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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-29
(54)【発明の名称】抵抗が増強された発熱体
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20230922BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20230922BHJP
   H05B 3/34 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/42
H05B3/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517390
(86)(22)【出願日】2021-09-23
(85)【翻訳文提出日】2023-03-15
(86)【国際出願番号】 EP2021076239
(87)【国際公開番号】W WO2022063919
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】20197866.5
(32)【優先日】2020-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】フレデリク ギヨーム
(72)【発明者】
【氏名】ジノヴィク イハル ニコラエヴィッチ
【テーマコード(参考)】
3K034
4B162
【Fターム(参考)】
3K034AA02
3K034AA15
3K034AA24
3K034BA02
3K034BA17
3K034BB02
3K034BB18
3K034HA06
3K034JA09
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC17
4B162AC18
4B162AC22
4B162AD15
4B162AD23
(57)【要約】
【要約書】
エアロゾル発生システム用の発熱体(11)が提供され、発熱体(11)はメッシュ(12)を含む。メッシュ(12)は、第一の方向(21)に延在する複数の第一のフィラメント(20)を含み、第一のフィラメント(20)の各々は、第一の端部(24)および第二の端部(26)を含む。メッシュ(12)はまた、第二の方向(23)に延在する複数の第二のフィラメント(22)を含み、第一の方向(21)は、第二の方向(23)に垂直である。第二のフィラメント(22)の各々は、第三の端部(28)および第四の端部(30)を含む。第一のフィラメント(20)の第二の端部(26)は、第二のフィラメント(22)の第三の端部(28)に電気的に接続される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システム用の発熱体であって、前記発熱体がメッシュを含み、前記メッシュが、
第一の方向に延在する複数の第一のフィラメントであって、前記第一のフィラメントの各々が第一の端部および第二の端部を含む、複数の第一のフィラメント、
第二の方向に延在する複数の第二のフィラメントであって、前記第一の方向が前記第二の方向に対して垂直であり、前記第二のフィラメントの各々が第三の端部および第四の端部を含む、複数の第二のフィラメントを含み、
前記第一のフィラメントの前記第二の端部が、前記第二のフィラメントの前記第三の端部に電気的に接続される、発熱体。
【請求項2】
前記第一のフィラメントの前記第二の端部と前記第二のフィラメントの前記第三の端部との間に延在する導電部分をさらに含む、請求項1に記載の発熱体。
【請求項3】
前記第一のフィラメントが、第一の電気伝導率を有する第一の材料を含み、前記第二のフィラメントが、第二の電気伝導率を有する第二の材料を含み、前記導電部分が、第三の電気伝導率を有する第三の材料を含み、前記第三の電気伝導率が、前記第一の電気伝導率および前記第二の電気伝導率の両方よりも大きい、請求項2に記載の発熱体。
【請求項4】
前記導電部分が、銀、金、および白金のうちの少なくとも一つを含む、請求項2または3に記載の発熱体。
【請求項5】
前記第一のフィラメントの各々がステンレス鋼を含む、請求項1~4のいずれかに記載の発熱体。
【請求項6】
前記第二のフィラメントの各々がステンレス鋼を含む、請求項1~5のいずれかに記載の発熱体。
【請求項7】
前記メッシュが織られたメッシュである、請求項1~6のいずれかに記載の発熱体。
【請求項8】
エアロゾル発生システム用のヒーター組立品であって、前記ヒーター組立品が、
請求項1~7のいずれかに記載の発熱体、
前記第一のフィラメントのうちの少なくとも一つの前記第一の端部に接続された第一の電気接点、および
前記第二のフィラメントのうちの少なくとも一つの前記第四の端部に接続された第二の電気接点を備える、ヒーター組立品。
【請求項9】
基体を貫通する開口を画定する基体をさらに備え、前記発熱体の少なくとも一部が前記開口を覆い、前記第一の電気接点および前記第二の電気接点の各々が前記基体上に提供される、請求項8に記載のヒーター組立品。
【請求項10】
前記第一のフィラメントの前記第二の端部と前記第二のフィラメントの前記第三の端部の間に延在する導電部分をさらに含む、請求項9に記載のヒーター組立品。
【請求項11】
前記導電部分が前記基体上に提供される、請求項10に記載のヒーター組立品。
【請求項12】
液体エアロゾル形成基体を前記発熱体に運ぶための輸送材料をさらに含む、請求項8~11のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項13】
エアロゾル発生システム用のカートリッジであって、前記カートリッジが、
請求項8~12のいずれかに記載のヒーター組立品、および
液体エアロゾル形成基体を保持するための液体貯蔵区画を含む、カートリッジ。
【請求項14】
エアロゾル発生システムであって、
請求項13に記載のカートリッジ、および
前記カートリッジに取り外し可能に連結されるように配置されるエアロゾル発生装置であって、電力を前記発熱体に供給するための電源を備えるエアロゾル発生装置を備える、エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生システム用の発熱体に関する。特に、本発明は、エアロゾル発生システム用の発熱体に関し、発熱体は、第一および第二の方向に延在する第一および第二のフィラメントを備え、第一のフィラメントの端部は、第二のフィラメントの端部に電気的に接続される。本発明はまた、ヒーター組立品、カートリッジ、およびエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電池および制御電子機器を備える装置部分と、液体エアロゾル形成基体を収容または受容するための部分と、エアロゾルを発生させるためにエアロゾル形成基体を加熱するための電気的に作動するヒーターと、を備える、手持ち式の電気的に作動するエアロゾル発生装置およびシステムが公知である。いくつかのデバイスでは、ヒーターは導電性メッシュを備える。電流はメッシュを通過してヒーターを抵抗加熱し、それによってエアロゾル形成基体からエアロゾルを発生することができる。マウスピース部分もまた含まれ、ユーザーは自分の口の中にエアロゾルを引き込むために、これを吸煙し得る。
【0003】
メッシュヒーターのサイズを大きくする必要性を低減、最小化、または排除しながら、メッシュヒーターの電気抵抗を増加させることが望ましい。メッシュヒーターを形成するために使用される材料を変更することなく、メッシュヒーターの電気抵抗を増加させることが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本開示によると、エアロゾル発生システム用の発熱体が提供され、発熱体はメッシュを備える。メッシュは、第一の方向に延在する複数の第一のフィラメントを備え得る。第一のフィラメントの各々は、第一の端部および第二の端部を備え得る。メッシュは、第二の方向に延在する複数の第二のフィラメントを備え得る。第一の方向は、第二の方向に対して垂直であり得る。第二のフィラメントの各々は、第三の端部および第四の端部を備え得る。第一のフィラメントの第二の端部は、第二のフィラメントの第三の端部に電気的に接続され得る。
【0005】
本開示の第一の態様によると、エアロゾル発生システム用の発熱体が提供され、発熱体はメッシュを備える。メッシュは、第一の方向に延在する複数の第一のフィラメントを備え、第一のフィラメントの各々は、第一の端部および第二の端部を備える。メッシュはまた、第二の方向に延在する複数の第二のフィラメントを備え、第一の方向は、第二の方向に垂直である。第二のフィラメントの各々は、第三の端部および第四の端部を備える。第一のフィラメントの第二の端部は、第二のフィラメントの第三の端部に電気的に接続される。
【0006】
有利なことに、第一のフィラメントの第二の端部を第二のフィラメントの第三の端部に電気的に接続することにより、メッシュを通って流れる電流の経路長を増大させ得る。特に、メッシュを流れる電流は、第一のフィラメントの長さに沿って第一の方向に流れ、次いで、第二のフィラメントの長さに沿って第二の方向に流れ得る。有利には、メッシュを流れる電流の経路長を長くすると、メッシュの電気抵抗が増加する。有利には、メッシュの電気抵抗を増加すると、所与の電流に対する発熱体の熱出力が増加する。
【0007】
好ましくは、発熱体は、第一のフィラメントの第二の端部と第二のフィラメントの第三の端部との間に延在する導電部分を含む。有利には、導電部分は、第一のフィラメントの第二の端部の第二のフィラメントの第三の端部への電気的接続を容易にする。
【0008】
好ましくは、導電部分は、第一のフィラメントの各々の第二の端部を、第二のフィラメントの各々の第三の端部に電気的に接続する。好ましくは、導電部分は、第二のフィラメントの各々の第三の端部を、第一のフィラメントの各々の第二の端部に電気的に接続する。好ましくは、導電部分は、導電材料の連続的な部分である。例えば、導電部分は、第一のフィラメントの各々の第二の端部および第二のフィラメントの各々の第三の端部が電気的に接続されている導電材料の連続的な領域を含み得る。第一のフィラメントの第二の端部は、導電部分にはんだ付けされ得る。第二のフィラメントの第三の端部は、導電部分にはんだ付けされ得る。
【0009】
第一のフィラメントは、第一の電気伝導率を有する第一の材料を含み得、第二のフィラメントは、第二の電気伝導率を有する第二の材料を含み得、導電部分は、第三の電気伝導率を有する第三の材料を含み得る。好ましくは、第三の電気伝導率は、第一の電気伝導率および第二の電気伝導率の両方よりも大きい。
【0010】
有利には、導電部分に第一のフィラメントおよび第二のフィラメントよりも大きな電気伝導率を提供することにより、第一のフィラメントの第二の端部と第二のフィラメントの第三の端部との間の第一のフィラメントから第二のフィラメントへの電流の流れが促進される。
【0011】
第一の材料は、第二の材料と同じであり得る。第一の材料は、第二の材料と異なり得る。
【0012】
好ましくは、第一の材料および第二の材料の各々は、約0.8×106ジーメンス/メートルおよび約1.7×106ジーメンス/メートルの電気伝導率を有する。
【0013】
好ましくは、第三の材料は、約8×106ジーメンス/メートル~約80×106ジーメンス/メートルの電気伝導率を有する。
【0014】
メッシュは、第一のフィラメントの各々が第二のフィラメントの各々を覆うか、または下敷きになる複数の接点を含み得る。好ましくは、第一のフィラメントの第一の電気伝導率は、接点における第一のフィラメントの各々と第二のフィラメントの各々との間の電気伝導率よりも大きい。好ましくは、第二のフィラメントの第二の電気伝導率は、接点における第一のフィラメントの各々と第二のフィラメントの各々との間の電気伝導率よりも大きい。好ましくは、導電部分の第三の電気伝導率は、接点における第一のフィラメントの各々と第二のフィラメントの各々との間の電気伝導率よりも大きい。
【0015】
導電部分は、金属を含み得る。導電部分は、銅、亜鉛、ニッケル、スズ、銀、金、および白金のうちの少なくとも一つを含み得る。導電部分は、銀、金、および白金のうちの少なくとも一つを含み得る。導電部分は、銀、金、および白金のうちの少なくとも一つから形成され得る。
【0016】
第一のフィラメントの各々は、金属合金を含み得る。適切な合金の例としては、ステンレス鋼、コンスタンタン、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有の合金、およびニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、鉄-アルミニウム系合金、ならびに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。Timetal(登録商標)は、Titanium Metals Corporationの登録商標である。好ましくは、第一のフィラメントの各々は、ステンレス鋼、より好ましくは、AISI 304、316、304L、316Lなどの300系ステンレス鋼を含む。特に好ましい実施形態では、第一のフィラメントの各々は、AISI 304ステンレス鋼を含む。
【0017】
第二のフィラメントの各々は、金属合金を含み得る。適切な合金の例としては、ステンレス鋼、コンスタンタン、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有の合金、およびニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、鉄-アルミニウム系合金、ならびに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。Timetal(登録商標)は、Titanium Metals Corporationの登録商標である。好ましくは、第二のフィラメントの各々は、ステンレス鋼、より好ましくは、AISI 304、316、304L、316Lなどの300系ステンレス鋼を含む。特に好ましい実施形態では、第二のフィラメントの各々は、AISI 304ステンレス鋼を含む。
【0018】
第一のフィラメントの各々は、第二のフィラメントの各々とは異なる材料を含み得る。好ましくは、第一のフィラメントの各々は、第二のフィラメントの各々と同じ材料を含む。
【0019】
メッシュは織られていても、または不織であってもよい。好ましくは、メッシュは織られている。
【0020】
第一のフィラメントは緯糸方向に延び、第二のフィラメントは経糸方向に延び得る。第一のフィラメントは経糸方向に延び、第二のフィラメントは緯糸方向に延び得る。
【0021】
メッシュは第一のフィラメントと第二のフィラメントの間の隙間を画定し得、隙間は約10マイクロメートル~約100マイクロメートルの幅を有し得る。好ましくは、隙間の幅は隙間の中で毛細管現象を生じさせ、そのため、使用時に気化されることになる液体エアロゾル形成基体が隙間の中に引き込まれ、発熱体と液体エアロゾル形成基体の間の接触面積を増大させる。
【0022】
第一のフィラメントおよび第二のフィラメントは、約60~約240フィラメント/センチメートル(±10%)のメッシュ密度を形成し得る。好ましくは、メッシュ密度は、約100~約140フィラメント毎センチメートル(±10パーセント)である。より好ましくは、メッシュ密度は、およそ115フィラメント毎センチメートルである。隙間の幅は、約20マイクロメートル~約300マイクロメートルであり得、好ましくは約50マイクロメートル~約100マイクロメートルであり、より好ましくはおよそ70マイクロメートルである。メッシュの総面積に対する隙間の面積の比であるメッシュの開口面積の割合は、約40パーセント~約90パーセントであり得、好ましくは約85パーセント~約80パーセントであり、より好ましくはおよそ82パーセントである。
【0023】
第一のフィラメントの各々および第二のフィラメントの各々は、約10マイクロメートル~約100マイクロメートル、好ましくは10マイクロメートル~50マイクロメートル、より好ましくは約12マイクロメートル~約25マイクロメートル、最も好ましくはおよそ16マイクロメートルの幅または直径を有し得る。第一のフィラメントの各々および第二のフィラメントの各々は、丸い断面を有し得るか、または平坦な断面を有し得る。
【0024】
メッシュの面積は小さく、例えば約50平方ミリメートル以下、好ましくは約25平方ミリメートル以下、より好ましくはおよそ15平方ミリメートルであり得る。好ましくは、メッシュの領域は、手持ち式システムへの発熱体の組み込みを容易にする。有利には、約50平方ミリメートル以下の面積を有するメッシュのサイズ設定は、メッシュを加熱するために必要とされる総電力量を減少させ、一方でメッシュの液体エアロゾル形成基体との十分な接触を確実にする。メッシュは正方形であり得る。メッシュは長方形であり得る。メッシュは十字形であり得る。メッシュは、約2ミリメートル~約10ミリメートルの最大長さを有し得る。メッシュは、約2ミリメートル~約10ミリメートルの最大幅を有し得る。好ましくは、メッシュは、およそ5ミリメートルの最大幅およびおよそ5ミリメートルの最大長さを有する。
【0025】
好ましくは、メッシュは実質的に平面である。有利には、実質的に平らなメッシュは、発熱体および発熱体を含むエアロゾル発生システムの単純な製造を容易にし得る。幾何学的に、「実質的に平坦な」という用語は、実質的に二次元の位相幾何学的マニホールドの形態であるメッシュを指すために使用される。いくつかの実施例では、実質的に平坦なメッシュは、実質的に三次元でよりも、表面に沿って二次元で延び得る。いくつかの実施例では、その表面内での二次元の実質的に平坦なメッシュの寸法は、表面に垂直な三次元での寸法の少なくとも五倍であり得る。いくつかの実施例では、実質的に平坦なメッシュは、二つの実質的な仮想平行平坦表面を画定し得る。いくつかの実施例では、実質的に平坦なメッシュは、二つの実質的な仮想平行平坦表面間の構造であって、これらの二つの仮想表面間の距離は、その表面内の延長よりも実質的に小さくてもよい。いくつかの実施例では、二つの実質的な仮想平行表面のうちの一つのみが平坦であり得る。いくつかの実施例では、実質的に平坦なメッシュは平面状であり得る。他の実施例にでは、実質的に平坦なメッシュは一つ以上の寸法に沿って湾曲していてもよく、例えばドーム形状またはブリッジ形状を形成してもよい。
【0026】
本開示の第二の態様によると、エアロゾル発生システム用のヒーター組立品が提供される。ヒーター組立品は、本明細書に記載のいずれかの実施形態による、本発明の第一の態様による発熱体を備える。ヒーター組立品はまた、第一のフィラメントのうちの少なくとも一つの第一の端部に電気的に接続された第一の電気接点、および第二のフィラメントのうちの少なくとも一つの第四の端部に電気的に接続された第二の電気接点を含む。
【0027】
第一および第二の電気接点は、発熱体への、および発熱体からの電流供給を容易にする。好ましくは、第一の電気接点は、第一のフィラメントの第一の端部を互いに電気的に接続する。好ましくは、第二の電気接点は、第二のフィラメントの第四の端部を互いに電気的に接続する。
【0028】
好ましくは、第一の電気接点は、導電性材料の連続的な部分である。例えば、第一の電気接点は、第一のフィラメントの各々の第一の端部が電気的に接続されている導電性材料の連続的な領域を含み得る。第一のフィラメントの第一の端部は、第一の電気接点にはんだ付けされ得る。
【0029】
好ましくは、第二の電気接点は、導電性材料の連続的な部分である。例えば、第二の電気接点は、第二のフィラメントの各々の第四の端部が電気的に接続されている導電性材料の連続的な領域を含み得る。第二のフィラメントの第四の端部は、第二の電気接点にはんだ付けされ得る。
【0030】
ヒーター組立品は、発熱体がその上に配置された基体を備え得る。好ましくは、基体は、基体を貫通する開口を画定し、発熱体の少なくとも一部が開口を覆う。有利には、開口は液体エアロゾル形成基体の発熱体へ移動を容易にし得る。
【0031】
発熱体が導電部分を備える実施形態では、好ましくは、導電部分が基体上に提供される。発熱体が第一および第二の電気接点を備える実施形態では、好ましくは、第一の電気接点および第二の電気接点の各々が基体上に提供される。
【0032】
基体は、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含み得る。基体は、フェノール紙を含み得る。基体は、ガラス繊維強化エポキシ樹脂を含み得る。基体は、食品または医薬用途に適したプラスチックまたは熱可塑性材を含み得る。基体は、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)およびポリエチレンのうちの少なくとも一つを含み得る。好ましくは、材料は軽く、かつ脆くない。
【0033】
ヒーター組立品は、発熱体に電力を供給するための少なくとも二つの電気端子を含み得る。ヒーター組立品は、第一の電気端子および第二の電気端子を備え得る。発熱体が第一および第二の電気接点を含む実施形態では、好ましくは、第一の電気端子は第一の電気接点と接触し、第二の電気端子は第二の電気接点と接触する。電気端子の各々は、ばね端子であり得る。電気端子の各々は、真鍮を含み得る。
【0034】
ヒーター組立品はヒーター組立品ハウジングをさらに備え得、発熱体はヒーター組立品ハウジングの上に取り付けられる。ヒーター組立品が少なくとも二つの電気端子を備える実施形態では、少なくとも二つの電気端子は、ヒーター組立品ハウジング上に取り付けられ得る。
【0035】
ヒーター組立品が基体を備える実施形態では、基体は、ヒーター組立品ハウジング上に取り付けられ得る。基体は、ヒーター組立品ハウジングの一部を形成し得る。
【0036】
ヒーター組立品ハウジングは、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含み得る。好ましくは、ヒーター組立品ハウジングは、食品または医薬用途に好適なプラスチックまたは熱可塑性材から形成される。例えば、ヒーター組立品ハウジングは、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)およびポリエチレンのうちの少なくとも一つを含み得る。好ましくは、材料は軽く、かつ脆くない。
【0037】
ヒーター組立品は、液体エアロゾル形成基体を発熱体に運ぶための輸送材料をさらに含み得る。好ましくは、輸送材料は発熱体のメッシュと接触している第一の端部を含む。輸送材料は毛細管材料を含み得る。輸送材料は毛細管芯を含み得る。輸送材料は、セラミックを含み得る。セラミックは、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、およびヒドロキシアパタイトのうちの少なくとも一つを含み得る。
【0038】
ヒーター組立品がヒーター組立品ハウジングを備える実施形態では、輸送材料の少なくとも一部分は、ヒーター組立品ハウジング内に受容され得る。輸送材料は、締まりばめによってヒーター組立品ハウジング内に固定され得る。
【0039】
輸送材料は、発熱体のメッシュ上に材料を直接堆積することによって形成され得る。輸送材料は、発熱体のメッシュ上にセラミックを直接堆積することによって形成され得る。セラミックは、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、およびヒドロキシアパタイトのうちの少なくとも一つを含み得る。
【0040】
本開示の第三の態様によると、エアロゾル発生システム用のカートリッジが提供され、カートリッジは、本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによる、本開示の第二の態様によるヒーター組立品を含む。カートリッジはまた、液体エアロゾル形成基体を保持するための液体貯蔵区画を備え得る。
【0041】
本明細書で使用される「エアロゾル」という用語は、気体中の固体微粒子、または液滴、または固体微粒子と液滴の組み合わせの分散を指す。エアロゾルは、可視であってもよく、または不可視であってもよい。エアロゾルは、室温において通常は液体または固体である物質の蒸気だけでなく、固体粒子もしくは液体の液滴、または固体粒子および液体の液滴の組み合わせも含んでもよい。
【0042】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体を指す。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱する、または燃焼することによって放出されてもよい。
【0043】
ヒーター組立品がヒーター組立品ハウジングを備える実施形態では、ヒーター組立品ハウジングは、液体貯蔵区画の少なくとも一部を画定し得る。
【0044】
液体貯蔵区画は、互いに連通する第一および第二の貯蔵部分を含み得る。液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分は、液体貯蔵区画の第二の貯蔵部分に対してヒーター組立品の反対側の上にあってもよい。液体エアロゾル形成基体は、液体貯蔵区画の第一および第二の貯蔵部分の両方に保持され得る。
【0045】
有利なことに、貯蔵区画の第一の貯蔵部分は、液体貯蔵区画の第二の貯蔵部分より大きい。カートリッジは、ユーザーがカートリッジで発生したエアロゾルを吸い込むために、ユーザーがカートリッジから引き込む、またはカートリッジを吸うことを可能にするように構成されてもよい。使用時に、カートリッジの口側端の開口部は典型的に、ヒーター組立品の上方に位置付けられていて、貯蔵区画の第一の貯蔵部分は、口側端の開口部とヒーター組立品との間に位置付けられている。液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分を液体貯蔵区画の第二の貯蔵部分よりも大きくすることにより、重力の影響下で、液体が液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分から液体貯蔵区画の第二の貯蔵部分に送達されることを確実にする。
【0046】
カートリッジは、ユーザーがそれを通して発生したエアロゾルを引き出すことのできる口側端と、エアロゾル発生装置に接続するように構成された接続端とを有し得る。好ましくは、発熱体の第一の側面は口側端に面し、発熱体の第二の側面は接続端に面する。
【0047】
ヒーター組立品が輸送材料を備える実施形態では、好ましくは、輸送材料は液体貯蔵区画と流体連通する。好ましくは、輸送材料は、液体貯蔵区画の第二の貯蔵部分と流体連通する。好ましくは、輸送材料の第二の端部は、液体貯蔵区画の第二の貯蔵部分内に配置される。
【0048】
カートリッジは、ヒーター組立品の第一の側面を通り過ぎる空気吸込み口からカートリッジの口側端の開口部までの囲まれた気流通路を画定し得る。囲まれた気流通路は、液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分または第二の貯蔵部分を通過し得る。一実施形態において、気流通路は液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分および第二の貯蔵部分の間に延在する。追加的に、気流通路は液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分を貫通し得る。液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分の少なくとも一部は環状の断面を有し得、気流通路の少なくとも一部は、空気吸込み口からヒーター組立品を通過して液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分を通って口側端部まで延在する。気流通路の少なくとも一部は、ヒーター組立品から液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分に隣接した口側端の開口部まで延在し得る。
【0049】
カートリッジは、液体エアロゾル形成基体を保持するための保持材料を含み得る。保持材料は、液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分、液体貯蔵区画の第二の貯蔵部分、または液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分および第二の貯蔵部分の両方の中にあってもよい。保持材料は発泡体、海綿体、または繊維の集合体であり得る。保持材料はポリマーまたはコポリマーで形成され得る。保持材料は、紡績ポリマーであり得る。液体エアロゾル形成基体は使用中に、保持材料の中に放出され得る。例えば、液体エアロゾル形成基体はカプセル内に提供され得る。
【0050】
カートリッジは、有利には、液体貯蔵区画内に液体エアロゾル形成基体を含有する。液体エアロゾル形成基体はニコチンを含み得る。ニコチン含有液体エアロゾル形成基体はニコチン塩マトリクスであり得る。液体エアロゾル形成基体は植物由来材料を含み得る。液体エアロゾル形成基体は、たばこを含み得る。液体エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含み得る。液体エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含み得る。液体エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含み得る。液体エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含み得る。
【0051】
液体エアロゾル形成基体は一つ以上のエアロゾル形成体を含み得る。エアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつシステムの動作温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体の例としては、グリセリンおよびプロピレングリコールが挙げられる。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。液体エアロゾル形成基体は、水、溶媒、エタノール、植物抽出物、および天然風味または人工風味を含んでもよい。
【0052】
液体エアロゾル形成基体は、ニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンまたはプロピレングリコールであってもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンとプロピレングリコールの両方を含み得る。液体エアロゾル形成基体は、約0.5パーセント~約10パーセント、例えば、約2パーセントのニコチン濃度を有し得る。
【0053】
カートリッジは、カートリッジハウジングを含み得る。カートリッジハウジングは、ポリプロピレン(PP)またはポリエチレンテレフタラート(PET)などの成形可能プラスチック材料から形成され得る。カートリッジハウジングは、液体貯蔵区画の一方または両方の部分の壁の一部またはすべてを形成し得る。カートリッジハウジングおよび液体貯蔵区画は一体的に形成され得る。別の方法として、液体貯蔵区画はカートリッジハウジングと別個に形成され、カートリッジハウジングに組み立てられ得る。
【0054】
本開示の第四の態様によると、本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによる、本開示の第三の態様によるカートリッジを備えるエアロゾル発生システムが提供されている。エアロゾル発生システムはまた、カートリッジに取り外し可能に連結されるように配置されたエアロゾル発生装置を備える。エアロゾル発生装置は、発熱体に電力を供給するための電源を備える。
【0055】
エアロゾル発生装置は、電源から発熱体への電力の供給を制御するように構成された電気回路を備え得る。
【0056】
制御回路は、マイクロプロセッサを備えてもよい。マイクロプロセッサは、プログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または特定用途向け集積チップ(ASIC)もしくは制御を提供する能力を有する他の電子回路であってもよい。制御回路は、さらなる電子構成要素を備えてもよい。例えば、一部の実施形態において、制御回路は、センサー、スイッチ、ディスプレイ要素のいずれかを備えてもよい。電力はエアロゾル発生装置の起動に続いて発熱体に連続的に供給されてもよく、または断続的(例えば毎回の吸煙ごと)に供給され得る。電力は、例えばパルス幅変調(PWM)によって、電流パルスの形態で発熱体に供給され得る。
【0057】
電源はDC電源であり得る。電源は電池であり得る。電池は、リチウム系の電池、例えばリチウムコバルト電池、リチウム鉄リン酸塩電池、チタン酸リチウム電池、またはリチウムポリマー電池であり得る。電池はニッケル水素電池またはニッケルカドミウム電池であり得る。電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置であり得る。電源は再充電可能でもあり、数多くの充放電サイクルのために構成され得る。電源は、一回以上のユーザー体験のための十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有してもよく、例えば電源は従来の紙巻たばこ一本を喫煙するのにかかる典型的な時間に対応する約六分間、または六分間の倍数の時間の期間の間のエアロゾルの連続的な発生を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の例では、電源は所定の回数の吸煙、または発熱体の不連続的な起動を許容する十分な容量を有し得る。
【0058】
エアロゾル発生装置は、装置ハウジングを備えてもよい。装置ハウジングは、細長くてもよい。装置ハウジングは、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、もしくはこれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または食品もしくは医薬品用途に適切な熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンが挙げられる。好ましくは、材料は軽く、かつ脆くない。
【0059】
エアロゾル発生システムは、手持ち式エアロゾル発生システムであってもよい。エアロゾル発生システムは、ユーザーがマウスピースを吸煙し、口側端の開口部を通してエアロゾルを引き込むことを可能にするように構成された手持ち式エアロゾル発生システムであってもよい。エアロゾル発生システムは従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを有し得る。エアロゾル発生システムは、約30ミリメートル~約150ミリメートルの全長を有し得る。エアロゾル発生システムは、約5ミリメートル~約30ミリメートルの外径を有し得る。
【実施例
【0060】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供する。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記述される別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わせられてもよい。
【0061】
実施例1:
エアロゾル発生システム用の発熱体であって、発熱体がメッシュを含み、メッシュが、
第一の方向に延在する複数の第一のフィラメントであって、第一のフィラメントの各々が第一の端部および第二の端部を含む、複数の第一のフィラメント、
第二の方向に延在する複数の第二のフィラメントであって、第一の方向が第二の方向に対して垂直であり、第二のフィラメントの各々が第三の端部および第四の端部を含む、複数の第二のフィラメントを含み、
第一のフィラメントの第二の端部が、第二のフィラメントの第三の端部に電気的に接続される、発熱体。
実施例2:
第一のフィラメントの第二の端部と第二のフィラメントの第三の端部との間に延在する導電部分をさらに含む、実施例1に記載の発熱体。
実施例3:
第一のフィラメントが、第一の電気伝導率を有する第一の材料を含み、第二のフィラメントが、第二の電気伝導率を有する第二の材料を含み、導電部分が、第三の電気伝導率を有する第三の材料を含み、第三の電気伝導率が、第一の電気伝導率および第二の電気伝導率の両方よりも大きい、実施例2に記載の発熱体。
実施例4:
導電部分が、銅、亜鉛、ニッケル、スズ、銀、金、および白金のうちの少なくとも一つを含む、実施例2または3に記載の発熱体。
実施例5:
導電部分が、銀、金、および白金のうちの少なくとも一つを含む、実施例2または3に記載の発熱体。
実施例6:
導電部分が、銀、金、および白金のうちの少なくとも一つから形成される、実施例2または3に記載の発熱体。
実施例7:
第一のフィラメントの各々がステンレス鋼を含む、実施例1~6のいずれかに記載の発熱体。
実施例8:
第二のフィラメントの各々がステンレス鋼を含む、実施例1~7のいずれかに記載の発熱体。
実施例9:
メッシュが織られたメッシュである、実施例1~8のいずれかに記載の発熱体。
実施例10:
第一のフィラメントの各々が、約10マイクロメートル~約100マイクロメートルの幅または直径を有する、実施例1~9のいずれかに記載の発熱体。
【0062】
実施例11:
第一のフィラメントの各々が、約10マイクロメートル~約50マイクロメートルの幅または直径を有する、実施例1~10のいずれかに記載の発熱体。
実施例12:
第一のフィラメントの各々が、約12マイクロメートル~約25マイクロメートルの幅または直径を有する、実施例1~11のいずれかに記載の発熱体。
実施例13:
第二のフィラメントの各々が、約10マイクロメートル~約100マイクロメートルの幅または直径を有する、実施例1~12のいずれかに記載の発熱体。
実施例14:
第二のフィラメントの各々が、約10マイクロメートル~約50マイクロメートルの幅または直径を有する、実施例1~13のいずれかに記載の発熱体。
実施例15:
第二のフィラメントの各々が、約12マイクロメートル~約25マイクロメートルの幅または直径を有する、実施例1~14のいずれかに記載の発熱体。
実施例16:
エアロゾル発生システム用のヒーター組立品であって、ヒーター組立品が、
実施例1~15のいずれかに記載の発熱体、
第一のフィラメントのうちの少なくとも一つの第一の端部に接続された第一の電気接点、および
第二のフィラメントのうちの少なくとも一つの第四の端部に接続された第二の電気接点を備える、ヒーター組立品。
実施例17:
基体を貫通する開口を画定する基体をさらに備え、発熱体の少なくとも一部が開口を覆い、第一の電気接点および第二の電気接点の各々が基体上に提供される、実施例8に記載のヒーター組立品。
実施例18:
第一のフィラメントの第二の端部と第二のフィラメントの第三の端部の間に延在する導電部分をさらに含む、実施例9に記載のヒーター組立品。
実施例19:
導電部分が基体上に提供される、実施例10に記載のヒーター組立品。
実施例20:
液体エアロゾル形成基体を発熱体に運ぶための輸送材料をさらに含む、実施例8~11のいずれかに記載のヒーター組立品。
実施例21:
エアロゾル発生システム用のカートリッジであって、カートリッジが、
実施例8~12のいずれかに記載のヒーター組立品、および
液体エアロゾル形成基体を保持するための液体貯蔵区画を含む、カートリッジ。
実施例22:
エアロゾル発生システムであって、
実施例13に記載のカートリッジ、および
カートリッジに取り外し可能に連結されるように配置されるエアロゾル発生装置であって、電力を発熱体に供給するための電源を備えるエアロゾル発生装置を備える、エアロゾル発生システム。
ここで、以下の図を参照しながら実施例をさらに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1図1は、本開示の一実施例によるヒーター組立品の概略側面図である。
図2図2は、図1のヒーター組立品の概略上面図である。
図3図3は、カートリッジとエアロゾル発生装置を備える例示的エアロゾル発生システムの概略側面断面図である。
図4図4は、図3のエアロゾル発生システムの概略側面断面図であり、エアロゾル発生システムの長手方向軸の周りを90度回転したものである。
【発明を実施するための形態】
【0064】
図1および2を参照すると、発熱体11およびセラミック輸送材料14を備えるヒーター組立品10が示される。
【0065】
発熱体11は、基体13上に配置された導電性メッシュ12を含む。メッシュ12は織られており、第一の方向21に延びる複数の第一のフィラメント20、および第一の方向21に対して垂直な第二の方向23に延びる複数の第二のフィラメント22を含む。第一のフィラメント20の各々は、第一の端部24および第二の端部26を有する。第二のフィラメント22の各々は、第三の端部28および第四の端部30を有する。第一および第二のフィラメント20、22の各々は、ステンレス鋼から形成される。
【0066】
第一の電気接点32は、基体13上に配置され、第一のフィラメント20の第一の端部24に電気的に接続される。第二の電気接点34は、基体13上に配置され、第二のフィラメント22の第四の端部30に電気的に接続される。導電部分36は、基体13上に配置され、第一のフィラメント20の第二の端部26を第二のフィラメント22の第三の端部28に電気的に接続する。導電部分36は、第一のフィラメント20、第二のフィラメント22を形成するステンレス鋼の導電率よりも高い導電率を有する材料から形成される。例えば、導電部分36は、真鍮または銅から形成され得る。使用中、第一の電気接点32および第二の電気接点34にわたって電圧が印加され、導電部分36を介して第一のフィラメント20および第二のフィラメント22に電流を流す。
【0067】
図2に示す例では、第一の電気接点32はDC電源の正極端子に接続され、第二の電気接点34はDC電源の負極端子に接続される。結果として電流は、破線38によって図示されるように、第一のフィラメント20に沿って第一の電気接点32から導電部分36へ、第二のフィラメント22に沿って導電部分36から第二の電気接点34へ流れる。第一のフィラメント20および第二のフィラメント22を通って流れる電流は、メッシュ12を抵抗加熱する。有利には、導電部分36は、第一のフィラメント20および第二のフィラメント22の両方の長さに沿った抵抗加熱を促進する。
【0068】
当業者は、図2に図示した配置が例示に過ぎず、第一および第二の電気接点32、34の極性が逆転し得ることを理解するであろう。第一および第二の電気接点32、34をAC電源の反対の端子に電気的に接続することも可能である。
【0069】
セラミック輸送材料14は、基体13の開口15を介してメッシュ12と直接接触する。セラミック輸送材料14は、液体エアロゾル形成基体をメッシュ12に輸送するように配置される。複数の隙間16は、メッシュ12の第一および第二のフィラメント20、22の間に画定される。加熱中、気化したエアロゾル形成基体は、隙間16を介してヒーター組立品10から放出され、エアロゾルを生成する。
【0070】
図3は、エアロゾル発生システムの一実施例の概略断面図である。図4は、その長手方向軸の周りで90度回転したエアロゾル発生システムの同じ断面図を示す。
【0071】
エアロゾル発生システムは、二つの主構成要素、カートリッジ100およびエアロゾル発生装置200を備える。カートリッジ100の接続端115は、エアロゾル発生装置200の対応する接続端205に取り外し可能に接続されている。カートリッジ100の接続端115、およびエアロゾル発生装置200の接続端205はそれぞれ、カートリッジ100とエアロゾル発生装置200の間の電気的接続を提供するために協働するように配設されている電気接点または接続(図示せず)を有する。エアロゾル発生装置200は、この実施例では、再充電可能リチウムイオン電池である電池の形態の電源210、および制御回路220を含有する。エアロゾル発生システムは携帯型であり、従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを有する。マウスピース125は、カートリッジ100の接続端115と反対側の端に配設されている。
【0072】
カートリッジ100は、図1および2のヒーター組立品10と、第一の貯蔵部分130および第二の貯蔵部分135を有する液体貯蔵区画を含むカートリッジハウジング105を備える。液体エアロゾル形成基体は液体貯蔵区画の中に保持されている。図4に示す通り、液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分130は、第一の貯蔵部分130の環状部品によって液体貯蔵区画の第二の貯蔵部分135に接続される。したがって、第一の貯蔵部分130の液体エアロゾル形成基体は、第二の貯蔵部分135を通過することができる。ヒーター組立品10は、液体貯蔵区画の第二の貯蔵部分135から液体を受容する。ヒーター組立品10のセラミック輸送材料14の少なくとも一部分は、液体貯蔵区画の第二の貯蔵部分135内に延在し、その中の液体エアロゾル形成基体と接触する。
【0073】
気流通路140、145は、カートリッジハウジング105の側面に形成された空気吸込み口150からヒーター組立品10のメッシュ12を通過し、ヒーター組立品10から、接続端115と反対のカートリッジ100の端にてカートリッジハウジング105の中に形成されたマウスピース開口部110に、カートリッジ100を通って延びる。
【0074】
カートリッジ100の構成要素は、液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分130が、ヒーター組立品10とマウスピース開口部110との間にあり、そして液体貯蔵区画の第二の貯蔵部分135が、マウスピース開口部110と反対側のヒーター組立品10の側面に位置付けられるように配設されている。言い換えれば、ヒーター組立品10は、液体貯蔵区画の第一および第二の部分130、135の間に置かれ、液体を第二の貯蔵部分135から受容する。液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分130は、液体貯蔵区画の第二の貯蔵部分135よりもマウスピース開口部110に近い。気流通路140、145は、ヒーター組立品10のメッシュ12を通過し、液体貯蔵区画の第一の部分130と第二の部分135との間に延びる。
【0075】
エアロゾル発生システムは、ユーザーがカートリッジのマウスピース125を吸煙または引き出して、エアロゾルを自分の口の中にマウスピース開口部110を通じて引き込むことができるように構成されている。動作時、ユーザーがマウスピース125を吸煙する時に、空気は空気吸込み口150から気流通路140、145を通って、ヒーター組立品10を通り過ぎて、マウスピース開口部110に引き込まれる。制御回路220は、システムが起動された時に、電源210からカートリッジ100への電力の供給を制御する。これは結果として、ヒーター組立品10によって生成されるベイパーの量および特性を制御する。制御回路220は気流センサー(図示せず)を含んでもよく、また制御回路220は、ユーザーによる吸煙が気流センサーによって検出された時に、ヒーター組立品10に電力を供給してもよい。このタイプの制御配設は、吸入器およびeシガレットなどのエアロゾル発生システムで良好に確立される。ユーザーがカートリッジ100のマウスピース開口部110を吸煙する時、ヒーター組立品10が起動されて、気流通路140を通過する気流中に同伴されるベイパーを発生する。ペイパーは通路145の中の気流内で冷めてエアロゾルを形成し、次いでこれはマウスピース開口部110を通してユーザーの口の中に引き出される。
【0076】
動作時、マウスピース開口部110は典型的に、システムの最高点である。カートリッジ100の構築、および特に液体貯蔵区画の第一の貯蔵部分130と第二の貯蔵部分135との間のヒーター組立品10の配設は、液体貯蔵区画が空になり始めた時に重力を活用して液体エアロゾル形成基体がヒーター組立品10に送達されることを確実にし、それでも気流通路140の中への液体の漏れにつながる場合があるヒーター組立品10への液体の過剰供給を防止するため有利である。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】