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特表2023-541560広帯域音声信号を使用して物体関連情報を伝達する方法とその使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-03
(54)【発明の名称】広帯域音声信号を使用して物体関連情報を伝達する方法とその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/11 20060101AFI20230926BHJP
【FI】
A61B5/11 110
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513919
(86)(22)【出願日】2021-08-30
(85)【翻訳文提出日】2023-03-30
(86)【国際出願番号】 CN2021115348
(87)【国際公開番号】W WO2022042722
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】63/072,215
(32)【優先日】2020-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/075,205
(32)【優先日】2020-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523067687
【氏名又は名称】陳 嘉宏
【氏名又は名称原語表記】CHEN, Chiahung
【住所又は居所原語表記】1F, No. 10, Aly. 7, Ln. 145 Zhongzheng N Road, Sanchong District New Taipei Taiwan 241
(71)【出願人】
【識別番号】523067698
【氏名又は名称】蘇 家▲其▼
【氏名又は名称原語表記】SU, Chiachi
【住所又は居所原語表記】Room 1, 11F, No. 95, Sec. 4 Chongxin Road, Sanchong District New Taipei Taiwan 241
(71)【出願人】
【識別番号】523067702
【氏名又は名称】蘇 健隆
【氏名又は名称原語表記】SU, Jianlong
【住所又は居所原語表記】Room 1, 11F, No. 95, Sec. 4 Chongxin Road, Sanchong District New Taipei, Taiwan 241
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】陳 嘉宏
(72)【発明者】
【氏名】蘇 家▲其▼
(72)【発明者】
【氏名】蘇 健隆
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VB33
4C038VC20
(57)【要約】
【要約】
【課題】広帯域音声信号を使用して物体関連情報を伝達する方法を提供する。
【解決手段】周知のドップラー効果及び3次元空間中の強度が距離の2乗に反比例する現象により、送信する広帯域音声信号自体が広帯域声音信号送信機が付設した物体の運動及び距離のような幾つかの性質を示す。また、伝達される広帯域音声信号が1つまたは複数の検出器が感知した内容を有していてもよい。このような方法は、スマートフィットネス器具、ヘルスケア、工業用途、その他様々な使用が可能である。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の広帯域声音信号送信機を1つまたは複数の物体にそれぞれ接続するステップと、
前記1つまたは複数の広帯域声音信号送信機を使用して前記1つまたは複数の物体に対応する1つまたは複数の性質の1つまたは複数の情報をそれぞれ送信し、前記1つまたは複数の物体関連情報は広帯域音声信号形式で伝達するステップと、
広帯域声音信号受信機を使用して前記1つまたは複数の広帯域音声信号を受信するステップと、を含み、
前記広帯域音声信号は、音声信号、超音波信号、及びそれらの任意の組み合わせから選択されていることを特徴とする広帯域音声信号を使用して物体関連情報を伝達する方法。
【請求項2】
1つのユニークな広帯域声音信号受信機及び複数の広帯域声音信号送信機を使用するステップと、
異なる広帯域音声信号を異なる周波数で送信するように、少なくとも2つの広帯域声音信号送信機を配置するステップと、
異なる広帯域音声信号を異なる強度で送信するように、少なくとも2つの広帯域声音信号送信機を配置するステップと、
送信する広帯域音声信号の周波数を調整可能にするように、少なくとも1つの広帯域声音信号送信機を配置するステップと、
送信する広帯域音声信号の強度を調整可能にするように、少なくとも1つの広帯域声音信号送信機を配置するステップと、のうちの少なくとも1つのステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の広帯域音声信号を使用して物体関連情報を伝達する方法。
【請求項3】
特定の広帯域声音信号送信機と広帯域声音信号受信機との間の相対的運動を確定する際に、ドップラー効果を参照して前記特定の広帯域声音信号送信機と広帯域声音信号受信機との間で伝送される広帯域音声信号の周波数の変化を分析するステップと、
特定の広帯域声音信号送信機と広帯域声音信号受信機との間の相対的距離の変化を確定する際に、3次元空間中の信号強度が相対的距離の2乗に反比例する現象を参照して、前記特定の広帯域声音信号送信機と広帯域声音信号受信機との間で伝送される広帯域音声信号の強度変化を分析するステップと、
特定の広帯域声音信号送信機と広帯域声音信号受信機との間の相対的距離を確定する際に、前記特定の広帯域声音信号送信機に内蔵された信号強度が既知である場合、3次元空間中の信号強度が相対的距離の2乗に反比例する現象を参照して、前記特定の広帯域声音信号送信機と広帯域声音信号受信機との間で伝送される広帯域音声信号の強度変化を分析するステップと、のうちの少なくとも1つのステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の広帯域音声信号を使用して物体関連情報を伝達する方法。
【請求項4】
1つまたは複数の検出器を1つまたは複数の物体にそれぞれ接続し、少なくとも1つの物体は広帯域声音信号送信機及び1つまたは複数の検出器に同時に接続し、前記1つまたは複数の検出器が感知する1つまたは複数の物体の性質の1つまたは複数の内容は、広帯域音声信号形式で送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の広帯域音声信号を使用して物体関連情報を伝達する方法。
【請求項5】
検出器圧力検出器を1つの秤量皿の下方に載置することで、前記秤量皿に載置するあらゆる物体の重量を感知すると共に、広帯域音声信号形式で重量情報を送信するステップと、
タッチ検出器をシーソー装置の吊り下げ末端の下方に載置すると共に相互に分離させることで、前記吊り下げ末端に載置する重量が臨界値を超えて前記吊り下げ末端が脱落すると共に前記タッチ検出器に接触した場合、広帯域音声信号形式で警告メッセージを送信するステップと、
1つの広帯域音声信号受信機が内蔵されている1つのユニークなホストを使用して、少なくとも1つのフィットネス器具に内蔵されている少なくとも1つの広帯域声音信号送信機からの少なくとも1つの広帯域音声信号をそれぞれ受信するステップと、のうちの少なくとも1つのステップをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の広帯域音声信号を使用して物体関連情報を伝達する方法。
【請求項6】
フィットネス器具と、
前記フィットネス器具の一部分に接続される広帯域声音信号送信機と、を備えていることを特徴とするスマートフィットネス器具。
【請求項7】
前記フィットネス器具は固定組立部材及び可動組立部材を有し、前記広帯域声音信号送信機は可動組立部材に付設するステップと、
前記フィットネス器具は受信末端を有し、広帯域声音信号受信機は前記受信末端に載置するステップと、
前記広帯域声音信号送信機はバッテリーセット及び固定ユニットと共にハードウェアドングルに内蔵するステップと、
前記広帯域声音信号送信機の動作周波数は、20kHz未満、20kHz~48kHzの間、48kHz超、及びそれらの任意の組み合わせから選択するステップと、のうちの少なくとも1つのステップをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のスマートフィットネス器具。
【請求項8】
フィットネス器具はエアロバイクであり、広帯域声音信号送信機はペダルに付設するステップと、
フィットネス器具はローイングマシンであり、広帯域声音信号送信機はパドルに付設するステップと、
フィットネス器具はルームランナーであり、広帯域声音信号送信機はベルトに付設するステップと、
フィットネス器具はステッパーであり、広帯域声音信号送信機はペダルに付設するステップと、
フィットネス器具はステッパーであり、広帯域声音信号送信機はハンドルに付設するステップと、
フィットネス器具はダンベルであり、広帯域声音信号送信機は前記ダンベルの特定の末端に付設するステップと、
フィットネス器具はダンベルであり、広帯域声音信号送信機は前記ダンベルの1つまたは複数の重りのハンドルに付設するステップと、のうちの少なくとも1つのステップをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のスマートフィットネス器具。
【請求項9】
広帯域声音信号送信機を人体の特定の部位に接続するステップと、
広帯域声音信号受信機を使用して広帯域声音信号送信機から送信される1つまたは複数の広帯域音声信号を受信するステップと、
受信した1つまたは複数の広帯域音声信号を分析することで前記人体を監視するステップと、を含むことを特徴とする人体の監視方法。
【請求項10】
広帯域声音信号送信機を前記人体の胸部に付設し、受信した1つまたは複数の広帯域音声信号を分析することで広帯域声音信号送信機の運動及び移動を確定すると共に、呼吸の周波数及び呼吸の強度を監視するステップと、
1つまたは複数の広帯域声音信号送信機を前記人体の1つまたは複数の部位にそれぞれ付設し、受信した1つまたは複数の広帯域音声信号を連続的に分析することで前記人体を連続的に監視するステップと、
1つの医療用検出器を前記人体に付設し、広帯域声音信号送信機を前記医療用検出器に接続することで、1つまたは複数の医学的情報を前記広帯域声音信号送信機により広帯域音声信号形式で送信するステップと、のうちの少なくとも1つのステップをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の人体の監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広帯域音声信号を使用して物体関連情報を伝達する方法(Method of delivering the object related message by using the format of the wide-frequency sound signal)に関し、また、広帯域声音信号送信機と広帯域声音信号受信機の各種使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な検出器が発展し、異なる種類の物体の性質の検出に用いられている。例えば、ジャイロスコープ(gyriscopes)は方向を検知するために用いられ、加速度計(accelerometer)は加速力を検知するために用いられ、多軸検出器(multi-axis sensors)は複数の力及びモーメントを同時に検知するために用いられ、 モーション検出器(motion sensor) は近接する物体の運動を検知するために用いられ、バーコードラベル(barcode sticker)は物体の存在を示すために用いられ、圧電素子(piezoelectric element)は物体間の接触と相対的運動を検知するために用いられ、磁力計(magnetometers)は磁性物体を検知するために用いられ、近接検出器(proximity sensor)は近接する物体を検知するために用いられている。また、一般的に、これらの検出器は、Wi-Fi、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)、または種類のワイヤレスチップや、電源ケーブル(cable lines)に統合され、検知した物体関連情報を伝達している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ワイヤレスチップ及び/または電源ケーブルを使用する場合、避けられない幾つかの欠点に直面する。例えば、ワイヤレス接続チャンネル(wireless connection channel)の数量には限りがある。一般的に、携帯電話(mobile phone)等の商用製品は、通常1桁のワイヤレスチャンネル(wireless channel)及び/または1桁のケーブルポート(cable port)しか有しておらず、単一の商用製品を使用して大量の検出器から伝送された情報を同時に受信するのは難しかった。例えば、ワイヤレス通信を確立して維持するにはエネルギーの損耗が多くなり、ケーブル通信を確立するには高いハードウェアコストがかかり、且つ必要とされるエネルギーの損耗及びハードウェアコストは、検知する物体の数量の増加及び/または検知する物体の性質の種類が増加するに連れて増加する。例えば、電源ケーブルの空間的柔軟性(spatial flexibility)が低く、ワイヤレス通信の有効伝送距離が制限されている。
【0004】
このため、従来技術では制限された数量の検出器から伝送された情報しか同時に受信できず、また、検出器及び通信チャンネル (ワイヤレス通信か有線通信かによらず)を使用して物体の性質をそれぞれ検知し、物体関連情報を伝送する必要があった。よって、少なくともハードウェアコスト、動作の複雑さ、及び異なる使用への柔軟性が制限されている。
【0005】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、以下の構成を採用することによって、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】
本発明の目的は、広帯域音声信号を使用して物体関連情報を伝達する方法とその使用例を提供することにある。
【0007】
本発明は音声信号(audio signal)送信機及び/または超音波信号(ultra-sonic signal)送信機のような広帯域声音信号送信機を使用し、従来技術で使用するワイヤレス通信及び有線通信を代替する。こうすることで、広帯域音声信号に含まれる内容を分析し、さらには広帯域音声信号自体のスペクトラム(spectrum)、波形(waveform)、及び/またはスペクトログラム(spectrogram)を分析し、一定の数量の物体中の各物体の1つまたは複数の性質を効率的に同時に掌握する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る方法は、少なくとも1つの広帯域声音信号送信機及び1つの広帯域音声信号受信機を使用して1つまたは複数の物体関連情報を伝達し、特に、これら物体関連情報を含む複数の広帯域音声信号を同時に伝達する。各1つの広帯域声音信号送信機を1つの物体に付設または接続し、或いは1つの物体の特定の部分に固定すると見做す。各広帯域声音信号送信機も1つまたは複数のこの物体に対応する1つまたは複数の検出器に接続する。広帯域声音信号受信機は音声信号及び/または超音波信号を受信する装置である。事実上、本発明は広帯域声音信号送信機及び広帯域音声信号受信機の両者の仔細について制限する必要がなく、あらゆる従来装置、発展中の装置、或いは将来出現する装置も全て本発明の選択肢となる。
【0009】
明らかに、異なる広帯域声音信号送信機を使用することで、異なる周波数(frequency)、異なる強度(intensity)で異なる広帯域音声信号をそれぞれ同時に送信可能になる。これにより、スマートフォンに内蔵されているマイクのような1つの広帯域声音信号受信機が、複数の広帯域声音信号送信機から伝送された複数の広帯域音声信号を1つ1つ簡単に識別可能になる。また、1つの広帯域音声信号受信機が、周囲の環境から伝送された全ての広帯域音声信号を受信可能になり、同じ時間に複数の、さらに言えば大量の広帯域音声信号を受信可能になる。その後、受信した全ての広帯域音声信号を分析し、各広帯域音声信号がそれぞれ示す内容を識別する。よって、広帯域音声信号を物体関連情報を含む媒体として使用することで、相当な数量の物体を同じ時間に個別に監視可能となる。特に、1つの商業用モバイル製品が受信可能な広帯域音声信号の数量の上限が、1つの商業用モバイル製品が有するワイヤレス通信チャンネルの数量よりも明確に多くなる。ここでは、商業用モバイル製品とは、内蔵マイクを有しているスマートフォン、スマートフォン、タブレット端末等でもよい。様々な方式を選択してその数量の上限を簡単に増加することができる。例えば、マイク受信機を増加して配置することで広帯域音声信号の周波数範囲を受信可能になり、複数の異なる周波数の広帯域音声信号をマイクが処理する際の解析率を高めることができる。
【0010】
さらに、広帯域音声信号自体が、広帯域音声信号送信機が付設されている物体の幾つかの性質を示す。相対的に、ワイヤレス通信及び電源ケーブルは共にワイヤレス信号及び/または有線信号に含まれる内容のみにより物体関連情報を表示する。1つの鍵となる要素として、観察者が観察した波動の周波数の変化が、観察者と波源との間の相対的運動に関連するという周知のドップラー効果(Doppler effect)がある。このため、送信機により送信されて受信機により受信される広帯域音声信号を分析することで、広帯域音声信号送信機と広帯域音声信号受信機との間の相対的移動方向及び相対的移動速度を簡単に観測できる。換言すれば、1つの物体の運動の性質は、1つのこのような送信機を前記物体に付設し、前記物体から分離している1つの受信機を使用することで簡単に監視可能であり、如何なる検出器も不要である。1つの鍵となる要素として、3次元空間中の音波信号の強度が相対的距離の2乗に反比例するという周知の現象がある。こうすることで、受信した広帯域音声信号の強度変化を分析することで広帯域声音信号送信機と広帯域音声信号受信機との間の相対的距離の変化を掌握できるのみならず、送信された広帯域音声信号の強度が既知である場合、受信した広帯域音声信号の強度を分析することで送信機と受信機との間の相対的距離も掌握可能である。換言すれば、1つの物体の位置の性質は、1つのこのような送信機を前記物体に付設することで簡単に監視でき、如何なる検出器も不要である。
【0011】
ここで留意すべき点は、本発明は、広帯域音声信号に接続し、受信した広帯域音声信号を分析するためのハードウェアの如何なる仔細も制限しない。あらゆる処理装置、人工知能、広帯域音声信号データベース、アプリケーションソフトウェア、及び/または回路が全て選択肢となり得る。当然ながら、本発明の選択肢として、広帯域声音信号送信機及び検出器を物体に接続すると共に、広帯域音声信号を送信することで物体関連情報を伝達する。
【0012】
このような方法の使用例として、スマートフィットネス器具(intelligent fitness equipment)がある。ユーザーの運動状態及び/またはフィットネス器具の機械の状態に関連する情報を、広帯域音声信号形式で携帯電話のようなモバイル装置に伝送し、情報をさらに分析することでユーザーがどのように運動しているかを評価する。広帯域声音信号送信機/受信機を使用することで、どのユーザーでもモバイル装置を使用してモバイル装置の内蔵マイクにより広帯域音声信号を受信すると同時に、その運動状態を評価し、モバイル装置が有している数量が限られたワイヤレス通信チャンネルにより1つまたは複数の周辺機器を動作させる。さらには、エアロバイクルーム(spinning bike room)やウェイトトレーニングルーム(weight training room)において、一定の数量のエアロバイク(登録商標)やウェイトトレーニングマシンが、広帯域音声信号及びノートパソコンのような1つのユニークなホストを介して相互に通信を行う。このような状況では、ホストの位置をケーブルに制限されずに弾力的に選択し、且つ前記ホストが有しているワイヤレス通信チャンネルの数量よりも明らかに多い大量のエアロバイク(登録商標)及び/または大量のウェイトトレーニングマシンを、単一のホストにより同時に監視可能になる。
【0013】
このような方法の使用例として、ヘルスケアがある。ユーザーの身体の姿勢に関連する情報を、広帯域音声信号形式で携帯電話のようなモバイル装置に伝送し、これらの情報をさらに分析することでユーザーの身体の姿勢を評価する。例えば、1つの広帯域声音信号送信機を患者の胸部または運動中の人間の胸部に簡単に付設することで、呼吸による胸部の起伏が、広帯域音声信号の周波数及び/または強度の変化として簡単に表示される。このような状況において、受信した広帯域音声信号を分析することで、呼吸の周波数及び呼吸の深さを測定可能である。その後、医療関係者が、麻酔状態(anesthesia condition)、閉塞型睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apnea)、咳(cough)、喘息(asthma)等の患者の呼吸状態を簡単に監視可能である。一例を挙げると、複数の患者がいる病室で仕事をする看護師が、1つのタブレット端末を簡単に使用してこれらの患者の呼吸状態を同時に監視できる。また、運動中の人々が、その呼吸状態を簡単に確認することで、運動の負荷や運動のパフォーマンスを掌握できる。同様に、1つまたは複数の広帯域声音信号送信機を患者の手足に付設することで、前記患者が肢体の運動を精確に制御し、定量の検知が可能になる。
【0014】
このような方法の使用例として、圧力検出器及び広帯域声音信号送信機を組み合わせた工業的使用があり、検知した圧力は広帯域音声信号形式で送信する。この組み合わせを貯蔵槽の下方に配置する場合、検知した圧力は貯蔵槽に貯蔵された流体の変化に反応して変化し、この組み合わせにより流体の液面を効果的に検知する。類似する使用として重量の検知があり、この場合、このような組み合わせを秤量皿(weight pan)の下方に配置する。
【0015】
本発明の利点、目的、特徴については、以下の図面の記載により明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A】広帯域音声信号を使用して物体関連情報を伝達する方法を説明する基本的なフローチャートである。
図1B】広帯域音声信号を使用して物体関連情報を伝達する方法を説明する基本的なフローチャートである。
図2A】音の強さと距離の変化を例示する関係図である。
図2B】音の周波数と相対運動を例示する関係図である。
図3A】本発明の一実施例に係る広帯域音声信号を使用して物体関連情報を伝達する方法のいくつかの使用例を概略的に示す図である。
図3B】本発明の一実施例に係る広帯域音声信号を使用して物体関連情報を伝達する方法のいくつかの使用例を概略的に示す図である。
図3C】本発明の一実施例に係る広帯域音声信号を使用して物体関連情報を伝達する方法のいくつかの使用例を概略的に示す図である。
図3D】本発明の一実施例に係る広帯域音声信号を使用して物体関連情報を伝達する方法のいくつかの使用例を概略的に示す図である。
図4A】本発明の一実施例に係る広帯域音声信号を使用して物体関連情報を伝達する方法のいくつかの使用例を概略的に示す図である。
図4B】本発明の一実施例に係る広帯域音声信号を使用して物体関連情報を伝達する方法のいくつかの使用例を概略的に示す図である。
図5】使用例が人体を監視する方法の基本的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、図面を参照しながら本発明の広帯域音声信号を使用して物体関連情報を伝達する方法の実施形態を説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に説明する部材、材料等は、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
【0018】
幾つかの実施例は広帯域音声信号を使用して物体関連情報を伝達する方法に関連する。このような方法の2つの基本的なフローチャートを図1A及び図1Bにそれぞれ示す。まず、ステップブロック 110に示す如く、1つまたは複数の広帯域声音信号送信機を1つまたは複数の物体にそれぞれ接続する。次は、ステップブロック 120に示す如く、この1つまたは複数の広帯域声音信号送信機を使用してこの1つまたは複数の物体に関連する1つまたは複数の性質の1つまたは複数の情報をそれぞれ送信し、ここでは、1つまたは複数の物体関連情報は広帯域音声信号形式で処理する。次は、ステップブロック 130に示す如く、広帯域声音信号受信機によりこの1つまたは複数の広帯域音声信号を受信する。これ以外にも、1つの選択肢として、ステップブロック140に示す如く、受信した1つまたは複数の広帯域音声信号を分析することでこの1つまたは複数の物体の1つまたは複数の性質を確定する。図1Aは広帯域音声信号の伝達に重点を置き、広帯域音声信号を使用してワイヤレス通信及び/またはケーブル通信を代替するように配置されるあらゆる装置のフローチャートと見做すことができる。図1Bは受信した広帯域音声信号を分析するステップをさらに含み、広帯域音声信号を使用して物体関連情報を伝達及び獲得するように配置される装置のフローチャートと見做すことができる。
【0019】
明らかに、1つの主要な特徴は、広帯域音声信号(音声信号か超音波信号かによらず)の使用であり、各物体関連情報は全て広帯域音声信号形式で含まれている。相対的に、従来技術ではケーブル及び/またはワイヤレス通信(例えば、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)やWi-Fi)を使用して物体関連情報を伝達している。特に、すでに多くの商用製品が広帯域音声信号を処理可能であり、既に多くの商用の音声信号及び/または超音波信号の送信機及び受信機が存在しているため、本方法には処理関連のハードウェア及びソフトウェアが不要であり、取得可能なあらゆる製品を直接使用可能である。特に、音声信号及び/または超音波信号のみを発生させ、送信する必要がある場合、これら商用製品は、通常低コストであり、消費電力(power consumption)が低いという利点を有している。即ち、本発明はあらゆる従来の商用製品を使用して簡単に実現可能である。
【0020】
本発明の1つの主要な利点として、多くの商用製品が広帯域音声信号を受信可能であり、例えば、モバイル装置に内蔵されているマイク、ホストに内蔵されているマイク、最近のハイレゾAD変換MEMSマイク(Hi-Res ADC MEMs MIC)がある。よって、商用装置を使用することで、広帯域音声信号及び1つまたは複数の広帯域声音信号送信機により相互に通信を行うことができ、同時にケーブル及び/またはワイヤレス通信及び1つまたは複数の周辺機器により相互に通信を行うことができる。即ち、ある商用製品のケーブル及び/またはワイヤレス通信チャンネルの数量が制限されていても、前記商用製品を幾つの広帯域声音信号送信機に接続するかは制限されず、或いは、広帯域声音信号送信機及び広帯域音声信号受信機を使用して幾つの物体を監視するかも制限されない。換言すれば、本発明の幾つかの選択可能な変化では、1つのユニークな広帯域声音信号受信機を使用して多くの広帯域声音信号送信機と相互に通信を行うことができる。
【0021】
本発明の主要な利点として、広帯域音声信号自体の1つまたは複数の変化を、広帯域声音信号送信機が付設した物体の1つまたは複数の性質を示すものと見做せる。周知のドップラー効果では、音声周波数の変化が音声源と音声の観察者との間の相対的運動に関連することが示されている。よって、受信機が受信した各広帯域音声信号の周波数の変化を分析することで、広帯域声音信号受信機と各広帯域声音信号送信機との間の相対的運動を検出できる。また、1つの周知の現象として、3次元空間中の波の強度が相対的距離の2乗に反比例する。このため、受信機が受信した各広帯域音声信号の強度の変化を分析することで、広帯域声音信号受信機と各広帯域声音信号送信機との間の相対的距離の変化を検出することができる。さらには、1つまたは複数の特定の広帯域声音信号送信機の内蔵の信号強度が既知である場合、受信機が受信した各広帯域音声信号の実際の強度を分析することで、広帯域声音信号受信機と各特定の広帯域声音信号送信機との間の実際の相対的距離を検出することができる。
【0022】
上述の2つの利点の相乗効果は非常に明確である。広帯域音声信号を使用して物体関連情報を伝達することで、商用装置のワイヤレス通信及び/または有線通信が干渉されず、大量の広帯域声音信号送信機に接続されている大量の物体を同時に監視でき、さらには、広帯域声音信号受信機とこれら送信機が付設しているこれら物体との間の相対的運動及び相対的距離も同時に検出可能である。
【0023】
参照情報として、図2Aは音の強さと距離の変化を例示する関係図である。図2Bは音の周波数と相対運動を例示する関係図である。図2Aの例では、広帯域声音信号送信機の動作周波数は18kHzであり、音声源とスマートフォンに内蔵されているマイクとの間の距離はそれぞれ2、4、6、8、10inchである。明らかに、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform、FFT)のアレイ値は音声信号の強度に関連しているが、従来のデシベル(dB)単位ではより直線的である。明らかに、FFTのアレイ値(音声強度)及びアルゴリズムが高度に回歸(R2は0.9336)し、検証が成されており、且つ高性能なこのような送信機は、異なる周波数において、このような送信機とこのような受信機との間での長距離の判別を提供できる。図2Bの例では、移動距離が0~10inchの間の範囲であり、移動速度が0~30m/secより大きく、且つ送信機の動作周波数は18kHzである。ドップラーシフト(Doppler Shift)に基づいて、受信した周波数は16552Hz~19725Hzの間の範囲であり、スペクトログラムはそれぞれ2つの図として示す。明らかに、背景ノイズは送信されて分析される広帯域音声信号に影響を与えておらず、且つリアルタイム音声ライブラリ(read-time audio library)を使用して移動速度を簡単に確定し、移動及び状態を計算することができる。高い周波数は両者が互いに接近中であることの反応であり、低い周波数は両者が互いに分離中であることの反応である。明らかに、学習済みのアルゴリズムを有している人工知能を使用することで、スペクトログラムの周期内で速度及び移動状態を簡単に確定できる。
【0024】
当然ながら、単一の広帯域声音信号受信機が2つまたは複数の広帯域声音信号送信機と通信を行う場合、異なる送信機との間との異なる通信は区分する必要がある。よって、1つの選択肢として、少なくとも2つの広帯域声音信号送信機を配置し、異なる広帯域音声信号を異なる周波数により送信した後、広帯域声音信号受信機が各自の周波数を容易に区別可能になる。他の選択肢として、少なくとも2つの広帯域声音信号送信機を配置し、異なる広帯域音声信号を異なる強度で送信するが、この選択肢は前述の選択肢のように有効ではない。このため、1つまたは複数の広帯域声音信号送信機を個別に配置する。さらには、任意の商用製品は通常内蔵マイクにより広い周波数範囲内の信号を受信するが、物体関連情報を含む広帯域音声信号に必要な周波数帯は往々にして限られている。このため、さらなる選択肢として、少なくとも1つの広帯域声音信号送信機を配置し、送信する広帯域音声信号の周波数を調整可能にし、例えば、広帯域音声信号を送信する周波数とは異なるように調整する。さらに他の選択肢として、少なくとも1つの広帯域声音信号送信機を配置し、送信する広帯域音声信号の強度を調整可能にする。
【0025】
また、広帯域音声信号自体の周波数及び/または強度の変化を分析することで、相対的運動及び/または相対的距離を監視する以外、本発明は広帯域音声信号に含まれる内容を分析することで物体の性質を監視するか否かをさらに選択してもよい。このような選択肢では、1つまたは複数の検出器をこの1つまたは複数の物体にそれぞれ接続し、少なくとも1つの物体を1つの広帯域声音信号送信機及び1つまたは複数の検出器に同時に接続する。この方式により、1つまたは複数の検出器が検知した1つまたは複数の物体の性質の1つまたは複数の内容を広帯域音声信号形式で送信する。
【0026】
疑う余地なく、使用する検出器の仔細により、異なる物体の性質を検知及び送信する。こうすることで、本発明はこれら方法の様々な多くの使用を提供する。例えば、1つの使用として、物体の重量測定がある(図3A参照)。圧力検出器(pressure detector)320を秤量皿310の下方に載置することで、秤量皿310に載置されているあらゆる物体350の重量を検出する。圧力検出器320を広帯域声音信号送信機330に接続し、測定した重量情報を広帯域音声信号形式で広帯域声音信号送信機330から広帯域声音信号受信機340に送信し、且つこの広帯域音声信号をさらに分析するかどうかを選択できる。また、例えば、図3B図3Cに示す如く、使用として、物体の重量測定がある。タッチ検出器(touch detector)360をシーソー装置(seesaw-like device)380の吊り下げ末端(suspended terminal)370の下方に載置すると共に相互に分離し、広帯域声音信号送信機390に接続する。吊り下げ末端370に載置する物体398/399の重量が臨界値を未超過である場合、吊り下げ末端370がタッチ検出器360に接触して相互に分離し、この際、如何なる警告メッセージ395も広帯域音声信号形式で送信されない。吊り下げ末端370に載置する物体398/399の重量が臨界値を超過している場合、吊り下げ末端370が脱落すると共にタッチ検出器360が相互に接触し、この際、警告メッセージ395が広帯域音声信号形式で送信される。例えば、1つの使用として、ジム(gym)の管理がある(図3D参照)。少なくとも1つの広帯域声音信号受信機302を内蔵している1つのユニークなメッセージホスト(host)301を配置することで少なくとも1つの広帯域声音信号送信機303から送信された少なくとも1つの広帯域音声信号を受信し、この少なくとも1つの広帯域声音信号送信機303は少なくとも1つのフィットネス器具(fitness equipment)304にそれぞれ内蔵されている。こうすることで、異なるこのような送信機303を異なる周波数範囲で動作するように調整すると、全てのフィットネス器具304の状態関連情報がメッセージホスト301とこれらこのような送信機303との間で伝達される。選択可能として、異なるフィットネス器具304を異なる検出器にそれぞれ接続し、これらフィットネス器具304に関するさらに多くの情報を検出してもよい。よって、メッセージホスト301が同じ時間に多くのフィットネス器具304の状態を把握し、且つメッセージホスト301が有しているワイヤレス通信(例えば、Wi-Fi/ブルートゥース(登録商標))チャンネルの数量及び/または有線通信(例えばケーブル)チャンネルの数量に制限されない。明らかに、このような方法によりジム管理の利便性が向上する。一例を挙げると、1つのエアロバイク(spinning bike)ルームには往々にして同時に何十台ものエアロバイクが設置されているが、但し、数十個の広帯域声音信号送信機をこれらエアロバイクの各車輪(wheel)にそれぞれ付設することで、1人のインストラクターがスマートフォンを使用してこれらエアロバイクの各回転速度を同時に掌握することができる。数十個の広帯域声音信号送信機をこれらエアロバイクの各制御装置にそれぞれ接続し、1人のインストラクターがスマートフォンを使用してこれらエアロバイクの各負荷重量(load weight)及び上昇角度(climbing angle)を同時に掌握することができる。
【0027】
幾つかの実施例はスマートフィットネス器具(intelligent fitness equipment)に関連している。1つのスマートフィットネス器具が1つのフィットネス器具及び1つの広帯域声音信号送信機を有し、前記広帯域声音信号送信機をフィットネス器具の一部分に接続する。現在では、従来の商用スマートフィットネス器具では、ブルートゥース(登録商標)、Wi-Fi及び/またはケーブルを普遍的に使用してフィットネス器具のある一部分に位置している検出器が検知した情報を伝達しており、例えば、デカトロン(Decathlon)、Alatech、Bryton、ガーミン(Garmin)等の大企業が提供する商用スマートフィットネス器具がある。よって、商用スマートフィットネス器具のユーザーは携帯電話やタブレット端末により運動状態を簡単に掌握できる。ともあれ、上述したように、1つの携帯電話が有しているワイヤレス通信チャンネルの数量には制限がある。よって、検出器に接続して運動状態に関連する情報を受信すると同時に、他の周辺機器に接続して他の機能を実行することが往々にして困難であるため、例えば、ブルートゥーススピーカー及びWi-Fiプロジェクターに同時に接続して、運動とマルチメディア番組とを同時に楽しむことは難しい。明らかに、これらの実施例では、広帯域声音信号送信機を使用することでこのような困難を克服し、この際にモバイル装置のマイクを使用して広帯域声音信号受信機の機能を実行する。
【0028】
これら実施例には独自の利点がある。使用する広帯域声音信号送信機自体をスマートフィットネス器具の動作状態の検知に使用することができる。前述したように、周知のドップラー効果及び周知の逆2乗の法則に基づいて、伝達される広帯域音声信号の周波数の変化及び/または強度変化がスマートフィットネス器具(広帯域声音信号送信機が付設されている)とユーザーのモバイル装置(内蔵されているマイクを内蔵の広帯域声音信号受信機として使用する)との間の運動及び/または距離に関連する。よって、本発明に係るスマートフィットネス器具は、1組の広帯域声音信号送信機及び広帯域声音信号受信機を使用するのみでフィットネス器具の運動及び/または位置を監視でき、効率的で低コストである。相対的に、従来の種種のスマートフィットネス器具は検出器を使用してスマートフィットネス器具の動作状態を検知し、ワイヤレス/有線通信チャンネルにより検知した情報を伝達している。例えば、ホール素子(Hall element)をエアロバイクのペダル(pedal)に普遍的に付設し、ペダルの回転数を記録する。例えば、ジャイロスコープ及び/または多軸検出器を普遍的に使用してフィットネス器具の運動変化を動的に監視する。例えば、映像検出器(video detector)を普遍的に使用してフィットネス器具の動作期間内に映像及び音声を記録する。例えば、運動検出器(motion sensor)を普遍的に使用してフィットネス器具の動作状況を追跡する。明らかに、従来の商用スマートフィットネス器具がどのような検出器であっても、検出器が検知した情報を伝達するためには、ワイヤレス通信素子及び/または有線通信素子がさらに必要である。
【0029】
さらに、多くの運動が周期的な肢体の移動に対応しており、特に多くの室内運動が固定方向に沿った一定距離内での往復移動に対応しているため、高効率で低コストであるという利点がさらに明確になる。よって、広帯域声音信号送信機及び広帯域音声信号受信機の組み合わせを使用することで、全ての必要な情報を十二分に掌握でき、他の情報も、他の検出器を使用して情報を収集することも不要である。
【0030】
上述したように、幾つかの関連する実施例において、例えば、スマートエアロバイク及びスマートローイングマシン(rolling machine)では、フィットネス器具は少なくとも1つの固定組立部材及び可動組立部材を有している。ここでは、広帯域声音信号送信機を可動組立部材に付設することで、可動組立部材の運動状態に対応する広帯域音声信号を送信する。当然ながら、幾つかの他の関連する実施例において、例えば、スマートダンベルは一体成形されており、広帯域声音信号送信機を前記一体成形構造に付設することで、一体成形構造全体の運動状態に対応する広帯域音声信号を送信する。
【0031】
ちなみに、使用上の利便性を向上させるため、フィットネス器具が1つの受信末端をさらに有することをさらに選択できる。ここでは、広帯域音声信号受信機、またはユーザーのモバイル装置は、ユーザーが前記スマートフィットネス器具を使用する際に前記受信末端に選択的に載置してもよく、さらには、ユーザーが選択的に同時に使用してもよい。ゆえに、このような広帯域音声信号のみを使用することを考慮すると、ユーザーはこのモバイル装置をフィットネス器具に載置するか、フィットネス器具の外に載置するかは、本発明に係るスマートフィットネス器具の基本要素ではない。
【0032】
ここで留意すべき点は、広帯域声音信号送信機をフィットネス器具にどのように付設するかについては制限しない。1つの選択肢として、広帯域声音信号送信機及びバッテリーセット (battery set)と固定ユニット(fixing element)とを共に1つのハードウェアドングル(dongle)に内蔵する。こうすることの利点は、商用広帯域声音信号送信機が往々にして低消費電力であるため、スマートフィットネス器具を長い期間持続的に動作させてもバッテリーを交換する必要がないことである。固定ユニットの仔細については制限する必要がない。幾つかの商用の選択肢として、磁性ボタン(magnetic buttons)、背面ステッカー(back sticker)、ストラップ(strap)、及び包装バッグ(packaging bag)を含む。
【0033】
広帯域声音信号送信機の動作周波数も制限する必要はない。これら実施例は送信する広帯域音声信号が十分な周波数帯を有し、情報を含み、このような送信機とこのような受信機との間の伝送が明らかに干渉されなければよい。選択肢として、すでに実施済みの幾つの実施例では、19.2kHz、20kHz、または14~22kHzもしくは24~48kHzの間の範囲の周波数範囲を使用している。選択肢として、すでに実施済みの幾つの実施例では、20kHz未満、20kHz~48kHzの間の範囲、48kHz超、及びそれらの任意の組み合わせの周波数範囲を使用している。選択肢として、すでに実施済みの幾つの実施例では、音声信号の周波数範囲、日常生活に使用する超音波信号の周波数範囲、及びそれらの任意の組み合わせの周波数範囲を使用している。然しながら、スマートフィットネス器具は他の周波数も使用可能である。
【0034】
図4Aに示す如く、一例示として、フィットネス器具410がエアロバイク(spinning bike)または自転車(bicycle)であり、広帯域声音信号送信機420をエアロバイクのペダル411に付設し、広帯域声音信号受信機430をフィットネス器具410のハンドホルダー(hand holder)412付近にある携帯電話に載置する。明らかに、ペダル411の回転速度はペダル400とハンドホルダー412との間の相対的移動速度に相等し、且つ広帯域声音信号受信機430により受信した広帯域音声信号のドップラーシフトはこの速度に定量的に反応している。図4Bに示す如く、他の例示として、フィットネス器具410がエリプティカルマシン(elliptical trainer)であり、広帯域声音信号送信機420をエリプティカルマシンのペダル411に付設し、広帯域声音信号受信機430をフィットネス器具410のハンドホルダー(hand holder)412付近にある携帯電話に載置する。明らかに、ペダル411の反復変位がペダル400とハンドホルダー412との間の相対的変位による反復変動に相等し、且つ広帯域声音信号受信機430により受信した広帯域音声信号の強度変化がこの反復変位に定量的に反応している。多くの例示について図示を省略している。一例を挙げると、フィットネス器具がローイングマシン(rowing machine)であり、広帯域声音信号送信機をパドル(oar grip)に付設する。こうすることで、パドルと相互に分離しているマイクによりパドルの往復移動が広帯域音声信号のドップラーシフトとして受信される。一例を挙げると、フィットネス器具がルームランナー(treadmill)であり、広帯域声音信号送信機をそのベルト(track)に付設する。こうすることで、送信機とフィットネス器具の外に位置している受信機との間の機能関係が、図4Aに示す広帯域声音信号送信機420と広帯域声音信号受信機430との間の機能関係に相等する。さらに2つの実施例では、フィットネス器具がステッパー(walking machine)であり、広帯域声音信号送信機をペダルに付設する、及び、フィットネス器具がステッパーであり、広帯域声音信号送信機をハンドルに付設する。他の2つのさらなる実施例では、フィットネス器具がダンベル(dumbbell)であり、広帯域声音信号送信機をダンベルの特定の末端(certain terminal)に付設し、及び、フィットネス器具がダンベルであり、広帯域声音信号送信機を前記ダンベルの1つまたは複数の重り(level)を取り付けるハンドル(handle)に付設する。明らかに、本発明に係るスマートフィットネス器具にはフィットネス器具の仔細の制限が不要であり、唯一必要な仔細として、広帯域声音信号送信機をフィットネス器具のある部分に付設し、このような送信機の運動及び位置を基本的にフィットネス器具の運動及び位置に等しくする。
【0035】
幾つかの実施例は人体の監視方法に関連する。図5には前記方法の基本的なフローチャートを示す。まず、ステップブロック510には高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform、FFT)のアレイ値を示し、ステップブロック520に示す如く、広帯域声音信号受信機を使用して広帯域声音信号送信機から送信された1つまたは複数の広帯域音声信号を受信する。次は、ステップブロック530に示す如く、受信した1つまたは複数の広帯域音声信号を分析することで前記人体を監視する。合理的には、広帯域声音信号送信機を人体の特定の部位に付設し、受信した広帯域音声信号自体の変化を分析し、さらには受信した広帯域音声信号自体を分析することで、人体の運動を有効的に監視し、少なくとも人体の特定の部位の移動を有効的に監視する。合理的には、検出器を人体及び広帯域声音信号送信機にさらに接続することで、血圧及び身体の姿勢のような1つまたは複数の人体関連情報を、広帯域音声信号形式により伝送すると共に簡単に受信して分析する。
【0036】
この方法の1つの使用例として、呼吸の測定(respiration measurement)がある。1つの広帯域声音信号送信機を患者の胸部のような人体の胸部(chest)に付設し、広帯域声音信号送信機の運動及び移動を呼吸中の胸部の起伏の変化に高度に相似させる。こうすることで、送信された広帯域音声信号自体が人体の呼吸速度及び呼吸の強度を確定する際の有用な情報となる。その後、広帯域声音信号受信機が受信した1つまたは複数の広帯域音声信号を分析することで、複雑及び/または高価な如何なる呼吸計(respirometer)を使用せずに、効率的な呼吸の測定を達成する。
【0037】
この方法の他の使用例として、人体の姿勢の監視(human body posture monitoring)がある。1つまたは複数の広帯域声音信号送信機を人体の1つまたは複数の部位に付設し、受信した1つまたは複数の広帯域音声信号を持続的に分析することで、人体を持続的に監視する。一例を挙げると、患者の身体の姿勢が横臥(laying down)、起座(sitting up)、及び起立(standing up)の間で変化している場合、患者の両手、両足、肩及び/または腹部に配置された1つまたは複数のこのような送信機も対応するように変化する(或いは、対応するように移動する)。よって、固定位置に載置した1つのユニークなこのような受信機を使用して異なるこのような送信機からのこれら信号を連続的に受信し、患者が身体の姿勢を明らかに変化させているかどうかを簡単に確定できる。例えば、ユーザーがヨガルームでヨガを行っている場合、ユーザーの肢体の末端にそれぞれ載置されている複数のこのような送信機及び1つのこのような受信機(例えば、ヨガルームに載置されているコンピューターホスト)を使用することで、ユーザーの肢体の伸展角度に関する情報を追跡できる。例えば、ユーザーがボクシングの練習をしている場合、2つの広帯域声音信号送信機が異なる周波数範囲でそれぞれ動作し、且つユーザーの2つのグローブにそれぞれ載置し、1つの広帯域声音信号受信機をユーザーの前方の一定の距離を置いた箇所に固定する。こうすることで、一定時間内に受信した広帯域音声信号のドップラーシフトの反転回数を検知することでユーザーの拳速を確定できるのみならず、一定時間内に受信した広帯域音声信号の強度変化の程度を検知することでパンチの距離を確定できる。
【0038】
この方法のさらなる使用例として、医学的監視(medical monitoring)がある。1つの医療用検出器を人体に接続すると共に広帯域声音信号送信機に接続し、1つまたは複数の医学的情報を広帯域音声信号形式で伝送する。その後、人体に関連する医学関連情報を広帯域声音信号送信機と広帯域声音信号受信機との間で通信する。例えば、複数の広帯域声音信号送信機を複数の心電計(electrocardiograph)にそれぞれ接続し、監視する多くの患者の心拍情報をこれら心電計で同時に検知し、広帯域音声信号形式で1つの広帯域音声信号受信機に一括で伝達する。こうすることで、大勢の入院患者がいる病室でも、1人の当直看護師が携帯端末に内蔵されている広帯域音声信号受信機及び処理装置により、これら患者の各心拍状態をリアルタイムで追跡可能になる。
【0039】
本発明は、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく、いろいろな形態で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、すべて本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0040】
110 ステップブロック
120 ステップブロック
130 ステップブロック
140 ステップブロック
301 メッセージホスト
302 広帯域声音信号受信機
303 広帯域声音信号送信機
304 フィットネス器具
310 秤量皿
320 検出器圧力検出器
330 広帯域声音信号送信機
340 広帯域声音信号受信機
350 物体
360 タッチ検出器
370 吊り下げ末端
380 シーソー装置
390 広帯域声音信号送信機
395 警告メッセージ
398 物体
399 物体
410 フィットネス器具
411 ペダル
412 ハンドホルダー
420 広帯域声音信号送信機
430 広帯域声音信号受信機
510 ステップブロック
520 ステップブロック
530 ステップブロック
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5
【国際調査報告】