の0.90倍未満である。
【0017】
さらなる態様は、上述の第1の態様による複数のドリルストリングロッドを備えるシステムに関する。
【0018】
いくつかの実施形態では、システムのドリルストリングロッドは、外側の第7の直径(Dhole)を有するドリルビットと共に使用するのに適した上述のタイプのものであり、第5の直径は第7の直径(Dhole)の0.90倍未満であり、システムはドリルビットをさらに備える。
【0019】
孔とスリーブ部分の外径との間の径差は、スリーブ部分を超えるドリルカッティングの効率的なフラッシングを可能にし、一方で、関与する力に対処することができる堅牢なドリルストリングロッドを提供する。
【0020】
いくつかの実施形態では、第7の直径は89mm超である。ドリルストリングロッドは、30~60mm、好ましくは40~60mmの第2の直径を有し、Csleeve及びCspigotによって支配されるドリルストリングロッドの関与する直径の特定の制約は、堅牢な穿孔システムを提供する。
【0021】
いくつかの実施形態では、基部及びスリーブ部分のねじ山は両方とも直線状である。
【0022】
いくつかの実施形態では、基部及びスリーブ部分のねじ山は両方とも弓形である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】2つの同一の接続されたドリルストリングロッドの斜視図である。
【
図2】
図1に示すドリルストリングロッドの雄端部の拡大斜視
図Aである。
【
図3】他方のドリルストリングロッドの雄端部に接続された、
図1に示すドリルストリングロッドの雌端部の拡大斜視
図Bである。
【
図4】同じく
図1に示す2つの接続されたドリルストリングロッドのスリーブ部分及びスピゴットの断面側面図であり、前記断面はドリルストリングロッドの長手方向中心軸を通る平面で取られている。
【0024】
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の第1の実施形態を
図1~
図4に示す。図に示すように、複数の同一のドリルストリングロッド1、1bは、システム/アセンブリ10を形成するように接続可能である。ドリルストリングロッド1は、雄端部3と雌端部4との間で軸方向に延在する細長い中央ロッド部分2を備える。
図4に示すように、中央ロッド部分2は、内側の第1の直径d
rod及び外側の第2の直径D
rodによって画定される中空円筒形である。雄端部3はスピゴット5を備え、スピゴット5は、スピゴット5と中央ロッド部分2とを軸方向に分離する肩部7から軸方向に突出する基部6を備える。雌端部4は、スピゴット5に嵌合するように構成されたスリーブ/スリーブ部分8を備える。基部6には雄ねじが設けられ、スリーブ部分8には雌ねじが設けられ、雌ねじは、スリーブ部分8の雌ねじがアセンブリのさらなるドリルストリングロッドのスピゴット5の基部6の雄ねじに取り付け可能であるように、雄ねじに対応する。ドリルストリングロッドの長手方向軸に対する半径方向平面Pにおいて、スピゴット5の基部6は、外側の第3の直径(D
spigot)及び内側の第4の直径(d
spigot)によって画定され、スリーブ部分8は、外側の第5の直径(D
sleeve)及び内側の第6の直径(d
sleeve)によって画定される。
図4では、D
spigot及びd
sleeveは両方とも同じ矢印に関連して言及されているが、実際には、直径はわずかに異なり、d
sleeveがD
spigotよりも大きいことに留意されたい。図面の縮尺は、
図4では径差を別々の矢印を使用して示すことができない程度である。直径は、スピゴット及びスリーブ部分の長さに沿ってそれぞれ変化してもよいが、必要に応じてスピゴット及びスリーブ部分の両方を通る半径方向平面Pを使用して、直径間の関係が明確に画定される。本発明は、30~60mm、好ましくは40~60mmの外径を有するドリルストリングロッド、例えば54~127mmの直径を有するドリルビットに限定される。したがって、第2の直径(D
rod)は30~60mm、好ましくは40~60mmである。C
sleeve及びC
spigotは、以下の式を使用してドリルストリングロッドの直径から導出可能である/ドリルストリングロッドの直径に関連する。
【0026】
これらの式は、現在の関与する断面形状の良好な近似を提供する中空円筒形ビーム/本体の断面係数の計算に由来する。具体的には、中空円筒形断面の断面係数方程式は、以下の通りである。
【0027】
図5は、ニュートラルでの中空円形中心の断面係数を示す。
【0028】
【0029】
【0030】
この実施形態では、第1の直径drodは30mmであり、第2の直径Drodは57mmであり、第3の直径Dspigotは48mmであり、第4の直径dspigotは21mmであり、第5の直径はDsleeveは76mmであり、第6の直径dsleeveは51mmである。
【0031】
ドリルストリングロッド1、1bのこの実施形態は、54、57、64、70、76、89、102、115、又は127mmの指定された直径(穿孔用インサートを含まない直径)を有するドリルビット(図示せず)と共に使用するのに適している。ドリルビットが半径方向に突出するので、穿孔の実際の直径はわずかに大きい。第1から第6の直径は、他の実施形態では、中央ロッド部分2の外径を画定する第2の直径Drodが30~60mmであるという上記の制約を満たし、他の直径が、Csleeveが2.0より大きい、又はCspigotが0.6より大きいという制約を満たす限り、異なるように選択することができる。好ましくは、Csleeveは2.0より大きく、かつCspigotは0.6より大きい。
【0032】
ドリルストリングロッドは、鋼などの適切な材料から作製され、必要に応じて硬化される。
【0033】
ドリルストリングロッド1、1bは、使用されるドリルビットのサイズに基づいて寸法決めされる。しかしながら、スリーブ部分8を越えてドリルカッティングを洗い流すのに十分な空間をスリーブ部分8の周りに提供するように注意しなければならない。この効果のために、ドリルストリングロッド1、1bは、いくつかの実施形態では、外側の第7の直径Dholeを有するドリルビットと共に使用するのに適している場合があり、スリーブ部分8の外側の第5の直径Dsleeveは、第7の直径Dholeの0.90倍未満である。
【0034】
複数の同一のドリルストリングロッド1、1bを、ドリルストリングロッド1、1bのシステム/アセンブリ10の一部として共に設けてもよい。システム10は、代替的にドリルビットを備えてもよい。システム10のドリルストリングロッド1、1bは、外側の第7の直径Dholeを有することができ、第5の直径は第7の直径Dholeの0.90倍未満であり、システムはドリルビットをさらに備える。
【0035】
孔とスリーブ部分8の外側の第5の直径Dsleeveとの間の径差は、関与する力に対処することができる堅牢なドリルストリングロッド1、1bを提供しながら、スリーブ部分8を超えるドリルカッティングの効率的なフラッシングを可能にする。
【0036】
いくつかの実施形態では、第7の直径Dholeは54~127mmであってもよい。上述したように、本発明のドリルストリングロッドはすべて、30~60mm、好ましくは40mm~60mmの第2の直径を有する。Csleeve及びCspigotによって与えられる関与する直径の特定の制約が、堅牢なシステム/アセンブリ10を提供する。
【国際調査報告】