(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-02
(54)【発明の名称】駆動アセンブリ
(51)【国際特許分類】
B21D 51/26 20060101AFI20230925BHJP
【FI】
B21D51/26 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516687
(86)(22)【出願日】2021-09-14
(85)【翻訳文提出日】2023-05-09
(86)【国際出願番号】 US2021050190
(87)【国際公開番号】W WO2022060697
(87)【国際公開日】2022-03-24
(32)【優先日】2020-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505257497
【氏名又は名称】ストール マシーナリ カンパニー,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Stolle Machinery Company,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】弁理士法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーサー,リチャード ジェイムス エドワード
(72)【発明者】
【氏名】スコーリー,イアン ケネス
(72)【発明者】
【氏名】バウアー,ラッセル
(72)【発明者】
【氏名】ジャンセン,ダニエル エー.
(57)【要約】
【解決手段】フレームアセンブリと複数の処理ステーションを有するネッカーマシン用駆動アセンブリは、複数の駆動サブモジュールを含む。各駆動サブモジュールは、一次入力シャフトと、一次入力シャフトに動作可能に結合された第1の一次出力シャフトと、一次入力シャフトに動作可能に結合された第2の一次出力シャフトとを含む。第1の駆動サブモジュールについて、一次入力シャフトは、主駆動アセンブリモータに動作可能に結合されて駆動され、第1の一次出力シャフトは、第1の処理ステーションの関連する第1の駆動シャフトに動作可能に結合されて駆動する。第2の駆動サブモジュールについて、一次入力シャフトは、第1の駆動サブモジュールの第2の一次出力シャフトに動作可能に結合されて駆動され、第1の一次出力シャフトは、第2の処理ステーションの関連する第1の駆動シャフトに動作可能に結合されて駆動する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームアセンブリと複数の処理ステーションとを有するネッカーマシン用の駆動アセンブリであって、
各処理ステーションは幾つかの駆動シャフトを有しており、
前記駆動アセンブリは複数の一次駆動サブモジュールを備えており、各一次駆動サブモジュールは、
一次入力シャフトと、
一次入力シャフトに動作可能に結合された第1の一次出力シャフトと、
一次入力シャフトに動作可能に結合された第2の一次出力シャフトと、
を備えており、
前記複数の一次駆動サブモジュールのうちの第1の一次駆動サブモジュールについて、
一次入力シャフトは、主駆動アセンブリモータに動作可能に結合されて駆動されるように構成されており、
第1の一次出力シャフトは、前記複数の処理ステーションのうちの第1の処理ステーションの幾つかの駆動シャフトのうちの関連する第1の駆動シャフトに動作可能に結合されて駆動するように構成されており、
前記複数の一次駆動サブモジュールのうちの第2の一次駆動サブモジュールについて、
一次入力シャフトは、第1の一次駆動サブモジュールの第2の一次出力シャフトに動作可能に結合されて駆動され、
第1の一次出力シャフトは、前記複数の処理ステーションのうちの第2の処理ステーションの幾つかの駆動シャフトのうちの関連する第1の駆動シャフトに動作可能に結合されて駆動するように構成されている、駆動アセンブリ。
【請求項2】
前記複数の一次駆動モジュールは、少なくとも3つの一次駆動サブモジュールを含んでおり、
前記複数の一次駆動サブモジュールのうちの第3の一次駆動サブモジュールについて、
一次入力シャフトは、第2の一次駆動サブモジュールの第2の一次出力シャフトに動作可能に結合されて駆動され、
第1の一次出力シャフトは、前記複数の処理ステーションのうちの第3の処理ステーションの幾つかの駆動シャフトのうちの一つの駆動シャフトに動作可能に結合されて駆動するように構成されている、請求項1に記載の駆動アセンブリ。
【請求項3】
各一次駆動サブモジュールについて、第1の一次出力シャフトは、一次直角ギアボックスを介して一次入力シャフトに動作可能に結合される、請求項1に記載の駆動アセンブリ。
【請求項4】
少なくとも1つの一次駆動サブモジュールは、第1の一次出力シャフトを関連する第1の駆動シャフトに選択的に動作可能に結合するように構成された一次クラッチユニットを含んでおり、一次クラッチユニットは、第1の一次出力シャフトが関連する第1の駆動シャフトに動作可能に結合して駆動する第1の状態と、第1の一次出力シャフトが関連する第1の駆動シャフトから外れて駆動することができない第2の状態との間で選択的に動くことができる、請求項1に記載の駆動アセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの一次駆動サブモジュールは、第1の一次出力シャフトと関連する第1の駆動シャフトの相対的回転位置を感知して表示するように構成された位置感知システムを更に含む、請求項4に記載の駆動アセンブリ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの一次駆動サブモジュールは、一次入力シャフト、第1の一次出力シャフト、又は第2の一次出力シャフトのうちの少なくとも1つを選択的に制動するように構成された一次ブレーキユニットを更に含む、請求項4に記載の駆動アセンブリ。
【請求項7】
複数の二次駆動サブモジュールを更に備えており、各二次駆動サブモジュールは、
二次入力シャフトと、
二次入力シャフトに動作可能に結合された第1の二次出力シャフトと、
二次入力シャフトに動作可能に結合された第2の二次出力シャフトと、
を備えており、
前記複数の二次駆動サブモジュールのうちの第1の二次駆動サブモジュールについて、
二次入力シャフトは、主駆動アセンブリモータに動作可能に結合されて駆動されるように構成されており、
第1の二次出力シャフトは、第1の処理ステーションの幾つかの駆動シャフトのうちの第2の駆動シャフトに動作可能に結合されて駆動するように構成されており、
前記複数の二次駆動サブモジュールのうちの第2の二次駆動サブモジュールについて、
二次入力シャフトは、第1の二次駆動サブモジュールの第2の二次出力シャフトに動作可能に結合されて駆動され、
第1の二次出力シャフトは、第2の処理ステーションの幾つかの駆動シャフトのうちの第2の駆動シャフトに動作可能に結合されて駆動するように構成されている、請求項1に記載の駆動アセンブリ。
【請求項8】
主入力シャフトと、主入力シャフトに動作可能に結合された第1の主出力シャフトと、主入力シャフトに動作可能に結合された第2の主出力シャフトとを有する主ギアボックスを更に備えており、
主ギアボックスの主入力シャフトは、主駆動アセンブリモータに動作可能に結合されて駆動されるように構成されており、
第1の一次駆動サブモジュールの一次入力シャフトは、主ギアボックスの第1の主出力シャフトに動作可能に結合されて駆動され、
第1の二次駆動サブモジュールの二次入力シャフトは、主ギアボックスの第2の主出力シャフトに動作可能に結合されて駆動される、請求項7に記載の駆動アセンブリ。
【請求項9】
前記複数の二次駆動モジュールは、少なくとも3つの二次駆動サブモジュールを含んでおり、
前記複数の二次駆動サブモジュールのうちの第3の二次駆動サブモジュールについて、
二次入力シャフトは、第2の二次駆動サブモジュールの第2の二次出力シャフトに動作可能に結合されて駆動され、
第1の二次出力シャフトは、前記複数の処理ステーションのうちの第3の処理ステーションの幾つかの駆動シャフトのうちの第2の駆動シャフトに動作可能に結合されて駆動するように構成されている、請求項7に記載の駆動アセンブリ。
【請求項10】
各二次駆動サブモジュールについて、第1の二次出力シャフトは、二次直角ギアボックスを介して二次入力シャフトに動作可能に結合される、請求項7に記載の駆動アセンブリ。
【請求項11】
各二次駆動サブモジュールについて、第1の二次出力シャフトは、二次クラッチユニットを介して二次入力シャフトに選択的に動作可能に結合され、二次クラッチユニットは、第1の二次出力シャフトが二次入力シャフトに動作可能に結合されて駆動される第1の状態と、第1の二次出力シャフトが二次入力シャフトから外れて駆動されない第2の状態との間で選択的に動くことができる、請求項7に記載の駆動アセンブリ。
【請求項12】
各二次駆動サブモジュールについて、第2の二次出力シャフトは、二次ブレーキユニットを介して二次入力シャフトに選択的に動作可能に結合される、請求項11に記載の駆動アセンブリ。
【請求項13】
主駆動アセンブリモータは、主ギアボックスの主入力シャフトに動作可能に結合されており、
第2の一次駆動サブモジュールの第2の一次出力シャフトに動作可能に結合された一次モータと、
第2の二次駆動サブモジュールの第2の二次出力シャフトに動作可能に結合された二次モータと、
を更に備える、請求項8に記載の駆動アセンブリ。
【請求項14】
ネッカーマシンであって、
フレームアセンブリと、
各処理ステーションは幾つかの駆動シャフトを有する複数の処理ステーションと、
駆動アセンブリと、
を備えており、
前記駆動アセンブリは複数の一次駆動サブモジュールを備えており、各一次駆動サブモジュールは、
一次入力シャフトと、
一次入力シャフトに動作可能に結合された第1の一次出力シャフトと、
一次入力シャフトに動作可能に結合された第2の一次出力シャフトと、
を備えており、
前記複数の一次駆動サブモジュールのうちの第1の一次駆動サブモジュールについて、
一次入力シャフトは、主駆動アセンブリモータに動作可能に結合されて駆動されるように構成されており、
第1の一次出力シャフトは、前記複数の処理ステーションのうちの第1の処理ステーションの幾つかの駆動シャフトのうちの第1の駆動シャフトに動作可能に結合されて駆動し、
前記複数の一次駆動サブモジュールのうちの第2の一次駆動サブモジュールについて、
一次入力シャフトは、第1の一次駆動サブモジュールの第2の一次出力シャフトに動作可能に結合されて駆動され、
第1の一次出力シャフトは、前記複数の処理ステーションのうちの第2の処理ステーションの幾つかの駆動シャフトのうちの第1の駆動シャフトに動作可能に結合されて駆動する、ネッカーマシン。
【請求項15】
前記駆動アセンブリは更に、複数の二次駆動サブモジュールを備えており、
各二次駆動サブモジュールは、
二次入力シャフトと、
二次入力シャフトに動作可能に結合されて駆動される第1の二次出力シャフトと、
二次入力シャフトに動作可能に結合されて駆動される第2の二次出力シャフトと、
を備えており、
前記複数の二次駆動サブモジュールのうちの第1の二次駆動サブモジュールについて、
二次入力シャフトは、主駆動アセンブリモータに動作可能に結合されて駆動されるように構成されており、
第1の二次出力シャフトは、第1の処理ステーションの幾つかの駆動シャフトのうちの第2の駆動シャフトに動作可能に結合されて駆動し、
前記複数の二次駆動サブモジュールのうちの第2の二次駆動サブモジュールについて、
二次入力シャフトは、第1の二次駆動サブモジュールの第2の二次出力シャフトに動作可能に結合されて駆動され、
第1の二次出力シャフトは、第2の処理ステーションの幾つかの駆動シャフトのうちの第2の駆動シャフトに動作可能に結合されて駆動する、請求項14に記載のネッカーマシン。
【請求項16】
主入力シャフトと、主入力シャフトに動作可能に結合された第1の主出力シャフトと、主入力シャフトに動作可能に結合された第2の主出力シャフトとを有する主ギアボックスを更に備えており、
主ギアボックスの主入力シャフトは、主駆動アセンブリモータに動作可能に結合されて駆動されるように構成されており、
第1の一次駆動サブモジュールの主入力シャフトは、主ギアボックスの第1の主出力シャフトに動作可能に結合されて駆動され、
第1の二次駆動サブモジュールの二次入力シャフトは、主ギアボックスの第2の主出力シャフトに動作可能に結合されて駆動される、請求項15に記載のネッカーマシン。
【請求項17】
主駆動アセンブリモータは、主ギアボックスの主入力シャフトに動作可能に結合されて駆動されるように構成されており、
第2の一次駆動サブモジュールの第2の一次出力シャフトに動作可能に結合された一次モータと、
第2の二次駆動サブモジュールの第2の二次出力シャフトに動作可能に結合された二次モータと、
を更に備える、請求項16に記載のネッカーマシン。
【請求項18】
第1の処理ステーションの第1の駆動シャフトは、第1の処理ステーションの処理装置を駆動し、
第1の処理ステーションの第2の駆動シャフトは、第1の処理ステーションの搬送装置を駆動し、
第2の処理ステーションの第1の駆動シャフトは、第2の処理ステーションのネッキング装置を駆動し、
第2の処理ステーションの第2の駆動シャフトは、第2の処理ステーションの搬送装置を駆動する、請求項15に記載のネッカーマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示されて特許請求の範囲に記載される概念は、駆動アセンブリに関しており、より詳細には、ネッカーマシン用の駆動アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
缶ボディは通常、ボディメーカーで作られる。即ち、ボディメーカーは、限定ではないが円盤又はカップなどのブランクを伸ばされた缶ボディへと成形する。缶ボディは、ベースと付随する側壁とを含む。側壁は、ベースの反対側にある端部で開放している。ボディメーカーは通常、ラム/パンチを含んでおり、ラム/パンチは、缶ボディを作るために複数のダイを通るようにブランクを移動させる。缶ボディは、限定ではないが、トリミング、洗浄、印刷、フランジング、及び検査などの更なる処理のためにラム/パンチから排出されて、パレットに配置され、そのパレットはその後、充填機に送られる。充填機において、缶は、パレットから取り外され、充填され、それらの上に缶エンドを置かれ、そして、典型的には、消費者に販売するために様々な数量(例えば、6パック、12パック、又は他のマルチ缶ケースなど)で再梱包される。
【0003】
缶ボディには、ボディメーカーで成形された後に更にネッカーマシンで成形されるものがある。ネッカーマシンは、缶ボディ側壁の一部、即ち、側壁の開放端の断面積を減少させるように構成されている。即ち、缶エンドを缶ボディに結合する前に、缶ボディ側壁の開口端の直径/半径は、缶ボディ側壁の他の部分の直径/半径に対して低減される。ネッカーマシンは、直列に配置された幾つかの処理及び/又は成形ステーションを含む。即ち、処理ステーション及び/又は成形ステーションは、互いに隣接して配置されており、搬送アセンブリは、隣接する処理ステーション及び/又は成形ステーション間で缶ボディを移動させる。缶ボディは、処理ステーション及び/又は成形ステーションを通って移動すると処理又は成形される。ネッカーマシンにおいて処理ステーション及び/又は成形ステーションの数を増やすことは望ましくない。即ち、処理ステーション及び/又は成形ステーションの数を最小限にする一方で、所望の成形を達成することが望ましい。
【0004】
ネッカーマシン用の現在の駆動アセンブリは通常、歯車を潤滑するためにオイルバスを実装している。このような構成は、修理と一般的なメンテナンスとについて問題がある。何故ならば、全ての成形ステーション用の歯車列全体が、何かがなされる必要がある場合には大抵、油抜き及び再シールされなければならないからである。このような駆動アセンブリに使用される歯車は、動作中に大量の力及びトルクを伝達しなければならず、故に、大型の鋼製歯車となる。このような問題に対処するために、歯車の一部又は全てに複合材料を使用して、ほとんど潤滑を行わないようにするような別の技術が採用されている。しかしながら、そのような歯車は一般的に更に大きく、発熱も大きい。潤滑不足と大きな発熱とは、複合材料の急速な劣化を招いて機器の性能を著しく低下させる。
【発明の概要】
【0005】
当該技術分野におけるこのような及びその他の欠点は、開示された概念の少なくとも一実施形態によって対処され、当該実施形態は、フレームアセンブリと、各処理ステーションが幾つかの駆動シャフトを有する複数の処理ステーションとを有するネッカーマシン用の駆動アセンブリを提供する。駆動アセンブリは複数の一次駆動サブモジュールを備えており、各一次駆動サブモジュールは、一次入力シャフトと、一次入力シャフトに動作可能に結合された第1の一次出力シャフトと、一次入力シャフトに動作可能に結合された第2の一次出力シャフトとを備えており、複数の一次駆動サブモジュールの第1の一次駆動サブモジュールについて、一次入力シャフトは、主駆動アセンブリモータに動作可能に結合されて駆動されるように構成されており、第1の一次出力シャフトは、複数の処理ステーションのうちの第1の処理ステーションの幾つかの駆動シャフトのうちの関連する第1の駆動シャフトに動作可能に結合されて駆動するように構成されており、複数の一次駆動サブモジュールのうちの第2の一次駆動サブモジュールについて、一次入力シャフトは、第1の一次駆動サブモジュールの第2の一次出力シャフトに動作可能に結合されて駆動され、第1の一次出力シャフトは、複数の処理ステーションのうちの第2の処理ステーションの幾つかの駆動シャフトのうちの関連する第1の駆動シャフトに動作可能に結合されて駆動するように構成されている。
【0006】
複数の一次駆動モジュールは、少なくとも3つの一次駆動サブモジュールを含んでよく、複数の一次駆動サブモジュールのうちの第3の一次駆動サブモジュールについて、一次入力シャフトは、第2の一次駆動サブモジュールの第2の一次出力シャフトに動作可能に結合されて駆動されてよく、第1の一次出力シャフトは、複数の処理ステーションのうちの第3の処理ステーションの幾つかの駆動シャフトのうちの一つの駆動シャフトに動作可能に結合されて駆動するように構成されてよい。
【0007】
各一次駆動サブモジュールについて、第1の一次出力シャフトは、一次直角ギアボックスを介して一次入力シャフトに動作可能に結合されてよい。
【0008】
少なくとも1つの一次駆動サブモジュールは、第1の一次出力シャフトを関連する第1の駆動シャフトに選択的に動作可能に結合するように構成された一次クラッチユニットを含んでよく、一次クラッチユニットは、第1の一次出力シャフトが関連する第1の駆動シャフトに動作可能に結合して駆動する第1の状態と、第1の一次出力シャフトが関連する第1の駆動シャフトから外れて駆動することができない第2の状態との間で選択的に動くことができてよい。
【0009】
少なくとも1つの一次駆動サブモジュールは、第1の一次出力シャフトと関連する第1の駆動シャフトの相対的回転位置を感知して表示するように構成された位置感知システムを更に含んでよい。
【0010】
少なくとも1つの一次駆動サブモジュールは、一次入力シャフト、第1の一次出力シャフト、又は第2の一次出力シャフトのうちの少なくとも1つを選択的に制動するように構成された一次ブレーキユニットを更に含んでよい。
【0011】
駆動アセンブリは、複数の二次駆動サブモジュールを更に備えてよく、各二次駆動サブモジュールは、二次入力シャフトと、二次入力シャフトに動作可能に結合された第1の二次出力シャフトと、二次入力シャフトに動作可能に結合された第2の二次出力シャフトとを備えており、複数の二次駆動サブモジュールのうちの第1の二次駆動サブモジュールについて、二次入力シャフトは、主駆動アセンブリモータに動作可能に結合されて駆動されるように構成されており、第1の二次出力シャフトは、第1の処理ステーションの幾つかの駆動シャフトのうちの第2の駆動シャフトに動作可能に結合されて駆動するように構成されており、複数の二次駆動サブモジュールのうちの第2の二次駆動サブモジュールについて、二次入力シャフトは、第1の二次駆動サブモジュールの第2の二次出力シャフトに動作可能に結合されて駆動され、第1の二次出力シャフトは、第2の処理ステーションの幾つかの駆動シャフトのうちの第2の駆動シャフトに動作可能に結合されて駆動するように構成されている。
【0012】
駆動アセンブリは、主入力シャフトと、主入力シャフトに動作可能に結合された第1の主出力シャフトと、主入力シャフトに動作可能に結合された第2の主出力シャフトとを有する主ギアボックスを更に備えてよく、主ギアボックスの主入力シャフトは、主駆動アセンブリモータに動作可能に結合されて駆動されるように構成されており、第1の一次駆動サブモジュールの一次入力シャフトは、主ギアボックスの第1の主出力シャフトに動作可能に結合されて駆動され、第1の二次駆動サブモジュールの二次入力シャフトは、主ギアボックスの第2の主出力シャフトに動作可能に結合されて駆動される。
【0013】
複数の二次駆動モジュールは、少なくとも3つの二次駆動サブモジュールを含んでおり、複数の二次駆動サブモジュールのうちの第3の二次駆動サブモジュールについて、二次入力シャフトは、第2の二次駆動サブモジュールの第2の二次出力シャフトに動作可能に結合されて駆動され、第1の二次出力シャフトは、複数の処理ステーションのうちの第3の処理ステーションの幾つかの駆動シャフトのうちの第2の駆動シャフトに動作可能に結合されて駆動するように構成されている。
【0014】
各二次駆動サブモジュールについて、第1の二次出力シャフトは、二次直角ギアボックスを介して二次入力シャフトに動作可能に結合されてよい。
【0015】
各二次駆動サブモジュールについて、第1の二次出力シャフトは、二次クラッチユニットを介して二次入力シャフトに選択的に動作可能に結合されてよく、二次クラッチユニットは、第1の二次出力シャフトが二次入力シャフトに動作可能に結合されて駆動される第1の状態と、第1の二次出力シャフトが二次入力シャフトから外れて駆動されない第2の状態との間で選択的に動くことができてよい。
【0016】
各二次駆動サブモジュールについて、第2の二次出力シャフトは、二次ブレーキユニットを介して二次入力シャフトに選択的に動作可能に結合されてよい。
【0017】
主駆動アセンブリモータは、主ギアボックスの主入力シャフトに動作可能に結合されてよく、駆動アセンブリは、第2の一次駆動サブモジュールの第2の一次出力シャフトに動作可能に結合された一次モータと、第2の二次駆動サブモジュールの第2の二次出力シャフトに動作可能に結合された二次モータとを更に備えてよい。
【0018】
開示された概念の別の実施形態として、ネッカーマシンは、フレームアセンブリと、各処理ステーションは幾つかの駆動シャフトを有する複数の処理ステーションと、駆動アセンブリとを備えており、駆動アセンブリは複数の一次駆動サブモジュールを備えており、各一次駆動サブモジュールは、一次入力シャフトと、一次入力シャフトに動作可能に結合された第1の一次出力シャフトと、一次入力シャフトに動作可能に結合された第2の一次出力シャフトとを備えており、複数の一次駆動サブモジュールのうちの第1の一次駆動サブモジュールについて、一次入力シャフトは、主駆動アセンブリモータに動作可能に結合されて駆動されるように構成されており、第1の一次出力シャフトは、前記複数の処理ステーションのうちの第1の処理ステーションの幾つかの駆動シャフトのうちの第1の駆動シャフトに動作可能に結合されて駆動し、複数の一次駆動サブモジュールのうちの第2の一次駆動サブモジュールについて、一次入力シャフトは、第1の一次駆動サブモジュールの第2の一次出力シャフトに動作可能に結合されて駆動され、第1の一次出力シャフトは、前記複数の処理ステーションのうちの第2の処理ステーションの幾つかの駆動シャフトのうちの第1の駆動シャフトに動作可能に結合されて駆動する。
【0019】
駆動アセンブリは更に、複数の二次駆動サブモジュールを備えてよく、各二次駆動サブモジュールは、二次入力シャフトと、二次入力シャフトに動作可能に結合されて駆動される第1の二次出力シャフトと、二次入力シャフトに動作可能に結合されて駆動される第2の二次出力シャフトとを備えており、複数の二次駆動サブモジュールのうちの第1の二次駆動サブモジュールについて、二次入力シャフトは、主駆動アセンブリモータに動作可能に結合されて駆動されるように構成されており、第1の二次出力シャフトは、第1の処理ステーションの幾つかの駆動シャフトのうちの第2の駆動シャフトに動作可能に結合されて駆動し、複数の二次駆動サブモジュールのうちの第2の二次駆動サブモジュールについて、二次入力シャフトは、第1の二次駆動サブモジュールの第2の二次出力シャフトに動作可能に結合されて駆動され、第1の二次出力シャフトは、第2の処理ステーションの幾つかの駆動シャフトのうちの第2の駆動シャフトに動作可能に結合されて駆動する。
【0020】
ネッカーマシンは、主入力シャフトと、主入力シャフトに動作可能に結合された第1の主出力シャフトと、主入力シャフトに動作可能に結合された第2の主出力シャフトとを有する主ギアボックスを更に備えてよく、主ギアボックスの主入力シャフトは、主駆動アセンブリモータに動作可能に結合されて駆動されるように構成されており、第1の一次駆動サブモジュールの主入力シャフトは、主ギアボックスの第1の主出力シャフトに動作可能に結合されて駆動され、第1の二次駆動サブモジュールの二次入力シャフトは、主ギアボックスの第2の主出力シャフトに動作可能に結合されて駆動される。
【0021】
主駆動アセンブリモータは、主ギアボックスの主入力シャフトに動作可能に結合されて駆動されるように構成されてよく、ネッカーマシンは、第2の一次駆動サブモジュールの第2の一次出力シャフトに動作可能に結合された一次モータと、第2の二次駆動サブモジュールの第2の二次出力シャフトに動作可能に結合された二次モータとを更に備えてよい。
【0022】
第1の処理ステーションの第1の駆動シャフトは、第1の処理ステーションの処理装置を駆動してよく、第1の処理ステーションの第2の駆動シャフトは、第1の処理ステーションの搬送装置を駆動してよく、第2の処理ステーションの第1の駆動シャフトは、第2の処理ステーションのネッキング装置を駆動してよく、第2の処理ステーションの第2の駆動シャフトは、第2の処理ステーションの搬送装置を駆動してよい。
【0023】
開示される概念のこれら及びその他の目的、特徴、及び特性と、構造の関連要素の動作方法及び機能と、部品の組合せ及び製造の経済性とは、添付の図面を参照して以下の説明と添付の特許請求の範囲とを考慮すればより明らかになるであろう。図面の全ては本明細書の一部を構成し、同じ符号は種々の図において同様な部分を指定する。しかしながら、図面は例示及び説明の目的のみのものであって、本発明を限定する定義として意図されていないことを明示的に理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明は、添付図面と併せて読むことで、好適な実施形態に関する以下の説明から十分に理解することができる。
【0025】
【
図1】
図1は、ネッカーマシンの正面側等角図である。
【
図2】
図2は、ネッカーマシンの別の正面側等角図である。
【
図3】
図3は、
図1及び
図2のネッカーマシンの正面図であって、ネッカーマシンの処理ステーションを示している。
【
図4】
図4は、
図1乃至
図3のネッカーマシンの背面図であって、ネッカーマシンの駆動アセンブリを示している。
【
図6】
図6は、開示される概念の例示的な実施形態に基づくネッカーマシン用駆動アセンブリの概要を部分的に示す斜視図である。
【
図8】
図8は、
図6の駆動アセンブリの概要を部分的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面に示されており、以下の説明に記載されている具体的な要素は単に、開示される概念の例示的な実施形態に過ぎず、例示のためだけに非限定的な例として提供されることは理解される。従って、特定の寸法、向き、アセンブリ、使用される構成要素の数、実施形態の構成、及び本明細書に開示される実施形態のその他の物理的特徴は、開示される概念の範囲に関する限定とみなされるべきではない。
【0027】
本明細書で使用される方向表現、例えば、時計回り、反時計回り、左、右、上、下、上方、下方、及びその派生語は、図示される要素の向きに関連しており、請求項に明示されない限り請求項を限定するものではない。
【0028】
本明細書では、「ある」及び「その」の単数形は、文脈上特に明示されない限り、複数形を含む。
【0029】
本明細書では、「[動詞]するように構成された」は、特定された要素又はアセンブリが、特定された動詞を実行するように形成された、サイズ決めされた、配置された、結合された、及び/又は構成された構造を有することを意味する。例えば、「動くように構成された」部材は、別の要素に可動に結合されており、その部材を動かす要素を含んでいるか、或いは、当該部材は、別のやり方で別の要素又はアセンブリに応答して動くように構成されている。よって、本明細書では、「[動詞]するように構成された」は、機能ではなく構造を述べている。更に、本明細書では、「[動詞]するように構成された」は、特定された要素又はアセンブリが、特定された動詞を実行するように意図及び設計されることを意味する。よって、特定された動詞を単に実行できるだけで、特定された動詞を実行するように意図及び設計されていない要素は、「[動詞]するように構成され」ていない。
【0030】
本明細書では、「関連する」は、要素が同じアセンブリの一部である、及び/又は共に動作する、又は何らかの方法で相互に作用することを意味する。例えば、自動車は4つのタイヤと4つのハブキャップとを有する。全ての要素が自動車の部品と結合されているが、各ハブキャップは特定のタイヤと「関連する」と理解される。
【0031】
本明細書では、「結合アセンブリ」は、2つの又は2つを超える結合又は結合要素を含む。結合又は結合アセンブリの構成要素は概ね、同じ要素又は他の構成要素の一部ではない。よって、「結合アセンブリ」の構成要素は、以下の説明で同時に記載されないことがある。
【0032】
本明細書では、「結合」又は「結合構成要素」は、結合アセンブリの1又は複数の構成要素である。つまり、結合アセンブリは、互いに結合されるように構成された少なくとも2つの構成要素を含む。結合アセンブリの構成要素は、相互に適合可能であると理解される。例えば、結合アセンブリでは、一方の結合構成要素がスナップソケットである場合には、他方の結合構成要素はスナッププラグであって、一方の結合構成要素がボルトである場合には、他方の結合構成要素はナット又はねじ穴である。更に、要素の通路は、「結合」又は「結合構成要素」の一部である。例えば、2枚の木製のボードが、それらの通路を通って延びるナット及びボルトによって結合されているアセンブリにおいて、ナット、ボルト、及び2つの通路は夫々「結合」又は「結合構成要素」である。
【0033】
本明細書では、「締結具」は、2つ以上の要素を結合するように構成された別個の構成要素である。よって、例えば、ボルトは「締結具」であるが、さねはぎ(tongue-and-groove)継ぎは「締結具」ではない。つまり、さねはぎ要素は、結合されている要素の一部であって、別個の構成要素ではない。
【0034】
本明細書では、2つ以上の部品又は構成要素が「結合される」という表現は、リンクが発生する限り、それらの部品が、直接的、又は間接的に、即ち、1つ以上の中間部品又は構成要素を介して、共に連結される又は動作することを意味する。本明細書では、「直接結合される」は、2つの要素が互いに直接接触することを意味する。本明細書では、「固定的に結合される」又は「固定される」は、2つの構成要素が、互いに対して一定の向きを維持しながら移動するように結合されることを意味する。本明細書では、「調節可能に固定される」は、2つの構成要素が互いに一定の全体的な向き又は位置を維持しながら1つのものとして移動するように結合し、限られた範囲又は1つの軸を中心に動くことができることを意味する。例えば、ドアノブはドアに対して「調節可能に固定」されており、ドアノブは回転可能であるが、通常、ドアノブはドアに対して1つの位置に固定される。更に、リトラクタブルペンのカートリッジ(ペン先及びインクタンク)は、ハウジングに対して「調節可能に固定」されており、カートリッジは収納位置と伸長位置の間を移動するが、ハウジングに対する姿勢は概ね維持される。従って、2つの要素が結合されると、これらの要素の全ての部分が結合される。しかしながら、第1の要素の特定の部分が第2の要素に結合される、例えば、軸体の第1の端部が第1のホイールに結合されるというような記載は、第1の要素の特定の部分が、第1の要素の他の部分に比べて第2の要素により近く配置されることを意味する。更に、重力によってのみ別の物体上の適所に載置されている物体は、上側の物体がそれ以外の方法でほぼ適所に保持されない限り、下側の物体に「結合」されていない。つまり、例えば、テーブル上の本はテーブルに結合されていないが、テーブルに糊付けされた本はテーブルに結合されている。
【0035】
本明細書では、「着脱可能に結合される」又は「一時的に結合される」という表現は、ある構成要素が別の構成要素に実質的に一時的に結合されることを意味する。つまり、2つの構成要素は、構成要素どうしの連結又は分離が容易であり、構成要素にダメージを及ぼさないように結合される。例えば、限られた数の、容易にアクセス可能な締結具、即ち、アクセスが難しくない締結具によって相互に固定された2つの構成要素は、「着脱可能に結合され」ており、溶接された、又はアクセスが困難な締結具によって連結された2つの構成要素は、「着脱可能に結合され」ていない。「アクセスが困難な締結具」は、締結具へのアクセス前に1又は複数の他の構成要素を取り外す必要がある締結具のことであり、「他の構成要素」は、限定はされないが、例えばドアなどのアクセス手段ではない。
【0036】
本明細書では、「動作可能に結合される」は、第1の位置と第2の位置の間で、又は第1の配置と第2の配置の間で移動可能な複数の要素又はアセンブリが、第1の要素が一方の位置/配置から他方の位置/配置に動き、第2の要素も両者の位置/配置間で動くように結合されることを意味する。なお、逆が成り立たないように、第1の要素が別の要素に「動作可能に結合され」てもよい。
【0037】
本明細書では、2つの又は2つを超える部品又は構成要素が相互に「係合する」という表現は、それらの要素が、直接的に、或いは、1又は複数の中間要素若しくは構成要素を介して相互に力を及ぼすこと、又は付勢することを意味する。更に、移動する部品について、本明細書では、移動する部品は、ある位置から別の位置への移動中に別の要素に「係合し」てよく、及び/又は、一旦記載された位置に至ると別の要素に「係合し」てよい。故に、「要素Aは、要素の第1の位置に移動すると、要素Bに係合する」と、「要素Aは、要素の第1の位置にあると、要素Bに係合する」とは等価の表現であり、この表現は、要素Aは、要素の第1の位置に移動する間に要素Bに係合する、及び/又は要素の第1の位置にある間、要素Bに係合することを意味すると理解される。
【0038】
本明細書では、「作動的に係合する」は、「係合し、移動する」ことを意味する。つまり、「作動的に係合する」は、可動な又は回転可能な第2の構成要素を動かすように構成された第1の構成要素について使用される場合、第1の構成要素が、第2の構成要素を動かすために十分な力を加えることを意味する。例えば、ねじ回しは、ねじと接触させて配置できる。力がねじ回しに加えられないと、ねじ回しは、単にねじに「一時的に結合される」だけである。軸方向の力がねじ回しに加えられると、ねじ回しがねじに押しつけられて、ねじに「係合する」。しかしながら、回転力がねじ回しに加えられると、ねじ回しは、ねじに「作動的に係合し」て、ねじを回転させる。更に、電子部品の場合、「作動的に係合する」とは、ある部品が制御信号又は電流によって別の部品を制御することを意味する。
【0039】
本明細書では、「対応する」は、2つの構造構成要素が相互に類似したサイズと形状を有し、最小摩擦量で結合できることを示す。故に、部材に「対応する」開口は、その部材が最小摩擦量で開口を通過できるように、部材よりも僅かに大きいサイズを有する。この定義は、2つの構成要素が「ぴったりと」嵌まる場合には変更される。かかる状況では、構成要素間の寸法差が更に小さくなることで、摩擦量が増加する。開口を画定する要素及び/又は開口に挿入される構成要素が、変形可能又は圧縮可能な材料から作られている場合、開口は、開口に挿入される構成要素よりも僅かに小さくてよい。表面、形状、及び線に関して、2つ以上の「対応する」表面、形状、又は線はほぼ同一のサイズ、形状、及び輪郭を有する。
【0040】
本明細書では、「一体」という文言は、単一の片又はユニットとして作製されている構成要素を意味する。つまり、別個に作製された後に互いにユニットとして結合された複数の片を含む構成要素は、「一体型」構成要素又は「一体型」構造体ではない。
【0041】
本明細書では、「幾つか」という用語は、1又はそれを超える整数(即ち、複数)を意味する。即ち、例えば、「幾つかの要素」という語句は、1つの要素又は複数の要素を意味する。「幾つかの[x]」は、単一の[x]を含むことに特に留意のこと。
【0042】
本明細書では、「[x]が第1の位置と第2の位置との間を移動する」、又は「[y]が、第1の位置と第2の位置との間で[x]を移動させるように構成される」という表現において、「[x]」は、要素又はアセンブリの名称である。更に、[x]が複数の位置の間で移動する要素又はアセンブリである場合、「その」という代名詞は、「[x]」、即ち、「その」という代名詞の後に言及される要素又はアセンブリを意味する。
【0043】
本明細書では、円状体又は円柱体の「径方向側面/面」は、その中心又は中心を通る高さ線の周りに延びる、或いは、その中心又は中心を通る高さ線を囲む側面/面である。本明細書では、円状体又は円柱体の「軸方向側面/面」は、円柱の中心を通る高さ線にほぼ垂直に延びる平面内に延びる面である。つまり、一般的には、円柱状スープ缶の場合、「径方向側面/面」は略円状側壁であり、「軸方向側面/面」はスープ缶の頂部と底部である。更に、本明細書では、「径方向に延びる」は、半径方向に延びる、又は、半径方向線に沿って延びることを意味する。即ち、例えば、「径方向に延びる」線は、円又は円柱の中心から径方向側面/面へ向けて延びる。更に、本明細書では、「軸方向に延びる」は、軸方向に延びる、又は、軸線に沿って延びることを意味する。即ち、例えば、「軸方向に延びる」線は、円柱の底部から円柱の頂部へ向かって、円柱の長手方向中心軸と略平行に延びる。
【0044】
本明細書では、「缶」及び「容器」という用語は、任意の既知の又は適切な容器を指すためにほぼ置換可能に使用され、中身(限定ではなく、例えば、液体、食品やその他の適切な物質)を収容するように構成され、限定ではないが、ビールやソーダ缶などの飲料缶だけでなく食料缶も明確に含む。
【0045】
本明細書では、「製品側」とは、限定ではないが食品又は飲料などの製品に接触する、又は接触する可能性のある容器の側を意味する。つまり、構造体の「製品側」とは、最終的に容器の内部を規定する側である。
【0046】
本明細書では、「顧客側」とは、容器に使用される構造体のうち、限定ではないが食品又は飲料などの製品に接触しない、或いは、接触し得ない側を意味する。つまり、構造体の「顧客側」とは、最終的に容器の外部を規定する側である。
【0047】
本明細書では、「[要素、点、又は軸]を中心に配置される」、又は「[要素、点、又は軸]を中心に延びる」、又は「[要素、点、又は軸]を中心に[X]度」などの表現における「中心に」は、それを中心に囲う、延びる、又は測定されることを意味する。測定値に関連して又はそれに類似した状況で使用される場合、「約」は、「おおよそ」、即ち、当業者によって理解される、測定値に関する近似的な範囲を意味する。
【0048】
本明細書では、「駆動アセンブリ」は、処理ステーションにおいて後ろから前に延びる回転シャフトに動作可能に結合される要素を意味する。「駆動アセンブリ」には、処理ステーションにおいて後から前に延びる回転シャフトは含まれない。
【0049】
本明細書では、「潤滑システム」とは、駆動アセンブリの連結部、例えばシャフト又は歯車の外面に潤滑剤を塗布するシステムを意味する。
【0050】
本明細書では、「延設された」要素は、延出方向に延びる長手方向軸及び/又は長手方向線を本質的に含む。
【0051】
本明細書では、「一般的に」は、当業者によって理解されるように、修飾される用語に関連して「一般的な方法で」を意味する。
【0052】
本明細書では、「実質的に」は、当業者によって理解されるように、修飾される用語に関連して「ほとんど」を意味する。
【0053】
本明細書では、「にて」は、当業者によって理解されるように、修飾される用語に関連して位置及びその近傍を意味する。
【0054】
本明細書に開示される概念に従った駆動アセンブリが採用され得る例示的なネッカーマシン10が、
図1乃至
図4に示されている。ネッカーマシン10の一般的な要素及び動作の簡単な説明は本明細書で提供されるが、ネッカーマシン10及びその動作の詳細な説明は、2019年5月9日に出願された米国特許出願第16/407,292号(本願と共通の発明者を有する)で提供されており、その内容は参照により本明細書の一部となる。本明細書に開示される概念に従った駆動アセンブリが採用され得るネッカーマシンに関するその他の幾つかの例は、例えば、限定ではないが、米国特許第8,464,567号、第8,601,843号、第9,095,888号及び第9,308,570号に記載されており、各々の内容は参照により本明細書の一部となる。
【0055】
先の背景技術において既述したように、ネッカーマシン10は、
図5に例示したような缶ボディ1の一部の直径を縮小するように構成されている。本明細書では、「ネッキングする」とは、缶ボディ1の一部の直径/半径を小さくすることを意味する。即ち、
図5に示すように、缶ボディ1は、上向きに付随する側壁3を有するベース2を含む。缶ボディベース2及び缶ボディ側壁3は、概ね囲まれた空間4を規定する。後述する実施形態では、缶ボディ1は、略円状及び/又は細長い円筒である。これは一つの例示的な形状であって、缶ボディ1が他の形状を有してよいことは理解される。缶ボディは長手方向軸5を有する。缶ボディ側壁3は第1の端部6及び第2の端部7を有する。缶ボディベース2は第2の端部7にある。缶ボディの第1の端部6は開放している。缶ボディの第1の端部6は、当初は、缶ボディ側壁3と実質的に同じ半径/直径を有する。ネッカーマシン10での成形工程に続いて、缶ボディの第1の端部6の半径/直径は、缶ボディ側壁3の他の部分の半径/直径よりも小さくなっている。
【0056】
ネッカーマシン10は、送込アセンブリ12と、複数の処理/成形ステーション14と、搬送アセンブリ16と、駆動アセンブリ18とを含む(
図4)。以下では、処理/成形ステーション14は、用語「処理ステーション14」で特定することとし、総称的に処理ステーション14を示す。処理ステーション14の各々は、他の全ての処理ステーション14と概ね同じ幅(
図4)を有する。故に、ネッカーマシン10が占める長さ/空間は、処理ステーション14の数によって決定される。
【0057】
公知のように、処理ステーション14は、互いに隣接して直列に配置される。即ち、ネッカーマシン10で処理される缶ボディ1の各々は、上流側の場所から一連の処理ステーション14を同じ順序で移動する。缶ボディ1は、経路(以後、「作業経路9」(
図3))をたどる。即ち、ネッカーマシン10は、
図3に示すように、缶ボディ1が「上流側」の場所Uから「下流側」の場所Dに移動する作業経路9を規定する。本明細書では、「上流側」は送込アセンブリ12に近いことを概ね意味しており、「下流側」は出口アセンブリ20に近いことを意味している。作業経路9を規定する要素に関して、それらの要素の各々は、「上流側」端部及び「下流側端部」を有しており、缶ボディは、「上流側」端部から「下流側端部」へと移動する。故に、本明細書では、「上流側」又は「下流側」の要素又はアセンブリとしての、或いは、「上流側」又は「下流側」の場所にあるという要素、アセンブリ、サブアセンブリ等の性質/特定は、固有のものである。更に、本明細書では、「上流側」又は「下流側」の要素又はアセンブリとしての、或いは、「上流側」又は「下流側」の場所にあるという要素、アセンブリ、サブアセンブリ等の性質/特定は、相対的な言い回しである。
【0058】
上述したように、各処理ステーション14は、同様の幅W(即ち、上流端と下流端の間の距離)を有し、缶ボディ1が幅Wを横切って移動する際に、缶ボディ1は処理及び/又は成形(又は、部分成形)される。一般に、缶ボディの処理/成形は、各処理ステーション14において回転可能なタレット22で行われる。つまり、用語「タレット22」は、総称的にタレットを特定する。各処理ステーション14は、タレット22に関連した非真空式スターホイール24を含む。本明細書では、「非真空式スターホイール」とは、スターホイールポケットに真空を適用するように構成された真空アセンブリを含まない、又はそれに関係しないスターホイールを意味する。更に、処理ステーション14の各々は典型的には、1つのタレット22と、1つの非真空式スターホイール24とを含む。
【0059】
搬送アセンブリ16は、隣接する処理ステーション14の間で缶ボディ1を移動させるように構成されている。搬送アセンブリ16は、複数の回転可能な真空式スターホイール26を含んでおり、各真空式スターホイール26は、個々の処理ステーション14の一部である。本明細書では、「真空式スターホイール」は、スターホイールポケット28に真空を適用するように構成された真空アセンブリを含む、又は、それに関連するスターホイールアセンブリを意味する。更に、用語「真空式スターホイール26」は、総称的に真空式スターホイール26を特定する。真空式スターホイール26は、ディスク状本体(又は、ディスク状の本体アセンブリ)と、ディスク状本体の径方向表面に配置された、又は、ディスク状本体の径方向表面に形成された複数のポケット28とを含む。ほぼ円筒形の缶ボディ1に関連して使用される場合、ポケット28はほぼ半円筒形である。真空アセンブリ(符号なし)は、ポケット28の各々に選択的に吸引力を加えて、缶ボディ1をポケット28に選択的に結合するように構成されている。「ポケット28に真空を適用する」とは、本明細書では、スターホイールのポケットの径方向に延びる通路に真空(又は吸引力)を適用することを意味すると理解される。
【0060】
複数の処理ステーション14は、異なるタイプの缶ボディ1をネッキングするように、及び/又は、異なる構成の缶ボディをネッキングするように構成されてよいことに留意のこと。このように、複数の処理ステーション14は、必要に応じてネッカーマシン10に追加され、又はネッカーマシン10から取り外されるように構成されている。これを達成するために、ネッカーマシン10は、複数の処理ステーション14が取り外し可能に結合されるフレームアセンブリ30を含む。或いは、フレームアセンブリ30は、複数の処理ステーション14が一時的に互いに結合されるように構成するようにして複数の処理ステーション14の各々に組み込まれる要素を含む。フレームアセンブリ30は、上流側端部32及び下流側端部34を有する。更に、フレームアセンブリ30は、細長い部材、パネル部材(何れも符号なし)、又はそれら両方の組合せを含む。周知のように、互いに結合された又は細長い部材に結合されたパネル部材は、ハウジングを形成する。従って、本明細書では、ハウジングはまた、「フレームアセンブリ30」として識別される。
【0061】
ネッカーマシン10が動作している場合、送込アセンブリ12は、搬送アセンブリ16に個々の缶ボディ1を供給し、最上流の処理ステーション14から最下流の処理ステーション14までの各処理ステーションを通して各缶ボディ1を順次移動させる。より具体的には、各缶ボディ1は、真空式スターホイール26から、非真空式スターホイール24、更には、成形工程が行われるタレット22へと移動し、そして、前述の非真空式スターホイール24へ戻り、次の下流側真空式スターホイール26へと移動する。概して、各処理ステーション14は、缶ボディ1を部分的に成形するように構成されており、缶ボディ1が処理ステーション14を移動するにつれて缶ボディの第1の端部6の断面積は徐々に小さくなる。処理ステーション14は、限定ではないが特定のダイのような、単一の処理ステーション14に固有の幾つかの要素を含む。例えば、処理ステーション14のタレット22及びスターホイール24,26のような他の要素は、処理ステーション14の全て、又は大半に共通する。このようなプロセスは、缶ボディ1が作業経路9に沿って全ての処理ステーション14を通過し、その後、出口アセンブリ20を介してネッカーマシン10を出るまで続く。
【0062】
図3を参照すると、例示的なネッカーマシン10を通して缶ボディ1を移動させるために、タレット22及び非真空式スターホイール24の各々は、個々の処理、即ち一次駆動シャフト40によって第1の回転速度で時計回りに回転する一方で、真空式スターホイール26の各々は、個々の移送、即ち二次駆動シャフト42によって第2の回転速度で反時計回りに回転する。各処理ステーション14の一次駆動シャフト40及び二次駆動シャフト42の各々のそのような回転は、
図4に示す駆動アセンブリ18によって提供される。駆動アセンブリ18は、本明細書の背景技術で既に説明したような駆動アセンブリの欠点に対処するベルト駆動アプローチを提供する。駆動アセンブリ18は、複数のモータ50と幾つかのタイミング/駆動ベルト52とを含んでおり、それらは、成形ステーション14の各々の一次駆動シャフト40及び二次駆動シャフト42の回転を引き起こすために使用される。
【0063】
上記のようにネッカーマシン10の基本的な動作を説明したが、本明細書で先に説明したような駆動アセンブリの欠点に対処し、ネッカーマシン10の駆動アセンブリ18だけでなく、他のネッカーマシン(例えば、限定ではないが、米国特許第8,464,567号、第8,601,843号、第9,095,888号、及び第9,308,570号で説明されているネッカーマシン)の駆動アセンブリの代わりに利用するために容易にサイズ設定及び構成できる駆動アセンブリ100が、次に
図6乃至
図11に関連して説明される。駆動アセンブリ100は、直列配置で合わせて結合された複数の駆動サブモジュール101(101A~101Hと個々に符号が付された6つのモジュールが参考に
図6に示されているが、他の数であってもよい)を含んでおり、各駆動サブモジュール101は、ネッカーマシン10’の対応する処理ステーション14’(例えば、ネッカーマシン10の処理ステーション14)の1又は複数の要素(概略的に示されている)を駆動するように構成されている。
図6乃至
図11に示される例示的な実施形態では、各駆動サブモジュール101は、一次駆動サブモジュール102と二次駆動サブモジュール202とを含む。本明細書では、「一次」及び「二次」は、単に同一又は類似の構造及び/又は配置の異なる構成要素を区別するために使用されており、互いに対して又は他の構成要素に対して、それら構成要素の階層性又は相対的重要性を示すことを意図してはいない。
【0064】
図7を参照すると、一次駆動サブモジュール102の各々は、一次入力シャフト104と、一次入力シャフト104に動作可能に結合されていた第1の一次出力シャフト106と、同じく一次入力シャフト104に動作可能に結合されている第2の一次出力シャフト108とを含む。従って、一次入力シャフト104の所定の回転方向への回転は、第1の一次出力シャフト106と第2の一次出力シャフト108の各々に対応する回転をもたらす。
図6乃至
図11に示されている例示的な実施形態では、各一次駆動サブモジュール102の第1の一次出力シャフト106は、その一次入力シャフト104に、適切な配置の一次直角ギアボックス110を介して動作可能に結合される。このような配置では、一次入力シャフト104は一次入力軸(符号なし)回りに回転し、第1の一次出力シャフト106は一次入力軸に直交する第1の一次出力軸(符号なし)回りに回転する。更に、
図6乃至
図11に示されている例示的な実施形態では、第2の一次出力シャフト108は、一次入力軸と一致する第2の一次出力軸(符号なし)回りに回転するように、一次入力シャフト104と揃えられる。このような直角ギアボックス110を使用することにより、先に背景技術で説明したような一般的なオイルバスが不要となり、また、このようなギアボックス110は寿命まで密閉できるので、通常、ほとんどメンテナンスを必要としない。加えて、このようなギアボックス110は、複合歯車を利用することで、潤滑の必要性を更に低減/排除してよい。この例では、一次入力シャフト104及び第2の一次出力シャフト108は、ネッカーマシン10’全体が必要とする動力を伝達する大きさにされる一方で、第1の一次出力シャフト106は、関連する処理ステーション14’に必要とする動力を単に伝達する大きさにされる(より小さい)。開示される概念の範囲から逸脱することなく、シャフト104、106、及び108の他の相対的な大きさが採用されてよいことを理解のこと。加えて、この例では、一次入力シャフト104及び第2の一次出力シャフト108の各々は、単一の一体型貫通シャフトの異なる部分を構成する。しかしながら、一次入力シャフト104及び第2の一次出力シャフト108は、開示された概念の範囲から逸脱することなく別々のシャフトであってよいことを理解のこと。
【0065】
図6を参照すると、左端の駆動サブモジュール101A(即ち、最上流のサブモジュール101)の一次駆動サブモジュール102において、一次入力シャフト104は、駆動アセンブリ100を駆動する主駆動アセンブリモータ112に動作可能に結合されている。主駆動アセンブリモータ112と一次入力シャフト104との間のそのような動作的結合は、例えば、
図6乃至
図11に例示されている例示的な実施形態に示されている主ギアボックス114(以下で更に説明される)を介して、任意の適切な機構で達成されてよい。最上流のサブモジュール101Aを引き続き参照すると、一次駆動サブモジュール102の第1の一次出力シャフト106は、任意の適切な機構を介して、対応する処理ステーション14’の第1の駆動シャフト140に動作可能に結合される。駆動アセンブリ100がネッカーマシン10の駆動アセンブリ18に置き換わるようにサイズ設定及び構成されている例示的な実施形態では、第1の一次出力シャフト106は、最上流の処理ステーション14の一次駆動シャフト40に動作可能に結合されるだろう。後続の下流側の一次駆動サブモジュール102の各々について、その第1の一次出力シャフト106は、同様に、それに関連する処理ステーション14’の対応する第1の駆動シャフト140に結合される。一方、このような下流側の一次駆動サブモジュール102の各々の一次入力シャフト104は、上流側直ぐに隣に配置された一次駆動サブモジュール104の第2の一次出力シャフト108に動作可能に結合される。
【0066】
故に、
図6乃至
図11に図示されている例示的な駆動アセンブリ100では、最上流の駆動サブモジュール101Aの一次駆動サブモジュール102の一次入力シャフト104は、主駆動アセンブリモータ112によって主ギアボックス114を介して駆動される。この一次駆動シャフト104は対応する第1の一次出力シャフト106を駆動し、第1の一次出力シャフト106は関連する処理ステーション14’の第1の駆動シャフト140を駆動し、一次駆動シャフト104は更に、第2の一次出力シャフト108を駆動し、第2の一次出力シャフト108は、直ぐ隣の下流側の駆動サブモジュール101Bの一次駆動サブモジュール102の一次入力シャフト104を駆動する。駆動サブモジュール101Bは、駆動サブモジュール101Aと同様に機能し、故に、それに関連する対応する処理ステーション14’の第1の駆動シャフト140と、下流側の次の駆動サブモジュール101Cの一次駆動サブモジュール102の両方を駆動する。駆動機構は、2つのみの一次駆動サブモジュール102から20個以上の一次駆動サブモジュール102を有する機構でも、駆動アセンブリ100の長さを通して同じである。全ての一次駆動サブモジュール102の組合せは、ネッカーマシン10’の長さを伸ばす一次駆動ライン160を形成する。図示された例示的な実施形態では、全ての一次駆動サブモジュール102は同じ機構であるが、一次駆動ライン160内の特定の一次駆動サブモジュール102の機構は、開示された概念の範囲から逸脱することなく特定の用途のために変更されてよいことを理解のこと。
【0067】
ネッカーマシン10’の関連する処理ステーション14’との各一次駆動モジュール102のタイミングを支援するために、一次駆動モジュール102の1又は複数は、第1の一次出力シャフト106を関連する処理ステーション14’の対応する第1の駆動シャフト140に選択的に結合するように配置された一次クラッチユニット150を含んでよい。各一次クラッチユニット150は、第1の一次出力シャフト106が第1の駆動シャフト140に動作可能に結合されて、第1の駆動シャフト140を駆動することができる第1の状態と、第1の一次出力シャフト106が第1の駆動シャフト140から切り離されて第1の駆動シャフト140を駆動することができない第2の状態の間で選択的に動くことができる。処理ステーション14’内でジャム又は他の問題が発生した場合、一次クラッチユニット150は、関連する一次駆動モジュール102を処理ステーション14’から切り離すために使用されてよく、これにより、処理ステーション14’及び一次駆動モジュールの一方又は両方への機械的損傷を防止する。このような機構は、位置感知システム(符号なし)を更に含んでよく、当該位置感知システムは、第1の一次出力シャフト106及び第1の駆動シャフト140の相対的回転位置を感知して、その表示を提供するように構成されている。加えて、1又は複数の制動機構(符号なし)が一次駆動ライン160に沿って設けられてよく、一次駆動ライン160を選択的に制動して、一次駆動ライン160を安全に停止させるか、さもなければ一次駆動ライン160の速度を制御する。
【0068】
図8乃至
図10に示すように、主駆動アセンブリモータ112からの一次駆動ライン160のワインドアップ(windup)を制御するために、駆動アセンブリ100は一次ドラッグモータ162を更に含んでよく、一次ドラッグモータ162は、最下流の駆動サブモジュール101(例えば、
図6の駆動サブモジュール101H)の一次駆動サブモジュール102の第2の一次出力シャフト108を介して一次駆動ライン160に動作可能に結合される。ある例示的な実施形態では、主駆動アセンブリモータ112の約20%の動力の一次ドラッグモータ162が用いられたが、開示された概念の範囲から逸脱することなく、相対的なサイズが異なるドラッグモータ162が用いられてよい。
【0069】
再び
図7を参照すると、各二次駆動サブモジュール202は、それに関連する一次駆動サブモジュール102と概ね同じであるか同様の構成であって、故に、二次入力シャフト204と、二次入力シャフト204に動作可能に結合される第1の二次出力シャフト206と、同じく二次入力シャフト204に動作可能に結合される第2の二次出力シャフト208とを含む。従って、二次入力シャフト204の所定の回転方向への回転は、第1の二次出力シャフト206及び第2の二次出力シャフト208の各々に、対応する回転をもたらす。
図6乃至
図11に示されている例示的な実施形態では、各二次駆動サブモジュール202の第1の二次出力シャフト206は、その二次入力シャフト204に二次直角ギアボックス210を介して動作可能に結合される。各二次直角ギアボックス210は、開示される概念の範囲から逸脱することなく、任意の適切な構成であってよい。例示的な実施形態では、各二次直角ギアボックス210は、各一次直角ギアボックス110と概ね同じ構成であるが、出力パワー要件がより小さいことから、より小さなサイズとなる。このような配置では、二次入力シャフト204は二次入力軸(符号なし)回りに回転し、第1の二次出力シャフト206は二次入力軸に直交する第1の二次出力軸(符号なし)回りに回転する。更に、
図6乃至
図11に示されている例示的な実施形態では、第2の二次出力シャフト208は、二次入力軸と一致する第2の二次出力軸(符号なし)回りに回転するように、二次入力シャフト204と揃えられる。このような直角ギアボックス210を使用することにより、背景技術で説明したような一般的なオイルバスが不要となり、また、このようなギアボックス210は寿命まで密閉できるので、通常、ほとんどメンテナンスを必要としない。加えて、このようなギアボックス210は、複合歯車を利用することで、潤滑の必要性を更に低減/排除してよい。
【0070】
図6を参照すると、左端の駆動サブモジュール101A(即ち、最上流のサブモジュール101)の二次駆動サブモジュール202において、二次入力シャフト204は主駆動アセンブリモータ112に動作可能に結合される。主駆動アセンブリモータ112と二次入力シャフト204の間でのそのような動作的結合は、任意の適切な構成を介して達成できる。
図6乃至
図11に示されている例示的な実施形態では、主駆動モータ112と二次入力シャフト204の間のそのような結合は、主ギアボックス114を介して達成される。このような例では、主ギアボックス114は、主駆動アセンブリモータ112に動作可能に結合されている主入力シャフト170と、第1の主出力シャフト172と、第2の主出力シャフト174とを含む。このような例示的な実施形態では、第1の主出力シャフト172は、主入力シャフト170と同じ方向に同じ速度で回転するように、主入力シャフト170に動作可能に結合される。一方、第2の主出力シャフト174は、主入力シャフト170と反対方向に主入力シャフトの3/5の速度で回転するように主入力シャフト170に動作可能に結合される。概ね上述したように、第1の主出力シャフト172は、最上流の駆動サブモジュール101Aの一次駆動モジュール102の主入力シャフト104に動作可能に結合される。第2の主出力シャフト174は、最上流の駆動サブモジュール101Aの二次駆動モジュール202の二次入力シャフト204に動作可能に結合される。別の例示的な実施形態では、左端の駆動サブモジュール101A(即ち、最上流のサブモジュール101)の二次駆動サブモジュール202において、二次入力シャフト204は、主駆動アセンブリモータ112にではなく二次駆動アセンブリモータに動作可能に結合される。そのような構成において、二次駆動アセンブリモータは、二次駆動構成の電力要件がより小さいことから、主駆動アセンブリモータ112よりも小さいサイズにすることができる。
【0071】
最上流のサブモジュール101Aを参照すると、二次駆動サブモジュール202の第1の二次出力シャフト206は、対応する処理ステーション14’の第2の駆動シャフト142に動作可能に結合される。駆動アセンブリ100がネッカーマシン10の駆動アセンブリ18と置き換わるようにサイズ設定及び構成されている例示的な実施形態では、第1の二次出力シャフト206は、最上流の処理ステーション14の二次駆動シャフト42に動作可能に結合されるだろう。下流側に続く二次駆動サブモジュール202の各々において、その第1の二次出力シャフト206は、それに関連する処理ステーション14’の対応する第2の駆動シャフト142に動作可能に結合される一方、下流側の二次駆動サブモジュール202の各々の二次入力シャフト204は、上流側直ぐ隣に配置される二次駆動サブモジュール204の第2の二次出力シャフト208に動作可能に結合される。
【0072】
故に、
図6乃至
図11に示される例示的な駆動アセンブリ100では、最上流の駆動サブモジュール101Aの二次駆動モジュール202の二次入力シャフト204は、主駆動アセンブリモータ112によって主ギアボックス114を介して駆動される。この二次駆動シャフト204は、対応する第1の二次出力シャフト206を駆動し、その第1の二次出力シャフト206が、関連する処理ステーション14’の第2の駆動シャフト142を駆動し、二次駆動シャフト204はまた第2の二次出力シャフト208を駆動し、二次出力シャフト208は、下流側直ぐ隣の駆動サブモジュール101Bの二次駆動サブモジュール202の二次入力シャフト204を駆動する。駆動サブモジュール101Bは、駆動サブモジュール101Aと同様に機能し、それ故に、関連する対応する処理ステーション14’の第2の駆動シャフト142と、次の下流側の駆動サブモジュール101Cの二次駆動サブモジュール202とを駆動する。駆動機構は、2つのみの二次駆動サブモジュール202から20個以上の二次駆動サブモジュール202を有する機構でも、駆動アセンブリ100の長さを通して同じである。全ての二次駆動サブモジュール202の組合せは、一次駆動ライン160に沿ってネッカーマシン10’の長さを延ばす二次駆動ライン260を形成する。図示された例示的な実施形態では、全ての二次駆動サブモジュール202は同じ構成であるが、二次駆動ライン260内の特定の二次駆動サブモジュール202の構成は、開示された概念の範囲から逸脱することなく特定の用途のために変更されてよいことを理解のこと。
【0073】
各二次駆動モジュール202と関連するネッカーマシン10’の処理ステーション14’とのタイミングを補助するために、二次駆動モジュール202の1又は複数は、二次クラッチユニット(符号なし)を含んでよく、当該二次クラッチユニットは、関連する処理ステーション14’の関連する第2の駆動シャフト142に第1の二次出力シャフト206を選択的に結合するように配置されている。各二次クラッチユニットは、第1の二次出力シャフト206が第2の駆動シャフト142に動作可能に結合されて、第2の駆動シャフト142を駆動することができる第1の状態と、第1の二次出力シャフト206が第2の駆動シャフト142から切り離されて第2の駆動シャフト142を駆動することができない第2の状態の間で選択的に動くことができる。処理ステーション14’内でジャム又は他の問題が発生した場合、二次クラッチユニットは、関連する二次駆動モジュール202を処理ステーション14’から切り離すために使用されて、処理ステーション14’及び二次駆動モジュール202の一方又は両方への機械的損傷を防止することができる。このような機構は、位置感知システム(符号なし)を更に含んでよく、当該位置感知システムは、第1の二次出力シャフト206及び第2の駆動シャフト142の相対的回転位置を感知して、その表示を提供するように構成されている。加えて、1又は複数の制動機構(符号なし)が二次駆動ライン260に沿って設けられてよく、二次駆動ライン260を選択的に制動して、二次駆動ライン260を安全に停止させるか、さもなければ二次駆動ライン260の速度を制御する。
【0074】
図8乃至
図10に示すように、主駆動アセンブリモータ112からの二次駆動ライン260のワインドアップを制御するために、駆動アセンブリ100は二次ドラッグモータ262を更に含んでよく、二次ドラッグモータ262は、最下流の駆動サブモジュール101(例えば、
図6の駆動サブモジュール101H)の二次駆動サブモジュール202の第2の二次出力シャフト208を介して二次駆動ライン260に動作可能に結合されている。別の例示的な実施形態では、二次駆動ライン260は、別個の二次ドラッグモータ262の代わりに、例えば適切なギアボックスを介して一次ドラッグモータ162に結合される。
【0075】
このように、前述の例示的な実施形態から、本明細書に開示された概念の実施形態は、大きな力と潤滑オイルバスを必要としており、歯の噛み合い(teeth bite)やバックラッシュに悩まされる大きな歯車列を昔から使用している従来の駆動機構の代わりに容易に使用できることを理解のこと。開始された概念はまた、これまで試みられた、或いは考えられてきた他の代替的なアプローチの代わりに容易に使用することができる。本明細書に記載の駆動アセンブリのモジュール設計により、駆動アセンブリ全体の完全な分解又は交換を必要とせず、アセンブリ内の部品の分離、保守、及び交換を容易に行うことが可能になることも理解のこと。このような設計はまた、ジャムやその他の故障に最小限の時間で容易に対処することを可能にする。
【0076】
発明の具体的な実施形態が詳細に説明されたが、本開示の全体的な教示に照らしてそれらの詳細に対する様々な修正及び代替がなされてよいことは当業者には理解されるであろう。従って、開示された特定の構成は、例示であることのみを意図されており、添付の特許請求の範囲及びその任意の且つ全ての均等物の全範囲として与えられる本発明の範囲に対する限定ではない。
【国際調査報告】