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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-29
(54)【発明の名称】取り外し可能なバッテリーパック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/247 20210101AFI20230922BHJP
   H01M 50/296 20210101ALI20230922BHJP
   H01M 50/244 20210101ALI20230922BHJP
【FI】
H01M50/247
H01M50/296
H01M50/244 Z
H01M50/244 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516682
(86)(22)【出願日】2021-06-24
(85)【翻訳文提出日】2023-03-14
(86)【国際出願番号】 US2021038896
(87)【国際公開番号】W WO2022055592
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】17/020,174
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519047200
【氏名又は名称】ゼブラ テクノロジーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Zebra Technologies Corporation
【住所又は居所原語表記】3 Overlook Point, Lincolnshire, Illinois 60069, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】エリス アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】シ シンファ
(72)【発明者】
【氏名】シェン ム-カイ
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA32
5H040AS12
5H040AS14
5H040AT01
5H040AY05
5H040AY08
5H040CC05
5H040CC13
5H040DD06
5H040JJ03
5H040LL06
(57)【要約】
モバイルデバイス用のバッテリーが、内側壁、対向する外側壁、後方壁、及び、対向する前方壁、を含んで前記後方壁及び前記前方壁は各々が前記内側壁と前記外側壁とを結合している、バッテリーハウジングと、前記内側壁上に配置され、デバイスハウジング内の電気インタフェースと係合するように構成された、電気接点と、前記電気接点と前記内側壁の更なる一部分とを取り囲み、前記デバイスハウジング内の相補的な表面と係合するように構成された、前記内側壁上のシールと、前記前方壁から延在し、当該バッテリーの挿入及び取り外しの間の前記バッテリーハウジングの回動軸を確立するように前記デバイスハウジングと係合するように構成された、フックと、前記後方壁から延在し、当該バッテリーを前記デバイスハウジング内に固定するために伸長位置に向かって付勢されていると共に、当該バッテリーを前記デバイスハウジングから解放するために格納位置に移動可能である、ラッチと、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイルデバイス用のバッテリーであって、
内側壁、対向する外側壁、後方壁、及び、対向する前方壁、を含み、前記後方壁及び前記前方壁は各々が前記内側壁と前記外側壁とを結合している、バッテリーハウジングと、
前記内側壁上に配置され、前記モバイルデバイスのデバイスハウジング内の電気インタフェースと係合するように構成された、電気接点と、
前記電気接点と前記内側壁の更なる一部分とを取り囲み、前記デバイスハウジング内の相補的な表面と係合するように構成された、前記内側壁上のシールと、
前記前方壁から延在し、当該バッテリーの挿入及び取り外しの間の前記バッテリーハウジングの回動軸を確立するように前記デバイスハウジングと係合するように構成された、フックと、
前記後方壁から延在し、当該バッテリーを前記デバイスハウジング内に固定するために伸長位置に向かって付勢されていると共に、当該バッテリーを前記デバイスハウジングから解放するために格納位置に移動可能である、ラッチと、
を備えたことを特徴とするバッテリー。
【請求項2】
前記シールは、前記内側壁の周縁を画定し、前記後方壁、前記前方壁及び側方壁に隣接する前記内側壁の縁部の周りに延在している
ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリー。
【請求項3】
前記内側壁の前記更なる一部分は、前記シールが前記電気接点、前記電気インタフェース及び追加のデバイスコンポーネントを環境の侵入から保護するように、当該追加のデバイスコンポーネントに隣接するように構成されている
ことを特徴とする請求項2に記載のバッテリー。
【請求項4】
前記上方壁は、前記後方壁を超えて延びるフードを画定しており、
前記フードは、前記ラッチの伸長位置に対する制限を画定するストッパを含んでいる
ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリー。
【請求項5】
前記ラッチは、前記後方壁と前記ストッパとの間に延在するタブを含んでいる
ことを特徴とする請求項4に記載のバッテリー。
【請求項6】
前記フードは、前記ラッチが前記伸長位置にある時、前記ラッチの前面にまで延在している
ことを特徴とする請求項4に記載のバッテリー。
【請求項7】
前記後方壁は、前記ラッチの前記格納位置に対する制限を画定している
ことを特徴とする請求項4に記載のバッテリー。
【請求項8】
前記ラッチは、リビングヒンジを介して、前記後方壁に結合されている
ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリー。
【請求項9】
前記ラッチは、前記ラッチを前記格納位置に移動させるための圧力を受ける接触面を含んでおり、
前記接触面は、当該バッテリーが設置される時に前記デバイスハウジングの後部の切欠きを通って延在するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリー。
【請求項10】
前記ラッチは、前記接触面を規定するボタンを含んでいる
ことを特徴とする請求項9に記載のバッテリー。
【請求項11】
前記ラッチは、前記デバイスハウジング内のレッジと係合するように構成された複数の係止面を含んでいる
ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリー。
【請求項12】
前記バッテリーハウジングは、
(i)前記内側壁と、前記後方壁、前記前方壁及び前記側方壁の内側部分と、を画定する内側ハウジング、及び
(ii)前記内側ハウジングに結合され、前記外側壁と、前記後方壁、前記前方壁及び前記側方壁の外側部分と、を画定する外側ハウジング
を含んでいる
ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリー。
【請求項13】
前記内側ハウジングと前記外側ハウジングとは、溶接によって結合されている
ことを特徴とする請求項12に記載のバッテリー。
【請求項14】
前記ラッチ及び前記フックは、前記内側ハウジングと一体的に形成されている
ことを特徴とする請求項12に記載のバッテリー。
【請求項15】
モバイルデバイス用のバッテリーであって、
内側壁、対向する外側壁、後方壁、及び、対向する前方壁、を含み、前記後方壁及び前記前方壁は各々が前記内側壁と前記外側壁とを結合している、バッテリーハウジングと、
前記内側壁上に配置され、前記モバイルデバイスのデバイスハウジング内の電気インタフェースと係合するように構成された、電気接点と、
前記電気接点を取り囲む、前記内側壁上のシールと、
前記前方壁から延在し、当該バッテリーの挿入及び取り外しの間の前記バッテリーハウジングの回動軸を確立するように前記デバイスハウジングと係合するように構成された、フックと、
前記後方壁から延在し、当該バッテリーを前記デバイスハウジング内に固定するために伸長位置に向かって付勢されていると共に、当該バッテリーを前記デバイスハウジングから解放するために格納位置に移動可能である、ラッチと、
前記上方壁によって画定され、前記後方壁を超えて延びるフードと、
を備え、
前記フードは、前記ラッチの伸長位置に対する制限を画定するストッパを含んでいる
ことを特徴とするバッテリー。
【請求項16】
前記フードは、前記ラッチが前記伸長位置にある時、前記ラッチの前面にまで延在している
ことを特徴とする請求項15に記載のバッテリー。
【請求項17】
前記後方壁は、前記ラッチの前記格納位置に対する制限を画定している
ことを特徴とする請求項15に記載のバッテリー。
【請求項18】
前記シールは、前記電気接点と、前記内側壁の更なる一部分と、を取り囲む
ことを特徴とする請求項15に記載のバッテリー。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
モバイルコンピュータ、バーコードスキャナ、プリンタ、等のモバイルデバイスは、取り外し可能なバッテリーパックが装備され得る。このようなバッテリーパックの取り外しの容易性は、モバイルデバイスへの侵入保護(例えば、埃及び/または水に対する侵入保護)と相反し得るため、その結果、バッテリーの取り外しが時間を要するプロセスとなっていたり、あるいは、簡単なバッテリー交換様式である一方で環境保護が次善(最適でない)となっていたりしている。
【発明の概要】
【0002】
添付の図面は、以下の詳細な説明と共に、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を形成し、特許請求される発明を含む概念の実施形態を更に説明するのに役立ち、また、それら実施形態の様々な原理及び利点を説明するのに役立つ。添付図面において、同様の参照符号は、別個の図面を通して同一または機能的に類似の要素を指している。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1図1は、モバイルコンピューティングデバイスの正面図である。
【0004】
図2図2は、バッテリーが取り外された状態での、図1のモバイルコンピューティングデバイスの背面図である。
【0005】
図3図3は、図1及び図2のモバイルコンピューティングデバイスのバッテリーの平面図である。
【0006】
図4図4は、図3のバッテリーの底面図である。
【0007】
図5図5は、図3のバッテリーの側面図である。
【0008】
図6図6は、図3のバッテリーの断面図である。
【0009】
図7図7は、図3のバッテリーの分解図である。
【0010】
図8図8は、図1のモバイルコンピューティングデバイスにおける、図3のバッテリーの設置及び取り外しを示す図である。
【0011】
図9図9は、例示的なバッテリーの第1斜視図である。
【0012】
図10図10は、図9のバッテリーの第2斜視図である。
【0013】
図11図11は、図9のバッテリーの底面図及び平面図である。
【0014】
図12図12は、図9のバッテリーの第1及び第2側面図である。
【0015】
図13図13は、図9のバッテリーの正面図及び背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
当業者は、図面内の要素は簡潔及び明瞭に示されていて、必ずしも一定縮尺で描かれていない、ということを理解するであろう。例えば、図面内の幾つかの要素の寸法は、本発明の実施形態の理解を改善することを助けるべく、他の要素と比較して誇張されている可能性がある。
【0017】
装置及び方法の構成要素は、適切な場合、図面内で従来の符号によって示されており、当該図面は、詳細に関する開示を不明瞭にしないように、本発明の実施形態を理解することに関連する特定の詳細のみを示しており、当該詳細に関する開示は、本明細書の記載の利益を受ける当業者にとって容易に明らかである。
【0018】
本明細書に開示される実施例は、モバイルデバイス用のバッテリーであって、内側壁、対向する外側壁、後方壁、及び、対向する前方壁、を含み、前記後方壁及び前記前方壁は各々が前記内側壁と前記外側壁とを結合している、バッテリーハウジングと、前記内側壁上に配置され、前記モバイルデバイスのデバイスハウジング内の電気インタフェースと係合するように構成された、電気接点と、前記電気接点と前記内側壁の更なる一部分とを取り囲み、前記デバイスハウジング内の相補的な表面と係合するように構成された、前記内側壁上のシールと、前記前方壁から延在し、当該バッテリーの挿入及び取り外しの間の前記バッテリーハウジングの回動軸を確立するように前記デバイスハウジングと係合するように構成された、フックと、前記後方壁から延在し、当該バッテリーを前記デバイスハウジング内に固定するために伸長位置に向かって付勢されていると共に、当該バッテリーを前記デバイスハウジングから解放するために格納位置に移動可能である、ラッチと、を備えたことを特徴とするバッテリーに向けられている。
【0019】
本明細書に開示される更なる実施例は、モバイルデバイス用のバッテリーであって、内側壁、対向する外側壁、後方壁、及び、対向する前方壁、を含み、前記後方壁及び前記前方壁は各々が前記内側壁と前記外側壁とを結合している、バッテリーハウジングと、前記内側壁上に配置され、前記モバイルデバイスのデバイスハウジング内の電気インタフェースと係合するように構成された、電気接点と、前記電気接点を取り囲む、前記内側壁上のシールと、前記前方壁から延在し、当該バッテリーの挿入及び取り外しの間の前記バッテリーハウジングの回動軸を確立するように前記デバイスハウジングと係合するように構成された、フックと、前記後方壁から延在し、当該バッテリーを前記デバイスハウジング内に固定するために伸長位置に向かって付勢されていると共に、当該バッテリーを前記デバイスハウジングから解放するために格納位置に移動可能である、ラッチと、前記上方壁によって画定され、前記後方壁を超えて延びるフードと、を備え、前記フードは、前記ラッチの伸長位置に対する制限を画定するストッパを含んでいることを特徴とするバッテリーに向けられている。
【0020】
図1は、本明細書ではモバイルデバイス100、または単にデバイス100、とも呼ばれるモバイルコンピューティングデバイス100を示す。当該デバイス100は、ハンドヘルド(手持ち式)コンピュータであり得て、例えば、小売施設、輸送及び物流施設、医療施設、等で採用され得る。当該デバイス100は、ディスプレイ108やキーパッド112等を含む、当該デバイス100の様々な他のコンポーネント(構成要素)を支持するハウジング104を含む。当業者には明らかであるように、ハウジング104は、また、コントローラやメモリデバイス等の集積回路を含む、デバイス100の様々な内部コンポーネントを含む。ハウジング104は、当該デバイス100を保持するためのピストルグリップ(図示せず)等のアクセサリに結合され得る。
【0021】
電力を必要とするデバイス100のコンポーネントには、ハウジング104に取り外し可能に結合される、本明細書では単にバッテリー116とも呼ばれる、バッテリーパック116によって、そのような電力が供給される。図1に示すように、バッテリー116の一部が、デバイス100の外部に露出されている。換言すれば、バッテリー116が設置される時、当該バッテリー116は、デバイス100の外部に面する表面積の一部を形成する。以下でより詳細に説明されるように、バッテリー116は、当該バッテリー116の取り外し及び設置(取り付け)を容易にする一方で、デバイス100の内部電気コンポーネントに悪影響を及ぼし得る水及び埃などの環境要因の侵入に対する少なくともある程度の保護を提供する、様々な構造上の特徴を含む。
【0022】
図2を参照して、デバイス100は、図1に示された側とは反対側の後方側から示されている。更に、デバイス100は、バッテリー室200を露出させるために、バッテリー116が取り外された状態で、図2に示されている。バッテリー室200は、ハウジング104内に画定されたキャビティであり、そこにバッテリー116の一部が収容される。図2に見られるように、デバイス100の様々な内部コンポーネント、例えば、集積回路204や、当該バッテリー116をデバイス100の電気駆動コンポーネントと接続するための電気インタフェース208が、バッテリー室200に露出されている。インタフェース208及び回路204は、バッテリー室200の周縁に沿って延びるシール面206によって取り囲まれている。バッテリー116は、デバイス100に電力を供給するだけでなく、シール面206と相互作用してインタフェース208及び回路204を取り囲み、そのようなコンポーネントを水及び/または埃の侵入から保護する。
【0023】
バッテリー室200は、デバイス100からのバッテリー116の偶発的な取り外しを軽減しながら、バッテリー116がデバイス100に結合されること、及び、デバイス100から取り外されること、を可能にする特定の構造的特徴を含む。特に、バッテリー室200は、当該バッテリー室200の前面216の方へと延在する凹部212-1、212-2を含む。当該前面216は、図2にも示されている前方軸/後方軸に従って、例示のみを目的として、「前方」と呼ばれている。バッテリー室200を画定する壁の後方部分は、バッテリー116の一部を収容するための切り欠き220を含む。
【0024】
バッテリー116自体は、以下で説明されるように、シール面206、凹部212、及び、切り欠き220、と相互作用して、バッテリー116をデバイス100に取り外し可能に結合する一方で、インタフェース208及び回路204にある程度の侵入保護を提供する、様々な特徴部を含む。
【0025】
図3を参照して、バッテリー116は、当該バッテリー116が図2に示されるようにデバイス100に設置されているのと実質的に同じ向きで、分離して示されている。バッテリー116は、1または複数のバッテリーセル(図3では不可視である)を取り囲む複数の壁を含むバッテリーハウジング300を含む。特に、バッテリーハウジング300は、外側壁304を含む。これは、バッテリー116が設置される時、デバイス100の内部から離れて(すなわち外向きに)面するので、外側と呼ばれる。明らかであるように、当該外側壁304は、バッテリー116が設置される時、デバイス100の外面の一部を形成する。
【0026】
バッテリーハウジング300はまた、上側壁(外側壁)304を対向する下側壁に結合する、対向する側方壁308(そのうちの1つが図3で可視である)を含む。更に、バッテリーハウジング300は、後方壁312と、対向する前方壁と、を含む。バッテリー116は、後方壁312から延びるラッチ316を更に含む。ラッチ316は、当該ラッチ316がバッテリー116をバッテリー室200内に保持する伸長位置と、デバイス100からの取り外しのためにバッテリー116がバッテリー室200から解放される格納位置と、の間で移動可能である。ラッチ316は、例えばリビングヒンジを介して、後方壁312に結合され得る。ラッチ316は、バッテリー室200内にバッテリー116を保持するためにバッテリー室200内のリップ(唇部)またはレッジ(棚部)と係合するための、当該ラッチ316から後方に延びる少なくとも1つの係止面318を含む。
【0027】
ラッチ316は、伸長位置に向かって(後方に)付勢されており、当該ラッチ316の接触面320(例えば、当該ラッチ316と一体的に形成されたボタン)に前方方向の圧力を加えることによって、格納位置に移動され得る。
【0028】
図4を参照して、バッテリー116は、下方側から図示されて、前述の内側壁400を明示しており、ラッチ316をより詳細に示している。特に、ラッチ316は、内側壁400に隣接する後方壁312から(例えば、下側壁400と後方壁312との交線の近くにおいてまたは当該交線において)延びている。ラッチ316は、後方及び外側に延びて、図示の例では、ラッチ316から後方に延びる一対の係止面318を含む(例えば、ラッチ316の両側において)。
【0029】
内側壁400は、バッテリー116からデバイス100に電力を供給するためにインタフェース208と係合するように構成された電気接点404のセットを含む。更に、内側壁400は、当該電気接点404だけでなく、内側壁400の更なる一部分をも取り囲む、シール408を含む。本実施例では、シール408は、内側壁400の縁部の周りに延在する周縁を形成している(すなわち、バッテリーハウジング300の後方壁312、側方壁308、及び、前方壁、に隣接している)。従って、シール408は、電気接点404と、内側壁400の更なる一部分412と、を取り囲んでいる。今や明らかであるように、内側壁400の更なる一部分412は、図2に示された回路204に隣接して位置している。従って、バッテリー116が設置される時、シール408は、電気接点404とインタフェース208との両方、並びに、回路204、を取り囲む。シール408は、ゴムやシリコーン等の圧縮可能な材料から形成され得る。
【0030】
バッテリー116はまた、以下に更に詳細に説明されるように、凹部212と係合するためにその前方壁から延びる少なくとも1つのフック416を含む(本実施例では、バッテリー116は、2つのフック416-1、416-2を含む)。
【0031】
図5は、バッテリー116の側面図を示しており、そこでは、バッテリーハウジング300の前方壁500と共にフック416-1の輪郭が可視である。フック416は、前方壁500から前方に延び、バッテリー室200の凹部212内に延びるように構成されている。フック416が凹部212と係合する時、当該フック416は、デバイス100に対するバッテリー116の回動軸(ピボット軸)を確立する。すなわち、バッテリー116を設置するために、フック416が最初に凹部212に挿入され、次にバッテリー116が当該フック416回りにバッテリー室200内に回動される。
【0032】
バッテリーハウジング300の外側壁304は、図5に見られるように(図3及び図4でも可視である)、後方壁312に対して後方に延びるフード504を含む。特に、フード504は、接触面320の上方を延びて、接触面320を提供するボタンを覆っている。これにより、フード504は、幾つかの機能を実行する。例えば、フード504は、例えばデバイス100が落下する時など、接触面320を偶発的な接触から保護する。デバイス100の後部への偶発的な衝撃は、接触面320ではなくフード504に当たり得て、バッテリー116の偶発的な排出(イジェクション)を防止する。他の場合には、そのような偶発的な衝撃は、接触面320に影響を与え得るが、フード504が衝撃を受ける前には、偶発的なバッテリーの排出(イジェクション)を許容するような接触面320(ひいては当該接触面320が一体的に形成されているラッチ316)の十分な動きに帰結しない可能性がある。
【0033】
フード504は、デバイス100からバッテリー116を取り外すためのグリップとしても機能する。特に、バッテリー116を取り外すために、接触面が前方方向に押されると、ラッチ316が後方壁312に向かって伸長位置から格納位置に推移する。例えばデバイス100のオペレータの1または複数の指による、接触面320を前方方向に押す動作は、接触面をフード504の下方に後退させることに帰結する。その後、オペレータの指は、フード504の下側(すなわち内側)を把持し得て、バッテリー116をバッテリー室から持ち上げるべく、フード504を外側に引っ張り得る。
【0034】
図6は、図5に示される線6-6による断面でバッテリー116を示しており、バッテリーハウジング300内のバッテリー116のセル600を示している。また、図6に示されるように、フード504は、ラッチ316の運動範囲を制限するための少なくとも1つのストッパを含んでいる。具体的には、フード504は、一対のストッパ604を含み、ラッチ316は、対応する一対のタブ608を含んでいる。ラッチ316が図示の伸長位置を超えて後方に伸長される場合(例えば、接触面320が外部物体に引っかかってしまった場合等)、タブ608がストッパ604に衝突して、ラッチ316が更に伸長して破損する可能性を防止する。明らかであるように、ラッチ316が後方壁312に衝突してそれによって更なる(それ以上の)前方への運動が妨げられるという点で、後方壁312自体が、ラッチ316の前方への運動に対するリミッタを確立する。
【0035】
図7では、バッテリー116は、分解図で示されている。図7に示されるように、本実施例では、バッテリーハウジング300は、外側ハウジング部分700及び内側ハウジング部分704として実装されている。外側ハウジング部分700は、外側壁304と、後方壁312の外側部分と、を画定し、前方壁500及び側方壁308の外側部分をも画定し得る。一方で、内側ハウジング部分704は、内側壁400を画定し、後方壁312、前方壁500及び側方壁308の内側部分を画定し得る。
【0036】
図示のように、フック416及びラッチ316は、両方とも、本実施例では内側ハウジング部分704に接続されている。明らかであるように、バッテリー室200内でシール面206に対してシール408を圧縮するために、フック406及びラッチ316は、バッテリーハウジング300に下向き(すなわち内向き)の圧力を作用させる。ハウジング部分700、704は、例えば、超音波溶接、接着剤、等によって結合され得る。溶接及び/または接着剤に対する応力を低減するために、フック416及びラッチ316を同一のハウジング部分(本実施例ではハウジング部分704)に配置すると、単一のハウジング部分にそのような圧力がかかる。
【0037】
図8では、バッテリー116の設置及び取り外しを示すために、バッテリー116及びバッテリー室200の簡略図が示されている。バッテリー116を設置するために、フック416が凹部212内に配置される。次に、バッテリー116の後端が、方向800に回転されて(すなわち、フック416回りに回転されて)、バッテリー室200内に入る。ラッチ316は、バッテリー室200の後方壁に衝突し、そうすることで、後方壁312に向かって圧縮される。これにより、ラッチ316は格納位置に移動し、バッテリー室200の後方壁と係合する(例えばレッジ804と係合する)。
【0038】
バッテリー116を取り外すために、ラッチ316は、係止面318がレッジ804を通過するまで、前方方向808に押し下げられる。次に、バッテリー116は、例えば前述のようにフード504を把持することで、方向812に外向きに回転される。
【0039】
図9図10図11図12及び図13は、例示的な実装形態によるバッテリー116の様々な図を示している。
【0040】
前述の明細書において、特定の実施形態が説明された。しかしながら、当業者は、以下の特許請求の範囲で示す本発明の範囲から逸脱することなく、種々の改変及び変更を行うことができることを認識する。従って、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的なものであるとみなされるべきであり、このような改変の全てが、本教示の範囲内に含まれることが意図されている。
【0041】
利益、利点、課題の解決法、並びに、何らかの利益、利点または解決法を生じさせ得るかより顕著にし得るあらゆる要素は、特許請求の範囲の請求項のいずれかまたは全てにおける、決定的な、要求される、または必須の、特徴または要素として解釈されるべきではない。本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ規定され、本出願の係属中になされるあらゆる補正と、発行時の特許請求の範囲の全ての均等物と、を含む。
【0042】
更に、当該文書において、第1及び第2、上及び下、等のような関連語は、1つの実体または動作を他の実体または動作から区別するためにのみ用いられている可能性があり、必ずしもそのような実体または動作間の実際のそのような関係または順序を要求したり含意したりしていない可能性がある。用語「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「有する(has)」、「有している(having)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「含有する(contains)」、「含有している(containing)」、あるいは、それらの他のあらゆる変形語は、非排他的な包含をカバーすることが意図されている。要素の列挙(リスト)を、備える、有する、含む、または、含有する、というプロセス、方法、物品、または、装置は、それらの要素のみを含むのではなく、明示的に列挙されていない他の要素や、そのようなプロセス、方法、物品、または、装置に固有の他の要素を含み得る。「を備える(comprises...a)」、「を有する(has...)」、「を含む(includes...a)」、「を含有する(contains...a)」の後に続く要素は、更なる制約条件が無ければ、当該要素を、備える、有する、含む、または、含有する、というプロセス、方法、物品、または、装置、における付加的な同一要素の存在を排除しない。用語「a」及び「an」は、明示的に他の言及が無い限り、1または複数として定義される。用語「実質的に」、「本質的に」、「およそ」、「約」、あるいは、それらの他のあらゆる変形語は、当業者に理解されるように、近い状態であるものとして定義され、1つの非限定的な実施形態において、当該用語は、10%以内、別の実施形態においては5%以内、別の実施形態においては1%以内、及び、別の実施形態において0.5%以内、として定義される。本明細書で用いられる用語「結合された」は、接続されたものとして定義されるが、必ずしも直接的でなくてもよく、また、必ずしも機械的でなくてもよい。ある方式で「構成された」デバイスまたは構造は、少なくとも当該方式で構成されるが、挙げられていない方式で構成されてもよい。
【0043】
幾つかの実施形態は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、カスタマイズドプロセッサ及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のような、1または複数の専用プロセッサ(又は「処理デバイス」)と、当該1または複数のプロセッサを制御して、特定の非プロセッサ回路と共に、本明細書で説明される方法及び/または装置の機能の一部、大部分、または、全て、を実装する、特有の記憶されたプログラム命令(ソフトウェア及びファームウェアの両方を含む)と、で構成され得ることが認識されるであろう。あるいは、一部または全ての機能が、記憶されたプログラム命令を有しない状態機械によって実装され得るし、または、各機能もしくは特定の機能の幾つかの組合せがカスタム論理として実装された1または複数の特定用途向け集積回路(ASIC)において実装され得る。勿論、2つの手法の組合せが用いられてもよい。
【0044】
更に、実施形態は、本明細書で説明されて特許請求される方法を実行するようにコンピュータ(例えばプロセッサを含む)をプログラミングするための、記憶されたコンピュータ可読コードを有する、コンピュータ可読ストレージ媒体として実装され得る。このようなコンピュータ可読ストレージ媒体の例は、ハードディスク、CD-ROM、光学ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、ROM(読出し専用メモリ)、PROM(プログラマブル読出し専用メモリ)、EPROM(消去可能プログラマブル読出し専用メモリ)、EEPROM(電気的消去可能プログラマブル読出し専用メモリ)、及び、フラッシュメモリ、を含むがこれらに限定されない。更に、例えば、利用可能な時間、現在の技術水準、及び、経済的考慮事項、によって動機付けされる、可能性ある顕著な努力や多くの設計選択肢にもかかわらず、本明細書に開示される概念及び原理によって導かれる時、当業者は、このようなソフトウェア命令及びプログラム並びにICを最小限の実験で容易に生成可能になる、ということが期待される。
【0045】
本開示の要約は、読者が当該技術的開示の性質を素早く確認することを許容するために提供される。それは、特許請求の範囲の請求項の範囲または意味を解釈または制限するために用いられないという理解と共に提示される。また、前述の詳細な説明において、当該開示を円滑にする目的で、様々な実施形態において様々な特徴がまとめてグループ化されていることが認められ得る。この開示方法は、特許請求される実施形態が、各請求項で明示的に記載されている特徴よりも多くの特徴を必要とする、という意図を反映するものとして解釈されるべきでない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の主題は、単一の開示された実施形態の全ての特徴よりも少なく存在する。以下の特許請求の範囲は、ここで詳細な説明に組み入れられ、各請求項は、別個に特許請求される主題として、それ自身独立している。
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【国際調査報告】