(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-03
(54)【発明の名称】ヘッドアップディスプレイシステム
(51)【国際特許分類】
G02B 27/01 20060101AFI20230926BHJP
B60J 1/02 20060101ALI20230926BHJP
B60K 35/00 20060101ALI20230926BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
G02B27/01
B60J1/02 M
B60K35/00 A
H04N5/64 521Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513912
(86)(22)【出願日】2021-07-27
(85)【翻訳文提出日】2023-02-28
(86)【国際出願番号】 IB2021056808
(87)【国際公開番号】W WO2022049426
(87)【国際公開日】2022-03-10
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】パンクラッツ,スティーブン ジェイ.
【テーマコード(参考)】
2H199
3D344
【Fターム(参考)】
2H199DA03
2H199DA13
2H199DA15
2H199DA19
2H199DA22
2H199DA23
2H199DA48
3D344AA19
3D344AB01
3D344AC25
(57)【要約】
光学システムは、光源を有する画像プロジェクタを含む。反射偏光子は、30度超の第1の入射角で光源によって放射された光を受け取り、光の一部を第1の反射光として反射する。空間光変調器は、5度超の第2の入射角で第1の反射光を受け取り、第1の反射光の一部を投影画像光として透過させる。第1のミラーは、第3の入射角で投影画像光を受け取り、投影画像光の一部を、第4の入射角で第2のミラーによって受け取られる第2の反射画像光として反射し、第2の反射画像光の一部を、可視画像を有する第3の反射画像光として反射する。光源及び空間光変調器は、反射偏光子の同じ側に配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学システムであって、
画像を含む実質的にコリメートされた画像光を投影するための画像プロジェクタであって、
実質的にコリメートされた光を放射する少なくとも1つの光源と、
第1の入射角で前記実質的にコリメートされた放射光を受け取り、前記放射光の少なくとも一部を第1の反射光として反射する第1の反射偏光子と、
前記画像を形成するための複数の画素を含む空間光変調器であって、第2の入射角で前記第1の反射光を受け取り、前記第1の反射光の少なくとも一部を、前記画像を含む前記実質的にコリメートされた投影画像光の少なくとも一部として透過させ、前記投影画像光が第1の偏光状態を有する、空間光変調器と、
を含む、画像プロジェクタと、
第3の入射角で前記実質的にコリメートされた投影画像光を受け取り、前記投影画像光の少なくとも一部を、前記画像を含む第2の反射画像光として反射する第1のミラーと、
第4の入射角で前記画像を含む前記第2の反射画像光を受け取り、前記第2の反射画像光の少なくとも一部を、観察者が観察するための前記画像を含む第3の反射画像光として反射する第2のミラーと、を備え、
前記少なくとも1つの光源及び前記空間光変調器は、前記第1の反射偏光子の同じ側に配置され、
前記第1の入射角は、約30度超であり、
前記第2の入射角は、約5度超である、光学システム。
【請求項2】
ビークルのウィンドシールドを更に備え、前記ウィンドシールドは、前記第3の反射画像光を受け取り、前記受け取った画像の一部を前記観察者に向けて反射して、前記観察者が前記反射画像の仮想画像を見ることができるように構成されている、請求項1に記載の光学システム。
【請求項3】
前記画像プロジェクタは、前記少なくとも1つの光源と第3のミラーとの間に配置された前記第1の反射偏光子を備え、前記第1の反射偏光子は、前記放射光の一部を前記第1の偏光状態を有する前記第1の反射光として反射し、前記放射光の一部を直交する第2の偏光状態を有する第1の透過光として透過させ、前記第3のミラーは、第5の入射角で前記第1の透過光を受け取り、前記第1の透過光の少なくとも一部を第4の反射光として反射し、前記空間光変調器は、
前記第2の入射角で前記第1の反射光を受け取り、前記第1の反射光の少なくとも一部を、前記画像の少なくとも第1の部分を含み、前記第1の偏光状態を有する実質的にコリメートされた第1の投影画像光として透過させ、
前記第6の入射角で前記第4の反射光を受け取り、前記第4の反射光の少なくとも一部を、前記画像の少なくとも第2の部分を含み、前記第1の偏光状態を有する実質的にコリメートされた第2の投影画像光として透過させ、前記第1の投影画像光及び前記第2の投影画像光は、結合して、前記画像を含み、前記第1の偏光状態を有する前記実質的にコリメートされた投影画像光を形成する、請求項1に記載の光学システム。
【請求項4】
前記第5の入射角は、約30度超であり、前記第6の入射角は、約5度超であり、前記第1の入射角及び前記第5の入射角は、互いの約5度以内であり、前記第2の入射角及び前記第6の入射角は、互いの約5度以内である、請求項3に記載の光学システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの光源によって放射される前記実質的にコリメートされた光の発散角は、約10度未満である、請求項1に記載の光学システム。
【請求項6】
前記第3の入射角は、約20~60度であり、前記第4の入射角は、約20~60度である、請求項1に記載の光学システム。
【請求項7】
前記第1の入射角は、約35度超であり、前記第2の入射角は、約10度超である、請求項1に記載の光学システム。
【請求項8】
ビークルの乗員が観察するための、投影画像の仮想画像を形成するためのヘッドアップディスプレイ(HUD)であって、
前記画像を含む画像光を投影するための画像プロジェクタであって、
実質的にコリメートされた光を放射する少なくとも1つの光源と、
第1の入射角で前記実質的にコリメートされた放射光を受け取り、前記放射光の少なくとも一部を第1の反射光として反射する第1の反射偏光子と、
前記画像を形成するための複数の画素を含む空間光変調器であって、第2の入射角で前記第1の反射光を受け取り、前記第1の反射光の少なくとも一部を、前記画像を含む前記実質的にコリメートされた投影画像光の少なくとも一部として透過させ、前記投影画像光が第1の偏光状態を有する、空間光変調器と、を含み、前記少なくとも1つの光源から前記空間光変調器に延びる第1の折り返し光軸を実質的に中心に置いて、約30度超の第1の折り返し角度を含む、画像プロジェクタと、
前記投影画像の前記仮想画像を投影し、形成するための投影光学系であって、
第3の入射角で前記実質的にコリメートされた投影画像光を受け取り、前記投影画像光の少なくとも一部を、前記画像を含む第2の反射画像光として反射する第1のミラーと、
第4の入射角で前記画像を含む前記第2の反射画像光を受け取り、前記第2の反射画像光の少なくとも一部を、観察者が観察するための前記画像を含む第3の反射画像光として反射する第2のミラーと、を含む、投影光学系と、
前記ビークルのウィンドシールドであって、前記第3の反射画像光を受け取り、前記受け取った画像の一部を前記観察者に向けて反射して、前記観察者が前記反射画像の前記仮想画像を見ることができるように構成されている、ウィンドシールドと、を備え、
前記画像プロジェクタは、前記空間光変調器から少なくとも前記ウィンドシールドまで延びる第2の折り返し光軸を実質的に中心に置いて、約90度超の第2の折り返し角度を含む、HUD。
【請求項9】
実質的に垂直に入射する光及び約420nm~約680nmに及ぶ可視範囲について、前記第1の反射偏光子が、第1の偏光状態に対して約70%超の平均反射率、及び直交する第2の偏光状態に対して約70%超の平均透過率を有する、請求項8に記載のHUD。
【請求項10】
前記画像プロジェクタは、前記少なくとも1つの光源と第3のミラーとの間に配置された前記第1の反射偏光子を備え、前記第1の反射偏光子は、前記放射光の一部を前記第1の偏光状態を有する前記第1の反射光として反射し、前記放射光の一部を直交する第2の偏光状態を有する第1の透過光として透過させ、前記第3のミラーは、第5の入射角で前記第1の透過光を受け取り、前記第1の透過光の少なくとも一部を第4の反射光として反射し、前記空間光変調器は、
前記第2の入射角で前記第1の反射光を受け取り、前記第1の反射光の少なくとも一部を、前記画像の少なくとも第1の部分を含み、前記第1の偏光状態を有する実質的にコリメートされた第1の投影画像光として透過させ、
第6の入射角で前記第4の反射光を受け取り、前記第4の反射光の少なくとも一部を、前記画像の少なくとも第2の部分を含み、前記第1の偏光状態を有する実質的にコリメートされた第2の投影画像光として透過させ、前記第1の投影画像光及び前記第2の投影画像光は、結合して、前記画像を含み、前記第1の偏光状態を有する前記実質的にコリメートされた投影画像光を形成する、請求項8に記載のHUD。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、光学システム、具体的には、ヘッドアップディスプレイシステム用の光学システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子ディスプレイは、デジタル情報を観察者に対してレンダリングするために多くの用途において提供される。ヘッドアップディスプレイ(HUD)は、HUDの透明な性質により、観察者が、情報だけでなく、HUDを通したビューをもまた観察することを可能にする。したがって、観察者は、HUDを通して現実世界を観察する能力を失うことなく、表示された情報を観察することができる。HUDシステムは、特に航空機などの高速ビークルで使用するために開発されてきたが、現在は、自動車を含む他のビークルの機能としてますます検討されている。より小さい規模では、HUDシステムは、ゴーグルレンズ若しくはヘルメットバイザとして、又は他の多様な仮想現実(VR)用途において使用されている。HUDは、様々な表面及び窓、例えば、ビークルのフロントガラスに実装することができる。したがって、ビークルの乗員のために、ビークルの速度及び/又はナビゲーション方向などのビークル動作情報を、乗員に対して、例えばフロントガラス上で適宜表示することができる。HUDシステムは、ウィンドシールドに投影される画像を担持する情報を生成するために、ビークルのステアリングホイールの後ろ、例えば、ビークルのダッシュボード又はその近傍に配置されてもよい。
【発明の概要】
【0003】
本開示のいくつかの態様は、画像を有する実質的にコリメートされた画像光を投影するための画像プロジェクタを含む光学システムに関する。画像プロジェクタは、実質的にコリメートされた光を放射する少なくとも1つの光源を含む。第1の反射偏光子は、第1の入射角で実質的にコリメートされた放射光を受け取り、放射光の少なくとも一部を第1の反射光として反射する。画像を形成するための複数の画素を有する空間光変調器は、第2の入射角で第1の反射光を受け取り、第1の反射光の少なくとも一部を、画像を有する実質的にコリメートされた投影画像光の少なくとも一部として透過させる。投影された画像光は、第1の偏光状態を有する。光学システムは、第3の入射角で実質的にコリメートされた投影画像光を受け取り、投影画像光の少なくとも一部を、画像を有する第2の反射画像光として反射する第1のミラーを含む。第2のミラーは、第4の入射角で画像を有する第2の反射画像光を受け取り、第2の反射画像光の少なくとも一部を、観察者が観察するための画像を有する第3の反射画像光として反射する。少なくとも1つの光源及び空間光変調器は、第1の反射偏光子の同じ側に配置される。第1の入射角は約30度超であり、第2の入射角は約5度超である。
【0004】
本開示のいくつかの態様は、ビークルの乗員が観察するための、投影画像の仮想画像を形成するためのヘッドアップディスプレイ(HUD)に関する。HUDは、画像を有する画像光を投影するための画像プロジェクタを含む。画像プロジェクタは、実質的にコリメートされた光を放射する少なくとも1つの光源を含む。第1の反射偏光子は、第1の入射角で実質的にコリメートされた放射光を受け取り、放射光の少なくとも一部を第1の反射光として反射する。画像を形成するための複数の画素を含む空間光変調器は、第2の入射角で第1の反射光を受け取り、第1の反射光の少なくとも一部を、画像を有する実質的にコリメートされた投影画像光として透過させる。投影された画像光は、第1の偏光状態を有する。画像プロジェクタは、少なくとも1つの光源から空間光変調器まで延びる第1の折り返し光軸を実質的に中心に置いて、約30度超の第1の折り返し角度を含む。HUDは、投影画像の仮想画像を投影し、形成する投影光学系を含む。投影光学系は、第3の入射角で実質的にコリメートされた投影画像光を受け取り、投影画像光の少なくとも一部を、画像を有する第2の反射画像光として反射するための第1のミラーを含む。第2のミラーは、第4の入射角で画像を有する第2の反射画像光を受け取り、第2の反射画像光の少なくとも一部を、観察者が観察するための画像を有する第3の反射画像光として反射する。ビークルのウィンドシールドは、第3の反射画像光を受け取り、受け取った画像の一部を観察者に向けて反射して、観察者が反射画像の仮想画像を見ることができるように構成される。画像プロジェクタは、空間光変調器から少なくともウィンドシールドまで延びる第2の折り返し光軸を実質的に中心に置いて、約90度超の第2の折り返し角度を含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示の様々な態様は、添付の図面を参照してより詳細に論じられる。
【0006】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による、ヘッドアップディスプレイシステムを概略的に示す。
【
図2】本開示の他の実施形態による、ヘッドアップディスプレイシステム用の光学システムを概略的に示す。
【0007】
これらの図は、必ずしも一定の比率の縮尺ではない。図面で使用されている同様の番号は同様の構成要素を示す。しかし、特定の図中のある構成要素を示す番号の使用は、同じ番号を付した別の図中の構成要素を限定することを意図するものではないことが理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明では、本明細書の一部を構成し、様々な実施形態が実例として示される、添付図面が参照される。本開示の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他の実施形態が想到され、実施可能である点を理解されたい。したがって、以下の発明を実施するための形態は、限定的な意味では解釈されない。
【0009】
ヘッドアップディスプレイ(HUD)という用語は、本明細書では、ゴーグルレンズ若しくはヘルメットバイザなどのより小型のシステム又は他の多様な用途における、航空機、船舶、又は、自動車、トラック、及びオートバイなどの動力車などのビークルの窓又はウィンドシールドに用いられるかどうかにかかわらず、そのようなディスプレイシステムを指すために使用される。
【0010】
例えば、HUDシステムは、ビークルのウィンドシールド上に画像を投影し、観察者(例えば、運転手)が仮想画像の形態の情報を観察することを可能にする。HUDシステムは、ビークル速度などのビークル動作情報、方向及び/又は地図などのナビゲーション情報、温度、ラジオ局、又はトラックリストなどの周囲情報、発信者情報などの通信情報、並びに有効速度制限などの道路標識情報又は制限などのうちの1つ以上を表示するように構成されてもよい。HUDシステムは、ビークルのステアリングホイールの後ろ、例えば、ビークルのダッシュボード又はその近傍に配置されて、ウィンドシールド上に投影され、次いで、例えば運転手に向けて光を反射する画像を生成してもよい。
【0011】
HUDシステムは、HUDの下隅からコールドミラー上に投影する画像生成ユニット(PGU)を含み、コールドミラーは、画像を主集束ミラーに向けて反射し、ウィンドシールド上に出て、z字形ビーム経路を生成する。ほとんどのPGU投影源は、ディスプレイシステム(LCDなど)に向かって投影するレンズレットタイプのコリメータを有するLEDのアレイを含み、ディスプレイシステムは、PGUに面する側に拡散素子を有する。LEDと拡散体/LCDとの間の特定の投射距離が、画像面にわたって均一な照明を達成するために望ましい場合がある。この投射距離は、熱管理のためにLEDアレイの背後に設けられたヒートシンクと共に、HUD体積を増加させることができる拡張されたPGUジオメトリを生成し、HUD体積は、ビークルのダッシュボード領域へと下方に延びることができる。本明細書で説明される実施形態は、これらの課題及び他の課題に対処する。
【0012】
本開示のいくつかの実施形態は、HUD内の利用可能な空間をより効果的に利用し、システムの熱管理、体積低減、及び光学効率を満たすHUDシステムについて説明する。
【0013】
本開示のいくつかの態様による光学システム(300)を
図1に示す。いくつかの実施形態における光学システム(300)は、ビークル(110)の乗員(70)が観察するための投影画像(11)の仮想画像(102)を形成するためのHUDシステムであってもよい。光学システム(300)は、観察者(70)の目で観察するための、画像(11)を有する画像光(10)を投影する画像プロジェクタ(200)を含む。いくつかの態様では、画像光は、実質的にコリメートされた画像光(10)であってもよい。光学システムは、観察者が投影画像の仮想画像(102)を見て、観察者がウィンドシールド(100)上の速度、燃料レベル、温度、警告、方向などの様々なタイプの情報を観察することができるように構成されている。画像プロジェクタ(200)は、実質的にコリメートされた光(21)を放射するための少なくとも1つの光源(20)を含む。いくつかの態様では、光源は、有機発光ディスプレイ(OLED)、エレクトロルミネセントパネル、白熱又はリン光光源、CRT、LED、並びにレンズ、コリメータ、反射体、及び/又は偏光子を含んでもよい。いくつかの実施形態では、画像プロジェクタ(200)は、少なくとも1つの光源(20)に熱的に結合されたヒートシンク(80)を含んでもよい。ヒートシンク(80)は、光源(20)から放出された熱を放散するために光源(20)に熱的に結合された冷却体として構成されてもよい。
【0014】
いくつかの態様では、少なくとも1つの光源(20)によって放射された実質的にコリメートされた光(21)の発散角は、約10度未満、又は約7.5度未満、又は約5度未満であってもよい。
【0015】
画像プロジェクタ(200)は、画像(11)を形成するための複数の画素(41)を有する空間光変調器(40)を更に含む。いくつかの態様では、第1の反射偏光子(30)は、少なくとも1つの光源(20)と空間光変調器(40)との間に配置されてもよい。第1の反射偏光子(30)は、少なくとも1つの光源(20)によって第1の入射角(θ1)で放射された実質的にコリメートされた放射光(21)を受け取り、放射光の少なくとも一部を第1の反射光(31)として空間光変調器(40)に向けて反射する。空間光変調器(40)は、第2の入射角(θ2)で第1の反射光(31)を受け取り、第1の反射光の少なくとも一部を、画像を含み第1の偏光状態を有する実質的にコリメートされた投影画像光(10)として、又は画像を含み第1の偏光状態を有する実質的にコリメートされた投影画像光(10)の少なくとも一部として透過させる。
【0016】
いくつかの態様では、第1の反射偏光子(30)は、一般に、第1の偏光の光を透過させ、かつ第2の異なる偏光の光を反射する材料を含むことができる。反射偏光子としては、限定するものではなく、例として、拡散反射偏光子、多層反射偏光子、及びコレステリック反射偏光子が挙げられる。第1の反射偏光子(30)は、広帯域反射偏光子、又はノッチ反射偏光子であってもよい。他の実施例では、第1の反射偏光子(30)は、吸収直線偏光子、多層ポリマー反射偏光子、又は反射偏光子の積層体のうちの1つ以上であってもよく、第1の偏光状態を有する光を実質的に透過させ、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に反射する。実質的に一軸配向された反射偏光子は、3M Companyから商品名Advanced Polarizing Film5又はAPFで入手可能である。他のタイプの多層光学フィルム反射偏光子(例えば、3M Companyより入手可能な、Dual Brightness Enhancement Film又はDBEF)もまた使用されてもよい。他のタイプの反射偏光子(例えば、ワイヤグリッド偏光子)もまた使用されてもよい。
【0017】
いくつかの態様では、実質的に垂直な入射光及び約420nm~約680nmにわたる可視範囲について、第1の反射偏光子(30)の平均反射率が第1の偏光状態(x軸)に対して約60%超、又は70%超、又は80%超である場合、第1の反射偏光子(30)は入射光を実質的に反射すると言うことができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの光源(20)及び空間光変調器(40)は、第1の反射偏光子(30)の同じ側に配置されてもよい。いくつかの態様では、第1の入射角(θ1)は、約30度超、又は約35度超、又は約40度超、又は約50度超であってもよい。第2の入射角(θ2)は、約5度超、又は約10度超、又は約15度超、又は約20度超であってもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、画像プロジェクタは、反射光(31)を拡散し、光均一性を確保するために、第1の反射偏光子(30)と空間光変調器(40)との間に配置された光拡散体(90)を含んでもよい。いくつかの態様では、光拡散体(90)は、拡散フィルム又はマイクロレンズアレイのいずれか1つであってもよい。
【0020】
光学システム(300)は、実質的にコリメートされた投影画像光(10)を第3の入射角(θ3)で受け取るための第1のミラー(50)を含む。第1のミラー(50)は、投影画像光の少なくとも一部を、画像(11)を有する第2の反射画像光(51)として反射する。いくつかの実施形態では、第1のミラー(50)は、99.5%を超える反射率を有する高反射率ミラーであってもよい。いくつかの例では、第3の入射角(θ3)は、約20~60度であってもよい。いくつかの例では、第3の入射角(θ3)は、約25~50度又は約30~45度であってもよい。
【0021】
光学システム(300)はまた、第4の入射角(θ4)で画像(11)を有する第2の反射画像光(51)を受け取るための第2のミラー(60)を含んでもよい。第2のミラー(60)は、第2の反射画像光の少なくとも一部を、観察者(70)が見るための画像を有する第3の反射画像光(61)として反射する。いくつかの実施形態では、第2のミラー(60)は、99.5%を超える反射率を有する高反射率ミラーであってもよい。いくつかの例では、第4の入射角(θ4)は、約20~60度であってもよい。いくつかの例では、第4の入射角(θ4)は、約25~50度又は約30~45度であってもよい。いくつかの実施形態では、ビークル(110)のウィンドシールド(100)は、第3の反射画像光(61)を受け取るように構成されてもよい。ウィンドシールド(100)によって受け取られた画像の一部(101)は、観察者(70)が反射された画像の仮想画像(102)を見ることができるように、観察者(70)に向かって反射され得る。
【0022】
図2に示す実施形態によれば、画像プロジェクタ(200')は、第3のミラー(120)を含む。第1の反射偏光子(30)は、少なくとも1つの光源(20)と第3のミラー(120)との間に配置されてもよい。いくつかの態様では、第1の反射偏光子(30)は、第1の偏光状態を有する第1の反射光(31)として放射光の一部を反射し、放射光の一部を、直交する第2の偏光状態を有する第1の透過光(32)として透過させる。第3のミラー(120)は、第5の入射角(θ5)で第1の透過光(32)を受け取り、第1の透過光の少なくとも一部を第4の反射光(121)として反射する。いくつかの態様では、第5の入射角(θ5)は、約30度超、又は約35度超、又は約40度超、又は約50度超であってもよい。
【0023】
図2に示す実施形態によれば、空間光変調器(40)は、第2の入射角(θ2)で第1の反射光(31)を受け取るように構成することができる。空間光変調器(40)は、第1の反射光の少なくとも一部を、画像(11)の少なくとも第1の部分を有し、第1の偏光状態(x軸)を有する実質的にコリメートされた第1の投影画像光(12)として透過させる。空間光変調器(40)は、第6の入射角(θ6)で第4の反射光(121)を受け取るように更に構成されてもよい。場合によっては、第6の入射角(θ6)は、約5度超、又は約10度超、又は約15度超、又は約20度超であってもよい。空間光変調器(40)は、第4の反射光の少なくとも一部を、画像(11)の少なくとも第2の部分を有し、第1の偏光状態(x軸)を有する実質的にコリメートされた第2の投影画像光(13)として透過させる。第1及び第2の投影画像光(12、13)は、結合して、画像(11)を有し第1の偏光状態(x軸)を有する実質的にコリメートされた投影画像光(10)(
図1)を形成する。
【0024】
いくつかの態様では、第1の入射角(θ1)及び第5の入射角(θ5)は、互いの約5度以内、又は互いの2度以内であってもよい。いくつかの他の態様では、第2の入射角(θ2)及び第6の入射角(θ6)は、互いの約5度以内、又は互いの2度以内であってもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、画像プロジェクタクタ(200’)は、第1の反射偏光子(30)と第3のミラー(120)との間に配置されたリターダ層(130)を含んでもよい。いくつかの例では、リターダ層130は、4分の1波長リターダであってもよい。いくつかの態様では、リターダ層(130)は、第1の反射偏光子(30)上に積層されているフィルムであってもよく、又は、第1の反射偏光子(30)に適用されているコーティングであってもよい。例えば、リターダ層(130)は、第1の反射偏光子(30)に積層されている配向ポリマーフィルムであってもよく、又は、第1の反射偏光子(30)上の液晶ポリマーコーティングであってもよい。1/4波長リターダを形成するための好適なコーティングとしては、他の箇所で説明されるような、線状光重合性ポリマー(linear photopolymerizable polymer;LPP)材料及び液晶ポリマー(liquid crystal polymer;LCP)材料が挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
いくつかの実施形態では、第3のミラー(120)は、99.5%を超える反射率を有する高反射率ミラーであってもよい。第3のミラー(120)によって反射された光は、第2の方向(y軸)の偏光を第1の方向(x軸)の偏光に変換するリターダ層(130)を通過する。
【0027】
他の実施形態は、
図1に示されるように、ビークル(110)の乗員70が観察するための、投影画像(11)の仮想画像(102)を形成するヘッドアップディスプレイ(HUD)(300)を示す。HUD(300)は、画像(11)を有する画像光(10)を投影するための画像プロジェクタ(200)と、投影画像の仮想画像を投影して形成するための投影光学系(140)とを含んでもよい。
【0028】
HUDの画像プロジェクタ(200)は、乗員(70)の目で観察するための画像(11)を有する画像光(10)を投影する。いくつかの態様では、画像光は、実質的にコリメートされた画像光(10)であってもよい。画像プロジェクタ(200)は、実質的にコリメートされた光(21)を放射するための少なくとも1つの光源(20)を含む。いくつかの態様では、光源は、有機発光ディスプレイ(OLED)、エレクトロルミネセントパネル、白熱又はリン光光源、CRT、LED、並びにレンズ、コリメータ、反射体、及び/又は偏光子を含んでもよい。いくつかの実施形態では、画像プロジェクタ(200)は、少なくとも1つの光源(20)に熱的に結合されたヒートシンク(80)を含んでもよい。ヒートシンク(80)は、光源(20)から放出された熱を放散するために光源(20)に熱的に結合された冷却体として構成されてもよい。
【0029】
いくつかの態様では、少なくとも1つの光源(20)によって放射された実質的にコリメートされた光(21)の発散角は、約10度未満、又は約7.5度未満、又は約5度未満であってもよい。
【0030】
HUDの画像プロジェクタ(200)は、画像(11)を形成するための複数の画素(41)を有する空間光変調器(40)を含む。いくつかの態様では、第1の反射偏光子(30)は、少なくとも1つの光源(20)と空間光変調器(40)との間に配置されてもよい。第1の反射偏光子(30)は、少なくとも1つの光源(20)によって第1の入射角(θ1)で放射された実質的にコリメートされた放射光(21)を受け取り、放射光の少なくとも一部を第1の反射光(31)として空間光変調器(40)に向けて反射する。空間光変調器(40)は、第2の入射角(θ2)で第1の反射光(31)を受け取り、第1の反射光の少なくとも一部を、画像を含み第1の偏光状態を有する実質的にコリメートされた投影画像光(10)として透過させる。
【0031】
いくつかの態様では、第1の反射偏光子(30)は、一般に、第1の偏光の光を透過させ、かつ第2の異なる偏光の光を反射する材料を含むことができる。反射偏光子としては、限定するものではなく、例として、拡散反射偏光子、多層反射偏光子、及びコレステリック反射偏光子が挙げられる。第1の反射偏光子(30)は、広帯域反射偏光子、又はノッチ反射偏光子であってもよい。他の例では、第1の反射偏光子(30)は、吸収直線偏光子、多層ポリマー反射偏光子、又は反射偏光子の積層体のうちの1つ以上であってもよく、第1の偏光状態を有する光を実質的に透過させ、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に反射する。実質的に一軸配向された反射偏光子は、3M Companyから商品名Advanced Polarizing Film5又はAPFで入手可能である。他のタイプの多層光学フィルム反射偏光子(例えば、3M Companyより入手可能な、Dual Brightness Enhancement Film又はDBEF)もまた使用されてもよい。他のタイプの反射偏光子(例えば、ワイヤグリッド偏光子)もまた使用されてもよい。
【0032】
いくつかの態様では、実質的に垂直に入射する光及び約420nm~約680nmにわたる可視範囲について、第1の反射偏光子(30)の平均反射率が第1の偏光状態(x軸)に対して約60%超、又は70%超、又は80%超であり得る場合、第1の反射偏光子(30)は、入射光を実質的に反射すると言うことができる。他の態様では、実質的に垂直に入射する光及び約420nm~約680nmにわたる可視範囲について、第1の反射偏光子(30)の平均透過率が、直交する第2の偏光状態(y軸)に対して約60%超、又は70%超、又は80%超であり得る場合、第1の反射偏光子(30)は、入射光を実質的に透過させると言うことができる。
【0033】
別の実施形態では、反射偏光子(30)は、より高い出力色域を生成する狭3帯域ノッチ反射体であってもよい。高色域の狭帯域PGU出力は、IR、偏光による相当量の可視エネルギー、及び波長フィルタリングによる正しい偏光の残りの光の一部を拒絶することによって空間光変調器への負荷を低減することができる同様のノッチCMF型反射偏光子と整合させることができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、投影光学系は、ビークルの第1のミラー(50)、第2のミラー(60)、及びウィンドシールド(100)を含む。第1のミラー(50)は、第3の入射角(θ3)で実質的にコリメートされた投影画像光(10)を受け取り、投影画像光の少なくとも一部を、画像(11)を有する第2の反射画像光(51)として反射する。いくつかの実施形態では、第1のミラー(50)は、99.5%を超える反射率を有する高反射率ミラーであってもよい。いくつかの態様では、第3の入射角(θ3)は、約20~60度であってもよい。いくつかの態様では、第3の入射角(θ3)は、約25~50度又は約30~45度であってもよい。
【0035】
第2のミラー(60)は、第4の入射角(θ4)で画像(11)を有する第2の反射画像光(51)を受け取り、第2の反射画像光の少なくとも一部を、観察者(70)が見るための画像を有する第3の反射画像光(61)として反射する。いくつかの実施形態では、第2のミラー(60)は、99.5%を超える反射率を有する高反射率ミラーであってもよい。いくつかの例では、第4の入射角(θ4)は、約20~60度であってもよい。他の例では、第4の入射角(θ4)は、約25~50度又は約30~45度であってもよい。いくつかの実施形態では、ビークル(110)のウィンドシールド(100)は、第3の反射画像光(61)を受け取るように構成されてもよく、ウィンドシールド(100)によって受け取られた画像の一部(101)は、観察者(70)に向かって反射されてもよい。観察者(70)は、反射画像の仮想画像(102)を見るように構成されてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、画像プロジェクタ(200)は、少なくとも1つの光源(20)から空間光変調器(40)に延びる第1の折り返し光軸上に実質的に中心を置いてもよく、いくつかの態様では、約30度超、又は約40度超、又は50度超である第1の折り返し角度(α1)を含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、画像プロジェクタは、空間光変調器(40)から少なくともウィンドシールド(100)まで延びる第2の折り返し光軸上に実質的に中心を置いてもよく、いくつかの態様では、約90度超、又は約100度超、又は110度超である第2の折り返し角度(α2)を含んでもよい。画像面にわたる均一な照明を達成するための光源(20)と空間光変調器(40)との間の望ましい投射距離は、画像にわたる輝度均一性を損なうことなく全体的なHUD体積を低減するために画像プロジェクタ(200)を異なる方向に同時に折り畳む又は曲げている間、維持され得る。
【0037】
以下は、例示的な実施形態のリストである。
【0038】
実施形態1.光学システムであって、画像を有する実質的にコリメートされた画像光を投影するための画像プロジェクタであって、実質的にコリメートされた光を放射する少なくとも1つの光源を含む画像プロジェクタと、第1の入射角で実質的にコリメートされた放射光を受け取り、放射光の少なくとも一部を、第1の反射光として反射する第1の反射偏光子と、画像を形成するための複数の画素を含み、第2の入射角で第1の反射光を受け取り、第1の反射光の少なくとも一部を、画像を有する実質的にコリメートされた投影画像光の少なくとも一部として透過させ、投影画像光が第1の偏光状態を有する、空間光変調器と、第3の入射角で実質的にコリメートされた投影画像光を受け取り、投影画像光の少なくとも一部を、画像を有する第2の反射画像光として反射する第1のミラーと、第4の入射角で画像を含む第2の反射画像光を受け取り、第2の反射画像光の少なくとも一部を、観察者が観察するための画像を有する第3の反射画像光として反射する第2のミラーと、を含み、少なくとも1つの光源及び空間光変調器は、第1の反射偏光子の同じ側に配置され、第1の入射角は約30度超であり、第2の入射角が約5度超である、光学システム。
【0039】
実施形態2.画像プロジェクタは、少なくとも1つの光源に熱的に結合されたヒートシンクを更に含む、実施形態1に記載の光学システム。
【0040】
実施形態3.画像プロジェクタは、第1の反射偏光子と空間光変調器との間に配置された光拡散体を更に含む、実施形態1に記載の光学システム。
【0041】
実施形態4.ビークルのウィンドシールドを更に含み、ウィンドシールドは、第3の反射画像光を受け取り、受け取った画像の一部を観察者に向けて反射して、観察者が反射画像の仮想画像を見ることができるように構成されている、実施形態1に記載の光学システム。
【0042】
実施形態5.画像プロジェクタは、少なくとも1つの光源と第3のミラーとの間に配置された第1の反射偏光子を含み、第1の反射偏光子は、放射光の一部を第1の偏光状態を有する第1の反射光として反射し、放射光の一部を直交する第2の偏光状態を有する第1の透過光として透過させ、第3のミラーは、第5の入射角で第1の透過光を受け取り、第1の透過光の少なくとも一部を第4の反射光として反射し、空間光変調器は、第2の入射角で第1の反射光を受け取り、第1の反射光の少なくとも一部を、画像の少なくとも第1の部分を有し第1の偏光状態を有する実質的にコリメートされた第1の投影画像光として透過させ、第6の入射角で第4の反射光を受け取り、第4の反射光の少なくとも一部を、画像の少なくとも第2の部分を有し第1の偏光状態を有する実質的にコリメートされた第2の投影画像光として透過させ、第1及び第2の投影画像光は、結合して、画像を有し第1の偏光状態を有する実質的にコリメートされた投影画像を形成する、実施形態1に記載の光学システム。
【0043】
実施形態6.第5の入射角は約30度超であり、第6の入射角は約5度超である、実施形態5に記載の光学システム。
【0044】
実施形態7.画像プロジェクタは、第1の反射偏光子と第3のミラーとの間に配置されたリターダ層を更に含む、実施形態5に記載の光学システム。
【0045】
実施形態8.第1及び第5の入射角は、互いの約5度以内である、実施形態5に記載の光学システム。
【0046】
実施形態9.第2及び第6の入射角は、互いの約5度以内である、実施形態5に記載の光学システム。
【0047】
実施形態10.少なくとも1つの光源によって放射される実質的にコリメートされた光の発散角は、約10度未満である、実施形態1に記載の光学システム。
【0048】
実施形態11.第3の入射角は、約20~60度である、実施形態1に記載の光学システム。
【0049】
実施形態12.第4の入射角は、約20~60度である、実施形態1に記載の光学システム。
【0050】
実施形態13.第1の入射角は、約35度超である、実施形態1に記載の光学システム。
【0051】
実施形態14.第2の入射角は、約10度超である、実施形態1に記載の光学システム。
【0052】
実施形態15.ビークルの乗員が観察するための投影画像の仮想画像を形成するヘッドアップディスプレイ(HUD)であって、画像を有する画像光を投影する画像プロジェクタであって、実質的にコリメートされた光を放射する少なくとも1つの光源と、第1の入射角で実質的にコリメートされた放射光を受け取り、放射光の少なくとも一部を第1の反射光として反射する第1の反射偏光子と、画像を形成するための複数の画素を含む空間光変調器であって、第2の入射角で第1の反射光を受け取り、第1の反射光の少なくとも一部を、画像を含む実質的にコリメートされた投影画像光の少なくとも一部として透過させ、投影画像光が第1の偏光状態を有する、空間光変調器と、を含み、少なくとも1つの光源から空間光変調器に延びる第1の折り返し光軸を実質的に中心に置いて、約30度超の第1の折り返し角度を含む、画像プロジェクタと、投影画像の仮想画像を投影し形成する投影光学系であって、第3の入射角で実質的にコリメートされた投影画像光を受け取り、投影画像光の少なくとも一部を、画像を有する第2の反射画像光として反射する第1のミラーと、第4の入射角で画像を有する第2の反射画像光を受け取り、第2の反射画像光の少なくとも一部を観察者が見るための画像を有する第3の反射画像光として反射する第2のミラーと、を含む、投影光学系と、ビークルのウィンドシールドであって、第3の反射画像光を受け取り、受け取った画像の一部を観察者に向けて反射して、観察者が反射画像の仮想画像を見ることができるように構成されている、ウィンドシールドと、を備え、画像プロジェクタは、空間光変調器から少なくともウィンドシールドに延びる第2の折り返し光軸を実質的に中心に置いて、約90度超の第2の折り返し角度を含む、HUD。
【0053】
実施形態16.実質的に垂直に入射する光及び約420nm~約680nmに及ぶ可視範囲について、第1の反射偏光子が、第1の偏光状態に対して約70%超の平均反射率、及び直交する第2の偏光状態に対して約70%超の平均透過率を有する、実施形態15に記載のHUD。
【0054】
実施形態17.画像プロジェクタは、少なくとも1つの光源と第3のミラーとの間に配置された第1の反射偏光子を備え、第1の反射偏光子は、放射光の一部を第1の偏光状態を有する第1の反射光として反射し、放射光の一部を直交する第2の偏光状態を有する第1の透過光として透過させ、第3のミラーは、第5の入射角で第1の透過光を受け取り、第1の透過光の少なくとも一部を第4の反射光として反射し、空間光変調器は、
第2の入射角で第1の反射光を受け取り、第1の反射光の少なくとも一部を、画像の少なくとも第1の部分を含み、第1の偏光状態を有する実質的にコリメートされた第1の投影画像光として透過させ、
第6の入射角で第4の反射光を受け取り、第4の反射光の少なくとも一部を、画像の少なくとも第2の部分を含み、第1の偏光状態を有する実質的にコリメートされた第2の投影画像光として透過させ、第1及び第2の投影画像光は、結合して、画像を含み、第1の偏光状態を有する実質的にコリメートされた投影画像光を形成する、実施形態15に記載のHUD。
【0055】
実施形態18.第1及び第5の入射角は、互いの約5度以内である、実施形態17に記載のHUD。
【0056】
実施形態19.第2及び第6の入射角は、互いの約5度以内である、実施形態17に記載のHUD。
【国際調査報告】