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特表2023-541290水平から垂直へのウエハ相互接続を有する電気コネクタアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-29
(54)【発明の名称】水平から垂直へのウエハ相互接続を有する電気コネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6586 20110101AFI20230922BHJP
   H01R 12/51 20110101ALN20230922BHJP
【FI】
H01R13/6586
H01R12/51
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516757
(86)(22)【出願日】2021-10-04
(85)【翻訳文提出日】2023-03-14
(86)【国際出願番号】 IB2021059078
(87)【国際公開番号】W WO2022074532
(87)【国際公開日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】63/089,005
(32)【優先日】2020-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ウルフ
【テーマコード(参考)】
5E021
5E223
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA16
5E021FB02
5E021FB07
5E021FC40
5E021LA01
5E021LA10
5E223AB02
5E223AB06
5E223AB08
5E223AB62
5E223AB64
5E223AB65
5E223BA07
5E223BA23
5E223BA29
5E223CD01
5E223DB13
5E223EA06
5E223EB02
5E223EB22
(57)【要約】
【解決手段】電気コネクタアセンブリは、複数の垂直ウエハと組み合わせて使用される複数の水平ウエハを含んでもよい。垂直ウエハは、水平ウエハ内に配置された一組の非高速端子と相互接続する端子を含んでもよい。垂直ウエハは、並列に位置付けられ、水平ウエハの後側縁部と係合するように位置付けられてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気コネクタアセンブリであって、
ハウジングと、
該ハウジング内に位置付けられた複数の水平ウエハであって、各水平ウエハが、
高データ転送速度で信号伝達を行うように構成され、導体対に接続された、一対の高速端子と、
低データ転送速度で電力供給及び信号伝達を行うように構成された複数の非高速端子であって、前記高速端子及び前記非高速端子が、前記水平ウエハの前側縁部に隣接して一列に位置合わせされた接点と、該接点の後方に延在する端子本体と、を備え、前記高速端子がケーブル内の導体に終端され、前記ケーブルが水平ウエハの後側縁部から延在し、前記非高速端子が、前記水平ウエハの窪んだ後側縁部で露出された末端部として終端するように構成される、複数の非高速端子と、
前記高速端子の前記端子本体の一部分の上又は下の接地遮蔽部と、を備える、複数の水平ウエハと、
複数の垂直ウエハであって、該複数の垂直ウエハが並列に位置付けられ、各垂直ウエハが、
複数の垂直端子であって、各垂直端子が、接点部分と、末端部部分と、それらの間の本体部分と、を備え、各接点部分が、複数の水平ウエハの窪んだ後側縁部において各非高速端子の末端部と嵌合するように構成される、複数の垂直端子を備える、複数の垂直ウエハと、を備える、電気コネクタアセンブリ。
【請求項2】
前記高速端子が、50Gbpsの信号伝達速度を支持するように構成されている、請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項3】
前記高速端子が、100Gbpsの信号伝達速度を支持するように構成されている、請求項2に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項4】
複数の垂直ウエハが、複数の水平ウエハの複数の窪んだ後側縁部と嵌合するための段状構成を備える、請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項5】
前記垂直端子の前記接点部分が、Cクランプ構造を備える、請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項6】
前記Cクランプ構造が、スロート間隔によって分離された一対の針穴要素を備える、請求項5に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項7】
複数の垂直ウエハを安定した並列位置に支持して安定させるように構成されたタイバーを更に備える、請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項8】
複数の垂直ウエハの各垂直ウエハに形成された一組の開口部と、絶縁ハウジングの端部終端領域に形成された開口部と、を通過するように構成された、位置決めピンを更に備え、該位置決めピンが、複数の垂直ウエハを、複数の水平ウエハと位置合わせされた関係で支持する、請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項9】
前記接地遮蔽部が、プラスチックでオーバーモールドされた打ち抜き加工金属フレームを備える、請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項10】
垂直ウエハ端子のそれぞれの前記末端部部分が、圧入末端部又は表面実装技術(Surface-Mount-Technology、SMT)末端部を備える、請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項11】
各垂直ウエハが、段状構造として構成され、前記垂直ウエハ端子のそれぞれの接点部分を露出させる複数の別個のランディング段部を備え、複数の別個のランディング段部が、複数の水平ウエハを1対1の関係で支持するのに少なくとも十分であり、各露出された接点部分が、前記窪んだ後側縁部から延在する、請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項12】
電気コネクタアセンブリであって、
ハウジングと、
複数の水平ウエハであって、各水平ウエハが、
フレームと、
高データ転送速度で信号伝達を行うように構成され、前記フレームによって支持される、高速端子と、
前記フレームによって支持される非高速端子であって、低データ転送速度で電力供給及び信号伝達を行うように構成される、非高速端子と、を備え、前記高速端子及び前記非高速端子が、前記水平ウエハの前側縁部に隣接する一列に位置合わせされた接点と、該接点の後方に延在する端子本体と、を備え、前記高速端子が、前記水平ウエハの後側縁部を越えて延在するケーブルに接続され、前記非高速端子が、前記後側縁部から幾分か窪んだ内側縁部として露出される末端部として終端するように構成される、複数の水平ウエハと、
複数の垂直ウエハであって、該複数の垂直ウエハが、並列に位置付けられ、各垂直ウエハが、
フレームと、
端子であって、接点部分と、末端部部分と、それらの間の本体部分と、を備え、前記接点部分が、複数の水平ウエハの前記内側縁部で各非高速端子の末端部と嵌合するように構成され、複数の垂直ウエハが、複数の水平ウエハのそれぞれの水平ウエハ内の各非高速端子に対して1つの垂直ウエハを有し、複数の水平ウエハのそれぞれの水平ウエハが、同じ数の非高速端子を有する、端子と、を備える、複数の垂直ウエハと、を備える、電気コネクタアセンブリ。
【請求項13】
前記電気コネクタアセンブリが、毎秒50ギガビット(Gbps)である高データ転送速度を支持するように構成されている、請求項12に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項14】
前記電気コネクタアセンブリが、100Gbpsである高データ転送速度を支持するように構成されている、請求項13に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項15】
垂直ウエハの端子の少なくとも1つの接点部分がCクランプ構造を備える、請求項12に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項16】
複数の垂直ウエハを横切って架け渡されてそれを捕捉し、並列配列を支持して安定させるように構成された支持要素及び安定化要素を更に備える、請求項12に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項17】
電気コネクタアセンブリ内で使用するための水平ウエハであって、
絶縁材料から構成されたフレームであって、前側縁部及び対向する後側縁部を有する、フレームと、
該フレームによって支持され、高データ転送速度で信号伝達を行うように構成された複数の高速端子であって、各高速端子が、フレーム要素の前側縁部で露出された接点端部部分及び双軸ケーブルの導体に終端された末端部の端部部分を備え、前記双軸ケーブルが前記後側縁部から延在し、各高速端子の本体部分及び末端部の端部部分が、フレーム要素の前記絶縁材料内に埋め込まれている、複数の高速端子と、前記フレームによって支持され、低データ転送速度で信号伝達を行うように構成された複数の非高速端子であって、該非高速端子が、複数の高速端子と位置合わせされ、各非高速端子が、フレーム要素の前側縁部で露出された接点部分と、窪んだ後側縁部で露出された末端部の端部部分と、を備え、各高速端子の本体部分が、フレーム内に埋め込まれている、複数の非高速端子と、を備える、水平ウエハ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年10月8日に出願された米国特許仮出願第63/089,005号(「’005出願’)の優先権を主張するものであり、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
高速又は高データ転送速度の電気コネクタは、多くの場合、複数の導電性端子を支持する複数のウエハアセンブリを組み込む。しかしながら、物理的空間が最小である場合、このような最小設置面積内に別個に相互接続された低速端子及び/又は電力端子を組み込む一方で、同時に、高データ転送速度で信号を伝送するための適切な電気特性を維持するウエハアセンブリを用いて、高速又は高データ転送速度コネクタ(「高速」及び「高データ転送速度」は、本明細書では互換的に使用されてもよい)を構成することが課題である。
【0003】
したがって、別個に相互接続された低速端子及び/又は電力端子を組み込む一方で、同時に、高データ転送速度で信号を伝送するための適切な電気特性を維持するウエハアセンブリを含む最小設置面積を有する、高速コネクタを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、第1の複数のウエハ(すなわち、複数の水平構成されたウエハ)を、第2の複数のウエハ(すなわち、垂直構成されたウエハの並列集合体)に電気的に相互接続するための、電気コネクタアセンブリについて記載する。各水平ウエハは、高データ転送速度信号を伝導する端子の第1のセットと、非高データ転送速度信号(例えば、低データ転送速度信号及び/又は電力接続)を伝導する端子の第2のセットと、を含んでもよい。垂直に構成されたウエハの並列集合体は、水平ウエハ内の端子の第2のセットに対して同様の数及び位置にて非高速端子を含むように形成されてもよく、水平ウエハを出る高データ転送速度信号のために提供される経路とは別個の、非高データ転送速度信号の伝導のための経路を提供する。
【0005】
一実施形態では、電気コネクタアセンブリは、一組の垂直ウエハと組み合わせて使用される複数の水平ウエハを含んでもよく、垂直ウエハは、複数の水平ウエハ内の同様の端子と相互接続する非高速端子を有する。特に、各水平ウエハは、高データ転送速度で信号伝達を行うように構成された高速端子と、高速端子よりも低いデータ転送速度で電力供給及び信号伝達を行うように構成された非高速端子と、を含んでもよい。高速端子及び非高速端子は、水平ウエハの前側縁部に隣接して一列に位置合わせされた接点を有してもよく、接点の後方に延在し、水平ウエハの後側縁部を越えて露出されるか、又はケーブルの導体に終端されるか、のいずれかの末端部として終端する、端子本体を有してもよい。水平ウエハのそれぞれは、高速端子の端子本体の一部分の上又は下のいずれかに延在する接地遮蔽部を含んでもよい。垂直ウエハは、並列に位置付けられてもよく、各垂直ウエハは、接点部分と、末端部分と、それらの間の本体部分と、を有する、非高速端子を含み、接点部分は、例えば、複数の水平ウエハの各非高速端子の末端部と嵌合するように構成される。
【0006】
より詳細には、一実施形態では、電気コネクタアセンブリは、(i)複数の水平ウエハであって、各水平ウエハが、高データ転送速度(例えば、一般に50Gbps以上、潜在的に112Gbps以上のデータ転送速度)で信号伝達を行うように構成された高速端子と、低データ転送速度(例えば、典型的には20Gbps未満、多くの場合5Gbps未満)で電力供給及び信号伝達を行うように構成された非高速端子と、を備え、高速端子及び非高速端子が、水平ウエハの前側縁部に隣接して一列に整列された接点と、接点の後方に延在する端子本体と、を備え、高速端子が、水平ウエハの後側縁部を越えて延在するケーブル内の導体に終端するように構成され、非高速端子が、水平ウエハの後側縁部で末端部が露出された際に終端するように構成され、高速端子の端子本体の一部分の上又は下に接地遮蔽部(例えば、導電材料のめっき被覆を有するプラスチック要素、又はプラスチック若しくは導電性プラスチックでオーバーモールドされた打ち抜き加工金属フレーム、又はいくつかのその他の周知の構造的構成)を備える、複数の水平ウエハと、(ii)複数の垂直ウエハであって、複数の垂直ウエハが並列に位置付けられ、各垂直ウエハが端子を備え、各端子が、接点部分(例えば、Cクランプ構造又はカンチレバー式要素が導電性バンプを含む)と、末端部部分と、それらの間の本体部分と、を備え、各接点部分が、複数の水平ウエハの内側縁部で各非高速端子の末端部と嵌合するように構成されている、複数の垂直ウエハと、を備えてもよい。
【0007】
複数の垂直ウエハは、例えば、複数の水平ウエハの複数の内側縁部と嵌合するための段状構成を備えてもよい。
【0008】
一実施形態では、接点部分がCクランプ構造を備える場合、このような構造は、例えば、スロート間隔によって分離された一対の針穴要素を備えてもよい。
【0009】
本発明の電気コネクタアセンブリはまた、複数の垂直ウエハを安定した並列位置に支持するように構成された支持要素及び安定化要素、並びに/又は複数の垂直ウエハの各垂直ウエハに形成された一組の開口部、及び絶縁ハウジングの端部終端領域に形成された開口部を通過するように構成された位置決めピンを備えてもよく、位置決めピンは、複数の垂直ウエハを、複数の水平ウエハと位置合わせされた関係で支持するように、構成される。
【0010】
一実施形態では、高速端子は、信号端子及び1つ以上の接地端子の差動対を備えてもよく、電気コネクタアセンブリは、接点に隣接する接地端子に接触するように構成され得る接地遮蔽部を更に備えてもよい。各水平ウエハの高速端子は、例えば、高データ転送速度で信号伝達を伝達するように構成されたケーブルに終端されてもよい。
【0011】
更に、別の実施形態では、各垂直ウエハは、段状構造として構成されてもよく、垂直ウエハ端子のそれぞれの接点部分を露出させる複数の別個のランディング段部を備えてもよく、複数の別個のランディング段部は、少なくとも、複数の水平ウエハを1対1の関係で支持するのに十分であり、各露出接点部分は、内側縁部と接続する。
【0012】
上記の電気コネクタアセンブリに加えて、追加の電気コネクタアセンブリが本明細書に記載される。例えば、一実施形態では、代表的な電気コネクタアセンブリは、(i)複数の水平ウエハであって、各水平ウエハが、高データ転送速度で信号伝達を行うように構成された高速端子と、低データ転送速度で電力及び信号伝達を行うように構成された非高速端子と、を備え、高速端子及び非高速端子が、水平ウエハの前側縁部に隣接して一列に位置合わせされた接点と、接点の後方に延在する端子本体と、を備え、高速端子の少なくとも一部分が、ケーブル内の導体に終端するように構成され、非高速端子が、後側縁部から露出された末端部として終端し、末端部付近の後側縁部が幾分か窪んでいる、複数の垂直ウエハと、(ii)複数の垂直ウエハであって、複数の垂直ウエハが並列に位置付けられ、各垂直ウエハが、接点部分(例えば、Cクランプ構造)と、末端部部分と、それらの間の本体部分と、を有する、端子を備え、接点部分が、複数の水平ウエハの内側縁部で各非高速端子の末端部と嵌合するように構成され、複数の垂直ウエハが、水平ウエハの1つにおける各非高速端子に対して正確に1つの垂直ウエハを有し、複数の水平ウエハの各水平ウエハが、同じ数の非高速端子を有する、複数の垂直ウエハと、を備えてもよい。
【0013】
更に、電気コネクタアセンブリは、複数の垂直ウエハを横切って架け渡されてそれを捕捉し、並列配列を支持して安定させるように構成された支持要素及び安定化要素を備えてもよい。更に、コネクタアセンブリの各垂直ウエハは、位置合わせ開口部と、複数の水平ウエハに対して位置合わせされた位置で複数の垂直ウエハを支持するために位置合わせ開口部を通過するように構成された、位置決めピンと、を備えてもよい。
【0014】
一実施形態では、高速端子は、信号端子の差動対を備えてもよい。
【0015】
上記と同様に、追加の電気アセンブリは、複数の水平ウエハ及び複数の垂直ウエハの接合された配列を取り囲むように構成された絶縁ハウジングを備えてもよい。更に、一実施形態では、複数の垂直ウエハの端子は、絶縁ハウジングの底部表面を通って出るように構成されてもよく、複数の水平ウエハの高速端子は、底部表面以外の絶縁ハウジングの表面を通って出るように構成されてもよい。
【0016】
電気コネクタアセンブリ内で使用するための水平ウエハを含むがこれに限定されない、電気コネクタアセンブリの構成要素もまた開示されているが、これは、絶縁材料から構成されるフレームであって、フレーム要素が、前側縁部及び対向する後側縁部を備える、フレームと、高データ転送速度で信号伝達を行うように構成され、フレームによって支持された複数の高速端子であって、各高速端子が、フレーム要素の前側縁部で露出された接点端部部分及び後側縁部で露出された末端部の端部部分を備え、フレーム要素の絶縁材料内に埋め込まれた各高速端子の本体部分を有する、高速端子と、低データ転送速度で電力供給及び信号伝達を行うように構成された非高速端子であって、非高速端子が、複数の高速端子と位置合わせされ、各非高速端子が、フレーム要素の前側縁部で露出された接点部分及び後側縁部から窪んだ内側縁部で露出された末端部の端部部分を備え、フレームの絶縁材料内に埋め込まれた各高速端子の本体部分を有する、非高速端子と、を備えてもよい。
【0017】
上記の特徴及び利点並びにその他の事項は、以下の詳細な説明及び添付の図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本開示は、例として示され、添付図面に限定されるものではなく、ここにおいて、同様の参照番号は同様の要素を指す。
【0019】
図1】複数の水平ウエハを垂直ウエハの並列配列と嵌合するための代表的な電気コネクタアセンブリの、斜視上面図である。
図2図1に示す電気コネクタアセンブリの、斜視底面図である。
図3図1の電気コネクタアセンブリの、簡略化した側面図である。
図4図1の電気コネクタアセンブリの、分解図である。
図5】代表的な絶縁体と水平ウエハとの間の空間的関係、並びに水平ウエハと垂直ウエハの集合体との間の空間的関係を示す、図1の電気コネクタアセンブリの部分的分解図である。
図6】種々の端子の位置を示す水平ウエハの、上から見た斜視図である。
図7】特に、端子を支持するために使用することができる代表的なフレームと、フレーム上の接地端子に嵌合させるための露出された接地ピンを有する(めっきされた)外部接地遮蔽部と、を示す、図6の水平ウエハのいくつかの構成要素の、部分的分解図である。
図8】特に、フレーム上の接地端子に嵌合させるための露出された接地ピンを有する(同様にめっきされた)下側接地遮蔽部と組み合わされたフレームを示し、図7の接地遮蔽部と組み合わせて、コネクタアセンブリを通過する高速信号経路のためのEMI遮蔽部を完成させる、図6の水平ウエハのいくつかの構成要素の、別の部分的分解図である。
図9】水平ウエハの一部分の本拡大図において、水平ウエハの裏側に露出された高速端子の末端部のそれぞれへの個々の導体の取付け、並びに双軸ケーブル配線配列を形成するために、示されるように導体の対を収容することができるケーブルを示す、代表的な水平ウエハのアセンブリにおける次の工程を示す図である。
図10図9に示されるような導体及びケーブルの取付けに続く、代表的な水平ウエハの形成における組立工程を示し、特に、水平ウエハの後方における高速端子/導体接続のための遮蔽部を提供するために追加される、導電性リードフレームを示す図である。
図11】複数の水平ウエハの(集合的に「非高速端子」と称される)低速端子及び/又は電力端子と相互接続するように位置付けられた端子と組み合わされたフレームの段状構成を図示する、垂直ウエハの側面からの斜視図である。
図12】2つのウエハ間の接触に先立って、水平ウエハからの非高速端子の末端部部分と組み合わせて示された、垂直ウエハ端子の代表的なコネクタ部分の拡大図である。
図13】この場合、ウエハ間の接続に続き、垂直ウエハ端子のCクランプコネクタ内の非高速端子の末端部部分の代表的な位置を更に示す、図13と同様の拡大図である。
図14】水平ウエハの非高速端子への接続を提供するために垂直ウエハ内で使用することができる導電性端子の、側面等角図である。
図15】非高データ転送速度信号のための経路を提供するための、複数の水平ウエハと相互接続され得る垂直ウエハの集合体の、並列構成を示す図である。
図16】複数の水平ウエハ内の非高速端子への電気接続を提供するために、垂直ウエハ内の代表的なカンチレバー式ビームを使用する、代替的な相互接続構成の切り欠き側面図である。
図17】水平ウエハ内に形成された非高速端子の代表的な数と、完全な相互接続のために使用することができる垂直ウエハの数との間の関係を示す、分解等角図である。
図18】複数の水平ウエハと垂直ウエハの並列集合体との代表的な組み合わせの、等角切り欠き図である。
図19】代表的な絶縁ハウジング要素と、電気コネクタアセンブリを形成する際に使用することができる複数の水平ウエハとの、等角図である。
図20】複数の水平ウエハと垂直ウエハの並列集合体との関係を更に示す、図19に関連する等角図である。
図21】ハウジング、複数の水平ウエハ、及び垂直ウエハの並列集合体を含み得る代表的な組み立てられたコネクタを示す、図19及び図20に関連する等角図である。
図22】垂直ウエハ端子が、垂直ウエハの後側縁部を通って出るように形成され得る、複数の水平ウエハと垂直ウエハの並列集合体との代表的な組み合わせの切り欠き側面図である。
図23】一対の水平ウエハ及び相互接続された並列垂直ウエハを含み得る代表的なコネクタアセンブリの、分解等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
例示及び説明の両方における簡潔さ及び明瞭さは、当業者が、当該技術分野において既に知られているものを考慮して、本明細書で開示される実施形態での製造、使用、及び最良の実施を効果的に可能にすることが求められている。当業者であれば、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される特定の実施形態に種々の修正及び変更がなされ得ることを理解するであろう。したがって、本明細書及び図面は、限定的又は包括的ではなく説明的かつ代表的であると見なされるべきであり、本明細書に記載される特定の実施形態に対するこのような全ての修正は、本開示の範囲内に含まれることを意図している。更に、以下の詳細な説明は、代表的な実施形態を説明し、明示的に開示された組み合わせに限定されることを意図するものではないことを、理解されたい。したがって、特に明記されない限り、本明細書で開示される特徴は、簡潔にする目的で別様に説明又は示されなかった追加の組み合わせを形成するために、一緒に組み合わされてもよい。
【0021】
1つ以上の代表的実施形態を、方法として説明する場合があることにも留意されたい。方法を、代表的なシーケンス(すなわち、連続的)で説明する場合があるが、このような方法を、並行に、共同して、又は同時に実行してもよいことを、理解されたい。なお、方法内の各変形工程の順序は、入れ替えられてもよい。説明する方法は、完了した場合に終了されてもよい、また、例えば、このような工程が当業者に周知である場合、本明細書に記載されていない追加の工程を含んでもよい。
【0022】
本発明で使用する場合、用語「実施形態」又は「代表的な」とは、本開示の範囲内に含まれる実施例を意味する。
【0023】
図1図4を参照すると、代表的な電気コネクタアセンブリ10(「アセンブリ10」と称する)の一実施形態が示されており、図1はアセンブリ10の側面図を示し、図2はアセンブリ10の下側からの等角図を示し、図3図1の線3-3に沿ったアセンブリ10の切り欠き側面図であり、図4はアセンブリ10の構成要素の部分的分解図を示す。一実施形態では、アセンブリ10は、例えば、複数の水平ウエハ12及び複数の垂直ウエハ14などの、液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer、LCP)材料又はその他の望ましい樹脂から構成され得る絶縁ハウジング11を含んでもよい。ハウジングは、高速端子の接点の少なくともいくつかと位置合わせされるように構成された端子溝11bを含む、カードスロット11aを画定する。ハウジングは、ピン(図示せず)を受容するために使用され得る位置合わせ開口部11cを更に含み、ピンは、追加の支持を提供するように、位置合わせ開口部11cを通って、及び垂直ウエハ内の開口部を通って、挿入され得る。
【0024】
一実施形態では、複数の水平ウエハ12は、絶縁ハウジング11内で複数の垂直ウエハ14と係合することができ、これによって、水平ウエハ12内の非高速端子は、垂直ウエハ14内のコネクタ(図示せず)と嵌合して、それぞれの低速データ(例えば、1Gbps)又は電力信号を、電気コネクタアセンブリ10を通過することができる高データ転送速度での信号の伝導に専用の経路とは別個の異なる電気経路に沿って、伝導する。別の言い方をすれば、本実施形態では、水平ウエハ12内の別個の組の端子を通過し、それに沿って通過する高データ転送速度信号は、垂直ウエハ14に接続されず、代わりに、嵌合する高速構造(例えば、双軸ケーブルなどの電気伝送ケーブル)に直接接続される。
【0025】
幾分か後戻りすると、図1図3の図では、高データ転送速度信号経路13Hの1つの代表的な構成が、アセンブリ10の後側縁部10Eで出るものとして示されており、一方、非高データ転送速度信号経路13Nは、アセンブリ10の底部表面10Bに沿って出るものとして示される。理解され得るように、高データ転送速度信号経路は、限定されるものではないが、双軸ケーブルなどの2つの導体を伴うケーブルの形態であり得、ドレイン線なしから、広く平坦なドレイン線、ツインドレイン線、又は任意のその他の所望の構成に及ぶ、異なる形態のドレイン線構成を含み得る。
【0026】
垂直ウエハ14の代表的な並列配列は、複数の水平ウエハ12と組み合わされて、高データ転送速度信号、低データ転送速度信号/電力信号のための別個の信号経路、並びに低データ転送速度信号及び/又は電力信号のための直接基板接続を提供する、ロープロファイルの最小化された設置面積(すなわち、小型)の電気コネクタアセンブリ10を形成してもよい。
【0027】
続いて、図4の分解図において、代表的なアセンブリ10は、高速端子16及び非高速端子18をそれぞれ含み得る、4つの別個の水平ウエハ12-1、12-2、12-3、及び12-4を含んでもよい。一実施形態では、非高速端子18のコネクタ端部18cは、高速端子16のコネクタ端部16cと位置合わせして位置付けられてもよい。
【0028】
電気コネクタアセンブリ10に使用される個々の垂直ウエハ14の数は、少なくとも1つの垂直ウエハ14が各個々の水平ウエハ12-iに接続され得るように選択されてもよい。図4に示すように、各垂直ウエハ14は、別個の垂直端子42を露出させるための一組のランディング段部(例えば、図11の要素44-1、44-2を参照)を含む段状構造を示すように、形成されてもよい。各垂直ウエハ14内に形成されるランディング段部の数は、例えば、少なくとも個々の水平ウエハ12の総数を収容するように選択されてもよい。一実施形態では、4つの水平ウエハ12のセットを含む電気コネクタアセンブリ10において、各垂直ウエハ14は、少なくとも4つの別個のランディング段部を含んでもよく、必要に応じて、2つの水平ウエハ又は4つを超える水平ウエハが使用されてもよいことが理解される。更に、各ウエハが5つの非高速端子18のセットを有する水平ウエハ12を使用する電気コネクタアセンブリ10では、(並列に位置付けられる)5つの垂直ウエハ14の集合体を使用して、端子18と完全に相互接続させてもよい。
【0029】
ここで図5を参照すると、絶縁ハウジング11内に複数の水平ウエハ12を挿入し、続いて、各水平ウエハ12の裏側に出得る非高速端子と係合するように垂直ウエハ14の並列集合体を挿入することによって形成され得る、電気コネクタアセンブリ10の、代表的な構成が示される。
【0030】
図6は、ウエハ12の幅にわたる高速端子16及び非高速端子18の代表的な構成を特に示す、代表的な水平ウエハ12の等角図を示す。一実施形態では、水平ウエハ12は、絶縁材料から形成され、前側縁部22及び後側縁部24を含むように構成された、フレーム20を含んでもよい。図示のように、フレーム20は、高速端子16及び非高速端子18を支持する前方部分20aと、前方部分上にオーバーモールドされると共に、導体が高速端子16に取り付けられると対応するケーブル上にオーバーモールドされる後方部分20bと、を含む。当然のことながら、ケーブル導体が高速端子16に予め取り付けられている場合、単一の成形作業でフレーム20を形成し得る。
【0031】
高速端子16のコネクタ部分16Cは、フレーム20の前側縁部22を越えて位置合わせして延在してもよく、非高速端子18のコネクタ部分18Cもまた、前側縁部22を越えて延在してもよく、更に、コネクタ部分16Cと位置合わせするように位置付けられてもよい。端子16、18の本体部分(例えば、図7において下に示される本体部分16B)は、フレーム20の絶縁材料内に埋め込まれ、それによって支持されてもよい。
【0032】
図7は、フレーム19内に支持され得る高速端子16及び非高速端子18を示す。非高速端子18の中央配置が明確に示されており、一組の高速端子16がいずれかの側に示されている。各高速端子16は、コネクタ部分16Cと、末端部部分16Tと、それらの間の本体部分16Bと、を含むように、形成されてもよい。上述したように、本体部分16Bは、最終的にフレーム20の絶縁材料内に埋め込まれてもよい。各非高速端子18は、同様に、コネクタ部分18Cと、末端部部分18Tと、それらの間の本体部分18Bと、を含むように形成されてもよい(本体部分18Bは、図7の図ではフレーム19の材料内に隠れている)。以下に詳細に説明するように、非高速端子18の末端部部分18Tは、フレーム20の内側縁部28に沿って終端し(図6を参照)、末端部部分16Tは、おそらくフレーム19から更に外に延在し、その後、図9に示すように、ケーブル導体21に取り付けられる。
【0033】
図7の説明を続けると、フレーム19上には、接地面を形成し、高速信号経路に対するEMI遮蔽を提供するためにその他の構成要素と接続することができる、一組の接地端子17もまた示される。図7に示す代表的な一実施形態では、接地遮蔽部30をフレーム19にわたって位置付けて、EMI遮蔽を提供するために使用してもよい。図示のように、接地遮蔽部30は、接地遮蔽部30がフレーム19にわたって位置付けられる際に、接地端子17と係合することができる一組の接地タブ31を含む。
【0034】
EMI遮蔽構造を完成させるために、同様に、下側接地遮蔽部30Aをフレーム19と組み合わせて使用してもよい。図8は、本構成の一実施例を示しており、明確にするために、フレーム19及び下側接地遮蔽部30Aのみが示されている(フレーム19にわたって位置付けられた接地遮蔽部30もまた最終構造に含めてもよいことを、理解されたい)。接地遮蔽部30Aは、フレーム19上の接地端子17と係合し得る、接地リードフレーム31Aを含む。
【0035】
図9は、水平ウエハ12の代表的なアセンブリにおける次の工程を示す。図9は、下側接地遮蔽部30A(図8を参照)上の所定位置にあり得る高速端子16の末端部部分16Tの、拡大図である。本実施例では、各高速端子16は、導電性端子16a、16bの差動対の形態をとるものとして示されており、これは、高データ転送速度で信号の伝送を支持するための好ましい配列であり得る。一実施形態では、代表的な電気コネクタアセンブリ10は、100~120Gbps(例えば、112Gbps)の典型的な範囲内のデータ伝送を支持するシステムにおいて、使用されてもよい。別個の導体21a、21bが、対になった導電端子16a、16bに取り付けられてもよい。図9に示される実施例は、4つの高速出力のセットを有する構造体を作成し、各別個の導体対21a、21bは、ケーブル26(例示目的のみのために、図9においてケーブル261 、262 、263 、及び264 として示される)内に収容される。上述したように、ケーブルは、望ましい双軸構成であり得る。次に、図10に示すように、一対の接地ストラップ30B1及び30B2を、導体21を有する高速端子16の「ケーブル状」終端部にわたって位置付けしてもよい。
【0036】
図7図10に示すような水平ウエハ12の組立工程の詳細は、図6に関連して上述した水平ウエハ12の動作の理解を手助けすることを意図したものであり、水平ウエハ12と垂直ウエハ14との間の相互接続に関する図6の更なる説明は、以下の段落で続ける。
【0037】
図6を参照すると、一実施形態では、非高速端子18の末端部部分18Tは、フレーム20の後側縁部24に対して量「S」だけ幾分か窪んでいてもよい窪んだ後側縁部28に沿って露出されてもよい。窪んだ後側縁部28と後側縁部24との間の間隔量「S」は、各水平ウエハ12ごとに異なってもよく、垂直ウエハ14の段状構成と適切に係合するように設計されてもよい。一代表的実施形態では、間隔量Sは、例えば、4ミリメートル~15ミリメートルの範囲であってもよい。説明のために、5つの個々の非高速端子181 ~185 のセットが、図6の水平ウエハ12に示される。
【0038】
ここで図11を参照すると、代表的な垂直ウエハ14の拡大図が示される。ウエハ14はフレーム40を含んでもよく、これは、絶縁材料から形成され得、複数の水平ウエハ12の非高速端子18と回路基板との間の1つ以上の接続(又は図11には示されていない、その他の好適な低速/電力電線接続)を形成することができる、1つ以上の垂直端子42を含むように構成され得る。本実施形態では、各垂直端子42は、(水平ウエハ12の対応する非高速端子18と嵌合するように構成されている)コネクタ端部部分42Cと、垂直に構成された末端部の端部部分42Tと、それらの間の本体部分42Bと、を有するものとして示される。図11はまた、垂直端子42の代表的な末端部部分42Tを示す。一実施形態では、部分42Tは、低速データ又は電力接続を終端するための圧入ピンを備えてもよい。あるいは、表面実装技術(Surface-Mount-Technology、SMT)タイプの接続が、垂直端子42の末端部部分として使用されてもよい。フレーム40は、複数のランディング段部44を含んでもよく、各個々のランディング段部は、水平ウエハ12の別個の1つを支持するために使用されてもよい。特に、水平ウエハ12の窪んだ後側縁部28は、ランディング段部44上に位置付けられてもよい(例えば、図13を参照)。一実施形態では、後側縁部24と窪んだ後側縁部28との間の異なる間隔量Sと組み合わされたランディング段部の互い違いになった配列(すなわち、段状構造)は、垂直ウエハ14の並列配列が、小型でロープロファイルの形態で水平ウエハ12と係合することを可能にする。
【0039】
図11の代表的な実施形態では、垂直ウエハ14は、垂直ウエハの並列セットを貫通する任意の固定ピンを支持するために使用することができる開口部46を含む(図17を参照)。図11にも示すように、傾斜面48をフレーム40の構造内に形成してもよい。一実施形態では、垂直ウエハ14が並列に位置付けられる場合、複数の垂直ウエハ14の複数の水平ウエハ12への接続を更に支持して安定させるために、傾斜面48(例えば図15を参照)の完全なセットと係合するように、任意のタイバー70(ステンレス鋼などの金属合金から構成されてもよい)が位置付けられてもよい。
【0040】
図11の実施形態では、垂直端子42のコネクタ端部部分42Cは、一対の針穴(Eye-Of-Needle 、EON)終端部41、43のCクランプ構成として形成されてもよい。ここで図12を参照すると、代表的なコネクタ部分42Cと、水平ウエハ12から出る非高速端子18からの関連する末端部の端部部分18Tと、の拡大図が示される。一実施形態では、EON41、43のCクランプ配列は、末端部の端部部分18TをEON41、43間に配置されたスロート領域45内へと誘導することができ、ここで、末端部の端部部分18Tの移動は図12の矢印によって示される。図13は、圧縮されたEON41、43が、末端部の端部部分18TがCクランプコネクタ部分42C内の所定位置に誘導される(例えば、摺動される)際に、末端部の端部部分18Tの上部表面及び底部表面の両方に垂直力を印加することを示す。
【0041】
ここで図14を参照すると、図12に示された実施形態において垂直ウエハ14の構成要素として使用することができる代表的な垂直端子42の等角図が示される。図14では、シンギュレーション(singulation )の前及びオーバーモールドされる前に示される垂直端子42は、銅合金などの金属材料を含んでもよい。垂直端子42は、一列に4つ示されているが、いずれかのその他の数であってもよく、したがって、垂直ウエハ14を形成するために使用される。各垂直端子42の内側本体部分42Bが本図に特に示されており、本体部分42Bはそれぞれ、それらの個々の末端部部分42T(ここでも、圧入ピンとして示されている)で終端している。
【0042】
図15は、複数の水平ウエハ12(図示せず)の露出端部と最終的に係合することができる複数の垂直ウエハ14の、代表的な並列構成を示す。図15の等角側面図は、垂直端子42のコネクタ端部部分42Cの代表的な並列配置を示しており、各個々のコネクタ端部部分42Cは、非高速端子18からの末端部部分18Tと1対1の関係で係合するように、位置付けられる。例えば、上述したように、各水平ウエハが5つの別個の非高速端子181 ~185 の代表的なセットを含む場合(図17を参照)、次に、各水平ウエハ12-iの各端子181 ~185 が嵌合した非高速接続を有するように、(並列配置された)5つの個々の垂直ウエハのセットを使用し得る。同様に、垂直ウエハ14の並列集合体の段状構成は、ランディング段部44(及び関連するコネクタ端部部分42C)の数が個々の水平ウエハ12の数と同じであり得ることを示す。
【0043】
図16は、非高速端子18及び複数の垂直ウエハ14の代替的な相互接続構成の切り欠き側面図である。図12図15に示されるようなCクランプコネクタ42Cを有する端子の代わりに、非高速末端部部分18Tに接触するために、ランディング段部44の下側に構成された導電性コネクタバンプ47のカンチレバー式配列が含まれてもよい。一実施形態では、複数の水平ウエハ12と係合する際に、垂直ウエハ14のランディング段部44は、末端部部分18Tにわずかな力を印加して、末端部部分18Tを導電性バンプ47と接触するように誘導してもよい。導電性バンプ47によって印加される加圧ばね力は、導電性バンプ47と関連する末端部部分18Tとの間の物理的接触を維持するように機能する。上記配列の垂直端子42と同様に、導電性コネクタバンプ47は、その後、フレーム材料40内の導電体として延在し、垂直ウエハ14の下面から出る複数の圧入ピン47Pを備えるものとしてここに示される接続面に沿って、出ることができる。
【0044】
ここで図17を参照すると、水平ウエハ12-1~12-4内に形成された代表的な数の非高速端子18と、これらの端子と相互接続するために使用することができる代表的な数の垂直ウエハ14との間の関係を示す、分解等角図が示される。また、本図から明らかなのは、個々の水平ウエハ12の数と、各個々の水平ウエハ12への接続を提供するために各垂直ウエハ14に形成されてもよい個々のランディング段部(段)の数との間の、1対1の関係である。示されるように、4つの個々の水平ウエハ12-1から12-4のセットは、複数の水平ウエハを形成するように構成されてもよく、各水平ウエハ12-iは、5つの個々の非高速端子181 ~185 のセットを含む。したがって、各水平ウエハ12-iの5つの端子部分18T1~18T5のセットと係合するために、図17に示すように、5つの垂直ウエハ14-1~14-5のセットが使用され得る。各垂直ウエハ14は、4つの別個のランディング段部44-1~44-4(及び関連するコネクタ端部部分42C)のセットを含むように、構成的に段付けされてもよい。代表的なタイバー70も示されており、傾斜面48の並列位置内へと摺動するように構成されてもよく、それによって、垂直ウエハ14の集合体を支持し安定させる。
【0045】
図18は、複数の水平ウエハ12と垂直ウエハ14の並列セットとの組み合わせの、等角切り欠き図を示す。切り欠き図は、垂直ウエハ14-2の側面SSが見えるように、垂直ウエハ14-1と14-2との間で長手方向にとられている。各水平ウエハ12-1~12-4に対する非高速端子18の代表的な位置は、垂直ウエハ14-2の段状構成上の別個のランディング段部44-1~44-4との各水平ウエハ12-1~12-4の代表的な係合と同様に、本図で明らかである。垂直ウエハ14-2内の垂直端子42の本体部分42Bもまた本図に示されているが、本図は、電気回路基板(又は別の同様の種類の構造体)上の画定された位置と最終的に係合することができる末端部部分42Tにおける各端子42の終端部を更に示す。
【0046】
図19を参照すると、代表的な絶縁ハウジング11及び複数の水平ウエハ12の等角図が示されており、水平ウエハ12がハウジング11内に位置付けられてもよい方向を、矢印によって示している。より詳細には、水平ウエハ12を形成するフレーム20の代表的な前側縁部22は、ハウジング11の後部開口部内へと挿入されてもよく、水平ウエハ12が完全に挿入された場合に、水平フレーム20の後側縁部24は、最終的にハウジング11の後側縁部11Bと位置合わせするように位置付けられる。高速端子16に関連する信号経路を支持するケーブル26は、図示のように、一組の後側縁部24に沿って水平ウエハ12から出てもよい。水平ウエハ12の窪んだ後側縁部28は、アセンブリにおいてこの時点で露出されたままであってもよく、垂直ウエハ14の並列集合体が水平ウエハ12の非高速端子18と係合することを可能にする。実際に、図20は、代表的な組立プロセスにおける後続の工程を示しており、本工程では、垂直ウエハ14の並列集合体を、(水平ウエハ12の)フレーム20の後側縁部24間の開放領域内に挿入して、前述した様式でフレーム20の窪んだ後側縁部28と嵌合させて、水平ウエハ12の非高速端子18と外部構造体(例えば、電気回路基板)との間の電気接続を提供してもよい。
【0047】
図21は、絶縁ハウジング11内で水平ウエハ12に接続された垂直ウエハ14を示す、電気コネクタアセンブリ10の代表的な等角図を示す。本図において、タイバー70は、垂直ウエハ14の並列組分けを固定するために使用されてもよい。また、本図には、絶縁ハウジング11に形成された位置合わせされた開口部11c(開口部11cは、図19及び図20に最もよく示されている)だけでなく、垂直ウエハ14の集合した開口部46を通過することができる任意の位置決めピン80も示されている。本明細書で前述したような水平ウエハ12と垂直ウエハ14との相互接続は、高データ転送速度信号の伝送に使用される経路を妨害することなく、非高データ転送速度信号(より低いデータ転送速度における信号又はより低い電力信号のいずれか)を伝送するための経路を提供する。
【0048】
図22は、水平ウエハ12と垂直ウエハ14Aの並列集合体との代表的な組み合わせの、切り欠き側面図である。本実施形態では、各垂直ウエハ14Aは、(前述した垂直コネクタ42と比較して)垂直ウエハの底部縁部を通って出ることができない非高速端子100のセットを含んでもよい。代わりに、非高速端子100は、各垂直ウエハ14内に含まれ、図22の図においてケーブル26内に収容されるように示される高速信号経路の位置決めと同様に、実質的に同じ水平面内に留まり、コネクタアセンブリ10の背面において出る。
【0049】
図23を参照すると、代替的な電気コネクタアセンブリ10Aの代表的な分解等角図が示される。本実施形態では、一対(例えば、2つ)の水平ウエハ12Aのみが提供される(ある場合には、一対の水平ウエハは、前述の配列の「上部」水平ウエハ12-1及び「底部」水平ウエハ12-4に対応してもよい)。水平ウエハ12Aは、5つの非高速端子18のセットを含んでもよい。したがって、必要な非高速相互接続を形成するために、5つの個々の垂直ウエハ14の同様の並列集合体を、一対の水平ウエハ12Aに接続してもよい。本実施形態では、ウエハ12A、14が互いに接合される場合、下方水平ウエハ12-1は、各垂直ウエハ14の最も低いランディング段部44-1上に位置付けられてもよく、上方水平ウエハ12-4は、各垂直ウエハ14の最も高いランディング段部44-4上に位置付けられてもよい。図23は、1つの代替例のみを示すが、例えば、3つの水平ウエハのセットを使用するアセンブリは、別の可能なアセンブリ構成である。
【0050】
上記の説明から理解され得るように、特定の実施形態では、ハウジングは、複数の垂直ウエハに係合する複数の水平ウエハを支持し、高速信号がケーブルを介して水平ウエハの後方に延在する一方で、非高速信号が、圧入又はSMT取り付けなどではあるがこれらに限定されない望ましい取り付け手段を介して基板に係合する垂直端子を介して、支持基板に向かって下方に向けられるように構成される。更に、水平ウエハ内の水平非高速端子は、垂直ウエハ内の垂直端子と係合する。
【0051】
前述の説明は、本開示の電気コネクタアセンブリの実施例を提供するものであることが、理解されるであろう。しかしながら、本開示のその他の実装形態は、前述の実施例とは詳細が異なり得ることが企図される。本開示又はその実施例に対する全ての言及は、その時点で説明されている特定の実施例について言及することを意図しており、より一般的に、本開示の範囲に関して何らかの限定を示唆する意図はない。本明細書における値の範囲の記述は、本明細書に別段の記載がない限り、単に、範囲内にある各別個の値を個々に言及する簡略化法として機能することが意図され、各別個の値は、それが本明細書に個々に記述されたかのように明細書に組み込まれる。
【0052】
したがって、本開示は、適用法によって許容されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に記述された主題の全ての修正物及び等価物を含む。更に、その全ての可能な変形例における上述の要素の任意の組み合わせは、本明細書に別段の記載がない限り、又は文脈に明らかな矛盾がない限り、本開示によって包含される。更に、本明細書で説明される利点は、特許請求の範囲によって包含される全ての実施形態に適用可能ではない場合がある。
【0053】
本発明の特定の実施形態に関して、利益、利点、及び解決策が以上に説明されてきたが、このような利益、利点、及び解決策、並びに任意の要素であって、このような利益、利点、若しくは解決策を引き起こすか、又はこのような利益、利点、若しくは解決策を引き起こしてより顕著にし得る要素は、重要で、必要であり、又は本開示に添付された、若しくは本開示に起因する、いずれか若しくは全ての請求項の重要な特徴若しくは要素として解釈されるべきではないことを、理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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図22
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【国際調査報告】