(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-03
(54)【発明の名称】空気調整ダクト用パネル
(51)【国際特許分類】
F24F 13/02 20060101AFI20230926BHJP
【FI】
F24F13/02 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516557
(86)(22)【出願日】2021-09-14
(85)【翻訳文提出日】2023-04-06
(86)【国際出願番号】 EP2021075168
(87)【国際公開番号】W WO2022053700
(87)【国際公開日】2022-03-17
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502425053
【氏名又は名称】サン-ゴバン イゾベール
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100210697
【氏名又は名称】日浅 里美
(72)【発明者】
【氏名】マリア ルイサ ペレス
(72)【発明者】
【氏名】アルフォンソ ディエス
(72)【発明者】
【氏名】マリアーノ リコ
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリオ ロペス
【テーマコード(参考)】
3L080
【Fターム(参考)】
3L080AA01
3L080AD01
3L080AD02
3L080AD04
(57)【要約】
【課題】自己支持型ダクトのためのパネルの提供。
【解決手段】自己支持型ダクト、特に、空気調整ダクトのためのパネル(1)であって、このパネルは、ミネラルウールのコア(2)で構成されており、その外面は、コアの外部表面に連結された外部カバー(3)で覆われており、前記外部カバー(3)は、アルミニウムのシート(4)を含み、前記アルミニウムのシートは、外部スタックの最も外側のシートであり、前記パネルは、アルミニウムのシートが、少なくともその外側に露出した面で、鏡面反射より大きい拡散反射を有することを特徴とする、パネル。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己支持型ダクト、特に、空気調整ダクトのためのパネル(1)であって、このパネルは、ミネラルウールコア(2)で構成されており、その外面は、前記コアの外部表面に連結された外部カバー(3)で覆われており、前記外部カバー(3)は、アルミニウムのシート(4)を含み、前記アルミニウムのシートは、前記外部カバーの最も外側のシートであり、前記アルミニウムのシート(4)は、少なくともその外側に露出した面で、鏡面反射より大きい拡散反射を有する、パネル。
【請求項2】
前記アルミニウムのシートの前記外側に露出した面の拡散反射が、その鏡面反射より少なくとも2倍大きい、請求項1に記載のパネル。
【請求項3】
前記アルミニウムのシートの前記外側に露出した面の拡散反射は、50%より大きく、好ましくは60%より大きく、さらには70%より大きく、かつ、好ましくは90%未満である、請求項1又は2に記載のパネル。
【請求項4】
前記アルミニウムのシートの前記外側に露出した面の鏡面反射が、30%未満、好ましくは25%未満、さらには20%未満である、請求項1~3のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項5】
前記アルミニウムのシートの前記外側に露出した面の粗度パラメータSzは、NF ISO 25178規格に従って測定されるものであり、前記粗度パラメータSzは、20マイクロメートルより大きく、好ましくは30マイクロメートルより大きく、さらには40マイクロメートルより大きい、請求項1~4のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項6】
前記アルミニウムのシートの前記外側に露出した面の粗度パラメータSSkは、NF ISO 25178規格に従って測定されるものであり、前記粗度パラメータSSkは、0.1より大きく、好ましくは0.2より大きく、さらには0.3より大きく、より良好には0.4より大きい、請求項1~5のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項7】
前記アルミニウムのシートの他の面が、拡散反射より大きい鏡面反射を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項8】
前記アルミニウムのシートの他の面が、拡散反射より小さい鏡面反射を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項9】
前記ミネラルウールコア(2)は、その内面(5)が、前記コアの内部表面に接続されかつアルミニウムの外部シートを含む内部カバーで覆われており、このアルミニウムのシートは、前記コアから最も離れたその面について、鏡面反射より拡散反射が大きい、請求項1~8のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項10】
前記外部カバーが、前記アルミニウムのシートからなり、好ましくは、強化ガラス繊維のメッシュ(9)によって強化されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項11】
前記外部カバーが、前記アルミニウムのシートより下に配置されており好ましくは前記鉱物繊維のコアに接着結合されているクラフト紙のシートを含み、前記アルミニウムのシートは、好ましくは、強化ガラス繊維のメッシュ(9)によって強化されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項12】
前記中心コア(2)の前記外部表面は、繊維ガラス又は合成繊維の、マット(7)をさらに含み、前記マット(7)は、好ましくは、前記コアを構成する鉱物繊維の架橋に用いられるバインダーによって、前記中心コア(2)に結合されており、前記パネルが、前記ミネラルウールコアの外部表面から、
- 繊維ガラスの繊維又は合成繊維の、前記マット(7)、
- 前記外部カバー(3)
を含むようになっている、請求項1~11のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項13】
前記外部カバーは、耐UV保護フィルム、特に、HRUV(紫外線に高い耐性のある)エポキシ樹脂、ウレタン、ポリフッ化ビニルから選択される耐UV保護フィルムで覆われている、請求項1~12のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項14】
前記パネルが、相互に接続されるエッジの末端部で終端している、請求項1~13のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項15】
前記パネルの前記カバーは、別のモジュールと組み立てられる場合、前記モジュールのカバーと部分的に重なるようにフラップ内に延びている、請求項1~14のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載のパネルから製造された自己支持型ダクト。
【請求項17】
自己支持型ダクト、特に、空気調整分配のための自己支持型ダクトの製造のための請求項1~15のいずれか一項に記載のパネルの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアダクト用のパネルに関し、より具体的には、調整空気の分配を意図したダクトを形成するためのエアダクト用のパネルに関する。
【0002】
本発明は、特に、そのようなパネルから得られるダクトに関する。より詳しくは、本発明は、機械的剛性特性が、金属の内部チューブ又はシースによってではなく、高密度の鉱物繊維のコアによって提供されるために「自己支持型」分野と呼ばれるダクトの分野に関する。したがって、そのようなダクトは、そのような金属のシースを欠いている。
【背景技術】
【0003】
現在、厳しい天候にさらされる、調整空気を分配するために提供されるダクトは、モジュール式の角柱状の管状要素、最も多くの場合は、シートメタルで製造されたモジュール式の角柱状の管状要素で構成されており、これらは、互いに適切に取り付けられ、工場からばらばらの状態で出荷されないため、それらは、後の操作中に熱遮断材料で覆われる必要があり、結果としてコストに悪影響を及ぼす。
【0004】
このタイプの問題に加えて、このタイプの「モジュール」は非常にかさ高く、輸送及び保管の観点からこれが必然的に伴う必然的な問題を有するという事実もある。
【0005】
屋内に(すなわち、外部の気候条件から保護された環境に)配置された調整空気を輸送するための設備での空気流の伝達は、遮断パネル、好ましくは、ガラスウール若しくはロックウール、又は稀に別の同様の繊維状材料で製造された遮断パネルで製造された剛構造物から形成されたダクトを用いて実施することもできることが知られており、それは、時には、調整される最終スペースまで及ぶ場合がある長さの経路に沿って連続的に連結される。そのような構造は、例えば、出願EP1532391A1又はEP1592853A1に記載されており、そのような実施に関するさらなる詳細については、これらが参照される。
【0006】
現在、ほとんどの自己支持型空気調整ダクトは、以前の刊行物に記載されているように、外部カバー(すなわち、最終ダクトの外側に配置されることが意図されるパネルの面上)で覆われたパネルから製造され、組み立てられる。このカバーの目的は、最終製品が、機械的及び化学的な両方の外部の攻撃に耐性があることを保証し、さらに審美的に満足できる最終製品を提案することである。現在、ほとんどの外部カバーは、最も外側の仕上げ層として、アルミニウムで製造された層を用い、これは、任意選択的に、特に、屋外で使用する場合は、透明な耐UVプラスチックフィルムで覆うことができる。
【0007】
通常用いられるアルミニウム層は、従来のタイプのものであり、したがって、本来的に、全体的な光反射が高く、それは、特に、カットを担うオペレーターのためにダクトが休止される場合、また、それらの環境にダクトを統合する場合、特に、部屋若しくは前記ダクトが装備される部屋の内部の明るさの変化が起こる場合、又は特にダクトが屋外に設置される場合に日照条件の変化が起こる場合に、目がくらむ、又は視覚疲労の問題を引き起こすことがある。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、上記の問題を、自己支持型ダクトの製造を容易にするのに適切なパネルを提案することによって解決することであり、前記自己支持型ダクトは、いかなるタイプの環境でも統合するのが容易である。本発明の目的は、より詳しくは、既に記載された技術に従って互いに接続されるパネルを提案することであり、したがって、すべて簡単、迅速、かつ容易な取り付けで、調整空気分配ダクトが構成され、同時に、最終的に設置された設備の全体的な視覚的均一性を、屋外か屋内かによらず、照明から独立して可能にする美観を製品に保証する。
【0009】
より詳しくは、本発明は、自己支持型ダクト、特に、空気調整ダクトのためのパネルに関し、それは、ミネラルウールなどのコアで構成され、その外面は、コアの外部表面に連結された外部カバーで覆われ、前記外部カバーは、アルミニウムのシートを含み、前記アルミニウムのシートは、外部カバーの最も外側の(目に見える)シートであり、前記パネルは、アルミニウムのシートが、少なくともその外側に露出した面(前記コアから最も離れた面)で、鏡面反射より大きい可視光の拡散反射を示すことを特徴とする。
【0010】
本発明の意味の範囲内では、「鏡面反射」という用語は、従来どおり、デカルトの法則(表面に対する法線に対して、入射放射線の角度と対称的な反射放射線の角度)に従って、アルミニウムのシートの表面によって、1つの同じ方向に反射された入射放射線の部分を意味すると理解される
【0011】
拡散反射とは、媒体の不均一性に起因して全方向に反射された入射放射線の部分を意味する。そのような拡散反射は、特に、サイズが入射放射線の波長より大きい凹凸を示すように、表面が荒いか、荒くされている場合に観察される。
【0012】
アルミニウムのシートによる全反射は、鏡面反射及び拡散反射の合計である。
【0013】
可視光(380nm~780nm)の、全反射、鏡面反射及び拡散反射は、分光計などの従来の測定デバイス、例えば、積分球を備えるUV-Vis-NIR Perkin Elmer Lamda 900吸収分光計によって、測定することができる。したがって、本発明によれば、積分は、可視範囲全体(380nm~780nm)にわたって実施される。
【0014】
本発明の一定の好ましい実施態様は以下に与えられ、これらは当然、必要に応じて、互いに組み合わせることができる:
- アルミニウムのシートの前記外側に露出した面の拡散反射は、その鏡面反射の少なくとも2倍大きく、又はその鏡面反射の少なくとも3倍大きい。
- アルミニウムのシートの前記外側に露出した面の拡散反射は、50%より大きく、好ましくは60%より大きく、さらには70%より大きく、かつ、好ましくは90%未満である。
- アルミニウムのシートの前記外側に露出した面の鏡面反射は、30%未満、好ましくは25%未満、さらには20%未満である。
- アルミニウムのシートの外側に露出した面の粗度パラメータSzは、NF ISO 25178規格に従って測定されるものであり、それは、20マイクロメートルより大きく、好ましくは30マイクロメートルより大きく、さらには40マイクロメートルより大きい。
- アルミニウムのシートの外側に露出した面の粗度パラメータSSkは、NF ISO 25178規格に従って測定されるものであり、それは、0.1より大きく、好ましくは0.2より大きく、さらには0.3より大きく、より良好には0.4より大きい。
- アルミニウムのシートの他の面は、拡散反射より大きい鏡面反射を有する。
- 代わりに、アルミニウムのシートの他の面は、拡散反射より小さい鏡面反射を有してよい。
- ミネラルウールコアは、その内面が、コアの内部表面に接続されかつアルミニウムの外部シートを含む内部カバーで覆われており、アルミニウムのシートは、前記コアから最も離れたその面について、鏡面反射より拡散反射が大きい。
- 外部カバーは、前記アルミニウムのシート、好ましくは、強化ガラス繊維のメッシュによって強化されたアルミニウムのシートで構成される。
- 外部カバーは、前記アルミニウムのシートより下に配置され好ましくは鉱物繊維のコアに接着結合されたクラフト紙のシートを含み、前記アルミニウムのシートは、好ましくは、強化ガラス繊維のメッシュによって強化される。
- 中心コアの外部表面は、繊維ガラスのマット又は合成繊維のマットをさらに含み、前記マットは、好ましくは、前記コアを構成する鉱物繊維の架橋に用いられるバインダーによって、中心コアに結合されており、パネルが、ミネラルウールコアの外部表面から、以下のものを含むようになっている:
- 繊維ガラスの繊維又は合成繊維の、前記マット、
- 前記外部カバー。
- 外部カバーは、耐UV保護フィルム、特に、HRUV(紫外線に高い耐性のある)エポキシ樹脂、ウレタン、ポリフッ化ビニルから選択される耐UV保護フィルムで覆われる。
- パネルは、相互に接続されるエッジの末端部で終端する。
- パネルのカバーは、別のモジュールと組み立てられる場合、前記モジュールのカバーと部分的に重なるようにフラップ内に延びる(したがって、場合によっては同じ材質の、テープで密閉することができる)。
【0015】
本発明はさらに、上記のパネルから製造された自己支持型ダクト、及び自己支持型ダクト、特に、空気調整分配のための自己支持型ダクトの製造のための係るパネルの使用に関する。
【0016】
本発明の他の特定の好ましい(ただし非限定的である)実施態様(これらは、適用可能な場合、互いに組み合わせることができる)によれば:
- 外部カバーの総厚みは、0.005mm~1mm、より好ましくは0.05mm~0.50mmである。
- 外部カバー及び/又は適切な場合は内部カバーは、ポリウレタン(PU)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ホットメルト接着剤、又は水系接着剤、好ましくは、PU又はLDPEによって、コアに接着結合される。
- 中心コアの外部表面は、繊維ガラス又は合成繊維の、マットをさらに含み、前記マットは、好ましくは、前記コアを構成する鉱物繊維の架橋に用いられるものと同じバインダーによって、中心コアに結合される。
- 中心コアの内部表面は、繊維ガラス又は合成繊維の、マットをさらに含み、前記マットは、好ましくは、前記コアを構成する鉱物繊維の架橋に用いられるものと同じバインダーによって、中心コアに結合される。
- パネルは、ミネラルウールコアの外部表面から、以下のものを連続的に含む;
- コアを構成する鉱物繊維に統合されたガラス繊維マット、
- 接着剤の層、特に、上記のもののタイプの接着剤の層、
- 少なくとも1つのアルミニウムのシート、任意選択的に、接着剤によるクラフト紙及び繊維ガラスメッシュによって強化された少なくとも1つのアルミニウムのシートを含む外部カバー、
- 任意選択的に、耐UV保護フィルムからなる保護フィルム。
- パネルは、相互に接続されるエッジの末端部で終端する。
【0017】
得られたパネル間の接続手段に関して、できる限り完全な密閉された接続を得るために、後者は、インターロックプロファイル材を有することが与えられた。このようにして、最初は平坦なパネルから、悪天候にさらされる場合がある空気ダクトを得ることが可能であり、これらのパネルは、熱的に遮断され、かつ、カバーを有し、このカバーは、絶対的な蒸気バリアを提供し、これらのパネルは非常に汎用性がある。なぜならば、それらは、同じ「ユニバーサル」パネルから非常に様々な寸法及び形状のダクトを得ることを可能にするからである。
- パネルのカバーは、別のモジュールと組み立てられる場合、前記モジュールのカバーと部分的に重なりかつ同じ材質のテープで密閉されるように、フラップ内にわずかに延びる。
- ダクトの内面を決定する内部カバーは、パネルのエッジを越えて延在し、接続プロファイル材を画定する表面に取り付けられる。
- 鉱物繊維コアの密度は、50kg/m3~110kg/m3、好ましくは55kg/m3~80kg/m3である。
【0018】
本発明に係るパネルは、例えば、外部のダクト、特に、外部の空気調整ダクト及び類似品のためのパネルであってよい。
【0019】
本発明はさらに、上記のパネルから製造された自己支持型ダクトに関する。
【0020】
最後に、本発明は、自己支持型ダクト、特に、調整空気を分配するための自己支持型ダクトの製造のための上記のパネルの使用に関する。
【0021】
本発明の前の説明を完成させ、その特徴のより良好な理解を助けるために、その実際的な実施態様の好ましい(ただし限定的でない)例が、非限定的な例として以下に示した前記説明の一体部分としての添付の図面のセットと関連して、以下に記載される:
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、パネルの概略図を示し、このパネルから、外部の空気調整ダクトを構成するためのモジュールが得られ、これは、すべて本発明の目的に従って達成される。
【
図2】
図2は、本発明に係る自己支持型ダクト内の2つの隣接するモジュールの接続部の概略図を示す。
【
図3】
図3は、
図2に示されるコネクタの第一の代替的な実施態様の拡大詳細図を示す。
【
図4】
図4は、
図2に示されるコネクタの第二の代替的な実施態様の拡大詳細図を概略的に示す。
【
図5】
図5は、本発明の1つの実施態様に係るパネル及びダクトを構成するすべての要素の分解図を示す。
【
図6】
図6は、本発明に係る反射を測定するために用いられる方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
前述の図において見ることができるように、本発明に係るパネル(1-1’)は、ミネラルウールコア(2-2’)(ガラスウール又はロックウール)又は類似のものから形成され、それは、外部とみなされるその面が、外部カバー(3-3’)で覆われており、それが機械的及び化学的に耐性があるものとしている。
【0024】
本発明の意味の範囲内では、「外部」、「外部」、「内部」、及び「内部」という用語は、別段の示唆がない限り、最終ダクトにおけるパネルの様々な構成要素のそれぞれの位置を指す。
【0025】
図1~4は、自己支持型ダクトを得るための、本発明に係るパネル、例えば、
図5に示されるものなどのパネルの組み立て及び取り付けを記載する。特に、公報EP1-532-391A1に記載されるように、この構造から、適切な切断及び折り曲げ工具を用いて、本発明にしたがって、単一タイプのパネルを用いて、多数の種類のタイプ、構成、及び様々な形状を、迅速かつ簡単に、形成することが可能である。
【0026】
自己支持型ダクト内のモジュール間の接続の様式については、準備は、
図3及び4に詳細に示されるものなどの相互に接続されたエッジによって、末端部でパネルが終端するようになされてよく、その結果、好ましくは、多層の外部カバー3がフラップ8内にわずかに延び、それは、隣接するモジュールのカバー3’と部分的に重なり、したがって、水/水分の入口を防止する。カバーと同じ材質のテープを用いることが可能である。
【0027】
この相互接続は、本発明の本質に影響することなく、
図3に示されるような直線であっても、
図4に示されるような斜めであってもよい。
【0028】
図5でより詳しく以下に記載されるように、1つの可能な実施態様によれば、外部カバー3は、アルミニウム4の外部シートで覆われたクラフト紙6の層を含み、2つの要素は、好ましくは、接着剤によって結合され、前記アルミニウムのシートは、強化ガラス繊維のメッシュ9(スクリム層)によって強化されて、FSK(ホイル-スクリム-クラフト)複合体を形成することもできる。
【0029】
本発明に係る別の構成によれば、本発明に係るカバーは、アルミニウムシート4のみから、好ましくは、強化繊維のメッシュ9、好ましくはガラス繊維のメッシュによって強化されたアルミニウムシート4のみからなってよい。
【0030】
アセンブリは、上記のように、この目的のために知られている追加のフィルムによって、紫外線から保護されることができる(
図5には示されていない)。
【0031】
(ダクトのその最終位置に関しての)ダクトのいわゆる内面では、中心コアが、ガラスファブリック7によって覆われているか、任意選択的に強化メッシュ9によって強化された、アルミニウムの単一のシート5によって覆われているか、1つ又はそれより多くのクラフト紙-アルミニウムシートの組み合わせによって覆われている。
【0032】
任意選択的に、ガラスファブリック又はガラスマット7を、(図示されない)接着剤、又は代わりに、ミネラルコアの繊維を結合して、ダクトの機械的な内容をさらに改善するバインダーによって、前記コアに、前記コア2の一方の面又は両方の面で、さらに取り付けることができる。
図5において、ミネラルウールで製造された中心コア2は、その外面で、ガラス繊維ファブリック7、特に、出願人の会社からのNeto(商標)ファブリックに接する。
【0033】
中心コア2の反対側の表面も、別の繊維ガラスマット7(図示せず)によって強化することができる。好ましい実施態様によれば、マット又はガラスファブリック7は、鉱物繊維の高密度マットの製造中にコアの外面に堆積し、その後、バインダーが硬化炉を通過する。このようにして、強化マットは得られ、それは、ミネラルウールで製造されたコアの表面に統合され、すなわち、コアの鉱物繊維を結合する同じバインダーによってそれに結合され、したがって、その強化は改善される。
【0034】
本発明に係るパネル又はダクトは、当然、他の追加の要素、特に、外部カバー3の構成に入る追加の層及び/又はシートを含むことができる。
【0035】
中心コア2の外面上、すなわち、外方へ向けられた面上では、ひとたび自己支持型ダクトがパネルから製造されると、多層の外部カバー3は、接着剤の層(図示せず)を介して、適切な場合には強化マット7を介して、コアの表面に配置され、これに結合される。この接着剤の層は、好ましくはポリウレタンの接着剤であるが、低密度ポリエチレン(LDPE)で製造された接着剤、ホットメルト接着剤、又は水系接着剤から選択されてもよい。
【0036】
別の可能な実施態様によれば、ポリエステルなどのプラスチック材料の層、次いでUV保護フィルムを、アルミニウムのシート4の上に、特に、上記のタイプのアルミニウムのシート4の上に、最初に配置することができる。
【0037】
図5には記載されていないが、本発明の文脈に含まれる別の構成によれば、保護カバーは、複数のアルミニウムフィルム、例えば、2つのアルミニウムフィルムを含むことができ、これらのアルミニウムフィルムは、ポリエステルなどのプラスチックの層によって互いから分離される。
【0038】
本発明によれば、プラスチック材料の層は、フィルム又はアルミニウムフィルムに直接結合されるか、代わりに、当分野において知られている任意の接着剤を介して、そのような金属-プラスチック接続を可能にする(
図5に示されない)。
【0039】
好ましくは、本発明によれば、カバー3の総厚みは、5ミクロン~1000ミクロン、好ましくは50ミクロン~500ミクロン、非常に好ましくは30~250ミクロンである。
【0040】
本発明によれば、アルミニウム4のシートは、鏡面反射より大きい、又は鏡面反射より非常に大きい拡散反射を有するように構成される。
【0041】
以下の表1において、現在販売されているアルミニウムのシート及び本発明に従って構成されたアルミニウムのシートの、全反射、鏡面反射、及び拡散反射の値は、(可視光(380nm~780nm)の)鏡面反射を増加させるように移行した。
【0042】
(入射光のパーセンテージとしての)反射は、150mmの積分球を備えたUV-Vis-NIR Perkin Elmer Lambda 900分光計を用いて、計測ステップ当たり0.26秒の積分ステップで、5nmのステップで、可視領域(380nm~780nm)について測定された。測定の精度は、±0.15%であると見積もられる。反射は、8°(0°が通常である)の入射角で測定される。
【0043】
図6は、可視光の拡散反射及び全反射を測定するのに用いられる構成を示す。
図6は、積分球を概略的に示す。
【0044】
球は、2つのポート11及び12と、入射ビーム13を後者へ導入する開口部とを備える。
【0045】
全透過(反射+散乱)の測定については、サンプルをポート11に配置し(ポート11はサンプルによって置き換えられる)、ポート12はそのままにする(
図6a)。このようにして、積分球は、サンプルによる光の全反射を可能にする。
【0046】
拡散透過の測定については、ポート11はサンプルによって置き換えられ、さらにポート12は取り除かれる(
図6b)。したがって、サンプル上での鏡面反射に由来するビーム14は、積分球によって得られる測定に入ることなく、球から逃げることができる。
【0047】
鏡面反射は、全反射から拡散反射を差し引くことにより得られる。
【表1】
【0048】
2つのアルミニウムのシートの粗さ特性は、プロフィロメーターを用いて、NF ISO 25178規格に従って測定された。
【0049】
より正確には、トポグラフィー測定は、光学非接触センサ(共焦点クロマティックセンサ)を含むSTILプロフィロメーターを用いて実施された。測定点は、1μmの間隔の正方形グリッド上で取得された。印刷されたトポグラフィーラインを回避して、画像を5mm×2.5mmの表面積で取得し、次いで、DigitalSurfからのソフトウェアMountainsMap Scanning Topography 7.4を用いて分析した。表面は、平面で真っすぐにされ、粗度パラメータは、最後にNF ISO 25178規格に従って計算された。
【0050】
パラメータSz(それは山と谷との間の最大距離を測定する)及びパラメータSSk(それは検討される表面の非対称性(Skewess)を測定する)の値は、以下の表2に報告される:
【表2】
【0051】
次いで、本発明を満たす特徴を有するアルミニウムカバーの使用が、以下の利点を有することを確認した。:
- 設置者にとっては、光の反射を低減し、危険で不快な反射を回避することによって、用いられるパネルのカバーの表面から来る光に直接さらされることがない。鏡面反射を最小限にして拡散反射を優先することによって、設置者の視覚的快適性と視覚疲労、又はまぶしさが改善される。このように、設備の安全性が改善される。
【0052】
加えて、安全な環境でのそのような作業を、作業領域にかかわらず、特に、あらゆる場所(屋外又は屋内)において、かつ、照明のタイプ(自然又は人工)とその強度にかかわらず、保証することができる。特に、強い反射なしで、光と熱の反射を最小限にすることによって、晴れた日の屋外での作業が可能になる。
【0053】
さらに、実施される作業の有効性を、例えば、特に、公報WO2004/001277に記載されるように、ガイドラインが、切断されるパネルの表面に存在する場合に、切断のより高い精度を保証すること、特に、前記切断ラインと外部のアルミニウムカバーの表面とのコントラストを改善することによって、改善することが可能となる。
【0054】
拡散反射が鏡面反射よりも大きい本発明に係るアルミニウムのシートで内面も覆われている場合には、形状のアセンブルのために、パネルの外面よりも内面で、両方でダクトの形状、特には長さ方向の切り口を簡単にすることによって、設置作業も、切断の際に、より効率的になる。
【0055】
本発明に係るアルミニウムのシートの外部カバーでの使用は、最終設備の美観を改善することも可能にする。なぜならば、それは、明かり(屋外又は屋内)及びその強度から独立して、設備全体の視覚的な均一性に寄与するからである。
【国際調査報告】