(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-03
(54)【発明の名称】シーンの切り替え方法、端末及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G10L 15/22 20060101AFI20230926BHJP
G10L 17/00 20130101ALI20230926BHJP
G10L 15/00 20130101ALI20230926BHJP
【FI】
G10L15/22 453
G10L17/00 200C
G10L15/00 200N
G10L15/00 200G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516779
(86)(22)【出願日】2021-09-02
(85)【翻訳文提出日】2023-03-14
(86)【国際出願番号】 CN2021116320
(87)【国際公開番号】W WO2022052864
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】202010965434.0
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518383965
【氏名又は名称】シンセン ティシーエル デジタル テクノロジー エルティーディ
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN TCL DIGITAL TECHNOLOGY LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 201(Registered in Shenzhen Qianhai Commercial Secretariat Company), Block A Comprehensive Office Building Authority of Qianhai Shenzhen-Hong Kong Cooperation Zone, No.1 Liyumen Street, Qianwan Road1 Shenzhen, Guangdong 518054 China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 毅
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ ▲曉▼▲東▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲曉▼▲峰▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 涛
(72)【発明者】
【氏名】▲羅▼ 清▲剛▼
(57)【要約】
本願は、ユーザが第1のシーンから第2のシーンに移動したか否かを決定するステップと、第2のシーンに移動した場合、第2のシーンにおけるユーザの声紋情報を収集するステップと、声紋情報に基づいて、第1のシーンにおける各切り替え対象デバイスを決定し、それぞれ対応する運転状態を取得するステップと、第2のシーンにおける各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する運転状態を決定するステップと、を含むシーンの切り替え方法、端末及び記憶媒体を開示する。異なるシーン間でのデバイスの運転パラメータの切り替えが実現される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが第1のシーンから第2のシーンに移動したか否かを決定するステップと、
前記第2のシーンに移動した場合、前記第2のシーンにおける前記ユーザの声紋情報を収集するステップと、
前記第2のシーンにおける声紋情報に基づいて、前記第1のシーンにおける各切り替え対象デバイスを決定し、前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を取得するステップと、
前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報に基づいて、前記第2のシーンにおける各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を決定するステップと、を含み、
ここで、前記各ターゲットデバイスは、前記各切り替え対象デバイスとマッチする
シーンの切り替え方法。
【請求項2】
前記第2のシーンにおける声紋情報に基づいて、前記第1のシーンにおける各切り替え対象デバイスを決定するステップは、
前記第1のシーンにおける各オンされたデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報及び前記第2のシーンにおける各前記ターゲットデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報を取得するステップと、
前記第1のシーンにおける声紋情報と前記第2のシーンにおける声紋情報とをマッチングし、前記各オンされたデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報と前記各ターゲットデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報とをマッチングするステップと、
前記第1のシーンにおける声紋情報と前記第2のシーンにおける声紋情報とがマッチする場合、前記各オンされたデバイスのうち、前記ターゲットデバイスとマッチする前記オンされたデバイスを取得し、前記ターゲットデバイスとマッチする前記オンされたデバイスを前記第1のシーンにおける前記切り替え対象デバイスとして決定するステップと、を含む、
請求項1に記載のシーンの切り替え方法。
【請求項3】
前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報に基づいて、前記第2のシーンにおける各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を決定するステップは、
前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を前記第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスに送信し、前記運転状態情報に対応する運転パラメータを前記各ターゲットデバイスに設定するステップを含む、
請求項2に記載のシーンの切り替え方法。
【請求項4】
前記ユーザが第1のシーンから第2のシーンに移動したか否かを決定するステップは、
前記第1のシーンにおける前記各オンされたデバイスのそれぞれに対応する位置情報及び前記第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する位置情報を取得するステップと、
前記各オンされたデバイスのそれぞれに対応する位置情報と、前記各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する位置情報とが同一であるか否かを判断するステップと、を含む、
請求項1に記載のシーンの切り替え方法。
【請求項5】
前記第2のシーンに移動した場合、前記第2のシーンにおける前記ユーザの声紋情報を収集するステップは、
前記各オンされたデバイスのそれぞれに対応する位置情報と、前記各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する位置情報とが異なる場合、ユーザが前記第1のシーンから前記第2のシーンに移動したと決定するステップと、
シーン切り替え命令を受信したか否かを検出するステップと、
前記シーン切り替え命令を受信した場合、前記第2のシーンにおける前記ユーザの声紋情報を収集するステップと、を含む、
請求項1に記載のシーンの切り替え方法。
【請求項6】
前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を前記第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスに送信し、前記運転状態情報に対応する運転パラメータを前記各ターゲットデバイスに設定するステップの後、
前記第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスからフィードバックされた結果情報を受信し、前記結果情報に基づいて、前記第1のシーンにおける前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報が、前記第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスに正常に切り替えられたか否かを判断するステップと、
前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報が、前記第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスに正常に切り替えられた場合、前記第1のシーンにおける前記各切り替え対象デバイスをオフにする制御命令を送信するステップと、
前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報が、前記第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスに正常に切り替えられなかった場合、前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を前記第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスに送信するステップを繰り返すステップと、を含む、
請求項3に記載のシーンの切り替え方法。
【請求項7】
前記ユーザが第1のシーンから第2のシーンに移動したか否かを決定するステップの前に、
前記第1のシーンにおけるデバイスオン命令を取得し、前記デバイスオン命令に従って前記第1のシーンにおける前記声紋情報を取得するステップと、
前記第1のシーンにおける前記声紋情報を前記第1のシーンに関連付けるステップと、を含む、
請求項1に記載のシーンの切り替え方法。
【請求項8】
前記シーン切り替え命令を受信した場合、前記第2のシーンにおける前記ユーザの声紋情報を収集するステップは、
複数の前記シーン切り替え命令を受信した場合、各前記シーン切り替え命令のそれぞれに対応する声紋情報を取得するステップと、
各前記シーン切り替え命令のそれぞれに対応する声紋情報と各ターゲット声紋情報とをそれぞれマッチングして、前記ターゲット声紋情報とマッチする前記声紋情報を取得するステップと、
各前記シーン切り替え命令のそれぞれに対応する声紋情報に、前記各ターゲット声紋情報とマッチする前記声紋情報が存在する場合、前記ターゲット声紋情報とマッチする前記声紋情報に対応するシーン切り替え命令をターゲットシーン切り替え命令として決定し、前記ターゲットシーン切り替え命令に対応するユーザはターゲットユーザであるステップと、
前記ターゲットユーザの前記シーン切り替え命令を収集し、前記第2のシーンにおける前記ユーザの声紋情報として使用するステップと、を含む、
請求項5に記載のシーンの切り替え方法。
【請求項9】
前記第1のシーンにおける声紋情報と前記第2のシーンにおける声紋情報とがマッチする場合、前記各オンされたデバイスのうち、前記ターゲットデバイスとマッチする前記オンされたデバイスを取得し、前記ターゲットデバイスとマッチする前記オンされたデバイスを前記第1のシーンにおける前記切り替え対象デバイスとして決定するステップの後、
前記第1のシーンにおける前記切り替え対象デバイスにビデオ再生デバイスが存在する場合、前記ビデオ再生デバイスの再生内容及び再生進行状況を取得するステップと、
前記再生内容及び前記再生進行状況を前記第2のシーンにおけるビデオ再生デバイスに送信し、前記再生進行状況に応じて、前記第2のシーンにおけるビデオ再生デバイスに前記再生内容を表示させるステップと、をさらに含む、
請求項2に記載のシーンの切り替え方法。
【請求項10】
メモリと、プロセッサーと、メモリに記憶され、プロセッサー上で実行されるシーンの切り替えプログラムと、を含む端末であって、前記プロセッサーが前記シーンの切り替えプログラムを実行するとき、
ユーザが第1のシーンから第2のシーンに移動したか否かを決定し、
前記第2のシーンに移動した場合、前記第2のシーンにおける前記ユーザの声紋情報を収集し、
前記第2のシーンにおける声紋情報に基づいて、前記第1のシーンにおける各切り替え対象デバイスを決定し、前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を取得し、
前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報に基づいて、前記第2のシーンにおける各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を決定し、
ここで、前記各ターゲットデバイスは、前記各切り替え対象デバイスとマッチする、
端末。
【請求項11】
前記プロセッサーが前記シーンの切り替えプログラムを実行するとき、さらに、
前記第1のシーンにおける各オンされたデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報及び前記第2のシーンにおける各前記ターゲットデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報を取得し、
前記第1のシーンにおける声紋情報と前記第2のシーンにおける声紋情報とをマッチングし、前記各オンされたデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報と前記各ターゲットデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報とをマッチングし、
前記第1のシーンにおける声紋情報と前記第2のシーンにおける声紋情報とがマッチする場合、前記各オンされたデバイスのうち、前記ターゲットデバイスとマッチする前記オンされたデバイスを取得し、前記ターゲットデバイスとマッチする前記オンされたデバイスを前記第1のシーンにおける前記切り替え対象デバイスとして決定する、
請求項10に記載の端末。
【請求項12】
前記プロセッサーが前記シーンの切り替えプログラムを実行するとき、さらに、
前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を前記第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスに送信し、前記運転状態情報に対応する運転パラメータを前記各ターゲットデバイスに設定する、
請求項11に記載の端末。
【請求項13】
前記プロセッサーが前記シーンの切り替えプログラムを実行するとき、さらに、
前記第1のシーンにおける前記各オンされたデバイスのそれぞれに対応する位置情報及び前記第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する位置情報を取得し、
前記各オンされたデバイスのそれぞれに対応する位置情報と、前記各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する位置情報とが同一であるか否かを判断する、
請求項10に記載の端末。
【請求項14】
前記プロセッサーが前記シーンの切り替えプログラムを実行するとき、さらに、
前記各オンされたデバイスのそれぞれに対応する位置情報と、前記各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する位置情報とが異なる場合、ユーザが前記第1のシーンから前記第2のシーンに移動したと決定し、
シーン切り替え命令を受信したか否かを検出し、
前記シーン切り替え命令を受信した場合、前記第2のシーンにおける前記ユーザの声紋情報を収集する、
請求項10に記載の端末。
【請求項15】
前記プロセッサーが前記シーンの切り替えプログラムを実行するとき、さらに、
前記第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスからフィードバックされた結果情報を受信し、前記結果情報に基づいて、前記第1のシーンにおける前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報が、前記第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスに正常に切り替えられたか否かを判断し、
前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報が、前記第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスに正常に切り替えられた場合、前記第1のシーンにおける前記各切り替え対象デバイスをオフにする制御命令を送信し、
前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報が、前記第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスに正常に切り替えられなかった場合、前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を前記第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスに送信するステップを繰り返す、
請求項12に記載の端末。
【請求項16】
前記プロセッサーが前記シーンの切り替えプログラムを実行するとき、さらに、
前記第1のシーンにおけるデバイスオン命令を取得し、前記デバイスオン命令に従って前記第1のシーンにおける前記声紋情報を取得し、
前記第1のシーンにおける前記声紋情報を前記第1のシーンに関連付ける、
請求項10に記載の端末。
【請求項17】
前記プロセッサーが前記シーンの切り替えプログラムを実行するとき、さらに、
複数の前記シーン切り替え命令を受信した場合、各前記シーン切り替え命令のそれぞれに対応する声紋情報を取得し、
各前記シーン切り替え命令のそれぞれに対応する声紋情報と各ターゲット声紋情報とをそれぞれマッチングして、前記ターゲット声紋情報とマッチする前記声紋情報を取得し、
各前記シーン切り替え命令のそれぞれに対応する声紋情報に、前記各ターゲット声紋情報とマッチする前記声紋情報が存在する場合、前記ターゲット声紋情報とマッチする前記声紋情報に対応するシーン切り替え命令をターゲットシーン切り替え命令として決定し、前記ターゲットシーン切り替え命令に対応するユーザはターゲットユーザであり、
前記ターゲットユーザの前記シーン切り替え命令を収集し、前記第2のシーンにおける前記ユーザの声紋情報として使用する、
請求項14に記載の端末。
【請求項18】
前記プロセッサーが前記シーンの切り替えプログラムを実行するとき、さらに、
前記第1のシーンにおける前記切り替え対象デバイスにビデオ再生デバイスが存在する場合、前記ビデオ再生デバイスの再生内容及び再生進行状況を取得し、
前記再生内容及び前記再生進行状況を前記第2のシーンにおけるビデオ再生デバイスに送信し、前記再生進行状況に応じて、前記第2のシーンにおけるビデオ再生デバイスに前記再生内容を表示させる、
請求項11に記載の端末。
【請求項19】
コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサーにより実行されると、
ユーザが第1のシーンから第2のシーンに移動したか否かを決定し、
前記第2のシーンに移動した場合、前記第2のシーンにおける前記ユーザの声紋情報を収集し、
前記第2のシーンにおける声紋情報に基づいて、前記第1のシーンにおける各切り替え対象デバイスを決定し、前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を取得し、
前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報に基づいて、前記第2のシーンにおける各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を決定することが実現され、
ここで、前記各ターゲットデバイスは、前記各切り替え対象デバイスとマッチする、
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項20】
前記コンピュータプログラムがプロセッサーにより実行されると、さらに、
前記第1のシーンにおける各オンされたデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報及び前記第2のシーンにおける各前記ターゲットデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報を取得し、
前記第1のシーンにおける声紋情報と前記第2のシーンにおける声紋情報とをマッチングし、前記各オンされたデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報と前記各ターゲットデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報とをマッチングし、
前記第1のシーンにおける声紋情報と前記第2のシーンにおける声紋情報とがマッチする場合、前記各オンされたデバイスのうち、前記ターゲットデバイスとマッチする前記オンされたデバイスを取得し、前記ターゲットデバイスとマッチする前記オンされたデバイスを前記第1のシーンにおける前記切り替え対象デバイスとして決定することが実現される、
請求項19に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、音声インタラクションの技術分野に関し、特にシーンの切り替え方法、端末及び記憶媒体に関する。
【0002】
本願は、2020年09月14日に中国特許庁に提出された、出願番号が202010965434.0であって、発明の名称が「シーンの切り替え方法、端末及び記憶媒体」である中国特許出願に基づき優先権を主張し、当該中国特許出願の内容のすべてを本願に援用する。
【背景技術】
【0003】
遠距離音声認識技術の発展に伴い、遠距離デバイスが広く使用されるようになっており、一部のユーザの家には複数の遠距離デバイスが存在する場合があり、ユーザが遠距離音声で遠距離デバイスをウェイクアップすると、前記遠距離デバイスは、ユーザが予め設定したパラメータ又はデフォルトのパラメータに従って自動的に運転し、例えば、ユーザが現在位置しているシーンがリビングルームの場合は、ウェイクアップワード「シャオTシャオT」をクエリ(Query)することにより、リビングルーム内の遠距離デバイスはウェイクアップワードを受信するとオンとなり、ユーザがリビングルームから部屋に入ると、再びウェイクアップワード「シャオTシャオT」をクエリ(Query)すると、部屋内の遠距離デバイスがオンとなる。しかし、家庭内の異なるシーンの遠距離デバイス間で連携関係が確立されていないため、ユーザが新しいシーンに入ったときも、新しいシーンでオンになっている遠距離デバイスは、ユーザが予め設定したパラメータ又はデフォルトのパラメータに従って運転し続ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、家庭内の異なるシーンの遠距離デバイス間で連携関係が確立されていないため、ユーザが新しいシーンに入ったときも、新しいシーンでオンになっている遠距離デバイスは、ユーザが予め設定したパラメータ又はデフォルトのパラメータに従って運転し続ける。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の実施例は、ユーザが第1のシーンから第2のシーンに移動しても、第2のシーンにおいてオンになっている遠距離デバイスが、ユーザが予め設定したパラメータ又はデフォルトのパラメータに従って運転し続けるという問題を解決するためのシーンの切り替え方法、端末及び記憶媒体を提供する。
【0006】
上記の目的を実現するために、本願の一態様は、シーンの切り替え方法を提供し、前記シーンの切り替え方法は、
ユーザが第1のシーンから第2のシーンに移動したか否かを決定するステップと、
前記第2のシーンに移動した場合、前記第2のシーンにおける前記ユーザの声紋情報を収集するステップと、
前記第2のシーンにおける声紋情報に基づいて、前記第1のシーンにおける各切り替え対象デバイスを決定し、前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を取得するステップと、
前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報に基づいて、前記第2のシーンにおける各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を決定するステップと、を含み、
ここで、前記各ターゲットデバイスは、前記各切り替え対象デバイスとマッチする。
【0007】
さらに、上記の目的を実現するために、本願の別の態様は、メモリと、プロセッサーと、メモリに記憶され、プロセッサー上で実行されるシーンの切り替えプログラムと、を含む端末をさらに提供し、前記プロセッサーが前記シーンの切り替えプログラムを実行するとき、
ユーザが第1のシーンから第2のシーンに移動したか否かを決定し、
前記第2のシーンに移動した場合、前記第2のシーンにおける前記ユーザの声紋情報を収集し、
前記第2のシーンにおける声紋情報に基づいて、前記第1のシーンにおける各切り替え対象デバイスを決定し、前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を取得し、
前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報に基づいて、前記第2のシーンにおける各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を決定し、
ここで、前記各ターゲットデバイスは、前記各切り替え対象デバイスとマッチする。
【0008】
さらに、上記の目的を実現するために、本願の別の態様は、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供し、前記コンピュータプログラムがプロセッサーにより実行されると、
ユーザが第1のシーンから第2のシーンに移動したか否かを決定し、
前記第2のシーンに移動した場合、前記第2のシーンにおける前記ユーザの声紋情報を収集し、
前記第2のシーンにおける声紋情報に基づいて、前記第1のシーンにおける各切り替え対象デバイスを決定し、前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を取得し、
前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報に基づいて、前記第2のシーンにおける各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を決定することが実現され、
ここで、前記各ターゲットデバイスは、前記各切り替え対象デバイスとマッチする。
【発明の効果】
【0009】
本実施例は、ユーザが第1のシーンから第2のシーンに移動したと決定した場合に、第2のシーンにおけるユーザの声紋情報を収集し、前記声紋情報に基づいて、前記第1のシーンにおける各切り替え対象デバイスを決定し、前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を取得し、前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を前記第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスに送信し、前記運転状態情報に対応する運転パラメータを前記各ターゲットデバイスに設定する。これにより、ユーザが第1のシーンから第2のシーンに移動しても、この第2のシーンにおいてオンになっている遠距離デバイスは、ユーザが第1のシーンで予め設定したパラメータ又はデフォルトのパラメータに従って運転し続け、遠距離デバイス間の連携関係により、異なるシーン間でのデバイスの運転パラメータの切り替えが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本願の実施例形態に係るハードウェア動作環境の端末構造を示す模式図である。
【
図2】本願のシーンの切り替え方法の第1の実施例のフローチャートである。
【
図3】本願のシーンの切り替え方法の第2の実施例のフローチャートである。
【
図4】本願のシーンの切り替え方法の第3の実施例のフローチャートである。
【
図5】本願のシーンの切り替え方法において、ユーザが第1のシーンから第2のシーンに移動したか否かを決定するフローチャートである。
【
図6】本願のシーンの切り替え方法において、前記第2のシーンに移動した場合、前記第2のシーンにおける前記ユーザの声紋情報を収集するフローチャートである。
【
図7】本願のシーンの切り替え方法において、前記声紋情報に基づいて前記第1のシーンにおける各切り替え対象デバイスを決定するフローチャートである。
【
図8】本願のシーンの切り替え方法において、前記第1のシーンにおける声紋情報と前記第2のシーンにおける声紋情報とがマッチする場合、前記各オンされたデバイスのうち、前記ターゲットデバイスとマッチする前記オンされたデバイスを取得し、前記ターゲットデバイスとマッチする前記オンされたデバイスを前記第1のシーンにおける前記切り替え対象デバイスとして決定するステップの後のフローチャートである。
【
図9】本願のシーンの切り替え方法において、前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報に基づいて、前記第2のシーンにおける各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を決定するフローチャートである。
【
図10】本願のシーンの切り替え方法において、前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を前記第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスに送信し、前記運転状態情報に対応する運転パラメータを前記各ターゲットデバイスに設定するステップの後のフローチャートである。
【0011】
本願の目的の達成、機能的特徴及び利点については、実施例に関連して図面を参照しながらさらに説明する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
なお、ここで説明する具体的な実施例は、本願を解釈するためのものであり、本願を限定するためのものではないことを理解されたい。
【0013】
本願の実施例の主な解決策は、ユーザが第1のシーンから第2のシーンに移動したか否かを決定し、前記第2のシーンに移動した場合、前記第2のシーンにおける前記ユーザの声紋情報を収集し、前記第2のシーンにおける声紋情報に基づいて、前記第1のシーンにおける各切り替え対象デバイスを決定し、前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を取得し、前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報に基づいて、前記第2のシーンにおける各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を決定することであり、ここで、前記各ターゲットデバイスは、前記各切り替え対象デバイスとマッチする。
【0014】
家庭内の異なるシーンの遠距離デバイス間で連携関係が確立されていないため、ユーザが新しいシーンに入ったときも、新しいシーンでオンになっている遠距離デバイスは、ユーザが予め設定したパラメータ又はデフォルトのパラメータに従って運転し続ける。一方、本願は、ユーザが第1のシーンから第2のシーンに移動したと決定した場合に、第2のシーンにおけるユーザの声紋情報を収集し、前記声紋情報に基づいて、前記第1のシーンにおける各切り替え対象デバイスを決定し、前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を取得し、前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を前記第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスに送信し、前記運転状態情報に対応する運転パラメータを前記各ターゲットデバイスに設定する。遠距離デバイス間の連携関係により、異なるユーザシーン間での遠距離デバイスの運転パラメータの切り替えが実現される。
【0015】
図1に示すように、
図1は、本願の実施例形態に係るハードウェア動作環境の端末構造を示す模式図である。
【0016】
図1に示すように、この端末は、プロセッサー1001、例えばCPU、ネットワークインターフェース1004、ユーザインターフェース1003、メモリ1005、通信バス1002を含んでもよい。ここで、通信バス1002は、これらの構成要素間の接続通信を実現するために使用される。ユーザインターフェース1003は、ディスプレイ(Display)、キーボード(Keyboard)などの入力ユニットを含んでもよく、選択可能なユーザインターフェース1003は、標準の有線インターフェース、無線インターフェースをさらに含んでもよい。ネットワークインターフェース1004は、選択的に、標準の有線インターフェース、無線インターフェース(例えば、WI-FIインターフェース)を含んでもよい。メモリ1005は、高速RAMメモリであってもよいし、ディスクメモリなどの安定したメモリ(non-volatile memory)であってもよい。メモリ1005は、選択的に、上述したプロセッサー1001とは独立した記憶装置であってもよい。
【0017】
選択的に、端末は、カメラ、RF(Radio Frequency、無線周波数)回路、センサー、リモコン、オーディオ回路、WiFiモジュール、検出器などをさらに含んでもよい。もちろん、前記端末は、ジャイロスコープ、気圧計、湿度計、温度センサーなどの他のセンサーがさらに構成されてもよく、ここでは詳細な説明を省略する。
【0018】
当業者は、
図1に示す端末構造は、端末デバイスに対する限定を構成するものではなく、図に示されるものより多くの又は少ない構成要素を含むか、いくつかの構成要素を組み合わせるか、又は異なる構成要素を配置することができることを理解するだろう。
【0019】
図1に示すように、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であるメモリ1005には、オペレーティングシステム、ネットワーク通信モジュール、ユーザインターフェースモジュール、シーンの切り替えプログラムが含まれてもよい。
【0020】
図1に示す端末において、ネットワークインターフェース1004は、主にバックグラウンドサーバに接続し、バックグラウンドサーバとデータ通信を行うためのものであり、ユーザインターフェース1003は、主にクライアント(ユーザ側)に接続し、クライアントとデータ通信を行うためのものであり、プロセッサー1001は、メモリ1005に記憶されているシーンの切り替えプログラムを呼び出して、
ユーザが第1のシーンから第2のシーンに移動したか否かを決定し、
前記第2のシーンに移動した場合、前記第2のシーンにおける前記ユーザの声紋情報を収集し、
前記第2のシーンにおける声紋情報に基づいて、前記第1のシーンにおける各切り替え対象デバイスを決定し、前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を取得し、
前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報に基づいて、前記第2のシーンにおける各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を決定する操作を実行するために使用でき、
ここで、前記各ターゲットデバイスは、前記各切り替え対象デバイスとマッチする。
【0021】
図2を参照すると、
図2は、本願のシーンの切り替え方法の第1の実施例のフローチャートであり、前記シーンの切り替え方法は、下記のステップを含む。
【0022】
ステップS10:ユーザが第1のシーンから第2のシーンに移動したか否かを決定する。
【0023】
人々の生活の質が向上するにつれて、ますます多くのユーザは、1つの無線音声インタラクションシステムを構成する複数の遠距離デバイス、例えばスピーカー、エアコン、テレビなどを家に配置することを好む。一般に、ユーザは、前記無線音声インタラクションシステムにおいて、1つの遠距離デバイスをマスタデバイスとして選択し、他の遠距離デバイスをスレーブデバイスとして選択し、前記マスタデバイスは、スレーブデバイスと無線で接続され、又は環境内に配置された無線ホットスポットを介して接続される。
【0024】
本実施例では、前記シーンは、リビングルーム、部屋(ベッドルーム)、キッチン等を含むが、これらに限定されるものではなく、前記第1のシーンは、ユーザが現在のシーンに入る前に存在するシーンを指し、前記第2のシーンは、ユーザが現在存在するシーンを指す。
【0025】
シーンの切り替え操作を実行する前に、まず、ユーザが現在位置しているシーンが変わったか否かを決定する必要があり、例えば、ユーザが位置しているシーンの画像/ビデオを撮影するための複数のカメラを異なるシーンに配置し、さらに、撮影した画像/ビデオから、リビングルームのエアコンの識別子が01、ベッドルームのエアコンの識別子が02などのこのシーンにおけるデバイス識別子を取得し、前記デバイス識別子は、ユーザの必要に応じて設定することができ、ここでは限定をしない。前記デバイス識別子に基づいて、ユーザが位置するシーンが変わったか否かを決定し、ここで、前記デバイス識別子は、対応するシーン情報と予め関連付けて記憶されている。又は、異なるシーンの測位情報に基づいて、ユーザが第1のシーンから第2のシーンに移動したか否かを決定し、一実施例では、
図5を参照すると、前記ユーザが第1のシーンから第2のシーンに移動したか否かを決定するステップは、下記のステップを含む。
【0026】
ステップS11:前記第1のシーンにおける前記各オンされたデバイスのそれぞれに対応する位置情報及び前記第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する位置情報を取得する。
【0027】
ステップS12:前記各オンされたデバイスのそれぞれに対応する位置情報と、前記各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する位置情報とが同一であるか否かを判断する。
【0028】
各シーンにおける遠距離デバイスには、測位モジュールが内蔵されており、前記遠距離デバイスがオンになると、マスタデバイスは、遠距離デバイスに接続されたネットワークを介して、前記遠距離デバイスのネットワーク認識パラメータを取得し、前記遠距離デバイスの衛星測位モジュールに基づいて、前記遠距離デバイスの衛星測位情報を取得し、さらに、前記ネットワーク認識パラメータに基づいて、前記衛星測位情報と結合して、前記遠距離デバイスの位置情報を取得し、前記位置情報に基づいて、ユーザが現在位置しているシーンを決定することができる。同様の方法で、第1のシーンにおける各オンされたデバイスのそれぞれに対応する位置情報及び第2のシーンにおける各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する位置情報を取得し、さらに、各オンされたデバイスのそれぞれに対応する位置情報と、各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する位置情報とが同一であるか否かを判断し、これにより、ユーザが位置するシーンが変わった否かを判断する、即ちユーザが第1のシーンから第2のシーンに移動したか否かを決定する。
【0029】
なお、前記ターゲットデバイスは、第2のシーンにおける被ウェイクアップデバイスであり、前記被ウェイクアップデバイスとは、運転パラメータを取得していないデバイスである。
【0030】
ステップS20:前記第2のシーンに移動した場合、前記第2のシーンにおける前記ユーザの声紋情報を収集する。
【0031】
ユーザが第1のシーンから第2のシーンに移動したと決定した場合、例えばユーザがリビングルームからベッドルームに移動した場合、ユーザの音声情報を受信したか否かをリアルタイムで検出し、ユーザの音声情報を受信した場合、音声情報に基づいてユーザのベッドルームにおける声紋情報を収集する。一実施例では、
図6を参照すると、前記第2のシーンに移動した場合、前記第2のシーンにおける前記ユーザの声紋情報を収集するステップは、下記のステップを含む。
【0032】
ステップS21:前記各オンされたデバイスのそれぞれに対応する位置情報と、前記各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する位置情報とが異なる場合、ユーザが前記第1のシーンから前記第2のシーンに移動したと決定する。
【0033】
ステップS22:シーン切り替え命令を受信したか否かを検出する。
【0034】
ステップS23:前記シーン切り替え命令を受信した場合、前記第2のシーンにおける前記ユーザの声紋情報を収集する。
【0035】
第1のシーンにおける各オンされたデバイスのそれぞれに対応する位置情報と、第2のシーンにおける各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する位置情報とが異なる場合には、ユーザが第1のシーンから第2のシーンに移動したことを示し、第1のシーンにおける各オンされたデバイスのそれぞれに対応する位置情報と、第2のシーンにおける各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する位置情報とが同じであれば、ユーザが現在位置しているシーンが変わっていないことを示す。ユーザが第2のシーンに入ると、スレーブデバイスは、ユーザが遠距離音声で送信したシーン切り替え命令を受信したか否かをリアルタイムで検出し、ユーザが送信したシーン切り替え命令を受信すると、さらに第2のシーンにおけるユーザの声紋情報を取得する。具体的に、第2のシーンの遠距離デバイスがオンになった後、スレーブデバイス内蔵の音声検出ユニットは、スレーブデバイスの動作範囲内の音声信号をリアルタイムで検出し、ユーザが遠距離音声で送信した「シーン切り替え」の切り替え命令を受信すると、ユーザが第1のシーンから第2のシーンに切り替える必要があると決定し、シーン切り替え命令に対応するユーザの音声情報を取得し、前記音声情報を声紋認識することにより声紋の特徴情報を抽出し、前記声紋の特徴情報に基づいてユーザの声紋情報を取得する。
【0036】
さらに、第2のシーンにおける遠隔デバイスは、ユーザが送信した遠距離制御命令に基づいてオンになっており、具体的に、ユーザが第1のシーンから第2のシーンに移動する際に、スレーブデバイスは、内蔵音声検出ユニットによりスレーブデバイスの動作範囲内の音声信号をリアルタイムで検出し、ユーザが遠距離音声で送信した「シャオTシャオT」のウェイクアップワードを受信すると、このシーンにおける複数の遠距離デバイスがオンとなり、前記ウェイクアップワードは、ユーザが必要に応じて予め設定されており、ここでは限定をしない。スレーブデバイスは、ウェイクアップワードを検出すると、音声ウェイクアップ処理を行い、待機状態にあるアルゴリズムユニットをウェイクアップし、前記アルゴリズムユニットがウェイクアップされた後、即ち待機状態からアクティブ状態に変換した後、音声検出ユニットは、取得した音声信号をアルゴリズムユニットに伝送し、それに応じて、前記アルゴリズムユニットは、エコーキャンセリング、残響キャンセリング、音源定位などを含む所定の方法に従って、取得された音声信号に対して演算処理を行い、最終的にクリアな音声信号を取得し、スマートデバイスの制御システムに伝送することができる。前記スマートデバイスの制御システムは、取得した音声信号をサーバ/クラウドにアップロードして、サーバ/クラウドが取得した音声信号を音声認識し、音声認識結果に基づいて対応するオン命令を生成してスマートデバイスの制御システムに返信し、スマートデバイスの制御システムは、オン命令に従ってこのシーン内の遠距離デバイスをオンにする。
【0037】
選択的に、前記音声検出ユニットは、ウェイクアップ機能を有する低消費電力のマイクロフォンユニットであってもよく、低消費電力とは、マイクロフォンユニットの消費電力が低いことを意味し、このようなマイクロフォンを用いることにより、消費電力の削減を図ることができる。さらに、マイクロフォンユニットは、少なくとも2つのマイクロフォンを含むマイクロフォンアレイであってもよく、複数のマイクロフォンを用いることにより、音声信号に対するマイクロフォンユニットの収集感度を向上させることができる。例えば、遠距離デバイスの下の左、中、右の3つの位置にそれぞれ1つのマイクロフォンを配置することができ、これにより、ユーザが遠距離デバイスの正対位置、左位置、右位置のいずれにいても、ユーザが発する音声信号を好適に収集することができる。マイクロフォンアレイのいずれかのマイクロフォンがウェイクアップワードを検出すると、待機状態にあるアルゴリズムユニットをウェイクアップすることができる。例えば、いずれかのマイクロフォンがウェイクアップワードを検出すると、アルゴリズムユニットにウェイクアップ信号(割り込み信号)を発行して、エコーキャンセリング、残響キャンセリング、音源定位などの演算機能を実行させるようにアルゴリズムユニットを活性化することができる。
【0038】
ステップS30:前記声紋情報に基づいて、前記第1のシーンにおける各切り替え対象デバイスを決定し、前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を取得する。
【0039】
本実施例では、前記運転状態情報は、オン状態、オフ状態、回復状態等を含み、ここで、デバイスによって運転状態情報も異なり、例えば、エアコンの運転状態情報には、冷房運転状態、暖房運転状態、除湿運転状態、除霜運転状態等が含まれ、ファンの運転状態情報には、自然風運転モード、風速レンジの運転状態、タイミングの有無等の運転状態が含まれる。
【0040】
マスタデバイスは、声紋情報に基づいて、第1のシーンにおける各オンされたデバイスを取得し、さらに、第1のシーンにおける各オンされたデバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を記憶モジュールから取得し、例えば、マスタデバイスは、オンされたデバイスの運転状態情報の取得命令を受信すると、前記取得命令に基づいて、第1のシーンにおける各オンされたデバイスのそれぞれに対応する状態情報を記憶モジュールから取得し、ここで、前記取得命令は、第2のシーンにおけるユーザの声紋情報を受信した後にマスタデバイスによりトリガされ、前記状態情報は、スレーブデバイスが、データ収集モジュールを介して、各オンされた遠距離デバイスに対してデータ収集を行い、収集した状態情報をマスタデバイスに送信して記憶するものである。さらに、第1のシーンにおける各オンされたデバイスの状態情報と、第2のシーンにおける各ターゲットデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報とをマッチングし、マッチング操作に基づいて第1のシーンにおける各切り替え対象デバイスを決定し、各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を取得する。したがって、
図7を参照すると、前記第2のシーンにおける声紋情報に基づいて、前記第1のシーンにおける各切り替え対象デバイスを決定するステップは、下記のステップを含む。
【0041】
ステップS31:前記第1のシーンにおける各オンされたデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報及び前記第2のシーンにおける各前記ターゲットデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報を取得する。
【0042】
ステップS32:前記第1のシーンにおける声紋情報と前記第2のシーンにおける声紋情報とをマッチングし、前記各オンされたデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報と前記各ターゲットデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報とをマッチングする。
【0043】
ステップS33:前記第1のシーンにおける声紋情報と前記第2のシーンにおける声紋情報とがマッチする場合、前記各オンされたデバイスのうち、前記ターゲットデバイスとマッチする前記オンされたデバイスを取得し、前記ターゲットデバイスとマッチする前記オンされたデバイスを前記第1のシーンにおける前記切り替え対象デバイスとして決定する。
【0044】
マスタデバイスは、第1のシーンにおける各オンされたデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報及び第2のシーンにおける各前記ターゲットデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報を取得すると、まず、第1のシーンにおける声紋情報と第2のシーンにおける声紋情報とをマッチングし、第1のシーンにおける声紋情報と第2のシーンにおける声紋情報とがマッチしない場合には、第1のシーンにおける遠距離デバイスをオンにしたユーザと第2のシーンにおける遠距離デバイスをウェイクアップしたユーザとが同一人物でないことを示すため、現在の声紋情報がマッチしないことをユーザに促す音声プロンプト情報を送信する必要があり、第1のシーンにおける声紋情報と第2のシーンにおける声紋情報とがマッチする場合には、マスタデバイスは、さらに各オンされたデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報と各ターゲットデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報とをマッチングし、ここで、前記デバイス情報は、デバイスタイプ、デバイス能力、デバイスの使用時間等を含み、各オンされたデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報と各ターゲットデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報とがマッチしない場合には、現在変換が必要なシーンの確認をユーザに促す音声プロンプト情報を送信する。各オンされたデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報と各ターゲットデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報とがマッチするか、部分マッチする場合には、各オンされたデバイスの中でターゲットデバイスとマッチするオンされたデバイスを取得し、ターゲットデバイスとマッチするオンされたデバイスを第1のシーンにおける前記切り替え対象デバイスとして決定する。ここで、マッチングを行う際には、第1のシーンのオンされたデバイスと第2のシーンにおける被ウェイクアップデバイスとをマッチングし、例えば、第1のシーンにおけるオンされたデバイスがエアコン、テレビ、ランプ、及びスピーカーであり、第2のシーンにおける被ウェイクアップデバイスがエアコン、ランプ、スピーカーである場合、第1のシーンと第2のシーンにおけるエアコン、ランプ、スピーカーとをマッチングする。前記デバイスがいずれもマッチする条件を満たせば、前記エアコン、ランプ、スピーカーを第1のシーンにおける切り替え対象デバイスとして決定し、さらに、マスタデバイスの記憶モジュールから各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を取得する。ここで、マスタデバイスの記憶モジュールは、表1に示すように、第1のシーンにおける各オンされたデバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を記憶する。
【表1】
【0045】
表1では、一部のデバイス情報の格納のみを列挙しており、ここで、デバイス情報には他の運転状態や運転パラメータも含まれており、ここでは一々列挙しない。
【0046】
表1から、第1のシーンにおける各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態及び運転パラメータ情報を取得することができ、例えば、エアコンが冷房モードであり、冷房運転温度が26℃、風速レンジがミッドレンジで除湿モードがオンになっていること、ランプの現在の輝度レンジがミッドレンジであり、ライトモードがソフトライトモードであること、スピーカーのボリュームサイズを60%に調節し、再生モードがブルーツース再生モードである。
【0047】
さらに、第1のシーンにおける切り替え対象デバイスにビデオ再生デバイスが存在する場合には、ビデオ再生デバイスの再生内容及び再生進行状況を記録する必要があり、したがって、
図8を参照すると、前記第1のシーンにおける声紋情報と前記第2のシーンにおける声紋情報とがマッチする場合、前記各オンされたデバイスのうち、前記ターゲットデバイスとマッチする前記オンされたデバイスを取得し、前記ターゲットデバイスとマッチする前記オンされたデバイスを前記第1のシーンにおける前記切り替え対象デバイスとして決定するステップの後、下記のステップをさらに含む。
【0048】
ステップS320:前記第1のシーンにおける前記切り替え対象デバイスにビデオ再生デバイスが存在する場合、前記ビデオ再生デバイスの再生内容及び再生進行状況を取得する。
【0049】
ステップS321:前記再生内容及び前記再生進行状況を前記第2のシーンにおけるビデオ再生デバイスに送信し、前記再生進行状況に応じて、前記第2のシーンにおけるビデオ再生デバイスに前記再生内容を表示させる。
【0050】
マスタデバイスは、第1のシーンにおける前記切り替え対象デバイスにテレビなどのビデオ再生デバイスが存在することを検出すると、テレビの現在の再生内容及び再生の進行状況情報を取得し、シーンの切り替え操作が実行されると、これまでの再生内容及び再生の進行状況情報を第2のシーンにおけるテレビに送信し、前記再生進行状況に応じて前記再生内容を第2のシーンにおけるテレビに表示させる。例えば、第1のシーンにおけるテレビは、CCTV-5スポーツチャンネルの中国女子バレーボールが優勝後に受賞する内容を再生し、且つ、再生進行状況は受賞進行中の2分目であり、シーンの切り替えが実行されると、第2のシーンにおけるテレビもCCTV-5スポーツチャンネルの中国女子バレーボールが優勝後に受賞する内容を再生し、入賞進行中の2分目から再生を開始する。
【0051】
ステップS40:前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報に基づいて、前記第2のシーンにおける各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を決定し、ここで、前記各ターゲットデバイスは、前記各切り替え対象デバイスとマッチする。
【0052】
本実施例は、第1のシーンにおける各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報に基づいて、第2のシーンにおける各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を決定し、ここで、各ターゲットデバイスと各切り替え対象デバイスとがマッチするとは、ターゲットデバイスと切り替え対象デバイスとの間のデバイスタイプ、デバイス能力、デバイス使用時間等がマッチすることを意味する。具体的に、マスタデバイスは、第1のシーンにおける各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報における運転パラメータに基づいて、各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する運転パラメータを決定し、一実施例では、
図9を参照すると、前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報に基づいて、前記第2のシーンにおける各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を決定するステップは、下記のステップを含む。
【0053】
ステップS41:前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を前記第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスに送信し、前記運転状態情報に対応する運転パラメータを前記各ターゲットデバイスに設定する。
【0054】
マスタデバイスは、第1のシーンにおける各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報に基づいて、対応する運転パラメータを取得し、前記運転パラメータは、運転条件パラメータ及び運転状態パラメータを含み、例えば、エアコンの運転条件パラメータは、運転モード、電源投入温度、室内温度及び室外温度の一部又は全部を含み、運転状態パラメータは、排気温度、動作電流、排気圧力、蒸発温度及び凝縮温度の一部又は全部を含む。
【0055】
マスタデバイスは、取得した各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転パラメータを、第2のシーンにおける対応する各被ウェイクアップデバイスに配信し、第2のシーンにおける各被ウェイクアップデバイスは、前記運転パラメータを受信した後、前記運転パラメータに基づいて現在の運転を設定する。例えば、現在取得されている第1のシーンにおける切り替え対象エアコンの冷房運転温度は26℃、風速はミッドレンジ、風掃き方式は上下風掃きであり、切り替え対象ランプは暖光モード、輝度レンジはミッドレンジであり、切り替え対象ファンの風速は3速、スイングモードは左右スイングである。取得した切り替え対象エアコン、切り替え対象ランプ及び切り替え対象ファンの運転パラメータは、第2のシーンにおけるエアコンの冷房運転温度が26℃、風速がミッドレンジ、風掃き方式が上下風掃き、ランプが暖光モード、輝度レンジがミッドレンジ、ファンの風速が3速、スイングモードが左右スイングになるように、第2のシーンにおける各ターゲットデバイスに送信される。
【0056】
さらに、
図10を参照すると、前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を前記第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスに送信し、前記運転状態情報に対応する運転パラメータを前記各ターゲットデバイスに設定するステップの後、下記のステップを含む。
【0057】
ステップS42:前記第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスからフィードバックされた結果情報を受信し、前記結果情報に基づいて、前記第1のシーンにおける前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報が、前記第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスに正常に切り替えられたか否かを判断する。
【0058】
ステップS43:前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報が、前記第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスに正常に切り替えられた場合、前記第1のシーンにおける前記各切り替え対象デバイスをオフにする制御命令を送信する。
【0059】
ステップS44:前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報が、前記第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスに正常に切り替えられなかった場合、前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を前記第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスに送信するステップを繰り返す。
【0060】
シーンの切り替え操作が行われた後、第2のシーンにおける各被ウェイクアップデバイスは、各被ウェイクアップデバイスの運転状態情報、運転パラメータ情報等を含む運転パラメータの切り替え結果情報をマスタデバイスに送信し、マスタデバイスは、受信した結果情報に基づいて、第1のシーンにおける各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報が第2のシーンにおける各ターゲットデバイスに正常に切り替えられたか否かを判断し、例えば、第1のシーンにおける各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報と、第2のシーンにおける各ターゲットデバイスのそれぞれに対応する運転状態情報とが同一であるか否かを判断し、同一であれば、各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報が第2のシーンにおける各ターゲットデバイスに正常に切り替えられたことを示し、第1のシーンにおける各切り替え対象デバイスをオフにする制御命令をマスタデバイスが送信する必要があり、異なる場合には、各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報が第2のシーンにおける各ターゲットデバイスに正常に切り替えられなかったことを示し、各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスに送信するステップを繰り返す。
【0061】
なお、シーンの切り替えを行う前に、以下のいくつかの条件を含むシーンの構築条件を決定する必要がある。
【0062】
1.複数の遠距離デバイスを配置する。
【0063】
2.mDNS又はupnp等の軽量プロトコルを用いて遠距離デバイスを認識し、家庭においてマスタデバイス及びスレーブデバイスを定義し、前記マスタデバイスは、スレーブデバイスにより送信された声紋情報、デバイス情報及びシーン情報等を記憶するための記憶モジュールと、第1のシーン及び第2のシーンにおける声紋情報及びデバイス情報をマッチングするためのマッチングモジュールと、を含み、前記スレーブデバイスは、スマートエアコン、スマートテレビ、スマートファン及びスマートスピーカー等のデバイスを含む。
【0064】
3.マスタデバイスとスレーブデバイスとの間にUDP接続を確立し、マスタデバイスとスレーブデバイスとの間の接続をハートビートパケットによって検出し、前記UDP(User Datagram Protocol)はユーザデータグラムプロトコルであり、OSI参照モデルにおけるコネクションレストランスポート層プロトコルであり、トランザクション指向の簡単で信頼性の高い情報転送サービスを提供する。
【0065】
4.複数の遠距離デバイスがウェイクアップされたデバイスタイプに応じて、又はユーザによる補足により、各デバイスに対して位置登録及びシーン分割を行う。
【0066】
5.遠距離デバイスのシーン切り替えウェイクアップステートメント及びシーン切り替えステートメントを設定し、例えば、「シャオTシャオT」、「シーン切り替え」などである。
【0067】
本実施例は、ユーザが第1のシーンから第2のシーンに移動したと決定した場合に、第2のシーンにおけるユーザの声紋情報を収集し、前記声紋情報に基づいて、前記第1のシーンにおける各切り替え対象デバイスを決定し、前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を取得し、前記各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を前記第2のシーンにおける前記各ターゲットデバイスに送信し、前記運転状態情報に対応する運転パラメータを前記各ターゲットデバイスに設定する。遠距離デバイス間の連携関係を確立することにより、異なるユーザシーン間での遠距離デバイスの運転パラメータの切り替えが実現され、また、遠距離音声を送信することにより遠距離デバイスを自動的にオンにすることにより、ユーザの操作複雑度を低減し、遠距離デバイスのインテリジェントな知覚及びインテリジェントな連携が実現され、ユーザにより快適で便利な在宅環境を提供する。
【0068】
さらに、
図3を参照すると、本願のシーンの切り替え方法の第2の実施例を提案する。
【0069】
前記シーンの切り替え方法の第2の実施例とシーンの切り替え方法の第1の実施例との違いは、前記ユーザが第1のシーンから第2のシーンに移動したか否かを決定するステップの前に、下記のステップを含むことである。
【0070】
ステップS13:前記第1のシーンにおけるデバイスオン命令を取得し、前記デバイスオン命令に従って前記第1のシーンにおける前記声紋情報を取得する。
【0071】
ステップS14:前記第1のシーンにおける前記声紋情報を前記第1のシーンに関連付ける。
【0072】
スレーブデバイスは、ユーザが遠距離音声で送信したウェイクアップワード「シャオTシャオT」を受信すると、前記ウェイクアップワードに従って第1のシーンにおける複数の遠距離デバイスをウェイクアップし、ウェイクアップされた各遠距離デバイスについて、各ウェイクアップされた遠距離デバイスをオンにするための運転パラメータを設定し、さらに、マスタデバイスは、各オンされたデバイスのそれぞれに対応するデバイス能力、デバイス状態等の情報を取得するとともに、取得したユーザ音声を前処理し、非音声信号及び無音の音声信号を除去して前処理音声を取得し、さらに前処理音声をフレーム分割し、各フレームの音声信号のメル周波数逆スペクトル係数(MFCC)を抽出して保存し、具体的には、音声信号を差分するプリエンハンスメントのステップと、音声データをフレーム化するサウンドフレーミングステップと、各フレームの信号にウィンドウを追加して、ギブス効果の影響を軽減するハミングウィンドウのステップと、時間領域信号を信号のパワースペクトルに変換する高速フーリエ変換のステップと、三角フィルターによってカバーされる範囲が、人間の耳の1つの臨界帯域幅に近似して、人間の耳のマスキング効果をシミュレートする三角バンドパスフィルターのステップと、各次元信号間の相関を除去し、信号を低次元空間にマッピングする離散コサイン変換のステップと、を含む。さらに、抽出されたMFCCパラメータから音声動的特性パラメータをユーザの声紋特徴情報として取得することにより、ユーザの第1のシーンにおける声紋情報を取得する。
【0073】
スレーブデバイスは、取得した第1のシーンにおける声紋情報を第1のシーンに関連付け、例えば、現在ユーザが位置しているシーンがリビングルームである場合には、リビングルームで現在取得されている声紋情報をリビングルームというシーンとバインドすることにより、ユーザが別のシーンに入ったときに、第1のシーンにおける声紋情報に基づいて、このユーザの以前のシーンがリビングルームであることを知ることができる。選択的に、声紋情報をユーザの個人情報に関連付けることもでき、例えば、家庭内の各家族について、おじいさん、おばあさん、お父さん、お母さん、子供等のユーザ情報と声紋特徴情報をそれぞれ収集し、ユーザ情報とユーザ声紋特徴情報とを関連付け、例えば、お父さんのユーザ情報とお父さんのユーザ声紋特徴情報とを関連付ける。さらに、マスタデバイスは、スレーブデバイスにより送信された声紋情報とシーンがバインドされている情報(例えば、リビングルームシーン+声紋オブジェクト)と、このシーンにおけるデバイス状態情報とを取得し、取得した情報を対応する記憶ユニットに記憶する。
【0074】
本実施例は、第1のシーンにおける声紋情報と第1のシーンとを関連付けることにより、第1のシーンにおける声紋情報を取得する際に、声紋情報に対応するシーン情報を同時に取得する。
【0075】
さらに、
図4を参照すると、本願のシーンの切り替え方法の第3の実施例を提案する。
【0076】
前記シーンの切り替え方法の第3の実施例と、シーンの切り替え方法の第1の実施例及び第2の実施例との違いは、前記シーン切り替え命令を受信した場合、前記第2のシーンにおける前記ユーザの声紋情報を収集するステップは、下記のステップを含むことである。
【0077】
ステップS230:複数の前記シーン切り替え命令を受信した場合、各前記シーン切り替え命令のそれぞれに対応する声紋情報を取得する。
【0078】
ステップS231:各前記シーン切り替え命令のそれぞれに対応する声紋情報と各ターゲット声紋情報とをそれぞれマッチングして、前記ターゲット声紋情報とマッチする前記声紋情報を取得する。
【0079】
ステップS232:各前記シーン切り替え命令のそれぞれに対応する声紋情報に、前記各ターゲット声紋情報とマッチする前記声紋情報が存在する場合、前記ターゲット情報とマッチする前記声紋情報に対応するシーン切り替え命令をターゲットシーン切り替え命令として決定し、前記ターゲットシーン切り替え命令に対応するユーザはターゲットユーザである。
【0080】
ステップS233:前記ターゲットユーザの前記シーン切り替え命令を収集し、前記第2のシーンにおける前記ユーザの声紋情報として使用する。
【0081】
同時に複数のユーザが遠距離音声で「シーン切り替え」のシーン切り替え命令を送信すると、スレーブデバイスは、複数のシーン切り替え命令をマスタデバイスに送信し、マスタデバイスは、各シーン切り替え命令のそれぞれに対応する音声情報からユーザの声紋情報を抽出し、抽出した各声紋情報を各ターゲット声紋情報に順次マッチングし、各シーン切り替え命令のそれぞれに対応する声紋情報に、各ターゲット声紋情報とマッチする声紋情報が存在する場合には、ターゲット情報とマッチする声紋情報に対応するシーン切り替え命令をターゲットシーン切り替え命令として決定し、前記ターゲットシーン切り替え命令に対応するユーザはターゲットユーザであり、ターゲットユーザのシーン切り替え命令を第2のシーンにおけるユーザの声紋情報として収集する。
【0082】
選択的に、登録声紋ライブラリを事前に構築することもでき、ユーザごとに自分の音声を事前に登録することができ、例えば、登録ユーザは、スマートデバイスの設定インターフェースを介して音声登録を行い、スマートデバイスが音声を収集可能な範囲内で音声を発声し、スマートデバイスは、登録ユーザの音声を収集した後、声紋モデルを用いて登録ユーザの音声から登録声紋特徴情報を抽出し、登録ユーザの登録声紋特徴情報を登録声紋ライブラリに格納する。ここで、前記声紋モデルは、事前に構築されており、抽出された声紋特徴情報のパラメータは、ユーザごとに同一であり、また、ユーザが発声する音声は、いずれの言葉であってもよいし、指定された言葉であってもよく、音声の具体的な内容はユーザにより設定される。前記声紋ライブラリを構築することにより、ターゲットユーザの声紋特徴情報を迅速に取得することができるとともに、前記受信した複数のユーザの声紋情報が声紋ライブラリに予め記憶されているか否かを問い合わせることもでき、声紋ライブラリに予め記憶されていれば、その対応する声紋特徴情報を直接取得し、ターゲット声紋特徴情報との照合操作を実行することにより、ターゲットユーザを迅速に決定し、マッチング操作時間を短縮することができる。
【0083】
本実施例は、複数のユーザにより送信されたシーン切り替え命令を受信すると、シーン切り替え命令毎にそれぞれ対応する声紋情報を取得し、各シーン切り替え命令毎にそれぞれに対応する声紋情報と各ターゲット声紋情報とをそれぞれマッチングさせて、ターゲットシーン切り替え命令に対応するターゲットユーザを決定することにより、ターゲットユーザに対応する声紋情報を適時に収集することができる。
【0084】
また、本願は、メモリと、プロセッサーと、メモリに記憶され、プロセッサー上で実行されるシーンの切り替えプログラムと、を含む端末をさらに提供し、端末は、ユーザが遠距離音声で送信したデバイスオン命令を受信すると、オン命令に基づいて家庭内の複数の遠距離デバイスをオンにし、各オンされた遠距離デバイスに対応する位置情報に基づいてユーザが現在位置しているシーンを決定し、さらに、このシーンにおけるユーザの声紋情報及び各オンされたデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報(例えば、デバイスの運転パラメータ、デバイスタイプ、デバイス能力等)を取得し、ユーザが第1のシーンから第2のシーンに移動した場合、ユーザが遠距離音声で送信したシーン切り替え命令を受信すると、第2のシーンにおけるユーザの声紋情報及び各被ウェイクアップデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報を取得し、第1のシーンにおける声紋情報と第2のシーンにおける声紋情報とをマッチングし、各オンされたデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報と各ターゲットデバイスのそれぞれに対応するデバイス情報とをマッチングして、第1のシーンにおける各切り替え対象デバイスを決定し、各切り替え対象デバイスのそれぞれに対応する運転状態情報を第2のシーンにおける各ターゲットデバイスに送信し、各ターゲットデバイスに対して運転状態情報に対応する運転パラメータを設定する。本実施例は、遠距離音声の送信によりユーザシーンの切り替えを実現し、ユーザの操作複雑度を低減し、遠距離デバイスのインテリジェントな知覚及びインテリジェントな連携を実現し、ユーザにより快適で便利なホーム環境を提供する。
【0085】
また、本願は、プロセッサーにより実行されると、上述したようなシーンの切り替え方法のステップが実現されるコンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0086】
当業者は、本願の実施例が、方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供されることを認識すべきである。したがって、本願は、完全なハードウェア実施例、完全なソフトウェア実施例、又はソフトウェア及びハードウェア態様を組み合わせた実施例のいずれかを採用することができる。さらに、本願は、コンピュータ利用可能なプログラムコードを含む1つの又は複数のコンピュータ利用可能な記憶媒体(ディスクメモリ、CD-ROM、光メモリ等を含むがこれらに限定されない)上に実装されるコンピュータプログラム製品の形態を採用することができる。
【0087】
本願は、本願の実施例に係る方法、デバイス(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して説明される。フローチャート及び/又はブロック図の各フロー及び/又はブロック、並びにフローチャート及び/又はブロック図のフロー及び/又はブロックの結合は、コンピュータプログラム命令によって実現されることが理解されるべきである。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサー、又は他のプログラマブルデータ処理デバイスのプロセッサーに提供されて1つのマシンを生成することができ、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理デバイスのプロセッサーにより実行される命令は、フローチャートの1つのフロー又は複数のフローチャート及び/又はブロック図の1つのブロック又は複数のブロック内で指定された機能を実現するための装置を生成する。
【0088】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理デバイスを特定の方法で動作させることができるコンピュータ読み取り可能なメモリに記憶されることもでき、このコンピュータ読み取り可能なメモリに記憶された命令は、フローチャートの1つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つのブロック又は複数のブロックにおいて指定された機能を実行する命令装置を含む製造品を生成する。
【0089】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理デバイスにロードされることもでき、コンピュータ又は他のプログラマブルデバイス上で一連の動作ステップが実行されてコンピュータにより実現されるプロセスが生成され、したがって、コンピュータ又は他のプログラマブルデバイス上で実行される命令は、フローチャートの1つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つのブロック又は複数のブロック内で指定された機能を実現するためのステップを提供する。
【0090】
なお、特許請求の範囲において、括弧の間に位置する参照記号は、特許請求の範囲を制限するように構成されてはならない。「含む」という言葉は、請求項に記載されていない要素又はステップの存在を排除するものではない。要素の前にある言葉「一」又は「1つの」は、複数のそのような要素の存在を排除するものではない。本願は、いくつかの別個の要素を含むハードウェアによって、及び適切にプログラムされたコンピュータによって実現することができる。いくつかの装置を列挙したユニットクレームにおいて、これらの装置のいくつかは、同一のハードウェア項目によって具現化することができる。第1の、第2の、及び第3のなどの言葉の使用は、順序を示すものではない。これらの言葉は名前として解釈できる。
【0091】
本願の選択可能な実施例について説明したが、当業者は、基本的な創造的概念を認識すると、これらの実施例に追加的な変更及び修正を加えることができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、選択可能な実施例及び本願の範囲内にある全ての変更及び修正を含むものと解釈されることを意図する。
【0092】
当業者は、本願の精神及び範囲から逸脱することなく、本願に対して様々な変更及び変形を加えることができることは明らかである。このように、本願のこれらの変更及び変形が、本願の特許請求の範囲及びそれに準ずる技術の範囲内にある場合、本願は、これらの変更及び変形も含めることを意図する。
【符号の説明】
【0093】
1001 プロセッサー
1002 通信バス
1003 ユーザインターフェース
1004 ネットワークインターフェース
1005 メモリ
【国際調査報告】