(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-03
(54)【発明の名称】イラクサを含む機能性組成物及びこの製造方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/9789 20170101AFI20230926BHJP
A61K 36/185 20060101ALI20230926BHJP
A61P 17/14 20060101ALI20230926BHJP
A61Q 7/00 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61K36/185
A61P17/14
A61Q7/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021552490
(86)(22)【出願日】2021-08-23
(85)【翻訳文提出日】2021-10-07
(86)【国際出願番号】 KR2021011163
(87)【国際公開番号】W WO2023022272
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】10-2021-0109367
(32)【優先日】2021-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521393904
【氏名又は名称】ディエムセル コスメティックス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【氏名又は名称】芦北 智晴
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ヒウン
【テーマコード(参考)】
4C083
4C088
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA112
4C083CC01
4C083CC02
4C083CC37
4C083EE13
4C083EE22
4C083FF01
4C088AB12
4C088BA08
4C088CA08
4C088MA63
4C088NA14
4C088ZA92
(57)【要約】
本発明は、イラクサを含む組成物及びこの製造方法に関し、より詳細には、イラクサ抽出物及びエスペノジリア抽出物を有効成分として含んで抗酸化機能が向上した化粧料組成物、薬学的組成物及びこの製造方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イラクサ抽出物を有効成分として含む皮膚改善用化粧料組成物。
【請求項2】
エスピノジリア抽出物を有効成分としてさらに含むものである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
黒豆抽出物を有効成分としてさらに含むものである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
黒ごま抽出物、桑白皮抽出物及び何首烏抽出物を有効成分としてさらに含むものである、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記黒ごま抽出物は、イラクサ乾燥重量100重量部に対して黒ごま乾燥重量15重量部ないし50重量部を抽出して製造されたものであり、
前記桑白皮抽出物は、イラクサ乾燥重量100重量部に対して桑白皮乾燥重量15重量部ないし50重量部を抽出して製造されたものであり、
前記何首烏抽出物は、イラクサ乾燥重量100重量部に対して何首烏乾燥重量15重量部ないし30重量部を抽出して製造されたものである、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
魚腥草抽出物を有効成分としてさらに含むものである、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記魚腥草抽出物は、水分20%以上を含有する魚腥草から製造されるものである、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
イラクサ抽出物を有効成分として含む脂漏性脱毛の予防用又は治療用の薬学的組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イラクサを含む組成物及びこの製造方法に関し、より詳細には、イラクサ抽出物及びエスペノジリア抽出物を有効成分として含んで抗酸化機能が向上した化粧料組成物、薬学的組成物及びこの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人体の毛髪は約10万~15万本程度であり、それぞれの毛髪は3年~6年の相異なる周期で成長期(anagen)、退行期(catagen)、及び休止期(telogen)を繰り返し、1日平均50~100本の毛髪が正常に抜ける。
【0003】
脱毛のメカニズムはまだ正確に明らかになっていないが、一般的に不均衡な食生活、過度な飲酒と喫煙、薬物服用、睡眠不足、過度なストレス、出産、更年期障害、頻繁なパーマとカラーリング、ホルモンの不均衡などに起因すると知られている。人の頭で伸びる髪の毛は一定の周期を維持するが、前記様々な原因により脱毛が進む時は、まず頭頂部又は額の髪の毛が細くなり、力がなくなり始め、脱毛の数が増加する。すなわち、遺伝的な要因、後天的自然脱毛、各種疾病などにより髪の毛が脱毛されてハゲ症状を有する人々が全般的に増加する傾向であり、ハゲの人々は精神的ストレスをひどく感じるだけでなく、これを治療するために多くの努力を傾けているのが実情である。
【0004】
そのうち、脂漏性脱毛は、脂漏性頭皮炎が原因である。頭皮の皮脂分泌量の異常な増加、微生物分布の不均衡、免疫反応の異常、神経伝達物質の異常などが原因と推定され、頭皮の炎症がひどい場合、一時的に脱毛が発生することがある。炎症が緩和すれば脱毛症状も回復する。
【0005】
従って、前記脂漏性脱毛を予防又は治療するために、皮膚において油分と水分のバランスを維持させることが重要である。皮膚は、外部環境と常に接している器官であり、機械的、化学的に有害な成分の侵入を防ぎ、生体内より乾燥した外部環境から内部の水分が失われることを防ぐとともに、角質層も適度な水分を保有して、柔軟性を維持している。
【0006】
しかしながら、このような機能にもかかわらず、悪天候、強い紫外線、過度な洗顔料の使用、ストレスと自然な皮膚の老化現象などにより、皮膚における油分と水分のバランスが崩れることがあるが、現在まで開発された化粧品組成物は油分を調節する能力が不足しており、脂漏性脱毛に対する備えが不足しているのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明は、前記の実情を考慮して従来技術の様々な欠点及び問題点を解決しようとするものであり、イラクサを含む化粧料組成物及びその製造方法を提供して、皮膚の油分と水分のバランスを維持させることを目的とする。
【0008】
また、本発明が解決しようとする課題は、以上で言及された課題に限定されず、言及されていないまた他の課題は、以下の記載から通常の技術者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記のような目的を達成するために、本発明の実施例によれば、イラクサ抽出物を有効成分として含む皮膚改善用化粧料組成物が提供される。
【0010】
また、本発明において、前記組成物は、エスピノジリア抽出物を有効成分としてさらに含むものであり得る。
【0011】
また、本発明において、前記組成物は、黒豆抽出物を有効成分としてさらに含むものであり得る。
【0012】
また、本発明において、前記組成物は、黒ごま抽出物、桑白皮抽出物及び何首烏抽出物を有効成分としてさらに含むものであり得る。
【0013】
また、本発明において、前記黒ごま抽出物は、イラクサ乾燥重量100重量部に対して黒ごま乾燥重量15重量部ないし50重量部を抽出して製造されたものであり、前記桑白皮抽出物は、イラクサ乾燥重量100重量部に対して桑白皮乾燥重量15重量部ないし50重量部を抽出して製造されたものであり、前記何首烏抽出物は、イラクサ乾燥重量100重量部に対して何首烏物乾燥重量15重量部ないし30重量部を抽出して製造されたものであり得る。
【0014】
また、本発明において、前記組成物は、魚腥草抽出物を有効成分としてさらに含むものであり得る。
【0015】
また、本発明において、前記魚腥草抽出物は水分20%以上を含有する魚腥草から製造されるものであり得る。
【0016】
本発明の他の実施例によれば、イラクサ抽出物を有効成分として含む脂漏性脱毛の予防用又は治療用の薬学的組成物が提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によるイラクサ抽出物を含む化粧料組成物及び薬学的組成物が皮膚に作用する場合、皮膚の油分と水分のバランスを調節して脂漏性脱毛を予防又は治療する効果がある。
【0018】
本発明の効果は以上で言及された効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は、下記の記載から通常の技術者に明確に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明による機能性組成物を処理した場合のIL-6発現量を確認した結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、イラクサを含む化粧料組成物及びこれの製造方法を提供するものである。
【0021】
以下、前記のような目的を達成するために本発明について詳細に説明する。これに先立って、本明細書及び特許請求の範囲に用いられた用語又は単語は、通常的且つ辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は自分の発明を最良の方法で説明するために用語の概念を適宜定義することができるとの原則に即して、本発明の技術的思想に符合する意味と概念に解釈されなければならない。従って、本明細書に記載された実施例に記載された構成は、本発明の最も好ましい一実施例に過ぎないだけであり、本発明の技術的思想を全て代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替し得る多様な均等物と変形例などがあり得ることを理解しなければならない。
【0022】
本発明において、「イラクサ(Urtica thunbergiana)」はイラクサ科の草本植物であり、ちくちく刺す毛が生えているが、葉の内側にある毛が抗菌及び抗酸化物質を含んでいる。また、葉茎にマグネシウム、ビタミンC、ビタミンB、ビタミンK、カリウム、シリカ、亜鉛、鉄分、オメガ3、リグナン、セレン及びビタミンEが含まれていると知られている。
【0023】
本発明において、「エスピノジリア(Espinosilla)」は、メキシコ地域を中心に自生する天然ハーブであり、ビタミン、アミノ酸、ベータカロチン、リンゴ酸、クエン酸、フラボノイド、不飽和脂肪酸及びミネラルを含んでいると知られている。
【0024】
本発明において、「黒豆(Glycine max(L.)merr)」はビタミンE、不飽和脂肪酸、植物性エストロゲン及びシステインを含んでいると知られている。
【0025】
本発明において、「黒ゴマ(Black sesame)」は、双子葉植物、合弁花植物目ゴマ科の一年草の黒い種であり、ケラチン、トコフェロール及びビタミンEを含んでいると知られている。
【0026】
本発明において、「桑白皮(Mori Radicis Cortex)」は、主皮を取り除いた桑の根皮であり、晩秋から翌年春に発芽する前まで桑の根を掘って黄褐色の外皮を取り除き、縦に割って根の皮を剥いて天日で乾燥したものである。若干独特のにおいがあって味はほとんどない。
【0027】
本発明において、「何首烏(Polygonum multiflorum Thunberg)」は塊根であって、四角錐状又は塊であり、長さが5cm~15cmで、直径が3cm~10cmである。外面は赤褐色から黒褐色であり、やや凸凹して平らではなく、溝と不規則な皺の模様があり、匂いがなく、味はやや苦くて渋い。
【0028】
本発明において、「魚腥草(Houttuynia cordata)」はドクダミとも呼ばれ、葉から生臭さがあり、雑草のように旺盛な繁殖力を持ち、お血を解消し、殺菌効果に優れていることからアトピーに良いと知られており、主に茶として飲まれる。
【0029】
本発明において、用語「抽出物(extract)」は、目的物質を溶媒に浸漬した後、常温、低温又は加温状態で一定時間抽出して得られた液状成分ないし前記液状成分から溶媒を除去して得られた固形物などの結果物を意味する。それだけでなく、前記結果物に加えて、前記結果物の希釈液、これらの濃縮液、これらの粗精製物、精製物などを全て含むものと包括的に解釈できる。
【0030】
本発明において、前記抽出物を得る方法は特に限定されるものではなく、本発明の属する技術分野において通常に使用される様々な抽出方法を利用してもよい。例えば、精製水、メタノール、エタノール、グリセリン、エチルアセテート、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジクロロメタン、ヘキサンの溶媒をそれぞれ単独で又はこれらを2種以上混合した溶媒を抽出溶媒として利用して抽出することができる。または、熱水抽出;超高圧抽出法による抽出;超音波抽出法による抽出;一定の分子量カットオフ値を有する限外濾過膜を利用した分離;多様なクロマトグラフィーによる分離など、追加で実施された多様な精製方法により得られた分画も前記抽出物に含まれる。
【0031】
本発明において、「皮膚の改善」は、皮膚の内在的要因又は外因的要因により誘発される皮膚の損傷を治療、軽減、緩和させる過程又はその効果などを包括的に意味し、より詳細には、皮膚の美白、シワ改善、弾力増進、皮膚の再生、皮膚の保湿、老化防止、皮膚刺激緩和、ニキビ改善及びアトピー改善効果から選択された1つ以上のものを含み、本発明の目的上、皮膚の油分と水分のバランスを維持させるものであり得る。
【0032】
本発明において、「予防」は、本発明の薬学的組成物を利用して前記列挙した疾患の症状を遮断するか、その症状を抑制又は遅延させる全ての行為であれば制限なく含まれる。
【0033】
本発明において、「治療」は、本発明の薬学的組成物を利用して前記列挙した疾患の症状が好転又は良好に変更される全ての行為であれば制限なく含まれる。
【0034】
本発明において、「薬学的組成物」は、カプセル、錠剤、顆粒、注射剤、軟膏剤、粉末又は飲料の形態であることを特徴とし、前記薬学的組成物は人間を対象とすることを特徴とする。前記薬学的組成物はこれらに限定されるものではないが、それぞれ通常の方法により散剤、顆粒剤、カプセル、錠剤、水性懸濁液などの経口剤、外用剤、坐剤及び滅菌注射用液の形態に製剤して使用できる。
【0035】
本発明の薬学的組成物は、薬剤的に許容可能な担体を含んでもよい。薬剤学的に許容される担体は、経口投与時には結合剤、滑択剤、崩壊剤、賦形剤、可溶化剤、分散剤、安定化剤、懸濁化剤、色素、香料などを使用でき、注射剤の場合は、緩衝剤、保存剤、無痛化剤、可溶化剤、等張剤、安定化剤などを混合して使用でき、局所投与用の場合は、基剤、賦形剤、潤滑剤、保存剤などを使用できる。本発明の薬剤学的組成物の剤形は、前述のような薬剤学的に許容される担体と混合して多様に製造できる。例えば、経口投与時には、錠剤、トローチ、カプセル、エリクサー(elixir)、サスペンション、シロップ、ウェハなどの形態で製造でき、注射剤の場合は、単位投薬アンプル又は多数回投薬形態で製造できる。その他、溶液、懸濁液、錠剤、カプセル、徐放型製剤などに製剤することができる。
【0036】
一方、製剤化に適した担体、賦形剤、及び希釈剤の例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、デンプン、アカシアゴム、アルジネート、ゼラチン、カルシウムホスフェイト、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、ステアリン酸マグネシウム、又は鉱物油などが使用される。また、充填剤、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤、防腐剤などが追加できる。
【0037】
本発明の薬学的組成物は、使用された特定化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康、性別、定食、投与時間、投与経路、排出率、薬物配合、及び予防又は治療される特定疾患の重症度を含む様々な要因によって様々に変り、前記薬学的組成物の投与量は、患者の状態、体重、疾病の程度、薬物形態、投与経路及び投与期間に応じて異なるが、当業者により適切に選択されることができ、1日0.0001mg/kgないし50mg/kg又は0.001mg/kgないし50mg/kgで投与することができる。投与は、1日に1回投与してもよく、数回に分けて投与してもよい。前記投与量はどのような面からも本発明の範囲を限定するものではない。本発明による薬学的組成物は、丸剤、糖衣錠、カプセル、液剤、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁剤として製剤されることができる。
【0038】
本発明において、前記外用剤は、化粧品学的又は皮膚科学的に許容可能な媒質又は基剤を含有して製剤化されることができる。これは、局所適用に適したすべての剤形であり、例えば、溶液、ゲル、固体、練り無水生成物、水相に油相を分散させて得られたエマルジョン、懸濁液、マイクロエマルジョン、マイクロカプセル、微細顆粒球又はイオン型(リポソーム)及び非イオン型の小嚢分散剤の形態であるか、又はクリーム、スキン、ローション、パウダー、軟膏、スプレー若しくはコンシーラースティックの形態で提供され得る。また、フォーム(Foam)の形態で、又は圧縮された推進剤をさらに含有したエアロゾール組成物の形態としても使用され得る。これらの組成物は当該分野の通常方法により製造できる。
【0039】
また、前記外用剤は、脂肪物質、有機溶媒、溶解剤、濃縮剤、ゲル化剤、軟化剤、抗酸化剤、懸濁化剤、安定化剤、発泡剤(foaming agent)、芳香剤、界面活性剤、水、イオン型若しくは非イオン型の乳化剤、充填剤、金属イオン封鎖剤、キレート化剤、保存剤、ビタミン、遮断剤、湿潤化剤、エッセンシャルオイル、染料、顔料、親水性若しくは親油性の活性剤、脂質小嚢又は化粧品に通常使用される任意の他の成分のような化粧品学又は皮膚科学の分野において通常的に使用される補助剤を含有することができる。前記補助剤は、化粧品学又は皮膚科学の分野で一般的に使用される量で導入される。
【0040】
また、前記外用剤は、効果を増加させるために皮膚への吸収促進物質を含有することができる。また、前記外用剤は、前記抽出物のほか、本発明の目的を損なわない範囲内で、好ましくは、前記効果に相乗効果を与える他の成分を含有することができる。
【0041】
本発明において、「個体」とは、皮膚疾患又は脂漏性脱毛の改善、予防又は治療が必要な個体であり、哺乳動物及び非哺乳動物を全て含む。ここで、前記の哺乳動物の例としては、人間、非人間霊長類、例えば、チンパンジー、他の類人猿又は猿種;畜産動物、例えば、牛、馬、羊、山羊、豚;飼育動物、例えば、ウサギ、犬、又は猫;実験動物、例えば、齧歯類、ラット、マウス、又はモルモットなどを含むことができるが、これに限られるものではない。また、本発明において、前記非哺乳動物の例としては鳥類又は魚類などを含むことができるが、これに限られるものではない。
【0042】
本発明において、「投与」とは、任意の適切な方法で個体に本発明の有効成分を導入する過程を意味し、本発明の前記治療方法において、投与方法は経口又は非経口などの様々な経路により投与される。
【0043】
本発明の目的上、対象とする個体に対する具体的な薬学的有効量は、達成しようとする反応の種類と程度、場合によって異なる製剤が用いられるか否かをはじめとする具体的前記有効成分を含む組成物、患者の年齢、体重、一般の健康状態、性別及び食事、投与時間、投与経路及び前記有効成分を含む組成物の分泌率、治療期間、具体的組成物とともに使用されるか、または同時に使用される薬物をはじめとする様々な因子と医薬分野によく知られている類似因子によって異なって適用されることが好ましい。
【0044】
本発明の一実現例によれば、イラクサ抽出物を有効成分として含む皮膚改善用化粧料組成物が提供される。
【0045】
本発明において、前記組成物はエスピノジリア抽出物を有効成分としてさらに含むものであり得る。
【0046】
本発明において、前記組成物は黒豆抽出物をさらに有効成分として含むものであり得る。
【0047】
本発明において、前記黒豆抽出物は、前記イラクサ抽出物の製造のために抽出されたイラクサ乾燥重量100重量部に対して黒豆乾燥重量10重量部~60重量部を抽出して製造されたものであり、好ましくは、抽出されたイラクサ乾燥重量100重量部に対して黒豆乾燥重量45重量部~55重量部を抽出して製造されたものであり得る。
【0048】
本発明において、前記組成物は、黒ごま抽出物、桑白皮抽出物及び何首烏抽出物を有効成分としてさらに含むものであり得る。
【0049】
本発明において、前記黒ごま抽出物、前記桑白皮抽出物及び前記何首烏抽出物は超音波照射下で抽出されたものであり得る。前記超音波照射は、室温、10℃~30℃、10℃~40℃、又は37℃~40℃の温度において行われてもよく、10分間~6時間、10分間~1時間、又は45分間~55分間行われてもよい。
【0050】
本発明において、前記黒ごま抽出物は、前記イラクサ抽出物の製造のために抽出されたイラクサ乾燥重量100重量部に対して黒ごま乾燥重量15重量部ないし50重量部を抽出して製造されたものであり、抽出されたイラクサ乾燥重量100重量部に対して好ましくは黒ごま乾燥重量25重量部ないし35重量部を抽出して製造されたものであり得る。
【0051】
本発明において、前記桑白皮抽出物は、前記イラクサ抽出物の製造のために抽出されたイラクサ乾燥重量100重量部に対して桑白皮乾燥重量15重量部ないし50重量部を抽出して製造されたものであり、好ましくは、抽出されたイラクサ乾燥重量100重量部に対して桑白皮乾燥重量15重量部ないし25重量部を抽出して製造されたものであり得る。
【0052】
本発明において、前記何首烏抽出物は、前記イラクサ抽出物の製造のために抽出されたイラクサ乾燥重量100重量部に対して何首烏乾燥重量15重量部ないし30重量部を抽出して製造されたものであり、好ましくは、抽出されたイラクサ乾燥重量100重量部に対して何首烏乾燥重量19重量部ないし22重量部を抽出して製造されたものであり得る。
【0053】
本発明において、前記組成物は魚腥草抽出物を有効成分としてさらに含むものであり、好ましくは、前記魚腥草抽出物は10月に採取されたものであり得る。
【0054】
本発明において、前記魚腥草抽出物は熱水抽出されたものであり得る。前記熱水抽出は、110℃ないし190℃、115℃ないし135℃、又は175℃ないし185℃の温度で行われてもよく、10分間ないし6時間、10分間ないし1時間、又は10分間ないし40分間行われてもよい。
【0055】
本発明において、前記魚腥草抽出物は、水分20%以上を含有する魚腥草から製造されるものであり得る。前記魚腥草の水分が20%未満である場合、有効成分の活性が低下する可能性がある。
【0056】
本発明の他の実現例によれば、本発明による皮膚改善用化粧料組成物を含む化粧品が提供できる。
【0057】
本発明において、前記化粧品は、ローション、エマルジョン、セラム、エッセンス、アイクリーム、栄養クリーム、及びナイトクリームのうち選択されたいずれか1つ以上であり得る。
【0058】
本発明において、省略された残りの記載は、先に記載された化粧料組成物の記載と同様に解釈できる。
【0059】
本発明のまた他の実現例によれば、イラクサ抽出物を有効成分として含む脂漏性脱毛の予防用又は治療用の薬学的組成物が提供される。
【0060】
本発明において、省略された残りの記載は、前述された化粧料組成物の記載と同様に解釈できる。
【0061】
本発明のまた他の実現例によれば、本発明による脂漏性脱毛の予防用又は治療用の薬学的組成物を薬学的有効量で目的する個体に投与する段階を含む、脂漏性脱毛を予防又は治療する方法に関する。
【0062】
本発明において、省略された残りの記載は、前述された化粧料組成物及び薬学的組成物の記載と同様に解釈できる。
【0063】
以下、本発明の実施例により本発明をより詳細に説明するが、下記の実施例により本発明が制限されないことは自明である。
【0064】
準備例1.抽出物準備(1)
本発明の製造例に使用されたイラクサ抽出物、黒豆抽出物、黒ごま抽出物、桑白皮抽出物、及び何首烏抽出物を超音波抽出して準備した。具体的には、黒ごま、桑白皮、何首烏のそれぞれの乾燥物を同一の重量(2kg)の分だけ準備し、準備された50%エタノール水溶液に投与した後、38℃の温度で50分間抽出した。
【0065】
また、本発明の製造例に使用された魚腥草抽出物は熱水抽出して準備した。具体的には、10月に採取されて水分を含有している魚腥草を120℃の加圧条件で20分間抽出した。
【0066】
また、本発明の製造例に使用されたエスピノジリア抽出物は市中で購入した。
【0067】
準備例2.抽出物準備(2)
本発明の比較例に使用された魚腥草抽出物を超音波抽出を利用して準備した。具体的には、水分を含有している魚腥草を準備して、準備された50%エタノール水溶液に投与した後、38℃の温度で50分間抽出した。
【0068】
準備例3.抽出物準備(3)
本発明の比較例に使用された乾燥魚腥草抽出物を超音波抽出を利用して準備した。具体的には、水分5%以下の魚腥草乾燥物を準備して、準備された50%エタノール水溶液に投与した後、38℃の温度で50分間抽出した。
【0069】
準備例4.機能性組成物製造(1)
本発明による機能性組成物を製造するために、同一乾燥重量から抽出した各抽出物の溶液全体から下記の表1のような成分及び割合(%)を取り出して混合した。
【0070】
【0071】
準備例5.機能性組成物製造(2)
また、本発明による機能性組成物を製造するために、前記製造例5の成分及び割合に応じて各抽出物を混合するが、魚腥草抽出物の場合は準備例2で製造された抽出物を使用して製造例6の機能性組成物を製造した。
【0072】
準備例6.機能性組成物の製造(3)
また、本発明による機能性組成物を製造するために、前記製造例5の成分及び割合に応じて各抽出物を混合するが、魚腥草抽出物の場合は準備例3で製造された抽出物を使用して製造例7の機能性組成物を製造した。
【0073】
評価例1.脱毛症改善効果確認
抽出物の構成による機能性組成物の脱毛改善効果を確認するために、製造例1ないし5の機能性組成物に対する動物実験を実施した。具体的には、生後42日ないし49日の雄C57BL/6マウスを6匹準備して、背部の毛を除去した。次に、前記製造例1ないし5の機能性組成物に各マウスを1匹ずつ割り当て、1日1回、100μL、30日間塗布し、対照群には生理食塩水を塗布した。脱毛改善効果は、画像分析器を用いて毛を除去した面積(A)に対して新生毛が生えた面積(B)を測定し、その割合(100×A/B)を計算した結果を、下記の表2のように示した。
【0074】
【0075】
前記の表2に示すように、イラクサ抽出物を含有する製造例1ないし5の組成物を外用剤として投与する場合、養毛効果があることが確認でき、特に、イラクサ抽出物、黒豆抽出物、桑白皮抽出物、及び何首烏抽出物を含有する製造例4ないし5の組成物を外用剤として投与する場合、養毛効果が非常に優れていることが確認できた。
【0076】
評価例2.炎症緩和効果確認
魚腥草含有の有無及び加工方法による機能性組成物の炎症緩和効果を確認するために、製造例4ないし7の機能性組成物に対する実験を実施した。具体的には、96ウェルプレートにRAW264.7細胞をウェル当たり5×10
4の分だけ準備してLPS1μg/mLを処理した。次に、製造例4ないし7の機能性組成物を相異なるウェルに50μg/mLずつ処理し、陽性対照群には前記RAW264.7細胞にLPSのみを処理し機能性組成物を処理せず、対照群には前記RAW264.7細胞にLPS及び機能性組成物を両方とも処理しなかった。炎症緩和効果は、機能性組成物を処理した実験群、対照群、及び陽性対照群のIL-6発現量を測定し、対照群のIL-6発現量に対するIL-6発現量の相対値(Fold change)を計算した結果を
図1に示した。
【0077】
図1に示すように、製造例5ないし7の機能性組成物を処理した場合、陽性対照群の場合又は製造例4の機能性組成物を処理した場合に比べてIL-6発現量が減少して炎症減少効果が確認でき、特に、製造例5のように水分を含有している魚腥草を熱水抽出した場合、そうでない場合に比べて炎症減少効果が著しいことが確認できた。
【0078】
前述した本発明の説明は例示のためのものであり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態に容易に変形可能であることが理解できる。従って、前述の実施例はあらゆる面で例示的なものであり、限定的でないものであると理解しなければならない。例えば、単一型と説明されている各構成要素は分散して実施されることができ、同様に分散したものと説明されている構成要素も結合した形態で実施されることができる。
【0079】
本発明の範囲は請求範囲により示され、請求範囲の意味及び範囲並びにその均等概念から導出される全ての変更又は変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、イラクサを含む組成物及びこの製造方法に関し、より詳細には、イラクサ抽出物及びエスペノジリア抽出物を有効成分として含んで抗酸化機能が向上した化粧料組成物、薬学的組成物及びこの製造方法に関する。
【国際調査報告】