(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-29
(54)【発明の名称】湿式クリーニング装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A47L 7/00 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
A47L7/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516764
(86)(22)【出願日】2021-09-17
(85)【翻訳文提出日】2023-04-12
(86)【国際出願番号】 EP2021075614
(87)【国際公開番号】W WO2022058495
(87)【国際公開日】2022-03-24
(32)【優先日】2020-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】アル‐ショラチ アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】ザイルストラ アールデルト ゲールト
(72)【発明者】
【氏名】デ ウィト バスティアン ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ファン デル コーイ ヨハネス ツェアルド
(57)【要約】
空気の流れ(例えば吸引流)から液体及び粒子を分離するセパレータユニット18を使用する、湿式掃除機といった湿式クリーニング装置10が提供される。セパレータユニットは、流路部材36と、流路部材に隣接し又は実質的に隣接し、流路部材から延在する排出口部材38とを含む。流路部材は、空気に混入した任意の水粒子及び/又は汚れ粒子が流路部材の内側表面部分36Aに投げつけられるように、空気の流れの流れ方向を転換する。このようにして、空気の流れからこのような水粒子及び/又は汚れ粒子が分離される。排出口部材には、分離された水粒子及び/又は汚れ粒子が誘導される開口部がある。排出口部材は、装置が使用のための向きになっているときに、分離された水粒子及び/又は汚れ粒子を開口部における領域52に向かって誘導して蓄積する。分離された水粒子及び/又は汚れ粒子は、第1の流路39に沿って、その領域から収集ボリューム28に向かって流れる。水粒子及び/又は汚れ粒子から分離された空気は、排出口部材及び収集ボリュームから間隔が空けられた空気通路22に向けられる。分離された空気用の第2の流路32Aが、排出口部材の開口部と空気通路との間に提供され、この第2の流路は、第1の流路から離れる方に向けられる。これは、空気の流れに水粒子及び/又は汚れ粒子が再混入するのを最小限に抑えるか、又は防止するのを支援する。更に、空気の流れから水粒子及び/又は汚れ粒子を分離する方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚れ吸込口と、
前記汚れ吸込口に吸引力を与えるモータ及びファンと、
前記吸引力によって生成される空気の流れから水粒子及び/又は汚れ粒子を分離するセパレータユニットと、
分離された前記水粒子及び/又は汚れ粒子を収集する収集ボリュームと、
を含む、湿式クリーニング装置であって、
前記セパレータユニットは、
内側表面部分を有する流路部材であって、前記水粒子及び/又は汚れ粒子が前記内側表面部分に飛ばされることによって空気から分離されるように、前記空気の流れの流れ方向を転換する、流路部材と、
前記流路部材から開口部まで延在する排出口部材であって、前記排出口部材は、前記湿式クリーニング装置が使用のための向きになっているときに、分離された前記水粒子及び/又は汚れ粒子を、前記開口部にある領域に向かって誘導して蓄積し、分離された前記水粒子及び/又は汚れ粒子は、前記開口部から第1の流路に沿って前記収集ボリュームに向かって流れる、排出口部材と、
を含み、
前記湿式クリーニング装置は、前記水粒子及び/又は汚れ粒子から分離された空気を前記モータ及びファンに向かって通す空気通路であって、前記空気通路は、前記排出口部材及び前記収集ボリュームから間隔が空けられており、第2の流路が前記開口部と前記空気通路との間に画定され、前記第2の流路は、前記第1の流路から離れる方に向けられている、空気通路を含む、湿式クリーニング装置。
【請求項2】
前記開口部は、傾斜周縁によって区切られており、前記傾斜周縁は、分離された前記水粒子及び/又は汚れ粒子が前記傾斜周縁に沿って前記領域に向かって流れるように傾斜している、請求項1に記載の湿式クリーニング装置。
【請求項3】
前記排出口部材は、水誘導要素を含み、前記水誘導要素は、前記排出口部材の内面上又は内面内に配置され、分離された前記水粒子及び/又は汚れ粒子を前記領域に向かって誘導し、任意選択で、前記水誘導要素は、前記排出口部材の前記内面から突き出たリブ及び前記排出口部材の前記内面の溝のうちの少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載の湿式クリーニング装置。
【請求項4】
前記排出口部材のフロースルーエリアが前記開口部に向かって増大する、請求項1から3のいずれか一項に記載の湿式クリーニング装置。
【請求項5】
前記排出口部材は、第2の側面の反対側にある第1の側面を有し、前記第1の側面は、前記領域まで延在し、前記第2の流路は、前記第2の側面において前記開口部から前記空気通路に向かって延在する、請求項1から4のいずれか一項に記載の湿式クリーニング装置。
【請求項6】
前記第1の側面から延在する遮蔽部材を含み、前記遮蔽部材は、前記第1の側面に沿って前記空気通路に向かう空気の流れを遮断する、請求項5に記載の湿式クリーニング装置。
【請求項7】
前記排出口部材は、
前記開口部における第1の外面であって、前記排出口部材内の空気流方向に実質的に垂直である、第1の外面と、
前記排出口部材内の分離された前記水粒子及び/又は汚れ粒子を前記第1の外面に誘導する湾曲面と、
を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の湿式クリーニング装置。
【請求項8】
前記排出口部材は更に、エッジにおいて前記第1の外面と接する第2の外面を含む、請求項7に記載の湿式クリーニング装置。
【請求項9】
前記空気流を前記セパレータユニットに送達するチューブを含み、カップが前記チューブの端部を受容し、前記流路部材の前記内側表面部分は、前記チューブの前記端部から間隔が空けられた前記カップの内側表面によって画定されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の湿式クリーニング装置。
【請求項10】
前記排出口部材は、前記カップの下流部分によって画定されており、前記下流部分は、前記カップの周縁を含み、任意選択で、前記カップの前記周縁は、傾斜周縁を画定するように傾斜されており、前記傾斜周縁に沿って、水粒子及び/又は汚れ粒子が前記領域に向かって流れる、請求項9に記載の湿式クリーニング装置。
【請求項11】
前記セパレータユニットに、前記空気の流れを送達するチューブを含み、前記流路部材は、上流端部及び下流端部を有する湾曲チューブセクションによって画定され、前記上流端部は、前記チューブに隣接している、請求項1から8のいずれか一項に記載の湿式クリーニング装置。
【請求項12】
容器を含み、前記容器のボリュームは、前記収集ボリュームを含み、前記容器は更に、前記パレータユニットの少なくとも一部を収容する、請求項1から11のいずれか一項に記載の湿式クリーニング装置。
【請求項13】
仕切りを更に含み、前記収集ボリュームは、前記容器の壁及び前記仕切りによって区切られ、前記第1の流路は、前記仕切りを通り過ぎて前記収集ボリュームに向かって向けられている、請求項12に記載の湿式クリーニング装置。
【請求項14】
前記容器は、前記空気通路が提供されている端壁によって部分的に区切られている、請求項12又は13に記載の湿式クリーニング装置。
【請求項15】
内側表面部分を有する流路部材、前記流路部材から開口部まで延在する排出口部材、収集ボリューム、並びに前記排出口部材及び前記収集ボリュームから間隔が空けられた空気通路を使用して、空気の流れから水粒子及び/又は汚れ粒子を分離する方法であって、
水粒子及び/又は汚れ粒子が混入した空気の流れを生成するステップと、
前記流路部材を使用して、前記水粒子及び/又は汚れ粒子が前記内側表面部分に飛ばされることによって空気から分離されるように、前記空気の流れの流れ方向を転換するステップと、
前記排出口部材を使用して、分離された前記水粒子及び/又は汚れ粒子を、前記開口部にある領域に向かって蓄積して誘導するステップであって、分離された前記水粒子及び/又は汚れ粒子は、前記開口部から第1の流路に沿って前記収集ボリュームに向かって流れ、前記水粒子及び/又は汚れ粒子から分離された空気は、前記第1の流路から離れる方に向けられている第2の流路に沿って前記空気通路に向かって通される、ステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湿式クリーニング装置に関し、特に湿式掃除機に関する。本発明はまた、空気流から水粒子及び/又は汚れ粒子を分離する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
伝統的に、堅い床のクリーニングは、まず、床に掃除機をかけて、次に床をモップがけすることを伴う。掃除機がけによって細かいほこりや粗い汚れが取り除かれ、モップがけによって非常に細かいほこりや染みが取り除かれる。
【0003】
今では、一度に掃除機がけとモップがけを行うと謳う電化製品が市場に多く利用可能であり、これが「湿式掃除機」と呼ばれるものである。これらの電化製品の多くには、空気流によって粗い汚れを拾うための真空ノズルと、染みを取り除くための(湿式)布又はブラシとがある。これらの湿式布又はブラシは、事前に湿らせておくことも、消費者が湿らせることもできるが、場合によっては、(液体又は蒸気を用いて)電化製品によって湿らせることができる。
【0004】
この場合、湿式掃除機は床から湿った汚れを集め、それを汚れ容器に運ぶことができる必要がある。これは、モータ及びファンアレンジメントによって生成される流れを使用して達成される。湿った汚れや液滴の形の液体を、流れから分離する必要がある。湿った汚れや液体は、汚れ容器に入り、残りの空気流は、ファンやフィルタリング後の任意のユニットを通過して電化製品から出る。
【0005】
空気流から液体や湿った汚れを分離するために、迷路型、フィルタ型、又はサイクロン型の分離ユニットを使用することが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、空気と液体/湿った汚れの混合物が構造体、即ち、流路部材を誘導されるセパレータユニットに関する。流路部材内には、液体/湿った汚れが最終的に構造体の壁の表面上にあるようにさせる強制的な方向転換がある。このようにして、液体の液滴や流れが構造体の壁上に形成される。強制的に方向転換させる形状を通して混合物を誘導することによって、液体や固体は遠心力によって外側に分散する。しかし、構造体の外側領域では空気の速度が高い場合があるため、分離された水/湿った汚れが再び空気に混入するおそれがあり、これは、分離効率を低下するだけでなく、空気流を乱す。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、特許請求の範囲によって規定される。
【0008】
本発明の態様による実施例によれば、湿式掃除機が提供される。この湿式掃除機は、汚れ吸込口と、汚れ吸込口に吸引力を与えるモータ及びファンと、吸引力によって生成される空気の流れから水粒子及び/又は汚れ粒子を分離するセパレータユニットと、分離された水粒子及び/又は汚れ粒子を収集する収集ボリュームとを含み、セパレータユニットは、内側表面部分を有する流路部材であって、水粒子及び/又は汚れ粒子が内側表面部分に飛ばされることによって空気から分離されるように、空気の流れの流れ方向を転換する、流路部材と、流路部材から開口部まで延在する排出口部材であって、排出口部材は、湿式クリーニング装置が使用のための向きになっているときに、分離された水粒子及び/又は汚れ粒子を、開口部にある領域に向かって誘導して蓄積し、分離された水粒子及び/又は汚れ粒子は、開口部から第1の流路に沿って収集ボリュームに向かって流れる、排出口部材とを含む。上記の装置は、水粒子及び/又は汚れ粒子から分離された空気をモータ及びファンに向かって通す空気通路であって、空気通路は、排出口部材及び収集ボリュームから間隔が空けられており、第2の流路が開口部と空気通路との間に画定され、第2の流路は、第1の流路から離れる方に向けられている、空気通路を含む。
【0009】
排出口部材が、分離された水粒子及び/又は汚れ粒子を排出口部材の開口部における領域に向かって蓄積することによって、収集ボリュームに向かう水粒子及び/又は汚れ粒子の制御された(第1の)流路が提供される。更に、開口部から空気通路に向かう分離された空気の第2の流路を、第2の流路が第1の流路から離れる方に向けられるように画定することによって、空気流に水粒子及び/又は汚れ粒子が再混入するリスクが最小限に抑えられる。
【0010】
分離された水粒子及び/又は汚れ粒子の領域への誘導及び蓄積は、適切なやり方で実施できる。非限定的な実施例では、開口部は、傾斜周縁によって区切られており、傾斜周縁は、分離された水粒子及び/又は汚れ粒子が傾斜周縁の周りを/それに沿って領域に向かって流れるように傾斜している。この場合、領域には傾斜周縁の最下点が含まれるか、又は最下点によって画定され、装置が使用のための向きになっているときに、この傾斜周縁に向かって、排出口部材内の水粒子及び/又は汚れ粒子が流れる。
【0011】
傾斜周縁は、分離された水粒子及び/又は汚れ粒子を領域に向かって誘導し蓄積するのを支援するだけでなく、分離された空気の流れを第1の流路から離れる方に向けるのも支援する。これは、傾斜周縁によって水粒子及び/又は汚れ粒子が誘導される排出口部材の側面側で、空気流に対する抵抗が高いためである。
【0012】
或いは又は更に、排出口部材は、水誘導要素を含んでいてもよい。水誘導要素は、排出口部材の内面上又は内面内に配置され、分離された水粒子及び/又は汚れ粒子を領域に向かって誘導する。水誘導要素は、例えば、排出口部材の内面から突き出たリブ及び排出口部材の内面の溝のうちの少なくとも1つを含む。
【0013】
実施形態では、排出口部材のフロースルーエリアが開口部に向かって増大する。排出口部材の断面積を開口部に向かって増加することで、液体は、より低速の空気流にさらされ、したがって、空気流に再混入する可能性が低くなる。
【0014】
排出口部材は、第2の側面の反対側にある第1の側面を有していてもよい。第1の側面は、領域まで延在していてもよく、第2の流路は、第2の側面において開口部から空気通路に向かって延在する。このようにして、第2の流路は、第1の流路と交差することが実質的に防止される。むしろ、第2の流路は、第1の流路から離れる方に向けられる。
【0015】
より一般的には、開口部から空気通路に向かう分離された空気の第2の流路は、開口部に対する空気通路の空間アレンジメントによって少なくとも部分的に決定される。例えば、空気通路は、第1の側面よりも第2の側面において、開口部からより短い流路が提供されるように位置付けられる。
【0016】
或いは又は更に、湿式クリーニング装置は、第1の側面から延在する遮蔽部材を含み、遮蔽部材は、第1の側面に沿って空気通路に向かう空気の流れを遮断する。このようにして、遮蔽部材は、排出口部材の第2の側面に沿って空気通路に向かう第2の流路を画定するのを支援する。
【0017】
排出口部材は、開口部における第1の外面であって、排出口部材内の空気流方向に実質的に垂直である、第1の外面と、排出口部材内の分離された水粒子及び/又は汚れ粒子を第1の外面に誘導する湾曲面とを含んでいてもよい。したがって、液滴は、第1の外面に誘導され、第1の外面に沿って領域に向かって流れることができる。
【0018】
このコンテキストにおける「実質的に垂直」との用語は、外面が、排出口部材内の空気流方向に対して、例えば90°±10°で角度が付いていることを意味する場合がある。
【0019】
或いは又は更に、第1の外面は、収集ボリュームの反対側にある(例えば、面している)。
【0020】
排出口部材は、エッジにおいて第1の外面と接する第2の外面を更に含んでもよい。この画定されたエッジは、液滴を第1の外面に保持するのを(部分的に液滴の濡れ性の結果として)支援することができ、これにより、第1の外面に沿って領域に向かう液滴の通過が支援される。
【0021】
湿式クリーニング装置は、空気流をセパレータユニットに送達するチューブを含んでもよい。非限定的な実施例の1つのセットでは、カップがチューブの端部を受容する。この場合、流路部材の内側表面部分は、チューブの端部から間隔が空けられたカップの内側表面によって画定されている。更に、排出口部材は、カップの下流部分によって画定されてもよく、下流部分は、カップの周縁を含む。カップの周縁は、例えば、排出口部材の開口部を区切る傾斜周縁を画定するように傾斜されている。
【0022】
実施例の別のセットでは、流路部材は、上流端部及び下流端部を有する湾曲チューブセクションによって画定され、上流端部はチューブに隣接している。流路部材は、湾曲チューブセクションの下流端部に隣接する。
【0023】
より一般的には、湿式クリーニング装置は、容器を含んでもよく、そのボリュームには収集ボリュームが含まれている。容器は更に、セパレータユニットの少なくとも一部を収容してもよい。
【0024】
上記の装置は、例えば仕切りを更に含んでもよい。このような実施例では、収集ボリュームは、容器の壁及び仕切りによって区切られ、第1の流路は、仕切りを通り過ぎて収集ボリュームに向かって向けられている。
【0025】
容器は、空気通路が提供されている端壁によって部分的に区切られてもよく、端壁は、容器を挟んで収集ボリュームの反対側にある。したがって、空気通路は、容器を挟んで収集ボリュームから間隔が空けられている場合がある。
【0026】
別の態様によれば、内側表面部分を有する流路部材、流路部材から開口部まで延在する排出口部材、収集ボリューム、並びに排出口部材及び収集ボリュームから間隔が空けられた空気通路を使用して、空気の流れから水粒子及び/又は汚れ粒子を分離する方法が提供される。この方法は、水粒子及び/又は汚れ粒子が混入した空気の流れを生成するステップと、流路部材を使用して、水粒子及び/又は汚れ粒子が内側表面部分に飛ばされることによって空気から分離されるように、空気の流れの流れ方向を転換するステップと、排出口部材を使用して、分離された水粒子及び/又は汚れ粒子を、開口部にある領域に向かって蓄積して誘導するステップであって、分離された水粒子及び/又は汚れ粒子は、開口部から第1の流路に沿って収集ボリュームに向かって流れ、水粒子及び/又は汚れ粒子から分離された空気は、第1の流路から離れる方に向けられている第2の流路に沿って空気通路に向かって通される、誘導するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の実施例について、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
【
図1】
図1は、実施例による湿式クリーニング装置を概略的に示す。
【
図2】
図2は、
図1に示す湿式クリーニング装置に含まれているセパレータユニットの斜視図であって、セパレータユニットに含まれている排出口部材の周縁の拡大図を提供する挿入図を有する。
【
図3】
図3は、別の実施例によるセパレータユニットを含む湿式クリーニング装置の一部の断面図を提供する。
【
図5】
図5は、更に別の実施例によるセパレータを含む湿式クリーニング装置の一部の断面図を提供する。
【
図6】
図6は、更に別の実施例によるセパレータを含む湿式クリーニング装置の一部の断面図を提供する。
【
図7】
図7は、別の実施例による湿式クリーニング装置を示す。
【
図8】
図8は、
図7に示す湿式クリーニング装置に含まれているセパレータユニットの断面図を提供する。
【
図9】
図9は、更なる実施例によるセパレータを含む湿式クリーニング装置の一部の断面図を示す。
【
図11】
図11は、実施例による方法のフローチャートを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、図を参照して説明される。
【0030】
詳細な説明及び具体的な実施例は、装置、システム、及び方法の模範的な実施形態を示しているが、説明のみを目的としたものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではないことが理解されるべきである。本発明の装置、システム、及び方法のこれらの及び他の特徴、態様並びに利点は、次の説明、添付の特許請求の範囲、及び添付の図面からよりよく理解されるようになるであろう。図は単なる概略図であり、縮尺どおりに描かれていないことが理解されるべきである。また、図全体で同じ参照番号を使用して、同じ部分又は類似の部品を示すことが理解されるべきである。
【0031】
空気の流れ(例えば吸引流)から液体及び粒子を分離するセパレータユニットを使用する、湿式掃除機といった湿式クリーニング装置が提供される。セパレータユニットは、流路部材と、流路部材に隣接し又は実質的に隣接し、流路部材から延在する排出口部材とを含む。流路部材は、空気に混入した任意の水粒子及び/又は汚れ粒子が流路部材の内側表面部分に投げつけられるように、空気の流れの流れ方向を転換する。このようにして、空気の流れからこのような水粒子及び/又は汚れ粒子が分離される。排出口部材には、分離された水粒子及び/又は汚れ粒子が誘導される開口部がある。排出口部材は、装置が使用のための向きになっているときに、分離された水粒子及び/又は汚れ粒子を開口部における領域に向かって誘導して蓄積する。分離された水粒子及び/又は汚れ粒子は、第1の流路に沿って、その領域から収集ボリュームに向かって流れる。水粒子及び/又は汚れ粒子から分離された空気は、排出口部材及び収集ボリュームから間隔が空けられた空気通路に向けられる。分離された空気用の第2の流路が、排出口部材の開口部と空気通路との間に提供される。この第2の流路は、第1の流路から離れる方に向けられる。これは、空気の流れに水粒子及び/又は汚れ粒子が再混入するのを最小限に抑えるか又は防止するのを支援する。更に、空気の流れから水粒子及び/又は汚れ粒子を分離する方法が提供される。
【0032】
したがって、本開示は、例えば空気から分離された液体を濃縮して収集ボリュームに誘導することを可能にする一方で、乾燥空気又はより乾燥した空気は空気通路に向かって移動する解決策を提供できる。例えば空気通路は、セパレータユニットの出口を画定する。
【0033】
本開示は、特に湿式掃除機といった湿式クリーニング装置のセパレータユニットの設計に関する。セパレータユニットの実施例を詳細に説明する前に、湿式掃除機の一般的な構成の例を示す。しかし、湿式掃除機は、例示の目的でのみ説明されており、セパレータユニットは、より一般的に湿式クリーニング装置に使用され得ることを理解するべきである。
【0034】
したがって、分離ユニットからの気体ストリーム及び液体ストリームは、比較的高速の気体ストリームが分離された液体の流れに干渉するリスクが低い状態で、それぞれの下流の経路に分割される。
【0035】
セパレータユニットは、排出口部材内の空気流とその内面を流れる液体とが互いに大きな影響を及ぼさないように構成されている。これは、これらの流れを互いに別々の方向に移動することによって達成できる。ただし、液体が開口部のエッジに付着している一方で、空気がその周りを流れている場合など、相互に影響を与える場合もある。したがって、空気流と液体の流れとは互いに「わずかに交差」する場合がある。したがって、空気流は、液体の流れを交差することが「実質的に防止」されるにすぎない。液滴が一次空気流に再結合しないようにするために、排出口部材は空気の速度が十分に低いように設計される。
【0036】
図1は、汚れ吸込口11を含む湿式掃除機10を示している。この汚れ吸込口11を介して、水粒子及び/又は汚れ粒子、例えば湿った汚れの粒子、並びに空気が湿式掃除機10の中に吸い込まれる。
図1に示すように、汚れ吸込口11は掃除機ヘッド12内に提供されている。
【0037】
湿式掃除機10は、汚れ吸込口11に吸引力を与えるためのモータ14及びファン16を含む。
図1に示す実施例では、モータ14及びファン16は、掃除機ヘッド12内に提供されている汚れ吸込口11に吸引力を与える。
【0038】
セパレータユニット18が、モータ14及びファン16によって生成された吸引力によって生成された流れから液体及び粒子を分離するために提供されている。
【0039】
例えばモータ14はバイパスモータ14を含む。このタイプのモータ14は、空気流内の含水量を許容できる。これは、引き込まれた空気流はモータ冷却には使用されず、モータ部品から隔離されているためである。代わりに、冷却目的で周囲空気がモータ14に引き込まれる。
【0040】
セパレータユニット18は、湿式汚れ管理システムの一部と見なされる。汚れ管理システムには追加のフィルタが含まれてもよい。汚れ管理システムは、分離された水分及び汚れを収集する容器19を有している。これは、セパレータユニット18の一体部分である場合もあれば、セパレータユニット18が接続する別個の廃水収集リザーバがある場合もある。図示するように、排出口フィルタ20は、例えばセパレータユニット18の排出口流れと、モータ14及びファン16との間に提供されている。
【0041】
空気通路22によって、水粒子及び/又は汚れ粒子から分離された空気がモータ14及びファン16に向かって通される。
【0042】
収集ボリューム28によって、水粒子及び/又は汚れ粒子が受け取られる。収集ボリューム28は、例えば重力下で水が収集されるように、セパレータユニット18の下に提供されてもよい(湿式掃除機10が直立型である場合)。
【0043】
空気通路22は、収集ボリューム28、及び分離された水粒子及び/又は汚れ粒子を収集ボリューム28に向けて移すセパレータユニット18の部分から空間的に除去される。
図1に示すように、容器19のアパーチャが、少なくとも部分的に空気通路22を画定できる。例えばアパーチャは容器19の上部にあり、収集ボリューム28は容器19の底部にある(湿式掃除機10が直立型である場合)。このような配置は、水粒子及び/又は汚れ粒子が空気と再結合し、モータ14及びファン16に向かって下流に通されるリスクを最小限に抑えるのを支援する。
【0044】
掃除機ヘッド12の反対の端部にはハンドル30がある。
【0045】
図示する掃除機10は、スティック型掃除機であるため、使用中、掃除機ヘッド12は、掃除機がけされる表面と唯一接触する。当然ながら、直立型掃除機又はキャニスタ型掃除機であってもよい。本開示は、セパレータユニット18の設計特徴に関し、任意の湿式クリーニング装置10及び任意の湿式掃除機10に適用できる。
【0046】
ユーザは、掃除機10とは無関係に、掃除機をかけている表面に水を供給することが求められる場合がある。しかし、湿式汚れ管理システムが代わりに掃除機ヘッド12に水を供給する清浄水リザーバ(不可視)を含んでもよい。
【0047】
掃除機ヘッド12には、例えば清浄水リザーバから水が供給される回転式ブラシ(不可視)があり、したがって、清浄水リザーバから水を受け取る吸込口がある場合がある。掃除機ヘッド12は、湿った汚れを拾うように特別に設計されており、任意選択で床を濡らすことも実行する。
【0048】
点線32は、湿式掃除機10を通過する空気の流れを概略的に表している。チューブ34が、汚れ吸込口11からセパレータユニット18に空気を運ぶ。
【0049】
セパレータユニット18は、湿式掃除機10を通る流れ32の方向を転換する流路部材36を含む。この流れの方向転換によって、空気に混入した水粒子及び/又は汚れ粒子が、流路部材36の内側表面部分に飛ばされる。このようにして、空気から水粒子及び/又は汚れ粒子が分離される。
【0050】
水と空気との主な違いは、水はそれ自体だけでなく多くの種類の固形物にくっつく傾向があるが、ほとんどの気体はくっつく傾向がない点である。この原理を好都合に適用して、例えば空気から水を分離する。チューブ34を通して水と空気との混合物を誘導するだけでは、チューブ34の壁に液滴や液体のストリームが形成される。しかし、方向転換させる形状(屈曲部やサイクロンにあるような)をも通して混合物を誘導することによって、液体(及び固体)は遠心力のために外側に蓄積する。そうすることで、液体は壁に付着し、壁に沿って流れる。液体はこの壁に対して向けられ、乾燥空気又はより乾燥した空気はバルクで流れる。
【0051】
図1及び
図2に示す実施例では、流路部材36は湾曲チューブセクションによって画定される。湾曲チューブセクション36の上流端部が、チューブ34に隣接している(例えば、直接接続されている)。
【0052】
図1及び
図2(及び
図3~
図6)に示す実施例では、湾曲チューブセクション36は、流れの方向を180°転換させるようにU字形である。これは、空気からの水粒子及び/又は汚れ粒子の効率的な分離を容易にするが、流れの方向転換によって空気からの水粒子及び/又は汚れ粒子の必要な分離がもたらされる限り、流れの方向転換の任意の適切な角度を考慮できる。
【0053】
更に、流れの方向転換によって空気の流れから水粒子及び/又は汚れ粒子を分離させる限り、流路部材は任意の適切な設計を有することができる。この点において、
図7~
図10Bを参考にして、異なる流路部材の設計について以下に説明する。
【0054】
セパレータユニット18は、排出口部材38を更に含み、これは、流路部材36に隣接している(例えば、直接接続されている)。排出口部材38は、流路部材36から延在し、排出口部材38の周縁40で区切られた開口部で終端する。
【0055】
排出口部材38は、位置42で流路部材36に隣接している。排出口部材38は、例えば留め具及び/又は適切な接着剤を使用して、例えば流路部材36に接合される。或いは、排出口部材38及び流路部材36は一体形成されてもよい。例えば流路部材36及び排出口部材38は、単一成形の部品、例えば射出成形された部分として一体形成される。
【0056】
より一般的には、セパレータユニット18は、ポリプロピレンなどのポリマーといった任意の適切な材料から形成できる。
【0057】
分離された水粒子及び/又は汚れ粒子は、排出口部材38によって排出口部材38の開口部に誘導される。排出口部材38は、空気抵抗及び重力が開口部への水粒子及び/又は汚れ粒子の誘導を支援するように構成される。更に、排出口部材38は、装置10が使用のための向きになっているときに、分離された水粒子及び/又は汚れ粒子を、第1の流路39に沿って開口部から収集ボリューム28に向ける。したがって、排出口部材38は「液体誘導構造」と呼ばれることもある。
【0058】
排出口部材による分離された水粒子及び/又は汚れ粒子のこのような誘導及び蓄積は、適切なやり方で実施できる。
図1に示す非限定的な実施例では、排出口部材38の開口部は傾斜周縁40で区切られている。傾斜周縁40は、分離された水粒子及び/又は汚れ粒子が傾斜周縁40に沿って、傾斜周縁40の領域(例えば点)に流れるように傾斜されている。そこから第1の流路39が収集ボリューム28に向かって延在している。
図1に示すように、重力が空気抵抗とともに、分離された水粒子及び/又は汚れ粒子が、傾斜周縁40上の領域(例えば点)から第1の流路39に沿って流れるのを支援する。
【0059】
排出口部材38の傾斜周縁40は、分離された空気の流れを第1の流路39から離れる方に向けるのを更に支援する。これは、水粒子及び/又は汚れ粒子が傾斜周縁40によって誘導される排出口部材38の側の方が空気流抵抗が高いからである。
【0060】
或いは又は更に、排出口部材38は、水誘導要素(不可視)を含んでもよい。水誘導要素は、排出口部材38の表面上又は表面内に配置され、分離された水粒子及び/又は汚れ粒子を開口部に、且つ第1の流路39に沿って開口部から収集ボリューム28に誘導する。
【0061】
このような水誘導要素は、例えば排出口部材38の内面から突き出たリブ及び排出口部材38の内面の溝のうちの少なくとも1つを含む。水粒子及び/又は汚れ粒子は、収集ボリューム28に向かって第1の流路39が延在する開口部の領域(例えば点)に、例えば、リブ及び/又は溝によって向けられる。
【0062】
図1に示すように、空気流路32に含まれる第2の流路32Aは、排出口部材38の開口部と空気通路22の間に提供されている。第1の流路39は、第2の流路32Aから離れる方に向けられているため、第2の流路32Aとの交差を実質的に防止できる。これは、空気の流れに水粒子及び/又は汚れ粒子が再混入するのを最小限に抑えるか、又は防止するのを支援する。
【0063】
図2は、
図1に示すセパレータユニット18の流路部材36及び排出口部材38をより詳細に示している。
図2に示すように、チューブ34を流れる空気中に混入した水粒子及び/又は汚れ粒子44は、流れの方向転換の結果、流路部材36の内側表面部分36Aに接触して誘導される。これにより、水粒子及び/又は汚れ粒子が内側表面部分36A上でより大きな液滴46に蓄積し、これにより、空気からの分離が支援される。
【0064】
図2に示す実施例では、内側表面部分36Aは、湾曲チューブセクション36の外側寄りの表面によって画定される。湾曲チューブセクション36によって課される方向転換によって、水粒子及び/又は汚れ粒子が遠心力によって湾曲チューブセクション36の外寄りの表面36Aに飛ばされる。更に内側表面部分36Bは、湾曲チューブセクション36の内側寄りの表面によって画定される。
【0065】
より一般的には、空気が突然の変化に追従できないために空気の分離が発生する場所、例えばコーナーは、より低速な空気流領域に対応する「後流」をもたらす。このようコーナーは、例えば内側表面部分36Aが排出口部材38の内面38Aと接する位置42に提供される。そのようなコーナーの角度は、例えば7°よりも大きい。このような角度は、液体粒子及び/又は汚れ粒子からの空気の効率的な分離を確実にするのを支援する。
【0066】
図2に示すように、装置10が使用のための向きになっているときに、水粒子及び/又は汚れ粒子は、傾斜周縁40に沿って傾斜周縁40の第1の領域51(つまり、「最上点」51)から第2の領域52の方向に誘導されるため、傾斜周縁40は、水粒子及び/又は汚れ粒子の液滴48への更なる蓄積をもたらす。領域52は、装置10が使用のための向きになっているときの傾斜周縁40の「最下点」52と呼ばれることもある。
【0067】
分離された水粒子及び/又は汚れ粒子の液滴48は、傾斜周縁40に沿って収集ボリューム28に向かって流れる。したがって、傾斜周縁40は収集ボリューム28の方向に傾斜している。分離された水粒子及び/又は汚れ粒子は、傾斜周縁40に沿って、傾斜周縁40の最下点52に向かって流れる。第1の流路39は、この最下点52から収集ボリューム28に向かって延在している。
【0068】
空気抵抗だけでなく重力も、液滴48が傾斜周縁40に沿って周縁40の最下点52に向かって流れるのを支援する。更に、重力は分離された水粒子及び/又は汚れ粒子が、第1の流路39に沿って最下点52から収集ボリューム28に向かって流れるのを支援する。
【0069】
排出口部材38は、流路部材36の内側表面部分36Aから延在する内面38Aを有している。
図2の挿入図に最もよく示されているように、排出口部材38は更に、収集ボリューム28の反対側にある第1の外面38Bと、内面38Aと第1の外面38Bとの間の湾曲面38Cとを含む。分離された水粒子及び/又は汚れ粒子は、湾曲面38Cによって内面38Aから第1の外面38Bに誘導される。このようにして、液滴48は第1の外面38Bに誘導され、この非限定的な実施例の傾斜周縁40の場合、液滴48は第1の外面38Bに沿って最下点52に向かって流れる。
【0070】
図2の挿入図にも示されているように、排出口部材38は更に、第2の外面38Dを含む。第1の外面38Bは、画定されたエッジ又はコーナー38Eで第2の外面38Dと接する。このエッジ38Eは、液滴48を第1の外面38Bに保持するのを(部分的に液滴48の濡れ性の結果として)支援し、これにより、傾斜周縁40の最下点52に向かう第1の外面38Bに沿った液滴48の通過が支援される。
【0071】
したがって、開口部では、液体は第1の外面38Bに蓄積する。ここでも、空気及び重力によって、蓄積された液体は、傾斜周縁40の輪郭を、単一の集中領域又は点、つまり、最下点52に向かって従う。ここ以降、流路部材36の内側表面部分36Aと排出口部材38の内面38Aに分布していた液体は蓄積され、制御されたやり方で第1の流路39に沿って収集ボリューム28に誘導される。
【0072】
実施形態では、排出口部材38のフロースルーエリアが開口部に向かって増大する。つまり、排出口部材38の内部の断面積が開口部に向かって増加する。これは、排出口部材38を通る空気の速度が対応して減少することから、液滴48を空気流から分離された状態にしておくことを支援する。つまり、排出口部材38の断面積を開口部に向かって増加することで、液体は、より低速の空気流にさらされ、したがって、空気流に再混入する可能性が低くなる。
【0073】
図1及び
図2に示す非限定的な実施例では、排出口部材38は、円錐部分、例えば非対称の円錐部分を含む。したがって、排出口部材38のフロースルーエリアは開口部に向かって広がる。しかしながら、正方形、長方形、三角形などのように、広がる排出口部材38の他の断面形状も企図され得ることに留意されたい。円錐部分38は、湾曲チューブセクション36の下流端部に隣接している(例えば直接接続されている)。
【0074】
図2に示すように、円錐部分は、開口部において切り取られ、それによって傾斜周縁40が画定される。排出口部材38の広がるフロースルーエリアと組み合わせて傾斜周縁40は、水滴48を開口部に向かって誘導し、第1の流路39に沿って収集ボリューム28に向かって誘導するのに特に適したアレンジメントを提供し、空気流への再混入のリスクが低減される。
【0075】
図3は、セパレータユニット18の断面図を提供する。
図4は、
図3に示す部分の斜視図を提供する。この実施例では、排出口部材38は非対称の円錐部分によって画定されている。傾斜周縁40は、平面50による円錐部分の切り取りによって画定されている。
【0076】
実施形態では、排出口部材38の開口部から空気通路22に向かう空気の第2の流路32Aは、空気通路22に対する排出口部材38、特に、開口部の空間アレンジメントによって決定される。
【0077】
図3及び
図4に示すように、排出口部材38には、第1の側面53Aと第2の側面53Bとがある。この特定の実施例では、第1の側面53Aは第2の側面53Bの反対側にある。排出口部材38は、装置10が使用のための向きになっているときに、分離された水粒子及び/又は汚れ粒子が蓄積し、第1の側面53Aに向かって誘導されるように配置されている。
図3に最もよく示されているように、第1の側面53Aは、排出口部材38の最下点52で終端し、そこから第1の流路39が延在している。
【0078】
空気通路22は、第2の側面53Bの近位に位置付けられ、第1の側面53Aの遠位に位置付けられている。この形状により、第2の流路32Aは、第1の側面53Aから離れる方に、且つ空気通路22に向かって向けられる。このようにして、第2の流路32Aは、第1の流路39から離れる方に向けられ、且つ第1の流路39と交差することが実質的に防止される。
【0079】
図3及び
図4に示す実施例では、容器19のボリュームには、収集ボリューム28が含まれており、また、セパレータユニット18の一部も収容されている。また、装置10は、仕切り54を更に含む。収集ボリューム28は、容器19の壁及び仕切り54によって区切られている。
【0080】
この特定の実施例では、第1の流路39は、仕切り54を通り過ぎて、収集ボリューム28に向けられている。つまり、第1の流路39は、仕切り54と容器19の壁との間の間隙55に向けられる。
【0081】
傾斜周縁40の最下点52は、最下点52に向かって蓄積する水や汚れの液滴48が、間隙55を通って収集ボリューム28の中に向けられるように、間隙55と一直線にされている。
【0082】
図3及び
図4に示す実施例では、容器19の壁は、排出口部材38の第2の側面53Bよりも第1の側面53Aに近く、したがって、第1の側面53Aと空気通路22との間には、第2の側面53Bと空気通路22との間よりも大きい空気流に対する抵抗がある。したがって、空気流は、排出口部材38の開口部から第2の流路32Aに沿って空気通路22に向かって優先的に引き出される。
【0083】
第2の流路32Aは、任意の適切なやり方で画定できることを強調しておく。実施形態では、遮蔽部材56が、排出口部材38の(水粒子及び/又は汚れ粒子が誘導される)第1の側面53Aから空気通路22への空気流を遮断するように配置されている。この場合、第2の流路32Aは、排出口部材38の第2の側面53Bと空気通路22との間に提供される。
【0084】
図5に示す非限定的な実施例では、このような遮蔽部材56は、排出口部材38から容器19の側方の側面壁まで延在している。特に、遮蔽部材56は、排出口部材38の第1の側面53Aから容器19の側方の側壁まで延在している。したがって、遮蔽部材56によってもたらされる空気流に対する抵抗は、第2の側面53Bと空気通路22との間の第2の流路32Aを画定するのを支援する。
【0085】
図5に示すように、排出口部材38の第1の側面53Aから収集ボリューム28に向かう第1の流路39は、排出口部材38の第2の側面53Bから空気通路22に向かう第2の流路32Aから離れる方に向けられ、且つ第2の流路32Aと交差することが実質的に防止される。
【0086】
図6は、別の模範的なセパレータユニット18を示している。この実施例では、遮蔽部材56は、装置10が使用のための向きになっているときに、排出口部材38から容器19の端壁(不可視)、つまり、容器19の上端壁まで延在している。
図5に示す実施例と同様に、遮蔽部材56は、排出口部材38の(水粒子及び/又は汚れ粒子が誘導される)第1の側面53Aから空気通路22への空気流の経路を遮断する。第2の流路32Aは、排出口部材38の第2の側面53Bと空気通路22との間に対応して画定される。このようにして、排出口部材38の第1の側面53Aから収集ボリューム28に向かう第1の流路39は、排出口部材38の第2の側面53Bから空気通路22に向かう第2の流路32Aから離れる方に向けられ、且つ第2の流路32Aと交差することが実質的に防止される。
【0087】
図6に示すように、液滴48は、前述のとおり、傾斜周縁40の最下点52に向かって誘導される。これは、
図6に矢印57によって示されている。
【0088】
排出口部材38内の空気流方向と、分離された水粒子及び/又は汚れ粒子が傾斜周縁40の最下点52に向かって輸送される方向との間に角度θが画定されている。この角度θは、0°よりも大きく、90°以下(20°~75°など、例えば約45°)である。
【0089】
図7は、更なる実施例による湿式掃除機10を示している。
図1~
図6に示した実施例と同様に、チューブ134は汚れ吸込口11からセパレータユニット118に空気を運ぶ。しかし、この実施例では、カップがチューブ134の端部を受容し、流路部材136の第1の内側表面部分136Aがカップの内側表面によって画定される。カップは、チューブ134の端部から間隔が空けられており、それによって、空気は、チューブ134の端部とカップとの間を通って空気通路22に向かって流れることができる。
【0090】
このカップは、
図1~
図6に関連して上述したU字型のチューブセクション36と同様に、流れ32の方向を転換させる。これにより、水粒子及び/又は汚れ粒子がカップの内側表面136Aに飛ばされ、空気の流れから分離される。
【0091】
この実施例では、排出口部材138はカップの下流部分によって画定されている。この下流部分138は、流れを方向転換させるカップの上流部分に隣接している(例えば、直接接続されている)。したがって、流路部材136及び排出口部材138は、例えば一体形成される。
【0092】
図1~
図6に関して上述したように、分離された水粒子及び/又は汚れ粒子は、重力及び空気抵抗に支援されて、排出口部材138によって、排出口部材138の開口部に向かって誘導される。また、排出口部材138の配置は、前述のとおり、装置10が使用のための向きになっているときに、分離された水粒子及び/又は汚れ粒子が、第1の流路39に沿って開口部から収集ボリューム28に向けられるような配置である。
【0093】
分離された水粒子及び/又は汚れ粒子の第1の流路39に沿ったこのような誘導は、任意の適切なやり方で実施できる。
図7に示す非限定的な実施例では、カップの下流部分138は、カップの周縁140を含むか、又は周縁140で構成されている。カップの周縁140は、分離された水粒子及び/又は汚れ粒子が傾斜周縁40に沿って、傾斜周縁40の領域(例えば点)に流れるように傾斜されている。そこから第1の流路39が収集ボリューム28に向かって延在している。
【0094】
図7に示す実施例では、排出口部材138には、第1の側面153Aと第2の側面153Bとがあり、この実施例では、第1の側面153Aは第2の側面153Bの反対側にある。排出口部材138は、装置10が使用のための向きになっているときに、分離された水粒子及び/又は汚れ粒子が蓄積し、第1の側面153Aに向かって誘導されるように配置されている。第1の側面153Aは、排出口部材138の最下点で終端し、そこから第1の流路39が延在している。
【0095】
遮蔽部材156は、第1の側面153Aから空気通路22への空気流を制限するための空気流バリアを提供する。この配置により、第2の流路32Aは、第1の側面153Aから離れる方に、且つ空気通路22に向かって向けられる。このようにして、第2の流路32Aは、第1の流路39から離れる方に向けられ、且つ第1の流路39と交差することが実質的に防止される。
【0096】
図8は、
図7に示す湿式掃除機10に含まれているセパレータユニット118の断面図を提供している。カップは、基部137Bから延在している円筒側壁137Aを有する。側壁137Aは基部137Bの平面に垂直に延在している。この形状により、流れ32の方向が180°転換され、空気からの水粒子及び/又は汚れ粒子の効率的な分離を促進できる。しかしながら、流れの方向転換によって空気からの水粒子及び/又は汚れ粒子の必要な分離がもたらされる限り、例えば、側壁137Aが基部137Bから非垂直に延在することによって、流れの方向転換の任意の適切な角度が企図されることに留意されたい。この例については、本明細書において以下に
図9を参照して説明する。
【0097】
非限定的な実施例では、側壁137Aは基部137Bの平面から垂直に延在し、排出口部材138は、側壁137Aに隣接するカップの張り出し部分によって画定される。このようにして、流れの方向転換は180°であるが、張り出し部分が、前述のとおり、液体/汚れの再混入を回避するのを支援する。
【0098】
空気抵抗だけでなく重力も、液滴48が傾斜周縁140に沿って周縁140の最上点151から離れる方向に、且つ周縁140の最下点152に向かって流れるのを支援する。更に、前述のとおり、重力は、分離された水粒子及び/又は汚れ粒子が、第1の流路39に沿って最下点152から収集ボリューム28に向かって流れるのを支援する。
【0099】
排出口部材138は、流路部材136の内側表面部分136Aから延在する内面138Aを有している。
図8では可視ではないが、排出口部材138は更に、収集ボリューム28の反対側にある第1の外面と、内面138Aと第1の外面との間の湾曲面とを含む。分離された水粒子及び/又は汚れ粒子は、湾曲面によって内面138Aから第1の外面に誘導される。
【0100】
また、排出口部材138は、第2の外面を更に含み、第1の外面は、画定されたエッジ又はコーナーで第2の外面に接し、これによって、
図2の挿入図に関して前述したとおり、第1の外面上の液滴48を保持するのを支援する。
【0101】
図8はまた、この実施例ではカップの一部である排出口部材138から容器19の壁まで延在している遮蔽部材156の一部を示している。この遮蔽部材156は、前述のとおり、第2の流路32Aを画定するのを支援する。
【0102】
図7及び
図8に示す実施例では、チューブ134はカップの中央にあるが、これは限定を意図したものではない。この点において、例えばチューブ134はカップに対して中心から外れてもよい。
【0103】
排出口部材138の傾斜周縁140は、分離された空気の流れを第1の流路39から離れる方に向けるのを更に支援する。これは、傾斜周縁140によって水粒子及び/又は汚れ粒子が誘導される排出口部材138の第1の側面153Aで、空気流抵抗がより高いためである。つまり、空気が開口部に到達するまでに更に遠くに移動する必要があるため、第1の側面153Aによって低速空気流領域が画定される。
【0104】
例えばこの第2の流路32Aは、カップに対するチューブ134の場所を使用して更に制御できる。チューブ134を第1の側面153Aに向かって更に動かすと、空気流抵抗が増加し、カップの第2の側面153Bの開口部から空気が出る傾向が高まる。
【0105】
図8に示すように、傾斜周縁140は、円筒側壁137Aが基部136Bの平面に対して角度を付けた平面150で切り取られることによって提供される。しかし、代替設計が企図される。例えば、
図9は、排出口部材138のフロースルーエリアが開口部に向かって広がるように、基部137Bの平面に対して角度を付けて延在する側壁137Aを有するカップを示している。これは、前述のとおり、排出口部材138を通る空気の速度が対応して減少することから、液滴48を空気流から分離された状態にしておくことを支援する。
【0106】
図9に示すセパレータユニット118は、それ以外は、
図6に示すセパレータユニット18と類似していると見なすことができ、その動作、角度θなどの説明は、簡潔さのために繰り返さない。
【0107】
例えばセパレータユニット118は、収集ボリューム28と一緒に容器19に含まれている。セパレータユニット118のカップは、湿式掃除機10が使用の向きになっているときに、収集ボリューム28の上方に配置されている。したがって、水や汚れの液滴48は、重力によって支援されて傾斜周縁140から収集ボリューム28の中に降下する。
【0108】
実施形態では、容器は、空気通路22が提供される端壁160によって部分的に区切られる。この非限定的な実施例では、端壁160は、容器19を挟んで収集ボリューム28の反対側にある。したがって、空気通路22は、容器19を挟んで収集ボリューム28から間隔が空けられている。
【0109】
図7~
図9では可視ではないが、排出口部材138(ここではカップの下流部分)は、分離された水粒子及び/又は汚れ粒子を開口部に、そして、第1の流路39に沿って収集ボリューム28に向かって誘導する水誘導要素を更に含んでもよい。水誘導要素は、カップの内面138A上又は内面138A内(例えばカップの下流部分138の内面138A内)に配置できる。例えば水誘導要素は、前述のとおり、内面138Aから突き出たリブ及び/又は内面138Aの溝を含む。
【0110】
図7~
図9では可視ではないが、湿式掃除機10には仕切りが含まれている場合がある。したがって、
図3及び
図4に示す実施例と同様に、収集ボリューム28は容器19の壁及び仕切りによって区切られる。
【0111】
図10A及び
図10Bは、別の模範的なセパレータユニット118の図を提供している。このセパレータユニット118は、
図7~
図9に関連して前述したように、同様の「チューブ・イン・カップ(チューブ内のカップ)」設計を有している。更に、分離された水粒子及び/又は汚れ粒子を、開口部にある領域152に誘導する水誘導要素170が排出口部材138に含まれている。開口部から第1の流路39が収集ボリューム28に向かって延在している。この特定の実施例では、水誘導要素170は、カップの傾斜周縁140に加えて提供されているが、他の実施例では、水誘導要素170は、水粒子及び/又は汚れ粒子を開口部にある領域152に誘導するために、傾斜周縁140の代わりに使用されてもよい。開口部から第1の流路39が収集ボリューム28に向かって延在している。
【0112】
図10A及び
図10Bに示す実施例では、水誘導要素170は、排出口部材の内面から突き出たリブを含む。リブはチャネルを画定し、それに沿って水粒子及び/又は汚れ粒子が領域152に向かって流れる。図示するように、リブ(例えばらせん形リブ)は、内面の円周の少なくとも一部の周りに且つ開口部の方向に延在する。
【0113】
図10A及び
図10Bでは、完全なリブとして示されているが、図示するリブのサブセクションであってもよい。或いは又は更に、水誘導要素170は、排出口部材138の内面の溝を含む。
【0114】
したがって、内面上の液体は、開口部に向かって「下」に移動して、目的の収集場所、つまり、領域152に移動する代わりに、その場所に向かってリブ及び/又は溝をたどる方がより好都合である場合に、その経路に障害物がある。これは、例えばより大量の水に対応するために、追加のカップエッジと見なすことができる。
【0115】
図11は、内側表面部分を有する流路部材、流路部材から開口部まで延在している排出口部材、収集ボリューム、並びに排出口部材及び収集ボリュームから間隔が空けられた空気通路を使用して、空気の流れから水粒子及び/又は汚れ粒子を分離する方法200のフローチャートを提供している。流路部材、排出口部材、収集ボリューム、及び空気通路は、例えば湿式クリーニング装置10に関して上で説明した実施形態のいずれかに説明されているとおりである。
【0116】
方法200は、水粒子及び/又は汚れ粒子が混入した空気の流れを生成すること(202)を含む。204では、流路部材を使用して、水粒子及び/又は汚れ粒子が内側表面部分に飛ばされることによって空気から分離されるように、空気の流れの流れ方向を転換する。206では、分離された水粒子及び/又は汚れ粒子は、排出口部材の開口部における領域(例えば点)に向かって誘導され、蓄積される。分離された水粒子及び/又は汚れ粒子は、第1の流路に沿って、その領域から収集ボリュームに向かって流れる。水粒子及び/又は汚れ粒子から分離された空気は、第1の流路から離れる方に向けられている第2の流路に沿って空気通路に向かって通される。
【0117】
開示された実施形態の他の変形は、図面、開示及び添付の特許請求の範囲の検討から、請求項に係る発明を実施する際に当業者によって理解され、実行可能である。特許請求の範囲において、語「含む」は、他の要素又はステップを排除するものではなく、単数形は複数を排除するものではない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用することができないことを意味するものではない。特許請求の範囲における任意の参照符号は、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【国際調査報告】