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特表2023-541679磁気流量計の複合フローチューブライナー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-03
(54)【発明の名称】磁気流量計の複合フローチューブライナー
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/58 20060101AFI20230926BHJP
【FI】
G01F1/58 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517917
(86)(22)【出願日】2021-04-15
(85)【翻訳文提出日】2023-03-22
(86)【国際出願番号】 US2021027497
(87)【国際公開番号】W WO2022060418
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】17/024,079
(32)【優先日】2020-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500205770
【氏名又は名称】マイクロ モーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ケルトゲン、ポール マイケル
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー、マイケル ジョン
【テーマコード(参考)】
2F035
【Fターム(参考)】
2F035BA04
(57)【要約】
複合フローチューブライナー(160)は、円筒状基材(172)及び内側層(170)を含む。円筒状基材(172)は複数の穿孔(174)を含み、磁気流量計(102)のフローチューブアセンブリ(120)内に取り付けられるように構成されている。内側層(170)はフルオロエラストマーを含み、基材(172)の内面を覆っている。内側層(170)は円筒状基材(172)の穿孔内へ延びており、これによってフルオロエラストマーは円筒状基材(172)に固定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気流量計のフローチューブアセンブリ用の複合フローチューブライナーであって、
複数の穿孔を有し、磁気流量計のフローチューブアセンブリ内に取り付けるように構成された円筒状基材を備え、
フルオロエラストマーを含み、前記円筒状基材の内面を覆う内側層を備え、前記内側層は前記円筒状基材の前記穿孔内へ延びており、これによって前記内側層が前記円筒状基材に固定される、
複合フローチューブライナー。
【請求項2】
前記円筒状基材がワイヤメッシュを含む、請求項1に記載の複合フローチューブライナー。
【請求項3】
前記穿孔が、円形、楕円形及び長方形からなる群から選択される形状を有する、請求項1に記載の複合フローチューブライナー。
【請求項4】
前記円筒状基材が、アルミニウム、ステンレス鋼、金、銅、チタン、クロム、タンタル、バナジウム、ニッケル及び金属酸化物からなる群から選択される金属を含む、請求項1に記載の複合フローチューブライナー。
【請求項5】
流体フローの流量を測定するために磁気流量計と共に使用するフローチューブアセンブリであって、
パイプ部と、
コイル電流を受け取り、前記パイプ部の内部を通って移動する流体フローに起電力(EMF)を誘導する磁場を前記パイプ部にわたって生じるように構成されたコイルと、
前記パイプ部の前記内部に固定された請求項1に記載の複合フローチューブライナーと、
を含むフローチューブアセンブリ。
【請求項6】
前記円筒状基材の外面が前記パイプ部の内面に結合されている、請求項5に記載のフローチューブアセンブリ。
【請求項7】
前記パイプ部は中心軸を含み、
前記複合フローチューブライナーは、前記パイプ部の外側に配置され、前記中心軸から離れるように延びる対向するフレア状端部を含む、
請求項5に記載のフローチューブアセンブリ。
【請求項8】
前記パイプ部の内側に露出した一対の電極をさらに備える、請求項5に記載のフローチューブアセンブリ。
【請求項9】
請求項8に記載の前記フローチューブアセンブリと、
前記コイル電流を生成するように構成された電力増幅器と、
前記電極によって感知された電圧を受信し、前記EMF及び前記流体フローの前記流量に比例する前記電極の間の電圧差を示すデジタル電圧信号を生成するように構成された信号プロセッサと、
前記デジタル電圧信号を処理して前記流体フローの流量を確立するように構成されたデジタルプロセッサと、
を備えた磁気流量計。
【請求項10】
磁気流量計のフローチューブアセンブリ用の複合フローチューブライナーの形成を含む方法であって、
複数の穿孔及び開放内部を含む円筒状基材を提供することを含み、
フルオロエラストマーを含むシートを前記円筒状基材の内部に挿入することを含み、
前記シートを前記円筒状基材の内面に押圧することを含み、前記シートの一部分は前記円筒状基材の前記穿孔内へ延びており、これによって前記フルオロエラストマーが前記円筒状基材に固定される、
前記方法。
【請求項11】
前記シートの前記フルオロエラストマーを完全に硬化させる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記フルオロエラストマーは未硬化であり、
前記方法が前記シートを加熱することを含み、
前記シートを前記円筒状基材の前記内面に押圧することが、加熱された前記シートを前記円筒状基材の前記内面に押圧することを含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記シートを加熱することが、前記フルオロエラストマーが流動するが硬化し始めない第1の温度に前記シートを加熱することを含み、
前記方法が、前記シートの押圧後に前記フルオロエラストマーを硬化させることを含み、前記硬化は、前記第1の温度よりも高い第2の温度に前記シートを加熱することを含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記シートを前記円筒状基材の前記内面に押圧することが、
前記円筒状基材の前記内部に成形用マンドレルを挿入すること、および、
前記シートの内面に抗するように前記成形用マンドレルを拡張し、これにより前記シートを前記円筒状基材の前記内面に押圧すること、
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
磁気流量計を形成することをさらに含み、前記磁気流量計を形成することが、
パイプ部と、
コイル電流を受け取り、前記パイプ部の内部を通って移動する流体フローに起電力(EMF)を誘導する磁場を前記パイプ部にわたって生じるように構成されたコイルと、を提供すること、および、
前記複合フローチューブライナーを前記パイプ部の前記内部に固定すること、
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記複合フローチューブライナーを前記パイプ部の前記内部に固定することが、前記シートを挿入して前記シートを押圧する前に前記円筒状基材の外面を前記パイプ部の内面に結合することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記パイプ部は中心軸を含み、
前記複合フローチューブライナーを前記パイプ部の前記内部に固定することが、前記パイプ部の外側に配置された前記複合フローチューブライナーの対向する端部を前記中心軸から離れるようにフレア状に広げることを含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項18】
磁気流量計のフローチューブアセンブリ用の複合フローチューブライナーの形成を含む方法であって、
複数の穿孔、ならびに第1の表面及び第2の表面を含む基材シートを提供することを含み、
フルオロエラストマーを含むライナーシートを前記基材シートの前記第1の表面の上に適用することを含み、
前記ライナーシートを前記基材シートの前記第1の表面に押圧することを含み、前記ライナーシートの一部分は前記基材シートの前記穿孔内へ延びており、これによって前記ライナーシートが前記基材シートに固定されて複合ライナーシートが形成され、
前記複合ライナーシートをシリンダーに成形することを含み、前記基材シートの前記第2の表面が前記シリンダーの外側を形成する、
方法。
【請求項19】
前記ライナーシートの前記フルオロエラストマーは完全に硬化される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記フルオロエラストマーは未硬化であり、
前記方法が前記ライナーシートを加熱することを含み、
前記ライナーシートを前記基材シートの前記第1の表面に押圧することが、加熱された前記ライナーシートを前記基材シートの前記第1の表面に押圧することを含む、
請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記ライナーシートを加熱することが、前記フルオロエラストマーが流動するが硬化し始めない第1の温度に前記ライナーシートを加熱することを含み、
前記方法が、前記ライナーシートの押圧後に前記フルオロエラストマーを硬化させることを含み、前記硬化は、前記第1の温度よりも高い第2の温度に前記ライナーシートを加熱することを含む、
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
磁気流量計を形成することをさらに含み、前記磁気流量計を形成することが、
パイプ部と、
コイル電流を受け取り、前記パイプ部の内部を通って移動する流体フローに起電力(EMF)を誘導する磁場を前記パイプ部にわたって生じるように構成されたコイルと、を提供すること、および、
前記複合フローチューブライナーを前記パイプ部の前記内部に固定すること、
を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記パイプ部は中心軸を含み、
前記複合フローチューブライナーを前記パイプ部の前記内部に固定することが、前記パイプ部の外側に配置された前記複合フローチューブライナーの対向する端部を前記中心軸から離れるようにフレア状に広げることを含む、
請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は磁気流量計に関し、より詳細には磁気流量計と共に使用するフローチューブライナーに関する。
【背景技術】
【0002】
精密で正確な流量制御は、バルク流体処理、食品・飲料の調製、化学・医薬品、水・空気の分配、炭化水素の抽出及び処理、環境制御、ならびに熱可塑性樹脂、薄膜、接着剤、樹脂及び他の流体材料を利用する様々な製造技術など、広範囲の流体処理用途に不可欠である。各々の特定の用途に使用される流量測定技術は、関連する流体や関連するプロセスの圧力、温度及び流量に依存する。
【0003】
例示的な流量測定技術としては、機械的回転の関数として流量を測定するタービン装置、ベルヌーイ効果や流量制限にわたる圧力低下の関数として流量を測定するピトーセンサ及び差圧装置、振動効果の関数として流量を測定する渦及びコリオリ装置、ならびに熱伝導率の関数として流量を測定する質量流量計が挙げられる。磁気流量計は、機械的又は熱力学的な効果よりもむしろ電磁的な相互作用に依存するファラデーの法則に基づいて流量を特徴づけることにより、これらの技術とは区別される。特に、磁気流量計は、プロセス流体の導電率と、流体が磁場の領域を通って流れる際に誘導される起電力(EMF)に依存する。
【0004】
従来の磁気流量計は、センサ部、送信器部及びフローチューブアセンブリを含む。測定される流体のフローは、フローチューブアセンブリのパイプ部を通って移動する。一対の電極が、このフローに接触するように配置されている。これらの電極は非導電性のライナーを通って延びており、ライナーは流体をパイプ部から電気的に絶縁し、流体が電極とパイプ部との間に短絡を形成するのを防止する。
【0005】
送信器部は、センサ部のコイルに電流を流し、パイプ部及びフローにわたって磁場を生成する電流発生器を含む。磁場は、フローの速度に比例するフローにわたってEMF又は電位差(電圧)を誘導する。磁気流量計は電極を用いて電圧差を測定し、測定された電圧差に基づいてフローの流量を決定する。
【0006】
従来のライナーは、プロセス流体と相溶性のポリマーで形成されている。ゴムライナーをフローチューブアセンブリのパイプ部分の内径及びフランジ面に接着結合し、次に加硫して取り付けを完了することができる。
【0007】
FKMのようなフルオロエラストマーは耐薬品性及び耐熱性が高いため、フルオロエラストマーはフローチューブライナーの形成に使用するための望ましい候補となる。残念ながら、これらの材料を用いたフローチューブライナーの製造には課題がある。例えば、フルオロエラストマーは、加硫時と、完全に硬化する前にしか結合することができない。しかしながら、フローチューブアセンブリの熱質量はフルオロエラストマーの効率的な接着結合及び加硫を妨げる。したがって、フローチューブアセンブリにフルオロエラストマーライナーを用いることの利点は未だ実現されていない。
【発明の概要】
【0008】
本開示の実施形態は、磁気流量計のフローチューブアセンブリ用の複合フローチューブライナー、複合フローチューブライナーを含む磁気フローチューブアセンブリ、及び複合フローチューブライナーの形成方法に関する。複合フローチューブライナーの一実施形態は、円筒状基材及び内側層を含む。円筒状基材は複数の穿孔を含み、磁気流量計のフローチューブアセンブリ内に取り付けられるように構成されている。内側層はフルオロエラストマーを含み、基材の内面を覆っている。内側層は円筒状基材の穿孔内へ延びており、これによってフルオロエラストマーは円筒状基材に固定される。
【0009】
一実施形態において、フローチューブアセンブリは、パイプ部と、コイル電流を受け取り、パイプ部にわたって磁場を生じるように構成されたコイルとを含む。磁場は、パイプ部の内部を通って移動する流体のフローに起電力(EMF)を誘導する。複合フローチューブライナーは、パイプ部の内部に固定されている。
【0010】
磁気流量計のフローチューブアセンブリ用複合フローチューブライナーの形成方法の一実施形態において、複数の穿孔及び開放内部を含む円筒状基材を提供する。フルオロエラストマーを含むシートを円筒状基材の内部に挿入する。シートを円筒状基材の内面に押圧してシートの一部分が円筒状基材の穿孔内へ延びるようにすることで、フルオロエラストマーを円筒状基材に固定する。
【0011】
本方法の別の実施形態によれば、複数の穿孔、ならびに第1及び第2の表面を有する基材シートが提供される。フルオロエラストマーを含むライナーシートを、基材シートの第1の表面の上に適用する。ライナーシートを基材シートの第1の表面に押圧してライナーシートの一部分が基材シートの穿孔内へ延びるようにすることで、ライナーシートを基材シートに固定し、複合ライナーシートを形成する。複合ライナーシートはシリンダーに成形される。基材シートの第2の表面は円筒の外側を形成する。
【0012】
本概要は、発明を実施するための形態においてさらに後述する概念の選択を簡略化して紹介するために提供される。本概要は、特許請求される主題の主要な特徴や本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を決定する際の助けになるものとして使用されることを意図するものでもない。特許請求される主題は、背景技術において言及されたいずれかの欠点又は全ての欠点を解決する実施態様に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の実施形態による工業プロセス測定システムの一例の簡略図である。
図2】本開示の実施形態による磁気流量計の例の概略図である。
図3】本開示の実施形態による磁気流量計の例の簡易断面図である。
図4】本開示の実施形態による図3の4-4線に沿った複合フローチューブライナーの簡易断面図である。
図5】本開示の実施形態による図3のフローチューブアセンブリの簡易側面図である。
図6A】本開示の実施形態による複合ライナーの円筒状基材の一部の簡易側面図である。
図6B】本開示の実施形態による複合ライナーの円筒状基材の一部の簡易側面図である。
図6C】本開示の実施形態による複合ライナーの円筒状基材の一部の簡易側面図である。
図6】本開示の実施形態による方法のフローチャートである。
図7】本開示の実施形態による複合フローチューブライナーの形成方法を示すフローチャートである。
図8】本開示の実施形態による、図7の方法の種々の段階におけるフローチューブライナーの簡易側断面図である。
図9】本開示の実施形態による、図7の方法の種々の段階におけるフローチューブライナーの簡易側断面図である。
図10】本開示の実施形態による、図7の方法の種々の段階におけるフローチューブライナーの簡易側断面図である。
図11】本開示の実施形態による、図7の方法の種々の段階におけるフローチューブライナーの簡易側断面図である。
図12】本開示の実施形態による複合フローチューブライナーのフローチューブアセンブリへの取り付けを示す簡易側断面図である。
図13】本開示の実施形態による複合フローチューブライナーのフローチューブアセンブリへの取り付けを示す簡易側断面図である。
図14】本開示の実施形態による複合フローチューブライナーの形成方法を示すフローチャートである。
図15】本開示の実施形態による、図14の方法の種々の段階におけるフローチューブライナーの簡易側断面図である。
図16】本開示の実施形態による、図14の方法の種々の段階におけるフローチューブライナーの簡易側断面図である。
図17】本開示の実施形態による、図14の方法の種々の段階におけるフローチューブライナーの簡易側断面図である。
図18】本開示の実施形態による、図14の方法の種々の段階におけるフローチューブライナーの簡易側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の図面を参照しながら本開示の実施形態をより完全に説明する。同一又は類似の参照符号を用いて識別される要素は、同一又は類似の要素を指している。しかしながら、本開示の種々の実施形態は多くの異なる形態で実施可能であり、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるように、これらの実施形態が提供される。
【0015】
以下の説明では、実施形態を十分に理解するために具体的な内容を説明する。しかしながら、これらの具体的な内容がなくても実施形態を実施できることが当業者によって理解される。たとえば、不必要な詳述で実施形態を不明瞭にすることを避けるために、回路、システム、ネットワーク、プロセス、フレーム、サポート、コネクタ、モータ、プロセッサ及び他の構成要素は図示しないか、又はブロック図の形態で示さない場合がある。
【0016】
図1は、本開示の実施形態による例示的な工業プロセス測定システム100の簡略図である。システム100を材料(例えばプロセス媒体)の処理に使用して、材料をより価値のない状態から医薬品、化学薬品、紙、食品などより価値のある有用な製品に変えることができる。例えば、原油をガソリン、燃料油及び他の石油化学製品に加工することのできる工業プロセスを実施する石油精製所でシステム100を使用することができる。
【0017】
システム100は、例えばパイプ部106を通るようなプロセス流体フロー104の流量を感知するように構成された磁気流量計102を含む。磁気流量計102はセンサ部108及び送信器(transmitter)110を含む。センサ部108は一般に、流体フロー104の流量を測定又は感知するように構成されている。送信器110は一般に、センサ部108を制御して流量を測定し、必要に応じて、システム100の制御室114など、流量計102から離れて位置することのできるコンピュータ制御ユニットなどの外部計算装置112に測定された流量を伝えるように構成されている。
【0018】
送信器110は、適切なプロセス制御ループを介して外部計算装置112と通信することができる。いくつかの実施形態において、プロセス制御ループは、2線式制御ループ116などの物理的な通信リンク又はワイヤレス通信リンクを含む。外部計算装置112と送信器部との間の通信は、従来のアナログ及び/又はデジタル通信プロトコルに従って、制御ループ116を介して実行することが可能である。いくつかの実施形態において、2線式制御ループ116は4~20ミリアンペアの制御ループを含み、この制御ループでは、2線式制御ループ116を通って流れるループ電流Iのレベルによってプロセス変数を表すことができる。例示的なデジタル通信プロトコルは、HART(登録商標)通信規格などに従った、2線式制御ループ116のアナログ電流レベルへのデジタル信号の変調を含む。Foundation Fieldbus、Profibus及びModbus通信プロトコルを含む、他の純粋なデジタル技術を使用することもできる。プロセス制御ループの例示的な無線バージョンは、例えばWirelessHART(登録商標)(IEC 62591)もしくはISA 100.11a(IEC 62734)などの無線メッシュネットワークプロトコル、又はWiFi、LoRa、Sigfox、BLEもしくは任意の他の適切なプロトコルなどの別の無線通信プロトコルを含む。
【0019】
AC電源又はDC電源などの任意の適切な電源から電力を磁気流量計102に供給することができる。例えば、制御ループ116を通って流れるループ電流Iにより、電力を磁気流量計102に完全に供給することができる。内部又は外部バッテリなど、1つ以上の電源を利用して磁気流量計102に電力を供給することもできる。また、発電機(例えばソーラーパネル、風力発電機など)を使用して磁気流量計102に電力を供給したり、磁気流量計102によって使用される電源を充電したりすることもできる。
【0020】
送信器110は、センサ部108を収容するハウジングなど、センサ部108に直接取り付けられてもよいし、送信器110はセンサ部108から離れて(例えば10~1000フィート)位置していてもよい。送信器110がセンサ部108から離れて位置する場合、送信器110とセンサ部108との間の電気接続を1つ以上の接続ケーブル又は伝送線118によって提供することができ、接続ケーブル又は伝送線118を、ケーブル、ワイヤ、データバス、制御バス、又は電気及びデータ通信のための他の適切な接続によって形成することができる。
【0021】
図2は、本開示の実施形態による磁気流量計102の簡略図である。センサ部108はパイプ部122を有するフローチューブアセンブリ120を含むことができ、流体フロー104はこのパイプ部122を通って移動する。また、フローチューブアセンブリ120は、電極124A及び124Bなどの電極124を有するEMFセンサ123を含み、フローチューブアセンブリ120は、コイル126A及び/又は126Bなど1つ以上のフィールドコイル又はコイルワイヤ126を含む。電極124A及び124B、ならびにコイル126A及び126Bを、それぞれ図2に示すようにパイプ部122の互いに対向する側に配置することができる。
【0022】
デジタルプロセッサ130は、非一時的で特許適格性のあるメモリ又はコンピュータ可読媒体に記憶することのできる命令の実行に応答して、本明細書で説明する1つ以上の機能を実行するように磁気流量計102の構成要素を制御する1つ以上のプロセッサを表すことができる。いくつかの実施形態において、デジタルプロセッサ130は、磁気流量計102の動作設定値に基づいて電流発生器132に制御信号を提供し、例えばコイル126を介して方向を交互に変える直流電流パルス(例えば方形波電流パルス)を含むコイル電流Iを生成する。他のタイプの交流コイル電流を使用することも可能である。
【0023】
いくつかの実施形態において、電流発生器132はコントローラ140及び電力増幅器142を含む。コントローラ140は、デジタルプロセッサ130からの制御信号に応答して、及び/又は、コントローラ140によって表される非一時的で特許適格性のあるメモリ又はコンピュータ可読媒体に記憶することのできる命令の実行に応答してなど、本明細書で説明する1つ以上の機能を実行するように電力増幅器142の構成要素を制御する1つ以上のプロセッサを表すことができる。
【0024】
コントローラ140は、磁気流量計102の設定値レベルに基づいてコイル電流Iを生成するように電力増幅部142を制御する。コントローラ140は、電流サンプリング回路143からコイル電流Iの電流レベル測定値をフィードバックとして周期的に受信し、正確な流量測定のために必要な磁気流量計102の設定値レベルに合わせるためにコイル電流Iの調節が必要かどうかを決定することができる。
【0025】
電流サンプリング回路143は任意の適切な形態をとることができる。例えば、電流サンプリング回路143は、例えば図2に示す位置におけるコイル電流Iに関連する電圧を感知し、サンプリングされた電圧をアナログ-デジタル変換器を用いてデジタル信号に変換するように動作し、このデジタル信号を、例えば測定電流値としてコントローラ140に提示することができる。コントローラ140は、コイル電流Iの電流レベルを磁気流量計102の動作設定値によって指示される設定値電流レベルに合わせるために、測定された電流レベルに基づいてコイル電流Iを調整することができる。
【0026】
コイル電流Iは、図1及び図2に示す伝送路118などの好適な電気接続を介してフローチューブアセンブリ120のフィールドコイル126A及び/又は126Bに送られる。これにより、コイル126A及び/又は126Bは、所望の励起周波数で方向を変える磁場をパイプ部122にわたって生成する。パイプ部122の内部144を通って移動するプロセス流体フロー104は、ファラデーの電磁誘導の法則に従って流体中にEMFを誘導する移動導体として機能する。導電性プロセス流体への容量性結合、又は導電性プロセス流体への直接的な電気結合を提供する電極構成要素を含むことができる電極124A及び124Bは、流体フロー104に存在する電圧をピックアップする。電極124A及び124Bにおける電圧の差は、流体フロー104の流量に比例する。
【0027】
送信器110の信号プロセッサ128は電極124A及び124Bに接続されている。フローチューブアセンブリ120を、パイプ部122、パイプ部122の上流もしくは下流のフランジもしくはパイプ部、又は別の適切な接地接続部に電気的に接地することができる。デジタルプロセッサ130は、電極124Aと124Bとの間の電圧差をサンプリングし、測定された電圧差を任意の好適な技術を用いてデジタルプロセッサ130に提供するように信号プロセッサ128を制御する。このことは、例えば、アナログ差動電圧信号をデジタル値に変換し、これをデジタルプロセッサ130に供給することを含みうる。デジタルプロセッサ130は、測定された差動電圧のさらなる信号処理を実行して、プロセス流体フロー104の流量の流量測定を確立することができる。測定された流量は、前述の有線又は無線通信プロトコルのうちの1つを介してなど、通信インターフェース146を使用して計算装置112に伝達されることが可能である。
【0028】
図3は、本開示の実施形態による磁気流量計102の一例の簡易断面図である。いくつかの実施形態において、磁気流量計102は送信器ハウジング150を含み、これは、信号プロセッサ128、デジタルプロセッサ130、通信インターフェース146、コントローラ140、電力増幅器142及び/又は他の構成要素など、送信器110を形成する回路を含むことができる。磁気コンパートメント152はフローチューブアセンブリ120のパイプ部122を囲み、1つ以上のフィールドコイル126、電極124及び/又は他の構成要素を含むことができる。前述のように、フィールドコイル126、例えばフィールドコイル126A及び126Bは、パイプ部122の外側(例えば、パイプ部122の上方及び下方)で互いに対向して配置されることが可能である。
【0029】
本明細書に記載の1つ以上の実施形態に従って形成されるフローチューブアセンブリ120の複合フローチューブライナー160は、流体フロー104が通って移動する内部144からパイプ部122を封止する。電極124は、パイプ部122から電気的に絶縁されつつ、パイプ部122のトンネル162を通って延びることができる。電極124、及び/又は電極124への電気接続部は、ライナー160の開口164を通って内部144へ延び、流体フロー104と接触することができる。開口164は、図2の開口164A及び164Bによって示すようにライナー160の両側に配置されてもよい。ライナー160は、例えば、参照電極など追加の電極124を収容するために必要に応じて追加の開口164を含むことができる。ライナー160は、開口164において電極124を封止し、パイプ部122への流体の侵入を防止することができる。
【0030】
複合フローチューブライナー160の実施形態は、プロセス流体のフロー104に対する高耐薬品性を提供するフルオロエラストマーの層を含む。また、複合フローチューブライナー160のフルオロエラストマー層は、動作時のプロセス流体のパイプ部122への浸透を保護する。これにより、磁気流量計102を動作不能にする流体フロー104、パイプ部122、及び電極124A又は124B間の短絡の形成から磁気流量計102が保護される。
【0031】
図4及び図5はそれぞれ、本開示の実施形態による図3の複合フローチューブライナー160の4-4線に沿った簡易断面図と図3のライナー160の簡易側面図である。図示される特徴は一定の縮尺で示されていない。いくつかの実施形態において、複合フローチューブライナー160は、パイプ部の内部144を実質的に取り囲み、プロセス流体フロー104を収容する開放内部168を有する複合(例えば多層)円筒壁166を含む。壁166は、内側層170と、ライナー160の外側層を形成することのできる円筒状基材172とを含む。一実施形態において、内側層170は円筒状基材に直接取り付けられる。あるいは、ライナー160の実施形態は、内側層170、又は内側層170の一部と円筒状基材172との間に配置された1つ以上の中間層(図示せず)を含むことができる。
【0032】
いくつかの実施形態において、内側層170は、米国材料試験協会(ASTM)の規格D1418によって定義されたフルオロエラストマー材料のファミリーであるFKMなどのフルオロエラストマー、又は別の好適なフルオロエラストマーを含む。フルオロエラストマー内側層170は、プロセス流体フロー104(図1)に対する電気絶縁性及び耐薬品性を提供する。
【0033】
フルオロエラストマーは内側層170のほぼ100重量%(例えば、少なくとも98重量%)を形成することができる。あるいは、フルオロエラストマーは、体積又は重量で、内側層170の少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%、及び少なくとも95%を形成してもよい。
【0034】
円筒状基材172を金属で形成することができる。金属は、基材172のほぼ全部(例えば、90体積%又は重量%を超える)を形成することができる。金属としては、アルミニウム、ステンレス、金、銅、チタン、クロム、タンタル、バナジウム、ニッケル及び金属酸化物が挙げられる。
【0035】
本明細書に記載の技術のうちの1つ以上を用いて、フルオロエラストマー内側層170を円筒形基材172の内側173に結合することができる。いくつかの実施形態において、円筒状基材172は、フルオロエラストマー内側層170を円筒状基材172の内側173に結合することを容易にする複数の穿孔174を有する。
【0036】
穿孔174は様々な形状をとることができる。一実施形態において、穿孔174は図5に示すようにほぼ円形である。図6A図6Cは、本開示の実施形態による円筒状基材172の一部の簡易側面図である。いくつかの実施形態において、穿孔174は、図6Aに示すような楕円形、又は図6Bに示すような矩形を有することができる。いくつかの実施形態において、円筒状基材172は、図6Cに示すように、ワイヤメッシュ176を貫通する開口によって画定された穿孔174を有するワイヤメッシュ176から形成される。
【0037】
より詳細に後述するように、フルオロエラストマー内側層170を円筒状基材の内側173に押圧することで、フルオロエラストマー内側層170の一部が円筒状基材172の穿孔174内へ少なくとも部分的に延びることができる。この構成で、熱を用いてフルオロエラストマー内側層170を硬化してフルオロエラストマーの内側層170を円筒状基材172に固定的に結合し、複合フローチューブライナー160を形成することができる。
【0038】
任意の好適な技術を使用して、円筒状基材172の外面178をパイプ部122の内部144内に固定することができる。後述するように、このことは、図3に示すように外面178をパイプ部の内面180に結合(例えば、接着結合又は溶接)すること、及び/又は複合フローチューブライナー160の端部182をフレア状に広げることを含むことができる。
【0039】
図7は、本開示の実施形態による複合フローチューブライナー160の形成方法を示すフローチャートである。図8図11は、本開示の実施形態による、図7の方法の種々の段階におけるフローチューブライナー160の簡易側断面図である。
【0040】
この方法のステップ184において、図8に示すような複数の穿孔174及び開放内部185を有する円筒状基材172が提供される。いくつかの実施形態において、円筒状基材172はフローチューブアセンブリ120から分離されていてもよく、フローチューブアセンブリ120のパイプ部122に取り付けられる前にフローチューブライナー160の製造を完了するようにこの方法の残りのステップを実行する。あるいは、この方法の後述する残りのステップを実施する前に、任意の好適な技術(例えば、接着、溶接、フレア状端部182など)を用いて、円筒状基材172をフローチューブアセンブリ120のパイプ部122内に固定する。
【0041】
この方法の186において、未硬化フルオロエラストマーを含む1つ以上のライナーシート187(以下、「シート」)を円筒状基材172の内部185に挿入する。シート187は内側層170に相当する。図9に示すように、円筒状基材172の内側173を覆うようにシート187を円形に巻くことができる。
【0042】
188において、シート187を円筒状基材172の内面173に押圧する。この方法のステップは、任意の好適な技術を用いて実行可能である。一実施形態では、図10に示すように、成形用マンドレル(mandrel)190をシート187の内側192に挿入する。次に、図11に示すように、マンドレル190を拡張し、シート187を内面173に対して半径方向に押圧して内側層170を形成し、押圧ステップ188を完了する。
【0043】
押圧ステップ188の前、最中及び/又は後にシート187を加熱することができる。一実施形態において、まず、シート187内のフルオロエラストマーが流動するが硬化し始めない流動温度(例えば、約120℃(248°F)の温度)にシート187を加熱する。これにより、フルオロエラストマーに展性があり(malleable)、押圧ステップ188の間に、図4及び図11に示すように、穿孔174を充填するか又は穿孔174内へ少なくとも部分的に延びることが確実になる。
【0044】
シート187のこの加熱は、b190を加熱することによって、及び/又は好適な加熱デバイスを用いてシート187及び/又は円筒状基材172に直接熱を加えることによって実行可能である。円筒状基材172がステップ188の間にフローチューブアセンブリ120のパイプ部122内に固定されると、シート187が基材172の内側に収容されて表面173に押圧されている間にパイプ部122を加熱し、円筒状基材172及びシート187を流動温度まで加熱することができる。
【0045】
押圧ステップ188の後、図4に示すように、円筒状基材172の穿孔内へ少なくとも部分的に延びる部分を有する押圧シート187又は内側層170を流動温度よりも高い硬化温度(例えば、約140~176℃(284~350°F)の温度範囲)に加熱して、フルオロエラストマーシート187又は内側層170をその押圧位置で完全に硬化させることができる。次いで、内側層170及び円筒状基材172から形成された複合壁166を冷却することができる。これにより、内側層170が円筒状基材に結合され、いくつかの実施形態に従って、複合フローチューブライナー160の形成を完了することができる。
【0046】
完成したフローチューブライナー160がフローチューブアセンブリ120から分離している場合、種々の技術を用いてこれをフローチューブアセンブリ120のパイプ部122内に固定することができる。いくつかの実施形態において、パイプ部122は中心軸193を含み、フローチューブライナー160は、図12に示すように、中心軸193とほぼ同心になるようにパイプ部122内に挿入される。次いで、図3及び図13に示すように、円筒状基材172の外面178をパイプ部122の内面180に接着又は溶接すること、及び/又はフローチューブライナー160の端部182をフレア状に広げることなど、任意の好適な技法を用いてフローチューブライナー160をパイプ部122内に固定することができる。
【0047】
フローチューブライナー160の端部182は、図3及び図13に示すように、端部182が中心軸193から離れて延びるように好適なチューブフレア加工ツールを用いてフレア状に広げることが可能である。パイプ部122に取り付けられたフランジ194と、パイプ部122に隣接するパイプ部のフランジとの間でフレア状端部182を挟むことができ、これらの端部から、図1に示すパイプ部106などのパイプ部122によって流体フロー104を受けて排出することができる。いくつかの実施形態によると、これによってフローチューブライナー160がパイプ部122内に固定され、フローチューブアセンブリの形成を完了することができる。
【0048】
図14は、本開示の実施形態による複合フローチューブライナー160の形成方法を示すフローチャートである。図15図18は、本開示の実施形態による、図14の方法の種々の段階におけるフローチューブライナー160の簡易側断面図である。
【0049】
この方法の200において、図15に示すように、複数の穿孔204、第1の表面206及び対向する第2の表面208を有する基材シート202を提供する。基材シート202は、前述の1つ以上の実施形態に従って複合フローチューブライナー160の円筒状基材172を形成するために使用される。穿孔204は、第1の表面206から第2の表面208まで延び、前述の穿孔174の実施形態に従って形成されることが可能である。
【0050】
この方法の210において、図16に示すように、FKMなどのフルオロエラストマーを含むライナーシート212を基材シート202の表面206の上に適用する。ライナーシート212は、前述の1つ以上の実施形態に従って複合フローチューブライナー160の内側層170を形成するために使用される。
【0051】
この方法の214において、ライナーシート212を次いで図17に示すように表面206に押圧する。ライナーシート212は、プレート、ローラー又は他の好適な構成要素を用いて表面206に押圧されてもよい。これにより、ライナーシート212の一部が穿孔204内へ延びる。これによってライナーシート212は基材シート202に固定され、図18に示す複合ライナーシート216が形成される。
【0052】
この方法の218において、複合ライナーシート216をシリンダー(円筒)状に成形して複合フローチューブライナー160(図4及び図5)を形成する。ここで、基材シート202は基材シリンダー172を形成し、ライナーシート212は内側層170を形成する。したがって、基材シート202の第2の表面208は円筒状基材172の外面178に相当する。いくつかの実施形態では、シート216をシリンダー状に巻く前に複合ライナーシート216を所望のサイズに切断してもよい。シート216から複数の部分を切断することができるような十分な大きさで複合ライナーシート216を形成してもよく、各部分は複合フローチューブライナー160を形成するために使用される。
【0053】
いくつかの実施形態では、シート216をシリンダー状に巻き、好適な技術を用いて基材シート202の隣接する端部を一緒に固定し、後でフローチューブアセンブリ120のパイプ部122内に取り付けるために構成されるフローチューブライナー160を形成する。全ての継ぎ目がシート212によって封止されていることを確実にするために、シート212に熱を加えてもよい。
【0054】
あるいは、複合ライナーシート216をシリンダー状に巻いてパイプ部122に挿入し、パイプ部122に固定又は結合して、例えば図3に示すようなフローチューブライナー160及びフローチューブアセンブリ120を形成することができる。一実施形態では、基材シリンダー172の外面178に相当する表面208を、好適な接着剤を用いてパイプ部122の内面180に接着してもよく、及び/又は、端部182をフレア状に広げて複合シート216から形成されたフローチューブライナー160をパイプ部122に固定してもよい。
【0055】
この方法のいくつかの実施形態において、ライナーシート212は未硬化フルオロエラストマーを含み、この方法は押圧ステップ214の前、最中及び/又は後にライナーシート212を加熱することを含む。一実施形態では、押圧ステップ214の前又は間に、フルオロエラストマーの展性があるか又はフルオロエラストマーが流動する流動温度にライナーシート212を加熱する。これにより、押圧プロセス214の間にライナーシート212の一部が基材シート202の穿孔204内へ延びることが強化される。この加熱、そして押圧プロセス214は、複合ライナーシート216、又は複合ライナーシート216を用いて形成されたフローチューブライナー160をフローチューブアセンブリのパイプ部122に取り付ける前か又は取り付けた後に完了することができる。いくつかの実施形態において、流動温度は、ライナーシート212のフルオロエラストマーが硬化する硬化温度よりも低い。
【0056】
複合ライナーシート216の成形後、ライナーシート212を少なくともフルオロエラストマーの硬化温度に加熱してライナーシート216を硬化させることができる。これは、複合ライナーシート216、又は複合ライナーシート216を用いて形成されたフローチューブライナー160をフローチューブアセンブリのパイプ部122に取り付ける前か又は取り付けた後に完了することができる。
【0057】
好ましい実施形態を参照して本開示の実施形態を説明したが、当業者は、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく形態及び詳細の変更が可能であることを認識するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】