(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-03
(54)【発明の名称】ポリウレタン接着剤のためのプライマー
(51)【国際特許分類】
C09D 201/00 20060101AFI20230926BHJP
C09D 5/00 20060101ALI20230926BHJP
C09D 7/63 20180101ALI20230926BHJP
C09J 175/04 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
C09D201/00
C09D5/00 D
C09D7/63
C09J175/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513629
(86)(22)【出願日】2021-08-11
(85)【翻訳文提出日】2023-03-30
(86)【国際出願番号】 US2021045480
(87)【国際公開番号】W WO2022046406
(87)【国際公開日】2022-03-03
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519415100
【氏名又は名称】ディディピー スペシャルティ エレクトロニック マテリアルズ ユーエス,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【氏名又は名称】井口 司
(72)【発明者】
【氏名】マルヴァドカル、ニランジャン
(72)【発明者】
【氏名】ソフィア、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】チュー、フイドー
(72)【発明者】
【氏名】クラーク、トーマス
【テーマコード(参考)】
4J038
4J040
【Fターム(参考)】
4J038DD051
4J038JC30
4J038JC32
4J038JC35
4J038KA06
4J038PA07
4J038PB07
4J038PC03
4J040EF001
4J040EF131
4J040EF281
4J040KA25
4J040KA28
4J040KA31
4J040KA35
4J040KA42
4J040MA05
4J040NA16
(57)【要約】
ポリウレタン系接着剤と共に使用するためのプライマーが本明細書において提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウレタン系接着剤のためのプライマー組成物であって、a)少なくとも1つの接着促進剤、b)少なくとも1つの触媒、c)少なくとも1つの溶媒、及びd)以下の式を有する、少なくとも1つのブロック化アミノシランであって、
【化1】
式中、R
1はOCH
3又はOC
2H
5であり、
R
2及びR
3は、独立してOCH
3、OC
2H
5、及びC
mH
2m+1から選択され、式中、mは1~5の整数であり、
R
4は、C
nH
2nであり、式中、nは1~12の整数であり、
R
5は、H又は分枝状若しくは非分枝状C
pH
2p+1であり、式中、pは1~10の整数であり、
R
6は、分枝状又は非分枝状C
qH
2q+1であり、式中、qは1~10の整数であるブロック化アミノシランを含む、プライマー組成物。
【請求項2】
R
1が、OC
2H
5である、請求項1に記載のプライマー組成物。
【請求項3】
R
2及びR
3が、独立して、OCH
3、OC
2H
5、及びOC
3H
7から選択される、請求項1又は2に記載のプライマー組成物。
【請求項4】
R
2及びR
3が、独立して、OCH
3及びOC
2H
5から選択される、請求項1、2、又は3に記載のプライマー組成物。
【請求項5】
R
2及びR
3がOC
2H
5である、請求項1~4のいずれか一項に記載のプライマー組成物。
【請求項6】
R
4がC
nH
2nであり、式中、nは1~4の整数である、請求項1~5のいずれか一項に記載のプライマー組成物。
【請求項7】
nが1~3の整数である、請求項6に記載のプライマー組成物。
【請求項8】
nが3である、請求項6に記載のプライマー組成物。
【請求項9】
R
5が、H又は分枝状又は非分枝状C
pH
2p+1から選択され、式中、pは1~5の整数である、請求項1~8のいずれか一項に記載のプライマー組成物。
【請求項10】
pが4である、請求項9に記載のプライマー組成物。
【請求項11】
R
6が、分枝状又は非分枝状C
qH
2q+1から選択され、式中、qは1~5の整数である、請求項1~10のいずれか一項に記載のプライマー組成物。
【請求項12】
qが4である、請求項11に記載のプライマー組成物。
【請求項13】
R
1がOC
2H
5であり、R
2及びR
3が、独立して、OCH
3、OC
2H
5、及びOC
3H
7から選択され、R
4は、C
nH
2nであり、式中、nは1~4の整数であり、R
5が、H又は分枝状又は非分枝状C
pH
2p+1から選択され、式中、pは1~5の整数であり、R
6が、分枝状又は非分枝状C
qH
2q+1から選択され、式中、qは1~5の整数である、請求項1~12のいずれか一項に記載のプライマー組成物。
【請求項14】
R
2及びR
3が、独立して、OCH
3及びOC
2H
5から選択され、nが3であり、pが4であり、qが4である、請求項1~13のいずれか一項に記載のプライマー組成物。
【請求項15】
前記ブロック化アミノシランが、3-(1,3-ジメチルブチリデン)アミノプロピルトリエトキシシランである、請求項1~14のいずれか一項に記載のプライマー組成物。
【請求項16】
前記接着促進剤がアルコキシシランである、請求項1~15のいずれか一項に記載のプライマー組成物。
【請求項17】
前記接着促進剤が、一般式(R
1O)
3-Si-R
2X及び(R
1O)
2-(R
3)Si-OR
2Xの化合物から選択され、式中、R
1は、独立して置換又は非置換アルキル基又はアシル基から選択され、Xは、グリシジル、アミノ、メタクリロキシ、又はイソシアネート基で官能化された基であり、R
3は、置換又は非置換C
1~6アルキルである、請求項1~16のいずれか一項に記載のプライマー組成物。
【請求項18】
前記接着促進剤中で、R
1が、メチル、エチル、2-メトキシエチル、及びアセチルから選択される、請求項1~17のいずれか一項に記載のプライマー組成物。
【請求項19】
前記接着促進剤中で、R
2が、C
2~6アルキレンである、請求項1~18のいずれか一項に記載のプライマー組成物。
【請求項20】
前記接着促進剤中で、Xが、少なくとも1つのアミノ基又はイソシアネート基で官能化された基である、請求項1~19のいずれか一項に記載のプライマー組成物。
【請求項21】
前記接着促進剤中で、R
3がメチルである、請求項1~20のいずれか一項に記載のプライマー組成物。
【請求項22】
前記接着促進剤が、HDI-ビウレットと3-メルカプトプロピルトリメトキシシランとの反応生成物を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載のプライマー組成物。
【請求項23】
1つ以上の架橋剤を追加で含む、請求項1~22のいずれか一項に記載のプライマー組成物。
【請求項24】
前記1つ以上の架橋剤が1つ以上のポリイソシアネートである、請求項23に記載のプライマー組成物。
【請求項25】
前記1つ以上のポリイソシアネートがTDI/HDIポリイソシアネートである、請求項24に記載のプライマー組成物。
【請求項26】
基材をプライミングするための方法であって、前記基材の表面にプライマーを塗布する工程であって、前記プライマーが、a)少なくとも1つの接着促進剤、b)少なくとも1つの触媒、c)少なくとも1つの溶媒、及びd)以下の式を有する、少なくとも1つのブロック化アミノシランであって、
【化2】
式中、R
1はOCH
3又はOC
2H
5であり、
R
2及びR
3は、独立してOCH
3、OC
2H
5、及びC
nH
2n+1から選択され、式中、nは1~5の整数であり、
R
4は、C
nH
2nであり、式中、nは1~12の整数であり、
R
5は、H又はC
nH
2n+1であり、式中、nは1~10の整数であり、
R
6は、C
nH
2n+1であり、式中、nは1~10の整数である、ブロック化アミノシランを含む、工程を含む方法。
【請求項27】
第1の基材と第2の基材とを接着させる方法であって、
(1)前記第1の基材、前記第2の基材、又はその両方の表面にプライマーを塗布する工程であって、前記プライマーが、a)少なくとも1つの接着促進剤、b)少なくとも1つの触媒、c)少なくとも1つの溶媒、及びd)以下の式を有する、少なくとも1つのブロック化アミノシランであって、
【化3】
式中、R
1はOCH
3又はOC
2H
5であり、
R
2及びR
3は、独立してOCH
3、OC
2H
5、及びC
nH
2n+1から選択され、式中、nは1~5の整数であり、
R
4は、C
nH
2nであり、式中、nは1~12の整数であり、
R
5は、H又はC
nH
2n+1であり、式中、nは1~10の整数であり、
R
6は、C
nH
2n+1であり、式中、nは1~10の整数である、ブロック化アミノシランを含む、工程と、
(2)前記溶媒を蒸発させる工程と、
(3)前記基材が組み合わせられるとポリウレタン系接着剤が前記プライマーと接触するように、前記ポリウレタン系接着剤を前記第1の基材、前記第2の基材、又はその両方に塗布する工程と、
(4)前記接着剤がその間に挟み込まれるように、前記第1の基材と第2の基材とを組み合わせる工程と、
を含む、方法。
【請求項28】
R
1が、OC
2H
5である、請求項26又は27に記載の方法。
【請求項29】
R
2及びR
3が、独立して、OCH
3、OC
2H
5、及びOC
3H
7から選択される、請求項26、27、又は28に記載の方法。
【請求項30】
R
2及びR
3が、独立して、OCH
3及びOC
2H
5から選択される、請求項26~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
R
2及びR
3が、OC
2H
5である、請求項26~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
R
4がC
nH
2nであり、式中、nは1~4の整数である、請求項26~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
nが1~3の整数である、請求項26~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
nが3である、請求項26~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
R
5が、H又は分枝状若しくは非分枝状C
pH
2p+1から選択され、式中、pは1~5の整数である、請求項26~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
pが4である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
R
6が、分枝状又は非分枝状C
qH
2q+1から選択され、式中、qは1~5の整数である、請求項26~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
qが4である、請求項26~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
R
1がOC
2H
5であり、R
2及びR
3が、独立して、OCH
3、OC
2H
5、及びOC
3H
7から選択され、R
4がC
nH
2nであり、式中、nは1~4の整数であり、R
5が、H又は分枝状若しくは非分枝状C
pH
2p+1から選択され、式中、pは1~5の整数であり、R
6が、分枝状又は非分枝状C
qH
2q+1から選択され、式中、qは1~5の整数である、請求項26~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
R
2及びR
3が、独立して、OCH
3及びOC
2H
5から選択され、n3であり、pが4であり、qが4である、請求項26~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記ブロック化アミノシランが、3-(1,3-ジメチルブチリデン)アミノプロピルトリエトキシシランである、請求項26~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記接着促進剤がアルコキシシランである、請求項26~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記接着促進剤が、一般式(R
1O)
3-Si-R
2X及び(R
1O)
2-(R
3)Si-OR
2Xの化合物から選択され、式中、R
1は、独立して置換又は非置換アルキル基又はアシル基から選択され、Xは、グリシジル、アミノ、メタクリロキシ、又はイソシアネート基で官能化された基であり、R
3は、置換又は非置換C
1~6アルキルである、請求項26~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記接着促進剤中で、R
1が、メチル、エチル、2-メトキシエチル、及びアセチルから選択される、請求項26~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記接着促進剤中で、R
2が、C
2~6アルキレンである、請求項26~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記接着促進剤中で、Xが、少なくとも1つのアミノ基又はイソシアネート基で官能化された基である、請求項26~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記接着促進剤中で、R
3がメチルである、請求項26~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記接着促進剤が、HDI-ビウレットと3-メルカプトプロピルトリメトキシシランとの反応生成物を含む、請求項26~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
請求項1~25のいずれか一項に記載のプライマー組成物の層を備えるガラス基材。
【請求項50】
接着された基材であって、その表面の少なくとも一部にわたる請求項1~25のいずれか一項に記載のプライマー組成物の層と、前記プライマー層と接着接触した硬化ポリウレタン系接着剤の層であって、前記硬化ポリウレタン接着剤の層が第2の基材と更に接着接触している、硬化ポリウレタン系接着剤の層と、を備えるガラス基材を含む、接着された基材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プライマー、具体的にはポリウレタン接着剤と共に使用するためのガラス接合プライマーの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス接合プライマーは、典型的には、有機溶媒、オルガノシラン中間体、イソシアネートプレポリマー、膜形成剤、カーボンブラック、触媒、及び安定剤を含有する。これらのプライマーの調製は、いくつかの複雑な工程を伴い、そのためサイクルタイムが増加し、それにより製造コストが上昇する。例えば、カーボンブラックをプライマー配合物に組み込むことは、時間がかかり、エネルギーを大量に消費する別途の粉砕工程を必要とする。加えて、更に、カーボンブラックはプライマー中での安定性に劣るため、瓶の底部に沈む傾向がある。その結果、プライマーを塗布する前に、プライマーの瓶を連続的に激しく振盪させて、カーボンブラックを再分散させる必要がある。したがって、粉砕工程を必要としない透明なプライマーが非常に望ましい。
【0003】
もう1つの求められるプライマーの性質は、より長いオープンタイムである。オープンタイムは、ガラス面にプライマーを塗布してからウレタン接着剤を塗布するまでの時間として定義される。プライマーが塗布されると、溶媒は蒸発して、ウレタン中の官能基(例えばイソシアネート)と結合することが可能な官能基の膜を残す。プライマーの膜が経年すると、プライマー層中の官能基が水分と反応する場合もあり、或いは酸化する場合もあり、どちらの場合も官能性の喪失をもたらす。その結果、プライマー層が経年すると、プライマーの性能は劣化する。したがって、大半のプライマーは限られたオープンタイムを有する。しかしながら、自動車産業は、プライマーの塗布とウレタン接着剤の塗布との間に十分なクッションタイムを有するように、オープンタイムの長いプライマーを要求している。多くの場合で、自動車のOEMによって用いられるガラスは、一次サプライヤーに供給される。これらのサプライヤーは、プライミングしたガラスをOEMに送り、OEMは車両の組み立て中にウレタン接着剤を塗布する。ウレタン接着剤は、プライマーの指定されたオープンタイム以内でプライミングされたガラスに塗布されなくてはならない。指定されたオープンタイム以内にウレタンが塗布されなかった場合は、ガラスを再プライミングのために返送する必要があり、これはOEMの生産コストを増加させる。その結果、オープンタイムの長いプライマーが非常に望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様では、本発明は、ウレタン系接着剤のためのプライマー組成物であって、a)少なくとも1つの接着促進剤、b)少なくとも1つの触媒、c)少なくとも1つの溶媒、及びd)以下の式を有する、少なくとも1つのブロック化アミノシランであって、
【化1】
式中、R
1はOCH
3又はOC
2H
5であり、
R
2及びR
3は、独立してOCH
3、OC
2H
5、及びC
mH
2m+1から選択され、式中、mは1~5の整数であり、
R
4は、C
nH
2nであり、式中、nは1~12の整数であり、
R
5は、H又は分枝状若しくは非分枝状C
pH
2p+1であり、式中、pは1~10の整数であり、
R
6は、分枝状又は非分枝状C
qH
2q+1であり、式中、qは1~10の整数である、ブロック化アミノシランを含む、プライマー組成物を提供する。
【0005】
第2の態様では、本発明は、基材をプライミングするための方法であって、基材の表面にプライマーを塗布する工程であって、プライマーが、a)少なくとも1つの接着促進剤、b)少なくとも1つの触媒、c)少なくとも1つの溶媒、及びd)以下の式を有する、少なくとも1つのブロック化アミノシランであって、
【化2】
式中、R
1はOCH
3又はOC
2H
5であり、
R
2及びR
3は、独立してOCH
3、OC
2H
5、及びC
mH
2m+1から選択され、式中、mは1~5の整数であり、
R
4は、C
nH
2nであり、式中、nは1~12の整数であり、
R
5は、H又はC
pH
2p+1であり、式中、pは1~10の整数であり、
R
6は、C
qH
2q+1であり、式中、qは1~10の整数である、ブロック化アミノシランを含む、工程を含む方法を提供する。
【0006】
第3の態様では、本発明は、第1の基材及び第2の基材を接着させる方法であって、
(1)第1の基材、第2の基材、又はその両方の表面にプライマーを塗布する工程であって、プライマーが、a)少なくとも1つの接着促進剤、b)少なくとも1つの触媒、c)少なくとも1つの溶媒、及びd)以下の式を有する、少なくとも1つのブロック化アミノシランであって、
【化3】
式中、R
1はOCH
3又はOC
2H
5であり、
R
2及びR
3は、独立してOCH
3、OC
2H
5、及びC
mH
2m+1から選択され、式中、mは1~5の整数であり、
R
4は、C
nH
2nであり、式中、nは1~12の整数であり、
R
5は、H又はC
pH
2p+1であり、式中、pは1~10の整数であり、
R
6は、C
qH
2q+1であり、式中、qは1~10の整数である、ブロック化アミノシランを含む、工程と、
(2)溶媒を蒸発させる工程と、
(3)基材が組み合わせられるとポリウレタン系接着剤がプライマーと接触するように、ポリウレタン系接着剤を第1の基材、第2の基材、又はその両方に塗布する工程と、
(4)接着剤がその間に挟み込まれるように、第1の基材と第2の基材とを組み合わせる工程と、を含む、方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明者らは、驚くべきことに、特定のブロック化アミノシランを含むプライマーが、ポリウレタン系接着剤と共に使用されると優れた接着強度をもたらし、この接着強度が、より長いオープンタイムの後であっても維持されることを発見した。「プライマー」という表現は、溶媒中の溶液として基材に塗布され、溶媒は蒸発して基材上に膜のコーティングを残すほど十分な揮発性がある、任意の接着促進コーティングを含む。膜は、一般には厚さが1mm未満、好ましくは100nm~100マイクロメートル程度である。
【0008】
定義及び略称
TDI トルエンジイソシアネート
HDI ヘキサメチレンジイソシアネート
HDI-ビウレット ヘキサメチレンジイソシアネートとビウレットとの反応生成物
【化4】
Paraloid QM-1007M
【化5】
式中、nは2~4の整数である
Sivate E610 アミノプロピルトリエトキシシランと、1,2-ビス(トリエトキシシリル)エタンと、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)アミンとのブレンド
本明細書で報告されるポリマーの分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により決定した数平均分子量又は重量平均分子量としてダルトン(Da)で報告される。
【0009】
接着促進剤
ガラス、又はプライマーが塗布される任意の基材に対する接着力を強化するために、接着促進剤が本発明のプライマーに添加される。更に、接着促進剤は、プライマー上に塗布されるウレタン接着剤との1つ又は複数の化学結合を形成する官能基を含み得る。好適な接着促進剤は、様々なオルガノシラン(oganosilane)、オルガノチタネート、及びオルガノジルコネートから選択され得る。ガラス接合プライマーのための好ましい接着促進剤は、好ましくは少なくとも1つのケイ素原子と、ケイ素原子に結合したメトキシ及び/又はエトキシ基などの2つ又は3つのアルコキシ基と、からなるオルガノシランである。
【0010】
好ましい接着促進剤は、官能性シラン類、つまり、一般式(R1O)3-Si-R2X又は(R1O)2-(R3)Si-OR2Xの化合物(式中、R1は、独立して置換又は非置換アルキル基又はアシル基、例えばメチル、エチル、2-メトキシエチル、又はアセチルから選択され、R2はC2~6アルキレンであり、Xは、グリシジル、アミノ、メルカプト、メタクリロキシ、又はイソシアネート基(特に好ましくはアミノ及びイソシアネート基)で官能化された基であり、R3は、置換又は非置換C1~6アルキル、特に好ましくはメチルである)、及びそれらの混合物である。
【0011】
特に好ましい接着促進剤は、1つ以上のアルコキシシリル基及び1つ以上のアミノ基を有し、アルキレン部分がアルコキシシリル基とアミン基との間に配置されている化合物である、アミノシランである。アルキレン基は、C1~20、好ましくはC1~4アルキレン基であり得る。エチレン、プロピレン、及びブチレンが特に好ましい。プロピレンが特に好ましい。アミンは一級であっても二級であってもよく、アミン窒素に結合したヒドロキシアルキル基を有してもよい。アルコキシシリル基は、ケイ素原子が結合して1~3個のアルコキシ基、2若しくは3個のアルコキシ基、又は3個のアルコキシ基を形成する基である。アルコキシ部分上のアルキル基は、C1~4アルキル、エチル若しくはメチル、又はメチルであってよい。アルコキシシリル基は、ケイ素原子に直接結合した1又は2個のアルキル基を有してよい。ケイ素原子に結合したアルキル基は、C1~4アルキル、エチル若しくはメチル、又はメチルであってよい。
【0012】
例示的なアミノシランとしては、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピル-ジメトキシメチルシラン、3-アミノ2-メチルプロピル-トリメトキシシラン、4-アミノブチル-トリメトキシシラン、4-アミノブチルジメトキシメチルシラン、4-アミノ-3-メチルブチル-トリメトキシシラン、4-アミノ-3,3-ジメチルブチルトリメトキシシラン、4-アミノ-3,3-ジ-メチルブチルジメトキシメチルシラン、2-アミノエチルトリメトキシシラン、2-アミノエチルジメトキシチルシラン、アミノメチルトリメトキシシラン、アミノメチルジメトキシメチルシラン、アミノメチルメトキシジメチルシラン、N-メチル-3アミノプロピルトリメトキシシラン、N-エチル-3アミノプロピルトリメトキシシラン、N-ブチル-3ーアミノプロピルトリメトキシシラン、N-シクロヘキシル-3ーアミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-3ーアミノプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-3-アミノ-2-メチルプロピルトリメトキシシラン、N-エチル--3-アミノ-2-メチルプロピルトリメトキシシラン、N-エチル-3-アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N-フェニル-4-アミノブチルトリメトキシシラン、N-フェニルアミノメチルジメトキシメチルシラン、N-シクロヘキシルアミノメチルジメトキシメチルシラン、N-メチルアミノメチルジメトキシメチルシラン、N-エチルアミノメチルジメトキシメチルシラン、N-プロピルアミノメチルジメトキシメチル-シラン、N-ブチルアミノメチルジメトキシメチルシラン、及びこれらの混合物が挙げられる。アミノプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
【0013】
好適なメルカプトシランの例としては、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピル-メチル-ジメトキシシランが挙げられる。
【0014】
本明細書では170702と称される、HDI-ビウレットと3-メルカプトプロピルトリメトキシシランとの反応によって作製した接着促進剤(参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,238,993号明細書に開示される)も好ましい。化学量論が1個のメルカプト基に対して3個のイソシアネート(NCO)基である場合の構造は、以下の通りである:
【化6】
【0015】
接着促進剤は、プライマーの総重量を基準に、好ましくは5~30重量%、より好ましくは7~25重量%、特に好ましくは10~20重量%で用いられる。
【0016】
好ましい実施形態では、170702が、プライマーの総重量を基準に10~20重量%の濃度で、接着促進剤として用いられる。
【0017】
別の好ましい実施形態では、3-アミノプロピルトリエトキシシランが、プライマーの総重量を基準に、好ましくは0.5~5重量%で、より好ましくは1~3重量%で、接着促進剤として用いられる。
【0018】
別の好ましい実施形態では、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランが、プライマーの総重量を基準に、好ましくは1~6重量%、より好ましくは2~5重量%、特に好ましくは3~4重量%で、接着促進剤として用いられる。
【0019】
別の好ましい実施形態では、3-アミノプロピルトリエトキシシラン及び3-メルカプトプロピルトリメトキシシランが、プライマーの総重量を基準に、好ましくは0.5~5重量%、より好ましくは1~3重量%の3-アミノプロピルトリエトキシシラン、且つ1~6重量%、より好ましくは2~5重量%、特に好ましくは3~4重量%の3-メルカプトプロピルトリメトキシシランで、接着促進剤として用いられる。
【0020】
触媒
少なくとも1つの触媒は、イソシアネートと水分との反応を触媒することが可能な触媒である。
【0021】
イソシアネートと水分との反応を触媒するのに特に好ましい触媒は、亜鉛カルボキシレート系触媒である。
【0022】
触媒は、プライマーの総重量を基準に、好ましくは0.2~5重量%、より好ましくは0.5~2重量%、特に好ましくは1重量%で用いられる。
【0023】
更に、プライマーは、オルガノシランと水分との反応を触媒することが可能な触媒を含み得る。好ましいこうした触媒は、ルイス酸触媒、例えば反応性オクチレングリコールチタネートである。
【0024】
溶媒
溶媒は、10℃~40℃でプライマーのその他の成分を可溶化することが可能なプライマーの揮発性成分である。溶媒は、プライマーのその他の成分に対しては比較的不活性である。溶媒は非プロトン性であることが好ましい。溶媒は、官能基(イソシアネート及びアルコキシシラン)と水分との反応を防ぐのに役立つように、無水であることが好ましい。好適な溶媒の例としては、キシレン、塩化メチレン、ベンゼン、酢酸ブチル、モノクロロベンゼン、トリクロロエチレン、塩化エチレン、トルエン、アセトンなどの低分子量ケトン、及びメチルエチルケトン、並びにこれらの混合物が挙げられる。アセトン及びメチルエチルケトンが好ましく、MEKが特に好ましい。
【0025】
ブロック化アミノシラン
本発明のプライマー組成物は、以下の式を有する少なくとも1つのブロック化アミノシランを含み:
【化7】
式中、R
1はOCH
3又はOC
2H
5であり、
R
2及びR
3は、独立してOCH
3、OC
2H
5、及びC
mH
2m+1から選択され、式中、mは1~5の整数であり、
R
4は、C
nH
2nであり、式中、nは1~12の整数であり、
R
5は、H又は分枝状若しくは非分枝状C
pH
2p+1であり、式中、pは1~10の整数であり、
R
6は、分枝状又は非分枝状C
qH
2q+1であり、式中、qは1~10の整数である。
【0026】
好ましい実施形態では、R1はOC2H5である。
【0027】
別の好ましい実施形態では、R2及びR3は、独立して、OCH3、OC2H5、及びOC3H7から選択され、より好ましくは、R2及びR3は、独立して、OCH3及びOC2H5から選択され、特に好ましくは、R2及びR3はOC2H5である。
【0028】
別の好ましい実施形態では、R4は、CnH2nであり、式中、nは1~4の整数であり、特に好ましくは、nは1~3の整数であり、より特に好ましくは、nは3である。
【0029】
別の好ましい実施形態では、R5は、H又は分枝状若しくは非分枝状CpH2p+1から選択され、式中、pは1~5の整数であり、特に好ましくはpは1、2、3、又は4であり、1が特に好ましい。
【0030】
別の好ましい実施形態では、R6は、分枝状又は非分枝状CqH2q+1から選択され、式中、qは1~5の整数であり、好ましくはqは2~5であり、4が特に好ましい。より特に好ましくは、R6は、ブチル又はイソブチルである。
【0031】
好ましい実施形態では、R1はOC2H5であり、R2及びR3は、独立して、OCH3、OC2H5、及びOC3H7から選択され、より好ましくは、R2及びR3は、独立して、OCH3及びOC2H5から選択され、特に好ましくは、R2及びR3はOC2H5であり、R4は、CnH2nであり、式中、nは1~4の整数であり、特に好ましくは、nは1~3の整数であり、より特に好ましくは、nは3であり、R5は、H又は分枝状若しくは非分枝状CpH2p+1から選択され、式中、pは1~5の整数であり、特に好ましくは、pは1であり、R6は、分枝状又は非分枝状CqH2q+1から選択され、式中、qは1~5の整数であり、特に好ましくは、qは4であり、より特に好ましくは、R6は、ブチル又はイソブチルである。
【0032】
特に好ましい実施形態では、ブロック化アミノシランは、3-(1,3-ジメチルブチリデン)アミノプロピルトリエトキシシランである:
【化8】
【0033】
ブロック化アミノシランは、加水分解後にガラス及びセラミックフリットなどの無機表面に結合することができる。更に、このタイプのブロック化アミノシランは、加水分解に対して不安定なイミン基を含有する。水と反応した後、イミン基は解離して一級アミン官能性シラン(この場合、3-アミノプロピルトリエトキシシラン)及び揮発性ケトン(メチルイソブチルケトン)を形成する。アミン基は、置換尿素基の形成をもたらす、ウレタン接着剤由来のイソシアネート基との反応に利用可能である。
【0034】
ブロック化アミノシランを含有するプライマーは、より長いオープンタイムの後も性能を維持する。ブロック化アミノシランの存在は、より高い加水分解安定性、及び、例えば熱水浸漬後に結合強度を測定することによって実証され得る、長いオープンタイム条件後でのより高い結合強度の保持をもたらす。更に、ブロック化アミノシラン基は、熱水に曝露した後でプライマー表面にブリスターが形成するのを防ぐ。ブロック化アミノシランを含まないプライマーでは、熱水曝露後に有意なブリスタリングが観察される。更に、ブロック化アミノシランは、カタプラズマ(cataplasma)曝露(熱衝撃)後に結合強度の改善された保持を示す。
【0035】
ブロック化アミノシランは、プライマーの総重量を基準に、好ましくは0.2~4重量%、より好ましくは0.5~3重量%、特に好ましくは1~2重量%の濃度で存在する。
【0036】
特に好ましいブロック化アミノシランは、プライマーの総重量を基準に、0.2~4重量%、より好ましくは0.5~3重量%、特に好ましくは1~2重量%で用いられる3-(1,3-ジメチルブチリデン)アミノプロピルトリエトキシシランである。
【0037】
膜形成剤
本発明の組成物は、追加で膜形成剤を含んでもよい。本発明のプライマーに用いられ得る膜形成剤は、特に限定されない。膜形成剤は、固形表面に薄膜を形成することが可能な樹脂である。一般的に、膜形成樹脂は、様々な技法(例えば、吹き付け、ブラッシングなど)による樹脂の塗布を可能にする担体溶媒(例えば有機溶媒)中に溶解される。膜形成樹脂溶液を塗布した後に、溶媒は蒸発して、樹脂の薄膜を残す。好ましい膜形成樹脂は、プライマーの他の成分に非反応性であり、且つそれらとの良好な相溶性を有するポリマーである。更に、樹脂は、ガラス及びセラミックフリット上で良好な湿潤を有して、表面上に連続的なプライマー膜をもたらさなければならない。
【0038】
好適な有機溶媒、好ましくは雰囲気条件下で蒸発するのに十分な揮発性を有する非プロトン性溶媒、例えばキシレン、塩化メチレン、ベンゼン、酢酸ブチル、モノクロロベンゼン、トリクロロエチレン、塩化エチレン、トルエン、アセトンなどの低分子量ケトン、及びメチルエチルケトン、並びにこれらの混合物の中に懸濁又は溶解された、分子量が20,000~100,000Daのポリエステル樹脂が好ましい。特に好ましい溶媒はMEKである。好適なポリエステルの例は、イソフタレート、ジメチルテレフタレート、ネオペンチルグリコール、及びエチレングリコールのコポリマーである。より特に好ましくは膜形成剤溶液/懸濁液の総重量を基準に40重量%で、MEK中に懸濁又は溶解した、イソフタレート、ジメチルテレフタレート、ネオペンチルグリコール、及びエチレングリコールのコポリマーが特に好ましい。
【0039】
膜形成剤は、好ましくは、プライマーの総重量を基準に、5~40重量%、より好ましくは10~30重量%で用いられる。
【0040】
特に好ましくは、膜形成剤は、プライマーの総重量を基準に5~40重量%、より好ましくは10~30重量%で用いられる、イソフタレート、ジメチルテレフタレート、ネオペンチルグリコール、及びエチレングリコールから製造されたポリエステル膜形成樹脂(MEK中40%樹脂)である。
【0041】
その他の成分
プライマーは、追加的に、その他の任意選択的な成分、例えば以下のものを含んでもよい:
・1つ以上のポリイソシアネートなどの1つ以上の架橋剤、例えば、TDI/HDIポリイソシアネート、例えば潜在性架橋剤。潜在性架橋剤は、貯蔵条件下では非反応性であるが、Paraloid QM-1007などの反応性基での架橋を可能にする、水分などのトリガ機構を介して活性化され得る分子である。
・1つ以上の安定剤、例えばジエチルマロネート。
【0042】
イソシアネート架橋剤が用いられる場合、接着促進剤は、アミノシラン、メルカプトシラン、又はオルガノチタネートであってはならない。
【0043】
接着剤
本発明のプライマー組成物は、任意のポリウレタン系接着剤と共に使用するのに好適である。
【0044】
典型的なポリウレタン系接着剤は、少なくとも1つのイソシアネート末端ウレタンプレポリマーを含有する。ポリウレタン接着剤は、大気水分とイソシアネート基との反応によって硬化するが、その他の周知される硬化剤を用いてもよい。
【0045】
好ましい実施形態では、接着剤は、MDI系ウレタンプレポリマーを含む一液型水分硬化性高粘度ポリウレタン接着剤である。カーボンブラック、クレイ、炭酸カルシウムなどのフィラーは、接着剤のコストを低減させる、強度を追加する、又は接着剤に着色するなどの様々な理由で添加される。更に、ポリウレタン接着剤は、接着剤の配合中に添加され得るか、又はウレタンプレポリマー中にペンダント基として存在する、接着促進剤(例えばアルコキシシラン)を含有し得る。ポリウレタン接着剤は、例えば可塑剤、安定剤、チキソトロープ剤などの、当業者に周知されるその他の添加剤を含有してもよい。
【0046】
接着剤組成物は、ガラス(窓)を建造物及び車両に貼付(固着)させるために用いられる(参照により本明細書に組み込まれる、Rizkの米国特許第4,780,520号明細書、Bhatの同第5,976,305号明細書、Hsieh et alの同第6,015,475号明細書、及びZhouの米国特許第6,709,539号明細書を参照されたい)。
【0047】
好ましい実施形態では、接着剤は、少なくとも1つのポリオール(好ましくは、ポリ(プロピレンオキシド)ポリオール)、可塑剤(フタル酸ジイソノニルなど)、少なくとも1つのジイソシアネート(4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートなど)、触媒(2-エチルヘキサン酸第一スズなど)、及び安定剤(ジエチルマロネートなど)から作製され、且つ/又はこれらを含有するプレポリマーを含む。
【0048】
プレポリマー(上述したものなどの)は、好ましくは、接着剤の総重量を基準に、接着剤中に45~60重量%、より好ましくは50~60重量%で存在する。
【0049】
特に好ましい実施形態では、接着剤は、以下を含む。
【0050】
【0051】
基材
本発明のプライマー組成物は、ガラス、金属、プラスチック、塗料、及びEコート(e-coat)などの様々な基材と共に使用するのに好適であり、プライマーは、ガラス表面上の使用に特に適している。
【0052】
本発明は、以下のものなどの、プライミング及び/又は接着された基材にまで及ぶ。
1.本発明のプライマー組成物の層を備えるガラス基材。
2.接着された基材であって、その表面の少なくとも一部にわたる本発明のプライマー組成物の層と、プライマー層と接着接触した硬化ポリウレタン系接着剤の層であって、硬化ポリウレタン接着剤の層は、第2の基材と更に接着接触している、硬化ポリウレタン系接着剤の層と、を備えるガラス基材を含む、接着された基材。
【0053】
製造
本発明のプライマー組成物は、成分を単に混合することにより製造することができる。例えば、第1の工程で、ブロック化アミノシラン及び触媒が、最初に溶媒(例えばMEK)に添加され、第2の工程で、膜形成剤(用いられる場合は)及び接着促進剤が添加される。所望に応じて、安定剤(例えばジエチルマロネート)及び潜在性架橋剤を第1の工程で添加してもよい。所望に応じて、架橋剤(例えばポリイソシアネート)を第2の工程で添加してもよい。各成分を添加した後に、混合物を十分に混合する。全ての成分を添加した後に、混合物を十分に混合する。好ましくは、このプロセスは、不活性且つ低湿度の気体、例えば窒素下で実施する。
【0054】
本発明のプライマー組成物の製造例は以下の通りである:金属(例えばアルミニウム)製混合容器を乾燥させるために、100℃超のオーブン中で乾燥させる(例えば2時間の間)。最初に溶媒(例えばMEK)を瓶に添加し、続いて安定剤(使用する場合)、例えばジエチルマロネート、潜在性架橋剤(使用する場合)、例えばQM-1007、ブロック化アミノシラン(例えばSID4068.0)、及び触媒(例えばKKAT 670)を添加する。最後に、架橋剤(使用する場合)、例えばイソシアネート(例えばDesmodur HL)、任意選択的な膜形成剤(例えばポリエステル樹脂、例えばVITEL2301BU)、及び接着促進剤(例えばオルガノシラン、例えば170702)を、瓶に添加する。各添加後、瓶を窒素でブランケットし、瓶を振盪させることによって内容物を混合する。全ての成分を添加した後、内容物をペイントシェーカー中で更に混合する。
【0055】
使用
本発明は、第1の基材及び第2の基材を接着させる方法であって、以下の工程を含む方法を提供する:
(1)第1の基材、第2の基材、又はその両方の表面に本発明のプライマーを塗布する工程;
(2)基材が組み合わせられるとポリウレタン系接着剤がプライマーと接触するように、ポリウレタン系接着剤を第1の基材、第2の基材、又はその両方に塗布する工程;及び
(3)接着剤がその間に挟み込まれるように、第1の基材と第2の基材とを組み合わせる工程。
【0056】
工程1の後、及び工程2の前に、乾燥工程を実施して溶媒を除去する。溶媒の除去は、単にプライマーでコーティングされた基材を、室温で、例えば30分間放置することによって実施され得る。溶媒は、強制空気を使用してか、又は真空を適用することによっても排除することができる。
【0057】
工程1及び2は、即座に引き続いて実施してもよく、或いは、オープンタイムをプライマーの塗布とポリウレタン系接着剤の塗布との間に置いてもよい。オープンタイムは数時間であってもよく、又は更には数日間、例えば30~90日間であってもよい。
【0058】
工程3の後に、接着剤は硬化する。硬化は、工程3の組み立ての直後に起きてもよく、或いは、数分、数時間、又は更には数日の間隔を隔ててもよい。
【0059】
好ましい実施形態では、第1の基材はガラスであり、第2の基材は金属であり、プライマーは、好ましくはガラス基材に塗布される。
【0060】
本発明のプライマーは、これらを少なくとも1つの基材の少なくとも1つの表面に塗布することによって用いられる。通常、プライマーを浸したクロス(例えばチーズクロス)を用いて、基材をプライマーでコーティングする。溶媒は、例えば、プライミングされた表面を大気に曝露したままにすることによって、基材全体に空気を吹き付けることによって、又は基材の表面を減圧に供することによって、蒸発させることができる。溶媒が蒸発した後、基材上に、一般に1mm未満の厚さの、好ましくは100nm~100マイクロメートルの厚さの接着促進膜が残る。次にポリウレタン接着剤をプライマーと接触させ、続いて硬化させる。
【0061】
接着剤性能
本発明のプライマーは、ポリウレタン接着剤と組み合わせると、重ね剪断試験によって測定して良好な接着強度を示す。重ね剪断試験は、好ましくはASTM SAE J1529に従い、以下の通り実施する:
ガラス試験片サイズ=1インチ×3インチ
ビーズサイズ=幅6mm×高さ6mm
初期硬化=50%RH及び25Cで7日間(その他の条件は記載通り)
引っ張り速度=1インチ/分
【0062】
これらの条件下で、ポリウレタン系接着剤と組み合わせた本発明のプライマーは、好ましくは、25℃及び50%の相対湿度(RH)で7日後に少なくとも600MPaの重ね剪断強度を示す。
【0063】
これらの条件下で、ポリウレタン系接着剤と組み合わせた本発明のプライマーは、好ましくは、90℃の水浸で7日後に少なくとも380MPaの重ね剪断強度を示す。
【0064】
オープンタイム
特定のオープンタイム後の接着剤性能は、クイックナイフ接着試験を用いて評価することができる:
【0065】
この試験は、1インチ×6インチのガラス試験片上で実施される。試験片の片側は、Johnson Matthey Incから入手可能な撓み曲げ加工フリット(sag-bent frit)であるセラミックフリット2L5350で被覆する。クイックナイフ試験を実施するために、最初に、チーズクロスをプライマー溶液で飽和させ、フリット表面に薄層を塗布することによってプライマーを塗布する。フリット側をプライミングした後に、30℃及び80%の相対湿度に維持した人工気候室内に、所望のオープンタイム(7日又は30日)の間、ガラス試験片を置く。人工気候室内で所望の曝露をした後、およそ幅8mm及び厚さ6~8mmのウレタン接着剤ビーズを、プライミングしたフリット表面に塗布する。接着剤を、25℃及び50%の相対湿度で7日間硬化させる。硬化後、接着剤を引き戻す間に接着剤/基材界面にナイフで刻み目を入れることによって、クイックナイフ試験を実施する。各試料に関して、破壊様式を、接着剤ビーズ内の凝集破壊(CF)の割合、基材に対するプライマー破壊(PF)の割合、及びプライマー界面における接着剤破壊(AF)の割合の組み合わせとして記録する。
【0066】
本発明のプライマーは、ポリウレタン系接着剤と共に使用されると、好ましくは、接着剤を塗布する前の7日間のオープンタイム後に、90%超、より好ましくは95%超の凝集破壊を示し、より好ましくは、接着剤を塗布する前の30日間のオープンタイム後に、90%超、より好ましくは95%超の凝集破壊を示す。
【0067】
延長されたオープンタイム後の接着剤性能の追加的評価として、接着した試料を、有害環境条件を模倣するように設計されたカタプラズマ条件に曝露してもよい。試料を上記の手順に従い調製し、所望のオープンタイム後に、接着剤を塗布し、25℃及び50%の相対湿度で7日間硬化させる。続いて、試料をカタプラズマ条件に曝露する。カタプラズマ曝露を実施するために、試料を70℃/100%相対湿度中に7日間置く。続いて水に浸した脱脂綿で試料を包み、ポリエチレンの袋に封入する。次に、試料を-20℃の冷凍庫に16時間置き、その後、試料を室温で2時間静置させる。次に、試料に対してクイックナイフ接着試験を実施し、破壊様式を記録する。
【0068】
本発明のプライマーは、ポリウレタン系接着剤と共に使用され、カタプラズマ条件に曝露されると、好ましくは、接着剤を塗布する前の7日間のオープンタイム後に、90%超、より好ましくは95%超の凝集破壊を示し、より好ましくは、接着剤を塗布する前の30日間のオープンタイム後に、90%超、より好ましくは95%超の凝集破壊を示す。
【実施例】
【0069】
【0070】
実施例1、2、及び3(本発明):
プライマーをError! Reference source not found.に列挙される組成に従って調製した。本発明の組成物は「E」と指定し、比較実施例を「CE」と指定する。100mLのアルミニウム瓶を、使用前に110℃のオーブンで2時間乾燥させた。最初にMEKを瓶に添加し、続いてジエチルマロネート、QM-1007、SID4068.0(ブロック化アミノシラン)、及びKKAT 670を添加した。最後に、イソシアネート(Desmodur HL)、ポリエステル樹脂(VITEL 2301BU)、及びオルガノシラン中間体(170702)を瓶に添加した。各添加後、瓶を窒素でブランケットし、手で瓶を振盪させることによって内容物を混合した。全ての成分を添加した後、内容物をペイントシェーカー中で10分間更に混合した。
【0071】
比較実施例4、5、及び6
ブロック化アミノシラン(SID4068.0)を含まないプライマーを、上記の手順を用いて同様に調製した。
【0072】
【0073】
ポリウレタン接着剤
下記のものを含むポリウレタン接着剤を用いて試験を実施した。
【0074】
【0075】
接着試験
重ね剪断試験を用いて接着を試験した。重ね剪断試験を実施するために、2インチのセラミックエナメルの帯を備える1インチ×3インチ寸法のガラス試験片を用いた。2種類のエナメル(フリット):AD3402(Ferro Corp.から入手可能な押し曲げ加工ガラスフリット)及び2L5350(Johnson Matthey Inc.から入手可能な撓み曲げ加工フリット)を試験した。最初に、チーズクロスをプライマー溶液で飽和させ、フリット表面に薄層を広げることによってプライマーを塗布した。30分後、厚さ6~8mmのポリウレタン接着剤ビーズを、プライミングした端部から約6mmのプライミングした試験片の幅に沿って塗布した。ウレタン接着剤ビーズを塗布した後、続いて、即座に、MEK及びアセトン、ポリイソシアネート、ポリエステル樹脂、タルク、及びカーボンブラックを含むポリウレタン系水分硬化性ボディプライマー(moisture curing body primer)でプライミングしたEコート試験片を接着剤上に置いた。Eコート試験片をプレスして、接着剤厚みが3mmの重ね接合部を作製した。試験片を、50%の相対湿度及び25℃で7日間貯蔵した。重ね接合部を、インストロン試験機によって1インチ/分の速度で引っ張った。別の試料のセットを、7日間、50%の相対湿度及び25℃で7日間かけて硬化させ、続いて90℃に維持した熱水浴に7日間浸漬した。7日後、試料を24時間かけて乾燥させ、上記のプロセスを用いて重ね接合部を引っ張った。
【0076】
表3は、3つの本発明のプライマー(E1、E2、及びE3)の性能を3つの比較実施例のプライマー(CE4、CE5、及びCE6)と比較した重ね剪断データを示す。本発明のプライマーを含む重ね剪断試験体は、室温で硬化させた後、且つ熱水に浸漬させた後に、両方のフリット上で優れた結合強度を示す。全ての試験体上の破壊様式は100%の凝集破壊であり、これは、プライマーの良好な界面応力を示唆する。更に、3つの本発明のプライマーでは、熱水浸漬後にブリスタリングが観察されない。比較実施例のプライマー(CE4、CE5、及びCE6)で調製した重ね剪断試験体は、室温硬化後に凝集破壊が100%の良好な強度を示す。しかしながら、プライマーCE5及びCE6の熱水浸漬後の性能は、望ましい水準を下回る。例えば、CE5プライマーでプライミングした1つの2L5350試験片は、水浸漬後に40%のプライマー破壊を示し、同じプライマーでプライミングした1つのAD3402試験片は、水浸漬後に20%のプライマー破壊を示す。CE6の場合では、1つのAD3402試験片は、水浸漬後に40%のプライマー破壊を示す。更に、CE6のプライマーは、水浸漬後に多量のブリスタリングを示し、これは、プライマー膜が加水分解安定性に乏しいことを示唆する。
【0077】
【0078】
クイックナイフ接着試験を、1インチ×6インチのガラス試験片上で実施した。試験片の片側を、Johnson Matthey Incから入手可能な撓み曲げ加工フリット(sag-bent frit)であるセラミックフリット2L5350で被覆した。クイックナイフ試験を実施するために、最初に、チーズクロスをプライマー溶液で飽和させ、フリット表面に薄層を塗布することによってプライマーを塗布した。フリット側をプライミングした後に、30℃及び80%の相対湿度に維持した人工気候室内に、所望のオープンタイム(7日又は30日)の間、ガラス試験片を置いた。人工気候室内で所望の曝露をした後、およそ幅8mm及び厚さ6~8mmのウレタン接着剤ビーズを、プライミングしたフリット表面に塗布した。接着剤を、25℃及び50%の相対湿度で7日間硬化させた。硬化後、接着剤を引き戻す間に接着剤/基材界面にナイフで刻み目を入れることによって、クイックナイフ試験を実施した。各試料に関して、破壊様式を、接着剤ビーズ内の凝集破壊(CF)の割合、基材に対するプライマー破壊(PF)の割合、及びプライマー界面における接着剤破壊(AF)の割当の組み合わせとして記録した。
【0079】
別の試料のセットを上記の手順に従って調製し、接着剤を、25℃及び50%の相対湿度で7日間硬化させた。続いて、試料をカタプラズマ条件に曝露した。カタプラズマ曝露を実施するために、試料を70℃/100%相対湿度中に7日間置いた。続いて水に浸した脱脂綿で試料を包み、ポリエチレンの袋に封入する。次に、試料を-20℃の冷凍庫に16時間置き、その後、試料を室温で2時間静置させてもよい。次に、試料に対してクイックナイフ接着試験を実施し、破壊様式を記録した。
【0080】
【0081】
表3は、より長いオープンタイム条件後のプライマーの性能を示す。本発明のプライマー(E1、E2、及びE3)の全てが、両方のオープンタイム条件で、室温硬化後、及びカタプラズマ曝露後、クイックナイフ接着試験に合格する。それに対して、2つの比較実施例のプライマーは、望ましい水準を下回る結果を得た。例えば、CE4のプライマーは、7日間のオープンタイム条件で、カタプラズマ曝露後に、1つのクイックナイフ接着試験片で60%のプライマー破壊を示した。別の試験片も、30日間のオープンタイム条件で、カタプラズマ曝露後に、40%のプライマー破壊を示す。同様に、CE5の場合では、7日間のオープンタイム条件で、カタプラズマ曝露後に、1つの試験片で100%のプライマー破壊が観察される。このプライマーはまた、2つの試験片では、30日間のオープンタイム条件中、カタプラズマ曝露後に破壊され、100%のプライマー破壊を示す。CE6のプライマーは良好なオープンタイム性能を示す。しかし、このプライマーは、表2に示す通り、水浸漬条件下では破壊され、これは乏しい加水分解安定性を示唆する。
【0082】
実施例7及び8(本発明)
プライマーを、表4Error! Reference source not found.に列挙される組成に従って調製した。使用前に先ず110℃のオーブンで2時間乾燥させた100mLのアルミニウム瓶中で、プライマーを調製した。最初に、MEKを瓶に添加し、続いてSilquest A189、Sivate E610、VITEL 2301BU、SID4068.0、及びKKAT 670を添加した。瓶を窒素でブランケットし、内容物を手で瓶を振盪させた。続いて、Tyzor OGTを添加し、内容物をペイントシェーカー中で10分間混合した。
【0083】
比較実施例9
ブロック化アミノシラン(SID4068.0)を含まないプライマーを、上記の手順を用いて同様に調製した。
【0084】
【0085】
重ね剪断試験片を上記の手順に従って調製した。2L5350セラミックエナメルでコーティングしたガラス試験片を用いた。プライマーをガラスのフリット側に塗布し、30℃及び80%の相対湿度に維持した人工気候室内に試験片を置いた。所望のオープンタイム(7日又は30日)後に試験片を室から取り出した。重ね接合部を、プライマーでコーティングしたガラス試験片、並びに溶媒(MEK及びアセトン)、ポリイソシアネート、ポリエステル樹脂、タルク、及びカーボンブラックを含むポリウレタン系水分硬化性ボディプライマーでプライミングしたEコート試験片を用いて調製した。MDI系ウレタンプレポリマー、フタル酸ジイソノニル(可塑剤)、カーボンブラック、及びクレイを含む一液型水分硬化性高粘度ポリウレタン接着剤を、ウレタン接着剤として使用した。各条件に対して3つの重ね剪断接合部(lap shear joints)を調製した。25℃及び50%の相対湿度で7日後、且つカタプラズマ曝露後に、上記の手順を使用し、インストロン試験機を用いて重ね接合部を引っ張った。重ね剪断試験の結果を、Error! Reference source not found.に示す。
【0086】
3つのプライマー全てが、両方のオープンタイムで、7日間の室温硬化条件において良好な性能を発揮する。全ての試験体が100%の凝集破壊を示し、これはプライマーの良好な界面応力を示唆する。しかしながら、カタプラズマ曝露後に有意な性能差を見ることができる。7日間のオープンタイム条件では、E7及びE8のプライマーは良好な重ね剪断強度(500psi超)、及び破壊様式として100%のCFを示す。その一方、CE9のプライマーは、乏しい重ね剪断強度を示し、破壊様式は主にプライマー破壊であった。同様に、30日間のオープンタイム条件中では、E7及びE8のプライマーは、良好な性能を発揮し、重ね剪断強度は>500psiであり、破壊様式は主にウレタン中の凝集破壊である。その一方で、CE9のプライマーは、低い重ね剪断強度を示し、破壊様式は主にプライマー破壊である。
【0087】
【手続補正書】
【提出日】2023-06-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウレタン系接着剤のためのプライマー組成物であって、a)少なくとも1つの接着促進剤、b)少なくとも1つの触媒、c)少なくとも1つの溶媒、及びd)以下の式を有する、少なくとも1つのブロック化アミノシランであって、
【化1】
式中、R
1はOCH
3又はOC
2H
5であり、
R
2及びR
3は、独立してOCH
3、OC
2H
5、及びC
mH
2m+1から選択され、式中、mは1~5の整数であり、
R
4は、C
nH
2nであり、式中、nは1~12の整数であり、
R
5は、H又は分枝状若しくは非分枝状C
pH
2p+1であり、式中、pは1~10の整数であり、
R
6は、分枝状又は非分枝状C
qH
2q+1であり、式中、qは1~10の整数であるブロック化アミノシランを含む、プライマー組成物。
【請求項2】
R
1が、OC
2H
5である、請求項1に記載のプライマー組成物。
【請求項3】
R
2及びR
3が、独立して、OCH
3、OC
2H
5、及びOC
3H
7から選択される、請求項1に記載のプライマー組成物。
【請求項4】
R
2及びR
3が、独立して、OCH
3及びOC
2H
5から選択される、請求項1に記載のプライマー組成物。
【請求項5】
R
2及びR
3がOC
2H
5である、請求項1に記載のプライマー組成物。
【請求項6】
R
4がC
nH
2nであり、式中、nは1~4の整数である、請求項1に記載のプライマー組成物。
【請求項7】
nが1~3の整数である、請求項6に記載のプライマー組成物。
【請求項8】
nが3である、請求項6に記載のプライマー組成物。
【請求項9】
R
5が、H又は分枝状又は非分枝状C
pH
2p+1から選択され、式中、pは1~5の整数である、請求項1に記載のプライマー組成物。
【請求項10】
pが4である、請求項9に記載のプライマー組成物。
【請求項11】
R
6が、分枝状又は非分枝状C
qH
2q+1から選択され、式中、qは1~5の整数である、請求項1に記載のプライマー組成物。
【請求項12】
qが4である、請求項11に記載のプライマー組成物。
【請求項13】
R
1がOC
2H
5であり、R
2及びR
3が、独立して、OCH
3、OC
2H
5、及びOC
3H
7から選択され、R
4は、C
nH
2nであり、式中、nは1~4の整数であり、R
5が、H又は分枝状又は非分枝状C
pH
2p+1から選択され、式中、pは1~5の整数であり、R
6が、分枝状又は非分枝状C
qH
2q+1から選択され、式中、qは1~5の整数である、請求項1に記載のプライマー組成物。
【請求項14】
R
2及びR
3が、独立して、OCH
3及びOC
2H
5から選択され、nが3であり、pが4であり、qが4である、請求項1に記載のプライマー組成物。
【請求項15】
前記ブロック化アミノシランが、3-(1,3-ジメチルブチリデン)アミノプロピルトリエトキシシランである、請求項1に記載のプライマー組成物。
【国際調査報告】