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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-29
(54)【発明の名称】エアロゾル生成物品
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/20 20200101AFI20230922BHJP
【FI】
A24D1/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516745
(86)(22)【出願日】2021-09-17
(85)【翻訳文提出日】2023-03-14
(86)【国際出願番号】 EP2021075603
(87)【国際公開番号】W WO2022058490
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】20197176.9
(32)【優先日】2020-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100210398
【弁理士】
【氏名又は名称】横尾 太郎
(72)【発明者】
【氏名】バーグナー,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】シュバーネベック,ユリア
(72)【発明者】
【氏名】シュタマー,マルティナ
(72)【発明者】
【氏名】シュミット,マルロ-レアンダー
(72)【発明者】
【氏名】ザイツ,フェリックス
【テーマコード(参考)】
4B045
【Fターム(参考)】
4B045AA50
4B045AB01
(57)【要約】
エアロゾル生成物品(1)が、エアロゾル生成材料を含む複数の細長い第1のストリップ(15)と、誘導加熱可能サセプタ材料を含む複数の細長い第2のストリップ(13)と、複数の細長い第2のストリップ(13)の各々が取り付けられている少なくとも1つの細長いキャリアストリップ(17)と、を備える。少なくとも1つの細長いキャリアストリップ(17)が、1つ以上の折り目(7)に沿って折り畳まれて2つ以上の細長いキャリア領域(17a、17b、17c)を形成し、複数の細長い第2のストリップ(13)のうちの1つ以上が、細長いキャリア領域(17a、17b、17c)の各々に取り付けられている。細長い第1のストリップ(15)、細長い第2のストリップ(13)、及び少なくとも1つの細長いキャリアストリップ(17)は、ロッド形のエアロゾル生成物品(1)を形成するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成材料を含む複数の細長い第1のストリップ(15)と、
誘導加熱可能サセプタ材料を含む複数の細長い第2のストリップ(13)と、
前記複数の細長い第2のストリップ(13)の各々が取り付けられている少なくとも1つの細長いキャリアストリップ(17)と
を備える、エアロゾル生成物品(1)であって、
前記少なくとも1つの細長いキャリアストリップ(17)が、1つ以上の折り目(7)に沿って折り畳まれて2つ以上の細長いキャリア領域(17a、17b、17c)を形成し、
前記複数の細長い第2のストリップ(13)のうちの1つ以上が、前記細長いキャリア領域(17a、17b、17c)の各々に取り付けられており、
前記細長い第1のストリップ(15)、前記細長い第2のストリップ(13)、及び前記少なくとも1つの細長いキャリアストリップ(17)は、ロッド形のエアロゾル生成物品(1)を形成するように構成されている、
エアロゾル生成物品(1)。
【請求項2】
前記細長い第2のストリップ(13)のうちの1つ以上が、前記細長いキャリア領域(17a、17b、17c)の各々に接着されている、
請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項3】
前記少なくとも1つの細長いキャリアストリップ(17)が、Z型のキャリアストリップである、
請求項1または2に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項4】
前記複数の細長い第1のストリップ(15)の各々が、前記複数の細長い第2のストリップ(13)の各々の幅よりも小さい幅を有する、
請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項5】
前記複数の細長い第1のストリップ(15)及び前記細長い第2のストリップ(13)の各々が遠位端(15a、13a)を有し、
前記細長い第1のストリップ(15)の前記遠位端(15a)は、前記エアロゾル生成物品(1)の遠位端(11a)を形成し、
前記細長い第2のストリップ(13)の前記遠位端(13a)は、前記エアロゾル生成物品(1)の前記遠位端(11a)において前記細長い第2のストリップ(13)の前記遠位端(13a)が見えないように前記細長い第1のストリップ(15)の前記遠位端(15a)から内側に配置されている、
請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項6】
前記細長い第2のストリップ(13)の各々の長さが、前記細長い第1のストリップ(15)の各々の長さよりも小さい、
請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項7】
前記少なくとも1つの細長いキャリアストリップ(17)の長さが、前記細長い第1のストリップ(15)の各々の長さに等しい、
請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項8】
前記少なくとも1つの細長いキャリアストリップ(17)がエアロゾル生成材料を含む、
請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項9】
前記エアロゾル生成物品(1)の近位端におけるフィルタセグメント(24)と、
前記フィルタセグメント(24)の上流における少なくとも1つの管状セグメント(22、23)と
を更に備える、
請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項10】
前記細長い第1のストリップ(15)が、前記ロッド形のエアロゾル生成物品(1)の断面内で、複数の異なる配向を有する、
請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項11】
前記複数の細長い第2のストリップ(13)の各々が、1μm~500μm、好ましくは10μm~100μmの厚さを有する、
請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項12】
前記複数の細長い第1のストリップ(15)の各々が、10mm~30mmの長さを有し、
好ましくは、前記複数の細長い第1のストリップ(15)の各々が、20mmの長さを有する、
請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項13】
前記複数の細長い第1のストリップ(15)の各々が、150μm~300μmの厚さを有し、
好ましくは、前記複数の細長い第1のストリップ(15)の各々が、220μmの厚さを有する、
請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項14】
前記エアロゾル生成材料がタバコ材料を含む、
請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項15】
前記誘導加熱可能サセプタ材料が、好ましくは、ステンレス鋼及び炭素鋼からなる群から選択される金属を含む、
請求項1~14のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、エアロゾル生成物品に関し、より具体的には、エアロゾル生成物品を加熱して、ユーザによる吸入のためのエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスで使用するためのエアロゾル生成物品に関する。本開示は、特に、携帯型(ハンドヘルド型)エアロゾル生成デバイスと共に使用するエアロゾル生成物品に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
近年、(エアロゾル生成デバイス又は蒸気生成デバイスとしても知られる)リスク低減デバイス又はリスク修正デバイスの人気及び使用は、従来のタバコ製品の使用に代わるものとして、急速に成長してきた。エアロゾル生成物質を加熱又は加温してユーザによる吸入のためのエアロゾルを生成させる、様々なデバイス及びシステムが入手可能である。
【0003】
一般に入手可能なリスク低減デバイス又はリスク修正デバイスは、基材加熱式エアロゾル生成デバイス又はいわゆる加熱非燃焼式デバイスである。このタイプのデバイスは、エアロゾル生成基材を、典型的には150℃~300℃の範囲の温度に加熱することにより、エアロゾル又は蒸気を生成する。エアロゾル生成基材を燃焼する又は燃やすことなく、エアロゾル生成基材をこの範囲内の温度に加熱すると、蒸気が発生し、蒸気は典型的には冷却及び凝縮されて、デバイスのユーザによる吸入のためのエアロゾルが形成される。
【0004】
現在利用可能なエアロゾル生成デバイスは、いくつかの異なる手法のうちの1つを使用して、エアロゾル生成基材に熱を供給することができる。そのような手法の1つは、誘導加熱システムを採用するエアロゾル生成デバイスを提供することである。そのようなデバイスでは、誘導コイルがデバイス内に設けられ、誘導加熱可能サセプタがエアロゾル生成基材を加熱するために設けられる。ユーザがデバイスを作動させると、電気エネルギーが誘導コイルに供給され、次いでこれにより交流電磁場が発生する。サセプタがこの電磁場と結合して熱を発生させ、この熱は、例えば伝導によりエアロゾル生成基材に伝達され、エアロゾル生成基材が加熱されるにつれてエアロゾルが発生する。
【0005】
エアロゾル生成デバイスによって生成されるエアロゾルの特性は、エアロゾル生成デバイスと共に使用されるエアロゾル生成物品の構造を含む、いくつかの要因に依存する。したがって、物品の使用中に生成されるエアロゾルの特性を最適化することを可能にするエアロゾル生成物品を提供することが望まれる。容易に且つ一貫して大量生産され得るエアロゾル生成物品を提供することも概して望まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様によれば、
エアロゾル生成材料を含む複数の細長い第1のストリップと、
誘導加熱可能サセプタ材料を含む複数の細長い第2のストリップと、
複数の細長い第2のストリップの各々が取り付けられている少なくとも1つの細長いキャリアストリップと、を備えるエアロゾル生成物品が提供され、
少なくとも1つの細長いキャリアストリップが、1つ以上の折り目に沿って折り畳まれて2つ以上の細長いキャリア領域を形成し、複数の細長い第2のストリップのうちの1つ以上が、細長いキャリア領域の各々に取り付けられており、
細長い第1のストリップ、細長い第2のストリップ、及び少なくとも1つの細長いキャリアストリップは、ロッド形のエアロゾル生成物品を形成するように構成されている。
【0007】
エアロゾル生成物品は、エアロゾル生成材料を燃やすことなくエアロゾル生成材料を加熱して、エアロゾル生成材料の少なくとも1種の成分を揮発させ、それにより、加熱された蒸気を生成し、この蒸気が冷却及び凝縮されて、エアロゾル生成デバイスのユーザによる吸入のためのエアロゾルが形成される、エアロゾル生成デバイスと共に使用するためのものである。エアロゾル生成デバイスは、ハンドヘルド携帯型デバイスである。
【0008】
一般論として、蒸気は、臨界温度よりも低い温度で気相である物質であり、これは、温度を低下させることなく圧力を増加させることにより蒸気を液体に凝縮させ得ることを意味する。一方、エアロゾルは、空気中又は別のガス中に微細な固体粒子又は液滴が浮遊しているものである。しかしながら、本明細書では、「エアロゾル」及び「蒸気」という用語は、特に、ユーザによる吸入のために生成される吸入可能媒体の形態に関して、交換可能に使用されてもよいことに留意されたい。
【0009】
エアロゾル生成物品内での細長い第1のストリップ(エアロゾル生成ストリップ)と複数の細長い第2のストリップ(サセプタストリップ)との組み合わせは、エアロゾル生成デバイス内でのエアロゾル生成物品の使用中に、細長い第2のストリップから細長い第1のストリップへの効果的な熱伝達をもたらす。細長いキャリアストリップに、細長い第2のストリップが取り付けられる1つ以上のキャリア領域を設けることにより、細長い第1のストリップに対する細長い第2のストリップの位置決めが容易になり、これにより、細長い第2のストリップから細長い第1のストリップへの均一で効果的な熱伝達が更に確実になる。細長い第1のストリップの効果的且つ均一な加熱が、したがって、確実な蒸気生成が実現される。本開示に従うエアロゾル生成物品はまた、効率的に製造でき、比較的容易に大量生産することができる。
【0010】
1つ以上の折り目は、実質的にエアロゾル生成物品の長手方向に延びていてもよい。したがって、細長い第2のストリップは、それに対応して、エアロゾル生成物品の長手方向に延びている。これは、細長い第1のストリップの均一な加熱を容易にする場合があり、細長い第1のストリップも実質的に長手方向に延びている場合がある。これにより、エアロゾル生成物品の製造が容易になることもある。
【0011】
細長い第2のストリップのうちの1つ以上が、各細長いキャリア領域に接着されてもよい。したがって、各細長い第2のストリップと、対応する細長いキャリア領域との間の、確実な接続が実現される。これは、エアロゾル生成物品の製造中に、例えば1つ以上の折り目に沿って細長いキャリアストリップを折り畳んでいる間に、特に有利な場合があり、細長いキャリアストリップを折り畳んでいる間に、細長い第2のストリップが、対応する細長いキャリア領域から離れないことを確実にできる。
【0012】
少なくとも1つの細長いキャリアストリップは、Z型のキャリアストリップであってもよい。Z型のキャリアストリップは、3つの細長いキャリア領域を定めてもよい。この形状は、複数の細長い第2のストリップから複数の細長い第1のストリップへの熱伝達を促進でき、それにより、複数の細長い第1のストリップが均一に加熱され、エアロゾル生成物品におけるホットスポット及びコールドスポットが回避されることを確実にする。
【0013】
複数の細長い第1のストリップの各々は、複数の細長い第2のストリップの各々の幅よりも小さい幅を有してもよい。これは、多数の細長い第1のストリップをエアロゾル生成物品中に設けることを可能にすることにより、蒸気生成を容易にすることができる。エアロゾル生成物品の製造も容易になり得る。
【0014】
複数の細長い第2のストリップの各々が、細長い第2のストリップが取り付けられている対応する細長いキャリア領域の幅よりも小さい幅を有してもよい。これは、細長いキャリアストリップが1つ以上の折り目に沿って折り畳まれている間に、細長い第2のストリップが折り畳まれないか又は変形しないことを確実にすることを手助けする場合がある。
【0015】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの細長いキャリアストリップは、エアロゾル生成物品の断面内で少なくとも第1の領域及び第2の領域を定めてもよい。第1の領域及び第2の領域は両方が、複数の細長い第1のストリップを含んでもよい。これは、多数の細長い第1のストリップを第1の領域及び第2の領域中に設けることを可能にすることにより、蒸気生成を容易にすることができる。
【0016】
複数の細長い第1のストリップの各々が遠位端を有してもよく、複数の細長い第2のストリップの各々が遠位端を有してもよい。細長い第1のストリップの遠位端は、エアロゾル生成物品の遠位端を形成してもよい。細長い第2のストリップの遠位端は、細長い第1のストリップの遠位端から内側に配置されていてもよい。例えば、細長い第2のストリップの各々の長さが、細長い第1のストリップの各々の長さより小さくてもよい。この構成において、細長い第2のストリップ(サセプタストリップ)の遠位端は、エアロゾル生成物品の遠位端において見えず、これによりエアロゾル生成物品のユーザ受容を改善できる。更には、細長い第2のストリップ(サセプタストリップ)が細長い第1のストリップ(エアロゾル生成ストリップ)中に完全に埋め込まれているため、細長い第2のストリップが細長い第1のストリップによって完全に取り囲まれているので、エアロゾル又は蒸気をより効果的に生成することが可能にでき、したがって、細長い第2のストリップから細長い第1のストリップへの熱伝達が最大化される。
【0017】
少なくとも1つの細長いキャリアストリップの長さが、細長い第1のストリップの各々の長さに等しくてもよい。これにより、エアロゾル生成物品の製造が容易になることがある。
【0018】
少なくとも1つの細長いキャリアストリップは、エアロゾル生成材料を含んでもよい。これにより、エアロゾル生成物品の製造が容易にでき、また、細長い第2のストリップからの熱伝達による、複数の細長い第1のストリップ及び少なくとも1つの細長いキャリアストリップの両方の加熱に起因して、エアロゾル生成物品の使用中に最大量の蒸気を生成することを可能にできる。
【0019】
細長い第1のストリップは、ロッド形のエアロゾル生成物品の断面内で複数の異なる配向を有してもよい。これは、細長い第2のストリップから細長い第1のストリップへの均一な熱伝達を確実にすることを手助けし、したがって、エアロゾル生成物品の使用中に最大量の蒸気を生成することを可能にできる。
【0020】
複数の細長い第2のストリップの各々は、1.0μm~500μm、場合によっては10μm~100μmの厚さを有してもよい。複数の細長い第2のストリップの各々は、50μmの厚さを有してもよい。これら厚さ寸法を有する細長い第2のストリップ(サセプタストリップ)は、エアロゾル生成物品の使用中に誘導加熱されることが特に好適な場合があり、エアロゾル生成物品の製造を容易にすることもできる。
【0021】
複数の細長い第1のストリップの各々は、5.0mm~50mm、場合によっては10mm~30mmの長さを有してもよい。複数の細長い第1のストリップの各々は、20mmの長さを有してもよい。
【0022】
複数の細長い第1のストリップの各々は、50μm~500μm、場合によっては150μm~300μmの厚さを有してもよい。複数の細長い第1のストリップの各々は、220μmの厚さを有してもよい。
【0023】
複数の細長い第1のストリップの各々は、0.1mm~5.0mm、場合によっては0.5mm~2.0mmの幅を有してもよい。複数の細長い第1のストリップの各々は、1.0mmの幅を有してもよい。これらの幅寸法は、エアロゾル生成物品を通る均一な空気流、及び許容可能な量の蒸気又はエアロゾルの生成を可能にする、最適な数の細長い第1のストリップを、エアロゾル生成物品が含むことを確実にする。細長い第1のストリップの幅が小さすぎる場合、ストリップの強度が低下する場合があり、その結果、エアロゾル生成物品の大量生産が困難になる場合がある。
【0024】
誘導加熱可能サセプタ材料は、金属を含んでもよい。金属は、典型的には、ステンレス鋼及び炭素鋼からなる群から選択される。しかしながら、誘導加熱可能サセプタ材料は、アルミニウム、鉄、ニッケル、ステンレス鋼、炭素鋼、及びそれらの合金、例えばニッケルクロム又はニッケル銅のうちの1種以上を含むが、これらに限定されない任意の好適な材料を含むことができる。エアロゾル生成デバイスでのエアロゾル生成物品の使用中にその近傍に電磁場を印加すると、渦電流及び磁気ヒステリシス損失の結果、電磁場から熱へのエネルギー変換が生じることに起因して、細長い第2のストリップ(サセプタストリップ)は熱を発生する場合がある。
【0025】
エアロゾル生成材料は、任意のタイプの固体又は半固体の材料であってもよい。エアロゾル生成固体の例示的なタイプとしては、粉末、顆粒、ペレット、シュレッド、ストランド、粒子、ゲル、条片、ルーズリーフ、カットリーフ、カットフィラー、多孔質材料、発泡材料、又はシートが挙げられる。エアロゾル生成材料は、植物由来の材料を含んでもよく、特にタバコ材料を含んでもよい。エアロゾル生成材料は、有利には、例えば、タバコと、セルロース繊維、タバコ茎繊維、及びCaCO3などの無機充填剤のうちの任意の1つ以上とを含む、再構成タバコを含んでもよい。
【0026】
したがって、エアロゾル生成物品と共に使用することが意図されるエアロゾル生成デバイスは、「加熱式タバコデバイス」、「加熱非燃焼式タバコデバイス」、「タバコ製品気化用デバイス」などと称することができ、このデバイスは、これら効果を実現するのに好適なデバイスとして解釈される。本明細書に開示される特徴は、任意のエアロゾル生成基材を気化させるように設計されたデバイスに等しく適用可能である。
【0027】
エアロゾル生成物品は、紙ラッパーにより囲まれていてもよい。
【0028】
エアロゾル生成物品は実質的にスティックの形状で形成されていてもよく、好適な形態で配置されたエアロゾル生成基材を有する管状領域を有する紙巻きタバコに概ね類似していてもよい。エアロゾル生成物品は、エアロゾル生成物品の近位端に、例えば酢酸セルロース繊維を含むフィルタセグメントを含んでもよい。フィルタセグメントは、マウスピースフィルタを構成してもよく、複数の細長い第1のストリップにより構成されるエアロゾル生成基材に対して同軸に整列されていてもよい。一部の設計には、1つ以上の蒸気収集領域、冷却領域、及び他の構造が含まれていてもよい。例えば、エアロゾル生成物品は、フィルタセグメントの上流に少なくとも1つの管状セグメントを含んでもよい。管状セグメントは、蒸気冷却領域として機能してもよい。蒸気冷却領域は、有利なことに、エアロゾル生成ストリップ(細長い第1のストリップ、及び好ましくは少なくとも1つの細長いキャリアストリップ)を加熱することにより生成された加熱された蒸気が冷却及び凝縮されて、例えばフィルタセグメントを通してユーザが吸入するのに好適な特性を有するエアロゾルが形成されることを可能にする場合がある。
【0029】
エアロゾル生成材料は、エアロゾル形成剤を含み得る。エアロゾル形成剤の例としては、グリセリン又はプロピレングリコールなどの多価アルコール及びその混合物が挙げられる。典型的には、エアロゾル生成材料は、乾燥重量ベースで約5%~約50%のエアロゾル形成剤の含有量を有してもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、乾燥重量ベースで約10%~約20%、場合によっては乾燥重量ベースで約15%のエアロゾル形成剤の含有量を有してもよい。
【0030】
加熱すると、エアロゾル生成材料は、揮発性化合物を放出する場合がある。揮発性化合物は、ニコチン又はタバコ香味料などの香味化合物を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1a】エアロゾル生成物品の一実施例の概略側断面図である。
図1b図1aの線A-Aに沿った拡大概略断面図である。
図2a図1a及び図1bに示すエアロゾル生成物品を製造するための装置及び方法の第1の実施形態の概略図である。
図2b】エアロゾル生成基材及びサセプタストリップが、図2aに示す装置を通って矢印で示す方向に移動している際の、エアロゾル生成基材及びサセプタストリップの平面図である。
図3】接着性領域及び非接着性領域を示す、サセプタ材料の連続ウェブの断面の平面図である。
図4】サセプタ材料の連続ウェブからのサセプタパッチ及びサセプタストリップの形成、並びにエアロゾル生成基材の連続ウェブの表面に対するサセプタストリップの適用を概略的に示す、図2aの装置の部品及び方法の機能を図示したものである。
図5】サセプタ切断ユニットの概略斜視図である。
図6図2aの装置のストリップ切断ユニットの概略図である。
図7a図1a及び図1bに示すエアロゾル生成物品を製造するための装置及び方法の第2の実施形態の概略図である。
図7b】エアロゾル生成基材及びサセプタストリップが、図7aに示す装置を通って矢印で示す方向に移動している際の、エアロゾル生成基材及びサセプタストリップの平面図である。
図8】サセプタ材料の連続ウェブからのサセプタパッチ及びサセプタストリップの形成、並びにエアロゾル生成基材の連続ストリップの表面に対するサセプタストリップの適用を概略的に示す、図7aの装置の部品及び方法の機能を図示したものである。
図9図7aの装置のストリップ切断ユニットの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
ここで、本開示の実施形態について、あくまで例として、添付の図面を参照しながら説明する。
【0033】
図1a及び図1bを参照すると、エアロゾル生成デバイスと共に使用するためのエアロゾル生成物品1の一例が示され、エアロゾル生成物品は、誘導加熱システムを備えて、エアロゾル生成物品を誘導加熱し、それによりデバイスのユーザによる吸入のためのエアロゾルが生成される。そのようなデバイスは、当技術分野では知られており、本明細書では更に詳細には説明しない。エアロゾル生成物品1は、細長く、遠位端11a及び近位端(又はマウス端)11bを有し、実質的に円筒状である。円形の断面により、ユーザによる物品1の取り扱い、及びエアロゾル生成デバイスのキャビティ又は加熱コンパートメントへの物品1の挿入が容易になる。
【0034】
エアロゾル生成物品1は、第1の端部10a及び第2の端部10bを有するエアロゾル生成基材10と、誘導加熱可能サセプタ12とを備える。エアロゾル生成基材10及び誘導加熱可能サセプタ12は、ラッパー14内に配置され、ラッパー14により包囲されている。ラッパー14は、実質的に非導電性且つ非透磁性の材料を含む。図示の例では、ラッパー14は紙ラッパーであり、タバコ紙を含んでもよい。
【0035】
エアロゾル生成物品1は、遠位端11aと近位(マウス)端11bとの間で測定して、30mm~100mm、場合によっては50mm~70mmの全長を有してもよい。エアロゾル生成物品1は、約55mmの全長を有してもよい。エアロゾル生成基材10は、第1の端部10aと第2の端部10bとの間で測定して、5.0mm~50mm、場合によっては10mm~30mmの全長を有してもよい。エアロゾル生成基材10は、約20mmの全長を有してもよい。エアロゾル生成物品1は、5.0mm~10mm、場合によっては6.0mm~8.0mmの直径を有してもよい。エアロゾル生成物品1は、約7.0mmの直径を有してもよい。
【0036】
エアロゾル生成基材10は、エアロゾル生成材料を含む複数の細長い第1のストリップ15を備える。複数の細長い第1のストリップ15は、エアロゾル生成ストリップ16を構成し、エアロゾル生成物品1の長手方向に実質的に配向されている。細長い第1のストリップ15は、典型的には、長手方向に折り目がなく、空気流経路が中断されないこと、及び物品1を通る均一な空気流が実現され得ることを確実にしている。
【0037】
誘導加熱可能サセプタ12は、誘導加熱可能サセプタ材料を含む複数の細長い第2のストリップ13を備える。複数の細長い第2のストリップ13は、サセプタストリップ18を構成し、またエアロゾル生成物品1の長手方向に実質的に配向されている。細長い第2のストリップ13は、長手方向に折り目がなく、エアロゾル生成基材10においてホットスポットを防止している。図1bで明らかに分かるように、各細長い第1のストリップ15は、各細長い第2のストリップ13の幅よりも小さい幅を有する。
【0038】
エアロゾル生成物品1は、エアロゾル生成物品1の長手方向に実質的に配向された細長いキャリアストリップ17を備える。細長いキャリアストリップ17は、エアロゾル生成物品1の長手方向に実質的に延びている複数の折り目7を有し、細長いキャリアストリップ17は、折り目7に沿って折り畳まれて細長いキャリア領域17a、17b、17cを定めている。図示する例では、細長いキャリアストリップ17は、2本の折り目7を有する実質的にZ型のキャリアストリップ17として構成され、3つの別々の細長いキャリア領域17a、17b、17cを定めている。しかしながら、細長いキャリアストリップ17が少なくとも2つの細長いキャリア領域17a、17bを有するならば、細長いキャリアストリップ17の他の構成が、完全に本開示の範囲内にあることが理解されるであろう。例として、2つの細長いキャリア領域17a、17bを有する細長いキャリアストリップ17が、V型のキャリアストリップ17として、又は、L型のキャリアストリップ17として構成できる。
【0039】
細長いキャリアストリップ17は、エアロゾル生成材料を含み、したがって、更にエアロゾル生成ストリップ16を構成する。細長いキャリアストリップ17は、細長い第1のストリップ15と同じ長さを有し、したがって、エアロゾル生成物品1中のエアロゾル生成ストリップ16は全てが同じ長さを有する。
【0040】
細長い第2のストリップ13は、細長いキャリアストリップ17に接着している。より具体的には、図1bで明らかに分かるように、1つの細長い第2のストリップ13が細長いキャリア領域17a、17b、17cの各々に接着している。図示する例では、複数の細長い第2のストリップ13の各々が、細長い第2のストリップ13が取り付けられている対応する細長いキャリア領域17a、17b、17cの幅よりも小さい幅を有する。
【0041】
細長い第1のストリップ15、細長い第2のストリップ13、及び細長いキャリアストリップ17は、実質的にロッド形のエアロゾル生成物品1を形成するように構成され、細長い第1のストリップ15は、それらがエアロゾル生成物品1の断面内で複数の異なる配向を有するように、ロッド形のエアロゾル生成物品1の断面全体にわたってランダムに分配させることができる。図1bからは明らかではないが、エアロゾル生成基材10の断面を実質的に満たすために、十分な数の細長い第1のストリップ15が設けられており、単に例示を目的として、より少ない数の細長い第1のストリップ15が示されていることが理解されるであろう。細長い第2のストリップ13及び細長いキャリアストリップ17は、エアロゾル生成基材10の、したがってエアロゾル生成物品1の断面内で概ね中央に配置される。そのような構成は、例えば、細長い第2のストリップ13から細長い第1のストリップ15に均一な熱伝達が存在することを確実にする手助けをすることができる。
【0042】
図1bで最もよく分かるように、中央に配置された細長いキャリアストリップ17と、細長いキャリア領域17a、17b、17cに接着された細長い第2のストリップ13とが、エアロゾル生成基材10の断面内で、したがってエアロゾル生成物品1の断面内で、少なくとも第1の領域5及び第2の領域6を定めると考えることができる。第1の領域5及び第2の領域6は両方とも、複数の細長い第1のストリップ15を含む。
【0043】
図1aで最もよく分かるように、複数の細長い第1のストリップ15の各々が遠位端15aを有し、複数の細長い第2のストリップ13の各々が遠位端13aを有する。細長い第1のストリップ15の遠位端15aは、エアロゾル生成基材10の第1の端部10aを形成し、それに対応して、エアロゾル生成物品1の遠位端11aを形成する。細長い第2のストリップ13は、細長い第1のストリップ15及び細長いキャリアストリップ17よりも短い。細長い第2のストリップ13の遠位端13aは、細長い第1のストリップ15の遠位端15aから内側に配置されている。したがって、細長い第2のストリップ13(すなわち、サセプタ12)の遠位端13aは、エアロゾル生成物品1の遠位端11aにおいて見えない。
【0044】
エアロゾル生成物品1は、エアロゾル生成基材10の下流に配置されたマウスピースセグメント20を備える。エアロゾル生成基材10及びマウスピースセグメント20は、ラッパー14内で同軸に整列配置されて、構成要素を保持して、ロッド形のエアロゾル生成物品1を形成している。
【0045】
図示した実施形態では、マウスピースセグメント20は、下流方向に、換言すればエアロゾル生成物品1の遠位端11aから近位(マウス)端11bの方向に、同軸に整列して順次配置された構成要素、すなわち冷却セグメント22、中央穴セグメント23、及びフィルタセグメント24を備える。冷却セグメント22は、紙ラッパー14の厚さよりも大きい厚さを有する中空紙管22aを備える。中央穴セグメント23は、酢酸セルロース繊維及び可塑剤を含有する硬化された混合剤を含んでもよく、マウスピースセグメント20の強度を増加させるように機能する。フィルタセグメント24は、典型的には酢酸セルロース繊維を含み、マウスピースフィルタとして機能する。加熱された蒸気が、エアロゾル生成基材10からエアロゾル生成物品1の近位(マウス)端11bに向かって流れるにつれて、蒸気は、冷却セグメント22及び中央穴セグメント23を通過するにつれて冷却及び凝縮されて、フィルタセグメント24を通してユーザが吸入するのに好適な特性を有するエアロゾルが形成される。
【0046】
細長い第1のストリップ15及び細長いキャリアストリップ17は、典型的には、タバコなどの植物由来の材料を含む。細長い第1のストリップ15及び細長いキャリアストリップ17は、有利には、タバコと、セルロース繊維、タバコ茎繊維、及びCaCO3などの無機充填剤のうちの任意の1つ以上とを含む、再構成タバコを備えることができる。
【0047】
細長い第1のストリップ15及び細長いキャリアストリップ17は、典型的には、グリセリン又はプロピレングリコールなどのエアロゾル形成剤を含む。典型的には、細長い第1のストリップ15及び細長いキャリアストリップ17は、乾燥重量ベースで約5%~約50%のエアロゾル形成剤の含有量を有する。細長い第1のストリップ15及び細長いキャリアストリップ17は、加熱すると、場合によってはニコチン、又はタバコ香味料などの香味化合物を含む、揮発性化合物を放出する。
【0048】
エアロゾル生成デバイスにおいて物品1を使用している間に、細長い第2のストリップ13の近傍に時間変化する電磁場が印加されると、渦電流及び磁気ヒステリシス損失に起因して、細長い第2のストリップ13に熱が発生する。熱は、細長い第2のストリップ13から細長い第1のストリップ15及び細長いキャリアストリップ17に伝達されて、細長い第1のストリップ15及び細長いキャリアストリップ17を燃焼させることなく加熱して、1つ以上の揮発性化合物を放出させ、したがって蒸気を発生させる。ユーザがフィルタセグメント24を通して吸入すると、加熱された蒸気は、エアロゾル生成基材10の第1の端部10aからエアロゾル生成基材10の第2の端部10bに向かって、そしてフィルタセグメント24に向かって、物品1を通って下流方向に吸い込まれる。上述したように、加熱された蒸気が冷却セグメント22及び中央穴セグメント23を通ってフィルタセグメント24に向かって流れるにつれて、加熱された蒸気は冷却及び凝縮されて、フィルタセグメント24を通してユーザが吸入するのに好適な特性を有するエアロゾルが形成される。
【0049】
ここで、図1a及び図1bを参照して上述したエアロゾル生成物品1などの、本開示によるエアロゾル生成物品を製造するのに適当な装置30、230、及び方法について説明する。
【0050】
[エアロゾル生成物品の製造:実施形態1]
図2aを参照すると、図1a及び図1bを参照して上述したエアロゾル生成物品1を製造する装置30及び方法の概略図が示されている。図2bは、エアロゾル生成基材10及びサセプタストリップ18が、装置30を通って図2bの矢印の方向に移動しているときの平面図である。
【0051】
装置30は、中心線118に対して実質的に平坦な表面を有するエアロゾル生成基材10の連続ウェブ34を支持する基材供給リール32(例えば、第1のボビン)と、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34の供給を制御するための第1の供給ローラ36と、を備える。装置30はまた、当業者により理解されるように、ウェブ張力調節器及びウェブエッジ制御システムを含んでもよいが、これらの追加構成要素は、本開示との関連では必須ではなく、したがって簡単にするために省略されている。
【0052】
装置30は、サセプタ材料の連続ウェブ40を支持するサセプタ供給リール38(例えば第2のボビン)、サセプタ材料の連続ウェブ40の供給を制御するための供給ローラ42、44、接着剤アプリケータユニット46、第1のサセプタ切断ユニット48、及び第2のサセプタ切断ユニット49を備える。
【0053】
装置30は、任意選択のヒータ50、ストリップ切断ユニット52、供給ローラ54、ストリップ折畳みユニット55、ロッド形成ユニット56、及びロッド切断ユニット58を更に備える。
【0054】
[サセプタストリップの準備]
動作時は、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34が、基材供給リール32から連続的に供給される。同時に、サセプタ材料の連続ウェブ40が、供給ローラ42、44を介してサセプタ供給リール38から接着剤アプリケータユニット46まで連続的に供給される。接着剤アプリケータユニット46は、接着剤47をサセプタ材料の連続ウェブ40の表面に塗布する。図示する例では、接着剤アプリケータユニット46は、接着剤47を、サセプタ材料の連続ウェブ40の表面に、断続的に且つウェブ40の幅の全体にわたって塗布する。このようにして、サセプタ材料の連続ウェブ40の表面上に別々の接着性領域60(図3及び図4を参照)が形成され、サセプタ材料の連続ウェブ40の進行方向において隣接する接着性領域60の間に接着剤フリー領域62が形成される。
【0055】
サセプタ材料の連続ウェブ40は、接着剤アプリケータユニット46から第1のサセプタ切断ユニット48まで供給され、第1のサセプタ切断ユニット48は、サセプタ材料の連続ウェブ40を連続的に切断して、複数のサセプタパッチ28(図4を参照)を形成する。サセプタ材料の連続ウェブ40、したがってサセプタパッチ28は、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34の幅よりも実質的に小さい幅を有する。例えば、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34は約140mmの幅を有することができ、これに対し、サセプタ材料の連続ウェブ40、したがってサセプタパッチ28は、約0.1mm~5mmの幅を有することができる。いくつかの実施形態では、サセプタパッチ28は、サセプタ材料の連続ウェブ40の進行方向に約5mm~50mmの長さを有することができ、約1μm~500μmの厚さを有することができる。
【0056】
接着剤アプリケータユニット46によってサセプタ材料の連続ウェブ40に塗布される接着剤47による第1のサセプタ切断ユニット48の汚れを最小限に抑えるために、第1のサセプタ切断ユニット48は、接着剤フリー領域62においてサセプタ材料の連続ウェブ40を切断する。接着剤フリー領域は、サセプタ材料の連続ウェブ40の表面上の接着性領域60間の位置にある(図4を参照)。これは、第1のサセプタ切断ユニット48の動作をサセプタ材料の連続ウェブ40の移動と同期させることにより実現できる。
【0057】
図5を参照すると、第1のサセプタ切断ユニット48は、支持ドラム66と切断ドラム68とを備える回転切断ユニット64を備える。支持ドラム66は、その周辺部の周りでサセプタ材料の連続ウェブ40を支持し、その周辺部の周りに、複数の円周方向に間隔を空けた凹部70を含む。支持ドラム66は、典型的には吸引ドラムであり、サセプタ材料の連続ウェブ40及びサセプタパッチ28は、吸引ポート67を通して印加される吸引力により吸引ドラムの周辺部の周りで支持される。切断ドラム68は、その周辺部の周りに、複数の円周方向に間隔を空けた切断要素72、例えば突出した切断ブレードを含み、切断要素72は、図5の矢印で示すような、支持ドラム66及び切断ドラム68の両方が同期して反対方向に回転している間に、円周方向に間隔を空けた凹部70と協働する(例えば、凹部70内に延びる)。この結果、サセプタ材料の連続ウェブ40の連続的な剪断切断につながり、複数のサセプタパッチ28が形成される。
【0058】
第2のサセプタ切断ユニット49は、第1のサセプタ切断ユニット48の下流に配置されて、各サセプタパッチ28を複数のサセプタストリップ18に切断し、図示した実施形態では図2bで最もよく分かるように3つのサセプタストリップ18に切断する。下記の説明から明らかになるように、各サセプタストリップ18は、図1a及び図1bに関して上述した完成したエアロゾル生成物品1内の細長い第2のストリップ13(すなわち、細長いサセプタ12)に対応する。
【0059】
[サセプタストリップの適用]
第2のサセプタ切断ユニット49により提供されるサセプタストリップ18は、サセプタストリップ18の連続する各セットのエッジ間に、例えば図2b及び図4に示すように、連続ウェブ34の長手方向(すなわち、進行方向)に一定の所定間隔74が存在するように、そして、サセプタストリップ18間に、連続ウェブ34の横断(幅)方向に、図2bに示すように、小さい横方向間隔が存在するように、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34の表面に適用できる。サセプタストリップ18のエッジ間の一定の所定間隔74は、1.0mm~20mmであってもよい。一定の所定間隔74は、約5.0mmであってもよい。連続するサセプタパッチ28を切断することにより形成される、隣接するサセプタストリップ18のエッジ間に、一定の所定間隔74を生成するために、第1のサセプタ切断ユニット48は、支持ドラム66により支持される、サセプタ材料の連続ウェブ40が、切断ドラム68により切断されてサセプタパッチ28が形成された直後に、サセプタ材料の連続ウェブ40と支持ドラム66との間での所定期間にわたる相対運動を可能にしている。この相対運動により、サセプタパッチ28がサセプタ材料の連続ウェブ40から切断された後に短い期間にわたって、サセプタ材料の連続ウェブ40が静止したままであること又は低減された速度で進行することが可能になる。サセプタ材料の連続ウェブ40と支持ドラム66との間の相対運動は、例えば、支持ドラム66によりサセプタ材料の連続ウェブ40に印加される吸引力を減らし、しかしながら同時に、既に切断されたサセプタパッチ28と支持ドラム66との間で充分な吸引力を維持してサセプタパッチ28と支持ドラム66との間に相対運動が存在しないことを確実にすることにより実現できる。このようにして、第1のサセプタ切断ユニット48によりサセプタ材料の連続ウェブ40から切断されたサセプタパッチ28は、サセプタパッチ28が切断されたサセプタ材料の連続ウェブ40よりも大きな速度で、短い期間にわたって運搬され、それにより、第1のサセプタ切断ユニット48により供給される間隔を空けたサセプタパッチ28を切断することのおかげで、隣接するサセプタパッチ28のエッジ間に、したがって第2のサセプタ切断ユニット49により形成されるサセプタストリップ18間に、所望の一定の所定間隔74が生成される。
【0060】
サセプタストリップ18は、それに塗布された接着剤47と共に、実質的に中心線118に沿って、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34の平坦面に連続的且つ継続的に接着される。それにより、エアロゾル生成基材の連続ウェブ34の露出した側部領域90が、サセプタストリップ18の両方の側部に形成される(図2bを参照)。なぜなら、上述したように、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34は、サセプタパッチ28、したがって接着されたサセプタストリップ18の各セットよりも、実質的に広いからである。サセプタストリップ18の隣接するセットもまた、サセプタパッチ28が第1のサセプタ切断ユニット48にて形成されるときに生成される、サセプタストリップ28のエッジ間の一定の所定間隔74により、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34の進行方向に間隔を空けている。
【0061】
サセプタストリップ18とエアロゾル生成基材10の連続ウェブ34の実質的に平坦な表面との間に充分な接着力が存在することを確実にするために、サセプタストリップ18は、図2aに概略的に示されるカムローラ76により、実質的に平坦な表面上に押圧されることができる。カムローラ76の回転は、押圧力が、連続的なサセプタストリップ18間の間隔を空けた領域にではなく、継続的なサセプタストリップ18に印加されるように、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34の運動と同期している。
【0062】
接着剤アプリケータユニット46によりサセプタ材料の連続ウェブ40に、(したがって、サセプタストリップ18に)塗布された接着剤47の特性に応じて、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34、及びその表面に接着されたサセプタストリップ18は、任意選択のヒータ50により加熱されることができる。この加熱は、接着剤47を硬化させる又は固めることを手助けすることができ、それにより、サセプタストリップ18とエアロゾル生成基材10の連続ウェブ34の平坦面との間の良好な結合を確実にできる。接着剤47を硬化させるか又は固めるために十分な加熱を実現しながら、同時に、エアロゾル生成基材10からの揮発性成分の放出を回避するか又は少なくとも最小限に抑えることを確実にするために、加熱温度は、エアロゾル生成基材10及び接着剤47の両方の特性に基づいて慎重に選択されなければならない。
【0063】
[ストリップ切断]
エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34は、その平坦面に接着されたサセプタストリップ18の長手方向に間隔を空けたセットと共に、ストリップ切断ユニット52に供給される。ストリップ切断ユニット52は、サセプタストリップ18を切断することなく、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34の露出した側部領域90だけを切断して、サセプタストリップ18と並行して、複数の連続エアロゾル生成ストリップ16を形成する。一実施形態では、ストリップ切断ユニット52は、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34の露出した側部領域90を切断して、約1mmのストリップ幅を有するエアロゾル生成ストリップ16を形成する。
【0064】
図2a及び図6に示すように、ストリップ切断ユニット52は、回転カッターユニット78であり、第1及び第2の切断ドラム80、82を備える。第1の切断ドラム80は円周方向に延びる第1の切断フォーメーション84を含み、第2の切断ドラム82は円周方向に延びる第2の切断フォーメーション86を含む。第1及び第2の切断フォーメーション84、86は協働して(例えば、噛み合って)、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34の露出した側部領域90を連続ウェブ34の進行方向に剪断切断して、連続エアロゾル生成ストリップ16を形成して、具体的には、図1a及び図1bに図示される細長い第1のストリップ15を形成する。
【0065】
エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34の露出した側部領域90だけを切断して細長い第1のストリップ15を形成するために、第1及び第2の切断ドラム80、82は、それらの間に非切断領域92を画定して、サセプタストリップ18(すなわち、細長い第2のストリップ13)と、サセプタストリップ18が接着されるエアロゾル生成基材10の連続ウェブ34の一部とに対応している。図示した実施形態では、第1の切断ドラム80は、非切断領域92に第1の切断フォーメーション84を設けることなく形成される。同様に、第2の切断ドラム82もまた、非切断領域92に第2の切断フォーメーション86を設けることなく形成される。更には、第1の切断ドラム80は、非切断領域92におけるその表面内に円周方向に延びる凹部94を含み、その結果、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34の露出した側部領域90の切断中に、サセプタストリップ18の少なくとも一部を、円周方向に延びる凹部94内に収容できる。したがって、第1の切断ドラム80と第2の切断ドラム82上での、それぞれ第1の切断フォーメーション84と第2の切断フォーメーション86との間に協働のおかげで、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34の露出した側部領域90が切断されて細長い第1のストリップ15が形成されるときに、非切断領域92内に収容されストリップに切断されていないエアロゾル生成基材10の連続ウェブ34の中心部が、図1bを参照して上述した細長いキャリアストリップ17を構成することが理解されるであろう。
【0066】
[ストリップ折畳み及びロッド構造]
エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34の露出した側部領域90を切断することにより形成される細長い第1のストリップ15(すなわち、エアロゾル生成ストリップ16)、細長いキャリアストリップ17、及び接着された細長い第2のストリップ13(すなわち、サセプタストリップ18)は、ストリップ折畳みユニット55に運搬され、ストリップ折畳みユニットは、折り目7に沿って細長いキャリアストリップ17を折り畳んで、細長い第2のストリップ13が接着されている細長いキャリア領域17a、17b、17cを有する上述したZ型キャリアストリップ17を形成する。その後、細長い第1のストリップ15と、接着された細長い第2のストリップ13を有するZ型キャリアストリップ17とが、ロッド形成ユニット56に運搬され、そこでそれらは連続ロッド88に形成される。
【0067】
所望であれば、包装紙(図示せず)の連続シートが、供給リール(図示せず)からロッド形成ユニット56に供給されることができる、又はロッド形成ユニット56の下流に配置されることができる別々のラッピングユニットに(ここでも供給リールから)供給されることができる。包装紙のシートがロッド形成ユニット56又は別々のラッピングユニットを通して搬送され導かれるにつれて、連続ロッド88がラッパー14により囲まれるように、包装紙を、細長い第1のストリップ15、Z型キャリアストリップ17、及び接着された細長い第2のストリップ13の周りに巻き付けることができる。
【0068】
[ロッド切断]
(任意選択で、ラッパー14により囲まれた)連続ロッド88は、次いでロッド切断ユニット58に搬送され、そこで適切な位置で所定の長さに切断されて、複数のエアロゾル生成物品1が形成される。ロッド切断ユニット58により形成されるエアロゾル生成物品1は、5.0mm~50mm、場合によっては10mm~30mmの長さを有してもよい。ロッド切断ユニット58により形成されるエアロゾル生成物品1は、20mmの長さを有してもよい。この長さは、図1a及び図1bを参照して上述したエアロゾル生成基材10の長さに対応することが理解されるであろう。連続ロッド88は、好ましくは、実質的に、長手方向に間隔を空けた細長い第2のストリップ13(すなわち、サセプタストリップ18)の端部間の中間点において、ロッド切断ユニット58により繰り返し切断される。このようにして、細長い第2のストリップ13はロッド切断ユニット58により切断されず、それにより切断要素における摩耗が低減される。更に、細長い第2のストリップ13は、エアロゾル生成ストリップ16よりも短いので、細長い第2のストリップ13(すなわち、サセプタストリップ18)の端部は、ロッド切断ユニット58により形成されるエアロゾル生成物品1のいずれの端部においても見えない。この種の方法は、エアロゾル生成物品1の大量生産に特に好適であることが理解されるであろう。
【0069】
[最終組立て]
更なるユニット(図示せず)が、ロッド切断ユニット58の下流に配置されてもよく、上述したマウスピースセグメント20などの1つ以上の追加の構成要素を提供し、これらを、ロッド切断ユニット56により形成された個々のエアロゾル生成物品1と組み立てて、例えば図1に示すタイプの、完成されたエアロゾル生成物品1を形成するように構成されていてもよい。この場合、組み立てられた構成要素が同時に巻かれて、完成したエアロゾル生成物品1が形成できるように、別々のラッピングユニットがロッド切断ユニット58の下流に設けられてもよい。更なるユニットは、装置30の一部を形成してもよく、又は最終的な組立てラインの一部を形成する別々のスタンドアロン型のユニットであってもよい。
【0070】
[エアロゾル生成物品の製造:実施形態2]
図7aを参照すると、図1a及び図1bを参照して上述したエアロゾル生成物品1を製造する装置230の第2の実施形態及び方法の概略図が示されている。図7bは、エアロゾル生成基材10及びサセプタストリップ18が、装置230を通って図7bの矢印の方向に移動しているときの平面図である。装置230及び方法は、図2図6を参照して上述した装置30及び方法と同様であり、対応する構成要素は、同じ参照番号を用いて指定されている。
【0071】
装置230は、実質的に平坦な表面を有するエアロゾル生成基材10の連続ウェブ34を支持する基材供給リール32(例えば、第1のボビン)と、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34の供給を制御するための第1の供給ローラ36と、を備える。装置230はまた、当業者により理解されるように、ウェブ張力調節器及びウェブエッジ制御システムを含んでもよいが、これらの追加構成要素は、本開示との関連では必須ではなく、したがって簡単にするために省略されている。
【0072】
装置230は、例えば円形切断ナイフを含む回転カッターユニット290を更に備え、回転カッターユニットは、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34を1つのエッジ19に沿って切断して、エアロゾル生成基材10の連続ストリップ218を連続ウェブ34から分離する。後述するように、エアロゾル生成基材10の連続ストリップ218は、その後、折り目7に沿って折り畳まれて、図1a及び図1bを参照して上述した完成されたエアロゾル生成物品1において細長いキャリアストリップ17が形成される。エアロゾル生成基材10の連続ストリップ218は、実質的に平坦な表面を有し、搬送ローラ92、94により、例えば図7aで最もよく分かるように上向き方向に、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34から離れるように搬送され、それにより、連続ストリップ218及び連続ウェブ34は、装置230により別々に処理されることができる。
【0073】
装置230もまた、サセプタ材料の連続ウェブ40を支持するサセプタ供給リール38(例えば、第2のボビン)、サセプタ材料の連続ウェブ40の供給を制御するための供給ローラ42、44、接着剤アプリケータユニット46、第1のサセプタ切断ユニット48、及び第2のサセプタ切断ユニット49を備える。
【0074】
装置230は、任意選択のヒータ50、供給ローラ51、ストリップ折畳みユニット55、ストリップ切断ユニット52、供給ローラ54、ロッド形成ユニット56、及びロッド切断ユニット58と更に備える。
【0075】
[サセプタストリップの準備]
動作において、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34が、基材供給リール32から連続的に供給され、エアロゾル生成基材10の連続ストリップ218は、回転カッターユニット290により連続ウェブ34のエッジ19から分離され、上述したように搬送ローラ92、94により連続ウェブ34から離れるように搬送される。同時に、サセプタ材料の連続ウェブ40が、供給ローラ42、44を介してサセプタ供給リール38から接着剤アプリケータユニット46まで連続的に供給される。接着剤アプリケータユニット46は、接着剤47をサセプタ材料の連続ウェブ40の表面に塗布する。図示する例では、接着剤アプリケータユニット46は、接着剤47を、サセプタ材料の連続ウェブ40の表面に、断続的に且つウェブ40の幅の全体にわたって塗布する。このようにして、サセプタ材料の連続ウェブ40の表面上に別々の接着性領域60(図3及び図8を参照)が形成され、サセプタ材料の連続ウェブ40の進行方向において隣接する接着性領域60の間に接着剤フリー領域62が形成される。
【0076】
サセプタ材料の連続ウェブ40は、接着剤アプリケータユニット46から第1のサセプタ切断ユニット48まで供給され、第1のサセプタ切断ユニット48は、サセプタ材料の連続ウェブ40を連続的に切断して、複数のサセプタパッチ28(図8を参照)を形成する。第1のサセプタ切断ユニット48の構造及び作動は、図5に関連して上述したものと同様である。
【0077】
第2のサセプタ切断ユニット49は、第1のサセプタ切断ユニット48の下流に配置されて、各サセプタパッチ28を複数のサセプタストリップ18に切断し、図示した実施形態では図7bで最もよく分かるように3つのサセプタストリップ18に切断する。下記の説明から明らかになるように、各サセプタストリップ18は、図1a及び図1bに関して上述した完成したエアロゾル生成物品1内の細長い第2のストリップ13(すなわち、細長いサセプタ12)に対応する。
【0078】
サセプタ材料の連続ウェブ40、したがってサセプタパッチ28は、エアロゾル生成基材10の連続ストリップ218の幅よりも小さい幅を有する。例えば、サセプタ材料の連続ウェブ40、したがってサセプタパッチ28は、約0.1mm~7mmの幅を有することができる。いくつかの実施形態では、サセプタパッチ28は、サセプタ材料の連続ウェブ40の進行方向に約5mm~50mmの長さを有することができ、約1μm~500μmの厚さを有することができる。
【0079】
接着剤アプリケータユニット46によってサセプタ材料の連続ウェブ40に塗布される接着剤47による第1のサセプタ切断ユニット48の汚れを最小限に抑えるために、第1のサセプタ切断ユニット48は、接着剤フリー領域62においてサセプタ材料の連続ウェブ40を切断する。接着剤フリー領域は、サセプタ材料の連続ウェブ40の表面上の接着性領域60間の位置にある(図8を参照)。これは、第1のサセプタ切断ユニット48の動作をサセプタ材料の連続ウェブ40の移動と同期させることにより実現できる。
【0080】
[サセプタストリップの適用]
第2のサセプタ切断ユニット49により提供されるサセプタストリップ18は、サセプタストリップ18の連続する各セットのエッジ間に、例えば図7b及び図8に示すように、連続ストリップ218の長手方向(すなわち、進行方向)に一定の所定間隔74が存在するように、そして、サセプタストリップ18間に、連続ストリップ218の横断(幅)方向に、図7bに示すような小さい横方向間隔が存在するように、エアロゾル生成基材10の連続ストリップ218の平坦面に適用できる。サセプタストリップ18のエッジ間の一定の所定間隔74は、例えば、1.0mm~20mmであってもよい。一定の所定間隔74は、約5.0mmであってもよい。一定の所定間隔74は、装置30及び対応する方法に関連して上述したものと同様の方法で実現される。
【0081】
サセプタストリップ18は、それに塗布された接着剤47と共に、実質的に連続ストリップ218の中心に沿って、エアロゾル生成基材10の連続ストリップ218の平坦面に連続的且つ継続的に接着される。サセプタストリップ18の隣接するセットは、サセプタパッチ28が第1のサセプタ切断ユニット48にて形成されるときに生成される、サセプタパッチ28のエッジ間の一定の所定間隔74により、エアロゾル生成基材10の連続ストリップ218の進行方向に間隔を空けている。
【0082】
サセプタストリップ18とエアロゾル生成基材10の連続ストリップ218の実質的に平坦な表面との間に充分な接着力が存在することを確実にするために、サセプタストリップ18は、図7aに概略的に示されるカムローラ76により、実質的に平坦な表面上に押圧されることができる。カムローラ76の回転は、押圧力が、継続的なサセプタストリップ18間の間隔を空けた領域にではなく、継続的なサセプタストリップ18に印加されるように、エアロゾル生成基材10の連続ストリップ218の運動と同期している。
【0083】
接着剤アプリケータユニット46によりサセプタ材料の連続ウェブ40に、(したがって、サセプタストリップ18に)塗布される接着剤47の特性に応じて、エアロゾル生成基材10の連続ストリップ218、及びその表面に接着されたサセプタストリップ18は、任意選択のヒータ50により加熱されることができる。上述したように、この加熱は、接着剤47を硬化させる又は固めることを手助けすることができ、それにより、サセプタストリップ18とエアロゾル生成基材10の連続ストリップ218の平坦面との間の良好な結合を確実にできる。
【0084】
[ストリップ切断]
エアロゾル生成基材10の連続ストリップ218が回転カッターユニット290によりエアロゾル生成基材10の連続ウェブ34のエッジ19から分離された後、エアロゾル生成基材10の残りのウェブ34は、ストリップ切断ユニット52に供給される(図9にて最もよく分かる)。ストリップ切断ユニット52は、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34をその幅全体にわたって切断して、図1a及び図1bを参照して上述した、完成したエアロゾル生成物品1における細長い第1のストリップ15に対応する、複数の連続するエアロゾル生成ストリップ16を形成する。一実施形態では、ストリップ切断ユニット52は、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34を切断して、約1mmのストリップ幅を有するエアロゾル生成ストリップ16を形成する。
【0085】
図7a及び図9に示すように、ストリップ切断ユニット52は、回転カッターユニット78であり、第1及び第2の切断ドラム80、82を備える。第1の切断ドラム80は円周方向に延びる第1の切断フォーメーション84を含み、第2の切断ドラム82は円周方向に延びる第2の切断フォーメーション86を含む。第1及び第2の切断フォーメーション84、86は協働して(例えば、噛み合って)、エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34を、連続ウェブ34の進行方向に剪断切断して、複数のエアロゾル生成ストリップ16を形成して、具体的には、図1a及び図1bに図示される細長い第1のストリップ15を形成する。
【0086】
[ストリップ折畳み及びロッド構造]
エアロゾル生成基材10の連続ウェブ34を切断することにより形成される細長い第1のストリップ(すなわち、エアロゾル生成ストリップ16)は、ロッド形成ユニット56に運搬され、そこで細長い第1のストリップは連続ロッド88に形成される。
【0087】
エアロゾル生成基材10の連続ストリップ218(すなわち、細長いキャリアストリップ17)は、接着されたサセプタストリップ18(すなわち、細長い第2のストリップ13)と共に、供給ローラ51によりストリップ折畳みユニット55に運搬される。ストリップ折畳みユニットは、細長いキャリアストリップ17を折り目7に沿って折り畳んで、細長い第2のストリップ13(すなわち、サセプタストリップ18)が接着されている細長いキャリア領域17a、17b、17cを有する、上述したZ型キャリアストリップ17を形成する。その後、接着された細長い第2のストリップ13を有するZ型キャリアストリップ17は、ロッド形成ユニット56に運搬され、細長い第1のストリップ15(すなわち、エアロゾル生成ストリップ16)と結合されて、連続ロッド88が形成される。
【0088】
所望であれば、包装紙(図示せず)の連続シートが、供給リール(図示せず)からロッド形成ユニット56に供給されることができる、又はロッド形成ユニット56の下流に配置されることができる別々のラッピングユニットに(ここでも供給リールから)供給されることができる。包装紙のシートがロッド形成ユニット56又は別々のラッピングユニットを通して搬送され導かれるにつれて、連続ロッド88がラッパー14により囲まれるように、包装紙を、細長い第1のストリップ15、Z型キャリアストリップ17、及び接着された細長い第2のストリップ13の周りに巻き付けることができる。
【0089】
[ロッド切断]
(任意選択で、ラッパー14により囲まれた)連続ロッド88は、次いでロッド切断ユニット58に搬送され、そこで適切な位置で所定の長さに切断されて、複数のエアロゾル生成物品1が形成される。ロッド切断ユニット58により形成されるエアロゾル生成物品1は、5.0mm~50mm、場合によっては10mm~30mmの長さを有してもよい。ロッド切断ユニット58により形成されるエアロゾル生成物品1は、20mmの長さを有してもよい。この長さは、図1a及び図1bを参照して上述したエアロゾル生成基材10の長さに対応することが理解されるであろう。連続ロッド88は、好ましくは、実質的に、長手方向に間隔を空けた細長い第2のストリップ13(すなわち、サセプタストリップ18)のエッジ間の中間点において、ロッド切断ユニット58により繰り返し切断される。このようにして、細長い第2のストリップ13はロッド切断ユニット58により切断されず、それにより切断要素における摩耗が低減される。更に、細長い第2のストリップ13は、エアロゾル生成ストリップ16よりも短いので、細長い第2のストリップ13(すなわち、サセプタストリップ18)の端部は、ロッド切断ユニット58により形成されるエアロゾル生成物品1のいずれの端部においても見えない。この種の方法は、エアロゾル生成物品1の大量生産に特に好適であることが理解されるであろう。
【0090】
[最終組立て]
更なるユニット(図示せず)が、ロッド切断ユニット58の下流に配置されてもよく、上述したマウスピースセグメント20などの1つ以上の追加の構成要素を提供し、これらを、ロッド切断ユニット56により形成された個々のエアロゾル生成物品1と組み立てて、例えば図1に示すタイプの、完成されたエアロゾル生成物品1を形成するように構成されていてもよい。この場合、組み立てられた構成要素が同時に巻かれて、完成したエアロゾル生成物品1が形成できるように、別々のラッピングユニットがロッド切断ユニット58の下流に設けられてもよい。更なるユニットは、装置230の一部を形成してもよく、又は最終的な組立てラインの一部を形成する別々のスタンドアロン型のユニットであってもよい。
【0091】
これまでの段落では例示的な実施形態について説明してきたが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に対して様々な修正を加えることができることを理解されたい。したがって、特許請求の広さ及び範囲は、上述した例示的な実施形態に限定されるべきではない。
【0092】
本明細書において別途記載のない限り又は文脈に明らかに矛盾しない限り、全ての可能な変形形態における上述した特徴の任意の組み合わせは、本開示によって包含される。
【0093】
文脈上、明らかに他の意味に解すべき場合を除き、本明細書及び特許請求の範囲の全体を通して、「含む」、「含んでいる」などの語は、排他的意味又は網羅的意味とは反対に、包括的に、すなわち「含むが、限定されない」という意味で解釈されるべきである。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8
図9
【国際調査報告】