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特表2023-541647タバコ細粒を非連続タバコ材料に加工する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-03
(54)【発明の名称】タバコ細粒を非連続タバコ材料に加工する方法
(51)【国際特許分類】
   A24B 3/14 20060101AFI20230926BHJP
   A24B 15/10 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
A24B3/14
A24B15/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516828
(86)(22)【出願日】2021-09-14
(85)【翻訳文提出日】2023-05-08
(86)【国際出願番号】 GB2021052379
(87)【国際公開番号】W WO2022053835
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】2014431.7
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2014434.1
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2112001.9
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2112003.5
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523091279
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ エクスポーツ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO EXPORTS LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】リンク, マティアス
(72)【発明者】
【氏名】フランケ, ディートマール
(72)【発明者】
【氏名】プルクハーン, フランク
【テーマコード(参考)】
4B043
【Fターム(参考)】
4B043BA07
4B043BA15
4B043BA22
4B043BA51
4B043BA80
4B043BB10
4B043BB18
(57)【要約】
タバコ細粒を非連続タバコ材料に加工する方法であって、3mm未満のDp90粒径及び2mm未満のDp50粒径を有する予めサイズ調節された葉柄タバコ材を準備するステップを含む、方法を提供する。方法はまた、予めサイズ調節された葉柄タバコ材をタバコ細粒と合わせてタバコ初期材料を生成するステップと、タバコ細粒を葉柄タバコ材と結合させるために、初期材料を所定の増加された水分含有量にし、初期材料を温度上昇に供し、初期材料を圧力増加に供することによって初期材料を処理するステップとを含む。また、方法によって製造される非連続タバコ材料、方法によって製造される非連続タバコ材料を含めた送達システムのための構成要素、構成要素を含む製品及び喫煙品も提供する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ細粒を非連続タバコ材料に加工する方法であって、
3mm未満のDp90粒径及び2mm未満のDp50粒径を有する予めサイズ調節された葉柄タバコ材を準備するステップと、
前記予めサイズ調節された葉柄タバコ材をタバコ細粒と合わせてタバコ初期材料を生成するステップと、
前記タバコ細粒を前記葉柄タバコ材と結合させるために、前記初期材料を所定の増加された水分含有量にし、前記初期材料を温度上昇に供し、前記初期材料を圧力増加に供することによって前記初期材料を処理するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記予めサイズ調節された葉柄材が、2.9mm未満、任意選択により、2.8、2.7、2.6、2.5、2.4、2.3、2.2、2.1又は2mm未満のDp90粒径を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記予めサイズ調節された葉柄材が、1.9mm未満、任意選択により、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1又は1mm未満のDp50粒径を有する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記予めサイズ調節された葉柄材が、少なくとも100ミクロンのDp10粒径、任意選択により少なくとも150、200、250、300又は350、400又は500ミクロンのDp10粒径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記予めサイズ調節された葉柄タバコ材を準備するステップが、スタータ葉柄材を準備することと、ハンマーミルを使用してスタータ葉柄材の粒径を縮小することとを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記温度上昇が、外部熱を与えることによって得られる及び/又は機械的圧力を生じた結果である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記初期材料がウィノーイングをさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記タバコ細粒が、1mm未満、任意選択により0.5mm未満の粒径を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
外部から加えられる結合剤を一切使用せずに、前記タバコ細粒が前記予めサイズ調節された葉柄タバコ材に機械的に結合される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
処理する材料が、前記材料を連続的に移送することによって処理される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記初期材料を処理するステップが、前記初期材料を、機械的圧力を増強するコンベヤーに通して移送することを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記コンベヤーが押出機を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記コンベヤーが、100kg/hr超、好ましくは、少なくとも110kg/hr、好ましくは、少なくとも115又は120kg/hrのスループットで操作される、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記葉柄材及び/又はウィノーイングを、以下のパラメータ:
温度:80~147℃、湿度:6~14質量%OVの範囲、及び圧力(ガス過剰圧力):0~8バールのうちの1つ以上に前調整するステップを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記葉柄材及び/又はウィノーイングを、以下のパラメータ:
温度:100~120℃、湿度:8~12質量%OVの範囲、及び圧力(ガス過剰圧力):0~3バール、好ましくは0~1バールのうちのうちの1つ以上に前調整するステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記初期材料を処理するステップが、前記初期材料を10~50質量%OV(オーブン揮発分)の範囲の水分含有量にすることを含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記初期材料を処理するステップが、前記初期材料を60~180℃の範囲、好ましくは100~140℃の範囲、好ましくは110~130℃の範囲までの温度に加熱することを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記初期材料を処理するステップが、前記初期材料を10~200バールの範囲、好ましくは40~150バールの範囲、好ましくは60~120バールの範囲の圧力まで加圧することを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記非連続タバコ材料が繊維質及び/又は顆粒状材料である、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記タバコ初期材料が、少なくとも30(質量)%のタバコ細粒、好ましくは少なくとも35(質量)%又は少なくとも40(質量)%のタバコ細粒を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記タバコ初期材料が、50(質量)%以下のタバコ細粒、好ましくは45(質量)%以下又は40(質量)%以下のタバコ細粒を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記タバコ初期材料が、少なくとも5(質量)%のタバコウィノーイング、好ましくは少なくとも7(質量)%、8(質量)%、9(質量)%又は10(質量)%のウィノーイングを含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記タバコ初期材料が、20(質量)%以下のタバコウィノーイング、好ましくは18(質量)%以下、15(質量)%以下、12(質量)%以下、又は10(質量)%以下のウィノーイングを含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記タバコ初期材料が、少なくとも30(質量)%の予めサイズ調節された葉柄タバコ材、好ましくは、少なくとも40(質量)%、45(質量)%又は50(質量)%の予めサイズ調節された葉柄タバコ材を含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記タバコ初期材料が、70(質量)%以下の予めサイズ調節された葉柄タバコ材、好ましくは、60(質量)%以下、55(質量)%以下、又は50(質量)%以下の予めサイズ調節された葉柄タバコ材を含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記タバコ細粒が、タバコ工場塵を含む、タバコ工場塵からなる、又はタバコ工場塵から本質的になる、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記タバコ細粒が、1mm未満、好ましくは0.5mm未満のDp50粒径を有する、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記処理されたタバコ材料を圧力降下に暴露し、結果としてフラッシュ蒸発させるステップを含む、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記処理されたタバコ材料が膨張によって解繊するように、前記処理されたタバコ材料をシャーリングギャップに通して供給するステップを含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記シャーリングギャップが、10~2000ミクロンの範囲、好ましくは50~300ミクロンの範囲の幅を有する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記シャーリングギャップが、シャーリング面の間に配置され、回転シャーリング部材が前記シャーリング面の1つを含む、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項32】
前記シャーリング部材が、複数の溝を含み、任意選択により、少なくとも80個の溝、好ましくは、少なくとも90、100、120、140、160又は180個の溝を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記溝それぞれが、最大2mm、好ましくは最大1.5mm又は1mmの最大幅を有する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記溝それぞれが、少なくとも0.3mm、任意選択により少なくとも0.5mm、0.7mm、又は1mmの最大幅を有する、請求項32又は33に記載の方法。
【請求項35】
前記シャーリング部材を少なくとも10rpm、好ましくは少なくとも100rpm、300rpm、300rpm又は350rpmの角速度で回転させるステップを含む、請求項31~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記非連続タバコ材料が、0.9mm未満、好ましくは0.8mm未満の平均繊維径を有する、請求項1~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記非連続タバコ材料が、350~600kg/mの範囲の密度指数を有する、請求項1~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
請求項1~37のいずれか一項に記載の方法によって生成される非連続タバコ材料。
【請求項39】
請求項1~37のいずれか一項に記載の方法によって生成される非連続タバコ材料を含む、送達システムのための構成要素。
【請求項40】
第2のタバコ材料、好ましくは刻みラグタバコである第2のタバコ材料をさらに含む、請求項39に記載の構成要素。
【請求項41】
前記非連続タバコ材料を含むことによって、構成要素の使用中に、構成要素が前記非連続タバコ材料を含まなかった場合と比較してタールの送達を増加させるように、前記非連続タバコ材料が構成されている、請求項40に記載の構成要素。
【請求項42】
前記非連続タバコ材料を含むことによって、構成要素の使用中に、前記非連続タバコ材料を5(質量)%含むごとにタールの送達を少なくとも1.5(質量)%、2(質量)%又は2.5(質量)%増加させるように、前記非連続タバコ材料が構成されている、請求項41に記載の構成要素。
【請求項43】
前記非連続タバコ材料を含むことによって、構成要素の使用中に、構成要素が前記非連続タバコ材料を含まなかった場合と比較してニコチンの送達を増加させる、請求項40~42のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項44】
前記非連続タバコ材料を含むことによって、構成要素の使用中に、前記非連続タバコ材料を5(質量)%含むごとにニコチンの送達を少なくとも1.5(質量)%、2(質量)%又は2.5(質量)%増加させるように、前記非連続タバコ材料が構成されている、請求項43に記載の構成要素。
【請求項45】
前記非連続タバコ材料を含むことによって、構成要素の使用中に、構成要素が前記非連続タバコ材料を含まなかった場合と比較して一酸化炭素の送達を減少させる、請求項40~44のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項46】
前記非連続タバコ材料を含むことによって、構成要素の使用中に、タールに対する一酸化炭素を送達する比率を、構成要素が前記非連続タバコ材料を含まなかった場合と比較して減少させる、請求項40~45のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項47】
前記非連続タバコ材料を含むことによって、構成要素の使用中に、タールに対する一酸化炭素を送達する比率を、前記非連続タバコ材料を5(質量)%含むごとに少なくとも1.5(質量)%、2(質量)%又は2.5(質量)%減少させるように、前記非連続タバコ材料が構成されている、請求項46に記載の構成要素。
【請求項48】
可燃式エアロゾル供給システム用のタバコロッドを含む、請求項40~47のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項49】
前記非連続タバコ材料を含むことによって、構成要素の使用中に、構成要素が前記非連続タバコ材料を含まなかった場合と比較して、構成要素全体にわたる圧力降下を抑える、請求項40~48のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項50】
前記非連続タバコ材料及び前記第2のタバコ材料を含むタバコ材料を含み、少なくとも4.5(質量)%、5.5(質量)%又は6.5(質量)%の前記タバコ材料が、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法によって生成される非連続タバコ材料であり、任意選択により、少なくとも7(質量)%、8(質量)%、9(質量)%、10(質量)%、11(質量)%、12(質量)%、13(質量)%、14(質量)%、15(質量)%、16(質量)%、17(質量)%、18(質量)%、19(質量)%又は20(質量)%の前記タバコ材料が、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法によって生成される非連続タバコ材料である、請求項40~49のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項51】
エアロゾル供給システムのための、請求項39~50のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項52】
シガレット、シガー又はシガリロ用のタバコロッドである、請求項51に記載の構成要素。
【請求項53】
構成要素が、不燃式エアロゾル供給システムのためのものであり、任意選択によりタバコ材料を含み、少なくとも5(質量)%の前記タバコ材料が、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法によって生成される非連続タバコ材料である、請求項51に記載の構成要素。
【請求項54】
タバコロッドである、請求項39~53のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項55】
請求項39~54のいずれか一項に記載の構成要素を含む製品。
【請求項56】
請求項39~54のいずれか一項に記載の構成要素を含む喫煙品。
【請求項57】
請求項1~37のいずれか一項に記載の方法にしたがって生成されるタバコ材料を含む喫煙品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコ細粒を非連続タバコ材料に加工する方法と、該非連続タバコ材料を含む構成要素、製品及び喫煙品とに関する。
【背景】
【0002】
タバコ処理中の種々の時点(例えば、輸送、タバコの調製、シガレットの製造)で行われるタバコ細粒の再処理によって意味のある使用につなげることができることが知られている。例えば、タバコ細粒を、タバコの再構成のための(例えば、再生タバコを製造するための)初期材料の1つとして使用することができる。そのようなプロセスは通常、タバコ材料の連続体(フィルム、シート、糸など)の製造を可能にする。
【0003】
特許明細書DE10065132A1は、タバコ粉塵から塊を製造する方法を開示している。
【概要】
【0004】
本開示の第1の態様によれば、タバコ細粒を非連続タバコ材料に加工する方法であって、3mm未満のDp90粒径及び2mm未満のDp50粒径を有する予めサイズ調節された葉柄タバコ材を準備するステップと、予めサイズ調節された葉柄タバコ材をタバコ細粒と合わせてタバコ初期材料を生成するステップと、タバコ細粒を葉柄タバコ材と結合させるために、初期材料を所定の増加された水分含有量にし、初期材料を温度上昇に供し、初期材料を圧力増加に供することによって、初期材料を処理するステップとを含む、方法を提供する。
【0005】
予めサイズ調節された葉柄材は、2.9mm未満のDp90粒径、好ましくは2.8mm未満、2.7mm未満、2.6mm未満、2.5mm未満、2.4mm未満、2.3mm未満、2.2mm未満、2.1mm未満又は2mm未満のDp90粒径を有しうる。予めサイズ調節された葉柄材は、1.9mm未満、任意選択により1.8mm未満、1.7mm未満、1.6mm未満、1.5mm未満、1.4mm未満、1.3mm未満、1.2mm未満、1.1mm未満又は1mm未満のDp50粒径を有しうる。予めサイズ調節された葉柄材は、少なくとも100ミクロンのDp10粒径、任意選択により少なくとも150、200、250、300又は350、400又は500ミクロンのDp10粒径を有しうる。
【0006】
予めサイズ調節された葉柄タバコ材を準備するステップは、スタータ葉柄材を準備することと、ハンマーミルを使用してスタータ葉柄材の粒径を縮小することとを含みうる。
【0007】
温度の上昇は、外部熱を加えることによって得ることができる、及び/又は機械的圧力を生じた結果である。
【0008】
初期材料は、ウィノーイングをさらに含むことができる。
【0009】
タバコ細粒は、1mm未満、任意選択により0.5mm未満の粒径を有しうる。
【0010】
タバコ細粒は、外部から加えられる結合剤を一切使用せずに、予めサイズ調節された葉柄タバコ材に機械的に結合されうる。いくつかの実施形態において、タバコ細粒は、天然の結合剤によって又はタバコ細粒及び/若しくは葉柄タバコ材中に本来備わっている結合剤によって結合される。
【0011】
処理される材料は、材料を連続的に移送することによって処理することができる。
【0012】
初期材料を処理するステップは、機械的圧力を増強するコンベヤーに通して初期材料を移送することを含んでもよい。コンベヤーは、押出機を含んでもよい。コンベヤーは、100kg/hr超、好ましくは少なくとも110kg/hr、好ましくは少なくとも115又は120kg/hrのスループットで操作されうる。
【0013】
いくつかの実施形態において、処理される材料は、バッチで処理される。
【0014】
方法は、葉柄材及び/又はウィノーイングを以下のパラメータ:温度:80~147℃、湿度:6~14質量%OVの範囲、及び圧力(ガス過剰圧力):0~8バールのうちの1つ以上に前調整するステップを含んでもよい。
【0015】
方法は、葉柄材及び/又はウィノーイングを以下のパラメータ:温度:100~120℃、湿度:8~12質量%OVの範囲、及び圧力(ガス過剰圧力):0~3バール、好ましくは0~1バールのうちの1つ以上に前調整するステップを含んでもよい。
【0016】
初期材料を処理するステップは、初期材料を10~50質量%OV(オーブン揮発分)の範囲の水分含有量にすることを含む。
【0017】
いくつかの実施形態において、初期材料を処理するステップは、初期材料を少なくとも10%(オーブン揮発分)の水分含有量にすることを含む。いくつかの実施形態において、初期材料を処理するステップは、初期材料を50%OV(オーブン揮発分)以下の水分含有量にすることを含む。いくつかの実施形態において、初期材料を所定の水分含有量にすることは、処理されたタバコ材料をシャーリングギャップに通して供給する前に行われる。
【0018】
初期材料を処理するステップは、初期材料を60~180℃の範囲、好ましくは100~140℃の範囲、好ましくは110~130℃の範囲の温度に加熱することを含んでもよい。
【0019】
いくつかの実施形態において、初期材料を処理するステップは、初期材料を少なくとも60℃、好ましくは少なくとも100℃又は少なくとも110℃の温度に加熱することを含む。いくつかの実施形態において、初期材料を処理するステップは、初期材料を180℃以下、好ましくは140℃以下、好ましくは130℃以下の温度に加熱することを含む。いくつかの実施形態において、初期材料を所定の温度まで加熱することは、処理されたタバコ材料をシャーリングギャップに通して供給する前に行われる。
【0020】
初期材料を処理するステップは、初期材料を10~200バールの範囲、好ましくは40~150バールの範囲、好ましくは60~120バールの範囲の圧力まで加圧することを含んでもよい。
【0021】
いくつかの実施形態において、初期材料を処理するステップは、初期材料を少なくとも10バール、好ましくは少なくとも40バール、好ましくは少なくとも60バールの圧力まで加圧することを含む。いくつかの実施形態において、初期材料を処理するステップは、初期材料を200バール以下、好ましくは150バール以下、好ましくは120バール以下の圧力まで加圧することを含む。いくつかの実施形態において、初期材料を所定の圧力まで加圧することは、処理されたタバコ材料をシャーリングギャップに通して供給する前に行われる。
【0022】
非連続タバコ材料は、繊維質及び/又は顆粒状材料であってもよい。
【0023】
タバコ初期材料は、少なくとも30(質量)%のタバコ細粒、好ましくは少なくとも35(質量)%又は少なくとも40(質量)%のタバコ細粒を含んでもよい。
【0024】
タバコ初期材料は、50(質量)%以下のタバコ細粒、好ましくは45(質量)%以下又は45(質量)%以下のタバコ細粒を含んでもよい。
【0025】
タバコ細粒材料が外来タバコ及び/又は他の植物性物質を含む実施形態において、タバコ初期材料は、70(質量)%以下のタバコ細粒、好ましくは65(質量)%以下又は60(質量)%以下のタバコ細粒を含んでもよい。
【0026】
タバコ初期材料は、少なくとも5(質量)%のタバコウィノーイング、好ましくは少なくとも7(質量)%、8(質量)%、9(質量)%、又は10(質量)%のタバコウィノーイングを含んでもよい。
【0027】
タバコ初期材料は、20(質量)%以下のウィノーイング、好ましくは18(質量)%以下、15(質量)%以下、12(質量)%以下、又は10(質量)%以下のウィノーイングを含んでもよい。
【0028】
タバコ初期材料は、少なくとも30(質量)%の予めサイズ調節された葉柄タバコ材、好ましくは、少なくとも40(質量)%、45(質量)%、又は50(質量)%の予めサイズ調節された葉柄タバコ材を含んでもよい。
【0029】
タバコ初期材料は、70(質量)%以下の予めサイズ調節された葉柄タバコ材及び、好ましくは、60(質量)%以下、55(質量)%以下、又は50(質量)%以下の予めサイズ調節された葉柄タバコ材を含んでもよい。
【0030】
タバコ細粒は、タバコ工場塵を含みうる、タバコ工場塵からなりうる、又は本質的にタバコ工場塵からなりうる。
【0031】
タバコ細粒は、外来タバコ及び/又は他の植物性物質を含んでもよい。例えば、タバコ細粒は、タバコ材料に加えて、30~50%、好ましくは約40%の外来タバコ、及び20~40%、好ましくは25~31%の他の植物性物質を含んでもよい。いくつかの実施形態において、タバコ細粒は、Rajangan及び/又はKrosokタバコなどの外来タバコ並びにクローブ粉塵を含みうるクレテック材料を含んでもよい。例えば、タバコ細粒は、クレテック喫煙品の製造において生成されるタバコ工場塵を含みうる、からなりうる、又は本質的にからなりうる。
【0032】
タバコ細粒は、1mm未満、好ましくは0.5mm未満のDp50粒径を有しうる。
【0033】
方法は、処理されたタバコ材料を圧力降下に暴露し、結果としてフラッシュ蒸発させるステップを含んでもよい。
【0034】
方法は、処理されたタバコ材料が膨張によって解繊するように、処理されたタバコ材料をシャーリングギャップに通して供給するステップを含んでもよい。
【0035】
シャーリングギャップは、10~2000ミクロンの範囲、好ましくは50~300ミクロンの範囲の幅を有しうる。
【0036】
シャーリングギャップは、シャーリング面の間に配置してもよく、回転シャーリング部材は、シャーリング面の1つを含む。
【0037】
シャーリング部材は、複数の溝を含んでもよく、任意選択により、少なくとも80個の溝、任意選択により、少なくとも90個、100個、120個、140個、160個又は180個の溝を含む。溝はそれぞれ、最大2mm、任意選択により最大1.5mm又は1mmの最大幅を有しうる。
【0038】
溝はそれぞれ、少なくとも0.3mm、任意選択により、少なくとも0.5mm、0.7mm又は1mmの最大幅を有しうる。
【0039】
方法は、少なくとも10rpm、好ましくは少なくとも100rpm、300rpm、300rpm又は350rpmの角速度でシャーリング部材を回転させることを含んでもよい。いくつかの実施形態において、方法は、700rpm以下の角速度でシャーリング部材を回転させるステップを含む。
【0040】
非連続タバコ材料は、0.9mm未満、好ましくは0.8mm未満の平均繊維径を有しうる。非連続タバコ材料は、350~600kg/mの範囲の密度指数を有しうる。
【0041】
本開示の第2の態様によれば、上記の第1の態様の方法によって製造される非連続タバコ材料を提供する。
【0042】
本開示の第3の態様によれば、上記の第1の態様の方法によって製造される非連続タバコ材料を含む、送達システムのための構成要素を提供する。
【0043】
構成要素は、第2のタバコ材料をさらに含んでもよく、好ましくは、第2のタバコ材料は刻みラグタバコであってもよい。
【0044】
非連続タバコ材料は、非連続タバコ材料を含むことによって、構成要素の使用中に、タールの送達を、構成要素が非連続タバコ材料を含まなかった場合と比較して増加させるように構成されうる。
【0045】
非連続タバコ材料は、非連続タバコ材料を含むことによって、構成要素の使用中に、タールの送達を、非連続タバコ材料を5(質量)%含むごとに少なくとも1.5(質量)%、2(質量)%又は2.5(質量)%増加させるように構成されうる。
【0046】
非連続タバコ材料を含むことによって、構成要素の使用中に、ニコチンの送達を、構成要素が非連続タバコ材料を含まなかった場合と比較して増加させることができる。
【0047】
非連続タバコ材料は、非連続タバコ材料を含むことによって、構成要素の使用中に、ニコチンの送達を、非連続タバコ材料を5(質量)%含むごとに少なくとも1.5(質量)%、2(質量)%又は2.5(質量)%増加させるように構成されうる。
【0048】
非連続タバコ材料を含むことによって、構成要素の使用中に、一酸化炭素の送達を、構成要素が非連続タバコ材料を含まなかった場合と比較して減少させることができる。
【0049】
非連続タバコ材料を含むことによって、構成要素の使用中に、タールに対する一酸化炭素を送達する比率を、構成要素が非連続タバコ材料を含まなかった場合と比較して減少させることができる。
【0050】
非連続タバコ材料は、非連続タバコ材料を含むことによって、構成要素の使用中に、タールに対する一酸化炭素を送達する比率を、非連続タバコ材料を5(質量)%含むごとに少なくとも1.5(質量)%、2(質量)%又は2.5(質量)%減少させるように構成されうる。
【0051】
構成要素は、可燃式エアロゾル供給システム用のタバコロッドを含んでもよい。
【0052】
非連続タバコ材料を含むことによって、構成要素の使用中に、構成要素が非連続タバコ材料を含まなかった場合と比較して、構成要素全体にわたる圧力降下を抑えることができる。
【0053】
構成要素は、非連続タバコ材料及び第2のタバコ材料を含むタバコ材料を含んでもよく、少なくとも4.5(質量)%、5.5(質量)%又は6.5(質量)%のタバコ材料は、上記の第1の態様の方法によって生成される非連続タバコ材料であり、任意選択により、少なくとも7(質量)%、8(質量)%、9(質量)%、10(質量)%、11(質量)%、12(質量)%、13(質量)%、14(質量)%、15(質量)%、16(質量)%、17(質量)%、18(質量)%、19(質量)%又は20(質量)%のタバコ材料は、上記の第1の態様の方法によって生成される非連続タバコ材料である。
【0054】
構成要素は、エアロゾル供給システムのためのものであってもよい。構成要素は、シガレット、シガー又はシガリロ用のタバコロッドであってもよい。
【0055】
構成要素は、非可燃式エアロゾル供給システムのためのものであってもよく、任意選択により、タバコ材料を含み、ここで、少なくとも5(質量)%のタバコ材料は、上記の第1の態様の方法によって生成される非連続タバコ材料である。
【0056】
構成要素は、タバコロッドであってもよい。
【0057】
本開示の第4の態様によれば、上記の第3の態様による構成要素を含む製品を提供する。
【0058】
本開示の第5の態様によれば、上記の第3の態様による構成要素を含む喫煙品を提供する。
【0059】
ここで、図面を参照して、非限定的な例のみによって実施形態を説明していく。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1】タバコ細粒を非連続タバコ材料に加工する方法の実施形態を例示するフローチャートである。
図2】タバコ細粒を非連続タバコ材料に加工する方法の別の実施形態を例示するフローチャートである。
図3】圧力解繊デバイスの実施形態の概略図である。
図4】圧力調整及び解繊システムの概略図である。
図5】圧力調整及び解繊システムの別の実施形態の概略図である。
【詳細な説明】
【0061】
図1を参照して、タバコ細粒を非連続タバコ材料に加工する方法を示す。
【0062】
方法によって生成された非連続タバコ材料を、次いで、製品に取り入れることができる。製品は、本明細書に記載の送達システム、例えば、エアロゾル供給システムのための構成要素であってもよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル供給システムは、可燃式エアロゾル供給システム又は非可燃式エアロゾル供給システムである。構成要素は、例えば、タバコロッドであってもよい。特定の一実施形態において、構成要素は、シガレット又はタバコ加熱式システム用のタバコロッドである。製品は、パイプ用又は手巻き若しくは自作シガレット用のシガレット、シガリロ、シガー、又はタバコなど、可燃式エアロゾル供給システムにおいて使用される物品であってもよい。或いは、製品は、電子タバコ、加熱式タバコ、及びハイブリッドシステムなど、エアロゾル生成材料の組合せを使用してエアロゾルを生成するために、エアロゾル生成材料を燃焼することなくエアロゾル生成材料から化合物を放出する非可燃式エアロゾル供給システム中で使用する又は該システムと共に使用する物品であってもよい。或いは、製品は、ロゼンジ、ガム、パッチ、吸入可能粉末を含む物品、及びスヌース又は嗅ぎタバコを含む経口用製品を含むがこれらに限定されない、エアロゾルを形成することなく、ニコチンを含んでも含まなくてもよい少なくとも1種の物質を使用者に経口、経鼻、経皮又は別の方法で送達するエアロゾル非含有送達システム中で又は該システムと共に使用するためのものであってもよい。
【0063】
タバコ細粒を非連続タバコ材料に加工する方法は、3mm未満のDp90粒径及び2mm未満のDp50粒径を有する予めサイズ調節された葉柄タバコ材を準備するステップ(S1)と、予めサイズ調節された葉柄タバコ材を葉柄タバコ材と合わせてタバコ初期材料を形成するステップ(S2)と、タバコ細粒を葉柄タバコ材と結合させるために、初期材料を所定の増加された水分含有量にし、初期材料を温度上昇に供し、初期材料を圧力増加に供することによって初期材料を処理するステップ(S3)とを含む。
【0064】
予めサイズ調節された葉柄材は、葉柄材をタバコ細粒と合わせて初期材料を形成する前に予めサイズ調節するステップに供した葉柄タバコ材を指す。
【0065】
いくつかの実施形態において、予めサイズ調節された葉柄タバコ材を準備するステップは、2.5mm未満のDp90粒径及び0.7mm~1.5mmのDp50粒径を有する材料を準備することを含む。
【0066】
いくつかの実施形態において、予めサイズ調節された葉柄タバコ材は、3mm未満又は2mm未満の粒径を有する。一実施形態において、予めサイズ調節するステップは、葉柄材を3mm又は2mmのふるいに通過させ、ふるいを通過しない全物質を廃棄又は処理してそのサイズを減らす。
【0067】
葉柄材を3mm未満のDp90値及び2mm未満のDp50値まで予めサイズ調節することは、品質、特に生成された非連続材料の一貫性及び機械応力に対する材料の剛性を改善することが発見された。これは、構成要素又は製品の官能特性を含めた、構成要素又は製品の品質を犠牲にすることなく、エアロゾル供給システムのための構成要素などの本明細書に記載の構成要素又は製品中に大量の非連続材料を含むことができることを意味する。したがって、大量のウィノーイング及びタバコ細粒をリサイクルすることができる。また、そのような予めサイズ調節された葉柄材は、一時間当たりにより多くの量の非連続材料が生成できるように、圧力解繊デバイスがより高いスループットで操作されうることを意味することも発見された。非連続材料の製造はまた、より繰り返し可能であり、一定している。いくつかの実施形態において、圧力解繊デバイスは、少なくとも100kg/hr、好ましくは少なくとも110、115又は120kg/hrのスループットで稼働する。
【0068】
加えて、葉柄材を予めサイズ調節することは、より大きな葉柄材、例えば、より長い又は混合された軸を利用することができ、3mm未満のDp90粒径及び2mm未満のDp50粒径、例としては2.5mm未満のDp90粒径及び0.7mm~1.5mmのDp50粒径を有するように処理することができることを意味する。そのため、プロセスは、短軸の入手に頼らない。
【0069】
また、葉柄材を予めサイズ調節することは、以下でより詳細に記載するように、生成された非連続材料中により少ない「フレーク」をももたらす。
【0070】
葉柄材を予めサイズ調節することは、軸とタバコ細粒を混ぜて、例えば混合サイロ中で処理する間、軸とタバコ細粒との分離を減少することも発見した。葉柄材及びタバコ細粒、特にタバコ粉塵は異なる粒子サイズ及び形状を有し、一般に葉柄材が上方に浮き、一方で粉塵が底に集まる結果となる。この脱混合は、解繊デバイスに送達された軸及びタバコ細粒の量にばらつきを起こしうるが、それは、解繊デバイスに送達された細粒の比率が、軸の比率が上がるたびに下がるためである。予めサイズ調節することは、混合サイロ中での軸とタバコ工場塵の該分離を減少させ、したがってより一貫して、より安定な密度の非連続材料を生成する結果となることを発見した。
【0071】
いくつかの実施形態において、予めサイズ調節された葉柄材は、2.9mm未満のDp90値、例としては2.8、2.7、2.6、2.5、2.4、2.3、2.2、2.1又は2mm未満のDp90値を有する。いくつかの実施形態において、Dp90値は、1.9、1.8、1.7、1.6又は1.5mm未満であってもよい。
【0072】
Dp90値は、90質量%の葉柄材がより小さい、粒径の値を指す。例としては、Dp90値が3mmの場合、予めサイズ調節された葉柄材の90(質量)%は、3mm未満の粒径を有する。
【0073】
いくつかの実施形態において、予めサイズ調節された葉柄材は、1.9mm未満のDp50値、例としては、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1又は1mm未満のDp50値を有する。いくつかの実施形態において、予めサイズ調節された葉柄材は、0.9又は0.8mm未満のDp50値を有する。或いは又は加えて、Dp50値は、0.5mm、0.6mm又は0.7mm超であってもよい。いくつかの実施形態において、Dp50値は0.7mm~1.5mmである。
【0074】
Dp50値は、50質量%の葉柄材がより小さい、粒径の値を指す。例としては、Dp50値が2mmの場合、予めサイズ調節された葉柄材の50(質量)%は、2mm未満の粒径を有する。
【0075】
より小さなDp50及びDp90値は、より小さな粒径を示し、したがって予めサイズ調節された葉柄材の、タバコ初期材料の他の構成要素からの分離が少なくなり、生成された非連続タバコ材料中のフレークも少なくなる。
【0076】
いくつかの実施形態において、葉柄材を予めサイズ調節するステップ(S1)は、少なくとも100マイクロメートルのDp10値、好ましくは少なくとも150、200、250、300又は350マイクロメートルのDp10値を有する予めサイズ調節された葉柄材をもたらす。いくつかの実施形態において、Dp10値は、少なくとも400又は500マイクロメートルになることさえある。
【0077】
Dp10値は、10質量%の葉柄材がより小さい、粒径の値を指す。例としては、Dp10値が100マイクロメートルの場合、予めサイズ調節された葉柄材の10(質量)%は、100マイクロメートル未満の粒径を有する。より大きなDp10値は、細塵の量の減少、すなわち、生成される非連続タバコ材料の密度の低下を示し、ウィノーイングとして抽出される量が減ることを意味する。
【0078】
いくつかの実施形態において、予めサイズ調節された葉柄材を準備するステップ(S1)は、葉柄材を準備し、葉柄材のサイズを縮小するように構成された微粉化デバイスに葉柄材を供給することを含む。微粉化デバイスは、ミリング/カッティング/シュレッディングデバイスであってもよい。一実施形態において、微粉化デバイスはハンマーミルである。ハンマーミルは、有利には、生成される粉塵の量を減少することが発見された。別の実施形態において、微粉化デバイスは遠心カッターである。別の実施形態において、微粉化デバイスはシュレッダーである。シュレッダーは、例えば、刻み短軸及び軸繊維であってもよい。
【0079】
別の実施形態において、葉柄材は、葉柄材をミリング/カッティング/シュレッディングすることを一切せずに予めサイズ調節され、代わりに、特定範囲外の粒径を有する軸を除去して葉柄材を分類する。この予めサイズ調節することは、例えば3mmのメッシュサイズを有するメッシュで葉柄材をふるい分けることと、ふるいを通過しない葉柄材を廃棄することとを要しうる。例えば、Dp50値及び/又はDp90値が依然として標的の値(例えば、3mm)より大きいか又は小さい場合、標的のDp50値及び/若しくはDp90値が実現するまで、必要に応じて材料をさらなるふるいに通して過度に大きい/小さい材料を除去してもよい、又は特定のサイズの材料を加えて標的のDp50値及び/若しくはDp90値を実現してもよい。
【0080】
いくつかの実施形態において、葉柄材を、2mm(例えば、メッシュサイズNo.10)未満の粒径を有するように予めサイズ調節する。いくつかの実施形態において、葉柄材を、1.9mm、1.8mm、1.7mm、1.6mm、又は1.5mm未満の粒径を有するように予めサイズ調節する。予めサイズ調節することは、光学的(例えば、顕微鏡を使用する)、ふるいを使用する、又は分類機若しくはふるい分け機を使用するものであってもよい。一実施形態において、葉柄材を、1.68mm(例えば、メッシュサイズNo.12)未満の粒径を有するように予めサイズ調節する。
【0081】
いくつかの実施形態において、タバコ初期材料を形成するステップ(S2)は、予めサイズ調節された葉柄材と、ウィノーイングを有するタバコ細粒とを合わせることをさらに含む。したがって、該実施形態において、タバコ初期材料は、タバコ工場塵、タバコウィノーイング、及び予めサイズ調節された葉柄タバコ材を含む。
【0082】
「タバコ細粒」は、特に従来(例えば、味の観点から)問題であると見なされ、そうでなくても吸い込むことによって単に放出されるか、又は再生タバコ(タバコフィルム)を製造するために使用できる、タバコ小片を指す。特に、タバコ細粒は、タバコの切り口の幅(例えば、1mm未満)より小さく、より具体的には、タバコ細粒は、タバコの切り口の幅(例えば、0.5mm未満)より小さい。すなわち、タバコ細粒は、0.5mm未満の粒径を有する。
【0083】
いくつかの実施形態において、タバコ細粒は、タバコ工場塵を含む、タバコ工場塵からなる、又はタバコ工場塵本質的にからなる。
【0084】
「タバコ工場塵」は、タバコの処理及びシガレットなどのタバコ製品の製造の副産物として生成される細塵を指す。タバコ工場塵/タバコ粉塵は、0.5mm未満の粒径を有する。いくつかの実施形態において、タバコ工場塵は125マイクロメートルのDp50を有する。これは、50質量%のタバコ粉塵が、125マイクロメートル未満の粒径を有することを意味する。
【0085】
「タバコ細粒」は、タバコからなる、又はから本質的になる材料を指し、外来タバコ及び/又はタバコと他の植物性物質との混合物を含むタバコ材料も包含する。
【0086】
「植物性物質」は、植物に由来する任意の材料を指す。
【0087】
「タバコ」及び「タバコ材料」は、タバコ属の植物に由来する任意の材料を指す。
【0088】
「他の植物性物質」又は「非タバコ植物性物質」は、タバコ属の植物ではない任意の植物に由来する任意の材料を指す。したがって、非タバコ植物性物質としては、これらに限定されないが、ユーカリ、スターアニス、麻(hemp)、ココア、アサ(cannabis)、フェンネル、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カモミール、アマ、ショウガ、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、ゲッケイジュ、リコリス(カンゾウ)、抹茶、マテ、オレンジスキン、パパイヤ、バラ、セージ、緑茶若しくは紅茶などの茶、タイム、シナモン、クローブ、コーヒー、アニシード(アニス)、バジル、ベイリーフ、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモンピール、ミント、ジュニパー、エルダーフラワー、バニラ、ウィンターグリーン、シソ、ウコン、ターメリック、ビャクダン、シラントロ、ベルガモット、オレンジブロッサム、ギンバイカ、クロスグリ、バレリアン、ピーマン、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、キャラウェイ、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、クワ、チョウセンニンジン、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、ガラナ、クロロフィル、バオバブ、又はこれらの任意の組合せが挙げられる。ミントは、以下のミント品種:メンタ・アルベンティス(Mentha Arventis)、メンタ栽培品種(Mentha c.v.)、メンタ・ニリアカ(Mentha niliaca)、メンタ・ピペリタ(Mentha piperita)、メンタ・ピペリタ シトラタ栽培品種(Mentha piperita citrata c.v.)、メンタ・ピペリタ栽培品種(Mentha piperita c.v.)、メンタ・スピカタ クリスパ(Mentha spicata crispa)、メンタ・カルディフォリア(Mentha cardifolia)、メンタ・ロンギフォリア(Mentha longifolia)、メンタ・スアベオレンス バリエガタ(Mentha suaveolens variegata)、メンタ・プレギウム(Mentha pulegium)、メンタ・スピカタ栽培品種(Mentha spicata c.v.)及びメンタ・スアベオレンス(Mentha suaveolens)から選択することができる。
【0089】
非タバコ植物性物質はクローブであってもよい。例えば、クローブ材料としては、これらに限定されないが、以下のタイプのクローブ材料:Jawa、Bali、Manado、及び/又はManado第二級を挙げることができる。
【0090】
したがって、いくつかの実施形態において、タバコ細粒は、タバコ及び非タバコ植物性物質を含む。例えば、タバコ細粒は、タバコ及びクローブ材料を含んでもよい。
【0091】
クローブ材料は、クローブバッドの処理中の副産物として生成されうるクローブ処理塵からなりうる、又はから本質的になりうる。
【0092】
クローブバッドの処理は、以下のステップを含んでもよい:
1. クローブ植物性物質の分離;
2. ふるい分け;
3. 例えば調節スクリュー及び/又は約70℃の温度を用いた調整、並びに30~45%(例えば38%)の水分含有量の調整;
4. 例えばバルキングサイロ中での、少なくとも3時間のバルキング;
5. カッティング;
6. 例えば温風を使用した、12%未満の水分含有量になるまでの乾燥。
【0093】
好ましい実施形態において、タバコ細粒中に存在しうるクローブ材料は、クローブバッド処理のカッティングのステップの間に生成されるクローブ処理塵を含む。好ましくは、タバコ細粒は、例えば異物が存在する可能性及び/又は不要なシリカ分に起因する、クローブ植物性物質の分離中に生成される物質を含まない。
【0094】
タバコ細粒中のクローブ材料の使用は、最終使用者に独特な香料及び感覚的体験をもたらすことができる。クローブは、特に、香り、スパイス、しびれ、クラックリング、及び喉の沈静の特徴を含めた感覚的効果を有することが知られている。そのため、開示される方法によって生成される非連続タバコ材料の感覚刺激特性は、変更及び改善することができる。
【0095】
タバコ材料中にクローブを混入させることは、一部の地域で歴史的に前例があり、「クレテックブレンド」又は「クレテック材料」と呼ばれうる。
【0096】
したがって、いくつかの実施形態において、タバコ細粒はクレテック材料を含む。例えば、タバコ細粒は、クレテック材料を含む喫煙品の製造中に生成されるタバコ工場塵を含んでもよい、からなってもよい、又はから本質的になってもよい。
【0097】
クレテック材料は、20~80(質量)%、例えば約69~75(質量)%のタバコを含んでもよい。
【0098】
クレテック材料は、外来タバコ材料を含んでもよい。
【0099】
「外来タバコ」としては、以下のタバコ材料:Rajanganタバコ(ダークRajanganタバコ又はライトRajanganタバコであってよい)、Krosok、Madura、Maesan、Weleri、Pakpie Ploso、Temanggung、KASTURI、Boyolali、及び/又はPlosoが挙げられるが、これらに限定されない。
【0100】
クレテック材料は、30~50(質量)%、例えば約40(質量)%の外来タバコを含みうる。
【0101】
クレテック材料は、20~40(質量)%、例えば25~31(質量)%の量のクローブ材料を含んでもよい。
【0102】
したがって、タバコ細粒は、クレテックブレンド材料を含んでもよい。例として、マイルドクレテックブレンドは、以下の組成:Rajanganタバコ(38質量%)、葉柄タバコ材(14質量%)、Krosokタバコ(4質量%)、FCV/Orientalタバコ(19質量%)、及びクローブ材料(25質量%)を有しうる。
【0103】
さらなる例として、別のクレテックブレンドは、以下の組成:Rajanganタバコ(30質量%)、葉柄タバコ材(11質量%)、Krosokタバコ(5質量%)、FCV/Orientalタバコ(23質量%)、及びクローブ材料(31質量%)を有しうる。
【0104】
一般に、クレテックブレンドは、30~38(質量)%のRajanganタバコ、11~14(質量)%の葉柄タバコ材、4~5(質量)%のKrosokタバコ、19~23(質量)%のFCV/Orientalタバコ、及び25~31(質量)%のクローブ材料を含んでもよい。
【0105】
いくつかの実施形態において、タバコ細粒は、本明細書で定義したクレテック材料及び追加のクローブ材料を含む。例えば、タバコ細粒は、タバコ材料、クレテック材料、及びクローブ処理塵を含んでもよい。クレテック材料及びクローブ処理塵は、タバコ細粒中に、40:5~50:1の比率、例えば47:3の比率(質量目方によるクレテック材料:クローブ処理塵の比率)で含まれうる。
【0106】
いくつかの実施形態において、タバコ細粒は、本明細書で定義したタバコ塵、クレテック材料、及び追加のクローブ材料を含む。例えば、タバコ細粒は、タバコ材料を含む喫煙品の製造中に生成されるタバコ工場塵、クレテック材料を含む喫煙品の製造中に生成されるクレテック工場塵、及びクローブバッドの処理中に副産物として生成されるクローブ処理塵を含みうる。
【0107】
タバコウィノーイングは、粗く刻んだ軸粒子、主脈又は茎であるが、一部の葉身及び再構成シートを含むことができ、そのサイズ及び形状によりエアロゾル供給システムにおいて望ましくないと通常考えられ、エアロゾル供給システム、例えばシガレットの品質を損なうと思われるために、既に刻まれたタバコから分類され除去されている。この理由のために、従来、ウィノーイングは通常、リサイクルされるか、又は廃棄物として捨てられる。
【0108】
タバコウィノーイングは、シガレットの製造から出るウィノーイング(CPP-ウィノーイング=シガレット製造/包装から出るウィノーイング)又はタバコ処理から出るウィノーイング(TP-ウィノーイング)を指しうる。用語「ウィノーイング」は、以下、別段の指定がない限り、シガレット製造から得られたウィノーイングとタバコ処理のためのものの両方を包含する。
【0109】
ステップ(S3)で、タバコ細粒の、葉柄タバコ材及びウィノーイングへの接着を維持するために、タバコ初期材料を、増強された機械的圧力、特に上昇された温度及び湿潤にも供する。
【0110】
タバコ初期材料を、所定の増加した水分含有量にする。また、処理する材料を温度上昇に供し、これは、特に外側から熱を加えることによって、及び/又は機械的に圧力を発生させて実現することができる。
【0111】
いくつかの実施形態において、タバコ初期材料を60℃~180℃、好ましくは100℃~140℃、好ましくは110℃~130℃の温度に加熱する。
【0112】
いくつかの実施形態において、タバコ初期材料を10~200バール、特に40~150バール、好ましくは60~120バールの圧力にする。圧力は、本明細書では、別段の指定がない限り、上記の大気圧を指す。
【0113】
いくつかの実施形態において、タバコ初期材料の滞留時間は、3分未満、特に2分未満、好ましくは1分未満であってもよい。
【0114】
ステップ(S3)の結果として、タバコ細粒は葉柄材及びウィノーイングに結合し、後続してエアロゾル供給システムの製造に使用されうる非連続タバコ材料が生成される。これは高価な別々のプロセスの必要をなくす。タバコ細粒は、残りの材料に単純に結合/接着される。
【0115】
このプロセスの結果として、サイズ分布において、より大きな粒子に向かう有意なシフトがある。
【0116】
したがって、タバコ初期材料を、(例えば、押出機又はコンベヤースクリュー・コンディショナー中で)昇温及び規定の湿潤レベルで機械的圧力に供する。機械的圧力により、タバコ細粒は、予めサイズ調節された葉柄タバコ材及びウィノーイング上にプレスされ、それに密接に結合される。この結果として、タバコ細粒の、葉柄材及びウィノーイングへの結合は非常に強力であり、本発明によって提案される通りに処理されるタバコ材料は、シガレットの製造中に生じる普通の圧力に対して耐性であり、すなわち、タバコ細粒は、普通の製造条件下で空気によって移送されるときに、もはや落ちることがない。したがって、機械的安定性は、従来のタバコフィルム材料の場合より高い。
【0117】
タバコ初期材料中のより高比率のタバコ細粒は、通常は製造の不要な副産物であるタバコ細粒がより多ければ、別法では廃棄されると考えられるところ、代わりにリサイクルすることができると意味するため有利である。いくつかの実施形態において、タバコ初期材料は、少なくとも30(質量)%のタバコ細粒、好ましくは少なくとも35(質量)%のタバコ細粒を含む。
【0118】
いくつかの実施形態において、タバコ初期材料は、50(質量)%以下のタバコ細粒、好ましくは45(質量)%以下のタバコ細粒又は40(質量)%以下のタバコ細粒を含む。大量の使用は、生成される非連続タバコ製品の品質に悪影響を及ぼし、生成される非連続タバコ製品を高密度にし、ウィノーイングとして抽出される非連続タバコの製造を増やすことが判明したため、50%のタバコ細粒、好ましくは45%以下のタバコ細粒又は40%以下のタバコ細粒の使用が有利であることを発見した。
【0119】
いくつかの実施形態において、タバコ初期材料は、約30~50(質量)%の範囲のタバコ細粒を含む。30~50%の範囲で有するタバコ初期材料は、一方で、有益な量のタバコ細粒を使用し、そうでなければ廃棄されると考えられ、他方では、過度に多くないタバコ細粒を使用し、そうでなければ生成される非連続タバコ材料の品質に悪影響を及ぼして高密度になると考えられる、この2つの間で良好な折り合いを実現する。好ましくは、タバコ初期材料は、約35(質量)%~45(質量)%の範囲のタバコ細粒、好ましくは約40(質量)%のタバコ細粒を含む。タバコ細粒は、タバコ粉塵を含んでもよい、からなってもよい、又はから本質的になってもよい。
【0120】
いくつかの実施形態において、タバコ初期材料は、約30~50(質量)%の範囲のタバコ粉塵、好ましくは35(質量)%~45(質量)%の範囲のタバコ粉塵、好ましくは約40(質量)%のタバコ粉塵を含む。
【0121】
タバコ細粒材料が外来タバコ及び/又は他の植物性物質を含む実施形態において、タバコ初期材料は、最大70(質量)%のタバコ細粒、好ましくは最大65(質量)%又は60(質量)%のタバコ細粒を含むことができる。
【0122】
いくつかの実施形態において、タバコ初期材料は、少なくとも5(質量)%のタバコウィノーイング、好ましくは少なくとも7、8、9又は10(質量)%のタバコウィノーイングを含む。いくつかの実施形態において、タバコ初期材料は、20(質量)%以下のタバコウィノーイング、好ましくは15(質量)%以下のウィノーイングを含む。
【0123】
いくつかの実施形態において、タバコ初期材料は、5~20(質量)%の範囲のタバコウィノーイング、好ましくは5~15(質量)%の範囲のウィノーイング、好ましくは約10(質量)%のウィノーイングを含む。いくつかの実施形態において、ウィノーイングは、予めサイズ調節されない。
【0124】
いくつかの実施形態において、タバコ初期材料は、少なくとも30(質量)%の予めサイズ調節された葉柄タバコ材、好ましくは少なくとも40(質量)%、45(質量)%又は50(質量)%の予めサイズ調節された葉柄タバコ材を含む。
【0125】
いくつかの実施形態において、タバコ初期材料は、70(質量)%以下の予めサイズ調節された葉柄タバコ材、好ましくは65(質量)%以下、60(質量)%以下又は55(質量)%以下又は50(質量)%以下の予めサイズ調節された葉柄タバコ材を含む。
【0126】
いくつかの実施形態において、タバコ初期材料は、30~70(質量)%の範囲の予めサイズ調節された葉柄タバコ材、好ましくは40~60(質量)%の範囲の予めサイズ調節された葉柄タバコ材、好ましくは約50(質量)%の予めサイズ調節された葉柄タバコ材を含む。
【0127】
いくつかの実施形態において、タバコ初期材料は、30~50(質量)%のタバコ細粒、5~20(質量)%のタバコウィノーイング、及び30~70(質量)%の葉柄タバコ材を含む。しかしながら、他の量のタバコ細粒、ウィノーイング及び葉柄タバコ材が可能であることを認識する必要がある。好ましくは、初期材料は、20~40(質量)%のタバコ細粒、10~15(質量)%のタバコウィノーイング、及び40~60(質量)%の葉柄タバコ材を含む。より好ましくは、初期材料は、25~35(質量)%のタバコ細粒、10~15(質量)%のタバコウィノーイング、及び45~55(質量)%の葉柄タバコ材を含む。
【0128】
いくつかの実施形態において、タバコ細粒は、タバコ塵材、例えばタバコ工場塵を含んでもよい、からなってもよい、又はから本質的になってもよい。タバコ細粒は、外来タバコ並びに/又はタバコ及び他の植物性物質の混合物を含んでもよい。
【0129】
タバコ細粒材料が外来タバコ及び/又は他の植物性物質を含む実施形態において、タバコ初期材料は、30~70(質量)%のタバコ細粒、最大20(質量)%のタバコウィノーイング、及び30~70(質量)%の葉柄タバコ材を含んでもよい。しかしながら、他の量のタバコ細粒、ウィノーイング及び葉柄タバコ材が可能であることを認識する必要がある。好ましくは、初期材料は、20~65(質量)%のタバコ細粒、0~15(質量)%のタバコウィノーイング、及び40~60(質量)%の葉柄タバコ材を含む。より好ましくは、初期材料は、25~60(質量)%のタバコ細粒、0~10(質量)%のタバコウィノーイング、及び35~55(質量)%の葉柄タバコ材を含む。
【0130】
ステップ(S3)の結果として、追加の又は外来の結合剤を添加してタバコ細粒をタバコ軸及びウィノーイングに結合する必要はなく、タバコと無関係の結合剤も固有の結合剤、すなわちタバコに天然に備わっている結合剤も要らない。代わりに、タバコ細粒を、機械的に及び/又はタバコ中に天然に存在する一定量の結合剤(固有結合剤)によって、タバコ軸及びウィノーイングと結合させることができる。そのような固有結合剤(例えば、デンプン、樹脂、及び糖)を活性化させ、したがってタバコ細粒がタバコ軸及びウィノーイングにしっかり結合する。これは、結合剤の添加に頼るフィルム又は塊を生成する方法を含めた、結合剤の添加に頼る方法とは対照的である。
【0131】
加工は、好ましくは、非連続タバコ材料、特に繊維質及び/若しくは顆粒状材料又は充填材である生成物を生じる。言い換えると、方法は、例えばシガレット又はタバコ加熱デバイス用のタバコロッドを製造するために消耗する準備ができており、エアロゾル供給システムにおいて直接使用できる生成物を生成する。これは、製造がより複雑で、依然として製造後の切断及び乾燥をしなければならないタバコフィルム(連続タバコ材料)の製造とは非常に異なる。本開示の結果として得られる生成物は、シガレット及びタバコ加熱デバイスを含めたエアロゾル供給システム用の充填材として直接使用するのに適したものにするサイズ及び水分含有量を有する。
【0132】
いくつかの実施形態において、初期材料は、バッチで処理され、特にバッチで、例えばピストン-シリンダユニットでプレスされる。
【0133】
図1の方法によって生成される非連続タバコ材料は、増加されたタール及びニコチンの送達、低減された一酸化炭素の送達、低減された一酸化炭素とタールの比、非連続タバコ材料を含む構成要素全体にわたる低減された圧力降下、及び非連続タバコ材料を含む構成要素の低減された固さ及び充填度の値を有することが発見された。
【0134】
ここで図2を参照して、タバコ細粒を非連続タバコ材料に加工する方法の別の実施形態を示す。
【0135】
図2の実施形態の方法は、図1の方法と同様であり、3mm未満のDp90粒径及び2mm未満のDp50粒径を有する、予めサイズ調節された葉柄タバコ材を準備するステップ(S1)と、予めサイズ調節された葉柄タバコ材をタバコ細粒と合わせてタバコ初期材料を形成するステップ(S2)と、タバコ細粒を葉柄タバコ材に結合させるために、初期材料を所定の増加された水分含有量にし、初期材料を温度上昇に供し、初期材料を圧力増加に供することによって、初期材料を処理するステップ(S3)とを含む。これらのステップ(S1~S3)の詳細な説明は、以下で繰り返さない。
【0136】
図2の方法は、葉柄材を調整するステップ(SoA)と、ウィノーイングを調整するステップ(SoB)と、初期材料をシャーリングギャップに通して供給して非連続タバコ材料を形成するステップ(S4)と、非連続タバコ材料を冷却するステップ(S5)とをさらに含む。
【0137】
いくつかの実施形態において(図示せず)、ステップ(SoA)、(SoB)、(S1)、(S2)、(S3)、(S4)又は(S5)の1つ以上を組み合わせてもよいことを認識する必要がある。例としては、タバコ初期材料は、供給装置のスクリューフィーダーを通って移動する間に、例えば初期条件(温度、湿度、及び圧力など)にされる供給装置中にある間に調整されうる、又は解繊デバイス中で調整されうる。
【0138】
また、いくつかの実施形態において(図示せず)、ステップ(SoA)、(SoB)、(S1)、(S2)、(S3)、(S4)又は(S5)の1つ以上を異なる順序にしてもよく、又は全体的に省いてもよいことを認識する必要がある。例えば、タバコ軸、ウィノーイング及び/又はタバコ細粒を調整した後で合わせてもよい。葉柄材は、予めサイズ調節するステップ(S1)に供する前又は後に調整してもよい。しかしながら、本例において、葉柄材は、予めサイズ調節するステップ(S1)に供する前に調整する。
【0139】
ステップ(SoA)及び(SoB)において、葉柄材及びウィノーイングを、それぞれ、以下の初期条件(圧力の値は常に大気圧より高い)の1つ以上にする:
温度:80~147℃、好ましくは100~120℃
湿度:6~14%の範囲、好ましくは8~12%の範囲
圧力(ガス過剰圧力):0~8バール、好ましくは0~3バール、好ましくは0~1バール。
【0140】
すなわち、葉柄材を、ステップ(SoA)で上記条件の1つ、2つ以上、又は全てにし、別途、ウィノーイングを、ステップ(SoB)で上記条件の1つ、2つ以上、又は全てにする。ステップ(SoA)は、ステップ(SoB)の前でも後でもよい、又はステップ(SoB)と同時でもよい。いくつかの実施形態において、ステップ(SoA)及び(SoB)は組み合わせられる。
【0141】
この前調整は、大気条件下で行われうる。或いは、いくつかの実施形態では、前調整プロセスは、特許明細書DE10304629A1に記載されるように、大気圧より高い圧力で操作される。前調整中、及び/又は同時にプロセス中(大気圧以上)、当業者に既知の方法で、ケーシング及び加香剤を添加してもよい。
【0142】
好ましくは、ステップ(SoA)で、葉柄材を上記の全初期条件にする。好ましくは、ステップ(SoB)で、ウィノーイングを上記の全初期条件にする。
【0143】
タバコ細粒を葉柄タバコ材と結合させるために、初期材料を所定の増加した水分含有量にし、初期材料を温度上昇に供し、初期材料を圧力増加に供することによって初期材料を処理するステップ(S3)は、好ましくは、以下のパラメータの1つ以上を基準にして操作される:
温度:80~180℃、好ましくは125~156℃
湿度:15~50%の範囲、好ましくは18~45%の範囲
機械的圧力:80~250バール、好ましくは72~132バール。
【0144】
好ましくは、ステップ(S3)は、温度、湿度及び機械的圧力についての上記パラメータの全てを基準にして操作される。言い換えると、材料を上記の温度、湿度及び圧力の値にする。
【0145】
ステップ(S3)で、上で説明したように、タバコ初期材料を圧力増加に供する。初期材料をシャーリングギャップに通して供給して非連続タバコ材料を形成するステップ(S4)で、この上昇した圧力は再度低下する。これは通常、タバコ初期材料を上昇した温度、圧力及び湿度に供する処理装置(例えば、押出機、スクリューコンベヤー、ピストン-シリンダユニット)から出ると起こる。このシャーリングギャップからの排出時の圧力低下は、フラッシュ蒸発をもたらし、それによって材料が膨張される。これは、有利には、材料の充填能を強化する。
【0146】
ステップ(S3)で、タバコ初期材料を加熱し、加圧下に置いて、化学的に操作されるプロセス(例えば、メイラード反応又はカラメル化)を通して香味を改善し、また、シャーリングギャップを通してシャーリング及び膨張を促進するためのエネルギーも保存する。圧力発生及び加熱は、標準プラグスクリューフィーダーで操作してもよく、特にその筐体も加熱してもよい。
【0147】
いくつかの実施形態において、初期材料を処理するステップ(S3)及び/又はシャーリングギャップを通して初期材料を供給して非連続タバコ材料を形成するステップ(S4)を、図3に示す構成の装置を使用して実施する。
【0148】
ステップ(S4)で、初期材料をシャーリングギャップに通して供給して非連続タバコ材料を形成することは、材料の解繊を促進する。いくつかの実施形態において、シャーリングギャップを出るとき及び大気に入るとき、同伴された水及びさらに任意選択により他の同伴成分が急激に蒸発し、これが、シャーリング効果に加えて、シャーリングギャップ中での材料の解繊及び膨張を引き起こす。材料の湿度は、プロセスの圧力及び温度に応じて、フラッシュ蒸発によって5~25%、好ましくは10~20%の範囲に低下し、タバコ中に含まれる成分も特定の程度まで減少する。シャーリングギャップ表面が互いに対して移動し、閉塞を防止且つ解消する場合、有利であることが発見された。これは、ギャップの横断面全体が使用されることを確保し、一定の物理的条件がギャップで優勢になり、最終的に均一な生成物が得られる。この目的を達成するために、ギャップ表面が構造化又は形状化する場合、例えば、以下で詳細に説明するような溝を有する場合、有利であることも証明された。
【0149】
ステップ(S5)で、タバコ材料が、例えば100℃超から室温まで冷却され、これは、空気吸入に基づくコンベヤーベルト上で行われ得、下から操作されうる。冷却プロセス中、タバコ材料は、蒸発による冷却に起因してより多くの水分を損失し、それによって乾燥機なしで最終製品の水分レベルに到達することが可能になる。冷却したタバコ材料は、例えば10~20%の範囲、好ましくは13%~16%の範囲の水分含有量を有しうる。
【0150】
いくつかの実施形態において、膨張及び乾燥プロセスを通してタバコ材料を供給し、その後、非連続タバコ材料は、低減された水分含有量、例えば10~20%の範囲、好ましくは13%~16%の範囲の水分含有量を有する。
【0151】
図2の方法によって生成される非連続タバコ材料は、増加されたタール及びニコチンの送達、低減された一酸化炭素の送達、低減された一酸化炭素とタールとの比、非連続タバコ材料を含む構成要素にわたる低減された圧力降下、並びに非連続タバコ材料を含む構成要素の低減された固さ及び充填度の値を有すると判明した。
【0152】
図2の方法によって生成される非連続タバコ材料のこれらの特性は、第1及び第2のタイプのシガレットの40個のサンプルの製造及び比較によって観察された。
【0153】
第1のタイプのシガレットは、長さ21.8mmのフィルター及び長さ60.8mmのタバコロッドを含むキングサイズのシガレットであり、該タバコロッドは、図2の方法によって生成された100%非連続タバコ材料から製造したものだった。通常、シガレットは、上で考察したように、ごく一部の、例えば5%又は10%の非連続タバコ材料しか含有しないと考えられることに留意すべきである。
【0154】
第2のタイプのシガレットは、長さ21.8mmのフィルター及び長さ60.8mmのタバコロッドを含むキングサイズのシガレットであり、該タバコロッドは、アウターラップに包まれた100%刻みラグタバコから製造したものだった。
【0155】
第1及び第2のタイプのシガレットの両方は、24.7mmの外周を有するタバコロッドを有する。
【0156】
加えて、非連続タバコ材料の含有物は、タバコロッドの喫煙中、タバコロッドが非連続タバコ材料を含まなかった場合と比較して、構成要素全体にわたって圧力が低下する結果をもたらした。
【0157】
また、図2の方法によって生成された非連続タバコ材料の特性を、25%の刻みロール膨張葉柄(CRES)を含む第1及び第2のタイプのシガレットの40個のサンプルの製造及び比較によって観察した。
【0158】
第1のタイプのシガレットは、長さ21.8mmのフィルター及び長さ60.8mmのタバコロッドを含むキングサイズのシガレットであり、該タバコロッドは、図2の方法によって生成された75%の非連続タバコ材料に、25%の刻みロール膨張葉柄(CRES)をブレンドして製造したものだった。
【0159】
第2のタイプのシガレットは、長さ21.8mmのフィルター及び長さ60.8mmのタバコロッドを含むキングサイズのシガレットであり、該タバコロッドは、75%の刻みラグタバコに、25%の刻みロール膨張葉柄(CRES)をブレンドし、アウターラップで包んで製造したものだった。
【0160】
第1及び第2のタイプのシガレットの両方は、24.7mmの外周を有する。
【0161】
次いで、第1のタイプのシガレット40個及び第2のタイプのシガレット40個を、タール、シガレット1本当たりで送達されるニコチン及び一酸化炭素;一酸化炭素とタールとの比;各シガレットのパフ当たりに送達されるタール;並びに各シガレットのパフ当たりに送達されるニコチンを測定するためのISO4387に準拠するRM20H喫煙装置を使用して試験した。
【0162】
【表1】
【0163】
上記の表2は、第1のタイプのシガレット40本の平均測定値及び第2のタイプのシガレット40本の平均測定値を示す。前と同様に、結果は、図2の方法によって生成された非連続タバコ材料が、増加したタール及びニコチンの送達、減少した一酸化炭素の送達、低下した一酸化炭素とタールとの比率、非連続タバコ材料を含む構成要素全体にわたって低減された圧力降下を有することを示す。これは、刻みラグタバコと非連続タバコ材料が両方とも同じタイプのタバコから製造されるという事実にもかかわらず示されたものである。言い換えると、刻みラグタバコと非連続タバコ材料は両方とも、同じタイプのタバコ植物に由来するが、非連続タバコ材料は、予めサイズ調節された葉柄、ウィノーイング及びタバコ細粒の混合物を含み、これらは図2の方法にしたがって加工される。
【0164】
ここで図3を参照して、処理装置1を示す。本実施形態において、処理装置1は、圧力解繊デバイス1である。
【0165】
圧力解繊デバイス1は、駆動機構4の手段、例えばモーター4によって回転するコンベヤースクリュー3を中に配置したチャンバ筐体2を備える。
【0166】
圧力解繊デバイス1は、タバコ材料用入口5A、水用入口6A並びにケーシング及び/又は加香剤用入口6Bをさらに備える。圧力解繊デバイス1は、蒸気用入口7をさらに含んでもよい。
【0167】
タバコ初期材料をタバコ材料用入口5Aに供給して、チャンバ筐体2に入れ、ここで、タバコ初期材料は、タバコ初期材料がタバコ材料用入口5Aから出口5Bまで通過するように、コンベヤースクリュー3の回転により、チャンバ筐体2に沿って通過する。チャンバ筐体2の出口5Bにヘッド8があり、概して円錐形のくぼみ8Aを含む。
【0168】
シャーリング部材10は、くぼみ8A中で受け取られる。シャーリングギャップ9は、シャーリング部材10とくぼみ8Aの内壁との間で形成される。タバコ初期材料は、スクリュー3によってギャップ9を通って移送される。チャンバ2の出口5Bは、チャンバ2の内部とくぼみ8Aとをつなげるオリフィスの形態にある。オリフィスは、概して円錐形のくぼみ8Aのギャップ頂点に配置されうる。排出された解繊タバコ材料を参照番号12で表す。
【0169】
いくつかの実施形態において、シャーリング部材10は円錐の形態にある。シャーリングギャップ9は環状であってもよい。
【0170】
シャーリング部材10は、シャーリング部材10を回転するように構成されたアクチュエータ機構11と連結している。シャーリング部材10は、その中心軸を中心に回転することができ、回転は図3中で曲がった矢印によって示される。いくつかの実施形態において、アクチュエータ機構11はモーターを含む。
【0171】
いくつかの実施形態において、アクチュエータ機構11は、ギャップ9のサイズを調節するために、シャーリング部材10を軸方向に移動させるように構成されている。
【0172】
シャーリング部材10の軸方向移動は、図3中の両方向の矢印によって示され、シャーリング部材10が、ヘッド8に向かって移動し、且つヘッド8から離れる方向に移動することを示す。したがって、シャーリング部材10は、その軸方向位置にしっかり留まることができるが、軸方向に移動することもできる。この結果として、ギャップ9の幅が調節又は適合され得、いくつかの実施形態では、ギャップ9が閉じる方向に対圧が生じうる。アクチュエータ機構11は、軸方向に油圧若しくは空気圧式アクチュエータを使用して又はモーターによって駆動するラック及びピニオンギア構成体などの線形ギア構成体を利用してシャーリング部材10を移動させるように構成されうる。
【0173】
タバコ葉柄を解繊するプロセスの最初の部分は、ステップ(S3)において、大気圧より高い圧力下で行われる。この過剰圧力は、タバコ初期材料が入口5Aに供給されるや否や、スクリュー3を介してタバコ初期材料がチャンバ2に沿って移送されると生じる。
【0174】
シャーリングギャップ9は、チャンバ2の出口端5Bに配置される。ギャップ9は、押出機と同じ方法でチャンバ2を実質的に閉鎖する。
【0175】
ギャップ9は、横断面がほぼ環状であってもよい。コンベヤースクリューの軸方向にあるギャップ9の幅は、シャーリング部材10の軸の位置によって決定される。したがって、シャーリング部材10の軸の位置が調節可能である実施形態では、ギャップ9の幅も調節可能である。
【0176】
ステップ(S3)において、タバコ初期材料を、圧力増加(最大200バールまで)及び温度上昇(特に100℃超)に供する。タバコ初期材料がギャップ9に向かって移送されることによって生じる機械的圧力に加えて、剪断力が壁と連動してコンベヤースクリューのピッチに作用するため、追加の力がタバコ初期材料にも作用し、タバコ初期材料の刻み及び解繊を起こす。筐体壁を通して空気流を導入することによって又は追加の流れ抵抗を導入することによってシャーリング効果が助けられうる。加えて、コンベヤースクリュー中の又はチャンバ2中の湿度、温度及び圧力と調整するために、いくつかの点で蒸気を導入してもよい。蒸気を導入した結果、また、調整プロセスからの葉柄の自然含水量に起因して、ギャップ9を出ると水が急激に蒸発するため、タバコ初期材料の追加の解繊が生じる。圧力下にあって、タバコ初期材料中の水分が急激に蒸発するが、これは、ギャップ9の気圧下流まで圧力が低下し、したがってフラッシュ蒸発が起こるためである。
【0177】
いくつかの実施形態において、タバコ初期材料を、機械的、特にチャンバ2中のシャーリングギャップ9に対して機械的にプレスされた圧力下に置く。これは、シャーリングギャップ9が配置されている加熱式スクリューコンベヤーのチャンバ2の出口端に向かって材料をプレスするコンベヤースクリューの手段による圧力下に材料を位置させうる場合である。また、初期材料をシャーリングギャップに向かって供給すると同時に、チャンバ2中で初期材料を粗く予め刻む又は粗く予め解繊してもよい。
【0178】
いくつかの実施形態において、シャーリングギャップ9をプレテンション下で閉じ、材料がギャップ9を通るようにタバコ材料の圧力によって断続的に開く。或いは、有利には、材料を、連続的に開いたシャーリングギャップ9に通して供給してもよい。
【0179】
いくつかの実施形態において、シャーリングギャップ9は、50~300マイクロメートルの範囲の幅を有する。
【0180】
いくつかの実施形態において、圧力チャンバ2は、タバコ材料を入口5Aから出口5Bまで移送するためのプラグスクリューフィーダーの形態の移送システムを有する。いくつかの実施形態では、例えばプラグスクリューフィーダーによって発生されるように、圧力は機械的手段によって発生されるが、例えばピストンシステムを使用する、本開示の趣旨の範囲内の原則における他のシステムも使用され得、或いは機械的でなく又は機械的のみでなく、加圧ガスの供給などのガスの圧力の使用によって発生される。
【0181】
プラグスクリューフィーダーを使用する場合、いくつかの実施形態では、出口に向かって領域内のチャンバ体積を減らした少ないフィーチャ、例えばより小さなスクリューピッチを有する。
【0182】
いくつかの実施形態において、機械的予備刻みフィーチャ又は予備解繊フィーチャが、圧力チャンバ2中に配置されている。一実施形態において、スクリューチャンバ圧力調整デバイスが、同じ圧力チャンバ筐体中又は上流に接続された別の圧力チャンバ筐体中の、本発明によって提案されるデバイスの上流に配置される。このタイプの圧力調整デバイスは、例えば、特許DE10304629A1に記載されており、本開示の圧力解繊デバイス1と組み合わせることができる。圧力調整デバイス1は、図1に例示する全ての構造的フィーチャを組み込むことができ、DE10304629A1の関連する記述中で説明されており、さらなる詳細について、これらの構造フィーチャを参照できる。
【0183】
いくつかの実施形態において、圧力チャンバ2は、調整剤又はケーシング剤及び加香剤用の入口を含む。
【0184】
調整及び圧力解繊プロセスは、調整が行われる圧力条件に左右される。いくつかの実施形態では、タバコ初期材料は大気条件下で調整され、供給装置、例えば入口5A中へのコンベヤーシュート又はコンベヤーベルトの手段によって、例えばホッパーを介して供給される。タバコ初期材料の1つ以上の構成要素を別々に調整してもよい。例としては、葉柄材及びウィノーイングを別々に分け、次いで互いに、及びタバコ細粒と合わせることができる。いくつかの実施形態において、葉柄材は、予めサイズ調節する前に調整する。
【0185】
いくつかの実施形態において、供給装置は、サイロ(図示せず)及びスクリューフィーダー(図示せず)を含む。タバコ初期材料はサイロ中に保存され、スクリューフィーダーで供給し、ここで、スクリューフィーダーは、タバコ初期材料を、圧力解繊デバイス1の入口5Aに供給する。
【0186】
供給装置は、所定の流量のタバコ初期材料を処理装置1に供給するように構成されうる。いくつかの実施形態において、供給装置は、50~250kg/hの範囲、好ましくは95~175kg/時間の範囲の流量でタバコ初期材料を処理装置1に供給するように構成されている。
【0187】
調整プロセスは、各入口6A及び6Bで水及びケーシングを導入することによってチャンバ2の軸上の中間点で行われうる。いくつかの代替の実施形態(図示せず)において、水及びケーシング(並びに/又は加香剤)は、同じ入口で導入される、又は水及びケーシングのうち片方だけがチャンバ2中へ導入される。
【0188】
ステップ(S4)で、タバコ初期材料はギャップ9を通過し、ヘッド8とシャーリング部材10の壁間のシャーリングを受け、材料がギャップ9を出ると、上述のフラッシュ蒸発が生じる。したがって、ギャップ9はシャーリングギャップ9として作用する。シャーリング及びフラッシュ蒸発は両方とも、よく解繊された非連続タバコ製品に寄与し、これはエアロゾル供給システムで使用することができる。
【0189】
いくつかの実施形態において、シャーリング部材10は、その回転軸を中心に回転し、ギャップ9で閉塞が起こらないように防止することを助ける。シャーリング部材10のこの回転は、連続的であっても断続的であってもよい、又は回転方向を変更してもよい。これは、回転が全回転又は4分の1若しくは3分の1のみの回転又は小/大単位の回転であってもよい場合である。代替の実施形態(図示せず)において、シャーリング部材10は固定され、ヘッド8は回転し、例としては、駆動機構に連結される。しかしながら、さらなる実施形態では、ヘッド8及びシャーリング部材10は互いに対して回転しないことを認識すべきである。
【0190】
いくつかの実施形態において、ヘッド8及びシャーリング部材10は、それぞれ、シャーリング面13及び14を含み、ここで、シャーリング面13及び14間にギャップ9が形成される。いくつかの実施形態において、シャーリング面13及び14は、ほぼ対向している。
【0191】
いくつかの実施形態において、シャーリング面13及び14の片方又は両方は、1つ以上の表面形成、例えば、溝又は他の荒面(隆起又はへこみなど)を有する。いくつかの実施形態において、表面形成、例えば溝は、少なくとも0.2mm又は少なくとも1mmの半径方向の深さを有しうる。表面形成は、タバコ初期材料のシャーリングを促進し、より均一な最終製品につながるより均一な圧力条件も促進しうる。いくつかの実施形態において、溝が、シャーリング部材10の中心軸に平行して延びる。
【0192】
いくつかの実施形態において、シャーリング部材10は、80個超の溝、好ましくは、少なくとも90、100、120、140、160又は180個の溝を含む。
【0193】
いくつかの実施形態において、各溝は、0.5~1.5mmの範囲の最大幅を有する。各溝の幅は、一定であっても変動であってもよい。溝の幅が小さいほど、解繊した非連続タバコ材料中の繊維が小さく軽くなることが判明した。溝の幅は、シャーリング部材10の周方向にある。
【0194】
いくつかの実施形態において、シャーリング面13及び14は、互いから離れる方向に及び互いに向かう方向に移動可能である。いくつかの実施形態において、シャーリング部材10は、シャーリング面13及び14が隣接し、したがってギャップ9が閉じるように、ヘッド8に対してバイアスがある。或いは、シャーリング面13及び14は、固定された距離又は固定して調節可能な距離で、互いから離れる方向に及び互いに向かう方向に移動可能であり、その場合、シャーリング面13及び14は10~2000ミクロン、好ましくは50~300ミクロンの固定された距離に位置する。これらの数値は、滑らかなシャーリング面13及び14に関連する。或いは、シャーリング面13及び14が、例えば溝を含む場合、距離は、各溝の間の表面13及び14の部分の間の距離を指す。
【0195】
いくつかの実施形態において、シャーリング部材10の溝は、シャーリング面13及び14が移動する方向に向かって縦又は横に延伸する。
【0196】
いくつかの実施形態において、ヘッド8のシャーリング面14は固定されているが、シャーリング部材10のシャーリング面13は軸方向に移動する。いくつかの実施形態において、ヘッド8のシャーリング面14は軸方向に移動するが、シャーリング部材10のシャーリング面13は固定されたままである。
【0197】
いくつかの実施形態において、ヘッド8のシャーリング面14は固定されているが、シャーリング部材10のシャーリング面13は回転する。いくつかの実施形態において、ヘッド8のシャーリング面14は回転するが、シャーリング部材10のシャーリング面13は固定されたままである。
【0198】
シャーリング面13及び14の回転及び軸方向の移動は、同じアクチュエータ機構1によって引き起こされうる。或いは、第1のアクチュエータ機構は、シャーリング面13及び14の片方を回転できるが、第2のアクチュエータ機構は、シャーリング面13及び14の前記片方又は他方を軸方向に移動することができる。
【0199】
いくつかの実施形態において、シャーリング面13及び14は、互いに向かって連続的若しくは断続的に、又は1つ以上の方向に、又は前後に移動する。
【0200】
いくつかの実施形態において、ギャップ9は、環状のギャップ、好ましくは円錐形のギャップであってもよい。
【0201】
ステップ(S5)で、材料を冷却する。材料は、例えばコンベヤーベルト上で搬送される間に冷却してもよい。
【0202】
結果として得られた解繊処理生成物は、外観及び使用の面で、シュレッダーによって処理された葉柄と同様の特性を示す。しかしながら、圧力解繊プロセス及び図1~3のデバイスは、大量の塵を生じるという欠点がなく、それは、これが、葉柄をシュレッダーで処理し、水分調整がそれほど必要としない場合であり、後続する乾燥を劇的に減らせる又は無くすことができるからである。
【0203】
いくつかの実施形態において、生成された非連続材料は、0.95mm未満、好ましくは約0.9mm又は0.85mm未満の平均繊維径を有する。いくつかの実施形態において、平均繊維径は、約0.8mm以下である。平均繊維径は、0.8mm未満であってもよい。いくつかの実施形態において、平均繊維径は、0.6~0.8mmの範囲である。より小さな平均繊維径は、より軽い非連続材料をもたらし、これはより低い密度を有する。より低い密度の生成された非連続材料は、ウィノーイングとして抽出される非連続材料を減少し、また、ロッドメーカーでウィノーイングとして抽出される合計のタバコ材料も減少することが判明した。
【0204】
生成された非連続材料は、結合剤を含まない再生材料であってもよい。
【0205】
葉柄材を3mm未満のDp90粒径及び2mm未満のDp50粒径に予めサイズ調節することも、生成される非連続材料中の「フレーク」を減らす。フレークは、大きな破砕されていない葉柄の小片がシャーリング部材の溝の上を越えて解繊デバイスのチャンバを出るときに生成される。これらのフレークは、シャーリング部材の1つ又は2つの溝の幅より大きい粒径を持つことが多く、レギュラーサイズ又はキングサイズのシガレットと同等の直径を有しうる。フレークは比較的軽く、したがって一般的にウィノーイングとして抽出されず、そのため最終製品の味に悪影響がある場合があり、エアロゾル供給システム、例えばシガレット中で上昇した圧力の降下を起こしうる。生成された非連続材料がロッドに形成された場合、フレークはロッド形成において矛盾をもたらすことがあり、したがってロッドの最終的な安定性に悪影響を及ぼす可能性があり、これはさらに多くの非連続材料がロッドの端から落ちることを意味する。葉柄材を予めサイズ調節することにより、フレークが減少し、したがって、こうした問題が軽減される。
【0206】
ここで図4を参照して、処理装置の別の実施形態を示す。処理装置は、図3を参照して上述したタイプの圧力解繊デバイス1を含む。処理装置は、圧力解繊デバイス1の上流に接続された圧力調整デバイス20をさらに含む。
【0207】
圧力解繊デバイス1及び圧力調整デバイス20は、圧力調整及び解繊の複合システムの一部を形成する。
【0208】
圧力調整デバイス20は、特に本明細書DE10304629A1の図1に例示され、その記述の関連部分の中で説明されているタイプのものであってもよい。後者は、参照として本明細書に含まれる。これは、タバコ材料用入口25と、耐差圧セルラーホイールスルース26とを有し、該耐差圧セルラーホイールスルース26を通して、タバコ初期材料が圧力チャンバ21中に導入され、ここで、コンベヤースクリュー22を活用して搬送される。コンベヤースクリュー22は、駆動機構、例えばモーター24によって駆動する。
【0209】
チャンバ21の端に、タバコ材料用の出口27があり、圧力解繊デバイス1の入口5Aに供給する。いくつかの実施形態において、特許明細書DE10304629A1に記載のデバイスとは異なり、圧力調整デバイスの出口に耐差圧スルースがない。代わりに、チャンバ22の圧力によって、タバコ初期材料が圧力解繊デバイス1の入口5Aに搬送される。
【0210】
他の実施形態において、圧力調整デバイス22からの出口は、セルラーホイールスルースを使用して操作され、圧力を低下する。そのような実施形態において、圧力調整チャンバ中の圧力、例えば雰囲気圧より低い圧力で、タバコ材を圧力解繊プロセスに移してもよい。いくつかの実施形態において、最初にタバコ初期材料を圧力調整デバイス20によって処理し、次いでそれを別の圧力解繊デバイス1に搬送する。タバコ初期材料は、手動で又は自動的に、例えばコンベヤーベルト若しくは空気コンベヤーを使用して、圧力調整デバイス20と圧力解繊デバイス1との間を搬送することができる。
【0211】
しかしながら、図4に例示するように、圧力調整デバイス20から圧力解繊デバイス1へ移す間に圧力降下を回避して、調整開始から解繊プロセスまで処理領域全体にわたって気圧より高い圧力の印加を可能にすることが好ましい。タバコ初期材料は、耐差圧セルラーホイールスルース26を通して供給される。操作中の一端のスルース26と常に解繊タバコ材で充填されたギャップ9の耐圧は、組み合わせたデバイス全体にわたって気圧より高い圧力を維持することを可能にする。この目的を実現するために、セルラーホイールスルース26の密封が、その筐体を加熱することによって最適化されうる。
【0212】
タバコ初期材料がチャンバ22に導入されると、材料は気圧より高い圧力になり、これは蒸気を導入してセルラーホイールスルース26の自然漏れ率(ギャップ及び漏出体積)を補うことによって維持することができる。タバコ初期材料を蒸気によって加熱し、水分含有量が増加する。原則として、過飽和蒸気を使用して該チャンバ中で乾燥プロセスを操作することも可能であると考えられるが、解繊に使用するとき、通常、導入されたタバコ初期材料が多量の水分含有量を有する場合に有利である。
【0213】
タバコ初期材料は、コンベヤースクリュー22によって調整チャンバ21を通って移送される。この目的のために異なる状況(スクリューのピッチ、回転速度及びチャンバの傾き)を使用してもよく、それによってタバコ初期材料の滞留時間を設定することができる。いくつかの実施形態において、滞留時間は2~10分である。
【0214】
圧力調整プロセスの間に水、ケーシング及び/又は加味材料も添加してもよく、該プロセス後、タバコ初期材料を出口27に通して圧力解繊デバイス1に移す。タバコ初期材料を導入するプロセスはまた、筐体がホッパー型の設計でもある場合に容易になりうる。いくつかの実施形態において、圧力解繊デバイス1中のタバコ初期材料の典型的な滞留時間は、2分未満、特に1分未満である。次いで、タバコ材は、上述の所望の状態で圧力解繊デバイス1を出る。
【0215】
圧力調整スクリューの代わりに、気圧より低い圧力で操作する調節スクリューを使用することも可能であると考えられる。
【0216】
いくつかの実施形態において、圧力解繊デバイス1は、タバコ材を解繊するためのシャーリングギャップ出口を有する短軸又は二軸コンベヤーを含む。シャーリングギャップは、オリフィスを含み、該オリフィスを通過すると材料がシャーリングされる。
【0217】
図5は、圧力調整及び解繊の複合システムの別の実施形態を例示する。圧力調整デバイス20及び圧力解繊デバイス1は、図3及び図4を参照して上述したものと同様であり、したがって、以下に詳細な説明は繰り返さない。違いは、調節デバイス20のコンベヤースクリューと圧力解繊デバイス1の解繊スクリューが、同じシャフト上に設けられ、単一モーターによって駆動する点である。両方のスクリューに同じ回転速度が用いられた場合、異なる方法を用いて、例えば異なる横断面/体積又は調整プロセスの領域内の放出の選択肢によって、2つのプロセスステップにおいて異なる滞留時間が得られうる。
【0218】
図4及び図5の実施形態において、蒸気及び調整剤、例えば水及びケーシングを、圧力調整デバイス20の適当な入口に通して導入する。対応する水、調整剤及び蒸気用入口は、圧力解繊デバイス1から省かれる。加香剤及び/又はケーシングは、両方の圧力範囲、すなわち片方若しくは両方の圧力チャンバ、又は大気圧、すなわちチャンバの外で導入されうる。
【0219】
いくつかの実施形態において、生成された非連続タバコ材料は、350~600kg/mの範囲の密度指数を有する。非連続タバコ材料の「密度指数」は、以下の通りに算出することができる:
【0220】
非連続タバコ材をミル中で3秒間挽いて、繊維の長さを短くする。非連続タバコ材を挽くために使用されうるミルの例としては、コーヒーグラインダー、例えばBialetti(商標)マニュアルコーヒーグラインダー(欧州品番8002617994316)がある。しかしながら、他のタイプのミルも、非連続タバコ材料を挽いて繊維の長さを短くするのに適している。
【0221】
次いで、非連続タバコ材料を分類して、0.5mm~1.00mmの範囲の粒径の材料を集める。例としては、非連続タバコ材料を第1のふるいに通して、粒径が1mm以下の非連続タバコ材料を集め、1mm超の粒径の材料を排除することができる。次いで、集めた非連続タバコ材料を第2のふるいに通して、粒径が0.5mm未満の材料を排除する。或いは、ふるい機又は他の好適な装置を使用してもよい。
【0222】
次いで、収集した粒径0.5~1mmの非連続タバコ材料50gを、22℃及び相対湿度60%の気候調節された環境で24時間保存する。
【0223】
次いで、Borgwaldt DD 60A比重計を使用して密度指数を測定し、これは、充填度の値を算出する方法と同じ方法で行うが、直径59.5mm及び高さ15mmのアクリルガラス製の透明なディスクを使用して測定前の高さをリセットする。すなわち、高さのリセットは、透明なディスクを含めて実施される。より詳細には、非連続タバコ材の一部(30g)で比重計のメスシリンダーを充填し、透明ディスクを非連続タバコ材料上に置く。メスシリンダーを軽く弾ませ、非連続タバコ材料と透明ディスクとの間の表面を平ら且つ均一にする。次に、充填度の値の測定と同様の方法で測定値を得る。
【0224】
密度指数(DI)(kg/m)は、以下の式によって算出される:
DI=(m/(9*π*h)*1000
DI=密度指数(kg/m3)、M=材料の質量(g)、h=高さ(cm)。
【0225】
乾燥基準材料の密度指数(DIb)は、以下の式にしたがって計算することができる:
DIb=DI/((100=OV)/100)
DIb=乾燥基準材料の密度指数(kg/m)、OV=オーブン揮発分(%)[比重計による測定後に直接決定される]。
【0226】
いくつかの実施形態において、密度指数は350~600kg/mの範囲である。
【0227】
いくつかの実施形態において、乾燥基準材料の密度指数は、300~550kg/mの範囲である。
【0228】
生成された非連続タバコ材料の密度指数が低いと、ウィノーイングとして抽出される非連続材料が減少し、同様に、ロッドメーカーでウィノーイングとして抽出されるタバコ材全体も減少することが発見された。
【0229】
本開示はまた、エアロゾル供給システムなどの送達システムのための構成要素の製造にも関する。
【0230】
本明細書に記載の送達システムは可燃式エアロゾル供給システム、不燃式エアロゾル供給システム又はエアロゾルを使わない送達システムとして実施しうる。
【0231】
方法は、非連続材料をタバコ材(例えば刻みタバコ)と合わせてタバコ混合物を形成し、次いでタバコ混合物から構成要素を形成することを含む。いくつかの実施形態において、可燃性製品の場合、タバコ混合物は、少なくとも4.5(質量)%の非連続材料、好ましくは少なくとも5.5(質量)%、6(質量)%、6.5(質量)%、7(質量)%、8(質量)%、9(質量)%、10(質量)%、11(質量)%、12(質量)%、13(質量)%、14(質量)%、15(質量)%、16(質量)%、17(質量)%、18(質量)%、19(質量)%又は20(質量)%の非連続材料を含む。いくつかの実施形態において、可燃式エアロゾル供給システムなどの可燃性製品の場合、タバコ混合物は25(質量)%以下の非連続材料を含む。
【0232】
いくつかの実施形態において、不燃性製品、例えば不燃式エアロゾル供給システムの場合、タバコ混合物は、好ましくは、少なくとも5(質量)%且つ最大100(質量)%の非連続材料を含む。
【0233】
いくつかの実施形態において、不燃式エアロゾル供給システムの構成要素であって、膨張タバコ材を含む構成要素を提供する。本明細書に記載の方法は、膨張されたタバコ材を生成し、膨張タバコ材は、例としては、本明細書に記載の不燃式エアロゾル供給システム又は不燃性送達システム中で使用する物品のエアロゾル生成部で生成されうる。また、膨張タバコ材料、例としては本明細書に記載の方法によって生成されたタバコ材料を含む不燃性送達システム又は不燃性エアロゾル送達システムも提供する。不燃式エアロゾル供給システムは、例としては、加熱式タバコ製品、又は材料の1つが膨張タバコ材料であるエアロゾル生成材料の組合せを使用してエアロゾルを生成するためのハイブリッドシステムであってもよい。膨張タバコ材料は、ニコチンを含んでいても含んでいなくてもよい少なくとも1種の物質を使用者に経口、経鼻、経皮又はエアロゾルを形成しない別の方法、例えば、これらに限定されないが、ロゼンジ、ガム、パッチ、吸入可能粉末を含む物品、及びスヌース又は湿式嗅ぎタバコ(moist snuff)を含むオーラルタバコなどのオーラル製品で送達するエアロゾルを使わない送達システムにおいても使用することができる。膨張タバコ材料は、タバコ材料を圧力降下に暴露してフラッシュ蒸発させることによって生成することができる。或いは又は加えて、膨張タバコ材料は、タバコ材料が膨張によって解繊するように、タバコ材料をシャーリングギャップに通して供給することによって生成してもよい。
【0234】
いくつかの実施形態において、構成要素は、可燃式エアロゾル供給システム又は不燃式エアロゾル供給システムのためのものである。いくつかの実施形態において、構成要素はタバコロッドである。
【0235】
本開示は、エアロゾル供給システムと、本開示にしたがって製造された非連続材料を含むエアロゾル供給システムの部品とにさらに関する。
【0236】
本明細書では、用語「送達システム」は、少なくとも1種の物質を使用者に送達するシステムを包含し、以下:
シガレット、シガリロ、シガー、及びパイプ又は手巻き若しくは自作用シガレット用のタバコ(タバコ、タバコ誘導体、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ代替品又は他の喫煙材をベースとするかどうかにかかわらない)などの可燃式エアロゾル供給システム;
電子タバコ、加熱式タバコ製品、及びエアロゾル生成材料の組合せを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムなど、エアロゾル生成材料を燃焼せずにエアロゾル生成材料から化合物を放出する不燃式エアロゾル供給システム;
ニコチンを含んでも含まなくてもよい少なくとも1種の物質を使用者に経口、経鼻、経皮又はエアロゾルを形成しない別の方法、例えば、これらに限定されないが、ロゼンジ、ガム、パッチ、吸入可能粉末を含む物品、及びスヌース又は湿式嗅ぎタバコを含むオーラルタバコなどのオーラル製品で送達するエアロゾルを使わない送達システム
を含むことを意図する。
【0237】
本明細書では、用語「エアロゾル供給システム」は、少なくとも1種の物質を使用者に送達する可燃性及び不燃式エアロゾル供給システムを包含することを意図し、以下:
シガレット、シガリロ、シガー、及びパイプ又は手巻き若しくは自作用シガレット用のタバコ(タバコ、タバコ誘導体、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ代替品又は他の喫煙材をベースとするかどうかにかかわらない)などの可燃式エアロゾル供給システム;
電子タバコ、加熱式タバコ製品、及びエアロゾル生成材料の組合せを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムなど、エアロゾル生成材料を燃焼せずにエアロゾル生成材料から化合物を放出する不燃式エアロゾル供給システム
を含む。
【0238】
本開示によれば、「可燃式」エアロゾル供給システムは、使用者への少なくとも1種の物質の送達を促進するために、エアロゾル供給システムのエアロゾル生成構成材料(又はその成分)が使用中に燃やされる又は焼かれるシステムである。
【0239】
いくつかの実施形態において、送達システムは、シガレット、シガリロ及びシガーからなる群から選択されるシステムなどの可燃式エアロゾル供給システムである。
【0240】
いくつかの実施形態において、本開示は、フィルター、フィルターロッド、フィルターセグメント、タバコロッド、スピル、エアロゾル改質剤解放構成要素(カプセル、糸、若しくはビーズ)、又は紙(プラグラップ、チップペーパー若しくはシガレットペーパーなど)など、可燃式エアロゾル供給システムにおいて使用するための構成要素に関する。
【0241】
本開示によれば、「不燃式」エアロゾル供給システムは、使用者への少なくとも1種の物質の送達を促進するために、エアロゾル供給システムのエアロゾル生成構成材料(又はその成分)が燃やされない又は焼かれないシステムである。
【0242】
いくつかの実施形態において、送達システムは、動力供給式の不燃式エアロゾル供給システムなどの不燃式エアロゾル供給システムである。
【0243】
いくつかの実施形態において、不燃式エアロゾル供給システムは、ベイピングデバイス又は電子ニコチン送達システム(END)としても知られる電子タバコであるが、エアロゾル生成材料中のニコチンの存在は必要条件ではないことに留意されたい。
【0244】
いくつかの実施形態において、不燃式エアロゾル供給システムは、非燃焼加熱式システムとしても知られているエアロゾル生成材料加熱式システムである。そのようなシステムの例として、タバコ加熱式システムがある。
【0245】
いくつかの実施形態において、不燃式エアロゾル供給システムは、エアロゾル生成材料の組合せを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムであって、1種又は複数の該エアロゾル生成材料を加熱してもよいハイブリッドシステムである。各エアロゾル生成材料は、例えば、固体、液体又はゲルの形態であってもよく、ニコチンを含有してもしていなくてもよい。いくつかの実施形態において、ハイブリッドシステムは、液体又はゲルエアロゾル生成材料及び固体エアロゾル生成材料を含む。固体エアロゾル生成材料は、例えば、タバコ又は非タバコ製品を含みうる。
【0246】
典型的には、不燃式エアロゾル供給システムは、不燃式エアロゾル供給デバイス及び該不燃式エアロゾル供給デバイスと共に使用する消耗品を含んでもよい。
【0247】
いくつかの実施形態において、本開示は、エアロゾル生成材料を含む消耗品であって、不燃式エアロゾル供給デバイスと共に使用されるように構成された消耗品に関する。これらの消耗品は、場合によっては、本開示を通して物品と呼ばれる。
【0248】
いくつかの実施形態において、不燃式エアロゾル供給システム、例えばその不燃式エアロゾル供給デバイスは、動力源及びコントローラを備えうる。動力源は、例えば、電源又は発熱源でありうる。いくつかの実施形態において、発熱源は、発熱源の近傍のエアロゾル生成材料に又は電熱材料に熱の形態で動力を分散するように励磁されうる炭素基材を含む。
【0249】
いくつかの実施形態において、不燃式エアロゾル供給システムは、消耗品を受け取るための領域、エアロゾル生成器、エアロゾル生成領域、筐体、マウスピース、フィルター及び/又はエアロゾル改質剤を含みうる。
【0250】
いくつかの実施形態において、不燃式エアロゾル供給デバイスと共に使用する消耗品は、エアロゾル生成材料、エアロゾル生成材料保管領域、エアロゾル生成材料移動構成要素、エアロゾル生成器、エアロゾル生成領域、筐体、巻取紙、フィルター、マウスピース、及び/又はエアロゾル改質剤を含みうる。
【0251】
いくつかの実施形態において、送達される物質は、エアロゾル生成材料又はエアロゾル化されることを意図しない材料でありうる。必要に応じて、いずれの材料も、1種以上の活性成分、1種以上の香料、1種以上のエアロゾル形成材料、及び/又は1種以上の他の機能性材料を含みうる。
【0252】
いくつかの実施形態において、送達される物質は活性物質を含む。
【0253】
本明細書で使用される活性物質は、生理学的応答を実現又は強化することを意図した材料である生理活性材料であってもよい。活性物質は、例えば、栄養補助食品、向知性薬、向精神薬から選択することができる。活性物質は、天然のものであっても、合成によって得てもよい。活性物質は、例えば、ニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、ビタミン(B6若しくはB12若しくはCなど)、メラトニン、カンナビノイド、又はこれらの構成成分、誘導体、若しくは組合せを含みうる。活性物質は、タバコ、アサ又は別の植物性物質の1種以上の構成成分、誘導体又は抽出物を含んでもよい。
【0254】
いくつかの実施形態において、活性物質はニコチンを含む。いくつかの実施形態において、活性物質は、カフェイン、メラトニン又はビタミンB12を含む。
【0255】
いくつかの実施形態において、送達される物質は活性物質を含む。
【0256】
本明細書で使用される活性物質は、生理学的応答を実現又は強化することを意図した材料である生理活性材料であってもよい。活性物質は、例えば、栄養補助食品、向知性薬、向精神薬から選択することができる。活性物質は、天然のものであっても、合成によって得てもよい。活性物質は、例えば、ニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、ビタミン(B6若しくはB12若しくはCなど)、メラトニン、カンナビノイド、又はこれらの構成成分、誘導体、若しくは組合せを含みうる。活性物質は、タバコ、アサ又は別の植物性物質の1種以上の構成成分、誘導体又は抽出物を含んでもよい。
【0257】
いくつかの実施形態において、活性物質はニコチンを含む。いくつかの実施形態において、活性物質は、カフェイン、メラトニン又はビタミンB12を含む。
【0258】
本明細書で記述されるように、活性物質は、アサの1種以上の構成成分、誘導体又は抽出物、例えば1種以上のカンナビノイド又はテルペンを含んでもよい。
【0259】
本明細書で記述されるように、活性物質は、1種以上の植物性物質又はその構成成分、誘導体若しくは抽出物を含んでもよい、又はそれらから誘導されうる。本明細書では、用語「植物性物質」は、これらに限定されないが、抽出物、葉、樹皮、繊維、茎、根、種子、花、果実、花粉、莢、殻などを含めた植物に由来する任意の材料を含む。或いは、材料は、植物性物質中に自然に存在する活性化合物、合成によって得られる活性化合物を含みうる。材料は、液体、気体、固体、粉末、塵埃、破砕粒子、顆粒、ペレット、細片、ストリップ、シートなどの形態であってもよい。植物性物質の例としては、タバコ、ユーカリ、スターアニス、麻、ココア、アサ、フェンネル、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カモミール、アマ、ショウガ、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、ゲッケイジュ、リコリス(カンゾウ)、抹茶、マテ、オレンジスキン、パパイヤ、バラ、セージ、緑茶若しくは紅茶などの茶、タイム、クローブ、シナモン、コーヒー、アニシード(アニス)、バジル、ベイリーフ、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモンピール、ミント、ジュニパー、エルダーフラワー、バニラ、ウィンターグリーン、シソ、ウコン、ターメリック、ビャクダン、シラントロ、ベルガモット、オレンジブロッサム、ギンバイカ、クロスグリ、バレリアン、ピーマン、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、キャラウェイ、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、クワ、チョウセンニンジン、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、ガラナ、クロロフィル、バオバブ又はこれらの任意の組合せがある。ミントは、以下のミント品種:メンタ・アルベンティス、メンタ栽培品種、メンタ・ニリアカ、メンタ・ピペリタ、メンタ・ピペリタ シトラタ栽培品種、メンタ・ピペリタ栽培品種、メンタ・スピカタ クリスパ、メンタ・カルディフォリア、メンタ・ロンギフォリア、メンタ・スアベオレンス バリエガタ、メンタ・プレギウム、メンタ・スピカタ栽培品種及びメンタ・スアベオレンスから選択することができる。
【0260】
いくつかの実施形態において、活性物質は、1種以上の植物性物質又はその構成成分、誘導体若しくは抽出物を含み、又はそれらから誘導され、植物性物質はタバコである。
【0261】
いくつかの実施形態において、活性物質は、1種以上の植物性物質又はその構成成分、誘導体又は抽出物を含み、又はそれらから誘導され、植物性物質はクローブである。クローブは、いくつかのエッセンシャルオイル、例えばクローブ特有の味の一部を与えると知られ、漢方において鎮痛効果を有すると考えられているオイゲノールを含有する。
【0262】
いくつかの実施形態において、活性物質は、1種以上の植物性物質又はその構成成分、誘導体又は抽出物を含み、又はそれらから誘導され、植物性物質は、ユーカリ、スターアニス、ココア及び麻から選択される。
【0263】
いくつかの実施形態において、活性物質は、1種以上の植物性物質又はその構成成分、誘導体又は抽出物を含み、又はそれらから誘導され、植物性物質は、ルイボス及びフェンネルから選択される。
【0264】
いくつかの実施形態において、送達される物質は香料を含む。
【0265】
本明細書では、用語「香料」及び「香味料」は、現地の規制が認可する場合、成人消費者向けの製品に所望の味、香り又は他の体性感覚を作るために使用することができる材料を指す。これらは、天然の香味材料、植物性物質、植物性物質の抽出物、合成によって得られる材料、又はこれらの組合せ(例えば、タバコ、アサ、リコリス(カンゾウ)、アジサイ、オイゲノール、ホオノキ葉、カモミール、コロハ、クローブ、カエデ、抹茶、メンソール、ハッカ、アニシード(アニス)、シナモン、ターメリック、インドの香辛料、アジアの香辛料、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、レッドベリー、クランベリー、モモ、リンゴ、オレンジ、マンゴー、クレメンタイン、レモン、ライム、熱帯果実類、パパイヤ、ルバーブ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、クワ、柑橘果実類、ドランビュイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエベラ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、カート、ナスワー(naswar)、キンマ、シーシャ、マツ、はちみつエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、オレンジブロッサム、サクラ、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、フェンネル、ワサビ、ピーマン、ショウガ、コリアンダー、コーヒー、麻、ハッカ属の任意の種由来のミント油、ユーカリ、スターアニス、ココア、レモングラス、ルイボス、アマ、イチョウ、ヘーゼル、ハイビスカス、ゲッケイジュ、マテ、オレンジスキン、バラ、緑茶又は紅茶などの茶、タイム、ジュニパー、エルダーフラワー、バジル、ベイリーフ、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモンピール、ミント、シソ、ウコン、シラントロ、ギンバイカ、クロスグリ、バレリアン、ピーマン、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、カルビ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性剤又は刺激剤、糖類及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセサルフェームカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、並びにチャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤などの他の添加物を含みうる。これらは模造品、合成又は天然の成分、又はそれらのブレンドであってもよい。これらは、任意の好適な形態、例えば、油などの液体、粉末などの固体、又は気体であってもよい。
【0266】
いくつかの実施形態において、香料は、メンソール、スペアミント及び/又はペパーミントを含む。いくつかの実施形態において、香料は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘果実類及び/又はレッドベリーの香味成分を含む。いくつかの実施形態において、香料はオイゲノールを含む。いくつかの実施形態において、香料は、タバコから抽出された香味成分を含む。いくつかの実施形態において、香料は、アサから抽出された香味成分を含む。
【0267】
いくつかの実施形態において、香料は、嗅覚又は味覚神経に加えて又はその代わりに、通常は第5脳神経(三叉神経)の刺激によって化学的に誘起及び知覚される体性感覚を実現することを意図した感覚惹起剤を含んでもよく、これらは、加熱、冷却、打診痛、しびれ作用をもたらす作用物質を含みうる。好適な熱作用剤は、これに限定されないがバニリルエチルエーテルがあり得、好適な冷却剤は、これに限定されないがユーカリプトールWS-3がありうる。
【0268】
エアロゾル生成材料は、例えば、加熱、照射又は任意の他の方法で励磁されたとき、エアロゾルを生成することが可能な材料である。エアロゾル生成材料は、例えば、活性物質及び/又は香味料を含有しても含有しなくてもよい固体、液体又はゲルの形態であってもよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、「非晶質固体」を含んでもよく、これは別法では「モノリシック固体」(すなわち、非繊維質)と呼ぶことができる。いくつかの実施形態において、非晶質固体は乾燥ゲルであってもよい。非晶質固体は、内部に液体などの流体を幾分か保持しうる固体材料である。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、例えば、約50重量%、60重量%又は70重量%の非晶質固体から約90重量%、95重量%又は100重量%の非晶質固体を含んでもよい。
【0269】
エアロゾル生成材料は、1種以上の活性物質及び/又は香料、1種以上のエアロゾル形成材料、並びに任意選択の1種以上の他の機能性材料を含んでもよい。
【0270】
エアロゾル形成材料は、エアロゾルを形成することができる1種以上の構成成分を含んでもよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル形成材料は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリトリトール、メソエリトリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及び炭酸プロピレンのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0271】
1種以上の他の機能性材料は、pH調整剤、着色剤、防腐剤、結合剤、充填剤、安定剤、及び/又は酸化防止剤のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0272】
材料は、支持体上又は支持体中に存在して基材を形成することができる。支持体は、例えば、紙、カード、板紙、厚紙、再構成材料、プラスチック材料、セラミック材料、複合材料、ガラス、金属、若しくは金属合金であってもよい、又はそれらを含んでもよい。いくつかの実施形態において、支持体はサセプタを含む。いくつかの実施形態において、サセプタは、材料中に埋め込まれる。いくつかの代替の実施形態において、サセプタは、材料の片面又は両面にある。
【0273】
消耗品は、エアロゾル生成材料を含む又はそれからなる物品であり、その一部又は全部が、使用者によって使用中に消費されることが意図される物品である。消耗品は、1つ以上の他の構成要素、例えばエアロゾル生成材料保管領域、エアロゾル生成材料移動構成要素、エアロゾル生成領域、筐体、巻取紙、マウスピース、フィルター及び/又はエアロゾル改質剤を含んでもよい。消耗品はまた、使用中、熱を放出して、エアロゾル生成材料にエアロゾルを生成させる、ヒーターなどのエアロゾル生成器も含んでよい。ヒーターは、例えば、可燃性物質、電気伝導によって加熱可能な材料、又はサセプタを含んでもよい。
【0274】
サセプタは、交番磁界などの変動磁場での侵入によって加熱可能な材料である。サセプタは、導電性材料であってよく、したがって変動磁場でのその侵入は、加熱材料の加熱の誘起を起こす。加熱材料は磁性材料であってもよく、したがって変動磁場でのその侵入は、加熱材料の磁気ヒステリシス加熱を起こす。サセプタは、導電性及び磁性の両方であり得、したがってサセプタは、両方の加熱機構によって加熱可能である。変動磁場を発生するように構成されたデバイスは、本明細書では、磁界発生器と呼ぶ。
【0275】
エアロゾル改質剤は、例えばエアロゾルの味、香り、酸度又は別の特性を変化させることによって、生成されたエアロゾルを改質するように構成された、エアロゾル生成領域の下流に典型的には位置する物質である。エアロゾル改質剤は、エアロゾル改質剤を選択的に放出する働きができるエアロゾル改質剤放出構成要素中に設けてもよい。
【0276】
エアロゾル改質剤は、例えば、添加物又は吸着剤であってもよい。エアロゾル改質剤は、例えば、香味料、着色剤、水、及び炭素吸着剤の1種以上を含んでもよい。エアロゾル改質剤は、例えば、固体、液体、又はゲルであってもよい。エアロゾル改質剤は、粉末、糸又は顆粒の形態であってもよい。エアロゾル改質剤は、ろ過材を使用していなくてもよい。
【0277】
エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させるように構成された装置である。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料を熱エネルギーに晒し、それによってエアロゾル生成材料から1種以上の揮発性物質を放出させてエアロゾルを形成するように構成されたヒーターである。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成器は、加熱せずにエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させるように構成されている。例えば、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料を、振動、圧力増加、又は静電エネルギーのうちの1つ以上に晒すように構成されうる。
【0278】
様々な問題に対処し、当該技術分野を進歩させるために、本開示の全内容は、例示によって、請求された本発明を実践することができ、優れたタバコ材料の製造を提供する様々な実施形態を示す。本開示の利点及び特徴は、実施形態の代表的サンプルのもののみであり、網羅的及び/又は排他的ではない。これらは、請求される特徴の理解及び教示を助けることのみを目的として提示される。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって画定される本開示に対する限定又は特許請求の範囲の均等物に対する限定であると見なされるべきではなく、本開示の範囲及び/又は主旨から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、修正を加えることができることを理解されたい。様々な実施形態は、開示する要素、構成要素、特徴、部分、ステップ、手段などの様々な組合せを適宜含むことができる、該組合せからなってもよい、又は該組合せから本質的になってもよい。加えて、本開示は、本明細書に特許請求されていないが将来特許請求されうる他の発明も含む。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】