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特表2023-541642パラレルキネマティクスを較正するための方法及びアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-03
(54)【発明の名称】パラレルキネマティクスを較正するための方法及びアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B25J 11/00 20060101AFI20230926BHJP
   F16H 21/46 20060101ALN20230926BHJP
【FI】
B25J11/00 D
F16H21/46
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516812
(86)(22)【出願日】2021-08-09
(85)【翻訳文提出日】2023-04-20
(86)【国際出願番号】 EP2021072185
(87)【国際公開番号】W WO2022058092
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】102020124136.4
(32)【優先日】2020-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505257752
【氏名又は名称】フィジック インストゥルメント(ピーアイ)ゲーエムベーハー アンド ツェーオー.カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マンキン、エリック
【テーマコード(参考)】
3C707
3J062
【Fターム(参考)】
3C707BS24
3C707LT17
3C707LV19
3C707MT04
3J062AA38
3J062AB28
3J062AC10
3J062CB03
(57)【要約】
本発明は、プログラム可能な作動を伴うパラレルキネマティクスの使用関連較正のための方法に関し、その方法は、パラレルキネマティクスのプラットフォーム上またはベース上に、キネマティックカップリングを使用して傾きに対して固定されるように、一意的に規定された位置及び角度方向で、別のポーズマーキング要素を着脱可能に取り付けるステップと、姿勢検出デバイスによって前記ポーズマーキング体の姿勢を検出するステップと、姿勢検出デバイスの座標系におけるポーズマーキング座標系を決定するステップと、所定の第1の座標変換規則に基づいて、ポーズマーキング座標系からパラレルキネマティクスの較正された基準座標系を決定するステップと、パラレルキネマティクスの較正された基準座標系をそのアクチュエータ又は測定ソフトウェアに記憶させるステップと、座標測定デバイスを用いて世界座標系の姿勢を検出して、姿勢検出デバイスの座標系における世界座標系を決定するステップと、世界座標系の姿勢を記憶して、2つの記憶された座標系又は前記世界座標系に対するヘキサポッド動作を適合させるために、2つの座標系間の座標変換を利用可能にするステップと、を含む。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラム可能な作動を有するパラレルキネマティクスの使用関連較正のための方法であって、
-キネマティックカップリングによって、前記パラレルキネマティクスのプラットフォーム上又はベースプレート上に、一意的に規定された位置及び角度方向で、別個のポーズマーキング体を着脱可能に且つ傾斜防止して取り付けるステップと、
-姿勢検出デバイスによって前記ポーズマーキング体の姿勢を検出し、前記姿勢検出デバイスの座標系におけるポーズマーキング座標系を決定するステップと、
-所定の第1の座標変換規則に基づいて、前記ポーズマーキング座標系から前記パラレルキネマティクスの較正された基準座標系を決定するステップと、
-前記パラレルキネマティクスの較正された基準座標系をそのアクチュエータ又は測定ソフトウェアに記憶するステップと、
-座標測定デバイスによって世界座標系の姿勢を検出して、前記姿勢検出デバイスの座標系における世界座標系を決定するステップと、
-前記世界座標系の姿勢を記憶して、前記2つの記憶された座標系又は前記世界座標系に対するヘキサポッド動作を適合させるために前記2つの座標系間の座標変換を利用可能にするステップと、
を含む方法。
【請求項2】
プログラム可能な作動を有するパラレルキネマティクスの使用関連較正のための方法であって、
-キネマティックカップリングによって前記パラレルキネマティクスのプラットフォーム上の一意的に規定された位置及び角度方向に別個のポーズマーキング体を着脱可能に且つ傾斜防止して取り付け、前記プラットフォームの移動によって前記ポーズマーキング体のポーズマーキングを物体のポーズマーキングに配向するステップと、ここで、前記物体のポーズマーキングの座標系が世界座標系において既知である、
-ヘキサポッドを姿勢検出デバイスとしてその配向後のその姿勢を読み出すことによって使用するステップと、
-前記世界座標系に対するヘキサポッド動作を適合させるために、前記ヘキサポッドの較正された基準座標系と、読み出したヘキサポッド姿勢における世界座標系、所定の変換規則、及び世界座標系における物体のポーズマーキングの座標系との間の座標変換を数値的に決定し、この座標変換を記憶するステップと、
-前記世界座標系に対して前記ヘキサポッド動作を適合させるために計算された前記座標変換を利用可能にするステップと、
を含む方法。
【請求項3】
前記物体は、第2のパラレルキネマティクスのポーズマーキング体であり、
前記世界座標系は、前記第2のパラレルキネマティクスの前記較正された基準座標系であり、
前記計算された座標変換は、前記パラレルキネマティクスの前記2つの較正された基準座標系間の座標変換である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記パラレルキネマティクスは、同じ座標系におけるそれらの基準座標系間の既知の前記座標変換によって協調的に命令される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記パラレルキネマティクスがヘキサポッドであり、前記パラレルシネマティクスの前記プラットフォームが前記ヘキサポッドのナセルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ポーズマーキング体が高精度に製造された直方体を有し、互いに垂直である前記直方体の3つの画定面の空間位置が検出される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ポーズマーキング体が3つの非共線的なボールを有するマーキングキャリアを有し、前記ボールのボール中心の空間位置が検出される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
静的に決定されたキネマティックインタフェースが前記キネマティックカップリングとして与えられる、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
溝部分及びボール部分の対応する幾何学的形状を伴う溝部分-ボール部分対が前記キネマティックカップリングとして使用され、前記溝部分が前記パラレルキネマティクスの前記プラットフォーム又は前記ベースプレートに強固に固定され、前記ボール部分が前記別個のポーズマーキング体に強固に固定される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の座標変換規則は、前記パラレルキネマティクスの製造において製造関連の一次較正で決定され、前記パラレルキネマティクスのプログラム可能な制御に記憶される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記製造関連の一次較正は、前記プラットフォーム上又は前記ベースプレート上に配置された別個のポーズマーキング体を使用して前記使用関連較正と同様に実行される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
高精度に構築されて製造されるパラレルキネマティクスの場合、前記ポーズマーキングが前記プラットフォームに直接取り付けられ、これにより前記第1の座標変換規則が決定される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
-前記パラレルキネマティクスの前記プラットフォーム上に、工具が強固に固定され、座標検出デバイスによって工具座標系が決定され、
-第2の座標変換規則が前記ポーズマーキング座標系及び前記工具座標系から決定され、
-前記パラレルキネマティクスの前記プログラム可能な制御では、前記工具の移動のための制御アルゴリズムが記憶され、前記工具の位置は、前記第2の座標変換規則によって前記パラレルキネマティクスの前記較正された基準座標系に関連付けられる、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される、プログラム可能な作動を有するパラレルキネマティクスの使用関連較正のためのアセンブリであって、
-ポーズマーキング体と、
-前記ポーズマーキング体を前記パラレルキネマティクスのプラットフォームに対して一意的に規定された位置及び角度方向で着脱可能に且つ傾斜防止して取り付けるためのシネマティックカップリングと、
を有するアセンブリ。
【請求項15】
前記ポーズマーキングの前記座標を検出してポーズマーキング座標系を決定するための座標検出デバイスを更に含む、請求項14に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記ポーズマーキング体は、高精度に製造された直方体又はそれに取り付け固定された3つの非共線的なボールを有するマーキングキャリアを有する、請求項14又は15に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記キネマティックカップリングが静的に決定されたキネマティックインタフェースである、請求項14から16のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記キネマティックカップリングは、前記パラレルキネマティクスの前記プラットフォームに強固に接続され得る溝部分と、前記パラレルキネマティクスに強固に接続され得るとともに前記パラレルキネマティクスの前記幾何学的形状に対応するボール部分と、特に磁気要素として形成される前記ボール部分上に前記溝部分を着脱可能に保持するための手段とを有する、請求項17に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム可能な作動を伴うパラレルキネマティクスの使用関連較正のための方法、並びにこの方法を実行するためのアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるパラレルキネマティクス(parallel kinematics)、特に、Stewartプラットフォームとも呼ばれるヘキサポッド(hexapods)は、とりわけ製造プロセスにおける部品の高精度位置決めに使用され、それらの適用分野はここ数年で劇的に拡大している。例えば半導体技術や集積回路の製造などの新たに開発された応用分野では、最も高い精度が要求される。
【0003】
実際に広い適用性が見出されたそのようなパラレルキネマティクスの特別な事例は、いわゆるヘキサポッドである。
【0004】
米国特許出願公開第2013/0 006 421号明細書は、ポーズマーキング要素と、明確に指定された位置及び角度位置でパラレルキネマティクスのプラットフォームに傾斜防止態様でポーズマーキング要素を解放可能に取り付けるためのキネマティックカップリングとによるプログラム可能な制御を特徴とするパラレルキネマティクスを使用関連較正する構成を開示する。対応する構成を、国際公開第2010/128441号の文献、ドイツ特許出願公開第10 2028 124 898号明細書、及びドイツ特許出願公開第198 58 154号明細書から解釈することもできる。
【発明の概要】
【0005】
以下、本開示で用いる必須の用語について説明する。
【0006】
基準座標系/基準座標系
パラレルロボットの基準座標系として、命令された姿勢が関連付けられる座標系が指定される。通常、建設計画には事前に規定される優れた基準座標系があるが、その正確な位置は較正方法に応じて他の点に移動され得る。パラレルロボットの場合、基準座標系のいずれも正準基準座標系として特徴付けられておらず、この説明では優れた基準座標系が指定されるため、座標系の1つを任意に正準基準系と指定する。基準座標系は、そのゼロ点によってゼロ姿勢で回動点を規定するとともに、オイラー角の指示が関連付けられるその向きによってデカルト移動方向及びゼロ角度の両方を規定する。
【0007】
ポーズマーキング
ポーズマーキングは剛性要素におけるマーキングであり、このマーキングにより剛性要素の基準姿勢に対して空間内の姿勢を測定することができる。ポーズマーキングによって、剛性要素に座標系を持たせ、その原点及び向きを測定技術的に決定可能にする。ポーズマーキングとして、例えば、共線的に配置されず且つ剛性要素に接続されない3つのボールが適している。それらの中心点の座標により、取り付けられた座標系の位置を規定することができる。座標系を3つの対の非平行平面で既に決定することができるため、他のポーズマーキングを固定立方体によって実現することができる。
【0008】
空間位置合わせ
空間位置合わせは、剛性要素が有する座標系を、それらのポーズマーキングに基づいて、どのように割り当てられるかの処方である。空間位置合わせによって、姿勢を規定できる基準座標系が存在する場合、ポーズマーキングを有する剛性要素に姿勢を割り当てることができる。
【0009】
利用可能な座標系
空間位置合わせに対するその位置及び向きが座標変換によって規定される場合、1つの座標系が利用可能である。
【0010】
利用可能な基準座標系
パラレルロボットの利用可能な基準座標系は1つの座標系であり、その元の座標及び向きは、これがキネマティックインタフェースによってナセルに接続され、パラレルロボットがそのために原則としてロボットの初期設定姿勢である意図された優れた姿勢を取っている場合、較正アーチファクトの第1の座標系に対して示され得る。
【0011】
キネマティックインタフェース
キネマティックインタフェースは、2つの剛性要素の強固で解放可能な接続のためのデバイスであり、2つの剛性要素は、正確に再現可能であり、同じ姿勢に決定論的に相互に固定され得る。このデバイスは、この印刷された出版物においてインタフェース部分として指定された、互いに適合される2つの部分から成り、互いに接続されるべき2つの剛性要素のそれぞれはそのようなインタフェースを有し、接続はキネマティックインタフェースによって引き起こされる。
【0012】
インタフェース部分は、電気工学における「プラグ及びソケット」の概念に従って互いに適合される。プラグ及びソケットは、ただ1つの方法で互いに結合され得ることが不可欠であり、これはユーロプラグの場合のように対称性を排除する。
【0013】
適切には、インタフェース部分を容易に解放可能に且つ容易に再拘束可能に接続する可能性がある。自己拘束、ロック、磁気的固定などが有利な構成である。
【0014】
インタフェース部分は、剛性要素の機能的な設備である。キネマティックインタフェースは、2つの剛性要素の強固な接続をもたらすのに役立ち、それによって新たな剛性要素が生成される。この目的のために、2つの剛性要素のそれぞれがインタフェース部分を有する必要がある。したがって、キネマティックインタフェースは、剛性要素の接続可能性を与える。キネマティックインタフェースは、接続が解放可能であり且つこの場合には決定論的で再現可能であり、接続が強固で剛性であるように構成される。キネマティックインタフェースは、力及びモーメントに対して寸法的に安定でなければならない。
【0015】
第1のクラスのキネマティックインタフェースは、「キネマティックカップリング」という名称を有する。本発明の好ましい実施形態では、「キネマティックカップリング」が使用される。更に好ましい実施形態では、構成タイプ「マクスウェル結合」のキネマティックカップリングが使用され、この印刷された刊行物では「3溝キネマティックカップリング」と呼ばれている。例示的な実施形態及び表現「3溝キネマティックカップリング」は、一般性を制限することなく例示的に使用される。「3溝キネマティックカップリング」が図5に示される。
【0016】
積極的係合の場合、ボール部分の3つのボールのそれぞれは、溝部分の溝の2点で点接触を有し、それにより、積極的係合の場合には6点で接触が与えられる。次に、静的決定が行なわれる。
【0017】
この第1のクラスのキネマティックインタフェースは、静的な決定を有し、この目的のために、本発明との関連で最高の精度及び適合性を与える。
【0018】
第2のクラスのキネマティックインタフェースは、「準キネマティックカップリング」という名称を有する。更に好ましい実施形態では、このクラスのキネマティックインタフェースが本発明に従って使用される。
【0019】
第3のクラスのキネマティックインタフェースは、「キネマティックカップリング」のクラスにも「準キネマティックカップリング」のクラスにも割り当てることができないものである。本発明の更に好ましい実施形態では、この種のキネマティックインタフェースが使用される。殆どの場合、これらのインタフェースは形状嵌合接続である。
【0020】
一般性を制限することなく、キネマティックインタフェースのインタフェース部分は、この印刷された刊行物において、「3溝キネマティックカップリング」におけるインタフェース部分にしたがってボール部分又は溝部分として明確に指定される。
【0021】
インタフェース支持アーチファクト
インタフェース支持アーチファクトは、インタフェース部分を備えた剛性要素である。
【0022】
基準アーチファクト
基準アーチファクトは、空間位置合わせが追加されたポーズマーキングを特徴とするインタフェース支持アーチファクトである。したがって、基準アーチファクトには、基準アーチファクトの第1の座標系であるように指定された所定の座標系が取り付けられる。基準アーチファクトは、その外面がポーズマーキングに相当する直方体であってもよい。任意選択的に、直方体は、その上に置かれた質量を移動させるのに適し得る。特に、板状直方体は、外面の方向の上側に施された空間的マーキングに対してマーキングを有することができる。好ましい実施形態において、ポーズマーキングは、板状直方体上のストッパ面から成る。
【0023】
較正アーチファクト
較正アーチファクトは、全ての基準アーチファクトの第1の座標系を互いに関連付ける目的を果たす、主に任意に選択された基準アーチファクトである。座標変換を記述する6つの実数の日付として表わされる、較正アーチファクトの第1の座標系の位置と比較して基準アーチファクトの第1の座標系の位置が配置される場所は各基準アーチファクトが有する日付である。そのような位置合わせされた基準アーチファクトが「3溝キネマティックカップリング」の溝部分に取り付けられる場合、そのポーズマーキングに基づいて座標系を結果的に規定することができ、その位置は較正アーチファクトに関して既知である。したがって、基準座標系の位置は、その位置が較正アーチファクトに関連して既知である場合にも決定され得る。
【0024】
取り付けアーチファクト
取り付けアーチファクトは、例えば、工具(ファイバ取り付け用のクランプ、プローブの取り付け、フライスカッタの取り付け)、ワークピース、又は測定デバイスを受け入れる目的に役立つ基準アーチファクトである。取り付けアーチファクトの第2の座標系として、ここでは工具の作用場所、ワークピースの座標系又は測定デバイスの測定点が指定される。そのようなアーチファクトの利点は、取り付けアーチファクトの第2の座標系がそれぞれのヘキサポッドの基準座標系に常に直ちに示され得ることである。取り付けアーチファクトの第1の座標系と第2の座標系との間の座標変換は、通常、座標測定機によって決定することができる。通常、取り付けアーチファクトのポーズマーキングの使用は中止することができ、次いで工具、ワークピース、又は測定デバイスは、それらの形状に起因してそれら自体がポーズマーキングと見なされ、その結果、第1及び第2の座標系は一致する。
【0025】
取り付けアーチファクトの更に好ましい構成は、ミラー取付であり、その表面法線は、較正アーチファクトに対して配向される。これらのミラーアーチファクトは、ミラーがレーザのビーム配向に従って配向され得るため、ヘキサポッドにおける干渉測定を容易にする。この種のアーチファクトは、ヘキサポッド精度の認定を容易にする。ヘキサポッドの制御は、その脚の長さを読み取ることができ、したがってヘキサポッドの姿勢を計算することができるため、ヘキサポッド自体が姿勢検出手段である。したがって、ヘキサポッド自体が初期設定姿勢になくレーザビーム上に配向される場合、基準座標系においてもミラーの法線ベクトルを示す可能性がある。
【0026】
取り付けアーチファクトの更に好ましい構成は、装置又は構成の座標系上のヘキサポッドの配向に役立つ幾何学的本体であり、それにより、これらの本体は、測定又は操作の作用点を画定する。ここでも、ヘキサポッドを使用して姿勢を検出する可能性が使用され、前述の座標系はヘキサポッドの基準座標系を称され得る。
【0027】
取り付けアーチファクトの更に好ましい構成は、世界座標系をヘキサポッドの基準座標系に関連付けるために停止するのに役立つ幾何学的本体である。例えば、所定の停止面又は角度付きロッドを有するプレートが減給されるべきである。また、これらは、ヘキサポッドがそれ自体の姿勢を測定できるようにするために使用され、したがって、世界座標系はヘキサポッドの基準座標系で知られている。
【0028】
更に、基準アーチファクトは、取り付けアーチファクトの使用をより柔軟にするために、工具、ストッパ、ワークピースを調整可能且つ拘束可能な方法で固定できるように構成することができる。ここでの一例は、カメラ取り付けに使用される球状ヘッドクランプである。ストッパなどのそのような変移の後、較正アーチファクトに対する新たな関係が姿勢測定デバイスを用いて確立される必要がある。
【0029】
それらの規定に係る取り付けアーチファクトも、基準アーチファクトであり、したがってポーズマーキングを有する。特定の取り付けアーチファクトでは、例えば、ミラーの法線ベクトルのみが関連するミラー支持取り付けアーチファクトにおいて、ポーズマーキングを伴うことなく機能性が与えられる。ポーズマーキングがなくても取り付けアーチファクトの上記の機能が与えられる限り、ポーズマーキングを有さない派生アーチファクトも本発明に従って使用することができる。
【0030】
文脈に応じて座標変換とも見なされて称される例示的な空間内の移動は、グループ、特別なユークリッドグループを形成する。この数学的グループ特性は、本発明によれば、基準座標系を捕捉するための基準アーチファクト及び取り付けアーチファクトを使用する際に制限なく使用することができる。したがって、ヘキサポッドの基準座標系、様々な基準アーチファクトの第1の座標系などは、簡単な方法で相互に関連することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
添付の図面において、
図1】~
図4】本発明の最新技術及び課題を説明するための図である。
図5】~
図13】本発明に係る方法及び本発明に係るアセンブリの実施形態を説明するための図である。
図15】~
図16】本発明をパラレルロボットにおいて使用するための図である。
図17】典型的な基準アーチファクトの図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1図3は、ヘキサポッドの斜視図である。この種の図面は、ヘキサポッドの技術マニュアルにおいて見出すことができる。ヘキサポッドを使用する場合、図1及び図3にプロットされた基準座標系としてここで指定された座標系の位置が特に重要である。
【0033】
この基準座標系の原点は、いわゆる回動点を画定し、したがって、回転動作が命令されたときに上側プラットフォームがその周りを回転する点を画定する。この座標系の向きは、全ての角動作に対してゼロ角度を規定する。座標系の座標軸は、デカルト移動の方向を規定する。回動点及び移動方向を示すことができるように、基準座標系の位置及び向きはそれに応じて知られなければならない。この場合、図1図3に示されたものと同様に、最新技術においては図面に関連し、マニュアルの図面は更に寸法仕様を含む。
【0034】
図1図3の例において、座標系のゼロ点の水平面は、円筒形状のナセルの下面に位置される。プラットフォームの下側に対して、この高さは、同様に進行しなければならないナセルの上側に対するナセルの構造的な高さ及び厚さの差によって与えられる。更に、ゼロ点は、図1に示す円筒形カバープレートに対して回転対称に配置されている。X及びYの方向は、ケーブル接続部102,202,301の位置によって区別することができ、更に、X方向又はY方向に向けられた補助溝201がナセル上に存在する。
【0035】
寸法決めされた技術図面を用いて、底板又はナセルなどの構造グループ上で決定される、基準座標系のまさに説明された位置特定は、最新技術である。
【0036】
ここでヘキサポッドが使用される場合、例えば実験的構造によって与えられる外部座標系における動き、又はプラットフォームに取り付けられた座標系に対する動き/向き、例えばファイバ整列におけるファイバ取り付けの動き/向きが要求される。したがって、所与の座標系で移動を行うことができるように、所与の座標系の位置及び向きを示すことができることが有効である。
【0037】
ヘキサポッドの運動学的精度が低い場合、基準座標系は、位置精度の要求が低い用途のためのキャリパなどの測定補助装置によって他の座標系に一時的に関連付けられてもよい。
【0038】
しかしながら、ヘキサポッドが高精度に位置決めすることを意図している場合、前述の手順は不完全である。したがって、ヘキサポッドの製造において、非常に正確な寸法公差は、運動学的に関連する構造部分に対してのみ規定される。運動学的に関連する構成部分は、具体的には、指定されたホルダ点である、基準座標系における上下脚関節及び局所ベクトルである。底板及びカバープレートは、これらのホルダ点を剛体で接続する機能しか有さず、したがって高精度に製造されていない。したがって、ヘキサポッドの外形は、基準座標系の位置及び向きに関する大まかな情報を与えるだけであり、外部座標系に対するヘキサポッドの基準座標系の位置及び向きの容認できない不確実性をもたらすはずである。
【0039】
基準座標系に対するホルダ点の位置を図4に示す。ここでは、ヘキサポッドが概略的に示されており、その脚部はボール関節で終端し、そのパンはナセル及びベースプレートに配置されている。図1及び図2に示すような建設的に予め決められた基準座標系に対する局所ベクトルとして示されるボール中心401~412の座標は、ヘキサポッドのキネマティックモデルを形成する。最新技術では、運動学的精度に関連するタスクは、専ら、構築的に所定の基準座標系に対するボール中心の12個の局所ベクトルを正確に決定することである。
【0040】
ここで、ホルダ点のこれらの局所ベクトルは、座標測定機では不十分に測定される可能性があり、このことは、例えば座標測定機の座標系における基準座標系の位置を複雑且つ高価な態様でしか決定することができないことを意味する。このことは、ヘキサポッドの実際の使用において、所定の座標系に対する基準座標系の位置を実際に決定することができないか、又は非常に高価な方法でしか決定することができず、常に正確ではないことを意味する。
【0041】
基準座標系への正確なアクセスを得るために、ナセルの少なくとも一部を高精度に製造するための改善策は、最新技術では知られていない。ヘキサポッドの精度及び較正には既に基本的な未解決の問題があるため、基準座標系の正確に決定可能な位置及び向きに関する問題は最新技術では見られず、扱われない。基準座標系を利用可能にするという課題は、これまで科学の視野にはない。したがって、外部座標系への移動の正確な参照の問題は、これまで技術工学及び研究において無視され、未解決のままである。
【0042】
基準座標系の位置を特定することに関する前述の問題は、ヘキサポッドに関する研究に現れる。例えば、X方向のヘキサポッド動作の直線性及びY方向及びZ方向の発生するクロストークを測定したい場合、ヘキサポッドの基準座標系に測定座標系を向ける正確な可能性がないため、系統的偏差が存在する。同様の問題は、ナセルの角回転の精密検査をもたらす。
【0043】
最新技術の不十分さは、例えば、丸棒の形態のプローブが、頭蓋骨内の手術などでそのコアに沿って移動されることが意図されている場合に印象的に示される。プローブコアのPlucker線及びプローブの先端は、基準座標系に対して不十分な正確さでしか決定することができない。横方向の移動は、Plucker線に対して斜めに進み、プローブのコアの周りの回転が命令されると、丸いロッドのコアは、回転双曲面のシェル表面上の表面に衝突する。
【0044】
ヘキサポッドが使用される場合、ヘキサポッドプラットフォームの全ての動きは、最新技術ではこの種の不確実性を受ける。高精度又は超精密ヘキサポッドの操作の範囲内で、基準座標系の利用可能性を本発明に従って使用する必要がある。
【0045】
パラレルロボットの精度は、数十年にわたって予想を下回る。精度調整のための最新技術で知られている手法及び手段は不十分である。更に、これらのロボットの精度は、パラレルロボットの姿勢及び/又はその模擬的に移動される負荷を明確に規定された基準座標系に正確且つ実用的に関連付けることができる技術が開発されていないという事実によって既に悩まされている。この基準座標系は「利用可能」ではない。
【0046】
したがって、ヘキサポッドにおける既知の運動学的較正手段は全て、利用可能な基準座標系に基づくものではない。基準座標系を利用可能にしなければ、較正手段は疑わしいものであり、較正の結果は非常に不十分である。位置決め精度に関する指示は、基準座標系の利用可能性が欠如しているため、その能力を失う。
【0047】
概して、ヘキサポッドの運動学的較正は、姿勢検出デバイスによる命令された姿勢の複数の測定と、測定された姿勢が命令された姿勢と比較されるその後の評価とに基づく。しかしながら、姿勢検出デバイスの座標系は補助座標系であり、空間内の位置及び向きは原則として任意に決定することができ、姿勢測定値が評価された後はもはや重要ではない。評価を生き残ったこの座標系の位置に関する情報項目は、ヘキサポッドの個々の構成グループが姿勢検出デバイスによって検出された場合に、ヘキサポッドの個々の構成グループの位置の近似的な記述から成る。
【0048】
最新技術では、姿勢検出デバイスの一時的な座標系は、較正の過程で失われ、ヘキサポッドの永続的な利用可能な座標系に対して正確に保持される。このことから、特に較正後であっても、ヘキサポッドの移動方向並びにその回動点の位置を多かれ少なかれ曖昧に示すことができることがすぐに分かる。
【0049】
利用可能な座標系に関する問題は、その移動される部材の全ての姿勢が単一のキネマティックチェーンの一部であり、エンドエフェクタ姿勢を実現するために知られていなければならないため、シリアルロボットの場合にはそれ自体ではなく、各単一部材の姿勢は前の部材の姿勢に基づいており、個々の部材の基準座標系は、部材間の関節動作において客観的な実現を有する。したがって、精度の問題を除いて、シリアルロボットの足ベース内の基準座標系をエンドエフェクタ内に移動させ、そこでも客観的に見つけることが当然可能である。ここでの基準座標系は、常にキネマティックチェーン上の1つの位置にある。しかしながら、パラレルキネマティクスでは、閉じたキネマティックチェーンが存在し、パラレルキネマティクスの作用点(TCP=Tool Centre Point)は、一般に、キネマティックチェーンの単一の運動学的に関連する部分に関連しない。パラレルキネマティクスでは、基準座標系の利用可能性を悪化させる特定の技術的状況が与えられる。
【0050】
パラレルロボットは姿勢を実現することを目的としている。これは、初期設定姿勢においてパラレルロボットの基準座標系と同一である座標系が、空間における一般的な移動(回転及び並進)によって第2の規定された座標系と一致するようにされることで説明される。この第2の座標系6の位置をパラメータ化するために、この印刷された出版物では共通のパラメータが選択されている。それにより、最初の3つのパラメータはデカルト変位を示し、X、Y及びZと指定され、最後の3つのパラメータはカルダン角を示し、U、V及びWと指定される。
【0051】
剛体の回転を規定しようとする場合、回動点を規定しなければならない。別の回動点を中心に実行される同じ回転は、剛体の別のデカルト最終位置につながる。回動点は、パラレルロボットの基準座標系の座標系で常に規定されるため、この座標系の位置の不正確さ又は不確実性は、偏差、この場合はデカルトの誤りをもたらす。
【0052】
更に、ナセルによって同伴される位置決めされる剛体のデカルト動作の方向ベクトルは、基準座標系によって示されてもよく、又はこの剛体の座標系から導出されてもよいという位置決めの要件がある。しかし、基準座標系が利用できない場合、この要件は不適切な態様でしか満たされ得ない。デカルト姿勢誤差が結果となる。移動方向のコサイン誤差や他の移動方向のクロストークが発生する。
【0053】
デカルト動作の方向ベクトルは同時にカルダン角の回転軸であるため、これらの軸の偏位は、位置決めされるべき物体の回転後に誤った向きをもたらす。更に、3つのオイラー角が互いに関連しているため、デカルト動作の方向ベクトルの偏角は、オイラー角の角度の相互クロストークももたらす。
【0054】
以下、いわゆるパラメータ同定の例に基づいて、基準座標系の入手性が不足する問題点を説明する。
【0055】
精度を高める最も過度に議論され、依然として提案されている方法は、いわゆるパラメータ識別に基づく。この場合、見つかったキネマティックポーズ偏差は、実質的に、ずれて実現される幾何学的パラメータに起因するので、複数の姿勢測定によって動作学の真の幾何学的パラメータを決定することが試みられる。利用不可能な基準座標系の欠如に起因する不正確さを導入する主な非観測は、この較正方法の説明、出版物及び故障評価に見られるべきである。また、パラレルロボットの他の既知の較正方法は全て、この不正確さを特徴とする。この不正確さの結果は2回示され、1回は較正自体の疑わしい性質であり、最後に、較正の精度の得られた利得が使用されることが意図される場合である。この不適切さは、パラメータ識別の例で以下に例として示される。
【0056】
いわゆるパラメータ識別又は障害マッピングの方法に基づくかどうかにかかわらず、パラレルロボットの全ての較正は、測定された姿勢と命令された姿勢との比較に基づく。
【0057】
この目的のために、規定されたポーズマーキングによって導入される座標系が決定される。これらのポーズマーキングは、ナセルの外形から導出されてもよく、ナセル内に刻印されてもよく、又はナセルに取り付けられた剛体上にあってもよい。
【0058】
ポーズマーキングの位置変換された座標系の測定後、これらの座標系はそれぞれポーズを割り当てる必要がある。
【0059】
そのような割り当てでは、ポーズマーキングは、ヘキサポッドの構築的に設けられた基準座標系に関連する。これは、この基準座標系が具体的な実施形態を有さないので、測定及び推定によって一時的に最新技術において即席で提供される。
【0060】
したがって、全体として、ヒューリスティックに取得され、完全に仮想である基準座標系が参照される。
【0061】
ナセルに取り付けられた剛体上のポーズマーキングに関して、本発明によるそのような取り付けは、正確に、再現可能に、及び決定論的に正しい方法で行われなければならず、実際には、本発明によるキネマティックインタフェースの使用を必要とすることに留意しなければならない。本発明に係る方法のみが、同調剛体上のポーズマーキングの実用的な使用を提供する。
【0062】
最新技術に確実に対応するナセルの幾何学的特徴をポーズマーキングとして採用することは明らかである。較正の姿勢測定値をナセル自体のポーズマーキング又は幾何学的特徴に関連付けるために進む方法は、基準座標系の一義的な決定のための前提条件が作成されるため、正しい方向に向かっている。この場合、ナセルに取り付けられた一義的な座標系が存在し、これは永続的である。
【0063】
しかし、ナセルの幾何学的特徴に関連する場合、機械部品としてのナセルは非常に正確な方法で製造されておらず、位置決めされるべき剛体の適切な決定論的且つ再現可能な支持/取り付けも与えられていないため、衝突可能性及び不正確さが結果として生じる。計量的にも、座標系の割り当ては困難である。ナセルの幾何学的特徴によって適用範囲内の基準座標系を正確にタップすることは、操作が複雑である。
【0064】
パラメータ識別を介して途中で較正されたヘキサポッドが使用される場合、場合によってはナセルに恒久的に取り付けられたポーズマーキングは、それらへのアクセスが計測の複雑さを意味するため、その重要性を失う。代わりに、ナセルの平面は、図3に示すように、その垂直ベクトルによってZ方向を規定し、上側ナセル側の彫刻線201は、X方向及びY方向を指し、基準座標系の原点は、ナセルの平面から規定された距離のZ軸上にある。ケーブル接続部202などの更なる特徴は、X方向をY方向と区別する。
【0065】
しかしながら、ナセルは、機械部品としての上側ナセル表面が非常に平面的にフライス加工される或いはさもなければ非常に正確に製造されるため、座標系が取り付けられ得る適切な基準体ではない。プラットフォーム上に剛体を正確に位置決めすることができるストッパは存在しない。最初に説明したように、適切なポーズマーキングが存在せず、したがって基準座標系への正確な座標変換が不足しているため、これは姿勢誤差をもたらす。
【0066】
国際公開第2017/064392号の文献には、Stewartプラットフォームの全ての関連する幾何学的パラメータをどのように決定することができるかが記載されており、したがって、ヘキサポッドの運動学的関連データは、理想的には最終的に高精度で測定されるべきである。そのような較正の成功が理想的には基礎として考えられる場合、較正は最新技術から見て完全に実行されているはずであり、パラレルロボットの位置決めも理論的には全く誤りがないはずである。
【0067】
実際には、各姿勢の下側6つの関節点の位置に対する上側6つの関節点の位置が、誤差から解放されて知られているという条件しかない。平行なロボットのナセル上に載置され、位置決めされるべき剛体、又はナセル自体は、上側及び下側部関節点の位置に対して所定の関係を有さない。したがって、それらは、基準座標系に対する所定の関係を欠いているので、「理想的には誤差のない」パラレルロボットであっても、最新技術では姿勢誤差のない状態で位置決めすることはできない。
【0068】
文献国際公開第2017/064392号の文献に開示されている技術的進歩は、特にいわゆるパラメータ同定の欠陥に関連して、依然として非常に正確なヘキサポッド配置をもたらすものではない。
【0069】
「キネマティックカップリング」は、本出願人によって製造されたヘキサポッドで既に多くの場合に使用されている。ヘキサポッドのプラットフォーム上には、「3溝キネマティックカップリング」の溝部分が位置する。「3溝キネマティックカップリング」のボール部分は、光ファイバ用のマウントを有する。ボール部分のベースプレートは、磁力によってプラットフォームに押し付けられる。そのような「キネマティックカップリング」は、高度に規定された再現可能な位置決めをもたらす。
【0070】
本発明の課題は、特にプログラム可能な作動を含む、前述した種類のパラレルキネマティクスの使用関連較正のための方法及びアセンブリを提供することであり、この方法及びアセンブリは、パラレルキネマティクスに担持される測定デバイス、工具、外科用器具又は同様のものの高精度の位置決めを必要とする用途の場合に、改善された位置決めを可能にすることを意図している。
【0071】
本発明は、パラレルキネマティクスによる高精度の位置決めに不可欠であるが、最新技術では満たされていない前提条件を認識する。本発明は、これらの前提条件を命名し、それらを満たすことを可能にするデバイス及び方法を開示する。
【0072】
利用可能な基準座標系を提供することによる問題の解決策は、本発明によれば、「キネマティックカップリング」の形で最高精度の前提条件を満たすことができるキネマティックインタフェースを指す。
【0073】
図5は、2つの部分、すなわち3つの溝501a、501b、501cを有する溝部分502と、3つのボール502a、502b、502cを有するボール部分502とから成る「3溝キネマティックカップリング」を示す。
【0074】
ロボットの溝部分に基準アーチファクトを配置する場合、その第1の座標系がナセルに固定的に接続される。基準座標系の位置は、この座標系によって非常に正確にロボットの初期設定段階で示されてもよい。ここで必要な座標変換は、2つの座標変換を連結することで構成される。第1の座標変換は、較正アーチファクトの第1の座標系と基準アーチファクトの第1の座標系との間の座標変換である。第2の座標変換は、ロボット個体の基準座標系と較正アーチファクトの第1の座標系との間の座標変換である。両方の座標変換は、ロボットのコントローラに知られていなければならない。較正アーチファクトの第1の座標系と基準アーチファクトの第1の座標系との間の座標変換は、ロボット個体から独立している。
【0075】
2つの異なる方法で、較正アーチファクトの第1の座標系とロボット例示の基準座標系との間の座標変換に到達することが可能である。
【0076】
・第1の変形形態では、この座標変換が較正の範囲内で規定及び決定され得るように、基準アーチファクトが較正に既に使用されており、この点に関しては図10図12を参照されたい。較正がマッピング方法で実行される場合、較正アーチファクトの第1の座標系に関連する、マッピング関数が基づくマッピング関数の基準座標系は、座標変換をもたらす。ヘキサポッドの幾何学的パラメータが作業室及び/又は構成室内の補正図のパラメータとして使用されるように意図された方法で較正が実行される場合、較正アーチファクトの第1の座標系を有する基準座標系は、ここでもパラメータを決定する際に探索された座標変換をもたらす。そのようなパラメータ選択の種類における較正は、この可能性をオープンにする。いわゆるパラメータ識別は、較正中に測定された姿勢の誤差を最小限に抑えることを意図した適合関数のパラメータとしてのみ幾何学的パラメータをテキストで使用するため、幾何学的パラメータを「補正する」ことによる較正のための「パラメータ識別」という誤解を招くような言い方は、そのような可能性を一見してのみ排除する。
【0077】
非常に正確に構築され、実質的に誤差のない構築されたパラレルロボットで使用することができる第2の変形例では、ナセルが既に空間位置合わせをマーキングする姿勢を有し、その空間位置合わせは、建設的に与えられた座標変換と共に、基準座標系をもたらし、したがって、基準座標系と較正アーチファクトの座標系との間の探索された座標変換の決定を可能にし、これに関して図8及び図9を参照されたい。探索された座標変換の決定は、例えば、ヘキサポッド上のポーズマーキング及び較正アーチファクト上のポーズマーキングを検出する座標測定機によって実行されてもよい。
【0078】
使用される溝部分及びボール部分、並びにそれらから得られる2つの基準アーチファクトの座標系間の一義的な座標変換に関する要件を以下に説明する。
【0079】
そのプラットフォームが溝部分を有するパラレルロボットでは、2つの基準アーチファクトを次々に固定することができ、基準アーチファクトの2つの座標系の座標変換を計量的に決定することができる。
【0080】
様々な基準アーチファクトの全てのボール部分が非常に正確且つ幾何学的に等しく製造される場合、ボールは非常に正確に成形され、その中心点は非常に正確な三角形を構築し、2つの基準アーチファクトの座標系間の前述の座標変換は、溝部分の個体とは無関係であるという特性を有する。基準アーチファクトのボール部分とは対照的に、溝部分は、最も高い精度で製造される必要はない。溝部分に特に高い精度の要件を課す必要がないため、ここではコストの増加は生じない。
【0081】
ボール部分は、最も高い精度で比較的簡単に製造することができる。ボール自体は、例えばボールベアリング用のボールとして、又は座標測定機で使用されるプローブ用のボールとして、最も高い精度で購入することができる。三角形における非常に正確な配置は、ボールが、例えば製造中に止まり穴の途中で窪んだときに達成されてもよく、テンプレートによって固定され、所望の三角形の配置で正確に接合することができる。
【0082】
これにより、溝部分を座標測定機に固定し、それぞれの2つの基準アーチファクト間の座標変換を決定する可能性が与えられる。
【0083】
ロボットの移動をその上に配置された剛体の位置に適合させるために、以下の可能性が提供される。
【0084】
第1の可能性
パラレルキネマティクスを座標測定機(KGM)の測定ボリュームに配置し、基準アーチファクトの第1の座標系をKGMの座標系で決定し、次にKGMの座標系内のその座標系の位置を、位置決めされる剛体上のポーズマーキングによって決定する。この点については、図12を参照されたい。これにより、パラレルキネマティクスのボディ座標系と基準座標系との間の座標変換が与えられる。対応する座標変換を被制御装置上で作動させて、本体をそれ自体の座標系で移動させることができる。
【0085】
第2の可能性:
ファイバ取り付けなどの取り付けアーチファクトが使用される。この取り付けの第2の座標系は、基準アーチファクトの第1の座標系に関連する座標変換によって与えられる。したがって、工具、ワークピース、測定デバイスの座標系は、ヘキサポッドの基準座標系と関連付けることができる。本体が取り付けアーチファクトの取り付けに位置する場合、取り付けの対応する構成におけるこの本体の座標系及び本体の形状も、ヘキサポッドの基準座標系に対して与えられる。
【0086】
第3の可能性:
ナセル表面は、非常に正確に製造されなければならず、この目的のために方向マーキングを有さなければならないが、嵌合ストッパも可能である。ナセル面の方向ベクトル及び溝の方向又はストッパ面の位置などのナセル面の特性は、KGMによって測定され、基準アーチファクトによって基準座標系に関連付けられる。剛体は、可能な限り正確な向きでナセル上に配置されるか、又はナセルに取り付けられる。この第3の可能性は、その精度が制限され、一般に、本発明の利点をかなり不十分に利用する。
【0087】
第4の可能性
基準アーチファクトは、剛体を配向させるための平面を有し、そのポーズマーキングを表わす。図6は、導入部で規定された様々な座標系の互いの関係及びそれらのリンク変換を示す。
【0088】
ボックス601~610は座標系を記号化しており、これがラベル付けのために座標系が右側に示されている理由である。座標系の左側の図は、この座標系の種類又は目的を表す。ヘキサポッドが示されているボックス607,608、609は、ヘキサポッドの基準座標系を表している。基準アーチファクト604,605及び606を有するボックスは、基準アーチファクトの第1の座標系を指定する。
【0089】
ここでは601,602及び603でプロットされた工具を有するボックスは、工具の工具座標系又は共移動された剛体に割り当てられた座標系を指定する。このための用語集における指定は取り付けアーチファクトであり、座標系は、取り付けアーチファクトの第2の座標系として上記で指定されている。
【0090】
601では、座標系は鉗子のジョー間にあり、したがってグリッパの作用点である。602において、座標系は、処理されなければならない円錐形状の材料サンプルの先端に関する。したがって、この材料サンプルはワークピースである。603において、座標系は、磁場を測定するためのトロイダルコイルの位置、したがってこの測定系の測定場所に関する。このカテゴリには、工具、ミラー又はミラーシステムも属する。これらは干渉測定において役割を果たす。図6の中央には、較正アーチファクト610の第1の座標系が示されている。この較正アーチファクトは、その構造及び機能のタイプが他の基準アーチファクト、したがって、例えば、604,605及び606で表される基準アーチファクトと異ならない。しかし、異なる基準アーチファクトの第1の座標系の姿勢の比較を互いに均一に関連付けることができるように、基準アーチファクトを較正アーチファクトとして選択することが適切であることが判明している。
【0091】
使用関連較正の過程で決定された3つの座標変換T7、T8、及びT9によって、較正アーチファクト610が607,608又は609に示すヘキサポッドに取り付けられる場合、それぞれのヘキサポッドのそれぞれの基準座標系の位置及び向きは、較正アーチファクトの第1の座標系及びそれぞれの所定の座標変換規則によって与えられる。
【0092】
較正アーチファクトの代わりに、それぞれのヘキサポッドの基準座標系は、ここでは、基準アーチファクト604,605、及び606、並びに介在座標変換としての3つの座標変換T4、T5、及びT6を使用して、それぞれの基準アーチファクトの第1の座標系に対して決定されてもよい。
【0093】
すなわち、基準アーチファクトの第1の座標系は、姿勢検出デバイスにより座標変換によって他の使用アーチファクトの他の第1の座標系にいつでも互いに関連付けられ得る。この関係は、較正アーチファクトに対する座標変換T4、T5、及びT6によってプロットされる。これらの3つの座標変換は、前述の介在する座標変換の基礎を提供する。
【0094】
右側には、例として3つの基準アーチファクトが見られる。それぞれの第1の座標系間の座標変換T4、T5、及びT6は、本発明に従って決定されている。前述の数学的グループ特性に起因して、基準アーチファクトの全ての第1の座標系間、特に較正アーチファクトの全ての第1の座標系間の座標変換も対で決定することができる。例えば、T4及びT5からの第1の座標系604と第1の座標系605との間の座標変換T10を算出することができる。
【0095】
このことから、任意の基準アーチファクト、例えば604の第1の座標系と使用座標系607との間の座標変換は、T4及びT7から決定できることにもなる。この計算には、基準アーチファクトの第1の座標系と較正アーチファクトとの間の座標変換、並びに較正アーチファクトの第1の座標系とヘキサポッドの基準座標系との間の座標変換が必要である。
【0096】
これは、座標変換T1,T2,T3についても同様であり、プロットされた座標変換T11は、例えば、T1,T2から算出されてもよい。基準アーチファクトの第1の座標系と取り付けアーチファクトの第1の座標系との間の座標変換も同様にこのようにして計算することができる。
【0097】
座標変換を較正アーチファクトに示すことができる各基準アーチファクトは、無制限の方法で較正アーチファクトのタスクを採用することができることが重要である。しかしながら、誤差の再現を回避するために、例えば以前の物理学において「一次キログラム」という用語で起こったように、比較測定のための較正アーチファクトを基準として取得することが推奨される。
【0098】
互いの座標変換の前述の関係は、-欠陥ヘキサポッドを置換ヘキサポッドで置き換えることを可能にし、置換ヘキサポッドの基準座標系は、世界座標系に関して欠陥ヘキサポッドの基準座標系と同一に配置される。第1に、この場合、作動コントローラによる座標変換の数値実行のために機能が必要とされる。第2に、基準アーチファクトの例示的なポーズマーキングを、欠陥ヘキサポッドと交換ヘキサポッドにおいて同じ位置にもたらすことができるデバイス及び方法が必要とされる。ヘキサポッドは、この場合、姿勢検出デバイスとして機能する。姿勢検出デバイスとしての機能において、与えられた姿勢における脚の長さがヘキサポッドで読み出され、これから関連する姿勢が計算され、方法の範囲内で評価される。ヘキサポッドに取り付けられ、直方体の形態を有する各ポーズマーキングは、6つの表面点が1つの停止接触になるという点で、公差管理で規定されたいわゆる規則3-2-1と同様に配置され得る。この場合、直方体の第1の平面は一次平面と呼ばれ、3つのプローブ先端と接触し、第2の平面は二次平面と呼ばれ、2つのプローブ先端と接触し、第3の平面は最終的には三次平面として1つのプローブ先端と接触する。これにより、空間内の直方体の位置は、その6自由度で決定される。この接触停止に適したデバイスを図17に示す。
【0099】
高精度の近似スイッチがプローブ先端として使用される場合、直方体ポーズマーキングの6点ポーズマーキングへの位置合わせは、自動的且つ反復的に実行することができる。
6つの近似スイッチの配置自体は、ポーズマーキングとして理解することができる。ポーズマーキングとしてこの種に装備された基準アーチファクトを有するヘキサポッドは、両方の基準座標系との関係を有する直方体支持基準アーチファクトを持つヘキサポッドとの会合によって同じ座標系で協働してもよい。
【0100】
基準アーチファクト及び取り付けアーチファクトの第1の座標系に作用する変換グループの要素の計量決定について以下に説明する。
【0101】
変換の計量調査を図7に示す。
【0102】
変換の調査は、姿勢検出デバイスによって実行される。好ましい実施形態では、座標測定機がこの目的のために機能し、それによってポーズマーキングが走査される。
【0103】
姿勢検出デバイスが測定している座標系は、708において黒色で表される。この座標系の正確な位置は重要ではなく、この方法では補助座標系の意味が得られる。
【0104】
この補助座標系の隣のボックスには、「3溝キネマティックカップリング」の溝部分が表されている。インタフェース部分自体には、座標系を割り当てることができない。インタフェース部分は、姿勢検出デバイスの測定空間内に固定的に固定され、補助座標系に対して不動である。
【0105】
姿勢検出デバイスの測定空間内には、キネマティックインタフェースの溝部分が固定されている。較正アーチファクト707はこの溝部分上に配置され、その第1の座標系の位置は補助座標系で決定される。同じ測定が、他の基準アーチファクト704,705及び706を用いて実行される。同様に、取り付けアーチファクト701,702、703の第2の座標系の姿勢が決定される。同様に、補助座標系に関連する姿勢T701、T702、T703、T704、T705、T706、及びT707を直ちに決定することができ、基準アーチファクト及び取り付けアーチファクトの異なる第1又は第2の座標系を互いに関連させることができる。較正アーチファクトの第1の座標系の変換T707によって、較正アーチファクトへの変換T701~T706の標準化が可能である。
【0106】
この方法は、基準アーチファクト及び取り付けアーチファクトのボール部分の全てが、非常に正確で同様の製造物であることを必要とする。同じ高い要件は、本発明の範囲内で使用される溝部分の均等性に配置される必要はない。正確に製造された各溝部分は、すなわち、それに取り付けられたボール部分の位置を一意的に画定し、その結果、同様の非常に正確に製造されたボール部分の姿勢も一意的且つ等しく画定される。
【0107】
非常に正確な方法で製造されたヘキサポッドにおける利用可能な基準座標系の本発明に係る検出は、ここでは図8及び図9に従って実行され、ヘキサポッド自体も同様に非常に正確なポーズマーキング801を有する。
【0108】
ここでは例として示されている非常に正確に製造されたヘキサポッドは、ここでは直方体形態で設計されたポーズマーキング801の存在により、利用可能な座標系を既に有している。ヘキサポッドの基準座標系の位置は、ポーズマーキングの空間登録から基準座標系を参照する座標変換によって与えられる。ポーズマーキングの空間位置合わせと基準座標系との間のこの既知の座標変換は、高精度で実現される運動学的関連幾何学的パラメータからもたらされ、ここではポーズマーキングも属する。
【0109】
ポーズマーキングはここでは底板に取り付けられているが、そのようなポーズマーキングはナセルに取り付けられてもよい。ポーズマーキングの種類も同様に選択可能であり、例として、プラットフォームに取り付けられた非常に正確な向きの平面、又は3つの非共線的なボールがポーズマーキングを形成してもよい。
【0110】
前述の非常に正確な製造は、運動学的に関連する構成要素の位置、特に関節の局所ベクトル及び方向ベクトルに関する。同様に、ポーズマーキングの位置及び向きは、同じ座標系で非常に正確に規定される必要がある。
【0111】
較正アーチファクトの第1の座標系とヘキサポッドの基準座標系との間の座標変換が姿勢検出デバイスにおいてどのように実現され得るかが図9に示されている。
【0112】
座標系906は、姿勢検出デバイスの座標系を表す。この座標系に対して、ポーズマーキング801の座標系905の姿勢TX5及び較正アーチファクト903の第1の座標系の姿勢TX4が測定される。
【0113】
ヘキサポッド907の基準座標系902,904と較正アーチファクト801の第1の座標系903との間の探索された関係を表す座標変換TX1、すなわち、座標系903,901と904との間の座標変換は、以下のように決定することができる。
【0114】
基準アーチファクトの第1の座標系903の姿勢TX4は、姿勢検出デバイスの座標系に対して測定される。座標系903,904,905は、補助座標系906に関連するため、黒色で描かれている。
【0115】
次に、補助座標系906に対するヘキサポッドのポーズマーキングの姿勢TX5が同様に測定される。この座標変換は、補助座標系に対する基準座標系の姿勢が与えられるように、座標変換TX2にリンクされる。前述の座標変換からTX1を計算する際に、補助座標系の参照は省略される。
【0116】
利用可能な基準座標系の表示は、以下のように測定値を較正する過程で実行することができる。
【0117】
キネマティック較正測定は、複数の異なる姿勢でヘキサポッド姿勢を測定することに基づいており、較正は、測定された姿勢と命令された姿勢との比較からなる姿勢偏差の補正を引き起こすことを意図している。
【0118】
最初に、姿勢を規定できるように、姿勢コマンドの基礎として基準座標系を取る必要がある。
【0119】
そのような規定は、図1及び図2に従って実行することができた。
【0120】
次いで、プラットフォームは複数の姿勢に命令され、ヘキサポッドは較正アーチファクトが取り付けられている。較正アーチファクトが採用する幾つかの例示的な姿勢を図10に示す。これらの各姿勢において、図11に示すように、姿勢検出デバイスの座標系に対する取り付けられた較正アーチファクトの第1の実際の座標系1101,1102,1103,1104,1105,1106が測定される。較正に必要な姿勢測定値の数は、原則として3桁である。
【0121】
ここで、姿勢検出デバイスの座標系における基準座標系の姿勢は、等化計算によって複数の測定姿勢から計算され、これはヘキサポッドの初期設定姿勢における較正アーチファクトの第1の座標系の位置に関連する。したがって、基準座標系の位置は、較正アーチファクトの第1の座標系に対して規定される。
【0122】
ここで等化計算の手段が選択されるという事実は、較正されていないヘキサポッドの精度が不十分であるためである。これらの不十分さは、基準座標系の位置にわずかな不一致をもたらす。ヘキサポッドの回動点及び移動方向は、実際に採用される姿勢に応じてわずかに変化するためである。
【0123】
基準座標系が説明したように規定されるとすぐに、それは較正アーチファクトの第1の座標系の姿勢に関連するので利用可能である。その後、測定結果と基準座標系とに基づいて較正を行う。この較正は、測定された姿勢に対する命令された姿勢の偏差が最小化又は排除されることを保証することを意図している。
【0124】
インタフェースを使用せずにナセルに接続された物体の姿勢を決定するために、以下が指摘されるべきである。
【0125】
ナセルに剛体を取り付け固定することができる。例えば、「キネマティックカップリング」は、大きな力及びモーメントを伝達するのには適しておらず、場合によってはナセルに本体を直接取り付ける必要がある。代替的に使用可能な「準キネマティックカップリング」は、より大きな力及びモーメントを伝達することができるが、それらは運動学的に決定されず、高精度用途のための「キネマティックカップリング」よりも適していないことは確かである。更に、「準キネマティックカップリング」であっても、力及びモーメントに関して制限があり、これらのキネマティックインタフェースの代替的な使用は、使用されるインタフェースの均一性を妨げる。
【0126】
ワークピース又はセンサが、例えば、ビスを使用して形状嵌合方式(摩擦剛性)で、又は物質嵌合方式(例えば、接着、溶接、ろう付け)でプラットフォームに接続される用途では、取り付けられた本体の正確な姿勢は、最初はヘキサポッドの基準座標系に対して正確に決定されない。
【0127】
ここで図12及び図13に示される進行は、それ自体を提供する。
【0128】
ヘキサポッドは、姿勢検出デバイスの作業空間内に最初に固定され、その初期設定姿勢に命令される。補助座標系である姿勢検出デバイス1301の座標系内で、ヘキサポッドに取り付けられた基準アーチファクトの第1の座標系1303の姿勢T132が最初に決定される。それと共に、姿勢検出デバイスの補助座標系に対するヘキサポッドの基準座標系の姿勢1304は、座標変換T134としても知られている。T133は、予め規定された第1の変換規則を表し、較正アーチファクトの第1の座標系とヘキサポッドの基準座標系との間の座標変換を記述する。
【0129】
次のステップでは、ヘキサポッドが基準アーチファクトとして抽出され(スペースの理由で必要な場合)、サンプル片がヘキサポッドに固定される。サンプル片1305は、例ではプラットフォームに接着された直方体構造である。
【0130】
次に、姿勢検出デバイスがワークのポーズマーキングによって座標系1302を決定するという点で、ワークの姿勢が測定される。これにより、変換T131が得られる。
【0131】
ここで得られた変換T131及びT134は、1306及び1307に表されるヘキサポッドの基準座標系1304に対するワークピースの姿勢をもたらす。
【0132】
図14は、パラレルロボットを示し、1404はシャーシを示し、1405はナセルを示す。ナセルは溝部分を有し、溝は1401、1402、及び1403に示されている。このロボットでは、溝はいずれの場合も2つの平行な凹状シリンダ1401によって実現される。
【0133】
図15は、図14のロボットを示し、ここでのナセルは、ボール部分1501が取り付けられている。ボールの視界は隠されている。
【0134】
図16は、ボール部分1506の下面を示す。ボール部分のボール1601、1602、1603と、保持磁石1604とを認識することができる。
【0135】
本発明の実現は、前述した実施例及び説明した態様に限定されるものではなく、専門的な行動の範囲内で複数の変更が可能である。
【0136】
図17は、ポーズマーキングが6つの走査点からなる基準アーチファクトを示す。1708は、三点1704、1705、及び1706からなる一次平面を示し、二次平面は1707で示され、関連する点1702及び1703を有し、三次平面は1709で示され、点1701を有する。図示のポーズマーキングは、直方体ポーズマーキングに一意的に適用することができ、その結果、座標変換によって2つの座標系を互いに関連付けることができる。
【0137】
そのようなポーズマーキングのうちの2つが互いに強固に接続されているか、又は直方体ポーズマーキングがそのようなポーズマーキングに強固に接続されている場合、構築キットのように座標変換によって座標系を互いに任意に関連付けることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【国際調査報告】