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特表2023-541660炭酸塩燃料電池からの二酸化炭素生成
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-03
(54)【発明の名称】炭酸塩燃料電池からの二酸化炭素生成
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20230926BHJP
   H01M 8/04746 20160101ALI20230926BHJP
   H01M 8/04014 20160101ALI20230926BHJP
   H01M 8/0637 20160101ALI20230926BHJP
   H01M 8/0668 20160101ALI20230926BHJP
   H01M 8/04089 20160101ALI20230926BHJP
   H01M 8/14 20060101ALN20230926BHJP
【FI】
H01M8/04 N
H01M8/04746
H01M8/04014
H01M8/0637
H01M8/0668
H01M8/04089
H01M8/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517360
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(85)【翻訳文提出日】2023-04-26
(86)【国際出願番号】 US2021050521
(87)【国際公開番号】W WO2022060879
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】63/079,284
(32)【優先日】2020-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502197161
【氏名又は名称】フュエルセル エナジー, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】FUELCELL ENERGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レオ, アンソニー, ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ジョリー, ステファン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ジェイムス
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126BB05
5H127AA04
5H127AC04
5H127BA05
5H127BA33
5H127BA45
5H127BA56
5H127BB02
5H127BB28
5H127BB46
(57)【要約】
燃料電池システムは、複数の燃料電池を有する燃料電池スタックを含み、複数の燃料電池は各々、複数の燃料電極及び空気電極を含む。システムは、燃料電池スタックに接続された燃料受容ユニットを含み、燃料受容ユニットは、燃料供給部から炭化水素燃料を受容する。システムは、スリップストリームによって燃料電池スタックに流体的に結合された燃料排気処理ユニットを含み、燃料排気処理ユニットは、燃料電池スタックからの燃料排気を処理し、スリップストリームは、燃料電池スタックから流れる排気ストリームに流体的に接続されている。燃料処理ユニットは、スリップストリーム内の燃料排気から二酸化炭素(CO)の第1の部分を除去し、第1のストリームにおけるCOの第1の部分を出力し、スリップストリームにおける燃料排気から残っているCOの第2の部分を、水素を含む第2のストリーム内に出力する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池システムであって、
複数の燃料電池を含む燃料電池スタックであって、前記複数の燃料電池が各々、複数の燃料電極及び複数の空気電極を含む、燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタックに流体的に結合された燃料受容ユニットであって、燃料供給部から炭化水素燃料を受容するように構成された、燃料受容ユニットと、
スリップストリームによって前記燃料電池スタックに流体的に結合された燃料排気処理ユニットであって、前記燃料排気処理ユニットが、前記燃料電池スタックからの燃料排気を処理するように構成されており、前記スリップストリームが、前記燃料電池スタックから流れる排気ストリームに流体的に接続されている、燃料排気処理ユニットと、を備え、
前記燃料処理ユニットが、前記スリップストリーム内の燃料排気から二酸化炭素(CO)の第1の部分を除去し、かつ第1のストリームにおける前記COの第1の部分を出力するように構成されており、前記スリップストリームにおける前記燃料排気から残っているCOの第2の部分が、第2のストリーム内に出力され、前記第2のストリームは、水素を含む、燃料電池システム。
【請求項2】
前記第1の部分におけるCOの量を制御するための、前記燃料電池システムと通信しているコントローラを更に備える、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記コントローラが、前記燃料電池システムの動作状態に基づいて、前記第1の部分における前記COの量を予め決定するように構成されている、請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記コントローラが、CO需要に応答して、リアルタイムで、前記第1の部分における前記COの量を調整するように構成されている、請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記排気ストリームに接続された第1の流体経路と、前記第1の流体経路に流体的に結合された空気混ぜ合わせユニットと、を更に備え、前記燃料電池システムが、前記第1の流体経路からの燃料排気が、前記空気混ぜ合わせユニット内の周囲空気と混合されるように構成されている、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記空気混ぜ合わせユニット内で混合された燃料排気を含む混合物を前記複数の空気電極に供給するための第2の流体経路を更に備える、請求項5に記載の燃料電池システム。
【請求項7】
前記空気混ぜ合わせユニットが、前記混合物内の水素を反応させるように構成されているヒータを備える、請求項6に記載の燃料電池システム。
【請求項8】
炭素処理ユニットが、排気冷却コンポーネント及びCO分離コンポーネントを含み、前記排気冷却コンポーネントが、前記スリップストリームからの燃料排気を冷却し、かつ前記燃料排気から水を抽出するように構成されている、請求項7に記載の燃料電池システム。
【請求項9】
前記燃料排気処理ユニットが、液体形態の前記COの第1の部分を除去するように構成されている炭素処理ユニットを更に含む、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項10】
前記燃料電池システムから前記COの第1の部分を送り出すための複数の出口経路を更に備え、前記複数の出口経路の各々が、前記炭素処理ユニットに流体的に接続されている、請求項9に記載の燃料電池システム。
【請求項11】
前記複数の出口経路の各々が、前記COの第1の部分に関連付けられた所定の使用に対応する、請求項10に記載の燃料電池システム。
【請求項12】
前記スリップストリームにおける前記燃料排気の流れを制御するためのファン又はブロワを更に備える、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項13】
前記ファン又はブロワが、前記燃料電池システムの動作モード又はCOの需要のうちの少なくとも1つに基づいて、前記スリップストリームにおける前記燃料排気の前記流れを制御するように構成されている、請求項12に記載の燃料電池システム。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の燃料電池システムにおいて二酸化炭素を抽出する方法であって、
前記燃料排気処理ユニットによって、燃料排気の一部分を受容することであって、前記燃料排気の一部分が、前記スリップストリームから流れる、受容することと、
前記ファン又はブロワのうちの少なくとも1つによって、前記スリップストリーム内の前記燃料排気の流れを制御することと、
前記燃料排気処理ユニットによって、前記スリップストリーム内の燃料排気から前記COの第1の部分を除去することと、
前記燃料排気処理ユニットによって、前記第1のストリームにおける前記COの第1の部分、及び前記第2のストリームにおける前記COの第2の部分を出力することと、を含む、方法。
【請求項15】
前記燃料排気処理ユニットによって、前記COの第1の部分を送り出すことを更に含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年9月16日に出願された米国特許出願第63/079,284号の利益及び優先権を主張し、当該米国特許出願の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、概して、炭酸塩燃料電池からの二酸化炭素(CO)の抽出の分野に関し、より具体的には、炭酸塩燃料電池の内部処理ストリームからのCOの抽出に関する。
【0003】
一般に、溶融炭酸塩燃料電池は、高いCO濃度を有するガスの内部処理ストリームを生成し、このCO濃度は、CO消費及び希釈によって下流プロセスによって下げられる。そのような燃料電池は、燃料受容アノード、空気受容カソード、及び炭酸塩電解質を含む。燃料電池の動作中、炭化水素ベースの燃料(例えば、メタン)は、アノード側入口を通って供給され、燃料電池内で改質が起こり、H及びCOを生成し得る。次いで、生成されたHは、含有電解質からの炭酸塩イオンと反応し、追加のCO2を生成し得る。燃料電極を離れる、結果として生じるCO含有ガスは、空気供給物と混ぜ合わせられ、CO2が空気電極反応によって消費されるカソード側の入口を通って送られ得る。炭化水素(例えば、メタン)ベースの燃料(例えば、天然ガス又はバイオガス)のそのような使用中に、炭化水素の分子1つごとに、COの1つの分子が燃料電池から排出されるが、上記のように、追加のCO(例えば、COの追加の4分子)は、アノード(すなわち、燃料電極)によって生成され、その後、カソード(すなわち、空気電極)によって消費され得る。
【0004】
排気ストリーム、特に燃料排気ストリーム(すなわち、アノードからの排気)は、COの余剰を含み得るため、余剰分は、燃料電池システムでの消費が不可能であるか、又は適さない場合があり、したがって、最終的には、燃料電池システムから完全に排出され得る。したがって、過剰なCOは、燃料電池システムから放出され得、これは、潜在的に使用可能なCOを無駄にするだけでなく、過剰な排出にも寄与し得る。
【0005】
したがって、無駄及び排出物を削減するために、リサイクル、処理、又は他の再利用のために、COが豊富な燃料排出物からCOを抽出するための内部機構を組み込んだ燃料電池システムを提供することが有利であろう。
【発明の概要】
【0006】
本開示の一態様は、燃料電池システムに関する。システムは、複数の燃料電池を有する燃料電池スタックを含み、複数の燃料電池は、複数の燃料電極及び複数の空気電極を含む。システムは、燃料電池スタックに流体的に結合された燃料受容ユニットを更に含み、燃料受容ユニットは、燃料供給部から炭化水素燃料を受容するように構成されている。システムはまた、スリップストリームによって燃料電池スタックに流体的に結合された燃料排気処理ユニットを含み、燃料排気処理ユニットは、燃料電池スタックからの燃料排気を処理するように構成されており、スリップストリームは、燃料電池スタックから流れる排気ストリームに流体的に接続されている。燃料処理ユニットは、スリップストリーム内の燃料排気から二酸化炭素(CO)の第1の部分を除去し、かつ第1のストリームにおけるCOの第1の部分を出力するように構成されており、スリップストリームにおける燃料排気から残っているCOの第2の部分は、第2のストリーム内に出力され、第2ストリームは、水素を含む。
【0007】
様々な実施形態では、第1の部分におけるCOの量は、燃料電池システムと通信しているコントローラによって制御される。いくつかの実施形態では、第1の部分におけるCOの量は、燃料電池システムの動作状態に基づいて予め決定される。他の実施形態では、第1の部分におけるCOの量は、CO需要に応答してリアルタイムで調整される。更に他の実施形態では、第1の流体経路は、排気ストリームに接続されており、第1の流体経路は、空気混ぜ合わせユニットに流れ、第1の流体経路からの燃料排気は、空気混ぜ合わせユニット内の周囲空気と混合される。様々な実施形態では、空気混ぜ合わせユニット内で混合された燃料排気の混合物は、第2の流体経路を介して複数の空気電極に供給される。空気混ぜ合わせユニットがヒータを備えるいくつかの実施形態において、ヒータは、混合物内の水素を反応させるように構成されている。他の実施形態では、炭素処理ユニットは、排気冷却コンポーネント及びCO分離コンポーネントを含み、排気冷却コンポーネントは、スリップストリームからの燃料排気を冷却し、かつ燃料排気から水を抽出するように構成されている。
【0008】
更に別の実施形態では、燃料排気処理ユニットは、炭素処理ユニットを更に含み、炭素処理ユニットは、液体形態のCOの第1の部分を除去するように構成されている。いくつかの実施形態では、COの第1の部分は、複数の出口経路を介して燃料電池システムから送り出され、複数の出口経路の各々は、炭素処理ユニットに流体的に接続されている。様々な実施形態では、複数の出口経路の各々は、COの第1の部分に関連付けられた所定の使用に対応する。いくつかの実施形態では、スリップストリームにおける燃料排気の流れは、ファン又はブロワのうちの少なくとも1つによって制御される。他の実施形態では、流れは、燃料電池システムの動作モード又はCOの需要のうちの少なくとも1つに基づいて制御される。
【0009】
本開示の別の態様は、二酸化炭素を抽出する方法に関する。方法は、燃料排気処理ユニットによって燃料排気の一部分を受容することを含み、燃料排気の一部分は、燃料電池スタックから流れる排気ストリームに接続されたスリップストリームから流れる。方法はまた、ファン又はブロワのうちの少なくとも1つによって、スリップストリーム内の燃料排気の流れを制御することを含む。方法は、燃料排気処理ユニットによって、スリップストリーム内の燃料排気から二酸化炭素(CO)の第1の部分を除去することを更に含む。方法はまた、燃料排気処理ユニットによって、第1のストリームにおけるCOの第1の部分、及び第2のストリームにおけるCOの第2の部分を出力することを含み、第2の部分は、第1の部分が除去された後に残っているCOを含む。燃料電池スタックは、複数の燃料電池を含み、複数の燃料電池は、複数の燃料電極及び複数の空気電極を含む。
【0010】
様々な実施形態では、方法は、燃料排気処理ユニットによって、COの第1の部分を送り出すことを更に含む。
【0011】
前述の概要は、例解的であるにすぎず、いかなる形であれ限定することを意図するものではない。上記の例示的な態様、実施形態、及び特徴に加えて、更なる態様、実施形態、及び特徴は、以下の図面及び詳細な説明を参照することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示を構成する利点及び特徴、並びに本開示に提供される典型的な機構の構築及び動作の明確な概念は、本明細書に付随し、かつ本明細書の一部を形成する図面に例解される例示的な、したがって非限定的な実施形態を参照することによってより容易に明らかになり、ここで、同様の参照番号は、いくつかの図において同じ要素を指定し:
図1】例示的な実施形態による、炭酸塩燃料電池の略図である。
図2】例示的な実施形態による、炭酸塩燃料電池の斜視図である。
図3】例示的な実施形態による、炭酸塩燃料電池の略図である。
図4】例示的な実施形態による、炭素処理炭酸塩燃料電池システムの略図である。
図5】例示的な実施形態による、炭酸塩燃料電池システムの略図である。
図6】例示的な実施形態による、炭素処理炭酸塩燃料電池システムの略図である。
図7】例示的な実施形態による、炭素処理炭酸塩燃料電池システムの略図である。
図8】例示的な実施形態による、炭酸塩燃料電池システムのための炭素処理ユニットの略図である。
【0013】
本開示の前述の特徴及び他の特徴は、添付の図面と併せて、以下の説明及び添付の特許請求の範囲から明らかになる。これらの図面は、本開示に従っていくつかの実施形態のみを描写し、したがって、その範囲を限定するものとみなされるべきではないことを理解して、本開示は、添付の図面を使用することによって更なる特異性及び詳細とともに説明される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面を参照する。図面において、類似の記号は、文脈が別段指示しない限り、典型的には類似の構成要素を識別する。詳細な説明、図面、及び特許請求の範囲に記載される例示的な実施形態は、限定することを意図するものではない。本明細書に提示される主題の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用され得、他の変更が行われ得る。本明細書に概して記載され、図に例解される本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置、置換、組み合わせ、及び設計され得ることが容易に理解され、これらの全ては、明示的に企図され、本開示の一部にされる。
【0015】
本開示の一実施形態は、燃料供給部、空気供給部、及び可変負荷に流体的に結合された溶融炭酸塩燃料電池を有する燃料電池システムに関する。燃料電池は、燃料供給部から燃料電極(例えば、アノード)で燃料を受容し、空気供給部から空気電極(例えば、カソード)で空気を受容するように構成され得る。燃料電池システムは、炭素処理ユニットに流体的に結合され得る排気処理部分を更に含み得る。炭素処理ユニットは、燃料電極からの出口から燃料排気の少なくとも一部分を受容するように構成され得、炭素処理ユニットは、後の再利用、リサイクル、収集、又は燃料電池システムからの除去のために、受容された燃料排気から、炭素及び/又は二酸化炭素(CO)を抽出し得る。
【0016】
様々な実施形態では、排気処理部分は、燃料排気に接続された1つ以上の流体経路(例えば、スリップストリーム)を含み得、それを通って、COが豊富な燃料排気は、下流の再利用、リサイクル、収集、又は除去のために流れ得る。様々な実施形態では、排気処理部分は、対応する1つ以上の流体経路(例えば、スリップストリーム)を通る燃料排気の1つ以上の部分の流れを容易にするための循環デバイス(例えば、ファン、ブロワなど)を含み得る。様々な実施形態では、1つ以上の流体経路内に導かれた燃料排気の量(及びしたがって、COの量)は、循環デバイス(例えば、ファン、ブロワなど)によって制御され得る。様々な実施形態では、いくつかの流体経路は、1つ以上の制御可能なベント及び/又はバルブによって制御され得る。様々な実施形態では、1つ以上の流体経路及び/又はいくつかの1つ以上の流体経路に導かれた燃料排気の量は、燃料電池システムの動作モード(例えば、高効率、低排出、電力最大化など)に基づいて予め決定され得る。様々な実施形態では、1つ以上の流体経路及び/又はいくつかの1つ以上の流体経路に導かれた燃料排気の量は、所定の用途の必要性(例えば、食品での使用のための抽出、将来の化学試薬使用のための抽出など)に基づいて予め決定され得る。
【0017】
様々な実施形態では、炭素処理ユニットは、受容された燃料排気から、ある量のCOを制御可能に除去するように構成され得る。様々な実施形態では、炭素処理ユニットは、所定の用途の必要性(例えば、食品での使用のための抽出、将来の化学試薬使用のための抽出など)に基づいて、ある量のCOを除去するように構成され得る。様々な実施形態では、炭素処理ユニットは、COの、受容された燃料排気の1つ以上の部分からの分離を容易にするための、1つ以上のフィルタ、冷却及び/又は凝縮デバイス、膜などを含み得る。
【0018】
様々な実施形態では、燃料電池システムは、燃料電池及び流体的に結合されたコンポーネントの動作を制御し得るコントローラに動作可能に結合され得る。様々な実施形態では、コントローラは、燃料排気処理部分、炭素処理ユニット、及び/又は循環デバイスの動作を制御し得る。様々な実施形態では、コントローラは、燃料電池システムを1つ以上の所定のモードで動作させるように構成され得、燃料排気の量及び/又は抽出されたCO若しくは炭素の量は、1つ以上の所定のモードに基づいている。様々な実施形態では、1つ以上の所定のモードは、最大効率モード、最大電力モード、及び最小排出モードを含み得るが、これらに限定されない。
【0019】
一般に図を参照すると、炭酸塩燃料電池を有するCO生成燃料電池システムは、様々な例示的な実施形態による、燃料供給部、空気供給部、及び可変負荷に流体的に結合され得る。炭酸塩燃料電池は、燃料供給部から燃料電極(例えば、アノード)で燃料を受容し、空気供給部から空気電極(例えば、カソード)で空気を受容するように構成され得る。様々な実施形態では、燃料電池システムは、炭素処理ユニットに流体的に結合された排気処理部分を更に含み得る。炭素処理ユニットは、排気処理部分を介して、燃料電極からの出口から、燃料排気の少なくとも一部分を受容するように構成され得、炭素処理ユニットは、後の再利用、リサイクル、収集、又は燃料電池システムからの除去(以下「処理」)のために、受容された燃料排気から、炭素及び/又は二酸化炭素(CO)を抽出し得る。
【0020】
様々な実施形態では、排気処理部分は、燃料排気に接続された1つ以上の流体経路(例えば、スリップストリーム)を含み得、それを通って、COが豊富な燃料排気は、下流処理のために流れ得る。様々な実施形態では、排気処理部分は、対応する1つ以上の流体経路(例えば、スリップストリーム)を通る燃料排気の1つ以上の部分の流れを容易にするための循環デバイス(例えば、ファン、ブロワなど)を含み得る。様々な実施形態では、循環デバイスは、1つ以上の流体経路内に導かれた燃料排気の量(したがって、COの量)を制御するように構成され得る。様々な実施形態では、燃料排気処理部分は、1つ以上の流体経路に導かれた燃料排気の量を制御し得る、1つ以上のベント及び/又はバルブを含み得る。様々な実施形態では、1つ以上のベント及び/又はバルブは、排気処理部分内に存在するいくつかの流体経路を判定し得る。
【0021】
様々な実施形態では、排気処理部分内の1つ以上の流体経路及び/又はいくつかの1つ以上の流体経路に導かれた燃料排気の量は、燃料電池システムの動作モード(例えば、高効率、低排出、電力最大化など)に基づいて予め決定され得る。様々な実施形態では、排気処理部分における1つ以上の流体経路及び/又はいくつかの1つ以上の流体経路に導かれた燃料排気の量は、所定の用途の必要性(例えば、食品での使用のための抽出、将来の化学試薬使用のための抽出など)に基づいて予め決定され得る。様々な実施形態では、燃料電池システムの動作モードは、所定の用途の必要性に基づき得る。
【0022】
様々な実施形態では、炭素処理ユニットは、受容された燃料排気から、ある量のCOを制御可能に除去するように構成され得る。様々な実施形態では、炭素処理ユニットは、所定の用途の必要性(例えば、食品での使用のための抽出、将来の化学試薬使用のための抽出など)に基づいて、ある量のCOを除去するように構成され得る。様々な実施形態では、炭素処理ユニットは、COの、受容された燃料排気の1つ以上の部分からの分離を容易にするための、1つ以上のフィルタ、冷却及び/又は凝縮デバイス、膜などを含み得る。様々な実施形態では、除去されたCOの量は、燃料電池システムに供給される燃料の種類に基づき得る。様々な実施形態では、除去されたCOの量は、燃料電池システムに供給される燃料の量に基づき得る。
【0023】
様々な実施形態では、燃料電池システムは、燃料電池及び流体的に結合されたコンポーネントの動作を制御し得るコントローラに動作可能に結合され得る。様々な実施形態では、コントローラは、燃料排気処理部分、炭素処理ユニット、及び/又は循環デバイスを含むが、これらに限定されない、燃料電池システムの動作を制御し得る。様々な実施形態では、コントローラは、燃料電池システムを1つ以上の所定のモードで動作させるように構成され得、燃料排気の量及び/又は抽出されたCO若しくは炭素の量は、1つ以上の所定のモードに基づいている。様々な実施形態では、1つ以上の所定のモードは、最大効率モード、最大電力モード、及び最小排出モードを含み得るが、これらに限定されない。様々な実施形態において、コントローラは、燃料電池システムに供給される燃料の量を制御し得、それによって、燃料排気から抽出されるCOの量を制御し得る。
【0024】
ここで図に目を向け、特に図1を参照すると、例示的な実施形態による、CO生成燃料電池システム100の炭酸塩燃料電池10の略図が示されている。示されるように、燃料電池10は、アノード27に隣接するアノード側燃料通路15と、カソード25に隣接するカソード側空気通路20とを含み、アノード27及びカソード25は、炭酸イオンを有する電解質30によって分離されている。メタンなどの炭化水素燃料35は、アノード側燃料通路15に供給され得、燃料35は、改質が起こり、H及びCOを生成する。生成されたHは、その後、アノード15の表面で炭酸イオンと反応して、水及び追加のCOを生成し得る。示されるように、生成されたCOを含む、アノード側燃料通路15からの燃料排気40は、カソード側空気通路20上の入口に導かれ得る。燃料排気40は、入口においてカソード側空気通路20に供給される周囲空気45と混ぜ合わせられ得る。カソード側空気通路20内では、燃料排気及び周囲空気からのCO、及びOは、それぞれ、カソード25の表面において反応して、炭酸塩イオンを形成し得る。カソード25における過剰なCOは、その後、排気ストリーム47を介して燃料電池10から出て導かれ、排気ストリーム47は、更なる処理に導かれ得るか、又は放出され得る。
【0025】
図2は、例示的な実施形態による、燃料電池10の斜視図を示す。示されるように、炭化水素燃料35は、(例えば、アノード側燃料通路15を介して)アノード27に供給され得、周囲空気45は、(例えば、カソード側空気通路20を介して)カソード25に供給され得る。例解されるように、電解質30は、イオン移動及び交換を可能にするために、燃料電池10内に分散され得る。使用中、複数の燃料電池10が組み立てられて、燃料電池スタックを形成し得る。したがって、燃料電池10はまた、燃料電池10内の燃料35と周囲空気45との混合を防止し、かつスタック内の燃料電池10の各々の間で電流を伝導し得る、バイポーラプレート50を含み得る。したがって、図3に例解するように、アノード27での電気化学反応中に燃料電池10によって生成された電子は、可変負荷60への電流として提供され得、可変負荷60は、燃料電池10、又は複数の燃料電池10を含むスタックに結合され得る。
【0026】
図4は、例示的な実施形態による、CO生成燃料電池システム100の略図を示す。示されるように、燃料電池システム100は、1つ以上の可変負荷(例えば、可変負荷60に類似又は等価である)に電力107を提供するように構成され得る。燃料電池システム100は、複数の燃料電池(例えば、各々、燃料電池10に類似又は等価である)内に含まれる複数の燃料電極110(例えば、アノード)及び空気電極115(例えば、カソード)を含む燃料電池スタック105を含む。燃料電池スタック105は、燃料受容ユニット120、燃料排気処理ユニット125、及び空気混ぜ合わせユニット130に流体的に結合され得る。
【0027】
燃料受容ユニット120は、燃料供給部135を介して炭化水素燃料を受容して、燃料電池スタック105に提供するように構成され得る。様々な実施形態では、燃料供給部135からの燃料は、天然ガス、又はバイオガスなどの他の炭化水素燃料であり得る。受容された燃料は、水供給部140からの水によって加湿され、燃料経路145を介して燃料電極110に導かれ得る。燃料経路145を介して提供される燃料は、燃料電極110の表面で電気化学反応が起こり、CO、水、及びエネルギー(電子の形態で)を形成し得る。次いで、生成されたエネルギーは、結合された可変負荷(例えば、可変負荷60に類似又は等価である)への電力107として経時的に供給され得る。
【0028】
生成されたCO及び水は、燃料排気ストリーム150からスリップストリーム200を介して、燃料排気処理ユニット125に、燃料電極110から離れて導かれ得る。様々な実施形態では、燃料排気処理ユニット125は、受容された燃料排気を処理して、COの冷却、凝縮、乾燥、及び/又は除去を容易にするための1つ以上のコンポーネントを含み得る。様々な実施形態では、除去されたCOは、ストリーム210を通って送られ得る。様々な実施形態では、抽出されたCOの量は、1つ以上の使用用途に基づいて(例えば、燃料電池システム100と通信しているコントローラによって)制御され得る。様々な実施形態では、量は、CO需要に対応するようにリアルタイムで調整され得る。他の実施形態では、量は、燃料電池システム100のモード又は設定された動作状態に基づいて予め決定され得る。主に水素及び任意の除去されていないCOからなる、抽出されたスリップストリーム200からの残留ガスは、産業ガスとしての販売、低温燃料電池駆動輸送車両若しくは他の装置の燃料としての使用、及び/又は燃料排気ストリーム150へのリサイクルなど、水素の有益な使用を含み得るが、これらに限定されない、後の使用のためにストリーム246を通って送られ得る。次いで、ストリーム200に抽出されない燃料排気は、流体経路155(排気ストリーム150に流体的に接続されている)を通って空気混ぜ合わせユニット130に導かれ得、処理された燃料排気は、空気供給部160からの周囲空気と混合され得、流体経路165を介して空気電極115に供給され得る。処理された排気及び空気からの、酸素及びCOは、次いで、空気電極115の表面で電気化学反応が起こり、炭酸イオンを形成し得る。空気電極115からの残りのCOは、空気排気167を通って排出され、燃料受容ユニット120に導かれて、燃料加湿のための熱を提供し得、空気排気167からのCOは、流体経路145を通ってリサイクルされ得、及び/又はシステム排気169を介して燃料電池システム100から除去され得る。
【0029】
図5は、別の実施形態による、CO送り出しのために構成されていない燃料電池システム100の略図を示す。示されるように、燃料は、流体経路及び燃料受容ユニット120を介して、燃料供給部135から燃料電極110に提供され得る。様々な実施形態では、燃料受容ユニット120は、(例えば、水供給部140から受容される水を使用した)燃料供給部135及び/又は空気排気167から受容される燃料の加熱及び/又は加湿を容易にするための1つ以上のヒータ180を含み得る。したがって、燃料電極110に供給される燃料は、電気化学反応が起こり、電力出力107を通って可変負荷に経時的に提供され得るエネルギーを生成し得る。示されるように、生成されたエネルギーは、二次電力出力170を介して、1つ以上の電力変換及び/又は内部システム負荷、例えば、限定されないが、双方向電力インバータ、結合されたエネルギー貯蔵システムなどに追加的に供給され得る。
【0030】
COを含む燃料排気ストリーム150は、燃料電極110から空気混ぜ合わせユニット130に直接流れ得る。最後に、図5に示されるように、空気混ぜ合わせユニット130は、加熱された、反応した燃料排気と空気の混ぜ合わせが、流体経路165を介して空気電極115に循環され得るように、周囲空気供給部160から受容された空気と、流体経路155からの燃料排気中の残留水素を反応させて、熱を生成するように構成され得る、ヒータ175を含み得る。
【0031】
図6は、更に別の実施形態による、CO生成燃料電池システム100の略図を示す。示されるように、燃料排気ストリーム150は、スリップストリーム200が燃料排気ストリーム150の一部分を炭素処理ユニット205(すなわち、燃料排気処理ユニット125に含まれる)に運び得るように、燃料排気処理ユニット125内で分割され得る。燃料電極110での電気化学反応中のCO生成に起因する高いCO濃度を含むスリップストリーム200は、炭素処理ユニット205を通過し得、COは、気体又は液体形態で抽出され、後の処理のためにCO出口210を通って燃料電池システムから離れて導かれ得る。様々な実施形態では、スリップストリーム200を通る流れは、スリップストリーム管理システム215によって計測され得、これは、ブロワ及びファンを含むがこれらに限定されない1つ以上の循環デバイスを含み得る。スリップストリーム管理システム215は、燃料電池システム100と通信している1つ以上のコントローラによって制御され得る。いくつかの実施形態では、スリップストリーム200を通る燃料排気の流れは、1つ以上の使用用途に基づいている。様々な実施形態では、流れは、CO2需要に対応するようにリアルタイムで調整され得る。他の実施形態では、流れは、燃料電池システム100のモード又は設定された動作状態に基づいて予め決定され得る。様々な実施形態では、炭素処理ユニット205は、燃料排気スリップストリーム200からCOを抽出するように構成された、1つ以上のフィルタ、膜、冷却デバイス、及び/又は凝縮デバイスを含み得る。(例えば、スリップストリーム200から)COを抽出するための典型的な技術は、COを吸収し、かつ加熱によって再生され得る、液体、固体、及び/又は液体材料を介してCOを抽出するための、スリップストリーム200におけるガスの圧縮及び冷却を含み得るが、これらに限定されない。代替的に又は加えて、COが、選択的に通過する(他の構成要素は通過しない)ことを可能にする膜を(例えば、スリップストリーム200及び/又は炭素処理ユニット205内で)実装し得る。様々な実施形態では、抽出されたCOの量は、1つ以上の使用用途に基づいて制御され得る。COの抽出後、スリップストリーム200からの残留ガスは、ほとんどが水素に加えて、任意の抽出されていないCOを含有し得る。ストリーム246内のガスは、産業用ガスとしての販売、低温燃料電池駆動輸送車両又は他の装置の燃料としての使用、及び/又はストリーム155における処理へのリサイクルなど、水素の有益な使用のために送り出され得る。最後に、図6に示されるように、空気混ぜ合わせユニット130は、加熱された、反応した燃料排気と空気との混ぜ合わせが、流体経路165を介して空気電極115に循環され得るように、周囲空気供給部160から受容された空気と、流体経路155からの燃料排気中の残留水素を反応させて、熱を生成するように構成され得る、ヒータ175を含み得る。
【0032】
図7は、例示的な実施形態による、CO生成燃料電池システムの略図を示す。示されるように、炭素処理ユニット205は、燃料排気冷却コンポーネント220及びCO分離コンポーネント223を含み得る。様々な実施形態では、排気冷却コンポーネント220は、スリップストリーム200からの燃料排気を冷却して、水を収集及び除去するように構成され得、抽出された水は、水経路227を介してスリップストリーム200から離れるように導かれ得る。様々な実施形態では、水経路227内の水は、燃料電池システム100内で(例えば、水供給部140を介してなど)リサイクルされ、再利用され得る。様々な実施形態では、水経路227内の水は、燃料電池システム100から離れて導かれ、除去されて、水消費量を低減させるための近くの施設での使用などの有用な生成物ストリームとして水を提供し得る。燃料排気冷却コンポーネント220を通過したスリップストリーム200からの排気は、流体経路225を通ってCO分離コンポーネント223(1つ以上のコンデンサを含み得る)に流れ得、COは、CO出口210を介して排気から制御可能に抽出され、水消費量を低減させるための近くの施設での使用などの有用な生成物ストリームとして燃料電池システム100から送り出され得る。様々な実施形態では、抽出されたCOの量は、1つ以上の使用用途に基づいて制御され得る。COの抽出後、スリップストリーム200からの残留ガスは、ほとんどが水素に加えて、任意の抽出されていないCOを含有し得る。ストリーム246内のガスは、産業用ガスとしての販売、低温燃料電池駆動輸送車両若しくは他の装置の燃料としての使用、及び/又はストリーム155における処理へのリサイクルを含み得るが、それらに限定されない、水素の有益な使用のために送り出され得る。
【0033】
図8は、例示的な実施形態による、燃料排気処理ユニット125の略図を示す。示されるように、燃料排気処理ユニット125内の炭素処理ユニット205は、スリップストリーム200を通って燃料排気を受容し得る。燃料排気が炭素処理ユニット205内で処理された後、抽出されたCOは、炭素処理ユニット205に流体的に接続された複数のCO出口210を介して、燃料電池システム100から送り出され得る。示されるように、CO出口210は、複数の経路235、240、及び245を含み得、各経路は、抽出されたCOに関連する特定の又は所定の使用用途に合わせて導かれ得る。様々な実施形態では、抽出されたCOに関連する使用用途には、食品関連用途、医療関連用途、防火用途、及び化学試薬用途を含み得るが、これらに限定されない。様々な実施形態では、経路235、240、及び/又は245を通るCOの送り出しは、炭素処理ユニット内に配置された1つ以上のベント及び/又はバルブによって制御又は決定され得る。
【0034】
様々な実施形態では、燃料抽出ユニット125及び炭素処理ユニット205は、スリップストリーム200内の燃料排気の処理を制御するように構成され得るコントローラ250に動作可能に結合され得る。様々な実施形態では、コントローラ250は、スリップストリーム200内の燃料排気の量を制御し得る。様々な実施形態では、スリップストリーム200内の燃料排気の量は、燃料排気ストリーム150内の燃料排気の約0%~約40%の範囲であり得る。様々な実施形態では、スリップストリーム200から抽出されたCOの量は、コントローラ250によって制御され得る。様々な実施形態では、スリップストリーム200から抽出されるCOの量は、スリップストリーム200におけるCOの約0%~約95%の範囲であり得る。様々な実施形態では、いくつかのCO出口210は、コントローラ250によって決定され、制御され得る。
【0035】
様々な実施形態では、燃料電池システム100は、複数の予め定義されたモードで動作するように構成され得、予め定義されたモードは、コントローラ250によって決定され得る。様々な実施形態では、予め定義されたモードは、高効率モード、高電力モード、低排出モード、及び使用用途モードを含み得るが、これらに限定されない。様々な実施形態では、予め定義されたモードは、コントローラ250のユーザ又はオペレータによって決定及び/又は選択され得る。様々な実施形態では、スリップストリーム200における燃料排気の量は、予め定義されたモードに基づいて判定され得る。様々な実施形態では、スリップストリーム200からの送り出しのために抽出されるCOの量は、予め定義されたモードに基づき得る。様々な実施形態では、経路235、240、及び245を介したCOの送り出しは、予め定義されたモードに基づき得る。
【0036】
図6~8は、単一のスリップストリーム200を有する燃料電池システム100を示すが、燃料電池システム100の様々な実施形態は、任意の数のスリップストリーム200を含み得る。様々な実施形態では、燃料排気処理ユニット125は、スリップストリーム200(例えば、H、HOなど)内から追加の化合物を処理するように構成され得る。
【0037】
図1~8に上記した実施形態にもかかわらず、これらの実施形態に対する様々な修正及び包含物が、本開示の範囲内で企図及び考慮される。
【0038】
代表的な実施形態に示されるようなシステム及び方法の要素の構築及び配置が単に例示であることも理解されたい。本開示のいくつかの実施形態のみが詳細に説明されているが、本開示をレビューする当業者は、開示される主題の新規な教示及び利点から実質的に逸脱することなく、多くの修正(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状、及び比率の変化、パラメータの値、取り付け配置、材料の使用、色、配向など)が可能であることを容易に理解するであろう。
【0039】
したがって、そのような修正は全て、本開示の範囲内に含まれあることが意図される。任意のミーンズプラスファンクション条項は、列挙された機能を実行するものとして本明細書に記載される構造、及び構造的等価物だけでなく、同等の構造もカバーすることが意図される。他の置換、修正、変更、及び省略は、本開示の範囲又は添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、好ましい実施形態及び他の例示的な実施形態の設計、動作条件、及び配置において行われ得る。
【0040】
更に、上記の機能及び手順は、特定の機能及び手順を実行するように設計された特殊な装置によって実行され得る。機能はまた、機能及び手順に関連するコマンドを実行する汎用装置によって実行され得るか、又は各機能及び手順は、制御として機能する1つの装置を用いて、又は別個の制御デバイスを用いて、異なる装置によって実行され得る。
【0041】
本明細書で説明される主題は、異なる他のコンポーネント内に含まれるか、又は異なる他のコンポーネントに接続される異なるコンポーネントを例解することがある。そのような描写されたアーキテクチャは単なる例示であり、実際には、同じ機能性を達成する他の多くのアーキテクチャを実装することができることを理解されたい。概念的な意味で、同じ機能性を達成するためのコンポーネントの任意の配置は、所望の機能性が達成されるように効果的に「関連付けられる」。したがって、特定の機能性を達成するために本明細書で組み合わされた任意の2つのコンポーネントは、アーキテクチャ又は中間コンポーネントに関係なく、所望の機能性が達成されるように、互いに「関連付けられている」とみなすことができる。同様に、そのように関連付けられた任意の2つのコンポーネントは、所望の機能性を達成するために互いに「動作可能に接続された」か、又は「動作可能に結合された」と見ることもでき、そのように関連付けられることが可能な任意の2つのコンポーネントは、所望の機能性を達成するために互いに「動作可能に結合可能である」と見ることもできる。動作可能に結合可能な特定の例には、物理的に結合可能及び/又は物理的に相互作用するコンポーネント、及び/又は無線的に相互作用可能及び/又は無線的に相互作用するコンポーネント、及び/又は論理的に相互作用する及び/又は論理的に相互作用可能なコンポーネントが含まれるが、これらに限定されない。
【0042】
本明細書における実質的に任意の複数及び/又は単数の用語の使用に関して、当業者は、文脈及び/又は用途に適切であるように、複数から単数に、及び/又は単数から複数に解釈することができる。様々な単数/複数の置換は、明確性のために本明細書に明示的に示され得る。
【0043】
一般に、本明細書で使用される、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して、「オープン」用語として意図される(例えば、「含んでいる」という用語は、「含んでいるが、これらに限定されない」と解釈されるべきであり、「有する」という用語は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含む」という用語は、「含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきである)ことが当業者によって理解されるであろう。特定の数の導入されたクレーム記載が意図される場合、そのような意図が特許請求の範囲において明示的に列挙され、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが当業者によって更に理解されるであろう。例えば、理解の補助として、以下の添付の特許請求の範囲は、クレーム記載を導入するための、導入句「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」の使用を含み得る。しかしながら、同じクレームが、「1つ以上」又は「少なくとも1つ」という導入語句及び「a」又は「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、そのような語句の使用は、不定冠詞「a」又は「an」によるクレーム記載の導入が、そのような導入されたクレーム記載を含む任意の特定のクレームを、そのような記載を1つだけ含む発明に限定することを意味するように解釈されるべきではなく(例えば、「a」及び/又は「an」は、典型的には、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)、クレーム記載を導入するために使用される定冠詞の使用についても同じことが当てはまる。加えて、特定の数の導入されたクレーム記載が明示的に記載されていても、当業者は、そのような記載は、典型的には、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることを認識するであろう(例えば、他の修飾語句なしの「2つの記載」の単なる記載は、典型的には、少なくとも2つの記載、又は2つ以上の記載を意味する)。同様に、別段の指定がない限り、「に基づく」という語句は、限定的な方法で解釈されるべきではなく、したがって、「に少なくとも部分的に基づく」と理解されるべきである。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類似する慣例が使用される場合、概して、そのような構文は、当業者なら慣例を理解するであろうという意味で意図される(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、A単独、B単独、C単独、A及びBともに、A及びCともに、B及びCともに、並びに/又はA、B、及びCともになどを有するシステムを含むが、これらに限定されない)。「A、B、又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類似する慣例が使用される場合、概して、そのような構文は、当業者なら慣例を理解するであろうという意味で意図される(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、A単独、B単独、C単独、A及びBともに、A及びCともに、B及びCともに、並びに/又はA、B、及びCともになどを有するシステムを含むが、これらに限定されない)。本明細書、特許請求の範囲、又は図面に関わらず、2つ以上の代替用語を提示する実質的に任意の離接的な単語及び/又は語句は、用語のうちの1つ、用語のいずれか、又は両方の用語を含む可能性を考慮するように理解されるべきであることが当業者によって更に理解されるであろう。例えば、「A又はB」という語句は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解されるであろう。更に、特に断りのない限り、「約(approximate)」、「約(about)」、「約(around)」、「実質的に」という単語などの使用は、プラス10%又はマイナス10%を意味する。
【0044】
その上、図は、方法動作の特定の順序を示すが、動作の順序は、描写されるものとは異なる場合がある。また、2つ以上の動作が同時に又は部分的に同時に実行され得る。そのような変動は、選択されたソフトウェアシステム及びハードウェアシステム、並びに設計者の選択に依存するであろう。そのような全ての変形は、本開示の範囲内である。同様に、ソフトウェア実装は、様々な接続動作、処理動作、比較動作、及び決定動作を達成するために、ルールベースのロジック及び他のロジックを備えた標準的なプログラミング技術で達成することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-04-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池システムであって、
複数の燃料電池を含む燃料電池スタックであって、前記複数の燃料電池各々料電極及び気電極を含む、燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタックに流体的に結合された燃料受容ユニットであって、燃料供給部から炭化水素燃料を受容し、前記炭化水素燃料を前記燃料電池スタックの前記燃料電極に提供するように構成された、燃料受容ユニットと、
燃料排気を前記燃料電池スタックの前記燃料電極から受容するように構成された第1の流体経路と、
前記燃料排気の第1の部分を前記第1の流体経路から受容するように構成された第2の流体経路と、
前記燃料排気の第2の部分を前記第1の流体経路から受容するように構成された第3の流体経路と、
前記燃料排気の第1の部分を前記第2の流体経路から受容するよう構成され、かつ、二酸化炭素(CO )の第1の部分を前記燃料排気の第1の部分から液体形態で除去して、第1のストリームにおけるCO の前記第1の部分を出力して、CO と水素の第2の部分を含む前記燃料排気の前記第1の部分の残りを出力するように構成された炭素処理ユニットと、
前記燃料排気の前記第2の部分を前記第3の流体経路から受容するように構成され、かつ、前記燃料排気の前記第2の部分を空気と混ぜ合わせて、前記燃料排気の前記第2の部分と前記空気の混合物を前記燃料電池スタックの前記空気電極に提要するよう構成された空気混ぜ合わせユニットと、含む、燃料電池システム。
【請求項2】
前記炭素処理ユニットに提供される前記燃料排気の前記第1の部分の量を制御するための、前記燃料電池システムと通信しているコントローラを更に備える、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記コントローラが、前記燃料電池システムの動作状態に基づいて、前記炭素処理ユニットに提供される前記燃料排気の前記第1の部分の前記量を制御するように構成されている、請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記コントローラが、CO需要に応答して、リアルタイムで、前記炭素処理ユニットに提供される前記燃料排気の前記第1の部分の前記量を制御するように構成されている、請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記空気混ぜ合わせユニットが、前記混合物内の水素を反応させるように構成されているヒータを備える、請求項に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記炭素処理ユニットが、排気冷却コンポーネント及びCO分離コンポーネントを含み、前記排気冷却コンポーネントが、前記燃料排気の前記第1の部分を冷却し、かつ前記燃料排気の前記第1の部分から水を抽出するように構成されている、請求項に記載の燃料電池システム。
【請求項7】
前記燃料電池システムから前記COの第1の部分を送り出すための複数の出口経路を更に備え、前記複数の出口経路の各々が、前記炭素処理ユニットに流体的に接続されている、請求項に記載の燃料電池システム。
【請求項8】
前記複数の出口経路の各々が、前記COの第1の部分に関連付けられた所定の使用に対応する、請求項に記載の燃料電池システム。
【請求項9】
ファン又はブロワを更に備え、前記コントローラが、前記ファン又はブロワを制御して、前記炭素処理ユニットに提供される前記燃料排気の前記第1の部分の前記量を制御するように構成されている、請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項10】
ファン又はブロワを更に備え、前記コントローラが、前記ファン又はブロワを制御して、前記炭素処理ユニットに提供される前記燃料排気の前記第1の部分の前記量を制御するように構成されている、請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項11】
ファン又はブロワを更に備え、前記コントローラが、前記ファン又はブロワを制御して、前記炭素処理ユニットに提供される前記燃料排気の前記第1の部分の前記量を制御するように構成されている、請求項4に記載の燃料電池システム。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の燃料電池システムにおいて二酸化炭素を抽出する方法であって、
前記炭素処理ユニットによって、燃料排気の前記第1の部分を前記第2の流体経路から受容すること
循環デバイスによって、前記炭素処理ユニットへの前記燃料排気の前記第1の部分の流れを制御することと、
前記炭素処理ユニットによって、前記燃料排気の前記第1の部分から前記COの第1の部分を除去することと、
前記炭素処理ユニットによって、記COの第1の部分、及び記COの第2の部分と水素を含む前記燃料排気の前記第1の部分の残りを出力することと、を含む、方法。
【請求項13】
前記炭素処理ユニットによって、前記COの第1の部分を前記燃料電池システムから送り出すことを更に含む、請求項12に記載の方法。
【国際調査報告】