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特表2023-541303軌道工事機械および軌道の下を突き固める方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-29
(54)【発明の名称】軌道工事機械および軌道の下を突き固める方法
(51)【国際特許分類】
   E01B 27/17 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
E01B27/17
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517411
(86)(22)【出願日】2021-08-31
(85)【翻訳文提出日】2023-03-15
(86)【国際出願番号】 EP2021073946
(87)【国際公開番号】W WO2022058154
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】A50786/2020
(32)【優先日】2020-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514318345
【氏名又は名称】プラッサー ウント トイラー エクスポート フォン バーンバウマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Plasser & Theurer, Export von Bahnbaumaschinen, Gesellschaft m.b.H.
【住所又は居所原語表記】Johannesgasse 3, A-1010 Wien, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヨーゼフ ホーフシュテッター
(72)【発明者】
【氏名】ハインツ シュプリンガー
【テーマコード(参考)】
2D057
【Fターム(参考)】
2D057AB17
2D057AB22
2D057AB24
2D057BA33
(57)【要約】
本発明は、軌道(4)の道床に敷設されたまくらぎ(15)の下を突き固めるための軌道工事機械(1)であって、レール走行装置(3)で移動可能な機械フレーム(2)と、軌道位置修正用の軌道こう上・整正装置(10)と、機械長手方向軸線(39)の方向に相前後して配置された、互いに独立した2つのまくらぎ1丁突き突固め装置(8,9)とを有しており、各突固め装置(8,9)は、高さ方向駆動装置(22)を介して高さ調節可能でありかつ機械横方向(38)において横方向駆動装置を介して水平移動可能な、互いに独立した少なくとも4つの突固めユニット(16)を有しており、各突固めユニット(16)は、少なくとも1つのツール支持体(18)を有しており、ツール支持体(18)には、それぞれ対向して位置する突固めツール(17)が支持されておりかつ振動駆動装置(19)を介して連結されている、軌道工事機械(1)に関する。2つの突固め装置(8,9)のうちの一方は、ポイント突固め装置として形成されており、これにより、付属の突固めユニット(16)は、互いに独立した3つの横方向ガイド装置(25,26,27)から成る移動装置(23)を介して、機械長手方向軸線(39)を基準として、機械フレーム(2)に対してまたは機械長手方向軸線(39)に沿って移動可能なサテライトフレーム(7)に対して横方向外側に移動可能に支持されかつ位置決め可能であり、他方の突固め装置は、軌道突固め装置として形成されており、これにより、付属の突固めユニット(16)は、1つの移動装置(24)のみを介して横方向移動可能に支持されかつ位置決め可能であることが想定されている。これにより、軌道処理および/またはポイント処理における機械の性能ひいては突固め能力が向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道(4)の道床に敷設されたまくらぎ(15)の下を突き固めるための軌道工事機械(1)であって、レール走行装置(3)で移動可能な機械フレーム(2)と、軌道位置修正用の軌道こう上・整正装置(10)と、機械長手方向軸線(39)の方向に相前後して配置された、互いに独立した2つのまくらぎ1丁突き突固め装置(8,9)とを有しており、各突固め装置(8,9)は、高さ方向駆動装置(22)を介して高さ調節可能でありかつ機械横方向(38)において横方向駆動装置を介して水平移動可能な、互いに独立した少なくとも4つの突固めユニット(16)を有しており、各突固めユニット(16)は、少なくとも1つのツール支持体(18)を有しており、該ツール支持体(18)には、それぞれ対向して位置する突固めツール(17)が支持されておりかつ振動駆動装置(19)を介して連結されている、軌道工事機械(1)において、
2つの前記突固め装置(8,9)のうちの一方は、ポイント突固め装置として形成されており、これにより、付属の前記突固めユニット(16)は、互いに独立した3つの横方向ガイド装置(25,26,27)から成る移動装置(23)を介して、前記機械長手方向軸線(39)を基準として、前記機械フレーム(2)に対してまたは前記機械長手方向軸線(39)に沿って移動可能なサテライトフレーム(7)に対して横方向外側に移動可能に支持されかつ位置決め可能であり、他方の前記突固め装置は、軌道突固め装置として形成されており、これにより、付属の前記突固めユニット(16)は、1つの移動装置(24)のみを介して横方向移動に支持されかつ位置決め可能であることを特徴とする、軌道工事機械(1)。
【請求項2】
前記ポイント突固め装置の前記突固めユニット(16)は、第1の横方向ガイド装置(25)の第1の横方向ガイド(28)において横方向移動可能であり、前記第1の横方向ガイド装置(25)は、第2の横方向ガイド装置(26)の第2の横方向ガイド(30)において横方向移動可能であり、前記第2の横方向ガイド装置(26)は、第3の横方向ガイド装置(27)の第3の横方向ガイド(31)において、前記機械フレーム(2)または前記サテライトフレーム(7)に対して横方向に移動可能である、請求項1記載の機械(1)。
【請求項3】
作業方向(13)に見て前方の前記突固め装置(8)が、ポイント突固め装置として形成されている、請求項1または2記載の機械(1)。
【請求項4】
2つの前記突固め装置(8,9)は、前記機械長手方向軸線(39)の方向に相前後して配置されており、相前後して配置された全ての前記突固めツール(17)は、ニュートラルな沈下位置において互いにほぼ同じ間隔(d)を有している、請求項1または3記載の機械(1)。
【請求項5】
ポイント突固め装置としては形成されていない第2の前記突固め装置は、前記機械長手方向軸線(39)の方向において、長手方向移動装置(45)により移動可能に支持されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の機械(1)。
【請求項6】
傾倒防止手段として働く機械的な装置(54)が、当該機械(1)の両方の軌道外側において、それぞれ少なくとも1つの前記レール走行装置(3)に取り付けられており、前記装置(54)は、レール頭部の周面に係合する旋回可能な転動体(55)を有しており、該転動体(55)は、回転軸線(56)を中心として旋回可能である、請求項1から5までのいずれか1項記載の機械(1)。
【請求項7】
前記機械フレーム(2)または代替的には該機械フレーム(2)に対して前記機械長手方向軸線(39)の方向に移動可能な前記サテライトフレーム(7)に、補助こう上装置(11)が配置されており、前記軌道こう上・整正装置(10)のこう上点と、前記軌道突固め装置(9)の突固め軸線(42)との間の間隔は、前記補助こう上装置(11)のこう上点と、前記ポイント突固め装置(8)の突固め軸線(41)との間の間隔にほぼ等しい、請求項1から6までのいずれか1項記載の機械(1)。
【請求項8】
少なくとも1つの前記突固め装置(8,9)の前記突固めツール(17)は、ほぼ前記機械長手方向軸線(39)の方向に延びる軸線(44)を中心として旋回可能に支持されておりかつ旋回駆動装置(43)により位置決め可能である、請求項1から7までのいずれか1項記載の機械(1)。
【請求項9】
2つの前記突固め装置(8,9)は、モジュール式に、かつ前記突固めツール(17)の運動学的かつ幾何学的な配置または支持に関して、それぞれの突固め軸線(41,42)に対して対称に構成されている、請求項1から8までのいずれか1項記載の機械(1)。
【請求項10】
少なくとも1つの前記突固め装置(8,9)の前記突固めツール(17)は、前記道床中への沈降前に、締込み駆動装置(19)の的確な制御により、互いに独立してその傾斜位置に変位可能である、請求項1から9までのいずれか1項記載の機械(1)。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項記載の機械(1)により軌道(4)の下を突き固める方法において、
前記ポイント突固め装置の前記突固めユニット(16)と、前記軌道突固め装置の前記突固めユニット(16)とを、対応して配置された各横方向駆動装置により機械横方向(38)において互いに調整して位置決めし、その際に、全ての前記横方向駆動装置を、1つの共通の制御装置(50)により制御することを特徴とする、方法。
【請求項12】
前記ポイント突固め装置の前記突固めユニット(16)を、それぞれ対応して配置された前記各横方向駆動装置により、前記第1の横方向ガイド装置(25)に対して横方向に移動させ、前記第2の横方向ガイド装置(26)を、対応して配置された横方向駆動装置により、前記第3の横方向ガイド装置(27)に対して横方向に移動させ、該第3の横方向ガイド装置(27)を、対応して配置された横方向駆動装置(35)により、前記機械フレーム(2)または前記サテライトフレーム(7)に対して横方向に移動させる、請求項11記載の方法。
【請求項13】
いわゆる非周期的な作業方式において、1回の突固めサイクルを、以下の連続する作業ステップ、すなわち:
-最初に全ての前記突固めユニット(16)を沈降させ、締め込み、戻し、かつ持ち上げて、2丁のまくらぎ(15)の下を同時に突き固める、
-前記突固め装置(8,9)を、それぞれまくらぎ間隔(S)の分だけ前進させる、
-全ての突固めユニット(16)を沈降させ、締め込み、戻し、かつ持ち上げて、次の2丁のまくらぎ(15)の下を突き固める、
-前記突固め装置(8,9)を、それぞれまくらぎ間隔の3倍(3・S)の分だけ前進させる
ステップでもって実施し、
軌道領域内に障害物がある場合には、それぞれ該障害物の上に位置決めされた前記突固めユニット(16)を沈降させない、
請求項11または12記載の方法。
【請求項14】
いわゆる周期的な作業方式において、ポイント範囲内では1回の突固めサイクルを、以下の連続する作業ステップ、すなわち:
-全ての前記突固めユニット(16)を沈降させ、締め込み、戻し、かつ持ち上げて、2丁のまくらぎ(15)の下を同時に突き固める、
-前記突固め装置(8,9)を、それぞれまくらぎ間隔(S)の分だけ前進させる、
-全ての前記突固めユニット(16)を沈降させ、締め込み、戻し、かつ持ち上げて、次の2丁のまくらぎ(15)の下を突き固める
ステップでもって実施し、
前記ポイント突固め装置の前記突固めユニット(16)を、作業方向(13)に前進させる際に、機械横方向(38)に増大して張り出す移動により、2本の分岐する軌道レールにわたり位置決めし、その際に、各横方向ガイドユニット(25,26,27)に対応して配置された各横方向駆動装置を共通の制御装置(50)により制御し、軌道領域内に障害物がある場合には、それぞれ該障害物の上に位置決めされた前記突固めユニット(16)を沈降させない、
請求項11または12記載の方法。
【請求項15】
Y型まくらぎ(51)の下を突き固めるために、各前記突固め装置(8,9)の突固め軸線(41,42)の間の間隔を、前記Y型まくらぎ(51)の既存の実際寸法(SY)に調整し、周期的な作業方式において1回の突固めサイクルを、以下の連続する作業ステップ、すなわち:
-1つの前記突固め装置(8,9)につき、該突固め装置(8,9)毎に1つの突固め群(T1)にまとめられ、前記機械長手方向軸線(39)の左右に1つずつ前記突固め群(T1)が位置決めされた最大8つの突固めツール(17)を備える2つの突固めユニット(16)だけを作動させる、
-作動させた4つの前記突固めユニット(16)を含む2つの前記突固め群(T1)を沈降させ、締め込み、戻し、かつ持ち上げることにより、第1のY型まくらぎ(51)の左側部分(52)の下と、第2のY型まくらぎ(51)の右側部分(53)の下とを同時に突き固める、
-前記突固め装置(8,9)を、それぞれ前記Y型まくらぎ(51)の歩幅(FY)の分だけ前進させる
ステップでもって実施し、
軌道領域内に障害物がある場合には、それぞれ該障害物の上に位置決めされた前記突固めユニット(16)を沈降させない、
請求項11または12記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道の道床に敷設されたまくらぎの下を突き固めるための軌道工事機械であって、レール走行装置で移動可能な機械フレームと、軌道位置修正用の軌道こう上・整正装置と、機械長手方向軸線の方向に相前後して配置された、互いに独立した2つのまくらぎ1丁突き突固め装置とを有しており、各突固め装置は、高さ方向駆動装置を介して高さ調節可能でありかつ機械横方向において横方向駆動装置を介して水平移動可能な、互いに独立した少なくとも4つの突固めユニットを有しており、各突固めユニットは、少なくとも1つのツール支持体を有しており、ツール支持体には、それぞれ対向して位置する突固めツールが支持されておりかつ振動駆動装置を介して連結されている、軌道工事機械に関する。さらに本発明は、この機械を運転する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
軌道における車両の通過トン数は、道床の沈下を招く。その結果生じる軌道位置誤差は、車両と走行路との相互作用への影響力を増大させる。軌道の耐用期間を向上させるために、軌道は、相応に品質が損なわれた場合にはその位置を修正して突き固める必要がある。このために複数の形式の突固め装置が存在する。これらは異なる用途の要求に拠る。この場合、作業プロセスは、主に軌道突固めとポイント突固めとに区別される。当業者が、通常の軌道延在部の下を突き固める場合には軌道突固めと云うのに対し、ポイント突固めの場合には、ポイント範囲における可能な限り良好で経済的な仕上げおよび下方突固めが要求される。突固め性能に対する要求を満たすためには、比較的小型の機械におけるまくらぎ1丁突き突固め装置の他に、大型機械における高性能のまくらぎ多丁突き突固め装置も使用される。ますます需要が高まっているのは、その多目的装備により開放軌道上でもポイント範囲内でも使用されるユニバーサル突固め機械である。これらの機械は、運転者に使用中の高度なフレキシビリティを提供する。ポイントは、とりわけ軌道領域の多数の障害物と、4本のレール全ての下に一貫して延びる長尺まくらぎとに基づき、特別な挑戦を意味する。一般に長尺まくらぎは、ポイント工事において、予め製造されたユニットを迅速にかつすぐに取り付けられる状態で工事現場に搬送できるようにするために使用される。
【0003】
しかしながら目下、ポイントにおいて、3本のレールこう上と組み合わせたいわゆる4本のレール突固めは、装置に必要とされる横方向張出しと、これにより機械に作用する負荷とに関して、限定的にのみ適用可能である。通常、このために使用されることを想定された突固め機械は、4本のレール全てを徐々に仕上げることができるようにするために、ポイント内で作業方向とは反対に後退させる必要がある。最高品質の軌道は、長尺まくらぎのこう上と下方突固めとが同時に1回の作業ステップで行われることにより、初めて達成することができる。
【0004】
欧州特許出願公開第0564433号明細書には、2丁の隣り合うまくらぎの下を同時に突き固めるための、振動駆動装置により締込み可能な突固めピッケルを備えた突固めツールを有するまくらぎ2丁突き突固め装置が設けられた、軌道の下を突き固めるための突固め機械が記載されている。この文献は、図7に基づき、移動可能な支持手段によりポイント処理も可能にしようとする突固め装置の改良を挙げている。この場合は突固めユニットが、中間フレームを介してガイドユニットにおいて機械フレームに対して移動可能に支持されており、かつ追加的に鉛直方向軸線を介して回転可能に構成されている。機械の後退無しで、装置の限定的な小さな横方向移動によっては、連続的なポイント処理ひいては長尺まくらぎの取扱いは不可能である。さらに、このまくらぎ2丁装置の構造の場合には、突固めプロセス中に装置をバラスト内に沈降させる際に、各2列の突固めツールが同一のまくらぎ中間ポケット内に沈下する。その結果、高い侵入抵抗ならびに人間と機械とに対して極めて大きな負荷が生じる。これにより、突固め装置と道床自体とに重大な摩耗が生じ、耐用年数が大幅に減少することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の根底を成す課題は、冒頭で述べた形式の軌道工事機械を、従来技術に比べて改良し、これにより、軌道処理および/またはポイント処理における機械の性能ひいては突固め能力を向上させると共に、追加的にバラストおよび突固めツールの耐用年数の向上を達成することにある。さらに、オペレータおよび装置へのより低い負荷が達成されることが望ましい。その上さらに、改良された機械を用いて実施される、軌道を処理する方法が提供されることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明により、これらの課題は独立請求項1記載の特徴を備えた機械および独立請求項11記載の特徴に基づく方法によって解決される。従属請求項には、本発明の有利な構成が記載されている。
【0007】
この場合、2つの突固め装置のうちの一方は、ポイント突固め装置として形成されており、これにより、付属の突固めユニットは、互いに独立した3つの横方向ガイド装置から成る移動装置を介して、機械長手方向軸線を基準として、機械フレームに対してまたは機械長手方向軸線に沿って移動可能なサテライトフレームに対して横方向外側に移動可能に支持されかつ位置決め可能であり、他方の突固め装置は、軌道突固め装置として形成されており、これにより、付属の突固めユニットは、1つの移動装置のみを介して横方向移動可能に支持されかつ位置決め可能であることが想定されている。この、多重のガイドレベルにわたり拡張されて実施される突固め装置の横方向移動により、一般的なポイント延在部に関して、機械を作業方向とは反対の方向に後退させること無しに、ポイント延在部全体の下方突固めが可能になる。これは特に、長尺まくらぎの場合でも、軌道こう上・整正装置により軌道を実際位置から目標位置へこう上・整正した後の完全な仕上げを可能にする。この場合、ポイント突固め装置は、機械長手方向軸線に対する横方向移動により、2つの分岐レールの軌道延在部に追従する。軌道突固め装置も横方向移動可能であり、軌道曲線部では1回の移動で突固めユニットが軌道延在部に対応するように位置調整可能である。ポイント範囲以外の開放軌道上では、最大突固め能力を達成するために両方の突固め装置を使用することが想定されている。
【0008】
1つの構成では、ポイント突固め装置の突固めユニットは、第1の横方向ガイド装置の第1の横方向ガイドにおいて横方向移動可能であり、第1の横方向ガイド装置は、第2の横方向ガイド装置の第2の横方向ガイドにおいて横方向移動可能であり、第2の横方向ガイド装置は、第3の横方向ガイド装置の第3の横方向ガイドにおいて、機械フレームまたはサテライトフレームに対して横方向に移動可能であることを想定している。3つのガイドレベルにおける塊状での安定した移動は、突固めユニットの確実な支持ひいては突固めツールの道床中への昇降による力に基づく極めて大きなモーメントの吸収をもたらす。
【0009】
作業方向に見て前方の突固め装置がポイント突固め装置として形成されていると、有利である。この幾何学的な配置は、ポイント内で軌道の主レールから分岐する副レールにおける、下方を突き固められるべき各まくらぎと補助こう上装置のこう上点との間を最小間隔にする。補助こう上装置は、一般にこう上・整正装置の前方に配置されている。この配置も、機械オペレータに作業室から作業プロセスに対する可能な限り最良の眺望を提供し、これにより実質的に、エラー条件ひいては軌道設備に生じ得る損傷の確率の低下と同時に高い操作快適性に寄与する。この場合、2つの突固め装置が機械長手方向軸線の方向に相前後して配置されており、相前後して配置された全ての突固めツールが、ニュートラルな沈下位置において互いにほぼ同じ間隔を有していると、特に有利である。よって、2つのまくらぎ1丁突き突固め装置の突固め軸線は、機械長手方向軸線の方向に、まくらぎ間隔のほぼ2倍の間隔をあけて配置されている。これにより、2丁のまくらぎの間の、バラストが充填されるスペースであるまくらぎ中間ポケット内には、各1列の突固めツールのみが沈降させられる。この場合、1列の突固めツールとは、概念的に、機械横方向の1つの仮想軸線上に相並んで配置された複数の突固めツールをまとめたものである。よって、1つの突固め装置は、突固めプロセスにおいて振動駆動装置により相対して締め込まれてまくらぎの下のバラストの締固めを生ぜしめる各2列の突固めツールを有している。一般的な装置では2列の突固めツールが1つのまくらぎ中間ポケット内に沈下するのに対して、この構成ではまくらぎ中間ポケット毎に1列の突固めツールのみが沈降させられる。これにより、突固めツールに対する侵入抵抗と同時に、機械に対する高負荷や伝達される振動が大幅に低下する。作業員の身体的な負担の大幅な軽減も際立っている。機械コンポーネントの少ない摩耗の他に、道床も保護される。したがっていずれにしろ、2列の突固めツールによって1つのまくらぎ中間ポケット内に生じる粉砕作用は廃れている。さらにこの場合、バラスト粒が2列の突固めツールのピッケルの背面の間の領域に到達し、そこで互いに作用し合う振動動作によって粉砕される。この場合、この粉砕により、突固め動作の度に平均粒径の望ましくない減少が生じることになる。バラストの保護の達成は、道床全体の耐用年数をより長くする。さらに、まくらぎ中間ポケット毎に1列の突固めツールの場合には、突固めツール動作のための、より広いフリースペースが存在し、これにより、より大きな締込み行程が可能である。その結果、改良された締固めひいてはより高品質の軌道状態が達成される。
【0010】
ポイント突固め装置としては形成されていない第2の突固め装置が、機械長手方向軸線の方向において、長手方向移動装置により移動可能に支持されていると有利である。これにより、突固めツールの位置を変えること無しに、異なるまくらぎ間隔に対する簡単かつ迅速な適合が可能である。運転者に、特にフレキシブルな機械使用が提供される。突固めツールの、まくらぎ間隔の2倍の間隔をあけて相前後して配置された突固め軸線の既に上述した利点との組合せにおいて、Y型まくらぎの快適な処理が可能である。手間のかかる調節または装備組換え作業は不要である。Y型まくらぎの下を突き固めるためには、前方の突固め装置の2つの突固めユニットによって一方のレールが突き固められ、その後ろに位置決めされた突固め装置によって他方のレールが突き固められる。
【0011】
1つの改良では、傾倒防止手段として働く機械的な装置が、機械の両方の軌道外側において、それぞれ少なくとも1つのレール走行装置に取り付けられていることが想定されており、この場合、これらの装置は、レール頭部の周面に係合する旋回可能な転動体を有しており、転動体は、回転軸線を中心として旋回可能である。突固め装置の大きな横方向移動距離に基づき、全体の重心の、機械中心軸線から外側への移動が生じることになる。この場合、傾倒防止手段により、あらゆる作業状態において、過剰な高さの傾斜した軌道状態でも安全な運転が可能である。
【0012】
また、1つの構成は、補助こう上装置が、機械フレームまたは代替的には機械フレームに対して機械長手方向軸線の方向に移動可能なサテライトフレームに配置されており、軌道こう上・整正装置のこう上点と、軌道突固め装置の突固め軸線との間の間隔は、補助こう上装置のこう上点と、ポイント突固め装置の突固め軸線との間の間隔にほぼ等しいことを想定している。これら2つの間隔の統一は、こう上・整正プロセスにおいて曲線理論に基づき、軌道の弾性的な曲げ特性をほぼ同一にする。
【0013】
さらに、少なくとも1つの突固め装置の突固めツールが、ほぼ機械長手方向軸線の方向に延びる軸線を中心として旋回可能に支持されておりかつ旋回駆動装置により位置決め可能であると、有利である。軌道本体に障害物がある場合や、ポイント範囲内の作業条件が狭く限定的な場合には、突固めツールを旋回させることにより、その時々の状況に適合させることができる。これに伴い、個々の突固めツール全てを非作動状態にすることが可能であるが、関連する軌道範囲の部分の下だけを突き固めることも可能である。
【0014】
1つの態様は、2つの突固め装置が、モジュール式に、かつ突固めツールの運動学的かつ幾何学的な配置または支持に関して、それぞれの突固め軸線に対して対称に構成されていることを想定している。この場合、突固め軸線は、軌道の縦断面図において、処理されるべきまくらぎの鉛直方向の中心軸線を表す。その結果、慣性力が小さくなると同時に振動が低下し、ひいては突固め装置の全てのコンポーネント、特に転がり軸受および滑り軸受に対する負荷がより低くなる。耐用年数が延長される他に、モジュール式で対称の構成により、使用部品数が減ると共に、交換部品保持および調達の手間が最小に減少することになる。これにより、保守作業をより小さな手間で、より短時間に実現可能である。さらに、振動が低下すると、作業現場での作業員の顕著な快適性の獲得を際立たせることができる。
【0015】
本発明の別の構成では、少なくとも1つの突固め装置の突固めツールは、道床中への沈降前に、締込み駆動装置の的確な制御により、互いに独立してその傾斜位置に変位可能であることが想定されている。これにより、ポイント範囲内で斜めに位置するまくらぎのところでは、突固めツールの適合を迅速かつ簡単に実現することができる。突固めユニットまたは突固め装置全体の手間のかかる高価な回動装置は不要である。
【0016】
本発明による、機械を運転する方法では、ポイント突固め装置の突固めユニットと、軌道突固め装置の突固めユニットとを、対応して配置された各横方向駆動装置により機械横方向において互いに調整して位置決めし、その際に、全ての横方向駆動装置を、1つの共通の制御装置により制御する。これにより、軌道延在部に合わせた、突固めユニットの最適な調整および位置合わせが行われる。これにより、特にポイント範囲において、迅速でオペレータに優しい作業が保証されている。
【0017】
この場合、有利には、ポイント突固め装置の突固めユニットを、それぞれ対応して配置された横方向駆動装置により、第1の横方向ガイド装置に対して横方向に移動させ、第2の横方向ガイド装置を、対応して配置された横方向駆動装置により、第3の横方向ガイド装置に対して横方向に移動させ、第3の横方向ガイド装置を、対応して配置された横方向駆動装置により、機械フレームまたはサテライトフレームに対して横方向に移動させる。互いに独立して制御可能な複数の横方向ガイド装置は、制御装置との組合せにおいてフレキシブルな操作・調整モードを提供し、作業員による手動操作の他に、支援運転、半自動運転または全自動運転をも想定したものである。
【0018】
本発明の1つの態様は、いわゆる非周期的な作業方式において、1回の突固めサイクルを、以下の連続する作業ステップ、すなわち:
-最初に全ての突固めユニットを沈降させ、締め込み、戻し、かつ持ち上げて、2丁のまくらぎの下を同時に突き固める、
-突固め装置を、それぞれまくらぎ間隔の分だけ前進させる、
-全ての突固めユニットを沈降させ、締め込み、戻し、かつ持ち上げて、次の2丁のまくらぎの下を突き固める、
-突固め装置を、それぞれまくらぎ間隔の3倍の分だけ前進させる
ステップでもって実施し、軌道領域内に障害物がある場合には、それぞれ障害物の上に位置決めされた突固めユニットを沈降させないことを想定している。これらの作業ステップは、まくらぎ中間ポケット毎に1列の突固めツールだけが沈下するという利点の他に、開放軌道上での突固め機械の運転を特に効率的にする。
【0019】
1つの別の態様では、いわゆる周期的な作業方式において、ポイント範囲内では1回の突固めサイクルを、以下の連続する作業ステップ、すなわち:
-全ての突固めユニットを沈降させ、締め込み、戻し、かつ持ち上げて、2丁のまくらぎの下を同時に突き固める、
-突固め装置を、それぞれまくらぎ間隔の分だけ前進させる、
-全ての突固めユニットを沈降させ、締め込み、戻し、かつ持ち上げて、次の2丁のまくらぎの下を突き固める
ステップでもって実施する。さらに、ポイント突固め装置の突固めユニットを、作業方向に前進させる際に、機械横方向に増大して張り出す移動により、2本の分岐する軌道レールにわたり位置決めし、その際に、各横方向ガイドユニットに対応して配置された横方向駆動装置を共通の制御装置により制御し、軌道領域内に障害物がある場合には、それぞれ障害物の上に位置決めされた突固めユニットを沈降させない。これらの作業ステップは、ポイント範囲の、作業方向に連続した効率的な仕上げという点において優れている。
【0020】
さらに、この方法の改良は、Y型まくらぎの下を突き固めるために、各突固め装置の突固め軸線の間の間隔を、Y型まくらぎの既存の実際寸法に調整し、周期的な作業方式において1回の突固めサイクルを以下の連続する作業ステップ、すなわち:
-1つの突固め装置につき、突固め装置毎に1つの突固め群にまとめられ、機械長手方向軸線の左右に1つずつ突固め群が位置決めされた最大8つの突固めツールを備える2つの突固めユニットだけを作動させる、
-作動させた4つの突固めユニットを含む2つの突固め群を沈降させ、締め込み、戻し、かつ持ち上げることにより、第1のY型まくらぎの左側部分の下と、第2のY型まくらぎの右側部分の下とをそれぞれ同時に突き固める、
-突固め装置を、それぞれY型まくらぎの歩幅の分だけ前進させる
ステップでもって実施することを想定している。さらに、軌道領域内に障害物がある場合には、それぞれ障害物の上に位置決めされた突固めユニットを沈降させない。これにより、機械の多様な使用の可能性が追加的に広げられる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
以下に、添付の図面を参照して本発明を例示的に説明する。
図1】軌道を処理するための軌道工事機械を概略的に示す側面図である。
図2図1に示した軌道工事機械の突固め装置の一部を概略的に示す拡大図である。
図3】ポイント処理における、図2に示した断面A-Aを概略的に示す図である。
図4】ポイント処理における、図2に示した断面B-Bを概略的に示す図である。
図5図2に示した突固め装置の一部をY型まくらぎと共に概略的に示す拡大図である。
図6図5に示した装置の突固め画像をY型まくらぎと共に上から見たところを概略的に示す図である。
図7】傾倒防止補助装置を概略的に示す正面図および側面図である。
図8】傾倒防止補助装置を概略的に示す等角投影図である。
図9】非周期的な作業方式による方法の突固めパターンを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1には、軌道4の道床に支持されたまくらぎ15の下を突き固めるように形成された軌道工事機械1が示されている。軌道4とは一般に、レール14と、まくらぎ15と、上部構造と、バラストと、ポイント部分と、架線装置と、信号装置とから成る全体を意味する。機械1は、レール走行装置3に支持された、移動可能な機械フレーム2を有している。機械フレーム2には、機械長手方向軸線39の方向に移動可能なサテライトフレーム7が支持されており、サテライトフレーム7には相前後して2つの突固め装置8,9が取り付けられている。機械1のより簡単な実施形態(図示せず)において、非連続作業式の軌道突固め機械の場合には、サテライトフレーム7は省かれている。この場合、突固め装置8,9は、機械フレーム2に取り付けられている。
【0023】
さらに機械1は、レール14とまくらぎ15とから形成される軌道格子をこう上しかつ整正するためのこう上・整正装置10を有している。水準測量・整正関連システム12によって目下のレール状態または軌道状態が検出され、この場合は各1つの付属の測定装置が、最前方の突固めユニット8の直前と、機械1の前方領域と後方領域とに位置決めされている。ポイントを処理するために、補助こう上装置11が、こう上・整正装置10の直近に取り付けられている。これによりポイントでは、軌道4の主レールから分岐するレールが、追加的なこう上点に基づき操作される。
【0024】
端面側には運転室5が配置されており、突固め装置8,9に隣接する領域には両側に各1つのオペレータ室6が配置されている。オペレータ室6からは少なくとも1人のオペレータが、突固め装置8,9と、こう上・整正装置10と、補助こう上装置11とを広く見渡しながら、全ての作業プロセスを制御しかつ/または監視する。追加的に、ビデオシステム(図示せず)が配置されている。これにより、軌道4ならびに作業装置の位置および状態が検出されかつ監視される。自動化度に応じて、一方または両方のオペレータ室6を省くこともできる。全ての進行の制御、調整および監視のために、機械フレーム2には制御装置50が取り付けられている。この制御装置50は、計算ユニットとマスタコンピュータとを有している。
【0025】
図2には、図1に示した機械1の突固め装置8,9の一部の拡大図が示されている。サテライトフレーム7において作業方向13に見て前方の位置はポイント突固め装置8が占めており、その後方に並んで軌道突固め装置9が続いている。2つの突固め装置8,9は、まくらぎ1丁突き突固め装置として形成されており、これにより、各突固め動作毎かつ各突固め装置毎に1丁のまくらぎ15を処理することができるようになっている。
【0026】
2つの突固め装置8,9はそれぞれ、機械横方向38に配置された、互いに独立して使用可能な4つの突固めユニット16から形成される。これらの突固めユニット16は、高さ方向駆動装置22を介して高さ調節可能にガイドコラム21に支持されていると共に、機械横方向38では横方向駆動装置を介して水平移動可能である。これらの横方向駆動装置は、より見やすくする理由から図示されていない。各突固めユニット16はツール支持体18を有しており、ツール支持体18はそれぞれ、1つの振動駆動装置19(例えば偏心体駆動装置)を介して連結されている。ツール支持体18には、それぞれ対向して位置する突固めツール17が支持されており、突固めツール17は、いわゆる突固めピッケルとして形成されている。
【0027】
振動駆動装置19の構成部材は、液圧式のリニアアクチュエータであり、これらの液圧式のリニアアクチュエータは、ツール支持体18相互の締込み動作をもたらす。振動駆動装置19の振動振幅が重なるこの締込み動作は、まくらぎ15の下のバラストの締固めを可能にする。代替的な態様(図示せず)では、ツール支持体18と各突固めツール17との間に液圧シリンダが配置されており、液圧シリンダは、振動駆動装置としても、締込み駆動装置としても構成されている。振動発生のために、液圧シリンダにはパルス状の液圧が供給されている。締込み動作の最中に、パルス状の液圧は、液圧シリンダによって生じた締込み圧力に重ねられる。1つの突固めユニット16は、安定した構造の各2つのガイドコラム21における滑動部材、すなわち装置フレーム20によって支持される。
【0028】
ポイント突固め装置8は、付属の突固めユニット16がそれらの各装置フレーム20でもって、多段式に構成された移動装置23を介して機械横方向38に移動可能に支持されていて位置決め可能であるように形成されている。これに対して軌道突固め装置9の突固めユニット16は、単式の移動装置24を介して機械横方向38に移動可能に支持されかつ位置決め可能である。さらに、機械長手方向軸線39の方向においてまくらぎ間隔2・Sを適合させる長手方向移動装置45が設けられている。まくらぎ間隔2・Sは、各突固め装置8,9の2つの突固め軸線41,42の間の距離によって与えられている。この装置は、2つの突固め装置8,9の相前後して配置された全ての突固めツール17が、ニュートラルな沈下位置において機械長手方向軸線39の方向に互いにほぼ同じ間隔dを有するように構成されている。機械長手方向軸線39に対して平行に位置する旋回軸44を介して、ツール支持体18は回動可能に支持されており、これにより、突固めツール17は上方に旋回可能である。制御は、旋回駆動装置43を介して行われる。
【0029】
長手方向移動装置45は、機械長手方向軸線39に対して平行に配置された移動駆動装置46を有しており、移動駆動装置46は、サテライトフレーム7に固く結合されている。2つの長手方向ガイドコラム47にわたり滑り軸受48を介して移動可能に支持フレーム49(これについては図4参照)が支持されており、やはり移動駆動装置46に結合されている。
【0030】
図3には、図2に示したA-A断面図が、ポイント処理時の作業位置において鉛直方向の機械中心軸線40に対して横方向で左側に進出した、ポイント突固め装置8の突固めユニット16と共に示されている。多段式の移動装置23は、互いに独立した3つの横方向ガイド装置25,26,27を有しており、横方向ガイド装置25,26,27は、機械中心軸線40に関してサテライトフレーム7に対して横方向に移動可能に支持されておりかつ位置決め可能である。下側の第1の横方向ガイド装置25および第2の横方向ガイド装置26の移動駆動装置は、図3には示されていない。これらは各レベルにおいてガイドコラム28,29に対して平行に配置されている。上側の第3の横方向ガイド装置27は、移動駆動装置35を介して機械横方向38に移動可能である。移動駆動装置35は、一方では、サテライトフレーム7に固く結合されており、他方では、中間台として形成された、第3の横方向ガイド装置27の支持フレーム33に結合されている。突固めユニット16のユニットフレーム20は、第1の横方向ガイド装置25のガイドコラム28に、滑り軸受36を介して移動可能に支持されている。さらに、ガイドコラム28は、アングルジョイント37を介して真ん中の第2の横方向ガイド装置26のガイドコラム29に取り付けられている。ガイドコラム29は、第3の横方向ガイド装置27のガイドフレーム30内に移動可能に支持されている。
【0031】
ガイドフレーム30と支持フレーム33とは互いに固く結合されており、この場合、ガイドフレーム30には機械横方向38に可動のブラケット状の支持部材32が取り付けられている。ガイドフレーム30と支持部材32とは両方共、サテライトフレーム7に対して可動に、2つの横方向ガイドコラム31に支持されている。さらに、サテライトフレーム7の下面には滑り板34が配置されている。この滑り板34は、作業中、突固めユニット16から出発する力またはモーメントの一部を、ガイドフレーム30からサテライトフレーム7の構造体に伝達する。
【0032】
図4には、図2に示したB-B断面図が、ポイント処理時の作業位置における軌道突固め装置9と共に示されている。突固めユニット16は、上述した構成と同様に構成されている。この構成では、ガイドコラム28が、長手方向移動装置45の長手方向支持フレーム49に固く取り付けられている。この長手方向支持フレーム49は、長手方向ガイドコラム47に滑り軸受48を介して移動可能に支持されている。移動駆動装置46は、ここには示されていない。
【0033】
図2と同様に図5にも、軌道4の下を突き固める突固め装置の拡大図が、Y型まくらぎ51と共に示されている。この場合、軌道突固め装置9の突固めツール17は、図中で全面的に着色されている。突固め装置8,9の突固め軸線41,42の間の間隔は、Y型まくらぎ51の既存の実際寸法SYに調整される。周期的な作業方式では、突固め動作毎に所定の歩幅FYだけ、突固め装置8,9の前進が行われる。
【0034】
図6は、図5に示した装置の突固め画像をY型まくらぎと共に上から見た図を示しており、突固め動作を具体的に示そうとするものである。最初の突固め動作は、それぞれ機械長手方向軸線39の左右に位置する2つの突固め群T1によって規定されている。突固め装置8,9毎に、4つの突固めユニット16のうちの2つのみを作動させ、沈降させる。この場合、ポイント突固め装置8の左側の突固め群T1を作動させる一方で、軌道突固め装置9の右側の突固め群T1を作動させる(図5と同様に図中で全面的に着色されている)。作業中、各突固め装置8,9の4つ全ての突固めユニット16に均一に荷重を加えるために、左右の側の処理担当を対角に交替させることができる。この場合、軌道突固め装置9の左側の突固め群T1を作動させる一方で、ポイント突固め装置8の右側の突固め群T1を作動させる。その他の突固め群T2,T3は、例示的に後続の突固め動作を表している。
【0035】
図7には、傾倒防止補助装置が正面図と側面図とで示されている。この装置54は、回転軸線56を介して旋回駆動装置57により旋回可能に支持された転動体55を有している。この場合、転動体55は、軌道4のレール頭部の周面に係合する。左外側に破線で示す側面図は、非作動状態の、上方旋回位置における装置54を表している。図8は、図7に関して補足的に、傾倒防止補助装置の等角投影図を表している。
【0036】
図9には、非周期的な作業方式による軌道処理方法の突固めパターンが示されている。この場合、2つの突固め装置8,9は、間隔2・Sをあけて相前後して配置されている。突固め軸線41,42相互のこの間隔2・Sは、図2に示したまくらぎ間隔Sの2倍に相当する。2つの突固め装置8,9は、各突固め動作の後に交互に、まくらぎ間隔S(前進距離=S)だけ、かつ3倍のまくらぎ間隔3・S(前進距離=3・S)だけ、作業方向13に前進させられる。このようにして、2つのまくらぎ1丁突き突固め装置により、全てのまくらぎの下が最も効率的に突き固められる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】