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特表2023-541591光重合プレポリマを得るためのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-03
(54)【発明の名称】光重合プレポリマを得るためのシステム
(51)【国際特許分類】
   C08F 2/01 20060101AFI20230926BHJP
   B29C 64/124 20170101ALI20230926BHJP
   B29C 64/314 20170101ALI20230926BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20230926BHJP
   B33Y 70/00 20200101ALI20230926BHJP
【FI】
C08F2/01
B29C64/124
B29C64/314
B33Y10/00
B33Y70/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515737
(86)(22)【出願日】2021-09-07
(85)【翻訳文提出日】2023-05-01
(86)【国際出願番号】 US2021049328
(87)【国際公開番号】W WO2022055904
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】17/017,669
(32)【優先日】2020-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521473077
【氏名又は名称】マイティ ビルディングス インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100109896
【弁理士】
【氏名又は名称】森 友宏
(72)【発明者】
【氏名】インダイク,デニス
(72)【発明者】
【氏名】トルーシン,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】トルーシナ,アナ
(72)【発明者】
【氏名】ダボフ,アレクセイ
(72)【発明者】
【氏名】スタロドゥプツェフ,ドミトリー
(72)【発明者】
【氏名】ソロニーツィン,スラヴァ
【テーマコード(参考)】
4F213
4J011
【Fターム(参考)】
4F213AA43
4F213AA44
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL03
4F213WL12
4F213WL23
4J011AA01
4J011AB10
4J011AC04
4J011BB03
4J011BB10
4J011CA08
4J011CC08
4J011CC10
4J011DB13
4J011DB22
4J011DB33
4J011QA13
4J011SA84
4J011UA01
4J011WA10
(57)【要約】
光重合プレポリマ製造システムは、建物又は建物の構成要素を3D印刷するのに好適な材料を生成することができる。システムは、コンベヤ、初期重合チャンバ、及び1以上のプロセッサを含み得る。初期重合チャンバは、順番に配置される複数の初期重合ステーションを有し、コンベヤがプレポリマを初期重合チャンバに通過させるときに、未処理材料を光重合プレポリマ材料に変えることができる。プロセッサは、コンベヤ、初期重合チャンバ、又はこれら両方の動作を制御して、検出されたシステムイベントに応答して動作を変更することができる。それぞれの重合ステーションは、材料を照射するLEDアレイのような光源を含み得る。それぞれの光源は、初期重合ステーションの蓋の内部に位置し得る。メンテナンスなどにより、ある重合ステーションの動作が停止した場合には、システムは、残った重合ステーションの光源の強度を増加させ、コンベアの速度を落とし、あるいはこれら両方を行うことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光重合プレポリマ生産システムであって、
未処理材料をローディング領域からアンローディング領域に移動させるように構成されるコンベヤと、
前記コンベヤに近接して配置される初期重合チャンバであって、前記コンベヤに関して順番に配置された複数の初期重合ステーションを有し、前記コンベヤが前記未処理材料を前記初期重合チャンバに通過させるときに、前記未処理材料の少なくとも一部を光重合プレポリマ材料に変える初期重合チャンバと、
前記コンベヤ、前記初期重合チャンバ、又はこれらの両方の動作を制御するように構成される1以上のプロセッサであって、検出されたシステムイベントに応答して、前記コンベヤ、前記初期重合チャンバ、又はこれらの両方の動作を変更するように構成される1以上のプロセッサと
を備える、システム。
【請求項2】
前記光重合プレポリマ材料は、建物又は建物の構成要素の3次元(「3D」)印刷における使用に好適である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記光重合プレポリマ材料の好適性は粘度計を用いて決定される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムは、前記初期重合チャンバ内で前記未処理材料に100から350Jの範囲の放射量で照射するように構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数の初期重合ステーションのそれぞれは、前記コンベヤが前記未処理材料を前記初期重合チャンバに通過させるときに前記未処理材料を照射する1以上の光源を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数の初期重合ステーションのそれぞれは、前記1以上の光源へのアクセスを容易にする蓋をさらに含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記1以上の光源のそれぞれは、それぞれの初期重合ステーションの前記蓋内に含まれており、前記1以上の光源のうち少なくとも1つは、発光ダイオード(「LED」)アレイを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記検出されたシステムイベントは、前記複数の初期重合ステーションのうちの1つの停止した動作を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記1以上のプロセッサは、前記複数の初期重合ステーションの前記停止した動作に応答して、残っている初期重合ステーション内の前記1以上の光源の強度を測定及び増加させるように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記複数の初期重合ステーションのそれぞれは、前記コンベヤが前記未処理材料を前記初期重合チャンバに通過させるときに、空気循環を促進するための少なくとも1つのファン及び1以上の通気孔をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記複数の初期重合ステーションのそれぞれは、前記初期重合チャンバの温度を検知し、前記初期重合チャンバ内の気流の制御を容易にするための1以上の温度センサをさらに含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記1以上のプロセッサは、前記1以上の温度センサにより検知された温度に応答して、前記少なくとも1つのファンの速度を調整するように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
材料を光重合プレポリマ材料に変えるように構成される初期重合チャンバであって、
別のコンベヤが前記材料を前記第1の初期重合チャンバに通過させるときに、材料を第1の強度レベルで照射するように構成される第1の光源を含む第1の初期重合ステーションと、
前記別のコンベヤが前記材料を前記第2の初期重合チャンバに通過させるときに、前記材料を第2の強度レベルで照射するように構成される第2の光源を含む第2の初期重合ステーションと
を備え、前記初期重合チャンバは、前記第2の初期重合ステーションの動作が停止した場合に前記第1の強度レベルを自動的に増加させ、前記第1の初期重合ステーションの動作が停止した場合に前記第2の強度レベルを自動的に増加させるように構成される、
初期重合チャンバ。
【請求項14】
前記第1の光源へのアクセスを容易にする前記第1の初期重合ステーションにおける第1の蓋と、
前記第2の光源へのアクセスを容易にする前記第2の初期重合ステーションにおける第2の蓋と
をさらに備える、請求項13に記載の初期重合チャンバ。
【請求項15】
前記第1の光源は前記第1の蓋内に含まれ、前記第2の光源は前記第2の蓋内に含まれ、前記第1の光源及び前記第2の光源はともにLEDのアレイを含む、請求項14に記載の初期重合チャンバ。
【請求項16】
前記初期重合チャンバの動作を制御するように構成される少なくとも1つのプロセッサであって、前記第2の初期重合ステーションの動作が停止した場合に前記第1の強度レベルを自動的に増加させ、前記第1の初期重合ステーションの動作が停止した場合に前記第2の強度レベルを自動的に増加させるように構成される少なくとも1つのプロセッサをさらに備える、請求項13に記載の初期重合チャンバ。
【請求項17】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記別のコンベヤを制御する別のプロセッサと相互作用するようにさらに構成され、前記相互作用は、前記第1の初期重合ステーションの動作が停止したとき又は前記第2の初期重合ステーションの動作が停止したときに、前記別のコンベヤの速度を遅くするように前記別のプロセッサに命令を送ることを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1又は第2の初期重合ステーションのうちの一方が動作を停止し、他方の初期重合ステーションが動作を継続している場合に、前記停止した初期重合ステーションに対してメンテナンスを行う、請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1の初期重合ステーションにおける第1のファンと、
前記第2の初期重合ステーションにおける第2のファンと、
前記第1及び第2の初期重合ステーションにおける複数の通気孔であって、前記第1のファン、前記第2のファン、及び前記複数の通気孔は、前記別のコンベヤが前記材料を前記初期重合チャンバに通過させたときに空気循環を促進する、複数の通気孔と、
前記第1の初期重合ステーションにおける第1の温度センサと、
前記第2の初期重合ステーションにおける第2の温度センサと
をさらに備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1の温度センサ、前記第2の温度センサ、又はこれらの両方により検知される温度に応答して、前記第1のファン、前記第2のファン、又はこれらの両方の速度を調整するように構成される、
請求項16に記載の初期重合チャンバ。
【請求項20】
光重合プレポリマ材料を得る方法であって、
ローディング位置でコンベヤ上に未硬化液体材料を導入し、
前記材料が初期重合チャンバ全体の第1の初期重合ステーションに至るまで前記コンベヤを移動し、
前記第1の初期重合ステーションで前記材料を第1の放射量に曝露し、
前記材料が前記初期重合チャンバ全体の第2の初期重合ステーションに至るまで前記コンベヤを移動し、
前記第2の初期重合ステーションで前記材料を第2の放射量に曝露して、前記材料の少なくとも一部を光重合プレポリマ材料に硬化させる、
方法。
【請求項21】
光重合プレポリマ材料の硬化部分を残った未硬化液体材料から分離し、
前記残った未硬化液体材料を前記コンベヤの前記ローディング位置に戻し、
シュレッダを介して光重合プレポリマ材料の前記硬化部分を供給し、
粉砕された光重合プレポリマをレシーバに搬送する
ステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の初期重合ステーションでの内部温度を監視し、
前記監視した内部温度の変化に応答して、前記初期重合チャンバにおけるファンの速度を調整して前記初期重合チャンバ内の気流を調整する
ステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連する出願に対する相互参照】
【0001】
本出願は、2019年4月29日に提出された「光重合プレポリマを得るためのシステム」という表題の米国特許出願第16/397,655号の一部継続出願であり、その優先権を主張するものである。当該出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概してプレポリマに関するものであり、より具体的に建築材料としての使用に好適な光重合プレポリマの生成に関するものである。
【背景】
【0003】
過去十年間にわたって、三次元(「3D」)印刷が、製造業において大きな流行語となっており、建築部門のような分野においても浸透し始めてきている。建物の壁を印刷し、セメントを処理することができる現在の3Dプリンタの技術は、伝統的な建築手法及び建築製品の新しい形を作るのに役立ってきた。建築業界における3D印刷の歴史はまだ浅い。2004年にサウスカロライナ大学が3D印刷により壁を作製しようとした。これは当該技術が建築業界に最初に適用された例として広く認められている。2014年には、3D印刷を用いて建設された完全なカナルハウスがアムステルダムで完成した。2016年には、3D印刷された邸宅が中国で完成した。また、2016年には、ドバイ未来財団が3D印刷を使ってオフィスを建設し、これは、商業的建築部門における当該技術に対する大きなマイルストンとして考えられている。120フィート×40フィート×20フィートの大型3Dプリンタにより完全に機能する2,700平方フィートの建物がたった17日で建設された。
【0004】
建築における3D印刷の利点は、スピード、廃材減少、設計の自由度、及び人間による間違いの減少にある。建築における3D印刷の問題は、高いコスト、労働力不足、品質管理、及び適切な規制がないことにある。しかしながら、建築において3D印刷を使用することは、光重合により重合可能な出発材料をキュアリングする重合システムをはじめとして特許文献において既に言及されている。
【0005】
2016年7月19日にP. Xu氏等に対して発行された米国特許第9,394,441号は、三次元印刷システムに使用される建築材料を開示している。この材料は、キュアリング可能なオリゴマ材料と、反応成分と、1以上のウレタンワックスを含む非反応成分と、少なくとも1つの希釈材とからなる。この材料の反応成分は、キュアリング可能なオリゴマ材料及び/又は少なくとも1つの希釈材に含まれる化学部分と重合可能な少なくとも1つの化学部分である。反応成分は、建築材料内に結晶領域として存在している。
【0006】
米国特許第9,394,441号は、光重合によって重合材料をキュアリングすることを明確に教示していないが、そのようなキュアリング方法があると考えることができる。ある実施形態においては、好適な光開始剤は、アセトフェノン、便利なものとして2,2-ジアルコキシベンゾフェノン及び1-ヒドロキシフェニルケトン、例えば1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン又は2-ヒドロキシイソプロピルフェニルケトン(=2-ヒドロキシ-2,2-ジメチルアセトフェノン)をはじめとしてHeCdレーザ照射源とともに使用することができるものを含むと述べられている。
【0007】
さらに、ある実施形態においては、好適な光開始剤は、ベンジルジメチルケタールのようなベンジルケタールをはじめとしてArレーザ放射源とともに使用することができるものを含んでいる。ある実施形態においては、光開始剤は、α-ヒドロキシフェニルケトン、ベンジルジメチルケタール又は2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド又はこれらの混合物を含んでいる。
【0008】
2005年8月9日にR. Burgess氏に対して発行された米国特許第6,927,018号は、光活性化建築材料を用いた三次元印刷に関するものである。この公報は、光活性化可能な建築材料を用いた方法、製品、及び製品を製造するためのシステムを開示している。当該方法は、光活性化可能な建築材料の層を予め選択された面に付与する工程と、複数の発光核を用いて所定の光強度で所定の距離で当該層をスキャンして、建築材料の重合を得るための所定の光開始プロセスにより光活性化可能な建築材料を光活性化する工程と、製品が製造されるまで、直前の層にそれぞれ層を付与する工程と建築材料を重合するために複数の発光核を用いて当該層をスキャンする工程とを繰り返す工程とを含む。提案されている3D印刷方法における建築要素の製品に好適な材料として本明細書で例示されている光活性化可能な建築材料は、Shipley社のMicroposit S1800シリーズのフォトレジストである。Shipley社のMicroposit S1800シリーズのフォトレジストは、広帯域露光に効果的なG線(0.436ミクロン)露光に最適化されており、高解像度プロセスパラメータを有している。例えば、Shipley社のMicroposit S1813は、12.3マイクロメートルの厚さを有し、重合(「印刷」)に150mJ/cm2を必要とし、G線(0.54NA)で重合され得る。
【0009】
有機ポリマを形成する以前の方法はこれまで有効に機能してきたが、改良は常に有益なものである。特に、求められているものは、建物の構成要素の3D印刷での使用に適した光重合プレポリマの形成のための改良されたシステム及び方法である。
【概要】
【0010】
本開示は、3D印刷プロセスを用いて建物又は建物の構成要素を製造するのに好適な材料としての光重合プレポリマを得るためのシステム及び方法に関するもあのである。そのような建物の構成要素には、壁、床、外装材及び内装材、家具、他のアウトドア及びインドア用品などが含まれ得る。これは、前駆体ローディングステーションと初期重合材料レシーバとの間に架け渡された柔軟なベルトのような閉ループコンベヤを含むシステムを用いることで実現することができる。初期重合材料レシーバから製品が、追加される無機充填剤用ミキサにアンロードされた後、建築3D印刷機にアンロードされる。コンベヤは、閉ループコンベヤのプーリの周囲をループしている複数の柔軟なトレイを移送することができる。あるプーリは、駆動モータを有する駆動プーリであり得る。トレイは、開放された上部を有し、前駆体の投与された部分を搬送する浅いトラフである。前駆体は、ローディングステーションからアンローディングステーションまでの途中で2つの光重合ステーションの光源の下を連続的に通過することにより光重合される。
【0011】
コンベヤは、未処理(すなわち前駆体)材料のためのローディングステーションと、ローディングステーションの反対側のアンローディング位置とを有し得る。トレイは、ローディングステーションにおいて上方に向いた材料を受け取り、アンローディングステーションを通過させた後、コンベヤの裏側でローディングステーションに向くように反転することができる。光重合ステーションは、所定の波長で動作し、所定の光エネルギー量でトレイ内の材料に照射して材料を所望の粘度に予備硬化させる複数の発光素子を含み得る。粘度、放射量、露光時間、露光強度、温度などのプロセスのパラメータは、中央処理演算装置により自動的に制御され得る。アンローディングの前に、未硬化液体を予備硬化プレポリマから分離することができ、再利用のためにローディングステーションに戻される。
【0012】
本開示の様々な実施形態においては、光重合プレポリマ製造システムは、少なくともコンベヤ、初期重合チャンバ、及び1以上のプロセッサを含むことができる。コンベヤは、未処理材料をローディング領域からアンローディング領域に移動するように構成され得る。初期重合チャンバは、コンベヤに近接して配置され、コンベヤに対して順番に配置される複数の初期重合ステーションを有し得る。初期重合チャンバは、コンベヤが未処理材料を初期重合チャンバに通過させるときに、未処理材料の少なくとも一部を光重合プレポリマ材料に変えることができる。プロセッサは、コンベヤ、初期重合チャンバ、又はこれら両方の動作を制御するように構成され、検出されたシステムイベントに応答して、コンベヤ、初期重合チャンバ、又はこれら両方の動作を変更することができる。
【0013】
様々な詳細な実施形態においては、(無機充填剤添加後の)光重合プレポリマ材料は、建物又は建物の構成要素の3D印刷における使用に好適であり得る。複数の初期重合ステーションのそれぞれは、コンベヤが未処理材料を初期重合チャンバに通過させるときに、未処理材料を照射する1以上の光源を含み得る。複数の初期重合ステーションのそれぞれは、1以上の光源へのアクセスを容易にする蓋をさらに含んでおり、光源を蓋内に含めることができる。光源の一部又は全部は、発光ダイオード(「LED」)のアレイを含み得る。様々な実施形態においては、検出されたシステムイベントは、複数の初期重合ステーションのうちの1つの動作の停止を含み得る。プロセッサは、複数の初期重合ステーションのうちの1つの動作の停止に応答して、残っている初期重合ステーションにおける1以上の光源の強度を増すように構成され得る。また、複数の初期重合ステーションのそれぞれは、コンベヤが未処理材料を初期重合チャンバに通過させるときに空気循環を促進する少なくとも1つのファン及び1以上の通気孔を含み得る。
【0014】
本開示の様々なさらなる実施形態においては、材料を光重合プレポリマ材料に変えるように構成される初期重合チャンバは、第1の初期重合ステーション及び第2の初期重合ステーションを含み得る。第1の初期重合ステーションは、別のコンベヤがプレポリマ材料を第1の初期重合チャンバに通過させるときに材料を第1の強度レベルで照射するように構成される第1の光源を含み得る。第2の初期重合ステーションは、別のコンベヤが材料を第2の初期重合チャンバに通過させるときに材料を第2の強度レベルで照射するように構成される第2の光源を含み得る。初期重合チャンバは、第2の初期重合ステーションの動作が停止したときに、第1の強度レベルを自動的に増加させるように構成され得、第1の初期重合ステーションの動作が停止したときに、第2の強度レベルを自動的に増加させるように構成され得る。
【0015】
様々な詳細な実施形態においては、初期重合チャンバは、第1の光源へのアクセスを容易にする第1の初期重合ステーションにおける第1の蓋と、第2の光源へのアクセスを容易にする第2の初期重合ステーションにおける第2の蓋とを含み得る。第1の光源は第1の蓋内に含められ得、第2の光源は第2の蓋内に含められ得る。両方の光源はLEDアレイを含み得る。初期重合チャンバは、第2の初期重合ステーションの動作が停止したときに第1の強度レベルを自動的に増加させ、第1の初期重合ステーションの動作が停止したときに第2の強度レベルを自動的に増加させるように構成されるプロセッサを含み得る。また、プロセッサは、別のコンベヤを制御する別のプロセッサと相互作用するように構成され得る。これは、第1の初期重合ステーションの動作が停止したとき又は第2の初期重合ステーションの動作が停止したときに別のコンベヤを遅くするように別のプロセッサに命令を送信することを含み得る。他の初期重合ステーションが動作を継続しているときに第1又は第2の初期重合ステーションの一方の動作が停止することは、停止した初期重合ステーションに対してメンテナンスを行うことを含み得る。初期重合チャンバは、第1の初期重合ステーションにおける第1のファン、第2の初期重合ステーションにおける第2のファン、及び第1及び第2の初期重合ステーションにおける複数の通気孔を含み得る。ファン及び通気孔は、別のコンベヤが材料を初期重合チャンバに通過させるときに空気循環を促進することができる。
【0016】
本開示のさらなる実施形態においては、光重合プレポリマ材料を得る様々な方法が提供される。関連する方法ステップは、ローディング位置で未硬化液体材料をコンベヤ上に導入し、材料が初期重合チャンバ全体の第1の初期重合ステーションに位置するまでコンベヤを移動させ、第1の初期重合ステーションにおいて第1の放射量に材料を曝露し、材料が初期重合チャンバ全体の第2の初期重合ステーションに位置するまでコンベアを移動させ、第2の初期重合ステーションにおいて第2の放射量に材料を曝露することを含み得る。第2の放射量は、材料の少なくとも一部を光重合プレポリマ材料に硬化させ得る。追加の方法ステップは、残った未硬化液体材料から光重合プレポリマ材料の硬化部分を分離し、残った未硬化液体材料をコンベヤのローディング位置に戻し、シュレッダを介して光重合プレポリマ材料の硬化部分を供給し、粉砕された光重合プレポリマをレシーバに移送することを含み得る。
【0017】
本開示の他の装置、方法、特徴、及び利点は、以下の図及び詳細な説明を精査すれば当業者に明らかであるか、明らかになるであろう。そのような追加の装置、方法、特徴及び利点はすべて本説明に含まれ、本開示の範囲内であり、添付の特許請求の範囲により保護されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
ここに含まれる図面は、説明のためのものであり、光重合プレポリマを得るための開示された特徴、装置、システム及び方法について考えられる構造及び構成を提供するためだけのものである。これらの図面は、本開示の精神及び範囲を逸脱することなく本開示に対して当業者によりなされる、形態及び詳細におけるいかなる変更をも制限するものではない。
【0019】
図1図1は、本開示の一実施形態による光重合プレポリマを得るための例示システムの模式図を側面図で示すものである。
【0020】
図2図2は、本開示の一実施形態による図1のシステムのコンベヤ上で使用される例示トレイを前方斜視図で示すものである。
【0021】
図3図3は、本開示の一実施形態による図1のシステムとともに使用される例示コンベヤ及び初期重合チャンバを前方斜視図で示すものである。
【0022】
図4図4は、本開示の一実施形態による図3のコンベヤ及び初期重合チャンバを平面図で示すものである。
【0023】
図5図5は、本開示の一実施形態による図3のコンベヤ及び初期重合チャンバを背面図で示すものである。
【0024】
図6A図6Aは、本開示の一実施形態による図3のコンベヤ及び初期重合チャンバを側断面図で示すものである。
【0025】
図6B図6Bは、本開示の一実施形態による図3のコンベヤ及び初期重合チャンバを側面図で示すものである。
【0026】
図7図7は、本開示の一実施形態による1つの初期重合ステーション蓋が開いた状態の図3のコンベヤ及び初期重合チャンバを後方斜視図で示すものである。
【0027】
図8A図8Aは、本開示の一実施形態による例示初期重合チャンバを正面図で示すものである。
【0028】
図8B図8Bは、本開示の一実施形態による図8Aの初期重合チャンバを底面図で示すものである。
【0029】
図9図9は、本開示の一実施形態による光重合プレポリマ材料を得る例示方法のフロー図を示すものである。
【詳細な説明】
【0030】
このセクションでは本開示による装置、システム、及び方法の例示的な利用について述べる。これらの例は、背景を追加し、本開示の理解を手助けするためだけに提供されている。本明細書で提供されているこれらの具体的な詳細の一部又は全部がなくても本開示を実施し得ることは当業者には明らかなことである。ある例においては、本開示が不必要に不明瞭になることを避けるために、公知のプロセスステップが詳細には述べられていない。他の利用も考えられるため、以下の例は限定的なものと解釈すべきではない。以下の詳細な説明では、添付図面が参照される。この添付図面は、説明の一部を構成しており、添付図面においては、本開示の特定の実施形態が例として示されている。これらの実施形態は、当業者が本開示を実施できる程度に十分に詳細に述べられているが、これらの例は限定的なものではなく、他の実施形態を用いることができ、本開示の精神及び範囲を逸脱することなく変更が可能であることは理解できよう。
【0031】
本開示は、様々な実施形態において、光重合プレポリマを得るための特徴、装置、システム、及び方法に関するものである。特に、開示されている実施形態は、建物又は壁、床、外装材及び内装材、家具、他の屋外及び屋内の特徴などのような建物の構成要素の3D印刷における3D印刷材料としての(無機充填剤の添加後の)使用に好適な光重合プレポリマを得るために使用することができる。開示されているシステムは、コンベヤ、初期重合チャンバ、及びこの目的のための1以上のプロセッサを含み得る。
【0032】
初期重合チャンバは、コンベヤがプレポリマを初期重合チャンバに通過させる際に未処理材料を光重合プレポリマ材料に変えるために順番に配置される複数の初期重合ステーションを有し得る。それぞれの重合ステーションは、材料を照射する光源を含み得る。それぞれの光源は、初期重合ステーションの蓋の中に位置し得る。1つの重合ステーションの動作が停止すると、システムプロセッサは、残りの重合ステーションの光源の強度を増加させるか、コンベヤ速度を遅くするか、あるいはこれらの両方を行い得る。
【0033】
本明細書に開示される様々な実施形態は、材料の特定の組成及び材料をキュアリングするための特定の光の構成について述べているが、開示されている特徴、装置、システム、及び方法は、建物及び建物の構成要素の3D印刷に好適なキュア材料を得るための他の材料の組成及び他のキュアリング構成に対しても同様に使用され得ることは容易に理解できるであろう。例えば、開示されている特徴及び実施形態は、異なる波長の光の他の形態とともに使用され得るし、初期重合ステーションの他の構成、1つ、3つ、又はそれよりも多くのステーションも使用され得る。図示された実施形態以外の他の応用例、構成、及び推論も考えられる。
【0034】
システム全体
まず図1を参照すると、光重合プレポリマを得るための例示システム(「システム」)の模式図が側面図で示されている。システム20は、3D印刷による建物又は建物部品の製造において他の構成要素との混合物において使用される光重合有機材料の調製を意図しているものである。このシステム20は、光重合可能材料の途中に設けられた光源から発される光の影響下で初期重合可能材料に照射することにより、光硬化性光重合可能材料の連続的及び効果的な初期重合を提供することを意図しているものである。この光重合可能材料は出発材料ローダから初期重合材料出力ステーションに移送される。
【0035】
より具体的には、図1に示されるように、システム20は、閉ループコンベヤ22、例えば、ローディング位置、すなわち初期重合可能材料入力ステーション24からローディング位置とは反対側のアンローディング位置、すなわち初期重合材料出力ステーション26まで延びる柔軟なベルトの形態の移送ユニットを含んでいる。入力ステーションはタンク27を備えており、このタンク27は、液体状態の開始光初期重合可能材料28と、(一部の組成を)液体媒体中に懸濁させた固体PEG 4000粉末とを含んでいる。
【0036】
閉ループコンベヤ22、すなわち柔軟なベルトは、プーリ30及び32の周囲に案内され、プーリ30及び32の一方、例えばプーリ30は駆動プーリであり、他方、すなわちプーリ32は従動プーリである。プーリ30は、ドライバ(図示せず)を介してモータ34により回転駆動される。コンベヤ22の上側移送部は矢印A(図1)の方向に移動する。コンベヤ22の表面には、複数の初期重合トレイ(以下、「材料受取トレイ」という)36a,36b,...36n(図1)が取り付けられている。トレイは、所定の距離で互いに離間していてもよく、あるいは、トラクタトラックのリンクとして互いに接続されていてもよい。
【0037】
図2に続くと、図1のシステムのコンベヤに関して使用される例示トレイが前方斜視図で示されている。トレイ36aは、浅い矩形トラフであり、開放された上部と、側壁36a1,36a2,36a3,36a4と、底板38とを有している。材料受取トレイは、単なる例として矩形の本体として示されており、トレイは、正方形、六角形、又は他の任意の好適な形状を有していてもよいことが理解される。トレイ36a,36b,...36nは、コンベヤ22、すなわちベルトに固定されており、プーリ34及び36の周囲を通る必要があるので、これらは柔軟な材料、例えば、液体の光重合可能材料28に対して化学的に不活性であり、プーリの周囲をループすることが可能な例えばシリコーンにより形成される。光重合可能材料のキュアリングの効率を上げるために、側壁36a1,36a2,36a3,36a4及び底板38の内面は反射コーティングで被覆されていてもよい。
【0038】
換言すれば、コンベヤ22は、未処理材料ローディングステーション側のローディング位置と、ローディング位置とは反対側のアンローディング位置とを有しており、材料受取トレイがアンローディング位置を通過するときに、材料受取トレイは、上下反対の位置に、すなわちトレイの開放された上部が下方を向く位置に反転される。
【0039】
システム20は、固定初期重合チャンバ38を含み得る。この固定初期重合チャンバ38は、ローディング材料入力ステーション24から初期重合材料出力ステーション26の途中で材料受取トレイ36a,36b,...36nを通過させるための、コンベヤ22の上方に順番に配置された第1の初期重合ステーション38aと第2の初期重合ステーション38bとを有し得る。材料受取トレイ36a,36b,...36nは、特に駆動プーリ30の駆動モータ34の動作速度をフィードバックライン42を介して制御する中央処理演算装置40の制御下において初期重合ステーション38a及び38bを連続的又は間欠的に通過する。
【0040】
2つの初期重合ステーション38a及び38bは、プロセスを中断させないために1つだけで使用されないようにしてもよい。これらのステーションのうち一方が故障すると、他方が動作し続け、プロセスが中断されない。様々な実施形態においては、光重合運動曲線が指数関数的な形態を有しているので、光初期重合プロセスを2つ以上の段階に分けることにより、最終製品における粘度をより細かく選択することが可能になる。両方のステーションの通常動作中は、その光エネルギー量は50%/50%として共有される。一方のステーションだけが動作している場合は、そのステーションに対する負荷が増加する。さらに、2段階の初期重合を用いることにより、初期重合プロセスをより上手く制御することができ、得られる製品の品質を向上することができる。初期重合チャンバ38及びその様々な構成要素のさらなる能力及び特徴は、図3から図8B及びその関連する説明においてより詳細に述べられる。
【0041】
材料受取トレイ36a,36b,...36nを満たす光重合可能材料は、入力ステーションタンク37から投入弁44を介してこれらのトレイに供給される。トレイに含まれる材料は、それぞれのステーション38a及び38b内の材料受取トレイ36a,36b,...36nの経路の真上に設置された光源46及び48から出射される光の影響を受けて光重合により初期重合化する。それぞれの光源46及び48は例えば複数のLEDを含み得る。
【0042】
両方のステーション38a及び38bの光源46及び48は、例えば2から50Wtの範囲の合計光照射パワーを提供し得る。本発明の特定の一実施形態によれば、それぞれのステーションでは、LEDが矩形又は正方形状の平坦な行列状に配置されている。LEDは、405nm、440nmなどの様々な波長で動作し得る。光源46及び48に対する主な条件は、±5%の範囲の正確性を持ってトレイ内の材料に高い均一性で照射することである。それぞれの光源46及び48は、例えば300個のLEDを含み得る。この数は例示としてのみ提示されているものであって、最終的な結果は、初期重合可能材料に照射された合計光量により定義されることは理解されよう。光源46及び48は、交換可能であってもよく、同一の又は異なる波長で動作するものであってもよい。
【0043】
光重合可能な異なる前駆体は、異なる波長の光照射に対して異なる態様で反応し得ることが知られている。したがって、上述したように、光源46及び48は、交換可能であってもよく、異なる波長のLEDから構成されていてもよい。例えば、光源46及び48は、405nmの波長で、あるいは440nmの波長で動作してもよく、あるいは、これらのうち一方が405nmの波長で動作し、他方が440nmの波長で動作してもよい。これらの特定の波長は例示としてのみ提示されていることは理解されよう。
【0044】
得られるプレポリマを3D印刷において使用される他の成分と後で混合して使用するのに許容される最適なパラメータで最終製品を得るための最適光量は、露光時間と照射器のパワーを調整することにより得ることができる。換言すれば、光量Dは以下の式で表現することができる。
D=W・texp
ここで、Wは初期重合可能材料が露光されたパワーであり、texpは露光時間である。このように、Dの値は、パワーW、露光時間texp、又はこれら両方を変化させることにより調整可能である。
【0045】
光出射器の下に光重合可能材料が置かれる硬化時間及び出射される光パワーの強度、すなわち放射量は、(例えば、2秒から60秒の範囲内で)調整可能であり、使用される材料及び受け入れる初期重合材料の粘度に依存する。
【0046】
第2の露光ステーション38bを通過した後に得られる初期重合材料は、(均質化後における)粘度が10,000から100,000cPsの範囲のゼラチン状の物質である。実際には、この段階で得られる材料は、ゼラチン状の物質と液体とから構成される。粘度は、3D印刷機(図面では示されていない)のパイプラインを通って得られたプレポリマと混合されて調製される3D印刷材料の流動性を得るように選択される。
【0047】
初期重合材料出力ステーション26は、トレイが従動プーリ32の周囲を回るときに第2のステーション38bを通過した初期重合製品がトレイから落ちる分離器50を含んでいる。分離器の内部は、チラブルふるい50cにより2つの区画50a及び50bに分割されている。傾斜可能ふるい50cは、初期重合材料の液相を区画50bに通し、ゼラチン状の相を区画50aに保持する。区画50aから、ゼラチン状の相は、漏斗51を通って初期重合材料レシーバに供給される。図示されている場合では、初期重合材料レシーバは、シュレッダ52のような粉砕器として示されている。シュレッダ52は、ツインシャフトワグナーシュレッダWTS500(オーストリア)などの従来からある工業的シュレッダである。シュレッダは、ゼラチン状の物質を例えば1~10mmの範囲の寸法の小片に分断する。
【0048】
破砕された初期重合最終生成物は、建物又は建物の部品を3D印刷するために必要とされる鉱物又は他の物質と混合される成分の1つであり、(鉱物充填剤(図示せず)添加後に)システムからアンロードされて最終プレポリマレシーバ54から3D印刷機(図示せず)に送られる。同時に、区画50bに溜まる初期重合材料の液相は、ポンプユニット56の動作によって戻しパイプライン58を通って初期重合可能材料入力ステーション24に戻り得る。最終プレポリマレシーバ54は、得られた破砕され均質化された初期重合物の粘度を3D印刷機にアンロードされる前に測定するオンライン粘度計60を備えている。粘度計の例としては、高速で正確な粘度計測が可能なTT-100 IECEx粘度計が挙げられる。ブランド:AMETEK Brookfield(商標)。
【0049】
粘度計60は、フィードバックライン62を介して中央処理演算装置40にリンクされている。上述したように、中央処理演算装置40は、モータ34の回転速度、ひいてはコンベヤ22の直線速度、及び光出射器38a及び38bのパワー、ひいては光重合可能材料の放射量を制御及び調整し得る。
【0050】
破砕され均質化されたプレポリマの流動可能な最終的な量の粘度及び他の性能特性に影響を与える初期重合の程度は、光重合のプロセス中の材料の照射量に依存し、そのような量は、初期重合ステーション38a及び38bから出射される光のパワーにより定義されることは理解できるであろう。システム20において、最終製品の粘度は、第1のステーション38aでの露光時間、第2のステーションでの露光時間、コンテナ28内の出発材料の粘度、光重合可能材料の層の厚さなどの変数に依存するので、システムを安定モードの連続及び自動運転に設定する前に実験的にこれらのパラメータを選択するのが良いであろう。
【0051】
あるいは、それぞれのトレイにおける材料層の必要とされる厚さは、平行単色光ビームが吸収媒体中を伝搬するときの減衰を決定するブーゲ-ランバートの法則に基づく計算により予め決めることができる。
【0052】
換言すると、光重合ステーション38a及び38bの照明器から出射された光は、構成要素の光吸収係数がわかると、層の深さ方向に指数関数的に減少するので、トレイ内の材料層の厚さを評価することができる。
【0053】
初期重合チャンバ
次に、初期重合チャンバ38及びその様々な構成要素及び関連する部分のさらなる詳細について図3から図8Bを具体的に参照して説明する。図3から始めると、図1のシステムとともに使用される例示のコンベヤと初期重合チャンバが前方斜視図で示されている。再び、システム20は、材料を保持した複数のトレイ36aをシステム中で移動させるためにプーリ30,32により駆動される閉ループコンベヤ22を含み得る。初期重合チャンバ38は、2つの光重合ステーション38a及び38bを含み得るが、ある実施形態においては異なる数のステーションが用いられてもよい。複数の初期重合ステーション38a,38bを用いることは、ステーションの故障、メンテナンスなどによりステーションのうちの1つの動作が停止した場合であっても、システム20が動作を継続することができるので、有利であり得る。
【0054】
中央処理演算装置40は、初期重合チャンバ38に位置し得るもので、一部の構成においては初期重合チャンバの一部であると考えることができる。中央処理演算装置40は、初期重合チャンバ38の上で初期重合ステーション38a,38bの間に位置し得る。例えば、中央処理演算装置40は、内部プロセッサ(図示せず)とともに、システムユーザに対して入力及び出力の能力を提供するためのディスプレイスクリーン41及びボタン43を有し得る。そのような入力は、例えば、光源の強度の調整、露光時間の調整、コンベヤ速度及びタイミングの調整などを含み得る。ある実施形態においては、中央処理演算装置40は、コンベヤ22の速度又はタイミングを直接制御せずに、コンベヤ22を制御する他のプロセッサと通信するインタフェイスを含んでいてもよい。そのような構成においては、中央処理演算装置40は、必要に応じてコンベヤ22の動作を調整するように別のコンベヤプロセッサに指示を送ってもよい。
【0055】
第1の初期重合ステーション38aは、ファン35、通気孔45、蓋39a、蓋39aに連結されるハンドル49a、及び蓋を初期重合チャンバ38に取り付けたままにしつつ、蓋39aを開けるのを簡単にするヒンジ又は軸受47を含み得る。同様に、第2の初期重合ステーション38bも、ファン35、通気孔45、蓋39b、蓋39bに連結されるハンドル49b、蓋を初期重合チャンバ38に取り付けたままにしつつ、蓋39bを開けるのを簡単にするヒンジ又は軸受47を含み得る。様々な配置において、コンベヤ22がトレイ36aのような様々なトレイを材料ローディングステーションから初期重合チャンバ38を通過させて移動する間、初期重合チャンバ38は静止したままであり得る。
【0056】
ファン35及び様々な通気孔45は、第1の初期重合ステーション38a及び第2の初期重合ステーション38bのそれぞれで材料が照射される間、初期重合チャンバの内部領域を通る空気循環を促進することができる。再び、それぞれの初期重合ステーション38a,38bは、材料が通過する際にその材料を照射するために使用される自身の内部光源(図3では図示せず)を有し得る。それぞれの内部光源は、例えば30×20のLEDアレイのような紫外線LEDアレイであり得る。
【0057】
1以上の温度センサ(図示せず)は、初期重合ステーション38a,38bのうち一方又は双方の内部又はその周囲に内部的に配置され得る。中央処理演算装置40は、温度センサからの信号によりステーション38a,38bの内部温度を監視し得る。中央処理演算装置40は、ステーション38a,38bに取り込まれる気流の量を調整するためにファン35の速度を独立して制御し得る。気流はステーション38a,38bの内部温度を規制する。
【0058】
それぞれの初期重合ステーションドア又は蓋39a,39bは、初期重合ステーションの内部領域へのアクセスを提供するために、取り付けられたハンドル49a,49bによってそれぞれ開けることができる。これにより、例えば故障した、あるいは機能不良の様々なLEDや他の光源構成要素のメンテナンスや交換が可能になる。一部の構成においては、中央処理演算装置40は、中央処理演算装置が以下に述べるようにシステムの動作を変更できるように光源が適切に動作しなくなったときや1以上の蓋39a,39bが開いたときなどのシステムイベントを検出するように構成され得る。
【0059】
図4図7は、説明を加えるために様々な別の視点において図3のコンベヤ及び初期重合チャンバを示すものである。図4は平面図、図5は背面図、図6Aは側断面図、図6Bは側面図、及び図7は一方の初期重合ステーションの蓋が開いた状態の後方斜視図である。
【0060】
図7に示されるように、初期重合ステーション38bの蓋39bはヒンジ47周りに開かれており、その内部光源48が見えている。一部の構成においては、蓋39bが閉まっているときに、初期重合ステーション38bの内部で光源48の下を通過する材料を光源48が簡単に照射するように、また、蓋39bが開いているときに、光源48を簡単に使用可能にするように、光源48は蓋39bの中に取り付けられ得る。初期重合ステーション38aの光源46も初期重合ステーションの蓋39aの中で同様の状態にある。
【0061】
閉じられた蓋39bは、開口55を取り囲むリップ53上に位置し得る。透明なパネル57(例えば、ガラス、プレキシガラス又は他の好適な透明な材料からなるパネル)は、高分子材料、塵、及び/又は他の汚染物質が内部光源48に付着することを防止するために開口の周囲に配置され得る。透明パネル57は、パネルの表面の清浄を可能にするために取り外されてもよい。透明パネル57は、光源48から発された紫外線放射を阻害しないように1.5未満の屈折率を有し得る。一部の構成においては、透明パネル57は、半透明であってもよいが、光源からの紫外線放射又は他のキュアリング光を初期重合ステーション内で処理される高分子材料に通過させることができるようになっていてもよい。一部の構成においては、別の及び/又は追加の透明又は半透明のパネルが蓋39bの裏面に連結され得る。リップ53、開口55、及び透明パネル57のような同一又は実質的に類似する特徴は重合ステーション38aにも存在し得る。
【0062】
図8Aは、例示の初期重合チャンバを正面図で示しており、図8Bは、同じ初期重合チャンバを底面図で示している。図8Bに示されるように、両方の初期重合ステーションの両方の光源46,48は、見えるようになっており、材料がその下を通過するときにその材料を照射するように作動され得る。光源46,48は30×20のLEDアレイを有するものとして示されているが、他のサイズ及び形状のアレイを用いてもよく、材料をプレキュア又はキュアするために他の種類の光源を代わりに用いてもよいことは理解できるであろう。
【0063】
温度センサ59は、処理中に内部温度を測定するように初期重合ステーションのそれぞれの内部に位置し得る。これらの温度センサ59は、中央処理演算装置又は内部温度を監視する適切なシステム動作のための他の処理構成要素に連結され得る。例えば、第1の温度センサ59は、ある初期重合ステーション内のファン35に近接して配置され、第2の温度センサ59は、他の初期重合ステーション内のファン35に近接して配置され得る。それぞれの温度センサ59から中央処理演算装置又は他のシステムプロセッサに温度の示度を送信することができ、これに従って、中央処理演算装置又は他のプロセッサが、温度の示度に基づいて1以上のファンの速度を調整して、初期重合チャンバを通じて気流を適切に増加又は減少させることができる。
【0064】
また、光強度センサ69が、処理中に光強度を測定するために初期重合ステーションのそれぞれの内部に位置し得る。また、これらの光強度センサ69は、中央処理演算装置又は内部光強度を監視する適切なシステム動作のための他の処理構成要素に連結され得る。例えば、4つの光強度センサ69が初期重合ステーションの内部隅部に近接して配置され得る。それぞれの光強度センサ69から中央処理演算装置又は他のシステムプロセッサに光強度の示度を送信することができ、これに従って、中央処理演算装置又は他のプロセッサが、光強度の示度に基づいて関連するLED又は他の光源の強度を調整して、それぞれの初期重合チャンバを通じてLEDのパワーを適切に増加又は減少させることができる。
【0065】
上述したように、中央処理演算装置40は、光源46,48が適切に動作しなくなったときや初期重合ステーション38a,38bが正しく動作しなくなったとき、蓋39a,39bの一方が開いたとき、マニュアルオーバーライド入力、あるいは光源46,48からそこを通過する基礎材料に照射が適切に行われていないような他の状況など、あるシステムイベントを検出するように構成され得る。そのようなシステム井ベンドが検出されると、中央処理演算装置40は、初期重合ステーションのうちの1つの動作が停止している場合であっても全体のシステム処理が継続できるようにシステムの動作を変更するように自動的に動作を行うことができる。
【0066】
一部の構成においては、そのような動作は、まだ動作可能な初期重合ステーションの光源の強度を増加させることを含み得る。2台よりも多くの初期重合ステーションがある場合には、これは、残っている動作可能な初期重合ステーションの一部又はすべての強度を増加させることを含み得る。例えば、何らかの理由により初期重合ステーション38aの動作が停止した場合、中央処理演算装置40は、そのようなイベントを検出し、自動的にまだ動作可能な初期重合ステーション38bの光源48から発される光の強度を2倍にすることができる。このように、システム20全体は、初期重合ステーション38aの効果的な動作が停止し続けていても動作し続け同様の品質の光重合プレポリマを生産し続けることができる。何らかの理由で初期重合ステーション38bの動作が停止した場合も同様の調整を行うことができる。
【0067】
これに代えて、あるいはこれに加えて、中央処理演算装置40により取られる動作は、コンベヤ22の機能を変更することを含み得る。これは、機能に所望の変更を行うためにコンベヤ22用の別のコントローラに命令を送信することを含み得る。そのような変更された機能は、例えば、材料が、機能している光源の下方にあり、この光源により照射されているときに、より長い間の期間コンベヤを移動させないことを含み得る。初期重合ステーションのうちの1つの動作が停止しているときにシステム全体の動作を継続するという所望の結果を達成するために、システムの他の変更された機能も考えられる。様々な構成においては、中央処理演算装置40は、先に停止した初期重合ステーションがオンラインに戻ったことを検出するように構成され得、システム動作を通常に再変更することができる。
【0068】
材料結果
図1を再び参照すると、入力ステーション24に供給される供給原材料28は、例えば、以下の表1に示される成分からなる液体混合物であり得る。材料28の粘度は5から15cPsの範囲、その密度は1.0から1.2kg/lの範囲であり得る。
【0069】
生成された初期重合材料は、例えば10,000から100,000cPsの範囲の粘度を有するゼラチン状の均質物質である。この材料は、向上した接着性、環境に対する耐性、低い収縮特性、及び短い固化時間を有する。これらの特性の組み合わせにより、従来の初期重合材料を用いた場合よりも短い時間で所望の3D印刷結果を実現することが可能となる。
【表1】
【0070】
図9は、本開示の一実施形態により光重合プレポリマ材料を得る例示的方法100のフロー図を示している。開始ステップ102の後、第1のプロセスステップ104は、当該分野において知られている方法で投入弁を介して制御された所定の投入量で未硬化液体光重合可能材料をそれぞれの可動トレイに導入することを含み得る。充填ステーションでは、中央処理演算装置からコンベヤモータに送信されたコマンドによりそれぞれのトレイが停止する。
【0071】
続くプロセスステップ106では、充填動作が完了した後、コンベヤベルトはその運動を引き受けて、第1の初期重合ステーションの光源の真下の位置にトレイが揃うまで移動することができる。
【0072】
次のプロセスステップ108では、材料は、第1の初期重合ステーションで所定の第1の放射量に曝露され得る。これにより、第1の所望の初期重合度まで光重合可能材料の初期重合を行うことができる。
【0073】
第1のステーションでのプレキュアリングの後、次のプロセスステップ110では、コンベヤベルトが再びその運動を引き受けて、第2のステーションの光源でプレキュアされた材料を含むトレイを揃える。
【0074】
続くプロセスステップ112において、ステージ上でプレキュアされた材料は、その後、所望の初期重合度を得るために所定の第2の放射量に曝露される。
【0075】
プーリ周りの無限ループ経路に沿ってコンベヤが続きながら、プロセスステップ104~112を連続的に進めることができる。
【0076】
プロセスステップ114では、トレイは、コンベヤの縁部に到達し、プーリ周りにループすることによりその方向を変える。そこで、トレイは、最終的なゼラチン状の初期重合材料を分離器の第1の区画に落下させる。取得された材料は、未硬化の液相を含むことがある。
【0077】
分離器の次のプロセスステップ116では、未硬化の液相が分離器の第2の区画に流れ込み、ポンプユニットの動作によりパイプラインを介してタンクに戻る。様々な実施形態においては、プロセスステップ116は任意的なものであり得る。
【0078】
次のプロセスステップ118では、分離された均質な初期重合材料は、10,000から100,000cPsの所定の粘度と30から40℃の範囲の温度で得られ、分離器の第1の区画から漏斗を介して粉砕器又はシュレッダに供給され、シュレッダからプレポリマレシーバに供給される。プレポリマレシーバでは、プレポリマの粘度がオンライン粘度計により制御される。様々な実施形態においては、プロセスステップ118は任意的なものであり得る。
【0079】
プロセスステップ120では、完成プレポリマがレシーバから3D印刷機のミキサに向かって矢印Bの方向にアンロードされる。そして、本方法は終了ステップ122で終了する。
【0080】
適用例1
80リットルのトリエチレングリコールジメタクリレートCH2=C(CH3)COO(CH2CH2O)3COC(CH3)=CH2(TEGDMA)、40gのフェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキシド(TPO-初期重合開始剤)及び40gのポリエチレングリコールH(OCH2CH2)nOH(PEG)から光初期重合に好適な初期重合可能混合物が調製された。混合物は、含有物を除去するために濾過され、投入弁44を介してトラフ36aに注ぎ込まれた。トラフ充填時間は50秒であった。その後、充填されたトラフは第1の初期重合ステーション38aに送られた。第1の初期重合ステーションは、最大発光エネルギーが5Wである600個のLEDを含んでいた。これらのLEDのうち約90%(4.5W)のみが初期重合可能混合物を照射するために使用された。照射時間は27秒であった。第1の初期重合で前処理された混合物が第2の初期重合ステーション38bに移送された。第2の初期重合ステーション38bは、合計発光エネルギーが5Wの600個のLEDを含んでいた。これらのLEDのうち約90%(4.5W)のみが初期重合可能混合物を照射するために使用された。照射時間は27秒であった。このように、それぞれのステーションでの照射量は4.5W×27秒=約121.5Jであり、合計照射量は243Jであった。完成した初期重合材料は、ふるい50c及びシュレッダ52を介した濾過の後アンロードされ、その粘度は70,000cpsであった。この場合において、最終製品の粘度が所定の範囲内であったため、この製品は、建築3D印刷において使用するのに好適であった。
【0081】
比較例1
80リットルのトリエチレングリコールジメタクリレートCH2=C(CH3)COO(CH2CH2O)3COC(CH3)=CH2(TEGDMA)、40gのフェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキシド(TPO-初期重合開始剤)及び40gのポリエチレングリコールH(OCH2CH2)nOH(PEG)から光初期重合に好適な初期重合可能混合物が調製された。混合物は、固体PEG4000の残余を除去するために濾過され、投入弁44を介してトラフ36aに注ぎ込まれた。トラフ充填時間は50秒であった。その後、充填されたトラフは第1の初期重合ステーション38aに送られた。第1の初期重合ステーションは、合計発光エネルギーが5Wである600個のLEDを含んでいた。これらのLEDのうち約90%(4.5W)のみが初期重合可能混合物を照射するために使用された。照射時間は10秒であった。第1の初期重合で前処理された混合物が第2の初期重合ステーション38bに移送された。第2の初期重合ステーション38bは、合計発光エネルギーが5Wの600個のLEDを含んでいた。これらのLEDのうち約90%(4.5W)のみが初期重合可能混合物を照射するために使用された。照射時間は10秒であった。このように、それぞれのステーションでの照射量は4.5W×10秒=約45Jであり、合計照射量は90Jであった。完成した初期重合材料は、ふるい50c及びシュレッダ52を介した濾過の後、アンロードされ、その粘度は9000cPであった。この場合において、最終製品の粘度が所定の範囲を超えていたため、この製品は、建築3D印刷において使用するには不適であった。
【0082】
比較例2
80リットルのトリエチレングリコールジメタクリレートCH2=C(CH3)COO(CH2CH2O)3COC(CH3)=CH2(TEGDMA)、40gのフェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキシド(TPO-初期重合開始剤)及び40gのポリエチレングリコールH(OCH2CH2)nOH(PEG)から光初期重合に好適な初期重合可能混合物が調製された。混合物は、固体PEG4000の残余を除去するために濾過され、投入弁44を介してトラフ36aに注ぎ込まれた。トラフ充填時間は50秒であった。その後、充填されたトラフは第1の初期重合ステーション38aに送られた。第1の初期重合ステーションは、合計発光エネルギーが5Wである600個のLEDを含んでいた。これらのLEDのうち約90%(4.5W)のみが初期重合可能混合物を照射するために使用された。照射時間は40秒であった。第1の初期重合で前処理された混合物が第2の初期重合ステーション38bに移送された。第2の初期重合ステーション38bは、合計発光エネルギーが5Wの600個のLEDを含んでいた。これらのLEDのうち約90%(4.5W)のみが初期重合可能混合物を照射するために使用された。照射時間は40秒であった。このように、それぞれのステーションでの照射量は4.5W×40秒=約180Jであり、合計照射量は360Jであった。完成した初期重合材料は、ふるい50c及びシュレッダ52を介した濾過の後、アンロードされ、その粘度は112,000cPであった。この場合において、最終製品の粘度が所定の範囲を超えていたため、この製品は、建築3D印刷において使用するには不適であった。
【0083】
このように、最適な照射量を選択することが、それぞれ80リットル、40g、及び40gの割合で調製されたTEGDMA、TPO、及びPEGからなる混合物の初期重合に関して非常に重要なファクタであることが分かる。TEGDMA、PPO、及びPEGを含む初期重合可能材料に対して、また、所定の割合でのこれらの成分に対してこのような結果が得られたものであることは理解できよう。
【0084】
上述の開示は、簡略化と理解を容易にするために図示と例により詳細が述べられてきたが、上記開示は、本開示の精神及び本質的な特性から逸脱することなく、数多くの他の具体的な変形例及び実施形態において具現化し得ることは理解できるであろう。例えば、LED以外の光源や上記で示したものとは異なる波長を有する光源を用いることができる。また、トレイは、図2に示されるものとは異なる形状を有していてもよく、必ずしも柔軟なものではない。様々な実施形態においては、2つよりも多くの初期重合ステーションを用いることができる。あるいは、1つの初期重合ステーションだけで十分な場合も考えられる。さらに、元の光重合可能成分の要素は、表及び実施例において示されているものとは異なるものであってもよい。加えて、トレイに前駆体材料の投与量をロードするための投入弁に代えて脈動ポンプを用いることができる。様々な他の変更及び改良を行うことができ、本開示は、上述した詳細に限定されるべきものではなく、添付した特許請求の範囲により規定されるべきであることは理解できるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
【国際調査報告】