(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-02
(54)【発明の名称】エネルギー貯蔵システム
(51)【国際特許分類】
B63J 99/00 20090101AFI20230925BHJP
H02J 15/00 20060101ALI20230925BHJP
H02J 7/34 20060101ALI20230925BHJP
H02J 9/06 20060101ALI20230925BHJP
【FI】
B63J99/00 A
H02J15/00 A
H02J7/34 A
H02J9/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515168
(86)(22)【出願日】2021-09-13
(85)【翻訳文提出日】2023-05-02
(86)【国際出願番号】 EP2021075068
(87)【国際公開番号】W WO2022053668
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】102020211491.9
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517070958
【氏名又は名称】エス・ケイ・エフ マリーン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】SKF Marine GmbH
【住所又は居所原語表記】Hermann-Blohm-Str. 5, D-20457 Hamburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ディルク・バルゲンデ
(72)【発明者】
【氏名】イェルク・グラベル
(72)【発明者】
【氏名】サッシャ・コルテマイアー
【テーマコード(参考)】
5G015
5G503
【Fターム(参考)】
5G015FA16
5G015HA02
5G015HA15
5G015JA06
5G015JA08
5G015JA09
5G015JA32
5G015JA47
5G015JA53
5G015JA55
5G015JA60
5G015JA64
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB02
5G503BB03
5G503DA05
5G503GB03
5G503GB06
(57)【要約】
本発明は、船舶(108)の電気システム(142)内の少なくとも1つの電気消費機器(106)のためのエネルギー貯蔵システム(100)に関し、エネルギー貯蔵システム(100)は、消費機器(106)に供給するための電気システム(142)に接続されている少なくとも1つの変換器(140)を含む。本発明によれば、エネルギー貯蔵装置(160)が、少なくとも1つの変換器(140)に関連付けられている。安定化装置(120)、操舵システム(128)などの高い電気的ピーク負荷を引き起こす消費機器(106)でさえ、船舶(108)の電気システム(142)上で問題なく動作することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶(108)の電気システム(142)における少なくとも1つの電気消費機器(106)のためのエネルギー貯蔵システム(100)であって、前記エネルギー貯蔵システム(100)は、前記消費機器(106)に供給するための前記電気システム(142)に接続された少なくとも1つの変換器(140)を含み、エネルギー貯蔵装置(160)が前記少なくとも1つの変換器(140)に関連していることを特徴とする、エネルギー貯蔵システム(100)。
【請求項2】
前記エネルギー貯蔵装置(160)は、好ましくは、前記変換器(140)のDC中間回路(148)に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム(100)。
【請求項3】
前記エネルギー貯蔵装置(160)が少なくとも1つのエネルギー変換器(162)および少なくとも1つのエネルギー変換器(162)に関連した少なくとも1つの貯蔵ユニット(170)を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のエネルギー貯蔵システム(100)。
【請求項4】
前記エネルギー変換器(162)が、双方向のエネルギーの流れを可能とするように構成されていることを特徴とする、請求項1,2または3に記載のエネルギー貯蔵システム(100)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの貯蔵ユニット(170)が少なくとも1つの大容量コンデンサ(172)で形成されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のエネルギー貯蔵システム(100)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの貯蔵ユニット(170)が少なくとも1つの遠心の質量システム、特にフライホイール(174)等で形成されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のエネルギー貯蔵システム(100)。
【請求項7】
前記電気消費機器(106)が前記船舶(108)の安定化装置(120)、または前記船舶(108)の進路に影響を与えるステアリングギア(128)などの高いピーク負荷を生じる電気消費機器であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のエネルギー貯蔵システム(100)。
【請求項8】
前記船舶(108)が、好ましくは船(110)であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のエネルギー貯蔵システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶の電気システム内の少なくとも1つの電気消費機器のためのエネルギー貯蔵システムに関し、エネルギー貯蔵システムは、消費機器に供給するために、電気システムに接続された少なくとも1つの変換器を含む。
【背景技術】
【0002】
先行技術から、旅客船、大型ヨット、浮きポンツーンなどのフィンスタビライザおよびステアリングギアは、幅広いバリエーションで知られている。フィンスタビライザおよびステアリングギアは周期的に機能し、一時的に高いピーク負荷が発生するのは、急速な運動が続き、その後に最小限のエネルギー摂取で休息または待機する段階が続くことが多いからである。多くの場合、ピーク負荷が高いため、フィンスタビライザ、ステアリングギア、およびこれらの消費機器に供給する電気システムのパワートレインを過大に設計する必要がある場合が多い。
【0003】
フィンスタビライザおよびステアリングギアは、通常、電気油圧式に動作する。電気油圧式パワートレインの場合、エネルギーの貯蔵は、静油圧式トランスミッションが窒素貯蔵サポート付きのいわゆる開油圧回路として使用されている場合にのみ可能である。この貯蔵技術の主な欠点は、ここで不要なエネルギーが抵抗制御の形で熱に放散されるため、開油圧回路の効率が比較的低いことである。比較すると、速度制御系でも変位制御系でも、閉油圧回路は効率が高いが、その原理上、蓄圧はできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、高い電気ピーク負荷を引き起こす消費機器が電気システムの安定性を損なわずに動作できるように、船などの船舶の電気システム用のエネルギー貯蔵システムを特定することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的は、少なくとも1つの変換器に関連付けられたエネルギー貯蔵装置によって達成される。エネルギー貯蔵により、消費機器の最大負荷動作に必要な電気エネルギーを実質的に瞬時に取り出すことができ、消費機器が船舶の電気システムにほとんど負荷をかけないか全く負荷をかけない消費機器のスタンバイ段階または休止段階において、貯蔵ユニットを再充電するオプションを同時に使用することができる。さらに、エネルギー貯蔵装置の貯蔵容量は、完全な電気システム障害(いわゆる「ブラックシップ」)の場合でも、接続された電気消費機器の緊急機能が少なくとも数分の最小期間、引き続き保証されるように、十分に大きくすることができる。したがって、たとえば、フィンスタビライザのフィンが静止位置に移動しても、機械的にロックされたままになることがある。さらに、操舵装置によって駆動される船舶のラダーの操舵位置をニュートラル位置に動かしたり、もう一度ラダーを「係合する」ことができる。変換器は、ブロックと分解構造の両方で具現化することができる。
【0006】
エネルギー貯蔵装置は、好ましくは変換器のDC中間回路に接続される。制御技術の観点から、簡単なエネルギー貯蔵の接続がこのように与えられる。
【0007】
1つの技術的に有利な設計では、エネルギー貯蔵装置は、少なくとも1つのエネルギー変換器と、それに関連する少なくとも1つの貯蔵ユニットとを含む。このようにして、エネルギー貯蔵システムのモジュール式で容易に拡張可能な構造が与えられる。エネルギー変換器は、双方向のエネルギーの流れを可能にするように構成されることが好ましい。その結果、エネルギーの流れの反転が可能になり、余剰の電気エネルギーを船舶の電気システムに低損失でエネルギー的に回収することが可能になる。
【0008】
技術的に有利な更なる開発の場合、少なくとも1つの貯蔵ユニットは、少なくとも1つの大容量コンデンサで形成される。これにより、貯蔵ユニットの高いエネルギー密度が低いメンテナンス強度で達成される。加えて、コンデンサはサイクル安定性が高く、応答時間が短く、長寿命である。例えば、いわゆるウルトラキャパシタ、スーパーキャパシタ、二重層キャパシタは、高容量コンデンサと見なされる。代替または追加として、可能な限り高いインダクタンスを持つコイルを使用することもできる。
【0009】
1つの有利な設計では、少なくとも1つの貯蔵ユニットが、少なくとも1つの遠心質量システム、特にフライホイールなどで形成される。遠心質量システムを有するこのような貯蔵ユニットは、短い応答時間を達成し、短期的には自己放電がごくわずかであり、繰り返される深放電の影響を受けない。さらに、高エネルギー密度は、遠心質量システムで実現でき、たとえば、毎分最大100,000回転の高回転速度で回転する高正味質量のフライホイールの形で実現できる。さらに、ジャイロ効果により、オプションで搭載船の安定化効果も同時に実現できる。
【0010】
少なくとも1つの消費機器は、好ましくは、船舶の安定化装置または船舶の進路に影響を与える操舵システムなど、高いピーク負荷を引き起こす電気消費器である。これにより、高い単独のピーク負荷を引き起こす船舶の大きな電気消費機器を、電気システムから切り離すことができる。
【0011】
船舶は、船であることが好ましい。これにより、本発明は、コンパクトで細長い船体を有する最も頻繁に遭遇するタイプの船舶に使用可能である。また、船舶は浮き台、ポンツーン、ポンツーンのアレンジメントなどでもよい。
【0012】
以下では、本発明の好ましい例示的な実施形態を、概略図を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】船舶用の本発明のエネルギー貯蔵システムの概略ブロック回路イメージを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、船などの船舶用の本発明のエネルギー貯蔵システムの概略ブロック回路図を示している。エネルギー貯蔵システム100は、例えば、船110などの船舶108の高い電気的ピーク負荷を引き起こす(大規模な)消費機器106に供給するよう機能する。電気消費機器106は、ここでは単に一例として、船110を安定化するための安定化フィン126の、これ以上図示されていない少なくとも1つの空間軸を中心とする旋回駆動のため(黒い両矢印によって示される)の少なくとも1つの関連する電気駆動ユニット122を有する安定化装置120として具現化されている。さらに、電気消費機器106は、船110のコースに影響を与えるために少なくとも1つの関連するラダー132を駆動するための少なくとも1つのステアリングギア130を有する操舵システム128として構成することもできる。
【0015】
エネルギー貯蔵システム100は、とりわけ、船110の電気システム142から供給される変換器140を備える。電気システム142は、好ましくは、中性線および保護導体またはアースを有する三相電源システムである。ここでは、変換器140は、単なる例として、電気システム142によって供給される三相電流144を整流するためのパッシブダイオードブリッジ146、安定化のためのDC中間回路148、および出力インバータ152を有する古典的な導体として構成されている。出力インバータ152は、複数の回路遮断器で実現することができ、ここでは、他のすべての回路遮断器を代表する1つの回路遮断器150のみが示されている。出力インバータ152は、稼働中である。回路遮断器は、例えば、パワーバイポーラトランジスタ、パワーMOSFET、IGBT、サイリスタ、トライアックなどである。供給ライン154を介して、変換器140は、(大)電気消費機器106に、動作に必要な電気エネルギーを供給する。変換器の詳細な技術的回路構造は、電気エネルギー技術の分野で活躍する当業者には十分に知られているため、ここでは説明を簡潔にするために詳細な説明を省略することができる。三相電流144の代わりに、電気システム142は、直流を提供することもでき、(周波数)変換器140の代わりに、図示されていない電圧変換器またはいわゆるDC-DC変換器が必要とされる。
【0016】
エネルギー貯蔵システム100は、エネルギー貯蔵装置160をさらに備える。ここで、エネルギー貯蔵装置160は、接続ライン164によって変換器140に電気的に接続されたエネルギー変換器162を含む。さらに、エネルギー貯蔵装置160は、電気エネルギー、運動エネルギー、化学エネルギー、または位置エネルギーなどの異なる形態のエネルギーを貯蔵するための少なくとも1つの関連する貯蔵ユニット170を含む。エネルギー貯蔵装置160は、電気エネルギーの低損失貯蔵を目的としていることが好ましい。
【0017】
より詳細には図示されていない貯蔵ユニット170は、例えば、コンデンサバッテリーと相互接続された複数の高容量(単一)コンデンサとすることができる。コンデンサバッテリーの個々のコンデンサのうち、他のすべてのコンデンサを代表する1つのコンデンサのみが参照番号172で示されている。
【0018】
貯蔵ユニット170に貯蔵されたエネルギーを変換器140のDC中間回路148に無損失でエネルギー回収できるようにするために、エネルギー変換器162は、双方向のエネルギーの流れを実現するように構成される。この目的のために、例えば、エネルギー変換器162は、図示されていない少なくとも1つの電気変換器または1つのインバータを含むことができる。貯蔵ユニット170に電気エネルギーを蓄えるためにコンデンサ172が使用される場合、エネルギー変換器162は、好ましくは、DC/DC変換器で実現される。逆に、貯蔵ユニット170の内部で遠心式大容量ストレージまたはフライホイール174を使用する場合、エネルギー変換器162はインバータで構成される。エネルギー変換器162のこれらの回路変形は、上述の双方向の電気エネルギーの流れを可能にする。
【0019】
パッシブダイオードブリッジとは対照的に、アクティブフロントエンドモジュールは、4象限動作で電気変換器内の電気エネルギーの低損失双方向フローを可能にし、例えば、IGBT、パワーバイポーラトランジスタ、またはパワーMOSFETなどアクティブに切り替え可能な電子スイッチで実現することができる。逆流する電気エネルギーを放散するための発熱抵抗器は、ダイオードブリッジを備えた電気変換器またはインバータでは依然として不可欠であるが、省略されている。このため、アクティブフロントエンドモジュールの制御は比較的複雑である。インバータ140から電気システム142へのエネルギー回収が可能である場合、インバータ140内のダイオードブリッジ146も、そのようなアクティブフロントエンドモジュールに置き換えなければならない。アクティブフロントエンドモジュールを備えたこのような変換器の詳細な構造は、エネルギーエレクトロニクスの分野で活動する当業者には十分に知られているため、説明の簡潔さのために、この時点では、技術的な回路の詳細の詳細な説明は省略することができるだろう。
【0020】
代替的または追加的に、貯蔵ユニット170は、例えば高回転速度で回転するフライホイール174などの少なくとも1つの遠心質量システムを含むことができる。加えて、貯蔵ユニット170は、例えば、リチウム電池またはリチウムポリマー電池など、可能な限り高いエネルギー密度を有する化学電池を含むことができる。任意に、エネルギー変換器162は、追加的または代替的に、電気エネルギーを化学エネルギーに、およびその逆に変換するための少なくとも1つの電解セルおよび少なくとも1つの燃料セルを含むことができる。この場合、貯蔵ユニット170は、少なくとも電解セルから放出された水素を永久的に貯蔵できるように、低圧の金属水素化物貯蔵器、または高圧の水素の圧力貯蔵器を備える構成とすることができる。
【0021】
エネルギー変換器162を用いて、エネルギー貯蔵装置160の貯蔵ユニット170にエネルギーを供給することができ、このエネルギーは、接続ライン164を介してDC中間回路148で取り出すことができる電気エネルギーを貯蔵ユニット170に適したエネルギーの形態に変換することによって得ることができる。逆に、エネルギーは貯蔵ユニット170から引き出され、エネルギー変換器162による逆変換によって電気エネルギーの形で接続ライン164を介して変換器140のDC中間回路148に再び供給され得る。この双方向プロセスは、充電矢印180と、それに対向する放電矢印182で示されている。貯蔵ユニット170をそれに適したエネルギー形態で充電することは、一般に、貯蔵ユニット170の完全な充電が達成されるまで行われる。
【0022】
例えば、フライホイール174を用いて貯蔵ユニット170内にエネルギーを貯蔵する場合、エネルギー変換器162を用いて貯蔵ユニット170内に貯蔵された運動エネルギーを再び電気エネルギーに変換し、接続ライン164を介して変換器140のDC中間回路148への再び供給することができる。これは、例えば、発電機モードの電動機または発電機の助けを借りて行うことができ、そのような構成では、好ましくはそれぞれがエネルギー変換器162に組み込まれ、フライホイール174によって機械的に回転される。逆に、変換器140のDC中間回路148からの電気エネルギーは、フライホイール174によってエネルギー変換器162によって運動エネルギーに変換することができ、例えば、フライホイール174の所定の最大回転数に達するまで電気モータによって回転駆動される。
【0023】
対照的に、貯蔵ユニット170に大容量コンデンサが使用される場合、エネルギー変換器162は、電流強度および/または電圧レベルに関して供給または除去される電気エネルギーのみを調整する。さらに、エネルギー変換器162を使用して、電流および/または電圧の時間経過のモデル化が可能である。さらに、必要に応じて、エネルギー変換器162を使用して、DC-DC変換だけでなく、AC-DC変換またはその逆も可能である。
【0024】
利用可能であるが現在必要とされていない(大型)電気消費機器106の通常またはアイドルまたはスタンバイ状態では、電気エネルギーは、好ましくは、DC中間回路148から接続ライン164を介してエネルギー貯蔵装置160に移送されるか、または貯蔵される。これは、貯蔵矢印190で示されている。この貯蔵プロセスは通常、エネルギー貯蔵ユニット170の完全な充電が達成されるまで続けられる。さらに、(大型)電気消費器106の解放されたブレーキエネルギーは、エネルギー貯蔵装置160に保存することができる(回生)。
【0025】
対照的に、電気消費機器106が、電気システム142によって完全にまたは一時的にカバーできないピーク電気負荷または高い連続負荷をDC中間回路148に生じさせる場合、エネルギー貯蔵装置160および接続ライン164が使用され、失われた電気エネルギーをエネルギー貯蔵システム100の変換器140のDC電圧中間回路148に即座にフィードバックすることができる。これは、貯蔵戻り矢印192によって表される。エネルギー貯蔵装置160の貯蔵ユニット170の容量に応じて、このプロセスは数分まで続くことがある。結果として、DC中間回路148の領域における(大型)電気消費機器106によって引き起こされる短期的および長期的な電気的過負荷状態は、エネルギー貯蔵器160を用いて補償することができる。
【0026】
さらに、本発明のエネルギー貯蔵システム100により、めったに発生しない電気消費機器106の最大電気負荷ピークの可能性に基づいて船舶108の電気システム142を設計する必要がなくなる。
【0027】
さらに、電気システム142が完全に故障した(「ブラックシップ」)場合、電気消費装置106の少なくとも緊急動作が可能である。例えば、この構成ではエネルギー貯蔵装置160によって非常用電力が供給される電気駆動ユニット122によって、安定化装置120のフィン126を休止位置に移動させ、任意に機械的にロックすることができる。ラダー132を駆動する操舵装置128の電動ステアリングギア130も同様である。
【0028】
エネルギー貯蔵システム100内のすべてのプロセス、特に、エネルギー変換器162を介した貯蔵ユニット160へのまたは貯蔵ユニット160からの電気エネルギーの貯蔵および回収、ならびにエネルギー変換器162による、異なる形態のエネルギーでの特に電気エネルギー、運動エネルギー、位置エネルギー、および/または化学エネルギーの形でのエネルギー貯蔵装置160の貯蔵ユニット170の充電および放電は、効率的な制御および調整ユニット200によって制御される。
【0029】
本発明は、船舶108の電気システム142内の少なくとも1つの電気消費機器106のためのエネルギー貯蔵システム100に関し、エネルギー貯蔵システム100は、消費機器106に供給するために電気システム142に接続された少なくとも1つの変換器140を含む。本発明によれば、エネルギー貯蔵装置160は、少なくとも1つの変換器140に関連付けられる。安定化装置120、操舵システム128などの高い電気的ピーク負荷を引き起こす消費機器106でさえ、船舶108の電気システム142上で問題なく操作することができる。
【符号の説明】
【0030】
100 エネルギー貯蔵システム
106 電気消費機器
108 船舶
110 船
120 安定化装置
122 電気駆動ユニット
124 黒両矢印
126 安定化フィン
128 操舵システム
130 電動ステアリングギア
132 ラダー
140 変換器
142 電気システム
144 三相電流
146 ダイオードブリッジ
148 DC中間回路
150 回路遮断器
152 出力インバータ
154 供給ライン
160 エネルギー貯蔵装置
162 エネルギー変換器
164 接続ライン
170 貯蔵ユニット
172 コンデンサ
174 フライホイール
180 充電矢印
182 放電矢印
190 貯蔵矢印
192 回生矢印
200 制御および/または調整ユニット
【手続補正書】
【提出日】2023-05-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶の電気システム内の少なくとも1つの電気消費機器のためのエネルギー貯蔵システムに関し、エネルギー貯蔵システムは、消費機器に供給するために、電気システムに接続された少なくとも1つの変換器を含む。
【背景技術】
【0002】
先行技術から、旅客船、大型ヨット、浮きポンツーンなどのフィンスタビライザおよびステアリングギアは、幅広いバリエーションで知られている。フィンスタビライザおよびステアリングギアは周期的に機能し、一時的に高いピーク負荷が発生するのは、急速な運動が続き、その後に最小限のエネルギー摂取で休息または待機する段階が続くことが多いからである。多くの場合、ピーク負荷が高いため、フィンスタビライザ、ステアリングギア、およびこれらの消費機器に供給する電気システムのパワートレインを過大に設計する必要がある場合が多い。
【0003】
フィンスタビライザおよびステアリングギアは、通常、電気油圧式に動作する。電気油圧式パワートレインの場合、エネルギーの貯蔵は、静油圧式トランスミッションが窒素貯蔵サポート付きのいわゆる開油圧回路として使用されている場合にのみ可能である。この貯蔵技術の主な欠点は、ここで不要なエネルギーが抵抗制御の形で熱に放散されるため、開油圧回路の効率が比較的低いことである。比較すると、速度制御系でも変位制御系でも、閉油圧回路は効率が高いが、その原理上、蓄圧はできない。
【0004】
ドリルシップの供給システムは、特許文献1から知られている。さらなる技術的背景は、特許文献2、特許文献3、特許文献4、および特許文献5に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】US2017/298721
【特許文献2】WO2007/124968A1
【特許文献3】CN110 304 228A
【特許文献4】US2012/028516A1
【特許文献5】US2007/077830A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、高い電気ピーク負荷を引き起こす消費機器が電気システムの安定性を損なわずに動作できるように、船などの船舶の電気システム用のエネルギー貯蔵システムを特定することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的は、請求項1によるエネルギー貯蔵システムによって達成される。特に、ここでは、少なくとも1つの消費機器は、船舶の安定化装置、または船舶の進行に影響を及ぼす操舵システム、つまり、高いピーク負荷を生じる電気消費機器であり、エネルギー貯蔵装置は、少なくとも1つの変換器に関連付けられる。エネルギー貯蔵により、消費機器の最大負荷動作に必要な電気エネルギーを実質的に瞬時に取り出すことができ、消費機器が船舶の電気システムにほとんど負荷をかけないか全く負荷をかけない消費機器のスタンバイ段階または休止段階において、貯蔵ユニットを再充電するオプションを同時に使用することができる。さらに、エネルギー貯蔵装置の貯蔵容量は、完全な電気システム障害(いわゆる「ブラックシップ」)の場合でも、接続された電気消費機器の緊急機能が少なくとも数分の最小期間、引き続き保証されるように、十分に大きくすることができる。したがって、たとえば、フィンスタビライザのフィンが静止位置に移動しても、機械的にロックされたままになることがある。さらに、操舵装置によって駆動される船舶のラダーの操舵位置をニュートラル位置に動かしたり、もう一度ラダーを「係合する」ことができる。変換器は、ブロックと分解構造の両方で具現化することができる。特に、高い単独のピーク負荷を引き起こす船舶の大きな電気消費機器を電気システムから切り離すことができる。
【0008】
エネルギー貯蔵装置は、好ましくは変換器のDC中間回路に接続される。制御技術の観点から、簡単なエネルギー貯蔵の接続がこのように与えられる。
【0009】
1つの技術的に有利な設計では、エネルギー貯蔵装置は、少なくとも1つのエネルギー変換器と、それに関連する少なくとも1つの貯蔵ユニットとを含む。このようにして、エネルギー貯蔵システムのモジュール式で容易に拡張可能な構造が与えられる。エネルギー変換器は、双方向のエネルギーの流れを可能にするように構成されることが好ましい。その結果、エネルギーの流れの反転が可能になり、余剰の電気エネルギーを船舶の電気システムに低損失でエネルギー的に回収することが可能になる。
【0010】
技術的に有利な更なる開発の場合、少なくとも1つの貯蔵ユニットは、少なくとも1つの大容量コンデンサで形成される。これにより、貯蔵ユニットの高いエネルギー密度が低いメンテナンス強度で達成される。加えて、コンデンサはサイクル安定性が高く、応答時間が短く、長寿命である。例えば、いわゆるウルトラキャパシタ、スーパーキャパシタ、二重層キャパシタは、高容量コンデンサと見なされる。代替または追加として、可能な限り高いインダクタンスを持つコイルを使用することもできる。
【0011】
1つの有利な設計では、少なくとも1つの貯蔵ユニットが、少なくとも1つの遠心質量システム、特にフライホイールなどで形成される。遠心質量システムを有するこのような貯蔵ユニットは、短い応答時間を達成し、短期的には自己放電がごくわずかであり、繰り返される深放電の影響を受けない。さらに、高エネルギー密度は、遠心質量システムで実現でき、たとえば、毎分最大100,000回転の高回転速度で回転する高正味質量のフライホイールの形で実現できる。さらに、ジャイロ効果により、オプションで搭載船の安定化効果も同時に実現できる。
【0012】
船舶は、船であることが好ましい。これにより、本発明は、コンパクトで細長い船体を有する最も頻繁に遭遇するタイプの船舶に使用可能である。また、船舶は浮き台、ポンツーン、ポンツーンのアレンジメントなどでもよい。
【0013】
以下では、本発明の好ましい例示的な実施形態を、概略図を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】船舶用の本発明のエネルギー貯蔵システムの概略ブロック回路イメージを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、船などの船舶用の本発明のエネルギー貯蔵システムの概略ブロック回路図を示している。エネルギー貯蔵システム100は、例えば、船110などの船舶108の高い電気的ピーク負荷を引き起こす(大規模な)消費機器106に供給するよう機能する。電気消費機器106は、ここでは単に一例として、船110を安定化するための安定化フィン126の、これ以上図示されていない少なくとも1つの空間軸を中心とする旋回駆動のため(黒い両矢印によって示される)の少なくとも1つの関連する電気駆動ユニット122を有する安定化装置120として具現化されている。さらに、電気消費機器106は、船110のコースに影響を与えるために少なくとも1つの関連するラダー132を駆動するための少なくとも1つのステアリングギア130を有する操舵システム128として構成することもできる。
【0016】
エネルギー貯蔵システム100は、とりわけ、船110の電気システム142から供給される変換器140を備える。電気システム142は、好ましくは、中性線および保護導体またはアースを有する三相電源システムである。ここでは、変換器140は、単なる例として、電気システム142によって供給される三相電流144を整流するためのパッシブダイオードブリッジ146、安定化のためのDC中間回路148、および出力インバータ152を有する古典的な導体として構成されている。出力インバータ152は、複数の回路遮断器で実現することができ、ここでは、他のすべての回路遮断器を代表する1つの回路遮断器150のみが示されている。出力インバータ152は、稼働中である。回路遮断器は、例えば、パワーバイポーラトランジスタ、パワーMOSFET、IGBT、サイリスタ、トライアックなどである。供給ライン154を介して、変換器140は、(大)電気消費機器106に、動作に必要な電気エネルギーを供給する。変換器の詳細な技術的回路構造は、電気エネルギー技術の分野で活躍する当業者には十分に知られているため、ここでは説明を簡潔にするために詳細な説明を省略することができる。三相電流144の代わりに、電気システム142は、直流を提供することもでき、(周波数)変換器140の代わりに、図示されていない電圧変換器またはいわゆるDC-DC変換器が必要とされる。
【0017】
エネルギー貯蔵システム100は、エネルギー貯蔵装置160をさらに備える。ここで、エネルギー貯蔵装置160は、接続ライン164によって変換器140に電気的に接続されたエネルギー変換器162を含む。さらに、エネルギー貯蔵装置160は、電気エネルギー、運動エネルギー、化学エネルギー、または位置エネルギーなどの異なる形態のエネルギーを貯蔵するための少なくとも1つの関連する貯蔵ユニット170を含む。エネルギー貯蔵装置160は、電気エネルギーの低損失貯蔵を目的としていることが好ましい。
【0018】
より詳細には図示されていない貯蔵ユニット170は、例えば、コンデンサバッテリーと相互接続された複数の高容量(単一)コンデンサとすることができる。コンデンサバッテリーの個々のコンデンサのうち、他のすべてのコンデンサを代表する1つのコンデンサのみが参照番号172で示されている。
【0019】
貯蔵ユニット170に貯蔵されたエネルギーを変換器140のDC中間回路148に無損失でエネルギー回収できるようにするために、エネルギー変換器162は、双方向のエネルギーの流れを実現するように構成される。この目的のために、例えば、エネルギー変換器162は、図示されていない少なくとも1つの電気変換器または1つのインバータを含むことができる。貯蔵ユニット170に電気エネルギーを蓄えるためにコンデンサ172が使用される場合、エネルギー変換器162は、好ましくは、DC/DC変換器で実現される。逆に、貯蔵ユニット170の内部で遠心式大容量ストレージまたはフライホイール174を使用する場合、エネルギー変換器162はインバータで構成される。エネルギー変換器162のこれらの回路変形は、上述の双方向の電気エネルギーの流れを可能にする。
【0020】
パッシブダイオードブリッジとは対照的に、アクティブフロントエンドモジュールは、4象限動作で電気変換器内の電気エネルギーの低損失双方向フローを可能にし、例えば、IGBT、パワーバイポーラトランジスタ、またはパワーMOSFETなどアクティブに切り替え可能な電子スイッチで実現することができる。逆流する電気エネルギーを放散するための発熱抵抗器は、ダイオードブリッジを備えた電気変換器またはインバータでは依然として不可欠であるが、省略されている。このため、アクティブフロントエンドモジュールの制御は比較的複雑である。インバータ140から電気システム142へのエネルギー回収が可能である場合、インバータ140内のダイオードブリッジ146も、そのようなアクティブフロントエンドモジュールに置き換えなければならない。アクティブフロントエンドモジュールを備えたこのような変換器の詳細な構造は、エネルギーエレクトロニクスの分野で活動する当業者には十分に知られているため、説明の簡潔さのために、この時点では、技術的な回路の詳細の詳細な説明は省略することができるだろう。
【0021】
代替的または追加的に、貯蔵ユニット170は、例えば高回転速度で回転するフライホイール174などの少なくとも1つの遠心質量システムを含むことができる。加えて、貯蔵ユニット170は、例えば、リチウム電池またはリチウムポリマー電池など、可能な限り高いエネルギー密度を有する化学電池を含むことができる。任意に、エネルギー変換器162は、追加的または代替的に、電気エネルギーを化学エネルギーに、およびその逆に変換するための少なくとも1つの電解セルおよび少なくとも1つの燃料セルを含むことができる。この場合、貯蔵ユニット170は、少なくとも電解セルから放出された水素を永久的に貯蔵できるように、低圧の金属水素化物貯蔵器、または高圧の水素の圧力貯蔵器を備える構成とすることができる。
【0022】
エネルギー変換器162を用いて、エネルギー貯蔵装置160の貯蔵ユニット170にエネルギーを供給することができ、このエネルギーは、接続ライン164を介してDC中間回路148で取り出すことができる電気エネルギーを貯蔵ユニット170に適したエネルギーの形態に変換することによって得ることができる。逆に、エネルギーは貯蔵ユニット170から引き出され、エネルギー変換器162による逆変換によって電気エネルギーの形で接続ライン164を介して変換器140のDC中間回路148に再び供給され得る。この双方向プロセスは、充電矢印180と、それに対向する放電矢印182で示されている。貯蔵ユニット170をそれに適したエネルギー形態で充電することは、一般に、貯蔵ユニット170の完全な充電が達成されるまで行われる。
【0023】
例えば、フライホイール174を用いて貯蔵ユニット170内にエネルギーを貯蔵する場合、エネルギー変換器162を用いて貯蔵ユニット170内に貯蔵された運動エネルギーを再び電気エネルギーに変換し、接続ライン164を介して変換器140のDC中間回路148への再び供給することができる。これは、例えば、発電機モードの電動機または発電機の助けを借りて行うことができ、そのような構成では、好ましくはそれぞれがエネルギー変換器162に組み込まれ、フライホイール174によって機械的に回転される。逆に、変換器140のDC中間回路148からの電気エネルギーは、フライホイール174によってエネルギー変換器162によって運動エネルギーに変換することができ、例えば、フライホイール174の所定の最大回転数に達するまで電気モータによって回転駆動される。
【0024】
対照的に、貯蔵ユニット170に大容量コンデンサが使用される場合、エネルギー変換器162は、電流強度および/または電圧レベルに関して供給または除去される電気エネルギーのみを調整する。さらに、エネルギー変換器162を使用して、電流および/または電圧の時間経過のモデル化が可能である。さらに、必要に応じて、エネルギー変換器162を使用して、DC-DC変換だけでなく、AC-DC変換またはその逆も可能である。
【0025】
利用可能であるが現在必要とされていない(大型)電気消費機器106の通常またはアイドルまたはスタンバイ状態では、電気エネルギーは、好ましくは、DC中間回路148から接続ライン164を介してエネルギー貯蔵装置160に移送されるか、または貯蔵される。これは、貯蔵矢印190で示されている。この貯蔵プロセスは通常、エネルギー貯蔵ユニット170の完全な充電が達成されるまで続けられる。さらに、(大型)電気消費器106の解放されたブレーキエネルギーは、エネルギー貯蔵装置160に保存することができる(回生)。
【0026】
対照的に、電気消費機器106が、電気システム142によって完全にまたは一時的にカバーできないピーク電気負荷または高い連続負荷をDC中間回路148に生じさせる場合、エネルギー貯蔵装置160および接続ライン164が使用され、失われた電気エネルギーをエネルギー貯蔵システム100の変換器140のDC電圧中間回路148に即座にフィードバックすることができる。これは、貯蔵戻り矢印192によって表される。エネルギー貯蔵装置160の貯蔵ユニット170の容量に応じて、このプロセスは数分まで続くことがある。結果として、DC中間回路148の領域における(大型)電気消費機器106によって引き起こされる短期的および長期的な電気的過負荷状態は、エネルギー貯蔵器160を用いて補償することができる。
【0027】
さらに、本発明のエネルギー貯蔵システム100により、めったに発生しない電気消費機器106の最大電気負荷ピークの可能性に基づいて船舶108の電気システム142を設計する必要がなくなる。
【0028】
さらに、電気システム142が完全に故障した(「ブラックシップ」)場合、電気消費装置106の少なくとも緊急動作が可能である。例えば、この構成ではエネルギー貯蔵装置160によって非常用電力が供給される電気駆動ユニット122によって、安定化装置120のフィン126を休止位置に移動させ、任意に機械的にロックすることができる。ラダー132を駆動する操舵装置128の電動ステアリングギア130も同様である。
【0029】
エネルギー貯蔵システム100内のすべてのプロセス、特に、エネルギー変換器162を介した貯蔵ユニット160へのまたは貯蔵ユニット160からの電気エネルギーの貯蔵および回収、ならびにエネルギー変換器162による、異なる形態のエネルギーでの特に電気エネルギー、運動エネルギー、位置エネルギー、および/または化学エネルギーの形でのエネルギー貯蔵装置160の貯蔵ユニット170の充電および放電は、効率的な制御および調整ユニット200によって制御される。
【0030】
本発明は、船舶108の電気システム142内の少なくとも1つの電気消費機器106のためのエネルギー貯蔵システム100に関し、エネルギー貯蔵システム100は、消費機器106に供給するために電気システム142に接続された少なくとも1つの変換器140を含む。本発明によれば、エネルギー貯蔵装置160は、少なくとも1つの変換器140に関連付けられる。安定化装置120、操舵システム128などの高い電気的ピーク負荷を引き起こす消費機器106でさえ、船舶108の電気システム142上で問題なく操作することができる。
【符号の説明】
【0031】
100 エネルギー貯蔵システム
106 電気消費機器
108 船舶
110 船
120 安定化装置
122 電気駆動ユニット
124 黒両矢印
126 安定化フィン
128 操舵システム
130 電動ステアリングギア
132 ラダー
140 変換器
142 電気システム
144 三相電流
146 ダイオードブリッジ
148 DC中間回路
150 回路遮断器
152 出力インバータ
154 供給ライン
160 エネルギー貯蔵装置
162 エネルギー変換器
164 接続ライン
170 貯蔵ユニット
172 コンデンサ
174 フライホイール
180 充電矢印
182 放電矢印
190 貯蔵矢印
192 回生矢印
200 制御および/または調整ユニット
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶(108)の電気システム(142)における少なくとも1つの電気消費機器(106)のためのエネルギー貯蔵システム(100)であって、前記エネルギー貯蔵システム(100)は、前記消費機器(106)に供給するための前記電気システム(142)に接続された少なくとも1つの変換器(140)を含み、エネルギー貯蔵装置(160)が前記少なくとも1つの変換器(140)に関連してい
るエネルギー貯蔵システム(100)において、少なくとも1つの消費機器(106)が、前記船舶(108)の安定化装置(120)、または前記船舶(108)の進路に影響を与える操舵システム(128)であることを特徴とする、エネルギー貯蔵システム(100)。
【請求項2】
前記エネルギー貯蔵装置(160)は、好ましくは、前記変換器(140)のDC中間回路(148)に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム(100)。
【請求項3】
前記エネルギー貯蔵装置(160)が少なくとも1つのエネルギー変換器(162)および少なくとも1つのエネルギー変換器(162)に関連した少なくとも1つの貯蔵ユニット(170)を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のエネルギー貯蔵システム(100)。
【請求項4】
前記エネルギー変換器(162)が、双方向のエネルギーの流れを可能とするように構成されていることを特徴とする、請求項1,2または3に記載のエネルギー貯蔵システム(100)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの貯蔵ユニット(170)が少なくとも1つの大容量コンデンサ(172)で形成されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のエネルギー貯蔵システム(100)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの貯蔵ユニット(170)が少なくとも1つの遠心の質量システム、特にフライホイール(174)等で形成されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のエネルギー貯蔵システム(100)。
【請求項7】
前記船舶(108)が、好ましくは船(110)であることを特徴とする、請求項1~
6のいずれか一項に記載のエネルギー貯蔵システム(100)。
【国際調査報告】