IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中▲車▼青▲島▼四方▲機車車▼輌股▲分▼有限公司の特許一覧

特表2023-541331電圧制御方法、装置、システム及び磁気浮上列車
<>
  • 特表-電圧制御方法、装置、システム及び磁気浮上列車 図1
  • 特表-電圧制御方法、装置、システム及び磁気浮上列車 図2
  • 特表-電圧制御方法、装置、システム及び磁気浮上列車 図3
  • 特表-電圧制御方法、装置、システム及び磁気浮上列車 図4
  • 特表-電圧制御方法、装置、システム及び磁気浮上列車 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-29
(54)【発明の名称】電圧制御方法、装置、システム及び磁気浮上列車
(51)【国際特許分類】
   B60L 13/03 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
B60L13/03 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023523026
(86)(22)【出願日】2021-05-24
(85)【翻訳文提出日】2023-04-19
(86)【国際出願番号】 CN2021095375
(87)【国際公開番号】W WO2022077909
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】202011096586.8
(32)【優先日】2020-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516183897
【氏名又は名称】中▲車▼青▲島▼四方▲機車車▼輌股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】CRRC QINGDAO SIFANG CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.88 Jinhongdong Road, Chengyang District, Qingdao, Shandong, 266111, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】ウー ドンフア
(72)【発明者】
【氏名】レイ ヤンシャオ
(72)【発明者】
【氏名】チャン ジーチャン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ユンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ガオ シンマイ
【テーマコード(参考)】
5H113
【Fターム(参考)】
5H113CC01
5H113DB13
5H113EE02
5H113EE07
5H113GG08
(57)【要約】
電圧制御方法であって、列車走行速度を取得し、列車走行速度と変圧比との間の対応関係に基づいて、前記列車走行速度に対応する目的変圧比を決定し、前記変圧比は入力電圧と出力電圧との比の値であり、そして、前記目的変圧比に基づいて入力電圧を変圧させ、出力電圧を取得し、前記出力電圧は列車を走行させるように駆動する。前記列車走行速度と変圧比との間の対応関係は異なる変圧比での列車走行速度と列車トラクションとの間の対応関係に基づいて取得された関係である。このように、磁気浮上列車の走行速度に基づいて最適な変圧比を提供し、磁気浮上列車のトラクションを増やし、走行効率を向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧制御方法であって、前記方法は磁気浮上列車に適用され、
列車走行速度を取得するステップと、
列車走行速度と変圧比との間の対応関係に基づいて、前記列車走行速度に対応する目的変圧比を決定するステップであって、前記変圧比は入力電圧と出力電圧との比の値であり、入力電圧を変圧させるように変圧器を制御するステップと、を含み、
前記列車走行速度と変圧比との間の対応関係は異なる変圧比での列車走行速度と列車トラクションとの間の対応関係に基づいて取得された関係であることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記列車走行速度と変圧比との間の対応関係は具体的に以下のように取得され、
第1条件で列車トラクションが列車速度に従って変化する関係を示す第1関係を取得し、前記第1条件は前記入力電圧と出力電圧との比が第1変圧比であることを含み、
第2条件で列車トラクションが列車速度に従って変化する関係を示す第2関係を取得し、前記第2条件は前記入力電圧と出力電圧との比が第2変圧比であることを含み、前記第1変圧比は前記第2変圧比より小さく、
前記第1関係及び前記第2関係に基づいて切換速度を決定し、前記第1条件で前記切換速度に対応する列車トラクションと、前記第2条件で前記切換速度に対応する列車トラクションとは同様であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記列車走行速度と変圧比との間の対応関係に基づいて、前記列車走行速度に対応する目的変圧比を決定する前記ステップは、
前記列車走行速度が前記切換速度より大きいかどうかを判定するステップと、
前記列車走行速度が前記切換速度より小さいと、前記第1変圧比を前記目的変圧比に決定するステップと、
前記列車走行速度が前記切換速度より大きいと、前記第2変圧比を前記目的変圧比に決定するステップと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、
前記列車走行速度に基づいて列車の列車走行状態を決定するステップであって、前記列車走行状態は発進加速状態又は走行加速状態を含むステップと、
前記列車走行状態が前記発進加速状態である場合、第3変圧比を目的変圧比に決定するステップであって、前記第3変圧比は第1変圧比より小さいステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記列車走行速度に基づいて列車走行状態を決定する前記ステップは、
前記車両走行状態が速度閾値より大きいかどうかを判定するステップと、
前記車両走行状態が前記速度閾値より小さいと、前記列車が前記発進加速状態にあると決定するステップと、
前記車両走行状態が前記速度閾値より大きいと、前記列車が前記走行加速状態にあると決定するステップと、を含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
電圧制御装置であって、前記装置は磁気浮上列車に適用され、
列車走行速度を取得する速度取得モジュールと、
列車走行速度と変圧比との間の対応関係に基づいて、前記列車走行速度に対応する目的変圧比を決定する比の値決定モジュールであって、前記変圧比は入力電圧と出力電圧との比の値であり、入力電圧を変圧させるように変圧器を制御する比の値決定モジュールと、を含み、
前記列車走行速度と変圧比との間の対応関係は以下のように取得され、
第1条件で列車トラクションが列車速度に従って変化する関係を示す第1関係を取得し、前記第1条件は前記入力電圧と出力電圧との比が第1変圧比であることを含み、
第2条件で列車トラクションが列車速度に従って変化する関係を示す第2関係を取得し、前記第2条件は前記入力電圧と出力電圧との比が第2変圧比であることを含み、前記第1変圧比は前記第2変圧比より小さく、
前記第1関係及び前記第2関係に基づいて切換速度を決定し、前記第1条件で前記切換速度に対応する列車トラクションと、前記第2条件で前記切換速度に対応する列車トラクションとは同様であることを特徴とする装置。
【請求項7】
前記比の値決定モジュールは、
前記列車走行速度が前記切換速度より大きいかどうかを判定する判定モジュールと、
前記列車走行速度が前記切換速度より小さいと、前記第1変圧比を前記目的変圧比に決定する第1決定モジュールと、
前記列車走行速度が前記切換速度より大きいと、前記第2変圧比を前記目的変圧比に決定する第2決定モジュールと、を含むことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記装置は、
前記列車走行速度に基づいて列車の列車走行状態を決定する状態判定モジュールであって、前記列車走行状態は発進加速状態又は走行加速状態を含む状態判定モジュールと、
前記列車走行状態が前記発進加速状態である場合、第3変圧比を目的変圧比に決定する第3決定モジュールであって、前記第3変圧比は第1変圧比より小さい第3決定モジュールと、をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項9】
電圧制御システムであって、前記電圧制御システムは変圧器及びコントローラを含み、
前記変圧器はコントローラの制御で給電電流を変圧させて、動力電流を取得し、前記給電電流の電圧は入力電圧であり、前記動力電流の電圧は出力電圧であり、前記動力電流は磁気浮上列車にトラクションを提供するように、動力システムを駆動し、
前記コントローラは列車走行速度を取得し、列車走行速度と変圧比との間の対応関係に基づいて、前記列車走行速度に対応する目的変圧比を決定し、前記変圧比は入力電圧と出力電圧との比の値であり、入力電圧を変圧させるように変圧器を制御し、前記列車走行速度と変圧比との間の対応関係は異なる変圧比での列車走行速度と列車トラクションとの間の対応関係に基づいて取得された関係であることを特徴とする電圧制御システム。
【請求項10】
磁気浮上列車であって、前記磁気浮上列車は動力システム及び請求項9に記載の電圧制御システムを含むことを特徴とする磁気浮上列車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年10月14日にて中国特許庁に提出され、出願番号が202011096586.8であり、出願の名称が「電圧制御方法、装置、システム及び磁気浮上列車」である中国特許出願の優先権を主張して、その全ての内容は本出願に援用されている。
【0002】
本出願の実施例は、鉄道車両の技術分野に関して、特に電圧制御方法、装置、システム及び磁気浮上列車に関する。
【背景技術】
【0003】
磁気浮上列車が走行している時、列車底部と鉄道との間は直接的接触がなく、列車が走行している時、摩擦抵抗に影響されず、高速、低消費、環境に優しく、安全などの利点を備え、将来の見通しは非常に広い。出力変圧器は磁気浮上列車の動力システムの重要な機器であり、入力電圧を変圧させ、列車に動力を提供する。
【0004】
磁気浮上列車の発進段階で、大きな推力を提供するために、大きな出力電流を必要とし、電圧に対する要求は相対的に低く、これによって、列車は大きな加速度で発進加速過程を完成することを確保する。列車の走行過程で、車両から生じた逆起電力は迅速に増えて、列車の正常な走行を確保するために、動力システムは高い電圧を必要とする。従って、伝統の磁気浮上列車の出力変圧器は2組の変圧比を有し、発進段階で低い変圧比を使用して変圧を行って、走行段階で高い変圧比を使用して変圧を行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、伝統の磁気浮上列車は一般的に発進後、発進加速段階及び列車走行段階という2つの段階のみを配慮し、列車が低い速度から高い速度に加速する過程を配慮していない。従って、従来の出力変圧器の2組の変圧比は磁気浮上列車の実際ニーズを満たすことができない。
【0006】
これに鑑みて、本出願の実施例は電圧制御方法、装置、システム及び磁気浮上列車を提供し、磁気浮上列車の走行加速段階に対して列車に複数組の変圧比を提供し、磁気浮上列車のトラクションを大きくして、走行効率を向上するように意図される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様によれば、本出願の実施例は電圧制御方法を提供し、前記方法は磁気浮上列車に適用され、
列車走行速度を取得するステップと、
列車走行速度と変圧比との間の対応関係に基づいて、前記列車走行速度に対応する目的変圧比を決定するステップであって、前記変圧比は入力電圧と出力電圧との比の値であり、入力電圧を変圧させるように変圧器を制御するステップと、を含み、
前記列車走行速度と変圧比との間の対応関係は異なる変圧比での列車走行速度と列車トラクションとの間の対応関係に基づいて取得された関係である。
【0008】
好ましくは、前記列車走行速度と変圧比との間の対応関係は具体的に以下のように取得され、
第1条件で列車トラクションが列車速度に従って変化する関係を示す第1関係を取得し、前記第1条件は前記入力電圧と出力電圧との比が第1変圧比であることを含み、
第2条件で列車トラクションが列車速度に従って変化する関係を示す第2関係を取得し、前記第2条件は前記入力電圧と出力電圧との比が第2変圧比であることを含み、前記第1変圧比は前記第2変圧比より小さく、
前記第1関係及び前記第2関係に基づいて切換速度を決定し、前記第1条件で前記切換速度に対応する列車トラクションと、前記第2条件で前記切換速度に対応する列車トラクションとは同様である。
【0009】
好ましくは、前記列車走行速度と変圧比との間の対応関係に基づいて、前記列車走行速度に対応する目的変圧比を決定するステップは、
前記列車走行速度が前記切換速度より大きいかどうかを判定するステップと、
前記列車走行速度が前記切換速度より小さいと、前記第1変圧比を前記目的変圧比に決定するステップと、
前記列車走行速度が前記切換速度より大きいと、前記第2変圧比を前記目的変圧比に決定するステップと、を含む。
【0010】
好ましくは、前記方法は、
前記列車走行速度に基づいて列車の列車走行状態を決定するステップであって、前記列車走行状態は発進加速状態又は走行加速状態を含むステップと、
前記列車走行状態が前記発進加速状態である場合、第3変圧比を目的変圧比に決定するステップであって、前記第3変圧比は第1変圧比より小さいステップと、をさらに含む。
【0011】
好ましくは、前記列車走行速度に基づいて列車走行状態を決定するステップは、
前記車両走行状態が速度閾値より大きいかどうかを判定するステップと、
前記車両走行状態が前記速度閾値より小さいと、前記列車が前記発進加速状態にあると決定するステップと、
前記車両走行状態が前記速度閾値より大きいと、前記列車が前記走行加速状態にあると決定するステップと、を含む。
【0012】
第2態様によれば、本出願の実施例は電圧制御装置を提供し、前記装置は磁気浮上列車に適用され、
列車走行速度を取得する速度取得モジュールと、
列車走行速度と変圧比との間の対応関係に基づいて、前記列車走行速度に対応する目的変圧比を決定する比の値決定モジュールであって、前記変圧比は入力電圧と出力電圧との比の値であり、入力電圧を変圧させるように変圧器を制御する比の値決定モジュールと、を含み、
前記列車走行速度と変圧比との間の対応関係は以下のように取得され、
第1条件で列車トラクションが列車速度に従って変化する関係を示す第1関係を取得し、前記第1条件は前記入力電圧と出力電圧との比が第1変圧比であることを含み、
第2条件で列車トラクションが列車速度に従って変化する関係を示す第2関係を取得し、前記第2条件は前記入力電圧と出力電圧との比が第2変圧比であることを含み、前記第1変圧比は前記第2変圧比より小さく、
前記第1関係及び前記第2関係に基づいて切換速度を決定し、前記第1条件で前記切換速度に対応する列車トラクションと、前記第2条件で前記切換速度に対応する列車トラクションとは同様である。
【0013】
好ましくは、前記比の値決定モジュールは、
前記列車走行速度が前記切換速度より大きいかどうかを判定する判定モジュールと、
前記列車走行速度が前記切換速度より小さいと、前記第1変圧比を前記目的変圧比に決定する第1決定モジュールと、
前記列車走行速度が前記切換速度より大きいと、前記第2変圧比を前記目的変圧比に決定する第2決定モジュールと、を含む。
【0014】
好ましくは、前記装置は、
前記列車走行速度に基づいて列車の列車走行状態を決定する状態判定モジュールであって、前記列車走行状態は発進加速状態又は走行加速状態を含む状態判定モジュールと、
前記列車走行状態が前記発進加速状態である場合、第3変圧比を目的変圧比に決定する第3決定モジュールであって、前記第3変圧比は第1変圧比より小さい第3決定モジュールと、をさらに含む。
【0015】
好ましくは、前記状態判定モジュールは前記車両走行状態が速度閾値より大きいかどうかを判定し、前記車両走行状態が前記速度閾値より小さいと、前記列車が前記発進加速状態にあると決定し、前記車両走行状態が前記速度閾値より大きいと、前記列車が前記走行加速状態にあると決定する。
【0016】
好ましくは、前記磁気浮上列車は動力システム、変圧器及びコントローラを含み、
前記動力システムは動力電流の駆動で磁気浮上列車にトラクションを提供し、
前記変圧器はコントローラの制御で給電電流を変圧させて、前記動力電流を取得し、前記給電電流の電圧は入力電圧であり、前記動力電流の電圧は出力電圧であり、
前記コントローラは列車走行速度を取得し、列車走行速度と変圧比との間の対応関係に基づいて、前記列車走行速度に対応する目的変圧比を決定し、前記変圧比は入力電圧と出力電圧との比の値であり、入力電圧を変圧させるように変圧器を制御し、前記列車走行速度と変圧比との間の対応関係は異なる変圧比での列車走行速度と列車トラクションとの間の対応関係に基づいて取得された関係である。
【0017】
第3態様によれば、本出願の実施例は電圧制御システムを提供し、前記電圧制御システムは変圧器及びコントローラを含み、
前記変圧器はコントローラの制御で給電電流を変圧させて、動力電流を取得し、前記給電電流の電圧は入力電圧であり、前記動力電流の電圧は出力電圧であり、前記動力電流は磁気浮上列車にトラクションを提供するように、動力システムを駆動し、
前記コントローラは列車走行速度を取得し、列車走行速度と変圧比との間の対応関係に基づいて、前記列車走行速度に対応する目的変圧比を決定し、前記変圧比は入力電圧と出力電圧との比の値であり、入力電圧を変圧させるように変圧器を制御し、前記列車走行速度と変圧比との間の対応関係は異なる変圧比での列車走行速度と列車トラクションとの間の対応関係に基づいて取得された関係である。
【0018】
第4態様によれば、本出願の実施例は磁気浮上列車を提供し、前記磁気浮上列車は動力システム及び上記第3態様に記載の電圧制御システムを含む。
【発明の効果】
【0019】
本出願の実施例は電圧制御方法を提供し、列車走行速度を取得し、列車走行速度と変圧比との間の対応関係に基づいて、前記列車走行速度に対応する目的変圧比を決定し、前記変圧比は入力電圧と出力電圧との比の値であり、そして、前記目的変圧比に基づいて入力電圧を変圧させ、出力電圧を取得し、前記出力電圧は列車を走行させるように駆動する。前記列車走行速度と変圧比との間の対応関係は異なる変圧比での列車走行速度と列車トラクションとの間の対応関係に基づいて取得された関係である。このように、磁気浮上列車の走行速度に基づいて最適な変圧比を提供し、磁気浮上列車のトラクションを増やし、走行効率を向上する。また、本出願の実施例は対応する装置及び磁気浮上列車をさらに提供している。
【0020】
本実施例又は従来技術の技術案をより明らかに説明するために、以下、実施例又は従来技術の記載の必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に記載の図面は本出願のいくつかの実施例であり、当業者にとって、進歩性に値する労働をしないことを前提として、これらの図面に基づいて他の図面を取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本出願の実施例が提供する磁気浮上列車の構造模式図である。
図2】本出願の実施例が提供する電圧制御方法の方法フローチャートである。
図3】本出願の実施例が提供する電圧制御装置の構造模式図である。
図4】本出願の実施例が提供する電圧制御装置の構造模式図である。
図5】本出願の実施例が提供する電圧制御装置の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
磁気浮上列車はパンタグラフによって電力システムの電気エネルギーを受信して、動力システムにエネルギーを提供してもよいし、蓄電池によって動力システムにエネルギーを提供してもよい。ところが、電力システムでも蓄電池でも、提供する電圧は列車走行のニーズを満たしていない場合が多い。そのため、磁気浮上列車の動力システムは一般的に、入力電圧を高めるための変圧器を有する。
【0023】
発明者は研究により、磁気浮上列車が走行している時、大きな逆起電力を生成することを発見した。磁気浮上列車は電磁力によって列車と鉄道との間の非接触の浮上及びガイドを実現するため、磁気浮上列車の走行過程で、電磁誘導現象が生じて、逆起電力を生成するためである。電磁誘導理論に基づいて、磁気浮上列車の走行速度が速いほど、生成する逆起電力が大きくなる。
【0024】
磁気浮上列車の動力システムの利用可能な有効電圧値は変圧器の出力電圧と逆起電力との差に関連している。そうすれば、磁気浮上列車の逆起電力が大きくなった場合、動力システムが取得する有効電圧値が低下し、列車は十分なトラクションを取得できず、列車の走行効率を低減する。
【0025】
従来技術は、磁気浮上列車の、発進加速段階及び走行加速段階での異なっているニーズを配慮して、磁気浮上列車の発進加速及び走行加速の時、それぞれ異なる変圧比を使用して変圧を行っているが、磁気浮上列車の走行加速過程で逆起電力が増えるという問題を配慮していない。磁気浮上列車の最大走行速度がますます速くなっていることに連れて、走行加速段階の速度区間もますます大きくなっている。明らかに、伝統の変圧器は磁気浮上列車のニーズを満たすことができないため、伝統の磁気浮上列車にはトラクションが低く、加速が遅く、走行効率が低いなどの問題が存在する。
【0026】
走行速度に基づいて変圧器の変圧比を調節できる技術案を提供するために、本出願の実施例は電圧制御方法、装置、システム及び磁気浮上列車を提供する。以下、明細書の図面を結合して具体的に説明する。
【0027】
まず、本出願の実施例が提供する磁気浮上列車を紹介する。図1を参照し、図1は磁気浮上列車10の構造模式図である。本出願の実施例において、当該磁気浮上列車10は磁浮上鉄道30の上を走行し、動力システム13、変圧器14及びコントローラ15を含む。
【0028】
具体的に、当該動力システム13は、動力電流の駆動で磁気浮上列車10にトラクションを提供する。
【0029】
当該変圧器14は、コントローラ15の制御で給電電流を変圧させて、前記動力電流を取得し、前記給電電流の電圧は入力電圧であり、前記動力電流の電圧は出力電圧である。
【0030】
当該コントローラ15は、列車走行速度を取得し、列車走行速度と変圧比との間の対応関係に基づいて、前記列車走行速度に対応する目的変圧比を決定し、前記変圧比は入力電圧と出力電圧との比の値であり、入力電圧を変圧させるように変圧器14を制御し、前記列車走行速度と変圧比との間の対応関係は異なる変圧比での列車走行速度と列車トラクションとの間の対応関係に基づいて取得されたものである。
【0031】
動力電流は、蓄電池12によって提供されてもよいし、受電モジュール11が給電システム20から取得してもよい。変圧器14の入力電圧は給電システム15の電圧又は蓄電池12の電圧である。本出願の実施例において、磁気浮上列車10は受電モジュール11によって動力源を取得してもよいし、蓄電池12から動力源を取得してもよい。1つの例示において、磁気浮上列車10は受電モジュール11と蓄電池12とを同時に具備してもよい。変圧器14は複数のタップを有する変圧器であってもよく、各タップは1つの変圧比に対応し、複数の変圧器を含む変圧器グループであってもよく、異なる変圧器の変圧比が異なる。コントローラ15は中央処理装置(central processing unit、CPU)であってもよいし、データ処理機能を有する他の機器であってもよいし、さらに、他の制御システムにおけるソフトウェア機能モジュールであってもよい。1つの例示において、コントローラ15は列車制御システムにおける、変圧器の制御専用のソフトウェアモジュールであってもよい。
【0032】
列車の走行過程で、コントローラ15はまず、列車走行速度を取得し、列車走行速度と変圧比との間の対応関係に基づいて、磁気浮上列車の現在の走行速度に対応する目的変圧比を決定して、目的変圧比に基づいて入力電圧を出力電圧に調整するように変圧器14を制御し、これによって、動力システム13にエネルギーを提供して、磁気浮上列車の正常な走行を確保する。コントローラ15はセンサー16(図1において図示せず)によって列車走行速度を取得してもよいし、列車通信バスによって他のシステムから列車走行速度を取得してもよい。列車走行速度と変圧比との間の対応関係は異なる変圧比での列車走行速度と列車トラクションとの間の対応関係に基づいて予め取得される。1つの例示において、列車走行速度と変圧比との間の対応関係はメモリ17(図1において図示せず)に予め記憶されてもよい。判定の時、コントローラ15はメモリ17から列車走行速度と変圧比との間の対応関係を取得する。
【0033】
以上、本出願の実施例が提供する磁気浮上列車を紹介する。以下、磁気浮上列車のコントローラ(即ち、図1のコントローラ15)の角度から本出願の実施例が提供する電圧制御方法を詳しく紹介する。
【0034】
図2を参照し、図2は本出願の実施例が提供する電圧制御方法の方法フローチャートであり、当該電圧制御方法は以下のステップを含み、
S201:列車走行速度を取得する。
【0035】
本出願の実施例において、コントローラはまず列車走行速度、即ち、磁気浮上列車の現在タイミングの走行速度を取得する。例えば、コントローラは速度センサーによって列車走行速度を取得し、又はGPSなどのナビゲーションシステムによって列車走行速度を取得する。1つの例示において、コントローラはさらに磁気浮上列車の通信バスによって、磁気浮上列車の他のシステム(例えば、磁気浮上列車のナビゲーションシステム)から列車走行速度を取得してもよい。
【0036】
S202:列車走行速度と変圧比との間の対応関係に基づいて、前記列車走行速度に対応する目的変圧比を決定する。
【0037】
列車走行速度を取得した後、コントローラは磁気浮上列車の走行速度と変圧比との間の対応関係に基づいて、磁気浮上列車の現在走行速度に対応する目的変圧比を決定する。列車走行速度と変圧比との間の対応関係は、異なる走行速度で磁気浮上列車が最大トラクションを取得できる変圧比を示し、異なる変圧比での列車走行速度と列車トラクションとの間の対応関係に基づいて取得されたものである。
【0038】
以下、列車走行速度と変圧比との間の対応関係を取得する具体的な方法を紹介する。
【0039】
列車走行速度と変圧比との間の対応関係を決定する前、まず、列車の、異なる変圧比でのトラクション特性をテストし、即ち、一定の変圧比で、列車トラクションの、速度に従う変化関係をテストする。具体的に、まず、変圧器の変圧比を第1変圧比に調整し、第1変圧比を保持することを前提として、静止から加速を始めるように列車を制御し、加速過程で列車トラクションの、速度に従う変化関係を記録して、第1関係を取得する。そして、変圧器の変圧比を第1変圧比から第2変圧比に調整し、第2変圧比を保持することを前提として、静止から加速を始めるように列車を制御し、加速過程で、列車トラクションの、速度に従う変化関係を記録して、第2関係を取得する。第2変圧比は、第1変圧比と異なる何れか1つの変圧比であってもよい。以降の紹介を便利にするために、本出願の実施例において第1変圧比は第2変圧比より小さい。
【0040】
第1関係及び第2関係を実際に取得する場合、列車の他の条件、例えば列車の車体品質などを制限してもよい。本出願の実施例において、第1関係を決定する制限条件を第1条件とし、第2関係を決定する制限条件を第2条件とする。第1条件は第1変圧比を含み、第2条件は第2変圧比を含む。
【0041】
シミュレーションテスト又は実車テストによって第1関係及び第2関係を取得した後、第1関係と第2関係とを比較して、列車の、第1条件及び第2条件でトラクションが同様である速度を切換速度として取得する。即ち、列車が切換速度で走行している時、第1条件及び第2条件で取得した列車のトラクションは同様である。そうすれば、第1変圧比が第2変圧比より小さいため、変圧器が第1変圧比で変圧することで得られた出力電圧は、変圧器が第1変圧比で変圧することで得られた出力電圧より小さい。磁気浮上列車の走行速度が速いほど、生じた逆起電力が高くなり、必要な電圧も高くなる。従って、磁気浮上列車が低い速度で走行している時、第1変圧比を使用して変圧することで、電圧が相対的に低い出力電圧を取得し、磁気浮上列車が高い速度で走行している時、第2変圧比を使用して変圧することで、電圧が相対的に高い出力電圧を取得し、逆起電力による影響を克服する。
【0042】
このように取得した列車走行速度と変圧比との間の対応関係は以下の通りであり、即ち、列車の走行速度が切換速度より低い場合、対応する変圧比は第1変圧比であり、列車の走行速度が切換速度より高い場合、対応する変圧比は第2変圧比である。変圧比が第3変圧比、さらにより多くの変圧比を含む場合、類似の方法で変圧比と列車走行速度との間の対応関係を決定することは、容易に想到し得る。
【0043】
本出願の実施例において、列車走行速度と変圧比との間の対応関係は磁気浮上列車のローカルメモリに予め記憶されてもよいし、クラウドメモリに記憶されてもよい。コントローラは列車走行速度と変圧比との間の対応関係を取得して、列車の現在走行速度に対応する目的変圧比を決定する。
【0044】
具体的に、コントローラは、列車の現在走行速度が切換速度より大きいかどうかを判定する。列車走行速度が切換速度より小さいと、第1変圧比を目的変圧比に決定する。列車走行速度が切換速度より大きいと、第2変圧比を目的変圧比に決定する。このように、列車の実際走行速度に基づいて最適な列車の変圧比を選択して、列車が最大トラクションの牽引で走行できることを確保し、列車の加速度を高めて、運営効率を向上する。
【0045】
本出願の実施例において、コントローラはさらに、列車の走行速度に基づいて列車が走行加速状態にあるか、それとも発進加速状態にあるかを決定する。列車が走行加速状態にある場合、コントローラはステップS202の方法で目的変圧比を決定する。列車が発進加速状態にある場合、コントローラは直接的に第3変圧比を目的変圧比とする。第3変圧比は第1変圧比より小さい。このように、列車の発進加速段階で、変圧器から提供される出力電圧は小さい。このように、電力が一定である条件で、第3変圧比を使用して変圧することで、動力システムにより大きな電流を提供し、磁気浮上列車の発進加速段階での加速度を高めて、運営効率を向上する。
【0046】
1つの例示において、コントローラはメモリから速度閾値を読み取って、車両走行状態が速度閾値より大きいかどうかを判定する。車両走行状態が速度閾値より小さいと、列車が発進加速状態にあると決定し、車両走行状態が速度閾値より大きいと、列車が走行加速状態にあると決定する。
【0047】
本出願の実施例は電圧制御方法を提供し、列車走行速度を取得し、列車走行速度と変圧比との間の対応関係に基づいて、前記列車走行速度に対応する目的変圧比を決定し、前記変圧比は入力電圧と出力電圧との比の値であり、そして、前記目的変圧比に基づいて入力電圧を変圧させ、出力電圧を取得し、前記出力電圧は列車を走行させるように駆動する。前記列車走行速度と変圧比との間の対応関係は異なる変圧比での列車走行速度と列車トラクションとの間の対応関係に基づいて取得されたものである。このように、磁気浮上列車の走行速度に基づいて最適な変圧比を提供し、磁気浮上列車のトラクションを増やし、走行効率を向上する。
【0048】
以上は本出願の実施例が提供する電圧制御方法のいくつかの具体的な実現形態であり、これに基づいて、本出願は対応する装置をさらに提供する。以下、機能モジュール化の角度から本出願の実施例が提供する上記装置を紹介する。
【0049】
図3の電圧制御装置の構造模式図を参照して、当該装置30は、
列車走行速度を取得する速度取得モジュール310と、
列車走行速度と変圧比との間の対応関係に基づいて、前記列車走行速度に対応する目的変圧比を決定する比の値決定モジュール320であって、前記変圧比は入力電圧と出力電圧との比の値であり、入力電圧を変圧させるように変圧器を制御する比の値決定モジュール320と、を含む。
【0050】
なお、前記列車走行速度と変圧比との間の対応関係は以下のように取得され、
第1条件で列車トラクションが列車速度に従って変化する関係を示す第1関係を取得し、前記第1条件は前記入力電圧と出力電圧との比が第1変圧比であることを含む。第2条件で列車トラクションが列車速度に従って変化する関係を示す第2関係を取得し、前記第2条件は前記入力電圧と出力電圧との比が第2変圧比であることを含み、前記第1変圧比は前記第2変圧比より小さい。前記第1関係及び前記第2関係に基づいて切換速度を決定し、前記第1条件で前記切換速度に対応する列車トラクションと、前記第2条件で前記切換速度に対応する列車トラクションとは同様である。
【0051】
本出願の実施例は電圧制御装置を提供し、列車走行速度を取得し、列車走行速度と変圧比との間の対応関係に基づいて、前記列車走行速度に対応する目的変圧比を決定し、前記変圧比は入力電圧と出力電圧との比の値であり、そして、前記目的変圧比に基づいて入力電圧を変圧させ、出力電圧を取得し、前記出力電圧は列車を走行させるように駆動する。前記列車走行速度と変圧比との間の対応関係は異なる変圧比での列車走行速度と列車トラクションとの間の対応関係に基づいて取得されたものである。このように、磁気浮上列車の走行速度に基づいて最適な変圧比を提供し、磁気浮上列車のトラクションを増やし、走行効率を向上する。
【0052】
好ましくは、図4を参照して、図3の電圧制御装置に基づいて、前記比の値決定モジュール320は、
前記列車走行速度が前記切換速度より大きいかどうかを判定する判定モジュール321と、
前記列車走行速度が前記切換速度より小さいと、前記第1変圧比を前記目的変圧比に決定する第1決定モジュール322と、
前記列車走行速度が前記切換速度より大きいと、前記第2変圧比を前記目的変圧比に決定する第2決定モジュール323と、を含む。
【0053】
このように、列車の実際走行速度に基づいて最適な列車の変圧比を選択し、これによって、列車が最大トラクションの牽引で走行できることを確保し、列車の加速度を高めて、運営効率を向上する。
【0054】
好ましくは、図5を参照して、図3の電圧制御装置に基づいて、前記装置300は、
前記列車走行速度に基づいて列車の列車走行状態を決定する状態判定モジュール330であって、前記列車走行状態は発進加速状態又は走行加速状態を含む状態判定モジュール330と、
前記列車走行状態が前記発進加速状態である場合、第3変圧比を目的変圧比に決定する第3決定モジュール340であって、前記第3変圧比は第1変圧比より小さい第3決定モジュール340と、を含む。
【0055】
このように、電力が一定であるという条件で、第3変圧比を使用して変圧することで、動力システムにより大きな電流を提供し、磁気浮上列車の発進加速段階での加速度を高めて、運営効率を向上する。
【0056】
好ましくは、可能な実現形態において、前記状態判定モジュール340は前記車両走行状態が速度閾値より大きいかどうかを判定し、前記車両走行状態が前記速度閾値より小さいと、前記列車が前記発進加速状態にあると決定し、前記車両走行状態が前記速度閾値より大きいと、前記列車が前記走行加速状態にあると決定する。
【0057】
また、本出願の実施例は電圧制御システムをさらに提供し、前記電圧制御システムは変圧器及びコントローラを含み、
前記変圧器はコントローラの制御で給電電流を変圧させて、動力電流を取得し、前記給電電流の電圧は入力電圧であり、前記動力電流の電圧は出力電圧であり、前記動力電流は磁気浮上列車にトラクションを提供するように、動力システムを駆動し、
前記コントローラは列車走行速度を取得し、列車走行速度と変圧比との間の対応関係に基づいて、前記列車走行速度に対応する目的変圧比を決定し、前記変圧比は入力電圧と出力電圧との比の値であり、入力電圧を変圧させるように変圧器を制御し、前記列車走行速度と変圧比との間の対応関係は異なる変圧比での列車走行速度と列車トラクションとの間の対応関係に基づいて取得されたものである。
【0058】
また、当該コントローラはさらに、本出願の何れか1つの実施例が提供する電圧制御方法を実行でき、ここで贅言しない。
【0059】
さらに、本出願の実施例は磁気浮上列車を提供し、前記磁気浮上列車は動力システム及び上記電圧制御システムを含む。
【0060】
本出願の実施例に言及された 「第1変圧比」、「第2変圧比」などの名称における「第1」、「第2」は順番での第1、第2を代表するものではなく、ただ名称記号である。
【0061】
以上の実施形態の記載から分かるように、上記実施例方法における全て又は一部のステップはソフトウェア+汎用ハードウェアプラットフォームという形態で実現される。このような理解に基づいて、本出願の技術案はソフトウェア製品の形態で体現され、当該コンピュータソフトウェア製品は記憶媒体、例えば、読み取り専用メモリ(英語:read-only memory、ROM)/RAM、磁気ディスク、光学ディスクなどに記憶され、1台のコンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバー、又はルータなどのネットワーク通信機器)に、本出願の各実施例又は実施例のいくつかの部分に記載の方法を実行させるいくつかの指令を含む。
【0062】
本明細書の各実施例に対して何れも漸進方式で記載され、各実施例の間の同様又は類似の部分について、互いに参照すればよく、各実施例は主に他の実施例との相違点を説明する。特に、装置実施例にとって、基本的に方法実施例に類似するため、その記載は簡単であり、関するところについて、方法実施例の一部の説明を参照すればよい。実際ニーズに基づいて、その一部又は全てのモジュールを選択して本実施例の解決策の目的を実現する。当業者は進歩性に値する労働をしない場合、理解して実施できる。
【0063】
以上は本出願の例示的な実施形態であり、本出願の保護範囲を限定しない。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-06-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧制御方法であって、前記方法は磁気浮上列車に適用され、
列車走行速度を取得するステップと、
列車走行速度と変圧比との間の対応関係に基づいて、前記列車走行速度に対応する目的変圧比を決定するステップであって、前記変圧比は入力電圧と出力電圧との比の値であり、入力電圧を変圧させるように変圧器を制御するステップと、を含み、
前記列車走行速度と変圧比との間の対応関係は異なる変圧比での列車走行速度と列車トラクションとの間の対応関係に基づいて取得された関係であり、
前記列車走行速度と変圧比との間の対応関係は具体的に以下のように取得され、
第1条件で列車トラクションが列車速度に従って変化する関係を示す第1関係を取得し、前記第1条件は前記入力電圧と出力電圧との比が第1変圧比であることを含み、
第2条件で列車トラクションが列車速度に従って変化する関係を示す第2関係を取得し、前記第2条件は前記入力電圧と出力電圧との比が第2変圧比であることを含み、前記第1変圧比は前記第2変圧比より小さく、
前記第1関係及び前記第2関係に基づいて切換速度を決定し、前記第1条件で前記切換速度に対応する列車トラクションと、前記第2条件で前記切換速度に対応する列車トラクションとは同様であることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記列車走行速度と変圧比との間の対応関係に基づいて、前記列車走行速度に対応する目的変圧比を決定する前記ステップは、
前記列車走行速度が前記切換速度より大きいかどうかを判定するステップと、
前記列車走行速度が前記切換速度より小さいと、前記第1変圧比を前記目的変圧比に決定するステップと、
前記列車走行速度が前記切換速度より大きいと、前記第2変圧比を前記目的変圧比に決定するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、
前記列車走行速度に基づいて列車の列車走行状態を決定するステップであって、前記列車走行状態は発進加速状態又は走行加速状態を含むステップと、
前記列車走行状態が前記発進加速状態である場合、第3変圧比を目的変圧比に決定するステップであって、前記第3変圧比は第1変圧比より小さいステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記列車走行速度に基づいて列車走行状態を決定する前記ステップは、
前記列車走行速度が速度閾値より大きいかどうかを判定するステップと、
前記列車走行速度が前記速度閾値より小さいと、前記列車が前記発進加速状態にあると決定するステップと、
前記列車走行速度が前記速度閾値より大きいと、前記列車が前記走行加速状態にあると決定するステップと、を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
電圧制御装置であって、前記装置は磁気浮上列車に適用され、
列車走行速度を取得する速度取得モジュールと、
列車走行速度と変圧比との間の対応関係に基づいて、前記列車走行速度に対応する目的変圧比を決定する比の値決定モジュールであって、前記変圧比は入力電圧と出力電圧との比の値であり、入力電圧を変圧させるように変圧器を制御する比の値決定モジュールと、を含み、
前記列車走行速度と変圧比との間の対応関係は以下のように取得され、
第1条件で列車トラクションが列車速度に従って変化する関係を示す第1関係を取得し、前記第1条件は前記入力電圧と出力電圧との比が第1変圧比であることを含み、
第2条件で列車トラクションが列車速度に従って変化する関係を示す第2関係を取得し、前記第2条件は前記入力電圧と出力電圧との比が第2変圧比であることを含み、前記第1変圧比は前記第2変圧比より小さく、
前記第1関係及び前記第2関係に基づいて切換速度を決定し、前記第1条件で前記切換速度に対応する列車トラクションと、前記第2条件で前記切換速度に対応する列車トラクションとは同様であることを特徴とする装置。
【請求項6】
前記比の値決定モジュールは、
前記列車走行速度が前記切換速度より大きいかどうかを判定する判定モジュールと、
前記列車走行速度が前記切換速度より小さいと、前記第1変圧比を前記目的変圧比に決定する第1決定モジュールと、
前記列車走行速度が前記切換速度より大きいと、前記第2変圧比を前記目的変圧比に決定する第2決定モジュールと、を含むことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記装置は、
前記列車走行速度に基づいて列車の列車走行状態を決定する状態判定モジュールであって、前記列車走行状態は発進加速状態又は走行加速状態を含む状態判定モジュールと、
前記列車走行状態が前記発進加速状態である場合、第3変圧比を目的変圧比に決定する第3決定モジュールであって、前記第3変圧比は第1変圧比より小さい第3決定モジュールと、をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記状態判定モジュールは、前記列車走行速度が速度閾値より大きいかどうかを判定し、前記列車走行速度が前記速度閾値より小さいと、前記列車が前記発進加速状態にあると決定し、前記列車走行速度が前記速度閾値より大きいと、前記列車が前記走行加速状態にあると決定することを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
磁気浮上列車であって、前記磁気浮上列車は動力システム、変圧器及びコントローラを含み、
前記動力システムは動力電流の駆動で磁気浮上列車にトラクションを提供し、
前記変圧器はコントローラの制御で給電電流を変圧させて、動力電流を取得し、前記給電電流の電圧は入力電圧であり、前記動力電流の電圧は出力電圧であり、
前記コントローラは列車走行速度を取得し、列車走行速度と変圧比との間の対応関係に基づいて、前記列車走行速度に対応する目的変圧比を決定し、前記変圧比は入力電圧と出力電圧との比の値であり、入力電圧を変圧させるように変圧器を制御し、前記列車走行速度と変圧比との間の対応関係は具体的に以下のように取得され、
第1条件で列車トラクションが列車速度に従って変化する関係を示す第1関係を取得し、前記第1条件は前記入力電圧と出力電圧との比が第1変圧比であることを含み、
第2条件で列車トラクションが列車速度に従って変化する関係を示す第2関係を取得し、前記第2条件は前記入力電圧と出力電圧との比が第2変圧比であることを含み、前記第1変圧比は前記第2変圧比より小さく、
前記第1関係及び前記第2関係に基づいて切換速度を決定し、前記第1条件で前記切換速度に対応する列車トラクションと、前記第2条件で前記切換速度に対応する列車トラクションとは同様であることを特徴とする磁気浮上列車。
【国際調査報告】