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特表2023-541592保護壁を有する扉要素を半開位置に保持するための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-03
(54)【発明の名称】保護壁を有する扉要素を半開位置に保持するための装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 65/06 20060101AFI20230926BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
B62D65/06 A
B60J5/04 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515779
(86)(22)【出願日】2021-09-10
(85)【翻訳文提出日】2023-04-20
(86)【国際出願番号】 FR2021051552
(87)【国際公開番号】W WO2022053767
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】20/09294
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514025661
【氏名又は名称】エキスト・サーモプラスチックス
【氏名又は名称原語表記】EXSTO THERMOPLASTICS
【住所又は居所原語表記】55 Avenue de la Deportation, 26100 ROMANS SUR ISERE, FRANCE
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブルジョワ オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】レオン ベルトラン
【テーマコード(参考)】
3D114
【Fターム(参考)】
3D114BA13
3D114CA09
3D114CA10
3D114FA16
3D114FA20
(57)【要約】
本発明は、自動車の車体の固定部に対して開放要素を半開位置に保持するための装置(1)に関し、この装置は、少なくとも1つの接続部材(220)を備えた第1要素(200)と、開放要素が開くのを防ぐように少なくとも1つの接続部材(220)の第2領域(224)と協働するように構成された少なくとも1つの弾性変形可能な本体(324)を有する少なくとも1つの保持部材(320)を備えた第2要素(300)を有する。保持装置(1)は、少なくとも1つの弾性変形可能な本体(324)の少なくとも一部が収容される受入ハウジング(420)を形成する少なくとも1つの保護壁(400)を有する。また、本発明は、前述のタイプの少なくとも1つの保持装置(1)が設けられた車両に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のボディシェルの固定部に対して扉要素を半開位置で保持するための保持装置(1)であって、
前記固定部または前記扉要素から選択される第1支持部(C1)と協働するための第1要素(200)であって、少なくとも1つの接続部材(220)を備えた第1要素(200)と、
前記固定部または前記扉要素から選択される第2支持部(C2)と協働する第2要素(300)であって、少なくとも1つの弾性変形可能な本体(324)を有する少なくとも1つの保持部材(320)を備えるとともに、前記少なくとも1つの弾性変形可能な本体(324)が、前記扉要素を開く方向における前記固定部に対する前記扉要素の変位に対抗するように前記少なくとも1つの接続部材(220)の第2領域(224)と協働するように構成された第2要素(300)と、を有し、
前記少なくとも1つの弾性変形可能な本体(324)の少なくとも一部が収容される受入ハウジング(420)を形成する少なくとも1つの保護壁(400)を備える保持装置(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の保持装置(1)において、
前記扉要素を閉じる方向における前記固定部に対する前記扉要素の変位に対抗するように、前記接続部材(220)の第1領域(222)と協働するように構成された隣接面(322)を有する保持装置(1)。
【請求項3】
請求項2の保持装置(1)において、
前記保護壁(400)が隣接面(322)を形成する保持装置(1)。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の保持装置(1)において、
前記弾性変形可能な本体(324)は回転によって変形するように構成され、前記弾性変形可能な本体(324)は前記接続部材(220)と協働するように構成された自由先端部を有する保持装置(1)。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の保持装置(1)において、
前記接続部材(220)は、少なくとも一部が前記受入ハウジング(420)に収容されるように構成されている保持装置(1)。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の保持装置(1)において、
前記保護壁(400)が、導入軸を定めるように、前記受入ハウジング(420)の内部への前記接続部材(220)の導入、あるいは前記受入ハウジング(420)の外部への前記接続部材(220)の取り出しを可能にするように構成された通路開口を有する保持装置(1)。
【請求項7】
請求項6に記載の保持装置(1)において、
前記保護壁(400)は、少なくとも一部が前記導入軸の周りで延びている保持装置(1)。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1つに記載の保持装置(1)において、
前記保持部材(320)は少なくとも2つの弾性変形可能な本体(324)を有し、前記接続部材(220)は、前記少なくとも2つの弾性変形可能な本体(324)の間に挿入されるように構成された末端部(226)を備え、さらに、前記末端部(226)を前記第1要素(200)に接続する接続ロッド(228)を備えている保持装置(1)。
【請求項9】
請求項8に記載の保持装置(1)において、
前記接続ロッド(228)は、前記末端部(226)に固定される第1端部と、前記第1端部と相対し且つ前記第1支持部(C1)に対する前記末端部(226)の移動範囲を許容するように構成された接続アーム(230)に固定される第2端部とを有する保持装置(1)。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1つに記載の保持装置(1)において、
前記保持部材(320)は、前記保護壁(400)に設けられた雄スナップ要素(328)と協働するように構成された雌スナップ要素(326)を有し、前記保護壁(400)が、前記雌スナップ要素(326)と前記雄スナップ要素とが分離する分離形態と、前記雌スナップ要素(326)と前記雄スナップ要素とが協働するスナップ形態とを取り得るように構成されている保持装置(1)。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1つに記載の保持装置(1)において、
前記第1要素(200)及び前記第2要素(300)は、前記第1要素(200)を前記第1支持部(C1)に固定し、前記第2要素(300)を前記第2支持部(C2)に固定できるようにするための固定手段を備えている保持装置(1)。
【請求項12】
請求項11に記載の保持装置(1)において、
前記固定手段は、前記第1支持部(C1)及び/または前記第2支持部(C2)に含まれる第1スロット(506)にスナップ留めするためのスナップ部材(504)を有する保持装置(1)。
【請求項13】
請求項11または12に記載の保持装置(1)において、
前記固定手段は、ロック部を有するロック部材(508)を有し、前記ロック部材(508)は、前記ロック部が前記第1支持部(C1)または前記第2支持部(C2)に設けられた第2スロット(510)を通過できるアンロック形態と、前記ロック部が前記第1支持部(C1)または前記第2支持部(C2)で停止できるロック形態との間で移動可能である保持装置(1)。
【請求項14】
請求項13に記載の保持装置(1)において、
前記ロック部材(508)は、前記アンロック形態と前記ロック形態との間で前記ロック部が前記第2スロット(510)を通過できるようにするために前記第2スロット(510)の縁部が摺動可能な傾斜部を形成する摺動面を有する保持装置(1)。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1つに記載の保持装置(1)が少なくとも1つ設けられている車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の組立中に使用される装置の分野に関し、より詳細には、自動車のボディシェルの固定部に対して扉要素を半開位置(position entrebaillee)に保持するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば自動車のドアのような扉要素は、組立ラインにおいて、自動車のボディシェルの支柱などの固定部に組み付けられ、これにより前記自動車の車体が形成される。車体はその後に塗装ラインで塗装される。
【0003】
閉鎖装置またはラッチがまだ備え付けられていない扉要素は、その自重によって、またボディシェルの移動中に組立ラインから加えられる力や衝撃によって、固定部に対して開いた位置になりがちである。しかし、組立ラインの大きさと塗装の両方を最適化するために、扉要素を固定部に対して半開位置に保持しなければならない。したがって、一時的な保持装置を設置する必要がある。
【0004】
前述したタイプの保持装置はこの技術分野で知られており、例えば特許文献1では、この装置は、前記装置を車両の車体に固定できるようにする取り付け手段を備えた本体と、第1端部がハウジングの第1フランジと協働するように構成されるとともに第2端部が本体との接合を確保するタブを有する保持手段と、前記ハウジングの第2フランジと協働させるための突き当て部とを有する。この装置は、扉要素または固定部に配置されるように設けられ、固定部に対して扉要素を半開位置で効果的に保持できる点で満足できるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第1893832号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、タブのような種々の保持要素は、特に車両のシート材と保持要素とが接触する時に、それらを構成するプラスチック材料またはそれらを覆う塗料の摩耗や剥離によって粒状物または粉塵を発生することがある。これらの粒状物や粉塵は、車体が特に濡れている場合は車両のボディシェル上に堆積してそこに保持されることがあり、その結果として余分な厚みが生じたり美観が損なわれたりすることになる。
【0007】
さらに、単一の保持要素を使用することにより、一般に、前記保持要素を固定する領域に塗装の欠陥が生じる。このような欠陥は、車両のエンドユーザーから見えてしまう可能性がある。
【0008】
最後に、タブのような要素は、塗料を保持しやすくて、装置のその後の取り扱い中に塗料が飛び出しやすい。したがって、扉要素が開位置から半開位置に動くとき、またはその逆に動くときに、塗料の液滴の飛び出したものが外観不良を引き起こすおそれがある。
【0009】
本発明の目的は、前述の問題の全てまたは一部に対する解決手段を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、自動車のボディシェルの固定部に対して扉要素を半開位置に保持するための保持装置の実施によって達成することができ、この保持装置は、
固定部または扉要素から選択される第1支持部と協働するための第1要素であって、少なくとも1つの接続部材を備えた第1要素と、
固定部または扉要素から選択される第2支持部と協働するための第2要素であって、少なくとも1つの弾性変形可能な本体を有する少なくとも1つの保持部材を備えるとともに、少なくとも1つの弾性変形可能な本体が、扉要素を開く方向における固定部に対する扉要素の変位に対抗するように少なくとも1つの接続部材の第2領域と協働するように構成された第2要素と、を有する。
【0011】
保持装置は、少なくとも1つの弾性変形可能な本体の少なくとも一部が収容される受入ハウジングを形成する少なくとも1つの保護壁を備える。
【0012】
前述の保持装置により、自動車の製造中に自動車のドアを半開位置に保持することが可能になる。この保持装置は、限定的ではないが、特にボディシェルに塗装処理または防錆コーティング処理を行う工程において使用することができる。保護壁が存在することにより、塗料が受入ハウジングに入って装置の機能部品、特に弾性変形可能な本体に堆積することを効果的に抑制できる。弾性変形可能な部品に乾燥塗料が存在しないか、その量が少なくなると、その塗料が剥がれて小片になり、それがボディシェルに落下して粒になるのを抑えられる。また、有利なことに、保護壁が存在することにより、装置を構成するプラスチック材料またはそれを覆う塗装の剥離や裂けによって生じる(可能性の低い)粒や埃を封じ込める可能になる。相乗的に、保護壁は、このまだ乾いていない塗料が製造方法の別の工程中に前記弾性変形可能な本体によって意図せず放出されることを防ぐのに役立つ。
【0013】
また、保持装置は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を単独で、または組み合わせて有してもよい。
【0014】
一実施形態によれば、保持装置は、扉要素を閉じる方向における固定部に対する扉要素の変位に対抗するように、接続部材の第1領域と協働するように構成された隣接面を備える。
【0015】
一実施形態によれば、隣接面は第2要素に含まれる。
【0016】
一実施形態によれば、隣接面は保持部材に含まれる。
【0017】
一実施形態によれば、隣接面は、接続部材の第1領域と隣接面との間に実質的に点状の協働領域が表れるように、球体の一部を含む。
【0018】
一実施形態によれば、第1要素及び第2要素は、それぞれ、単一の材料、例えば熱可塑性材料で形成してもよい。そして、第1要素及び第2要素は熱可塑性成形法によって得ることができる。
【0019】
一実施形態によれば、第1要素は第1支持部に固定するためのものであり、第2要素は第2支持部に固定するためのものである。
【0020】
一実施形態によれば、受入ハウジングは、少なくとも1つの弾性変形可能な本体の少なくとも一部が収容される受入キャビティを形成してもよい。
【0021】
一実施形態によれば、少なくとも1つの弾性変形可能な本体は、その全体が受入ハウジング内に収容される。
【0022】
一実施形態によれば、受入ハウジングは、少なくとも1つの弾性変形可能な本体が収容される限られた内部容積を有する。
【0023】
「限られた内部容積」は、受入ハウジングの内部容積が一定であることを意味する。
【0024】
一実施形態によれば、保持装置は、受入ハウジングの輪郭を形成する複数の保護壁を有する。
【0025】
一実施形態によれば、少なくとも1つの保護壁は、弾性変形可能な本体の周囲で延び、弾性変形可能な本体の最大寸法よりも厳密には大きい横方向寸法(dimension laterale)、縦方向寸法(dimension longitudinale)及び横断寸法(dimension transversale)を有する。
【0026】
一実施形態によれば、少なくとも1つの保護壁及び弾性変形可能な本体は、導入軸に沿って測定される横断寸法(dimension transversale)を有する。この実施形態によれば、少なくとも1つの保護壁の横断寸法は、弾性変形可能な本体の横断寸法よりも厳密には大きい。
【0027】
一実施形態によれば、少なくとも1つの保護壁及び弾性変形可能な本体は、導入軸に直角の縦方向に沿って測定される縦方向寸法を有する。この実施形態によれば、少なくとも1つの保護壁の縦方向寸法は、弾性変形可能な本体の縦方向寸法よりも厳密には大きい。
【0028】
一実施形態によれば、少なくとも1つの保護壁及び弾性変形可能な本体は、導入軸と前記縦方向とに直角の横方向に沿って測定される横方向寸法を有する。この実施形態によれば、少なくとも1つの保護壁の横方向寸法は、弾性変形可能な本体の横方向寸法よりも厳密には大きい。
【0029】
一実施形態によれば、少なくとも1つの保護壁の横断寸法、縦方向寸法及び横方向寸法の各々は、弾性変形可能な本体のそれらに対応する寸法よりも厳密には大きい。
【0030】
このように、少なくとも1つの保護壁により、突出部、特に塗装の飛び出しに対するよりよい保護をするために、弾性変形可能な要素を全方向において空間的に包囲することが可能になる。
【0031】
一実施形態によれば、保持装置は、第1要素及び第2要素に対して移動可能である。言い換えると、保持装置は第1要素及び第2要素から分離され、オペレータの動作によって簡単に取り外すことができる。
【0032】
一実施形態によれば、固定部に対する扉要素の変位は、回転による変位である。
【0033】
一実施形態によれば、弾性変形可能な本体は、接続部材と協働するように構成された自由先端部を有する。
【0034】
一実施形態によれば、弾性変形可能な本体は少なくとも1つのタブを有する。
【0035】
一般に、保護壁は弾性変形可能な本体を少なくとも部分的に保護するように構成される。
【0036】
一実施形態によれば、第2領域は、特に扉要素がその開く方向にオフセットしているときに弾性変形可能な本体の自由先端部が停止する実質的に平坦な表面を有する。有利には、弾性変形可能な本体は、弾性変形可能な本体が目標の力よりも小さい力、例えば10Nと200Nの間の力を受けると、固定部に対する扉要素のオフセットが閾値よりも大きくなること、例えば実質的に70mmになることを防ぐのに十分な剛性を有する。さらに、弾性変形可能な本体は、弾性変形可能な本体が目標の力以上の力を受けると、固定部に対して扉要素が閾値を超えて開放されることを可能にするのに十分な弾性を有してもよい。このために、弾性変形可能な本体は、30MPaと120MPaの間、特に60MPaと90MPaの間の最大応力に耐えるように構成することができる。
【0037】
一実施形態によれば、第1領域は、特に扉要素がその閉じる方向に動いたときに、隣接面に停止する(載る)ようになる実質的に平坦な表面を有する。有利には、第1領域は、扉要素が固定部上で完全に閉じるのを防止するのに十分な機械的強度を有する。
【0038】
一実施形態によれば、第2要素は、ベース本体と、いずれもベース本体から延びる保持部材及び保護壁とを備える。
【0039】
この実施形態によれば、弾性変形可能な本体は、ベース本体に固定される基端を有してもよく、前記弾性変形可能な本体はその基端において変形するように構成される。
【0040】
一実施形態によれば、接続部材は、少なくとも一部が受入ハウジングに収容されるように構成される。
【0041】
一実施形態によれば、接続部材は、少なくとも一部が受入ハウジングの中へ延びる。
【0042】
一実施形態によれば、保護壁は、導入軸を定めるように、受入ハウジングの内部への接続部材の導入、あるいは受入ハウジングの外部への接続部材の取り外しを可能にするように構成された通路開口を有する。
【0043】
一実施形態によれば、保護壁は少なくとも一部が導入軸の周りで延びる。
【0044】
一実施形態によれば、保護壁は、弾性変形可能な本体に対して、導入軸に直角の面に従ってオフセットする(ずれる)。
【0045】
一実施形態によれば、保持装置は、導入軸に対して相対する2つの保護壁を有し、例えば、保護壁は導入軸に関して径方向に対向していてもよい。例えば、前記2つの保護壁は、前記ベース本体から延びていてもよい。
【0046】
一実施形態によれば、保護壁は隣接面を形成する。
【0047】
一実施形態によれば、前記保護壁は実質的に円筒形状を有する。
【0048】
一実施形態によれば、保護壁は隣接面を構成する前縁を有する。
【0049】
一実施形態によれば、保持部材は、少なくとも2つの弾性変形可能な本体を有し、接続部材は、例えば球状または点状であり、前記少なくとも2つの弾性変形可能な本体間に挿入してスナップ留めをするように構成された末端部を備え、前記末端部を第1要素に接続する接続ロッドをさらに備える。
【0050】
一実施形態によれば、接続ロッドは、末端部に固定された第1端部と、第1端部に対向し且つ第1支持部に対する末端部の移動範囲を許容するように構成された接続アームに固定される第2端部とを有する。
【0051】
前述の配置により、固定部に対する扉要素の位置の変動に保持装置が適応できることを保証することが可能となる。
【0052】
一実施形態によれば、第1要素は、接続ロッドの第2端部を第1要素に接続する接続アームを有する。
【0053】
一実施形態によれば、保持部材は、接続部材を受けるための顎部を形成する少なくとも2つの弾性変形可能な本体を有する。
【0054】
この実施形態によれば、保持部材は、2つの弾性変形可能な本体によって形成される顎部を保持部材のベース本体に接続するベースを備える。したがって、顎部が、ベースにおいて接合される2つの弾性変形可能な本体を有することは当然である。
【0055】
一実施形態によれば、弾性変形可能な本体は、それぞれ、前記2つの弾性変形可能な本体の間に形成されたハウジングに接続部材を保持するように構成された凸状湾曲部を有する。
【0056】
一実施形態によれば、弾性変形可能な本体は、それぞれ、凸状湾曲部に接続され且つ導入軸から離れる端部フィンを有する。
【0057】
したがって、接続部材の導入時には、端部フィンで形成される斜面により、凸状湾曲部で形成されるハウジングに接続部材を導入するのが容易になる。
【0058】
一実施形態によれば、凸状湾曲部で形成されるハウジングは概ね円筒形状であり、導入軸に直角のスライド接続部を形成できる。
【0059】
したがって、接続部材は、顎部内でスライドできるため、この軸に沿って、固定部に対する扉の位置の激しい変動に適応することが可能となる。
【0060】
一実施形態によれば、保持部材は、保護壁に設けられた雄スナップ要素と協働するように構成された雌スナップ要素を有しているので、保護壁は、雌スナップ要素と雄スナップ要素とが分離する分離形態と、雌スナップ要素と雄スナップ要素とが互いに協働するスナップ形態とをとることができる。
【0061】
有利には、保持装置は、成形により分離形態で作られ、車両に配置され、さらにスナップ形態に処理されて、保護壁による保持部材のより良い保護が保証される。
【0062】
一実施形態によれば、第1要素及び第2要素は、第1要素を第1支持部に固定することと第2要素を第2支持部に固定することを可能にするための固定手段を有する。
【0063】
一実施形態によれば、第1要素及び第2要素のうちから選択される少なくとも1つの要素は、第1支持部または第2支持部の外面に固定されるように構成される。例えば、その要素は、第1支持部または第2支持部の外からアクセス可能な孔に固定することができる。「アクセス可能」は、オペレータが、前記第1支持部または前記第2支持部の取り外しを必要とせず、且つ前記第1支持部または前記第2支持部の内部への前記第1要素または前記第2要素の挿入を必要とせずに、前記第1要素または前記第2要素を前記第1支持部または前記第2支持部に直接固定できることを意味する。
【0064】
このようにして、保持装置の取り付けが簡素化され、その使用はより人間工学に基づくものになる。
【0065】
一実施形態によれば、固定手段は、第1支持部及び/または第2支持部と連結するための連結部材を有する。
【0066】
一実施形態によれば、固定手段は、第1支持部及び/または第2支持部に含まれる第1スロットにスナップ留めするためのスナップ部材を有する。
【0067】
一実施形態によれば、固定手段はロック部を有するロック部材を備え、ロック部材は、第1支持部または第2支持部に設けられた第2スロットをロック部が通過できるアンロック形態と、第1支持部または第2支持部にロック部が停止する(載る)ことができるロック形態との間で移動可能である。
【0068】
一実施形態によれば、ロック部材は、第2スロットに挿入されるとともにロック部材の回転、特に1回転の1/4の回転によって第2スロットに固定されるときにロック形態になるのに適した形状を有する。
【0069】
一実施形態によれば、第2要素を固定するための手段は、停止要素と協働するためのロック部を有するロック部材を備える。そして、ロック部材は、ロック部が第2支持部に設けられた第2スロットを通過するのに続いて停止要素に設けられた第3スロットを通過できるアンロック形態と、ロック部が停止要素に停止する(載る)ことができるロック形態の間で移動可能にすることができる。前記停止要素は、前記ロック部材が前記ロック形態にあるとき、前記ロック部材のロック部と前記第2支持部との間に位置する。ロック部材は、特に、第2スロット及び第3スロットに挿入するのに適した形状にすることができる。また、ロック部材は、ロック部材の1回転の1/4回転によって停止要素に固定されるときにロック形態をとることができる。
【0070】
第1実施例によれば、ロック部材は、例えば、第2要素、第1停止面及び第2停止面によって形成されるグリップ部を有してもよい。グリップ部は、接続部材によって形成され、オペレータが数本の指でつかむことのできる大きさを有し、1回転の1/4の回転を行うことができるようにすることもできる。第1停止面は、グリップ部と第2停止面との間に位置する。第2停止面の縦方向端部のそれぞれは、ロック部が停止要素との回転による協働を通じてスライドし、特に第2停止面が停止要素の肩部に停止する(載る)ときにロック形態に位置するようにロック部により延長することができる。
【0071】
第2実施例によれば、第2スロットとロック部材は長円形の形状であり、したがって、ロック部材の前記長円形の部分が1/4回転することによってロック形態になり、第1支持部または第2支持部上に部分的に載る。
【0072】
第3実施例によれば、ロック部材は、ロック部材がアンロック形態とロック形態との間を回転で移動するとき、第1要素または第2要素の一方または他方に設けられる2つのガイド内でそれぞれ摺動するように構成された2つのピークを有するブロック部を備えてもよい。
【0073】
一実施形態によれば、ロック部材は、アンロック形態とロック形態の間でロック部が前記第2スロットを通過できるようにするために、第2スロットの縁部が摺動可能な斜面を形成する摺動面を有する。
【0074】
一実施形態によれば、第1要素は、互いに間隔をあけて配置され且つ中央の平面に対して対称の2つの接続部材を有する。
【0075】
一実施形態によれば、第1要素は、互いに間隔をあけて配置され且つ中央の平面に関して対称の2つの保持部材を有する。
【0076】
例えば、2つの接続部材及び/または保持部材は、そのうちの1つを受入ハウジングに導入可能にするように、十分に間隔を空けて配置することができる。
【0077】
前述の配置により、自動車の左の扉要素にも右の扉要素にも適合できる単一の第1要素または単一の第2要素を使用することが可能となる。
【0078】
また、本発明の目的は、先に説明したものの1つのタイプの保持装置のうちの少なくとも1つを備えた車両の実施により達成される。
【0079】
本発明の他の態様、目的、利点及び特徴を、非限定的な例として定められるとともに添付図面を参照してなされる本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明により、より明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0080】
図1図1は、本発明の特定の実施形態に係る保持装置の概略斜視図図である。
図2図2は、図1の保持装置の第1要素が固定部と協働するときの概略斜視図である。
図3図3は、図1の保持装置の第2要素の概略斜視図である。
図4図4は、本発明の特定の実施形態に係るロック部材を有する保持装置の概略斜視図である。
図5図5は、本発明の特定の実施形態に係るロック部材を有する保持装置の概略斜視図である。
図6図6は、本発明の第2実施形態に係る第2要素の概略斜視図である。
図7図7は、分離形態の保護壁を有する本発明の第3実施形態に係る第2要素の概略図である。
図8図8は、保護壁がスナップ形態であるときの図7の第2要素の概略図である。
図9図9は、本発明の第4実施形態に係る第2要素の概略斜視図である。
図10図10は、図9に示された実施形態に係る第1要素の概略斜視図である。
図11図11は、図9に示された実施形態に係る保持装置の概略的な側面図である。
図12図12は、図11の保持装置の断面A-Aに沿った概略断面図である。
図13図13は、図11の保持装置の断面B-Bに沿った概略断面図である。
図14図14は、本発明の一実施形態に係る第2要素の概略斜視図である。
図15図15は、本発明の一実施形態に係る第1要素の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0081】
図及び以下の説明において、同じ参照符号は同一または類似の要素を示す。また、異なる要素は、図を明確にするために、縮尺を合わせて表してはいない。さらに、異なる実施形態及び変形例は相容れないものではなく、互いに組み合わせることができる。
【0082】
図1に示すように、本発明は、自動車のボディシェルの固定部に対して扉要素を半開位置(position entrebaillee)に保持するための装置1に関する。したがって、この保持装置1は扉要素及び固定部とは別個のものである。
【0083】
図1に示されている非限定的な実施形態によれば、保持装置1は、固定部を有する第1支持部C1と協働するための第1要素200と、扉要素を有する第2支持部C2と協働するための第2要素300とを有する。特に、第1要素200は第1支持部C1に固定するためのものであり、第2要素300は第2支持部C2に固定するためのものである。このため、第1要素200及び第2要素300は、第1要素200を第1支持部C1に固定し、第2要素300を第2支持部C2に固定できるようにするための固定手段を有する。あるいは、保持装置1は、オペレータの操作で第1支持部C1または第2支持部C2から取り外すようにしてもよい。
【0084】
一実施形態によれば、第1要素200及び第2要素300から選択される少なくとも1つの要素は、第1支持部C1または第2支持部C2の外面に固定されるように構成される。例えば、前記要素200,300は、第1支持部C1または第2支持部C2の外面に配置されたアクセス可能な孔に固定することができる。この「アクセス可能」は、第1支持部C1または第2支持部C2の内部に前記第1要素または第2要素200,300の挿入を求める操作を必要とせずに、オペレータが第1要素200または第2要素300を第1支持部C1または第2支持部C2に直接に固定できることを意味する。
【0085】
このようにして、保持装置1の取り付けが簡略化され、保持装置1を使用することがより人間工学的なものになる。
【0086】
以下の説明において、実施形態は、固定手段を介して第1支持部C1上に固定された第1要素200と、第2支持部C2上に固定された第2要素300を示す。これらの実施形態は、第1要素200または第2要素300のいずれもそれぞれ固定手段を使用して第1支持部C1または第2支持部C2に固定するように、当業者によって容易に適合させることができる。
【0087】
図2は、本発明の一実施形態に係る第1要素200を示す。第1要素200を固定するための手段は、第1支持部C1と連結するための2つの連結部材502を有するようにすることができる。第1要素200は、第1支持部C1に含まれる第1スロット506に留めるためのスナップ部材504を有するようにすることができる。
【0088】
図3に示された変形例では、第2要素300を固定するための手段は、ロック部を有するロック部材508を備えている。そして、ロック部材508は、ロック部が第2支持部C2に設けられた第2スロット510を通過できるアンロック形態と、ロック部が第2支持部C2上で停止できるロック形態との間で可動である。ロック部材508は、特に、ロック部材508を第2スロット510に挿入して一回転の1/4回転させることによってロック部材508が第2スロット510に固定されるときにロック形態になるのに適した形状にすることができる。
【0089】
あるいは、図4に示されるように、第2要素300を固定するための手段は、停止要素509と協働するためのロック部を有するロック部材508を備える。そして、ロック部材508は、第2支持部C2に設けられた第2スロット510と停止要素509に設けられた第3スロット511とをロック部が続けて通過できるアンロック形態と、ロック部が停止要素509に静止できるロック形態との間で動作可能にすることができる。前記停止要素509は、ロック部材508がロック形態であるときに、ロック部材508のロック部と第2支持部C2との間に位置する。ロック部材508は、特に、第2スロット510及び第3スロット511に挿入するのに適した形状にすることができる。ロック部材508は、さらに、ロック部材508を一回転の1/4回転させることによって停止要素509に固定されたときにロック形態にすることができる。
【0090】
有利には、ロック部材508は、例えば第2要素300、第1停止面513及び第2停止面515によって形成されるグリップ部を有していてもよい。グリップ部は、特に、一回転の1/4回転を行うことができるように、オペレータが数本の指で握ることができる大きさにすることができる。第1停止面513は、グリップ部と第2停止面515の間に位置する。第2停止面515の縦方向の各端部は、ロック部によって延ばすことができるので、停止要素509との回転に協働してロック部が摺動し、特に第2停止面515が停止要素509の肩部517に停止する(載る)ときにロック形態に位置する。
【0091】
第2実施例では、第2スロット510及びロック部材508を長円形の形状にすることができ、したがってロック部材508の前記長円形の部分が一回転の1/4回転することによりロック形態になって一部が第2支持部C2に載る。有利には、ロック部材508は、ロック部がアンロック形態とロック形態との間で前記第2スロット510を通過できるように、第2スロット510の縁部が摺動できる斜面を形成する摺動面を有していてもよい。
【0092】
図5に示す第3実施例では、ロック部材508は、第1要素200に含まれ、ロック部材508がアンロック形態とロック形態の間で回転によって移動するときに、第1要素200に設けられた2つのガイド516内でそれぞれ摺動するように構成された2つのピーク514を含むブロック部512を有してもよい。
【0093】
第1要素200は、少なくとも1つの接続部材220を有することができる。図1図6に示されているように、第1要素200は、互いに間隔をあけて配置され且つ中央の平面に関して対称の2つの接続部材220を有することができる。接続部材220は、実質的に平面である表面を有する第1領域222と、実質的に平面である表面を有し且つ扉要素を閉じる方向において第1領域に平行にオフセットし(ずれ)た第2領域224を有し得る。第2要素300は、扉要素を閉じる方向において固定部に対する扉要素の変位に対抗するように第1領域222と協働すべく構成された隣接面322を有する少なくとも1つの保持部材320を備えていてもよい。例えば、第1領域222は、特に扉要素がその閉じる方向へ動くときに、隣接面322に停止する(載る)ことがある。特に図6は、隣接面322が、接続部材220の第1領域222と隣接面322との間に実質的に点状の協働領域を表すように構成された球の一部を有する実施形態を示す。
【0094】
有利には、接続部材220を構成する材料は、扉要素が固定部に対して完全に閉じられるのを阻止するのに十分な機械的強度を有する。
【0095】
また、第2要素は、扉要素を開く方向において固定部に対する扉要素の変位に対抗するように、少なくとも1つの接続部材220の第2領域224と協働すべく構成された少なくとも1つの弾性変形可能な本体324を有している。一般に、固定部に対する扉要素の移動は回転移動である。
【0096】
弾性変形可能な本体324は、回転によって変形するように構成された少なくとも1つのタブを有していてもよく、接続部材220と協働するように構成された自由先端部を有していてもよい。
【0097】
一実施形態によれば、第2領域224は、特に扉要素がその開く方向にオフセットするときに、弾性変形可能な本体324の自由先端部停止する(載る)ようになる。有利には、弾性変形可能な本体324は、弾性変形可能な本体324が目標の力よりも小さい力、例えば10Nと200Nとの間の力を受けたときに、固定部に対して扉要素が閾値よりも大きくオフセットすること、例えば実質的に70mmオフセットすることを阻止するのに十分な剛性を有する。さらに、弾性変形可能な本体324は、弾性変形可能な本体324が目標の力以上の力を受けたときに、固定部に対して扉要素が前記閾値を超えて開くのを可能にするのに十分な弾性を有してもよい。このため、弾性変形可能な本体324の剛性を、30MPaと120MPaの間、特に60MPaと90MPaの間の応力に耐え得るようにすることができる。
【0098】
特に、第2要素300は、互いに間隔をあけて配置されるとともに中央の平面に対して対称な2つの保持部材320を有するようにしてもよい。前述した構成、特に第1要素200に2つの接続部材220が存在すること、及び/または第2要素300に2つの保持部材320が存在することにより、自動車の左の扉要素及び右の扉要素の両方に適合させることのできる単一の第1要素200または単一の第2要素300を用いることが可能となる。
【0099】
図3に示された実施形態では、第2要素300はベース本体302を備え、そこから保持部材320が延びている。この実施形態では、弾性変形可能な本体324は、ベース本体302に固定される基端を有し、前記弾性変形可能な本体324が主にその基端で変形するように構成できる。また、ベース本体302から溝が延びて隣接面(支持面)322を形成してもよい。そして、隣接面322は、弾性変形可能な本体324が基端と先端の間で延在する面において、ベース本体302に対して横に延びることができる。弾性変形可能な本体324及び隣接面322は、接続部材220を入れることができる空間を残すように、その延在面においてオフセットしてもよい。
【0100】
保持装置1は、少なくとも1つの弾性変形可能な本体324の少なくとも一部が収容される受入ハウジング420を形成する少なくとも1つの保護壁400をさらに有することができる。言い換えると、受入ハウジング420は、少なくとも1つの弾性変形可能な本体324の少なくとも一部が収容される受入キャビティを形成することができる。一実施形態では、少なくとも1つの弾性変形可能な本体324は受入ハウジング内に全体が収容される。
【0101】
図示するように、保持装置1は、1つの保護壁400または複数の保護壁400を有することができる。保護壁400は、特に、内部容積を制限するように受入ハウジング420を形成することができる。
【0102】
このように、保護壁400は、弾性変形可能な本体324の少なくとも一部を保護するように、特に塗料の飛沫に対して保護するように構成することができる。
【0103】
非限定的な変形例によれば、保持部材320及び保護壁400はいずれもベース本体302から延びる。有利には、接続部材220は、少なくとも一部が受入ハウジング420内に収容されるように構成できる。言い換えると、接続部材220は少なくとも一部が受入ハウジング420内に延びてもよい。
【0104】
有利には、保護壁400には、受入ハウジング420の内部の接続部材220の導入、あるいは受入ハウジング420の外部の接続部材220の取り出しを可能にするように構成された通路開口を設けて、導入軸を定めてもよい。この場合、保護壁400は、導入軸の周りに少なくとも一部が延在してもよい。このように、保護壁400は、弾性変形可能な要素324を空間的に全方向で取り囲む。一実施形態によれば、少なくとも1つの保護壁400及び弾性変形可能な本体324は、導入軸に沿って測定される横断寸法(dimension transversale)を有する。この実施形態によれば、少なくとも1つの保護壁400の横断寸法は、弾性変形可能な本体324の横断寸法よりも厳密には大きい。同様に、少なくとも1つの保護壁400及び弾性変形可能な本体324は、導入軸に直交する縦方向に沿って測定される縦方向寸法(dimension longitudinale)を有する。この場合、少なくとも1つの保護壁400の縦方向寸法は、弾性変形可能な本体324の縦方向寸法よりも厳密には大きくなるように定めることができる。最後に、少なくとも1つの保護壁400及び弾性変形可能な本体324は、導入軸と縦方向とに直角の横方向に沿って測定される横方向寸法(dimension laterale)を有する。この場合、少なくとも1つの保護壁400の横方向寸法は、弾性変形可能な本体324の横方向寸法よりも厳密には大きくすることができる。
【0105】
一実施形態によれば、少なくとも1つの保護壁400の横断寸法、縦方向寸法及び横方向寸法のそれぞれは、弾性変形可能な本体324の対応寸法よりも厳密には大きい。特に、少なくとも1つの保護壁400は、弾性変形可能な本体324の周りで延び、弾性変形可能な本体324の最大寸法よりも厳密には大きい横方向寸法、縦方向寸法、及び横断寸法を有することができる。
【0106】
一実施形態によれば、保護壁400は、弾性変形可能な本体324に対して、導入軸に直角の平面に従ってオフセットしている。例えば、図3に示された第2要素300は、導入軸について対向する2つの保護壁400を有する。特に、前記2つの保護壁400は、ベース本体302から延びてもよい。
【0107】
非限定的な変形例によれば、第1要素200及び第2要素300は、それぞれ単一の材料、例えば熱可塑性材料で形成できる。そして、第1要素200及び第2要素300は、熱可塑性材の成形方法を用いて得ることができる。
【0108】
図7及び図8は、保持部材320が、保護壁400に設けられた雄スナップ要素328と協働するように構成された雌スナップ要素326を有する実施形態を示し、これにより、保護壁400は、雌スナップ要素326と雄スナップ要素が分離している図7に示す分離形態と、雌スナップ要素326と雄スナップ要素が互いに組み合わされる図8に示すスナップ形態をとることができる。
【0109】
非限定的な変形例では、第2要素300は、停止面を有する上部がそれぞれ設けられた2つの保護壁400を有する。各保護壁400は、接続部材220の導入軸に対して横にオフセットした(ずれた)メイン部分を有してもよく、上部は、受入ハウジング420を部分的に形成するようにメイン部分に対して実質的に直角に延びてもよい。
【0110】
その代わりに、またはそれとともに、各保護壁400は、雄スナップ要素328を有してもよい。そして、ベース本体302は、各保護壁400に含まれる各雄スナップ要素328とスナップ形態で協働するように構成された一つの雌スナップ要素326を有してもよい。したがって、スナップ形態において、各保護壁400の残りの面が互いに対して静止して受入ハウジング420を形成できる。
【0111】
有利には、保持装置1は、成形によって分離形態で形成され、保護壁400による保持部材320のより良い保護を保証するためにスナップ形態で車両に配置することができる。
【0112】
図9から図13に示すように、保持部材320は、少なくとも2つの弾性変形可能な本体324、特に4つの弾性変形可能な本体324を有してもよい。そして、接続部材220は、前記少なくとも2つの弾性変形可能な本体324の間に挿入されてスナップ留めするように構成された末端部226を有し、さらに前記末端部226を第1要素200に接続する接続ロッド228を有してもよい。接続ロッド228は、末端部226に固定される第1端部と、第1端部に相対するとともに第1支持部C1に対する末端部226の移動範囲を許容するように構成された接続アーム230に固定される第2端部とを有することができる。
【0113】
一実施形態によれば、第1要素200は、接続ロッド228の第2端部を第1要素200に接続する接続アーム230を有する。
【0114】
図9に示された非限定的な変形例によれば、保護壁400は、隣接面322を形成し、実質的に円筒形の形状にすることができる。特に、保護壁は、隣接面322を形成する前縁を有することができる。
【0115】
前述の保持装置1により、この自動車の製造中に自動車ドアを半開位置で保持することが可能になる。特に、限定されるものではないが、保持装置1は、ボディシェルを塗料または防錆コーティングで処理する工程において使用することができる。保護壁400が存在することにより、有利なことに、弾性変形可能な本体324を、製造方法の他の工程中に前記弾性変形可能な本体324によって意図せずに放出されることのある塗料の飛沫から保護できる。
【0116】
図14及び図15に示すように、保持部材320は、接続部材220を受けるための顎部を形成する少なくとも2つの弾性変形可能な本体324を有してもよい。そして、保持部材は、2つの弾性変形可能な本体によって形成された顎部を保持部材320のベース本体302に接続するベース327を有してもよい。したがって、顎部は、ベース327で接合されて隣接面322を形成する2つの弾性変形可能な本体324を有する。2つの弾性変形可能な本体324は、それらの間に接続部材220を入れることができるように、互いに対して弾性的に変形するように構成されている。弾性変形可能な本体324は、それぞれ、2つの弾性変形可能な本体324の間に形成されたハウジング321内に接続部材220を保持するように構成された凸状湾曲部323を含んでいる。有利には、弾性変形可能な本体324は、それぞれ凸状湾曲部323に接続され且つ導入軸から離れるように動く端部フィン325を有する。したがって、接続部材220を入れるときに、端部フィン325によって形成される斜面によって、凸状湾曲部323で形成されるハウジング321への接続部材220の導入が容易になる。
【0117】
次に図15を参照すると、接続部材220は、例えば一般的な球の形状の末端部226であって、前記少なくとも2つの弾性変形可能な本体324の間に挿入されてスナップ留めされるように構成された末端部226を有する。図15に示されているように、接続部材220の第1領域222は、球の形状の末端部226の一部に対応し、凸状湾曲部323とベース327との間に配置された隣接面322で静止するように構成される。さらに、球状の末端部の径方向に対向する部分に配置された第2領域224は、凸状湾曲部323と端部フィン325との間の接合部において弾性変形可能な本体324と協働する。接続部材220は、前記末端部226を第1要素200に接続する接続ロッド228をさらに備える。
【0118】
一実施形態によれば、保持部材320は、弾性変形可能な本体324が車両の内部へ向けられるように配置される。したがって、第1支持部C1が第2支持部C2に近づくと、接続部材220は、閉じる前に接続部材220の通過を可能にするように弾性的に離れて動く端部フィン325に対して接触するようになる。また、隣接面322は、扉が閉じる方向へ変位するのを阻止し、凸状湾曲部323は扉が開く方向へ変位するのを阻止する。
【0119】
最後に、凸状湾曲部325によって形成されるハウジング321は、概ね円筒形状を有し、導入軸に直角の摺動接続部を形成することができる。したがって、接続部材220は、顎部内で摺動でき、これにより、この軸に沿って、固定部に対する扉の位置の激しい変化に適応することが可能となる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】