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特表2023-541434エストロゲン受容体の標的化分解のための化合物の結晶性形態
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-02
(54)【発明の名称】エストロゲン受容体の標的化分解のための化合物の結晶性形態
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/14 20060101AFI20230925BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20230925BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230925BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230925BHJP
【FI】
C07D401/14 CSP
A61K31/496
A61P35/00
A61P43/00 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516491
(86)(22)【出願日】2021-09-13
(85)【翻訳文提出日】2023-05-09
(86)【国際出願番号】 US2021050046
(87)【国際公開番号】W WO2022056368
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】63/078,225
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516307378
【氏名又は名称】アルビナス・オペレーションズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ARVINAS OPERATIONS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100131990
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 玲恵
(72)【発明者】
【氏名】ボールトン,キャサリン ビクトリア
(72)【発明者】
【氏名】チェン,チャンピン ヘルマン
(72)【発明者】
【氏名】ハスケル,ザ サード,ロイヤル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】リース,ヘイリー
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA03
4C063BB02
4C063CC11
4C063DD07
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA03
4C086BC50
4C086GA07
4C086GA12
4C086GA15
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZC11
4C086ZC41
(57)【要約】
本開示は、(S)-3-(5-(4-((1-(4-((1R,2S)-6-ヒドロキシ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)フェニル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、(化合物A)の多形体形態、これらの多形体形態を作製する方法、およびこれらの多形体形態を含む組成物に関する。これらの多形体形態は、例えば、乳癌を含む様々な疾患の治療に有用である。
(化合物A)
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(S)-3-(5-(4-((1-(4-((1R,2S)-6-ヒドロキシ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)フェニル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化合物A)の多形体であって、
【化1】

X線波長1.5406ÅでCu Kα放射線を使用し、約13.9°2θ、約16.4°2θ、および約17.9°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる、多形体。
【請求項2】
X線波長1.5406ÅでCu Kα放射線を使用し、約16.2°2θ、約18.5°2θ、および約20.9°2θから選択された少なくとも一つのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、請求項1に記載の多形体。
【請求項3】
Cu Kα放射線を使用し、約16.2°2θ、約18.5°2θ、および約20.9°2θから選択された少なくとも二つのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、請求項1に記載の多形体。
【請求項4】
X線波長1.5406ÅでCu Kα放射線を使用し、約13.5°2θ、約14.3°2θ、約14.5°2θ、および約16.8°2θから選択された少なくとも一つのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、請求項1~3のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項5】
図1Aに記載のものと実質的に類似のX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、請求項1~4のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項6】
約259℃の開始および約266℃でのピークを有する、DTによって測定される吸熱事象によってさらに特徴付けられる、請求項1~5のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項7】
約25℃~約250℃の間で約1%の、TGによって測定される重量損失によってさらに特徴付けられる、請求項1~6のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項8】
(S)-3-(5-(4-((1-(4-((1R,2S)-6-ヒドロキシ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)フェニル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化合物A)の多形体であって、
【化2】

X線波長1.5406ÅでCu Kα放射線を使用し、約10.0°2θ、約16.3°2θ、および約17.5°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる、多形体。
【請求項9】
X線波長1.5406ÅでCu Kα放射線を使用し、約9.2°2θ、および約18.1°2θでのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、請求項8に記載の多形体。
【請求項10】
Cu Kα放射線を使用し、約9.2°2θ、および約18.1°2θでのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、請求項8に記載の多形体。
【請求項11】
図2Aに記載のものと実質的に類似のX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、請求項8~10のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項12】
約212℃でのピークを有する、DTによって測定される吸熱事象によってさらに特徴付けられる、請求項8~11のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項13】
約25℃~約85℃の間で約11%の、TGによって測定される重量損失によってさらに特徴付けられる、請求項8~12のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項14】
(S)-3-(5-(4-((1-(4-((1R,2S)-6-ヒドロキシ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)フェニル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化合物A)の多形体であって、
【化3】

X線波長1.5406ÅでCu Kα放射線を使用し、約8.8°2θ、約10.7°2θ、および18.2°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる、多形体。
【請求項15】
X線波長1.5406ÅでCu Kα放射線を使用し、約11.2°2θ、約15.0°2θ、約16.5°2θ、および約17.8°2θから選択された少なくとも一つのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、請求項14に記載の多形体。
【請求項16】
Cu Kα放射線を使用し、約11.2°2θ、約15.0°2θ、約16.5°2θ、および約17.8°2θから選択された少なくとも二つのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、請求項14に記載の多形体。
【請求項17】
図3Aに記載のものと実質的に類似のX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、請求項14~16のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項18】
約196℃の開始および約204℃でのピークを有する、DTによって測定される吸熱事象によってさらに特徴付けられる、請求項14~17のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項19】
約25℃~約75℃の間で約3.7%の、TGによって測定される重量損失によってさらに特徴付けられる、請求項14~18のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項20】
約75℃~約160℃の間で約4.7%の、TGによって測定される重量損失によってさらに特徴付けられる、請求項19に記載の多形体。
【請求項21】
約160℃~約350℃の間で約0.6%の、TGによって測定される重量損失によってさらに特徴付けられる、請求項20に記載の多形体。
【請求項22】
(S)-3-(5-(4-((1-(4-((1R,2S)-6-ヒドロキシ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)フェニル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化合物A)の多形体であって、
【化4】

X線波長1.5406Åで、約10.5°2θ、約14.5°2θ、および約16.9°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる、多形体。
【請求項23】
X線波長1.5406ÅでCu Kα放射線を使用し、約11.5°2θ、約14.2°2θ、約16.3°2θ、および約17.8°2θから選択された少なくとも一つのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、請求項22に記載の多形体。
【請求項24】
Cu Kα放射線を使用し、約11.5°2θ、約14.2°2θ、約16.3°2θ、および約17.8°2θから選択された少なくとも二つのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、請求項22に記載の多形体。
【請求項25】
図4Aに記載のものと実質的に類似のX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、請求項22~24のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項26】
約196℃の開始および約213℃でのピークを有する、DTによって測定される吸熱事象によってさらに特徴付けられる、請求項22~25のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項27】
約25℃~約350℃の間で約3.1%の、TGによって測定される重量損失によってさらに特徴付けられる、請求項22~26のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項28】
疾患または障害を、それを必要とする対象において治療する方法であって、請求項1~27のいずれか一項の多形体の治療有効量を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項29】
前記疾患または障害が、エストロゲン受容体(ER)活性、過剰活性、構成的活性、発現、過剰発現、または蓄積および凝集と関連している、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記疾患または障害が、ER活性、過剰活性、構成的活性、発現、過剰発現、または蓄積および凝集に関連している癌または新生物である、請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
前記疾患または障害が、乳癌もしくは子宮癌、または子宮内膜症である、請求項28~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
請求項1~27のいずれか一項に記載の治療有効量の多形体、および薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物であって、前記組成物が、前記疾患または障害の少なくとも一つの症状の治療または改善に有効である、医薬組成物。
【請求項33】
前記疾患または障害が、ER活性、過剰活性、構成的活性、発現、過剰発現、または蓄積および凝集に関連している、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
前記疾患または障害が、ERの蓄積および凝集、またはERの活性もしくは過剰活性と関連付けられる癌または新生物である、請求項32または33に記載の組成物。
【請求項35】
前記疾患または障害が、乳癌もしくは子宮癌、または子宮内膜症である、請求項32~34のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項36】
疾患または障害の治療のための医薬品の製造における、請求項1~27のいずれか一項に記載の多形体の使用。
【請求項37】
前記疾患または障害が、ERの蓄積および凝集、またはERの活性もしくは過剰活性と関連付けられる、請求項36に記載の使用。
【請求項38】
前記疾患または障害が、ERの蓄積および凝集、またはERの活性もしくは過剰活性と関連付けられる癌または新生物である、請求項36または37に記載の使用。
【請求項39】
前記疾患または障害が、乳癌もしくは子宮癌、または子宮内膜症である、請求項36~38のいずれか一項に記載の使用。
【請求項40】
医薬で使用するための請求項1~27のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項41】
疾患または障害が、ERの蓄積および凝集、またはERの活性または過剰活性と関連付けられる、前記疾患または障害の治療に使用するための請求項1~27のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項42】
前記疾患または障害が、ERの蓄積および凝集、またはERの活性もしくは過剰活性と関連付けられる癌または新生物である、請求項41に記載の使用のための多形体。
【請求項43】
前記疾患または障害が、乳癌もしくは子宮癌、または子宮内膜症である、請求項41または42に記載の使用のための多形体。
【請求項44】
化合物Aを溶媒から再結晶することを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物Aの多形体を作製する方法。
【請求項45】
前記溶媒が、アセトン、1-ブタノール、2-エトキシエタノール、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メタノール、メチルエチルケトン、1-プロパノール、2-プロパノール、ポリエチレングリコール、およびエタノール/水の混合物からなる群から選択される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記溶媒が1-ブタノールを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記溶媒がメチルエチルケトンを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
化合物Aを溶媒から再結晶することを含む、請求項8~13のいずれか一項に記載の化合物Aの多形体を作製する方法。
【請求項49】
前記溶媒が、ジクロロメタンおよびアセトン/水の混合物から選択される、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
化合物Aを溶媒から再結晶することを含む、請求項14~21のいずれか一項に記載の化合物Aの多形体を作製する方法。
【請求項51】
前記溶媒が、アセトニトリルである、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
溶媒中の化合物Aの溶液をクラッシュ冷却することを含む、請求項22~27のいずれか一項に記載の化合物Aの多形体を作製する方法。
【請求項53】
溶媒中の化合物Aの溶液に抗溶媒を添加することを含む、請求項22~27のいずれか一項に記載の化合物Aの多形体を作製する方法。
【請求項54】
前記溶媒が、ジクロロメタンおよびメタノールの混合物である、請求項52または53に記載の方法。
【請求項55】
ジクロロメタンおよびメタノールの比が、約25:75(v/v)である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記抗溶媒が、tert-ブチルメチルエーテルである、請求項53~55のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年9月14日に出願された米国仮特許出願第63/078,225号の優先権および利益を主張するものであり、その内容は参照によりその全体が組み込まれる。
【0002】
ほとんどの小分子薬物は、酵素または受容体に密接に、および明確に定められたポケットにおいて結合する。対照的に、小分子を使用してタンパク質間相互作用を標的とすることは、タンパク質の接触表面が大きいこと、および典型的に関与するのが浅い溝状または平坦な界面であるため、困難であることがよく知られている。E3ユビキチンリガーゼは、ユビキチン化に基質特異性を与え、したがって、特定のタンパク質基質に対するそれらの特異性により、魅力的な治療標的である。E3リガーゼのリガンドの開発は、部分的に、タンパク質間相互作用を破壊せざるを得ないという理由で、困難であることが判明している。しかしながら、近年の開発によりこれらのリガーゼに結合する特定のリガンドがもたらされた。例えば、第一の小分子E3リガーゼ阻害剤であるナトリンの発見以来、追加の化合物がE3リガーゼを標的化することが報告されている。
【0003】
特定の治療剤としての潜在性があるE3リガーゼの一つは、ヒトにおいてCRBN遺伝子によってコードされるタンパク質であるセレブロンである。CRBNオルソログは、植物からヒトまで高度に保存されており、その生理学的な重要性を示す。セレブロンは、損傷したDNA結合タンパク質1(DDB1)、カリン-4A(CUL4A)、およびカリン1の調節因子(ROC1)とともにE3ユビキチンリガーゼ複合体を形成する。この複合体は、いくつかの他のタンパク質をユビキチン化する。完全にはまだ解明されていないメカニズムを介して、標的タンパク質のセレブロンユビキチン化は、線維芽細胞成長因子8(FGF8)および線維芽細胞成長因子10(FGF10)のレベル上昇をもたらす。FGF8は同様に、肢および耳胞の形成などのいくつかの発生過程を制御する。胚においてこのユビキチンリガーゼ複合体は四肢成長に重要であると最終的に結論付けられている。セレブロンの非存在下では、DDB1は、DNA損傷結合タンパク質として機能するDDB2とともに複合体を形成する。
【0004】
サリドマイドは、多くの免疫学的適応症の治療に承認されており、多発性骨髄腫を含む特定の腫瘍性疾患の治療にも承認されている。加えて、サリドマイドおよびそのいくつかのアナログは現在、様々な他のタイプの癌治療における使用に関して調査中である。サリドマイドの抗腫瘍活性の正確なメカニズムはまだ解明中であるが、血管形成を阻害することが知られている。イミド類の生物学的性質を検討する近年の文献としては、Lu et al.Science 343,305(2014)およびKroenke et al.Science 343,301(2014)が挙げられる。
【0005】
意義深いことに、サリドマイドおよびそのアナログ、例えば、ポマリドミドおよびレナリドミドは、セレブロンに結合し、複合体の特異性を変化させて、多発性骨髄腫の成長に必須の転写因子であるIkaros(IKZF1)およびAiolos(IKZF3)のユビキチン化および分解を誘導することが公知である。実際に、セレブロンのより高い発現は、多発性骨髄腫の治療においてイミド薬物の有効性の上昇と関連している。
【0006】
エストロゲン受容体(ER)は核ホルモン受容体ファミリーの一種であり、遺伝子発現の上方制御と下方制御に関与するリガンド活性化転写因子として機能する。ERの天然型ホルモンは、17-ベータ-エストラジオール(E2)および密接に関与する代謝産物である。ERにエストラジオールが結合すると受容体の二量体化が生じ、次にこの二量体がDNA上のエストロゲン応答エレメント(ERE:estrogen response element)に結合する。ER-DNA 複合体は、ERE下流のDNAをmRNAに転写させる他の転写因子をリクルートし、これにより最終的にタンパク質へと翻訳される。あるいはERとDNAの相互作用は他の転写因子の仲介を介した間接的なものであってもよく、最も有名なものはfosとjunである。多くの遺伝子発現がERによって制御され、そしてそのERは多くの細胞型で発現されているため、天然ホルモンまたは合成ERリガンドのいずれかの結合を介してERを調節することで、生物体の生理および病態生理に多大な影響を及ぼし得る。
【0007】
様々な疾患が、ERが介在する病因および/または病態を有している。集合的にこれらの疾患は、エストロゲン依存性疾患と呼ばれる。エストロゲンは、女性の性的発達にとって重要である。さらにエストロゲンは、骨密度、血液脂質レベルの調節の維持に重要な役割を果たし、神経保護的作用を有するとも考えられている。その結果、閉経後の女性におけるエストロゲン産生減少と、例えば骨粗鬆症、アテローム性動脈硬化、鬱病、および認知障害などの多くの疾患が関連する。逆にあるタイプの増殖性疾患、例えば乳癌および子宮癌、ならびに子宮内膜症はエストロゲンによって刺激される。ゆえに抗エストロゲン剤(すなわち エストロゲンアンタゴニスト)は、これらのタイプの障害の予防および治療における有用性を有し得る。
【0008】
ERには通常、αおよびβと呼ばれる異なる二つの型があり、各々別個の遺伝子(それぞれESR1およびESR2)によりコードされている。両ERとも異なる組織型で広く発現されているが、その発現パターンにはいくつか明らかな違いがある。ERαは子宮内膜、乳癌細胞、卵巣間質細胞、および視床下部に存在する。男性では、ERαタンパク質は輸出管の上皮組織に存在する。ERβタンパク質の発現は、腎臓、脳、骨、心臓、肺、腸粘膜、前立腺、および内皮細胞で報告されている。ゆえに、どちらか一方の形態に対する選択的リガンドの開発は、エストロゲンの有益な態様を保ち得るであろう。
【0009】
乳癌は女性が罹患する最も普遍的な悪性腫瘍であり、疾患発生率は世界中で増加している。エストロゲンは、特に、乳癌の少なくとも3分の1の内分泌性増殖因子として作用し、この刺激を腫瘍から奪うことは、閉経前の女性の進行性疾患に対する治療法として認められている。これは、外科手術、放射線療法、または医学的手段による卵巣機能の切除、ならびに閉経後の女性では、アロマターゼ阻害剤の使用によって達成される。
【0010】
エストロゲン離脱のための別の方法は、抗エストロゲン剤を用いてエストロゲンに拮抗することである。抗エストロゲン剤は、エストロゲン応答性の組織中に存在するERに結合し、競合する薬剤である。例えばタモキシフェンなど、従来的な非ステロイド性抗エストロゲン剤は効率的にER結合と競合するが、それらの有効性は、それら剤が示す部分的なアゴニズムにより制限されることが多く、そのためにエストロゲン介在活性の阻害が不完全となる。ERに対して高いアフィニティを有し、アゴニスト効果を有さない、特異的な、すなわち「純粋な」抗エストロゲン剤は、エストロゲン依存性疾患の治療において従来的な非ステロイド性抗エステロゲン剤を越える利点を有するであろう。フルベストラント(Fulvestrant)は、強力で純粋な抗エストロゲン剤の新規のクラスの初めての薬剤であり、タモキシフェンのような現在市販されている抗エストロゲン剤と関連付けられている部分的アゴニスト活性、エストロゲン様活性が全く無い。
【0011】
そのように、ERと拮抗する他の方法に対するニーズがある。一つの方法は、転写レベルまたはタンパク質レベルのいずれかでER発現を減少させる選択的ER下方制御物質またはER分解物質を開発することである。
【発明の概要】
【0012】
本発明に従って作製および使用される化合物は、(S)-3-(5-(4-((1-(4-(1R,2S)-6-ヒドロキシ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)フェニル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化合物A)であり、C4549の分子式を有し、以下の構造式を有する。
【化1】
【0013】
化合物Aは、乳癌の潜在的な治療のためのエストロゲン受容体(ER)を標的とするPROTAC(登録商標)タンパク質分解剤として開発中である。化合物Aは、ユビキチン-プロテアソーム経路を介した標的タンパク質のユビキチン化および分解の有用な調節因子であることが示されている。
【0014】
本開示は、化合物Aのいくつかの結晶性形態(多形体)および非結晶性形態を提供する。
【0015】
一態様では、本開示は、X線波長1.5406ÅでCu Kα放射を使用し、約13.9°2θ、約16.4°2θ、および約17.9°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる化合物Aの多形体(以下、形態I)を提供する。
【0016】
一態様では、本開示は、X線波長1.5406ÅでCu Kα放射を使用し、約10.0°2θ、約16.3°2θ、および約17.5°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる化合物Aの多形体(以下、形態II)を提供する。
【0017】
一態様では、本開示は、X線波長1.5406ÅでCu Kα放射を使用し、約8.8°2θ、約10.7°2θ、および18.2°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる化合物Aの多形体(以下、形態III)を提供する。
【0018】
一態様では、本開示は、X線波長1.5406Åで約10.5°2θ、約14.5°2θ、および約16.9°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる化合物Aの多形体(以下、形態IV)を提供する。
【0019】
別の態様では、本開示は、治療有効量の化合物Aの多形体および/または非結晶性形態を対象に投与することを含む、それを必要とする対象における疾患または障害を治療する方法を提供する。一部の実施形態では、疾患または障害は、ER活性、過剰活性、構成的活性、発現、過剰発現、または蓄積および凝集に関連する。一部の実施形態では、疾患または障害は、ER活性と関連している。一部の実施形態では、疾患または障害は、ERの過剰活性と関連している。一部の実施形態では、疾患または障害は、ERの構成的活性と関連している。一部の実施形態では、疾患または障害は、ER発現と関連している。一部の実施形態では、疾患または障害は、ERの過剰発現と関連している。一部の実施形態では、疾患または障害は、ERの蓄積および凝集と関連している。
【0020】
一部の実施形態では、疾患または障害は、ER活性、過剰活性、構成的活性、発現、過剰発現、または蓄積および凝集に関連している癌または新生物である。一部の実施形態では、疾患または障害は、乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、または子宮癌である。一部の実施形態では、疾患または障害は、子宮内膜症である。
【0021】
別の態様では、本開示は、治療有効量の化合物Aの多形体および/または非結晶性形態を含む医薬組成物を提供し、組成物は、疾患または障害の少なくとも一つの症状の治療または改善に有効である。一部の実施形態では、疾患または障害は、ER活性、過剰活性、構成的活性、発現、過剰発現、または蓄積および凝集と因果関係がある。一部の実施形態では、疾患または障害は、ER活性、過剰活性、構成的活性、発現、過剰発現、または蓄積および凝集と因果関係がある癌または新生物である。一部の実施形態では、疾患または障害は、乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、または子宮癌である。一部の実施形態では、疾患または障害は、子宮内膜症である。
【0022】
別の態様では、本開示は、治療有効量の化合物Aの非結晶性形態と、薬学的に許容可能な分散剤とを含む医薬組成物を提供する。一部の実施形態では、薬学的に許容可能な分散剤は、薬学的に許容可能な添加剤をさらに含む。一部の実施形態では、薬学的に許容可能な分散剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である。一部の実施形態では、薬学的に許容可能な添加剤は、D-α-トコフェリルポリエチレングリコールコハク酸塩(ビタミンE TPGSまたはTPGS)である。
【0023】
一部の実施形態では、本発明の多形体は、非結晶性化合物Aに変換する前に化合物Aをバルクで保存するための好ましい形態である。一部の実施形態では、化合物Aの多形体は、形態Iである。一部の実施形態では、化合物Aの多形体は、形態IIである。一部の実施形態では、化合物Aの多形体は、形態IIIである。一部の実施形態では、化合物Aの多形体は、形態IVである。一部の実施形態では、化合物Aをバルクで保存するための形態は、本明細書に開示される化合物Aの一つまたは複数の固体形態(例えば、多形体または非結晶性形態)の混合物である。一部の実施形態では、化合物Aをバルクで保存するための形態は、形態Iおよび非結晶性形態の混合物である。一部の実施形態では、化合物Aをバルクで保存するための形態は、形態Iおよび形態IIの混合物である。一部の実施形態では、化合物Aをバルクで保存するための形態は、形態Iおよび形態IIIの混合物である。一部の実施形態では、化合物Aをバルクで保存するための好ましい形態は、形態Iおよび形態IVの混合物である。
【0024】
別の態様では、本開示は、疾患または障害の治療のための医薬品の製造における化合物Aの多形体および/または非結晶性形態の使用を提供する。一部の実施形態では、疾患または障害は、ER活性、過剰活性、構成的活性、発現、過剰発現、または蓄積および凝集と関連している。一部の実施形態では、疾患または障害は、ER活性、過剰活性、構成的活性、発現、過剰発現、または蓄積および凝集に関連している癌または新生物である。一部の実施形態では、疾患または障害は、乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、または子宮癌である。一部の実施形態では、疾患または障害は、子宮内膜症である。
【0025】
別の態様では、本開示は、医薬に使用するための化合物Aの多形体および/または非結晶性形態を提供する。
【0026】
別の態様では、本開示は、疾患または障害の治療における使用のための化合物Aの多形体および/または非結晶性形態を提供する。一部の実施形態では、疾患または障害は、ER活性、過剰活性、構成的活性、発現、過剰発現、または蓄積および凝集と関連している。一部の実施形態では、疾患または障害は、ER活性、過剰活性、構成的活性、発現、過剰発現、または蓄積および凝集に関連している癌または新生物である。一部の実施形態では、疾患または障害は、乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、または子宮癌である。一部の実施形態では、疾患または障害は、子宮内膜症である。
【0027】
別の態様では、本開示は、溶媒から化合物Aを再結晶することを含む、化合物Aの形態I多形体を作製する方法を提供する。一部の実施形態では、溶媒は、アセトン、1-ブタノール、2-エトキシエタノール、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メタノール、メチルエチルケトン、1-プロパノール、2-プロパノール、またはエタノールと水の混合物である。
【0028】
別の態様では、本開示は、溶媒から化合物Aを再結晶することを含む、化合物Aの形態II多形体を作製する方法を提供する。一部の実施形態では、溶媒は、ジクロロメタンまたはアセトンと水の混合物である。
【0029】
別の態様では、本開示は、溶媒から化合物Aを再結晶することを含む、化合物Aの形態III多形体を作製する方法を提供する。一部の実施形態では、溶媒は、アセトニトリルである。
【0030】
別の態様では、本開示は、溶媒から化合物Aをクラッシュ冷却することを含む、化合物Aの形態IV多形体を作製する方法を提供する。一部の実施形態では、溶媒は、ジクロロメタンとメタノールの混合物である。
【0031】
別の態様では、本開示は、溶媒から化合物Aの溶液に抗溶媒の添加を含む、化合物Aの形態IV多形体を作製する方法を提供する。一部の実施形態では、溶媒は、ジクロロメタンとメタノールの混合物を含む。一部の実施形態では、抗溶媒は、tert-ブチルメチルエーテルである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1A図1Aは、化合物Aの形態I多形体の試料のXRPDスペクトルを示す。回折図は、メチルエチルケトンから回収された材料からである。
【0033】
図1B図1Bは、化合物Aの形態I多形体の試料のTG/DTプロットを示す。TGプロットは左上から、DTプロットは左下から開始する。
【0034】
図1C図1Cは、化合物Aの形態I多形体のPLM画像を示す。この図中の試料は、メタノールから回収された。
【0035】
図2A図2Aは、化合物Aの形態IIの試料のXRPDスペクトルを示す。回折図は、ジクロロメタンから回収された材料からである。
【0036】
図2B図2Bは、化合物Aの形態II多形体の試料のTG/DTプロットを示す。TGプロットは左上から、DTプロットは左下から開始する。
【0037】
図2C図2Cは、化合物Aの形態II多形体のPLM画像を示す。この図中の試料は、ジクロロメタンから回収された。
【0038】
図3A図3Aは、化合物Aの形態III多形体の試料のXRPDスペクトルを示す。回折図は、アセトニトリルから回収された材料からである。
【0039】
図3B図3Bは、化合物Aの形態III多形体の試料のTG/DTプロットを示す。TGプロットは左上から、DTプロットは左下から開始する。
【0040】
図3C図3Cは、化合物Aの形態III多形体のPLM画像を示す。この図中の試料は、アセトニトリルから回収された。
【0041】
図4A図4Aは、化合物Aの形態IV多形体の試料のXRPDスペクトルを示す。回折図は、急冷後、ジクロロメタン:メタノール(25:75 v/v)から回収された材料からである。
【0042】
図4B図4Bは、化合物Aの形態IV多形体の試料のTG/DTプロットを示す。TGプロットは左上から、DTプロットは左下から開始する。
【0043】
図4C図4Cは、化合物Aの形態IV多形体のPLM画像を示す。この図中の試料は、ジクロロメタン:メタノール(25:75 v/v)から回収された。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本出願は、米国特許第10,647,698号として発行された米国特許出願第15/829,541号、米国特許第10,899,742号として発行された米国特許出願第16/744,414号、並びに米国特許出願第17/001,519号に関連する。これらの各々は、参照により、全ての目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
【0045】
以下は、本開示の実施において当業者を支援するために提供される詳細な説明である。当分野の当業者であれば、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の実施形態の修正および変更を行い得る。本明細書において言及される全ての公表文献、特許出願、特許、図面およびその他の参考文献は、参照により全ての目的のためにその全体が明示的に組み込まれる。
【0046】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学的用語は、本開示が属する分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態の解説のみを目的としており、本開示を限定することは意図されていない。
【0047】
値の範囲が提供される場合、文脈により明白に別段の指定が無い限り(例えばある数の炭素原子を含有する基の場合、当該範囲内におさまる各炭素原子数が提供される)、その範囲および任意の他の指定範囲の上限と下限の間の、下限単位の十分の一までの各介在値、またはその指定範囲中の介在値が本開示範囲内に包含されることを理解されたい。これらのより小さな範囲の上限および下限が独立してより小さな範囲に含まれてもよく、指定範囲中の任意の具体的に除外される境界値となる。所定の範囲が限界値のうちの一方または両方を含む場合、それらの含まれる限界値のうちのいずれか、または両方を除外する範囲もまた本開示に含まれる。
【0048】
定義
以下の用語は、本開示を説明するために使用される。本明細書において用語が具体的に定義されていない場合、その用語は、本開示の説明においてその使用の分若で当該用語を適用する当業者により当分野において認識されている意味が与えられる。
【0049】
本明細書で定義されるように、「XRPD」または「XPD」は、X線粉末回折を意味すると理解される。別途指定されない限り、全てのXRPDピークおよびパターンは、波長1.5406ÅでCu Kα1放射線を使用して、°2θで与えられる。
【0050】
略語「TG」および「TGA」は、熱重量測定または熱重量分析を意味すると理解される。略語「DT」または「DTA」は、示差熱分析と理解される。略語「TG/DT」または「TG/DTA」は、熱重量測定/示差熱分析と理解される。
【0051】
用語「PLM」は、偏光顕微鏡を意味すると理解される。
【0052】
用語「約」は、本明細書では、ほぼ、その領域内、およそ、またはその周辺を意味するために使用される。用語「約」が、数値範囲と併せて使用される場合、記載される数値の上下の境界を延長することによって、その範囲を変更する。一般に、用語「約」は、本明細書では、記載値の上下の数値を、20%の分散によって修正するために使用される。XRPDピーク値(すなわち、回折図のx軸に沿ったXRPDピークの位置)の文脈で使用される場合、用語「約」は、ピーク値±0.20;±0.15;±0.10;±0.05;または±0.01°2θを示すことができる。一部の実施形態では、XRPDピーク値「約」の文脈で使用される場合、まさに開示されたピーク値でのピーク値を示すことができる。
【0053】
本明細書で使用される場合、用語「実質的に」は、85%超(すなわち、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%超)を意味する。
【0054】
XRPDパターンなどの分析スペクトルに関して本明細書で使用される場合、用語「実質的に類似している」は、スペクトルがピーク位置およびそれらの相対強度の両方で、参照スペクトルに非常に類似していることを意味する。例えば、二つのスペクトルが、異なる固体形態について取得されたスペクトルと区別するのに十分な、定義特性を共有する場合、二つのスペクトルは、「実質的に類似している」とみなされ得る。 特定の実施形態では、参照結晶性形態、非結晶性形態、またはそれらの混合物と実質的に類似したスペクトルまたは特徴解析データは、当業者によって、特定の参照と同じ結晶性形態、非結晶性形態、またはそれらの混合物に対応することが理解される。スペクトルまたは特徴解析データが実質的に類似しているかどうかを分析する際に、当業者は、特定の特徴解析データ点が、例えば、実験誤差および日常的な試料間分析により、所与の固体形態を説明しながらも、合理的な範囲で変化する可能性があることを理解する。
【0055】
本明細書において使用される場合、「a」および「an」という冠詞は、文脈により明白に別段の示唆が無い限り、当該冠詞の文法的客体のうちの一つまたは二つ以上(すなわち少なくとも一つ)を指すように本明細書において使用される。一例として、「要素」は一つの要素または複数の要素を意味する。
【0056】
本明細書および請求の範囲において本明細書に使用される場合、「および/または」という語句は、そのように結合される要素のうちの「いずれか、または両方」を意味すると理解されたい。すなわち、一部の例では要素は結合して存在し、他の例では結合せずに存在する。「および/または」を用いて列記された複数の要素は、同じように解釈されるべきである。すなわち、要素の「一つまたは複数」がそのように結合されている。「および/または」条項により具体的に特定された要素以外の他の要素が、それら具体的に特定された要素との関連性の有無に関係なく、任意に存在し得る。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への言及は、「含む」などのオープンエンド言語と併用される場合、一実施形態では、Aのみ(任意にB以外の要素を含む)、別の実施形態では、Bのみ(任意にA以外の要素を含む)、さらに別の実施形態では、AおよびBの両方(任意に他の要素を含む)などを指すことができる。
【0057】
本明細書および特許請求の範囲において本明細書で使用される場合、「または」は、上記に定義される「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を分離するときに、「または」または「および/または」は包括的なものとして解釈されるものとする。すなわち、多くの要素、または要素のリストのうちの少なくとも一つを含むが、二つ以上も含み、そして任意で列記されていない追加の項目も含む。例えば「~の内のただ一つ」、または「~の内の正確に一つ」、または請求項において使用される場合には「~からなる」など、逆を明確に示唆される用語のみが、多くの要素、または要素のリストのうちの正確に一つの要素の含有を指す。概して、本明細書に使用される場合、「または」という用語は、例えば「いずれか」、「~のうちの一つ」、「~のうちの一つのみ」、または「~のうちの正確に一つ」などの排他的な用語が先行する場合にのみ排他的な選択肢(すなわち「どちらか一つであるが、両方ではない」)を示すものと解釈されるべきである。
【0058】
特許請求の範囲並びに本明細書において、「含む(comprising)」、「含有する(including)」、「担持する(carrying)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「関与する(involving)」、「保持する(holding)」、「で構成される(composed of)」などの全ての移行句は、オープンエンドである、すなわち、~を含むが限定されないことを意味すると理解されたい。「からなる(consisting of)」および「から本質的になる(consisting essentially of)」という移行句のみが、United States Patent Office Manual of Patent Examining Procedures,Section 2111.03に記載されるように、それぞれクローズまたはセミクローズの移行句であるものとする。
【0059】
本明細書において使用される場合、明細書および請求の範囲において、一つまたは複数の要素のリストに関し、「少なくとも一つ」という語句は、要素リスト中のいずれか一つ、または複数の要素から選択される少なくとも一つの要素を意味すると理解されるべきであるが、必ずしも要素リスト内に具体的に列記される全ての要素のうちの少なくとも一つを含むものではなく、要素リスト中の要素の任意の組み合わせを除外するものではない。さらにこの定義は、「少なくとも一つ」という語句が指す要素リスト内で具体的に特定された要素以外にも、具体的に特定されたそれらの要素の関連性の有無にかかわらず、任意で要素が存在し得ることを許容する。したがって、非限定的な例として、「AおよびBのうちの少なくとも一つ」(または同等に、「AまたはBのうちの少なくとも一つ」、または同等に、「Aおよび/またはBのうちの少なくとも一つ」)は、一実施形態では、少なくとも一つの、任意に、二つ以上のAを含み、Bが存在しない(かつ、任意に、B以外の要素を含む)、別の実施形態では、少なくとも一つの、任意に、二つ以上のBを含み、Aが存在しない(かつ、任意に、A以外の要素を含む)、さらに別の実施形態では、少なくとも一つの、任意に、二つ以上のA、ならびに少なくとも一つの、任意に、二つ以上のBを含む(かつ、任意に、他の要素を含む)を指すことができる。
【0060】
二つ以上の工程または動作を含む本明細書に記載の特定の方法において、方法の工程または動作の順序は、文脈より別段の示唆が無い限り、方法の工程または動作が列挙される順序に必ずしも限定されない。
【0061】
用語「結晶性形態」、「形状形態」、および「多形体」はそれぞれ、固定格子配置における分子、原子、またはイオンの短距離または長距離の秩序を有する任意の固体を意味すると理解される。本発明の結晶は、単結晶形態であってもよい。したがって、本発明の結晶は、例えば、三斜晶、単斜晶、斜方晶、正方晶、菱面体晶、六方晶または立方晶の結晶形態、またはそれらの混合物であり得る。別の特定の実施形態では、本発明の結晶は、他の形態、例えば非結晶性または他の結晶形態を実質的に含まない。
【0062】
用語「非結晶性」形態は、分子の無秩序な配置の固体を指し、識別可能な結晶格子を有しない。
【0063】
「同時投与(co-administration)」および「同時に投与すること(co-administering)」または「併用療法(combination therapy)」という用語は、同時投与(二つ以上の治療薬の同時投与)と、治療薬が患者の体内にある程度、好ましくは効果量が同時に存在する間は時間を変えて投与すること(一つまたは複数の治療薬を、追加の治療薬の投与の時間とは異なる時間に投与すること)との両方を指す。特定の好ましい態様では、本明細書に記載の本化合物の一つまたは複数が、特に抗癌剤を含む、少なくとも一つの追加生物活性剤と併用して共投与される。特に好ましい態様において、化合物の共投与により、抗癌活性を含む改善された活性または相乗作用的な活性および/または治療がもたらされる。
【0064】
本明細書で使用される場合、用語「化合物」は、別段の示唆がない限り、文脈において、本明細書に開示される任意の特定の化学化合物(該当する場合、重水素化形態を含む)を指す。予期される重水素化低分子は、薬剤分子中に含有される水素原子のうちの一つまたは複数が重水素で置換されている低分子である。文脈から別段の示唆が無い限り、化合物という用語は化合物Aを指す。
【0065】
「ユビキチンリガーゼ」という用語は、特定の基質タンパク質へのユビキチンの移送を促進し、その基質タンパク質を分解の標的とさせるタンパク質のファミリーを指す。例えばセレブロンは、単独で、またはE2ユビキチン結合酵素と併せて、標的タンパク質上のリシンにユビキチンを付加させるE3ユビキチンリガーゼタンパク質である。したがって、E2ユビキチン結合酵素との複合体で、または単独で、E3ユビキチンリガーゼは、標的とされるタンパク質へのユビキチンの移送に関与する。概して、ユビキチンリガーゼは、ポリユビキチン化に関与し、それにより第二のユビキチンが第一のユビキチンに付加され、第三のユビキチンが第二のユビキチンに付加される。そのようなポリユビキチン化は、標的タンパク質に、プロテアソームによる分解のための印をつける。
【0066】
「患者」または「対象」という用語は本明細書全体を通して、本開示による組成物を用いた予防的治療を含む治療が提供される動物、好ましくはヒトまたは家畜を記載するために使用される。例えばヒト患者などの特定の動物に特異的な感染症、状態または病態の治療に関し、「患者」という用語は、例えばイヌまたはネコなどの家庭内動物、または例えばウマ、ウシ、ヒツジなどの農業用動物を含む特定の動物を指す。概して、本開示において、「患者」という用語は、別段の記載が無い限り、またはその用語を使用する文脈から暗示されない限り、ヒト患者を指す。
【0067】
「有効」という語は、その意図される用途の文脈の範囲内で使用される場合、意図される結果を生じさせる化合物、組成物、または構成要素の量を記載するために使用される。「有効」という用語は、その他全ての有効量または有効濃度の用語を含み、それらは本出願で別途記載または使用される。
【0068】
本明細書で使用される場合、語句「治療有効量」等は、治療効果、例えば、改善または代替的な治癒効果を達成するために、患者、または患者の細胞、組織、または器官に投与するために必要な量を示す。治療有効量は、研究者、獣医師、医師、または臨床医によって求められている細胞、組織、系、動物、またはヒトの生物学的または医学的応答を引き出すのに十分である。適切な治療有効量の決定は、当業者の日常的なレベル内である。
【0069】
多形体
化合物Aは、米国特許第10,647,698号に開示の方法に従って調製することができ、これは全ての目的のために本明細書に組み込まれる。化合物Aの形態I多形体は、多くの溶媒からの結晶化によって調製することができる。例えば、形態Iは、周囲温度(約22℃)と40℃との間の温度サイクルにより、4時間サイクルで72時間、以下の溶媒のそれぞれから回収された:アセトン、1-ブタノール、2-エトキシエタノール、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メタノール、メチルエチルケトン、1-プロパノール、2-プロパノール、およびエタノール:水(90:10 v/v)。メチルエチルケトンから回収された形態IのXRPDスペクトルを、Cu Kα放射線を使用して得られた図1Aに示す。
【0070】
一部の実施形態では、本出願は、化合物Aを溶媒から再結晶することを含む、本明細書に開示される多形体の形態Iを作製する方法を提供する。一部の実施形態では、溶媒は、アセトン、1-ブタノール、2-エトキシエタノール、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メタノール、メチルエチルケトン、1-プロパノール、2-プロパノール、またはエタノールと水の混合物である。一部の実施形態では、溶媒は、アセトンである。一部の実施形態では、溶媒は、1-ブタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、2-エトキシエタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、エタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、酢酸エチルである。一部の実施形態では、溶媒は、酢酸イソプロピルである。一部の実施形態では、溶媒は、メタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、メチルエチルケトンである。一部の実施形態では、溶媒は、1-プロパノールである。一部の実施形態では、溶媒は、2-プロパノールである。一部の実施形態では、溶媒は、エタノール/水の混合物である。一部の実施形態では、エタノールと水の比は、約85:15(v/v)~約95:5(v/v)の間である。一部の実施形態では、エタノールと水の比は、85:15(v/v)~95:5(v/v)の間である。一部の実施形態では、エタノールと水の比は、約90:10(v/v)である。一部の実施形態では、水は脱イオン水である。
【0071】
一部の実施形態では、形態Iは、図1Aに示すXRPDピークによって特徴付けられ得る。例えば、一部の実施形態では、形態Iは、約17.9°2θ(例えば、17.9±0.2°2θ、17.9±0.1°2θ、または17.9±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約13.9°2θ、および/または約16.4°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによってさらに特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約16.2°2θ、約18.5°2θ、約16.8°2θ、約14.5°2θ、および/または約13.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによってさらに特徴付けられ得る。
【0072】
一部の実施形態では、形態Iは、約17.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約13.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約17.9°2θおよび約13.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。
【0073】
一部の実施形態では、形態Iは、約13.5°2θ、約17.9°2θ、および約13.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約14.3°2θ、約17.9°2θ、および約13.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約14.5°2θ、約17.9°2θ、および約13.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約16.2°2θ、約17.9°2θ、および約13.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約16.4°2θ、約17.9°2θ、および約13.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約16.8°2θ、約17.9°2θ、および約13.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約18.5°2θ、約17.9°2θ、および約13.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約18.9°2θ、約17.9°2θ、および約13.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。
【0074】
一部の実施形態では、形態Iは、約16.4°2θ、約16.8°2θ、約18.5°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約16.4°2θ、約16.8°2θ、約17.9°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約16.4°2θ、約16.8°2θ、約17.9°2θ、および約18.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約16.2°2θ、約17.9°2θ、約18.5°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約16.2°2θ、約16.8°2θ、約18.5°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約16.2°2θ、約16.8°2θ、約17.9°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約16.2°2θ、約16.8°2θ、約17.9°2θ、および約18.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約16.2°2θ、約16.4°2θ、約18.5°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約16.2°2θ、約16.4°2θ、約17.9°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約16.2°2θ、約16.4°2θ、約17.9°2θ、および約18.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約16.2 °2θ、約16.4°2θ、約16.8°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約16.2°2θ、約16.4°2θ、約16.8°2θ、および約18.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約16.2 °2θ、約16.4°2θ、約16.8°2θ、および約17.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約13.9°2θ、約17.9°2θ、約18.5°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約13.9°2θ、約16.8°2θ、約18.5°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約13.9°2θ、約16.8°2θ、約17.9°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約13.9°2θ、約16.8°2θ、約17.9°2θ、および約18.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約13.9°2θ、約16.4°2θ、約18.5°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約13.9°2θ、約16.4°2θ、約17.9°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約13.9°2θ、約16.4°2θ、約17.9°2θ、および約18.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約13.9°2θ、約16.4°2θ、約16.8°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約13.9°2θ、約16.4°2θ、約16.8°2θ、および約18.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約13.9°2θ、約16.4°2θ、約16.8°2θ、および約17.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約13.9°2θ、約16.2°2θ、約18.5°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約13.9°2θ、約16.2°2θ、約17.9°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約13.9°2θ、約16.2°2θ、約17.9°2θ、および約18.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約13.9°2θ、約16.2°2θ、約16.8°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、
約13.9°2θ、約16.2°2θ、約16.8°2θ、および約18.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約13.9°2θ、約16.2°2θ、約16.8°2θ、および約17.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約13.9°2θ、約16.2°2θ、約16.4°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約13.9°2θ、約16.2°2θ、約16.4°2θ、および約18.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約13.9°2θ、約16.2°2θ、約16.4°2θ、および約17.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約13.9°2θ、約16.2°2θ、約16.4°2θ、および約16.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。
【0075】
一部の実施形態では、形態Iは、約17.9°2 θ、約13.9°2θ、約13.5°2θ、約14.3°2θ、約14.5°2θ、約16.2°2θ、約16.4°2θ、約16.8°2θ、約18.5°2θ、約18.9°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された一つまたは複数のXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約17.9°2 θ、約13.9°2θ、約13.5°2θ、約14.3°2θ、約14.5°2θ、約16.2°2θ、約16.4°2θ、約16.8°2θ、約18.5°2θ、約18.9°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された一つのXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約17.9°2 θ、約13.9°2θ、約13.5°2θ、約14.3°2θ、約14.5°2θ、約16.2°2θ、約16.4°2θ、約16.8°2θ、約18.5°2θ、約18.9°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された二つのXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約17.9°2 θ、約13.9°2θ、約13.5°2θ、約14.3°2θ、約14.5°2θ、約16.2°2θ、約16.4°2θ、約16.8°2θ、約18.5°2θ、約18.9°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された三つのXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約17.9°2 θ、約13.9°2θ、約13.5°2θ、約14.3°2θ、約14.5°2θ、約16.2°2θ、約16.4°2θ、約16.8°2θ、約18.5°2θ、約18.9°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された四つのXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約17.9°2 θ、約13.9°2θ、約13.5°2θ、約14.3°2θ、約14.5°2θ、約16.2°2θ、約16.4°2θ、約16.8°2θ、約18.5°2θ、約18.9°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された五つのXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約17.9°2 θ、約13.9°2θ、約13.5°2θ、約14.3°2θ、約14.5°2θ、約16.2°2θ、約16.4°2θ、約16.8°2θ、約18.5°2θ、約18.9°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された六つのXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約17.9°2 θ、約13.9°2θ、約13.5°2θ、約14.3°2θ、約14.5°2θ、約16.2°2θ、約16.4°2θ、約16.8°2θ、約18.5°2θ、約18.9°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された七つのXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約17.9°2 θ、約13.9°2θ、約13.5°2θ、約14.3°2θ、約14.5°2θ、約16.2°2θ、約16.4°2θ、約16.8°2θ、約18.5°2θ、約18.9°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された八つのXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約17.9°2 θ、約13.9°2θ、約13.5°2θ、約14.3°2θ、約14.5°2θ、約16.2°2θ、約16.4°2θ、約16.8°2θ、約18.5°2θ、約18.9°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された九つのXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約17.9°2 θ、約13.9°2θ、約13.5°2θ、約14.3°2θ、約14.5°2θ、約16.2°2θ、約16.4°2θ、約16.8°2θ、約18.5°2θ、約18.9°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された十のXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態Iは、約17.9°2 θ、約13.9°2θ、約13.5°2θ、約14.3°2θ、約14.5°2θ、約16.2°2θ、約16.4°2θ、約16.8°2θ、約18.5°2θ、約18.9°2θ、および約20.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された十一のXPRDピークによって特徴付けられ得る。
【0076】
一部の実施形態では、形態Iは、表1に列挙される一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ、九つ、十、十一、またはそれ以上のピークを有することができる。
【0077】
【表1】
【0078】
図1Bは、形態Iの試料のTG/DTプロットである。TGは、約250℃で溶融するまで約1%の重量損失を示した。これに続いて、溶融中に0.6%の重量損失が続き、最終的には0.4%の重量損失が約350℃まで見られる。DTトレースでは、約259℃の開始で吸熱事象が観察され、約266℃にピークがあった。一部の実施形態では、形態Iは、約25℃~約250℃の間の約1%の重量損失によって特徴付けられる。一部の実施形態では、形態Iは、DTによって測定される、約259℃で開始する吸熱事象によって特徴付けられる。一部の実施形態では、形態Iは、DTによって測定される、約166℃でのピークを有する吸熱事象によって特徴付けられる。一部の実施形態では、形態Iは、DTによって測定される、約259℃の開始および約266℃でのピークを有する、吸熱事象によって特徴付けられる。一部の実施形態では、重量損失は、熱重量分析によって決定される。一部の実施形態では、熱重量分析は、実施例1に示されるように実質的に実施される。一部の実施形態では、吸熱事象は、示差熱分析によって計算される。一部の実施形態では、示差熱分析は、実施例1に示されるように実質的に実施される。一部の実施形態では、熱重量分析および示差熱分析は、同時に実施される。
【0079】
図1Cは、メタノールから回収された形態IのPLM画像を示す。PLMは、不規則なラス状形態を有する複屈折材料であることを示した。一部の実施形態では、形態Iは、不規則なラス状形態を有する複屈折材料によって特徴付けられる。
【0080】
化合物Aの形態IIは、多くの溶媒からの結晶化によって調製することができる。例えば、形態IIは、ジクロロメタンから、またアセトン:水(90:10v/v)から、周囲温度(約22℃)と40℃との間の温度サイクルを4時間サイクルで72時間かけて回収した。ジクロロメタンから回収された形態IIのXRPDスペクトルを、Cu Kα放射線を使用して得られた図2Aに示す。
【0081】
一部の実施形態では、本出願は、化合物Aを溶媒から再結晶することを含む、本明細書に開示される化合物Aの形態IIを作製する方法を提供する。一部の実施形態では、溶媒は、ジクロロメタンおよびアセトンと水の混合物から選択される。一部の実施形態では、溶媒は、ジクロロメタンである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトンと水の混合物である。一部の実施形態では、アセトンと水の比は、約85:15(v/v)~約95:5(v/v)の間である。一部の実施形態では、アセトンと水の比は、85:15(v/v)~95:5(v/v)の間である。一部の実施形態では、アセトンと水の比は、約90:10(v/v)である。一部の実施形態では、水は脱イオン水である。
【0082】
一部の実施形態では、形態IIは、図2Aに示すXRPDピークによって特徴付けられ得る。例えば、形態IIは、約17.5°2θ(例えば、17.5±0.2°2θ、17.5±0.1°2θ、または17.5±0.0°2θ)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約9.2°2θ、約10.0°2θ、約16.3°2θ、および/または約18.1°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによってさらに特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約12.5°2θ、約14.1°2θ、約15.7°2θ、約16.9°2θ、約19.1°2θ、および/または約19.6°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによってさらに特徴付けられ得る。
【0083】
一部の実施形態では、形態IIは、約9.2°2θおよび約17.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約10.0°2θおよび約17.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約16.3°2θおよび約17.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約18.1°2θおよび約17.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約12.5°2θおよび約17.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約14.1°2θおよび約17.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約15.7°2θおよび約17.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約16.9°2θおよび約17.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約19.1°2θおよび約17.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約19.6°2θおよび約17.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約18.1°2θおよび約17.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。
【0084】
一部の実施形態では、形態IIは、約16.3°2θ、約17.5°2θ、および約18.1°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約10.0°2θ、約17.5°2θ、および約18.1°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約10.0°2θ、約16.3°2θ、および約18.1°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約10.0°2θ、約16.3°2θ、および約17.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約9.2°2θ、約17.5°2θ、および約18.1°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約9.2°2θ、約16.3°2θ、および約18.1°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約9.2°2θ、約16.3°2θ、および約17.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約9.2°2θ、約10.0°2θ、および約18.1°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約9.2°2θ、約10.0°2θ、および約17.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約9.2°2θ、約10.0°2θ、約16.3°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。
【0085】
一部の実施形態では、形態IIは、約10.0°2θ、約16.3°2θ、約17.5°2θ、および約18.1°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約9.2°2θ、約16.3°2θ、約17.5°2θ、および約18.1°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約9.2°2θ、約10.0°2θ、約17.5°2θ、および約18.1°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約9.2°2θ、約10.0°2θ、約16.3°2θ、および約18.1°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約9.2°2θ、約10.0°2θ、約16.3°2θ、および約17.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。
【0086】
一部の実施形態では、形態IIは、約17.5°2 θ、約9.2°2θ、約10.0°2θ、約16.3°2θ、約18.1°2θ、約12.5°2θ、約14.1°2θ、約15.7°2θ、約16.9°2θ、約19.1°2θ、約19.6°2θ、約21.1°2θ、約21.9°2θ、約22.4°2θ、および約25.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された一つまたは複数のXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約17.5°2 θ、約9.2°2θ、約10.0°2θ、約16.3°2θ、約18.1°2θ、約12.5°2θ、約14.1°2θ、約15.7°2θ、約16.9°2θ、約19.1°2θ、約19.6°2θ、約21.1°2θ、約21.9°2θ、約22.4°2θ、および約25.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された一つのXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約17.5°2 θ、約9.2°2θ、約10.0°2θ、約16.3°2θ、約18.1°2θ、約12.5°2θ、約14.1°2θ、約15.7°2θ、約16.9°2θ、約19.1°2θ、約19.6°2θ、約21.1°2θ、約21.9°2θ、約22.4°2θ、および約25.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された二つのXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約17.5°2 θ、約9.2°2θ、約10.0°2θ、約16.3°2θ、約18.1°2θ、約12.5°2θ、約14.1°2θ、約15.7°2θ、約16.9°2θ、約19.1°2θ、約19.6°2θ、約21.1°2θ、約21.9°2θ、約22.4°2θ、および約25.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された三つのXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約17.5°2 θ、約9.2°2θ、約10.0°2θ、約16.3°2θ、約18.1°2θ、約12.5°2θ、約14.1°2θ、約15.7°2θ、約16.9°2θ、約19.1°2θ、約19.6°2θ、約21.1°2θ、約21.9°2θ、約22.4°2θ、および約25.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された四つのXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約17.5°2 θ、約9.2°2θ、約10.0°2θ、約16.3°2θ、約18.1°2θ、約12.5°2θ、約14.1°2θ、約15.7°2θ、約16.9°2θ、約19.1°2θ、約19.6°2θ、約21.1°2θ、約21.9°2θ、約22.4°2θ、および約25.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された五つのXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約17.5°2 θ、約9.2°2θ、約10.0°2θ、約16.3°2θ、約18.1°2θ、約12.5°2θ、約14.1°2θ、約15.7°2θ、約16.9°2θ、約19.1°2θ、約19.6°2θ、約21.1°2θ、約21.9°2θ、約22.4°2θ、および約25.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された六つのXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約17.5°2 θ、約9.2°2θ、約10.0°2θ、約16.3°2θ、約18.1°2θ、約12.5°2θ、約14.1°2θ、約15.7°2θ、約16.9°2θ、約19.1°2θ、約19.6°2θ、約21.1°2θ、約21.9°2θ、約22.4°2θ、および約25.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された七つのXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約17.5°2 θ、約9.2°2θ、約10.0°2θ、約16.3°2θ、約18.1°2θ、約12.5°2θ、約14.1°2θ、約15.7°2θ、約16.9°2θ、約19.1°2θ、約19.6°2θ、約21.1°2θ、約21.9°2θ、約22.4°2θ、および約25.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された八つのXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約17.5°2θ、約9.2°2θ、約10.0°2θ、約16.3°2θ、約18.1°2θ、約12.5°2θ、約14.1°2θ、
約15.7°2θ、約16.9°2θ、約19.1°2θ、約19.6°2θ、約21.1°2θ、約21.9°2θ、約22.4°2θ、および約25.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された九つのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約17.5°2 θ、約9.2°2θ、約10.0°2θ、約16.3°2θ、約18.1°2θ、約12.5°2θ、約14.1°2θ、約15.7°2θ、約16.9°2θ、約19.1°2θ、約19.6°2θ、約21.1°2θ、約21.9°2θ、約22.4°2θ、および約25.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された十のXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約17.5°2 θ、約9.2°2θ、約10.0°2θ、約16.3°2θ、約18.1°2θ、約12.5°2θ、約14.1°2θ、約15.7°2θ、約16.9°2θ、約19.1°2θ、約19.6°2θ、約21.1°2θ、約21.9°2θ、約22.4°2θ、および約25.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された十一のXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約17.5°2 θ、約9.2°2θ、約10.0°2θ、約16.3°2θ、約18.1°2θ、約12.5°2θ、約14.1°2θ、約15.7°2θ、約16.9°2θ、約19.1°2θ、約19.6°2θ、約21.1°2θ、約21.9°2θ、約22.4°2θ、および約25.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された十二のXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約17.5°2 θ、約9.2°2θ、約10.0°2θ、約16.3°2θ、約18.1°2θ、約12.5°2θ、約14.1°2θ、約15.7°2θ、約16.9°2θ、約19.1°2θ、約19.6°2θ、約21.1°2θ、約21.9°2θ、約22.4°2θ、および約25.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された十三のXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約17.5°2 θ、約9.2°2θ、約10.0°2θ、約16.3°2θ、約18.1°2θ、約12.5°2θ、約14.1°2θ、約15.7°2θ、約16.9°2θ、約19.1°2θ、約19.6°2θ、約21.1°2θ、約21.9°2θ、約22.4°2θ、および約25.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された十四のXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIは、約17.5°2 θ、約9.2°2θ、約10.0°2θ、約16.3°2θ、約18.1°2θ、約12.5°2θ、約14.1°2θ、約15.7°2θ、約16.9°2θ、約19.1°2θ、約19.6°2θ、約21.1°2θ、約21.9°2θ、約22.4°2θ、および約25.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された十五のXPRDピークによって特徴付けられ得る。
【0087】
一部の実施形態では、形態IIは、表2に列挙される一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ、九つ、十、十一、十二、十三、十四、十五、またはそれ以上のピークを有することができる。
【表2】
【0088】
図2Bは、形態IIの試料のTG/DTプロットである。TGは、約85℃までで約11%の重量損失を示し、約325℃までで2.4%のさらなる重量損失を示した。DTトレースでは、約212℃にピークを有する潜在的な吸熱事象を見ることができる。一部の実施形態では、形態IIは、約25℃~約85℃の間の約11%の重量損失によって特徴付けられる。一部の実施形態では、形態IIは、DTによって測定される、約212℃にピークを有する吸熱現象によって特徴付けられる。一部の実施形態では、重量損失は、熱重量分析によって決定される。一部の実施形態では、熱重量分析は、実施例1に示されるように実質的に実施される。一部の実施形態では、吸熱事象は、示差熱分析によって計算される。一部の実施形態では、示差熱分析は、実施例1に示されるように実質的に実施される。一部の実施形態では、熱重量分析および示差熱分析は、同時に実施される。
【0089】
図2Cは、ジクロロメタンから回収された形態IIのPLM画像を示す。PLMは、不規則な針状形態を有する複屈折材料であることを示した。一部の実施形態では、形態IIは、不規則な針状形態を有する複屈折材料によって特徴付けられる。
【0090】
化合物Aの形態IIIは、多くの溶媒からの結晶化によって調製することができる。例えば、形態IIIは、周囲温度(約22℃)と40℃との間の温度サイクルを4時間サイクルで72時間かけてアセトニトリルから回収した。アセトニトリルから回収された形態IIIのXRPDスペクトルを、Cu Kα放射線を使用して得られた図3Aに示す。
【0091】
一部の実施形態では、本出願は、化合物Aを溶媒から再結晶することを含む、本明細書に開示される化合物Aの形態IIIを作製する方法を提供する。一部の実施形態では、溶媒は、アセトニトリルである。
【0092】
一部の実施形態では、形態IIIは、図3Aに示すXRPDピークによって特徴付けられ得る。例えば、一部の実施形態では、形態IIIは、約10.7°2θ(例えば、10.7±0.2°2θ、10.7±0.1°2θ、または10.7±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約16.5°2θ、および/または約18.2°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによってさらに特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約15.0°2θ、および/または約17.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによってさらに特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約12.2°2θ、約12.8°2θ、約16.1°2θ、約18.6°2θ、約19.0°2θ、および/または約19.6°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによってさらに特徴付けられ得る。
【0093】
一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θおよび約10.7°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約11.2°2θおよび約10.7°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約16.5°2θおよび約10.7°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約18.2°2θおよび約10.7°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約16.5°2θ、約18.2°2θ、および約10.7°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。
【0094】
一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θ、約16.5°2θ、および約11.2°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約18.2°2θ、約16.5°2θ、および約11.2°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約18.2°2θ、約8.8°2θ、および約11.2°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約18.2°2θ、約8.8°2θ、および約16.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約10.7°2θ、約16.5°2θ、および約11.2°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約10.7°2θ、約8.8°2θ、および約11.2°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約10.7°2θ、約8.8°2θ、および約16.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約10.7°2θ、約18.2°2θ、および約11.2°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約10.7°2θ、約18.2°2θ、約16.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約10.7°2θ、約18.2°2θ、および約8.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。
【0095】
一部の実施形態では、形態IIIは、約18.2°2θ、約8.8°2θ、約16.5°2θ、および約11.2°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約10.7°2θ、約8.8°2θ、約16.5°2θ、および約11.2°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約10.7°2θ、約18.2°2θ、約16.5°2θ、および約11.2°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約10.7°2θ、約18.2°2θ、約8.8°2θ、および約11.2°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約10.7°2θ、約18.2°2θ、約8.8°2θ、および約16.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。
【0096】
一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約16.5°2θ、約18.2°2θ、約10.7°2θ、および約15.0°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約16.5°2θ、約18.2°2θ、約10.7°2θ、および約17.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約16.5°2θ、約18.2°2θ、約10.7°2θ、約17.8°2θ、および約15.0°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。
【0097】
一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約16.5°2θ、約18.2°2θ、約10.7°2θ、約17.8°2θ、約15.0°2θ、および約12.2°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約16.5°2θ、約18.2°2θ、約10.7°2θ、約17.8°2θ、約15.0°2θ、および約12.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約16.5°2θ、約18.2°2θ、約10.7°2θ、約17.8°2θ、約15.0°2θ、および約16.1°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約16.5°2θ、約18.2°2θ、約10.7°2θ、約17.8°2θ、約15.0°2θ、および約18.6°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約16.5°2θ、約18.2°2θ、約10.7°2θ、約17.8°2θ、約15.0°2θ、および約19.0°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約16.5°2θ、約18.2°2θ、約10.7°2θ、約17.8°2θ、約15.0°2θ、および約19.6°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約16.5°2θ、約18.2°2θ、約10.7°2θ、約17.8°2θ、約15.0°2θ、約12.2°2θ、約12.8°2θ、約16.1°2θ、約18.6°2θ、約19.0°2θ、および約19.6°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXPRDピークによって特徴付けられ得る。
【0098】
一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約16.5°2θ、約18.2°2θ、約10.7°2θ、約17.8°2θ、約15.0°2θ、約12.2°2θ、約12.8°2θ、約16.1°2θ、約18.6°2θ、約19.0°2θ、および約19.6°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された一つまたは複数のXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約16.5°2θ、約18.2°2θ、約10.7°2θ、約17.8°2θ、約15.0°2θ、約12.2°2θ、約12.8°2θ、約16.1°2θ、約18.6°2θ、約19.0°2θ、および約19.6°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された一つのXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約16.5°2θ、約18.2°2θ、約10.7°2θ、約17.8°2θ、約15.0°2θ、約12.2°2θ、約12.8°2θ、約16.1°2θ、約18.6°2θ、約19.0°2θ、および約19.6°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された二つのXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約16.5°2θ、約18.2°2θ、約10.7°2θ、約17.8°2θ、約15.0°2θ、約12.2°2θ、約12.8°2θ、約16.1°2θ、約18.6°2θ、約19.0°2θ、および約19.6°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された三つのXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約16.5°2θ、約18.2°2θ、約10.7°2θ、約17.8°2θ、約15.0°2θ、約12.2°2θ、約12.8°2θ、約16.1°2θ、約18.6°2θ、約19.0°2θ、および約19.6°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された四つのXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約16.5°2θ、約18.2°2θ、約10.7°2θ、約17.8°2θ、約15.0°2θ、約12.2°2θ、約12.8°2θ、約16.1°2θ、約18.6°2θ、約19.0°2θ、および約19.6°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された五つのXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約16.5°2θ、約18.2°2θ、約10.7°2θ、約17.8°2θ、約15.0°2θ、約12.2°2θ、約12.8°2θ、約16.1°2θ、約18.6°2θ、約19.0°2θ、および約19.6°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された六つのXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約16.5°2θ、約18.2°2θ、約10.7°2θ、約17.8°2θ、約15.0°2θ、約12.2°2θ、約12.8°2θ、約16.1°2θ、約18.6°2θ、約19.0°2θ、および約19.6°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された七つのXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約16.5°2θ、約18.2°2θ、約10.7°2θ、約17.8°2θ、約15.0°2θ、約12.2°2θ、約12.8°2θ、約16.1°2θ、約18.6°2θ、約19.0°2θ、および約19.6°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された八つのXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約16.5°2θ、約18.2°2θ、約10.7°2θ、約17.8°2θ、約15.0°2θ、約12.2°2θ、約12.8°2θ、約16.1°2θ、約18.6°2θ、約19.0°2θ、および約19.6°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された九つのXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約16.5°2θ、約18.2°2θ、約10.7°2θ、約17.8°2θ、約15.0°2θ、約12.2°2θ、約12.8°2θ、約16.1°2θ、約18.6°2θ、約19.0°2θ、および約19.6°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された十のXPRDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約16.5°2θ、約18.2°2θ、約10.7°2θ、約17.8°2θ、約15.0°2θ、約12.2°2θ、約12.8°2θ、約16.1°2θ、約18.6°2θ、約19.0°2θ、および約19.6°2θ(例えば、±0.2 °2θ、± 0.1 °2θ、または± 0.0 °2θ、Cu Kα放射線)から選択された十一のXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約16.5°2θ、約18.2°2θ、約10.7°2θ、約17.8°2θ、約15.0°2θ、約12.2°2θ、約12.8°2θ、約16.1°2θ、約18.6°2θ、約19.0°2θ、および約19.6°2θ(例えば、±0.2 °2θ、± 0.1 °2θ、または± 0.0 °2θ、Cu Kα放射線)から選択された十二のXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IIIは、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約16.5°2θ、約18.2°2θ、約10.7°2θ、約17.8°2θ、約15.0°2θ、約12.2°2θ、約12.8°2θ、約16.1°2θ、約18.6°2θ、約19.0°2θ、および約19.6°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された十三のXPRDピークによって特徴付けられ得る。
【0099】
一部の実施形態では、形態IIIは、表3に列挙される一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ、九つ、十、十一、十二、十三、またはそれ以上のピークを有することができる。
【0100】
【表3】
【0101】
図3Bは、形態IIIの試料のTG/DTプロットである。TGは、約75℃までで約3.7%の重量損失、約160℃までで4.7%のさらなる重量損失、および350℃までで最終的に0.6%の重量損失を示した。DTでは、約196℃の開始で、約204℃でのピークを有する、小さくて広範な吸熱事象が観察された。一部の実施形態では、形態IIIは、約25℃~約75℃の間の約3.7%の重量損失によって特徴付けられる。一部の実施形態では、形態IIIは、約75℃~約160℃の間の約4.7%の重量損失によってさらに特徴付けられる。一部の実施形態では、形態IIIは、約160℃~約350℃の間の約0.6%の重量損失によってさらに特徴付けられる。一部の実施形態では、形態IIIは、DTによって測定される、約196℃の開始での吸熱事象によって特徴付けられる。一部の実施形態では、形態IIIは、DTによって測定される、約204℃でのピークを有する吸熱事象によって特徴付けられる。一部の実施形態では、形態IIIは、DTによって測定される、約196℃の開始および約204℃でのピークを有する吸熱事象によって特徴付けられる。一部の実施形態では、重量損失は、熱重量分析によって決定される。一部の実施形態では、熱重量分析は、実施例1に示されるように実質的に実施される。一部の実施形態では、吸熱事象は、示差熱分析によって計算される。一部の実施形態では、示差熱分析は、実施例1に示されるように実質的に実施される。一部の実施形態では、熱重量分析および示差熱分析は、同時に実施される。
【0102】
図3Cは、アセトニトリルから回収された形態IIIのPLM画像を示す。PLMは、不規則なラス状形態を有する複屈折材料であることを示した。一部の実施形態では、形態IIIは、不規則なラス状形態を有する複屈折材料によって特徴付けられる。
【0103】
化合物Aの形態IVは、多くの条件からの結晶化によって調製することができる。例えば、形態IVは、tert-ブチルメチルエーテルの抗溶媒添加によりジクロロメタン/メタノール(25:75v/v)から、および2~8℃でのクラッシュ冷却によりジクロロメタン/メタノール(25:75v/v)から回収された。クラッシュ冷却後にジクロロメタン/メタノール(25:75)から回収された形態IVのXRPDスペクトルを、Cu Kα放射線を使用して得られた図4Aに示す。
【0104】
一部の実施形態では、本出願は、化合物Aを溶媒からクラッシュ冷却することを含む、本明細書に開示される化合物Aの形態IVを作製する方法を提供する。一部の実施形態では、溶媒は、ジクロロメタンとメタノールの混合物である。一部の実施形態では、本開示は、溶媒から化合物Aの溶液に抗溶媒の添加を含む、化合物Aの形態IV多形体を作製する方法を提供する。一部の実施形態では、溶媒は、ジクロロメタンとメタノールの混合物を含む。一部の実施形態では、抗溶媒は、tert-ブチルメチルエーテルである。
【0105】
一部の実施形態では、形態IVは、図4Aに示すXRPDピークによって特徴付けられ得る。例えば、一部の実施形態では、形態IVは、約10.5°2θ(例えば、10.5±0.2°2θ、10.5±0.1°2θ、または10.5±0.0°2θ)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IVは、約14.5°2θ、および/または約16.9°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによってさらに特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IVは、約11.5°2θ、約14.2°2θ、および/または約16.3°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによってさらに特徴付けられ得る。
【0106】
一部の実施形態では、形態IVは、約14.5°2θおよび約10.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IVは、約16.9°2θおよび約10.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IVは、約14.5°2θ、約16.9°2θ、および約10.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。
【0107】
一部の実施形態では、形態IVは、約14.5°2θ、約16.9°2θ、約10.5°2θ、および約11.5°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IVは、約14.5°2θ、約16.9°2θ、約10.5°2θ、および約14.2°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IVは、約14.5°2θ、約16.9°2θ、約10.5°2θ、および約16.3°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IVは、約14.5°2θ、約16.9°2θ、約10.5°2θ、約11.5°2θ、約14.2°2θ、および約16.3°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)でのXRPDピークによって特徴付けられ得る。
【0108】
一部の実施形態では、形態IVは、約14.5°2θ、約16.9°2θ、約10.5°2θ、約11.5°2θ、約14.2°2θ、約16.3°2θ、および約17.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された一つまたは複数のXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IVは、約14.5°2θ、約16.9°2θ、約10.5°2θ、約11.5°2θ、約14.2°2θ、約16.3°2θ、および約17.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された一つのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IVは、約14.5°2θ、約16.9°2θ、約10.5°2θ、約11.5°2θ、約14.2°2θ、約16.3°2θ、および約17.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された二つのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IVは、約14.5°2θ、約16.9°2θ、約10.5°2θ、約11.5°2θ、約14.2°2θ、約16.3°2θ、および約17.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された三つのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IVは、約14.5°2θ、約16.9°2θ、約10.5°2θ、約11.5°2θ、約14.2°2θ、約16.3°2θ、および約17.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された四つのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IVは、約14.5°2θ、約16.9°2θ、約10.5°2θ、約11.5°2θ、約14.2°2θ、約16.3°2θ、および約17.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された五つのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IVは、約14.5°2θ、約16.9°2θ、約10.5°2θ、約11.5°2θ、約14.2°2θ、約16.3°2θ、および約17.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された六つのXRPDピークによって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、形態IVは、約14.5°2θ、約16.9°2θ、約10.5°2θ、約11.5°2θ、約14.2°2θ、約16.3°2θ、および約17.8°2θ(例えば、±0.2°2θ、±0.1°2θ、または±0.0°2θ、Cu Kα放射線)から選択された七つのXRPDピークによって特徴付けられ得る。
【0109】
一部の実施形態では、形態IVは、表4に列挙される一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、またはそれ以上のピークを有することができる。
【0110】
【表4】
【0111】
図4Bは、形態IVの試料のTG/DTプロットである。TGは、約350℃まで約3.1%の重量損失を示した。DTでは、約196℃の開始で小さくて広範な吸熱事象が観察され、約213℃にピークがあった。一部の実施形態では、形態IVは、約25℃~約350℃の間の約3.1%の重量損失によって特徴付けられる。一部の実施形態では、形態IVは、DTによって測定される、約196℃で開始する吸熱事象によって特徴付けられる。一部の実施形態では、形態IVは、DTによって測定される、約213℃でのピークを有する吸熱事象によって特徴付けられる。一部の実施形態では、形態IVは、DTによって測定される、約196℃の開始および約213℃でのピークを有する、吸熱事象によって特徴付けられる。一部の実施形態では、重量損失は、熱重量分析によって決定される。一部の実施形態では、熱重量分析は、実施例1に示されるように実質的に実施される。一部の実施形態では、吸熱事象は、示差熱分析によって計算される。一部の実施形態では、示差熱分析は、実施例1に示されるように実質的に実施される。一部の実施形態では、熱重量分析および示差熱分析は、同時に実施される。
【0112】
図4Cは、ジクロロメタン:メタノール(25:75v/v)から回収された形態IVのPLM画像を示す。PLMは、不規則なラス状形態を有する複屈折材料であることを示した。一部の実施形態では、形態IIIは、不規則なラス状形態を有する複屈折材料によって特徴付けられる。
【0113】
本発明の多形体は、様々な方法で使用され得る。一部の実施形態では、化合物Aの多形体は、化合物Aの非結晶性形態の調製に有用な便利な貯蔵(例えば、バルク貯蔵)形態として機能する。一部の実施形態では、化合物Aの多形体は、本開示の医薬組成物または例えば、錠剤またはカプセルを含む最終剤形の調製にさらに使用され得る。一部の実施形態では、化合物Aの非結晶性形態は、例えば、錠剤またはカプセルを含む、本開示の医薬組成物または最終剤形の調製にさらに使用され得る。
【0114】
一部の実施形態では、化合物Aのバルク貯蔵形態は、実質的に形態Iの多形体である。
【0115】
一部の実施形態では、化合物Aのバルク貯蔵形態は、実質的に形態IIの多形体である。
【0116】
一部の実施形態では、化合物Aのバルク貯蔵形態は、実質的に形態IIIの多形体である。
【0117】
一部の実施形態では、化合物Aのバルク貯蔵形態は、実質的に形態IVの多形体である。
【0118】
非結晶性形態
本出願は、化合物Aの非結晶性形態をさらに提供する。
【0119】
一部の実施形態では、化合物Aのバルク貯蔵形態は、実質的に化合物Aの非結晶性形態である。
【0120】
一部の実施形態では、本明細書に記載のように調製された化合物Aの非結晶性形態は、化合物Aを含む、本発明の一つまたは複数の医薬組成物または剤形、例えば、錠剤またはカプセルの調製に使用される。
【0121】
治療用組成物
本出願は、本明細書に記載される治療有効量の化合物Aの少なくとも一つの結晶性および/または非結晶性形態を、分散剤、担体、添加剤もしくは他の医薬賦形剤、またはそれらの組み合わせと組み合わせて含む医薬組成物をさらに提供する。本出願は、本明細書に記載される治療有効量の化合物Aの非結晶性形態を、分散剤、担体、添加剤もしくは他の医薬賦形剤、またはそれらの組み合わせと組み合わせて含む医薬組成物をさらに提供する。一部の実施形態では、分散剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である。一部の実施形態では、添加剤は、D-α-トコフェリルポリエチレングリコールコハク酸塩(ビタミンE TPGSまたはTPGS)である。
【0122】
化合物Aは、実質的に本明細書に記載される本発明の結晶性形態または非結晶性形態であるか否かにかかわらず、本開示に従って、医薬組成物で、単回または分割用量で患者または対象に投与され得る。医薬組成物は、経口、非経口、吸入、局所、直腸、鼻腔、バッカル、膣、経皮、舌下、坐剤投与を介して、または移植リザーバーを介して投与され得る。本明細書で使用される「非経口」という用語は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、くも膜下腔内、肝臓内、病変内、および頭蓋内の注射または点滴を含む。医薬組成物は、経口的に投与されることが好ましい。
【0123】
腸溶性経口錠剤は、経口投与経路から化合物のバイオアベイラビリティを増強するために使用され得る。最も効果的な剤形は、選択された特定の結晶性および/または非結晶性形態の薬物動態、ならびに患者の治療される疾患および/または状態の重症度に依存するであろう。鼻腔内、気管内、眼内、もしくは肺投与用のスプレー、ミスト、またはエアロゾルとして本開示による化合物Aの投与が使用されてもよい。したがって本開示はまた、本明細書に記載の治療有効量の化合物Aの結晶性形態および/または非結晶性形態、またはそれらの組み合わせを、薬学的に許容可能な担体、添加剤または賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物を対象とする。化合物Aは、即時放出型、徐放型、または制御放出型で投与されてもよい。徐放型または制御放出型は経口投与されることが好ましいが、代替的に坐剤および経皮的またはその他の局所型でも投与され得る。例えば、リポソーム型での筋肉内注射を使用して、注射部位での化合物Aの放出を制御(例えば、持続)してもよい。
【0124】
本明細書に記載の医薬組成物は、一つまたは複数の薬学的に許容可能な担体を使用して従来的な方法で製剤化されてもよく、および制御放出製剤で投与されてもよい。これらの医薬組成物中で使用され得る薬学的に許容可能な担体としては、限定されないが、イオン交換剤、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば硫酸プロラミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸塩、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコール、および羊毛脂が挙げられる。
【0125】
本明細書に記載の医薬組成物の滅菌注射形態は、水性懸濁液また油性懸濁液であってもよい。これらの懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して、本開示の観点から当分野で公知の技術より製剤化されてもよい。滅菌注射形態は、例えば1,3-ブタンジオール溶液としてなど、非毒性の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒での滅菌注射溶液または懸濁液であってもよい。採用され得る許容可能なビヒクルおよび溶媒の中では、水、リンゲル溶液および等張塩化ナトリウム溶液などがある。加えて滅菌された固定油が溶媒または懸濁媒体として慣例的に使用される。この目的に対し、合成モノグリセリドまたはジグリセリドなどを含む任意のブランドの固定油を採用してもよい。例えばオリーブオイルまたはヒマシ油、特にそれらのポリオキシエチル化型など、天然の薬学的に許容可能な油があるように、例えばオレイン酸およびそのグリセリド誘導体などの脂肪酸は、注射剤の調製に有用である。これらの油性溶液または懸濁液は、長鎖アルコール希釈剤または分散剤、例えばPh.Helvまたは類似アルコールなどを含んでもよい。
【0126】
本明細書に記載の医薬組成物は、限定されないがカプセル、錠剤、水性懸濁液または水溶液をはじめとする任意の経口的に許容可能な剤形で経口投与されてもよい。経口使用のための錠剤の場合、一般的に使用される担体としてはラクトースおよびコーンスターチなどが挙げられる。典型的には例えばステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤も添加される。カプセル型での経口投与については、有用な希釈剤としてはラクトースおよび乾燥コーンスターチなどが挙げられる。水性懸濁液が経口使用に必要とされる場合、活性成分は、一つまたは複数の乳化剤および懸濁剤と組み合わせてもよい。望ましい場合、特定の緩衝剤、甘味剤、香味剤、および/または着色剤も添加されてもよい。
【0127】
あるいは、本明細書に記載の医薬組成物は、下部腸管への局所投与、または全身吸収および治療のいずれかのために、直腸投与用の坐剤または浣腸剤の形態で投与されてもよい。こうした坐剤は、本開示に照らして、実質的に結晶性形態または実質的に非結晶性形態のいずれかの化合物Aを、室温で固体または半固体であるが、直腸温度では液体である好適な非刺激性賦形剤と混合することによって調製することができ、それによって直腸内で溶解して薬剤を放出する。こうした賦形剤は、ココアバター、ミツロウ、ポリエチレングリコール、およびそれらの組み合わせを含み得る。
【0128】
本明細書に記載の医薬組成物は、代替的に局所的に投与されてもよい。例えば、一実施形態では、本発明は、化合物Aを形態I、形態II、形態IIIもしくは形態IVなどの結晶性形態、または非結晶性形態で含み、例えば、サルベ、軟膏、ローション、エマルションまたは局所用液体などの局所適用に適合した医薬製剤を提供する。
【0129】
局所適用に関し、医薬組成物は、一つまたは複数の担体中に懸濁または溶解された活性成分(すなわち、化合物A)を含有する適切な軟膏で製剤化されてもよい。局所投与用の担体としては限定されないが鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ろうおよび水が挙げられる。
【0130】
あるいは医薬組成物は、一つまたは複数の薬学的に許容可能な担体中に懸濁または溶解された活性成分を含有する適切なローションまたはクリームで製剤化されてもよい。適切な担体としては、限定されないが、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が挙げられる。
【0131】
別の方法として、本発明の医薬製剤は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14日間着用される経皮パッチを介して送達されてもよい。一実施形態では、経皮パッチは、リザーバーパッチである。別の実施形態では、経皮パッチは、薬物接着性パッチである。本発明による経皮パッチはまた、一つまたは複数の吸収促進剤を含んでもよい。
【0132】
眼科用途に対し、医薬組成物は、等張性で、pH調整された滅菌生理食塩水の微粉化懸濁液として、または好ましくは等張性でpH調整された滅菌生理食塩水の溶液として、製剤化されてもよく、いずれも例えば塩化ベンジルアルコニウムなどの防腐剤の有無は問わない。あるいは眼科用途に対し、医薬組成物は、例えばワセリンなどの軟膏で製剤化されてもよい。
【0133】
本明細書に記載の医薬組成物は鼻エアロゾルまたは吸入により投与されてもよい。そのような組成物は、本開示に照らして、医薬製剤分野に公知の技術に従って調製され、そして生理食塩水の溶液として、ベンジルアルコールまたはその他の適切な防腐剤、生体利用効率を向上させるための吸収プロモーター、フルオロカーボン、および/またはその他の慣用的な可溶化剤または分散剤を採用して調製されてもよい。
【0134】
本発明の医薬組成物中の化合物の量は、担体または賦形剤材料と組み合わせて一つの剤形を作製することができ、治療される宿主および疾患、ならびに特定の投与様式に応じて変化するであろう。好ましくは、一つの剤形は、単独で、または少なくとも一つの他の治療活性化合物と併用して、約0.05ミリグラムと約750ミリグラムの間、より好ましくは約1ミリグラム~約600ミリグラム、さらにより好ましくは約10ミリグラム~約500ミリグラムの活性成分を含んで製剤化される。一部の実施形態では、他の治療活性化合物は、抗癌剤である。化合物Aの多形体(結晶性形態)および/または非結晶性形態、またはその医薬組成物は、単位剤形当たり1mg未満、1mg~3000mg、好ましくは5~500mgの活性成分を含有する任意の適切な単位剤形で簡便に投与されるが、これに限定されない。約25~250mgの経口投与量が、便利な投与量であり得る。
【0135】
任意の特定の患者に対する具体的な投与量および治療レジメンは、治療される具体的な疾患または状態の重症度、特定の剤形での化合物Aの活性およびバイオアベイラビリティ、患者の年齢、体重、健康および性別、活性化合物またはその代謝物の代謝および排泄速度、ならびに治療医師の判断などを含む、様々な要因に依存することは理解されたい。
【0136】
本明細書に記載される方法による医薬組成物を使用する療法を必要とする患者または対象は、その治療有効量の組成物を、患者(対象)に投与することによって治療することができる。
【0137】
所望される適応症に対する治療有効量を患者に送達するのに充分であり、治療される患者に過度の副作用を与えない量で、医薬組成物中に活性化合物が含有される。一部の実施形態では、本明細書において言及される状態の全てに対する活性化合物の用量は、約10ng/kg~300mg/kgの範囲であり、好ましくは一日当たり0.1~100mg/kgの範囲、より一般的にはレシピエント/患者の体重kg当たり、一日当たり0.5~約25mgの範囲である。
【0138】
活性成分は、約0.00001~30mM、好ましくは約0.1~30μMの活性化合物のピーク血漿濃度を実現するよう投与されることが好ましい。これは、例えば、錠剤もしくはカプセルの経口投与、または活性成分の溶液もしくは製剤の静脈内注射によって達成され得る。
【0139】
薬物組成物中の活性化合物の濃度は、薬剤の吸収、分布、不活性化、および排出速度、ならびに当分野の当業者に公知の他の因子に依存するであろう。投薬量の値は、軽減される状態の重大度によっても変化するであろうことに留意されたい。さらには、任意の特定の対象に対して、個人の要求、および当該組成物の投与を行い、または投与を管理する人物の専門的な判断に従い特定の投薬レジメンが経時的に調整されるべきであること、また本明細書に記載される濃度範囲は単なる例示であり、特許請求される組成物の範囲または実施を限定することは意図されていないことを理解されたい。活性成分は、一度に投与されてもよく、または多数のより少ない用量に分割されて選択された時間間隔で投与されてもよい。
【0140】
経口組成物は一般に、不活性希釈剤または食用担体を含むであろう。ゼラチンカプセルで封入されてもよく、または錠剤に圧縮されてもよい。経口治療投与の目的で、活性化合物は、賦形剤と組み合わせ、錠剤、トローチまたはカプセルの形態で使用することができる。薬学的に適合性のある結合剤および/またはアジュバント物質を組成物の一部として含めることができる。
【0141】
錠剤、丸剤、カプセル、トローチなどは、以下の成分:微結晶性セルロース、トラガカントガム、もしくはゼラチンなどの結合剤;デンプンもしくはラクトースなどの賦形剤;アルギン酸、プリモゲル、もしくはトウモロコシデンプンなどの分散剤;緩衝剤;ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤;コロイド状二酸化ケイ素などの滑剤;スクロースもしくはサッカリンなどの甘味剤;またはペパーミント、サリチル酸メチル、もしくはオレンジ香味料などの香味剤、あるいはそれらと同様の性質の化合物のうちのいずれかを含有することができる。投薬単位剤型がカプセルである場合、上述のタイプの物質に加えて例えば脂肪酸などの液状担体を含むことができる。さらに、投薬単位剤型は、例えば、糖コーティング、セラック、または腸溶剤などの物理的な投薬単位の物理的形状を改変する様々な他の物質を含有することができる。
【0142】
化合物Aの活性多形体および/または非結晶性形態、またはその組成物は、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウエハー、チューインガムなどの構成要素として投与することができる。シロップは、活性化合物に加えて、スクロースなどの甘味剤および特定の防腐剤、染料および着色剤、ならびに香味料を含んでもよい。
【0143】
化合物Aの活性多形体および/または非結晶性形態、またはその組成物は、所望される作用を損なわない他の活性物質とともに、または別の抗癌剤などの望ましい作用を補完する物質とともに、混合することもできる。本開示の特定の態様では、本開示に従う一つまたは複数の化合物、多形体、および/または非結晶性形態は、別の抗癌剤または創傷治癒剤などの別の生物活性薬剤とともに共投与される。
【0144】
非経口、皮内、皮下、または局所適用に使用される溶液または懸濁液には、以下の構成要素が含まれてもよい:例えば注射用水、生理食塩水溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、またはその他の合成溶媒などの滅菌希釈剤;例えばベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗菌剤;例えばアスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウムなどの抗酸化剤;例えばエチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;例えば酢酸塩、クエン酸塩、またはリン酸塩などの緩衝剤、および例えば塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの張力調整用の剤。非経口調製物は、ガラスまたはプラスチックで作製されたアンプル、使い捨てシリンジ、または複数投与用バイアルに封入されてもよい。
【0145】
静脈内投与された場合、担体は生理食塩水またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含み得る。
【0146】
一つの実施形態では、活性化合物、多形体、および/または非結晶性形態は、例えばインプラントおよびマイクロカプセル化送達システムをはじめとする放出制御製剤など、身体からの急速な排出から化合物を保護する担体で調製される。例えばエチレンビニル酢酸塩、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸など、生分解性で生体適合性のポリマーを使用することができる。こうした製剤の調製方法は、当分野の当業者には明らかであろう。
【0147】
治療方法
追加の態様では、本明細書は、本明細書に記載の治療有効量の化合物Aの多形体および/または非結晶性形態、またはその医薬組成物、および薬学的に許容可能な担体を含む治療用組成物を提供する。本発明の治療用組成物は、患者または対象、例えばヒトなどの動物においてタンパク質の分解を調節し、分解されるタンパク質と因果関係がある病態もしくは状態の治療または改善に使用することができる。
【0148】
「治療する」、「治療すること」、および「治療」などの用語は、本明細書で使用される場合、その一つまたは複数の症状を含むERと因果関係がある(例えば、調節される)任意の病態、または状態の治療を含む、活性化合物、多形体、および/または非結晶性形態が投与され得る患者に利益を提供する任意の作用を指す。本開示に従う化合物、多形体、非結晶性形態および/または医薬組成物を使用して治療され得る、乳癌、子宮癌、卵巣癌、および/または子宮内膜症を含む病態または状態は、本明細書において上記に記載されている。
【0149】
本明細書は、疾患、例えば、癌の治療または改善を目的としてERの分解を生じさせるための、本明細書に記載の治療用医薬組成物を提供する。特定の追加的実施形態では、疾患は、乳癌、子宮癌、卵巣癌、子宮内膜癌、または子宮内膜症である。したがって、別の態様において本明細書は、細胞中のERをユビキチン化/分解する方法を提供する。特定の実施形態では、本方法は、ユビキチンリガーゼに近接して配置されたときにERのユビキチン化が起こり、プロテアソーム経路を介して標的タンパク質のユビキチン化およびその後の分解をもたらし、ERタンパク質レベルの制御(すなわち、減少)を提供するように、本明細書に記載の二官能性化合物である化合物A、またはその多形体および/または非結晶性形態を投与することを含む。本開示の発明によりもたらされるERレベルの制御は、患者細胞中のERレベルを低下させることによってERと因果関係のある病態、状態または症状の治療を提供する。特定の実施形態では、本方法は、任意で一つまたは複数の薬学的に許容可能な賦形剤(例えば、分散剤、担体、潤滑剤)を含み、任意で別の生物活性剤、およびそれらの組み合わせを含む、治療有効量の本明細書に記載の化合物Aを投与することを含む。
【0150】
追加的実施態様では、本明細書は、例えばヒトなどの動物などの対象または患者において、疾患、障害もしくはその症状を治療または改善する方法を提供するものであり、当該方法は、例えば、本明細書に記載の化合物Aの治療有効量などの治療有効量と、薬学的に許容可能な賦形剤(例えば、分散剤、担体、潤滑剤)、他の生物活性剤、またはそれらの組み合わせを含む組成物を、その必要のある対象に投与することを含み、当該組成物は、対象において疾患もしくは障害またはその症状の治療または改善に有効である。
【0151】
別の実施形態では、本開示は、ERタンパク質と因果関係のある病態、状態または症状に対してその必要のあるヒト患者を治療する方法を目的としており、当該ERタンパク質の分解は当該患者において治療効果を生じさせるものであり、当該方法は、本開示による化合物Aの治療有効量を、任意で別の生物活性剤と併用してその必要のある患者に投与することを含む。病態、状態または症状は、ERタンパク質の発現または過剰発現によって引き起こされ得る。
【0152】
用語「病態、状態、または症状」は、タンパク質活性、過剰活性、発現、または過剰発現(例えば、患者に発現されるERの量が上昇する)に因果関係がある任意の病態、状態、または症状を記述するために使用され、患者におけるタンパク質の標的化分解は、病態、状態、または症状の有益な療法または緩和を患者に提供する。特定の事例では、病態または状態は軽減、緩和または改善され得る。他の事例では、病態、状態、または症状は、回復または治癒され得る。
【0153】
「新生物」および「癌」という用語は本明細書で使用される場合、癌性または悪性の新生物、すなわち、多くの場合正常よりもずっと早く細胞が増殖することにより成長し、開始されたその新たな成長を止める刺激の後にも成長し続ける異常な組織の形成および成長をもたらす病的プロセスを指す。悪性新生物は、構造的組織化の部分的または完全な欠落、および正常組織との機能的協調の欠落を示し、また大部分が周辺組織へ侵入し、いくつかの部位へと転移し、除去が試みられた後にも再発し、適切に治療されない限り患者が死亡する確率が高い。本明細書において使用される場合、新生物という用語は、任意の、および全ての癌性病態を記載するために使用され、悪性造血細胞、腹水および固形腫瘍と関連する病的プロセスを包含する。本化合物多形体、および/または非結晶性形態によって、単独で、または少なくとも一つの追加の抗癌剤と組み合わせて治療され得る癌の例としては、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、肝細胞癌および腎細胞癌、膀胱癌、腸癌、乳癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、大腸癌、食道癌、頭部癌、腎癌、肝癌、肺癌、頸部癌、卵巣癌、膵癌、前立腺癌および胃癌;白血病;良性および悪性のリンパ腫、特にバーキットリンパ腫および非ホジキンリンパ腫;良性および悪性のメラノーマ;骨髄増殖性疾患;ユーイング肉腫、血管肉腫、カポジ肉腫、脂肪肉腫、筋肉腫、末梢神経腫、滑膜肉腫、グリオーマ、星膠細胞腫、乏突起膠腫、上衣腫、グリア芽腫、神経芽細胞腫、神経節細胞腫、神経節膠腫、髄芽細胞腫、松果体細胞腫瘍、髄膜腫、髄膜肉腫、神経線維腫、および神経鞘腫を含む肉腫;大腸癌、乳癌、前立腺癌、子宮頸癌、子宮癌、肺癌、卵巣癌、精巣癌、甲状腺癌、星状細胞腫、食道癌、膵癌、胃癌、肝癌、大腸癌、メラノーマ;癌肉腫、ホジキン病、ウィルムス腫瘍および奇形癌が挙げられる。本開示に従う化合物を使用して治療され得るさらなる癌としては、例えば、T細胞系急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)、T細胞系リンパ芽球性リンパ腫(T-LL)、末梢T細胞リンパ腫、成人T細胞リンパ腫、前駆B細胞ALL、前駆B細胞リンパ腫、大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、B細胞性ALL、フィラデルフィア染色体陽性ALL、およびフィラデルフィア染色体陽性CMLが挙げられる。一部の実施形態では、本化合物、多形体、および/または非結晶性形態によって、単独で、または少なくとも一つの追加の抗癌剤と組み合わせて治療され得る癌は、乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、または子宮癌を含む。
【0154】
タンパク質レベルの制御
本開示はまた、細胞内のタンパク質レベルの制御(例えば、減少)のための方法を提供する。これは、本明細書に記載の化合物Aまたはその多形体もしくは非結晶性形態の使用に基づいており、ERタンパク質の標的化されたユビキチン化およびそのプロテアソーム分解が生じ、生物系または対象もしくは患者の細胞におけるERタンパク質の量を制御(すなわち、減少)し、例えば、特定の治療的利益を得ることができる。
【0155】
実施形態:
本開示の態様は、以下の番号付けされた実施形態を参照して更に説明される。
実施形態1.
(S)-3-(5-(4-((1-(4-((1R,2S)-6-ヒドロキシ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)フェニル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化合物A)の多形体
【化2】

Cu Kα放射線を使用し、約13.9°2θおよび約17.9°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる。
実施形態2.
(S)-3-(5-(4-((1-(4-((1R,2S)-6-ヒドロキシ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)フェニル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化合物A)の多形体
【化3】

Cu Kα放射線を使用し、約13.9°2θ、約16.4°2θ、および約17.9°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる。
実施形態3.
(S)-3-(5-(4-((1-(4-((1R,2S)-6-ヒドロキシ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)フェニル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化合物A)の多形体
【化4】

Cu Kα放射線を使用し、約13.9°2θ、約16.2°2θ、および約17.9°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる。
実施形態4.
(S)-3-(5-(4-((1-(4-((1R,2S)-6-ヒドロキシ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)フェニル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化合物A)の多形体
【化5】

Cu Kα放射線を使用し、約13.9°2θ、約17.9°2θ、および約20.9°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる。
実施形態5.
(S)-3-(5-(4-((1-(4-((1R,2S)-6-ヒドロキシ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)フェニル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化合物A)の多形体(形態Iと指定)
【化6】

Cu Kα放射線を使用し、約13.9°2θおよび約17.9°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる。
実施形態6.
Cu Kα放射線を使用し、約16.4°2θでのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、実施形態1に記載の多形体。
実施形態7.
Cu Kα放射線を使用し、約16.2°2θ、約16.4°2θ、約18.5°2θ、および約20.9°2θから選択された少なくとも一つのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、実施形態1に記載の多形体。
実施形態8.
Cu Kα放射線を使用し、約16.2°2θ、約16.4°2θ、約18.5°2θ、および約20.9°2θでのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、実施形態1に記載の多形体。
実施形態9.
Cu Kα放射線を使用し、約13.5°2θ、約14.3°2θ、約14.5°2θ、および約16.8°2θから選択された少なくとも一つのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、実施形態1~8のいずれか一つに記載の多形体。
実施形態10.
Cu Kα放射線を使用し、約13.5°2θ、約14.3°2θ、約14.5°2θ、約16.8°2θでのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、実施形態1~9のいずれか一つに記載の多形体。
実施形態11.
図1Aに記載のものと実質的に類似のX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、実施形態1~10のいずれか一つに記載の多形体。
実施形態12.
約259℃の開始および約266℃でのピークを有する、DTによって測定される吸熱事象によってさらに特徴付けられる、実施形態1~11のいずれか一つに記載の多形体。
実施形態13.
約25℃~約250℃の間で約1%の、TGによって測定される重量損失によってさらに特徴付けられる、実施形態1~12のいずれか一つに記載の多形体。
実施形態14.
(S)-3-(5-(4-((1-(4-((1R,2S)-6-ヒドロキシ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)フェニル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化合物A)の多形体
【化7】

Cu Kα放射線を使用し、約10.0°2θおよび約17.5°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる。
実施形態15.
(S)-3-(5-(4-((1-(4-((1R,2S)-6-ヒドロキシ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)フェニル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化合物A)の多形体
【化8】

Cu Kα放射線を使用し、約10.0°2θ、約16.3°2θ、および約17.5°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる。
実施形態16.
(S)-3-(5-(4-((1-(4-((1R,2S)-6-ヒドロキシ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)フェニル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化合物A)の多形体
【化9】

Cu Kα放射線を使用し、約9.2°2θ、約16.3°2θ、および約17.5°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる。
実施形態17.
(S)-3-(5-(4-((1-(4-((1R,2S)-6-ヒドロキシ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)フェニル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化合物A)の多形体
【化10】

Cu Kα放射線を使用し、約16.3°2θ、約17.5°2θ、および約18.1°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる。
実施形態18.
(S)-3-(5-(4-((1-(4-((1R,2S)-6-ヒドロキシ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)フェニル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化合物A)の多形体(形態IIと指定)
【化11】

Cu Kα放射線を使用し、約10.0°2θおよび約17.5°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる。
実施形態19.
Cu Kα放射線を使用し、約16.3°2θでのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、実施形態14または18に記載の多形体。
実施形態20.
Cu Kα放射線を使用し、約9.2°2θ、約16.3°2θ、および約18.1°2θから選択された少なくとも一つのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、実施形態14~19のいずれか一つに記載の多形体。
実施形態21.
Cu Kα放射線を使用し、約9.2°2θ、約16.3°2θ、および約18.1°2θでのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、実施形態14~20のいずれか一つに記載の多形体。
実施形態22.
図2Aに記載のものと実質的に類似のX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、実施形態14~21のいずれか一つに記載の多形体。
実施形態23.
約212℃でのピークを有する、DTによって測定される吸熱事象によってさらに特徴付けられる、実施形態14~22のいずれか一つに記載の多形体。
実施形態24.
約25℃~約85℃の間で約11%の、TGによって測定される重量損失によってさらに特徴付けられる、実施形態14~23のいずれか一つに記載の多形体。
実施形態25.
(S)-3-(5-(4-((1-(4-((1R,2S)-6-ヒドロキシ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)フェニル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化合物A)の多形体
【化12】

Cu Kα放射線を使用し、約10.7°2θおよび約18.2°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる。
実施形態26.
(S)-3-(5-(4-((1-(4-((1R,2S)-6-ヒドロキシ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)フェニル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化合物A)の多形体
【化13】

Cu Kα放射線を使用し、約8.8°2θ、約10.7°2θ、および約18.2°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる。
実施形態27.
(S)-3-(5-(4-((1-(4-((1R,2S)-6-ヒドロキシ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)フェニル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化合物A)の多形体
【化14】

Cu Kα放射線を使用し、約10.7°2θ、約11.2°2θ、および18.2°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる。
実施形態28.
(S)-3-(5-(4-((1-(4-((1R,2S)-6-ヒドロキシ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)フェニル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化合物A)の多形体
【化15】

Cu Kα放射線を使用し、約10.7°2θ、約16.5°2θ、および約18.2°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる。
実施形態29.
(S)-3-(5-(4-((1-(4-((1R,2S)-6-ヒドロキシ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)フェニル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化合物A)の多形体(形態IIIと指定)
【化16】

Cu Kα放射線を使用し、約10.7°2θおよび約18.2°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる。
実施形態30.
Cu Kα放射線を使用し、約8.8°2θでのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、実施形態25または27~29のいずれか一つに記載の多形体。
実施形態31.
Cu Kα放射線を使用し、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約15.0°2θ、約16.5°2θ、および約17.8°2θから選択された少なくとも一つのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、実施形態25~30のいずれか一つに記載の多形体。
実施形態32.
Cu Kα放射線を使用し、約8.8°2θ、約11.2°2θ、約15.0°2θ、約16.5°2θ、および約17.8°2θでのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、実施形態25~31のいずれか一つに記載の多形体。
実施形態33.
図3Aに記載のものと実質的に類似のX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、実施形態25~32のいずれか一つに記載の多形体。
実施形態34.
約196℃の開始および約204℃でのピークを有する、DTによって測定される吸熱事象によってさらに特徴付けられる、実施形態25~33のいずれか一つに記載の多形体。
実施形態35.
約25℃~約75℃の間で約3.7%の、TGによって測定される重量損失によってさらに特徴付けられる、実施形態25~34のいずれか一つに記載の多形体。
実施形態36.
約75℃~約160℃の間で約4.7%の、TGによって測定される重量損失によってさらに特徴付けられる、実施形態35に記載の多形体。
実施形態37.
約160℃~約350℃の間で約0.6%の、TGによって測定される重量損失によってさらに特徴付けられる、実施形態36に記載の多形体。
実施形態38.
(S)-3-(5-(4-((1-(4-((1R,2S)-6-ヒドロキシ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)フェニル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化合物A)の多形体
【化17】

約10.5°2θ、約14.5°2θ、および約16.9°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる。
実施形態39.
(S)-3-(5-(4-((1-(4-((1R,2S)-6-ヒドロキシ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)フェニル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化合物A)の多形体(形態IVと指定)
【化18】

約10.5°2θ、約14.5°2θ、および約16.9°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる。
実施形態40.
Cu Kα放射線を使用し、約11.5°2θ、約14.2°2θ、約16.3°2θ、および約17.8°2θから選択された少なくとも一つのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、実施形態38または39に記載の多形体。
実施形態41.
Cu Kα放射線を使用し、約11.5°2θ、約14.2°2θ、約16.3°2θ、および約17.8°2θでのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、実施形態38~40のいずれか一つに記載の多形体。
実施形態42.
図4Aに記載のものと実質的に類似のX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、実施形態38~41のいずれか一つに記載の多形体。
実施形態43.
約196℃の開始および約213℃でのピークを有する、DTによって測定される吸熱事象によってさらに特徴付けられる、実施形態38~42のいずれか一つに記載の多形体。
実施形態44.
約25℃~約350℃の間で約3.1%の、TGによって測定される重量損失によってさらに特徴付けられる、実施形態38~43のいずれか一つに記載の多形体。
実施形態45.
疾患または障害を、それを必要とする対象において治療する方法であって、実施形態1~44のいずれか一つの多形体の治療有効量を対象に投与することを含む、方法。
実施形態46.
疾患または障害が、エストロゲン受容体(ER)活性、過剰活性、構成的活性、発現、過剰発現、または蓄積および凝集と関連している、実施形態45の方法。
実施形態47.
疾患または障害が、ER活性、過剰活性、構成的活性、発現、過剰発現、または蓄積および凝集に関連している癌または新生物である、実施形態45または46に記載の方法。
実施形態48.
疾患または障害が、乳癌もしくは子宮癌、または子宮内膜症である、実施形態45~47のいずれか一つに記載の方法。
実施形態49.
実施形態1~44のいずれか一つに記載の治療有効量の多形体、および薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物であって、該組成物が、疾患または障害の少なくとも一つの症状の治療または改善に有効である、医薬組成物。
実施形態50.
疾患または障害が、過剰活性、構成的活性、またはERの蓄積および凝集と関連付けられる、実施形態49に記載の組成物。
実施形態51.
疾患または障害が、ERの蓄積および凝集、またはERの活性もしくは過剰活性と関連付けられる癌または新生物である、実施形態49または50に記載の組成物。
実施形態52.
疾患または障害が、乳癌もしくは子宮癌、または子宮内膜症である、実施形態49~51のいずれか一つに記載の組成物。
実施形態53.
治療有効量の化合物Aの非結晶性形態
【化19】

および薬学的に許容可能な分散剤を含む医薬組成物。
実施形態54.
薬学的に許容可能な添加剤をさらに含む、実施形態53に記載の組成物。
実施形態55.
薬学的に許容可能な添加剤が、HPMCである、実施形態53または54に記載の組成物。
実施形態56.
薬学的に許容可能な添加剤が、TPGSである、実施形態53または54に記載の組成物。
実施形態57.
組成物が、疾患または障害の少なくとも一つの症状の治療または改善に有効である、実施形態53~56のいずれか一つに記載の組成物。
実施形態58.
疾患または障害が、過剰活性、構成的活性、またはERの蓄積および凝集と関連付けられる、実施形態57に記載の組成物。
実施形態59.
疾患または障害が、ERの蓄積および凝集、またはERの活性もしくは過剰活性と関連付けられる癌または新生物である、実施形態57または58に記載の組成物。
実施形態60.
疾患または障害が、乳癌もしくは子宮癌、または子宮内膜症である、実施形態57~59のいずれか一つに記載の組成物。
実施形態61.
疾患または障害の治療のための医薬品の製造における、実施形態1~44のいずれか一つに記載の多形体の使用。
実施形態62.
疾患または障害が、ERの蓄積および凝集、またはERの活性もしくは過剰活性と関連付けられる、実施形態61に記載の使用。
実施形態63.
疾患または障害が、ERの蓄積および凝集、またはERの活性もしくは過剰活性と関連付けられる癌または新生物である、実施形態61または62に記載の使用。
実施形態64.
疾患または障害が、乳癌もしくは子宮癌、または子宮内膜症である、実施形態61~63のいずれか一つに記載の使用。
実施形態65.
医薬で使用するための実施形態1~44のいずれか一つに記載の多形体。
実施形態66.
疾患または障害が、ERの蓄積および凝集、またはERの活性または過剰活性と関連付けられる、疾患または障害の治療に使用するための実施形態1~44のいずれか一つに記載の多形体。
実施形態67.
疾患または障害が、ERの蓄積および凝集、またはERの活性もしくは過剰活性と関連付けられる癌または新生物である、実施形態66に記載の使用のための多形体。
実施形態68.
疾患または障害が、乳癌もしくは子宮癌、または子宮内膜症である、実施形態66または67に記載の使用のための多形体。
実施形態69.
化合物Aを溶媒から再結晶することを含む、実施形態1~13のいずれか一つに記載の化合物Aの多形体を作製する方法。
実施形態70.
溶媒が、アセトン、1-ブタノール、2-エトキシエタノール、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メタノール、メチルエチルケトン、1-プロパノール、2-プロパノール、ポリエチレングリコール、およびエタノール/水の混合物からなる群から選択される、実施形態69に記載の方法。
実施形態71.
溶媒が1-ブタノールである、実施形態69に記載の方法。
実施形態72.
溶媒がメチルエチルケトンである、実施形態69に記載の方法。
実施形態73.
化合物Aを溶媒から再結晶することを含む、実施形態14~24のいずれか一つに記載の化合物Aの多形体を作製する方法。
実施形態74.
溶媒が、ジクロロメタンおよびアセトン/水の混合物から選択される、実施形態73に記載の方法。
実施形態75.
化合物Aを溶媒から再結晶することを含む、実施形態25~37のいずれか一つに記載の化合物Aの多形体を作製する方法。
実施形態76.
溶媒が、アセトニトリルである、実施形態75に記載の方法。
実施形態77.
化合物Aの溶液を溶媒中でクラッシュ冷却することを含む、実施形態38~44のいずれか一つに記載の化合物Aの多形体を作製する方法。
実施形態78.
溶媒中の化合物Aの溶液に抗溶媒を添加することを含む、実施形態38~44のいずれか一つに記載の化合物Aの多形体を作製する方法。
実施形態79.
溶媒が、ジクロロメタンおよびメタノールの混合物である、実施形態77または78に記載の方法。
実施形態80.
ジクロロメタンおよびメタノールの比が、約25:75(v/v)である、実施形態79に記載の方法。
実施形態81.
抗溶媒が、tert-ブチルメチルエーテルである、実施形態78~80のいずれか一つに記載の方法。
【実施例
【0156】
化合物Aは、米国特許第10,647,698号に開示の方法に従って調製することができ、これは全ての目的のために本明細書に組み込まれる。以下の実施例は、本開示の解説を補完するために使用されるが、本開示を限定するものとしては決してみなされない。
【0157】
実施例1: 分析方法
【0158】
別段の指定がない限り、全ての特徴解析データは、以下の手順を使用して取得された。
【0159】
X線粉末回折(XRPD)
XRPD分析は、PANalytical X’pert pro上で行われ、3~35°2θの試料をスキャンした。材料を軽く粉砕して、任意の凝集物を解放し、マイラーポリマーフィルムを有するマルチウェルプレート上に装填して試料を支持した。次いで、マルチウェルプレートを回折計に入れ、40kV/40mA発生装置設定を使用して、透過モード(ステップサイズ0.0130°2θ)で動作するCu K放射線(α1 λ=1.54060、α2=1.54443Å、β=1.39225Å、α1 : α2比=0.5)を使用して分析した。
【0160】
偏光顕微鏡法(PLM)
結晶化度(複屈折)の存在は、Moticカメラおよび画像キャプチャソフトウェア(Motic Images Plus 2.0)を備えたOlympus BX50偏光顕微鏡を使用して決定した。別段の記載がない限り、全ての画像は20×対物レンズを使用して記録した。
【0161】
熱重量分析(TGA)および示差熱分析(DTA)
約5mgの材料を開いたアルミニウムパンに計量し、熱重量/示差熱同時分析器(TG/DTA)に装填し、室温で保持した。次いで、試料を、10℃/分の速度で20℃~400℃に加熱し、その間に、試料重量の変化を任意の示差熱事象(DTA)と共に記録した。窒素を、300cm/分の流量で、パージガスとして使用した。
【0162】
示差走査熱量測定(DSC)
約5mgの材料をアルミニウムDSCパンに計量し、穴あきアルミニウムリッドで非密封した。次いで、試料パンを、冷却したセイコーDSC6200(冷却器を装備)に装填し、20℃で保持した。安定した熱流応答が得られたら、試料および参照を、10℃/分のスキャン速度で所望の温度に加熱し、得られた熱流応答を監視した。窒素を、50cm/分の流量で、パージガスとして使用した。
【0163】
実施例2:多形体スクリーニング
【0164】
約30mgの化合物Aを含有するバイアルに、適切な溶媒を加えて材料を懸濁した。次いで、実験を、周囲温度(約22℃)と40℃との間で4時間サイクルで72時間、温度サイクルした。
【0165】
全ての固体を、遠心分離により単離し、XRPDにより分析した。任意の新しい形態を、TG/DTおよびPLMによってさらに分析した。この工程の結果は、以下の表5に示されている。
【表5】
【0166】
次いで、濾過された化合物Aの飽和溶液を三つのアリコートに分割し、以下に詳述するように、その後の多形体スクリーニング実験に使用した。
【0167】
蒸発:化合物Aの飽和溶液を2mLバイアルに移し、これらのバイアルのキャップを外し、周囲温度で蒸発させて材料を回収した。回収された全ての固体をXRPDにより分析した。結果を以下の表6に示す。
【表6】
【0168】
クラッシュ冷却:化合物Aの飽和溶液を、2~8℃で24~72時間保存した。この時点で、回収された任意の材料をXRPDによって分析し、次いで実験を-20℃で24~72時間保存した。この後、回収された任意の材料をXRPDによって分析した。結果を以下の表7および表8に示す。
【表7】

【表8】
【0169】
周囲温度での抗溶媒添加:最大1mLの抗溶媒を、化合物Aの攪拌飽和溶液に滴下して加えて。次いで、実験のキャップを外し、周囲温度で蒸発させた。回収された全ての固体をXRPDにより分析した。結果を以下の表9に示す。
【表9】
【0170】
実施例3:形態I
【0171】
約30mgの非結晶性化合物Aの遊離塩基を、1.0mLのメチルエチルケトン中に懸濁した。実験を、周囲温度(約22℃)と40℃との間で、4時間サイクルで72時間、温度サイクルした。72時間後、固体を、遠心分離濾過により単離し、40℃で18時間乾燥し、次いで分析した。
【0172】
形態Iは、高融点(259℃)を有する熱力学的に安定な非溶媒和形態であることが判明した。この形態は、優れた安定性、プロセス関連溶媒への良好な溶解性、および低い生体関連pHでの改善された溶解性、ならびに低吸湿性(90%RHで1.7重量%)を有する。特定された四つの形態のうち、形態Iが最も安定であると決定された。形態Iの関連する特性の概要を、以下の表10に示す。
【0173】
【表10】
【0174】
ポリエチレングリコールからの形態Iの代替的な単離
非結晶性または部分的に非結晶性の固体をPEG-400でスラリー化し、室温と40℃の間で一晩温度サイクルさせた。固体を上清から単離し、まずエタノール、次いでメチルエチルケトンで洗浄し、真空オーブンで乾燥させて、平坦な板状の結晶を得た。
【0175】
実施例4:形態II
【0176】
約30mgの非結晶性化合物Aの遊離塩基を、0.5mLのジクロロメタン中に懸濁した。実験を、周囲温度(約22℃)と40℃との間で、4時間サイクルで72時間、温度サイクルした。72時間後、固体を、遠心分離濾過により単離し、40℃で18時間乾燥し、次いで分析した。
【0177】
形態IIは、結晶性の動的形態のようである。非溶媒和化され、水和される可能性が高い。非常に小さな粒子サイズと、針状ロッド形態を有する。
【0178】
実施例5:形態III
【0179】
約30mgの非結晶性化合物Aの遊離塩基を、1.0mLのアセトニトリル中に懸濁した。実験を、周囲温度(約22℃)と40℃との間で、4時間サイクルで72時間、温度サイクルした。72時間後、固体を、遠心分離濾過により単離し、40℃で18時間乾燥し、次いで分析した。
【0180】
形態IIIは、結晶性の動的形態のようである。脱水後、高い溶融温度を有する(開始196℃)。非溶媒和化され、水和される可能性が高い。脱水時に結晶化度がいくらか失われていることが示される。
【0181】
実施例6:形態IV
【0182】
約30mgの非結晶性化合物Aの遊離塩基を、1.0mLのジクロロメタン:メタノール(25:75 v/v)中に懸濁した。実験を、周囲温度(約22℃)と40℃との間で、4時間サイクルで72時間、温度サイクルした。72時間後、試料を0.22μmのナイロンフィルターを通して濾過し、上清を保持した。上清を、冷蔵庫中で2~8℃に冷却し、72時間保持した。72時間後、得られた固体を、遠心分離濾過により単離し、湿った粉末として分析した。
【0183】
形態IVは、部分的に結晶性であることが分かった。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
【手続補正書】
【提出日】2023-05-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(S)-3-(5-(4-((1-(4-((1R,2S)-6-ヒドロキシ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)フェニル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化合物A)の多形体であって、
【化1】

X線波長1.5406ÅでCu Kα放射線を使用し、約13.9°2θ、約16.4°2θ、および約17.9°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる、多形体。
【請求項2】
X線波長1.5406ÅでCu Kα放射線を使用し、約16.2°2θ、約18.5°2θ、および約20.9°2θから選択された少なくとも一つのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、請求項1に記載の多形体。
【請求項3】
Cu Kα放射線を使用し、約16.2°2θ、約18.5°2θ、および約20.9°2θから選択された少なくとも二つのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、請求項1に記載の多形体。
【請求項4】
X線波長1.5406ÅでCu Kα放射線を使用し、約13.5°2θ、約14.3°2θ、約14.5°2θ、および約16.8°2θから選択された少なくとも一つのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、請求項1~3のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項5】
下記図1Aに記載のものと実質的に類似のX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、請求項1~4のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項6】
約259℃の開始および約266℃でのピークを有する、DTによって測定される吸熱事象によってさらに特徴付けられる、請求項1~5のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項7】
約25℃~約250℃の間で約1%の、TGによって測定される重量損失によってさらに特徴付けられる、請求項1~6のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項8】
(S)-3-(5-(4-((1-(4-((1R,2S)-6-ヒドロキシ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)フェニル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化合物A)の多形体であって、
【化2】

X線波長1.5406ÅでCu Kα放射線を使用し、約10.0°2θ、約16.3°2θ、および約17.5°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる、多形体。
【請求項9】
X線波長1.5406ÅでCu Kα放射線を使用し、約9.2°2θ、および約18.1°2θでのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、請求項8に記載の多形体。
【請求項10】
Cu Kα放射線を使用し、約9.2°2θ、および約18.1°2θでのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、請求項8に記載の多形体。
【請求項11】
下記図2Aに記載のものと実質的に類似のX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、請求項8~10のいずれか一項に記載の多形体。

【請求項12】
約212℃でのピークを有する、DTによって測定される吸熱事象によってさらに特徴付けられる、請求項8~11のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項13】
約25℃~約85℃の間で約11%の、TGによって測定される重量損失によってさらに特徴付けられる、請求項8~12のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項14】
(S)-3-(5-(4-((1-(4-((1R,2S)-6-ヒドロキシ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)フェニル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化合物A)の多形体であって、
【化3】

X線波長1.5406ÅでCu Kα放射線を使用し、約8.8°2θ、約10.7°2θ、および18.2°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる、多形体。
【請求項15】
X線波長1.5406ÅでCu Kα放射線を使用し、約11.2°2θ、約15.0°2θ、約16.5°2θ、および約17.8°2θから選択された少なくとも一つのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、請求項14に記載の多形体。
【請求項16】
Cu Kα放射線を使用し、約11.2°2θ、約15.0°2θ、約16.5°2θ、および約17.8°2θから選択された少なくとも二つのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、請求項14に記載の多形体。
【請求項17】
下記図3Aに記載のものと実質的に類似のX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、請求項14~16のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項18】
約196℃の開始および約204℃でのピークを有する、DTによって測定される吸熱事象によってさらに特徴付けられる、請求項14~17のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項19】
約25℃~約75℃の間で約3.7%の、TGによって測定される重量損失によってさらに特徴付けられる、請求項14~18のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項20】
約75℃~約160℃の間で約4.7%の、TGによって測定される重量損失によってさらに特徴付けられる、請求項19に記載の多形体。
【請求項21】
約160℃~約350℃の間で約0.6%の、TGによって測定される重量損失によってさらに特徴付けられる、請求項20に記載の多形体。
【請求項22】
(S)-3-(5-(4-((1-(4-((1R,2S)-6-ヒドロキシ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)フェニル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(化合物A)の多形体であって、
【化4】

X線波長1.5406Åで、約10.5°2θ、約14.5°2θ、および約16.9°2θでのピークを含む、X線粉末回折パターンによって特徴付けられる、多形体。
【請求項23】
X線波長1.5406ÅでCu Kα放射線を使用し、約11.5°2θ、約14.2°2θ、約16.3°2θ、および約17.8°2θから選択された少なくとも一つのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、請求項22に記載の多形体。
【請求項24】
Cu Kα放射線を使用し、約11.5°2θ、約14.2°2θ、約16.3°2θ、および約17.8°2θから選択された少なくとも二つのピークを含むX線粉末回折パターンによってさらに特徴付けられる、請求項22に記載の多形体。
【請求項25】
下記図4Aに記載のものと実質的に類似のX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、請求項22~24のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項26】
約196℃の開始および約213℃でのピークを有する、DTによって測定される吸熱事象によってさらに特徴付けられる、請求項22~25のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項27】
約25℃~約350℃の間で約3.1%の、TGによって測定される重量損失によってさらに特徴付けられる、請求項22~26のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項28】
疾患または障害を、それを必要とする対象において治療する方法であって、請求項1~27のいずれか一項の多形体の治療有効量を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項29】
前記疾患または障害が、エストロゲン受容体(ER)活性、過剰活性、構成的活性、発現、過剰発現、または蓄積および凝集と関連している、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記疾患または障害が、ER活性、過剰活性、構成的活性、発現、過剰発現、または蓄積および凝集に関連している癌または新生物である、請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
前記疾患または障害が、乳癌もしくは子宮癌、または子宮内膜症である、請求項28~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
請求項1~27のいずれか一項に記載の治療有効量の多形体、および薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物であって、前記組成物が、前記疾患または障害の少なくとも一つの症状の治療または改善に有効である、医薬組成物。
【請求項33】
前記疾患または障害が、ER活性、過剰活性、構成的活性、発現、過剰発現、または蓄積および凝集に関連している、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
前記疾患または障害が、ERの蓄積および凝集、またはERの活性もしくは過剰活性と関連付けられる癌または新生物である、請求項32または33に記載の組成物。
【請求項35】
前記疾患または障害が、乳癌もしくは子宮癌、または子宮内膜症である、請求項32~34のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項36】
疾患または障害の治療のための医薬品の製造における、請求項1~27のいずれか一項に記載の多形体の使用。
【請求項37】
前記疾患または障害が、ERの蓄積および凝集、またはERの活性もしくは過剰活性と関連付けられる、請求項36に記載の使用。
【請求項38】
前記疾患または障害が、ERの蓄積および凝集、またはERの活性もしくは過剰活性と関連付けられる癌または新生物である、請求項36または37に記載の使用。
【請求項39】
前記疾患または障害が、乳癌もしくは子宮癌、または子宮内膜症である、請求項36~38のいずれか一項に記載の使用。
【請求項40】
医薬で使用するための請求項1~27のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項41】
疾患または障害が、ERの蓄積および凝集、またはERの活性または過剰活性と関連付けられる、前記疾患または障害の治療に使用するための請求項1~27のいずれか一項に記載の多形体。
【請求項42】
前記疾患または障害が、ERの蓄積および凝集、またはERの活性もしくは過剰活性と関連付けられる癌または新生物である、請求項41に記載の使用のための多形体。
【請求項43】
前記疾患または障害が、乳癌もしくは子宮癌、または子宮内膜症である、請求項41または42に記載の使用のための多形体。
【請求項44】
化合物Aを溶媒から再結晶することを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物Aの多形体を作製する方法。
【請求項45】
前記溶媒が、アセトン、1-ブタノール、2-エトキシエタノール、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メタノール、メチルエチルケトン、1-プロパノール、2-プロパノール、ポリエチレングリコール、およびエタノール/水の混合物からなる群から選択される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記溶媒が1-ブタノールを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記溶媒がメチルエチルケトンを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
化合物Aを溶媒から再結晶することを含む、請求項8~13のいずれか一項に記載の化合物Aの多形体を作製する方法。
【請求項49】
前記溶媒が、ジクロロメタンおよびアセトン/水の混合物から選択される、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
化合物Aを溶媒から再結晶することを含む、請求項14~21のいずれか一項に記載の化合物Aの多形体を作製する方法。
【請求項51】
前記溶媒が、アセトニトリルである、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
溶媒中の化合物Aの溶液をクラッシュ冷却することを含む、請求項22~27のいずれか一項に記載の化合物Aの多形体を作製する方法。
【請求項53】
溶媒中の化合物Aの溶液に抗溶媒を添加することを含む、請求項22~27のいずれか一項に記載の化合物Aの多形体を作製する方法。
【請求項54】
前記溶媒が、ジクロロメタンおよびメタノールの混合物である、請求項52または53に記載の方法。
【請求項55】
ジクロロメタンおよびメタノールの比が、約25:75(v/v)である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記抗溶媒が、tert-ブチルメチルエーテルである、請求項53~55のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】