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特表2023-541659拡張アームを有する経口薬物送達デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-03
(54)【発明の名称】拡張アームを有する経口薬物送達デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 31/00 20060101AFI20230926BHJP
   A61M 5/307 20060101ALI20230926BHJP
   A61J 3/07 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
A61M31/00
A61M5/307
A61J3/07 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517359
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(85)【翻訳文提出日】2023-04-17
(86)【国際出願番号】 US2021050431
(87)【国際公開番号】W WO2022060817
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】63/078,996
(32)【優先日】2020-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】バルソン,マリア フェルナンデス-マルトス
(72)【発明者】
【氏名】フォーダム,マシュー キース
(72)【発明者】
【氏名】ホーンズビー,ジャック アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】バシラキス,ニコラオス ソティリオス
(72)【発明者】
【氏名】クラーク,サラ ルイーズ
【テーマコード(参考)】
4C047
4C066
【Fターム(参考)】
4C047AA40
4C047CC04
4C047NN19
4C066AA01
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD02
4C066EE04
4C066EE14
4C066FF02
4C066HH02
4C066HH12
(57)【要約】
本開示は、薬物送達デバイスを提供する。薬物送達デバイスは、患者によって経口摂取され、次いで、患者の胃腸(GI)管内で作動する。作動時に、薬物送達デバイス内の弾性アームが拡張し、GI管壁に係合する。次いで、ドライバが、薬物送達デバイス内でプランジャを駆動し、薬物を弾性アームにおけるチャネル及び患者のGI管壁を通して押す。ある時間後、薬物送達デバイスの少なくとも一部分が溶解し、薬物送達デバイスは、GI管を通過する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイスであって、
患者の胃腸(GI)管内で分解するように構成されたカプセルと、
前記カプセル内の、かつ前記患者のGI管壁と接合するように構成された薬物送達機構であって、前記薬物送達機構が、複数の弾性アーム、複数の壁接合端、及び複数の薬物送達チャネルを備え、前記複数の壁接合端が、前記複数の薬物送達チャネルに流体的に結合されている、薬物送達機構と、
前記薬物送達機構に流体的に結合され、かつある容量の薬物を収容するように構成された薬物ハウジングと、
前記薬物ハウジングに結合された駆動機構であって、前記薬物ハウジング内に位置決めされたストッパ、トリガ、及びドライバを備え、前記薬物送達機構を介して、前記薬物の送達を作動させる、駆動機構と
を備える、薬物送達デバイス。
【請求項2】
前記カプセルが、患者の小腸に入った後に分解するように構成されている、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項3】
前記薬物送達機構は、前記カプセルが分解した後、閉鎖位置から開放位置に移行するように構成され、前記薬物送達機構が、半径方向外向きに拡張して、前記開放位置で、前記患者の前記GI管壁と接合する、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項4】
前記複数の壁接合端が、貫通先端を含み、前記貫通先端は、前記薬物送達機構が前記開放位置にあるときに、前記GI管壁を貫通するように構成されている、請求項3に記載の薬物送達デバイス。
【請求項5】
前記複数の壁接合端が、前記GI管壁を通して噴流として前記薬物を送達するように構成された少なくとも1つの液体ジェットを含む、請求項3に記載の薬物送達デバイス。
【請求項6】
前記トリガは、前記患者の前記胃腸管内で溶解可能であり、前記薬物送達機構が前記開放位置にある後に分解し、前記トリガが分解すると、前記駆動機構が作動する、請求項3に記載の薬物送達デバイス。
【請求項7】
前記壁接合端が、溶解性針構造である貫通先端を含み、前記溶解性針構造が、前記患者の前記GI管壁を穿孔し、かつ前記患者の前記胃腸管内で分解するように構成されている、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項8】
前記弾性アームが、複数の溶解性結合部材を通して一緒に結合され、前記溶解性結合部材が、前記患者の前記胃腸管内で分解するように構成されている、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項9】
チャネル膜を更に備え、前記複数の薬物送達チャネルの各々が、対応する弾性アーム内に形成され、前記チャネル膜が、前記複数の薬物送達チャネルの内部を前記患者の前記胃腸管から分離する、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項10】
前記薬物ハウジング内に膜を更に備え、前記膜は、前記膜が前記薬物ハウジング内に前記薬物を保持する密閉構成、及び前記膜が少なくとも部分的に開放して、前記薬物ハウジングから外への前記薬物の流れを許容する開放構成を含む、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項11】
前記薬物ハウジングに結合されたキャップを更に備え、前記キャップは、前記駆動機構が前記薬物ハウジングを出て前記GI管に入るのを阻止する、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項12】
前記駆動機構が前記薬物の送達を作動させた後、前記薬物送達機構の少なくとも1つの構成要素が分解する、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項13】
前記薬物送達機構が、複数の結合部材を更に備え、前記結合部材が、前記GI管内で分解するように構成されている、請求項12に記載の薬物送達デバイス。
【請求項14】
前記ストッパが、前記ドライバ及び前記トリガとは別個に、前記薬物ハウジングに結合される、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項15】
前記薬物送達機構が、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、及びポリカプロラクトンのうちの少なくとも1つを含む生分解性ポリマーからなる、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項16】
前記薬物ハウジング内に収容される前記薬物を更に含み、前記薬物が、ペプチド及びタンパク質のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項17】
請求項1に記載の薬物送達デバイスを組み立てるためのアセンブリシステムであって、
アセンブリシステムのハウジングと、
前記ハウジングに結合され、かつユーザによって作動されるように構成されたアセンブリアクチュエータと、
前記カプセルの第1の部分を保持するように構成された前記ハウジング内の回転部材と、
前記アセンブリアクチュエータが作動されると、前記カプセルの前記第1の部分内で、前記薬物送達機構、前記薬物ハウジング、及び前記駆動機構を少なくとも部分的に駆動するように構成された駆動ロッドと、
前記カプセルの第2の部分を前記カプセルの前記第1の部分に結合し、それによって、前記薬物送達機構、前記薬物ハウジング、及び前記駆動機構を完全に前記カプセル内に封入するように構成された閉鎖ロッドと
を備える、アセンブリシステム。
【請求項18】
薬物送達デバイスであって、
分解性カプセルと、
流体チャネルと、複数の薬物送達部材と、を備える、前記分解性カプセル内に位置する薬物送達機構と、
ある容量の薬物を保持するように構成された前記流体チャネルに流体的に結合された薬物ハウジングと、
前記薬物ハウジングに結合され、かつ前記薬物ハウジング内に少なくとも部分的に位置する駆動機構であって、前記駆動機構が、
前記薬物ハウジングを流体的に密閉するように構成された薬物ハウジングキャップと、
前記薬物ハウジング内で摺動可能な駆動ロッドと、
前記薬物と接合するように構成された前記駆動ロッドに結合された駆動ストッパと、
前記薬物ハウジングキャップ内の、かつ前記駆動ロッドに結合されたドライバと、
前記駆動ロッドを第1の位置に保持するように構成された溶解性トリガと、を備え、
前記ドライバは、前記溶解性トリガが分解したときに、前記駆動ロッドを前記第1の位置から第2の位置に押し、前記駆動ロッドが、前記第1の位置から前記第2の位置に移動すると、前記薬物送達機構を通して、前記薬物が解放される、薬物送達デバイス。
【請求項19】
前記分解性カプセルが、前記分解性カプセルを取り囲む環境でpH変化が生じた後に分解するように構成されている、請求項18に記載の薬物送達デバイス。
【請求項20】
前記複数の薬物送達部材の各々が、弾性アーム及び壁結合端を備え、前記壁結合端が、前記GI管壁を通して噴流として前記薬物を送達するように構成された少なくとも1つの液体ジェットを含む、請求項18に記載の薬物送達デバイス。
【請求項21】
前記複数の薬物送達部材の各々が、弾性アーム及び貫通先端を備え、前記貫通先端が、患者の小腸のGI管壁を貫通するように構成されている、請求項18に記載の薬物送達デバイス。
【請求項22】
前記貫通先端が、針及び分解性基部を備え、前記分解性基部が、前記弾性アームに結合され、前記針が、前記分解性基部に結合される、請求項21に記載の薬物送達デバイス。
【請求項23】
前記貫通先端が、分解性針を備え、前記分解性針が、前記患者の前記小腸の前記GI管壁を貫通した後に分解するように構成されている、請求項21に記載の薬物送達デバイス。
【請求項24】
前記溶解性トリガがベベルを備え、前記ベベルは、前記溶解性トリガが分解するにつれて、前記溶解性トリガの構造を弱めるように構成されている、請求項18に記載の薬物送達デバイス。
【請求項25】
前記流体チャネルが、前記薬物送達部材のうちの1つ内に位置し、前記薬物送達部材の残りが、構造的薬物送達部材であり、前記構造的薬物送達部材が、前記薬物送達デバイスを患者の胃腸管内に位置決めするように構成されている、請求項18に記載の薬物送達デバイス。
【請求項26】
ハウジングカプセルと、
前記ハウジングカプセル内の薬物送達機構であって、
患者の胃腸(GI)管の壁と接合するように構成された少なくとも1つの薬物送達部材と、
薬物が前記薬物送達部材を通って流れることを可能にするように構成された、前記少なくとも1つの薬物送達部材内の流体チャネルであって、前記流体チャネル内の流体抵抗が、前記胃腸管の前記壁との接合による間隙抵抗よりも大きい流体チャネルと、を備える、薬物送達機構と、
前記薬物送達機構に結合された薬物ハウジングと、
前記薬物ハウジングから前記薬物送達機構に前記薬物を駆動するように構成された駆動機構と、を備える、経口薬物送達デバイス。
【請求項27】
前記薬物送達機構が、第1の位置から第2の位置に移行するように構成された弾性ポリマーから少なくとも部分的になり、前記少なくとも1つの薬物送達部材は、前記薬物送達機構が前記第2の位置にあるときに、前記壁と接合するように構成されている、請求項26に記載の薬物送達デバイス。
【請求項28】
請求項26に記載の経口薬物送達デバイスを用いる治療のための方法であって、
組み立てられていない経口薬物送達デバイスをアセンブリ機構に装填することと、
前記アセンブリ機構を作動させることであって、前記アセンブリ機構が、前記薬物送達機構を前記ハウジングカプセルの第1の部分内に挿入し、前記ハウジングカプセルの第2の部分を前記ハウジングカプセルの前記第1の部分に結合するように構成されている、作動させることと、
前記アセンブリ機構から前記経口薬物送達デバイスを受容することと、
前記薬物送達デバイスを経口摂取することと
を含む、方法。
【請求項29】
前記駆動機構が、溶解性トリガを備え、前記溶解性トリガは、前記薬物送達機構が前記ハウジングカプセルから少なくとも部分的に除去された後に分解するように構成されている、請求項26に記載の経口薬物送達デバイス。
【請求項30】
前記薬物送達機構が、前記胃腸管の前記壁内で拡張し、かつ前記薬物送達機構を固定するように構成されている、請求項26に記載の経口薬物送達デバイス。
【請求項31】
前記薬物ハウジングと前記送達機構との間に位置決めされた結合チャネルと、前記結合チャネル内の脆弱点と、を更に備え、前記脆弱点は、閾値圧力が前記脆弱点に加えられた後に破断するように構成されている、請求項26に記載の経口薬物送達デバイス。
【請求項32】
経口薬物送達デバイスであって、
生分解性カプセルと、
複数のアームと、
液体薬物と、を備え、
前記経口薬物送達デバイスは、
前記複数のアームが前記カプセル内に配設される閉鎖構成、
前記複数のアームが前記カプセルの分解時に、半径方向外向きに延在して患者に接触する、開放構成、
前記液体薬物が前記複数のアームを介して、前記患者に注入される送達構成、及び
前記複数のアームが前記患者から分離されて前記患者を通過する解放構成を有する、経口薬物送達デバイス。
【請求項33】
針及び隔壁を更に備え、前記経口薬物送達デバイスは、(1)前記針が前記隔壁に接触しない、プライミングされていない構成、及び(2)前記針が前記隔壁を穿孔する、プライミングされた構成を有する、請求項32に記載の経口薬物送達デバイス。
【請求項34】
前記カプセル内に位置決めされたトリガと、プランジャと、前記トリガ上のベベルと、を更に備え、前記経口薬物送達デバイスは、前記トリガが少なくとも部分的に分解し、前記プランジャが前記ベベルにわたって移動した後に、前記送達構成に移行する、請求項32に記載の経口薬物送達デバイス。
【請求項35】
薬物送達デバイスを通して、患者に薬物を送達するための方法であって、
前記薬物送達デバイスを前記患者に経口投与することと、
前記患者の小腸内でカプセルを分解することと、
前記分解するステップの後に、前記患者の前記小腸と接合するように、複数の端を有する送達機構を拡張することと、
前記患者の前記小腸の壁を、前記送達機構の端に配設された貫通アセンブリと係合させることと、
前記薬物送達デバイスのトリガを分解することと、
前記送達機構を通して、前記患者に前記薬物を送達することと、
前記送達機構を分解することと、を含む、方法。
【請求項36】
前記貫通アセンブリが、前記小腸の前記壁を貫通する噴流として、前記薬物を送達するように構成された液体ジェットを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記係合させるステップが、前記送達機構の前記端に配設された複数の貫通先端で、前記患者の前記小腸を貫通することを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記分解するステップが、前記送達機構を分解することを更に含む、請求項35に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、経口薬物送達デバイスに関する。より具体的には、本開示は、胃腸壁を通して薬物を送達するために、小腸内で作動する拡張アームを有する経口薬物送達デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
薬物又は他の生物学的に活性な化合物で治療されている患者にとって、多くの場合、化合物を経口受容するのが最も便利である。ただし、いくつかの化合物の性質により、一度摂取するとその活性を維持することを妨げる。例えば、いくつかの化合物は、胃腸(GI)系の環境に置かれると、変性、消化、又は非活性化される。加えて、いくつかの化合物は、GI系から血流への拡散速度が低く、十分な投与量が患者に送達されるのを妨げる可能性がある。これらの特性を有する化合物については、患者は注射を通して化合物を受容することが多く、これは苦痛かつ不便である。したがって、さもなければ経口摂取されたときには効果がない薬物を首尾よく送達できる経口薬物送達デバイスを開発することが望ましい。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、薬物送達デバイスを提供する。薬物送達デバイスは、患者によって経口摂取され、次いで、患者の胃腸(GI)管内で作動する。作動されると、薬物送達デバイス内のアームが拡張し、貫通先端が、GI管を貫通する。次いで、ドライバが、薬物送達デバイス内でプランジャを駆動し、薬物を貫通先端及び患者のGI管壁を通して押す。ある時間後、薬物送達デバイスの少なくとも一部が溶解し、薬物送達デバイスは、GI管を通過する。
【0004】
例示的な実施形態では、薬物送達デバイスであって、患者の胃腸(GI)管内で分解するように構成されたカプセルと、カプセル内の、かつ患者のGI管壁と接合するように構成された薬物送達機構であって、薬物送達機構が、複数の弾性アーム、複数のGI壁接合端、及び複数の薬物送達チャネルを含み、複数のGI壁接合端が、複数の薬物送達チャネルに流体的に結合されている、薬物送達機構と、薬物送達機構に流体的に結合され、かつある容量の薬物を収容するように構成された薬物ハウジングと、薬物ハウジングに結合された駆動機構であって、ストッパ、トリガ、及びドライバを含み、薬物送達機構を介して、薬物の送達を作動させる、駆動機構と、を備える、薬物送達デバイスが開示されている。
【0005】
別の実施形態では、薬物送達デバイスであって、分解性カプセル、流体チャネル、及び複数の薬物送達部材を含む、分解性カプセル内に位置する薬物送達機構と、ある容量の薬物を保持するように構成された流体チャネルに流体的に結合された薬物ハウジングと、薬物ハウジングに結合され、かつ薬物ハウジング内に少なくとも部分的に位置する駆動機構であって、駆動機構が、薬物ハウジングを流体的に密閉するように構成された薬物ハウジングキャップ、薬物ハウジング内で摺動可能な駆動ロッド、薬物と接合するように構成された駆動ロッドに結合された駆動ストッパ、薬物ハウジングキャップ内の、かつ駆動ロッドに結合されたドライバ、及び駆動ロッドを第1の位置に保持するように構成された溶解性トリガを含み、ドライバは、溶解性トリガが分解したときに、駆動ロッドを第1の位置から第2の位置に押し、駆動ロッドが、第1の位置から第2の位置に移動すると、薬物送達機構を通して、薬物が解放される、駆動機構と、を備える、薬物送達デバイスが開示されている。
【0006】
更に別の実施形態では、ハウジングカプセル、ハウジングカプセル内の薬物送達機構であって、患者の胃腸管の壁と接合するように構成された少なくとも1つの薬物送達部材、薬物が薬物送達部材を通って流れることを可能にするように構成された、少なくとも1つの薬物送達部材内の流体チャネルであって、流体チャネル内の流体抵抗が、胃腸管の壁との接合による間隙抵抗よりも大きい流体チャネル、を含む、薬物送達機構、薬物送達機構に結合された薬物ハウジング、並びに、薬物ハウジングから薬物送達機構に薬物を駆動するように構成された駆動機構、を含む、経口薬物送達デバイスが開示されている。
【0007】
更に別の実施形態では、生分解性カプセル、複数のアーム、及び液体薬物を含み、経口薬物送達デバイスは、複数のアームがカプセル内に配設される閉鎖構成、複数のアームがカプセルの分解時に、半径方向外向きに延在して患者に接触する、開放構成、液体薬物が複数のアームを介して、患者に注入される送達構成、及び複数のアームが患者から分離されて患者を通過する解放構成を有する、経口薬物送達デバイスが開示されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施形態の以下の説明を添付の図面と併せて参照することによって、本開示の上述及び他の特徴及び利点、並びにそれらを達成する様式は、より明らかになり、かつ本発明自体が、よりよく理解される。
【0009】
図1】本開示による、薬物送達デバイスの斜視図である。
図2図1の薬物送達デバイスの分解斜視図である。
図3図1の薬物送達デバイスの右側面図である。
図4図1の薬物送達デバイスの右断面図である。
図5図1の薬物送達デバイスの正面図である。
図6図1の薬物送達デバイスの後面図である。
図7】閉鎖位置にある図1の薬物送達デバイスの斜視図である。
図8】開放位置にある図7の薬物送達デバイスの斜視図である。
図9】駆動機構が装填位置にある、患者のGI管内の開放構成にある図1の薬物送達デバイスの左側面図である。
図10】駆動機構が送達位置にある、図9の薬物送達デバイスの側面図である。
図11】薬物を患者のGI管に送達する、開放構成にある図1の薬物送達デバイスの正面図である。
図12図1の薬物送達デバイスの薬物送達部材の部分分解図である。
図13図1の薬物送達デバイスの薬物送達機構の部分分解図である。
図14図1の薬物送達デバイスのGI管壁貫通システムの部分分解図である。
図15図1の薬物送達デバイスのGI管壁貫通システムの部分分解図である。
図16】密閉アセンブリが交互になっている、図1のデバイスの簡略化された断面図である。
図17】密閉アセンブリが交互になっている、図1のデバイスの簡略化された断面図である。
図18】密閉アセンブリが交互になっている、図1のデバイスの簡略化された断面図である。
図19】密閉アセンブリが交互になっている、図1のデバイスの簡略化された断面図である。
図20】密閉アセンブリが交互になっている、図1のデバイスの簡略化された断面図である。
図21】密閉アセンブリが交互になっている、図1のデバイスの簡略化された断面図である。
図22図1の薬物送達デバイスの斜視図である。
図23図1のデバイスの分解の例示的なタイムラインである。
図24図1の薬物送達デバイスと共に使用するためのアセンブリ機構の斜視図である。
図25図12のアセンブリ機構の断面図及び部分断面図である。
図26図12のアセンブリ機構の断面図及び部分断面図である。
図27図12のアセンブリ機構のいくつかの内部構成要素の部分分解図である。
図28図1の薬物送達デバイスを組み立てる方法の描写である。
図29図1の薬物送達デバイスを組み立てる方法の描写である。
図30図1の薬物送達デバイスを組み立てる方法の描写である。
図31図1の薬物送達デバイスを組み立てる方法の描写である。
図32図1の薬物送達デバイスを組み立てる方法の描写である。
【0010】
複数の図面全体を通して、対応する参照符号は、対応する部品を示す。本明細書に記載される例示は、本発明の例示的な実施形態を示し、かかる例示は、いかなる態様でも本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
最初に図1~6を参照すると、薬物送達デバイス100が示されている。薬物送達デバイス100は、カプセル110と、送達機構200と、駆動機構300と、薬物ハウジング400と、を備える。薬物ハウジング400は、カートリッジと称され得る。薬物送達デバイス100が完全に組み立てられると、カプセル110は、送達機構200、駆動機構300、及び薬物ハウジング400を封入する。本明細書でより詳細に考察されるように、薬物送達デバイス100は、患者によって経口摂取されるように構成されている。患者の胃腸(GI)管の一部分に入ると、カプセル110は、分解するか、さもなければバラバラになり、それによって、送達機構200がGI管の内壁と接合し、薬物送達デバイス100を適所に固定することを可能にする。送達機構200が患者のGI管と接合すると、駆動機構300は、薬物ハウジング400からGI管壁を通して患者への薬物500の送達を作動させる。薬物500が送達されると、薬物送達デバイス100はGI管を通過する。
【0012】
図2に示されるように、カプセル110は、第1の後方カプセル部分104及び第2の前方カプセル部分106の2つの構成要素からなる。本明細書でより詳細に考察されるように、第1のカプセル部分104及び第2のカプセル部分106は、一緒に結合されて、カプセル110を形成する。
【0013】
送達機構200は、薬物送達デバイス100が組み立てられたときに、カプセル110内に嵌合するように構成されている。図示の実施形態では、送達機構200は、送達基部230と、送達基部230から延在する複数の送達部材210と、膜220と、送達基部230を通って延在する中央ボア250と、を備える。各送達部材210は、弾性アーム215と、送達チャネル213と、接合端217と、貫通アセンブリ260と、を備える。図示の実施形態では、3つの送達部材210が、送達基部230から延在し、その周囲に等間隔で離間されるが、他の実施形態では、任意の数の送達部材210及び離間配置が使用されてもよい。
【0014】
送達機構200は、流体が中央ボア250から送達チャネル213を通って接合端217まで流れることを可能にするように構成されている。送達チャネル213は、中央ボア250に流体的に結合され、弾性アーム215に沿って延在する。図示の実施形態では、送達チャネル213は、弾性アーム215の外面内に曝露された溝として形成される。図12を参照すると、膜220は、弾性アーム215の表面に接着されて、送達チャネル213を封入し、かつ密閉する。膜220は、接着剤、溶接(熱、UV、レーザ、超音波、溶剤、摩擦、注入、高周波など)、機械的接続、又は任意の他の接続手段によって弾性アーム215の表面に接着されてもよい。膜220の使用は、弾性アーム215の外面へのチャネル213の形成(例えば、成形、切断)を簡素化してもよい。他の実施形態では、送達チャネル213は、送達機構200の一部分に結合されたチューブなどの別個の構成要素であってもよい。更に、送達チャネル213は、送達チャネル213の内部が完全に封入されるように、弾性アーム215内に完全に位置してもよい(例えば、弾性アーム215を貫通するボア)。
【0015】
図14~15の例示的な実施形態を参照すると、接合端217は、各弾性アーム215の端近くに位置し、患者のGI管の内部と接合するように構成されている。接合端217は、貫通アセンブリ260を受容するように構成されたソケット267を備える。貫通アセンブリ260は、貫通基部264と、貫通先端266と、を備える。図14に示されるように、一実施形態では、貫通先端266は、貫通基部264から分離されており、貫通基部264は、貫通基部264を貫通先端266に結合するように構成された受容ボア265を備える。別の実施形態では、図15に示されるように、貫通基部264及び貫通先端266は、単一の部品として形成されてもよい。ソケット267は、送達チャネル213から貫通先端266に流体が流れることができるように、各送達チャネル213を対応する貫通先端266に流体的に結合するように構成されている。貫通基部264及び貫通先端266のうちの少なくとも1つは、生分解性であってもよい。例示的な実施形態では、接合端217は、GI管の内壁と接合し、かつ縦軸A1にほぼ平行であり、貫通先端266は、GI管壁を穿孔又は貫通し、かつ軸A1にほぼ垂直である。所定の時間が経過した後、貫通基部264及び/又は貫通先端266は、分解し、かつGI管から抜け出す。図示の実施形態では、貫通先端266は、皮下注射針の形状を有する。他の実施形態では、貫通先端266は、薬物500の送達における閉塞を回避するために、穿孔先端の下(例えば、貫通先端266の側面)に位置する流体出口を有する穿孔先端を備えてもよい。更に、各送達部材210は、マイクロニードルのアレイを含む、任意の数の貫通先端266を備えてもよい。
【0016】
別の実施形態では、接続端217は、GI管を通して流体を送達するための液体ジェット送達機構を含む。この実施形態では、貫通アセンブリ260(例えば、要素265)は、薬物送達のための貫通先端266を使用することなく、GI管を穿刺及び貫通するために、送達チャネル213から流体を高速で送達するノズル又はジェットとして形成される。この実施形態では、本明細書に記載のドライバ360を含む駆動機構300は、液体ジェットを駆動するのに好適な高い力で、薬物ハウジング400からの薬物500の送達を作動させる。
【0017】
再び図1~6を参照すると、図示の実施形態では、送達機構200の送達基部230及び送達部材210は、単一の一体型部品として構築される。図示の実施形態では、送達部材210及び送達基部230は弾力性であり、本明細書に記載するように、送達部材210が基部230に対して屈曲するように適合された剛性のばねのような特性を有する。例示的な実施形態では、送達機構200は、流体の送達に続いて腸内で溶解又は生分解するように適合されている。例示的な実施形態では、送達機構200は、生体吸収性/生分解性ポリマーなどのポリマーからなる。例示的なポリマーは、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、及びポリエチレングリコールを含んでもよいそれらのコポリマー及びブレンドを含む。他の実施形態では、送達機構200は、金属又は他の好適な材料からなってもよい。図13に示されるように、送達機構200は、代替的に、1つ以上の結合部材270を通して接続された複数の部品から構築されてもよい。図13の図示の実施形態では、結合部材270は、複数の送達部材210を送達基部230で一緒に結合する。更に、図示の実施形態では、結合部材270は、I字形コネクタである。他の実施形態では、結合部材270は、ファスナ、ねじ、スナップ、ピン、ステープル、又は任意の他の機械的結合手段であってもよい。結合部材270は、結合部材270の分解時に、送達機構200が別個の部分に破断するように、上記の生体吸収性/生分解性ポリマーを含む生分解性材料からなってもよい。送達部材210及び結合部材270は両方とも、生分解性材料からなってもよく、又は送達部材210及び結合部材270の一方のみが生分解性材料からなってもよい。他の実施形態では、送達機構200の任意の構成要素は、別個の部品として製造され、結合部材270を通して一緒に結合されてもよい。更に、送達機構200の構成要素は、接着剤、溶接、又は他の結合手段によって互いに結合されてもよい。
【0018】
再び図1~6を参照すると、薬物ハウジング400は、ハウジングカップリング450を通して、送達機構200と流体的に結合するように構成されている。薬物ハウジング400は、概して、液体又は他の流動可能な形態のある容量の薬物500を保持するように更に構成されている。例示的な実施形態では、薬物500は、例えばインスリンのようなペプチド又はタンパク質などの、標準的な経口送達及び消化によって摂取されたときに、典型的には有効性が低い化合物である。例示的な実施形態では、薬物500は、インスリン、インスリンリスプロ又はインスリングラルギンなどのインスリン類似体、インスリン誘導体、デュラグルチド又はリラグルチドなどのGLP-1受容体アゴニスト、グルカゴン、グルカゴン類似体、グルカゴン誘導体、胃抑制ポリペプチド(GIP)、GIP類似体、GIP誘導体、チルゼパチドなどの組み合わされたGIP/GLP-1アゴニスト、オキシントモジュリン類似体、オキシントモジュリン誘導体、治療用抗体、及び他の好適な治療薬を指すが、それに限定されない。薬物500はまた、ワクチン又は遺伝子ベースの薬物を含んでもよい。他の実施形態では、薬物500は、患者に投与される任意の生物学的に活性な化合物であってもよい。薬物ハウジング400は、ポリマー、金属、セラミック、結晶性固体、又は薬物500の容積を保持することができる任意の他の材料からなってもよい。
【0019】
図16~21を参照すると、薬物送達デバイス100の別の実施形態では、薬物ハウジング400と送達機構200との間で密封アセンブリを使用して、薬物500が送達機構200に導入される準備が整うまで、薬物ハウジング400内に薬物500を密封様式で保持してもよい。最初に図16~17を参照すると、一実施形態では、薬物ハウジング400は、当技術分野で知られている自動注射システムによって一般に利用された構成と同様に、針415によって穿孔されるように構成される隔壁420を備えてもよい。針415は、例えば、薬物送達デバイス100が図28~32に示されるように組み立てられるとき、薬物送達デバイス100のプライミングするステップにおいて、隔壁420を穿孔するように駆動され得る。針415はまた、薬物送達デバイス100が患者によって摂取された後、隔壁420を通して駆動されてもよい。例えば、針415は、カプセル110の分解の結果として、又は分解時に針415を駆動することができる追加の分解性又は力提供構成要素(図示せず)を含めることによって、駆動されてもよい。図示の実施形態では、隔壁420は、エラストマーであり、オーバーモールドによって薬物ハウジング400に結合される。他の実施形態では、隔壁420は、薬物ハウジング400内に薬物500を保持するのに好適であり、かつ針415によって穿孔することができる任意の材料からなってもよい。針415で隔壁420を穿孔すると、薬物ハウジング400の内部は、接続チャネル450を通して、送達機構200に流体的に結合され、薬物500が送達機構200に流入することを可能にする。
【0020】
図示の実施形態では、送達機構200は、送達基部230に結合され、かつ送達機構200をハウジング400に結合するように構成されたハウジングスリーブ233を備える。ハウジングスリーブ233は、ハウジング400の周りに完全に嵌合するスリーブであってもよく、又はいくつかの別個の部材を含んでもよい。ハウジングスリーブ233はまた、保持特徴231を備えてもよい。保持機構231は、隆起、バンプ、溝、又はハウジングスリーブ233をハウジング400上に保持するための他の手段であってもよい。ハウジング400はまた、保持機能231と接合する相補的な特徴を備えてもよい。更に、ハウジングスリーブ233及び/又はハウジング400に接着剤又は他の形態の結合剤を塗布して、ハウジングスリーブ233をハウジング400の周りに保持するのを助けることができる。
【0021】
ここで図18~19を参照すると、別の実施形態では、ハウジング400は、接続チャネル450の端に破断可能な膜430を備えてもよい。破断可能な膜430は、圧力の増加によって破断可能な膜430が破裂するか、さもなければ接続チャネル450を通る薬物500の通過を可能にするまで、薬物ハウジング400内に薬物500を保持するように構成されている。圧力の増加は、プランジャ340の駆動によって引き起こされてもよい。図示の実施形態では、ハウジング400は、ハウジングインターフェース425で送達基部230と接合する。ハウジングインターフェース425は、ハウジングスリーブ233がハウジング400と係合したときに、送達基部230に接触するように構成されている。ハウジングインターフェース425は、ハウジング400を送達機構200に結合するのを助けるために、接着剤又は他の結合剤でコーティングされてもよい。ハウジングインターフェース425はまた、隆起、バンプ、溝、又は送達基部230と接合するための他の保持特徴などの表面特徴を備えてもよい。そのような実施形態では、送達基部230は、相補的な表面特徴を備えてもよい。
【0022】
図20~21を参照すると、更に別の実施形態では、ハウジング400を閉鎖して成形して、意図的な脆弱点440を形成してもよい。脆弱点440は、上記のように破断可能な膜430と同様の方式で破裂して、薬物500がハウジングカップリング450を通過することを可能にし得る。破断可能な膜430及び/又は脆弱点440を備える実施形態は、図16~17に示される針415及び隔壁420の構成によって必要とされるプライミングする又は作動ステップを必要としない場合がある。
【0023】
駆動機構300は、薬物ハウジング400内に少なくとも部分的に嵌合するように構成され、また、薬物ハウジング400から送達機構200への薬物500の流れを作動させるように構成されている。駆動機構300は、ストッパ310と、プランジャ340と、キャップ330と、ドライバ360と、トリガ350と、を備え、かつ長手軸A1とほぼ同軸上に配置されている。キャップ330は、薬物ハウジング400内に薬物500を密封し、かつドライバ360を少なくとも部分的に封入する。プランジャ340は、ストッパ310に隣接するストッパ端342と、トリガ350に隣接するトリガ端344と、を含み、かつほぼ軸A1に沿って第1の装填位置から第2の送達位置まで移動可能である。プランジャ340のストッパ端342で、プランジャ340は、ストッパ310に結合される。別の実施形態では、プランジャ340はストッパ310に結合されていない。実施形態では、ストッパ310は、駆動機構300から分離され、かつ駆動機構300が薬物ハウジング400に結合される前に、薬物ハウジング400に挿入することができる。この分離は、ストッパ310のない駆動機構300を薬物ハウジング400及びストッパ310とは別個に組み立て又は製造をすることを可能にし、その結果、駆動機構を後で薬物ハウジング400に結合することができる。
【0024】
次に図9~10を参照すると、ストッパ310は、薬物ハウジング400内に薬物500を密封するように構成され、かつほぼ軸A1に沿って摺動可能である。第1の装填位置(図9参照)では、トリガ350は、トリガ端344とキャップ330との間に配置され、それによって、トリガ端344がキャップ330を通過するのを防止し、更にプランジャ340の移動を防止する。第1の装填位置では、ドライバ360は、ほぼハウジングカップリング450に向かってストッパ端部342に力を加える。図示の実施形態では、トリガ350は、分解性材料からなり、経時的に分解するように構成されている。トリガ350が分解し、かつトリガ端344とキャップ330との間の配置から除去されると、ドライバ360によってプランジャ340に加えられた力が、プランジャ340をほぼ軸A1に沿って第2の送達位置(図10参照)に移動させる。第1の位置から第2の位置に移動する際、プランジャ340及びストッパ310は、ほぼハウジングカップリング450に向かって移動し、それによって、薬物ハウジング400の利用可能な容積を減少させ、薬物500を薬物ハウジング400から送達機構200に押す。
【0025】
図示の実施形態では、ドライバ360は、ばねである。他の実施形態では、ドライバ360は、バルーン、ピストン、又はモータを含む、プランジャ340を第1の位置から第2の位置に移動させる力を送達することができる任意の部材であってもよい。図示の実施形態では、キャップ330の存在により、薬物送達デバイス100が作動され、薬物500が送達された後、ストッパ310、プランジャ340、及びドライバ360は全て、薬物ハウジング400内に留まる。この実施形態では、薬物ハウジング400内の駆動機構300の大部分の収容は、追加の潜在的に損傷を与える構成要素がGI管内に解放されることを防止し、代わりに、患者によって最終的に通過される比較的滑らかな薬物ハウジング400内に構成要素を保持する。
【0026】
ここで図22を参照すると、トリガ350は、内部352と、内縁353と、上面354と、少なくとも1つのベベル355と、を備える。ベベル355はまた、内縁353に沿った他の点に位置してもよく、内縁353の周りに完全に延在さえし得る。更に、上面354は、トリガ350の一部分又は全体で、内部352に向かって下向きに角度を付けられてもよい。プランジャ340は、トリガ350の内部352内に嵌合するように構成されている。ベベル355は、トリガ350の一般的な馬蹄形の形状と共に、ドライバ360からの力を、プランジャ340のトリガ端344を通して、トリガ350のより小さいエリアに向けるように構成されている。したがって、トリガ350は、トリガ350が中実のディスクである場合よりも容易に破断するように構成されている。更に、多くの生分解性材料は短時間で完全に溶解しないため、トリガ350の形状及びベベル355により、トリガ350は、分解の閾値レベルが発生した後に、スナップ又は破断することにより壊滅的に機能しなくなる。この構成は、トリガ350が閾値量を超えて分解すると、駆動機構300が比較的迅速に作動することを可能にする。
【0027】
図7~8を参照すると、薬物送達デバイス100は、第1の状態又は閉鎖状態(図7参照)から第2の状態又は開放状態(図8参照)に移動可能である。送達機構200の送達部材210は、柔軟な剛性及びばねのような特性を有するポリマーなどの弾性材料からなる。図示の実施形態では、送達部材210に力が作用していないとき、送達部材210の自然状態は開放状態である。ただし、送達部材210は、閉鎖状態に移動してもよく、その後、送達部材210の弾力性により、第2の状態に戻って、跳ね返るか、又は拡張することができる。閉鎖状態では、送達部材210は、カプセル110内に収容され、ほぼ軸A1と平行に横たわっている(図7を参照)。閉鎖状態では、送達部材210は、カプセル110の内部に半径方向外向きの力を加える。カプセル110が所定の点を超えて分解、溶解、又はさもなければ崩壊すると、送達部材210は、残りのカプセル110を通って破断し、軸A1から半径方向外向きに移動して開放状態に入ってもよい(図8参照)。
【0028】
薬物送達デバイス100が患者を治療するために使用されるときに、患者は、薬物送達デバイス100を経口受容し、薬物送達デバイス100は、患者のGI管を通って移動する。例示的な実施形態では、カプセル110は、薬物送達デバイス100の周囲の環境がpHを変化させるにつれて、例えば、酸性の胃を出て、比較的アルカリ性の小腸に入るときに分解する。カプセル110が上記の所定の点を超えて閾値量だけ分解すると、薬物送達機構200が、カプセル110を通って破断し、送達部材210が外側に延在する。患者のGI管内で、送達部材210が外側に延在するとき、接合端217は、GI管壁700とも称される患者のGI管の内部と接合する。貫通先端266は、GI管壁700を貫通し、それによって、薬物送達デバイス100を貫通点で壁700に固定する(図9参照)。接合端217は、貫通先端266が壁700を貫通するときに、壁面710と接合するように構成されている。液体ジェット送達を使用する実施形態では、壁700に対する送達部材210のばね力は、薬物を送達するのに十分な固定力を提供するように構成されてもよい。追加的又は代替的に、端部217は、液体ジェット送達中にデバイス100を把持し、かつ壁700に固定するための貫通先端又は隆起などの接合特徴を含んでもよい。
【0029】
薬物送達デバイス100がGI管壁700を貫通した後、トリガ350は、閾値を超えて分解し、ドライバ360がプランジャ340及びストッパ310を薬物ハウジング400内に駆動し、薬物500を送達機構200を通して(図10参照)、貫通先端266を介して壁700内に(図11参照)押すことを可能にする。薬物500が貫通先端266を通して患者に送達された後、貫通アセンブリ260は、分解する。貫通アセンブリ260が閾値を超えて分解した後、送達機構200は、破断するか、又は貫通アセンブリ260から解放され、GI管を通過する。上述のように、送達機構200の他の構成要素もまた、結合部材270の分解時にバラバラになり得る。いくつかの実施形態では、生分解性/生体吸収性ポリマー(本明細書に記載)で作られた送達機構200の構成要素はまた、薬物の送達に続いて分解及び溶解するように適合されている。
【0030】
図23を参照すると、薬物送達デバイス100の異なる構成要素の相対的な分解時間の描写が、1つの例示的な実施形態に従って示されている。図示の実施形態では、分解する第1の構成要素は、カプセル110であり、デバイス100の内部構成要素を曝露させ、デバイス100をばね開放し、かつデバイス自体をGI管内に位置決めすることを可能にする。次に分解する構成要素はトリガ350であり、それによって、送達機構300を作動させ、薬物500を患者に送達する。分解する次の構成要素は、送達部材210及び/又は結合部材270であり、それによって、薬物送達デバイス100がGI管の残りを通過し、かつ患者によって通過されることを可能にする。最後に、貫通アセンブリ260、又は貫通アセンブリ260内の特定の構成要素が、分解する。カプセル110及びトリガ350は両方とも、ほぼ分又は秒のスケールで分解する。送達部材210及び/又は結合部材270は、ほぼ数時間のスケールで分解する。貫通アセンブリ260又はその構成要素は、ほぼ数時間又は数日のスケールで分解する。薬物送達デバイス100の構成要素は、他の実施形態において、他の好適な時間スケールで分解するように設計されてもよい。
【0031】
例示的な実施形態では、送達機構200は、圧力調整器(図示せず)を備える。貫通先端266がGI管壁700を貫通すると、壁表面710に間隙圧力が生じる。薬物500がGI管壁表面710を横切って移動するために、ドライバ360は、薬物500が壁700を通って流れるように、間隙圧力よりも大きい圧力を薬物500内に生成しなければならない。圧力調整器は、薬物500が送達部材210を通って流れるように、ドライバ360が圧力閾値よりも大きい薬物500内の圧力を生成しなければならないように、各送達部材210の間隙圧力よりも大きい圧力閾値を設定する。したがって、貫通先端266のうちの1つ以上が壁700を貫通しない場合、壁700を貫通しなかった係合解除された貫通先端266は、依然として圧力調整器によって設定された圧力閾値を受けることになり、薬物500の一部分は、壁700を貫通した係合貫通先端266を通って依然として送達される。圧力調整器が存在しない場合、薬物500の大部分は、より少ない抵抗の経路を提供するため、壁700を貫通しなかった貫通先端266を通って逃げ出す。
【0032】
別の実施形態では、送達部材210のうちの1つだけが、送達チャネル213を収容してもよく、したがって、その1つの送達部材210だけが、薬物500を患者に送達することができる。他の送達部材210は、「ダミー」又は構造的送達部材210として機能するように構成されてもよく、薬物500を送達するための手段として機能することなく、GI管内に薬物送達デバイス100を固定するのを支援するために存在してもよい。薬物500が送達部材210を通って流れて、次いで貫通アセンブリ260を通って流れることはないため、構造的送達部材210は、貫通アセンブリ260を含まなくてもよい。構造送達部材210は、GI管壁700を把持するために、接合端217上に接合特徴(図示せず)を備えてもよい。そのような接合特徴は、隆起、突起、接着剤、又は他の把持/取り付け手段を含んでもよい。構造送達部材210はまた、マイクロニードル、パッチ、固体薬物堆積物、又は貫通することなく壁700を通して薬物又は他の活性剤の拡散を可能にする他の薬物送達手段を備えてもよい。
【0033】
図24~27を参照すると、送達機構200内の粘弾性クリープの可能性を低減するために、デバイスアセンブリ機構800が提供される。例示的な実施形態では、ユーザ又は患者は、薬物送達デバイス100を経口摂取する直前に、デバイスアセンブリ機構800を受容し、薬物送達デバイス100を組み立て得る。デバイスアセンブリ機構800は、アセンブリハウジング820と、アセンブリアクチュエータ810と、アクセスウィンドウ825と、回転部材850と、第1の駆動ロッド840と、第2の閉鎖ロッド845と、デバイス回収エリア830と、を備える。アセンブリアクチュエータ810は、一度に単一の薬物送達デバイス100のアセンブリを開始するために、ユーザによって押されるか、又はさもなければ作動されるように構成されている。図示の実施形態では、デバイスアセンブリ機構800には、いくつかの薬物送達デバイス100が装填されている。第1のカプセル部分104及び薬物送達デバイス100の内部構成要素(具体的には、送達機構200、駆動機構300、薬物ハウジング400、及び薬物500)は、回転部材850に保持され、第2のカプセル部分106は、アクチュエータ810に保持される。図示の実施形態では、アクセス窓825は、除去されて、デバイスアセンブリ機構800の追加の装填を可能にしてもよい。アセンブリアクチュエータ810が作動されると、第1の駆動ロッド840は、薬物送達デバイス100の内部構成要素を、第1のカプセル部分104内に駆動する。第1の駆動ロッド840はまた、第2のカプセル部分106を第1のカプセル部分104と接触させる。第2のカプセル部分106及び第1のカプセル部分104は、摩擦、溶接、接着剤、機械的締結具、又は他の結合手段によって結合されてもよい。カプセル110が薬物送達デバイス100の内部構成要素の周りに完全に形成されると、第2の閉鎖ロッド845は、薬物送達デバイス100を回転部材850から解放し、かつ薬物送達デバイスをデバイス回収エリア830に入らせる。このプロセスは、患者が各薬物送達デバイス100を経口摂取する前に繰り返されてもよい。
【0034】
図28~32を参照すると、デバイスアセンブリプロセスの例示的な実施形態が描写されている。薬物ハウジング400及び駆動機構300は、薬物駆動ユニット900において組み合わされ、かつ簡素化される。送達機構200は、第1のカプセル部分104内に押し、送達部材210が薬物駆動ユニット900を部分的に封止する閉鎖状態に入る。薬物駆動ユニット900は、薬物駆動ユニット900及び送達機構が流体的に結合されるように、送達機構200内に更に押される。次に、第2のカプセル部分106は、薬物駆動ユニット900及び送達機構200の上に押され、その後、第1のカプセル部分104に密封される。
【0035】
別の実施形態では、薬物送達デバイス100は、ワイヤレス受信機(図示せず)との間で信号を送信及び/又は受信するように構成されたワイヤレス通信デバイスを備えてもよい。ワイヤレス通信デバイスは、薬物送達デバイス100が摂取された後、患者内の生物学的情報を測定又は感知するように構成されてもよい。例えば、ワイヤレス受信機は、送達機構200が拡張したとき、又は薬物送達デバイス100の一部分が分解したときに、信号を送信してもよい。更に、ワイヤレス通信デバイスは、化学物質濃度、pH、温度、又は他の生物学的情報などの、GI管内の他の生物学的情報を測定/感知してもよい。ワイヤレス受信機は、治療を受けている患者によって、又は医師若しくは世話人などの別のユーザによって使用されてもよい。ワイヤレス通信デバイス及びワイヤレス受信機は、RFID、磁気音響、近距離通信、超音波、Bluetooth技術、又は他のワイヤレス通信手段を通して通信してもよい。
【0036】
本発明は例示的な設計を有するものとして記載されてきたが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で更に修正することができる。したがって、本出願は、本発明の一般的原理を用いた本発明の任意の変形、使用、又は適応を網羅することが意図される。更に、本出願は、本発明が関係し、添付の特許請求の範囲の制限内にある、当該技術分野で既知の又は慣習的な実施の範囲内に入るものとして、本開示からのそのような逸脱を網羅することを意図する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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図23
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図28
図29
図30
図31
図32
【手続補正書】
【提出日】2023-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイスであって、
患者の胃腸(GI)管内で分解するように構成されたカプセルと、
前記カプセル内の、かつ前記患者のGI管壁と接合するように構成された薬物送達機構であって、前記薬物送達機構が、複数の弾性アーム、複数の壁接合端、及び複数の薬物送達チャネルを備え、前記複数の壁接合端が、前記複数の薬物送達チャネルに流体的に結合されている、薬物送達機構と、
前記薬物送達機構に流体的に結合され、かつある容量の薬物を収容するように構成された薬物ハウジングと、
前記薬物ハウジングに結合された駆動機構であって、前記薬物ハウジング内に位置決めされたストッパ、トリガ、及びドライバを備え、前記薬物送達機構を介して、前記薬物の送達を作動させる、駆動機構と
を備える、薬物送達デバイス。
【請求項2】
前記カプセルが、患者の小腸に入った後に分解するように構成されている、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項3】
前記薬物送達機構は、前記カプセルが分解した後、閉鎖位置から開放位置に移行するように構成され、前記薬物送達機構が、半径方向外向きに拡張して、前記開放位置で、前記患者の前記GI管壁と接合する、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項4】
前記複数の壁接合端が、貫通先端を含み、前記貫通先端は、前記薬物送達機構が前記開放位置にあるときに、前記GI管壁を貫通するように構成されている、請求項3に記載の薬物送達デバイス。
【請求項5】
前記複数の壁接合端が、前記GI管壁を通して噴流として前記薬物を送達するように構成された少なくとも1つの液体ジェットを含む、請求項3に記載の薬物送達デバイス。
【請求項6】
前記トリガは、前記患者の前記胃腸管内で溶解可能であり、前記薬物送達機構が前記開放位置にある後に分解し、前記トリガが分解すると、前記駆動機構が作動する、請求項3に記載の薬物送達デバイス。
【請求項7】
前記壁接合端が、溶解性針構造である貫通先端を含み、前記溶解性針構造が、前記患者の前記GI管壁を穿孔し、かつ前記患者の前記胃腸管内で分解するように構成されている、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項8】
前記弾性アームが、複数の溶解性結合部材を通して一緒に結合され、前記溶解性結合部材が、前記患者の前記胃腸管内で分解するように構成されている、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項9】
チャネル膜を更に備え、前記複数の薬物送達チャネルの各々が、対応する弾性アーム内に形成され、前記チャネル膜が、前記複数の薬物送達チャネルの内部を前記患者の前記胃腸管から分離する、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項10】
前記薬物ハウジング内に膜を更に備え、前記膜は、前記膜が前記薬物ハウジング内に前記薬物を保持する密閉構成、及び前記膜が少なくとも部分的に開放して、前記薬物ハウジングから外への前記薬物の流れを許容する開放構成を含む、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項11】
前記薬物ハウジングに結合されたキャップを更に備え、前記キャップは、前記駆動機構が前記薬物ハウジングを出て前記GI管に入るのを阻止する、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項12】
前記駆動機構が前記薬物の送達を作動させた後、前記薬物送達機構の少なくとも1つの構成要素が分解する、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項13】
前記薬物送達機構が、複数の結合部材を更に備え、前記結合部材が、前記GI管内で分解するように構成されている、請求項12に記載の薬物送達デバイス。
【請求項14】
前記ストッパが、前記ドライバ及び前記トリガとは別個に、前記薬物ハウジングに結合される、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項15】
前記薬物送達機構が、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、及びポリカプロラクトンのうちの少なくとも1つを含む生分解性ポリマーからなる、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項16】
前記薬物ハウジング内に収容される前記薬物を更に含み、前記薬物が、ペプチド及びタンパク質のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項17】
請求項1に記載の薬物送達デバイスを組み立てるためのアセンブリシステムであって、
アセンブリシステムのハウジングと、
前記ハウジングに結合され、かつユーザによって作動されるように構成されたアセンブリアクチュエータと、
前記カプセルの第1の部分を保持するように構成された前記ハウジング内の回転部材と、
前記アセンブリアクチュエータが作動されると、前記カプセルの前記第1の部分内で、前記薬物送達機構、前記薬物ハウジング、及び前記駆動機構を少なくとも部分的に駆動するように構成された駆動ロッドと、
前記カプセルの第2の部分を前記カプセルの前記第1の部分に結合し、それによって、前記薬物送達機構、前記薬物ハウジング、及び前記駆動機構を完全に前記カプセル内に封入するように構成された閉鎖ロッドと
を備える、アセンブリシステム。
【請求項18】
薬物送達デバイスであって、
分解性カプセルと、
流体チャネルと、複数の薬物送達部材と、を備える、前記分解性カプセル内に位置する薬物送達機構と、
ある容量の薬物を保持するように構成された前記流体チャネルに流体的に結合された薬物ハウジングと、
前記薬物ハウジングに結合され、かつ前記薬物ハウジング内に少なくとも部分的に位置する駆動機構であって、前記駆動機構が、
前記薬物ハウジングを流体的に密閉するように構成された薬物ハウジングキャップと、
前記薬物ハウジング内で摺動可能な駆動ロッドと、
前記薬物と接合するように構成された前記駆動ロッドに結合された駆動ストッパと、
前記薬物ハウジングキャップ内の、かつ前記駆動ロッドに結合されたドライバと、
前記駆動ロッドを第1の位置に保持するように構成された溶解性トリガと、を備え、
前記ドライバは、前記溶解性トリガが分解したときに、前記駆動ロッドを前記第1の位置から第2の位置に押し、前記駆動ロッドが、前記第1の位置から前記第2の位置に移動すると、前記薬物送達機構を通して、前記薬物が解放される、薬物送達デバイス。
【請求項19】
前記分解性カプセルが、前記分解性カプセルを取り囲む環境でpH変化が生じた後に分解するように構成されている、請求項18に記載の薬物送達デバイス。
【請求項20】
前記複数の薬物送達部材の各々が、弾性アーム及び壁結合端を備え、前記壁結合端が、前記GI管壁を通して噴流として前記薬物を送達するように構成された少なくとも1つの液体ジェットを含む、請求項18に記載の薬物送達デバイス。
【請求項21】
前記複数の薬物送達部材の各々が、弾性アーム及び貫通先端を備え、前記貫通先端が、患者の小腸のGI管壁を貫通するように構成されている、請求項18に記載の薬物送達デバイス。
【請求項22】
前記貫通先端が、針及び分解性基部を備え、前記分解性基部が、前記弾性アームに結合され、前記針が、前記分解性基部に結合される、請求項21に記載の薬物送達デバイス。
【請求項23】
前記貫通先端が、分解性針を備え、前記分解性針が、前記患者の前記小腸の前記GI管壁を貫通した後に分解するように構成されている、請求項21に記載の薬物送達デバイス。
【請求項24】
前記溶解性トリガがベベルを備え、前記ベベルは、前記溶解性トリガが分解するにつれて、前記溶解性トリガの構造を弱めるように構成されている、請求項18に記載の薬物送達デバイス。
【請求項25】
前記流体チャネルが、前記薬物送達部材のうちの1つ内に位置し、前記薬物送達部材の残りが、構造的薬物送達部材であり、前記構造的薬物送達部材が、前記薬物送達デバイスを患者の胃腸管内に位置決めするように構成されている、請求項18に記載の薬物送達デバイス。
【請求項26】
ハウジングカプセルと、
前記ハウジングカプセル内の薬物送達機構であって、
患者の胃腸(GI)管の壁と接合するように構成された少なくとも1つの薬物送達部材と、
薬物が前記薬物送達部材を通って流れることを可能にするように構成された、前記少なくとも1つの薬物送達部材内の流体チャネルであって、前記流体チャネル内の流体抵抗が、前記胃腸管の前記壁との接合による間隙抵抗よりも大きい流体チャネルと、を備える、薬物送達機構と、
前記薬物送達機構に結合された薬物ハウジングと、
前記薬物ハウジングから前記薬物送達機構に前記薬物を駆動するように構成された駆動機構と、を備える、経口薬物送達デバイス。
【請求項27】
前記薬物送達機構が、第1の位置から第2の位置に移行するように構成された弾性ポリマーから少なくとも部分的になり、前記少なくとも1つの薬物送達部材は、前記薬物送達機構が前記第2の位置にあるときに、前記壁と接合するように構成されている、請求項26に記載の薬物送達デバイス。
【請求項28】
前記駆動機構が、溶解性トリガを備え、前記溶解性トリガは、前記薬物送達機構が前記ハウジングカプセルから少なくとも部分的に除去された後に分解するように構成されている、請求項26に記載の経口薬物送達デバイス。
【請求項29】
前記薬物送達機構が、前記胃腸管の前記壁内で拡張し、かつ前記薬物送達機構を固定するように構成されている、請求項26に記載の経口薬物送達デバイス。
【請求項30】
前記薬物ハウジングと前記送達機構との間に位置決めされた結合チャネルと、前記結合チャネル内の脆弱点と、を更に備え、前記脆弱点は、閾値圧力が前記脆弱点に加えられた後に破断するように構成されている、請求項26に記載の経口薬物送達デバイス。
【請求項31】
経口薬物送達デバイスであって、
生分解性カプセルと、
複数のアームと、
液体薬物と、を備え、
前記経口薬物送達デバイスは、
前記複数のアームが前記カプセル内に配設される閉鎖構成、
前記複数のアームが前記カプセルの分解時に、半径方向外向きに延在して患者に接触する、開放構成、
前記液体薬物が前記複数のアームを介して、前記患者に注入される送達構成、及び
前記複数のアームが前記患者から分離されて前記患者を通過する解放構成を有する、経口薬物送達デバイス。
【請求項32】
針及び隔壁を更に備え、前記経口薬物送達デバイスは、(1)前記針が前記隔壁に接触しない、プライミングされていない構成、及び(2)前記針が前記隔壁を穿孔する、プライミングされた構成を有する、請求項31に記載の経口薬物送達デバイス。
【請求項33】
前記カプセル内に位置決めされたトリガと、プランジャと、前記トリガ上のベベルと、を更に備え、前記経口薬物送達デバイスは、前記トリガが少なくとも部分的に分解し、前記プランジャが前記ベベルにわたって移動した後に、前記送達構成に移行する、請求項31に記載の経口薬物送達デバイス。
【国際調査報告】