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特表2023-541316平面状のサセプタ素子の効率的かつ一貫した加熱を提供する誘導加熱エアロゾル発生システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-29
(54)【発明の名称】平面状のサセプタ素子の効率的かつ一貫した加熱を提供する誘導加熱エアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/465 20200101AFI20230922BHJP
   A24F 40/44 20200101ALI20230922BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20230922BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/44
A24F40/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517736
(86)(22)【出願日】2021-09-21
(85)【翻訳文提出日】2023-03-16
(86)【国際出願番号】 EP2021075979
(87)【国際公開番号】W WO2022063797
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】20197772.5
(32)【優先日】2020-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】フレデリク ギヨーム
(72)【発明者】
【氏名】ジノヴィク イハル ニコラエヴィチ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC17
4B162AC18
4B162AC22
4B162AC41
4B162AD15
4B162AD23
(57)【要約】
エアロゾル発生システムであって、液体貯蔵部(40)と、液体貯蔵部(40)からの液体が使用中にサセプタ素子に運ばれるように、液体貯蔵部と流体連通するサセプタ素子を含むサセプタ組立品(12)であって、サセプタ素子が、実質的に平面状で、第1の平面に平行に延びる、サセプタ組立品(12)と、第1のインダクタコイル(66)及び第2のインダクタコイル(68)であって、第1のインダクタコイル(66)が、サセプタ組立品(12)の第1の側面上に位置付けられ、かつ第1の平面に平行に延び、第2のインダクタコイル(68)が、第1の側面とは反対側のサセプタ組立品(12)の第2の側面上に位置付けられ、かつ第1の平面に平行に延び、サセプタ素子が、第1のインダクタコイル(66)と第2のインダクタコイル(68)との間に位置付けられ、かつそれらから実質的に等距離である、第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイルと、第1及び第2のインダクタコイル(66、68)に接続され、第1及び第2のインダクタコイル(66、68)に交流電流を提供するように構成された制御回路(70)と、を備える、エアロゾル発生システム。この配置は、サセプタ素子の効率的かつ一貫した加熱を可能にする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムであって、
液体貯蔵部と、
前記液体貯蔵部からの液体が使用中に前記サセプタ素子に運ばれるように、前記液体貯蔵部と流体連通するサセプタ素子を含む、サセプタ組立品であって、
前記サセプタ素子が、実質的に平面状で、第1の平面に平行に延びる、サセプタ組立品と、
第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイルであって、前記第1のインダクタコイルが、前記サセプタ組立品の第1の側面上に位置付けられ、かつ前記第1の平面に平行に延び、前記第2のインダクタコイルが、前記第1の側面とは反対側の前記サセプタ組立品の第2の側面上に位置付けられ、かつ前記第1の平面に平行に延び、前記サセプタ素子が、前記第1のインダクタコイルと前記第2のインダクタコイルとの間に位置付けられ、かつそれらから実質的に等距離である、第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイルと、
前記第1及び第2のインダクタコイルに接続され、前記第1及び第2のインダクタコイルに交流電流を提供するように構成された制御回路と、を備える、エアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記第1及び第2のインダクタコイルが、平面状のインダクタコイルである、請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記システムは、前記第1及び第2のインダクタコイルが、前記第1の平面に垂直である前記サセプタ素子において磁界を提供するように構成されている、請求項1又は2に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記貯蔵部が、前記第1のインダクタコイルと前記第2のインダクタコイルとの間に画定された空間の外側に位置付けられている、先行請求項のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記サセプタ組立品が、ウィッキング要素を含み、前記ウィッキング要素が、前記サセプタ素子と一体型であるか、又は前記サセプタ素子に固定され、前記ウィッキング要素が、前記液体貯蔵部から前記サセプタ素子の表面を横切って液体を運ぶ、先行請求項のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記サセプタ組立品が、第1の平面状のサセプタ素子及び第2の平面状のサセプタ素子を含み、両方が、前記第1の平面に平行に延び、かつ前記第1の平面に垂直な方向に互いに隣接している、先行請求項のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項7】
ウィッキング要素が、前記第1のサセプタ素子と第2のサセプタ素子との間に位置付けられている、請求項6に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項8】
空気吸込み口、空気出口、及び前記空気吸込み口と前記空気出口との間の気流通路を備え、前記サセプタ組立品が、前記第1の平面に平行な第1の表面及び前記第1の平面に平行で前記第1の表面と対向する第2の表面を有し、前記第1及び第2の表面の両方が、前記気流通路内にある、先行請求項のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
前記気流通路が、前記液体貯蔵部を通過する、請求項8に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記サセプタ組立品によって気化されたエアロゾル形成基体が、前記気流通路内に逃れ得る、請求項8又は9に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記サセプタ組立品が、加熱領域及び1つ以上の取り付け領域を含み、前記1つ以上の取り付け領域が、サセプタ組立品ホルダーに固定されている、先行請求項のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記加熱領域が、前記第1のインダクタコイルと前記第2のインダクタコイルとの間に位置付けられ、前記1つ以上の取り付け領域が、前記第1のインダクタコイルと前記第2のインダクタコイルとの間の空間の外側に位置付けられている、請求項11に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記制御回路は、前記第1のインダクタコイルが前記第2のインダクタコイルと同等かつ反対の力を前記サセプタ組立品上に提供するように、前記インダクタコイルに電流を提供するように構成されている、先行請求項のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項14】
先行請求項のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置を使用してエアロゾルを発生させる方法であって、前記第1のコイルが前記第2のコイルと同等かつ反対のローレンツ力を前記サセプタ組立品上に提供するように、前記第1及び第2のインダクタコイルに交流電流を供給することを含む、方法。
【請求項15】
エアロゾル発生システムのためのカートリッジであって、
カートリッジハウジングと、
前記カートリッジハウジング内の液体貯蔵部と、
前記液体貯蔵部からの液体が使用中にサセプタ素子に運ばれるように、前記液体貯蔵部と流体連通する前記サセプタ素子を含む、サセプタ組立品であって、
前記サセプタ素子が、実質的に平面状で、第1の平面に平行に延びる、サセプタ組立品と、を備え、
前記カートリッジハウジングは、一対の平面状のインダクタコイルを含む前記エアロゾル発生システムの別の部分に結合するように構成され、それにより、前記サセプタ組立品は、前記インダクタコイルの各々が前記第1の平面に平行に延びるように、かつ前記サセプタ素子が前記第1のインダクタコイル及び前記第2のインダクタコイルから実質的に等距離であるように、前記一対のインダクタコイルの間の空間内に位置付けられている、カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生システム、エアロゾル発生装置を使用してエアロゾルを発生する方法、及びエアロゾル発生システムのためのカートリッジに関する。特に、本開示は、誘導加熱組立品を有するエアロゾル発生システム、及び誘導加熱組立品を有するエアロゾル発生システムのためのカートリッジに関し、カートリッジは、エアロゾル形成基体及びエアロゾル形成基体を加熱するためのサセプタ組立品を含む。
【0002】
ユーザ吸入用のエアロゾルを発生させるために、誘導加熱を用いてエアロゾル形成基体を加熱するエアロゾル発生システムは、概して先行技術で公知である。これらのシステムは、典型的には、誘導加熱組立品を含むエアロゾル発生装置、及び加熱したときに揮発性化合物を放出して、揮発性化合物は冷却されて吸入可能エアロゾルを形成することができるエアロゾル形成基体を含むカートリッジを備える。カートリッジは、エアロゾル発生装置に結合されるように構成される。誘導加熱組立品は、空洞内に交番磁界を発生するように構成された少なくとも1つのインダクタコイルを備える。カートリッジ又は装置のいずれかを形成するサセプタは、エアロゾル形成基体に近接して、交番磁界内に配置される。サセプタが交番磁界によって貫通される場合、サセプタは、サセプタ内に誘発された過電流からのジュール加熱、及びヒステリシス損失のうちの少なくとも1つによって加熱される。加熱されたサセプタは、エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾル形成基体から揮発性化合物を放出し、揮発性化合物は、冷却されて吸入可能なエアロゾルを形成する。
【0003】
誘導加熱システムの1つの利点は、システムの電気構成要素を、エアロゾル形成基体及び発生されたエアロゾルから単離することができることである。別の利点は、装置との電気的接続を提供する必要がないため、カートリッジの構造を単純化することができることである。
【0004】
いくつかのインダクタコイル及びサセプタの構成が先行技術に説明されている。これらの構成の多くでは、誘導加熱は非効率であり、十分な温度を発生させるために高周波の交流電流が必要である。非常に高い周波数の交流電流を提供することは、手持ち式装置では困難であり得る。更に、エアロゾル形成基体の効率的な加熱のために、サセプタは、薄く、かつ低熱質量を有することが望ましい。しかし、薄い低質量のサセプタの一貫した加熱は、サセプタが、磁界によってそこに及ぼされる力によって経時的に移動又は変形されるため、達成するのが困難である場合がある。
【0005】
特に手持ち式装置では、エアロゾルを発生させるための効率的かつ一貫した誘導加熱配置を提供することが望ましい。
【0006】
本開示によると、エアロゾル発生システムが提供される。エアロゾル発生システムは、エアロゾル形成基体を保持するための液体貯蔵部を備え得る。エアロゾル発生システムは、液体貯蔵部からの液体が使用中にサセプタ素子に運ばれ得るように、液体貯蔵部と流体連通するサセプタ素子を含む、サセプタ組立品を備え得る。サセプタ素子は、実質的に平面状で、第1の平面に平行に延び得る。エアロゾル発生システムは、第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイルを備え得、第1のインダクタコイルは、サセプタ組立品の第1の側面上に位置付けられ、かつ第1の平面に平行に延び、第2のインダクタコイルは、第1の側面とは反対側のサセプタ組立品の第2の側面上に位置付けられ、かつ第1の平面に平行に延びる。サセプタ素子は、第1のインダクタコイルと第2のインダクタコイルとの間に位置付けられてもよい。エアロゾル発生システムは、第1及び第2のインダクタコイルに接続され、第1及び第2のインダクタコイルに交流電流を提供するように構成された制御回路を備え得る。有利なことに、サセプタ素子は、第1及び第2のインダクタコイルから実質的に等距離であり得る。
【0007】
この配置は、サセプタ素子の効率的な加熱を提供し、第1及び第2のインダクタコイルによって生成される磁界によってサセプタ組立品に加えられる力のバランスを可能にし得る。有利なことに、制御回路は、第1のインダクタコイルが第2のインダクタコイルと同等かつ反対の力をサセプタ組立品上に提供するように、インダクタコイルに電流を提供するように構成されている。第1のインダクタコイルは、第2のインダクタコイルによって生成される磁界とは反対の磁界を生成し得る。
【0008】
この文脈では、平面状のサセプタ素子は、厚さよりも実質的に大きな長さ及び幅を有するサセプタ素子である。長さ方向及び幅方向は互いに直交し、第1の平面を画定する。厚さは、第1の平面に直交して延びる。平面状のサセプタ素子は、第1の平面に平行な平面に延びる2つの対向する主表面を有し得る。主表面の一方又は両方は、有利には平坦である。
【0009】
この文脈において、サセプタ素子が第1及び第2のインダクタコイルから実質的に等距離であることは、第1のインダクタコイルとサセプタ素子との間の最短距離が、第2のインダクタコイルとサセプタ素子との間の最短距離の0.8~1.2倍であることを意味する。第1のインダクタコイルとサセプタ素子との間の最短距離は、第2のインダクタコイルとサセプタ素子との間の最短距離の0.85~1.15倍であることが好ましい。第1のインダクタコイルとサセプタ素子との間の最短距離は、第2のインダクタコイルとサセプタ素子との間の最短距離の0.9~1.1倍であることがより好ましい。第1のインダクタコイルとサセプタ素子との間の最短距離は、第2のインダクタコイルとサセプタ素子との間の最短距離と実質的に同一であることが更により好ましい。
【0010】
有利なことに、第1及び第2のインダクタコイルは平面状のインダクタコイルである。この文脈では、平面状のインダクタコイルは、コイルの巻線の軸に垂直な平面にあるコイルを意味する。平面状のインダクタコイルは、コンパクトであり得る。平面状のインダクタコイルは各々、第1の平面に平行な平面にあってもよい。システムは、第1及び第2のインダクタコイルが、第1の平面に垂直なサセプタ素子において磁界を提供するように構成されてもよい。これにより、サセプタ素子の効率的な加熱が可能になる。
【0011】
第1及び第2の平面状のインダクタコイルは、任意の形状を有してもよいが、1つの有利な実施形態では、平面状のインダクタコイルの各々は長方形である。平面状のインダクタコイルは、有利なことに、サセプタ素子の加熱領域に対応するサイズ及び形状を有してもよい。第1のインダクタコイルは、第2のインダクタコイルと同じ巻数を有してもよい。第1のインダクタコイルは、第2のインダクタコイルと同じサイズ及び形状を有してもよい。第1のインダクタコイルは、第2のインダクタコイルと実質的に同一であってもよい。第1のインダクタコイルは、第2のインダクタコイルと同一の電気抵抗を有してもよい。第1のインダクタコイルは、第2のインダクタコイルと同一のインダクタンスを有してもよい。
【0012】
一実施形態では、インダクタコイルは、電気的に接続されて単一の導電性経路を形成し、第1のインダクタコイルは、第2のインダクタコイルとは反対向きに巻かれる。次いで、第1及び第2のインダクタコイルには、同一の交流電流が提供され得る。
【0013】
別の実施形態では、第1のインダクタコイルは、第2のインダクタコイルと同じ向きに巻かれる。制御回路は、第2のインダクタコイルに提供される電流と直接的に位相がずれた電流を第1のインダクタコイルに提供するように構成されている。
【0014】
エアロゾル発生システムは、インダクタコイルによって生成される磁界を含有するように構成された1つ以上の磁束集中器を備え得る。1つ以上の磁束集中器は、サセプタ組立品上に、好ましくは第1の平面に対して直角を成して磁界を集中させるように構成され得る。
【0015】
制御回路は、第1及び第2のインダクタコイルに交流電流を提供するように構成され得る。本明細書で使用される場合、「交流電流」は、周期的に方向を反転させる電流を意味する。少なくとも1つのインダクタコイルを通して交流電流を駆動すると、少なくとも1つのインダクタコイルが交番磁界を生成する。交番磁界は、交番磁界内に位置するサセプタ素子の加熱領域を加熱するための任意の好適な周波数を有し得る。交流電流に適した周波数は、100キロヘルツ(kHz)~30メガヘルツ(MHz)であり得る。交流電流は、100キロヘルツ(kHz)~1メガヘルツ(MHz)の周波数を有してもよい。
【0016】
貯蔵部は、第1のコイルと第2のコイルとの間に画定された空間の外側に位置してもよい。
【0017】
サセプタ組立品は、サセプタ素子を備える。本明細書で使用される場合、「サセプタ素子」は、交番磁界による貫通によって加熱可能な要素を意味する。サセプタ素子は、典型的には、サセプタ素子の渦電流の誘発を通したジュール加熱、及びヒステリシス損失のうちの少なくとも1つによって加熱可能である。サセプタ素子のための考えられる材料としては、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス鋼、ニオブ、アルミニウムが挙げられる。有利なことに、サセプタ素子は、1~40000の相対浸透率を有する可能性がある。大半の加熱のために渦電流に依拠することが望ましいときに、より低い浸透性の材料を使用してもよく、またヒステリシス効果が望ましいときに、より高い浸透性の材料を使用してもよい。材料は500~40000の相対浸透率を有することが好ましい。
【0018】
サセプタ組立品は、ウィッキング要素を更に備えてもよい。ウィッキング要素は、サセプタ素子と流体連通してもよい。ウィッキング要素は、液体貯蔵部と流体連通してもよい。ウィッキング要素は、液体貯蔵部からサセプタ素子にエアロゾル形成基体を運ぶように配置されてもよい。特に、ウィッキング要素は、サセプタ素子の主表面にわたって液体貯蔵部からエアロゾル形成基体を運ぶように配置されてもよい。サセプタ素子は、ウィッキング要素に固定されてもよい。サセプタ素子は、ウィッキング要素と一体型であってもよい。
【0019】
ウィッキング要素の提供は、サセプタ素子の湿潤を改善し、そのため、システムによるエアロゾル発生を増加させる。これにより、サセプタ素子を、それ自体は良好なウィッキング又は湿潤性能を提供しない材料から作製することが可能になる。
【0020】
一部の実施形態では、サセプタ組立品は、複数のサセプタ素子を備える。サセプタ組立品が、複数のサセプタ素子及びウィッキング要素を含む場合、各サセプタ素子は、ウィッキング要素と流体連通するように配置されてもよい。一部の実施形態では、サセプタ組立品は、複数のサセプタ素子及び複数のウィッキング要素を含む。
【0021】
一部の好ましい実施形態では、サセプタ組立品は、第1のサセプタ素子及び第2のサセプタ素子を備え、第2のサセプタ素子は、第1のサセプタ素子から離間されている。ウィッキング要素は、第1のサセプタ素子と第2のサセプタ素子との間の空間内に配置され得る。一部の特に好ましい実施形態では、第1のサセプタ、第2のサセプタ、及びウィッキング要素は、実質的に平面であり、第1のサセプタは、平面状のウィッキング要素の第1の側面に配置され、第2のサセプタは、第1の側面の反対側の、平面状のウィッキング要素の第2の側面に配置される。
【0022】
サセプタ組立品は、実質的に液体貯蔵部の外側に配置されることが好ましい。特に、サセプタ組立品のサセプタ素子又は各サセプタ素子は、実質的に液体貯蔵部の外側に配置されてもよい。特に、サセプタ素子又は各サセプタ素子の主表面の少なくとも一部分は、液体貯蔵部と直接的に接触していないことが好ましい。サセプタ組立品の2つの対向する主表面の少なくとも一部分は、システムの気流通路内の空気と直接的に接触することが好ましい。
【0023】
サセプタ組立品のサセプタ素子は、加熱領域及び少なくとも1つの取り付け領域を含み得る。加熱領域は、好適な交番磁界による貫通時に、エアロゾル形成基体を気化するのに必要な温度に加熱されるように構成されたサセプタ素子の領域である。
【0024】
加熱領域は、交番磁界による貫通によって加熱可能な磁性材料である第1の材料を含んでもよい。「磁性材料」という用語は、本明細書では、常磁性及び強磁性の両方の材料を含む、磁場と相互作用することができる材料を説明するために使用される。第1の材料は、交番磁界による貫通によって加熱可能な任意の好適な磁性材料であってもよい。一部の好ましい実施形態では、第1の材料はフェライト系ステンレス鋼を含む。好適なフェライト系ステンレス鋼には、AISIタイプ409、410、420及び430ステンレス鋼などのAISI400シリーズステンレス鋼が含まれる。
【0025】
一部の好ましい実施形態では、加熱領域は第1の材料からなる。しかしながら、他の実施形態では、加熱領域は、第1の材料及び1つ以上の他の材料を含む。加熱領域が第1の材料及び1つ以上の他の材料を含む場合、加熱領域は、任意の好適な割合の第1の材料を含み得る。例えば、加熱領域は、少なくとも10重量パーセントの第1の材料、又は少なくとも20重量パーセントの第1の材料、又は少なくとも30重量パーセントの第1の材料、又は少なくとも40重量パーセントの第1の材料、又は少なくとも50重量パーセントの第1の材料、又は少なくとも60重量パーセントの第1の材料、又は少なくとも70重量パーセントの第1の材料、又は少なくとも80重量パーセントの第1の材料、又は少なくとも90重量パーセントの第1の材料を含んでもよい。
【0026】
サセプタ素子の各々の少なくとも1つの取り付け領域は、サセプタホルダーと接触するように構成された領域である。少なくとも1つの取り付け領域は、サセプタホルダーと接触し得る。本明細書で使用される場合、「接触」という用語は、直接的な接触及び間接的な接触の両方を意味する。加熱領域は、交番磁界の存在下で、取り付け領域よりも実質的に高温まで加熱するように構成され得る。これは、加熱領域と取り付け領域との間の材料の差異、加熱領域と取り付け領域との間の幾何学的な差異、又は材料の差異及び幾何学的な差異の両方に起因し得る。加熱領域は、第1のインダクタコイルと第2のインダクタコイルとの間の空間に直接位置してもよく、取り付け領域は、第1のインダクタコイルと第2のインダクタコイルとの間の空間の外側に直接位置してもよい。取り付け領域は、加熱領域よりも小さな幅又は長さを第1の平面に有してもよい。
【0027】
少なくとも1つの取り付け領域は、サセプタホルダーと直接的に接触することが好ましい。本明細書に使用される場合、「直接的に接触」という用語は、中間材料を有することなく、2つの構成要素の表面が互いに触れ合うような、2つの構成要素間の接触を意味する。
【0028】
少なくとも1つの取り付け領域は、サセプタホルダーと間接的に接触し得る。本明細書で使用される場合、「間接的に接触」という用語は、2つの構成要素の表面が互いに触れ合わないように、2つの構成要素の間に置かれた1つ以上の中間材料を介する2つの構成要素間の接触を意味するために使用される。例えば、少なくとも1つの取り付け領域は、接着剤の層が少なくとも1つの取り付け領域の表面とサセプタホルダーの表面との間に提供される場合、サセプタ素子と間接的に接触する。
【0029】
一部の好ましい実施形態では、少なくとも1つの取り付け領域は、液体貯蔵部内に延びてもよい。一部の好ましい実施形態では、サセプタ素子の加熱領域は、液体貯蔵部の外側に配置されてもよい。有利なことに、サセプタ素子を実質的に液体貯蔵部の外側に配置すること、特にサセプタ素子の加熱領域を液体貯蔵部の外側に配置することにより、エアロゾル形成基体が液体貯蔵部の外側に輸送された後にのみ、エアロゾル形成基体が、揮発性化合物を放出するのに十分に加熱されることが確保され得る。これにより、エアロゾル発生システムからの揮発性化合物の放出が促進され得る。
【0030】
少なくとも1つの取り付け領域は、第2の材料を含んでもよい。第2の材料は、非磁性材料であってもよい。「非磁性材料」という用語は、本明細書では、磁界と相互作用せず、かつ交番磁界による貫通によって加熱できない材料を説明するために使用される。第2の材料は、任意の好適な非磁性材料であってもよい。一部の実施形態では、第2の材料は非磁性金属である。例えば、第2の材料は、非磁性オーステナイト系ステンレス鋼であってもよい。好適なオーステナイト系ステンレス鋼には、AISIタイプ304、309及び316ステンレス鋼などのAISI300シリーズステンレス鋼が含まれる。
【0031】
サセプタホルダーは、サセプタ素子の少なくとも1つの取り付け領域において第2の材料と接触してもよい。サセプタホルダーは、第2の材料においてのみサセプタ素子と接触してもよい。有利なことに、第2の材料におけるサセプタホルダーとサセプタ素子との間の接触を提供することは、サセプタ素子からサセプタホルダーへの熱伝達を最小化するのに役立ち得る。
【0032】
一部の実施形態では、第2の材料は非金属である。例えば、第2の材料はセラミック材料であってもよい。
【0033】
一部の実施形態では、第2の材料は、導電性材料である。本明細書で使用される場合、「導電性」材料は、摂氏20度(℃)で約1×10-5オームメートル(Ωm)未満、典型的には約1×10-5オームメートル(Ωm)~約1×10-9オームメートル(Ωm)の体積抵抗率を有する材料を意味する。好適な導電性材料は、金属、合金、導電性セラミック、及び導電性ポリマーを含む。好適な導電性材料は、金及び白金を含み得る。
【0034】
一部の実施形態では、第2の材料は、電気絶縁性材料である。有利なことに、電気絶縁性の第2の材料は、サセプタ素子からサセプタホルダーへの熱伝達を最小化するのに役立ち得る。本明細書で使用される場合、「電気絶縁性」材料は、摂氏20度(℃)で約1x106オームメートル(Ωm)、典型的には約1x109オームメートル(Ωm)~約1x1021オームメートル(Ωm)の体積抵抗率を有する材料を意味する。好適な電気絶縁材料には、ガラス、プラスチック及び特定のセラミック材料が含まれる。
【0035】
一部の実施形態では、第2の材料は、断熱性材料である。有利なことに、断熱性の第2の材料は、サセプタ素子からサセプタホルダーへの熱伝達を最小化するのに役立ち得る。本明細書で使用される「断熱性」という用語は、23℃で約5ワット/メートル・ケルビン(mW/(m K))未満のバルク熱伝導率、及び改良された非定常平面熱源(MTPS)法を使用して測定した相対湿度50%を有する材料を指す。
【0036】
一部の実施形態では、第2の材料は熱伝導性材料である。本明細書で使用される場合、「熱伝導性」という用語は、23℃で少なくとも約10ワット/メートル・ケルビン(mW/(m K))のバルク熱伝導率、及び改良された非定常平面熱源(MTPS)法を使用して測定した相対湿度50%を有する材料を指す。
【0037】
一部の実施形態では、第2の材料は親水性材料であってもよい。一部の実施形態では、第2の材料は親油性材料であってもよい。有利なことに、親水性の第2の材料又は親油性の第2の材料を提供することは、サセプタ素子を通したエアロゾル形成基体の輸送を促進し得る。
【0038】
一部の実施形態では、第2の材料はセルロース材料を含む。例えば、第2の材料はレーヨンを含み得る。
【0039】
一部の好ましい実施形態では、少なくとも1つの取り付け領域は、第2の材料からなる。しかしながら、他の実施形態では、少なくとも1つの取り付け領域は、第2の材料及び1つ以上の他の材料を含む。少なくとも1つの取り付け領域が第2の材料及び1つ以上の他の材料を含む場合、少なくとも1つの取り付け領域は、任意の好適な割合の第2の材料を含み得る。例えば、サセプタ素子の少なくとも1つの取り付け領域は、少なくとも10重量パーセントの第2の材料、又は少なくとも20重量パーセントの第2の材料、又は少なくとも30重量パーセントの第2の材料、又は少なくとも40重量パーセントの第2の材料、又は少なくとも50重量パーセントの第2の材料、又は少なくとも60重量パーセントの第2の材料、又は少なくとも70重量パーセントの第2の材料、又は少なくとも80重量パーセントの第2の材料、又は少なくとも90重量パーセントの第2の材料を含んでもよい。
【0040】
少なくとも1つの取り付け領域は、第1の材料を含んでもよい。しかしながら、少なくとも1つの取り付け領域は、加熱領域よりも低い割合の第1の材料を含み得る。加熱領域内の第1の材料の重量割合は、少なくとも1つの取り付け領域内の第1の材料の重量割合よりも大きくてもよい。例えば、サセプタ素子の加熱領域は、少なくとも90重量パーセントの第1の材料を含んでもよく、サセプタ素子の少なくとも1つの取り付け領域は、10重量パーセント未満の第1の材料を含んでもよく、又はサセプタ素子の加熱領域は、少なくとも80重量パーセントの第1の材料を含んでもよく、サセプタ素子の少なくとも1つの取り付け領域は、20重量パーセント未満の第1の材料を含んでもよく、又はサセプタ素子の加熱領域は、少なくとも70重量パーセントの第1の材料を含んでもよく、サセプタ素子の少なくとも1つの取り付け領域は、30重量パーセント未満の第1の材料を含んでもよく、又はサセプタ素子の加熱領域は、少なくとも60重量パーセントの第1の材料を含んでもよく、サセプタ素子の少なくとも1つの取り付け領域は、40重量パーセント未満の第1の材料を含んでもよく、又はサセプタ素子の加熱領域は、少なくとも50重量パーセントの第1の材料を含んでもよく、サセプタ素子の少なくとも1つの取り付け領域は、50重量パーセント未満の第1の材料を含んでもよい。
【0041】
少なくとも1つの取り付け領域は、90重量パーセント以下の第1の材料、又は80重量パーセント以下の第1の材料、又は70重量パーセント以下の第1の材料、又は60重量パーセント以下の第1の材料、又は50重量パーセント以下の第1の材料、又は40重量パーセント以下の第1の材料、又は30重量パーセント以下の第1の材料、又は20重量パーセント以下の第1の材料、又は10重量パーセント以下の第1の材料を含んでもよい。
【0042】
少なくとも1つの取り付け領域は、少なくとも10重量パーセントの第2の材料、及び90重量パーセント未満の第1の材料、又は少なくとも20重量パーセントの第2の材料、及び80重量パーセント未満の第1の材料、又は少なくとも30重量パーセントの第2の材料、及び70重量パーセント未満の第1の材料、又は少なくとも40重量パーセントの第2の材料、及び60重量パーセント未満の第1の材料、又は少なくとも50重量パーセントの第2の材料、及び50重量パーセント未満の第1の材料、又は少なくとも60重量パーセントの第2の材料、及び40重量パーセント未満の第1の材料、又は少なくとも70重量パーセントの第2の材料、及び30重量パーセント未満の第1の材料、又は少なくとも80重量パーセントの第2の材料、及び20重量パーセント未満の第1の材料、又は少なくとも90重量パーセントの第2の材料、及び10重量パーセント未満の第1の材料を含んでもよい。
【0043】
加熱領域は、第2の材料を含んでもよい。例えば、加熱領域は、90重量パーセント以下の第2の材料、又は80重量パーセント以下の第2の材料、又は70重量パーセント以下の第2の材料、又は60重量パーセント以下の第2の材料、又は50重量パーセント以下の第2の材料、又は40重量パーセント以下の第2の材料、又は30重量パーセント以下の第2の材料、又は20重量パーセント以下の第2の材料、又は10パーセント以下の第2の材料を含んでもよい。
【0044】
加熱領域は、少なくとも10重量パーセントの第1の材料、及び90重量パーセント未満の第2の材料、又は少なくとも20重量パーセントの第1の材料、及び80重量パーセント未満の第2の材料、又は少なくとも30重量パーセントの第1の材料、及び70重量パーセント未満の第2の材料、又は少なくとも40重量パーセントの第1の材料、及び60重量パーセント未満の第2の材料、又は少なくとも50重量パーセントの第1の材料、及び50重量パーセント未満の第2の材料、又は少なくとも60重量パーセントの第1の材料、及び40重量パーセント未満の第2の材料、又は少なくとも70重量パーセントの第1の材料、及び30重量パーセント未満の第2の材料、又は少なくとも80重量パーセントの第1の材料、及び20重量パーセント未満の第2の材料、又は少なくとも90重量パーセントの第1の材料、及び10重量パーセント未満の第2の材料を含んでもよい。
【0045】
加熱領域は、任意の好適な割合のサセプタ素子を含んでもよい。例えば、加熱領域は、サセプタ素子の表面積の少なくとも90パーセント、サセプタ素子の表面積の少なくとも80パーセント、又はサセプタ素子の表面積の少なくとも70パーセントを含んでもよい。加熱領域は、所望の量の吸入可能なエアロゾルを発生するために、必要な速度でエアロゾル形成基体を加熱するための任意の好適なサイズ及び形状を有してもよい。
【0046】
少なくとも1つの取り付け領域は、任意の好適な割合のサセプタ素子を含み得る。典型的には、少なくとも1つの取り付け領域は、加熱領域よりも小さな割合のサセプタ素子を含む。例えば、少なくとも1つの取り付け領域は、サセプタ素子の表面積の10パーセント以下、又はサセプタ素子の表面積の20パーセント以下、又はサセプタ素子の表面積の30パーセント以下を含み得る。少なくとも1つの取り付け領域は、サセプタ素子とサセプタホルダーとの間の堅牢な接続を提供するために、任意の好適なサイズ及び形状を有してもよい。
【0047】
一部の実施形態では、少なくとも1つの取り付け領域は、加熱領域の周辺に隣接して位置し、加熱領域は、長さ及び幅を有し、少なくとも1つの取り付け領域は、長さ及び幅を有する。少なくとも1つの取り付け領域の長さは、加熱領域の長さ未満であることが好ましい。一部の実施形態では、少なくとも1つの取り付け領域の長さは、加熱領域の長さの半分以下である。一部の実施形態では、少なくとも1つの取り付け領域の長さは、加熱領域の長さの1/4以下である。少なくとも1つの取り付け領域の幅は、加熱領域の幅未満であることが好ましい。一部の実施形態では、少なくとも1つの取り付け領域の幅は、加熱領域の幅の半分以下である。一部の実施形態では、少なくとも1つの取り付け領域の幅は、加熱領域の幅の1/4以下である。
【0048】
一部の実施形態では、少なくとも1つの取り付け領域は、サセプタホルダーに固定される。少なくとも1つの取り付け領域は、接着剤によってサセプタホルダーに固定されてもよい。
【0049】
サセプタ素子の少なくとも1つの取り付け領域は、サセプタ素子の加熱領域に対して任意の好適な位置に配置され得る。一部の好ましい実施形態では、サセプタ素子の少なくとも1つの取り付け領域は、サセプタ素子の周辺にある。例えば、少なくとも1つの取り付け領域は、サセプタ素子の一方の側面に位置し得る。
【0050】
一部の好ましい実施形態では、少なくとも1つの取り付け領域は、複数の取り付け領域を含む。サセプタ素子は、任意の好適な数の取り付け領域を含んでもよい。例えば、サセプタ素子は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つの取り付け領域を含んでもよい。有利なことに、サセプタ素子に複数の取り付け領域を提供することにより、サセプタホルダーが、単一の取り付け領域を有するサセプタ素子と比較して、サセプタ素子に対してより堅牢な支持を提供することが可能になり得る。
【0051】
一部の実施形態では、複数の取り付け領域は、第1の取り付け領域及び第2の取り付け領域を含んでもよく、第1の取り付け領域は、サセプタ素子の一方の側面に位置付けられ、第2の取り付け領域は、第1の取り付け領域と同じサセプタ素子の側面に位置付けられる。これらの実施形態の一部では、第1の取り付け領域は、サセプタ素子の第1の端に位置付けられ、第2の取り付け領域は、第1の端とは反対側のサセプタ素子の第2の端に位置付けられる。
【0052】
一部の実施形態では、複数の取り付け領域は、第1の取り付け領域及び第2の取り付け領域を含み、第1の取り付け領域は、サセプタ素子の第1の側面に位置付けられ、第2の取り付け領域は、第1の側面とは反対側のサセプタ素子の第2の側面に位置付けられる。これらの実施形態の一部では、加熱領域は長さを有し、第1の取り付け領域及び第2の取り付け領域は、加熱領域の長さに沿って同じ位置に位置付けられる。これらの実施形態の一部では、第1の取り付け領域及び第2の取り付け領域は、サセプタ素子の一方の端に位置付けられる。これらの実施形態の一部では、加熱領域は長さを有し、第1の取り付け領域及び第2の取り付け領域は、加熱領域の長さに沿って中央に位置付けられる。これらの実施形態の一部では、加熱領域は長さを有し、第1の取り付け領域及び第2の取り付け領域は、加熱領域の長さに沿って異なる位置に位置付けられる。これらの実施形態の一部では、第1の取り付け領域は、サセプタ素子の第1の端に位置付けられ、第2の取り付け領域は、第1の端とは反対側のサセプタ素子の第2の端に位置付けられる。
【0053】
一部の好ましい実施形態では、複数の取り付け領域は、第1の取り付け領域及び第2の取り付け領域を含み、第2の取り付け領域は、第1の取り付け領域の反対側に位置付けられる。
【0054】
一部の好ましい実施形態では、複数の取り付け領域は、サセプタ素子の対向する側面においてサセプタ素子の第1の端に位置付けられる第1の対の取り付け領域と、サセプタ素子の対向する側面においてサセプタ素子の第2の端に位置付けられる第2の対の取り付け領域とを含み、サセプタ素子の第2の端は、第1の端の反対側である。
【0055】
一部の実施形態では、複数の取り付け領域は、複数の対の取り付け領域を含み、各対の取り付け領域は、サセプタ素子の第1の側面に位置付けられた第1の取り付け領域、及びサセプタ素子の第2の側面に位置付けられた第2の取り付け領域を含み、サセプタ素子の第2の側面は、サセプタ素子の第1の側面の反対側である。
【0056】
一部の実施形態では、複数の取り付け領域は、複数の対の取り付け領域を含み、各対の取り付け領域は、第1の取り付け領域及び第2の取り付け領域を含み、第2の取り付け領域は、第1の取り付け領域の反対側に位置付けられる。
【0057】
サセプタ素子は任意の好適な形態をとり得る。サセプタ素子は、例えば、メッシュ、フラットスパイラルコイル、繊維、又は布を含んでもよい。一部の実施形態では、サセプタ素子は、シート又は細片を含んでもよい。
【0058】
サセプタ素子の厚さは、有利なことに、システムの動作周波数におけるサセプタ素子の材料の表皮深さの2~10倍である。複数のサセプタ層が使用される場合、表皮深さよりも大きな厚さを有することにより、異なるサセプタ層間の相互作用が最小化される。表皮深さの10倍未満のサセプタ層を有することにより、加熱する過剰な質量のサセプタ材料がないことが確保される。有利なことに、サセプタ組立品は、2ミリメートル以下の厚さを有する。これにより、発熱体又は複数の発熱体を、内部に定置し、小さな気流チャネルにわたらせることが可能になる。
【0059】
有利なことに、サセプタ組立品は、単回のユーザ吸煙に十分である、少量の液体エアロゾル形成基体のみを保持するように構成されている。これは、少量の液体を急速に気化させることを可能にし、システムの他の要素又は気化されない液体エアロゾル形成基体に対する熱損失を最小限とするため、有利である。有利なことに、サセプタ組立品、又はサセプタ組立品の加熱領域は、2ミリリットル~10ミリリットルの液体エアロゾル形成基体を保持し得る。
【0060】
有利なことに、ウィッキング要素は、0.5~1ミリメートルの厚さを有する。ウィッキング要素が提供されない実施形態では、40~100マイクロメートルの平行なウィッキング要素の間の空間によって、ウィッキングチャネルが提供され得る。ウィッキングチャネルは、各サセプタ素子の厚さと同じ桁の厚さを有してもよい。
【0061】
サセプタ素子の少なくとも一部分は流体浸透性であってもよい。一部の実施形態では、サセプタ素子は、流体浸透性であってもよい。本明細書で使用される場合、「流体浸透性」要素は、液体又は気体がこれを通して浸透することを可能にする要素を意味する。サセプタ素子は、流体がサセプタ素子を通して浸透することを可能するために、サセプタ素子に形成された複数の開口部を有してもよい。特に、このサセプタ素子は、気相又は気相及び液相の両方のいずれでもエアロゾル形成基体が開口部を通して浸透するのを許容し得る。
【0062】
システムは、複数のサセプタ組立品を含んでもよい。
【0063】
サセプタ組立品は、ウィッキング要素を含んでもよい。ウィッキング要素は、サセプタ素子と流体連通してもよい。ウィッキング要素は、液体貯蔵部と流体連通してもよい。ウィッキング要素は、液体貯蔵部からサセプタ素子にエアロゾル形成基体を輸送するように構成され得る。
【0064】
サセプタ組立品は、第1の平面状のサセプタ素子及び第2の平面状のサセプタ素子を含み得、両方が、第1の平面に平行に延び、かつ第1の平面に垂直な方向に互いに隣接する。サセプタ組立品が、第1の平面状のサセプタ素子及び第2の平面状のサセプタ素子を含み、両方が、第1の平面に平行に延び、かつ第1の平面に垂直な方向に互いに隣接するとき、ウィッキング要素は、第1のサセプタ素子と第2のサセプタ素子との間に位置付けられ得る。ウィッキング要素は、平面状で、第1の平面に平行に延びる。
【0065】
ウィッキング要素は、毛細管材料を含んでもよい。毛細管材料は、毛細管作用によって材料の一方の端から別の端に液体を輸送する能力を有する材料である。毛細管材料は繊維状又は海綿体状の構造を有し得る。毛細管材料は毛細管の束を含むことが好ましい。例えば、毛細管材料は複数の繊維若しくは糸、又はその他の微細穴管を含んでもよい。繊維又は糸は、液体エアロゾル形成基体をサセプタ素子の主表面にわたって運ぶために概して整列していてもよい。一部の実施形態では、毛細管材料は海綿体状又は発泡体状の材料を含んでもよい。毛細管材料の構造は複数の小さい穴又は管を形成してもよく、これを通して液体エアロゾル形成基体を毛細管作用によって輸送することができる。サセプタ素子が隙間又は開口を含む場合、毛細管材料はサセプタ素子内の隙間又は開口の中に延びてもよい。サセプタ素子は、毛細管作用によって液体エアロゾル形成基体を隙間又は開口の中に吸引し得る。
【0066】
ウィッキング要素は、電気絶縁性材料を含んでもよい。ウィッキング要素は、断熱性材料を含んでもよい。ウィッキング要素は、親水性材料を含んでもよい。ウィッキング要素は、親油性材料を含んでもよい。有利には、親水性又は親油性材料からウィッキング要素を形成することは、ウィッキング要素を通してエアロゾル形成基体の輸送を促進し得る。
【0067】
ウィッキング要素は、非金属材料を含んでもよい。ウィッキング要素用に好適な材料は、海綿体材料若しくは発泡体材料、繊維若しくは焼結粉末の形態のセラミック系若しくはグラファイト系の材料、発泡性の金属材料若しくはプラスチック材料、繊維状材料、例えば、ガラス繊維、セルロースアセテート、ポリエステル、又は結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、テリレン若しくはポリプロピレン繊維、ナイロン繊維又はセラミックなどの、紡糸繊維又は押出成形繊維で作製された繊維状材料である。ウィッキング要素に好適な材料は、綿又はレーヨンなどのセルロース材料を含み得る。ウィッキング要素は、レーヨンを含み得ることが好ましい。ウィッキング要素は、レーヨンからなり得る。ウィッキング要素は、ガラス繊維マットであってもよい。多孔性セラミック材料を含むウィッキング要素は、サセプタ素子の一方又は両方が、ウィッキング要素上に、堆積された導電性材料を含む場合に特に有利であり得る。多孔性セラミック材料を含むウィッキング要素は、サセプタ素子のための導電性材料の堆積と関連付けられた製造工程に有利な基体であり得る。
【0068】
サセプタ素子は、フィルム又は複数のトラックとして、ウィッキング要素上に印刷されるか、又は別様に堆積されてもよい。各サセプタ素子は、ウィッキング要素上に直接堆積された導電性材料を含むか、又はそれからなってもよい。サセプタ素子の導電性材料は、複数のトラックとしてウィッキング要素上に堆積されてもよい。動作中、気化したエアロゾル形成基体は、有利なことに、トラック間の間隙又は空間を通してウィッキング要素から逃れ得る。サセプタ素子の各々の複数のトラックは、有利なことに、ウィッキング要素の表面上に分布されて、その表面にわたって実質的に均一な加熱を提供し得る。例えば、トラックの各々の幅及びトラック間の間隔は、複数のトラックの各々に対して実質的に同じであってもよい。サセプタ素子の各々の複数のトラックは、互いに平行な第1の組のトラックを含み得る。複数のトラックは、第1の組のトラックに対して直角を成し、かつ第1の組のトラックに重なり合う、第2の組のトラックを更に含み得る。第1及び第2の組のトラックは、一緒にメッシュ状の構造を形成し得る。
【0069】
サセプタ素子は、穿孔された箔を含んでもよく、又はそれからなってもよい。動作中、気化したエアロゾル形成基体は、有利なことに、穿孔された箔の穿孔を通してウィッキング要素から逃れ得る。穿孔は、サセプタ素子にわたって均一に分布されてもよい。サセプタ素子は、サセプタ組立品からの蒸気の排出を可能にするため、又は液体エアロゾル形成基体の侵入を可能にするために、穿孔されてもよい。
【0070】
一部の好ましい実施形態では、サセプタ素子又は各サセプタ素子は、メッシュを含んでもよい。サセプタ素子は、メッシュを形成するフィラメントのアレイを含んでもよい。本明細書で使用される場合、「メッシュ」という用語は、それらの間に空間を有するフィラメントのグリッド及びアレイを包含する。メッシュという用語には、織布及び不織布も含まれる。
【0071】
フィラメントはフィラメント間の隙間を画定する場合があり、また隙間は10マイクロメートル~100マイクロメートルの幅を有してもよい。フィラメントは、使用時にソース液体が隙間の中に吸引されて、サセプタ素子と液体の間の接触面積を増大させるように、隙間の中で毛細管作用を生じさせることが好ましい。
【0072】
フィラメントは160~600メッシュUS(+/-10%)(すなわち、1インチ当たりのフィラメント数が160~600個(+/-10%))のサイズのメッシュを形成してもよい。隙間の幅は、35マイクロメートル~140マイクロメートル、又は25マイクロメートル~75マイクロメートルであってもよい。例えば、隙間の幅は、40マイクロメートル、又は63マイクロメートルであってもよい。隙間の面積とメッシュの総面積との比であるメッシュの開口面積の割合は、25~56%であることが好ましい。メッシュは、異なるタイプの織り構造又は格子構造を使用して形成されてもよい。あるいは、フィラメントは互いに平行に配置されたフィラメントのアレイからなる。
【0073】
フィラメントは、箔などのシート材料のエッチングによって形成されてもよい。これは、ヒーター組立品が平行のフィラメントのアレイを備えるときに、特に有利である場合がある。発熱体がフィラメントのメッシュ又は布を含む場合、フィラメントは個別に形成されてもよく、まとめて編まれてもよい。
【0074】
メッシュは焼結されることが好ましい。有利なことに、メッシュを焼結すると、異なる方向に延びるフィラメント間に電気的結合が生じる。特に、メッシュが1つ以上の織布及び不織布を含む場合、重なり合うフィラメント間に電気的結合が生じるようにメッシュを焼結することが有利である。
【0075】
メッシュはまた、当該技術分野においてよく理解されているとおり、液体を保持するその能力によって特性付けられ得る。
【0076】
メッシュのフィラメントは、8マイクロメートル~100マイクロメートル、30マイクロメートル~100マイクロメートル、8マイクロメートル~50マイクロメートル、又は8マイクロメートル~39マイクロメートルの直径を有してもよい。メッシュのフィラメントは、50マイクロメートルの直径を有してもよい。
【0077】
メッシュのフィラメントは、任意の好適な断面を有してもよい。例えば、フィラメントは丸い断面でもよく、又は平坦な断面でもよい。
【0078】
有利なことに、メッシュサセプタ素子は1~40000の相対浸透率を有し得る。大半の加熱のために渦電流に依存することが望ましいときに、より低い浸透性の材料を使用してもよく、またヒステリシス効果が望ましいときに、より高い浸透性の材料を使用してもよい。材料は500~40000の相対浸透率を有することが好ましい。これにより、サセプタ素子の効率的な加熱が提供され得る。
【0079】
サセプタ素子がメッシュを含む場合、加熱領域は第1の材料のフィラメントを含み得る。一部の実施形態では、加熱領域は、第1の材料のフィラメント及び第2の材料のフィラメントを含んでもよい。加熱領域は、第1の方向に第1の材料のフィラメント、及び第1の方向とは異なる第2の方向に第2の材料のフィラメントを含み得る。
【0080】
サセプタ素子がメッシュを含む場合、少なくとも1つの取り付け領域は、第2の材料のフィラメントを含み得る。一部の実施形態では、少なくとも1つの取り付け領域は、第1の材料のフィラメント及び第2の材料のフィラメントを含んでもよい。少なくとも1つの取り付け領域は、第1の方向に第1の材料のフィラメント、及び第1の方向とは異なる第2の方向に第2の材料のフィラメントを含み得る。
【0081】
サセプタ素子がメッシュを含む場合、メッシュは織られていてもよい。織られたメッシュは、横糸方向のフィラメント、及び縦糸方向のフィラメントを含む。
【0082】
サセプタ素子が織られたメッシュを含む場合、少なくとも1つの取り付け領域は、横糸方向に第2の材料のフィラメントを含み得る。サセプタホルダーは、横糸方向に延びるフィラメントの少なくとも1つの取り付け領域において発熱体と接触してもよい。サセプタホルダーは、横糸方向に延びるフィラメントの少なくとも1つの取り付け領域において発熱体と接触するのみで、縦糸方向に延びるフィラメントと接触しなくてもよい。有利なことに、第2の材料から横糸方向に延びる少なくとも1つの取り付け領域のフィラメントを形成することにより、第1の材料から形成された少なくとも1つの取り付け領域において横糸方向にフィラメントを有するサセプタ素子と比較して、サセプタ素子からサセプタホルダーへの熱伝達が低減し得る。
【0083】
サセプタ素子が織られたメッシュを含む場合、少なくとも1つの取り付け領域は、横糸方向に第1の材料のフィラメント、及び縦糸方向に第2の材料のフィラメントを含んでもよく、少なくとも1つの取り付け領域は、横糸方向に第2の材料のフィラメント、及び縦糸方向に第2の材料のフィラメントを含んでもよい。
【0084】
サセプタ素子が織られたメッシュを含む場合、少なくとも1つの取り付け領域は、横糸方向に第1の材料のフィラメント、及び縦糸方向に第2の材料のフィラメントからなってもよく、少なくとも1つの取り付け領域は、横糸方向に第2の材料のフィラメント、及び縦糸方向に第2の材料のフィラメントからなってもよい。
【0085】
サセプタ素子が織られたメッシュを含む場合、少なくとも1つの取り付け領域は、縦糸方向に第1の材料のフィラメント、及び横糸方向に第2の材料のフィラメントを含んでもよく、少なくとも1つの取り付け領域は、縦糸方向に第2の材料のフィラメント、及び横糸方向に第2の材料のフィラメントを含んでもよい。
【0086】
サセプタ素子が織られたメッシュを含む場合、少なくとも1つの取り付け領域は、縦糸方向に第1の材料のフィラメント、及び横糸方向に第2の材料のフィラメントからなってもよく、少なくとも1つの取り付け領域は、縦糸方向に第2の材料のフィラメント、及び横糸方向に第2の材料のフィラメントからなってもよい。
【0087】
サセプタ素子が織られたメッシュを含む場合、少なくとも1つの取り付け領域は、横糸方向に第1の材料のフィラメント、及び縦糸方向に第1の材料のフィラメントを含んでもよく、少なくとも1つの取り付け領域は、横糸方向に第1の材料のフィラメント、及び縦糸方向に第2の材料のフィラメントを含んでもよい。
【0088】
サセプタ素子が織られたメッシュを含む場合、少なくとも1つの取り付け領域は、横糸方向に第1の材料のフィラメント、及び縦糸方向に第1の材料のフィラメントからなってもよく、少なくとも1つの取り付け領域は、横糸方向に第1の材料のフィラメント、及び縦糸方向に第2の材料のフィラメントからなってもよい。
【0089】
サセプタ素子が織られたメッシュを含む場合、少なくとも1つの取り付け領域は、縦糸方向に第1の材料のフィラメント、及び横糸方向に第1の材料のフィラメントを含んでもよく、少なくとも1つの取り付け領域は、縦糸方向に第1の材料のフィラメント、及び横糸方向に第2の材料のフィラメントを含んでもよい。
【0090】
サセプタ素子が織られたメッシュを含む場合、少なくとも1つの取り付け領域は、縦糸方向に第1の材料のフィラメント、及び横糸方向に第1の材料のフィラメントからなってもよく、少なくとも1つの取り付け領域は、縦糸方向に第1の材料のフィラメント、及び横糸方向に第2の材料のフィラメントからなってもよい。
【0091】
サセプタ組立品は、透過性の電気絶縁被覆によって包囲されてもよい。被覆は、透過性セラミック材料を含んでもよく、又はそれからなってもよい。サセプタ組立品が被覆を含む場合、要素が一緒に固定されるように、サセプタ素子及びウィッキング要素を一緒に保持する被覆であり得る。被覆は、有利なことに、サセプタ組立品の堅牢性及び強度を改善し得る。被覆は、Al23又はシリコン系セラミック材料を含んでもよい。被覆は、約30パーセントの空隙率を有してもよい。
【0092】
サセプタホルダーの少なくとも一部分は、セラミック材料などの多孔性又は透過性の材料を含んでもよい。一部分は、サセプタ組立品の取り付け領域が取り付けられるサセプタ組立品の領域であってもよい。貯蔵部からのエアロゾル形成基体は、サセプタ組立品ホルダーのこの部分を通ってサセプタ組立品の取り付け領域へと通過し得る。これは有利なことに、貯蔵部からサセプタ組立品に輸送されるエアロゾル形成基体の経路を提供し、サセプタ組立品に供給されるエアロゾル形成基体の量を増大させ得る。
【0093】
多孔性又は透過性材料を含むサセプタホルダーの一部分は、Al23又はシリコン系セラミック材料を含み得る。一部分は、約30パーセントの空隙率を有してもよい。
【0094】
有利なことに、エアロゾル発生システムは、空気吸込み口、空気出口、及び空気吸込み口と空気出口との間の気流通路を備え得る。サセプタ組立品の一部分は、気流通路内にあってもよい。サセプタ素子の加熱領域は、気流通路内であってもよい。サセプタ組立品によって気化されたエアロゾル形成基体は、気流通路内に逃れ得る。蒸気は、気流通路内で凝縮されてエアロゾルを形成し得る。エアロゾルは、空気出口を通してエアロゾル発生システムから吸引され得る。空気出口は、エアロゾル発生システムの口側端に提供されてもよく、空気出口を通して、発生されたエアロゾルがユーザによって吸引され得る。
【0095】
サセプタ組立品は、第1の平面に平行な第1の表面、及び第1の平面に平行な、第1の平面とは反対側の第2の表面を有してもよく、第1及び第2の表面の両方の少なくとも一部分は、気流通路内の空気と直接的に接触する。有利なことに、気流通路は、サセプタ組立品の近くに第1の平面に平行に延びる。
【0096】
サセプタ組立品が実質的に平面状のサセプタ素子を含む場合、サセプタ素子の第1の側面は口側端に面してもよく、サセプタ素子の第2の側面は接続端に面してもよい。しかしながら、好ましくは、平面状のサセプタ素子は、システムの長手方向軸に実質的に平行な平面に延び、口側端と接続端との間に延びる。平面状のサセプタ素子が、システムの長手方向軸に実質的に平行な平面に延びる場合、サセプタ素子の第1及び第2の側面は、システムの対向する側面に面する。
【0097】
気流通路は、液体貯蔵部を通過してもよい。例えば、液体貯蔵部は、内部通路を画定する環状断面を有してもよく、気流通路は、液体貯蔵部の内部通路を通って延びてもよい。
【0098】
サセプタホルダーが管状サセプタホルダーである場合、管状サセプタホルダーの内部通路は、封止された気流通路の一部を形成し得る。封止された気流通路は、空気吸込み口から、管状サセプタホルダーの内部通路を通り、液体貯蔵部の内部通路を通って、空気出口へと延び得る。
【0099】
一部の実施形態では、気流通路の少なくとも一部分は、サセプタホルダーとシステムの外側ハウジングとの間に画定される。気流通路の少なくとも一部分は、液体貯蔵部とシステムの外側ハウジングとの間に画定され得る。一部の実施形態では、封止された気流通路は、空気吸込み口から、サセプタホルダーと外側ハウジングとの間の通路を通り、液体貯蔵部と外側ハウジングとの間の通路を通って、空気出口へと延びてもよい。
【0100】
エアロゾル発生システムは、有利には、再使用可能な装置及びカートリッジを備え得、液体貯蔵部及びサセプタ組立品は、カートリッジ内にあり、インダクタコイル及び制御回路は、装置内にある。
【0101】
空気出口は、カートリッジ内に提供されてもよい。空気吸込み口は、カートリッジ内、装置内、又はカートリッジと装置との間に提供されてもよい。カートリッジは口側端を有してもよく、この口側端を通して、発生したエアロゾルはユーザによって吸引されることができる。カートリッジは、カートリッジを装置に接続するように構成された接続端を有してもよい。
【0102】
カートリッジは、サセプタホルダーを備えてもよい。サセプタホルダーは、サセプタ組立品を支持する。サセプタホルダーは、サセプタ素子の少なくとも1つの取り付け領域に接触してもよい。サセプタホルダーは、サセプタ組立品をカートリッジ内の所定の位置に固定する。
【0103】
サセプタホルダーは、エアロゾル形成基体の加熱のためにサセプタ組立品が昇温される温度に耐えるように構成され得る。
【0104】
サセプタホルダーは、エアロゾル形成基体の加熱のためにサセプタが昇温される温度に耐えることができる任意の好適な材料から形成され得る。好ましくは、サセプタホルダーは、断熱性材料を含む。有利なことに、断熱性材料からサセプタホルダーを形成することは、サセプタ素子からサセプタホルダーへの熱伝達を最小化し得る。好ましくは、サセプタホルダーは、電気絶縁性材料を含む。サセプタホルダーは、耐久性のある材料から形成されてもよい。サセプタホルダーは、液体不浸透性の材料から形成されてもよい。サセプタホルダーは、ポリプロピレン(PP)又はポリエチレンテレフタラート(PET)などの成形可能プラスチック材料から形成されてもよい。
【0105】
サセプタホルダーは、任意の好適な形状及びサイズを有し得る。
【0106】
一部の好ましい実施形態では、サセプタホルダーは管状である。管状サセプタは、内部通路を画定してもよい。一部の実施形態では、サセプタ組立品は、サセプタホルダーの内部通路内に延びる。一部の好ましい実施形態では、サセプタ素子は、サセプタホルダーの内部通路内に延びる。サセプタ素子は、サセプタホルダーの内部通路にわたって延びてもよい。サセプタ素子がサセプタホルダーの内部通路にわたって延びる場合、サセプタ素子は、サセプタホルダーと接触するサセプタ素子の第1の側面に第1の取り付け領域、及びサセプタホルダーと接触する第1の側面とは反対側のサセプタ素子の第2の側面に第2の取り付け領域を含み得る。有利なことに、サセプタ素子を対向する側面においてサセプタホルダーと接触するように配置することによって、サセプタホルダーが、サセプタ素子をカートリッジ内の所定位置に堅牢に固定することが可能になり得る。
【0107】
サセプタホルダーの内部通路は、実質的に長手方向軸に沿って延びてもよい。一部の実施形態では、サセプタ素子は実質的に平面状であり、サセプタ素子は長手方向軸に平行に延びる。一部の実施形態では、サセプタ素子は実質的に平面状であり、サセプタ素子は長手方向軸に対して直角を成して延びる。
【0108】
一部の実施形態では、サセプタホルダーの内部通路は、カートリッジの空気通路の一部を形成してもよい。これらの実施形態では、サセプタ素子の加熱領域は、サセプタホルダーの内部通路に配置されてもよい。
【0109】
一部の実施形態では、サセプタホルダーの内部通路は、カートリッジの液体貯蔵部の一部を形成してもよい。実施形態では、サセプタ素子の少なくとも1つの取り付け領域は、サセプタホルダーの内部通路内に延びてもよい。
【0110】
管状サセプタホルダーは、少なくとも1つの側壁を備え得る。管状サセプタホルダーは、サセプタホルダーの内部通路が少なくとも一方の端で開いているように、開放端を有してもよい。管状サセプタホルダーの少なくとも1つの側壁は、管状サセプタホルダーの端間に開口部を画定し得る。サセプタ素子の少なくとも1つの取り付け領域は、管状サセプタホルダーの開口部内に延びてもよい。一部の実施形態では、サセプタ素子が複数の取り付け領域を含む場合、管状サセプタホルダーの少なくとも1つの側壁は、管状サセプタホルダーの端間に複数の開口部を画定する。これらの実施形態では、サセプタ素子の各取り付け領域は、管状サセプタホルダーの少なくとも1つの側壁の複数の開口部のうちの1つ内に延びてもよい。
【0111】
エアロゾル発生装置はハウジングを備えてもよい。ハウジングは細長くてもよい。ハウジングは、任意の好適な材料又は材料の組み合わせを含んでもよい。好適な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、若しくはこれらの材料のうちの1つ以上を含有する複合材料、又は食品若しくは医薬品用途に好適な熱可塑性樹脂、例えば、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンが挙げられる。材料は軽く、かつ脆くないことが好ましい。
【0112】
エアロゾル発生装置ハウジングは、カートリッジを受容するための空洞を画定し得る。エアロゾル発生装置は、1つ以上の空気吸込み口を含んでもよい。1つ以上の空気吸込み口は、周囲空気を空洞の中に吸引することを可能にし得る。
【0113】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置をカートリッジに接続するように構成された接続端を有してもよい。接続端は、カートリッジを受容するための空洞を含んでもよい。
【0114】
エアロゾル発生装置は、接続端の反対側に遠位端を有してもよい。遠位端は、エアロゾル発生装置の電源を充電するために、エアロゾル発生装置を外部電源の電気コネクタに接続するように構成された電気コネクタを備えてもよい。
【0115】
カートリッジは、外側ハウジングを含んでもよい。外側ハウジングは、耐久性のある材料から形成されてもよい。外側ハウジングは、液体不浸透性の材料から形成されてもよい。外側ハウジングは、ポリプロピレン(PP)又はポリエチレンテレフタラート(PET)などの成形可能プラスチック材料から形成されてもよい。外側ハウジングは、サセプタホルダーと同じ材料から形成されてもよく、又は異なる材料から形成されてもよい。
【0116】
サセプタ組立品は、外側ハウジング内に配置されてもよい。サセプタホルダーは、外側ハウジング内に配置されてもよい。一部の実施形態では、サセプタホルダーは、外側ハウジングと一体的に形成されてもよい。
【0117】
外側ハウジングは、液体貯蔵部の一部分を画定してもよい。外側ハウジングは、液体貯蔵部を画定し得る。外側ハウジング及び液体貯蔵部は、一体的に形成されてもよい。あるいは、液体貯蔵部は外側ハウジングとは別個に形成されてもよく、外側ハウジング内に配置されてもよい。
【0118】
カートリッジが外側ハウジングを含む一部の好ましい実施形態では、サセプタホルダーは、サセプタ組立品を外側ハウジングに固定し得る。有利なことに、カートリッジに、サセプタ組立品をハウジングに固定するサセプタホルダーを提供することにより、サセプタ組立品が外側ハウジングから分離され得、その結果、外側ハウジングを、エアロゾル形成基体の加熱のためのサセプタ組立品の昇温に耐えるよう構成する必要はない。これにより、カートリッジを、耐久性が低く、かつ安価な材料から作製することが可能になり得る。
【0119】
エアロゾル発生システムは、液体貯蔵部を備えてもよい。液体貯蔵部は、エアロゾル形成基体を保持するように構成されてもよい。特に、液体貯蔵部は、液体エアロゾル形成基体を保持するように構成され得る。液体貯蔵部は、エアロゾル発生システムの要件に応じて、任意の好適な形状及びサイズを有してもよい。
【0120】
一部の実施形態では、液体貯蔵部は、液体エアロゾル形成基体を保持するための保持材料を含有する。液体貯蔵部が複数の部分を含む場合、保持材料は、液体貯蔵部の1つ以上の部分に位置付けられてもよく、又は液体貯蔵部の部分のうちの全てに位置付けられてもよい。保持材料は、発泡体材料、海綿体材料、又は繊維の収集物であってもよい。保持材料はポリマー又はコポリマーで形成されてもよい。一実施形態において、保持材料は紡糸ポリマーである。保持材料は、ウィッキング要素に好適なものとして上述する材料のいずれかから形成され得る。
【0121】
エアロゾル発生システムがウィッキング要素及び保持材料を含む場合、ウィッキング要素及び保持材料は、同じ材料又は異なる材料から形成され得る。保持材料は、サセプタ組立品と流体連通してもよい。保持材料は、サセプタ組立品に接触し得る。保持材料は、サセプタ組立品のウィッキング要素と流体接触してもよい。保持材料は、サセプタ組立品のウィッキング要素と接触してもよい。
【0122】
エアロゾル発生システムは、エアロゾル形成基体を備えてもよい。本明細書で使用される場合、「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体を指す。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。液体貯蔵部は、液体エアロゾル形成基体を含有することが好ましい。
【0123】
エアロゾル形成基体は室温にて液体であってもよい。エアロゾル形成基体は、液体構成成分と固体構成成分との両方を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。ニコチン含有液体エアロゾル形成基体はニコチン塩マトリクスであり得る。液体エアロゾル形成基体は植物由来材料を含み得る。液体エアロゾル形成基体は、たばこを含み得る。液体エアロゾル形成基体は、加熱時にエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含み得る。液体エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含み得る。液体エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含み得る。液体エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含み得る。
【0124】
液体エアロゾル形成基体は1つ以上のエアロゾル形成体を含み得る。エアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつシステムの動作温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の好適な周知の化合物又は化合物の混合物である。好適なエアロゾル形成体の例としては、グリセリン及びプロピレングリコールが挙げられる。好適なエアロゾル形成体は当技術分野で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、又はトリアセテートなど)、及びモノカルボン酸、ジカルボン酸、又はポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が含まれるが、これらに限定されない。液体エアロゾル形成基体は、水、溶媒、エタノール、植物抽出物、及び天然風味又は人工風味を含んでもよい。
【0125】
液体エアロゾル形成基体は、ニコチン及び少なくとも1つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、グリセリン又はプロピレングリコールであってもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンとプロピレングリコールとの両方を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、約0.5%~約10%、例えば、約2%のニコチン濃度を有してもよい。
【0126】
カートリッジは、第1の部分及び第2の部分の2つの部分を含み得る。第2の部分は、第1の部分に対して移動可能であり得る。カートリッジの第1及び第2の部分は、貯蔵構成と使用構成との間で互いに対して移動可能であってもよい。貯蔵構成では、サセプタ組立品は、エアロゾル形成基体から単離されてもよい。使用構成では、サセプタ組立品は、エアロゾル形成基体と流体連通してもよい。
【0127】
液体貯蔵部は、第1の部分及び第2の部分の2つの部分を含み得る。シールは、第1の部分と第2の部分との間に提供されてもよい。シールは、液体貯蔵部の第1の部分と液体貯蔵部の第2の部分との間の流体連通を防止するように配置されてもよい。言い換えれば、シールは、液体貯蔵部の第1の部分を液体貯蔵部の第2の部分から流体的に単離し得る。貯蔵構成では、液体エアロゾル形成基体は、液体貯蔵部の第1の部分に保持され得る。貯蔵構成では、シールは、エアロゾル形成基体が液体貯蔵部の第1の部分から液体貯蔵部の第2の部分へと流れるのを防止し得る。
【0128】
カートリッジの第1の部分は、液体貯蔵部の第1の部分、及びシールを含んでもよい。カートリッジの第2の部分は、サセプタホルダー及びサセプタ組立品を含み得る。サセプタホルダーは、1つ以上の穿刺要素を含んでもよい。1つ以上の穿刺要素は、カートリッジの第1及び第2の部分が貯蔵構成から使用構成に移動するときに、カートリッジの第2の部分のシールを穿刺又は貫通するように配置され得る。
【0129】
カートリッジの第1及び第2の部分が貯蔵構成から使用構成に移動すると、サセプタホルダーの1つ以上の穿刺要素がシールを穿刺し、エアロゾル形成基体が液体貯蔵部の第1の部分から液体貯蔵部の第2の部分へと流れることが可能になり得る。
【0130】
サセプタ組立品は、液体貯蔵部の第2の部分内に延びてもよい。サセプタ組立品がウィッキング要素を含む場合、ウィッキング要素の一部分は、液体貯蔵部の第2の部分内に延びてもよい。したがって、カートリッジが貯蔵構成にあるとき、サセプタ組立品は、エアロゾル形成基体から単離され、カートリッジが使用構成にあるとき、サセプタ組立品は、液体貯蔵部の第2の部分からエアロゾル形成基体を供給される。
【0131】
シールは、液体貯蔵部の第1の部分と液体貯蔵部の第2の部分との間の流体の流れを防止するための任意の好適なタイプのシールであってもよい。例えば、シールは、金属箔、プラスチック箔、又はエラストマーシールを含んでもよい。
【0132】
カートリッジの第1及び第2の部分は、任意の好適な様態で、互いに対して移動可能であってもよい。一部の実施形態では、カートリッジの第1及び第2の部分は、互いに対して摺動可能であってもよい。一部の実施形態では、カートリッジの第1及び第2の部分は、互いに対して回転可能であってもよい。
【0133】
サセプタホルダーが管状サセプタホルダーであり、サセプタホルダーの内側通路がカートリッジの空気通路の一部を形成する場合、液体貯蔵部の第2の部分は、サセプタホルダーの外表面と外側ハウジングの内表面との間に形成され得る。これらの実施形態では、液体貯蔵部の第2の部分は、サセプタホルダーと外側ハウジングとの間に環状空間を備えてもよい。これらの実施形態では、1つ以上の穿刺要素は、サセプタホルダーの外表面に配置されてもよい。
【0134】
サセプタホルダーが管状サセプタホルダーであり、サセプタホルダーの内側通路がカートリッジの液体貯蔵部の一部を形成する場合、液体貯蔵部の第2の部分は、サセプタホルダーの内側通路によって形成され得る。これらの実施形態では、1つ以上の穿刺要素は、内側通路内のサセプタホルダーの内表面に配置されてもよい。
【0135】
エアロゾル発生システムは、ユーザがマウスピースを吸って口側端開口部を通してエアロゾルを吸引することを可能にするように構成された手持ち式エアロゾル発生システムであってもよい。エアロゾル発生システムは従来の葉巻たばこ又は紙巻たばこに匹敵するサイズを有してもよい。エアロゾル発生システムは、約30ミリメートル~約150ミリメートルの全長を有してもよい。エアロゾル発生システムは、約5ミリメートル~約30ミリメートルの外径を有してもよい。
【0136】
エアロゾル発生システムは、ニコチン又はカンナビノイドをユーザに送達するように構成され得る。エアロゾル発生システムは、電動式喫煙装置であってもよい。
【0137】
制御回路は、マイクロプロセッサを備えてもよい。マイクロプロセッサは、プログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、若しくは特定用途向け集積チップ(ASIC)又は制御を提供する能力を有する他の電子回路であってもよい。制御回路は、装置の起動後に連続的に、少なくとも1つのインダクタコイルに電力を供給するように構成されてもよく、又は吸煙ごとなどのように断続的に、電力を供給するように構成されてもよい。電力は、例えば、パルス幅変調(PWM)によって、電流パルスの形態で誘導加熱組立品に供給され得る。制御回路は、DC/ACインバータを含んでもよく、これはクラスD又はクラスEの電力増幅器を含んでもよい。制御回路は、更なる電子構成要素を備えてもよい。例えば、一部の実施形態において、制御回路は、センサ、スイッチ、ディスプレイ要素のいずれかを備えてもよい。
【0138】
エアロゾル発生システムは、電源を備えてもよい。電源は、システムの装置に包含されてもよい。電源はDC電源であってもよい。電源は電池であってもよい。電池は、リチウム系の電池、例えば、リチウムコバルト電池、リチウム鉄リン酸塩電池、チタン酸リチウム電池、又はリチウムポリマー電池であってもよい。電池はニッケル水素電池又はニッケルカドミウム電池であってもよい。電源はコンデンサなど別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電可能であってもよく、数多くの充放電サイクルのために構成されてもよい。電源は、エアロゾル発生システムの1回以上のユーザ体験のために十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有してもよく、例えば、電源は従来の紙巻たばこ1本を喫煙するのにかかる典型的な時間に対応する約6分間の期間、又は6分間の倍数の期間にわたるエアロゾルの連続的な発生を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の実施例において、電源は所定の吸煙回数、又は霧化組立品の不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
【0139】
本開示によると、上記に説明されたエアロゾル発生装置を使用してエアロゾルを発生させる方法であって、第1のコイルがサセプタ組立品上に第1のローレンツ力を提供し、第2のインダクタがサセプタ組立品上に同等及び反対のローレンツ力を提供するように、第1及び第2のインダクタコイルに交流電流を供給することを含む、方法が提供される。
【0140】
本開示によると、エアロゾル発生システムのためのカートリッジであって、
カートリッジハウジングと、
カートリッジハウジング内の液体貯蔵部と、
液体貯蔵部からの液体が使用中にサセプタ素子に運ばれるように、液体貯蔵部と流体連通するサセプタ素子を含む、サセプタ組立品と、を備える、カートリッジが提供される。
【0141】
サセプタ素子が、実質的に平面状で、第1の平面に平行に延び得、
カートリッジハウジングは、一対の平面状のインダクタコイルを含むエアロゾル発生システムの別の部分に結合するように構成され得、それにより、サセプタ組立品は、インダクタコイルの各々が第1の平面に平行に延びるように、一対のインダクタコイルの間の空間内に位置付けられている。有利なことに、カートリッジは、液体貯蔵部が一対のインダクタコイル間の空間の外側に位置付けられるように構成されている。
【0142】
サセプタ組立品は、ウィッキング要素を更に備えてもよい。ウィッキング要素は、サセプタ素子と流体連通してもよい。ウィッキング要素は、液体貯蔵部と流体連通してもよい。ウィッキング要素は、液体貯蔵部からサセプタ素子にエアロゾル形成基体を運ぶように配置されてもよい。特に、ウィッキング要素は、サセプタ素子の主表面にわたって液体貯蔵部からエアロゾル形成基体を運ぶように配置されてもよい。サセプタ素子は、ウィッキング要素に固定されてもよい。サセプタ素子は、ウィッキング要素と一体型であってもよい。
【0143】
ウィッキング要素の提供は、サセプタ素子の湿潤を改善し、そのため、システムによるエアロゾル発生を増加させる。これにより、サセプタ素子を、それ自体は良好なウィッキング又は湿潤性能を提供しない材料から作製することが可能になる。
【0144】
一部の実施形態では、サセプタ組立品は、複数のサセプタ素子を備える。サセプタ組立品が、複数のサセプタ素子及びウィッキング要素を含む場合、各サセプタ素子は、ウィッキング要素と流体連通して配置されてもよい。一部の実施形態では、サセプタ組立品は、複数のサセプタ素子及び複数のウィッキング要素を含む。
【0145】
一部の好ましい実施形態では、サセプタ組立品は、第1のサセプタ素子及び第2のサセプタ素子を備え、第2のサセプタ素子は、第1のサセプタ素子から離間されている。ウィッキング要素は、第1のサセプタ素子と第2のサセプタ素子との間の空間内に配置され得る。一部の特に好ましい実施形態では、第1のサセプタ、第2のサセプタ、及びウィッキング要素は、実質的に平面であり、第1のサセプタは、平面状のウィッキング要素の第1の側面に配置され、第2のサセプタは、第1の側面の反対側の、平面状のウィッキング要素の第2の側面に配置される。ウィッキング要素は、例えば、綿、ガラス繊維、又はレーヨンのシートであってもよい。
【0146】
サセプタ素子の各々の厚さは、有利なことに、システムの動作周波数におけるサセプタ素子の材料の表皮深さと同じ桁又はそれ未満である。有利なことに、サセプタ組立品は、2ミリメートル以下の厚さを有する。
【0147】
有利なことに、サセプタ組立品は、単回のユーザ吸煙に十分である、少量の液体エアロゾル形成基体のみを保持するように構成される。これは、少量の液体を急速に気化させることを可能にし、システムの他の要素又は気化されない液体エアロゾル形成基体に対する熱損失を最小限とするため、有利である。有利なことに、サセプタ組立品、又はサセプタ組立品の加熱領域は、2ミリリットル~10ミリリットルの液体エアロゾル形成基体を保持し得る。
【0148】
カートリッジのサセプタ素子、サセプタ組立品、及び液体貯蔵部は、エアロゾル発生システムに関連して上記に説明された特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0149】
カートリッジは、サセプタ組立品を含有する開放端空洞を備え得、その中に一対のインダクタコイルが受容され得る。
【0150】
カートリッジは、カートリッジハウジングを含み得る。カートリッジハウジングは、空気吸込み口及び空気出口、空気吸込み口から空気出口までカートリッジハウジングを通って延びる気流通路を備え得、サセプタ組立品は、気流通路内に位置付けられる。液体貯蔵部は、気流通路の外側に位置付けられてもよい。あるいは、液体貯蔵部は、気流通路内に位置付けられてもよい。
【0151】
気流通路は、第1の平面に平行な方向に、空気吸込み口からサセプタ組立品を通過して空気出口に導き得る。サセプタ組立品は、平面状であり、サセプタ組立品の反対側面上の第1の平面に平行に延びる2つの主要な面を含み得る。気流通路を通る気流は、サセプタ組立品の2つの主要な面の各々と接触し得る。
【0152】
本開示によるエアロゾル発生システム、カートリッジ、及び動作方法は、いくつかの利点を有する。比較的低い周波数の交流電流が、平坦なサセプタ素子及び隣接するインダクタコイルの構成により、サセプタ素子の適切な加熱を提供するために使用され得る。サセプタ組立品の局所化された加熱が、サセプタ組立品の特定の領域に隣接してインダクタコイルを位置付けることによって可能となる。交番磁界の結果としてサセプタ組立品が経験する力は、対向するインダクタコイルの提供によって均衡化され得る。これは、サセプタ素子の応力、運動、及び変形を低減する。本開示によるカートリッジは、使用前及び使用中の両方で、簡単に製造され、堅牢に作製され得る。
【0153】
カートリッジ又はエアロゾル発生装置の一実施形態に関連して本明細書に記載される任意の特徴はまた、本開示によるカートリッジ及びエアロゾル発生装置の他の実施形態にも適用され得ることが理解されよう。一実施形態に関連して説明される特徴は、本開示による別の実施形態に等しく適用され得る。また、当然のことながら、本開示によるエアロゾル発生システムは、カートリッジを有しないエアロゾル発生装置に提供されてもよい。したがって、カートリッジに関連して本明細書に説明される特徴は、エアロゾル発生装置に等しく適用可能であり得る。
【0154】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供する。これらの実施例の特徴のうちのいずれか1つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、又は態様の任意の1つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0155】
実施例1 エアロゾル発生システムであって、
液体貯蔵部と、
液体貯蔵部からの液体が使用中にサセプタ素子に運ばれるように、液体貯蔵部と流体連通するサセプタ素子を含む、サセプタ組立品であって、
サセプタ素子が、実質的に平面状で、第1の平面に平行に延びる、サセプタ組立品と、
第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイルであって、第1のインダクタコイルが、サセプタ組立品の第1の側面上に位置付けられ、かつ第1の平面に平行に延び、第2のインダクタコイルが、第1の側面とは反対側のサセプタ組立品の第2の側面上に位置付けられ、かつ第1の平面に平行に延び、サセプタ素子が、第1のインダクタコイルと第2のインダクタコイルとの間に位置付けられている、第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイルと、
第1及び第2のインダクタコイルに接続され、第1及び第2のインダクタコイルに交流電流を提供するように構成された制御回路と、を備える、エアロゾル発生システム。
実施例2 サセプタ素子が、第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイルから実質的に等距離にある、実施例1によるエアロゾル発生システム。
実施例3 第1及び第2のインダクタコイルが、平面状のインダクタコイルである、実施例1又は2によるエアロゾル発生システム。
実施例4 システムは、第1及び第2のインダクタコイルが互いに同等かつ反対の磁界を生成するように構成されている、実施例1~3のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例5 システムは、第1及び第2のインダクタコイルが第1の平面に垂直であるサセプタ組立品において磁界を提供するように構成されている、実施例1~4のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例6 制御回路が、第1のインダクタコイルが第2のインダクタコイルと同等かつ反対の力をサセプタアセンブリ上に提供するように、インダクタコイルに電流を提供するように構成されている、実施例1~5のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例7 貯蔵部が、第1のインダクタコイルと第2のインダクタコイルとの間に画定された空間の外側に位置付けられている、実施例1~実施例6のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例8 平面状のインダクタコイルの各々が、長方形である、実施例1~7のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例9 第1のインダクタコイルが、第2のインダクタコイルと同じ巻き数を有する、実施例1~8のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例10 第1のインダクタコイルが、第2のインダクタコイルと同じサイズ及び形状を有する、実施例1~9のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例11 第1のインダクタコイルが、第2のインダクタコイルと実質的に同一である、実施例1~10のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例12 第1のインダクタコイルが、第2のインダクタコイルと同一の電気抵抗を有する、実施例1~11のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例13 第1のインダクタコイルが、第2のインダクタコイルと同一のインダクタンスを有する、実施例1~12のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例14 インダクタコイルが、電気的に接続されて単一の導電性経路を形成し、第1のインダクタコイルが、第2のインダクタコイルとは反対向きに巻かれる、実施例1~13のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例15 第1及び第2のインダクタコイルには、同一の交流電流が提供される、実施例1~14のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例16 第1のインダクタコイルが、第2のインダクタコイルと同じ向きに巻かれ、制御回路が、第2のインダクタコイルに提供される電流と直接的に位相がずれた電流を第1のインダクタコイルに提供するように構成されている、実施例1~実施例13のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例17 インダクタコイルによって生成された磁界を含有するように構成された1つ以上の磁束集中器を備える、実施例1~16のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例18 1つ以上の磁束集中器が、サセプタ組立品上に、第1の平面に対して直角を成して磁界を集中させるように構成されている、実施例17によるエアロゾル発生システム。
実施例19 制御回路が、100キロヘルツ(kHz)~30メガヘルツ(MHz)、好ましくは100キロヘルツ(kHz)~1メガヘルツ(MHz)の周波数を有する第1及び第2のインダクタコイルに交流を提供するように構成されている、実施例1~18のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例20 サセプタ組立品が、ウィッキング要素を含む、実施例1~19のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例21 ウィッキング要素が、サセプタ素子と流体連通する、実施例20によるエアロゾル発生システム。
実施例22 ウィッキング要素が、液体貯蔵部と流体連通する、実施例20によるエアロゾル発生システム。
実施例23ウィッキング要素が、液体貯蔵部からサセプタ素子にエアロゾル形成基体を運ぶように配置される、実施例20~22のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例24 ウィッキング要素が、液体貯蔵部からサセプタ素子の主表面にわたってエアロゾル形成基体を運ぶように配置される、実施例20~23のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例25 サセプタ素子が、ウィッキング要素に固定されている、実施例20~実施例24のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例26 サセプタ素子が、ウィッキング要素と一体型である、実施例20~25のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例27 サセプタ組立品が、複数のサセプタ素子を含む、実施例1~26のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例28 サセプタ組立品が、複数のサセプタ素子及びウィッキング要素を含み、各サセプタ素子が、ウィッキング要素と流体連通して配置されている、実施例1~27のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例29 サセプタ組立品が、複数のサセプタ素子及び複数のウィッキング要素を含む、実施例1~28のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例30 サセプタアセンブリが、第1のサセプタ素子と、第2のサセプタ素子と、を備え、第2のサセプタ素子が、第1のサセプタ素子から離間されている、実施例1~29のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例31ウィッキング要素が、第1のサセプタ素子と第2のサセプタ素子との間の空間に配置されている、実施例30によるエアロゾル発生システム。
実施例32 第1のサセプタ、第2のサセプタ、及びウィッキング要素が実質的に平面であり、第1のサセプタが平面状のウィッキング要素の第1の側面に配置され、第2のサセプタが第1の側面の反対側の平面状のウィッキング要素の第2の側面に配置されている、実施例31によるエアロゾル発生システム。
実施例33 サセプタ組立品の少なくとも一部分が、液体貯蔵部の実質的に外側に配置されている、実施例1~32のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例34 各サセプタ素子の主表面の少なくとも一部分が、液体貯蔵部と直接的に接触していない、実施例33によるエアロゾル発生システム。
実施例35 サセプタ組立品の2つの対向する主表面の各々の少なくとも一部分が、システムの気流通路内の空気と直接的に接触する、実施例1~実施例34のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例36 サセプタ素子が、加熱領域及び少なくとも1つの取り付け領域を含み、加熱領域は、好適な交番磁界による貫通時に液体貯蔵部からの液体エアロゾル形成基体を気化するのに必要な温度まで加熱されるように構成されたサセプタ素子の領域であり、サセプタ素子の少なくとも1つの取り付け領域は、サセプタホルダーと接触するように構成されたサセプタ素子の領域である、実施例1~実施例35のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例37 加熱領域が、交番磁界の存在下で、取り付け領域よりも実質的に高温まで加熱されるように構成されている、実施例36によるエアロゾル発生システム。
実施例38 加熱領域が、第1のインダクタコイルと第2のインダクタコイルとの間の空間に直接位置し、取り付け領域が、第1のインダクタコイルと第2のインダクタコイルとの間の空間の外側に直接位置し得る、実施例36又は37によるエアロゾル発生システム。
実施例39 サセプタ素子の加熱領域が、液体貯蔵部の外側に配置されている、実施例36~38のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例40 サセプタ素子が、メッシュ、フラットスパイラルコイル、繊維、又は布を含む、実施例1~39のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例41 サセプタ素子が、シート又は細片を含む、実施例1~40のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例42 サセプタ素子の厚さが、システムの動作周波数におけるサセプタ素子の材料の表皮深さの2~10倍である、実施例1~41のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例43 サセプタアセンブリが、2ミリメートル以下の厚さを有する、実施例1~42のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例44 サセプタ組立品、又はサセプタ組立品の加熱領域が、2ミリリットル~10ミリリットルの液体エアロゾル形成基体を保持する、実施例1~実施例43のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例45 サセプタ素子の少なくとも一部分が、流体浸透性である、実施例1~実施例44のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例46 システムが、複数のサセプタ組立品を含む、実施例1~実施例45のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例47 サセプタ組立品が、ウィッキング要素を含み、ウィッキング要素が、毛細管材料を含む、実施例1~実施例46のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例48 毛細管材料が、繊維状又は海綿体状の構造を有する、実施例47によるエアロゾル発生システム。
実施例49 毛細管材料が、サセプタ素子の表面にわたって液体エアロゾル形成基体を運ぶように概して整列された繊維又は糸を含む繊維を含む、実施例47又は実施例48によるエアロゾル発生システム。
実施例50 ウィッキング要素が、親水性材料を含む、実施例47~実施例49のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例51 ウィッキング要素が、親油性材料を含む、実施例47~実施例50のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例52 ウィッキング要素が、非金属材料を含む、実施例47~実施例51のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
【0156】
実施例53 ウィッキング要素が、綿、ガラス繊維、又はレーヨンなどの、セルロース系材料を含む、実施例47~実施例52のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例54 ウィッキング要素が、レーヨンからなる、実施例53によるエアロゾル発生システム。
実施例55 ウィッキング要素が、多孔性セラミック材料を含む、実施例47~実施例53のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例56 サセプタ素子が、フィルム又は複数のトラックとして、ウィッキング要素上に印刷されるか、又は別様に堆積されている、実施例47~実施例55によるエアロゾル発生システム。
実施例57 サセプタ素子が、穿孔された箔を含むか、又はそれからなる、実施例1~実施例56のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例58 サセプタ素子又は各サセプタ素子が、メッシュを形成するフィラメントのアレイを含む、実施例1~実施例57のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例59 フィラメントが、フィラメント間の隙間を画定し、隙間が、10マイクロメートル~100マイクロメートルの幅を有し得る、実施例58によるエアロゾル発生システム。
実施例60 メッシュのフィラメントが、一緒に焼結されている、実施例58又は実施例59によるエアロゾル発生システム。
実施例61 メッシュのフィラメントが、8マイクロメートル~100マイクロメートル、30マイクロメートル~100マイクロメートル、8マイクロメートル~50マイクロメートル、又は8マイクロメートル~39マイクロメートルの直径を有する、実施例58~実施例60のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例62 サセプタ素子が、1~40000の相対浸透率を有する、実施例1~実施例61のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例63 サセプタ素子が、500~40000の相対浸透率を有する、実施例1~実施例61のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例64 空気吸込み口、空気出口、及び空気吸込み口と空気出口との間の気流通路を含む、実施例1~実施例63のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例65 サセプタ組立品の一部分が、気流通路内にある、実施例64によるエアロゾル発生システム。
実施例66 サセプタ素子の加熱領域が、気流通路内にある、実施例64又は実施例65によるエアロゾル発生システム。
実施例67 サセプタ組立品によって気化されたエアロゾル形成基体が、気流通路内に逃れ得る、実施例64~実施例66のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例68 空気出口が、エアロゾル発生システムの口側端に提供され、それを通して発生したエアロゾルが、ユーザによって吸引され得る、実施例64~実施例67のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例69 サセプタ組立品が、第1の平面に平行な第1の表面、及び第1の平面に平行な、第1の平面とは反対側の第2の表面を有し、第1及び第2の表面の両方の少なくとも一部分が、気流通路内の空気と直接的に接触する、実施例64~実施例68のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例70 気流通路が、サセプタ組立品の近くで第1の平面に平行に延びる、実施例64~実施例69のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例71 気流通路が、液体貯蔵部を通過する、実施例64~実施例70のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例72 平面状のサセプタ素子が、システムの長手方向軸に実質的に平行である平面に延びる、実施例1~実施例71のいずれか1つによるエアロゾル発生システム。
実施例73 エアロゾル発生システムのためのカートリッジであって、
カートリッジハウジングと、
カートリッジハウジング内の液体貯蔵部と、
液体貯蔵部からの液体が使用中にサセプタ素子に運ばれるように、液体貯蔵部と流体連通するサセプタ素子を含む、サセプタ組立品であって、
サセプタ素子が、実質的に平面状で、第1の平面に平行に延びる、サセプタ組立品と、を備え、
カートリッジハウジングが、一対の平面状のインダクタコイルを含むエアロゾル発生システムの別の部分に結合するように構成され、それにより、サセプタ組立品は、インダクタコイルの各々が第1の平面に平行に延びるように、一対のインダクタコイルの間の空間内に位置付けられている、カートリッジ。
実施例74 カートリッジは、サセプタ素子が、第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイルから実質的に等距離にあるように構成されている、実施例73によるカートリッジ。
実施例75 カートリッジは、液体貯蔵部が一対のインダクタコイル間の空間の外側に位置付けられるように構成されている、実施例73又は実施例74によるカートリッジ。
実施例76 サセプタ組立品が、ウィッキング要素を更に含む、実施例73~実施例75のいずれか1つに記載のカートリッジ。
実施例77 ウィッキング要素が、サセプタ素子と流体連通している、実施例76によるカートリッジ。
実施例78 ウィッキング要素が、液体貯蔵部と流体連通している、実施例76又は実施例77によるカートリッジ。
実施例79 ウィッキング要素が、液体貯蔵部からサセプタ素子の主表面にわたってエアロゾル形成基体を送達するように配置されている、実施例78によるカートリッジ。
実施例80 ウィッキング要素が、液体貯蔵部からサセプタ素子の主表面にわたってエアロゾル形成基体を送達するように配置されている、実施例80によるカートリッジ。
実施例81 サセプタ素子が、ウィッキング要素に固定されている、実施例76~実施例80のいずれか1つによるカートリッジ。
実施例82 サセプタ素子が、ウィッキング要素と一体型である、実施例76~実施例80のいずれか1つによるカートリッジ。
実施例83 サセプタ組立品が、複数のサセプタ素子を含む、実施例73~実施例82のいずれか1つによるカートリッジ。
実施例84 サセプタ組立品が、ウィッキング要素を含み、各サセプタ素子が、ウィッキング要素と流体連通して配置されている、実施例83によるカートリッジ。
実施例85 サセプタ組立品が、第1のサセプタ素子と、第2のサセプタ素子と、を備え、第2のサセプタ素子が、第1のサセプタ素子から離間している、実施例73~実施例84のいずれか1つによるカートリッジ。
実施例86 ウィッキング要素が、第1のサセプタ素子と第2のサセプタ素子との間の空間内に配置され得る、実施例85によるカートリッジ。
実施例87 第1のサセプタ、第2のサセプタ、及びウィッキング要素が実質的に平面であり、第1のサセプタが平面状のウィッキング要素の第1の側面に配置され、第2のサセプタが第1の側面の反対側の平面状のウィッキング要素の第2の側面に配置されている、実施例85又は実施例86によるカートリッジ。
実施例88 ウィッキング要素が、綿、ガラス繊維、又はレーヨンのシートである、実施例85~実施例87のいずれか1つによるカートリッジ。
実施例89 サセプタ素子の厚さが、システムの動作周波数におけるサセプタ素子の材料の表皮深さ以下の桁である、実施例73~実施例88のいずれか1つによるカートリッジ。
実施例90 サセプタ組立品が、2マイクロメートル以下の厚さを有する、実施例73~実施例89のいずれか1つによるカートリッジ。
実施例91 サセプタアセンブリ、又はサセプタアセンブリの加熱領域が、2ミリリットル~10ミリリットルの液体エアロゾル形成基体を保持し得る、実施例73~実施例90のいずれか1つによるカートリッジ。
実施例92 サセプタ組立品を含有する開放端空洞を備え、その中に一対のインダクタコイルが受容され得る、実施例73~実施例91のいずれか1つによるカートリッジ。
実施例93 カートリッジハウジングを含む、実施例73~実施例92のいずれか1つによるカートリッジ。
実施例94 カートリッジハウジングが、空気吸込み口及び空気出口、空気吸込み口から空気出口までカートリッジハウジングを通って延びる気流通路を含み、サセプタ組立品の少なくとも一部分が、気流通路内に位置付けられている、実施例93によるカートリッジ。
実施例95 液体貯蔵部が、気流通路の外側に位置付けられている、実施例94によるカートリッジ。
実施例96 液体貯蔵部が、気流通路内に位置付けられている、実施例94によるカートリッジ。
実施例97 気流通路が、第1の平面に平行な方向に、空気吸込み口からサセプタ組立品を通過して空気出口に導く、実施例94、実施例95、又は実施例96に記載のカートリッジ。
実施例98 サセプタ組立品が、平面状であり、サセプタ組立品の反対側面上の第1の平面に平行に延びる2つの主要な面を含む、実施例94~実施例97のいずれか1つによるカートリッジ。
実施例99 気流通路を通る気流が、サセプタ組立品の2つの主要な面の各々と接触する、実施例98によるカートリッジ。
実施例100 カートリッジのサセプタ素子、サセプタ組立品、及び液体貯蔵部が、実施例1~実施例72に説明される特徴のうちの1つ以上を含む、実施例73~実施例99のいずれか1つによるカートリッジ。
ここで、図を参照しながら実施例を更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0157】
図1a】本開示の一実施例によるエアロゾル発生システムの概略図を示す。
図1b図1aのエアロゾル発生システムをエアロゾル発生システムの中央長手方向軸を中心として90度回転させた概略図を示す。
図2図1a及び1bのシステムからのカートリッジを示す。
図3a図1a及び1bのカートリッジのサセプタ組立品の側面図を示す。
図3b図3aのサセプタ組立品の斜視図を示す。
図3c図3aのサセプタ組立品の平面図を示す。
図4a】1つの動作位相に対する磁界線を示した図1bのシステムの図である。
図4b】後続の動作位相に対する磁界線を示した図1bのシステムの図である。
図5a-5d】本開示による例示的なサセプタ素子の平面図を示す。
図6】代替的なサセプタ組立品を例示する。
図7a】本開示の別の実施例によるエアロゾル発生システムの概略図を示す。
図7b図7aの装置部分をエアロゾル発生システムの中央長手方向軸を中心として90度回転させた概略図を示す。
図7c図7bの装置の端図である。
図8】一実施形態におけるコイル及びサセプタの配置の概略図である。
図9a】本開示の更なる実施例による、使用前のエアロゾル発生システムのためのカートリッジの概略図である。
図9b】使用構成にある図9aのカートリッジの概略図を示す。
図10a図9bのカートリッジを含むシステムを示す。
図10b】エアロゾル発生システムの中央長手方向軸を中心として90度回転させた図10aのシステムを示す。
図11a】本開示の別の実施例による平面状のサセプタ素子の断面図を示し、断面はサセプタ素子の平面に対して直角を成す平面で取られている。
図11b図11aのサセプタ素子の平面図を示す。
【0158】
図1aは、本開示の一実施例によるエアロゾル発生システムの概略図を示す。図1bは、図1aのエアロゾル発生システムをエアロゾル発生システムの中央長手方向軸を中心として90度回転させた概略図を示す。システムは、カートリッジ10及び装置60を備え、これらは一緒に結合されてエアロゾル発生システムを形成する。システムのカートリッジ10が図2に示される。エアロゾル発生システムは携帯型であり、従来の葉巻たばこ又は紙巻たばこに匹敵するサイズを有する。
【0159】
カートリッジ10は、サセプタホルダー14に取り付けられたサセプタ組立品12を含む。サセプタ組立品12は、図3a、3b、及び3cにより詳細に示されている。サセプタ組立品12は、平面状で薄く、長さ寸法及び幅寸法よりも実質的に小さな厚さ寸法を有する。サセプタ組立品12は、十字の形態に成形され、3つの層、第1のサセプタ素子16、第2のサセプタ素子18、及び第1のサセプタ素子16と第2のサセプタ素子18との間に配置されたウィッキング要素20を含む。第1のサセプタ素子16、第2のサセプタ素子18、及びウィッキング要素20の各々は、概して十字の形状を形成し、各要素は、同じ長さ寸法及び幅寸法を有する。第1のサセプタ素子16及び第2のサセプタ素子18は実質的に同一であり、以下でより詳細に説明するように、フェライト系ステンレス鋼フィラメント及びオーステナイト系ステンレス鋼フィラメントから形成される焼結メッシュを含む。ウィッキング要素20は、多孔性のレーヨンフィラメントの本体を含む。ウィッキング要素20は、ウィッキング要素20の露出した外表面から第1のサセプタ素子16及び第2のサセプタ素子18に液体を送達するように構成されている。
【0160】
第1のサセプタ素子16及び第2のサセプタ素子18の各々は、一対の取り付け領域22及び加熱領域24を含む。加熱領域24は、サセプタ素子16、18の中央に位置する実質的に長方形の領域である。一対の取り付け領域22もまた、加熱領域24の対向する側面において、加熱領域24の周辺に位置する実質的に長方形の領域である。この実施形態では、取り付け領域22は、加熱領域24の長さに沿って同じ中央位置に配置される。
【0161】
一対の取り付け領域22の各々は、加熱領域24よりも小さな表面積を有する。取り付け領域22の各々の長さlmは、加熱領域24の長さlhよりも短く、取り付け領域22の各々の幅wmは、加熱領域24の幅whよりも小さい。この実施形態では、加熱領域24は、約6.50ミリメートルの長さlh、及び約3.50ミリメートルの幅whを有し、取り付け領域22の各々は、約2.50ミリメートルの長さlm、及び約1.15ミリメートルの幅wmを有する。そのため、第1のサセプタ素子16及び第2のサセプタ素子18の各々は、約6.50ミリメートルの合計最大長さ、及び約5.80ミリメートルの合計最大幅を有する。
【0162】
加熱領域24は、エアロゾル形成基体を気化するために、交番磁界による貫通によって加熱可能であるように構成されている。一対の取り付け領域22は、サセプタホルダー14がカートリッジ10内の所定位置にサセプタ組立品12を支持することができるように、サセプタホルダー14に接触するように構成されている。一対の取り付け領域22は、サセプタ組立品12からサセプタホルダー14への熱伝達を最小化するように構成されている。
【0163】
第1のサセプタ素子16及び第2のサセプタ素子18の各々は、第1の方向に延びるフィラメント、及び第1の方向に対して実質的に直角を成す第2の方向に延びるフィラメントを有するメッシュを含む。加熱領域24は、第1の方向及び第2の方向の両方に延びる、フェリティックステンレス鋼であるAISI410ステンレス鋼のフィラメントを含む。一対の取り付け領域22は、第1の方向に延びるAISI410ステンレス鋼のフィラメント、及び第2の方向に延びるオーステナイト系ステンレス鋼であるAISI316ステンレス鋼のフィラメントを含む。したがって、加熱領域24は、磁性材料からなり、一対の取り付け領域22は、一部が磁性材料からなり、一部が非磁性材料からなる。加熱領域24のAISI410ステンレス鋼の重量割合は、一対の取り付け領域22の各々におけるAISI410ステンレス鋼の重量割合よりも大きい。
【0164】
第1のサセプタ素子16及び第2のサセプタ素子18に、加熱領域24と比較して低減された断面を有し、非磁性材料からの取り付け領域22を少なくとも部分的に含む、取り付け領域22を提供することは、サセプタ素子が交番磁界によって貫通されるときの取り付け領域22の加熱を低減するのに役立つ。こうした構成はまた、サセプタ組立品12からサセプタホルダー14への熱伝達を低減するのにも役立つ。
【0165】
当然のことながら、他の実施形態では、加熱領域24及び一対の取り付け領域22は、磁性材料及び非磁性材料の他の組み合わせから形成されてもよい。例えば、一部の実施形態では、加熱領域24は、第1の方向に延びるフェライト系ステンレス鋼であるAISI410ステンレス鋼のフィラメント、及び第2の方向に延びるオーステナイト系ステンレス鋼であるAISI316ステンレス鋼のフィラメントを含む。これらの実施形態では、一対の取り付け領域22は、第1及び第2の方向の両方に延びるAISI316ステンレス鋼のフィラメントを含んでもよい。したがって、これらの実施形態では、加熱領域24は、一部が磁性材料からなり、一部が非磁性材料からなり、一対の取り付け領域22は、非磁性材料からなる。
【0166】
サセプタホルダー14は、ポリプロピレンなどの成形可能プラスチック材料から形成された管状本体を含む。サセプタホルダー14の管状本体は、開放端を有する内部通路26を画定する側壁を含む。一対の開口部28は、管状サセプタホルダー14の対向する側面において側壁を通って延びる。開口部28は、サセプタホルダー14の長さに沿って中央に配置される。
【0167】
サセプタ組立品12は、管状サセプタホルダー14の内部通路26の内部に配置され、サセプタホルダー14の中央長手方向軸に平行な平面に延びる。第1のサセプタ素子16及び第2のサセプタ素子18の加熱領域24は、全体がサセプタホルダー14の内部通路26内に配置され、取り付け領域22の各々は、サセプタホルダー14の側壁の開口部28の一方を通って延びる。サセプタホルダー14の側壁の開口部28は、サセプタ組立品がサセプタホルダー14内に固定されるように、摩擦嵌合によってサセプタ組立品12を収容するようにサイズ設定される。サセプタ組立品12とサセプタホルダー14との間の摩擦嵌合により、取り付け領域22は、開口部28においてサセプタホルダー14と直接的に接触する。サセプタ組立品12及びサセプタホルダー14は、サセプタホルダー14の移動によりサセプタ組立品12も移動するように、一緒に固定される。
【0168】
当然のことながら、サセプタ組立品12及びサセプタホルダー14は、他の手段によって一緒に固定されてもよい。例えば、一部の実施形態では、取り付け領域22がサセプタホルダー14と間接的に接触するように、サセプタ組立品12は、サセプタ組立品12の取り付け領域22において接着剤によってサセプタホルダー14に固定される。
【0169】
サセプタホルダー14は、内部通路26の一方の端を部分的に閉じる基部30を含む。基部30は、部分的に閉じられた端を通して空気が内部通路26内に吸引されることを可能にする複数の空気吸込み口32を含む。
【0170】
サセプタホルダー14は、側壁の外表面から、基部30によって部分的に閉じられた端の反対側にあるサセプタホルダー14の開放端に向かって延びる一対の穿刺要素34を更に含む。サセプタホルダー14の側壁の開口部28は、穿刺要素34が管状サセプタの側壁の周りに開口部28から約90度オフセットされるように、側壁の周りに穿刺要素34間に配置される。穿刺要素34の各々は、サセプタホルダー14の開放端の方向に面するスパイクを含む。
【0171】
カートリッジ10は、ポリプロピレンなどの成形可能プラスチック材料から形成される外側ハウジング36を更に含む。外側ハウジング36は、概して中空の円筒を形成し、サセプタ組立品12及びサセプタホルダー14が包含される内部空間を画定する。
【0172】
外側ハウジング36は、カートリッジ10の第1の部分を形成し、サセプタ組立品12及びサセプタホルダー14は、カートリッジ10の第2の部分を形成する。カートリッジの第2の部分は、図2a及び2bに示す貯蔵構成と、図2cに示す使用構成との間で、カートリッジの第1の部分に対して摺動可能である。
【0173】
カートリッジ10は、口側端と、口側端とは反対側の接続端とを有する。外側ハウジング36は、カートリッジ10の口側端に口側端開口部38を画定する。接続端は、以下で詳細に説明するように、カートリッジ10をエアロゾル発生装置に接続するように構成されている。サセプタ組立品12及びサセプタホルダー14は、カートリッジ10の接続端に向かって位置する。外側ハウジング36の外部幅は、ショルダー部37によって結合される接続端におけるよりも、カートリッジ10の口側端においてより大きい。これにより、カートリッジの接続端がエアロゾル発生装置の空洞内に受容され、ショルダー部37がカートリッジを装置内の正しい位置に位置付けることが可能になる。これはまた、カートリッジ10の口側端が、エアロゾル発生装置の外側にとどまり、口側端がエアロゾル発生装置の外部形状に適合することを可能にする。
【0174】
液体貯蔵部40は、液体エアロゾル形成基体42を保持するためにカートリッジ内に画定される。液体貯蔵部40は、2つの部分、第1の部分44及び第2の部分46に分割される。液体貯蔵部40の第1の部分44は、外側ハウジング36の口側端に向かって位置し、外側ハウジング36によって画定される環状空間を含む。環状空間は、口側端開口部38とサセプタホルダー14の内部通路26の開放端との間に延びる内部通路48を有する。液体貯蔵部40の第2の部分46は、外側ハウジング36の接続端に向かって位置し、外側ハウジング36の内表面とサセプタホルダー14の外表面との間に画定される環状空間を含む。管状サセプタホルダー14の基部20には、管状サセプタ14の外表面と外側ハウジング36の内表面との間に延びる環状のリブ付きエラストマーシール50が提供されている。シール50は、サセプタホルダー14と外側ハウジング36との間に液密シールを提供し、液体貯蔵部40の第2の部分46が液体エアロゾル形成基体42を確実に保持できるようにする。
【0175】
液体貯蔵部40の第1の部分44及び第2の部分46は、アルミ箔シール52によって互いから流体的に単離され、アルミ箔シール52は、以下で詳細に説明するように、液体エアロゾル形成基体42が液体貯蔵部の第1の部分44と第2の部分46との間で流れることを可能にするように、サセプタホルダーの穿刺要素34によって穿刺可能である。
【0176】
空気通路は、サセプタホルダー14の内部通路26、及び液体貯蔵部40の第1の部分44を通した内部通路48によって、カートリッジ10を通して形成される。空気通路は、サセプタホルダー14の基部30の空気吸込み口32から、サセプタホルダー14の内部通路26を通り、液体貯蔵部40の第1の部分44の内部通路48を通って口側端開口部38まで延びる。空気通路は、接続端から口側端までカートリッジ10を通して空気を吸引することを可能にする。
【0177】
図2a及び2bに示す貯蔵構成では、サセプタホルダー14の基部30は、外側ハウジング36から延び、サセプタホルダー14の穿刺要素34は、カートリッジ10の接続端の方向にシール52から離間されている。この構成では、液体エアロゾル形成基体42は、液体貯蔵部40の第1の部分44に保持され、シール52によって液体貯蔵部40の第2の部分46から単離される。したがって、貯蔵構成では、サセプタ組立品12は、エアロゾル形成基体42から単離される。有利なことに、液体エアロゾル形成基体42を液体貯蔵部40の第1の部分44内に封止することは、カートリッジが貯蔵構成にある間に、液体エアロゾル形成基体42がカートリッジ10から漏れ出すことを完全に防止し得る。
【0178】
使用構成では、図2cに示すように、サセプタホルダー14及びサセプタ組立品12は、口側端に向かって外側ハウジング36内に押し込まれる。サセプタホルダー14が外側ハウジング36の口側端に向かって押し出されると、サセプタホルダー14の基部30におけるシール50は、外側ハウジング36の内表面上を摺動し、サセプタホルダー14の基部が外側ハウジング内に受容されたときに、外側ハウジング36の内表面と管状サセプタホルダー本体の外表面との間の液密シールを維持する。サセプタホルダー14の穿刺要素34が口側端に向かって移動すると、穿刺要素34がシール52に接触してこれを穿刺し、液体貯蔵部40の第1の部分44と液体貯蔵部40の第2の部分46との間の流体連通が可能になる。液体貯蔵部40の第1の部分44内の液体エアロゾル形成基体42が、液体貯蔵部40の第2の部分46内に放出され、サセプタ組立品12は、液体エアロゾル形成基体42に露出される。使用構成では、第1のサセプタ素子16及び第2のサセプタ素子18の取り付け領域22、及び液体貯蔵部40の第2の部分46内に延びるウィッキング要素20の対応する部分は、液体エアロゾル形成基体42を液体貯蔵部40の第2の部分46から、第1のサセプタ素子16及び第2のサセプタ素子18の加熱領域24に吸引することができる。結果として、使用構成では、カートリッジ10は、エアロゾル形成基体42を加熱することによってエアロゾルを発生するための使用準備が整っている。
【0179】
エアロゾル発生装置60は、接続端及び接続端の反対側に遠位端を有する、略円筒形ハウジング62を含む。カートリッジの接続端を受容するための空洞64は、装置60の接続端に位置し、空気吸込み口65は、空洞64の基部において外側ハウジング62を通して提供され、基部において周囲空気を空洞64内に吸引することを可能にする。
【0180】
装置60は、ハウジング62内に配置された誘導加熱配置を更に含む。誘導加熱配置は、一対のインダクタコイル66、68、制御回路70、及び電源72を含む。電源72は、装置の遠位端における電気コネクタ(図示せず)を介して再充電可能な、再充電可能なニッケルカドミウム電池を含む。制御回路70は、制御回路70がインダクタコイル66、68への電力供給を制御するように、電源72、及び第1のインダクタコイル66及び第2のインダクタコイル68に接続される。制御回路70は、第1のインダクタコイル66及び第2のインダクタコイル68に交流電流を供給するように構成されている。
【0181】
一対のインダクタコイルは、第1のインダクタコイル66及び第2のインダクタコイル68を含む。第1のインダクタコイル66は、空洞64の第1の側面に配置され、第2のインダクタコイル68は、第1のインダクタコイル66とは反対側の空洞64の第2の側面に配置される。インダクタコイル66、68の各々は実質的に同一であり、長方形の断面のワイヤから形成される長方形の断面を有する平面状のコイルを含む。インダクタコイル66、68の各々は、実質的に平面に延び、第1のインダクタコイル66は第1の平面に延び、第2のインダクタコイル68は第2の平面に延びる。第1及び第2の平面は、互いに実質的に平行であり、装置60の接続端において空洞64の中央長手方向軸に実質的に平行に延びる。カートリッジ10が空洞64内に受容されると、サセプタ組立品12は、第1のインダクタコイル66と第2のインダクタコイル68との間に配置され、サセプタ組立品12の平面は、第1及び第2の平面と実質的に平行に配置される。
【0182】
空洞内に磁界を包含及び集中させるために、インダクタコイルの各々の周りに磁束集中器69が提供される。磁束集中器69は、鉄などの磁性材料から形成されてもよい。
【0183】
第1のインダクタコイル66及び第2のインダクタコイル68の各々は、交流電流がインダクタコイル66、68に供給されたときに、インダクタコイルが空洞64内に交番磁界を生成するように構成されている。インダクタコイル66、68の各々によって発生する交番磁界は、サセプタ組立品12、及びサセプタ素子16、18の平面に対して実質的に直角を成して方向付けられる。
【0184】
誘導加熱配置はまた、第2のインダクタコイル68が、第1のインダクタコイル66によって空洞64内に生成される交番磁界と同等かつ反対の交番磁界を空洞64内に生成するように構成されている。この実施形態では、第1のインダクタコイル66及び第2のインダクタコイル68は、直列に一緒に接続され、実質的に同一であるが、反対の向きに巻かれる。この構成では、第1のインダクタコイル66及び第2のインダクタコイル68は、実質的に等しい大きさであるが実質的に反対方向の交番磁界を空洞64内に生成する。
【0185】
図4a及び4bは、図1bのシステムを示したが、インダクタコイルによって生成される磁界の磁力線が示されている。図4aは、交流電流の第1の半サイクル中の磁界を示す。図4bは、反対方向の磁界である、交流電流の第2の半サイクル中の磁界を示す。両方の半サイクル中、磁界は、サセプタ組立品12の対向する側面において同等かつ反対であることが分かる。これは、サセプタ組立品における力のバランスを提供する。同等かつ反対の磁界は、第1及び第2のインダクタコイルを反対方向に巻き、それらに同じ電流を提供することによって達成することができる。同等かつ反対の磁界はまた、第1のインダクタコイルに提供された電流と直接的に位相がずれた交流電流を第2のインダクタコイルに供給することによっても達成することができる。
【0186】
動作中、ユーザがカートリッジ10の口側端開口部38を吸煙すると、周囲空気は、図1bの矢印によって示されるように、空気吸込み口65を通して空洞64の基部内に吸引され、カートリッジ10の基部30の空気吸込み口32を通してカートリッジ10内に吸引される。周囲空気は、空気通路、及びサセプタ組立品12上を通って、基部30から口側端開口部38へとカートリッジ10を通して流れる。
【0187】
制御回路70は、システムが起動されたときに、電源72から第1のインダクタコイル66及び第2のインダクタコイル68への電力の供給を制御する。制御回路72は気流センサ(図示せず)を含んでもよく、また制御回路72は、ユーザがカートリッジ10を吸煙したことが気流センサによって検出されたときに、インダクタコイル66、68に電力を供給してもよい。このタイプの制御配置は、吸入器及びeシガレットなどのエアロゾル発生システムで良好に確立される。
【0188】
システムが起動されると、交流電流が、インダクタコイル66、68の各々に確立され、これが、サセプタ組立品12を貫通する交番磁界を空洞64内に生成し、第1のサセプタ素子16及び第2のサセプタ素子18の加熱領域24が加熱される。液体貯蔵部40の第2の部分44における液体エアロゾル形成基体は、ウィッキング要素20を通してサセプタ組立品12内に、第1及び第2のサセプタ素子16、18の加熱領域24へと吸引される。サセプタ素子16、18の加熱領域24における液体エアロゾル形成基体が加熱され、加熱されたエアロゾル形成基体からの揮発性化合物がカートリッジ10の空気通路内に放出され、これが冷却されてエアロゾルを形成する。エアロゾルは、カートリッジ10の空気通路を通して吸引される空気に同伴され、ユーザによる吸入のために口側端開口部38においてカートリッジ10から吸引される。
【0189】
図5a~5eは、本開示の異なる実施形態による、様々な形状のサセプタ素子を示す。
【0190】
図5aは、長方形の加熱領域24の一方の側面に位置する2つの長方形の取り付け領域22を有するサセプタ素子を示す。各取り付け領域22は、実質的に同一であり、加熱領域24の幅及び長さよりも実質的に短い幅及び長さを有する。取り付け領域22は、サセプタ素子が概して文字「C」の形状を形成するように、加熱領域24の対向する端に位置する。
【0191】
図5bは、長方形の加熱領域24の対向する側面に位置する2つの長方形の取り付け領域22を有するサセプタ素子を示す。各取り付け領域22は、実質的に同一であり、加熱領域24の幅及び長さよりも実質的に短い幅及び長さを有する。取り付け領域22は、サセプタ素子が概して文字「T」の形状を形成するように、加熱領域24の同じ端に位置する。
【0192】
図5cは、長方形の加熱領域24の対向する側面に位置する2つの長方形の取り付け領域22を有するサセプタ素子を示す。各取り付け領域22は、実質的に同一であり、加熱領域24の幅及び長さよりも実質的に短い幅及び長さを有する。取り付け領域22は、加熱領域24の端から離隔して、加熱領域24の長さに沿って異なる位置に位置する。
【0193】
図5dは、長方形の加熱領域24の対向する側面に位置する2つの長方形の取り付け領域22を有するサセプタ素子を示す。各取り付け領域22は、実質的に同一であり、加熱領域24の幅及び長さよりも実質的に短い幅及び長さを有する。取り付け領域22は、サセプタ素子が概して文字「S」又は「Z」の形状を形成するように、加熱領域24の対向する端に位置する。
【0194】
図5eは、長方形の加熱領域24の一方の側面に位置する1つの長方形の取り付け領域22を有するサセプタ素子を示す。取り付け領域22は、加熱領域24の幅及び長さよりも実質的に短い幅及び長さを有する。取り付け領域22は、加熱領域24の長さに沿って中央位置に位置する。
【0195】
図6は、2つのサセプタ素子54、56が中央気流チャネル55の対向する側面上に配置される、代替的なサセプタ組立品を示す。ウィッキング層57、58は、気流チャネルに対する各サセプタ素子の対向する側面上に配置される。スペーサー要素59は、サセプタ素子の取り付け領域でサセプタ素子を分離及び支持するために提供される。この配置は、図3bに示されるサセプタ組立品の「裏返し」の変形例として説明され得る。図6のサセプタ組立品は、追加の構造剛性及び断熱を提供するために、セラミック外層に被覆され得る。セラミック外層は、多孔性かつ液体浸透性であってもよい。
【0196】
図7a、7b、及び7cは、エアロゾル発生システムの別の実施形態を例示する。システムは、ここでもカートリッジ10及び装置80を備える。カートリッジ10は、図2a、2b、及び2cに示されるカートリッジと同一であり、使用構成で示されている。しかしながら、この実施形態では、装置は、使用するカートリッジ内部にインダクタコイルが位置付けられるように構成されている。
【0197】
エアロゾル発生装置80は、接続端及び接続端の反対側に遠位端を有する、略円筒形ハウジング82を含む。カートリッジの接続端を受容するための空洞81は、装置80の接続端に位置し、空気吸込み口85は、空洞81の基部において外側ハウジング82を通して提供され、基部において周囲空気を空洞内に吸引することを可能にする。
【0198】
装置80は、ハウジング82内に配置された誘導加熱配置を更に含む。誘導加熱配置は、一対のインダクタコイル86、88、制御回路83及び電源84を含む。電源84は、装置の遠位端における電気コネクタ(図示せず)を介して再充電可能な、再充電可能なニッケルカドミウム電池を含む。制御回路83は、制御回路83がインダクタコイル86、88への電力供給を制御するように、電源84、並びに第1のインダクタコイル86及び第2のインダクタコイル88に接続される。制御回路83は、第1のインダクタコイル86及び第2のインダクタコイル88に交流電流を供給するように構成されている。
【0199】
一対のインダクタコイルは、第1のインダクタコイル86及び第2のインダクタコイル88を含む。第1のインダクタコイル86及び第2のインダクタコイル88は、空洞81内に延び、コイルハウジング89内に保持される。第1のインダクタコイル86は、カートリッジが装置に結合されたときにサセプタ組立品12の一方の側面に位置付けられ、第2のインダクタコイル88は、第1のインダクタコイル86とは反対のサセプタ組立品の側面に位置付けられる。インダクタコイル86、88の各々は実質的に同一であり、長方形の断面のワイヤから形成される長方形の断面を有する平面状のコイルを含む。図7bは、図7aに対して90度回転させた装置を示し、長方形形状の第2のインダクタコイル88をより明確に例示する。インダクタコイル86、88の各々は、実質的に平面に延び、第1のインダクタコイル86は第1の平面に延び、第2のインダクタコイル88は第2の平面に延びる。第1及び第2の平面は、互いに実質的に平行であり、装置80の接続端において空洞81の中央長手方向軸に実質的に平行に延びる。カートリッジ10が空洞81内に受容されると、サセプタ組立品12は、第1のインダクタコイル86と第2のインダクタコイル88との間に配置され、サセプタ組立品12の平面は、第1及び第2の平面と実質的に平行に配置される。図7cは、空洞81内のコイルハウジング89の位置を示す装置の端図である。装置及びカートリッジハウジングには、カートリッジが所望の配向でのみ空洞81内に受容されることを確保し、サセプタ組立品がインダクタコイル間に位置付けられるように、キー溝配置が提供される。
【0200】
図1の実施形態のように、第1のインダクタコイル86及び第2のインダクタコイル88の各々は、交流電流がインダクタコイル86、88に供給されたときに、インダクタコイルが空洞81内に交番磁界を生成するように構成されている。インダクタコイル86、88の各々によって生成される交番磁界は、サセプタ組立品12、及びサセプタ素子の平面に対して実質的に直角を成して方向付けられる。
【0201】
誘導加熱配置はまた、第2のインダクタコイル88が、第1のインダクタコイル86によって空洞内に生成される交番磁界と同等かつ反対の交番磁界を空洞81内に生成するように構成されている。この実施形態では、第1のインダクタコイル86及び第2のインダクタコイル88は、図8に概略的に例示されるように、直列に一緒に接続され、実質的に同一であるが、反対の向きに巻かれる。この構成では、第1のインダクタコイル86及び第2のインダクタコイル88は、実質的に等しい大きさであるが実質的に反対方向の交番磁界をサセプタ組立品の両側に生成する。
【0202】
図8は、7a、7b、及び7cのコイル配置の概略図である。第1のインダクタコイル86及び第2のインダクタコイル88は、直列に接続されるが、互いに反対の向きに巻かれていることが分かる。そのため、交流電流がインダクタコイルに供給されると、それらは互いに反対方向の交番磁界を生成する。サセプタ組立品の1つの主表面は、第1のインダクタコイル86によって生成される磁界を経験し、サセプタ組立品の反対の主表面は、第2のインダクタコイル86によって生成される磁界を経験する。サセプタ組立品、特にサセプタ素子は、第1のインダクタコイルと第2のインダクタコイルとの間に実質的に等距離に位置付けられるため、この配置は、サセプタ素子又は要素上に磁界によって生成されるローレンツ力などの力がバランスされることを意味する。これにより、単一のインダクタコイルのみを使用する配置と比較して、サセプタ素子の変形及び移動が低減される。更に、サセプタ組立品に何らかのずれがある場合、この配置は、サセプタ組立品を、第1のインダクタコイルと第2のインダクタコイルとの間の等距離にある中央位置に移動させる傾向がある。
【0203】
図9a及び9bは、本開示の別の実施形態による、エアロゾル発生装置のためのカートリッジ10の概略図を示す。図9aに示されるカートリッジ10は、図2に示すカートリッジ10と実質的に類似しており、同様の特徴を示すために、同様の参照番号が使用される。
【0204】
カートリッジ10は、サセプタホルダー14に取り付けられた2つのサセプタ組立品12を含む。各サセプタ組立品12は、平面状で薄く、文字「C」の形態に成形される。各サセプタ組立品12は、図3a~3cのサセプタ組立品12と同じ3つの要素構成を有し、第1のサセプタ素子と第2のサセプタ素子(図示せず)との間に配置されたウィッキング要素を有する。各サセプタ素子は、図5aに示すように、長方形の加熱領域と、加熱領域の対向する端に、加熱領域の一方の側面に配置された2つの取り付け領域とを有する。
【0205】
サセプタホルダー14は、開放端を有する内部通路26を画定する側壁を含む管状本体を含む。二対の開口部28は、側壁を通って延び、各対の開口部28は、サセプタホルダー14の一方の側面に位置する1つの開口部、及びサセプタホルダー14の反対の側面に位置する別の開口部を有する。
【0206】
この実施形態では、2つのサセプタ組立品12の各々は、管状サセプタホルダー14の内部通路26の実質的に外側に配置され、サセプタホルダー14の中央長手方向軸に平行な平面に延びる。各サセプタ素子の加熱領域は、全体が内部通路26の外側に配置され、取り付け領域の各々は、サセプタホルダーの側壁の開口部28の一方を通って延びる。
【0207】
サセプタホルダーは、内部通路26の一方の端を部分的に閉じる基部30を含む。この実施形態では、基部30は、内部通路が液体を保持するように構成されるように、内部通路26と液密シールを形成する。基部30は、複数の空気吸込み口32を含むが、空気吸込み口32は、内部通路26の外側に配置される。
【0208】
サセプタホルダー14は、側壁の内表面から、サセプタホルダー14の中央長手方向軸に向かって内部通路26内に延びる一対の穿刺要素34を更に含む。
【0209】
カートリッジ10は、概して中空の円筒を形成し、サセプタ組立品12及びサセプタホルダー14が包含される内部空間を画定する、外側ハウジング36を更に含む。外側ハウジング36は、カートリッジ10の第1の部分を形成し、サセプタ組立品12及びサセプタホルダー14は、カートリッジ10の第2の部分を形成する。カートリッジの第2の部分は、図9aに示される貯蔵構成と、図9bに示される使用構成との間で、カートリッジの第1の部分に対して摺動可能である。
【0210】
カートリッジ10は、口側端開口部38を画定する口側端と、カートリッジ10のエアロゾル発生装置への接続のために構成された接続端とを有する。サセプタ組立品12及びサセプタホルダー14は、カートリッジ10の接続端に向かって位置する。外側ハウジング36の外部幅は、ショルダー部37によって結合される接続端におけるよりも、カートリッジ10の口側端においてより大きい。
【0211】
液体貯蔵部40は、液体エアロゾル形成基体42を保持するためにカートリッジ内に画定される。液体貯蔵部40は、2つの部分、第1の部分44及び第2の部分46に分割される。液体貯蔵部40の第1の部分44は、外側ハウジング36の口側端に向かって位置し、外側ハウジング36の内壁によって画定される円筒形空間を含む。液体貯蔵部40の第2の部分46は、外側ハウジング36の接続端に向かって位置し、サセプタホルダー14の内部通路26によって画定される円筒形空間を含む。
【0212】
液体貯蔵部40の第1の部分44及び第2の部分46は、アルミ箔シール52によって互いから流体的に単離され、アルミ箔シール52は、液体エアロゾル形成基体42が液体貯蔵部の第1の部分44と第2の部分46との間で流れることを可能にするように、サセプタホルダーの穿刺要素34によって穿刺可能である。
【0213】
第1の通路48は、液体貯蔵部40の第1の部分44を画定する内壁の外表面と、外側ハウジング36の外壁の内表面との間に画定される。第1の通路48は、口側端開口部38とサセプタホルダー14との間に延びる。第2の通路49は、外側ハウジング36の外壁の内表面とサセプタホルダー14の外表面との間に画定される。管状サセプタホルダー14の基部30には、管状サセプタ14の外表面と外側ハウジング36の外壁の内表面との間に延びる環状のリブ付きエラストマーシール50が提供されている。シール50は、サセプタホルダー14と外側ハウジング36との間に気密シールを提供する。
【0214】
空気通路は、第1の通路48及び第2の通路49によってカートリッジ10を通して形成される。空気通路は、サセプタホルダー14の基部30の空気吸込み口32から、第2の通路49を通り、第1の通路48を通って口側端開口部38まで延びる。空気通路は、接続端から口側端までカートリッジ10を通して空気を吸引することを可能にする。
【0215】
貯蔵構成では、図9aに示すように、サセプタホルダー14の基部30は、外側ハウジング36から延び、サセプタホルダー14の穿刺要素34は、カートリッジ10の接続端の方向にシール52から離隔している。この構成では、液体エアロゾル形成基体42は、液体貯蔵部40の第1の部分44に保持され、シール52によって液体貯蔵部40の第2の部分46から単離される。
【0216】
使用構成では、図9bに示すように、サセプタホルダー14及びサセプタ組立品12は、口側端に向かって外側ハウジング36内に押し込まれる。サセプタホルダー14が外側ハウジング36の口側端に向かって押し出されると、サセプタホルダー14の基部30におけるシール50は、外側ハウジング36の内表面上を摺動し、サセプタホルダー14の基部が外側ハウジング内に受容されたときに、外側ハウジング36の内表面と管状サセプタホルダー本体の外表面との間の気密シールを維持する。サセプタホルダー14の穿刺要素34が口側端に向かって移動すると、穿刺要素34がシール52に接触してこれを穿刺し、液体貯蔵部40の第1の部分44と液体貯蔵部40の第2の部分46との間の流体連通が可能になる。液体貯蔵部40の第1の部分44内の液体エアロゾル形成基体42が、液体貯蔵部40の第2の部分46内に放出され、サセプタ組立品12は、液体エアロゾル形成基体42に露出される。使用構成では、サセプタ素子の取り付け領域22、及び液体貯蔵部40の第2の部分46内に延びるウィッキング要素の対応する部分は、液体エアロゾル形成基体42を液体貯蔵部40の第2の部分46から、サセプタ素子の加熱領域24に吸引することができる。
【0217】
図10a及び10bは、エアロゾル発生装置60内に受容された、使用構成における図9a及び9bのカートリッジ10を備えるエアロゾル発生システムを示す。図10bは、システムの長手方向軸を中心として90度回転させた図10aのエアロゾル発生システムを示す。エアロゾル発生装置60は、図1a及び1bに示されるエアロゾル発生装置60と実質的に類似しており、同様の特徴を指定するために同様の参照符号が使用される。
【0218】
エアロゾル発生装置60は、接続端及び接続端の反対側に遠位端を有する、略円筒形ハウジング62を含む。カートリッジの接続端を受容するための空洞64は、装置60の接続端に位置し、空気吸込み口65は、空洞64の基部において外側ハウジングを通して提供され、基部において周囲空気を空洞64内に吸引することを可能にする。
【0219】
装置60は、ハウジング62内に配置された誘導加熱配置を更に含む。誘導加熱配置は、二対のインダクタコイル、制御回路70、及び電源72を含む。図10bでは、一対のインダクタコイル90、91のみが見える。電源72は、装置の遠位端における電気コネクタ(図示せず)を介して再充電可能な、再充電可能なニッケルカドミウム電池を含む。制御回路70は、制御回路70がインダクタコイル66への電力供給を制御するように、電源72、及びインダクタコイル66に接続される。制御回路70は、インダクタコイル66に交流電流を供給するように構成されている。
【0220】
インダクタコイルは、カートリッジ10が空洞64内に受容されたときに、各サセプタ組立品12の周りに位置付けられた一対の対向する平面状のインダクタコイルを含む。インダクタコイルは、サセプタ素子の加熱領域のサイズ及び形状と一致するサイズ及び形状を有する。
【0221】
インダクタコイル90、91は、交流電流がインダクタコイルに供給されるときに、インダクタコイルがサセプタ組立品12の対向する側面に交番磁界を生成するように構成されている。インダクタコイルによって生成される交番磁界は、サセプタ組立品12の平面、及びサセプタ素子に対して実質的に直角を成して方向付けられる。
【0222】
動作中、ユーザがカートリッジ10の口側端開口部38を吸煙すると、周囲空気は、図10aの矢印によって示されるように、空気吸込み口65を通して空洞64の基部内に吸引され、カートリッジ10の基部30の空気吸込み口32を通してカートリッジ10内に吸引される。周囲空気は、空気通路、及びサセプタ組立品12上を通って、基部30から口側端開口部38へとカートリッジ10を通して流れる。
【0223】
制御回路70は、システムが起動されたときに、電源72からインダクタコイル90、91への電力の供給を制御する。制御回路72は気流センサ(図示せず)を含んでもよく、また制御回路72は、ユーザがカートリッジ10を吸煙した時が気流センサによって検出されたときに、インダクタコイル66に電力を供給してもよい。
【0224】
システムが起動されると、交流電流が、インダクタコイル90、91に確立され、これが、サセプタ組立品12を貫通する交番磁界を空洞64内に生成し、サセプタ素子の加熱領域が加熱される。液体貯蔵部40の第2の部分44における液体エアロゾル形成基体は、ウィッキング要素を通してサセプタ組立品12内に、サセプタ素子の加熱領域へと吸引される。サセプタ素子の加熱領域における液体エアロゾル形成基体が加熱され、加熱されたエアロゾル形成基体からの揮発性化合物がカートリッジ10の空気通路内に放出され、これが冷却されてエアロゾルを形成する。エアロゾルは、カートリッジ10の空気通路を通して吸引される空気に同伴され、ユーザによる吸入のために口側端開口部38においてカートリッジ10から吸引される。
【0225】
図11a及び11bは、本開示の別の実施形態によるサセプタ素子を示す。
【0226】
サセプタ素子100は、フィラメントの織られたメッシュを含む。織られたフィラメント102の一部は、縦糸方向に延び、織られたフィラメント104の一部は、縦糸方向に対して実質的に直角を成す横糸方向に延びる。
【0227】
横糸方向に延びるフィラメント104は、AISI409ステンレス鋼などの磁性材料を含む。縦糸方向に延びるフィラメント102は、AISI316ステンレス鋼などの非磁性材料を含む。メッシュは、縦糸方向に延びるフィラメント102と横糸方向に延びるフィラメント104との間の接触点に電気結合が生成されるように焼結される。
【0228】
サセプタ素子100は、実質的に平面に延びる平面状の要素である。縦糸方向に延びるフィラメント102は、縦糸方向に延びるフィラメント102が、横糸方向に延びるフィラメント104よりもサセプタ素子100の平面から更に外向きに延びるように、横糸方向に延びるフィラメント104で織られる。言い換えれば、縦糸方向に延びるフィラメント102は、サセプタ素子100の最大厚さを画定する。
【0229】
縦糸方向に延びるフィラメント102は、サセプタ素子100の最大厚さを画定するため、図11aに示すように、サセプタ素子100と接触するサセプタホルダー14は、縦糸方向に延びるフィラメント102とのみ接触する。
【0230】
縦糸方向に延びるフィラメント102は、磁性材料からならないため、縦糸方向に延びるフィラメント102は、サセプタ素子100が交番磁界に露出されたときに、渦電流の誘発又はヒステリシス損失によって直接加熱されない。結果として、サセプタホルダー14と接触して縦糸方向に延びるフィラメント102は、フィラメントが磁性材料からなる場合よりも少ない熱をサセプタホルダー14に伝達する。
【0231】
本明細書及び添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表す全ての数字は、全ての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、全ての範囲は、開示された最大点及び最小点を含み、かつそれらの任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。したがって、この文脈において、数字AはA±{5%}として理解される。この文脈内で、数字Aは、数字Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数字Aは、添付の特許請求の範囲で使用されるような一部の場合において、Aが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性(複数可)に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱してもよい。また、全ての範囲は、開示された最大点及び最小点を含み、かつそれらの任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
図1a
図1b
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b
図5(a)】
図5(b)】
図5(c)】
図5(d)】
図5(e)】
図6
図7a
図7b
図7c
図8
図9a
図9b
図10a
図10b
図11a
図11b
【国際調査報告】