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特表2023-541513懸吊アプリケーション、特に掘削リグ、掘削装置などのためのラインガイド装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-03
(54)【発明の名称】懸吊アプリケーション、特に掘削リグ、掘削装置などのためのラインガイド装置
(51)【国際特許分類】
   F16G 13/16 20060101AFI20230926BHJP
   H02G 11/00 20060101ALI20230926BHJP
   H02G 1/06 20060101ALI20230926BHJP
   H02G 3/04 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
F16G13/16
H02G11/00
H02G1/06
H02G3/04 075
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023504661
(86)(22)【出願日】2021-08-03
(85)【翻訳文提出日】2023-03-07
(86)【国際出願番号】 EP2021071707
(87)【国際公開番号】W WO2022029148
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】202020104482.6
(32)【優先日】2020-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507336499
【氏名又は名称】イグス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフトゥング
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ヘルマイ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ハオルド
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ シュミッド
(72)【発明者】
【氏名】ティム シュニーベック
(72)【発明者】
【氏名】チロ コンラッド シュルテス
【テーマコード(参考)】
5G352
5G357
5G371
【Fターム(参考)】
5G352CA02
5G357DB01
5G357DC20
5G357DD01
5G357DD16
5G357DG04
5G371AA05
5G371BA01
5G371CA02
5G371CA03
(57)【要約】
本発明は、例えば掘削リグ(1)などにおける特に懸吊アプリケーションのためのケーブル、ホースなどのような複数のラインをガイドするためのラインガイド装置(10)に関する。ラインガイド装置(10)は、好ましくはラインガイド装置の長さにわたって延在する高い引張り強度の柔軟な搬送ストランド(11)を有する。ガイド本体(14)が搬送ストランド(11)の長手方向に配置され、隣接するガイド本体(14)は相互に対して空間的に偏向可能である。少なくとも一部のガイド本体がいずれも、搬送ストランド(11)に締結するための締結デバイス(18)を有する中心部品(15A)と、ラインのための受容領域(L)を境界付ける少なくとも1つの周回要素(17)を有する外側部品(15B)とを有する。本発明の第1の態様によると、少なくとも3本の放射状バー(22A~22D;42A~42C;52A~52D)が、中心部品(15A)に設けられ、外側部品(15B)を保持する。本発明の第2の態様によると、少なくとも1つのスペーサ本体(70)がいずれも2つのガイド本体(14)の間に搬送ストランド(11)に対して設けられ、スペーサ本体はガイド本体(14)の中心部品(15A)間の間隔を規定する。スペーサ本体(70)は、特に、ガイド本体(14)に対して減少した外径を有し、及び/又は2つのガイド本体(14)の外側部品(15B)が完全偏向相対位置において相互に対して当接し得るように構成され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えば掘削リグ(1)などにおける特に懸吊アプリケーションのためのケーブル、ホースなどのような、複数のラインをガイドするためのラインガイド装置(10)であって、
好ましくは前記ラインガイド装置の長さにわたって延在する、高い引張り強度の柔軟な搬送ストランド(11)と、
前記搬送ストランドに対してその長手方向に配置された多数のガイド本体(14)であって、隣接するガイド本体(14)は相互に対して空間的に偏向可能である、ガイド本体(14)と、
を備え、少なくとも一部のガイド本体がいずれも、
前記搬送ストランド(11)に締結するための締結デバイス(18)を有する中心部品(15A)と、
ラインのための受容領域(L)を外側に対して境界付ける少なくとも1つの周回要素(17)を有する外側部品(15B)と、
を有し、
少なくとも3本の放射状バー(22A~22D;42A~42C;52A~52D)が、前記中心部品(15A)に設けられ、前記外側部品(15B)を保持する、ラインガイド装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの周回要素(17)は前記放射状バーの少なくとも1本に解放可能に接続され、好ましくは、解放可能な接続のために端部領域、特に係止要素(27A)を有する端部領域を有し、
好ましくは、少なくとも1本の放射状バーは、放射状部分、及び前記少なくとも1つの周回要素(17)との接続のために実質的に周方向に突出する少なくとも1つの突起(27B)を備え、該少なくとも1つの突起は好ましくは前記周回要素との係止係合のための係止要素(27C)を有し、及び/又は前記放射状部分と一体に実現されている、請求項1に記載のラインガイド装置。
【請求項3】
少なくとも4本の放射状バー(22A、22B、22C、22D)が、前記中心部品(15A)に設けられ、前記外側部品(15B)を担持若しくは支持し、又は
少なくとも5本の放射状バー(52A、52B、52C、52D、52E)が、前記中心部品(15A)に設けられ、前記外側部品(15B)を担持若しくは支持する、請求項1又は2に記載のラインガイド装置。
【請求項4】
前記中心部品(15A)は前記搬送ストランド(11)のための軸方向通路開口(16)を形成し、好ましくは多部品実施形態のものであり、前記中心部品(15A)は前記搬送ストランド(11)に締結するための、少なくとも2個の又は2個のみの構成要素(20A、20B)特に締付けシェル、を有し、前記構成要素は前記搬送ストランド(11)に形状及び/又は強制ロック締結するとともに前記通路開口(16)を境界付けるために実現され、
少なくとも2本の放射状バー(22A、22B)が、好ましくは、少なくとも1つの構成要素(20A、20B)、特に前記締付けシェルの1つに取り付けられ、特に前記締付けシェルの1つと一体に製造又は形成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のラインガイド装置。
【請求項5】
前記柔軟な搬送ストランド(11)はケーブルとして実現され、
前記中心部品(15A)の前記締結デバイス(18)は、関節状締付けシェルの態様で実現され、前記少なくとも2個の又は2個のみの構成要素(20A、20B)、特に締付けシェル(21A、21B)、を締付け力の生成によって前記搬送ストランド(11)又はケーブルに締結するためのジョイント(24)及び締付けネジ(25)を備える、請求項4に記載のラインガイド装置。
【請求項6】
前記外側部品(15B)は、閉じられた態様で前記中心部品(15A)を囲み、特に前記中心部品を全周で囲むリングを形成し、好ましくは、前記長手方向の横断方向に前記受容領域を閉じるために少なくとも1つの開閉体を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のラインガイド装置。
【請求項7】
放射状バー(22A、22B、22C、22D)の本数に対応する多数の周回要素(17)が設けられ、
各周回要素(17)は、放射状バー(22A、22C)に旋回可能に、好ましくは関節状ジョイント(23)によって、接続され、及び/又は
各周回要素(17)は、いずれも少なくとも1本の放射状バーに、好ましくはいずれも2本の放射状バー(22A、22B、22C、22D)に、解放可能に接続される、請求項1から6のいずれか一項に記載のラインガイド装置。
【請求項8】
各放射状バーは、いずれも1つの周回要素との解放可能な接続のために、径方向に延在する部分、及び特に該径方向に延在する部分と一体に実現される、少なくとも1つの周方向に延在する突起(27B)を備え、前記少なくとも1つの突起は前記周回要素との係止係合のための係止要素(27C)を有し、各周回要素(17)は前記突起(27B)へのスナップフィット接続によって放射状バー(22B、22D)に対して係止可能な端部を有する、請求項7に記載のラインガイド装置。
【請求項9】
前記周回要素(17)の第1の端部が、ジョイント領域(23A)を有し、好ましくは該ジョイント領域(23A)に隣接して両側に軸方向に2つの支持面(17A)を形成し、該支持面によって、前記第1の端部は前記周方向に前記放射状バー(22A;22C)に対して支持可能であり、並びに/又は
前記周回要素(17)の第2の端部が、支持面(17D)を有し、該支持面によって、前記第2の端部は前記放射状バー(22B;22D)に対して周方向に支持可能であり、並びに/又は
前記周回要素(17)の第2の端部は、更なる前記放射状バー(22B、22D)に対して係止突起の形態の係止要素(27B)と係止可能な係止受容部(27A)を形成し、該係止受容部(27A)及び係止突起(27B)は、特に略接線方向に延在し、及び/又は接線方向周りの梃作用若しくは捻じりによって解放可能である、請求項8に記載のラインガイド装置。
【請求項10】
前記周回要素(17)の前記第1の端部は、前記放射状バー(22B;22D)における旋回受容部(23B)に旋回可能に接続される旋回ピン(23A)を有するジョイント領域(23)を有し、前記周回要素(17)の前記第1の端部は、前記バー(22A、22C)と協働して、制限された角度範囲のみにわたって前記旋回ピン(23A)の解放を可能とするロック解除面(17C)を形成する、請求項9に記載のラインガイド装置。
【請求項11】
少なくとも1本の第1の放射状バー(22A、22C)が、2つの周回要素(17)のいずれも第1の端部といずれも両側で関節状に接続され(23)、この目的のため、好ましくは、1つの周回要素(17)について各々2つの旋回受容部(23B)を有し、
好ましくは、少なくとも1本の第2の放射状バー(22C、22D)が、2つの周回要素(17)のいずれも第2の端部とスナップフィット接続によっていずれも両側で係止可能であり、この目的のため、好ましくは、1つの周回要素(17)について各々いずれも1つの係止要素(27B)を有する2つの周方向に延在する一体型突起(27B)を有する、請求項9又は10に記載のラインガイド装置。
【請求項12】
前記外側部品(15B)は、好ましくは前記中心部品(15A)に対して解放可能に、可動に及び/又は旋回可能に保持される、少なくとも2個、特に少なくとも3個の周回要素(17;47;57)と、該周回要素(17;47;57)を外部から囲み、軸方向に前記周回要素(17)に対して保持される衝撃吸収のための周回環状弾性バッファ(19)と、を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載のラインガイド装置。
【請求項13】
前記周回要素(17;47;57)は外側に、前記バッファ(19)は内側に、該バッファを前記軸方向に保持する環状凹部及び係合突起を有する形状を有する、請求項12に記載のラインガイド装置。
【請求項14】
前記少なくとも3本の放射状バー(42A~42C)の1つ、特に周回要素が係止可能な第2の放射状バー(22B)は、前記環状弾性バッファ(19)が締結可能な径方向に突出する固定用領域(29A)を有する、請求項1から13のいずれか一項に記載の、特に請求項12又は13に記載のラインガイド装置。
【請求項15】
各放射状バー(22A~22D)が一体に実現され、及び/若しくは各周回要素(17)が連続弧状セグメントとして2本の周方向に連続するバー(22A~22B)の間に実現されて当該バー(22A~22B)の端部で保持され、並びに/又は
前記放射状バー(22A~22D)は中心軸周りに前記周方向に均等に分散配置され、及び/若しくは各周回要素(17)が円弧の形態で実現され、前記周方向に120度以下、特に90度以下の弧度を有し、並びに/又は
前記外側部品(15B)の内径が300mm以上であり、並びに/又は
前記ガイド本体の前記外側部品は、前記長手方向に垂直に延在する平面に関して鏡像対称となるように実現される、請求項1から14のいずれか一項に記載のラインガイド装置。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載のラインガイド装置のためのガイド本体(14)であって、
搬送ストランド(11)に締結するための締結デバイス(18)を有する中心部品(15A)と、
ラインのための受容領域(L)を外側に対して境界付ける少なくとも1つの周回要素(17)を有する外側部品(15B)と、
を備え、
少なくとも3本の放射状バー(22A~22D;42A~42C;52A~52E)が前記中心部品(15A)に設けられ、前記外側部品(15B)を保持し、前記少なくとも1つの周回要素(17)は、好ましくは前記放射状バーの少なくとも1つと解放可能に接続される、ガイド本体。
【請求項17】
請求項2から15のいずれか一項の特徴構成によって特徴付けられる請求項16に記載のガイド本体。
【請求項18】
例えば掘削リグ(1)などにおける特に懸吊アプリケーションのためのケーブル、ホースなどのような複数のラインをガイドするための、ラインガイド装置(60)であって、
好ましくは前記ラインガイド装置の長さにわたって延在する、高い引張り強度の柔軟な搬送ストランド(11)と、
前記搬送ストランドに対してその長手方向に配置された多数の本体であって、隣接する本体は相互に対して空間的に偏向可能である、本体と、
を備え、少なくとも一部の本体がガイド本体(14)の形態をとり、いずれも、
前記搬送ストランド(11)に締結するための締結デバイス(18)を有する中心部品(15A)と、
ラインのための受容領域(L)を外側に対して境界付ける少なくとも1つの周回要素(17)を有する外側部品(15B)と、
を有し、
前記ラインガイド装置の長手部分において、少なくとも1つのスペーサ本体(70)がいずれも2つのガイド本体(14)の間に前記搬送ストランド(11)に対して設けられ、前記スペーサ本体(70)は前記2つのガイド本体(14)の前記中心部品(15A)の間の間隔を規定し、前記ガイド本体(14)とは異なる態様で構成され、特に、前記ガイド本体(14)に対して減少した外径を有し、及び/又は前記2つのガイド本体(14)の前記外側部品(15B)が完全偏向相対位置において相互に対して当接し得るように構成された、ラインガイド装置(60)。
【請求項19】
前記長手部分において、n≧2として、n個毎の本体がガイド本体(14)として実現され及び/又は1個のみのスペーサ本体(70)が2個のガイド本体(14)の間に設けられ、ガイド本体(14)は、好ましくはスペーサ本体(70)と交互に設けられる、請求項18に記載のラインガイド装置(60)。
【請求項20】
前記スペーサ本体(70)は、前記長手方向に垂直な断面においてコンパクトな外側輪郭で実現され、前記ガイド本体(14)の前記中心部品(15A)によって画定されるラインのための受容領域(L)の径方向内側境界内に実質的に存在する、請求項18又は19に記載のラインガイド装置(60)。
【請求項21】
各スペーサ本体(70)が、2つの隣接する本体を空間的に偏向可能に、特に関節状に、接続し、各スペーサ本体(70)は、好ましくはガイド本体(14)との関節状接続のために対向端部に2つのジョイント領域(76A、76B)を有し、該ジョイント領域は前記ガイド本体(14)の前記中心部品(15A)の対応するジョイント領域(26A、26B)に対応するように実現され、特にそれと軸方向に解放可能に接続可能である、請求項18、19又は20に記載のラインガイド装置(60)。
【請求項22】
前記スペーサ本体(70)は、一定に均等なチェーンピッチ(T)が前記長手部分において実現されるように前記軸方向に寸法取りされる、請求項18から21のいずれか一項に記載の、特に請求項21に記載のラインガイド装置(60)。
【請求項23】
前記外側部品(15B)は円形リング形状の外側輪郭を形成し、
前記スペーサ本体(70)の最大外径は、前記ガイド本体(14)の前記外側部品(15B)の外径の33%未満、特に30%以下であり、及び/又は
前記ガイド本体(14)の前記外側部品(15B)の外径は、前記チェーンピッチの少なくとも2.5倍であり、特に前記チェーンピッチの2.8倍以上であり、及び/又は
前記外側部品(15B)の外径は、300mmより大きい、請求項18から22のいずれか一項に記載の、特に請求項22に記載のラインガイド装置(60)。
【請求項24】
各スペーサ本体(70)が前記搬送ストランドのための軸方向通路開口を形成し、特に前記搬送ストランドへの形状及び/又は強制ロック締結のための少なくとも2つの構成要素(71、72)を有する、多部品実施形態のものである、請求項18から23のいずれか一項に記載のラインガイド装置(60)。
【請求項25】
各スペーサ本体(70)が関節状締付けシェルの態様で実現され、2つのシェル型構成要素(71、72)を締付け力の生成によって前記搬送ストランド(11)に締結する締付けジョイント(74)及び締付けネジ(75)を備える、請求項24に記載のラインガイド装置(60)。
【請求項26】
各スペーサ本体(70)は、実質的に、2つの長細い半シェル状の構成要素(71、72)からなり、該構成要素は、特に、干渉する縁部のない外側輪郭を有して及び/又は径方向に突出するバーを有さずに実現される、請求項24又は25に記載のラインガイド装置(60)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略として、例えば、ケーブル、ホースなどのような複数の供給ラインを動的にガイドするためのデバイスに関し(以下、ラインガイド装置という)、特に、例えば、ラインガイド装置が2本の懸吊部分及びその間のループによって構成される場合に、ラインガイド装置が、例えば、掘削リグなどにおけるような長い自由懸吊部分を担持するものである、例えば、懸吊アプリケーションなどにおける特に高い引張力のためのデバイスに関する。
【0002】
本発明は、具体的には複数のラインをガイドするためのラインガイド装置に関し、ラインガイド装置の長さにわたって延在する高い引張り強度の柔軟な搬送ストランド、特にケーブル又はチェーンと、その長手方向に搬送ストランドに配置された多数のガイド本体と、を備え、隣接するガイド本体は相互に対して空間的に偏向可能である。少なくとも一部のガイド本体は、ここではいずれも、ガイド本体を搬送ストランドに締結するための締結デバイスを有する中心部品又は中心部材と、ラインのため受容領域を外側に対して境界付けることで、搬送ストランドにガイドされるラインの1本以上を保持する少なくとも1つの周回要素を有する外側部品と、を有する。
【背景技術】
【0003】
搬送ストランドを有する上記タイプのようなラインガイド装置は、特許文献1によって既に知られている。相応のラインガイド装置が、さらに特許文献2に提案されている。
【0004】
中心の搬送ストランドによって、この上記タイプのラインガイド装置は、非常に高い引張力を吸収することができ、これらは個々のガイド本体を介して伝達される必要はない。このように、とりわけ、比較的長い、例えば、明らかに10m未満の自由懸吊部分を有するアプリケーションが実現され得る。したがって、上記タイプのラインガイド装置は、特に、掘削リグ(沖合/陸上)又は例えば掘削装置における深部採掘、及びさらに例えば船舶のための陸上電源に使用され得る。
【0005】
しかし、例えば、特許文献1又は特許文献2によると、周知の態様の構造は、例えばラインガイド装置が偏向ローラによって偏向され又はドラムを用いて巻き取られ若しくは巻き出される場合に起こる径方向内側向きの力に関して限定的な強健性しか示さないことが分かっている。この場合、ガイド本体は、例えば長い自由懸吊部分からもたらされる高い荷重力によって径方向に変形されてしまい、これは、ラインの望ましくない横断方向の負荷又は実際に永久変形をもたらすことになり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2019/243377号
【特許文献2】国際公開第2019/234090号
【発明の概要】
【0007】
上記従来技術の観点で、本発明の第1の課題は、より高い横力、特に径方向内向きの横力にガイド本体が耐え得るように、上記タイプのラインガイド装置をさらに開発することにある。
【0008】
更なる独立した第2の課題は、上記タイプのラインガイド装置、特に比較的大径のものの場合、偏向ループ又は偏向領域に対する所定の曲げ半径又は曲率半径の減少を可能とすることにある。
【0009】
第1の態様
その第1の課題は、請求項1に記載の第1のラインガイド装置又はそのために構成された請求項16に記載のガイド本体による第1の態様によって達成される。
【0010】
この第1の課題は、横断方向の負荷に影響を受け易いガイド本体に対して、外側部品を保持又は担持してそれを径方向に支持する少なくとも3本の放射状バーを中心部品又は中心部材に設けるだけで達成され得る。2本のみの放射状バーが設けられて受容空間を最大化する上記の周知の解決手段と比較して、より高い内向きの径方向の力は、バー間の支持されない領域においてもそれによって、外側部品、特に周回要素の変形の発生なく、吸収され得る。より多い本数の放射状バーの結果として、径方向の力は、良好に遮断されて中央の中心部品へと逸らされることになる。
【0011】
より多くの本数の放射状バーは、さらに、ラインが規定の経路を有して相互に関する相対移動に起因する摩耗をあまり受けないように、ラインのための受容空間の構造化内部分割を可能とする。少なくとも3個の別個のチャンバでの分割、すなわち、少なくとも3本のバーを有する分割も、この点において有利である。
【0012】
好ましくは、外側部品を担持又は支持する少なくとも4本の放射状バーは、それにより、中心部品に設けられる。
【0013】
受容領域の所望の自由径及び予想される力に応じて、外側部品を担持又は支持するため及び/又はより良い内部分割を実現するために、5本以上の放射状バーが中心部品に設けられてもよい。
【0014】
この点において、各バーはいずれも、特に1つのみの全周の周回要素が設けられる場合、又は設けられる周回要素、任意選択的に端部のさらに2つの別個の周回要素の数に応じて、周回要素の領域を担持及び支持する。
【0015】
放射状バーは、スポークのように作用し、搬送ストランドが中心部品によって中心軸に沿ってガイドされ、その中心軸に対して径方向に主な範囲を有し、すなわち、搬送ストランドの長手方向に対して径方向にも存在する。放射状バーは、好ましくは、この中心軸周りの周方向に均等に、すなわち、周方向に隣接する2本毎の放射状バーの間に略同一の角度寸法又は弧度を有して分散配置される。
【0016】
好適な保守容易な構成では、少なくとも1つの周回要素が、放射状バーの少なくとも1本と解放可能又は取外し可能に接続される。このように、個々のラインは、必要に応じて迅速に交換可能となる。工具を用いずに元に戻すことが可能な接続のために、それは、好ましくは端部領域、特に係止要素を有する端部領域を有してもよい。特に好ましくは、後方係合係止が、例えば、周回要素の端部領域と対応するバーとの間に与えられてもよい。係止する後方係合は、径方向、軸方向及び/又は周方向に続くことになる。
【0017】
一実施形態では、少なくとも1本の放射状バーが、放射状部分、及び少なくとも1つの周回要素との接続のために実質的に周方向に突出する少なくとも1つの突起を備えることが規定される。好ましくは、少なくとも1つの突起が、周回要素と係止係合のための係止要素を有し、及び/又は放射状部分と一体に実現されるように規定され得る。
【0018】
有利には、より好適な力の導入又はより強健な耐衝撃構造を実現するために、対応する放射状バーにおける周方向に解放可能な端部領域によって取り付けられる場合に周回要素が支持されるように規定されてもよい。
【0019】
中心部品は、搬送ストランドのための軸方向通路開口を形成し、好ましくは多部品実施形態のものである。この場合、中心部品は、搬送ストランドに締結するために、少なくとも2個の又は2個のみの構成要素、特に締付けシェルを有し得る。多部品構造は、例えばケーブル、特にプラスチックケーブルとして、又は実際に例えば鋼リンクを備えるリンクチェーンとして実現され得る搬送ストランドに形状ロック(shape-locking)及び/又は強制ロック(force-locking)締結するのに有利である。ここでは個々の構成要素が通路開口を境界付け、いずれも搬送ストランドに対して形状又は強制ロックで当接又は作用し得る。
【0020】
ガイド本体を搬送ストランドに締結するための中心部品の締結デバイスは、特に、搬送ストランドの長手方向における対象のガイド本体の、固定された、すなわち軸方向に静止した締結を可能とする。
【0021】
搬送ストランドは、荷重の実質的な部分を負担し、ケーブルの内部コアと同様に、ラインから引張力荷重を解放する。搬送ストランドは、相互に対するガイド本体の偏向に悪影響を与えないほどに柔軟である。ガイド本体は、受容領域において、すなわち、中心部品に相対して、かつ結果として搬送ストランドに対して少なくとも径方向に固定的にラインを保持する。
【0022】
中心領域又は中心部品の多部品構造の場合には、これは、落下に対して捕捉的な及び/又は落下を防止する設計の目的のために、少なくとも2本の放射状バーが取り付けられ、特に少なくとも1つの構成要素、特に締付けシェルの1つと一体に製造又は形成されると有利である。
【0023】
好ましくは、2つのみの締付けシェルがいずれも、その間に一体に設けられた少なくとも2本、又は実際にバーの本数に応じて3本以上の放射状バーを有してもよい。したがって、バーは、より迅速かつより容易に取り付けられ、同時に捕捉的となる。
【0024】
中心部品を、それが3以上の主構成要素部品からなるように構成することも実行可能である。この場合、特に、放射状バーの数に対応する多数の構成要素、特に締付けシェルが設けられてもよい。そして、各バーはいずれも、好ましくは、1つの構成要素に対応付けられ、それと一体に製造又は形成される。
【0025】
好適な一実施形態では、柔軟な搬送ストランドは、ケーブルとして(すなわち、リンクチェーンとしてではなく)実現される。特に搬送ストランドとしてのケーブルとの組合せにおいて、中心部品の締結デバイスが関節状締付けシェルの態様で、又はネジ締付けデバイスとして実現されると有利である。この目的のため、それは、少なくとも2個の又は2個のみの構成要素、特に締付けシェルを、締付け力の生成によって搬送ストランド又はケーブルに締結又は軸方向に固定し、このようにして対象となるガイド本体を長手方向にケーブルに固定するために、ジョイント及び締付けネジを備え得る。
【0026】
好適な一実施形態では、放射状バーの本数に対応する多数の周回要素が設けられ、周回要素は弧状セグメントとして実現され、及び/又はいずれも2本の放射状バーに解放可能に締結される。好ましくは少なくとも3個の周回要素、特に好ましくは少なくとも4個の別個の周回要素が、結果として設けられる。全ての周回要素は、例えば、概ね四分円の形態の又は四分シェルなどに類似の円弧セグメントとして、特に標準部品として実現され得る。
【0027】
各放射状バーが、いずれも1つの周回要素との解放可能な接続のために、径方向に延在する部分、及び特に当該径方向に延在する部分と一体に実現される少なくとも1つの周方向に延在する突起を備えるように規定され得る。この点において、突起は、周回要素との係止係合のための係止要素を有してもよい。
【0028】
1以上の周回要素を有する外側部品は、好ましくは、ガイド本体が動作に備えて閉じられて取り付けられる場合に、周方向に閉じられて連続するリングを形成する。リングは、任意選択的にバーの放射状端部領域によって補完又は通過されてもよいが、そうでない場合には外側部品又は周回要素が中心部品を完全に囲んでいてもよい。これにより、複数のバーによる径方向の力の、より好適な導入が可能となり、外側部品の望ましくない変形が減少する。
【0029】
例えば製造又は保守時にガイド本体を開放してラインを挿抜するために、好ましくは、各周回要素が、放射状バーに旋回可能に関節状ジョイントによって接続される第1の端部を有するように規定される。
【0030】
またさらに、各周回要素は、更なる隣接放射状バーへのスナップフィット接続によって係止可能な第2の端部を有してもよく、それにより、必要に応じて旋回開放の目的のためにこのバーから解放され得る。
【0031】
好ましくは片側においてより容易に解放可能な各周回要素の端部を両側に締結することで、取付け及び取扱いが大幅に簡素化する。したがって、周回要素は必要に応じて開放され得るものであり、これは、例えば1本のみのラインが更新されなければならない場合、特に比較的多数の周回要素又は放射状バーでの取扱いの観点から特に有利である。
【0032】
力の導入の向上のために、周回要素はいずれも、周方向に作用する略径方向に位置決めされた支持面を有し、それは放射状バーに支持される。バーの本数と同一の多数の周回要素を有するセグメント状構造の場合、結果として径方向の横力は複数の又は全ての放射状バーに全体的に分散され得る。
【0033】
一実施形態では、周回要素の第1の端部がジョイント領域を有し、ジョイント領域に隣接して両側に軸方向に2つの支持面を形成するように規定され、その支持面によって第1の端部が放射状バーに対して周方向に支持可能となる。2つの支持面の間の軸方向間隔は、望ましくない軸方向の移動又は傾斜の、より良好な防止を確実にする。
【0034】
またさらに、周回要素の第2の端部はまた、1つ又は任意選択的に複数の支持面を有し、それにより、第2の端部は、任意選択的に2つの軸方向に離間した面によっても、放射状バーに対して周方向に支持可能となる。
【0035】
さらに又は代替として、周回要素の第2の端部が、更なる放射状バーの係止突起と係止可能な係止受容部を形成することが規定され、係止受容部及び係止突起は、特に略接線方向に延在し、及び/又は接線方向周りの梃作用若しくは捻じりによって解放可能である。このように、係止接続は径方向の力によって解除されることはないため、径方向の干渉力による係止接続の望まれない解放が回避され得る。
【0036】
さらに好ましくは、放射状バーは、周回要素の係止受容部と相互作用する固定手段を接線方向に有してもよい。
【0037】
ラインのための受容空間へのアクセスを開放するために、周回要素の一端はいずれも、好ましくは放射状バーに旋回可能に取り付けられる。これは、例えば、ヒンジ型ジョイントなどを用いて実現され得る。あるいは、一方で、周回要素の2つの端部は、例えばスナップフィット接続によって、異なる態様でバーに締結されてもよく、これは任意選択的に力の導入をさらに簡素化する。
【0038】
好適な一実施形態では、周回要素の第1の端部は、放射状バーに旋回フックに旋回可能に接続される旋回ピンを有するジョイント領域を有する。これに関して、周回要素の喪失又は意図しない解放を防止するために、周回要素の第1の端部がロック解除面を形成することが特に好ましく、ロック解除面は、第2の端部におけるスナップフィット接続解除の場合には、バーとの協働により、制限された角度範囲のみにわたって旋回フックからの旋回ピンの解放を可能とする。このロック解除面は、例えば、一方で上記支持面と、最大旋回開放位置に対する角度限界としての更なる停止面との間の後退領域によって設けられてもよい。
【0039】
取付け又は保守の目的のための周方向にアクセス可能な領域の数が低減され、別個のアクセスが各周回要素のために起こらないように、少なくとも1本の第1の放射状バーが2つの周回要素のいずれも第1の端部といずれも両側で関節状に接続されると有利であり、この目的のため、好ましくは1つの周回要素について各々2つの旋回受容部を有すると有利である。このように、例えば、いずれも2つのみの直径方向の対向側に4本のバーを用いる場合、ラインを挿抜するためのアクセスを与えることが可能となり、すなわち、周回要素は、2枚のサッシを有する窓のように同じ周方向領域において、又は同じ側から対で開放されることになる。
【0040】
したがって、同様に、少なくとも1本の第2の放射状バーが、2つの周回要素のいずれも第2の端部とスナップフィット接続によっていずれも両側で係止可能であると有利であり、この目的のため、好ましくは1つの周回要素について各々2つの係止突起を有すると有利である。
【0041】
したがって、2つの周回要素は、同じバーに両方の第1の端部によって旋回可能に取り付けられてもよいし、更なるバーに両方の第2の端部によって閉じられてもよい。
【0042】
外側部品は、任意選択的に、1つのみの実質的に完全に全周の周回要素から構成されてもよい。
【0043】
ただし、好ましくは、少なくとも2個の周回要素、特に少なくとも3個の周回要素が含まれ、それは好ましくは、解放可能に、可動に及び/又は旋回可能に中心部品に保持される。
【0044】
1つの好適な更なる展開では、外側部品は、周回要素に加えて、衝撃吸収のための周回環状弾性バッファ又はプロテクタをさらに備える。バッファは、周回要素を外部から囲み、好ましくは軸方向に周回要素に対して保持される。この目的のため、周回要素は外側に、バッファは内側に、軸方向にバッファの保持を行う環状凹部及び係合突起を有する形状を有し得る。バッファは、同時に、周回要素を捕捉的に固定し得る。
【0045】
好ましくは、少なくとも3本の放射状バーの1つ、特に上述した第2の放射状バーの1つ、すなわち、2つの周回要素が係止可能なバーは、例えば、固定用開口を有する径方向に突出する固定用領域を有する。環状弾性バッファの2つの端部は、例えば、その後に固定用ネジによってそこに捕捉的に締結され得る。
【0046】
好ましくは、周回要素は、1本以上のバーに、閉位置にあるバッファから独立して締結可能に、特に係止可能又は旋回可能に保持される。バッファの取外し後であっても、周回要素が閉位置で保持されたままであると、すなわち、必要に応じて開放されることを要するようにすると、取付け及び保守が簡素化される。
【0047】
好適な一実施形態では、放射状バーの各々は、いずれも一体に実現される。
【0048】
各周回要素は、少なくとも、好ましくは1つの連続弧状セグメントとして、2本の周方向に連続するバーの間に実現され、周回要素の数に応じて、好ましくはこれらのバーにその端部で保持される。
【0049】
放射状バーが中心軸周りに周方向に均一に分散され、及び/又は各周回要素が円弧の形態で実現されて周方向に120度以下、特に90度以下の弧度を有すると、力の吸収に関して機械的に有利である。
【0050】
提案される構造は、単位長さあたりの重量が大きな及び/又は大きなライン径のラインに、すなわち、外側部品の内径が300mm以上、特に350mm以上の、対応して寸法取りされるガイド本体に特に適する。
【0051】
本発明はさらに、上記例示的実施形態の1つに係るラインガイド装置のために具体的に構成されたガイド本体自体(それ自体)に関する。本発明によると、ガイド本体は、外側部品を保持するために、少なくとも3本の放射状バー、特に少なくとも4本の放射状バーを中心部品において有する。ガイド本体は、さらに有利には、上記特徴を有し得る。
【0052】
提案されるラインガイド装置は、とりわけ、ラインを供給するための構成、例えば、掘削リグでの使用、又は偏向ローラ及び/若しくはドラムが設けられる船舶のための陸上電源に適する。ラインガイド装置は、偏向ローラ上で偏向され、又はドラムによって巻き取られ若しくは巻き出される。
【0053】
本発明は、比較的重いライン束が相当な長さにわたって略鉛直に懸吊配置される必要がある場合に特定の有利な効果を奏する。したがって、本発明は、陸地若しくは陸上又は海上若しくは沖合の掘削リグでの、特にサービスループとしての使用に特に適しているが、これらの分野に限定されない。沖合操業の更なるアプリケーションは、例えば、プラットフォームと供給船又は船舶用陸上電源との間の供給ケーブル(アンビリカル)である。本発明の解決手段は、例えば、掘削若しくは深部掘削システムにおいて、又は採掘において、陸上系アプリケーション、特に懸吊アプリケーションにも特に良好に適する。
【0054】
搬送ストランドは、特に、高い引張り強度を有する搬送ケーブル、例えば、高強度プラスチックのものであり得る。本ケースの場合、引張り強度とは、搬送ストランド又は搬送ケーブルが、全てのラインを含むラインガイド装置の総重量、すなわち、全てのラインを有するラインガイド装置の総重量に対応する想定端部重量を負担するのに充分な引張り強度を有することを意味する。搬送ストランドの必要な静的耐荷重能力は、関与するアプリケーションによるが、通常は1000kgよりも充分に高いものであるべきである。
【0055】
好ましくは900N/mmより高いワイヤ材料の公称強度の個々のケーブルワイヤを有するワイヤケーブルが、搬送ストランドとして検討されてもよい。プラスチックのケーブルワイヤに加えて又はその代替として、鋼ケーブルワイヤも、場合によってはプラスチックのコアを有するものも検討可能である。搬送ストランド又は搬送ケーブルは、可能な限り非伸長性であるべきである。搬送ケーブルの代替として、例えば、搬送ストランドとして例えば鋼リンクを備えるリンクチェーンも使用可能である。
【0056】
ただし、好ましくは、高強度プラスチックの搬送ケーブルは、少なくとも大部分がプラスチックからなるガイド本体と併用される。このように、ガイド本体に対して比較的大きな受容容量又は大きな内径、例えば、200mmよりも充分に大きい内径、及び対応する耐荷重力であっても、ラインガイド装置自体について(ガイドされるラインなしで)40kg/m未満の比較的低い単位長さあたりの重量を実現することができる。ノイズ放出も、リンクチェーンと比較して著しく低い。
【0057】
特に掘削リグにおける意図するアプリケーションについて、搬送ストランドは、好ましくは、少なくとも5m、特に少なくとも10mの長さのものである。この場合、搬送ストランドは好ましくは完全に連続し、ガイドされるラインよりも高い引裂き強度及び引張り強度を有する。搬送ストランド又は搬送ケーブルは、好ましくは、ラインガイド装置の所望の全長にわたって延在し、搬送ストランド又は搬送ケーブルの耐荷重締結を促進するためにガイド本体を越えて端部で突出する。
【0058】
第2の態様
本発明の更なる独立態様によると、独立請求項18に記載のラインガイド装置は、上記第2の課題を達成するために提案される。本発明に係る方法の有利な更なる展開が、従属請求項19~26に記載される。第2の態様では、放射状バーの本数は基本的な重要事項ではないが、両態様の有利な特徴は相互に組み合わされてもよい。
【0059】
第2の態様は、ケーブル、ホースなどのような複数のラインをガイドするためのラインガイド装置に関し、それはラインガイド装置の長さにわたって延在する高い引張り強度の柔軟な搬送ストランドを有する。この目的のため、1つの連続する又は複数の接続されたガイド本体からなり得る。多数の本体が搬送ストランドに対して長手方向に配置され、隣接する本体は相互に対して空間的に偏向可能である。これらの本体の少なくとも一部は、ラインのためのガイド本体の形態をとり、この目的のため、いずれも搬送ストランドに締結するための締結デバイスを有する中心部品と、ラインのための受容領域を外側に対して境界付ける少なくとも1つの周回要素を有する外側部品とを有する。
【0060】
本発明の独立の第2の態様によると、少なくともラインガイド装置の長手部分において、又はその全長にわたって、少なくとも1つのスペーサ本体がいずれも2つのガイド本体の間に搬送ストランドに対して設けられることが提案され、スペーサ本体はいずれも2つのガイド本体の中心部品間の間隔を規定する。スペーサ本体は、ガイド本体とは異なる態様で構成され、この目的のため、例えば、外側部品を有さないが、ガイド本体に類似して機能的に構成された中心部品を有して実現され得る。
【0061】
スペーサ本体の核となる機能は、その空間的偏向可能性を実質的に損なうことなく、搬送ストランドに沿う2つのガイド本体の間の間隔を規定することにある。スペーサ本体は、この目的のため、特に、ガイド本体に対して減少した外径で、及び/又は2つのガイド本体の外側部品が完全偏向相対位置において相互に対して当接し、特に相互に対して直接に衝突し得るように構成され得る。
【0062】
特にガイド本体の外側部品に対して著しく減少した外径を有する好適に構成されたスペーサ本体は、単純に、いずれも2つの離間したガイド本体間の著しく大きな相対旋回角、又は直線伸張位置に対してより大きな偏向、すなわち、偏向領域における大幅に減少した曲率半径又は曲げ半径を実現することを可能とする。これは、より大きな径のラインガイド装置、すなわち、例えば深部掘削リグの場合に多数のライン及び/又は大径のラインのアプリケーションについて、特に有利である。
【0063】
ガイド本体をその間の比較的長い距離で搬送ケーブルに締結する、より簡素な手段と比較して、望まれないキンキングが防止されることでラインが保護可能となるように、スペーサ本体は、搬送ストランドをさらに硬化させ得る。これは、特に搬送ストランドとして柔軟なケーブルを用いる場合に有利である。
【0064】
一実施形態では、搬送ストランドの長手方向に沿って見た場合の長手部分において、n≧2として、n個毎の本体がガイド本体として実現される。例えば、2個毎又は3個毎の本体のみが、ラインの案内のための実際のガイド本体として設けられてもよい。これにより、又は代替として、1個のみのスペーサ本体が、2個毎のガイド本体の間に設けられてもよい。
【0065】
特に簡素な一構造では、少なくともラインガイド装置の長手部分において又は全長にわたって、ガイド本体がスペーサ本体と交互に設けられてもよい。
【0066】
スペーサ本体の1つの追加的な有利な効果は、スペーサ本体を設けることによってラインガイド装置の総重量が低減可能となるように、スペーサ本体が軽量化をもたらすことである。
【0067】
中心部品は、ラインのための受容領域を径方向内側に境界付ける。スペーサ本体は、好ましくは、長手方向に垂直な断面においてコンパクトな外側輪郭で実現され、ガイド本体の中心部品によって画定されるラインのための受容領域の径方向内側境界内に実質的に存在する。したがって、スペーサ本体の輪郭は、好ましくは、受容領域は軸方向においてラインから離れたままとなるように実質的に径方向に受容領域内に突出しない。
【0068】
好適な実施形態では、第1の態様に係るガイド本体の好適な構成と同様に、各スペーサ本体が2つの隣接する本体を空間的に偏向可能に、特に関節状に接続することが規定され得る。この場合、各スペーサ本体は、好ましくは、ガイド本体との関節状接続に適した対向端部に2つのジョイント領域を有してもよい。これらは、ガイド本体の中心部品の対応するジョイント領域との協働のために好適に又は適切に実現され得る。好ましくは、スペーサ本体及び/又はガイド本体のジョイント領域は、特に、相互に軸方向に解放可能に、好ましくは引張力がスペーサ本体及び/又はガイド本体を介して吸収されないが搬送ストランドによって大部分又は排他的に吸収されるように、接続され得る。
【0069】
スペーサ本体は、好ましくは、特に軸方向において、一定に均等なチェーンピッチが長手部分において実現されるように寸法取りされる。チェーンピッチとは、ここでは、例えば、本体の関節状接続の2つの連続するジョイント中心間の軸方向距離を示し、ここでは、リンクチェーンについての定義と同じものを意味するものと理解される。
【0070】
スペーサ本体が径方向に最大限コンパクトな構造であり、すなわち、スペーサ本体の最大外径が好ましくは著しく小さく、特にガイド本体の外側部品の外径の33%未満、特に外側部品の外径の30%以下となると、基本的に有利である。
【0071】
外側部品は、強健な構造の円形リング形状の外側輪郭を形成する。第2の態様のアプリケーションは、特に大径の実施例に有利である。これにより、ガイド本体の外側部品の外径がチェーンピッチの少なくとも2.5倍であり、特にチェーンピッチの2.8倍以上であることが規定され得る。さらに又は代替として、外側部品の外径は、例えば、300mm以上であってもよい。一方、曲げ半径の減少も、比較的小径の場合に有利な効果を奏し得る。
【0072】
一実施形態では、各スペーサ本体は、搬送ストランドのための軸方向通路開口を形成し、多部品実施形態、特に、搬送ストランドへの形状及び/又は強制ロック締結のための少なくとも2つの構成要素のものであり得る。これは、特に製造及び取付けに有利であるが、絶対に必須というわけではない。特に、簡素なスペーサ本体は、例えば、一体型管状スペーサスリーブの形態をとり得るが、これらは任意選択的に製造及び保守時に搬送ストランドに通される必要がある。
【0073】
ガイド本体の好適な構成に基づいて、各スペーサ本体は、好ましくは関節状締付けシェルの一種として実現される。この目的のため、スペーサ本体は、例えば、締付け力の生成によって、特に軸方向のずれに抗する態様においても、2つのシェル型構成要素を搬送ストランドに締結するための締付けジョイント及び締付けネジを備え得る。
【0074】
簡素な一構造では、各スペーサ本体は、実質的に、2つの長細い半シェル状の構成要素から構成されてもよい。この場合、その構成要素は、特に、干渉する縁部のない外側輪郭を有して及び/又は径方向に突出するバーを有さずに実現され得る。
【0075】
ガイド本体は、それ自体で、第2の態様において、国際公開第2019/243377号(特許文献1)の教示に係る構成に対応し得る。好適な構成によると、バーの本数とは別に、それらは、第1の態様又はその後続の例示的実施形態によって構成されてもよい。
【0076】
特に独立の第1及び第2の態様の個々の特徴は、本背景においていずれも本発明に対して意義あるものとして、さらに組合せ可能であるものとして理解される。
【図面の簡単な説明】
【0077】
図1A】鉛直可動消費材を供給するための懸吊構成におけるラインガイド装置の第1の例示的実施形態を側面図で示す。
図1B】鉛直可動消費材を供給するための懸吊構成におけるラインガイド装置の第1の例示的実施形態を下側領域、すなわち偏向ループの斜視拡大図で示す。
図1C】鉛直可動消費材を供給するための懸吊構成におけるラインガイド装置の第1の例示的実施形態を、模式的にのみ示す偏向ローラの周りにラインガイド装置が偏向される偏向領域とともに示す。
図2A図1A~1Bに係るラインガイド装置の第1の例示的実施形態に係る1つのガイド本体の、長手方向に多数のガイド本体を通る軸方向断面/長手断面を示す。
図2B図1A~1Bに係るラインガイド装置の第1の例示的実施形態に係る1つのガイド本体の径方向の断面/断面図を示す。
図2C図2A~2Bに係る完全に開放したガイド本体の部分表示の正面図を示す。
図2D】ガイド本体の中心部品の部分表示を正面図で示す。
図3A図2A~2Dによる放射状バーの端部領域を斜視図で示す。
図3B図2A~2Dによる個々の周回要素を斜視図で示す。
図3C】周回要素の関節状ジョイントの表示を図2Bに対応する断面図で示す。
図4A】ここでは3本の放射状バーを有する図1A~1Bに係るラインガイド装置のためのガイド本体の代替の例示的実施形態を斜視図で示す。
図4B】ここでは3本の放射状バーを有する図1A~1Bに係るラインガイド装置のためのガイド本体の代替の例示的実施形態を正面図で示す。
図5A】ここでは5本の放射状バーを有する図1A~1Bに係るラインガイド装置のためのガイド本体のさらに好適な例示的実施形態を斜視図で示す。
図5B】ここでは5本の放射状バーを有する図1A~1Bに係るラインガイド装置のためのガイド本体のさらに好適な例示的実施形態を正面図で示す。
図6A】本発明の独立した第2の態様に係るラインガイド装置の好適な実施形態を伸張位置の側面図で示す。
図6B】本発明の独立した第2の態様に係るラインガイド装置の好適な実施形態を減少した曲げ半径の偏向領域の断片的側面図で示す。
図7A】本発明の特に第2の態様に係るラインガイド装置のためのスペーサ本体の好適な例示的実施形態を斜視図で示す。
図7B】本発明の特に第2の態様に係るラインガイド装置のためのスペーサ本体の好適な例示的実施形態を平面及び側面図で示す。
図7C】本発明の特に第2の態様に係るラインガイド装置のためのスペーサ本体の好適な例示的実施形態を平面及び側面図で示す。
図7D】本発明の特に第2の態様に係るラインガイド装置のためのスペーサ本体の好適な例示的実施形態を正面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0078】
本発明の更なる詳細、特徴及び有利な効果は、添付図面を参照して例示する以下の好適な実施形態の詳細な説明から明らかとなるはずである。
【0079】
図1A~1Bは、第1の端部12Cを有する第1の鉛直長手部分12A及び第2の端部12Dを有する第2の鉛直長手部分12Bを有する懸吊構成におけるラインガイド装置10の一例を示す。第1の端部12Cは、機械部品M、例えば掘削ヘッドなどに接続され、本例では、鉛直方向に上下動する。第2の長手部分12Bは、一方でフレーム構造又は静止機械部品Fにその端部12Dで固定される。図1Aでは、ループ13は、2本の略鉛直に懸吊された長手部分12A、12Bを接続する自由懸吊偏向領域を形成する。
【0080】
ラインガイド装置10は、例えば高弾性ポリエチレン又は高弾性ポリアミドの高強度プラスチックファイバの柔軟な搬送ケーブル11を有し、搬送ストランドとして、重量負荷を担持する。この目的のため、搬送ケーブル11の、両側で自由であり又は突出する端部領域11A、11Bは、(図1Aに模式的に示す)可動機械部品M及び静止機械部品Fに適宜固定される。第2の必須の構成要素として、ラインガイド装置10は、搬送ストランド11の長手方向に相互に連続する複数の環状に閉じたガイド本体14を有する(図1B)。ガイド本体14は、搬送ケーブル11に対して相互に一列に配置され、それによって担持及び保持される。これにより、搬送ケーブル11は、少なくとも全てのガイド本体14の総重量を負担する。
【0081】
図1Bが示すように、長手部分12A、12Bの間のループ13は比較的小さな半径を形成し、すなわち、長手部分12A、12Bは相互に対してわずかな水平間隔で延在し得る。小さな半径は、とりわけ、隣接するガイド本体14が相互に対して鋭角をなすことができることによって可能となる。ガイド本体14はいずれも、図1Bに示すように、相互に対して空間的に移動可能である。ただし、長手部分12A、12Bの間の間隔は、特定のアプリケーションに応じてより大きくてもよく、長手部分12A、12Bは鉛直に垂下していなくてもよい。ラインガイド装置10は、アプリケーションに応じて異なる態様で延在し得る。
【0082】
図1Cは、ラインガイド装置10がその周りに偏向される偏向ローラUの模式図である。重量負荷、例えば、自由懸吊部分(長手部分)12Aの長さに応じて、ここでは大きな径方向の力が、ガイド本体14に対してその半径Rの方向に作用し得る。
【0083】
図2A~2Bはラインガイド装置10のためのガイド本体14の第1の例示的実施形態を示し、これは径方向の大きな力を吸収するようにさらに開発されている。各ガイド本体14は、内側に、中心軸A及び搬送ストランド11(図1A)を通過させるための中心軸Aと同軸の通路開口16を有する中心部材又は中心部品15Aを有し、外側に、ここでは、ライン(不図示)を保持するために、各々が円弧形状の、ここでは約90度の弧長の合計4個の周回要素17を有する外側部品15Bを有する。各周回要素17は、この目的のため、1本以上のラインのために軸方向に開口する受容領域Lを径方向外側に対して境界付ける。
【0084】
中心部品15Aは、ガイド本体14を懸吊ケーブル(搬送ケーブル)11(図2A参照)に軸方向に静的に締結するための締結デバイス18を備える。これは、関節状締付けシェルの態様でネジ締付けデバイス(締結デバイス)18として図2A~2Dにおいて具体化されている。
【0085】
この目的のため、中心部品15Aは、プラスチックから一体に製造される2つの一体型構成要素20A、20Bを有し、その各々は内側締付けシェル21A、21Bを有する。それらの共役構成によって、締付けシェル21A、21Bは、締付けシェル21A、21Bを旋回可能に接続するヒンジ状ジョイント24(図2B参照)を片側に形成する。反対側において、締付けシェル21A、21Bは、内部で略U形状の締付けシェル21A、21Bを相互に対して締め付ける締付けネジ25のための貫通ネジ開口を有する。他の締結デバイス18、例えば、クイックリリース型締付けデバイスなどが、代替的に検討されてもよい。締付けシェル21A、21Bは、貫通開口(通路開口)16の2つの略半円筒内面を中心にさらに形成する。締付けシェル21A、21Bを締める結果として、通路開口16の内面が搬送ストランド(搬送ケーブル)11に強制ロックの関係で固定されるので、中心部品15A、すなわち、ガイド本体14は搬送ケーブル11に締結される。中心軸Aの横断方向に延在するプロファイル化、例えば、締付け歯構成などが、より良い軸方向の固定のために2つの締付けシェル21A、21Bの内面に設けられる。
【0086】
図2B~2Dが示すように、2つの構成要素20A、20Bの各々はいずれも、それぞれの締付けシェル21A、21Bと一体に、2本の放射状バー22A、22B及び22C、22Dをそれぞれさらに備える。したがって、図2A~2Dによると、中心領域又は中心部品15Aは、合計4本の放射状バー22A、22B、22C、22Dを備え、それらは約90度の角度間隔で周方向に均一に分散される。図2Dは、外側部品15B又は周回要素17なしにジョイント24を用いて折り曲げられて開放した内側部品(中心部品)15Aのみを示すものであり、その開度は搬送ストランド11に対する側方取付けに充分なものである。
【0087】
外側部品15Bは、いずれも第1のタイプのバー22A又は22Cの径方向外側端部領域において取り付けられ、それらはいずれも同一構造のものである。これらの第1のバー22A又は22Cは、ここでは、2つの周回要素17を関節状に、ここではいずれも対で、関節状ジョイント23によって、ヒンジ状旋回ジョイントの態様で又は回転ジョイントの態様で取り付ける。このように、2つの周回要素17は、いずれも中心部品15Aの対応するバー22A又は22Cに、関連する関節状ジョイント23、例えばヒンジによって図2Bでの閉位置と図2Cでの開位置の間で旋回可能に接続される。これは、受容領域Lの1つへのラインの挿入又はそこからのラインの除去を容易化する。4個の周回要素17は、ここでは好ましくは標準部品であり、例えば、プラスチック部品、特に射出成形によって製造された成形部品として四分円弧の形態で実現される。
【0088】
第1の端部において、周回要素17は、関節状ジョイント23について、回転受容部23B内に回転可能に取り付けられる軸方向に延在する旋回ピン23A又は軸受ボルト(図3B)を形成する。回転受容部23Bは、図3Cから最も明確に分かるように、フック状の略接線方向に配置された突起23Cに設けられ、その2つはいずれも第1のタイプのバー22A又は22Cの両側に配置される。
【0089】
図3Bは、周回要素17の第1の端部において、旋回ピン23Aを有するジョイント領域に隣接して両側に軸方向に配置される2つの支持面17Aをさらに示す。その支持面によって、周回要素17が閉じられる場合に、周回要素17の第1の端部が関節状ジョイント23とともにそれぞれの放射状バー22A又は22Cに周方向において、かつ軸方向の傾きに対して支持される。支持面17Aは、ここでは同時に、閉位置の角度当接部を形成する(図2B)。2つの停止面17Bが、(図2Cにおける停止位置ではなく)完全開位置において旋回開放角を境界付けるために、径方向にさらに外側に存在する。周回要素17の第1の端部が、図3Cに示すように、面17A、17Bの間に後退ロック解除面17Cを形成し、バー22A、22Cにおけるフック状の突起23Cと協働して、第2の端部におけるスナップフィット接続が解放される場合に、制限された角度範囲のみにわたってフック又は回転受容部23Bから旋回ピンの解放を可能とする。
【0090】
周回要素17の第2の端部も、支持面17Dを形成し、それにより、第2の端部は対応する放射状バー22B、22Dに対して周方向に支持可能となる。
【0091】
その第2の端部において、周回要素17は、2本の更なるバー22B、22Dにこれらの第2のバー22B、22Dの径方向端部領域で締結されてもよく、それらは、周回要素17を閉旋回位置(図2B)において閉じるために、スナップフィット接続によって第2のタイプに従って構成される。この目的のため、周回要素17の第2の端部は、周回要素17を閉位置に固定するために、第2のタイプのバー22B又は22Dにおける相補的又は共役構成の係止突起27Bに係止可能な係止受容部27Aを形成する。この場合、係止受容部27A及び係止突起27Bは、実質的に接線方向に延在され、接線方向に関して梃作用又は捻じりによって解除可能であるが純粋に径方向の力によっては直ちに解除されないように構成される。またさらに、固定用突起27Cが係止突起27Bに設けられ、周方向への固定を行うために、周回要素17の第2の端部において凹部27Dに係合する。
【0092】
図2A~2Cは、エラストマーからなる環状弾性バッファ19をさらに示し、それは周回要素17を実質的に全周にわたって囲む。バッファ19は、断面又は軸方向端部において、周回面に向かって丸められてもよく、一方で、ループ13(図1B)の最小偏向半径を制限するための、他方で、例えば、設置/加工に対する衝撃又は輸送時の衝撃に対する径方向の衝撃を緩衝するための角度当接部として作用する。バッファ19は、周回要素17の外側の環状凹部に係合する内側の1以上の突起(図2A)を有することによって周回要素に対して軸方向に確実に保持される。この目的のため、周回要素17は、図3Bに示すように、バッファ19を保持する両軸方向端面において径方向に突出する縁部17Eを有する。
【0093】
図3Aは、捕捉的態様でバッファ19を閉じてそれを中心部品15Aに締結する安全ナットなどとともに、固定ネジ29Cのための貫通ネジ開口29Bを有して、バー22Bにおいて径方向に突出する固定用領域29Aをさらに示す。このように、周回要素17は、関節状ジョイント23及びスナップフィット接続(係止受容部27A、係止突起27B)から独立して、中心部品15Aにバッファによって同時に捕捉的に固定される(図2B参照)。これにより、バー22Bの径方向寸法は、バー22Dの場合よりも突出固定用領域29Aの寸法分だけ大きくなる。バー22Dは、それ以外については同一に実現され、特に図3Aに示すように係止突起27Bを両側に有する(図2B参照)。
【0094】
周回要素17の間で径方向に決まる内径は、ここでは350mmよりも大きく、例えば、400mmの範囲にある。
【0095】
各バッファ19は、バー22Bへの取付けのためのギャップを有して開リングの形態であり、固定ネジ29Cによって閉じられる。ここに示す例では、バッファ19は、周回要素17を軸方向に越えて突出せずに、その代わりに周回要素17の軸方向端部と軸方向に面一となる。ただし、突出する構成も可能である。弾性的に衝撃吸収するバッファ19は、中実体であってもよいし、好ましくは軽量化のために、図2Aに示すようにプロファイル体として実現されてもよいし、中空体として実現されてもよい。
【0096】
図2Aは、中心部品15Aの2つの中心軸方向突出ジョイント領域26A、26Bをさらに示す。それらは、相互に対する横断方向のずれなしに、長手部分12A、12Bにおける伸張位置から(図1Bの下部の)ループ13の頂点における完全屈曲位置に戻る、隣接するガイド本体14の規定の低摩耗相対移動のために作用する。この目的のため、各中心部品15Aは、中心軸Aと同軸に端部において対向関係で2つのジョイント領域26A、26Bを有する。対向ジョイント領域26A、26Bは、以下のような共役の又は対をなす実施形態のものである。それは、力をほとんど又は全く付与することなく、特に工具を要することなく、一方のジョイント領域26Aが隣接ガイド本体の各共役の他方のジョイント領域26Bに同軸解放可能に挿入可能となり、引張力を軸A方向に伝達させない実施形態である。ジョイント領域26A、26Bの構造は、それ自体は国際公開第2019/243377号の教示に対応する。
【0097】
図4A~4Bは、図1A~1Bに係るラインガイド装置のためのガイド本体44の代替の例示的実施形態を示す。ガイド本体44は、3本のみの放射状バー42A、42B、42Cを有する。放射状バー42Aは、図2A図3Cにおけるバー22Aの場合のように、周回要素47がそこに取り付けられた2つの関節状ジョイントを形成する。放射状バー42Aは、周回要素47がそこに取り付けられたその2つの端部において2つのスナップフィット接続を形成する。他方で、放射状バー42Cは、一端において関節状ジョイントを有し、他端で、隣接する周回要素47とのスナップフィット接続を有する。周回要素47は、この場合、約120度の弧度を有し、それ以外については、特に関節状ジョイント及びスナップフィット接続に関して図2A図3Cの構造に対応し得る。ガイド本体44の更なる特徴も、第1の例示的実施形態に対応し、2本の放射状バー42A、42Bが中心部品15Aの構成要素の1つに設けられ、1本のみの放射状バー42Cが他方の構成要素に対して一体に設けられる。
【0098】
図5A~5Bは、図1A~1Bに係るラインガイド装置のためのガイド本体54の代替の例示的実施形態を示す。ガイド本体54は、5本のみの放射状バー52A、52B、52C、52D、52Eを有する。各放射状バー52A~52Eは、ここではその径方向端部領域において、一方で、図3Cに対応する関節状ジョイント23のための突起を有し、他方で、図3A~3Bに対応する対応の係止受容部とのスナップフィット接続のための係止突起を有する。図5A~5Bでは、周回要素57は、約70度の弧度を有し、それ以外については、特に関節状ジョイント及びスナップフィット接続に関して図2A図3Cの構造によって実現される。ガイド本体54の更なる特徴も、図2A~2Dの第1の例示的実施形態に対応し、ここでは3本の放射状バー52A、52B及び52Cが中心部品15Aの構成要素の1つに設けられ、2本の放射状バー52D、52Eが他方に対して一体に設けられる。
【0099】
ここで、本発明の独立の第2の態様を、図6~7を参照して説明する。図6A~6Bは、ラインガイド装置60の例示的実施形態を示す。ラインガイド装置60は、単に伸張位置における例示のために図6Aに図示され、実用的なアプリケーションに対して短縮されている。
【0100】
例えば、ラインガイド装置60は、例えば国際公開第2019/243377号によって知られる構造と比較して、図1Cに対して著しく減少した曲率半径又は曲げ半径KR(図6B参照)を可能とする。
【0101】
この目的のため、偏向される長手部分において(図6B)又はラインガイド装置60の全長にわたって、いずれも搬送ストランドに対する2つのガイド本体14(ここでは不図示、図1A参照)の間に、いずれも少なくとも1つのスペーサ本体70が設けられる。スペーサ本体70は、2つのガイド本体14の中心部品15A(図2A~2D又は図4~5参照)の間の軸方向の間隔を確保する。ガイド本体14は、この場合、中心部品15A及び外側部品15Bを有するそれ自体は周知の構造、例えば、国際公開第2019/243377号による構造、又は実際に添付図面2A~2D又は図4~5による構造を有し得るので、より詳細には記載しない。
【0102】
図1~5とは対照的に、したがって、ラインガイド装置60は、同一の本体又はリンクからなるのではなく、2つの異なる本体又はリンクを、搬送ストランド11(図1A)に加えて主構成要素部品として有する。
【0103】
一方、図7A~7Dが示すように、スペーサ本体70は、ガイド本体14とは異なる態様で構成され、ガイド本体14と比較して大幅に減少した外径を有する。スペーサ本体70は、特に、ガイド本体14と同等の外側部品15Bを有さず、ラインをガイドし又は径方向に保持するように作用しない。本例では、図6Bに示すように、スペーサ本体70は、スペーサ本体70によって離間して保持される2つのガイド本体14の外側部品15Bが完全偏向相対位置において相互に対して直接接触し得るように、受容空間(受容領域)Lを径方向に貫通する部品を有さない。これは、外径の観点で及び/又は外側部品15Bの軸方向に大きな寸法のガイド本体14の場合でも、著しく小さな曲げ半径を可能とする。
【0104】
図6A~6Bの例では、搬送ケーブルに沿って見た場合に、ラインガイド装置60の1つおきのリンク状本体がガイド本体14であり、それと交互の1個おきの本体がスペーサ本体70であるが、他の構成、例えば、2個おきのガイド本体14の間に2つのスペーサ本体70を有する構成も本発明の範囲内のものとなる。
【0105】
例えば図2Bとの、図7Dの断面図又は正面図の比較によって明らかとなるように、スペーサ本体70は、長手方向に垂直な断面においてコンパクトに構成された外側輪郭を有する。これは、ラインのための受容領域L(例えば、図2B参照)の、ガイド本体14の中心部品15Aによって画定される径方向内側境界内に実質的に存在するものである。
【0106】
スペーサ本体70は、2つの隣接する本体、すなわち、ガイド本体14又はスペーサ本体70を、空間的に偏向可能かつ関節状に接続する。この目的のため、スペーサ本体は、ガイド本体14の中心部品15Aの対応するジョイント領域26A、26B(図2A参照)に対応するように実現された2つのジョイント領域76A、76Bを対向端部に有する。ジョイント領域26A、26B又は76A、76Bの構造は、それ自体は例えば国際公開第2019/243377号の教示に対応し、とりわけ、ここではジョイントヘッド(ジョイント領域)26A、76A及びジョイント受容部(ジョイント領域)26B、76Bによって軸方向に解放可能なボールジョイント状接続を可能とし得る。スペーサ本体70は、一定に均等なチェーンピッチTが全長にわたって実現されるように軸方向に寸法取りされる。
【0107】
スペーサ本体70の最大外径dは、好ましくは、ガイド本体14の外側部品15Bの外径Dの30%未満であり、好ましくは、受容領域Lの境界付けられた内径以下である。外側部品15Bの外径は、特にチェーンピッチTの2.8倍以上大きくてもよく、それでもスペーサ本体70は、図6Bに示すように、例えば外側部品15Bの外径の150%未満の非常に小さな曲げ半径KRを可能とする。
【0108】
スペーサ本体70は2つの長細い半シェル状構成要素71、72からなり、それらは、取り付けられた状態で、搬送ストランドのための軸方向通路開口73を形成する。搬送ストランド11への形状及び/又は強制ロック締結のために、スペーサ本体70は、関節状締付けシェルの態様で実現される。構成要素71、72は、長手方向に平行な軸を有するヒンジの形態で締付けジョイント74を形成し、それは、搬送ストランド11に対して径方向への締付け力の生成によって、直径方向に対向する締付けネジ75によって2つのシェル状構成要素71、72を締付ける(図7B~7D参照)。構成要素71、72は、干渉する縁部のない外側輪郭を有し、径方向に突出するバーなしに実現される。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
【手続補正書】
【提出日】2022-10-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えば掘削リグ(1)などにおける特に懸吊アプリケーションのためのケーブル又はホースのような、複数のラインをガイドするためのラインガイド装置(10)であって、
好ましくは前記ラインガイド装置の長さにわたって延在する、高い引張り強度の柔軟な搬送ストランド(11)と、
前記搬送ストランドに対してその長手方向に配置された多数のガイド本体(14)であって、隣接するガイド本体(14)は相互に対して空間的に偏向可能である、ガイド本体(14)と、
を備え、少なくとも一部のガイド本体がいずれも、
前記搬送ストランド(11)に締結するための締結デバイス(18)を有する中心部品(15A)と、
ラインのための受容領域(L)を外側に対して境界付ける少なくとも1つの周回要素(17)を有する外側部品(15B)と、
を有し、
少なくとも3本の放射状バー(22A~22D;42A~42C;52A~52)が、前記中心部品(15A)に設けられ、前記外側部品(15B)を保持し、
前記少なくとも1つの周回要素(17)は、前記放射状バーの少なくとも1つに解放可能に接続され、
各周回要素は、放射状バーに関節状ジョイントによって旋回可能に接続され、前記放射状バーにおける旋回受容部と旋回可能に接続される旋回ピンを有するジョイント領域を有する第1の端部を有し、
各旋回要素は、更なる放射状バーに解放可能なスナップフィット接続によって係止可能な第2の端部を有し、前記更なる放射状バーにおける相補的に構成された係止突起と係止可能な係止受容部を形成し、前記係止突起は周方向又はそれに対する接線方向に延在する、ラインガイド装置。
【請求項2】
前記係止突起は、前記放射状バーの放射状部分と一体に実現されている、請求項1に記載のラインガイド装置。
【請求項3】
前記周回要素(17)は、対応する前記放射状バーにおける解放可能な端部領域による前記周方向の支持のために構成される、請求項2に記載のラインガイド装置。
【請求項4】
少なくとも4本の放射状バー(22A、22B、22C、22D)が、前記中心部品(15A)に設けられ、前記外側部品(15B)を担持若しくは支持し、又は
少なくとも5本の放射状バー(52A、52B、52C、52D、52E)が、前記中心部品(15A)に設けられ、前記外側部品(15B)を担持若しくは支持する、請求項1から3のいずれか一項に記載のラインガイド装置。
【請求項5】
前記中心部品(15A)は前記搬送ストランド(11)のための軸方向通路開口(16)を形成し、好ましくは多部品実施形態のものであり、前記中心部品(15A)は前記搬送ストランド(11)に締結するための、少なくとも2個の又は2個のみの構成要素(20A、20B)特に締付けシェル、を有し、前記構成要素は前記搬送ストランド(11)に形状及び/又は強制ロック締結するとともに前記通路開口(16)を境界付けるために実現され、
少なくとも2本の放射状バー(22A、22B)が、好ましくは、少なくとも1つの構成要素(20A、20B)、特に前記締付けシェルの1つに取り付けられ、特に前記締付けシェルの1つと一体に製造又は形成される、請求項1からのいずれか一項に記載のラインガイド装置。
【請求項6】
前記柔軟な搬送ストランド(11)はケーブルとして実現され、
前記中心部品(15A)の前記締結デバイス(18)は、関節状締付けシェルの態様で実現され、前記少なくとも2個の又は2個のみの構成要素(20A、20B)、特に締付けシェル(21A、21B)、を締付け力の生成によって前記搬送ストランド(11)又はケーブルに締結するための、ジョイント(24)及び締付けネジ(25)を備える、請求項に記載のラインガイド装置。
【請求項7】
前記外側部品(15B)は、閉じられた態様で前記中心部品(15A)を囲み、特に前記中心部品を全周で囲むリングを形成し、好ましくは、前記長手方向の横断方向に前記受容領域を閉じるために少なくとも1つの開閉体を有する、請求項1からのいずれか一項に記載のラインガイド装置。
【請求項8】
放射状バー(22A、22B、22C、22D)の本数に対応する多数の周回要素(17)が設けられ
各周回要素(17)は、いずれも2本の放射状バー(22A、22B、22C、22D)に、解放可能に接続される、請求項1からのいずれか一項に記載のラインガイド装置。
【請求項9】
各放射状バーは、いずれも1つの周回要素との解放可能な接続のために、径方向に延在する部分、及び特に該径方向に延在する部分と一体に実現される、少なくとも1つの周方向に延在する突起(27B)を備え、前記少なくとも1つの突起は前記周回要素との係止係合のための係止要素(27C)を有する、請求項に記載のラインガイド装置。
【請求項10】
前記周回要素(17)の第1の端部が、ジョイント領域(23A)に隣接して両側に軸方向に2つの支持面(17A)を形成し、該支持面によって、前記第1の端部は前記周方向に前記放射状バー(22A;22C)に対して支持可能であり、並びに/又は
前記周回要素(17)の第2の端部が、支持面(17D)を有し、該支持面によって、前記第2の端部は前記放射状バー(22B;22D)に対して周方向に支持可能であり、並びに/又
前記係止受容部(27A)及び前記係止突起(27B)は、略接線方向に延在し、及び/又は接線方向周りの梃作用若しくは捻じりによって解放可能である、請求項に記載のラインガイド装置。
【請求項11】
記周回要素(17)の前記第1の端部は、前記バー(22A、22C)と協働して、制限された角度範囲のみにわたって前記旋回ピン(23A)の解放を可能とするロック解除面(17C)を形成する、請求項10に記載のラインガイド装置。
【請求項12】
少なくとも1本の第1の放射状バー(22A、22C)が、2つの周回要素(17)のいずれも第1の端部といずれも両側で関節状に接続され(23)、この目的のため、好ましくは、1つの周回要素(17)について各々2つの旋回受容部(23B)を有し、
好ましくは、少なくとも1本の第2の放射状バー(22C、22D)が、2つの周回要素(17)のいずれも第2の端部とスナップフィット接続によっていずれも両側で係止可能であり、この目的のため、好ましくは、1つの周回要素(17)について各々いずれも1つの係止要素(27B)を有する2つの周方向に延在する一体型突起(27B)を有する、請求項10又は11に記載のラインガイド装置。
【請求項13】
前記外側部品(15B)は、好ましくは前記中心部品(15A)に対して解放可能に、可動に及び/又は旋回可能に保持される、少なくとも2個、特に少なくとも3個の周回要素(17;47;57)と、該周回要素(17;47;57)を外部から囲み、軸方向に前記周回要素(17)に対して保持される衝撃吸収のための周回環状弾性バッファ(19)と、を備える、請求項1から12のいずれか一項に記載のラインガイド装置。
【請求項14】
前記周回要素(17;47;57)は外側に、前記バッファ(19)は内側に、該バッファを前記軸方向に保持する環状凹部及び係合突起を有する形状を有する、請求項13に記載のラインガイド装置。
【請求項15】
前記少なくとも3本の放射状バー(42A~42C)の1つ、特に周回要素が係止可能な第2の放射状バー(22B)は、前記環状弾性バッファ(19)が締結可能な径方向に突出する固定用領域(29A)を有する、請求項1から14のいずれか一項に記載の、特に請求項13又は14に記載のラインガイド装置。
【請求項16】
各放射状バー(22A~22D)が一体に実現され、及び/若しくは各周回要素(17)が連続弧状セグメントとして2本の周方向に連続するバー(22A~22B)の間に実現されて当該バー(22A~22B)の端部で保持され、並びに/又は
前記放射状バー(22A~22D)は中心軸周りに前記周方向に均等に分散配置され、及び/若しくは各周回要素(17)が円弧の形態で実現され、前記周方向に120度以下、特に90度以下の弧度を有し、並びに/又は
前記外側部品(15B)の内径が300mm以上であり、並びに/又は
前記ガイド本体の前記外側部品は、前記長手方向に垂直に延在する平面に関して鏡像対称となるように実現される、請求項1から15のいずれか一項に記載のラインガイド装置。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載のラインガイド装置のためのガイド本体(14)であって、
搬送ストランド(11)に締結するための締結デバイス(18)を有する中心部品(15A)と、
ラインのための受容領域(L)を外側に対して境界付ける、周方向に延在する少なくとも1つの周回要素(17)を有する外側部品(15B)と、
を備え、
少なくとも3本の放射状バー(22A~22D;42A~42C;52A~52E)が前記中心部品(15A)に設けられ、前記外側部品(15B)を保持し、前記少なくとも1つの周回要素(17)は、前記放射状バーの少なくとも1つと解放可能に接続され
各周回要素は、放射状バーに関節状ジョイントによって旋回可能に接続され、前記放射状バーにおける旋回受容部と旋回可能に接続される旋回ピンを有するジョイント領域を有する第1の端部を有し、
各旋回要素は、更なる放射状バーに解放可能なスナップフィット接続によって係止可能な第2の端部を有し、前記更なる放射状バーにおける相補的に構成された係止突起と係止可能な係止受容部を形成し、前記係止突起は前記周方向又はそれに対する接線方向に延在する、
ガイド本体。
【請求項18】
前記ガイド本体(14)の動作状態において、前記外側部品(15B)は前記中心部品(15A)の周囲にリングを形成し、該リングは前記バー(22A~22D;42A~42C;52A~52E)の放射状端部領域によって貫通又は補完される、請求項17に記載のガイド本体。
【請求項19】
請求項2から15のいずれか一項の特徴構成によって特徴付けられる請求項17に記載のガイド本体。
【請求項20】
例えば掘削リグ(1)などにおける特に懸吊アプリケーションのためのケーブル又はホースのような複数のラインをガイドするための、ラインガイド装置(60)であって、
好ましくは前記ラインガイド装置の長さにわたって延在する、高い引張り強度の柔軟な搬送ストランド(11)と、
前記搬送ストランドに対してその長手方向に配置された多数の本体であって、隣接する本体は相互に対して空間的に偏向可能である、本体と、
を備え、少なくとも一部の本体がガイド本体(14)の形態をとり、いずれも、
前記搬送ストランド(11)に締結するための締結デバイス(18)を有する中心部品(15A)と、
ラインのための受容領域(L)を外側に対して境界付ける少なくとも1つの周回要素(17)を有する外側部品(15B)と、
を有し、
前記ラインガイド装置の長手部分において、少なくとも1つのスペーサ本体(70)がいずれも2つのガイド本体(14)の間に前記搬送ストランド(11)に対して設けられ、前記スペーサ本体(70)は前記2つのガイド本体(14)の前記中心部品(15A)の間の間隔を規定し、前記ガイド本体(14)とは異なる態様で構成され、特に、前記ガイド本体(14)に対して減少した外径を有し、及び/又は前記2つのガイド本体(14)の前記外側部品(15B)が完全偏向相対位置において相互に対して当接し得るように構成され
n≧2として、n個毎の本体がガイド本体(14)として実現され、
各スペーサ本体(70)が、2つの隣接する本体を空間的に偏向可能にかつ関節状に接続し、各スペーサ本体(70)は、ガイド本体(14)との関節状接続のために対向端部に2つのジョイント領域(76A、76B)を有し、該ジョイント領域が、前記ガイド本体(14)の前記中心部品(15A)の対応するジョイント領域(26A、26B)に対応するように実現された、ラインガイド装置(60)。
【請求項21】
個のみのスペーサ本体(70)が2個のガイド本体(14)の間に設けられ、ガイド本体(14)は、好ましくはスペーサ本体(70)と交互に設けられる、請求項20に記載のラインガイド装置(60)。
【請求項22】
前記スペーサ本体(70)は、前記長手方向に垂直な断面においてコンパクトな外側輪郭で実現され、前記ガイド本体(14)の前記中心部品(15A)によって画定されるラインのための受容領域(L)の径方向内側境界内に実質的に存在する、請求項20又は21に記載のラインガイド装置(60)。
【請求項23】
前記各スペーサ本体(70)の対向端部の前記ジョイント領域(76A、76B)は前記ガイド本体(14)の前記中心部品(15A)の対応するジョイント領域(26A、26B)と軸方向に解放可能に接続可能である、請求項20から22のいずれか一項に記載のラインガイド装置(60)。
【請求項24】
前記スペーサ本体(70)は、一定に均等なチェーンピッチ(T)が前記長手部分において実現されるように前記軸方向に寸法取りされる、請求項20から23のいずれか一項に記載の、特に請求項23に記載のラインガイド装置(60)。
【請求項25】
前記外側部品(15B)は円形リング形状の外側輪郭を形成し、
前記スペーサ本体(70)の最大外径は、前記ガイド本体(14)の前記外側部品(15B)の外径の33%未満、特に30%以下であり、及び/又は
前記ガイド本体(14)の前記外側部品(15B)の外径は、前記チェーンピッチの少なくとも2.5倍であり、特に前記チェーンピッチの2.8倍以上であり、及び/又は
前記外側部品(15B)の外径は、300mmより大きい、請求項20から24のいずれか一項に記載の、特に請求項24に記載のラインガイド装置(60)。
【請求項26】
各スペーサ本体(70)が前記搬送ストランドのための軸方向通路開口を形成し、特に前記搬送ストランドへの形状及び/又は強制ロック締結のための少なくとも2つの構成要素(71、72)を有する、多部品実施形態のものである、請求項20から25のいずれか一項に記載のラインガイド装置(60)。
【請求項27】
各スペーサ本体(70)が関節状締付けシェルの態様で実現され、2つのシェル型構成要素(71、72)を締付け力の生成によって前記搬送ストランド(11)に締結する締付けジョイント(74)及び締付けネジ(75)を備える、請求項26に記載のラインガイド装置(60)。
【請求項28】
各スペーサ本体(70)は、実質的に、2つの長細い半シェル状の構成要素(71、72)からなり、該構成要素は、特に、干渉する縁部のない外側輪郭を有して及び/又は径方向に突出するバーを有さずに実現される、請求項26又は27に記載のラインガイド装置(60)。
【国際調査報告】