(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-03
(54)【発明の名称】ブロックチェーントランザクションの規制のための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/36 20120101AFI20230926BHJP
【FI】
G06Q20/36
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513871
(86)(22)【出願日】2021-07-20
(85)【翻訳文提出日】2023-04-03
(86)【国際出願番号】 US2021042325
(87)【国際公開番号】W WO2022046322
(87)【国際公開日】2022-03-03
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】500557864
【氏名又は名称】マスターカード インターナシヨナル インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100224683
【氏名又は名称】齋藤 詩織
(72)【発明者】
【氏名】ドンハオ ハン
(72)【発明者】
【氏名】ハンコン グアン
(72)【発明者】
【氏名】スリナス ラヴィネイサン
(72)【発明者】
【氏名】モハメッド サディク アーマッド
(72)【発明者】
【氏名】ラジャスカラン ダーモッドハーラン
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン シー デイビス
(72)【発明者】
【氏名】ラケッシュ ヤダフ
(72)【発明者】
【氏名】セバスティアン ル キャロネック
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド ジェイムズ フレミング
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA68
(57)【要約】
ブロックチェーントランザクションの規制遵守においてウォレット提供者を支援するための方法は、処理サーバの受信器によって、第1のコンピューティング装置から新しいブロックチェーンのトランザクションを受信することであって、新しいブロックチェーンは、少なくとも、新しいブロックチェーンのトランザクションの受取人としてブロックチェーンウォレットに関連付けられた宛先アドレスを含む、ことと、処理サーバのプロセッサによって、新しいブロックチェーンのトランザクションの参照識別子を生成することと、処理サーバのプロセッサによって、宛先アドレスに基づいて、ブロックチェーンウォレットのプロファイルを識別することと、処理サーバの送信器によって、参照識別子を第1のコンピューティング装置に送信することと、処理サーバの送信器によって、第2のコンピューティング装置に通知メッセージを送信することと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロックチェーントランザクションの規制遵守においてウォレット提供者を支援するための方法であって、
処理サーバの受信器によって、第1のコンピューティング装置から新しいブロックチェーンのトランザクションを受信することであって、前記新しいブロックチェーンは、少なくとも、前記新しいブロックチェーンのトランザクションの受取人としてブロックチェーンウォレットに関連付けられた宛先アドレスを含む、ことと、
前記処理サーバのプロセッサによって、前記新しいブロックチェーンのトランザクションの参照識別子を生成することと、
前記処理サーバの前記プロセッサによって、前記宛先アドレスに基づいて、前記ブロックチェーンウォレットのプロファイルを識別することと、
前記処理サーバの送信器によって、前記参照識別子を前記第1のコンピューティング装置に送信することと、
前記処理サーバの前記送信器によって、第2のコンピューティング装置に通知メッセージを送信することであって、前記通知メッセージは、少なくとも、前記参照識別子と、前記ブロックチェーンウォレットに関連付けられたデータと、を含む、ことと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記ブロックチェーンウォレットに関連付けられた前記データは、公開鍵と識別番号とのうちの少なくとも1つである、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記第2のコンピューティング装置は、前記公開鍵の一部又は前記識別番号の一部を使用して識別される、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記第1のコンピューティング装置は、前記新しいブロックチェーンのトランザクションの送信者として電子ウォレットを動作させる第1のウォレット提供者であり、
前記第2のコンピューティング装置は、前記新しいブロックチェーンのトランザクションの前記受取人として前記ブロックチェーンウォレットを動作させる第2のウォレット提供者である、
方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、前記第1のコンピューティング装置は、前記新しいブロックチェーンのトランザクションのために使用されるブロックチェーンを管理する、ブロックチェーンネットワーク内のブロックチェーンノードである、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、前記ブロックチェーンウォレットに関連付けられた前記データは、前記ブロックチェーンウォレットに関連付けられたユーザの識別情報を含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、前記ブロックチェーンウォレットに関連付けられた前記データは、前記ブロックチェーンウォレットについて、1つ以上の規制要件の遵守に関するデータを含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、
前記処理サーバの前記受信器によって、前記第2のコンピューティング装置から検証メッセージを受信することをさらに含み、前記検証メッセージは、前記新しいブロックチェーンのトランザクションの検証を示す、
方法。
【請求項9】
ブロックチェーントランザクションの規制遵守においてウォレット提供者を支援するための方法であって、
第1のコンピューティング装置と、
第2のコンピューティング装置と、
処理サーバと、
を含み、前記処理サーバは、
第1のコンピューティング装置から新しいブロックチェーンのトランザクションを受信する受信器であって、前記新しいブロックチェーンは、少なくとも、前記新しいブロックチェーンのトランザクションの受取人としてブロックチェーンウォレットに関連付けられた宛先アドレスを含む、受信器と、
プロセッサであって、
前記新しいブロックチェーンのトランザクションの参照識別子を生成することと、
前記宛先アドレスに基づいて、前記ブロックチェーンウォレットのプロファイルを識別することと、
を実行する、プロセッサと、
送信器であって、
前記参照識別子を前記第1のコンピューティング装置に送信することと、
通知メッセージを第2のコンピューティング装置に送信することであって、前記通知メッセージは、少なくとも、前記参照識別子と、前記ブロックチェーンウォレットに関連付けられたデータと、を含む、ことと、
を実行する、送信器と、
を含む、方法。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムにおいて、前記ブロックチェーンウォレットに関連付けられた前記データは、公開鍵と識別番号とのうちの少なくとも1つである、システム。
【請求項11】
請求項9に記載のシステムにおいて、前記第2のコンピューティング装置は、前記公開鍵の一部又は前記識別番号の一部を使用して識別される、システム。
【請求項12】
請求項9に記載のシステムにおいて、
前記第1のコンピューティング装置は、前記新しいブロックチェーンのトランザクションの送信者として電子ウォレットを動作させる第1のウォレット提供者であり、
前記第2のコンピューティング装置は、前記新しいブロックチェーンのトランザクションの前記受取人として前記ブロックチェーンウォレットを動作させる第2のウォレット提供者である、
システム。
【請求項13】
請求項9に記載のシステムにおいて、前記第1のコンピューティング装置は、前記新しいブロックチェーンのトランザクションのために使用されるブロックチェーンを管理する、ブロックチェーンネットワーク内のブロックチェーンノードである、システム。
【請求項14】
請求項9に記載のシステムにおいて、前記ブロックチェーンウォレットに関連付けられた前記データは、前記ブロックチェーンウォレットに関連付けられたユーザの識別情報を含む、システム。
【請求項15】
請求項1に記載の方法において、前記ブロックチェーンウォレットに関連付けられた前記データは、前記ブロックチェーンウォレットについて、1つ以上の規制要件の遵守に関するデータを含む、方法。
【請求項16】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記処理サーバの前記受信器は、前記第2のコンピューティング装置から検証メッセージをさらに受信し、前記検証メッセージは、前記新しいブロックチェーンのトランザクションの検証を示す、システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2020年8月28日に出願された米国特許出願第17/005,484号の利益及び優先権を主張する。上記出願の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、ブロックチェーントランザクションの規制遵守におけるウォレット提供者の支援に関する。本開示は、具体的には、ブロックチェーントランザクションに対して第三者としてデジタル資産ネットワークを使用することに関し、適切なデータ記憶及び通知を介して規制要件の遵守を容易にする。
【背景技術】
【0003】
ブロックチェーンは、暗号通貨を用いて決済トランザクションを行う際に使用するための記憶機構として最初に作成された。ブロックチェーンを使用することは、分散化と、分散された計算と、トランザクションに関する透明性と、さらにトランザクションに関与する個人又はエンティティに関する匿名性を提供することと、などの多くの利点を提供する。ブロックチェーントランザクションにおける匿名性は、不変性、記録の監査能力などのブロックチェーンの他の利点を依然として保持しながら、トランザクション履歴を公的に利用可能にすることを望まない個人及び販売業者に強力な誘因を提供する。
【0004】
しかしながら、一部の販売業者及び消費者は、決済トランザクションへの関与が政府又は他の組織による規制の対象となる産業又は場所である可能性がある。例えば、政府当局は、特定の鉱物又は化合物の購入及び売却を規制することができる。そのような場合、トランザクションは、関与する各当事者の身元に関する情報を規制当局に提供することなく、ブロックチェーンを使用して実行されることができない。これは、歴史的にブロックチェーンにおいて利用できない。さらに、ブロックチェーントランザクションにおける当事者が規制のために身元に関する情報を提供することを望んでいる場合であっても、ブロックチェーンシステムは、現在、いかなる報告能力を欠く。したがって、ブロックチェーンの不変性又は他の利点を犠牲にすることがなくても、規制当局がブロックチェーントランザクションにおける遵守(compliance)を確実にすることを依然として可能にしながら、匿名性がブロックチェーンの公開記録において保持され得るブロックチェーンの必要性が存在する。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、ブロックチェーントランザクションの規制遵守においてウォレット提供者を支援するためのシステム及び方法の説明を提供する。本明細書において「デジタル資産ネットワーク」と呼ぶことができるサービス提供者は、別個のウォレット提供者を有する2人のユーザ間で行われるブロックチェーントランザクションにおける仲介者として動作することができる。サービス提供者は、ブロックチェーントランザクションごとにトランザクション参照を生成し、それは、トランザクション参照をウォレット提供者に提供する。このウォレット提供者は、トランザクションをブロックチェーンに提出しており、ブロックチェーン提出内に含まれる。同時に、サービス提供者は、トランザクション参照を有するトランザクションの受取人について、ウォレット提供者に通知を提供することができる。これは、ウォレット提供者が、ユーザ及びどのユーザが資金を受け取っているかを知り、規制当局に情報を提供する際に助けることを可能にする。両方のウォレット提供者は、サービス提供者に、規制当局が必要とする任意の情報を知らせたままとすることができる。サービス提供者は、すべてのトランザクションを知っており、規制当局にそれへの参照を提供することができるので、その報告を提供することができる。その結果、パブリック型ブロックチェーンは不変のままであり、平均的なユーザによって見られるときに完全に匿名であり得るが、ウォレット提供者は、ユーザのトランザクションを知らされたままであり、規制当局は、規制の遵守を確実にするために、トランザクション活動とそのようなトランザクションの背後の身元とを自動的に最新の状態に保つことができる。
【0006】
ブロックチェーントランザクションの規制遵守においてウォレット提供者を支援するための方法は、処理サーバの受信器によって、第1のコンピューティング装置から新しいブロックチェーンのトランザクションを受信することであって、前記新しいブロックチェーンは、少なくとも、前記新しいブロックチェーンのトランザクションの受取人としてブロックチェーンウォレットに関連付けられた宛先アドレスを含む、ことと、前記処理サーバのプロセッサによって、前記新しいブロックチェーンのトランザクションの参照識別子を生成することと、前記処理サーバの前記プロセッサによって、前記宛先アドレスに基づいて、前記ブロックチェーンウォレットのプロファイルを識別することと、前記処理サーバの送信器によって、前記参照識別子を前記第1のコンピューティング装置に送信することと、前記処理サーバの前記送信器によって、第2のコンピューティング装置に通知メッセージを送信することであって、前記通知メッセージは、少なくとも、前記参照識別子と、前記ブロックチェーンウォレットに関連付けられたデータと、を含む、ことと、を含む。
【0007】
ブロックチェーントランザクションの規制遵守においてウォレット提供者を支援するためのシステムであって、第1のコンピューティング装置と、第2のコンピューティング装置と、処理サーバと、を含み、前記処理サーバは、第1のコンピューティング装置から新しいブロックチェーンのトランザクションを受信する受信器であって、前記新しいブロックチェーンは、少なくとも、前記新しいブロックチェーンのトランザクションの受取人としてブロックチェーンウォレットに関連付けられた宛先アドレスを含む、受信器と、プロセッサであって、前記新しいブロックチェーンのトランザクションの参照識別子を生成することと、前記宛先アドレスに基づいて、前記ブロックチェーンウォレットのプロファイルを識別することと、を実行する、プロセッサと、送信器であって、前記参照識別子を前記第1のコンピューティング装置に送信することと、通知メッセージを第2のコンピューティング装置に送信することとであって、前記通知メッセージは、少なくとも、前記参照識別子と、前記ブロックチェーンウォレットに関連付けられたデータと、を含む、ことと、を実行する、送信器と、を含む。
【0008】
本開示の範囲は、添付の図面と併せて読まれるとき、例示的な実施形態の以下の詳細な説明から最もよく理解される。図面に含まれるのは、以下の図である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】例示的な実施形態による、規制遵守においてウォレット提供者を支援するための高水準システムアーキテクチャを示すブロック図である。
【
図2】例示的な実施形態による、規制遵守においてウォレット提供者を支援するための
図1のシステムの処理サーバを示すブロック図である。
【
図3】例示的な実施形態による、
図1のシステムにおける規制遵守を伴うブロックチェーントランザクションを実施するための処理を示すフロー図である。
【
図4】例示的な実施形態による、ブロックチェーントランザクションの規制遵守においてウォレット提供者を支援するための例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図5】例示的な実施形態による、コンピュータシステムアーキテクチャを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示のさらなる適用分野は、以下に提供される詳細な説明から明らかになるであろう。例示的な実施形態の詳細な説明は、例示の目的のみを意図し、したがって、必ずしも本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0011】
用語集
ブロックチェーン-ブロックチェーンに基づく通貨のすべてのトランザクションの公開台帳。1つ以上のコンピューティング装置は、ブロックチェーンネットワークを含むことができる。ブロックチェーンネットワークは、ブロックチェーン内のブロックの一部として、トランザクションを処理及び記録するように構成されることができる。ブロックが完成されると、ブロックはブロックチェーンに追加され、トランザクション記録がそれによって更新される。多くの事例では、ブロックチェーンは、時系列順のトランザクションの台帳とすることができる、又はブロックチェーンネットワークによる使用に適し得る任意の他の順序で提示されることができる。ある構成では、ブロックチェーン内に記録されたトランザクションは、宛先アドレスと通貨額とを含むことができ、ブロックチェーンは、どのくらいの通貨が特定のアドレスに帰属可能であるかを記録する。ある事例では、あるトランザクションは金融であり、他のトランザクションは金融ではない、又はトランザクションは、ソースアドレス、タイムスタンプなどの追加の若しくは異なる情報を含むことができる。ある実施形態では、ブロックチェーンは、さらに又は代替的に、その操作者によってさえ、改竄及び修正に対して強化されたデータ記録の連続的に成長する一覧を維持する分散データベース内に配置される、又は配置される必要があるトランザクションの形態として、ほぼ任意の種類のデータを含むことができる。ブロックチェーンは、プルーフオブワーク(proof of work)及び/又はそれに関連付けられた任意の他の適切な検証技術を通じて、ブロックチェーンネットワークによって確認及び検証されることができる。ある場合では、所与のトランザクションに関するデータは、トランザクションデータに付加されたトランザクションの直接的に一部ではない追加のデータをさらに含むことができる。ある事例では、ブロックチェーン内にそのようなデータを含むことは、トランザクションを構成することができる。そのような事例では、ブロックチェーンは、特定のデジタル通貨、仮想通貨、法定通貨、又は他の種類の通貨に直接関連付けられないことがある。
【0012】
ブロックチェーントランザクションの規制順守のためのシステム
図1は、参加するブロックチェーンウォレットのプロファイルを有するデジタル資産ネットワークを動作させる第三者サービス提供者を通じて、ブロックチェーントランザクションの規制遵守を確実にするためのシステム100を示す。
【0013】
システム100は、処理サーバ102を含むことができる。以下でより詳細に論じられる処理サーバ102は、本明細書で論じられる機能を介してブロックチェーントランザクションの規制遵守を支援するためのデジタル資産ネットワークを動作させることができる。また、システム100は、ブロックチェーンネットワーク104を含むことができる。ブロックチェーンネットワーク104は、複数のブロックチェーンノード106から構成されることができる。各ブロックチェーンノード106は、
図2及び
図5に示され、以下でより詳細に論じられるようなコンピューティングシステムとすることができる。コンピューティングシステムは、ブロックチェーンの処理及び管理に関連した機能を実行するように構成される。この機能は、ブロックチェーンデータ値の生成と、提案されたブロックチェーントランザクションの検証と、デジタル署名の検証と、新しいブロックの生成と、新しいブロックの検証と、ブロックチェーンの複製の保持と、を含む。また、ある実施形態では、処理サーバ102は、ブロックチェーンネットワーク104内のブロックチェーンノード106とすることができる。ある場合では、1つ以上のブロックチェーンノード106は、本明細書で論じられるような処理サーバ102の機能を実行するように構成されることができる。
【0014】
ブロックチェーンは、少なくとも複数のブロックから構成される分散台帳とすることができる。各ブロックは、少なくとも、ブロックヘッダと、1つ以上のデータ値と、を含むことができる。各ブロックヘッダは、少なくとも、タイムスタンプと、ブロック参照値と、データ参照値と、を含むことができる。タイムスタンプは、ブロックヘッダが生成された時間とすることができ、任意の適切な方法(例えば、UNIXタイムスタンプ、日時型(Date Time)など)を使用して表されることができる。ブロック参照値は、ブロックチェーン内のより前のブロックを(例えば、タイムスタンプに基づいて)参照する値とすることができる。ある実施形態では、ブロックヘッダ内のブロック参照値は、それぞれのブロックの前にごく最近追加されたブロックのブロックヘッダへの参照とすることができる。例示的な実施形態では、ブロック参照値は、ごく最近追加されたブロックのブロックヘッダのハッシュ化を介して生成されたハッシュ値とすることができる。データ参照値は同様に、ブロックヘッダを含むブロック内に格納された1つ以上のデータ値への参照とすることができる。例示的な実施形態では、データ参照値は、1つ以上のデータ値のハッシュ化を介して生成されたハッシュ値とすることができる。例えば、ブロック参照値は、1つ以上のデータ値を使用して生成されたマークルツリーのルートとすることができる。
【0015】
各ブロックヘッダにおけるブロック参照値とデータ参照値との使用は、ブロックチェーンが不変であることをもたらすことができる。データ値への任意の修正の試みは、そのブロックの新しいデータ参照値の生成を必要とし、それによって、後続のブロックのブロック参照値が新たに生成されることを必要とし、さらに、後続のブロックごとに新しいブロック参照値の生成を必要とすることになる。これは、変化を永続的にするために、新しいブロックチェーンの生成とブロックチェーンへの新しいブロックの追加との前に、ブロックチェーンネットワーク104内のすべての単一ノードにおいて実行され、更新されなければならないであろう。計算上及び通信上の制限は、不可能ではないにしても、そのような修正を非常に困難にし、したがって、ブロックチェーンを不変にすることができる。
【0016】
ある実施形態では、ブロックチェーンは、2つの異なるブロックチェーンウォレット間で行われるブロックチェーントランザクションに関する情報を格納するために使用されることができる。ブロックチェーンウォレットは、ブロックチェーントランザクションの支払人による承認として機能するデジタル署名を生成するために使用される暗号鍵ペアの秘密鍵を含むことができる。デジタル署名は、暗号鍵ペアの公開鍵を使用してブロックチェーンネットワーク104によって検証されることができる。ある場合では、用語「ブロックチェーンウォレット」は具体的に、秘密鍵を指すことができる。他の場合では、用語「ブロックチェーンウォレット」は、ブロックチェーントランザクションにおける使用のための秘密鍵を格納するコンピューティング装置(例えば、送信側装置112及び受信側装置114)を指すことができる。例えば、各コンピューティング装置は、それぞれの暗号鍵ペアについて独自の秘密鍵を各々有することができる。各コンピューティング装置は、各々、ブロックチェーンネットワークに関連付けられたブロックチェーンとのトランザクションの際に使用するためのブロックチェーンウォレットとすることができる。コンピューティング装置は、ブロックチェーンウォレットを格納して利用するのに適した任意の種類の装置とすることができる。これは例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、スマートウォッチ、スマートテレビ、ウェアラブルコンピューティング装置、埋め込み型コンピューティング装置などである。
【0017】
ブロックチェーン内に格納された各ブロックチェーンデータ値は、適用可能な場合、ブロックチェーントランザクション又はデータの他の記憶に対応することができる。ブロックチェーントランザクションは、少なくとも、送信者の秘密鍵を使用して生成される、通貨の送信者(例えば、送信側装置112)のデジタル署名と、受取人の公開鍵を使用して生成される、通貨の受取人(例えば、受信側装置114)のブロックチェーンアドレスと、転送されるブロックチェーン通貨額又は格納されている他のデータと、から構成されることができる。また、あるブロックチェーントランザクションでは、トランザクションは、ブロックチェーン通貨が現在格納される(例えば、デジタル署名がそのような通貨へのアクセスを証明する)、送信者の1つ以上のブロックチェーンアドレスと、送信者によって保持される任意の変更のために送信者の公開鍵を使用して生成されるアドレスと、を含むことができる。将来のトランザクションにおいて使用され得る、暗号通貨が送信されたアドレスは、「出力」アドレスと呼ばれ、これは、各アドレスが、以前のブロックチェーントランザクションの出力を捕捉するために以前に使用されたものであり、「未使用トランザクション」とも呼ばれる。これは、その通貨が未使用のままである、以前のトランザクションの際にアドレスに送信された通貨があることによるものである。また、ある場合では、ブロックチェーントランザクションは、トランザクションを検証する際のエンティティによる使用のために、送信者の公開鍵を含むことができる。ブロックチェーントランザクションの従来の処理のために、そのようなデータは、送信者(例えば、送信側装置112を使用するユーザ108)又は受取人(例えば、受信側装置114を使用するユーザ110)のいずれかによって、ブロックチェーンネットワーク104内のブロックチェーンノード106に提供されることができる。ノードは、送信者のウォレットの暗号鍵ペア内の公開鍵を使用してデジタル署名を検証することができる。また、ノードは、送信者の資金へのアクセス(例えば、未使用トランザクションがまだ使用されておらず、送信者のウォレットに関連付けられたアドレスに送信されたこと)と、トランザクションの「確認」として知られる処理と、を検証することができる。次に、ノードは、ブロックチェーントランザクションを新しいブロック内に含むことができる。従来のブロックチェーンの実施では、新しいブロックは、ブロックチェーンに追加される前に、ブロックチェーンネットワーク104内の他のノードによって検証され、ブロックチェーンネットワーク104内のブロックチェーンノード106のすべてに分配されることができる。ブロックチェーンデータ値がブロックチェーントランザクションに関連されないが、代わりに他の種類のデータの記憶に関連される場合、ブロックチェーンデータ値は依然として、デジタル署名の検証を含む、又はデジタル署名の検証を伴うことができる。
【0018】
システム100では、ユーザ108とユーザ110とは、ブロックチェーントランザクションに参加して、規制当局120による1つ以上の規則又は規制の対象となり得るトランザクションの決済に影響を与えることを望むことができる。規制当局120は、政府当局、非政府組織、又はトランザクション活動の規則若しくは規制を提供若しくは施行することができる任意の他のエンティティ、とすることができる。例えば、ユーザ108とユーザ110とは、規制当局120として州又は連邦組織による規制の対象となり得る外来動物の販売について交渉することができる。ユーザ108とユーザ110とは、ブロックチェーントランザクションのための適切な情報を交換することができる。この情報は、例えば、受信側装置114を使用して、ユーザ110が生成する、ブロックチェーンウォレットの受取人アドレスである。この受取人アドレスは、送信側装置112におけるユーザ108による電子送信又は手動入力などを介して、ユーザ108と送信側装置112とに提供されることができる。
【0019】
送信側装置112と受信側装置114とは、送信側ウォレット提供者116と受信側ウォレット提供者118と、として
図1に示されるウォレット提供者を各々有することができる。ウォレット提供者は、ブロックチェーンを介して行われる電子決済トランザクションのためのブロックチェーンウォレットの使用を容易にするアプリケーションプログラムを動作させるエンティティとすることができる。ある場合では、ウォレット提供者は、ユーザに代わってブロックチェーンウォレットの秘密鍵を格納することができる。他の場合では、ユーザ装置は、装置自体に秘密鍵を保持することができる。ウォレット提供者は、ブロックチェーントランザクションに参加するのに必要な機能を実行するアプリケーションプログラムを公開することができる。この機能は、アドレスの生成と、デジタル署名の生成と、未使用トランザクション出力の記憶と、ブロックチェーンノード106への新しいブロックチェーンのトランザクションについてのデータの送信と、などである。システム100では、送信側装置112は、受信側装置のブロックチェーンウォレットの宛先アドレスと、ユーザのブロックチェーンウォレットからそのアドレスに転送される暗号通貨額と、を受信することができる。送信側装置112は、トランザクションを容易にするために必要な未使用トランザクション出力を識別することができ、ならびにトランザクションが検証され確認されることを確実にするために必要な任意のデジタル署名を生成することができる。
【0020】
送信側装置112は、送信側ウォレット提供者116によって公開されたアプリケーションプログラムなどを介して、ブロックチェーントランザクションの情報を送信側ウォレット提供者116に利用可能にすることができる。確認のために、ブロックチェーントランザクションをブロックチェーンノード106に提出する前に、送信側ウォレット提供者116は、トランザクションデータを処理サーバ102に提供することができる。処理サーバ102は、本明細書ではトランザクション参照とも呼ばれ得る、新しいトランザクションの参照識別子を生成することができる。参照識別子は、数値、英数字値など、トランザクションに一意である一意の値とすることができる。参照識別子は、送信側ウォレット提供者116に返信され、ユーザ108とユーザ110との間の新しいブロックチェーンのトランザクションに関する任意の将来の送信において使用されることができる。また、処理サーバ102によって実行される機能の一部として、処理サーバ102は、トランザクションの受取人ブロックチェーンウォレットを識別することができる。処理サーバ102は、トランザクションにおいて提供された、受信側装置のブロックチェーンウォレットの宛先アドレスと任意の他の情報とを使用して(例えば、公開鍵)、ブロックチェーンウォレットのウォレットプロフファイルを識別することができる。ウォレットプロフファイルがすでに存在する場合、処理サーバ102は、受信側装置114及び/又はユーザ110に関連付けられてその内に含まれる情報を識別することができる。この情報は、新しいブロックチェーンのトランザクションの規制遵守に関連し得る。例えば、ウォレットプロファイルは、名称、事業名、地理的位置、過去のトランザクション履歴、又は規制当局120との継続的な遵守を確実にするためにユーザによって提供され得る他のデータ、を含むことができる。
【0021】
ウォレットプロファイルがまだ存在しない場合、処理サーバ102は、受信側装置のブロックチェーンウォレットの使用を動作させる又は支援する受信側ウォレット提供者118に連絡して、ウォレットプロファイルの情報を要求することができる。受信側ウォレット提供者118は、送信側ウォレット提供者116からの提出に含まれる、宛先アドレス、公開鍵、又は受信側装置114若しくはユーザ110に関連付けられて利用可能な他のデータ、を介して識別されることができる。例えば、公開鍵は、受信側ウォレット提供者118に登録された識別番号を含むことができる。次に、受信側ウォレット提供者118は、ウォレットプロファイルデータを処理サーバ102に提供することができる。ある場合では、処理サーバ102は、要求されるデータを指定することができる。例えば、トランザクションは、指定されたデータが必要とされる、特定の規制当局120によって設定された規則に従うことができる。したがって、処理サーバ102は、その指定されたデータを、受信側ウォレット提供者118から要求することができる。受信側ウォレット提供者118が、そのようなデータをまだ所有していない場合では、ブロックチェーンウォレットの使用及び動作のために受信側装置114によって実行されるアプリケーションプログラムなどを使用して、受信側装置114を介してユーザ110からデータを要求することができる。処理サーバ102は、データを受信し、それに応じてブロックチェーンウォレットのウォレットプロファイル内にデータを格納することができる。ある実施形態では、ウォレットプロファイルがブロックチェーンウォレットのために存在する場合であっても、処理サーバ102は、新しいトランザクションが提出されているとき、又は新しいトランザクションが提出され、ウォレットプロファイルが所定の期間(例えば、1週間、2週間、1箇月など)更新されていない場合、更新された情報を、受信側ウォレット提供者118から要求することができる。
【0022】
したがって、処理サーバ102は、トランザクションの受取人であるユーザ110に関する更新された情報を有することができる。また、ある実施形態では、処理サーバ102は、トランザクションにおける送信者であるユーザ108のウォレットプロファイルを識別することができる。そのような処理は、送信側ウォレット提供者116からの新しいブロックチェーンのトランザクション提出の受取時に生じ得る。例えば、送信側ウォレット提供者116は、ブロックチェーントランザクション提出と共に更新されたウォレットプロファイルデータを含むことができる、又は、そのようなデータは、必要に応じて、処理サーバ102が送信側装置のブロックチェーンウォレットのウォレットプロファイルを識別した後に要求されることができる。ある実施形態では、処理サーバ102がトランザクションの参照識別子を送信側ウォレット提供者116に提供するとき、受信側装置114のウォレットプロファイルデータを含むことができる。例えば、送信側ウォレット提供者116は、新しいブロックチェーンのトランザクションにおいて規制当局120との遵守を確実にするために、ユーザ110のプロファイルデータを要求することができる。ある事例では、ユーザ110又は受信側装置114に関する特定のデータは、提供されないとすることができる。例えば、処理サーバ102は、送信側ウォレット提供者116に通知を送信することができる。この通知は、ユーザ110の十分なプロファイルデータがファイルにあり、ブロックチェーントランザクションが明らかに進められるという通知である。
【0023】
次に、送信側ウォレット提供者116は、指定された暗号通貨額について、送信側装置のブロックチェーンウォレットから受信側装置のブロックチェーンウォレットへの決済のためのブロックチェーントランザクションを開始することができる。ブロックチェーントランザクションの開始は、ブロックチェーンネットワーク104内のブロックチェーンノード106への新しいブロックチェーンのトランザクション(例えば、未使用トランザクション出力、デジタル署名、宛先アドレス、及び各宛先アドレスの暗号通貨額)の送信を含むことができる。ある事例では、ブロックチェーントランザクションは、処理サーバ102に送信されることができる。処理サーバ102は、ブロックチェーンノード106として動作することができる、又はブロックチェーントランザクションをブロックチェーンノード106に転送することができる。次に、ブロックチェーンノード106は、トランザクションを確認し、従来の方法及びシステムを使用して、確認されてブロックチェーンに追加される新しいブロック内にトランザクションを含むことができる。例示的な実施形態では、ブロックチェーントランザクションは、ブロックチェーンに追加されるときに参照識別子を含むことができる。
【0024】
ある実施形態では、本明細書で論じられる方法及びシステムは、非ブロックチェーントランザクションについて動作するように構成されることができる。そのような実施形態では、送信側ウォレット提供者116は、法定通貨に基づく通貨及び/又はカードに基づく決済ネットワークを使用して、電子決済トランザクションを行うことができる。そのような事例では、決済トランザクションに関するデータは、ブロックチェーン内のブロックチェーンデータ値に、クリアフォーマット(clear format)で、又はハッシュ化を介して(例えば、トランザクションデータが、ハッシュ化され、基礎となるデータの知識によってのみ検証され得る場合)、捕捉されて格納されることができる。これらの実施形態では、ブロックチェーンに追加されたトランザクションデータは、処理サーバ102によって生成された参照識別子を依然として含むことができる。
【0025】
例示的な実施形態では、受信側ウォレット提供者118は、処理サーバ102によって新しいトランザクションを通知されることができる。例えば、処理サーバ102は、新しいブロックチェーンのトランザクションを(例えば、ブロックチェーンに掲示される前又は掲示が完了した後に)参照識別子とともに受信側ウォレット提供者118に電子的に送信することができる。ある場合では、処理サーバ102は、参照識別子の生成後などに、トランザクションが行われる前に、トランザクションに関する通知を受信側ウォレット提供者118に提供することができる。処理サーバ102は、参照識別子と、宛先アドレスと、送信側ウォレット提供者116から受信された受信側装置のブロックチェーンウォレットの任意の他のデータと、を提供することができる。
【0026】
ある実施形態では、ブロックチェーントランザクションが完了すると、受信側ウォレット提供者118は、処理サーバ102によって以前に提供された参照識別子を使用して、ブロックチェーントランザクションを識別することができる。次に、受信側ウォレット提供者118は、トランザクションが完了したことを示す通知を処理サーバ102に送信することができる。また、受信側ウォレット提供者118は、新しいトランザクションに起因する任意の他の変更についてのトランザクションデータ又は口座などを含むように、それに応じて、受信側装置のウォレットプロファイルのプロファイルデータを更新することができる。ある実施形態では、処理サーバ102は、トランザクションが確認されると、送信側装置のブロックチェーンウォレットについて、ウォレットプロファイルデータの更新を受信側ウォレット提供者118に提供することができる。そのような場合、送信側ウォレット提供者116と受信側ウォレット提供者118との両方は、相手方のブロックチェーンウォレットからのプロファイルデータを有することができ、例えば、適用可能な規則及び規制の遵守を確実にすることを支援することができる。
【0027】
ある実施形態では、送信側ウォレット提供者116及び/又は受信側ウォレット提供者118は、処理されたトランザクションを検証するように求められることができる。そのような実施形態では、適切なエンティティは、検証メッセージを処理サーバ102に送信することができる。検証メッセージは、参照識別子を含み、トランザクションが検証されたことを示すものである(例えば、暗号通貨額、宛先アドレスなどの適切な情報を含む)。
【0028】
送信側ウォレット提供者116と受信側ウォレット提供者118とは、規制当局120に規制遵守に関する情報を、それに応じて提供することができ得る。ブロックチェーントランザクションに関与した他のエンティティに関するウォレットプロファイルデータを受信することによって、送信側ウォレット提供者116と受信側ウォレット提供者118とは、ブロックチェーン内の任意の他のトランザクションに関する情報を取得できなくても規制当局120に提供するのに適した情報を有することができる一方で、ブロックチェーンは依然として公的のままであることができ、特定のトランザクションに関与しない任意のエンティティに対して完全に匿名であることができる。ある実施形態では、処理サーバ102は、トランザクションに関与した両方のエンティティの参照識別子とウォレットプロファイルデータとを提供することなどによって、ブロックチェーンウォレットのトランザクション活動に関する自動報告を規制当局120に行うことを可能とし得る。そのような場合、処理サーバ102は、参照識別子を有することができるが、トランザクション自体に関する他のデータを有さないとすることができる。そのような実施形態では、ユーザ108とユーザ110とは、ウォレット提供者による手動報告又は処理サーバ102の使用を通じた規制当局120による手動フェッチがなくても、規制当局120によって自動的に監視される規制を伴って、互いにトランザクションすることを可能とし得る。
【0029】
したがって、本明細書で論じられる方法及びシステムは、トランザクションに関与したエンティティ自身による最小限の相互作用で、ブロックチェーントランザクションの規則及び規制の遵守を容易にする。遵守を達成するために、送信側ウォレット提供者116は、処理サーバ102に新しいトランザクションを通知し、受信された参照識別子を新しいトランザクション内に含めなければならない。さらに、送信側ウォレット提供者116と受信側ウォレット提供者118とは、関連付けられたブロックチェーンウォレットの遵守情報を最新の状態に保たなければならない。処理サーバ102は、本明細書で特別に構成されるように、規制当局120がトランザクションデータを知らされたままであることと、匿名ブロックチェーントランザクションのために必要なウォレット情報が、必要に応じて規制の遵守を確実にするために参照識別子を使用して利用可能であることと、を確実にするために必要な他の機能を達成する。したがって、公的に匿名のままであるブロックチェーントランザクションは、任意の適用可能な規則及び規制に従って実行されることができる。
【0030】
処理サーバ
図2は、システム100内の処理サーバ102の一実施形態を示す。
図2に示される処理サーバ102の実施形態は例示としてのみ提供され、本明細書で論じられるような機能を実行するのに適した処理サーバ102のすべての可能な構成を網羅するものではないとし得ることが、当業者には明らかであろう。例えば、
図5に示され、以下でより詳細に論じられるコンピュータシステム500は、処理サーバ102の適切な構成とすることができる。
【0031】
処理サーバ102は、受信装置202を含むことができる。受信装置202は、1つ以上のネットワークプロトコルを介して1つ以上のネットワーク上でデータを受信するように構成されることができる。ある事例では、受信装置202は、1つ以上の通信方法を介して、ブロックチェーンノード106と、送信側ウォレット提供者116と、受信側ウォレット提供者118と、規制当局120と、他のシステム及びエンティティと、からデータを受信するように構成されることができる。1つ以上の通信方法は、無線周波数、構内通信網、無線エリアネットワーク、セルラ通信網、Bluetooth、インターネットなどである。ある実施形態では、受信装置202は、複数の装置から構成されることができる。これは、異なるネットワークを介してデータを受信するための異なる受信装置などであり、例えば、構内通信網を介してデータを受信するための第1の受信装置と、インターネットを介してデータを受信するための第2の受信装置と、である。受信装置202は、電子的に送信されたデータ信号を受信することができる。データは、データ信号に重ねられる、又は符号化されることができ、受信装置202によるデータ信号の受信を介して、復号される、構文解析される、読み取られる、又は取得されることができる。ある事例では、受信装置202は、受信されたデータ信号を構文解析して、重ねられたデータを取得するための構文解析モジュールを含むことができる。例えば、受信装置202は、パーサプログラムを含むことができる。パーサプログラムは、受信して、受信されたデータ信号を、処理装置によって実行される機能のための使用可能な入力に変換して、本明細書で説明される方法及びシステムを実行するように構成される。
【0032】
受信装置202は、ブロックチェーンノード106によって電子的に送信されたデータ信号を受信するように構成されることができる。このデータ信号は、ブロックチェーンデータ値と他のブロックチェーンデータと、に重ねられる又は符号化される。また、受信装置202は、送信側ウォレット提供者116と受信側ウォレット提供者118とによって電子的に送信されたデータ信号を受信するように構成されることができる。このデータ信号は、新しいトランザクションデータ、処理されたブロックチェーントランザクションに関する情報、更新されたウォレットプロファイルデータ、トランザクション又はウォレットプロファイル情報の要求を有する参照識別子、などに重ねられる又は符号化されることができる。受信装置202は、規制当局120によって電子的に送信されたデータ信号を受信するようにさらに構成されることができる。このデータ信号は、ウォレットプロファイルデータの要求に重ねられる又は符号化されることができる。この要求は、例えば、ウォレットプロファイルデータを収集する際に使用するための参照識別子又は規制データを含むことができる。
【0033】
また、処理サーバ102は通信モジュール204を含むことができる。通信モジュール204は、本明細書で論じられる機能を実行する際に使用するために、モジュールと、エンジンと、データベースと、記憶部と、処理サーバ102の他の構成要素との間でデータを送信するように構成されることができる。通信モジュール204は、1つ以上の通信種別から構成されることができ、コンピューティング装置内の通信のための様々な通信方法を利用することができる。例えば、通信モジュール204は、バス、接触ピンコネクタ、電線などから構成されることができる。また、ある実施形態では、通信モジュール204は、処理サーバ102の内部構成要素と、外部接続データベース、表示装置、入力装置などの処理サーバ102の外部構成要素との間で通信するように構成されることができる。また、処理サーバ102は、処理装置を含むことができる。処理装置は、当業者には明らかであるように、本明細書で論じられる処理サーバ102の機能を実行するように構成されることができる。ある実施形態では、処理装置は、処理装置の1つ以上の機能を実行するように特別に構成された、複数のエンジン及び/又はモジュールを含む、及び/又はこれらから構成されることができる。これは、例えば、クエリモジュール214、生成モジュール216、検証モジュール218などである。本明細書で使用されるように、用語「モジュール」は、入力を受信し、入力を使用して1つ以上の処理を実行し、出力を提供するように特にプログラムされたソフトウェア又はハードウェアとすることができる。様々なモジュールによって実行される入力と、出力と、処理とは、本開示に基づいて当業者には明らかであろう。
【0034】
処理サーバ102は、ウォレットデータベース206を含むことができる。ウォレットデータベース206は、適切なデータ記憶フォーマット及び方式を使用して、1つ以上のウォレットプロファイル208を格納するように構成されることができる。ウォレットデータベース206は、関係データベースとすることができる。この関係データベースは、その内に格納された構造化データ集合の記憶、識別、修正、更新、アクセスなどのために構造化クエリ言語を利用する。各ウォレットプロファイル208は、ブロックチェーンウォレットに関連したデータを格納するように構成された構造化データ集合とすることができる。ウォレットプロファイル208は例えば、関連付けられた暗号鍵ペアの公開鍵と、関連付けられたウォレット提供者を識別する情報と、プロファイルデータと、遵守データと、トランザクション履歴と、本明細書で論じられる他のデータとを含むことができる。例えば、ウォレットプロファイル208は、規制当局120による使用のために、又は関連したブロックチェーンウォレットに関与するブロックチェーントランザクションの規則及び規制の遵守を確実にする際にウォレット提供者による使用のために、収集された任意のデータを含むことができる。そのようなプロファイルデータは例えば、名前、住所、地理的位置、事業名、トランザクションの履歴、金融データなどを含むことができる。
【0035】
また、処理サーバ102は記憶部212を含むことができる。記憶部212は、公開鍵及び秘密鍵、対称鍵など、本明細書で論じられる機能を実行する際に処理サーバ102による使用のためのデータを格納するように構成されることができる。記憶部212は、適切なデータフォーマット方法及び方式を使用してデータを格納するように構成されることができる。記憶部212は、読取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリなどの任意の適切な種類のメモリとすることができる。記憶部212は例えば、暗号化鍵及びアルゴリズムと、通信プロトコル及び規格と、データフォーマット規格及びプロトコルと、処理装置のモジュール及びアプリケーションプログラムのためのプログラムコードと、当業者には明らかであるような、本明細書で開示される機能の実行の際に処理サーバ102による使用に適し得る他のデータと、を含むことができる。ある実施形態では、記憶部212は、関係データベースから構成される、又はそれを含むことができる。関係データベースは、その内に格納された構造化データ集合の記憶、識別、修正、更新、アクセスなどのために構造化クエリ言語を利用する。記憶部212は例えば、暗号鍵、ソルト、ナンス、ブロックチェーンノード106及びブロックチェーンネットワーク104のための通信情報、アドレス生成及び検証アルゴリズム、デジタル署名生成及び検証アルゴリズム、参照値を生成するためのハッシュ化アルゴリズム、新しいブロック及びブロックヘッダの生成に関する規則、保留中のトランザクションのプール、基準値データなどを格納するように構成されることができる。
【0036】
また、処理サーバ102はブロックチェーンデータ210を含むことができる。ブロックチェーンデータ210は、処理サーバ102の記憶部212内に格納されることができる、若しくは処理サーバ102の別個の領域内に格納されることができる、又はそれによってアクセス可能とすることができる。ブロックチェーンデータ210はブロックチェーンを含むことができる。ブロックチェーンは、複数のブロックから構成されることができ、ブロックチェーンネットワーク104に関連付けられることができる。ある場合では、ブロックチェーンデータ210は、ブロックチェーンとその管理及び性能とに関連付けられた任意の他のデータをさらに含むことができる。このデータは、ブロック生成アルゴリズム、デジタル署名生成及び確認アルゴリズム、ブロックチェーンノード106の通信データなどである。
【0037】
処理サーバ102は、クエリモジュール214を含むことができる。クエリモジュール214は、データベース上でクエリを実行して、情報を識別するように構成されることができる。クエリモジュール214は、1つ以上のデータ値又はクエリ文字列を受信することができ、処理サーバ102のウォレットデータベース206などの指示されたデータベース上で、それに基づいてクエリ文字列を実行して、そこに格納された情報を識別することができる。次に、クエリモジュール214は、必要に応じて、識別された情報を、処理サーバ102の適切なエンジン又はモジュールに出力することができる。クエリモジュール214は例えば、ウォレットデータベース206でクエリを実行して、送信側ウォレット提供者116によって提出された新しいブロックチェーンのトランザクションにおける受信側装置のブロックチェーンウォレットのウォレットプロファイル208を識別し、例えば、それに提供するためのプロファイルデータを識別することができる。
【0038】
また、処理サーバ102は生成モジュール216を含むことができる。生成モジュール216は、本明細書で論じられる機能を実行する際の処理サーバ102による使用のためのデータを生成するように構成されることができる。生成モジュール216は、入力として命令を受信することができ、命令に基づいてデータを生成することができ、生成されたデータを処理サーバ102の1つ以上のモジュールに出力することができる。例えば、生成モジュール216は、新しいブロックチェーンデータ値と、新しいブロックヘッダと、マークルルートと、新しいブロックと、ブロックチェーンの動作のための他のデータと、を生成することと、参照識別子を生成することと、新しいウォレットプロファイル208を生成することと、規制遵守に関する報告を生成することと、などを実行するように構成されることができる。
【0039】
また、処理サーバ102は、検証モジュール218を含むことができる。検証モジュール218は、本明細書で論じられる機能の一部として、処理サーバ102の検証を実行するように構成されることができる。検証モジュール218は、検証を実行する際に使用されるデータも含み得る命令を入力として受信することができ、要求に応じて検証を実行することができ、検証の結果を処理サーバ102の別のモジュール又はエンジンに出力することができる。検証モジュール218は例えば、ブロックチェーントランザクションを確認することと、ウォレットプロファイルデータを検証することと、デジタル署名を検証することと、受信された参照識別子を検証することと、などを実行するように構成されることができる。
【0040】
また、処理サーバ102は送信装置220を含むことができる。送信装置220は、1つ以上のネットワークプロトコルを介して1つ以上のネットワーク上でデータを送信するように構成されることができる。ある事例では、送信装置220は、1つ以上の通信方法、構内通信網、無線エリアネットワーク、セルラ通信、Bluetooth、無線周波数、インターネットなどを介して、ブロックチェーンノード106と、送信側ウォレット提供者116と、受信側ウォレット提供者118と、規制当局120と、他のエンティティとにデータを送信するように構成されることができる。ある実施形態では、送信装置220は、複数の装置から構成されることができる。これは、異なるネットワークを介してデータを送信するための異なる送信装置などであり、例えば、構内通信網を介してデータを送信するための第1の送信装置と、インターネットを介してデータを送信するための第2の送信装置とである。送信装置220は、データが重ねられたデータ信号を電子的に送信することができる。このデータ信号は、受信するコンピューティング装置によって構文解析されることができる。ある事例では、送信装置220は、データを、送信に適したデータ信号に重ねる、符号化する、又はフォーマットするための1つ以上のモジュールを含むことができる。
【0041】
送信装置220は、ブロックチェーンノード106にデータ信号を電子的に送信するように構成されることができる。このデータ信号は、新しいブロックチェーンデータ値と、確認のための新しいブロックと、確認されたブロックと、ブロック又はトランザクション確認に関するメッセージと、ブロックチェーンの動作及び管理の際に使用される他のデータと、又はブロックチェーンデータ値情報の要求の際の参照識別子、に重ねられる、又は符号化される。また、送信装置220は、データ信号を、送信側ウォレット提供者116と受信側ウォレット提供者118と、に電子的に送信するように構成されることができる。このデータ信号は、参照識別子と、ウォレットプロファイルデータと、ウォレットプロファイルデータ要求と、規制遵守データと、トランザクションデータと、ブロックチェーンデータ値と、本明細書で論じられる他のデータと、に重ねられる、又は符号化される。
【0042】
ウォレットプロファイルの規制情報を更新するための処理
図3は、処理サーバ102を使用して、
図1のシステム100におけるブロックチェーンに従う規則及び規制の継続的な遵守を容易にするために、ウォレットプロファイル208を更新するための処理を示す。
【0043】
ステップ302において、送信側ウォレット提供者116は、送信側装置112からのブロックチェーントランザクションデータを使用して、送信側装置112から受信側装置114への決済のための新しいブロックチェーンのトランザクションを実行することができる。トランザクションデータは、デジタル署名と、1つ以上の未使用トランザクション出力と、1つ以上の宛先アドレスと、宛先アドレスごとに、それに転送される暗号通貨額と、を含むことができる。宛先アドレスのうちの1つは、受信側装置114のブロックチェーンウォレットに対するものである。また、新しいブロックチェーンのトランザクションは、送信側ウォレット提供者116によって提出された参照識別子を含むことができる。この参照識別子は、例えば、上述の処理などにおいて、処理サーバ102によって以前に提供されたものなどである。ステップ304において、送信側ウォレット提供者116は、新しいブロックチェーンのトランザクションのトランザクション参照を処理サーバ102に電子的に送信することができる。ある場合では、トランザクション参照は、送信側装置のブロックチェーンウォレットについて、更新されたウォレットプロファイルデータによって付随されることができる。
【0044】
ステップ306において、処理サーバ102の受信装置202は、送信側ウォレット提供者116からトランザクション参照を受信することができる。ステップ308において、処理サーバ102は、受信されたトランザクション参照に対応するブロックチェーントランザクションを識別することができる。ブロックチェーントランザクションの識別は、処理サーバ102内のブロックチェーンデータ210でクエリを実行して、ブロックチェーンデータ値を識別する処理サーバ102のクエリモジュール214を含むことができる。これは、トランザクション参照、又はトランザクション参照を有するブロックチェーンノード106への処理サーバ102の送信装置220によるデータ要求の送信とそこからのブロックチェーンデータ値の受信と、を含む。ブロックチェーンデータ値が受信されると、処理サーバ102は、ステップ310において、ブロックチェーンデータ値内の宛先アドレスをよく調べる(review)ことなどによって、ブロックチェーントランザクションの受取人として受信側装置114に関連付けられたブロックチェーンウォレットを識別することができる。
【0045】
ステップ312において、処理サーバ102のクエリモジュール214は、処理サーバ102のウォレットデータベース206でクエリを実行して、識別されたブロックチェーンウォレットに関連したウォレットプロファイル208を識別し、それに関連付けられた受信側ウォレット提供者118を識別することができる。ステップ314において、処理サーバ102の送信装置220は、通知メッセージを、識別された受信側ウォレット提供者118に電子的に送信することができる。この通知メッセージは、トランザクション参照と、トランザクションの検証要求と、識別されたウォレットプロファイル208の更新と、を含む。ある事例では、要求は、識別されたウォレットプロファイル208の更新のために必要なデータを指定することができる。
【0046】
ステップ316において、受信側ウォレット提供者118は、通知メッセージを受信することができる。ステップ318において、受信側ウォレット提供者118は、検証メッセージを処理サーバ102に返信することができる。この検証メッセージは、トランザクション参照に関わって発生したトランザクションを検証し、適用可能な場合、受信側装置のブロックチェーンウォレットについて任意の更新されたウォレットプロフィルデータも提供する。ステップ320において、処理サーバ102の受信装置202は、受信側ウォレット提供者118からトランザクション検証メッセージを受信することができる。ステップ322において、処理サーバ102のクエリモジュール214は、ウォレットデータベース206でクエリを実行して、受信側ウォレット提供者118から受信した任意の新しいウォレットプロファイルデータを用いてウォレットプロファイル208を更新することができる。
【0047】
規制遵守においてウォレット提供者を支援するための例示的な方法
図4は、ブロックチェーンウォレット提供者が、参照識別子を介してブロックチェーントランザクションにおける規制遵守を確実にしてブロックチェーントランザクションデータを報告することを支援するための方法400を示す。
【0048】
ステップ402において、新しいブロックチェーンのトランザクションは、第1のコンピューティング装置(例えば、送信側ウォレット提供者116)から受信器(例えば、処理サーバ(例えば、処理サーバ102)の受信装置202)によって受信されることができる。新しいブロックチェーンは、少なくとも、新しいブロックチェーンのトランザクションの受取人としてブロックチェーンウォレットに関連付けられた宛先アドレスを含む。ステップ404において、新しいブロックチェーンのトランザクションの参照識別子は、処理サーバのプロセッサ(例えば、生成モジュール216)によって生成されることができる。
【0049】
ステップ406において、ブロックチェーンウォレットのプロファイル(例えば、ウォレットプロファイル208)は、宛先アドレスに基づいて、処理サーバのプロセッサ(例えば、クエリモジュール214)によって識別されることができる。ステップ408において、参照識別子は、処理サーバの送信器(例えば、送信装置220)によって、第1のコンピューティング装置に送信されることができる。ステップ410において、通知メッセージは、処理サーバの送信器によって、第2のコンピューティング装置(例えば、受信側ウォレット提供者118)に送信されることができる。通知メッセージは、少なくとも、参照識別子と、ブロックチェーンウォレットに関連付けられたデータと、を含む。
【0050】
一実施形態では、ブロックチェーンウォレットに関連付けられたデータは、公開鍵と識別番号とのうちの少なくとも1つとすることができる。ある実施形態では、第2のコンピューティング装置は、公開鍵の一部又は識別番号の一部を使用して識別されることができる。一実施形態では、第1のコンピューティング装置は、新しいブロックチェーンのトランザクションの送信者として電子ウォレットを動作させる第1のウォレット提供者とすることができる。第2のコンピューティング装置は、新しいブロックチェーンのトランザクションの受取人としてブロックチェーンウォレットを動作させる第2のウォレット提供者とすることができる。
【0051】
ある実施形態では、第1のコンピューティング装置は、新しいブロックチェーンのトランザクションのために使用されるブロックチェーンを管理する、ブロックチェーンネットワーク(例えば、ブロックチェーンネットワーク104)内のブロックチェーンノード(例えば、ブロックチェーンノード106)とすることができる。一実施形態では、ブロックチェーンウォレットに関連付けられたデータは、ブロックチェーンウォレットに関連付けられたユーザ(例えば、ユーザ110)の識別情報を含むことができる。ある実施形態では、ブロックチェーンウォレットに関連付けられたデータは、ブロックチェーンウォレットについて、1つ以上の規制要件の遵守に関するデータを含むことができる。一実施形態では、方法400は、処理サーバの受信器によって、第2のコンピューティング装置から、検証メッセージを受信することをさらに含むことができる。検証メッセージは、新しいブロックチェーンのトランザクションの検証を示す。
【0052】
コンピュータシステムアーキテクチャ
図5は、本開示の実施形態又はその一部がコンピュータ可読コードとして実装され得るコンピュータシステム500を示す。例えば、
図1の処理サーバ102と、ブロックチェーンノード106と、送信側装置112と、受信側装置114と、送信側ウォレット提供者116と、受信側ウォレット提供者118と、規制当局120とは、格納された命令を有するハードウェア、非一時的コンピュータ可読媒体、又はそれらの組み合わせを使用して、コンピュータシステム500において実装されることができ、1つ以上のコンピュータシステム又は他の処理システムにおいて実装されることができる。ハードウェアは、
図3及び
図4の方法を実施するために使用されるモジュール及び構成要素を具体化することができる。
【0053】
プログラマブルロジックが使用される場合、そのようなロジックは、実行可能ソフトウェアコードによって構成された市販の処理プラットフォームで実行して、特定目的のコンピュータ又は特別目的の装置(例えば、プログラマブルロジックアレイ、特定用途向け集積回路など)になることができる。当業者は、開示された主題の実施形態が、様々なコンピュータシステム構成を用いて実施され得ることを理解することができる。このコンピュータシステム構成は、マルチコアマルチプロセッサシステムと、ミニコンピュータと、メインフレームコンピュータと、分散機能を用いてリンク又はクラスタ化されたコンピュータと、仮想的に任意の装置に埋め込まれ得る汎用又は小型コンピュータと、を含む。例えば、少なくとも1つのプロセッサ装置及び記憶部が、上述の実施形態を実装するために使用されることができる。
【0054】
本明細書で説明されるプロセッサユニット又は装置は、単一のプロセッサ、複数のプロセッサ、又はそれらの組み合わせとすることができる。プロセッサ装置は、1つ以上のプロセッサ「コア」を有することができる。本明細書で論じられる用語「コンピュータプログラム媒体」と、「非一時的コンピュータ可読媒体」と、「コンピュータ使用可能媒体」とは、概して、有形媒体を指すために使用される。この有形媒体は、例えば、取り外し可能記憶ユニット518と、取り外し可能記憶ユニット522と、ハードディスクドライブ512内にインストールされたハードディスクと、である。
【0055】
本開示の様々な実施形態は、この例示的なコンピュータシステム500に関して説明される。この説明を読んだ後、他のコンピュータシステム及び/又はコンピュータアーキテクチャを使用して、どのように本開示を実施するかが当業者には明らかになるであろう。動作は連続的な処理として説明され得るが、動作の一部は実際には、並列に、同時に、及び/又は分散環境において、単一又はマルチプロセッサ機械によるアクセスのためにローカルに又は遠隔に格納されたプログラムコードを用いて、実行されることができる。加えて、ある実施形態では、動作の順序は、開示された主題の趣旨から逸脱することなく、再構成されることができる。
【0056】
プロセッサ装置504は、本明細書で論じられる機能を実行するように具体的に構成された専用又は汎用プロセッサ装置とすることができる。プロセッサ装置504は、バス、メッセージキュー、ネットワーク、マルチコアメッセージパッシング方式などの通信インフラストラクチャ506に接続されることができる。ネットワークは、本明細書で開示されるような機能を実行するのに適した任意のネットワークとすることができる。ネットワークは、構内通信網(LAN)、広域通信網(WAN)、無線通信網(例えば、WiFi)、移動体通信網、衛星通信網、インターネット、光ファイバ、同軸ケーブル、赤外線、無線周波数(RF)、又はそれらの任意の組合せ、を含むことができる。他の適切なネットワークの種類及び構成は、当業者には明らかであろう。また、コンピュータシステム500は、主記憶部508(例えば、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリなど)を含むことができ、補助記憶部510も含むことができる。補助記憶部510は、ハードディスクドライブ512と、フロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、フラッシュメモリなどの取り外し可能記憶ドライブ514と、を含むことができる。
【0057】
取り外し可能記憶ドライブ514は、周知の方法で、取り外し可能記憶ユニット518から読み取る、及び/又はそれに書き込むことができる。取り外し可能記憶ユニット518は、取り外し可能記憶ドライブ514によって読み書きされ得る取り外し可能記憶媒体を含むことができる。例えば、取り外し可能記憶ドライブ514がフロッピーディスクドライブ又はユニバーサルシリアルバスポートである場合、取り外し可能記憶ユニット518はそれぞれ、フロッピーディスク又はポータブルフラッシュドライブとすることができる。一実施形態では、取り外し可能記憶ユニット518は、非一時的コンピュータ可読記録媒体とすることができる。
【0058】
ある実施形態では、補助記憶部510は、コンピュータプログラム又は他の命令をコンピュータシステム500に読み込むことを可能にするための代替手段、例えば、取り外し可能記憶ユニット522及びインタフェース520を含むことができる。そのような手段の例は、プログラムカートリッジ及びカートリッジインタフェース(例えば、ビデオゲームシステムに見られるようなもの)と、取り外し可能メモリチップ(例えば、EEPROM、PROMなど)及び関連付けられたソケットと、当業者には明らかであるような他の取り外し可能記憶ユニット522及びインタフェース520と、を含むことができる。
【0059】
コンピュータシステム500内に(例えば、主記憶部508及び/又は補助記憶部510内に)格納されたデータは、任意の種類の適切なコンピュータ可読媒体に格納されることができる。このコンピュータ可読媒体は、光学記憶装置(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、ブルーレイディスクなど)又は磁気テープ記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)などである。データは、任意の種類の適切なデータベース構成において構成されることができる。このデータベース構成は、関係データベース、構造化クエリ言語(SQL)データベース、分散データベース、オブジェクトデータベースなどである。最適な構成及び記憶装置の種類は、当業者には明らかであろう。
【0060】
また、コンピュータシステム500は、通信インタフェース524を含むことができる。通信インタフェース524は、ソフトウェア及びデータがコンピュータシステム500と外部装置との間で転送されることを可能にするように構成されることができる。例示的な通信インタフェース524は、モデム、ネットワークインタフェース(例えば、イーサネットカード)、通信ポート、PCMCIAスロット及びカード、などを含むことができる。通信インタフェース524を介して転送されるソフトウェア及びデータは、当業者には明らかであるように、電子信号、電磁信号、光信号、又は他の信号の形態とすることができる。信号は、通信経路526を介して伝えることができる。通信経路526は、信号を搬送するように構成されることができ、電線、ケーブル、光ファイバ、電話回線、携帯電話リンク、無線周波数リンクなどを使用して実装されることができる。
【0061】
コンピュータシステム500は、表示インタフェース502をさらに含むことができる。表示インタフェース502は、データがコンピュータシステム500と外部表示装置530との間で転送されることを可能にするように構成されることができる。例示的な表示インタフェース502は、高解像度マルチメディアインタフェース(HDMI)、デジタルビジュアルインタフェース(DVI)、ビデオグラフィックスアレイ(VGA)などを含むことができる。表示装置530は、コンピュータシステム500の表示インタフェース502を介して送信されるデータを表示するための任意の適切な種類の表示装置とすることができる。この表示装置は、陰極線管(CRT)表示装置、液晶表示装置(LCD)、発光ダイオード(LED)表示装置、静電タッチ表示装置、薄膜トランジスタ(TFT)表示装置、などを含む。
【0062】
コンピュータプログラム媒体及びコンピュータ使用可能媒体は、主記憶部508及び補助記憶部510などの記憶部を指すことができる。この記憶部は、メモリ半導体(例えば、DRAMなど)とすることができる。これらのコンピュータプログラム製品は、コンピュータシステム500にソフトウェアを提供するための手段とすることができる。コンピュータプログラム(例えば、コンピュータ制御ロジック)は、主記憶部508及び/又は補助記憶部510内に格納されることができる。また、コンピュータプログラムは、通信インタフェース524を介して受信されることができる。そのようなコンピュータプログラムは、実行されると、コンピュータシステム500が本明細書で論じられる本方法を実施することを可能にし得る。特に、コンピュータプログラムは、実行されると、プロセッサ装置504が、本明細書で論じられるような
図3及び
図4によって示される方法を実施することを可能にすることができる。したがって、そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータシステム500の制御装置を表すことができる。本開示がソフトウェアを使用して実施される場合、ソフトウェアは、コンピュータプログラム製品内に格納され、取り外し可能記憶ドライブ514と、インタフェース520と、ハードディスクドライブ512と、又は通信インタフェース524、を使用してコンピュータシステム500内に読み込まれることができる。
【0063】
プロセッサ装置504は、1つ以上のモジュール又はエンジンを含むことができる。これらは、コンピュータシステム500の機能を実行するように構成される。モジュール又はエンジンの各々は、ハードウェアを使用して実装されることができる。また、ある事例では、モジュール又はエンジンの各々は、主記憶部508又は補助記憶部510内に格納されたプログラムコード及び/又はプログラムに対応するようなソフトウェアを利用することができる。そのような事例では、プログラムコードは、コンピュータシステム500のハードウェアによる実行の前に、プロセッサ装置504によって(例えば、コンパイルするモジュール又はエンジンによって)コンパイルされることができる。例えば、プログラムコードは、プロセッサ装置504及び/又はコンピュータシステム500の任意の追加のハードウェア構成要素による実行のために、アセンブリ言語又は機械コードなどの低水準言語に翻訳されるプログラミング言語で書かれたソースコードとすることができる。コンパイルする処理は、語彙解析と、前処理と、構文解析と、意味解析と、構文指向翻訳と、コード生成と、コード最適化と、コンピュータシステム500を制御して本明細書で開示された機能を実行するのに適した低水準言語へのプログラムコードの翻訳に適し得る任意の他の技術と、の使用を含むことができる。そのような処理の結果、コンピュータシステム500が上述の機能を実行するように一意にプログラムされた特別に構成されたコンピュータシステム500となることは、当業者には明らかであろう。
【0064】
本開示と一致する技術は、とりわけ他の技術の中でも、ブロックチェーントランザクションの規制遵守においてウォレット提供者を支援するためのシステム及び方法を提供する。開示されたシステム及び方法の様々な例示的な実施形態が上述されたが、それらは限定ではなく、例示のみを目的として提示されたことを理解されたい。それは網羅的ではなく、開示された厳密な形態に本開示を限定しない。上記の教示に照らして、修正及び変形が可能であり、又は修正及び変形は、本開示の実施から、広さ又は範囲から逸脱することなく、得られることができる。
【国際調査報告】