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特表2023-541488展開可能なアブレーション機構を有するENT器具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-02
(54)【発明の名称】展開可能なアブレーション機構を有するENT器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20230925BHJP
   A61B 34/20 20160101ALI20230925BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B34/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517919
(86)(22)【出願日】2021-09-13
(85)【翻訳文提出日】2023-04-07
(86)【国際出願番号】 IB2021058305
(87)【国際公開番号】W WO2022058865
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】63/080,066
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/404,088
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516389190
【氏名又は名称】アクラレント インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Acclarent, Inc.
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】パルシ・ジェットミア
(72)【発明者】
【氏名】サラザール・ヘンリー・エフ
(72)【発明者】
【氏名】アブデルワヘド・ハニー
(72)【発明者】
【氏名】ゴバリ・アサフ
(72)【発明者】
【氏名】グリナー・バディム
(72)【発明者】
【氏名】アルトマン・アンドレス・シー
(72)【発明者】
【氏名】ビークラー・クリストファー・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】バス・シュバユ
(72)【発明者】
【氏名】バノスドール・マディソン・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ディーン・マルク
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK06
4C160KK13
4C160KK24
4C160KK38
4C160KK57
4C160KK63
4C160KK64
4C160MM06
4C160NN09
(57)【要約】
外科用器具は、シースと、シース内に配設されたアブレーションカテーテルとを含む。シースは、患者の頭部の腔に挿入されるよう構成されている。アブレーションカテーテルは、長手方向軸に沿って延在し、患者の頭部内の組織を選択的にアブレーションするために、非展開状態から展開状態に選択的に半径方向外向きに展開するように構成された少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材を含む。アブレーションカテーテルは、近位の後退位置と遠位の伸長位置との間でシースに対して選択的に並進可能である。後退位置では、少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材は、シース内に収容され、それによって、少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材が半径方向外向きに展開することを防止する。伸長位置では、少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材は、シースから露出され、それによって、少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材が、組織に接触するために半径方向外向きに展開できるようになる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具であって、
(a)患者の頭部の腔に挿入されるよう構成されているシースと、
(b)前記シース内に配設されたアブレーションカテーテルであって、前記アブレーションカテーテルが、長手方向軸に沿って延在し、前記患者の頭部内の組織を選択的にアブレーションするために非展開状態から展開状態へと選択的に半径方向外向きに展開するように構成された少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材を含む、アブレーションカテーテルと、を備え、
前記アブレーションカテーテルは、前記少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材が前記シース内に収容され、それによって前記少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材が前記非展開状態から前記展開状態に半径方向に展開することを防止する近位の後退位置と、前記少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材が前記シースから露出され、それによって前記少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材が組織に接触するために前記非展開状態から前記展開状態に半径方向に展開することを可能にする遠位の伸長位置との間で、前記シースに対して選択的に並進可能である、外科用器具。
【請求項2】
前記少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材は、少なくとも1つの電極を含む、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材は、膨張可能なバルーンを更に含み、前記少なくとも1つの電極は、前記膨張可能なバルーンの外部表面上に位置付けられており、前記膨張可能なバルーンの内部空洞は、前記少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材を前記非展開状態から前記展開状態に半径方向に展開させるために、前記アブレーションカテーテルが前記遠位の伸長位置にあるときに膨張流体を受容するように構成されている、請求項2に記載の外科用器具。
【請求項4】
前記少なくとも1つの電極が、弾性的に付勢された導電性材料を含む、請求項2に記載の外科用器具。
【請求項5】
前記少なくとも1つの電極が、前記長手方向軸に対して半径方向外向きに弾性的に付勢され、それにより、前記少なくとも1つの電極は、前記アブレーションカテーテルが前記近位の後退位置にあるときに前記シースによって半径方向に圧縮されるように構成され、前記少なくとも1つの電極は、前記アブレーションカテーテルが前記近位の後退位置から前記遠位の伸長位置に並進することに応答して、前記非展開状態から前記展開状態に弾性的に半径方向に展開するように構成されている、請求項4に記載の外科用器具。
【請求項6】
前記少なくとも1つの電極が、メッシュ構成を有する、請求項4に記載の外科用器具。
【請求項7】
前記アブレーションカテーテルが、前記長手方向軸を画定し、遠位先端部で終端するシャフトを含み、前記少なくとも1つの電極が、前記シャフト上に各々配設された近位の電極及び遠位の電極を含む、請求項4に記載の外科用器具。
【請求項8】
前記遠位の電極の少なくとも一部分が前記遠位先端部の遠位にあるように、前記遠位の電極が前記遠位先端部上に配設されている、請求項7に記載の外科用器具。
【請求項9】
前記近位の電極又は前記遠位電極のうちの少なくとも一方が、前記シャフトに沿って前記近位の電極又は前記遠位電極のうちの他方に対して選択的に長手方向に並進可能である、請求項7に記載の外科用器具。
【請求項10】
前記遠位先端部が、剛性の電極を備える、請求項7に記載の外科用器具。
【請求項11】
外科用システムであって、
(a)請求項2に記載の外科用器具であって、前記少なくとも1つの電極が、複数の電極を含む、外科用器具と、
(b)前記複数の電極と動作可能に連結されたRFエネルギー源と、を備え、
前記外科用器具は、前記RFエネルギー源からのRFエネルギーで前記複数の電極に通電するように動作可能であり、
前記複数の電極は、組織をアブレーションするために前記組織に双極RFエネルギーを送達するように構成されている、外科用システム。
【請求項12】
前記アブレーションカテーテルが、ナビゲーションセンサを含み、前記ナビゲーションセンサが、患者内の前記ナビゲーションセンサの位置を示す信号を生成するように動作可能である、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項13】
前記患者の頭部の解剖学的構造又は前記少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材のうちの少なくとも1つを可視化するように構成されたカメラを更に備える、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項14】
前記カメラが、前記シース又は前記アブレーションカテーテルのうちの1つの遠位端に固定されている、請求項13に記載の外科用器具。
【請求項15】
前記カメラが、前記患者の頭部の前記解剖学的構造及び前記少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材をそれぞれ選択的に可視化するために、前記少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材に対して遠位の伸長位置と近位の後退位置との間で選択的に作動可能である、請求項13に記載の外科用器具。
【請求項16】
外科用器具であって、
(a)シースと、
(b)前記シース内に配設されたアブレーションカテーテルであって、
(i)長手方向軸を画定するシャフトと、
(ii)前記シャフト上に配設された少なくとも1つの電極であって、前記少なくとも1つの電極が、組織をアブレーションするために前記組織にRFエネルギーを送達するように動作可能であり、前記少なくとも1つの電極が、前記長手方向軸に対して半径方向外向きに弾性的に付勢されている、少なくとも1つの電極と、を備える、アブレーションカテーテルと、を備え、
前記アブレーションカテーテルが、前記少なくとも1つの電極が前記シース内に収容される近位の後退位置と、前記少なくとも1つの電極が前記シースから露出される遠位の伸長位置との間で、前記シースに対して選択的に並進可能であり、
前記少なくとも1つの電極が、前記シースからの前記少なくとも1つの電極の遠位の伸長に応答して、非展開状態から展開状態に弾性的に移行するように構成されている、外科用器具。
【請求項17】
前記少なくとも1つの電極が、前記シャフトに沿って選択的に長手方向に並進可能である、請求項16に記載の外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本出願は、米国仮特許出願第63/080,066号、発明の名称「ENT Instrument with Expandable Ablation Feature」(2020年9月18日に出願)に対する優先権を主張するものである(その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれている)。
【背景技術】
【0002】
鼻炎は、鼻腔内の粘膜の刺激作用及び炎症として呈する医学的状態である。炎症は、過剰な量の粘液の生成をもたらし、これは鼻汁、鼻詰まり、くしゃみ、及び/又は後鼻漏を引き起こす可能性がある。アレルギー性鼻炎は、空中のアレルゲンなどの環境因子に対するアレルギー反応であり、非アレルギー性(又は「血管運動性の」)鼻炎は、環境要因とは独立して呈する慢性的な状態である。鼻炎の従来の治療としては、例えば、抗ヒスタミン剤、局所又は全身コルチコステロイド、及び局所抗コリン薬が挙げられる。
【0003】
症状が重度かつ持続的である難治性鼻炎の場合、更なる治療の選択肢は、翼突管(又は「翼状の」)神経の一部分の外科的除去であり、ヴィディアン神経切除術として知られる処置である。ヴィディアン神経切除術の理論的な基礎は、鼻炎が、鼻腔の副交感神経支配と交感神経神経支配との間の不均衡、及び結果として生じる粘膜の粘液腺の過剰刺激によって引き起こされるということである。ヴィディアン神経切除術は、この不均衡をかき乱し、ヴィディアン神経の外科的治療を介して鼻粘膜分泌物を減少させることを目的とする。しかしながら、場合によっては、ヴィディアン神経切除術は、涙腺に付帯的損傷を引き起こす可能性があり、その涙腺は、ヴィディアン神経によって刺激される。涙腺へのそのような損傷は、慢性ドライアイなどの、患者にとって長期の健康合併症をもたらし得る。後方鼻神経切除、又は後方鼻神経の一部分の外科的除去は、難治性鼻炎を治療するためのヴィディアン神経切除術の有効な代替方法であり得る。
【0004】
図1は、鼻腔(10)、前頭洞(12)、蝶形骨洞(14)、及び蝶形骨(16)を示す、患者の頭部の一部分の左矢状面の図を示す。鼻腔(10)は、鼻甲介(20)と、中部鼻甲介(22)と、上部鼻甲介(24)とを含む鼻部の壁(18)によって横方向に画定される。ヴィディアン神経(32)は、蝶形骨(16)によって部分的に画定され、中部鼻甲介(22)と概ね整列して蝶形骨洞(14)の後方に位置するヴィディアン(すなわち「翼状の」)管(30)の内部に存在する。ヴィディアン神経(32)は、その後方端がより大きい錐体神経(34)と深錐体神経(36)との接合部によって形成され、その前方端で翼突口蓋神経節(38)と接合し、その翼突口蓋神経節は、鼻粘膜への血流の調節に関与する。後鼻神経(40)は、翼突口蓋神経節(38)と接合し、下鼻甲介(20)を取り囲む領域を通って延在する。
【0005】
ヴィディアン神経切除術、後鼻神経切除術、及び鼻甲介骨切除術を行うための器具及び方法は知られているが、本発明者らよりも以前に、添付の特許請求の範囲に説明された発明を行った者、又は使用した者はいないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
以下の図面及び詳細な説明は、単に例示的であることを意図しており、本発明者らによって企図される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
図1】患者の頭部の一部分の左矢状面の図であり、特定の副鼻腔及び神経の詳細を示し、ヴィディアン神経及び後鼻神経が含まれる。
図2】例示的な医療処置椅子に着座した患者に使用される例示的な手術ナビゲーションシステムの概略図である。
図3図2の手術ナビゲーションシステムと共に使用するためのRFアブレーション器具を含む例示的な外科用システムの概略斜視図であり、RFアブレーション器具のシースに対して近位の後退位置にあるRFアブレーション器具のアブレーションカテーテルを示す。
図4図3のRFアブレーション器具の遠位部分の分解斜視図であり、非展開状態のアブレーションカテーテルの展開可能なアブレーション部材を示す。
図5A図3のRFアブレーション器具の遠位部分の部分斜視図であり、展開可能なアブレーション部材が非展開状態にある、シースに対して近位の後退位置にあるアブレーションカテーテルを示す。
図5B図3のRFアブレーション器具の遠位部分の部分斜視図であり、展開可能なアブレーション部材が非展開状態にある状態で、アブレーションカテーテルがシースに対して遠位の伸長位置にあるところを示す。
図5C図3のRFアブレーション器具の遠位部分の部分斜視図であり、展開可能なアブレーション部材が展開状態にある状態で、アブレーションカテーテルがシースに対して遠位の伸長位置にあるところを示す。
図6図3のRF外科用システムと共に使用するのに適した別の例示的なRFアブレーション器具の遠位部分の部分斜視図であり、アブレーションカテーテルの展開可能なアブレーション部材が展開状態にある状態で、RFアブレーション器具のアブレーションカテーテルが、RFアブレーション器具のシースに対して遠位の伸長位置にあるところを示し、更に、展開可能なアブレーション部材を可視化するための一対のカメラをシースが含むことを示す。
図7A図3のRF外科用システムと共に使用するのに適した別の例示的なRFアブレーション器具の遠位部分の部分斜視図であり、アブレーションカテーテルの展開可能なアブレーション部材が展開状態にある状態で、RFアブレーション器具のアブレーションカテーテルが、RFアブレーション器具のシースに対して遠位の伸長位置にあるところを示し、更に、アブレーションカテーテルの遠位の患者の解剖学的構造を可視化するために、展開可能なアブレーション部材に対して遠位の伸長位置にあるRFアブレーション器具の調整可能なカメラを示す。
図7B図7AのRFアブレーション器具の遠位部分の部分斜視図であり、展開可能なアブレーション部材を可視化するために、展開可能なアブレーション部材に対して近位の後退位置にある調整可能なカメラを示す。
図8A図3のRF外科用システムと共に使用するのに適した別の例示的なRFアブレーション器具の遠位部分の部分斜視図であり、アブレーションカテーテルの展開可能なアブレーション部材がそれぞれの非展開状態にある状態で、RFアブレーション器具のアブレーションカテーテルが、RFアブレーション器具のシースに対して近位の後退位置にあるところを示す。
図8B図8AのRFアブレーション器具の遠位部分の部分斜視図であり、展開したアブレーション部材がそれぞれの展開状態にある状態で、アブレーションカテーテルがシースに対して遠位の伸長位置にあるところを示す。
図9図3のRF外科用システムと共に使用するのに適した別の例示的なRFアブレーション器具の遠位部分の部分斜視図であり、アブレーションカテーテルの展開可能なアブレーション部材がそれぞれの展開状態にある状態で、RFアブレーション器具のアブレーションカテーテルが、RFアブレーション器具のシースに対して遠位の伸長位置にあるところを示し、更に、展開可能なアブレーション部材のうちの1つが、遠位先端部の遠位の組織に接触するためにアブレーションカテーテルの遠位先端部に配置されているところを示す。
図10A図3のRF外科用システムと共に使用するのに適した別の例示的なRFアブレーション器具の遠位部分の部分側面図であり、アブレーションカテーテルの展開可能なアブレーション部材がそれぞれの展開状態にある状態で、RFアブレーション器具のアブレーションカテーテルが、RFアブレーション器具のシースに対して遠位の伸長位置にあるところを示し、展開可能なアブレーション部材は、組織のアブレーション領域を調整するためにアブレーションカテーテルのシャフトに沿って互いに対して選択的に並進可能であり、更に、近位の展開可能なアブレーション部材が第1の近位の位置にあり、遠位の展開可能なアブレーション部材が第1の遠位の位置にあるところを示す。
図10B図10AのRFアブレーション器具の遠位部分の部分側面図であり、近位の展開可能なアブレーション部材が第2の近位の位置にあり、遠位の展開可能なアブレーション部材が第1の遠位の位置にあるところを示す。
図10C図10AのRFアブレーション器具の遠位部分の部分側面図であり、近位の展開可能なアブレーション部材が第2の近位の位置にあり、遠位の展開可能なアブレーション部材が第2の遠位の位置にあるところを示す。
図11A】患者の頭部の一部分の左矢状図であり、後鼻神経の領域内の患者の鼻腔の中への図3のRFアブレーション器具の挿入を示し、更に、展開可能なアブレーション部材が非展開状態にある状態で、アブレーションカテーテルがシースに対して近位の後退位置にあるところを示す。
図11B図3のRFアブレーション器具を後鼻神経の領域における患者の鼻腔に挿入した状態の患者の頭部の一部分の左矢状図であり、後鼻神経の一部にRFエネルギーを送達し、それによって、神経部分をアブレーションするために、展開可能なアブレーション部材が展開状態にある状態で、アブレーションカテーテルがシースに対して遠位の伸長位置にあるところを更に示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、例示として本発明を実施するために企図される最良の形態の1つである以下の説明から当業者に明らかになるであろう。理解されるように、本発明は、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なるかつ明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的なものではなく、本質的に例示的なものとしてみなされるべきである。
【0008】
本開示を明確にするために、本明細書において、「近位」及び「遠位」という用語は、遠位外科用エンドエフェクタを有する外科用器具を握持する外科医又は他の操作者に対して定義される。「近位」という用語は、外科医のより近くに配置された要素の位置を指し、「遠位」という用語は、外科用器具の外科用エンドエフェクタのより近くにかつ外科医からより遠くに配置された要素の位置を指す。更に、図面を参照して「上部」、「下部」、「垂直」、「水平」などの空間的用語が本明細書で使用される限り、このような用語は、例示的な記述目的にのみ使用されて、限定も絶対も意図していないことが理解されるであろう。その点において、本明細書に開示されるものなどの外科用器具を、本明細書で図示及び記載するものに限定されない様々な向き及び位置で使用してもよいことが理解されよう。
【0009】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲の「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は集合が、本明細書で記載されているその本来の目的のために機能することを可能とする好適な寸法の許容範囲を示すものである。
【0010】
I.例示的な画像誘導手術ナビゲーションシステム
患者(P)の頭部(H)内で医療手技を実施するとき、特に器具が患者(P)の頭部(H)内の器具の作業要素の内視鏡視野を得ることが困難又は不可能である場所にある場合に、患者(P)の頭部(H)内の器具の位置に関する情報を有することが望ましい場合がある。図2は、画像誘導を使用してENT手技を実行することを可能にする例示的なIGSナビゲーションシステム(50)を示す。本明細書に記載されている構成要素及び動作性を有することに加えて、あるいはそれに代えて、IGSナビゲーションシステム(50)は、以下の文献の教示の少なくとも一部に従って構成され、動作可能であってもよい。すなわち、米国特許第7,720,521号、発明の名称「Methods and Devices for Performing Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2010年5月18日発行)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)、及び米国特許出願公開第2014/0364725号、発明の名称「Systems and Methods for Performing Image Guided Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2014年12月11日公開)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)。
【0011】
本実施例のIGSナビゲーションシステム(50)は、磁界発生器アセンブリ(60)を含み、磁界発生器アセンブリ(20)は、馬蹄形フレーム(62)に組み込まれた磁界発生器(64)のセットを備える。磁界発生器(64)は、患者(P)の頭部(H)の周りに異なる周波数の交流磁界を発生させるように動作可能である。以下に説明されるRFアブレーション器具のうちのいずれかなどの器具が、患者(P)の頭部(H)の中に挿入されてもよい。そのような器具は、独立型デバイスであってもよく、又はエンドエフェクタ上に位置付けられてもよい。本実施例では、フレーム(62)が椅子(70)に装着され、フレーム(62)が患者(P)の頭部(H)に隣接して位置するように患者(P)は椅子(70)に着座する。単に一例として、椅子(70)及び/又は磁界発生器アセンブリ(60)は、米国特許第10,561,370号、発明の名称「Apparatus to Secure Field Generating Device to Chair」(2020年2月18日発行)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の教示の少なくとも一部に従って構成され、動作可能であってもよい。
【0012】
本実施例のIGSナビゲーションシステム(50)は、更に、プロセッサ(52)を備え、プロセッサ(12)は、IGSナビゲーションシステム(50)の磁界発生器(64)及び他の要素を制御する。例えば、プロセッサ(52)は、磁界発生器(64)を駆動して交流電磁界を生成し、器具からの信号を処理して患者(P)の頭部(H)内における器具内のナビゲーションセンサの場所を判定するように動作可能である。プロセッサ(52)は、1つ又は2つ以上のメモリと通信する処理ユニット(例えば、組み合わせ論理回路又は他の類似の回路を使用してソフトウェア命令を評価及び実行するように配置された一組の電子回路)を備える。本実施例のプロセッサ(52)は、キーパッド及び/又はマウス若しくはトラックボールなどのポインティングデバイスを含む動作制御部(54)を備えるコンソール(58)内に装着されている。医師は、外科手技を実行しながら、動作制御部(54)を使用して、プロセッサ(52)と相互作用する。
【0013】
図示はしないが、器具は、磁界発生器(64)によって発生された交流磁界内における配置に応答するナビゲーションセンサを含んでもよい。連結ユニット(図示せず)は器具の近位端に固定され、コンソール(58)と器具との間のデータ及び他の信号の通信を提供するように構成されてもよい。連結ユニットは、データ及び他の信号の有線又は無線通信を提供することができる。
【0014】
いくつかの変形形態では、器具のナビゲーションセンサは、器具の遠位端又はその近傍に少なくとも1つのコイルを備えてもよい。磁界発生器(64)によって発生された交流電磁界の中にこのようなコイルが位置付けされると、交流磁界がコイルの中に電流を発生させ、この電流は、器具内の導電路に沿って、そして、連結ユニットを介して更にプロセッサ(52)に通信されてもよい。この現象により、IGSナビゲーションシステム(50)が、三次元空間内(すなわち、患者(P)の頭部(H)内)の器具の遠位端の場所を判定することが可能となり得る。これを実現するために、プロセッサ(52)は、器具の遠位端の場所の座標を、器具内のコイルの位置関連信号から計算するアルゴリズムを実行する。
【0015】
プロセッサ(52)は、プロセッサ(52)のメモリに記憶されたソフトウェアを使用して、IGSナビゲーションシステム(50)を較正し、動作させる。このような動作は、磁界発生器(64)を駆動することと、器具からのデータを処理することと、動作制御部(54)からのデータを処理することと、ディスプレイスクリーン(56)を駆動することと、を含む。いくつかの実装形態では、動作はまた、IGSナビゲーションシステム(50)の1つ又は2つ以上の安全機構又は機能の監視及び施行も含み得る。プロセッサ(52)は、患者の頭部(H)のビデオカメラ画像、患者の頭部(H)のCTスキャン画像、及び/又は患者の鼻腔内及び患者の鼻腔に隣接する解剖学的構造のコンピュータ生成3次元モデル、に関して器具の遠位端の位置を示すディスプレイスクリーン(56)を介して、リアルタイムで動画を提供するように更に動作可能である。ディスプレイスクリーン(56)は、外科手技中にこのような画像を同時に及び/又は互いに重ね合わせて表示することができる。そのようなディスプレイ画像は、また、患者の頭部(H)に挿入された器具のグラフィカル表現を含むことができ、それにより、操作者がリアルタイムでその実際の場所にある器具の仮想レンダリングを見ることができるようになる。単に一例として、ディスプレイスクリーン(56)は、米国特許第10,463,242号、発明の名称「Guidewire Navigation for Sinuplasty」(2019年11月5日発行)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の教示の少なくとも一部に従って画像を提供してもよい。操作者が内視鏡も使用している場合には、内視鏡画像もディスプレイスクリーン(56)に提供することができる。
【0016】
ディスプレイスクリーン(56)によって提供される画像は、操作者が患者の頭部(H)内で器具を操縦すること及び他の方法で操作することを支援し得る。また、以下に記載するように、手術用器具の他の構成要素及び他の種類の手術用器具は、上記のナビゲーションセンサのようなナビゲーションセンサを組み込んでもよいことを理解されたい。
【0017】
II.展開可能なアブレーション部材を備える器具を有する例示的なRFアブレーション外科用システム
いくつかの例では、従来のヴィディアン神経切除術の代替として、後鼻神経(40)などの鼻神経の効果的かつ安全なRFアブレーションを容易にするために、非展開状態と展開状態との間で選択的に作動可能な1つ又は2つ以上のアブレーション部材を有するRFアブレーション器具を提供することが望ましい場合がある。そのようなアブレーション器具は、アブレーション部材が非展開状態にある間に、鼻腔内に挿入して標的領域に到達させるのを容易にし、アブレーション部材が展開状態にあるとき、標的組織との完全な接触を促進し得る。以下に説明する例示的なRFアブレーション器具(110、210、310、410)の各々は、このように機能する。以下に提供される実施例は、後鼻神経(40)アブレーションに関連して論じられるが、RFアブレーション器具(110、210、310、410)は、患者の耳、鼻、又は咽喉内の様々な他の領域内の組織をアブレーションするために使用されてもよい。RFアブレーション器具(110、210、310、410)が用いられ得るその他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明白であろう。
【0018】
A.膨張可能なバルーン上に電極が配設された器具を有する例示的なRFアブレーション外科用システム
図3は、高周波(radio frequency、RF)エネルギーを用いて、後鼻神経(40)などの神経、又は患者の鼻腔(10)内の他の標的領域をアブレーションするように動作可能な例示的なRFアブレーション外科用システム(100)を示す。外科用システム(100)は、シース(112)を有する第1の例示的なRFアブレーション器具(110)と、シース(112)内に同軸状に摺動可能に配設されたアブレーションカテーテル(114)と、アブレーションカテーテル(114)の少なくとも1つの電極と電気的に連結されたRF発生装置(116)とを備え、以下でより詳細に説明するように、電極と電気的に接触して位置付けられた組織(例えば、神経)のRFアブレーションを可能にする。本実施例のシステム(100)は、アブレーションカテーテル(114)の膨張ルーメンと流体連結された膨張流体源(118)を更に備える。膨張流体源(118)は、以下でより詳細に説明するように、アブレーションカテーテル(114)のルーメンに膨張流体を送達して、電極と組織との電気的連結を促進するように構成されている。
【0019】
図4図5Cに示すように、RFアブレーション器具(110)のシース(112)は、近位端(122)を有する外側管(120)と、遠位端(124)と、それらの間に延在する管腔(126)とを含む。管腔(126)は、後述するように、内部にアブレーションカテーテル(114)を摺動可能に受け入れるような大きさに形成される。外側管(120)の近位部分は、外側管(120)の第1の側面を通って横方向に延在する第1の長手方向スロット(128)と、外側管(120)の対向する第2の側面を通って横方向に延在する第2の長手方向スロット(図示せず)とを含む。いくつかの変形形態では、プルワイヤ又は他のアクチュエータが、遠位端(124)などのシース(112)の一部分に連結されて、鼻腔(10)を通るシース(112)のナビゲーション中にシース(112)の制御された横方向の偏向又は操縦を可能にし得る。
【0020】
アブレーションカテーテル(114)は、長手方向軸に沿って延在する近位の内側チューブ又は細長いシャフト(140)と、シャフト(140)から遠位に延在する膨張可能なバルーン(142)の形態の展開可能なアブレーション部材と、膨張可能なバルーン(142)から遠位に延在し、アブレーションカテーテル(114)の遠位端を画定する遠位先端部(144)とを含む。バルーン(142)は、所望に応じて、伸展性であっても非伸展性であってもよい。示される実施例では、遠位先端部(144)は、組織を不注意に貫通することを回避するために非外傷性である。いくつかの変形形態では、遠位先端部(144)は、患者の鼻甲介(20、22、24)への遠位先端部(144)の選択的挿入を可能にするように実質的に剛性であってもよい。加えて、遠位先端部(144)のいくつかの変形形態は、遠位先端部(144)が組織を貫通するように構成されるように、鋭利であってもよい。シャフトルーメン(146)は、シャフト(140)を通って長手方向に延在し、バルーン(142)の内部空洞と流体連通している。以下に説明するように、シャフトルーメン(146)は、膨張流体源(118)と流体連結して膨張流体を膨張流体源(104)からバルーン(142)に連通させるように構成されている。本実施例の遠位先端部(144)は、シャフト(140)及び外側管(120)と同軸状に延在する。
【0021】
アブレーションカテーテル(114)は、バルーン(142)の外部表面上に配設された、複数のアクティブ電極アセンブリ(150a)及び複数の戻り電極アセンブリ(150b)を含む複数の電極アセンブリ(150a、150b)を更に備える。本例では、各電極アセンブリ(150a、150b)は、フレックス回路の形態である。具体的に言えば、本実施例の各電極アセンブリ(150a、150b)は、可撓性基板(151a、151b)と、基板(151a、151b)上に配設された電極接点(153a、153b)とを含む。本実施例の電極アセンブリ(150a、150b)は各々、バルーン(142)の外部表面の周りに実質的な空間的収容を必要としない比較的薄型形状を提供し得る。
【0022】
あくまで一例として、基板(151a、151b)は、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン(polyether ether ketone、PEEK)、ポリエステル、又は任意の他の好適な材料を含んでもよい。基板(151a、151b)は、接着剤を介して固定されることを含むがこれに限定されない任意の好適な様式でバルーン(142)に固定されてもよい。基板(151a、151b)の可撓性が、基板(151a、151b)間の間隔と相まって、電極アセンブリ(150a、150b)が、非展開状態と展開状態との間で移行するバルーン(142)に過度に干渉しないようにすることができる。
【0023】
電極接点(153a、153b)は、薄膜として構成されてもよく、銅、金、鋼、アルミニウム、銀、ニチノールなどの金属導電材料、及び/又は導電性ポリマー、シリサイド、グラファイトなどの非金属導電材料を含むがこれらに限定されない、任意の好適な材料又は材料の組み合わせで形成されてもよい。電極接点(153a、153b)は、従来の回路印刷技術、蒸着を使用して、又は本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかとなるような任意の他の好適な様式で、基板(151a、151b)に固定されてもよい。
【0024】
本実施例では、電極アセンブリ(150a、150b)は、互いに協働して、RF発生装置(116)からのRFエネルギーを、電極アセンブリ(150a、150b)と電気的に接触して位置付けられた組織に送達し、それによって双極RFエネルギーで組織をアブレーションするように構成されている。あるいは、電極アセンブリ(150a、150b)を使用して、組織に電気穿孔エネルギーを印加してもよい(例えば、治療薬の吸収を促進するためなど)。電気コネクタ(152)(例えば、ワイヤ)は、シャフト(140)の近位部分に取り付けられ、RF発生装置(116)と電気的に連結して、1つ又は2つ以上のワイヤ(図示せず)などの導体を介して電極アセンブリ(150a、150b)にRFエネルギーを送達するように構成されている。そのような構成は、米国特許出願公開第2020/0261149号、発明の名称「Instrument for Endoscopic Posterior Nasal Nerve Ablation」(2020年8月20日出願)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の教示のいずれか1つ以上に従って構成され、動作可能であってもよい。
【0025】
示されている実施例では、電極アセンブリ(150a、150b)は、電極アセンブリ(150a、150b)が、アクティブ電極アセンブリ(150a)及び戻り電極アセンブリ(150b)の交互の長手方向列でバルーン(142)の外部表面の周りに円周方向に配置されるように、角度的に交互の長手方向に整列したパターンでバルーン(142)の外部表面上に配置される。電極アセンブリ(150a、150b)は、任意の好適な数で提供され、任意の他の好適な配置又はパターンでバルーン(142)の外部表面上に位置付けられてもよいことが理解されるであろう。例えば、電極アセンブリ(150a、150b)は、電極アセンブリ(150a、150b)がバルーン(142)の外部表面上において、アクティブ電極アセンブリ(150a)及び戻り電極アセンブリ(150b)の交互の円周列でバルーン(142)の外部表面に沿って長手方向に配置されるように、長手方向に交互に角度を付けて整列したパターンで配置されてもよい。別の実施例として、電極アセンブリ(150a、150b)は、電極アセンブリ(150a、150b)が、交互のアクティブ電極アセンブリ(150a)及び戻り電極アセンブリ(150b)の交互の長手方向列でバルーン(142)の外部表面の周りに円周方向に配置されるように、角度的に交互で長手方向に交互のパターンでバルーン(142)の外部表面上に配置されてもよい(例えば「チェッカーボード」のパターン)。別の単なる例示的な例として、各電極アセンブリ(150a)は、アクティブ電極接点(153a)及び戻り電極接点(153a)を含む一対の電極接点(153a)を含んでもよく、これにより、各電極アセンブリ(150a)のみが、組織に双極RFエネルギーを印加するように動作可能であってもよい。同様に、各電極アセンブリ(150b)は、アクティブ電極接点(153b)及び戻り電極接点(153b)を含む一対の電極接点(153b)を含んでもよく、これにより、各電極アセンブリ(150b)のみが、組織に双極RFエネルギーを印加するように動作可能であってもよい。
【0026】
バルーン(142)上の電極アセンブリ(150a、150b)の特定の配置にかかわらず、電極接点(153a、153b)は、双極RFエネルギーで組織を治療するために互いに協働するように構成されてもよい。そのような構成は、後鼻神経(40)又は耳、鼻、若しくは咽喉内の他の標的解剖学的領域の効果的なRFアブレーションに必要とされる十分なエネルギーレベルを有利に提供することができる。いくつかの他の変形形態では、バルーン(142)は、単極RFエネルギーを組織に印加するために、患者の上又は下に配置されたRF接地パッド(図示せず)と協働するように構成され得る、単一のアクティブ電極アセンブリ(150a)などの単一の電極アセンブリ(150a、150b)を備えてもよい。同様に、バルーン(142)は、2つ以上の電極アセンブリ(150a、150b)が接地パッドと協働して単極RFエネルギーを組織に印加することができるように、全てがRFエネルギーの単極を1つだけ提供するように動作可能な複数の電極アセンブリ(150a、150b)を含んでもよい。RF発生装置(116)のいくつかの変形形態は、同じバルーン(142)及び対応する電極アセンブリ(150a、150b)が、器具(110)の操作者の選択に基づいて、双極又は単極RFエネルギーを組織に印加するように動作可能であってもよいように、双極モダリティと単極モダリティとの間で切り替えるように動作可能であってもよい。
【0027】
アブレーションカテーテル(114)は、更に、電気コネクタ(152)と概ね一直線上に並んで、電気コネクタ(152)と対向するシャフト(140)の近位部分から横方向外側に突出する細長いタブ(156)の形態の突出部を備える。タブ(156)は、シース(112)に対してアブレーションカテーテル(114)を長手方向に選択的に作動させるアドバンサーとして動作可能である。その点に関して、アブレーションカテーテル(114)は、アドバンサータブ(156)が第1の長手方向スロット(128)を通って横方向に突出し、かつ、電気コネクタ(152)が対向する第2の長手方向のスロットを通って横方向に突出するように、シース(112)の外側管(120)内に摺動可能に収容される。いくつかの他の変形形態では、電気コネクタ(152)は、シース(112)の外側管(120)の近位端(122)を通って外に出るので、電気コネクタ(152)は、シース(112)の外側管(120)内の横方向に設けられた長手方向に延在するスロットを通って横方向に必ずしも突出する必要はない。アドバンサータブ(156)及び電気コネクタ(152)は、シャフト(140)が管腔(126)を通って並進するときに、アドバンサータブ(156)が第1の長手方向スロット(128)内で長手方向に摺動し、これと同時に電気コネクタ(152)が第2の長手方向スロット内で長手方向に摺動するように、シャフト(140)に固定される。アドバンサータブ(156)は、非導電材料で形成されてもよく、あるいは別の方法で電気コネクタ(152)及び電極アセンブリ(150a、150b)から電気的に絶縁されてもよい。単に一例として、アドバンサータブ(156)は、米国特許出願公開第2020/0315697号、発明の名称「Needle Instrument for Posterior Nasal Neurectomy Ablation」(2020年10月8日出願)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の教示の少なくとも一部に従って構成され、動作可能であってもよい。あるいは、シース(112)に対するアブレーションカテーテル(114)の長手方向の並進を駆動するために、任意の他の好適な種類のアクチュエータが使用されてもよい。
【0028】
図示の例では、アブレーションカテーテル(114)は、図2を参照して上述したような磁界発生器(64)によって生成される交流磁界内での位置決めに応答して、鼻腔(10)内でのRFアブレーション器具(110)の誘導操作及び他の操作を補助するナビゲーションセンサ(160)を更に含む。本変形形態のナビゲーションセンサ(160)は、シャフト(140)とバルーン(142)との間の境界面又はその付近(例えば、バルーン(142)の近位のシャフト(140)の遠位端)でシャフトルーメン(146)内に固定して配設され、1本又は2本以上のワイヤ(162)を介してプロセッサ(52)に動作可能に連結される。アブレーションカテーテル(114)はまた、遠位先端部(144)の遠位にある患者の解剖学的構造を可視化して、鼻腔(10)内でのRFアブレーション器具(110)の誘導操作、ないしは別の方法の操作を助けるために、遠位先端部(144)に固定して配設された遠位向きカメラ(164)を含む。カメラ(164)は、カメラ(164)によって捕捉された画像(例えば、静止画又はビデオ)をディスプレイスクリーン(56)を介して表示するために、1本又は2本以上のワイヤ(図示せず)を介してプロセッサ(52)に動作可能に連結されてもよい。
【0029】
加えて、いくつかの変形形態では、アブレーションカテーテル(114)は、更に、電極アセンブリ(150a、150b)によってアブレーションされている組織(例えば、神経)の状態を感知するように動作可能な1つ又は2つ以上の組織センサを含んでもよい。そのような各組織センサは、感知された状態を示す信号をプロセッサ(52)に通信してもよい。信号を受信することに応答して、次いで、プロセッサ(52)は、RF発生装置(116)からアクティブ電極アセンブリ(150a)に送達されるRFアブレーションエネルギーを調整する(例えば、非アクティブ化する)ことができ、かつ/又は、感知された組織の状態を通知する、操作者への指示を提供することができる。いくつかの変形形態では、かかる組織センサは、アブレーション中に標的組織の温度を測定するように動作可能な熱電対を備えていてもよい。他の変形形態では、かかる組織センサは、アブレーション中に組織の電気インピーダンスを測定するために低電力RF信号を標的組織に送達するように動作可能な一対の検出電極を備えていてもよい。このようないくつかの変形形態では、かかる検出電極は、電極アセンブリ(150a、150b)とは別個に設けることができる。他のそのような変形形態では、1つ又は2つ以上のアブレーション接点(153a、153b)は、アブレーション電極及び検出電極の両方として動作可能であってもよい。いずれの構成においても、低電力RF信号は、標的組織に対して、アブレーション接点(153a、153b)によって送達される高電力RFアブレーションエネルギーと同時に、又は迅速に交互に送達することができる。標的組織が実質的に無傷でアブレーションされない状態のままである間、低電力RF信号は、比較的低いインピーダンスを有する組織を自由に通過することができる。組織のアブレーションが進行するに従い、検出電極は、組織のインピーダンスの対応する増加を検出することができ、その増加は、プロセッサ(52)に伝達される。
【0030】
いくつかの変形形態では、各電極アセンブリ(150a、150b)は、組織の1つ又は2つ以上のアブレーション領域を調整することを可能にするために独立してアクティブ化されてもよい。例えば、バルーン(142)の一方の側のアクティブ電極アセンブリ及び戻り電極アセンブリ(150a、150b)の第1の隣接する対は、選択的にアクティブ化されてもよく、一方残りの電極アセンブリ(150a、150b)は、電極アセンブリ(150a、150b)の第1の隣接する対の間に延在する組織の第1の領域を選択的にアブレーションするために、非アクティブ化のままである。別の例として、バルーン(142)の別の側にある第2の隣接する対のアクティブ電極アセンブリ及び戻り電極アセンブリ(150a、150b)は、第1の隣接する対の電極アセンブリ(150a、150b)がアクティブ化されている間に選択的にアクティブ化されて、第1の組織領域のアブレーション中に第2の隣接する対の電極アセンブリ(150a、150b)間に延在する第2の組織領域を同時にアブレーションすることができる。上述したように、このようなアクティブ化は、所望の標的組織の適切なアブレーションを確実にするために、組織センサ及び/又はナビゲーションセンサ(160)からの、プロセッサ(52)によって受信されたフィードバックに応答してなど、プロセッサ(52)によって自動的に実行されてもよい。加えて、又は代替的に、このようなアクティブ化は、ディスプレイスクリーン(56)上に表示された画像又は他の情報などに基づいて、操作者によって手動で行われてもよい。
【0031】
図5A及び図5Bに示すように、アブレーションカテーテル(114)は、図5Bの第1の矢印(A1)で示されるように、シース(112)の外側管(120)に対して、近位の後退位置(図5A)と遠位の伸長位置(図5B)との間でアドバンサータブ(156)を介して選択的に作動可能である。図5Aの例示的な近位の後退位置では、アドバンサータブ(156)及び電気コネクタ(152)は、それぞれ、第1の長手方向スロット(128)及び第2の長手方向スロットの近位端に配設されてもよく、遠位先端部(144)は、外側管(120)の遠位端内に少なくとも部分的に隠され(例えば、カメラ(164)が外側管(120)の遠位端を越えて遠位に延在する)、バルーン(142)は、非展開状態で外側管(120)内に同軸状に収容される。この点に関して、チューブルーメン(126)は、バルーン(142)を非展開状態に収縮させるようなサイズの断面寸法を有してもよい。したがって、外側管(120)は、アブレーションカテーテル(114)が近位の後退位置にあるときに、バルーン(142)が半径方向に展開するのを防止するか、あるいは別の方法でバルーン(142)の半径方向の展開を制限することができる。図5Bの例示的な遠位の伸長位置では、アドバンサータブ(156)及び電気コネクタ(152)は、それぞれ、第1の長手方向のスロット(128)及び第2の長手方向のスロットの遠位端に配設されてもよく、遠位先端部(144)及びバルーン(142)は各々、外側管(120)の遠位端を越えて遠位に延在するように外側管(120)から露出され、バルーン(142)は非展開状態のままである。したがって、外側管(120)は、アブレーションカテーテル(114)が遠位の伸長位置にあるとき、バルーン(142)が半径方向に展開することを可能にし得る。
【0032】
図5B及び図5Cに示されるように、アブレーションカテーテル(114)が遠位の伸長位置にあるとき、バルーン(142)は、膨張流体源(118)及びシャフトルーメン(146)からそこに送達される膨張流体を介して、非展開状態(図5B)から展開状態(図5C)に選択的に半径方向に展開可能であり、図5Cの第2の矢印(A2)によって示されるように、シャフト(140)を越えて半径方向外向きに延在する。図11A図11Bに関連して以下でより詳細に説明するように、アブレーションカテーテル(114)は、近位の後退位置から遠位の伸長位置に作動されるように構成され、バルーン(142)は、その後、非展開状態から展開状態に展開されて、RFアブレーション器具(110)の遠位端を鼻腔(10)に挿入した後に、電極接点(153a、153b)を患者の標的組織と電気的に接触させるように構成されている。
【0033】
B.膨張可能なバルーン上に配設された電極及びシースカメラを有する代替器具
場合によっては、RFアブレーション器具(110)と比較して追加の可視化能力を有するシステム(100)と共に使用するためのRFアブレーション器具を提供することが望ましい場合がある。図6は、そのような能力を有する第2の例示的なRFアブレーション器具(210)を示す。RFアブレーション器具(210)は、本明細書で特に記載がない限り、上述したRFアブレーション器具(110)と実質的に同様である。
【0034】
RFアブレーション器具(210)は、シース(212)と、シース(212)内に同軸状に摺動可能に配設されたアブレーションカテーテル(114)とを含む。RFアブレーション器具(210)のシース(212)は、近位端(図示せず)と、遠位端(224)と、それらの間に延在するチューブルーメン(226)とを有する外側管(220)を含む。示される実施例では、シース(212)は、遠位端(224)の遠位の患者の解剖学的構造を可視化して、鼻腔(10)内でのRFアブレーション器具(210)の誘導操作及び別様の操作を補助するために、外側管(220)の遠位端(224)に固定して配設された1つ又は2つ以上(例えば、2つ)の遠位向きカメラ(264)を更に含む。加えて又は代替的に、カメラ(264)は、アブレーションカテーテル(114)のバルーン(142)を可視化するために、例えばバルーン(142)が非展開状態にあるか又は展開状態にあるかを視覚的に評価するために、及び/又は1つ又は2つ以上の電極アセンブリ(150a、150b)と標的組織との間の電気的接触、及びその結果として行われる標的組織のアブレーションを可視化するために使用されてもよい。カメラ(264)は、カメラ(264)によってキャプチャされた画像(例えば、静止画又は動画)をディスプレイスクリーン(56)を介して表示するために、1本又は2本以上のワイヤ(図示せず)を介してプロセッサ(52)に動作可能に連結されてもよい。
【0035】
C.膨張可能なバルーン上に配設された電極及び調節可能なカメラを有する代替器具
場合によっては、RFアブレーション器具(210)と比較して追加の可視化能力を有するシステム(100)と共に使用するためのRFアブレーション器具を提供することが望ましい場合がある。図7A図7Bは、そのような能力を有する第3の例示的なRFアブレーション器具(310)を示す。RFアブレーション器具(310)は、本明細書で特に記載がない限り、RFアブレーション器具(110)と実質的に同様である。
【0036】
RFアブレーション器具(310)は、シース(112)と、シース(112)内に同軸状に摺動可能に配設されたアブレーションカテーテル(314)とを含む。アブレーションカテーテル(314)は、長手方向軸に沿って延在する近位の内側チューブ又は細長いシャフト(340)と、シャフト(340)から遠位に延在する膨張可能なバルーン(342)の形態の展開可能なアブレーション部材と、膨張可能なバルーン(342)から遠位に延在し、アブレーションカテーテル(314)の遠位端を画定する遠位先端部(344)とを含む。いくつかの変形形態では、遠位先端部(344)は閉じられ、透明な材料で形成され、それによって遠位先端部(344)を通した可視化を可能にする。いくつかの他の変形形態では、遠位先端部(344)は開放されている。シャフトルーメン(図示せず)は、シャフト(340)を通って長手方向に延在し、バルーン(342)の内部空洞と流体連通している。シャフト(340)の遠位部分は、シャフト(340)の側面を通って横方向に延在する長手方向のスロット(348)を含む。スロット(348)は、バルーン(342)の近位にある。アブレーションカテーテル(314)は、バルーン(342)の外部表面上に配設された複数のアクティブ電極アセンブリ(350a)及び複数の戻り電極アセンブリ(350b)を更に備える。電極アセンブリ(350a、350b)は、上述した電極アセンブリ(150a、150b)と同様に構成され、動作可能であってもよい。
【0037】
図示の例では、RFアブレーション器具(310)は、遠位先端部(344)の遠位側の患者の解剖学的構造を選択的に可視化して、鼻腔(10)内でのRFアブレーション器具(310)の誘導操作及び他の操作を補助し、アブレーションカテーテル(314)のバルーン(342)を選択的に可視化して、例えばバルーン(342)が非展開状態にあるか展開状態にあるかを視覚的に評価し、及び/又はバルーン(342)上の1つ又は2つ以上の電極アセンブリ(350a、350b)と標的組織との間の電気的接触、及び結果として行われる標的組織のアブレーションを可視化するための、遠位向きカメラ(364)を更に含む。カメラ(364)は、ディスプレイスクリーン(56)を介してカメラ(364)によってキャプチャされた画像(例えば、静止画又は動画)を表示するために、1本又は2本以上のワイヤ(366)を介してプロセッサ(52)に動作可能に連結されてもよい。
【0038】
この点に関して、カメラ(364)は、図7Bの第3の矢印(A3)によって示されるように、アブレーションカテーテル(314)のバルーン(342)に対して遠位の伸長位置(図7A)と近位の後退位置(図7B)との間で選択的に作動可能である。図7Aの例示的な遠位の伸長位置では、カメラ(364)は、遠位先端部(344)の遠位の患者の解剖学的構造を可視化するように、遠位先端部(344)に選択的に配設される。例えば、上述したように、遠位先端部(344)がカメラ(364)を取り囲む一方で、遠位先端部(344)は、カメラ(364)が遠位先端部(344)を通して患者の解剖学的構造を可視化することを可能にするように透明であってもよい。あるいは、遠位先端部(344)が開いている変形形態では、カメラ(364)は、遠位先端部(344)の開口部を通して前進されてもよく、又は遠位先端部(344)の開口部を通して可視化を提供するように別様に位置付けられてもよい。
【0039】
図7Bの例示的な近位の後退位置では、カメラ(364)は、アブレーションカテーテル(314)のバルーン(342)を可視化するように、長手方向のスロット(348)を通って選択的に伸長する。この位置において、カメラ(364)の視線は、アブレーションカテーテル(314)の長手方向軸と平行であるが、それから横方向にオフセットされる。いくつかの変形形態では、カメラ(364)は、長手方向のスロット(348)を通して半径方向外向きに弾性的に付勢されてもよく、その結果、カメラ(364)は、長手方向のスロット(348)と長手方向に整列されると、自動的に長手方向のスロット(210)を通って伸長するように構成される。例えば、ニチノールワイヤ(図示せず)が、カメラ(364)及び/又はワイヤ(366)の少なくとも一部分に沿って延在し、それによって、カメラ(364)が遠位に面し続けることができるように、カメラ(364)を半径方向外向きに弾性的に付勢してもよい。このようにして、カメラ(364)は、RFアブレーション器具(310)を鼻腔(10)を通してナビゲーションする間、最初に遠位の伸長位置にあってもよく、その後、カメラ(364)をバルーン(342)に対して近位に並進させて長手方向のスロット(348)と長手方向に整列させることによって近位の後退位置に作動されてもよく、それによってカメラ(364)が長手方向のスロット(348)を通って半径方向外向きに自動的に伸長できるようになる。いくつかの他の変形形態では、プルワイヤ又は他のアクチュエータを操作者が操作して、長手方向のスロット(348)を通して外へのカメラ(364)の横方向の偏向を選択的に制御及び駆動して、図7Bに示す構成を達成してもよい。
【0040】
D.展開可能なメッシュ電極を有する代替器具
場合によっては、RFアブレーション器具(110)の展開可能なアブレーション部材とは別の展開可能なアブレーション部材を有するシステム(100)と共に使用するためのRFアブレーション器具を提供することが望ましい場合がある。図8 A~図8 Bは、そのような構成を有する第4の例示的なRFアブレーション器具(410)を示す。RFアブレーション器具(410)は、本明細書で特に記載がない限り、RFアブレーション器具(110)と実質的に同様である。
【0041】
RFアブレーション器具(410)は、シース(112)と、シース(112)内に同軸状に摺動可能に配設されたアブレーションカテーテル(414)とを含む。アブレーションカテーテル(414)は、長手方向軸に沿って延在する細長い近位内側シャフト(440)と、シャフト(440)から遠位に延在し、アブレーションカテーテル(414)の遠位端を画定する遠位先端部(444)とを含む。示される実施例では、遠位先端部(444)は、組織を不注意に貫通することを回避するために非外傷性である。いくつかの変形形態では、遠位先端部(444)は、患者の鼻甲介(20、22、24)に遠位先端部(444)を選択的に挿入できるように実質的に剛性であってもよい。加えて、遠位先端部(444)のいくつかの変形形態は、遠位先端部(444)が組織を貫通するように構成されるように、鋭利であってもよい。
【0042】
図示の例では、アブレーションカテーテル(414)は、シャフト(440)上に配設されたアクティブ電極アセンブリ(450a)及び戻り電極アセンブリ(450b)を含む、弾性的に付勢された電極アセンブリ(450a、450b)の形態の一対の展開可能なアブレーション部材を更に含む。電極アセンブリ(450a)は、シャフト(440)の円周の周りで互いに角度的に離間した複数のワイヤ部材(452a)を含む。同様に、電極アセンブリ(450b)は、シャフト(440)の円周の周りで互いに角度的に離間している複数のワイヤ部材(452b)を含む。ワイヤ部材(452a、452b)は、半径方向外向きに曲がるように弾性的に付勢されて、図8Bに示されるメッシュ又はバスケット様構成を実現する。それにもかかわらず、ワイヤ部材(452a、452b)は、内側に撓むのに十分な可撓性を有し、それによって、図8Aに示されるようにシース(112)内に収容される。いくつかの変形形態では、ワイヤ部材(452a、452b)は、弾性かつ導電性の材料(例えば、ニチノール、ばね鋼など)から形成される。加えて、又は代替として、各ワイヤ部材(452a、452b)は、導電性又は非導電性である弾性構造支持体を含んでもよく、導電材料(例えば、銅、金、鋼、アルミニウム、銀、伝導性ポリマー、ケイ化物、黒鉛など)が、弾性構造支持体上に蒸着されるか、又は別様に固定される。
【0043】
示される実施例では、電極アセンブリ(450a、450b)は各々、各電極アセンブリ(450a、450b)がシャフト(440)の周りに円周方向に巻き付けられ、シャフト(440)の長手方向軸を取り囲むか又は角度を付けて取り囲むように、概ね環状の断面形状を有する。電極アセンブリ(450a、450b)は、互いに協働して、RF発生装置(116)からのRFエネルギーを、電極アセンブリ(450a、450b)と電気的に接触して位置付けられた組織に送達し、それによって、組織を双極RFエネルギーでアブレーションするように構成されている。あるいは、電極アセンブリ(450a、450b)を使用して、組織に電気穿孔エネルギーを印加してもよい(例えば、治療薬の吸収を促進するためなど)。電極アセンブリ(450a、450b)は、シャフト(440)の近位部分に取り付けられた電気コネクタ(図示せず)と電気的に連結されてもよく、1本又は2本以上のワイヤ(図示せず)などの導体を介してRFエネルギーを電極アセンブリ(450a、450b)に送達するために、RF発生装置(116)と電気的に連結するように構成されてもよい。
【0044】
図示の例では、電極アセンブリ(450a、450b)は、アクティブ電極アセンブリ(450a)が相対的に近位の位置にあり、戻り電極アセンブリ(450b)が相対的に遠位の位置にあるように、シャフト(440)上に配置されている。電極アセンブリ(450a、450b)は、任意の好適な数で提供されてもよく、任意の他の好適な配置又はパターンでシャフト(140)上に位置付けられてもよいことが理解されるであろう。例えば、電極アセンブリ(450a、450b)は、アクティブ電極アセンブリ(450a)が相対的に遠位の位置にあり、戻り電極アセンブリ(450b)が相対的に近位の位置にあるように、シャフト(440)上に配置されてもよい。
【0045】
いくつかの変形形態では、遠位先端部(444)自体が別の電極を画定するように、遠位先端部(444)は導電性材料で形成されてもよい。電極アセンブリ(450a、450b)と同様に、遠位先端部(444)は、1本又は2本以上のワイヤ(図示せず)などの導体を介してRFエネルギーを遠位先端部(444)に送達するために、RF発生装置(116)と電気的に連結するように構成された電気コネクタと電気的に連結されてもよい。この変形形態では、遠位先端部(444)は、戻り電極アセンブリ(450b)が2つのアクティブ電極(444、450a)の間に位置付けられ得るように、アクティブ電極を画定し得る。他のアクティブ電極アセンブリ(450a)が相対的に遠位の位置にあり、戻り電極アセンブリ(450b)が相対的に近位の位置にあるような他の変形形態では、遠位先端部(444)が戻り電極を画定してもよい。電極自体を画定することによって、遠位先端部(444)は、例えば、患者の鼻甲介(20、22、24)への挿入、及びその後の戻り電極アセンブリ(450b)との協働による鼻甲介(20、22、24)のアブレーションに好適であってもよい。いくつかの他の変形形態では、遠位先端部(444)は電極を画定せず、ないしは別様に提供せず、電極アセンブリ(450a、450b)によってのみ電極が提供されるようになっている。
【0046】
上述したように、本実施例のRFアブレーション器具(410)は、互いに協働して双極RFエネルギーで組織を治療するように構成された、シャフト(440)上に配設された複数の電極アセンブリ(450a、450b)と、遠位先端部(444)によって画定された電極とを含む。かかる構成は、後鼻神経(40)の効果的なRFアブレーションに必要とされる十分なエネルギーレベルを有利に提供する。しかしながら、他の変形形態では、シャフト(440)は、単極RFエネルギーで様々な種類の組織を治療するためにRF接地パッド(図示せず)と協働するように構成され得る、単一のアクティブ電極アセンブリ(450a)などの単一の電極アセンブリ(450a、450b)を備えてもよいことが理解されるであろう。
【0047】
図示の例では、アブレーションカテーテル(414)は、シャフト(440)内に固定して配設され、1本又は2本以上のワイヤ(462)を介してプロセッサ(52)に動作可能に連結されたナビゲーションセンサ(460)と、遠位先端部(144)に固定して配設された遠位向きカメラ(464)とを更に含む。本変形形態のカメラ(464)は、遠位先端部(144)に固定して配設されて示されているが、アブレーションカテーテル(414)は、図7A及び図7Bを参照して上述したカメラ(364)と同様に、アブレーションカテーテル(414)の展開可能な電極アセンブリ(450a、450b)に対して、遠位の伸長位置(例えば、遠位先端部(444)の遠位の患者の解剖学的構造を可視化するため)と近位の後退位置(例えば、展開可能な電極アセンブリ(450a、450b)を可視化するため)との間で選択的に作動可能なカメラを追加的又は代替的に含んでもよい。加えて、いくつかの変形形態では、アブレーションカテーテル(414)は、更に、電極(444、450a、450b)によってアブレーションされている組織(例えば、神経)の状態を感知するように動作可能な1つ又は2つ以上の組織センサを含んでもよい。
【0048】
いくつかの変形形態では、各電極(444、450a、450b)は、組織の1つ又は2つ以上のアブレーション領域を調整することを可能にするために独立してアクティブ化されてもよい。例えば、展開可能な電極アセンブリ(450a、450b)は、展開可能な電極アセンブリ(450a、450b)間に延在する組織の第1の領域を選択的にアブレーションするために、遠位先端部(444)によって画定される電極が非アクティブ化されたままである間に、選択的にアクティブ化されてもよい。別の例として、遠位先端部(444)によって画定される電極は、展開可能な電極アセンブリ(450a、450b)がアクティブ化されている間に選択的にアクティブ化されて、組織の第1の領域のアブレーション中に、展開可能な戻り電極アセンブリ(450b)と遠位先端部(444)との間に延在する組織の第2の領域を同時にアブレーションすることができる。上述したように、このようなアクティブ化は、所望の標的組織を確実に適切にアブレーションするために、組織センサ及び/又はナビゲーションセンサ(460)からの、プロセッサ(52)によって受信されたフィードバックに応答してなど、プロセッサ(52)によって自動で行われてもよい。加えて、又は代替的に、このようなアクティブ化は、例えばディスプレイスクリーン(56)上に表示された画像又は他の情報に基づいて、操作者によって手動で行われてもよい。
【0049】
図8A及び図8Bに示すように、アブレーションカテーテル(414)は、図8Bの第4の矢印(A4)によって示されるように、シース(112)の外側管(120)に対して、近位の後退位置(図8A)と遠位の伸長位置(図8B)との間で(例えば、アドバンサータブを介して)選択的に作動可能である。図8Aの例示的な近位の後退位置では、遠位先端部(444)は、外側管(120)の遠位端内に少なくとも部分的に隠され、電極アセンブリ(450a、450b)は各々、非展開状態で外側管(120)内に同軸状に収容される。この点に関して、チューブルーメン(126)は、電極アセンブリ(450a、450b)を非展開状態に収縮させるようなサイズの断面寸法を有してもよい。したがって、外側管(120)は、電極アセンブリ(450a、450b)を半径方向に圧縮し、アブレーションカテーテル(414)が近位の後退位置にあるときに、電極アセンブリ(450a、450b)が半径方向に展開するのを防止するか、あるいは別の方法で、電極アセンブリ(450a、450b)の半径方向の展開を制限することができる。図8Bの例示的な遠位の伸長位置では、遠位先端部(444)及び電極アセンブリ(450a、450b)は各々、外側管(120)の遠位端を越えて遠位に延在するように、外側管(120)から露出される。したがって、外側管(120)は、アブレーションカテーテル(414)が遠位の伸長位置に移行するのに応答して、電極アセンブリ(150a、150b)が弾性的に半径方向に展開できるようにすることができる。
【0050】
図8Bに示されるように、電極アセンブリ(450a、450b)は各々、図8Bの第5の矢印(A5)によって示されるように、遠位の伸長位置へのアブレーションカテーテル(414)の作動に応答して、シャフト(440)を越えて半径方向外向きに伸長するように、非展開状態から展開状態に自動的に半径方向に展開可能である。したがって、アブレーションカテーテル(414)は、近位の後退位置から遠位の伸長位置に作動されるように構成され、それに応答して、電極アセンブリ(450a、450b)は、非展開状態から展開状態に自動的に展開されて、RFアブレーション器具(410)の遠位端を鼻腔(10)に挿入した後に、電極アセンブリ(450a、450b)を患者の標的組織と電気的に接触させるように構成されている。
【0051】
上述したように、電極アセンブリ(450a、450b)は、電極アセンブリ(450a)のワイヤ部材(452a)が双極RFエネルギーの印加のためのアクティブ電極として機能するように構成されるように構成されている。一方、電極アセンブリ(450b)のワイヤ部材(452b)は、双極RFエネルギーを印加するための戻り電極として機能するように構成されている。したがって、双極RFエネルギーは、電極アセンブリ(450a)と電極アセンブリ(450b)との間に位置付けられた接触した組織に印加され得る。いくつかの変形形態では、電極アセンブリ(450a)は、ワイヤ部材(452a)が組織に双極RFエネルギーを印加するように動作可能であるように構成されてもよい。例えば、電極アセンブリ(450a)は、アクティブ電極として機能するように構成されたいくつかのワイヤ部材(452a)と、戻り電極として機能するように構成された他のワイヤ部材(452a)とを含んでもよく、これらのアクティブ/戻り電極ワイヤ部材(452a)は、互いに任意の好適な関係で位置付けられる。例えば、アクティブ電極ワイヤ部材(452a)は、シャフト(440)の円周の周りで約180度に及んでもよい。一方、戻り電極ワイヤ部材(452a)は、シャフト(440)の円周の周りで他の約180度に及んでもよい。別の単なる例示的な例として、アクティブ電極ワイヤ部材及び戻り電極ワイヤ部材(452a)は、シャフト(440)の円周の周りに角度を付けて交互に位置付けられてもよい。電極アセンブリ(450a)が双極RFエネルギーを印加するように構成され得る他の好適な方法(例えば、電極アセンブリ(450b)が必ずしも双極RFエネルギーのかかる印加において何らかの役割を果たすことなく)は、本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかとなるであろう。当然ながら、電極アセンブリ(450b)はまた、上記の教示に従って、(例えば、電極アセンブリ(450a)が双極RFエネルギーのかかる印加において必ずしも何らかの役割を果たすことなく)双極RFエネルギーを印加するように構成することができる。
【0052】
電極アセンブリ(450a)及び/又は電極アセンブリ(450b)が独立して双極RFエネルギーを印加することが可能であり、電極アセンブリ(450a、450b)も互いに協働して双極RFエネルギーを印加するように構成されている変形形態では、制御モジュール(図示せず)は、操作者が好ましい動作モードを選択できるようにすることができる。換言すれば、制御モジュールは、電極アセンブリ(450a)及び/又は電極アセンブリ(450b)が、他方の電極アセンブリ(450a、450b)とは独立して組織に双極RFエネルギーを印加する第1のモード、及び電極アセンブリ(450a、450b)が互いに協働して双極RFエネルギーを組織に印加する第2のモード、のどちらかを操作者が選択できるようにすることができる。加えて、又は代替的に、このような制御モジュールは、操作者が、電極アセンブリ(450a)及び/又は電極アセンブリ(450b)が接地パッドと協働して単極RFエネルギーを組織に印加するモードを選択できるようにすることができる。
【0053】
E.遠位先端部に展開可能なメッシュ電極を有する代替アブレーションカテーテル
場合によっては、RFアブレーション器具(410)のものとは別の展開可能な電極構成を有するシステム(100)と共に使用するためのRFアブレーション器具を提供することが望ましい場合がある。図9は、そのような構成を有する第5の例示的なRFアブレーション器具(510)を示す。RFアブレーション器具(510)は、本明細書で特に記載がない限り、RFアブレーション器具(410)と実質的に同様である。
【0054】
RFアブレーション器具(510)は、シース(112)と、シース(112)内に同軸状に摺動可能に配設されたアブレーションカテーテル(514)とを含む。アブレーションカテーテル(514)は、長手方向軸に沿って延在する細長い近位内側シャフト(540)と、シャフト(540)から遠位に延在する遠位先端部(544)とを含む。アブレーションカテーテル(514)は、シャフト(540)上に配設されたアクティブ電極アセンブリ(550a)及び戻り電極アセンブリ(550b)を含む、弾性的に付勢された電極アセンブリ(550a、550b)の形態の一対の展開可能なアブレーション部材を更に含む。アブレーションカテーテル(514)はまた、シャフト(540)内に固定して配設され、1本又は2本以上のワイヤ(562)を介してプロセッサ(52)に動作可能に連結されたナビゲーションセンサ(560)を含む。
【0055】
示される実施例では、戻り電極アセンブリ(550b)は相対的に近位の位置にあり、アクティブ電極アセンブリ(550a)は遠位先端部(544)に位置付けられ、アクティブ電極アセンブリ(550a)の最遠位部分は遠位先端部(544)の遠位にあり、それによってアブレーションカテーテル(514)の遠位端を画定する。このようにして、アクティブ電極アセンブリ(550a)は、遠位先端部(544)の遠位の組織のアブレーションを促進するために、シャフト(540)の半径方向外側の組織に加えて、遠位先端部(544)の遠位の組織に接触することが可能であってもよい。他の変形形態では、戻り電極アセンブリ(550b)の最遠位部分が遠位先端部(544)の遠位にあり、それによってアブレーションカテーテル(514)の遠位端を画定するように、アクティブ電極アセンブリ(550a)は相対的に近位の位置にあってもよく、戻り電極アセンブリ(550b)は遠位先端部(544)に位置付けられてもよい。RFアブレーション器具(510)における電極アセンブリ(550a、550b)の異なる位置付けは別として、RFアブレーション器具(510)の電極アセンブリ(550a、550b)は、上述のRFアブレーション器具(410)の電極アセンブリ(450a、450b)と同様に構成され、動作可能であってもよい。
【0056】
F.並進可能な展開可能なメッシュ電極を有する代替アブレーションカテーテル
場合によっては、調節可能で展開可能な電極構成を有するシステム(100)と共に使用するためのRFアブレーション器具を提供することが望ましい場合がある。図10A図10Cは、そのような構成を有する第6の例示的なRFアブレーション器具(610)を示す。RFアブレーション器具(610)は、本明細書で特に記載がない限り、RFアブレーション器具(410)と実質的に同様である。
【0057】
RFアブレーション器具(610)は、シース(112)と、シース(112)内に同軸状に摺動可能に配設されたアブレーションカテーテル(614)とを含む。アブレーションカテーテル(614)は、長手方向軸に沿って延在する細長い近位内側シャフト(640)と、シャフト(640)から遠位に延在する遠位先端部(644)とを含む。アブレーションカテーテル(614)は、シャフト(640)上に配設されたアクティブ電極アセンブリ(650a)及び戻り電極アセンブリ(650b)を含む、弾性的に付勢された電極アセンブリ(650a、650b)の形態の一対の展開可能なアブレーション部材を更に含む。アブレーションカテーテル(614)はまた、シャフト(640)内に固定して配設され、1本又は2本以上のワイヤ(662)を介してプロセッサ(52)に動作可能に連結されたナビゲーションセンサ(660)を含む。
【0058】
示される例では、電極アセンブリ(650a、650b)は、図10Bの第6の矢印(A6)及び図10Cの第7の矢印(A7)によって示されるように、シャフト(640)に沿って互いに対して選択的に長手方向に並進可能であり、戻り電極アセンブリ(650b)は相対的に近位の位置にあり、アクティブ電極アセンブリ(650a)は相対的に遠位の位置にある。例えば、戻り電極アセンブリ(650b)は、第1の近位の位置(図10A)から第2の近位の位置(図10B及び図10C)まで、アクティブ電極アセンブリ(650a)から離れて近位に長手方向に並進されてもよい。同様に、アクティブ電極アセンブリ(650a)は、第1の遠位の位置(図10A及び図10B)から第2の遠位の位置(図10C)まで、戻り電極アセンブリ(650b)から離れて長手方向に遠位に並進され得る。電極アセンブリ(650a、650b)の互いに対するそのような長手方向の並進は、組織のアブレーション領域を調整することを可能にすることができる。他の変形形態では、アクティブ電極アセンブリ(650a)は相対的に近位の位置にあってもよく、戻り電極アセンブリ(650b)は相対的に遠位の位置にあってもよい。電極アセンブリ(650a、650b)の長手方向の並進は、ハンドルアセンブリ(図示せず)上の対応するスライダ又は他の作動入力部を介して作動させることができる。電極アセンブリ(650a、650b)の長手方向の並進を作動させることができる様々な好適な方式が、本明細書の教示を鑑みて当業者には明らかとなろう。RFアブレーション器具(510)における電極アセンブリ(650a、650b)の異なる位置付け可能性とは別に、RFアブレーション器具(610)の電極アセンブリ(650a、650b)は、上述のRFアブレーション器具(410)の電極アセンブリ(450a、450b)と同様に構成され、動作可能であってもよい。
【0059】
III.後鼻神経をアブレーションする例示的な方法
RFアブレーション外科用システム(100)及びRFアブレーション器具(110、210、310、410)の例示的な特徴を先で説明してきたが、ここで、システム(100)を用いて患者の後鼻神経(40)に対してアブレーションを行う例示的な方法を、図11A図11Cに関連して説明する。例示的な方法は、RFアブレーション器具(110)を用いて実施されることを示しているが、RFアブレーション器具(210、310、410)を用いて同様の方法を実施してもよいことが理解されるであろう。更に、後鼻神経を治療するための外科用システム(100)を示して説明しているが、外科用システム(100)は、鼻腔(10)内の他の神経又は解剖学的構造をアブレーションするために、又は、患者の様々な他の解剖学的領域の組織をアブレーションするために、様々な他の外科手術用途に使用することができることが理解されるであろう。例えば、本明細書の教示は、米国特許出願公開第2019/0374280号、発明の名称「Apparatus and Method for Performing Vidian Neurectomy Procedure」(2019年12月12日公開)(その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部と組み合わせてもよい。
【0060】
図11Aに示すように、RFアブレーション器具(110)の遠位端は、鼻腔(10)に挿入され、下鼻甲介及び中鼻甲介(20、22)の後端に向かっており、これは、例えば、カメラ(164)によって又は内視鏡(図示せず)によって提供される可視化の下で実行することができる。後鼻神経(40)の標的部分が存在する鼻壁(18)の標的部位に到達すると、操作者は、図11Bの第8の矢印(A8)によって示されるように、アドバンサータブ(156)を遠位に前進させ、それによってアブレーションカテーテル(114)を伸長させ、その後、図11Bに示されるようにバルーン(142)を膨張させて、電極アセンブリ(150a、150b)を後鼻神経(40)の標的部分と電気的に接触させる。次に、電極アセンブリ(150a、150b)は、双極RFエネルギーで通電され、それによって後鼻神経(40)の標的部分をアブレーションする。
【0061】
IV.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせる又は適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願又は本出願のその後の出願において任意の時点で提示され得る特許請求の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。一切の権利放棄が意図されていない。以下の実施例は、単に例示的な目的で提供されているに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用され得ることが企図される。また、一部の変形例では、以下の実施例において言及される特定の特徴部を省略し得ることも企図される。したがって、以下に言及される態様又は特徴のいずれも、本発明者ら又は本発明者らの権利相続人によって後にそのように明示的に示されていない限り、重要であるとみなされるべきではない。本出願又は本出願に関連する後続の出願において提示される特許請求の範囲が、以下に言及されるもの以外の追加の特徴を含む場合、それらの追加の特徴は、特許性に関するいかなる理由で追加されたものとみなされるべきではない。
【実施例1】
【0062】
外科用器具であって、(a)患者の頭部の腔に挿入されるように構成されているシースと、(b)シース内に配設されたアブレーションカテーテルであって、アブレーションカテーテルが、長手方向軸に沿って延在し、患者の頭部内の組織を選択的にアブレーションするために非展開状態から展開状態へと選択的に半径方向外向きに展開するように構成された少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材を含む、アブレーションカテーテルと、を備え、アブレーションカテーテルは、少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材がシース内に収容され、それによって少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材が非展開状態から展開状態に半径方向に展開することを防止する近位の後退位置と、少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材がシースから露出され、それによって少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材が組織に接触するために非展開状態から展開状態に半径方向に展開することを可能にする遠位伸長位置との間で、シースに対して選択的に並進可能である、外科用器具。
【実施例2】
【0063】
少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材は、少なくとも1つの電極を含む、実施例1に記載の外科用器具。
【実施例3】
【0064】
少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材は、膨張可能なバルーンを更に含み、少なくとも1つの電極は、膨張可能なバルーンの外部表面上に位置付けられており、膨張可能なバルーンの内部空洞は、少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材を非展開状態から展開状態に半径方向に展開させるために、アブレーションカテーテルが遠位の伸長位置にあるときに、膨張流体を受容するように構成されている、実施例2に記載の外科用器具。
【実施例4】
【0065】
少なくとも1つの電極が、弾性的に付勢された導電性材料を含む、実施例2に記載の外科用器具。
【実施例5】
【0066】
少なくとも1つの電極が、長手方向軸に対して半径方向外向きに弾性的に付勢され、それにより、少なくとも1つの電極は、アブレーションカテーテルが近位の後退位置にあるときにシースによって半径方向に圧縮されるように構成され、少なくとも1つの電極は、アブレーションカテーテルが近位の後退位置から遠位の伸長位置に並進することに応答して、非展開状態から展開状態に弾性的に半径方向に展開するように構成されている、実施例4に記載の外科用器具。
【実施例6】
【0067】
少なくとも1つの電極が、メッシュ構成を有する、実施例4~5のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【実施例7】
【0068】
アブレーションカテーテルが、長手方向軸を画定し、遠位先端部で終端するシャフトを含み、少なくとも1つの電極が、シャフト上に各々配設された近位の電極及び遠位の電極を含む、実施例4~6のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【実施例8】
【0069】
遠位の電極の少なくとも一部分が遠位先端部の遠位にあるように、遠位の電極が遠位先端部上に配設されている、実施例7に記載の外科用器具。
【実施例9】
【0070】
近位の電極又は遠位の電極のうちの少なくとも一方が、シャフトに沿って近位の電極又は遠位の電極のうちの他方に対して選択的に長手方向に並進可能である、実施例7~8のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【実施例10】
【0071】
遠位先端部が、剛性の電極を備える、実施例7~9のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【実施例11】
【0072】
アブレーションカテーテルが、ナビゲーションセンサを含み、ナビゲーションセンサが、患者内のナビゲーションセンサの位置を示す信号を生成するように動作可能である、実施例1~10のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【実施例12】
【0073】
患者の頭部の解剖学的構造又は少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材のうちの少なくとも1つを可視化するように構成されたカメラを更に備える、実施例1~11のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【実施例13】
【0074】
カメラが、シース又はアブレーションカテーテルのうちの1つの遠位端に固定されている、実施例12に記載の外科用器具。
【実施例14】
【0075】
カメラが、患者の頭部の解剖学的構造及び少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材をそれぞれ選択的に可視化するために、少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材に対して遠位の伸長位置と近位の後退位置との間で選択的に作動可能である、実施例12に記載の外科用器具。
【実施例15】
【0076】
外科用システムであって、(a)請求項2に記載の外科用器具であって、少なくとも1つの電極が、複数の電極を含む、外科用器具と、(b)複数の電極と動作可能に連結されたRFエネルギー源と、を備え、外科用器具は、RFエネルギー源からのRFエネルギーで複数の電極に通電するように動作可能であり、複数の電極は、組織をアブレーションするために組織に双極RFエネルギーを送達するように構成されている、外科用システム。
【実施例16】
【0077】
外科用器具であって、(a)シースと、(b)シース内に配設されたアブレーションカテーテルであって、(i)長手方向軸を画定するシャフトと、(ii)シャフト上に配設された少なくとも1つの電極であって、少なくとも1つの電極が、組織をアブレーションするために組織にRFエネルギーを送達するように動作可能であり、少なくとも1つの電極が、長手方向軸に対して半径方向外向きに弾性的に付勢されている、少なくとも1つの電極と、を備える、アブレーションカテーテルと、を備え、アブレーションカテーテルが、少なくとも1つの電極がシース内に収容される近位の後退位置と、少なくとも1つの電極がシースから露出される遠位の伸長位置との間で、シースに対して選択的に並進可能であり、少なくとも1つの電極が、シースからの少なくとも1つの電極の遠位の伸長に応答して、非展開状態から展開状態に弾性的に移行するように構成されている、外科用器具。
【実施例17】
【0078】
少なくとも1つの電極が、シャフトに沿って選択的に長手方向に並進可能である、実施例16に記載の外科用器具。
【実施例18】
【0079】
RFアブレーション器具を用いて患者の頭部内の組織をアブレーションする方法であって、RFアブレーション器具は、シースと、シース内に配設されたアブレーションカテーテルとを含み、アブレーションカテーテルは、長手方向軸に沿って延在し、展開可能なアブレーション部材を有し、方法は、(a)展開可能なアブレーション部材がシース内に後退したままである間に、RFアブレーション器具の遠位端を患者の頭部に挿入することと、(b)RFアブレーション器具の遠位端を患者の頭部における組織の標的領域に位置決めすることと、(c)展開可能なアブレーション部材をシースに対して露出させることと、(d)展開可能なアブレーション部材を非展開状態から展開状態に半径方向に展開させることと、(e)組織を露出して展開したアブレーション部材と接触させて、展開可能なアブレーション部材の電極を組織と電気的に接触させて配置することと、(f)組織と電気的に接触している展開可能なアブレーション部材の電極をRFエネルギーで通電し、それによって、RFエネルギーで組織をアブレーションすることと、を含む方法。
【実施例19】
【0080】
アブレーションされた組織が、後鼻神経を含む、実施例18に記載の方法。
【実施例20】
【0081】
展開可能なアブレーション部材を非展開状態から展開状態に半径方向に展開することが、アブレーションカテーテルを遠位に作動させて展開可能なアブレーション部材をシースから露出させた後に、展開可能なアブレーション部材に膨張流体を供給することを含む、実施例18~19のいずれか1つ又は2つ以上に記載の方法。
【0082】
V.その他
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができることを理解されたい。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示に鑑みて当業者には容易に明らかであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0083】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるあらゆる特許、刊行物、又は他の開示内容の全部又は一部は、組み込まれる内容が本開示に記載されている既存の定義、見解、又は他の開示内容と矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれることを理解されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0084】
上述のデバイスの変形例は、1回の使用後に処分するように設計することができ、又はそれらは、複数回使用するように設計することができる。変形形態は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整することができる。再調整は、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含み得る。特に、デバイスのいくつかの変形形態は分解することができ、また、デバイスの任意の数の特定の部分又は部品を、任意の組み合わせで選択的に交換又は除去することができる。特定の部品の洗浄及び/又は交換後、デバイスのいくつかの変形形態を、再調整用の施設において、又は処置の直前にユーザによってのいずれかで、その後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本出願の範囲内にある。
【0085】
単に例として、本明細書に記載される変形形態は、処置の前及び/又は後に滅菌され得る。1つの滅菌技術では、デバイスをプラスチック製又はTYVEK製のバックのような密閉及び封止された容器に入れる。次に、容器及びデバイスは、ガンマ線、X線、又は高エネルギー電子線など、容器を透過することができる放射線場に置かれ得る。放射線は、デバイス上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌されたデバイスは、後の使用のために、滅菌容器内に保管され得る。デバイスはまた、ベータ線若しくはガンマ線、エチレンオキシド、又は蒸気を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で周知の任意の他の技術を用いて滅菌することができる。
【0086】
本発明の様々な実施形態を示し記載したが、当業者による適切な修正により、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。そのような可能な修正のいくつかについて述べたが、その他の修正は当業者には明らかであろう。例えば、上記の実施例、実施形態、幾何学的形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであり、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に関して考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び操作の詳細に限定されないことが理解される。
【0087】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具であって、
(a)患者の頭部の腔に挿入されるよう構成されているシースと、
(b)前記シース内に配設されたアブレーションカテーテルであって、前記アブレーションカテーテルが、長手方向軸に沿って延在し、前記患者の頭部内の組織を選択的にアブレーションするために非展開状態から展開状態へと選択的に半径方向外向きに展開するように構成された少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材を含む、アブレーションカテーテルと、を備え、
前記アブレーションカテーテルは、前記少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材が前記シース内に収容され、それによって前記少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材が前記非展開状態から前記展開状態に半径方向に展開することを防止する近位の後退位置と、前記少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材が前記シースから露出され、それによって前記少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材が組織に接触するために前記非展開状態から前記展開状態に半径方向に展開することを可能にする遠位の伸長位置との間で、前記シースに対して選択的に並進可能である、外科用器具。
(2) 前記少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材は、少なくとも1つの電極を含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材は、膨張可能なバルーンを更に含み、前記少なくとも1つの電極は、前記膨張可能なバルーンの外部表面上に位置付けられており、前記膨張可能なバルーンの内部空洞は、前記少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材を前記非展開状態から前記展開状態に半径方向に展開させるために、前記アブレーションカテーテルが前記遠位の伸長位置にあるときに膨張流体を受容するように構成されている、実施態様2に記載の外科用器具。
(4) 前記少なくとも1つの電極が、弾性的に付勢された導電性材料を含む、実施態様2に記載の外科用器具。
(5) 前記少なくとも1つの電極が、前記長手方向軸に対して半径方向外向きに弾性的に付勢され、それにより、前記少なくとも1つの電極は、前記アブレーションカテーテルが前記近位の後退位置にあるときに前記シースによって半径方向に圧縮されるように構成され、前記少なくとも1つの電極は、前記アブレーションカテーテルが前記近位の後退位置から前記遠位の伸長位置に並進することに応答して、前記非展開状態から前記展開状態に弾性的に半径方向に展開するように構成されている、実施態様4に記載の外科用器具。
【0088】
(6) 前記少なくとも1つの電極が、メッシュ構成を有する、実施態様4に記載の外科用器具。
(7) 前記アブレーションカテーテルが、前記長手方向軸を画定し、遠位先端部で終端するシャフトを含み、前記少なくとも1つの電極が、前記シャフト上に各々配設された近位の電極及び遠位の電極を含む、実施態様4に記載の外科用器具。
(8) 前記遠位の電極の少なくとも一部分が前記遠位先端部の遠位にあるように、前記遠位の電極が前記遠位先端部上に配設されている、実施態様7に記載の外科用器具。
(9) 前記近位の電極又は前記遠位電極のうちの少なくとも一方が、前記シャフトに沿って前記近位の電極又は前記遠位電極のうちの他方に対して選択的に長手方向に並進可能である、実施態様7に記載の外科用器具。
(10) 前記遠位先端部が、剛性の電極を備える、実施態様7に記載の外科用器具。
【0089】
(11) 外科用システムであって、
(a)実施態様2に記載の外科用器具であって、前記少なくとも1つの電極が、複数の電極を含む、外科用器具と、
(b)前記複数の電極と動作可能に連結されたRFエネルギー源と、を備え、
前記外科用器具は、前記RFエネルギー源からのRFエネルギーで前記複数の電極に通電するように動作可能であり、
前記複数の電極は、組織をアブレーションするために前記組織に双極RFエネルギーを送達するように構成されている、外科用システム。
(12) 前記アブレーションカテーテルが、ナビゲーションセンサを含み、前記ナビゲーションセンサが、患者内の前記ナビゲーションセンサの位置を示す信号を生成するように動作可能である、実施態様1に記載の外科用器具。
(13) 前記患者の頭部の解剖学的構造又は前記少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材のうちの少なくとも1つを可視化するように構成されたカメラを更に備える、実施態様1に記載の外科用器具。
(14) 前記カメラが、前記シース又は前記アブレーションカテーテルのうちの1つの遠位端に固定されている、実施態様13に記載の外科用器具。
(15) 前記カメラが、前記患者の頭部の前記解剖学的構造及び前記少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材をそれぞれ選択的に可視化するために、前記少なくとも1つの展開可能なアブレーション部材に対して遠位の伸長位置と近位の後退位置との間で選択的に作動可能である、実施態様13に記載の外科用器具。
【0090】
(16) 外科用器具であって、
(a)シースと、
(b)前記シース内に配設されたアブレーションカテーテルであって、
(i)長手方向軸を画定するシャフトと、
(ii)前記シャフト上に配設された少なくとも1つの電極であって、前記少なくとも1つの電極が、組織をアブレーションするために前記組織にRFエネルギーを送達するように動作可能であり、前記少なくとも1つの電極が、前記長手方向軸に対して半径方向外向きに弾性的に付勢されている、少なくとも1つの電極と、を備える、アブレーションカテーテルと、を備え、
前記アブレーションカテーテルが、前記少なくとも1つの電極が前記シース内に収容される近位の後退位置と、前記少なくとも1つの電極が前記シースから露出される遠位の伸長位置との間で、前記シースに対して選択的に並進可能であり、
前記少なくとも1つの電極が、前記シースからの前記少なくとも1つの電極の遠位の伸長に応答して、非展開状態から展開状態に弾性的に移行するように構成されている、外科用器具。
(17) 前記少なくとも1つの電極が、前記シャフトに沿って選択的に長手方向に並進可能である、実施態様16に記載の外科用器具。
(18) RFアブレーション器具を用いて患者の頭部内の組織をアブレーションする方法であって、前記RFアブレーション器具は、シースと、前記シース内に配設されたアブレーションカテーテルとを含み、前記アブレーションカテーテルは、長手方向軸に沿って延在し、展開可能なアブレーション部材を有し、前記方法は、
(a)前記展開可能なアブレーション部材が前記シース内に後退したままである間に、前記RFアブレーション器具の遠位端を前記患者の頭部に挿入することと、
(b)前記RFアブレーション器具の前記遠位端を前記患者の前記頭部における組織の標的領域に位置付けることと、
(c)前記展開可能なアブレーション部材を前記シースに対して露出させることと、
(d)前記展開可能なアブレーション部材を非展開状態から展開状態に半径方向に展開させることと、
(e)前記組織を前記露出して展開したアブレーション部材と接触させて、前記展開可能なアブレーション部材の電極を前記組織と電気的に接触させて配置することと、
(f)前記組織と電気的に接触している前記展開可能なアブレーション部材の前記電極をRFエネルギーで通電し、それによって、前記RFエネルギーで前記組織をアブレーションすることと、を含む、方法。
(19) アブレーションされた前記組織が、後鼻神経を含む、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記展開可能なアブレーション部材を前記非展開状態から前記展開状態に半径方向に展開させることが、前記アブレーションカテーテルを遠位に作動させて前記展開可能なアブレーション部材を前記シースから露出させた後に、前記展開可能なアブレーション部材に膨張流体を供給することを含む、実施態様18に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
【国際調査報告】