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特表2023-541440内視鏡処置のための装置及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-02
(54)【発明の名称】内視鏡処置のための装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20230925BHJP
   A61M 25/095 20060101ALI20230925BHJP
【FI】
A61M25/06 556
A61M25/095
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516681
(86)(22)【出願日】2021-09-13
(85)【翻訳文提出日】2023-04-27
(86)【国際出願番号】 US2021050075
(87)【国際公開番号】W WO2022060667
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】63/078,544
(32)【優先日】2020-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】スリヴァスタヴァ、カイル エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】コヤ、ビジェイ
(72)【発明者】
【氏名】シュート、ジョナサン ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ピエール、クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】クリングル、マーク
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA05
4C267BB02
4C267BB16
4C267BB62
4C267CC07
4C267GG03
4C267GG04
4C267GG06
4C267GG09
4C267GG22
4C267GG24
(57)【要約】
体内で治療部位までナビゲートする際に使用するためのナビゲーション支援可撓性細長部材、ナビゲーション支援システム、及びナビゲーション支援方法である。光ファイバ、誘導センサ、圧電センサ、又はカメラなどのナビゲーション支援センサが、可撓性細長部材によって可撓性細長部材を通るように画定された作業チャネル内の空間を占有しないように、可撓性細長部材の壁内に設けられる。可撓性細長部材の遠位端が障害物/別の物体(例えば、身体組織又は管腔壁)に遭遇すると、ナビゲーション支援センサは、そのような遭遇を示す信号を生成する。このような信号は、障害物から離れて治療部位へと進むように可撓性細長部材をナビゲートするために使用可能な情報に(例えば制御ユニットによって)変換される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性細長部材であって、
前記可撓性細長部材は外壁及び内壁を備え、前記外壁及び前記内壁は、それらの間に内部空間を画定するとともに内部に作業チャネルを画定しており、前記可撓性細長部材の近位端と前記可撓性細長部材の遠位端との間に軸方向に延びており、
前記可撓性細長部材は、前記可撓性細長部材の前記遠位端が物体に遭遇したことを示す信号を生成するように前記可撓性細長部材の遠位端において前記内部空間内に配置される少なくとも1つのナビゲーション支援センサを備える、
可撓性細長部材。
【請求項2】
前記少なくとも1つのナビゲーション支援センサが、物体にぶつかった前記可撓性細長部材の前記遠位端の衝突を検出することができる圧力センサである、請求項1に記載の可撓性細長部材。
【請求項3】
前記少なくとも1つのセンサが、前記内部空間の周縁の周りに等間隔で配置された少なくとも4つのセンサからなる、請求項2に記載の可撓性細長部材。
【請求項4】
前記少なくとも1つのナビゲーション支援センサが、光ファイバ、誘導センサ、圧電センサ、又はカメラのうちの1つからなる、請求項1に記載の可撓性細長部材。
【請求項5】
可撓性細長部材であって、
前記可撓性細長部材は外壁及び内壁を備え、前記外壁及び内壁は、それらの間に内部空間を画定するとともに内部に作業チャネルを画定しており、前記可撓性細長部材の近位端と前記可撓性細長部材の遠位端との間に軸方向に延びており、
前記可撓性細長部材は前記内部空間内に配置された少なくとも1つのセンサを備え、
前記外壁及び前記内壁のうちの少なくとも1つが、前記可撓性細長部材の可撓性遠位端を画定しており、
前記少なくとも1つのセンサが、前記可撓性細長部材の前記遠位端内に配置されている、
可撓性細長部材。
【請求項6】
前記少なくとも1つのセンサが、物体にぶつかった前記可撓性細長部材の前記遠位端の衝突を検出する圧力センサである、請求項5に記載の可撓性細長部材。
【請求項7】
前記少なくとも1つのセンサが、光ファイバ、誘導センサ、又は圧電センサのうちの1つからなる、請求項5又は6に記載の可撓性細長部材。
【請求項8】
前記可撓性細長部材の前記遠位端が、互いに対して軸方向に移動可能な近位圧力感知セグメント及び遠位圧力感知セグメントを含む、請求項5~7のいずれか一項に記載の可撓性細長部材。
【請求項9】
前記可撓性細長部材の前記遠位端が物体に衝突していない中立構成において、前記近位圧力感知セグメントと前記遠位圧力感知セグメントとを離れるように付勢する付勢要素を更に備える、請求項5~8のいずれか一項に記載の可撓性細長部材。
【請求項10】
前記少なくとも1つのセンサが、前記近位圧力感知セグメントに設けられており、前記近位圧力感知セグメントに対する前記遠位圧力感知セグメントの相対的な移動が、前記少なくとも1つのセンサを作動させて、信号を生成する、請求項5~9のいずれか一項に記載の可撓性細長部材。
【請求項11】
前記内部空間内にカメラを更に備える、請求項5~10のいずれか一項に記載の可撓性細長部材。
【請求項12】
前記少なくとも1つのセンサが、方向情報を提供する少なくとも3つのセンサからなる、請求項5~11のいずれか一項に記載の可撓性細長部材。
【請求項13】
前記少なくとも1つのセンサが、前記内部空間の周縁の周りに等間隔で配置された少なくとも4つのセンサからなる、請求項5~12のいずれか一項に記載の可撓性細長部材。
【請求項14】
システムであって、
前記システムはハンドルを備え、
前記システムは、前記ハンドルに結合された近位端と、遠位端との間で軸方向に延びている可撓性細長部材を備え、前記可撓性細長部材は、外壁及び内壁を備え、前記外壁及び内壁は、それらの間に内部空間を画定するとともに内部に作業チャネルを画定しており、
前記システムは、前記可撓性細長部材の前記遠位端が物体に遭遇したことを示す信号を生成するように前記可撓性細長部材の前記遠位端において前記内部空間内に配置される少なくとも1つのナビゲーション支援センサを備え、
前記外壁及び前記内壁のうちの少なくとも1つが、前記可撓性細長部材の遠位端を画定しており、
前記少なくとも1つのナビゲーション支援センサが、前記可撓性細長部材の前記遠位端内に配置されている、
システム。
【請求項15】
前記少なくとも1つのナビゲーション支援センサからの信号を処理して、物体にぶつかった前記可撓性細長部材の前記遠位端の衝突に関する方向情報を示す制御ユニットを更に備える、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、カテーテルの分野に関する。特に、本開示は、例えば体内で使用するためのナビゲーション支援構成要素又は機器などのナビゲーション支援能力を有するカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
カニュレーションなどの胃腸処置などの様々な処置において、医師又は他の医療専門家は、限定的な量のフィードバック(視覚、触覚など)で複雑な解剖学的構造を通り抜ける必要がある。例えば、標的体内通路は、内視鏡付属器具に対して困難な角度に向いている、非常に小さい若しくは密閉された開口部を有している、又は蛇行した解剖学的構造、妨害物、及び/若しくは良性若しくは悪性の構造を含んでいることがある。医療専門家は、カニュレーションを成功させるために複数回の試行を行うことがある。更に、標的体内通路を含む組織又はその周囲の組織に外傷を与える可能性は、カニュレーションの試行の回数が多いほど増加する。
【0003】
従って、当該技術分野では、カニュレーション処置の成功を改善する方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本開示のこの概要は理解を助けるために与えられており、当業者であれば、本開示の様々な態様及び特徴がそれぞれ、いくつかの事例では別個に、他の事例では本開示の他の態様及び特徴と組み合わせて、有利に使用され得ることを理解するであろう。この概要における要素、構成要素などの包含又は非包含のいずれによっても、特許請求される主題の範囲に関する限定は意図されていない。
【0005】
本開示の様々な原理によれば、ナビゲーション支援カテーテル及びシステムなどの可撓性細長部材は、別の物体(例えば、組織壁又は管腔壁)に対するカテーテルの位置を判断し、カテーテルを、ナビゲートする、方向付ける、操作するなどの際に使用するためのそのような情報を伝達することが可能な様々な構成要素を備えている。いくつかの実施形態では、可撓性細長部材は、例えば体腔又は管腔内で可撓性細長部材をナビゲートする際に使用可能である信号又は使用可能な情報に変換可能である信号を生成するナビゲーション支援センサを含む。このような可撓性細長部材及び関連するシステムは、胆管、膵管、又は任意の管腔に関してナビゲートする際に有用であり、潜在的に、胃腸、泌尿器、生殖器、循環器、呼吸器、肺などの種々の処置のいずれかにおいて使用するのに有用である。本開示は、例として胃腸系及び/又は胆管に関するナビゲーションに言及することがあるが、開示される装置、システム、及び方法は、このような例に限定されるものとして理解されるべきではない。
【0006】
記載された、又はそうでなければ本開示の範囲内である、様々な実施形態では、可撓性細長部材が開示され、この可撓性細長部材は、外壁及び内壁を備え、外壁及び内壁は、それらの間に内部空間を画定するとともに内部に作業チャネルを画定しており、可撓性細長部材の近位端と可撓性細長部材の遠位端との間に軸方向に延びており、可撓性細長部材は、内部空間内に配置された、圧力センサなどの少なくとも1つのセンサを含み、外壁及び内壁のうちの少なくとも1つが、可撓性細長部材の可撓性遠位端を画定しており、少なくとも1つのセンサが、可撓性細長部材の遠位端内に配置されている。
【0007】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサが、方向情報を提供する少なくとも3つの圧力センサからなる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの圧力センサが、内部空間の周縁の周りに等間隔で配置された少なくとも4つの圧力センサからなる。
【0008】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサが、物体にぶつかった可撓性細長部材の遠位端の衝突を検出する。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサが、光ファイバ、誘導センサ、又は圧電センサのうちの1つからなる。
【0009】
いくつかの実施形態では、可撓性細長部材の遠位端が、互いに対して軸方向に移動可能な近位圧力感知セグメント及び遠位圧力感知セグメントを含む。
いくつかの実施形態では、可撓性細長部材が、可撓性細長部材の遠位端が物体に衝突していない中立構成において、近位圧力感知セグメントと遠位圧力感知セグメントとを離れるように付勢する付勢要素を更に含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの圧力センサが、近位圧力感知セグメントに設けられており、近位圧力感知セグメントに対する遠位圧力感知セグメントの相対的な移動が、少なくとも1つの圧力センサを作動させて、信号を生成する。いくつかの実施形態では、信号が、可撓性細長部材の遠位端が物体に衝突したことを示す。
【0011】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサが、間隔を空けて配置され、可撓性細長部材の遠位端への衝突の方向性を示す少なくとも3つの圧力センサからなる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサが、遠位圧力感知セグメントの近位面から間隔を空けて配置された近位圧力感知セグメントの遠位端に遠位端を有する光ファイバであり、近位圧力感知セグメントに対する遠位圧力感知セグメントの相対的な移動が、光ファイバからの光が遠位圧力感知セグメントの近位面にぶつかった反射によって生成される干渉パターンの変化を引き起こし、これが、可撓性細長部材の遠位端に対する圧力を示す。
【0012】
いくつかの実施形態では、可撓性細長部材が、内部空間内にカメラを更に含む。
記載された、又はそうでなければ本開示の範囲内である、様々な実施形態では、可撓性細長部材が開示され、この可撓性細長部材は、外壁及び内壁を備え、外壁及び内壁は、それらの間に内部空間を画定するとともに内部に作業チャネルを画定しており、可撓性細長部材の近位端と可撓性細長部材の遠位端との間に軸方向に延びており、可撓性細長部材は、可撓性細長部材の遠位端において内部空間内に配置され、可撓性細長部材の遠位端が物体に遭遇したことを示す信号を生成する、少なくとも1つのナビゲーション支援センサを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのナビゲーション支援センサが、物体にぶつかった可撓性細長部材の遠位端の衝突を検出することができる圧力センサである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの圧力センサが、方向情報を提供する少なくとも3つの圧力センサを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの圧力センサが、内部空間の周縁の周りに等間隔で配置された少なくとも4つの圧力センサを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのナビゲーション支援センサが、光ファイバ、誘導センサ、圧電センサ、又はカメラのうちの1つからなる。近接センサ、光センサ、温度センサなどの他のセンサも、同様に本開示の範囲内である。
【0015】
一態様では、本主題は、ナビゲーション支援システムを対象とし、このナビゲーション支援システムは、ナビゲーション機器を収容するハンドルを含み、ナビゲーション支援システムは、ハンドルに結合された近位端と、遠位端との間で軸方向に延びている可撓性細長部材を含み、可撓性細長部材は外壁及び内壁を含み、外壁及び内壁は、それらの間に内部空間を画定するとともに内部に作業チャネルを画定しており、ナビゲーション支援システムは、可撓性細長部材の遠位端が物体に遭遇したことを示す信号を生成するように可撓性細長部材の遠位端において内部空間内に配置される少なくとも1つのナビゲーション支援センサを含み、外壁及び内壁のうちの少なくとも1つが、可撓性細長部材の遠位端を画定しており、少なくとも1つのナビゲーション支援センサが、可撓性細長部材の遠位端内に配置されている。
【0016】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのナビゲーション支援センサが、光ファイバ、誘導センサ、圧電センサ、又はカメラのうちの1つからなる。近接センサ、光センサ、温度センサなどの他のセンサも、同様に本開示の範囲内である。
【0017】
いくつかの実施形態では、ナビゲーション支援システムは、少なくとも1つのナビゲーション支援センサからの信号を処理して、物体にぶつかった可撓性細長部材の遠位端の衝突に関する方向情報を示す制御ユニットを更に含む。
【0018】
本開示のこれら及び他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明から容易に明らかになり、特許請求される発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に記載される。
本開示の非限定的な実施形態について、添付図面を参照して例として説明する。添付図面は、概略であり、縮尺どおりに描かれることを意図していない。添付図面は、例示のためのみに提供され、図面内の図に反映された寸法、位置、順序及び相対的なサイズが、変動することがある。例えば、装置は、詳細が識別可能になるように拡大されることがあるが、例えば、送達カテーテル又は内視鏡の作業チャネル内にフィットすることに関連して、縮小されるよう意図されている。図では、同一、略同一又は均等の要素を同じ文字で典型的に表し、同様の要素を100ずつ異なる同様の参照番号で典型的に指定し、重複する説明を省略する。明確さ及び簡潔さのために、全ての図で全ての要素にラベルを付すことはせず、当業者が本開示を理解することを可能にするために図示が必要でない場合には、各実施形態の全ての要素を示すこともしない。
【0019】
詳細な説明は、同様の要素を同様の参照文字で表している、以下の添付図面と併せてより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本開示の態様による、複雑な解剖学的構造を通り抜けるためのシステムの立面図。
図2図1のシステムの線II-IIに沿った断面図。
図3】ナビゲーション支援構成要素が概略的に図示された、図1のシステムのカテーテルの遠位端の拡大分離斜視図。
図4A図1のシステムにおいて使用され得るカテーテルの遠位端の実施形態の一例の長手方向軸線に沿った断面図。
図4B図4Aの実施形態のIV-IV線に沿った断面図。
図5A図1のシステムにおいて使用され得るカテーテルの遠位端の実施形態の一例の長手方向軸線に沿った断面図。
図5B図5Aの実施形態の線V-Vに沿った断面図。
図6A図1のシステムにおいて使用され得るカテーテルの遠位端の実施形態の一例の長手方向軸線に沿った断面図。
図6B図6Aの実施形態のVI-VI線に沿った断面図。
図7A図1のシステムにおいて使用され得るカテーテルの遠位端の実施形態の一例の長手方向軸線に沿った断面図。
図7B図7Aの実施形態のVII-VII線に沿った断面図。
図8A図1のシステムにおいて使用され得るカテーテルの遠位端の実施形態の一例の長手方向軸線に沿った断面図。
図8B図8Aの実施形態のVIII-VIII線に沿った断面図。
図9A図1のシステムにおいて使用され得るカテーテルの遠位端の実施形態の一例の長手方向軸線に沿った断面図。
図9B図9Aの実施形態のIX-IX線に沿った断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の詳細な説明は、例示的な実施形態を示す図面を参照して読まれるべきである。本開示は、説明される特定の実施形態に限定されず、従って、変動し得ることを理解されたい。本明細書で議論する全ての装置、システム及び方法は、本開示の1つ以上の原理に従って実施される装置、システム及び/又は方法の例である。実施形態の各例は、説明のために提供され、これらの原理を実施するための唯一の方法ではなく、単なる例である。よって、図面中の要素、構造又は特徴への言及は、本開示の実施形態の例への言及として理解されるべきであり、図示の特定の要素、構造又は特徴に本開示を限定するものとして理解されるべきではない。開示された原理を実施する方法の他の例が、本開示を読んだ当業者には想起されるであろう。実際に、本主題の範囲又は趣旨から逸脱することなく、本開示において様々な修正及び変形を行うことができることは、当業者にとって明らかであろう。例えば、一実施形態の一部として図示又は説明される特徴は、別の実施形態とともに使用されて、また更なる実施形態をもたらすことができる。よって、本主題は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等の範囲内に入るそのような修正及び変形を包含することが意図される。
【0022】
本開示は、本出願において様々な詳細さのレベルで説明されていることが理解されるであろう。特定の例では、当業者が本開示を理解するのに必要でない詳細、又は他の詳細の認識を困難にする詳細が、省略されていることがある。本明細書で使用する用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、添付の特許請求の範囲を超えて限定することを意図するものではない。別途、定義されない限り、本明細書で使用する技術用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものとして理解されるべきである。本明細書で開示及び特許請求される装置及び/又は方法は全て、本開示に照らして、過度の実験を伴わずに作製及び実行することができる。
【0023】
本明細書で使用する場合、「近位」は、装置を使用するとき(例えば、装置を患者内に導入するとき、又は植込み、配置若しくは送達の間)などに、ユーザ(医療専門家、臨床医、技術者、オペレータ又は医師など、このような用語は、限定又はその他を意図せずに互換的に使用する)などに最も近い方向又は場所を指し、「遠位」は、装置を使用するとき(例えば、装置を患者内に導入するとき、又は植込み、配置若しくは送達の間)などに、ユーザから最も遠い方向又は場所を指す。「長手方向」は、要素のより長い又はより大きい寸法に沿って延びることを意味する。「中心」は、中心点を少なくとも概ね二等分することを意味し、「中心軸」は、開口部に関して、開口部の中心点を少なくとも概ね二等分する線であって、開口部が、例えば、管状要素、支柱、チャネル又はボアを備えるときに、開口部の長さに沿って長手方向に延びる線を意味する。
【0024】
様々な治療装置、機器などは、送達装置を介して送達され得、この送達装置は、一般に、送達装置の近位端と遠位端との間で実質的に長手方向(軸方向)に延びている1つ以上の作業チャネルを有する可撓性細長部材を含む。送達装置が操縦可能であることは一般に有益であり、送達装置は、操縦可能性を促進するために、可撓性又は剛性の異なる、複数の異なる領域を有してもよい。送達装置及び/又はそれに関連するオーバーチューブは、当業者に既知であり、非直線の又は蛇行した解剖学的構造を横断するのに十分な可撓性を有する任意の好適な生体適合性材料から作製され得る。このような材料としては、ゴム、シリコン、合成プラスチック、ステンレス鋼、金属-ポリマー複合材料;ニッケル、チタン、銅コバルト、バナジウム、クロム、及び鉄の金属合金;ニチノール(ニッケル-チタン合金)などの超弾性材料又は形状記憶材料;複数の異なる材料及び補強材で構成された複数の異なる層、が挙げられるが、これらに限定されない。このような材料は、そこを通る送達装置の通過を可能にする又は容易にするために、ポリマー材料又は潤滑性材料で作製され得る又はコーティングされ得る。いくつかの実施形態では、作業チャネルは、導入された医療器具(単数又は複数)が作業チャネル(単数又は複数)を通過するのを容易にするために、ポリマー材料又は潤滑性材料で作製され得る又はコーティングされ得る。
【0025】
適切なカニュレーションのための括約筋切開刀又は乳頭切開刀などの装置を正確かつ一貫して配置することは難しいことが一般に認識されている。腸内の蛇行した経路などの蛇行した体内の管腔を通して操縦するには、送達装置を何度も回転させる必要がある。理解され得るように、医療専門家は、送達装置又は可撓性細長部材又はカテーテル又はカニューレ又は他の装置又は機器(これらの用語は、限定なく本明細書では互換的に使用され、「カテーテル」は、概して、限定を意図せずに単純化のために使用される)の先端を、管腔を通って前進させ続けるのではなく、不注意に前進させて管腔の壁にぶつけることがある。このような前進は、組織を刺激する、又は壁を穿刺する可能性さえあり、更に合併症を引き起こす可能性がある。同様に、患者ごとに解剖学的構造が異なるために、乳頭を介した、あるいは例えば肺ナビゲーションにおける、胆管又は膵管への明確なアクセス経路が常に存在するとは限らない。試行錯誤の結果、カニューレが挿入され得、乳頭に寄りかかって前進し、そこを通してアクセス場所の特定を試行する。
【0026】
本開示の一態様によれば、途中で組織に影響を及ぼすことなく治療部位に到達するために、カニューレ又はカテーテル又はスコープ(又は他の構成要素、このような用語は、限定を意図せずに本明細書では互換的に使用される)の適切かつ慎重な誘導が望まれるカニュレーション処置において、カテーテルの遠位端にかかる圧力を、最小限~ゼロにすることが望ましい。本開示によれば、送達装置又は可撓性細長部材又はカテーテル(又はその内部を通るルーメンを有する他の構成要素、このような用語は、限定を意図せずに本明細書では互換的に使用される)の遠位先端にナビゲーション支援センサが設けられ、カテーテル先端が管腔壁に遭遇したかどうかを医療専門家が認識し、組織及び/又は管腔壁の損傷又は穿刺を回避するためにカテーテルの前進を停止することができるように、医療専門家にフィードバックを提供する。圧力センサ、近接センサ、光センサ、温度センサなど、体内通路での使用に好適な当業者に既知の又は公知のセンサ、及び/又は好適なサイズ及び寸法のセンサ、及び/又は高感度感知が可能なセンサなど、任意のタイプのセンサが使用され得る。例えば、光ファイバセンサ、誘導センサ、又は圧電センサが使用され得る。いくつかの実施形態では、センサは、医療専門家に方向情報を提供し、管腔を通るカテーテルの操縦を支援するように構成される。このような方向情報は、カテーテル先端と管腔壁との接触を回避するのに有用であり得るだけでなく、より一般的な方法でナビゲーションを支援するのにも有用であり得る。本明細書に記載されるようなナビゲーション支援(例えば、圧力感知)装置は、体内管腔若しくは体内管において、又は体内管腔若しくは体内管を通してなど、身体又は解剖学的構造の一部の中への導入及び通過を可能にする、任意のサイズ、断面形状若しくは面積、及び/又は構成の任意のカニュレーション装置又はカテーテル又は他の構造(限定を意図せずに本明細書では互換的に使用される)で使用するための任意の適切な装置であり得る。本明細書に記載されるようなナビゲーション支援機器及び構成要素は、カテーテルなどの管状構造などの可撓性細長部材の壁内への配置に特に適している。可撓性細長部材は、一般に、(好ましくはカテーテルの長さ又は長手軸に沿って軸方向に延びている)作業チャネルを含み、細長部材を(作業チャネル内を通って延びている)ガイドワイヤ上で前進させることによって治療部位へのナビゲーションが容易になる。作業チャネルはまた、その内部を通した様々な療法又は他の治療機器の送達を可能にする。ナビゲーション支援機器は、カテーテル内(例えば、カテーテルの壁同士の間)に収容されるため、組織片がセンサに近付いてセンサの動作に干渉することから保護することができる。
【0027】
理解され得るように、ナビゲーション支援機器又は構成要素(又は少なくともその一部分)は、好ましくは、可撓性細長部材の遠位端に配置される。このように、可撓性細長部材の遠位端と他の物体との係合は、ナビゲーション支援機器によって感知され、情報が生成され、更なるナビゲーションの判断に使用するためにユーザ(医療専門家など、又は医療機器の他のナビゲータ)に伝達されることになる。好ましくは、可撓性細長部材の遠位端は、可撓性細長部材並びに関連する機器及び装置のナビゲーションを支援するための適切な情報を生成するために、その遠位端への衝突をナビゲーション支援機器に伝達するのに十分な可撓性を有する。いくつかの実施形態では、カテーテルの遠位端は、近位セグメント及び遠位セグメントを有し、それらの間に付勢要素(例えば、コイルばね)を有する。遠位セグメントが、移動、又は偏向、又はそうでなければ変形(可撓性細長部材の遠位端が遭遇した物体との接触時など)すると、遠位セグメントは近位セグメントに向かって近位に並進し、ナビゲーション支援機器又はその構成要素を作動させる。いくつかの実施形態では、付勢要素は、感知構成要素などのナビゲーション支援機器へ力を導くように機能し、そうすることで、力を本質的に並進及び/又は増幅させて、その感知を促進又は向上させる。ナビゲーション支援機器からのフィードバックは、方向性があってもよく、例えば、可撓性細長部材の背側が衝突したか、腹側が衝突したか、左側が衝突したか、又は右側が衝突したかを示してもよく、その結果、可撓性細長部材を適切に操作することができる(例えばその遠位端に対する圧力を解放する)。ナビゲーション支援機器は、力の大きさ、力の姿勢(軸方向又は半径方向の力の印加)、及びカテーテルの周縁に沿った力の方向(例えば、カテーテルの外周に沿って印加される負荷の場所)を含む情報を生成するための少なくとも3つの圧力センサ、又はセンサを他の要素から分離し、別の物体に遭遇した可撓性細長部材の遠位端の四分円を示すための4つ以上のセンサを含むので、可撓性細長部材を操縦してその遠位端に対する圧力を解放することができる。
【0028】
ここで図面を参照すると、以下の説明では、様々な図示された実施形態の間で同様の要素又は構成要素については概ね、100を加えた同じ参照番号で指定し、重複する説明を省略していることが理解されるであろう。共通の特徴は共通の参照要素によって識別し、また、説明を簡潔にするために、共通の特徴については概ね説明を概ね繰り返さないこととする。
【0029】
本明細書に記載される様々な実施形態では、図1に図示されるようなカテーテル導入システム100は、カテーテル110(上述のように、用語「カテーテル」は、限定を意図せずに単純化のために使用される)などの可撓性細長部材を備え、このカテーテル110は、カテーテル110の近位端111とカテーテル110の遠位端113との間にその長さに沿ってその内部を通って延びている(あるいは、本明細書では軸方向に延びていると呼ぶ)作業チャネル112を有する。カテーテル110は、蛇行した経路を通るカテーテル110の屈曲を可能にするために、十分に可撓性のある材料から形成される。いくつかの実施形態では、カテーテル110は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)など、又はそれらの組み合わせから形成される。いくつかの実施形態では、カテーテル110は、その軸方向範囲に沿った特定の領域においてより大きな可撓性を有するように機械加工される。特にカテーテルについて言及しているが、本明細書に記載されているようなナビゲーション支援機器を収容することができる任意の可撓性細長部材が使用され得ることが理解されよう。
【0030】
カテーテル110の近位端111は、制御ハンドル102まで延びており、この制御ハンドル102を介して、医療専門家は、カテーテル110(あるいは、内視鏡、又は十二指腸鏡、又は気管支鏡、又はカテーテル110が治療部位にそれを介して運ばれる他の装置)を操作及び/又は制御及び/又はナビゲート及び/又は操縦する(このような用語は、便宜上、本明細書では互換的に使用され、ある用語を別の用語よりも優先して使用することは、限定するものとして理解されるべきではない)ことができる。任意の既知の又は公知の制御ハンドル102が使用されてもよく、例えば金属材料又はポリマー材料から形成され、(例えば、他の構成要素又は装置又は機器をハンドル102に結合するための)1つ以上のコネクタ、(例えば、蛍光透視法などのために、造影剤などの流体を注入するための)ポート、又は他の構造若しくは構成要素を含み、本明細書に記載されるようなナビゲーション支援機器を収容することができるような制御ハンドル102が使用されてもよく、本開示のカテーテル110は、特定のハンドル又はその構成によって限定されないことが理解されるであろう。一般に理解されるように、医療専門家は、制御ハンドル102、又は当該技術分野で既知の又は公知の他の適切な誘導機器を使用して、カテーテル110を、回転させ、振動させ、直線的に前進させ、往復させ、及び/又はそうでなければ(体内管腔内などを通して)移動/誘導/ナビゲートし、より具体的には、カテーテル110の遠位端113を治療部位に誘導し、カテーテルを(例えば、任意選択で、カメラ、バスケット、切断装置、レーザ、又は他の追加装置とともに)利用した、内視鏡カニュレーション処置、乳頭切開、括約筋切開、尿処置などの処置を行う。
【0031】
本開示の様々な原理によれば、カテーテル110は、ナビゲーション支援機器がカテーテル110の壁114に沿って(概ね軸方向又は長手方向に)延びるように形成される。本明細書で使用する場合、ナビゲーション支援機器は、カテーテル110のナビゲーションの方向を含む、ナビゲーションを判断する際(例えば、ナビゲーション判断)に使用される位置情報などの情報をユーザ又は技術者に提供する機器又は構成要素又は装置として理解されるものとする。例としては、以下で更に詳細に説明するように、圧力センサ及び/又はカメラが挙げられるが、これらに限定されない。本開示の一態様によれば、カテーテル110の壁114は、ナビゲーション支援機器がカテーテル110の壁114内に配置され得るように、内部に内部空間114sを有する。カテーテル110の壁内のナビゲーション支援機器の位置は、ガイドワイヤ、ケーブル、医療器具、切断器具、他の作業ツールなどが、ナビゲーション支援機器の構成要素に干渉することなく、カテーテル110内の作業チャネル112を通過するように、作業チャネル112を障害物のない状態にしておくものである。
【0032】
図1の線II-IIに沿った)図2の概略断面図に図示されるように、一実施形態では、カテーテル壁114は、内部空間114sをその間に画定している内壁114iと外壁114eとを含む。一実施形態では、内壁114iは内側ライナーであり、カテーテル110は、編組要素115を有する編組カテーテルであり、この編組要素115は、例えば内側ライナーを覆うように形成され(あるいは、編組カテーテルの形成後に、例えば作業チャネル112のライニングを形成するように、編組カテーテル内に内側ライナーを設けてもよい)、押出成形などによって、編組カテーテルを覆う外側ジャケット又は層の形態などの外壁114eによって覆われており、これは、例えば、1999年9月14日に発行され、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、Catheter Having A Adhesive Braid Wire Constraint And Method Of Manufactureと題されたBergの米国特許第5,951,495号明細書(Boston Scientific Scimed Inc.に譲渡された)に説明されているように、当技術分野で既知である。このような編組は、カテーテルの構造を構築するのに有益であり得るのと同時に、依然として、ナビゲーション目的のための所望の量の可撓性を可能にすることができる。ナビゲーション支援機器は、カテーテル壁114の内部空間114sにおいて、内側ライナーと編組カテーテルとの間に取り付けられ得る(また、任意選択で、内側ライナーを覆うように編組カテーテルを形成又は配置する前に内側ライナー上に取り付けられる、あるいは編組カテーテルに取り付けられてもよい)。別の実施形態では、カテーテル110は、内部に作業チャネル112を画定する中空壁(二重壁であり、それらの二重壁の間に空間を有する)を有するように、押出成形などによって形成される。ナビゲーション支援機器は、このようなカテーテルの中空壁114の内壁114iと外壁114eとの間に画定される内部空間114s内に取り付けられてもよい。カテーテル110の遠位端113は、圧縮可能であってもよく、膜又は外壁114eが、内部の構成要素を密閉及び保護する。単純化及び便宜を目的としており、かつ限定を意図するものではなく、図面に図示されるカテーテルの実施形態は、全てが編組カテーテルを示すわけではない。
【0033】
理解され得るように、作業チャネル112はルーメンの形態であることができ、このルーメンは、様々な構成要素及び装置及び器具及び材料(このような用語は、本明細書では限定を意図せずに互換的に使用される)(例えば、ガイドワイヤ(その上をカテーテル110及び/又は他の装置が前進及び誘導され得る)、切断ワイヤ、他の治療用装置/材料など)が、例えばカテーテル110を通過して治療部位に至ることを可能にするように選択される(図1の線II-IIに沿った断面図を示す図2によって図示されるような)ルーメン直径LDを有するようにサイズ設定され、かつ、構成される。更に理解され得るように、カテーテル110の外部は、所望の処置が行われる体内通路内に、あるいは体内通路内をナビゲートされる別の管状要素(例えば、シャフト、カテーテル、十二指腸鏡、内視鏡など)内にもフィットするように選択された(図1のII-II線に沿った断面図を示す図2によって図示されるような)外径CDを有する。従って、構成要素を配置するためにカテーテル110の中空壁114内の内部空間114s内に設けられる空間の量は限定的であり、カテーテル110の内部空間114s内に設けられるナビゲーション支援機器は、内部空間114s内にフィットし、適切に配置され、カテーテル110の遠位端113と身体組織若しくは管腔壁との接触を検出するか、又はカテーテル110の遠位端113への別の力の印加を検出するように、適切なサイズ(長さ及び断面の両方)及び形状である。
【0034】
カテーテル110の壁114の内部空間114s内など、カテーテルの壁114内に配置されたセンサ120を利用するナビゲーション支援機器の一例が、図3に概略的に図示されている。センサ120は、以下に更に詳細に説明するように、光学センサ(例えば、光ファイバ)、誘導センサ、コイルセンサ、圧電センサなどのセンサを含むがこれらに限定されない、別の物体にぶつかった際の、センサに印加される圧力、又はセンサとの接触、又はセンサの衝突(このような用語は、本明細書では、限定を意図せずに、相互に及び他の類似用語と互換的に使用される)を検出することができる様々な圧力センサのいずれかであり得る。センサ120は、カテーテル110の遠位端113に対して配置された1つ以上の感圧素子122(図3に概略的に図示される)を含み、例えばカテーテル110の遠位端113の移動又は変形によって引き起こされる、センサ120の相対的な移動又は変形に基づいて信号を生成し得る。いくつかの実施形態では、センサ120は、送達カテーテル110への1~10倍の範囲の力の増加(例えば1~5倍の範囲の力の増加)に反応し、かつ/又は約1~100gの力(例えば1~50gの力)に反応するような高感度センサであるため、カテーテル110の遠位端113への衝突が検出され、(身体組織又は管腔壁の損傷又は穿刺を引き起こす可能性がある)更なる衝突が回避される。圧力センサの代わりに、又は圧力センサに加えて、近接センサ、光センサ、温度センサなどの他のタイプのセンサが使用されてもよいことが理解されよう。
【0035】
以下で更に詳細に説明するいくつかの実施形態では、カテーテル110の遠位端113は可撓性であるため、遠位端113が別の物体又は障害物(例えば、組織壁又は管腔壁)に衝突した場合、遠位端113は移動又は偏向し、そのような移動又は偏向が、センサ120を作動させて、カテーテル110の遠位端113と身体組織(例えば、乳頭)又は管腔壁などの別の物体との衝突又は接触又は遭遇(このような用語は、本明細書では、限定を意図せずに、相互に及び他の類似用語と互換的に使用される)などによって引き起こされる、カテーテル110の遠位端113に対する圧力の検出を示す信号を生成する。互いに対して移動するカテーテルセクション又はセグメントを、近位圧力感知セグメント118及び遠位圧力感知セグメント116と呼ぶことがある。セグメント116、118は「圧力感知」と呼ばれるが、このようなセグメントは圧力の変化を感知することに限定されないことが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、近位圧力感知セグメント118は単にカテーテル110の遠位部分であり、遠位圧力感知セグメント116はカテーテル110の最遠位自由端のキャップ要素で、カテーテル110に無外傷性又は鈍性の端部若しくは先端をもたらす。カテーテル110の壁114の固有の可撓性及び/又は弾力性により、カテーテル110の遠位端113が別の物体(例えば、身体組織、管腔壁など)と衝突したときなどに、センサ120の作動を引き起こすことができ、これにより、カテーテル110の変形がセンサ120の感圧素子122に伝達され、感圧素子122に、カテーテル110の遠位端113が衝突された又はそうでなければ接触されたこと(このような用語は、本明細書では、限定を意図せずに、相互に及び他の類似用語と互換的に使用される)を示す信号を生成させる。カテーテル110の周縁の周りに延びているコイルばねなどの付勢要素130、又は当該技術分野で既知の又は公知の他の付勢要素を設けて、カテーテル110の遠位端113に可撓性及び/又は弾力性を付与して、圧力センサ120を作動させるように機能させてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、近位圧力感知セグメント118及び遠位圧力感知セグメント116は、間隙117によって分離された別個の要素であり、圧力センサ120を作動させるために互いに対して移動可能である。内壁114iは、間隙117を横断して、少なくとも部分的に近位圧力感知セグメント118内に延びていてもよい。付勢要素130は、間隙117内に設けられ、カテーテル110の遠位端113に弾力性をもたらし、かつ/又は、カテーテル110の遠位端113に圧力がかかっていない静止位置又は中立位置であるときには、遠位圧力感知セグメント116と近位圧力感知セグメント118との間の空間を維持し得る。図3に図示されるカテーテル110の遠位端113の例では、遠位圧力感知セグメント116は、近位圧力感知セグメント118に対して(例えば、軸方向に)移動可能に取り付けられ、かつ近位圧力感知セグメント118に対して遠位にある別個の要素であり得る。例えば、遠位圧力感知セグメント116は、近位圧力感知セグメント118を形成するカテーテル本体の遠位端とは別個に形成された移動可能なリング要素又は圧力ヘッドの形態であってもよい。遠位圧力感知セグメント116は、付勢要素130に結合されることなどによって、近位圧力感知セグメント118から分離しないように近位圧力感知セグメント118に対して定位置に保持されてもよい(付勢要素130は、同様に、近位圧力感知セグメント118、又はカテーテル110若しくは送達システムの別の構成要素に結合されることになる)。カテーテル110の外壁114e(例えば、カテーテルジャケット)は、遠位圧力感知セグメント116及び近位圧力感知セグメント118を同様に定位置に保持するように構成され得る。代替的に又は追加的に、遠位圧力感知セグメント116は、別の方法でカテーテル110の本体に結合されてもよい。
【0037】
本開示の一態様によれば、カテーテル110の内部空間114s内など、カテーテル110の周縁又は周囲又は円周(このような用語は、限定を意図せずに本明細書では互換的に使用される)に沿って、圧力センサなどのセンサが設けられ、例えば向上した方向情報を提供して、カテーテル110のナビゲーションを支援する。いくつかの実施形態では、カテーテル110の壁114の周縁に沿って2つ以上のセンサが設けられ、カテーテル壁114への衝突の場所を示す向上した方向情報を医療専門家に提供する。より具体的には、ある所与のセンサ120からのある1つの信号が、障害物に遭遇して接触した、カテーテル110の壁114の周縁の周りの場所を示すように、複数のセンサ120のうちの様々なセンサからの信号がカテーテル110の壁114の周縁に対してマッピングされ得る。いくつかの実施形態では、少なくとも3つ又は4つのセンサ220が、カテーテル210の周縁の周りに設けられる。三次元の方向性(X軸、Y軸、Z軸の情報)を可能にするために、少なくとも3つのセンサが設けられる。4つ以上のセンサ220は、カテーテル110の遠位端113への衝突の場所をより具体的に示すために使用され得る四分円にカテーテル110の周囲を分割することなどによって、X-Y平面に関する付加的な方向情報を提供する。いくつかの実施形態では、センサ120同士は、互いから実質的に等距離に間隔が空いている。いくつかの実施形態では、複数のセンサ120のうちの個々の1つによって生成された信号を使用して、体内管腔壁などの別の要素に接触したカテーテル110の周囲又は円周の周りの特定の場所を示すことができるように、センサ120は、カテーテル110の周縁の周りの特定の場所と相関付けられる。より具体的には、感知要素からの信号は、医療専門家に方向情報を中継するように比較処理されることができ、そのため、医療専門家(又は自動化システム)は、カテーテル110の遠位端113のどの領域が別の物体(例えば、身体組織、管腔壁など)に遭遇したかを判断することができ、それによって、遠位端113を、その物体に更に衝突せず、代わりに治療部位に到達するように移動し続けるようにナビゲート又は操作するための適切な方向を判断することができる。信号は、カテーテル110をナビゲートしている医療専門家に中継されてもよく、そのため、医療専門家(又は自動化システム)は、障害物を通過して治療部位に到達するためにカテーテル110を操作するべき方向を判断又は決定することができる。このような情報はまた、操縦構成要素若しくは機器と関連付けられる又は相関付けられてもよく、関連付けられた又は相関付けられた情報は、医療専門家に中継され、適切な方向にカテーテル110を操縦して障害物を通過し治療部位に到達するように医療専門家を誘導する。
【0038】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサ120によって感知された力は、カテーテル110の内部空間114sを通って、(例えば、適切な配線によって、又は無線手段によって)適切な制御ユニットなどまで近位に伝達され、この制御ユニットは、カテーテル110を制御する医療専門家にとってアクセス可能であり、カテーテル110をナビゲートするのに有用な情報を伝達するためのユーザインターフェース(情報信号を生成する他の構成要素を有する、ディスプレイ又はインターフェースなど)を有する。制御ユニットは、本明細書に記載されるように圧力センサからの信号を処理することが可能な、当該技術分野において既知の又は本明細書において既知の任意の制御ユニットであることができ、好ましくはまた、そのような信号をカテーテル110の周囲の場所に相関付け、カテーテル110をナビゲートする医療専門家又は他の個人又はナビゲーションコントローラ(例えば、コンピュータシステム)にこのような信号を通信することが可能な任意の制御ユニットであり得る。各センサ120からの信号は、処理のために制御ユニットに別々に/個々に送信されてもよい。信号を生成した特定のセンサと、カテーテル110の円周の周りのそのセンサの相対的な場所又は位置とを示すことによって、管腔壁又は組織壁などの障害物とのカテーテル110の衝突の方向を示す情報が、生成され、医療専門家に提供されてもよい。制御ユニットは、信号を生成したセンサ(単数又は複数)の位置を、操縦構成要素と相関付けることができるため、医療専門家は、この情報を使用して、カテーテル110を操縦する方向を決定し、カテーテル110を更なる障害なく、治療部位に到達するように前進させ続けることができる。制御ユニットは、三次元空間内でカテーテルを追跡するための6自由度ナビゲーションセンサなどの更なるナビゲーション補助具を含んでもよい。従って、センサは監視され、カテーテル110の遠位端113が身体組織、管腔壁などに遭遇して接触した位置に関するセンサからの情報に基づいて、身体組織や管腔壁などに損傷を与えることなく、貫通することなく、又はそうでなければそれ以上接触することなく、カテーテル110を、標的領域又は治療部位に向けて操縦することができる。画面上の警告又はより詳細な情報など、様々な警告のいずれかにより、カテーテル110のどの側(単数又は複数)がより高い圧力にさらされたかを示してもよい。
【0039】
理解され得るように、圧力変換器又は圧力伝送器、配線、マウント構造などのナビゲーション支援機器の追加の構成要素は、カテーテル110内の内部空間114s内にフィットするサイズ及び形状でなければならず、また、カテーテル導入システム100を通って近位に延び、カテーテル110の遠位端113から制御ユニットに信号を伝達し、カテーテル110の遠位端113に関する所望の情報を医療専門家に伝達するサイズ及び形状でなければならない。ナビゲーション支援機器(圧力感知構成要素など)の具体的な構造によっては、カテーテル110の編組プロセスにおいて、カテーテル110の壁114の内部空間114sにそれらの構成要素を配置して安定させるための安定化構造を設けてもよい。代替的に又は追加的に、マウントリングなどのマウントを設けて、カテーテル110の壁114の内部空間114s内にナビゲーション支援機器の構成要素を安定させてもよく、及び/又は接着剤及び/又はエポキシなどで空間を充填して、構成要素を定位置に保持してもよい。
【0040】
上述したように、本開示の原理によるナビゲーション支援カテーテルで使用されるセンサは、カテーテル110の遠位端113が別の要素に衝突又は接触したときに感知することができる任意のタイプの圧力センサか、又はナビゲーション目的に使用可能な情報及び/又はフィードバックを提供する他のタイプのセンサであり得る。いくつかの実施形態では、センサ120は、1つ以上の要素の相対的な移動に応答して機能する(例えば、そこに圧力が印加されていることを示す信号を生成する)。例えば、図4A図4B図5A図5B図6A、及び図6Bに図示される実施形態では、カテーテル210は、カテーテル210の壁214内に配置された1つ以上の光ファイバ240の形態のセンサ220を備える。図4A及び図4Bに図示されるように、光ファイバ240の遠位端243は、カテーテル210の遠位端213でカテーテル210の近位圧力感知セグメント218の遠位端まで延びている。光ファイバ240の遠位端243は、近位圧力感知セグメント218と遠位圧力感知セグメント216との間の間隙217の近位端にある。光ファイバ240の遠位端243と遠位圧力感知セグメント216の近位面216pとの間の間隙の変化(例えばカテーテル110の遠位端213及び遠位圧力感知セグメント216が身体組織又は管腔壁に遭遇することによって引き起こされる)は、光ファイバ240からの光が遠位圧力感知セグメント216の近位面216pにぶつかった反射によって生成される干渉パターンの対応する変化に変わる。圧力センサ220は、遠位圧力感知セグメント216の近位面216pに反射した光の波長の変化を測定することなどによって、遠位圧力感知セグメント216に対する圧力を判断することができる。遠位圧力感知セグメント216と近位圧力感知セグメント218の間(カテーテル210の内部空間214s内など)に、カテーテル210の周縁の周りに延びたコイルばねなどの付勢要素230が設けられ、カテーテル210の遠位端213に圧力がかかっていない静止位置又は中立位置であるときには遠位圧力感知セグメント216と近位圧力感知セグメント218の間の空間を維持し、かつ/又はカテーテル210の遠位端213に弾力性を与えてもよい。セグメント216、218は「圧力感知」と呼ばれるが、このようなセグメントは圧力の変化を感知することに限定されないことが理解されるであろう。
【0041】
センサ220のナビゲーション支援能力を向上させるために、図5A及び図5Bに図示されるように、複数のセンサ220をカテーテル210の壁214内に設けてもよい。上述したように、3つ以上のセンサ220を設けることにより、センサ220からの信号が、カテーテル110のナビゲーションを容易にするのに有用な方向情報を生成することができるようになる。方向感度を高めるために、本開示の原理に従って4つ以上のセンサ220が設けられてもよい。センサ220は、図4A及び図4Bの実施形態におけるように、光ファイバ240であってもよい。
【0042】
図6A及び図6Bに図示されるようないくつかの実施形態では、カメラ250が、センサ220に加えて、又はセンサ220の代わりに、ナビゲーション支援機器として設けられてもよい。本開示の原理によれば、カメラ250は、カテーテル210の作業チャネル212を通過する代わりに、カテーテル210の壁214の内部空間214s内に設けられ得る。このように、治療部位に到達してから治療を行う直接的な視覚化だけでなく、ナビゲーション目的の視覚化が、カテーテル210の作業チャネル212内の貴重なスペースをカメラで占有することなく、カメラを用いて達成され得る(作業チャネル212内の作業ツールにより多くのスペースを確保できる)。更に、カテーテル210の壁214内にカメラ250を配置することで、身体を通るナビゲーション中に、及び他の作業ツール又は他の構成要素がカテーテル210の作業チャネル212を通過するときに、より確実で安定したカメラ250の配置がもたらされるが、これは、カメラ250が、移動されることから、又はそうでなければ他の作業ツール若しくは他の構成要素と係合又は相互作用することから、隔離され若しくは遮蔽され、又はそうでなければ保護され、かつ、カテーテル210にぶつかって安定され得るためである。図6A及び図6Bに図示される実施形態は、カメラ250並びにセンサ220を示しているが、追加のセンサを伴わないカメラ250のみを設けることで、本開示の原理に従って、所望のナビゲーション支援を提供することができることを理解されたい。センサ220は、図4A及び図4Bの実施形態におけるように、光ファイバ240であってもよい。
【0043】
上述したように、図1A及び図1Bに概略的に図示されるように、本開示の原理に従ってカテーテル110内で使用されるセンサ120は、カテーテル110の壁内などの小さな空間での使用に好適な、また体内をナビゲートする際のような高感度感知能力に好適な、圧力センサなどの任意のセンサであってもよい。カテーテル110の可撓性及び/又は弾力性のある遠位端113の壁114内に配置され得るセンサ120の別の例は、図7A及び図7Bに図示されるように、誘導圧力センサ320である。図4A図4B図5A図5B図6A、及び図6Bの実施形態と同様に、1つ以上の誘導圧力センサ320は、力の方向性の判断を容易にするために、カテーテル310の壁314の周縁の周りに分散されていてもよい。誘導圧力センサ320は、典型的には、カテーテル510の遠位端513内に配置されたコイル要素324及び誘導ロッド要素326を含み、カテーテル310の遠位端313にかかる圧力を検出する。例えば、図7A及び図7Bの実施形態において、カテーテル310の遠位端313が別の物体に遭遇して衝突した結果など、カテーテル310の遠位端313の移動は、(この実施形態では、付勢要素310の付勢力に抗して)近位圧力感知セグメント318に対する遠位圧力感知セグメント316の相対移動をもたらし、コイル要素324に対する誘導ロッド要素326の移動を起こして信号を生成する。例えば、誘導ロッド要素326は、コイル要素324から遠位に延びていてもよく、遠位圧力感知セグメント316の移動に応答して、又はその移動とともに(例えば、遠位圧力感知セグメント316の近位面316pとの接触時に)移動し、それによってコイル要素324に対して移動し、カテーテル310の遠位端313への力を示す信号を生成してもよい。
【0044】
本開示の原理によるカテーテル110において使用され得る更に別のタイプのセンサ120は、図8A及び図8Bの実施形態に図示されるような圧電センサ420である。当技術分野で知られているように、圧電材料は、力が印加されると変形し、そのような力を示す電気信号を生成する。カテーテル410の遠位端413への衝突は、圧電センサ420に力を伝達する。いくつかの実施形態では、衝撃は、圧電センサ420への直接的な衝突であってもよく、圧電センサ420の変形を引き起こして信号を生成する。他の実施形態では、衝突は、近位圧力感知セグメント418に対して任意選択で別個に移動可能な遠位圧力感知セグメント416の(例えば、本明細書に開示される他の実施形態を参照して上述したように、遠位圧力感知セグメントと近位圧力感知セグメント418との間の付勢要素430を介する)相対移動の結果として生じ、カテーテル410の遠位端413が別の物体に衝突したことを示す信号を生成する。図4A図4B図5A図5B図6A図6B図7A、及び図7Bの上述の実施形態と同様に、カテーテル410の壁414の周囲に2つ以上の圧電センサ420が設けられ、力の方向性の判断を容易にし、また、このような情報を使用してカテーテル410のナビゲーションを容易にしてもよい。理解され得るように、圧電センサ420は、複数の異なる方向からの接触によって作動され得る。このように、圧電センサ420は、カテーテル410の周囲に沿った位置に対する所与の作動圧電センサ420の位置に基づくだけでなく、所与の作動圧電センサ420に印加される力の方向に基づいて、図8A及び図8Bのカテーテル410に方向性圧力感知能力をもたらし得る。
【0045】
カテーテル110の遠位端113への圧力を検出するように軸方向に延びたセンサ120の代わりに、複数のセンサ120が、図9A及び図9Bに図示される実施形態に示されるように、カテーテル510の遠位端513を横切って半径方向に延びていてもよい。半径方向に延びたセンサ520は、図示されるように、中間要素(例えば、付勢要素130)を介してセンサ520に力が伝達されることなく、カテーテル510の遠位圧力感知セグメント516内のカテーテル510の遠位端513に配置されてもよい。しかしながら、近位圧力感知セグメント518が、その内部に取り付けられた半径方向に延びているセンサ520を備えてもよく、付勢要素などの中間要素が、力増幅目的のために設けられてもよいことを理解されたい。センサ520のうちの1つが別の物体に接触すると(例えば、カテーテル510を移動させて、組織壁又は管腔壁などの障害物にぶつかると)、センサ520は、変形するか、又はそうでなければ作動されて、そこへの衝突を示す信号を生成する。センサ520の半径方向の方向付けにより、カテーテル510の遠位端513への衝突の方向情報又は場所に対して、より高い感度を提供し得る。カテーテル510の壁514の内部空間514s内にフィットすることができ、内部空間514sへの力(例えば、衝撃力又は曲げ力)に対して十分な感度を有する、圧電センサ及び/又は歪ゲージなどの任意のセンサを使用してもよい。
【0046】
本議論は、実施形態の例示的な例の説明のみであり、本開示のより広い態様を限定することを意図していないことは、当業者は理解されたい。前述の開示は、カテーテルの可撓性を有する(例えば、圧力感知)先端について説明しているが、本明細書に説明される原理は、その内部を通るルーメンを有する他の装置に適用されてもよいことを理解されたい。本開示の実施形態は、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)処置中に総胆管(CBD)又は膵管(PD)を選択的にカニュレーションするための医療装置及びシステム(例えば、十二指腸鏡を通して挿入される内視鏡付属器具及び/又はガイドワイヤなど)と共に使用するように構成され得る。しかしながら、本開示の実施形態はまた、例えば、インターベンショナルラジオロジー処置、バルーン血管形成術処置、血栓溶解処置、血管造影処置、肺処置などを含む、管、管腔、又は脈管構造を通して1つ以上の付属器具をナビゲートする必要がある種々の他の医療処置においても使用され得ることを理解されたい。本開示の医療装置は、十二指腸鏡などの特定の種類の内視鏡に限定されず、例えば、カテーテル、十二指腸鏡、尿管鏡、気管支鏡、結腸鏡、関節鏡、膀胱鏡、子宮鏡などの、身体の通路にアクセスするための種々の医療装置を含んでもよい。更に、開示される医療装置及びシステムは、複数の異なるアクセスポイント及びアプローチを介して、例えば、経皮、内視鏡、腹腔鏡、又はそれらのいくつかの組み合わせを介して、挿入され得る。
【0047】
前述の議論は、広範な用途を有し、例示及び説明のために提示されており、本明細書に開示される1つ以上の形態に本開示を限定することを意図していない。本開示の概念、趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に開示される実施形態に様々な追加、修正及び置換が施され得ることが理解されるであろう。特に、本開示の原理が、その概念、趣旨、範囲又は特性から逸脱することなく、他の形態、構造、配置、比率で、また他の要素、材料及び構成要素によって具現化され得ることは、当業者にとって明らかであろう。例えば、本開示の様々な特徴は、本開示を円滑にするために、1つ以上の態様、実施形態又は構成に一緒に纏められる。しかし、本開示の特定の態様、実施形態又は構成の様々な特徴が、代替的な態様、実施形態又は構成に組み合わされ得ることを理解されたい。本開示は、実施形態に関して提示されるが、本主題の様々な別個の特徴は、本主題又はそのような個々の特徴の所望の特性及び/又は恩恵のうちの少なくともいくつかを達成するために、全てが存在する必要はないことを理解されたい。当業者は、本開示が、本開示の原理、趣旨又は範囲から逸脱することなく、特定の環境及び動作要件に特に適合された、多くの修正又は本開示の実践に際して使用される構造、配置、比率、材料、構成要素その他の修正とともに使用され得ることを理解するであろう。例えば、一体的に形成されるとして示された要素が、複数の部品で構成されてもよく、又は複数の部品として示された要素が、一体的に形成されてもよく、要素の動作が、逆にされてもよく、そうでなければ変更されてもよく、要素のサイズ又は寸法が変更されてもよい。同様に、動作、アクション又は工程が特定の順序で説明されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような特定の順序を必要とする、又は全ての動作、アクション若しくは工程が行われるべきであると理解されるべきではない。加えて、他の実装形態が、以下の特許請求の範囲内にある。場合によっては、特許請求の範囲に記載されたアクションは、異なる順序で行うことができ、それでも望ましい結果を達成することができる。従って、現在開示される実施形態は、全ての点で例示であって、限定ではないと見なされるべきであり、特許請求される主題の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示され、前述の説明、又は本明細書で説明若しくは図示される特定の実施形態若しくは構成に限定されない。前述の事項をふまえて、任意の実施形態の個々の特徴が、別個に、又はその実施形態若しくは任意の他の実施形態の特徴と組み合わせて使用されてもよく、また特許請求されることができ、主題の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示され、前述の説明に限定されない。
【0048】
前述の説明及び以下の特許請求の範囲では、以下の事項が理解されるであろう。本明細書で使用する場合、「少なくとも1つの」、「1つ以上の」及び「及び/又は」の文言は、接続的及び離接的の両方としてはたらくオープンエンドの表現である。「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、「第1の」、「第2の」などの用語は、複数を除外しない。例えば、用語「1つの(a)」又は「1つの(an)」の実体は、本明細書で使用する場合、1つ以上のその実体を指す。従って、用語「1つの(a)」(又は「1つの(an)」)、「1つ以上の」及び「少なくとも1つの」は、本明細書では互換的に使用することができる。方向に関する全ての言及(例えば、近位、遠位、上側、下側、上向き、下向き、左、右、横、長手、前、後、頂部、底部、上、下、垂直、水平、半径方向、軸方向、時計回り、反時計回り等)は、読者による本開示の理解を助けるために識別目的でのみ使用され、並びに/あるいは、関連し合う要素の領域を互いに区別する役割を果たし、特に本開示の位置、向き又は使用に関して、関連する要素を限定しない。接続に関する言及(例えば、取り付けられる、結合される、接続される、及び接合される)は、広義に解釈されるべきであり、別様の指摘がない限り、要素の集合間の中間部材及び要素間の相対移動を含み得る。従って、接続に関する言及は、2つの要素が直接接続され、互いに固定された関係にあることを必ずしも暗示しない。識別に関する言及(例えば、一次、二次、第1の、第2の、第3の、第4の等)は、重要性又は優先度を暗示することを意図せず、1つの特徴を別の特徴から区別するために使用される。以下の特許請求の範囲は、この「発明を実施するための形態」に参照によって組み込まれ、各請求項は、それ自体が本開示の別個の実施形態として独立している。特許請求の範囲における参照符号は、明確にする例として単に提供されており、いかなる方法でも特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0049】
以下の特許請求の範囲は、この「発明を実施するための形態」に参照によって組み込まれ、各請求項は、それ自体が本開示の別個の実施形態として独立している。特許請求の範囲では、「備える又はからなる/備えている又はからなる(comprises)/(comprising)」という用語は、他の要素又はステップの存在を除外しない。加えて、個々の特徴が異なる請求項に含まれることがあるが、これらは、場合によっては有利に組み合わされてもよく、異なる請求項に含まれることは、特徴の組み合わせが実現可能でないこと、及び/又は有利でないことを暗示しない。加えて、単数の参照は、複数を除外しない。「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、「第1の」、「第2の」などの用語は、複数を除外しない。特許請求の範囲における参照符号は、明確にする例として単に提供されており、いかなる方法でも特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
【国際調査報告】