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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-03
(54)【発明の名称】呼吸補助装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/00 20060101AFI20230926BHJP
   A61M 16/16 20060101ALN20230926BHJP
【FI】
A61M16/00 305A
A61M16/16 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518090
(86)(22)【出願日】2021-09-21
(85)【翻訳文提出日】2023-05-18
(86)【国際出願番号】 IB2021058563
(87)【国際公開番号】W WO2022058982
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】63/081,230
(32)【優先日】2020-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
3.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】518329918
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
【氏名又は名称原語表記】FISHER & PAYKEL HEALTHCARE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペイリス、マリク ティヴァンカ ラジヴ
(72)【発明者】
【氏名】ウィソスキ、シメイ ゴメス
(57)【要約】
バブルCPAP治療などの呼吸治療を提供するための呼吸補助装置は、流量発生器と、ガス流路と、圧力調整器と、ガス特徴センサとコントローラとを含む。装置のコントローラは、測定流量及び/又は圧力波形からの少なくとも1つの波形特性に基づいて、圧力調整器内のバブリングの存在を検出するように構成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸治療を提供するための呼吸補助装置であって、
流量発生器であって、前記流量発生器は、ガス流を吸気導管に目標流量で提供するように構成される、流量発生器と、
少なくとも1つのガス特徴センサであって、前記少なくとも1つのガス特徴センサは、ガス流路内の前記ガスの流量及び/又は圧力を測定するように構成され、
前記ガス流路は、患者インターフェースに連結するように構成された前記吸気導管、及び患者インターフェースに連結するように構成された呼気導管、並びに圧力調整器を少なくとも含み、前記圧力調整器は、その中に前記呼気導管の端部を浸す液体の柱を備えたチャンバを含む、少なくとも1つのガス特徴センサと、
コントローラであって、前記コントローラは、
前記測定流量及び/又は圧力の波形に基づいて、少なくとも1つの波形特性を判定し、
前記少なくとも1つの波形特性に基づいて、前記圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかを判定するように構成される、コントローラとを含む、呼吸補助装置。
【請求項2】
バブリングが起きているかどうかの判定は、前記圧力調整器内のバブリングを示す前記波形の圧力及び/又は流れ振動を判定することに基づく、請求項1に記載の呼吸補助装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記圧力調整器内でバブリングが起きているどうかをディスプレイ上に表示するように構成される、請求項1又は2に記載の呼吸補助装置。
【請求項4】
前記コントローラは、前記圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかに基づいて、警報を発生するように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項5】
前記コントローラは、前記圧力調整器内でバブリングが起きていないと判定した場合に、前記警報を発生するように構成される、請求項4に記載の呼吸補助装置。
【請求項6】
前記コントローラは、一定期間にわたって起きているバブリング時間の百分率が、閾値未満である、又は一定期間にわたって起きていないバブリング時間の百分率が閾値を超えると判定した場合に、前記警報を発生するように構成される、請求項4又は5に記載の呼吸補助装置。
【請求項7】
前記警報は、
可聴警報、
可視警報の1つ又は複数を含む、請求項4~6のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項8】
前記装置は、ディスプレイを含み、任意選択で前記ディスプレイは、タッチスクリーン及び/又は1つ若しくは複数の機械入力デバイスの1つ或いは複数を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項9】
前記コントローラは、前記圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかに基づいて、呼吸治療モードを自動的に選択する、請求項1~8のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項10】
前記呼吸治療モードは、バブルCPAP治療モード及び高流治療モードを含む、請求項8に記載の呼吸補助装置。
【請求項11】
バブリングの検出は、前記装置が非バブルCPAPモードで作動中に常に又は断続的に起きる、請求項1~10のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項12】
前記コントローラは、バブリングが非バブルCPAPモードで検出された時に、警報を発生するように構成される、請求項1~11のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項13】
バブリングが起きているかどうかの前記判定は、関連した閾値を超える少なくとも1つの波形特性に基づく、請求項1~12のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項14】
バブリングが起きているかどうかの前記判定は、モデルに基づき、前記モデルは各波形特性に関連した1つ又は複数の波形特性因子を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項15】
前記モデルは回帰モデルである、請求項14に記載の呼吸補助装置。
【請求項16】
前記圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかの前記判定は、一定期間にわたる、請求項1~15のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つの波形特性は、
前記波形の振幅、
前記波形の正のピークの間の距離、
前記波形の連続する正のピークと負のピークとの間の前記振幅差の大きさの1つ若しくは複数を含み、又は基づく、請求項1~16のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの波形特性は、少なくとも1つの振幅特性を含み、前記振幅特性は、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、前記波形の前記正のピークの前記振幅の平均、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、前記波形の前記正のピークの前記振幅の標準偏差の1つ又は複数を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つの波形特性は、少なくとも1つのピーク距離特性を含み、前記ピーク距離特性は、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、前記波形の正のピークの間の平均距離、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、前記波形の正のピークの間の前記距離の標準偏差の1つ又は複数を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項20】
前記少なくとも1つの波形特性は、少なくとも1つのピーク差特性を含み、前記ピーク差特性は、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、前記波形の連続した正のピークと負のピークとの間の前記振幅差の大きさの平均、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、前記波形の連続した正のピークと負のピークとの間の前記振幅差の大きさの標準偏差の1つ又は複数を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項21】
前記コントローラは、ハイパス及び/又はローパスフィルタを流量若しくは圧力及び/又は前記波形の測定値に適用するように構成される、請求項1~20のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項22】
前記波形は、1つ又は複数のタイムウィンドウに分割するように構成され、任意選択でバブリングが起きているかどうかの前記判定は、各タイムウィンドウに対して行われる、請求項1~21のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項23】
各タイムウィンドウは、前のタイムウィンドウ、及び/又は次のタイムウィンドウと重なる、請求項22に記載の呼吸補助装置。
【請求項24】
前記少なくとも1つのガス特徴センサは、
前記呼吸補助装置内、任意選択で前記ガス発生器内、
患者インターフェース内、
前記圧力調整器内、
前記吸気導管及び/又は呼気導管内の1つ又は複数に置かれる、請求項1~23のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項25】
前記少なくとも1つのガス特徴センサは、前記ガス流路内に置かれる、請求項1~24のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項26】
前記流量発生器は、ガス流を吸気導管に目標流量で提供するように構成される、請求項1~25のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項27】
前記コントローラは、前記ガス流路内の前記ガスの前記流量及び/又は圧力の前記測定値に基づいて、波形を判定するように構成される、請求項1~26のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項28】
前記液体は、水又は生理食塩水である、請求項1~27のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項29】
前記コントローラは、一定期間にわたってバブリングが起きている時間に対する、バブリングが起きていない時間の割合に基づいて、バブリングは断続的であると判定するように構成される、請求項1~28のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項30】
前記コントローラは、バブリングが起きている時間に対する、バブリングが起きていない時間の割合が、一定範囲内である時に、バブリングは断続的であると判定するように構成される、請求項1~29のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項31】
治療セッション中に前記圧力調整器内で起きているバブリングの検出は、治療が提供されていることを示す、請求項1~32のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項32】
前記コントローラは、1つ又は複数の治療セッション中のバブリングの検出に基づいて、バブリング時間メトリックの1つ又は複数の表示を判定するように構成される、請求項1~31のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項33】
バブリング時間メトリックの前記1つ又は複数の表示は、
バブリング・インデックスであって、前記バブリング・インデックスは、バブリングが起きている全治療時間の百分率である、バブリング・インデックス、
バブリングが起きていない非バブリング時間、
バブリングが起きているバブリング時間の1つ又は複数である、請求項31に記載の呼吸補助装置。
【請求項34】
前記コントローラは、1つ又は複数のバブリング時間メトリックをサーバにアップロードするように構成される、請求項32~34のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項35】
前記コントローラは、バブリング時間メトリックの1つ又は複数の表示が閾値より下がった時に、警報を発生するように構成される、請求項32~34のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項36】
前記コントローラは、1つ又は複数のバブリング時間メトリックが閾値より上がった時に、治療が提供されていることを示すように構成される、請求項32~35のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項37】
呼吸治療を提供するための呼吸補助装置であって、
流量発生器であって、前記流量発生器は、ガス流を吸気導管に提供するように構成される、流量発生器と、
コントローラであって、前記コントローラは、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかに基づいて、呼吸治療モードを自動的に選択するように構成される、コントローラとを含む、呼吸補助装置。
【請求項38】
前記呼吸補助装置は、少なくとも1つのガス特徴センサを含み、前記少なくとも1つのガス特徴センサは、ガス流路内の前記ガスの流量及び/又は圧力を測定するように構成される、請求項37に記載の呼吸補助装置。
【請求項39】
前記コントローラは、
前記ガス流路内の前記ガスの前記流量及び/又は圧力の前記測定値に基づいて波形を判定し、
前記流れ及び/又は圧力波形に基づいて少なくとも1つの波形特性を判定し、
前記少なくとも1つの波形特性に基づいて、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかを判定するように構成される、請求項37又は38に記載の呼吸補助装置。
【請求項40】
前記コントローラは、前記圧力調整器内でバブリングが起きている場合に、バブルCPAPモードを自動的に選択する、請求項37~39のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項41】
前記呼吸治療モードは、バブルCPAP治療モード又は高流治療モードを含む、請求項37~40のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項42】
呼吸治療を提供するための呼吸補助装置であって、
流量発生器であって、前記流量発生器は、ガス流を吸気導管に提供するように構成され、
ガス流路は、患者インターフェースに連結するように構成された前記吸気導管、及び圧力調整器に連結するように構成された呼気導管を少なくとも含み、前記圧力調整器は、その中に前記呼気導管の端部を浸す液体の柱を備えたチャンバを含む、流量発生器と、
コントローラであって、前記コントローラは、
前記圧力調整器内のバブリングの少なくとも1つの波形特性を測定し、
前記圧力調整器内のバブリングの前記測定特性の波形に基づいて、少なくとも1つの波形特性を判定し、
前記少なくとも1つの波形特性に基づいて、前記ガス流路内の流量及び/又は圧力を推定するように構成される、コントローラとを含む、呼吸補助装置。
【請求項43】
前記圧力調整器内のバブリングの前記少なくとも1つの特性は、
可視センサの出力としてバブラの画像を示す信号、
水位センサの出力としてバブラ内の水の表面を示す信号、
マイクロホンの出力としてバブラによって発生された音を示す信号、
光学センサの出力としてバブラ内の前記液体の光学特徴を示す信号、
ガス流特性センサの出力としてガス流特性を示す信号の1つ又は複数に基づく、請求項42に記載の呼吸補助装置。
【請求項44】
前記圧力調整器内のバブリングの前記少なくとも1つの特性は、流量センサの出力として前記ガス流路内のガス流量を示す信号に基づき、任意選択で前記信号は、前記ガス流路内の前記ガスの測定流量及び/又は圧力に基づく、請求項42又は43に記載の呼吸補助装置。
【請求項45】
前記圧力調整器内のバブリングの前記少なくとも1つの特性は、圧力センサの出力として前記ガス流路内のガス圧力を示す信号に基づく(任意選択で前記信号は、前記ガス流路内の前記ガスの測定圧力に基づく)、請求項42~44のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項46】
前記ガス流路内の前記推定流量は、前記呼気導管の端部におけるガスの流量である、請求項42~45のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項47】
前記呼気導管の前記端部におけるガスの前記流量は、前記圧力調整器における、請求項46に記載の呼吸補助装置。
【請求項48】
前記ガス流路内の前記圧力は、前記患者インターフェースにおける圧力である、請求項42~47のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項49】
前記コントローラは、前記呼気導管の端部におけるガスの前記推定流量、及び/又は患者インターフェースにおいて前記推定圧力に基づいて、1つ又は複数の警報を発生するように構成される、請求項46~48のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項50】
前記コントローラは、前記呼気導管の端部における(及び任意選択で前記圧力調整器における)ガスの前記推定流量が閾値を超える場合に、1つ又は複数の警報を発生するように構成される、請求項49に記載の呼吸補助装置。
【請求項51】
前記コントローラは、前記患者インターフェースにおいて前記推定圧力が閾値を超える場合に、1つ又は複数の警報を発生するように構成される、請求項49又は50に記載の呼吸補助装置。
【請求項52】
前記1つ又は複数の警報は、
可聴警報、
可視警報の1つ又は複数を含む、請求項49~51のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項53】
前記コントローラは、追加としてガス流路内の前記ガスの前記流量とガス流路内の前記ガスの圧力との間の関係に基づいて、前記患者インターフェースにおいて前記圧力を推定するように構成される、請求項48~52のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項54】
前記装置は、ガス流路内の前記ガスの流量及び/又はガス流路内の前記ガスの圧力を測定するように構成された、少なくとも1つのガス特徴センサを含む、請求項42~53のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項55】
前記コントローラは、前記システムの漏れ流量を推定するように構成され、前記漏れ流量は、ガス流路内の前記ガスの前記測定流量と前記圧力調整器を通るガスの前記推定流量との間の差に基づく、請求項54に記載の呼吸補助装置。
【請求項56】
前記コントローラは、前記推定漏れ流量が漏れ閾値を超えた時に、警報を発生するように構成される、請求項55に記載の呼吸補助装置。
【請求項57】
前記コントローラは、前記推定漏れ流量が、所定の期間にわたって漏れの増加閾値より多く増加した時に、警報を発生するように構成される、請求項55又は56に記載の呼吸補助装置。
【請求項58】
前記コントローラは、前記圧力調整器を通るガスの前記推定流量、及び患者インターフェースにおいて前記推定圧力に基づいて、前記圧力調整器の設定点を推定するように構成される、請求項48~57のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項59】
前記コントローラは、前記患者インターフェースにおいて前記推定圧力を少なくとも1つのディスプレイ上に表示するように構成される、請求項48~58のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項60】
前記装置は、ディスプレイを含み、任意選択で前記ディスプレイは、タッチスクリーン及び/又は1つ若しくは複数の機械入力デバイスの1つ或いは複数を含む、請求項42~59のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項61】
前記呼吸治療モードは、バブルCPAP治療モード及び高流治療モードを含む、請求項42~60のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項62】
前記ガス流路内の前記推定流量及び/又は圧力(任意選択で前記圧力調整器を通るガスの前記流量及び/又は患者インターフェースにおける圧力)はモデルに基づき、前記モデルは、各波形特性に関連した1つ又は複数の波形特性因子を含む、請求項42~61のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項63】
前記モデルは回帰モデルである、請求項62に記載の呼吸補助装置。
【請求項64】
前記1つ又は複数の波形特性因子は、実験的に判定される、請求項62又は63に記載の呼吸補助装置。
【請求項65】
前記少なくとも1つの波形特性は、
前記波形の振幅、
前記波形の正のピークの間の距離、
前記波形が閾値を交差する回数、
前記波形の正のピークの間の時間、
前記波形の負のピークの間の時間、
前記波形の正のピークの振幅、
前記波形の負のピークの振幅、
前記波形の連続する正のピークと負のピークとの間の振幅差の大きさの1つ又は複数を含み、又は基づく、請求項42~64のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項66】
前記少なくとも1つの波形特性は、少なくとも1つの振幅特性を含む、請求項42~65のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項67】
前記振幅特性は、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、前記波形の前記正のピークの前記振幅の平均、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、前記波形の前記正のピークの前記振幅の標準偏差、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、前記波形の前記負のピークの前記振幅の平均、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、前記波形の前記負のピークの前記振幅の標準偏差、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、前記波形の前記振幅の平均、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、前記波形の前記振幅の標準偏差の1つ又は複数を含む、請求項42~66のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項68】
前記少なくとも1つの波形特性は、少なくとも1つのピーク距離特性を含む、請求項42~67のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項69】
前記ピーク距離特性は、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、前記波形の正のピークの間の平均距離、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、前記波形の正のピークの間の平均距離の標準偏差、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、前記波形の正のピークの間の前記距離の標準偏差、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、前記波形の負のピークの間の平均距離、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、前記波形の正のピークの間の前記負の標準偏差の1つ又は複数を含む、請求項42~68のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項70】
前記少なくとも1つの波形特性は、少なくとも1つのピーク差特性を含む、請求項42~69のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項71】
前記ピーク差特性は、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、前記波形の連続した正のピークと負のピークとの間の前記振幅差の大きさの平均、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、前記波形の連続した正のピークと負のピークとの間の前記振幅差の大きさの標準偏差の1つ又は複数を含む、請求項42~70のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項72】
前記少なくとも1つの波形特性は、少なくとも1つの交差特性を含む、請求項42~71のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項73】
前記交差特性は、
前記波形がゼロを交差する回数、
前記波形が前記波形の平均振幅を交差する回数の1つ又は複数を含む、請求項42~72のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項74】
前記コントローラは、ハイパス及び/又はローパスフィルタを前記圧力調整器内のバブリングの前記特性の前記測定値に適用するように構成される、請求項42~73のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項75】
前記波形は、1つ又は複数のタイムウィンドウに分割するように構成され、任意選択で前記圧力調整器を通るガスの前記流量及び/又は患者インターフェースにおける前記圧力の前記判定が、各タイムウィンドウに対して行われる、請求項42~74のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項76】
請求項1~75のいずれか一項に記載の前記呼吸補助装置を含む、呼吸補助システム。
【請求項77】
呼吸治療を提供するための呼吸補助装置のためのコントローラであって、
測定流量及び/又は圧力の波形に基づいて、少なくとも1つの波形特性を判定し、
前記少なくとも1つの波形特性に基づいて、圧力調整器内にバブリングが起きているかどうかを判定するように構成される、コントローラ。
【請求項78】
呼吸補助システムの圧力調整器内のバブリングを検出する方法であって、
測定流量及び/又は圧力の波形に基づいて、少なくとも1つの波形特性を判定することと、
前記少なくとも1つの波形特性に基づいて、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかを判定することとを含む、方法。
【請求項79】
呼吸治療を提供するための呼吸補助装置のためのコントローラであって、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかに基づいて、呼吸治療モードを自動的に選択するように構成される、コントローラ。
【請求項80】
呼吸補助装置のための治療モードを選択するための方法であって、
圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかに基づいて、呼吸治療モードを自動的に選択することを含む、方法。
【請求項81】
呼吸治療を提供するための呼吸補助装置のためのコントローラであって、
圧力調整器内のバブリングの測定特性の波形に基づいて、少なくとも1つの波形特性を判定し、
前記少なくとも1つの波形特性に基づいて、ガス流路内の推定流量及び/又は圧力を推定するように構成される、コントローラ。
【請求項82】
呼吸補助システムのガス流路内の流量及び/又は圧力を推定するための方法であって、
圧力調整器内のバブリングの測定特性の波形に基づいて、少なくとも1つの波形特性を判定することと、
前記少なくとも1つの波形特性に基づいて、ガス流路内の推定流量及び/又は圧力を推定することとを含む、方法。
【請求項83】
呼吸治療を提供するための呼吸補助装置であって、
流量発生器であって、前記流量発生器は、ガス流を吸気導管に目標流量で提供するように構成され、
ガス流路は、患者インターフェースに連結するように構成された前記吸気導管、及び圧力調整器に連結するように構成された呼気導管を少なくとも含み、前記圧力調整器は、その中に前記呼気導管の端部を浸す水の柱を備えたチャンバを含む、流量発生器と、
少なくとも1つのセンサであって、前記センサは、前記圧力調整器内のバブリングを示す少なくとも1つの特性を測定するように構成される、少なくとも1つのセンサと、
コントローラであって、前記コントローラは、
前記圧力調整器内のバブリングを示す少なくとも1つの特性の測定値の波形に基づいて、少なくとも1つの波形特性を判定し、
前記少なくとも1つの波形特性に基づいて、前記圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかを判定するように構成される、コントローラとを含む、呼吸補助装置。
【請求項84】
呼吸治療を提供するための呼吸補助装置のためのコントローラであって、
圧力調整器内のバブリングを示す少なくとも1つの特性の測定値に基づいて、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかを判定するように構成される、コントローラ。
【請求項85】
呼吸補助システムの圧力調整器内のバブリングを検出する方法であって、
前記圧力調整器内のバブリングを示す少なくとも1つの特性の測定値の波形に基づいて、少なくとも1つの波形特性を判定することと、
前記少なくとも1つの波形特性に基づいて、前記圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかを判定することとを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、呼吸補助装置に関する。詳細には、本開示は、呼吸補助装置内のバブリングの検出、並びに/又はガス流路内の流れ及び/若しくは圧力の推定に関する。
【背景技術】
【0002】
呼吸補助装置は、ガス流をユーザ又は患者に送達するために、病院、医療施設、在宅看護、又は住居環境などの様々な環境で使用される。呼吸補助又は呼吸治療装置(集合的に「呼吸装置」若しくは「呼吸デバイス」)は、ガス流を送達し、任意選択で追加として又は別法として、補充酸素又は他のガスを送達するために使用されてもよい。呼吸補助装置は、加熱されて加湿されたガスを送達するために加湿装置も含んでもよい。以下により詳細に論じるように、加湿装置は、呼吸補助装置と分離してもよく、又は呼吸補助装置の一部であってもよい。呼吸補助装置は、流量、温度、ガス濃度、湿度、圧力、その他を含む、ガス流の特性を調節して制御できることがある。流量センサ及び/又は圧力センサなどのセンサは、ガス流の特性を測定するために使用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の態様では、呼吸治療を提供するための呼吸補助装置が提供され、呼吸補助装置は、
流量発生器であって、流量発生器は、ガス流を吸気導管に目標流量で提供するように構成される、流量発生器と、
少なくとも1つのガス特徴センサであって、少なくとも1つのガス特徴センサは、ガス流路内のガスの流量及び/又は圧力を測定するように構成され、
ガス流路は、患者インターフェースに連結するように構成された吸気導管、及び患者インターフェースに連結するように構成された呼気導管、並びに圧力調整器を少なくとも含み、圧力調整器は、その中に呼気導管の端部を浸す液体の柱を備えたチャンバを含む、少なくとも1つのガス特徴センサと、
コントローラであって、コントローラは、
測定流量及び/又は圧力の波形に基づいて、少なくとも1つの波形特性を判定し、
少なくとも1つの波形特性に基づいて、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかを判定するように構成される、コントローラとを含む。
【0004】
バブリングが起きているかどうかの判定は、圧力調整器内のバブリングを示す波形における圧力及び/又は流れ振動を判定することに基づいてもよい。
【0005】
コントローラは、圧力調整器内でバブリングが起きているどうかをディスプレイ上に表示するように構成されてもよい。
【0006】
コントローラは、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかに基づいて、警報を発生するように構成されてもよい。
【0007】
コントローラは、圧力調整器内でバブリングが起きていないと判定した場合に、警報を発生するように構成されてもよい。
【0008】
コントローラは、一定期間にわたってバブリングが起きている時間の百分率が、閾値未満である、又は一定期間にわたってバブリングが起きていない時間の百分率が閾値を超えると判定した場合に、警報を発生するように構成されてもよい。
【0009】
警報は、
可聴警報、
可視警報の1つ又は複数を含んでもよい。
【0010】
装置は、ディスプレイを含んでもよく、任意選択でディスプレイは、タッチスクリーン及び/又は1つ若しくは複数の機械入力デバイスの1つ或いは複数を含む。
【0011】
コントローラは、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかに基づいて、呼吸治療モードを自動的に選択してもよい。
【0012】
呼吸治療モードは、バブルCPAP治療モード及び高流治療モードを含んでもよい。
【0013】
バブリングの検出は、装置が非バブルCPAPモードで作動中に常に又は断続的に起きることがある。
【0014】
コントローラは、バブリングが非バブルCPAPモードで検出された時に、警報を発生するように構成される。
【0015】
バブリングが起きているかどうかの判定は、関連した閾値を超える少なくとも1つの波形特性に基づいてもよい。
【0016】
バブリングが起きているかどうかの判定は、モデルに基づいてもよく、モデルは各波形特性に関連した1つ又は複数の波形特性因子を含む。
【0017】
モデルは回帰モデルであってもよい。
【0018】
1つ又は複数の波形特性因子は、実験的に判定されてもよい。
【0019】
圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかの判定は、一定期間にわたってもよい。
【0020】
少なくとも1つの波形特性は、
波形の振幅、
波形の正のピークの間の距離、
波形の連続する正のピークと負のピークとの間の振幅差の大きさの1つ若しくは複数を含み、又は基づいてもよい。
【0021】
少なくとも1つの波形特性は、少なくとも1つの振幅特性を含んでもよく、振幅特性は、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、波形の正のピークの振幅の平均、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、波形の正のピークの振幅の標準偏差の1つ又は複数を含む。
【0022】
少なくとも1つの波形特性は、少なくとも1つのピーク距離特性を含んでもよく、ピーク距離特性は、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、波形の正のピークの間の平均距離、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、波形の正のピークの間の距離の標準偏差の1つ又は複数を含む。
【0023】
少なくとも1つの波形特性は、少なくとも1つのピーク差特性を含んでもよく、ピーク差特性は、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、波形の連続した正のピークと負のピークとの間の振幅差の大きさの平均、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、波形の連続した正のピークと負のピークとの間の振幅差の大きさの標準偏差の1つ又は複数を含む。
【0024】
コントローラは、ハイパス及び/又はローパスフィルタを流量若しくは圧力及び/又は波形の測定値に適用するように構成されてもよい。
【0025】
波形は、1つ又は複数のタイムウィンドウに分割するように構成されてもよく、任意選択でバブリングが起きているかどうかの判定は、各タイムウィンドウに対して行われる。
【0026】
各タイムウィンドウは、約2秒であってもよい。
【0027】
各タイムウィンドウは、前のタイムウィンドウ、及び/又は次のタイムウィンドウと重なってもよい。
【0028】
タイムウィンドウの重なりは、約1.5秒であってもよい。
【0029】
バブリングが起きているかどうかの判定は、0~1のバブリングが起きる確率であってもよい。
【0030】
バブリングは、バブリングが起きる確率が0.5を超えた時に起きていると判定されてもよい。
【0031】
バブリングが起きているかどうかの判定は、大気圧に基づいてもよい。
【0032】
バブリングが起きている判定は、周囲温度に基づいてもよい。
【0033】
バブリングが起きている判定は、装置の高度に基づいてもよい。
【0034】
バブリングが起きている判定は、ガス流路内に置かれた加湿器の水位に基づいてもよい。
【0035】
装置は、周囲空気と補助ガスの組合せを提供するように構成されてもよく、バブリングが起きているかどうかの判定は、周囲空気に対する補助ガスの割合に基づく。
【0036】
バブリングが起きているかどうかの判定は、吸気導管及び/又は呼気導管の導管特性に基づいてもよい。
【0037】
導管特性は、
導管の長さ、
導管の直径、
導管の型の1つ又は複数を含んでもよい。
【0038】
バブリングが起きているかどうかの判定は、患者インターフェースの特性に基づいてもよい。
【0039】
コントローラは、ガス流路内のガスの圧力を監視するように構成されてもよい。
【0040】
コントローラは、ガス流の圧力が閾値を超えた時に、警報を発生するように構成されてもよい。
【0041】
呼吸補助装置は、CPAP治療を提供してもよい。
【0042】
呼吸補助装置は、バブルCPAP治療を提供してもよい。
【0043】
呼吸補助装置は、ガス流を発生するための送風機を含んでもよい。
【0044】
呼吸補助装置は、ガス流を加熱及び/又は加湿するための加湿器を含んでもよい。
【0045】
呼吸補助装置は、送風機及び/又は加湿器を含有するためのハウジングを含んでもよい。
【0046】
呼吸補助装置は、加熱された呼吸管を含んでもよい。
【0047】
送風機は、実質的に一定のガス流及び/又は実質的に一定の圧力を送達するように構成されてもよい。
【0048】
少なくとも1つのガス特徴センサは、
呼吸補助装置内、任意選択でガス発生器内、
患者インターフェース内、
圧力調整器内、
吸気導管及び/又は呼気導管内の1つ又は複数に置かれてもよい。
【0049】
少なくとも1つのガス特徴センサは、ガス流路内に置かれてもよい。
【0050】
流量発生器は、ガス流を吸気導管に目標流量で提供するように構成されてもよい。
【0051】
コントローラは、ガス流路内のガスの流量及び/又は圧力の測定値に基づいて、波形を判定するように構成されてもよい。
【0052】
液体は、水又は生理食塩水であってもよい。
【0053】
コントローラは、一定期間にわたってバブリングが起きている時間に対する、バブリングが起きていない時間の割合に基づいて、バブリングは断続的であると判定するように構成されてもよい。
【0054】
コントローラは、バブリングが起きている時間に対する、バブリングが起きていない時間の割合が、一定範囲内である時に、バブリングは断続的であると判定するように構成されてもよい。
【0055】
コントローラは、1つ又は複数の治療セッション中のバブリングの検出に基づいて、1つ又は複数のバブリング時間メトリックを判定するように構成されてもよい。
【0056】
1つ又は複数のバブリング時間メトリックは、
バブリング・インデックスであって、バブリング・インデックスは、バブリングが起きている全治療時間の百分率である、バブリング・インデックス、
バブリングが起きていない非バブリング時間、
バブリングが起きているバブリング時間の1つ又は複数である。
【0057】
治療セッション中に圧力調整器内で起きているバブリングの検出は、治療が提供されていることを示すことがある。
【0058】
コントローラは、1つ又は複数のバブリング時間メトリックをサーバ及び/又はデバイスにアップロードするように構成されてもよい。
【0059】
コントローラは、1つ又は複数のバブリング時間メトリックが閾値より下がった時に、警報を発生するように構成されてもよい。
【0060】
コントローラは、1つ又は複数のバブリング時間メトリックが閾値より上がった時に、治療が提供されていることを示すように構成されてもよい。
【0061】
本開示の別の態様では、呼吸治療を提供するための呼吸補助装置が提供され、呼吸補助装置は、
流量発生器であって、流量発生器は、ガス流を吸気導管に目標流量で提供するように構成される、流量発生器と、
少なくとも1つのガス特徴センサであって、少なくとも1つのガス特徴センサは、ガス流路内のガスの流量及び/又は圧力を測定するように構成される、少なくとも1つのガス特徴センサと、
コントローラであって、コントローラは、
測定流量及び/又は圧力の波形に基づいて、少なくとも1つの波形特性を判定し、
少なくとも1つの波形特性に基づいて、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかを判定するように構成される、コントローラとを含む。
【0062】
上の態様は、その他の態様(及び具体的には上の態様)のあらゆる組合せと組み合わされてもよいことが認識されよう。
【0063】
本開示の別の態様では、呼吸治療を提供するための呼吸補助装置のためのコントローラが提供され、コントローラは、
測定流量及び/又は圧力の波形に基づいて、少なくとも1つの波形特性を判定し、
少なくとも1つの波形特性に基づいて、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかを判定するように構成される。
【0064】
上の態様は、その他の態様(及び具体的には上の態様)のあらゆる組合せと組み合わされてもよいことが認識されよう。
【0065】
本開示の別の態様では、呼吸補助システムの圧力調整器内のバブリングを検出する方法が提供され、方法は、
測定流量及び/又は圧力の波形に基づいて、少なくとも1つの波形特性を判定することと、
少なくとも1つの波形特性に基づいて、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかを判定することとを含む。
【0066】
上の態様は、その他の態様(及び具体的には上の態様)のあらゆる組合せと組み合わされてもよいことが認識されよう。
【0067】
本開示の別の態様では、呼吸治療を提供するための呼吸補助装置が提供され、呼吸補助装置は、
流量発生器であって、流量発生器は、ガス流を吸気導管に(任意選択で目標流量で)提供するように構成され、
ガス流路は、患者インターフェースに連結するように構成された吸気導管、及び圧力調整器に連結するように構成された呼気導管を少なくとも含み、圧力調整器は、その中に呼気導管の端部を浸す水の柱を備えたチャンバを含む、流量発生器と、
少なくとも1つのセンサであって、圧力調整器内のバブリングを示す少なくとも1つの特性を測定するように構成される、少なくとも1つのセンサと、
コントローラであって、コントローラは、
圧力調整器内のバブリングを示す少なくとも1つの特徴の測定値に基づいて、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかを判定するように構成される、コントローラとを含む。
【0068】
上の態様は、その他の態様(及び具体的には上の態様)のあらゆる組合せと組み合わされてもよいことが認識されよう。
【0069】
本開示の別の態様では、呼吸治療を提供するための呼吸補助装置が提供され、呼吸補助装置は、
流量発生器であって、流量発生器は、ガス流を(任意選択で目標流量で)提供するように構成される、流量発生器と、
少なくとも1つのセンサであって、センサは、圧力調整器内のバブリングを示す少なくとも1つの特性を測定するように構成される、少なくとも1つのセンサと、
コントローラであって、コントローラは、
圧力調整器内のバブリングを示す少なくとも1つの特性の測定値の波形に基づいて、少なくとも1つの波形特性を判定し、
少なくとも1つの波形特性に基づいて、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかを判定するように構成される、コントローラとを含む。
【0070】
上の態様は、その他の態様(及び具体的には上の態様)のあらゆる組合せと組み合わされてもよいことが認識されよう。
【0071】
本開示の別の態様では、呼吸治療を提供するための呼吸補助装置が提供され、呼吸補助装置は、
流量発生器であって、流量発生器は、ガス流を吸気導管に目標流量で提供するように構成され、
ガス流路は、患者インターフェースに連結するように構成された吸気導管、及び圧力調整器に連結するように構成された呼気導管を少なくとも含み、圧力調整器は、その中に呼気導管の端部を浸す水の柱を備えたチャンバを含む、流量発生器と、
少なくとも1つのセンサであって、センサは、圧力調整器内のバブリングを示す少なくとも1つの特性を測定するように構成される、少なくとも1つのセンサと、
コントローラであって、コントローラは、
圧力調整器内のバブリングを示す少なくとも1つの特性の測定値の波形に基づいて、少なくとも1つの波形特性を判定し、
少なくとも1つの波形特性に基づいて、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかを判定するように構成される、コントローラとを含む。
【0072】
上の態様は、その他の態様(及び具体的には上の態様)のあらゆる組合せと組み合わされてもよいことが認識されよう。
【0073】
本開示の別の態様では、呼吸治療を提供するための呼吸補助装置のためのコントローラが提供され、コントローラは、
圧力調整器内のバブリングを示す少なくとも1つの特性の測定値の波形に基づいて、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかを判定するように構成される。
【0074】
本開示の別の態様では、呼吸補助システムの圧力調整器内でバブリングを検出する方法が提供され、方法は、
圧力調整器内のバブリングを示す少なくとも1つの波形特性の測定値の波形に基づいて、少なくとも1つの波形特性を判定することと、
少なくとも1つの波形特性に基づいて、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかを判定することとを含む。
【0075】
上の態様は、その他の態様(及び具体的には上の態様)のあらゆる組合せと組み合わされてもよいことが認識されよう。
【0076】
少なくとも1つのセンサは、
バブラの画像を示す信号を出力するように構成された視覚センサ(例えば可視センサ)、
バブラ内の水の表面を示す信号を出力するように構成された(例えばバブラ内の水の高さを監視する)水位センサ、
バブラによって発生された音を示す信号を出力するように構成されたマイクロホン、
バブラ内の液体の光学特徴を示す信号を出力するように構成された光学センサ、
ガス流特性を示す信号を出力するように構成されたガス流特性センサ、任意選択で流量センサ又は圧力センサの1つ又は複数であってもよい。
【0077】
圧力調整器内のバブリングの少なくとも1つの特性は、
可視センサの出力としてバブラの画像を示す信号、
水位センサの出力としてバブラ内の水の表面を示す信号、
マイクロホンの出力としてバブラによって発生された音を示す信号、
光学センサの出力としてバブラ内の液体の光学特徴を示す信号、
ガス流特性センサの出力としてガス流特性を示す信号の1つ又は複数に基づいてもよい。
【0078】
圧力調整器内のバブリングを示す少なくとも1つの特性は、ガス流路内のガスの流量及び/又は圧力であってもよい。
【0079】
本開示の別の態様では、呼吸治療を提供するための呼吸補助装置が提供され、呼吸補助装置は、
流量発生器であって、流量発生器は、ガス流を吸気導管に提供するように構成される、流量発生器と、
コントローラであって、コントローラは、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかに基づいて、呼吸治療モードを自動的に選択するように構成される、コントローラとを含む。
【0080】
呼吸補助装置は、少なくとも1つのガス特徴センサを含んでもよく、少なくとも1つのガス特徴センサは、ガス流路内のガスの流量及び/又は圧力を測定するように構成される。
【0081】
コントローラは、
ガス流路内のガスの流量及び/又は圧力の測定値に基づいて波形を判定し、
流れ及び/又は圧力波形に基づいて少なくとも1つの波形特性を判定し、
少なくとも1つの波形特性に基づいて、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかを判定するように構成されてもよい。
【0082】
コントローラは、圧力調整器内でバブリングが起きている場合に、バブルCPAPモードを自動的に選択してもよい。
【0083】
呼吸治療モードは、バブルCPAP治療モード又は高流治療モードを含んでもよい。
【0084】
本開示の別の態様では、呼吸治療を提供するための呼吸補助装置のためのコントローラが提供され、コントローラは、
圧力調整器内のバブリングの測定特性の波形に基づいて、少なくとも1つの波形特性を判定し、
少なくとも1つの波形特性に基づいて、ガス流路内の推定流量及び/又は圧力を推定するように構成される。
【0085】
上の態様は、その他の態様(及び具体的には上の態様)のあらゆる組合せと組み合わされてもよいことが認識されよう。
【0086】
本開示の別の態様では、呼吸補助システムのガス流路内の流量及び/又は圧力を推定するための方法が提供され、方法は、
圧力調整器内のバブリングの測定特性の波形に基づいて、少なくとも1つの波形特性を判定することと、
少なくとも1つの波形特性に基づいて、ガス流路内の推定流量及び/又は圧力を推定することとを含む。
【0087】
上の態様は、その他の態様(及び具体的には上の態様)のあらゆる組合せと組み合わされてもよいことが認識されよう。
【0088】
本開示の別の態様では、呼吸治療を提供するための呼吸補助装置が提供され、呼吸補助装置は、
流量発生器であって、流量発生器は、ガス流を吸気導管に提供するように構成され、
ガス流路は、患者インターフェースに連結するように構成された吸気導管、及び圧力調整器に連結するように構成された呼気導管を少なくとも含み、圧力調整器は、その中に呼気導管の端部を浸す液体の柱を備えたチャンバを含む、流量発生器と、
コントローラであって、コントローラは、
圧力調整器内のバブリングの少なくとも1つの特性を測定し、
圧力調整器内のバブリングの測定特性の波形に基づいて、少なくとも1つの波形特性を判定し、
少なくとも1つの波形特性に基づいて、ガス流路内の推定流量及び/又は圧力を推定するように構成される、コントローラとを含む。
【0089】
圧力調整器内のバブリングの少なくとも1つの特性は、
可視センサの出力としてバブラの画像を示す信号、
水位センサの出力としてバブラ内の水の表面を示す信号、
マイクロホンの出力としてバブラによって発生された音を示す信号、
光学センサの出力としてバブラ内の液体の光学特徴を示す信号、
ガス流特性センサの出力としてガス流特性を示す信号の1つ又は複数に基づいてもよい。
【0090】
圧力調整器内のバブリングの少なくとも1つの特性は、流量センサの出力としてガス流路内のガス流量を示す信号に基づいてもよく、任意選択で信号は、ガス流路内のガスの測定流量及び/又は圧力に基づく。
【0091】
圧力調整器内のバブリングの少なくとも1つの特性は、圧力センサの出力としてガス流路内のガス圧力を示す信号に基づいてもよい(任意選択で信号は、ガス流路内のガスの測定圧力に基づく)。
【0092】
ガス流路内の推定流量は、呼吸導管の端部におけるガスの流量であってもよい。
【0093】
ガス流路内の圧力は、患者インターフェースにおける圧力であってもよい。
【0094】
呼気導管の端部におけるガスの流量は、圧力調整器においてでもよい。
【0095】
コントローラは、呼気導管の端部におけるガスの推定流量及び/又は患者インターフェースにおける推定圧力に基づいて、1つ又は複数の警報を発生するように構成されてもよい。
【0096】
コントローラは、呼気導管の端部において(及び任意選択で圧力調整器において)ガスの推定流量が閾値を超える場合に、1つ又は複数の警報を発生するように構成されてもよい。
【0097】
コントローラは、患者インターフェースにおける推定圧力が閾値を超える場合に、1つ又は複数の警報を発生するように構成されてもよい。
【0098】
1つ又は複数の警報は、
可聴警報、
可視警報の1つ又は複数を含んでもよい。
【0099】
装置は、ディスプレイを含んでもよく、任意選択でディスプレイは、タッチスクリーン及び/又は1つ若しくは複数の機械入力デバイスの1つ或いは複数を含む。
【0100】
装置は、ガス流路内のガスの流量及び/又はガス流路内のガスの圧力を測定するように構成された、少なくとも1つのガス特徴センサを含んでもよい。
【0101】
コントローラは、追加としてガス流路内のガスの流量とガス流路内のガスの圧力との間の関係に基づいて、患者インターフェースにおいて圧力を推定するように構成されてもよい。
【0102】
コントローラは、システムの漏れ流量を推定するように構成されてもよく、漏れ流量は、ガス流路内のガスの測定流量と圧力調整器を通るガスの推定流量との間の差に基づく。
【0103】
コントローラは、推定漏れ流量が漏れ閾値を超えた時に、警報を発生するように構成されてもよい。
【0104】
コントローラは、推定漏れ流量が、所定の期間にわたって漏れの増加閾値より多く増加した時に、警報を発生するように構成されてもよい。
【0105】
コントローラは、圧力調整器を通るガスの推定流量、及び患者インターフェースにおける推定圧力に基づいて、圧力調整器の設定点を推定するように構成されてもよい。
【0106】
コントローラは、患者インターフェースにおける推定圧力を少なくとも1つのディスプレイ上に表示するように構成されてもよい。
【0107】
呼吸治療モードは、バブルCPAP治療モード又は高流治療モードを含んでもよい。
【0108】
ガス流路内の推定流量並びに/又は圧力(任意選択で圧力調整器を通るガスの流量及び/若しくは患者インターフェースにおける圧力)は、モデルに基づいてもよく、モデルは各波形特性に関連した1つ又は複数の波形特性因子を含む。
【0109】
モデルは回帰モデルであってもよい。
【0110】
1つ又は複数の波形特性因子は、実験的に判定されてもよい。
【0111】
少なくとも1つの波形特性は、
波形の振幅、
波形の正のピークの間の距離、
波形が閾値を交差する回数、
波形の正のピークの間の時間、
波形の負のピークの間の時間、
波形の正のピークの間の振幅、
波形の負のピークの間の振幅、
波形の連続する正のピークと負のピークとの間の振幅差の大きさの1つ若しくは複数を含み、又は基づいてもよい。
【0112】
少なくとも1つの波形特性は、少なくとも1つの振幅特性を含んでもよい。
【0113】
振幅特性は、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、波形の正のピークの振幅の平均、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、波形の正のピークの振幅の標準偏差、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、波形の負のピークの振幅の平均、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、波形の負のピークの振幅の標準偏差、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、波形の振幅の平均、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、波形の振幅の標準偏差の1つ又は複数を含んでもよい。
【0114】
少なくとも1つの波形特性は、少なくとも1つのピーク距離特性を含んでもよい。
【0115】
ピーク距離特性は、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、波形の正のピークの間の平均距離、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、波形の正のピークの間の平均距離の標準偏差、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、波形の正のピークの間の距離の標準偏差、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、波形の負のピークの間の平均距離、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、波形の正のピークの間の負の標準偏差の1つ又は複数を含んでもよい。
【0116】
少なくとも1つの波形特性は、少なくとも1つのピーク差特性を含んでもよい。
【0117】
ピーク差特性は、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、波形の連続した正のピークと負のピークとの間の振幅差の大きさの平均、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、波形の連続した正のピークと負のピークとの間の振幅差の大きさの標準偏差の1つ又は複数を含んでもよい。
【0118】
少なくとも1つの波形特性は、少なくとも1つの交差特性を含んでもよい。
【0119】
交差特性は、
波形がゼロを交差する回数、
波形が波形の平均振幅を交差する回数の1つ又は複数を含んでもよい。
【0120】
コントローラは、ハイパス及び/又はローパスフィルタを圧力調整器内のバブリングの特性の測定値に適用するように構成されてもよい。
【0121】
波形は、1つ又は複数のタイムウィンドウに分割するように構成されてもよく、任意選択で圧力調整器を通るガスの流量及び/又は患者インターフェースにおける圧力の判定が、各タイムウィンドウに対して行われる。
【0122】
各タイムウィンドウは、約2秒であってもよい。
【0123】
各タイムウィンドウは、前のタイムウィンドウ、及び/又は次のタイムウィンドウと重なってもよい。
【0124】
タイムウィンドウの重なりは、約1.5秒であってもよい。
【0125】
圧力調整器を通るガスの流量及び/又は患者インターフェースにおける圧力の判定は、吸気導管及び/又は呼気導管の導管特性に基づいてもよい。
【0126】
導管特性は、
導管の長さ、
導管の直径、
導管の型の1つ又は複数を含んでもよい。
【0127】
圧力調整器を通るガスの流量及び/又は患者インターフェースにおける圧力の判定は、患者インターフェースの特性に基づいてもよい。
【0128】
呼吸補助装置は、バブルCPAP治療を提供してもよい。
【0129】
呼吸補助装置は、ガス流を発生するための送風機を含んでもよい。
【0130】
呼吸補助装置は、ガス流を加熱及び/又は加湿するための加湿器を含んでもよい。
【0131】
呼吸補助装置は、送風機及び/又は加湿器を含有するためのハウジングを含んでもよい。
【0132】
呼吸補助装置は、加熱された呼吸管を含んでもよい。
【0133】
送風機は、実質的に一定のガス流及び/又は実質的に一定の圧力を送達するように構成されてもよい。
【0134】
少なくとも1つのガス特徴センサは、
呼吸補助装置内、任意選択でガス発生器内、
患者インターフェース内、
圧力調整器内、
吸気導管及び/又は呼気導管内の1つ又は複数に置かれてもよい。
【0135】
少なくとも1つのガス特徴センサは、ガス流路内に置かれてもよい。
【0136】
流量発生器は、ガス流を吸気導管に目標流量及び/又は目標圧力で提供するように構成されてもよい。
【0137】
本開示の別の態様では、呼吸治療を提供するための呼吸補助装置が提供され、呼吸補助装置は、
流量発生器であって、流量発生器は、ガス流を提供するように構成される、流量発生器と、
コントローラであって、コントローラは、
圧力調整器内のバブリングの少なくとも1つの特性を測定し、
圧力調整器内のバブリングの測定特性の波形に基づいて、少なくとも1つの波形特性を判定し、
少なくとも1つの波形特性に基づいて、ガス流路内の推定流量及び/又は圧力を推定するように構成される、コントローラとを含む。
【0138】
上の態様は、その他の態様(及び具体的には上の態様)のあらゆる組合せと組み合わされてもよいことが認識されよう。
【0139】
本開示の態様では、呼吸治療を提供するための呼吸補助装置のためのコントローラが提供され、コントローラは、
圧力調整器内のバブリングの測定特性の波形に基づいて、少なくとも1つの波形特性を判定し、
少なくとも1つの波形特性に基づいて、ガス流路内の推定流量及び/又は圧力を推定するように構成される。
【0140】
上の態様は、その他の態様(及び具体的には上の態様)のあらゆる組合せと組み合わされてもよいことが認識されよう。
【0141】
本開示の態様では、呼吸補助システムのガス流路内の流量及び/又は圧力を推定するための方法が提供され、方法は、
圧力調整器内のバブリングの測定特性の波形に基づいて、少なくとも1つの波形特性を判定することと、
少なくとも1つの波形特性に基づいて、ガス流路内の推定流量及び/又は圧力を推定することとを含む。
【0142】
上の態様は、その他の態様(及び具体的には上の態様)のあらゆる組合せと組み合わされてもよいことが認識されよう。
【0143】
本開示の別の態様では、呼吸治療を提供するための呼吸補助装置が提供され、呼吸補助装置は、
流量発生器であって、流量発生器は、ガス流を患者に目標流量で提供するように構成される、流量発生器と、
少なくとも1つのガス特徴センサであって、少なくとも1つのガス特徴センサは、流量発生器の後にガスの流量及び/又は圧力を測定するように構成され、
患者インターフェースは、圧力調整器に連結するように構成され、圧力調整器は、その中に呼気導管の端部を浸す液体(任意選択で水)の柱を備えたチャンバを含む、少なくとも1つのガス特徴センサと、
コントローラであって、コントローラは、
ガスの流量及び/又は圧力の測定値に基づいて波形を判定し、
流れ及び/又は圧力波形に基づいて少なくとも1つの波形特性を判定し、
少なくとも1つの波形特性に基づいて、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかを判定するように構成される、コントローラとを含む。
【0144】
本開示の別の態様では、呼吸治療を提供するための呼吸補助装置が提供され、呼吸補助装置は、
流量発生器であって、流量発生器は、ガス流を患者に提供するように構成される、流量発生器と、
少なくとも1つのガス特徴センサであって、少なくとも1つのガス特徴センサは、ガス流の流量及び/又は圧力を測定するように構成される、少なくとも1つのガス特徴センサと、
コントローラであって、コントローラは、
ガス流路内のガスの流量及び/又は圧力の測定値に基づいて波形を判定し、
流れ及び/又は圧力波形に基づいて少なくとも1つの波形特性を判定し、
少なくとも1つの波形特性に基づいて、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかを判定するように構成される、コントローラとを含む。
【0145】
本開示の別の態様では、呼吸治療を提供するための呼吸補助装置が提供され、呼吸補助装置は、
流量発生器であって、流量発生器は、ガス流を吸気導管に提供するように構成される、流量発生器と、
少なくとも1つのガス特徴センサであって、少なくとも1つのガス特徴センサは、ガス流路内のガスの流量及び/又は圧力を測定するように構成され、
ガス流路は、患者インターフェースに連結するように構成された吸気導管、及び圧力調整器に連結するように構成された呼気導管を少なくとも含み、圧力調整器は、その中に呼気導管の端部を浸す水の柱を備えたチャンバを含む、少なくとも1つのガス特徴センサと、
コントローラであって、コントローラは、
ガス流路内のガスの流量及び/又は圧力の測定値に基づいて波形を判定し、
流れ及び/又は圧力波形に基づいて少なくとも1つの波形特性を判定し、
少なくとも1つの波形特性に基づいて、圧力調整器に起きている1つ又は複数の流れ及び/又は圧力振動を判定するように構成される、コントローラとを含む。
【0146】
本開示の別の態様では、呼吸治療を提供するための呼吸補助装置が提供され、呼吸補助装置は、
流量発生器であって、流量発生器は、ガス流を吸気導管に目標流量で提供するように構成される、流量発生器と、
少なくとも1つのガス特徴センサであって、少なくとも1つのガス特徴センサは、ガス流路内のガスの流量及び/又は圧力を測定するように構成され、
ガス流路は、患者インターフェースに連結するように構成された吸気導管、及び圧力調整器に連結するように構成された呼気導管を少なくとも含み、圧力調整器は、その中に呼気導管の端部を浸す水の柱を備えたチャンバを含む、少なくとも1つのガス特徴センサと、
コントローラであって、コントローラは、
ガス流路内のガスの流量及び/又は圧力の測定値に基づいて波形を判定し、
流れ及び/又は圧力波形に基づいて少なくとも1つの波形特性を判定し、
少なくとも1つの波形特性に基づいて、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかを判定するように構成される、コントローラとを含む。
【0147】
上の4つの態様は、その他の態様(及び具体的には上の態様)のあらゆる組合せと組み合わされてもよいことが認識されよう。
【0148】
バブリングが起きているかどうかの判定は、圧力調整器内のバブリングを示す波形の圧力及び/又は流れ振動を判定することに基づいてもよい。
【0149】
コントローラは、圧力調整器内でバブリングが起きているどうかをディスプレイ上に表示するように構成されてもよい。
【0150】
コントローラは、圧力調整器内でバブリングが起きていないと判定された場合に、警報を発生するように構成されてもよい。
【0151】
警報は、
可聴警報、
可視警報の1つ又は複数を含んでもよい。
【0152】
コントローラは、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかに基づいて、呼吸治療モードを自動的に選択してもよい。
【0153】
呼吸治療モードは、バブルCPAP治療モード又は高流治療モードを含んでもよい。
【0154】
バブリングが起きているかどうかの判定は、関連した閾値を超える少なくとも1つの波形特性に基づいてもよい。
【0155】
バブリングが起きているかどうかの判定は、モデルに基づいてもよく、モデルは各波形特性に関連した1つ又は複数の波形特性因子を含む。
【0156】
モデルは回帰モデルであってもよい。
【0157】
1つ又は複数の波形特性因子は、実験的に判定されてもよい。
【0158】
少なくとも1つの波形特性は、
波形の振幅、
波形の正のピークの間の距離、
波形の連続する正のピークと負のピークとの間の振幅差の大きさの1つ若しくは複数を含み、又は基づいてもよい。
【0159】
少なくとも1つの波形特性は、少なくとも1つの振幅特性を含んでもよく、振幅特性は、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、波形の正のピークの振幅の平均、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、波形の正のピークの振幅の標準偏差の1つ又は複数を含む。
【0160】
少なくとも1つの波形特性は、少なくとも1つのピーク距離特性を含んでもよく、ピーク距離特性は、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、波形の正のピークの間の平均距離、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、波形の正のピークの間の距離の標準偏差の1つ又は複数を含む。
【0161】
少なくとも1つの波形特性は、少なくとも1つのピーク差特性を含んでもよく、ピーク差特性は、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、波形の連続した正のピークと負のピークとの間の振幅差の大きさの平均、
任意選択でタイムウィンドウにわたる、波形の連続した正のピークと負のピークとの間の振幅差の大きさの標準偏差の1つ又は複数を含む。
【0162】
コントローラは、ハイパス及び/又はローパスフィルタを流量若しくは圧力及び/又は波形の測定値に適用するように構成されてもよい。
【0163】
波形は、1つ又は複数のタイムウィンドウに分割するように構成されてもよく、任意選択でバブリングが起きているかどうかの判定は、各タイムウィンドウに対して行われる。
【0164】
各タイムウィンドウは、約2秒であってもよい。
【0165】
各タイムウィンドウは、前のタイムウィンドウ、及び/又は次のタイムウィンドウと重なってもよい。
【0166】
タイムウィンドウの重なりは、約1.5秒であってもよい。
【0167】
バブリングが起きているかどうかの判定は、0~1のバブリングが起きる確率であってもよい。
【0168】
バブリングは、バブリングが起きる確率が0.5を超えた時に起きていると判定されてもよい。
【0169】
バブリングが起きているかどうかの判定は、大気圧に基づいてもよい。
【0170】
バブリングが起きている判定は、周囲温度に基づいてもよい。
【0171】
バブリングが起きている判定は、装置の高度に基づいてもよい。
【0172】
バブリングが起きている判定は、ガス流路内に置かれた加湿器内の水位に基づいてもよい。
【0173】
装置は、周囲空気と補充ガスの組合せを提供するように構成されてもよく、バブリングが起きているかどうかの判定は、補充ガスに対する周囲空気の割合に基づく。
【0174】
バブリングが起きているかどうかの判定は、吸気導管及び/又は呼気導管の導管特性に基づいてもよい。
【0175】
導管特性は、
導管の長さ、
導管の直径、
導管の型の1つ又は複数を含んでもよい。
【0176】
バブリングが起きているかどうかの判定は、患者インターフェースの特性に基づいてもよい。
【0177】
コントローラは、ガス流路内のガスの圧力を監視するように構成されてもよい。
【0178】
コントローラは、ガス流の圧力が閾値を超えた時に、警報を発生するように構成されてもよい。
【0179】
呼吸補助装置は、CPAP治療を提供してもよい。
【0180】
呼吸補助装置は、バブルCPAP治療を提供してもよい。
【0181】
呼吸補助装置は、ガス流を発生するための送風機を含んでもよい。
【0182】
呼吸補助装置は、ガス流を加熱及び/又は加湿するための加湿器を含んでもよい。
【0183】
呼吸補助装置は、送風機及び/又は加湿器を含有するためのハウジングを含んでもよい。
【0184】
呼吸補助装置は、加熱された呼吸管を含んでもよい。
【0185】
送風機は、実質的に一定のガス流及び/又は実質的に一定の圧力を送達するように構成されてもよい。
【0186】
少なくとも1つのガス特徴センサは、
呼吸補助装置内、任意選択でガス発生器内、
患者インターフェース内、
圧力調整器内、
吸気導管及び/又は呼気導管内の1つ又は複数に置かれてもよい。
【0187】
本開示の別の態様では、呼吸治療を提供するための呼吸補助装置が提供され、呼吸補助装置は、
流量発生器であって、流量発生器は、ガス流を吸気導管に提供するように構成される、流量発生器と、
少なくとも1つのガス特徴センサであって、少なくとも1つのガス特徴センサは、ガス流路内のガスの流量及び/又は圧力を測定するように構成される、少なくとも1つのガス特徴センサと、
コントローラであって、コントローラは、
ガス流路内のガスの流量及び/又は圧力の測定値に基づいて波形を判定し、
流れ及び/又は圧力波形に基づいて、少なくとも1つの波形特性を判定し、
少なくとも1つの波形特性に基づいて、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかを判定するように構成され、
コントローラは、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかに基づいて、呼吸治療を自動的に選択する、コントローラとを含む。
【0188】
コントローラは、圧力調整器内でバブリングが起きている場合に、バブルCPAPモードを自動的に選択してもよい。
【0189】
呼吸治療モードは、バブルCPAP治療モード又は高流治療モードを含んでもよい。
【0190】
呼吸補助システムは、呼吸補助装置及び/又はあらゆる上の段落のコントローラを含んでもよい。
【0191】
一部の実施形態では、呼吸補助装置は、他の態様に関して開示された特徴のあらゆる組合せを含む。
【0192】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、並びに利点は、特定の実施形態の図を参照して記載され、これらは特定の実施形態を概略的に示し、本開示を限定しないことを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0193】
図1】バブルCPAPを提供するために、壁源を使用する従来の設置を概略的に示す。
図2】バブルCPAPを提供するために、流量発生器を備えた呼吸補助装置を概略的に示す。
図3A】患者に呼吸治療を提供するように構成された、呼吸補助システムを概略的に示す。
図3B】適位置に加湿チャンバを備えた、例示的呼吸補助装置の正面斜視図である。
図3C図3Bの呼吸補助装置の背面斜視図である。
図4図3Bの呼吸補助装置の例示的感知チャンバを示す。
図5】超音波流量センサ測定値の例を示す。
図6A】2つの圧力レベルにおける、経時的な圧力センサ測定値の例を示す。
図6B】2つの圧力レベルにおける、経時的な圧力センサ測定値の例を示す。
図7A】DCレベルを取り除いた後に、バブリングがある、及びバブリングがない圧力信号の例を示す。
図7B】DCレベルを取り除いた後に、バブリングがある、及びバブリングがない圧力信号の例を示す。
図8】バブリング検出アルゴリズムの一実施形態による、バブリング検出の概要を示す。
図9】バブリング検出アルゴリズムの一実施形態による、学習段階の例を示す。
図10】バブリング検出アルゴリズムの一実施形態による、ピーク検出の例を示す。
図11】バブリング検出アルゴリズムの一実施形態の例を示す。
図11A】バブリングが起きているかどうかに基づいて、1つ又は複数の警報を発生する例を示す。
図12】バブリング検出アルゴリズムの一実施形態の例を示す。
図12A】2つのタイムウィンドウに分割された波形を示す。
図13A】波形の波形特性を示す。
図13B】波形の波形特性を示す。
図13C】波形の波形特性を示す。
図13D】波形の波形特性を示す。
図13E】波形の波形特性を示す。
図14】流れ及び/又は圧力推定アルゴリズムの一実施形態の例を示す。
図14A】流れ及び/又は圧力推定アルゴリズムの一実施形態の例を示す。
図14B】バブリングが起きているかどうかに基づいて、1つ又は複数の警報を発生する例を示す。
図15】ガス流路内のガスの推定流量及び/又は推定圧力の判定の例示的実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0194】
バブル持続陽圧呼吸療法(バブルCPAP)(Bubble Continuous Positive Airway Pressure)は、患者(典型的には小児)が患者インターフェースを介してガス流を供給される(例えば呼吸支援を提供する)呼吸療法の形である。ガス流は、典型的には病院若しくは診療所の壁内のガス源によって提供され、又は例えば搬送中に圧縮空気及び/若しくは酸素のシリンダによって提供されてもよい。
【0195】
バブルCPAPは、患者(例えば小児)に呼吸支援を提供するために、患者が保育器内にいる間に提供することができる。
【0196】
患者インターフェースは、吸気導管及び呼気導管である、2つの導管に連結される。吸気導管は患者にガスを提供する。呼気導管は、患者から吐き出されたガスのための通路を提供する。呼気導管は、圧力を設定するために使用される圧力調整器と連通する。
【0197】
圧力調整器は、その中に呼気導管の端部を浸す液体(例えば水だが、他の液体が使用されてもよいことが認識されよう)の柱を備えたチャンバであってもよい。呼気導管内のガスは、圧力調整器の中に排出される。水の中に排出される呼気導管内のガス(例えば吐き出されたガスを含む)は、水のバブリング、すなわちバブリング効果をもたらすことがある。バブリングは、圧力調整器の中に排出されたガス流が圧力設定点を超えることによってもたらされる。圧力は、呼気導管の端部が水柱の中に浸される高さに基づく。ユーザは、呼気導管の端部が水柱の中に浸される高さを変えることにより、この圧力を制御し得る。圧力調整器の中に排出されたガス流が、圧力設定点を超えない場合は、バブリングは起きない。バブリングが起きているか否かの表示は、ユーザが治療を提供されているかどうかを判定するのに重要であることがある。例えば圧力設定点が高過ぎる場合は、十分な治療が提供されないことがあり、バブリングは起きないことがあり、又は断続的であることがある。
【0198】
患者インターフェースは、典型的には患者の口及び/又は鼻で封止を形成するように構成される。封止された患者インターフェースの例は、鼻マスク、口マスク、全顔マスク(これは鼻及び口を覆って封止する)、鼻ピロー、又は封止鼻プロングを備えたカニューレを含むことができる。
【0199】
特定の発展途上国又は遠隔地域などの一部の場所では、壁源は利用できないことがあり、又は利用が限定されることがある。本開示は、壁源の別法として及び/又は任意選択で追加として、流量発生器でバブルCPAP治療を提供するシステム及び方法を提供する。流量発生器は、ガス流を加熱して加湿するために、一体化された加湿器も含むことができる。一体化された加湿器を備えた流量発生器の例は、高流治療を提供する呼吸補助装置である。加熱された呼吸管は、加湿器から患者インターフェースにガス流を送達するために、呼吸装置と共に使用することもできる。流量発生器は、補充ガスをガス流に提供するために一体化された攪拌機も含むことができる。流量発生器は、ガス源、例えばガスタンク又は壁源に連結されるより、むしろ周囲ガス、例えば周囲空気を取り込む流量発生器が好ましい。攪拌機は、取り込まれた周囲ガスに1つ又は複数の補充ガスを混合することができる。
【0200】
より詳細な呼吸デバイスは、本明細書に参照により全体が組み込まれた、国際特許出願第PCT/IB2020/052566号パンフレットに記載されている。
【0201】
呼吸装置(例えば高流呼吸装置)は、これに限定されないが、高流治療、すなわち高流呼吸支援(鼻高流治療、若しくは気管高流治療など)、CPAP、バイレベル、及びバブルCPAPを含む、様々なモードの治療を提供することができるので、患者は、異なるモードの呼吸治療に切り替える時に(例えば患者の状態が変わった時に)、異なる呼吸補助装置に切り替える必要がない。各治療は、対応する装置モードを有することがある。
【0202】
装置が各装置モードで作動している時、装置は提供されるモード及び/又は治療の型に特有の1つ又は複数の構成要素と共に使用されてもよい。例えばバブルCPAPモードでは、装置は、封止インターフェース、圧力調整器並びに呼気及び/又は吸気導管と共に使用されてもよい。
【0203】
呼吸装置は、バブルCPAP治療モード又は鼻高流治療モードで(以下により詳細に記載されるように)作動することができる。追加として又は別法として、呼吸装置は、他の高流治療モード、例えば気管高流又は他の高流で作動することもできることがある。鼻高流は、鼻インターフェースを通して送達される。気管高流は、気管インターフェースによって送達することができる。他のインターフェース、例えば口インターフェースも、口腔通路を介して気道に高流を提供することができることがある。記載された呼吸補助装置は、少なくとも高流治療モード及びバブルCPAPモードで作動することができる。
【0204】
呼吸装置デバイスは、以下により詳細に記載されるように、流れ被制御デバイスとして作動する(例えば呼吸装置は、目標流れを達成するために送風機のモータを制御してもよい)。呼吸装置は、(本明細書のいずれかにより詳細に記載されているように)デバイスの1つ又は複数のセンサ、例えば流量センサからの出力に基づいて、目標流量を達成するために装置を制御してもよい。目標流れは一定の流量であってもよい。目標流れは、ユーザによって設定されてもよく、又はバブルCPAP治療モード若しくは鼻高流治療モードなどの治療のモードであるデバイスに基づいてもよい。一例では、コントローラは、バブルCPAP治療モード及び鼻高流治療モードに対して、既定の目標流量を含んでもよい。既定の目標流量は、コントローラのメモリ内に記憶されてもよい。
【0205】
バブルCPAPモードで作動している時に、呼吸補助装置は、検出アルゴリズムを介して圧力調整器(バブラなど)内のバブリングを示す圧力及び/又は流れ振動を検出することができる。呼吸補助装置は、バブリングを示す圧力及び/又は流れ振動の検出に基づいて、1つ又は複数の通知を発生することができる。例えば呼吸補助装置は、圧力調整器内でバブリングが検出されない場合、又はバブリングが不規則(例えば断続的なバブリング)である場合、警報を発生することがある。バブリングは断続的であることがあり、この場合、バブリングは、(例えば以下により詳細に記載されるように)発生と非発生との間で移行する。
【0206】
装置は、複数の警報及び監視を提供することができる。例えば装置は、不規則な量の漏れ、閉塞、提案された及び/若しくは自動的な流量変更、並びに/又は吸気受容を満たさない流量(例えば任意選択で圧力が閾値を超える場合)があるかどうかを判定することができる。
【0207】
用語呼吸補助装置、呼吸デバイス、呼吸装置、呼吸支援装置、呼吸支援デバイス呼吸装置、及びそれらの変形は、同じ品目を記載して同定するために相互に交換可能に使用することができる。
【0208】
呼吸補助装置、呼吸デバイス、呼吸装置(respiratory apparatus)、及び呼吸装置(breathing apparatus)は、以下により詳細に記載されるように、1つ又は複数の追加の構成要素(例えば吸気管、呼気管、圧力発生器)を含む、呼吸補助システム(又は呼吸システム)の一部であってもよい。
【0209】
用語管及び導管は、同じ品目を記載して同定するために相互に交換可能に使用することができる。
【0210】
本明細書に論じたような高流治療は、概して患者の吸気流を満たす又は超えることを意図した流量を備えた、意図的に封止しない患者インターフェースを介して、目標流れの加湿された呼吸ガスを送達する呼吸補助システムを概ね指すと当業者に理解されるような、その典型的な通常の意味を与えることを意図する。典型的な患者インターフェースは、これに限定されないが、鼻又は気管患者インターフェースを含む。成人用の典型的な流量は、これに限定されないが、1分当たり約15リットル~1分当たり約60リットル又はそれ以上の範囲であることが多い。小児患者(新生児、幼児、及び児童など)用の典型的な流量は、これに限定されないが、患者の体重の1キログラム当たり1分当たり約1リットル~患者の体重の1キログラム当たり1分当たり約3リットル又はそれ以上の範囲であることが多い。高流治療は、任意選択で補充酸素及び/又は治療用薬剤の投与を含む、ガス混合成分も含むことができる。高流治療は、他の一般的な名称の中で、鼻高流(NHF)(nasal high flow)、加湿高流鼻カニューレ(HHFNC)(humidified high flow nasal cannula)、高流鼻酸素(HFNO)(high flow nasal oxygen)、高流治療(HFT)(high flow therapy)、又は気管高流(THF)(tracheal nasal flow)を指すことが多い。
【0211】
「高流」を達成するために使用される一部の例の流量は、以下の一覧の流量のいずれでもよい。例えば一部の構成では、成人患者に対して、「高流治療」は、1分当たり約10リットル(10LPM)以上、例えば約10LPM~約100LPM、又は約15LPM~約95LPM、又は約20LPM~約90LPM、又は約25LPM~約85LPM、又は約30LPM~約80LPM、又は約35LPM~約75LPM、又は約40LPM~約70LPM、又は約45LPM~約65LPM、又は約50LPM~約60LPMなどの流量でガスを患者に送達することを指してもよい。例えば新生児、幼児、又は児童に対して、「高流治療」は、1LPM超、例えば約1LPM~約25LPM、又は約2LPM~約25LPM、又は約2LPM~約5LPM、又は約5LPM~約25LPM、又は約5LPM~約10LPM、又は約10LPM~約25LPM、又は約10LPM~約20LPM、又は約10LPM~約15LPM、又は約20LPM~約25LPMなどの流量でガスを患者に送達することを指してもよい。成人患者、新生児、幼児、又は児童患者の高流治療装置は、約1LPM~約100LPM、又は上に概説したあらゆる副範囲の流量でガスを患者に送達してもよい。
【0212】
送達された高流量ガスは、(以下により詳細に記載されるように)加湿される。ガスを加湿することにより、快適性が向上し、治療への耐久力が向上する。これは、意思伝達できない新生児に治療を提供する時に特に重要であることがある。
【0213】
一部の実施形態では、バブルCPAPモードの間に送達された流量は、約20LPM未満、又は約15LPM未満、又は約15LPMであってもよい。
【0214】
特定の例が以下に記載されているが、本開示は、具体的に開示された例を超えて広がり、及び/又は明らかな修正及びその等価物を使用することが当業者には認識されよう。従って開示された本明細書の開示の範囲は、以下に記載されるいかなる具体例にも限定されるべきではないことを意図する。
【0215】
バブルCPAP治療は、患者に供給されたガスの圧力に変形又は振動を生成することができる。液体(例えば水又は生理食塩水)の柱の中に呼気導管の一端を浸すことにより、得られるバブリングは、患者に送達されたガスの圧力に変形又は波を(例えば上に詳細に記載されたように起きるバブリングのように)発生する。バブルCPAPシステムは、水の柱の中に浸す呼気導管の端部の高さの変化により、患者に供給されたガスの平均圧力を変える方法も提供する。呼気導管の端部を浸す高さは、患者に供給されたガスの平均圧力を維持するために、一定に保つことができる。
【0216】
液体は、水、生理食塩水及び/若しくはあらゆる他の液体のいずれか、又は組合せであってもよいことが認識されよう。
【0217】
図1に示されたように、バブルCPAP治療を提供するための従来の呼吸補助システムは、吸気導管121に連結された図1のマスク128などの患者インターフェースを通して、加湿されて加圧されたガスを患者119に提供することができる。吸気導管121は、一定量の水115を含有する、加湿チャンバ110の出口112に連結される。加湿チャンバ110内の一定量の水115は、デバイス・ハウジング114内の加熱板113によって加熱されるので、水蒸気は、水面の上のチャンバ110の容積を充填し始める。水蒸気は、壁源118(図1参照)からチャンバ110の入口116を通ってチャンバ110の中に提供されたガス(例えば空気)の流れを加熱して加湿することができる。加熱されて加湿されたガスは、加湿チャンバ110の出口112から出て吸気導管121の中に入る。吸気導管121は、図1のヒータワイヤ120などの加熱器を含有してもよく、ヒータワイヤ120は、吸気導管121に沿って実質的に一定の加湿プロファイルを増進するために、導管の壁を加熱し、従って吸気導管121内で加湿されたガスの結露を低減する。デバイスは、以下で更に詳細に記載されるように、システム内の1つ又は複数のセンサ(例えばガス特徴センサ)からの入力などを通して、吸気導管121及び加熱板113を加熱するために電力を供給することができる。
【0218】
吸気導管121は、(例えば一緒に連結された)少なくとも1つの導管によって形成されてもよい。
【0219】
加湿されたガスは、吸気導管121を通って患者119の口、鼻、及び/若しくは鼻孔の回りに取り付けられ、並びに/又は封止されたマスク128などの患者インターフェースに通すことができる。吸気導管121は、患者119に周囲空気、酸素、2つの混合物、又は周囲空気と他の補助ガスの混合物によることがあるガス流を提供する。ガスは薬品を含んでもよく、薬品は噴霧療法を通して追加されてもよい。ガスは補充ガス、例えば一酸化窒素を含んでもよい。補充ガスは、補充ガスポートを介して提供されてもよい。装置は、ガス流内の補充ガスの量(又は例えば他のガスに対するガス流内の補充ガスの割合など)を測定するために、1つ又は複数の補充ガス成分センサ(例えば以下に記載されるような超音波センサなど)を含んでもよい。吸気導管121を通るガス流は、バブルCPAPにおける実質的に一定の流量及び/又は実質的に一定の圧力で送達することができる。図1に示されたように、設備は壁源118によって供給されたガス流を有する。壁源118は、患者に送達されたガスの流量を維持するように、目標流量でガスを送達することができる。
【0220】
一部の構成では、補充ガスは、(以下に図4Aに関して記載されるように)酸素と組み合わせて、又は酸素と別個に提供されてもよい。
【0221】
図1に示されたように、過剰ガスは、呼気導管130を通って圧力調整器134に流れることができ、圧力調整器134は示された例ではバブラである。バブルCPAPシステムでは、呼気導管130は、開口終端136内で終了することができる。この終端136は、バブラ134の内側で一定量の水138に浸すことができる。
【0222】
呼気導管130は、過剰水蒸気を周囲雰囲気に進めることができるために、呼吸可能な材料、例えばEvaqua材料から少なくとも一部が形成されてもよい。呼吸可能な呼気導管130は、呼気導管130を遮断する可能性がある、呼気導管130内の結露形成を低減するために、過剰水蒸気を周囲雰囲気に進めることができる。結露によって遮断された呼気導管130は、呼気導管が浸された高さに基づいた設定圧を提供しない。これは認識されよう。
【0223】
呼気導管130は、(例えば一緒に連結された)少なくとも1つの導管によって形成されてもよい。
【0224】
バブラは、水138の容積内の水位140の下の所望の深さに浸された呼気導管130の終端136によって圧力を調整することができる。終端136は、任意選択で呼気導管130の端部に一体化することができる、短い導管上に置くこともできる。バブラは、目標レベルで平均又は中間圧力を維持するように、圧力が所望のレベルを越した時はいつでもガスを発散することにより、圧力調整器として作用することができる。バブルCPAPシステムは、圧力が所望のレベルを超えた時に、過剰のガスを発散するための圧力逃し弁146も含むことができる。バブラは、圧力に振動を提供することもでき、これは臨床的利益を有することがある。バブルCPAP治療は、挿管及び/又は機械的換気に比べて、急性肺障害及び気管支肺異形成症の発症率を低下することがある。バブルCPAP治療は、二酸化炭素の除去にも役立つことがある。バブルCPAP治療は、圧力を設定し、呼吸中に振動を起こすために、ユーザが必要なのは、水位140の下の所望の深さに浸された呼気導管130の終端136を挿入するだけであるので、臨床医が設定するのも単純であることがあり、これは肺胞を開いたままに保ち、小児に肺機能を改善させる助けとなり得る。
【0225】
図2は、呼吸補助装置10を備えた例示的呼吸補助システム150を示す。呼吸補助装置は、バブルCPAPを提供するように構成された流量発生器218を含む(流量発生器218は、送風機を含んでもよいが、本明細書に開示された流量発生器の他の型を含むことができる)。ガス流を発生するために流量発生器を使用することにより、呼吸補助装置10は、壁源が利用できない状況などでバブルCPAPを提供するために、壁源なしに使用することができる。更に呼吸補助装置10内の流量発生器を使用することにより、装置が周囲空気を取り込み、バブルCPAPのためのガス流として周囲空気を提供することができる。これは、ガス貯蔵又はガス源、例えば壁源の必要がないので、呼吸補助装置10をより単純に安価にすることができる。更に流量発生器を備えた呼吸補助装置10が好都合であるのは、周囲空気が患者に提供されるので、ガスを使い果たす危険性がないからである。これは、周囲空気が豊富であるので、ガス源が空であることに起因した治療の中断はないことを確実にする。流量発生器に加湿器、及び任意選択で補充ガス攪拌機を一体化することにより(例えば図3Cに示された酸素入口ポート358'を一体化することにより)、システムに必要な別個の構成要素がより少なくなり、これはその設置を簡略にする。更にシステムは、管によって連結された別個の構成要素が少ないので、占有する空間が少ない。一体化された加湿器及び任意選択で一体化された補充ガス攪拌機を備えた、記載された呼吸補助装置10は、占有する空間を少なくすることができ、追加で相互接続する管を低減する。追加として、流量発生器、一体化された加湿器、及び補充ガス攪拌機は、単一のコントローラによって制御することができ、コントローラは、更に記載されるように、追加として様々な流れパラメータの監視及び制御ができる。
【0226】
一部の実施形態では、流量発生器を含む呼吸補助装置10は、鼻高流治療などの他の形の治療を提供することができることがあり、それによって患者の状態変化のように異なる型の呼吸支援の間の移行がより容易になり、必要な消費可能な構成要素の数も低減することがあり、例えば共通の加熱された呼吸管は、複数の治療にわたって使用されてもよく、患者インターフェースを交換する必要があるだけである。
【0227】
一部の実施形態では、呼吸補助装置10は、ベッド上で使用するのに適した十分に小さい寸法を含むことがある。
【0228】
図2の呼吸補助システム150は、デバイス・ハウジング214内に一体化された流量発生器218によって提供されたガス流を少なくとも有することにより、図1の従来のバブルCPAP設備と異なることが可能である。図2のシステムは、任意選択で患者119に送達されたガス流内の酸素濃度を制御するために、補充ガス源(酸素タンク、流量計に結合された酸素攪拌機、及び同種のものなど)も含むことができる。補充ガス源は、デバイス・ハウジング214及び/又は流量発生器218に(例えば補充ガス入口で)連結することができる。補充ガス源は、窒素などの他の型の補助ガスを提供するように構成することもできる。補充ガス源は、患者にガス流を提供するために、周囲空気と補充ガスを攪拌する内部攪拌機に連結されてもよい。ガス流の中に導入された又は存在する補充ガスの濃度は、制御することができる。
【0229】
呼吸補助システム又は装置は、ガスの特徴を測定するために(例えばバブリングの特性を測定するセンサのような)1つ又は複数のガス特徴センサを含んでもよい。例えばシステム又は装置は、ガスの特徴を判定するために1つ又は複数のセンサを含んでもよい。ガス特徴センサは、圧力センサ、流量センサ、温度センサの1つ又は複数を含んでもよい。
【0230】
以下の開示は、ガス特徴センサが例として使用され、本開示は、バブリングの特性を測定する別のセンサに等しく適用し得ることが認識されよう。
【0231】
ガス特徴センサは、以下により詳細に記載されるように、装置(又は流量発生器218)内に置かれてもよい。
【0232】
ガス特徴センサは、流量発生器の後にガス流路内に置かれてもよい。
【0233】
ガス特徴センサ(又は他の物は、患者インターフェース内に置かれてもよい。
【0234】
ガス特徴センサは、圧力調整器内で置かれてもよい。
【0235】
ガス特徴センサは、ガス流路(例えば装置内の吸気導管及び/若しくは呼気導管又は他のガス流路)内に置かれてもよい。
【0236】
一部の実施形態では、ガス特徴センサは、監視ポートを通して患者インターフェース、圧力調整器又はガス流路内の他の構成要素内に提供されてもよい。
【0237】
センサは、装置に連結するために導線を備えてもよく、又は無線で装置と連通してもよい。
【0238】
センサは、導管の壁内に埋め込まれた1つ又は複数のワイヤを介して装置に連結されてもよく、又は導管内若しくは導管の外部に提供されてもよい。
【0239】
例えば、図1に示されたように、システムは、吸気導管121内に温度センサ144などの温度センサを含むことができる。温度センサ144は、デバイス・ハウジング214内に置かれたコントローラと結合し、電気通信することができる。
【0240】
一部の実施形態では、流量発生器は、周囲ガス及び補充ガスを受領し、これらを一緒に混合するように構成される。
【0241】
図2の呼吸補助システム150は、(例えば呼吸補助装置10のような)高流装置を含むことができる。
【0242】
図3Aは、高流治療構成の呼吸補助装置10の例を示す。しかし高流治療構成に使用するような呼吸補助装置10の特徴は、(例えば図2に示されたような)バブルCPAP構成の時に、装置内に使用されてもよい。
【0243】
呼吸補助装置10は、主要デバイス・ハウジング100を含むことができる。主要デバイス・ハウジング100は、モータ/羽根車配置(送風機など)の形であることが可能な流量発生器11、任意の加湿器又は加湿チャンバ12、コントローラ13、及びユーザインタフェース14を含有することができる。加湿チャンバ12は、補充及び/又は交換のために取り外し可能であってもよい。ユーザインタフェース14は、ディスプレイ、及びボタン、タッチスクリーン、タッチスクリーンとボタンの組合せ、又は同種のものなどの入力デバイスを含むことができる。コントローラ13は、ハードウェア及び/若しくはソフトウェア・プロセッサの1つ又は複数を含むことができ、これに限定されないが、患者に送達するためのガス流を生成するために流量発生器11を作動することと、ガス流を加湿及び/若しくは加熱するために加湿器12(存在する場合)を作動することと、呼吸補助装置10の再構成及び/若しくはユーザが画定した作動のために、ユーザインタフェース14からユーザ入力を受信することと、ユーザに情報を(例えばディスプレイ上に)出力することとを含む、装置の構成要素を制御するように構成し又はプログラミングすることができる。ユーザは、患者、医療専門家、又は同種のものであることが可能である。
【0244】
図3Aを引き続き参照すると、図3Aは高流治療構成内の呼吸補助装置を開示しており、患者呼吸導管16は、呼吸補助装置10の主要デバイス・ハウジング100内のガス流出口21に結合し、患者インターフェース17に結合することができる。図3Aに示されたような高流装置の例では、患者インターフェースは、鼻高流治療を提供するために、マニホールド19及び鼻プロング18を備えた鼻カニューレを含む非封止インターフェースである。鼻カニューレは、ユーザが吐き出す時に、吐き出したガスが鼻プロングの周りから漏れ出すように、ユーザの鼻孔で完全に封止しない。患者呼吸導管16は、バブルCPAPを提供するために、顔マスク、口腔鼻マスク、鼻マスク、鼻ピローマスク、又は鼻カニューレのような封止インターフェースに結合することもできる。
【0245】
ガス流は、流量発生器11によって発生することができ、患者インターフェース17を通って患者導管16を介して患者に送達される前に加湿されてもよい。コントローラ13は、所望の流量のガス流を発生するために流量発生器11を、及び/又は空気と酸素若しくは他の呼吸可能なガスの混合を制御するために1つ若しくは複数の弁を制御することができる。コントローラ13は、患者に送達するために所望のレベルの温度及び/又は湿度を達成する、所望の温度にガスを加熱するために、存在する場合に加湿チャンバ12内の加熱要素を制御することができる。患者導管16は、患者に通過させるガス流を加熱するために、ヒータワイヤなどの加熱要素16aを有することができる。加熱要素16aは、コントローラ13の制御を受けることもできる。加熱要素16aは、患者導管16内の結露を低減及び/又は防ぐためにガスを加熱する。
【0246】
呼吸補助装置10は、ガスの特徴を測定するために1つ又は複数のガス特徴センサを含んでもよい。ガス特徴センサは、適切な治療を提供する手法でガス流の特性を監視し、及び/又は呼吸補助装置10を作動させるために、コントローラ13と連通した超音波トランスデューサ、サーミスタ流量センサなどの流量センサ、圧力センサ、温度センサ、湿度センサ、又は他のセンサの1つ又は複数を含んでもよい。ガス流特性は、ガス濃度、流量、圧力、温度、湿度、又はその他を含むことができる。圧力、温度、湿度、及び/又は流量センサなどのセンサ3a、3b、3c、20、25は、主要デバイス・ハウジング100、患者導管16、及び/又は患者インターフェース17内の様々な場所に置くことができる。コントローラ13は、ガス流の適切な目標温度、流量、及び/又は圧力を判定するように、適切な治療を提供する手法で呼吸システム10を作動する際に支援するために、センサから出力を受信することができる。適切な治療を提供することは、患者の吸気需要を満たすこと、及び/又は(例えば患者の酸素飽和度(SpO)を制御するために)患者の吸入酸素濃度(FiO)の需要を満たすことを含むことができる。適切な治療の流量、例えば高流治療の流量、及び/又は患者の吸気需要を満たす若しくは超える流量は、以下に説明される。
【0247】
呼吸補助装置10は、1つ又は複数の患者センサを含んでもよい。患者センサは、1つ又は複数の患者特性(例えば患者の酸素飽和度)を測定してもよい。1つ又は複数の患者センサは、有線接続又は無線接続により(以下により詳細に記載されるように)コントローラに接続されてもよい。
【0248】
一部の構成では、1つ又は複数の患者センサは、患者の血液酸素飽和度を測定するように構成されたパルスオキシメータを含む。パルスオキシメータは、例えば指装着型又は耳装着型であってもよい。
【0249】
一部の構成では、装置は、患者に提供された酸素濃度又は(例えば上に記載されたような)他の補充ガス濃度を制御してもよい。装置は、ガス組成センサ(例えば超音波センサ)及び/又は患者の血液酸素飽和度(例えばパルスオキシメータ)に基づいて、(以下に記載されるような)1つ又は複数の弁を制御してもよい。装置は、ガス組成目標(例えば酸素濃度)又は患者の血液酸素飽和度の目標を達成するために弁を制御してもよい。
【0250】
(以下により詳細に記載されるような)超音波ガス組成センサを使用することにより、ガス組成目標(例えば酸素濃度)又は患者の血液酸素飽和度の目標を制御するために、ガス組成を迅速に測定し、装置の弁の制御に迅速に応答できることがある。別法として、他のガス組成センサを使用することができることを認識されよう。
【0251】
呼吸補助装置10は、コントローラ13が、作動センサ(例えばガス特徴センサ、若しくは患者センサ)から無線でデータ信号8を受信し、及び/若しくはシステム10の様々な構成要素を制御できる、無線データ送信機及び/若しくは受信機、又はトランシーバ15を含むことができる。追加として又は別法として、データ送信機及び/又は受信機15は、リモートサーバにデータを送信することができ、又はシステム10の遠隔制御ができる。一例では、リモートサーバは、患者の使用データ、例えばバブルCPAPシステムの使用若しくは(例えば以下により詳細に記載されるような)高流システムの使用を記録することができる。使用は、使用時間であることが可能であり、並びに/又は流量及び加湿レベル(例えば露点)を含むこともできる。システム10は、コントローラ13が作動センサからデータ信号8を受信し、及び/又は呼吸補助システム10の様々な構成要素を制御できるために、例えばケーブル若しくはワイヤを使用する、ワイヤ接続を含むこともできる。
【0252】
無線データ送信機及び/若しくは受信機、又はトランシーバ15は、ネットワーク・インターフェースとして(例えばモデムとして)作用してもよい。
【0253】
無線データ送信機及び/若しくは受信機、又はトランシーバ15は、当技術分野で公知の通信プロトコル、例えばWifi、Bluetooth、Zigbee、携帯電話(3G、4G、若しくは5G、その他)の1つ又は複数を使用してもよい。
【0254】
無線データ送信機及び/若しくは受信機、又はトランシーバ15は、装置と携帯機器(例えばBluetooth若しくはWifiを介した電話若しくはタブレット)との間の通信ができることがある。
【0255】
無線データ送信機及び/若しくは受信機、又はトランシーバ15は、通信プロトコルのそれぞれに対して、又は群に対していくつかの別個の送信機、受信機、及び/又はトランシーバを含んでもよい。
【0256】
無線データ送信機及び/若しくは受信機、又はトランシーバ15は、1つ又は複数のデバイス(例えばサーバ)からデータを送信し、データを受信するように構成されてもよい。
【0257】
1つ若しくは複数の事象、又は警報は(以下により詳細に記載されるように)、1つ若しくは複数のサーバ及び/又はデバイス(例えばコンピュータ、電話若しくはタブレット)に送信されてもよい。事象又は警報に関連した追加情報(例えば時間、期間、若しくは重症度)は、追加としてサーバ及び/又はデバイスに送信されてもよい。
【0258】
バブリングが起きているかどうかに基づいたバブリング時間メトリックも(以下により詳細に記載されるように)、サーバ及び/又はデバイスに送信されてもよい。
【0259】
呼吸補助装置10は、主要電圧から電力供給することができる。
【0260】
一部の実施形態では、システムは、補助電源(例えば電池)を含むことができる。
【0261】
一部の実施形態では、システムは電池を含むことができる。電池は、システム用の主要電源を提供してもよく、又は主要電源が利用できない時に、補助電源として役立つことがある。これが好都合であるのは、治療を連続して送達することができる、すなわち主要電力に不足又は停電があった場合であっても、ガスを患者に送達し続けることができるからである。これが好都合であるのは、治療は、新生児又は幼児に対して一定期間持続することができ、それによって治療を損なうことに起因して、これらの患者に生理学的悪化又は傷害を起こす可能性を低減するからである。
【0262】
電池は、主要電圧源が利用できない状況でシステムを使用できるために、システムの携帯性を増加することができる。
【0263】
本明細書で検討したような高流治療は、概して患者の吸気流れを満たす又は超えることを意図した流量で、意図的に封止していない患者インターフェースを介して、加湿された呼吸ガスの目標流れを送達する呼吸補助システムを概して指すことが当業者によって理解されるような、その典型的な一般的意味を与えることを意図する。
【0264】
図3B及び3Cは、例示的呼吸補助装置10を示す。デバイスは、少なくとも部分的に流量発生器を閉囲するハウジング300を含むことができる。流量発生器は、モータ及び/又はセンサモジュールを含んでもよい。モータ及び/又はセンサモジュールは、主要ハウジング300から取り外しができなくてもよい。モータ及び/又はセンサモジュールは、任意選択で主要ハウジング300から取り外し可能でもある。ハウジング300は、取り外し可能な加湿チャンバ310を受領するために、加湿器又は加湿チャンバベイ318を含むことができる。取り外し可能な加湿チャンバ310は、患者に送達されるガスを加熱して加湿するために水などの適切な液体を含有する。加湿チャンバ310は、チャンバベイ318の中に線形に摺動で動くデバイス・ハウジング300に流体結合することができる。ガス出口ポート322は、モータ及び/又はセンサモジュールとチャンバ310の入口306との間に流体連通を確立することができる。
【0265】
加熱されて加湿されたガスは、チャンバ310の出口308から出て加湿されたガス還流部340に入ることができ、加湿されたガス還流部340は、取り外し可能なL字形エルボを含むことができる。取り外し可能なエルボは、患者インターフェース17にガスを送達するために、図3Aの吸気導管16などの吸気導管に結合するために、患者出口ポート344を更に含むことができる。ガス出口ポート322、加湿されたガス還流部340、及び患者出口ポート344は、それぞれデバイス・ハウジング300と加湿チャンバ310と吸気導管との間に封止されたガス通路を提供するために、Oリングシール又はTシールなどのシールを有することができる。ハウジング300内の加湿チャンバベイ318の床部は、加湿工程中に使用するために、加湿チャンバ310内の水を加熱するための加熱板又は他の適切な加熱要素などの加熱器構成を含むことができる。エルボは、1つ又は複数の一体化されたセンサを含んでもよい。例えばエルボは、1対の埋め込まれた温度センサを含んでもよい。
【0266】
エルボが取り外し可能であることは、異なる患者によって使用する間に取り外して消毒することができるという意味で好都合であることがある。
【0267】
図3Cに示されたように、デバイスは、流量発生器が空気、酸素(若しくは代替補助ガス)、又はその適切な混合物を加湿チャンバ310に、それによって患者に送達できる配置を含むことができる。この配置は、ハウジング300の背壁322内に空気入口356'を含むことができる。デバイスは、別個の酸素入口ポート358'を含むことができる。示された構成では、酸素入口ポート358'は、その背端にハウジング300の1側面に隣接して位置付けることができる。酸素ポート358'は、タンク又は酸素攪拌機などの酸素源に連結することができる。酸素入口ポート358'は、弁と流体連通することができる。弁は、例えば電磁弁、比例弁、及び/又は加湿チャンバ310に送達されるガス流に追加される酸素の量を制御できる、あらゆる他の適切な弁であることが可能である。流量発生器が空気、酸素(若しくは代替補助ガス)、又はその適切な混合物を送達できる配置は、図4Aに関連して以下により詳細に開示される。
【0268】
ハウジング300は、感知回路基板などの適切な電子基板を含むことができる。電子基板は、これに限定されないが、マイクロプロセッサ、コンデンサ、抵抗器、ダイオード、演算増幅器、比較器、及びスイッチなどの、適切な電気若しくは電子構成要素を含有することができ、又は電気通信することができる。1つ又は複数のセンサは、電子基板と共に使用することができる。電子基板の構成要素(これに限定されないが、1つ又は複数のマイクロプロセッサなど)は、装置のコントローラ13として作用することができる。電子基板の一方又は両方は、所望の流量のガスを提供し、ガス流を適切なレベルに加湿及び加熱し、適切な量の酸素(又は適切な量の代替補助ガス)をガス流に供給するようにモータを作動させるために、これに限定されないが、ディスプレイ設備及びユーザインタフェース14、モータ、弁、並びに加熱板を含む、システム10の電気構成要素と電気通信することができる。
【0269】
ディスプレイは、タッチスクリーン及び/又は1つ若しくは複数の機械入力デバイスの1つ或いは複数を含んでもよい。
【0270】
上記のように、流量、温度、湿度、及び/又は圧力センサなどの作動センサは、呼吸補助装置、患者導管16、及び/又はカニューレ17内の様々な場所に置くことができる。電子基板は、それらのセンサと電気通信することができる。センサからの出力は、吸気需要を満たすことを含む光学治療を提供する手法で、呼吸補助システム10を作動するようにコントローラ13を支援するために、コントローラ13によって受信することができる。1つ又は複数のセンサ(例えばホール効果センサ)は、流量発生器のモータのモータ速度を測定するために使用されてもよい。モータは、ブラシレスDCモータを含んでもよく、モータ速度は、ブラシレスDCモータから別個のセンサを使用することなく測定することができる。例えばブラシレスDCモータの作動中に、逆起電力は、モータの非通電の巻線から測定することができ、モータ位置はモータの非通電の巻線から判定することができ、これは次いでモータ速度を計算するために使用することができる。加えて、モータドライバは、モータ電流を測定するために使用されてもよく、モータ電流は、モータトルクを計算するために測定モータ速度と共に使用することができる。モータは、低慣性モータも含んでもよい。
【0271】
室内の空気は、図3Cの空気入口ポート356'などの入口ポートを通って流量発生器に入ることができる。流量発生器は、1,000RPMを超え30,000RPM未満、2,000RPMを超え21,000RPM未満、4,000RPMを超え15,000RPM未満、又はあらゆる前記の値の間のモータ速度で作動することができる。流量発生器の作動は、入口ポートを通ってモータ及び/又はセンサチャンバなどの流量発生器に入るガスを混合することができる。混合器のような流量発生器を使用することにより、圧力降下を低減することができ、そうでなければ混合にはエネルギーが必要であるので、バッフルを含む静的混合器などの別個の混合器を備えたシステムで起きるはずである。
【0272】
一部の実施形態では、呼吸補助装置(又は例えば流量発生器などの装置の一部)は、治療が休止又は停止した時に、待機モードに入ってもよい。待機モードでは、モータ速度は低定速、例えば1,000RPM~3,000RPMに維持される。比較的低いモータ速度を維持することにより、治療が再開される時に羽根車が作動速度に達するために掛る時間が低減する。
【0273】
図4に示されたように、混合された空気は流量発生器から出て、センサチャンバ400内の流路402に入ることができ、センサチャンバ400はモータ及び/又はセンサモジュール内に置くことができる。超音波センサ406及び/又は加熱されたサーミスタ流量センサなどのセンサを備えた感知回路基板404は、感知回路基板がガス流内に少なくとも一部が浸るように、センサチャンバ400内に位置付けることができる。感知回路基板上のセンサの少なくとも一部は、流れの中のガス特徴を測定するためにガス流内に位置付けることができる。センサチャンバ400内の流路402を通過した後、ガスは加湿チャンバ310に出ることができる。
【0274】
流量発生器の下流にセンサを位置付けることにより、流量発生器及び/又は混合器の上流にセンサを位置付けるシステムの上に、酸素濃度を含むガス分濃度の測定値などの測定値の精度を高めることができる。そのような位置付けは、反復可能な流れプロファイルを与えることができる。更に組み合わせた流量発生器と混合器の下流にセンサを位置付けることにより、圧力降下の影響を回避し、そうでなければ流量発生器及び別個の混合器の前に感知が起きる時に起きるはずである。また感知回路基板及びセンサの少なくとも一部を流路に浸すことも、流れに浸すセンサが、ガス流と同じ温度及び圧力などの条件を受け、従ってガス流特性のより良好な表示を提供する傾向が多いので、測定値の精度を高めることができる。
【0275】
図4に示されたように、流路402は、湾曲形状を有することができる。流路402は、急カーブのない湾曲形状を有するように構成することができる。流路402は、湾曲端部の間に直線部を備えた湾曲端部を有することができる。湾曲形状の流路は、流路の測定部を形成するために、測定領域の一部を流路と一致させることにより、流れ測定の感度を低減することなくガス流の圧力降下を低減することができる。
【0276】
感知回路基板404は、音響送信機及び/又は受信機、流量センサ、圧力センサ(例えば絶対若しくは相対)、湿度センサ、温度センサ、サーミスタ、及び同種のもの(若しくは例えば本明細書のいずれかに開示されたような他のセンサ)などのセンサを含むことができる。
【0277】
ガス流量は、少なくとも2つの異なる型のセンサを使用して測定されてもよい。第1の型のセンサは、ガス流とサーミスタとの間の熱移動を監視することにより、流量を判定することができるサーミスタを含むことができる。サーミスタ流量センサは、ガスがサーミスタの周りを流れて通過する時に、流れの中で一定の目標温度でサーミスタを動作させることができる。センサは、目標温度にサーミスタを維持するために必要な電力量を測定することができる。目標温度は、ガス流の温度より高いように構成することができるので、より高い流量で目標温度にサーミスタを維持するために、より多くの電力が必要である。
【0278】
サーミスタ流量センサは、目標温度とガス流温度との間の差が小さ過ぎる又は大き過ぎることを回避するために、サーミスタ上に複数(例えば2つ、3つ、又はそれ以上)の一定の温度も維持することができる。複数の異なる目標温度により、サーミスタ流量センサがガスの大きい温度範囲にわたって正確であることを可能にする。例えばサーミスタ回路は、2つの異なる目標温度の間で切り替えることができるように構成することができるので、ガス流の温度は、常に2つの目標温度(例えば近過ぎず、遠過ぎない)の一方に対してある特定の範囲内に収まることができる。サーミスタ回路は、約50℃~約70℃、又は約66℃の第1の目標温度で作動するように構成することができる。第1の目標温度は、約0℃~約60℃、又は約0℃~約40℃の所望の流れ温度範囲に関連することができる。サーミスタ回路は、約90℃~約110℃、又は約100℃の第2の目標温度で作動するように構成することができる。第2の目標温度は、約20℃~約100℃、又は約30℃~約70℃の所望の流れ温度範囲に関連することができる。
【0279】
コントローラは、サーミスタ回路内の抵抗器を連結し又は迂回することにより、少なくとも第1の目標温度モードと第2の目標温度モードとの間で変更するために、サーミスタ回路を調節するように構成することができる。サーミスタ回路は、第1の電圧ドライバアーム及び第2の電圧ドライバアームを含む、ホイートストンブリッジ構成のように配置することができる。サーミスタは、電圧ドライバアームの1つの上に置くことができる。サーミスタ流量センサのより詳細は、全体が本明細書に参照により組み込まれた、国際公開第201805230A2号パンフレットに記載されている。
【0280】
第2の型のセンサは、音響(超音波など)センサ・アセンブリを含むことができる。音響送信機及び/又は受信機を含む音響センサは、流れ治療装置に使用することができるガス速度及び/又は組成物を判定するために、音響信号の飛行時間を測定するために使用することができる。1つの超音波感知(超音波送信機及び/又は受信機を含む)トポロジでは、ドライバにより、超音波変換器などの第1のセンサが、超音波パルスを第1の方向に生成する。第2の超音波変換器などの第2のセンサは、このパルスを受信し、第1の超音波変換器と第2の超音波変換器との間のパルスの飛行時間の測定値を提供する。この飛行時間の測定値を使用して、超音波変換器の間のガス流の音響の速度は、呼吸補助装置のプロセッサ又はコントローラによって計算することができる。第2のセンサは、飛行時間の第2の測定値を提供するために、第1の方向と反対の第2の方向にパルスを送信することもでき、第1のセンサは受信することができ、流量又は速度などのガス流の特性を判定することができる。別の音響感知トポロジでは、超音波変換器などの音響送信機によって送信された音響パルスは、マイクロホンなどの音響受信機によって受信することができる。音響流量センサのより詳細は、その全体が本明細書に参照により組み込まれた、国際公開第2017095241A3号パンフレットに記載されている。音響パルスは、ガスの流路に沿って送信することができ、それによって音響センサはガスの流量又は速度を測定するために使用することができる。
【0281】
上記のような超音波センサは、迅速な応答を提供するセンサを提供することがある。これにより、コントローラは、ガス流内のO2の量を調節することができる弁を制御することができる。別法として、他のガス組成センサを使用することができる。
【0282】
第1及び第2の型の両方のセンサからの読み取りは、より正確な流れ測定値を判定するために組み合わせることができる。例えば前に判定された流量及びセンサの型の一方からの1つ又は複数の出力は、予測された現在の流量を判定するために使用することができる。予測された現在の流量は、次いで最終流量を計算するために、センサの第1及び第2の型の他方からの1つ又は複数の出力を使用して更新することができる。
【0283】
例えば図4Aに示されたように、装置は、装置のガス流路に入る酸素及び/又は他のガスの流れを制御し、装置が気流に混入された酸素の割合を調整することができる、弁モジュール4001を含んでもよい。弁モジュールは、製造、組立て、作動、又は交換を容易にするためにモジュラユニットとして形成される。例えば故障、定期保守、又は将来の更新/改良の場合。
【0284】
弁モジュールは、治療酸素濃度でユーザに提供されたガスの酸素濃度を制御するために作動するように構成されてもよい。
【0285】
装置は、フィルタモジュール4002を含んでもよく、これはフィルタを含んでもよい。
【0286】
本明細書に記載されたフィルタモジュール4002及び弁モジュール4001は、装置に対してガス流路を変化させてもよい。例えば弁モジュールは、弁モジュール及びフィルタモジュールを介して、装置のガス流路に入る酸素の流れを制御することがある。別法として、弁モジュールは、代替供給入口を介して代替酸素源をフィルタモジュールに直接連結することによって迂回されてもよい。これは、ユーザが手動で酸素供給を(すなわち壁供給ロタメータを介して)調節したいことがある状況で役立つことがある。
【0287】
本明細書に記載されたフィルタモジュール及び弁モジュールは、ガス流を送達するために装置内で別個に使用されてもよいことが認識されよう。別法として、フィルタ及び弁モジュールは、改良された機能性のためにフィルタ及び弁組立体として一緒に使用されてもよい。
【0288】
示された構成では、装置10は以下の少なくとも1つにより、すなわち
(装置による自動的な酸素調整のために)弁モジュールを介して、又は
フィルタの頂部上に提供された代替ガス入口(調整器によって調整された壁供給部などの手動で調節可能な酸素供給部を取り付けることができる)を介して酸素を受領する。
【0289】
装置10はマニホールドを含んでもよい。マニホールドはハウジング上に置かれてもよい。マニホールドは、酸素入口、代替ガス入口、及び/若しくは空気入口の1つ又は複数を提供してもよい。
【0290】
マニホールドは、酸素、代替ガス、及び/又は周囲空気を弁モジュール、フィルタモジュール、及び/又は送風機に提供してもよい。
【0291】
酸素入口又は代替ガス供給入口は、マニホールドの側面上に提供されてもよい。
【0292】
マニホールドは、過剰酸素を周囲環境に溢れ出させることができることがあり、及び/又は送風機が停止しており、酸素が引き続き供給されている場合に、酸素を周囲環境に溢れ出させることができることがある。これは、ハウジング内のO2の蓄積を防ぐ。
【0293】
記載された様々な構成は、例示的構成に過ぎない。任意の構成からの任意の1つ又は複数の特徴は、任意の他の構成からの任意の1つ又は複数の特徴と組み合わせて使用されてもよい。
【0294】
別の例として、モータ及び/又はセンサのサブアセンブリの凹部がハウジングの裏側にあるように記載されているが、これは別法として、ハウジングの背面、側面、正面又は頂面にあることが可能である。空気及び/又は酸素の入口も、必要に応じて異なって位置付けられてもよい。
【0295】
別の例として、加湿チャンバ及びチャンバベイは、加湿チャンバがハウジングの正面からチャンバベイの中に挿入され、取り外されるように構成されるより、むしろ加湿チャンバがハウジングの側面、背面、又は頂面からチャンバベイに挿入され、取り外されるように構成されることが可能である。
【0296】
別の例として、フィルタモジュールは、上からハウジングの中に挿入され、弁モジュールは下からハウジングの中に挿入されるように記載されているが、それらの構成要素の一方又は両方は、上部、下部、側部、前部、又は背部などのハウジングのあらゆる適切な部分の中に挿入することが可能である。
【0297】
フィルタモジュール及び弁モジュールは、加熱されて加湿されたガスを患者又はユーザに送達できる、呼吸補助装置を参照して記載されている。
【0298】
フィルタモジュール及び/又は弁モジュールは、別法として加湿器を必要とせず、従って加湿チャンバを必要としない装置と共に使用されてもよい。例えば、電気及び電子構成要素からモータ及びガス流路を隔離する構成は、他の型のガス送達装置内に広い適用を有することが認識されよう。
【0299】
呼吸補助装置は、(例えば図3に示されたような)高流治療又は(例えば図2に示されたような)バブルCPAP治療を送達するように構成されてもよい。
【0300】
呼吸補助装置は、高流治療モード、バブルCPAP治療モード、CPAP治療モード、及び/又はバイレベル治療モードの1つ又は複数の間で交換可能であってもよい。
【0301】
高流治療モードでは、呼吸補助装置は高流治療を提供するように構成される。
【0302】
バブルCPAP治療モードでは、呼吸補助装置は、バブルCPAP治療を提供するように構成される。
【0303】
高流治療は鼻高流治療である。
【0304】
高流治療モードでは、システムは、吸気導管121に結合された封止していない患者インターフェースを含む。
【0305】
封止していない患者インターフェースは鼻カニューレであってもよい。
【0306】
使用時に、鼻カニューレは、ユーザの鼻孔にガスを提供するためにユーザの顔の上に位置付けられる。
【0307】
バブルCPAP治療モードでは、システムは、吸気導管121に結合された封止された患者インターフェース、封止された患者インターフェースに結合された呼気導管130を含む。
【0308】
呼気導管130は、患者インターフェース及び/又は患者の気道内の圧力を調整するために圧力調整器に結合される。
【0309】
上により詳細に記載されたように、圧力調整器は、水の柱を備えたチャンバ及び水の柱の中に浸される呼気導管130を含む。ユーザに提供される圧力は、水の柱内で呼気導管130を浸す深さによって画定され、又は設定される。
【0310】
一部の実施形態では、流量発生器(呼吸補助装置の一部として)は、ガス流路を介して目標流量及び/又は目標圧力でガス流を提供するように構成される。
【0311】
コントローラは、目標流量を達成するためにモータのモータ出力(例えばモータ速度又はモータ電流)を制御してもよい。
【0312】
目標圧力は、上に記載されたように圧力調整器によって制御されてもよい。
【0313】
一部の実施形態では、ガス流路は、患者インターフェースに連結された吸気導管、及び圧力調整器に連結された呼気導管を含んでもよい。
【0314】
ガス流路は、それを通ってガスが流れる呼吸補助装置の一部を含んでもよい。
【0315】
吸気導管121は、高流治療モードとバブルCPAP治療モードとの間で共通であってもよい。
【0316】
両方のモードで使用可能な同じ吸気導管は、モードを変える時に相互に交換する必要がある構成要素の数を低減する。
【0317】
更にこの共通の吸気導管により、ハウジングの中に一体化された流量発生器及び加湿器を含む、同じ呼吸補助装置をバブルCPAPモードと高流モードの両方に使用することができる。更に共通のハウジング内の一体化された加湿器及び流量発生器は、先行技術のシステムに必要であるような複数の構成要素の特有の設備より、むしろ単一デバイスを使用できるので、バブルCPAPと他の治療モード(例えば高流モードなどの非バブルCPAPモード)との間の移行が単純になる。
【0318】
本システムは、バブルCPAP治療及び高流治療の両方を送達するために使用できる一方で、必要なのはインターフェースを変えるだけである、単一の呼吸補助装置を提供する。共通の呼吸補助装置を使用して加湿されたガスを送達できるので、ガス供給側面上の構成要素に変更はない、すなわちガス供給構成要素に変更はない。
【0319】
コントローラは、高流治療モードに関連した高流治療制御プログラムを含んでもよい。
【0320】
コントローラは、バブルCPAP治療モードに関連したバブルCPAP治療制御プログラムを含んでもよい。
【0321】
一部の実施形態では、高流治療モードは、高流治療コントローラを有してもよい。任意選択で高流治療コントローラは、高流治療制御プログラムを実行するように構成されてもよい。
【0322】
一部の実施形態では、バブルCPAP治療モードは、バブルCPAP治療コントローラを有してもよい。任意選択でバブルCPAP治療コントローラは、バブルCPAP治療制御プログラムを実行するように構成されてもよい。
【0323】
コントローラは、選択されたモードの作動に対応する、プログラムを選択して適用するように構成される。
【0324】
高流治療制御プログラム及びバブルCPAP治療制御プログラムのそれぞれは、対応する作動パラメータを画定する。
【0325】
一部の実施形態では、作動パラメータは、モータ速度又は圧力制限の1つ又は複数を含んでもよい。
【0326】
作動パラメータは、1つ又は複数の警報条件を含んでもよい。
【0327】
1つ又は複数の警報条件は、バブルCPAP治療モード内にバブリングが欠如していることがある。
【0328】
一部の実施形態では、警報は、バブリングの欠如が閾値の期間を超えて検出された時に作動されてもよい。
【0329】
作動パラメータは、加湿レベルを画定してもよい。
【0330】
作動パラメータは、加湿器を制御するために温度又は露点設定点の1つ又は複数であってもよい。
【0331】
高流モードの間に提供された加湿レベルは、バブルCPAP治療モードの間に提供された加湿レベルより大きくてもよい。
【0332】
作動パラメータは、各モードに対応する流れ制限も画定してもよい。
【0333】
コントローラは、バブラのバブリングを検出するように構成されてもよく、バブリングが検出された場合に、コントローラは、バブルCPAP治療モードを選択する。
【0334】
コントローラは、全ての治療モード(バブルCPAP及び高流治療モードなど)でバブラのバブリングを検討するように構成されてもよい。例えばバブリングの検出は、装置の作動中に連続して又は周期的に行われてもよい。
【0335】
一部の実施形態では、バブリングの検出は治療の開始に行われてもよい。
【0336】
一部の実施形態では、バブリングの検出は、治療の開始又はその近くで所定の時間行われてもよい。
【0337】
一部の実施形態では、バブリングの検出は、治療の開始の所定の時間内に行われてもよい。
【0338】
一部の実施形態では、バブリングの検出は、非バブルCPAPモード(例えば高流治療モード)の開始又はその近くで行われてもよい。バブリングが非CPAPモードで検出された場合、コントローラは、1つ若しくは複数の警報(例えば通知)を発し、及び/又はバブルCPAPモードに自動的に変えてもよい。
【0339】
一部の実施形態では、バブリングの検出は、治療モードを変える時に行われてもよい。
【0340】
一部の実施形態では、バブリングの検出は、ユーザが1つ又は複数の治療設定(例えば流量設定点及び/若しくは圧力設定点)を変える時に行われてもよい。
【0341】
一部の実施形態では、バブリングの検出は、装置が非バブルCPAPモードである時に行われてもよい。
【0342】
バブリングが非バブルCPAPモード(例えば高流治療モード)の間に検出された時、コントローラは、バブラが連結されている、及び/若しくは誤った治療が選択されていることを示す警報又は通知を発生することがある。
【0343】
コントローラは、一旦バブリングが所定の時間検出されると、バブルCPAP治療モードを選択してもよい。
【0344】
コントローラは、一旦バブリングが(任意選択で所定の時間)検出されると、モードをバブルCPAP治療モードに変えることを考慮するようにユーザにメッセージを表することがある。
【0345】
コントローラは、バブラが連結されているかどうか、及び/又はバブリングがバブラ内で検出されたかどうかに基づいて、治療モードを自動的に選択してもよい。
【0346】
コントローラは、バブラがバブリングによって検出された場合、モードをバブルCPAP治療モードに自動的に切り替えてもよい。
【0347】
コントローラは、バブリングがバブラ内で検出された場合、モードをバブルCPAP治療モードに自動的に切り替えてもよい。
【0348】
コントローラは、バブリングが検出された場合、流量を制限してもよい。この場合に流量を制限することは、不正確なモード(例えば非バブルCPAPモード)が選択された場合、患者に保護を提供してもよい。コントローラは、バブリングが非バブルCPAPモードで検出された場合、流量を制限してもよい。
【0349】
コントローラは、バブリングが非バブルCPAPモードで検出された場合、自動的に流量設定点を制限してもよい。
【0350】
バブリングが非バブルCPAPモードで検出された場合、コントローラは、バブリングが検出されている、及び/又は流量設定点に制限が適用されていることをユーザに知らせる警報を提供してもよい。ユーザは、流量設定点に適用された制限を無効にする機能を与えられてもよい。
【0351】
バブルCPAP治療モードに自動的に切り替わる時に、コントローラは、現在の流量を維持してもよく、又はバブルCPAP治療に適切な流量に調節してもよい。
【0352】
バブルCPAP治療モードに自動的に切り替わる時に、コントローラは、安全作動パラメータ(例えば安全流量、圧力制限、その他)の組に基づいて装置を制御してもよく、安全作動パラメータの組は、1つ又は複数の範囲若しくは制限閾値を含んでもよい。
【0353】
一部の実施形態では、バブリングが検出されないが、コントローラが、バブルCPAPモードに自動的に変わるように構成されていない時、コントローラは、依然としてバブルCPAPモード毎に警報及び閾値を監視してもよい。
【0354】
バブルCPAP治療モードに自動的に切り替わる時、コントローラは、ユーザがバブルCPAPインターフェースを切り替えるように促す通知を発生してもよい。
【0355】
バブルCPAP治療モードに切り替わる時、装置は、ユーザが選択することができるバブルCPAPモードに変えるために、ユーザインタフェースを介して選択肢を表してもよい。
【0356】
一部の実施形態では、バブリングの検出は、呼吸支援装置及び/又は治療モードを使用した不正確な周囲構成要素(患者インターフェース、導管、その他など)を検出するために使用されてもよい。
【0357】
ユーザは、高流治療モード又はバブルCPAP治療モードを(任意選択でユーザインタフェースを介して)選択してもよい。
【0358】
バブリングの検出は、本明細書のいずれかに記載されたような検出であってもよい。
【0359】
呼吸補助装置は、バブラ(又は他の圧力調整器)内のバブリングの存在を検出するように構成することもできる。バブリングは、システムが正しく作動していることを示すのに有益であることが可能である。例えばバブリングの一時的な欠如は、患者の最大吸気流がその瞬間にデバイスによって送達された流量を超えている(すなわち呼吸補助装置によって送達された流量が十分ではない)ことを示すことができる。追加として、バブリングの長引く欠如は、ガス通路、例えば構成要素の連結の間などに漏れがあり得ることを示すことができる。
【0360】
圧力及び/又は流れにおける振動は、呼吸及びバブリングなどの事象によって起こることがある。各事象に関連した圧力及び/又は流れの振動は、これらの事象間の区別に使用することができる異なるサインを含んでもよい。バブリングは、バブラを通るガスの排出によって起きた圧力及び/又は流れ内のバブリング振動のサインの存在を検出することによって検出することができる。流量がコントローラによって制御される呼吸補助システムでは、コントローラは、バブリングの存在を判定するために、圧力センサなどからの圧力信号、又は流量センサなどからの流量信号(どちらも本明細書のいずれかに開示されている)を使用することができる。
【0361】
システムの正常作動中に、コントローラは、上に記載されたように、圧力及び/又は流量センサを使用してガスの圧力及び/又は流量を監視してもよい。
【0362】
しかし圧力又は流れの変形(例えばバブリング)の検出は、これに限定されないが、提供された治療及び使用された構成要素に依存する振幅の変形、圧力及び/又は流れの振動に関する呼吸の存在、並びに水を通過する流れのレベル及び水柱の高さの変化による流れ及び圧力信号の特性を含む、多数の因子に起因してより複雑である。
【0363】
追加として、漏れ及び/又は遮断(例えば回路内の結露)の存在に起因するバブリングパターンの変形が、バブリング検出の複雑性に加わることがある。
【0364】
バブリングが起きているかどうかの判定は、圧力調整器内のバブリングを示す少なくとも1つの特性に基づいてもよい。
【0365】
バブラ圧力調整器内のバブリングを示す少なくとも1つの特性は、バブラの画像を示す信号を出力するように構成された視覚センサ(例えば可視センサ)、水位センサ、マイクロホン、光学センサ、ガス流特性センサの1つ又は複数によって判定されてもよい。
【0366】
上に記載されたセンサは、圧力調整器内のバブリングを示す少なくとも1つの特性を示す信号を出力してもよい。
【0367】
コントローラは、圧力調整器内のバブリングを示す少なくとも1つの特性を示す信号に基づいて、バブリングが起きているかどうかを判定するように構成されてもよい。
【0368】
コントローラは、一定期間にわたって圧力調整器内のバブリングを示す少なくとも1つの特性を示す信号に基づいて、バブリングが起きているかどうかを判定するように構成されてもよい。
【0369】
圧力調整器内で起きているバブリングの検出は、治療が提供されていることを示すことがある。
【0370】
コントローラは、(例えば以下により詳細に記載されるように)圧力調整器内のバブリングを示す少なくとも1つの特性を示す信号の1つ又は複数の波形特性に基づいて、バブリングが起きているかどうかを判定するように構成されてもよい。
【0371】
視覚センサ(例えば可視センサ)は、圧力調整器内の少なくとも一部の画像を示す信号(圧力調整器内のバブリングを示す少なくとも1つの特性を示す信号など)を出力するように構成されてもよい。圧力調整器の少なくとも一部の画像を示す視覚信号は、水面の少なくとも一部の画像、及び/又は圧力調整器内の呼吸導管の出口を囲む領域を含んでもよい。
【0372】
(例えば一定期間にわたる)圧力調整器の少なくとも一部の画像を示す信号に基づいて、コントローラは、圧力調整器の液位(例えば水位)、及び圧力調整器の液体内の液体乱れ(例えばバブルの存在)を判定してもよい。
【0373】
視覚センサは例えばカメラであってもよい。
【0374】
水位センサ(例えばバブラ内の水の高さを監視すること)は、バブラ内の水の表面を示す信号(圧力調整器内のバブリングを示す少なくとも1つの特性など)を出力するように構成される。一部の実施形態では、水位センサは、水位が閾値を超えた時に、状態を変える制限スイッチであってもよい。
【0375】
水位センサは、例えば飛行センサ、及び/又はレーザベースセンサ(例えばLIDAR)、及び又は電気抵抗センサであってもよい。
【0376】
マイクロホンは、バブラによって発生された音を示す信号(圧力調整器内のバブリングを示す少なくとも1つの特性を示す信号など)を出力するように構成されてもよい。
【0377】
マイクロホンは、例えば超音波センサ及び/又はあらゆる他の音響信号受信機を含んでもよい。
【0378】
光学センサは、バブラ内の液体の光学特徴を示す信号(圧力調整器内のバブリングを示す少なくとも1つの特性を示す信号など)を出力するように構成されてもよい。
【0379】
光学センサは、例えばレーザ又は赤外線センサを含んでもよい。
【0380】
ガス流特性センサは、圧力調整器内のバブリングを示す少なくとも1つの特性を示す信号などの、装置(例えば以下により詳細に記載されるような、流量センサ又は圧力センサ)内のガス流の特性を示す信号を出力するように構成されてもよい。
【0381】
一部の実施形態では、マイクロホンは、流路内(例えばセンサチャンバ400内)又は流路の外部に置かれてもよい。一部の実施形態では、マイクロホンは、バブラの内又はバブラに置かれてもよい。
【0382】
一部の実施形態では、バブリングが起きているかどうかの判定は、流量発生器の特性に基づく。バブラ内のバブリングによってもたらされた流れ及び圧力の乱れは、流量発生器に影響を及ぼすことがある。
【0383】
流量発生器の特性は、例えば弁特性、モータ特性(すなわち送風機又は流量発生器のモータ)であってもよい。
【0384】
一部の実施形態では、弁特性は、弁電流、若しくは弁電圧、又は他の弁出力であってもよい。
【0385】
送風機のモータが流れを患者に提供する際に、バブラ内のバブリングは、1つ又は複数のモータ特性に影響を及ぼすことがある。例えばバブリングは、バブリングにより送風機内に生じた、変化する流れ及び/又は圧力によってもたらされた、モータ速度若しくはモータトルクに異なる乱れを導くことがある。
【0386】
モータの特性は、例えばモータ速度(若しくはモータ速度の表示)、又はモータトルク(若しくはモータトルクの表示)であってもよい。
【0387】
一部の実施形態では、バブリングが起きているかどうかの判定は、圧力調整器内のバブリングを示す波形における圧力又は流れ振動、例えば圧力又は流れ波形を判定することに基づく。
【0388】
バブリングの判定は、上のあらゆる組合せに基づいてもよいことが認識されよう。
【0389】
コントローラは、ガス流路内のガスの流量及び/又は圧力の測定値に基づいて、少なくとも1つの波形を判定してもよい。
【0390】
一部の実施形態では、少なくとも1つの波形は、追加として又は別法として、圧力調整器内のバブリングの別の特性(例えば上により詳細に記載されたように、圧力調整器内のバブリングを示す少なくとも1つの特性を示す信号)の測定値に基づいてもよい。
【0391】
その波形又は各波形は、圧力調整器内のバブリングを示す少なくとも1つの特性を示す信号(例えばガス流路内のガスの流量及び/又は圧力の(例えば一定期間にわたる)測定値であってもよい。追加として又は別法として、波形は、1つ又は複数の信号処理技法(例えばアナログ信号処理、持続時間処理、離散時間処理、デジタル信号処理、非線形信号処理、統計信号処理)に基づいてもよい。追加として又は別法として、波形は、1つ又は複数の湾曲適合技法に基づいてもよい。追加として又は別法として、波形は、ガス流路内のガスの流量又は圧力の測定値のフィルタリングされた出力に基づいてもよい。
【0392】
波形は、ガス流路内のガスの流量又は圧力の測定値の組合せに基づいてもよい。例えばガス流路内のガスの流量の測定値は、ガス流路内のガスの圧力の測定値と組み合わされてもよい。組合せは、例えば加重平均として組み合わされたものを掛け合わせてもよい。
【0393】
コントローラは、流れ及び/又は圧力の波形(例えば流れ及び/又は圧力センサの出力)に基づいて少なくとも1つの波形特性を判定してもよい。
【0394】
コントローラは、少なくとも1つの波形特性に基づいて、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかを判定してもよい。
【0395】
コントローラは、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかをディスプレイ上に表示するように構成されてもよい。
【0396】
圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかの判定は、一定期間(例えば現在の時間から戻る一定期間)にわたってもよい。
【0397】
コントローラは、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかに基づいて、警報を発生するように構成されてもよい。
【0398】
コントローラは、圧力調整器内でバブリングが起きていないと判定された場合に、警報を発生するように構成されてもよい。
【0399】
コントローラは、一定期間にわたって起きているバブリング時間の百分率が閾値未満である、又は一定期間にわたって起きていないバブリング時間の百分率が閾値を超えると判定された場合に、警報を発生するように構成されてもよい。
【0400】
一部の実施形態では、コントローラは、バブリングパターンが不規則であると判定された場合に、警報を発生するように構成されてもよい。
【0401】
一部の実施形態では、警報は、(例えばディスプレイ及び/若しくはユーザインタフェースを介した)音響並びに/又は可視警報であってもよい。
【0402】
一部の実施形態では、コントローラは、ガス流路内のガスの圧力を監視するように構成されてもよい。
【0403】
一部の実施形態では、コントローラは、ガス流の圧力が閾値を超えた時に、警報を発生するように構成されてもよい。
【0404】
コントローラは、圧力調整器内でバブリングが起きていないことが検出された場合、吸気及び/又は呼気導管の結露を確認するようにユーザを促す警報を発生するように構成されてもよい。
【0405】
センサ特性
呼吸補助装置に使用する流れ及び/又は圧力センサの選択は、センサの特性に起因してバブリング検出に影響を及ぼすことがある。例えば特定のセンサの選択は、より多くの測定ノイズを引き起こすことがある。これらのセンサ特性は、バブリングを検出した時に考慮する必要がある。
【0406】
超音符流量センサは、2L/分を超えることがある振幅をもつ高周波数の測定ノイズを有することがある。図5は、6L/分(100Hzでサンプリングした)の流れレベルに対する超音波流量センサ測定値の変動の例を示す。
【0407】
呼吸補助装置内に提供された圧力センサ(ゲージ又は絶対圧力センサなど)は、超音波流量センサに比べて低い測定ノイズを有することがある。しかし圧力信号内の測定ノイズは、測定圧力が増加するにつれて実質的に増加することがある。図6A及び6Bは、(100Hzでサンプリングした)1.5cmHO及び13cmHOの圧力レベルに対して経時的な圧力センサ測定値の例を示す。1.5cmHOの圧力レベルでは、圧力測定値の範囲は、+/-0.1cmHOだけ変動することがある。13cmHOの圧力レベルでは、圧力測定値の範囲は、+/-1cmHOだけ変動することがある。
【0408】
圧力センサは、例えば上により詳細に記載されたように、装置内に置かれてもよい。
【0409】
バブリングが起きているかどうかを判定する第1の実施形態では、バブリング検出アルゴリズム800は学習段階を含み、監視段階はバブリングを検出して監視するために使用されてもよい。
【0410】
図8は、バブリング検出アルゴリズム800の一実施形態による、バブリング検出の概要を示す。ステップ801では、ユーザはバブリング検出工程を開始する。一部の実施形態では、バブリング検出の開始は自動的であってもよく、又は例えば周期的に行われてもよい。
【0411】
ステップ802では、学習段階は、以下により詳細に記載されるように、システム内でバブリングが起きているかどうかを検出し始める。学習段階は、システム内にバブリングが検出されない場合は失敗となる。学習段階が成功し、バブルが検出された場合は、アルゴリズムは監視段階(ステップ803)に進む。ステップ803では、バブリングの有無が、以下により詳細に記載されるように、学習段階(ステップ802)で判定されたバブリングパターンに基づいて監視される。
【0412】
監視段階803の間に、バブリング検出アルゴリズム800は、測定流量及び/又は圧力が変わった場合に再度開始されてもよい。
【0413】
一部の実施形態では、バブリング検出アルゴリズム800は、圧力及び/又は流量信号の数えられたピークの数に基づいてバブリングパターンを判定してもよい。
【0414】
一部の実施形態では、バブリング検出アルゴリズム800は、例えば流量、圧力発生器内の呼気導管の高さの変化に起因して、バブリングパターンが変化したかどうかを判定してもよい。
【0415】
一部の実施形態では、コントローラは、バブリング検出の現在の段階をユーザインタフェース上に示すことがある。例えばコントローラは、学習段階が進行中であることを示すことがある。
【0416】
図9は、学習段階802の例を示す。学習段階の間に、圧力信号は、DC及び低周波数成分を取り除くために、ハイパスフィルタでフィルタリングされてもよい。ハイパスでフィルタリングされた信号は、次いでピーク検出が行われ、ここでは、検出タイムウィンドウ(w)にわたってピークの数(NPeak)が検出される。一部の実施形態では、バブリングは、ピークの数が所定の閾値を超えた時に検出される。
【0417】
学習段階のピーク検出は、適切な検出タイムウィンドウにわたって起きることがある。一部の実施形態では、学習段階のピーク検出は約1秒~約10秒、又は約2秒~約6秒、又は約4秒の検出タイムウィンドウの間に起きる。
【0418】
学習段階は、バブリングが検出タイムウィンドウ内に検出される(すなわちピーク検出閾値が満足される)まで、続けられてもよい。例えばバブリングが第1の検出タイムウィンドウ(例えば4秒)内で検出された場合に、学習段階は4秒後に完了する。バブリングが第1の検出タイムウィンドウ内で検出されない場合、第2、第3、第4、その他の検出ウィンドウが、バブリングが検出されるまで、又は最高学習段階期間に達するまで、開始される。
【0419】
一部の実施形態では、学習段階は、学習段階が失敗と考えられる前に、最高約10分間まで続くことがある。例えば最高学習段階期間は、約1分~約10分、又は約2分~約8分、又は約4分~約6分、又は約5分であってもよい。
【0420】
コントローラは、最高学習段階期間に達した後にバブリングが検出されない場合、警報又は通知を発生してもよい。
【0421】
学習段階802は、監視段階803に進むために、圧力信号における妨害を最低レベルにする必要である。一部の実施形態では、最低レベルの妨害は固定したピーク検出閾値である。一部の実施形態では、2つのピーク検出閾値が、学習段階のピーク検出のために使用されてもよい。
【0422】
ピーク検出閾値は、コントローラにコード化されてもよい。一部の実施形態では、ピーク検出閾値は、ユーザによって構成可能であってもよく、及び/又はシステムによって動的に計算されてもよい。
【0423】
図10は、正のピーク閾値(PosPeakTh)及び負のピーク閾値(NegPeakTh)を使用するピーク検出の例を示す。
【0424】
図10の例では、正のピーク閾値(PosPeakTh)は、0.08cmH2Oであり、負のピーク閾値(NegPeakTh)は、-0.17cmH2Oである。
【0425】
正のピークは、信号がPosPeakThを超えた時に検出され、負のピークは、信号がNegPeakTh未満である時に検出される。一部の実施形態では、正及び負のピークは、有効ピーク検出とみなすために交互になっていなければならない。
【0426】
検出タイムウィンドウ(例えば4秒)内で正のピークの数がNPeakTh(24)を超える場合、バブリングは検出され、監視段階が開始する。逆に正のピークの数がNPeakTh未満である場合、バブリングは検出されず、監視段階は開始することができず、バブリング検出アルゴリズムは終了される。学習段階802は、バブリングを検出するために再度開始することが必要になる。
【0427】
一部の実施形態では、ユーザは、装置の感度設定を調節することにより、学習段階のピーク検出閾値を構成してもよい。感度設定は、バブリング検出に必要なピークの数(NPeakTh)及び/又は検出タイムウィンドウ(w)及び/又はピーク閾値(PosPeakTh、NegPeakTh)に対応してもよい。例えば感度設定がより高いことにより、より低いNPeakTh値及び/又はより長い検出ウィンドウ及び/又はより低いピーク閾値(PosPeakTh、NegPeakTh)に対応し得る。
【0428】
一部の実施形態では、学習段階802は、流れ及び/若しくは圧力信号が変わった時、並びに/又は目標流量若しくは他のパラメータがユーザによって修正された時に、(一部の実施形態では自動的に)繰り返される。例えば学習段階802は、呼気導管の高さが、圧力調整器内で変化することにより、圧力信号に変化が起きる場合に繰り返される。
【0429】
一部の実施形態では、コントローラは、流れの変化及び/若しくは圧力信号の変化を検出した場合、並びに/又は目標流量若しくは他のパラメータがユーザによって修正された時に、学習段階802を自動的に繰り返すことがある。追加として又は別法として、コントローラは、流れ、圧力及び/又はパラメータが変わっており、ユーザが学習段階を繰り返すように促す通知を発生してもよい。
【0430】
一部の実施形態では、装置は、学習段階が起きている表示を表示してもよい。
【0431】
学習段階802と同様に、監視段階803も正及び負のピークの検出に基づいてもよい。監視段階803は、学習段階802の間に判定されたバブリングパターンを特に検出するように構成されてもよい。これは、学習段階802で判定された最大正及び/又は負のピークの所定の数の平均振幅として、監視段階のピーク検出閾値を調節することによって達成されてもよい。
【0432】
一部の実施形態では、監視段階のピーク検出閾値は、以下の規則に基づいて調節されてもよい。
i)監視のための正のピーク閾値(正のピーク閾値-MonitoringPosPeakTh)は、学習段階の間に検出された最大正ピークの数(例えば16)の平均振幅として設定される。
ii)監視のための負のピーク閾値(負のピーク閾値-MonitoringNegPeakTh)は、学習段階の間に検出された最大負ピークの数(例えば16)の平均振幅として設定される。
【0433】
例えばバブリングは、正のピークの数が、約5秒のタイムウィンドウにわたって(又は例えば0.83Hz以上の圧力信号周波数で)正のピーク閾値の数(MonitoringNPeakTh)(例えば少なくとも6のピーク)より大きい場合に検出される。ピークは、上記のように(学習段階に関して)検出されてもよいが、ピーク閾値として正のピーク閾値-MonitoringPosPeakTh及び負のピーク閾値-MonitoringNegPeakThを備えることがある。
【0434】
一部の実施形態では、ユーザは、装置の感度設定を調節することにより、監視段階のピーク検出閾値を構成してもよい。感度設定は、バブリング検出に必要なピークの数(正のピーク閾値の数、MonitoringNPeakTh)及び/又は検出タイムウィンドウ(w)及び/又はピーク閾値(正のピーク閾値-MonitoringPosPeakTh、負のピーク閾値-MonitoringNegPeakTh)に対応してもよい。例えば感度設定がより高いことにより、より低い数の正のピーク閾値-MonitoringNPeakTh値及び/又はより長い検出タイムウィンドウ(w)及び/又はより低いピーク閾値(正のピーク閾値-MonitoringPosPeakTh、負のピーク閾値-MonitoringNegPeakTh)に対応し得る。
【0435】
一部の実施形態では、装置は、監視段階が起きている表示を表示してもよい。
【0436】
バブリングが起きているかどうかを判定する第2の実施形態では、バブリング検出は、自動的に開始し、流れ及び/又は圧力への変化に適合してもよい。換言すると、この実施形態によるバブリング検出アルゴリズム1100は、ユーザの介入を必要とすることなく、バブルCPAP治療に使用される全流れ及び圧力範囲にわたるバブリングパターンを検出してもよい。
【0437】
バブル検出アルゴリズム1100は、学習段階又は再開始(再訓練)の必要なしに、流れ及び/又は圧力設定への変化に関わらず、機能を続けるモデルを使用してもよい。
【0438】
一部の実施形態では、バブリング検出アルゴリズム1100は、バブルCPAP回路の呼気導管の端部に水の柱を通ってガス流を通過することによって発生したバブリングを示す、流れ及び/又は圧力信号の波形特性の数を検出する。
【0439】
この手法は、閾値を超えるピークの数を数える代わりに、波形のいくつかの特性が判定され、バブリングが起きているかどうかを判定するためにモデルに使用されるという点で、上と異なる。これは、ピークの数を数えるのと比べて、流れ又は圧力信号からより多くの情報を抽出できることがある。
【0440】
更に流れ及び/又は圧力センサによって発生された様々な測定ノイズに起因して、バブリング検出は、バブリングパターンから測定ノイズを区別するために、十分な振幅を超えるピークの検出/判定に基づいてもよい。
【0441】
図7A及び7Bは、DCレベルを取り除いた後、バブリングのある(図7A)及びバブリングのない(図7B)圧力信号の例を示す。圧力調整器における圧力は、8cmHO及び流れは10L/分に設定された。絞り弁は、呼気導管でバブリングのない構成に圧力を発生するために使用された。
【0442】
図7A及び7Bの波形は、上記のようなピークを数えるバブリング検出アルゴリズムに提供され、両方の波形に対してバブリングが起きていることをアルゴリズムが検出した(しかし、これは図7Bの波形の場合にはなかった。これは、センサノイズに起因する傾向があった(いずれかにより詳細に記載されている)。しかし以下により詳細に記載されるような方法論は、(示されたようにセンサノイズを受けやすい)波形のピークを数えるより多い方法論を使用することにより、バブリングの不正確な検出の危険性を最小にすることを意図する。
【0443】
一部の実施形態では、バブリング検出アルゴリズム1100は、入力信号(例えば流れ及び/又は圧力)を所望の出力(バブリングの有無)にマッピングするモデルの推測に基づいてもよい。モデル推定は、バブリングの正及び負の例を備えた訓練分類アルゴリズムを使用して実施されてもよい。
【0444】
図11は、バブリングが起きているかどうかを判定する例示的方法を示し、これについては以下により詳細に記載される。
【0445】
ステップ901では、圧力調整器内のバブリングを示す少なくとも1つの特性は、(以下により詳細に記載されるように)測定される。
【0446】
ステップ902では、1つ又は複数の波形特性は、圧力調整器内のバブリングを示す、少なくとも1つの測定特性(例えば以下により詳細に記載されるような流量及び/又は圧力)の波形に基づいて判定される。
【0447】
ステップ903では、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかは、少なくとも1つの波形特性に基づいて判定される。
【0448】
図11Aは、バブリングが起きているかどうかに基づいて、1つ又は複数の警報を発生する例を示す(以下により詳細に記載される)。
【0449】
ステップ903では、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかが判定される。
【0450】
ステップ904では、1つ又は複数の警報は、圧力調整器内でバブリングが起きているかどうかに基づいて発生される。
【0451】
図12は、バブリング検出アルゴリズムの実施形態による全体構造の例を示す。
【0452】
ステップ1101では、波形として流量信号及び/又は圧力信号が、フィルタリングされる。例えばカットオフ周波数、例えば2Hz及び21HzのハイパスFIRフィルタは、あらゆるDCオフセットを取り除くために生信号に適用されてもよい。流量信号及び/又は圧力信号は、流量センサ及び圧力センサのそれぞれから引き出されてもよい。
【0453】
ステップ1102では、波形は、次いで1つ又は複数のタイムウィンドウに分割される。
【0454】
一部の実施形態では、波形は、1つ又は複数のタイムウィンドウに分割されてもよい。
【0455】
バブリングが起きているかどうかの判定は、各タイムウィンドウに対して行われてもよい。
【0456】
一部の実施形態では、各タイムウィンドウは、約1秒~約6秒、又は約1.5秒~約3秒、約1秒~約180秒、約1秒~約60秒、約1秒~約30秒であってもよい。
【0457】
一部の実施形態では、各タイムウィンドウは、前のタイムウィンドウ及び/又は次のタイムウィンドウと重ねてもよい。
【0458】
一部の実施形態では、タイムウィンドウの重なりは、約1秒~約6秒、又は約1.5秒~約3秒、又は約5秒~約30秒、又は約1秒~約60秒、又は約1秒~約10秒であってもよい。
【0459】
図12Aは、タイミングウィンドウ1202、1202'が重なるタイミングウィンドウの例を示す。
【0460】
一部の実施形態では、単一のタイミングウィンドウが使用されることが認識されよう。
【0461】
ステップ1103では、1つ又は複数の波形特性は、タイムウィンドウ内の波形から判定される。
【0462】
ステップ1104では、1つ又は複数の波形特性は、バブリングが起きているかどうかを判定するために使用される。バブリングの判定は、(以下により詳細に記載されるように)モデルに基づいてもよい。
【0463】
図13A~13Eに示されたように、上記のように、任意選択で1つ又は複数のセンサから引き出された波形として(流量又は圧力信号のような)バブリングを示す特性の例を示す。
【0464】
波形特性は、以下に記載されるように、ガス流路内の流れ及び/又は圧力を推定する方法に等しく適用されてもよいことが認識されよう。
【0465】
上記のように、波形から1つ又は複数の波形特性が判定されてもよい。
【0466】
1つ又は複数の波形特性は、波形の振幅、波形の正のピークの間の距離、及び/若しくは波形の連続した正のピークと負のピークとの間の差の振幅を含み、又は基づいてもよい。上記は、以下に記載されるような特性の一部として含まれてもよいことが認識されよう。
【0467】
以下の実施形態は、用語振幅に関して記載されることが認識されるが、用語振幅は用語値と相互に交換可能に使用されてもよいことが認識されよう。値は、例えば波形(例えばあらゆるDCオフセットを含む)の値であってもよい。一部の実施形態では、あらゆるDCオフセットは、振幅に追加されてもよい。
【0468】
各波形特性の平均及び標準偏差(又は他の統計的特性)は、タイムウィンドウにわたって計算されてもよい。
【0469】
一部の実施形態では、波形特性は、少なくとも1つの振幅特性を含んでもよい。
【0470】
一部の実施形態では、振幅特性は、任意選択でタイミングウィンドウ1202にわたる波形の振幅の平均を含んでもよい。
【0471】
一部の実施形態では、振幅特性は、任意選択でタイミングウィンドウ1202にわたる波形の振幅の平均標準偏差を含んでもよい。
【0472】
一部の実施形態では、図13Aに示されたように、振幅特性は、任意選択でタイミングウィンドウ1202にわたる波形の正のピークの振幅の平均を含んでもよい。
【0473】
一部の実施形態では、図13Aに示されたように、振幅特性は、任意選択でタイミングウィンドウ1202にわたる波形の負のピークの振幅の平均を含んでもよい。
【0474】
図13Aは、波形の正のピークの振幅1201の例、及び波形の正のピークの振幅1201' の例を示す。
【0475】
一部の実施形態では、振幅特性は、任意選択でタイミングウィンドウ1202にわたる波形の正のピークの振幅の標準偏差を含む。
【0476】
一部の実施形態では、振幅特性は、任意選択でタイミングウィンドウ1202にわたる波形の負のピークの振幅の標準偏差を含む。
【0477】
波形の正のピークの振幅は、(タイミングウィンドウ内の)波形の各正のピークに対して計算することができ、次いで波形の正のピークの振幅の平均及び/又は正のピークの振幅の標準偏差を計算することができることが認識されよう。
【0478】
波形の負のピークの振幅は、(タイミングウィンドウ内の)波形の各負のピークに対して計算することができ、次いで波形の負のピークの振幅の平均及び/又は負のピークの振幅の標準偏差を計算することができることが同様に認識されよう。
【0479】
図13Aの例では、波形の正のピークの振幅が示されているが、上記のように、一部の実施形態では、振幅特性は、波形の負のピークの振幅の平均、及び/又は任意選択でタイミングウィンドウ1202にわたる、波形の負のピークの振幅の標準偏差を含んでもよい。
【0480】
一部の実施形態では、波形特性は、少なくとも1つのピーク距離特性を含んでもよい。この文脈の距離は、あらゆる時間に基づいた単位であってもよいことが認識されよう。
【0481】
一部の実施形態では、ピーク距離特性は、波形の正のピークの間の平均距離を含む。図13Bは、波形1203の2つの正のピークの間の距離の例を示す。
【0482】
一部の実施形態では、ピーク距離特性は、正のピークの間の距離の標準偏差を含む。
【0483】
波形の正のピークの間の距離は、(タイミングウィンドウ内の)波形の隣接した正のピークのそれぞれの組に対して計算することができ、次いで波形の正のピークの間の距離の平均及び/又は正のピークの間の距離の標準偏差を計算することができることが認識されよう。
【0484】
一部の実施形態では、ピーク距離特性は、波形の負のピークの間の平均距離を含む。図13Bは、波形1203'の2つの負のピークの間の距離の例を示す。
【0485】
一部の実施形態では、ピーク距離特性は、負のピークの間の距離の標準偏差を含む。
【0486】
波形の負のピークの間の距離は、(タイミングウィンドウ内の)波形の隣接した負のピークのそれぞれの組に対して計算することができ、次いで波形の負のピークの間の距離の平均及び/又は負のピークの間の距離の標準偏差を計算することができることが認識されよう。
【0487】
一部の実施形態では、波形特性は、少なくとも1つのピーク差特性を含んでもよい。
【0488】
一部の実施形態では、図13Cに示されたように、ピーク差特性は、波形の連続した正のピークと負のピークとの間の振幅差の大きさの平均を含む。例えば図13Cは、波形の正のピークの振幅1201、及び波形の負のピークの振幅1204を示す。波形の連続した正のピークと負のピークとの間の振幅差の大きさ1205は、波形の正のピークの絶対振幅1201と波形の連続した負のピークの絶対振幅1204の合計に基づいて計算される。DCオフセットがゼロであることを示す図12Cの波形は、DCオフセットを提供されてもよいことが認識されよう。一部の実施形態では、波形の連続した正のピークと負のピークとの間の振幅差の大きさ1205は、あらゆるDCオフセットを含んでもよい。DCオフセットが判定され、波形の連続した正のピークと負のピークとの間の振幅差の大きさ1205に追加されてもよい。
【0489】
一部の実施形態では、波形の連続した正のピークと負のピークとの間の振幅差の大きさ1205は、波形の正のピークの値及び波形の連続した負のピークの値の差を取ることによって計算される。この手法は、本来波形の連続した正のピークと負のピークとの間の振幅差の大きさ1205にあらゆるDCオフセットを含む。
【0490】
一部の実施形態では、ピーク差特性は、波形の連続した正のピークと負のピークとの間の振幅差の大きさの標準偏差を含む。
【0491】
波形の連続した正のピークと負のピークとの間の振幅差の大きさは、(タイミングウィンドウ内の)波形の連続した正のピーク及び負のピークに対して、次いで波形の連続した正のピークと負のピークとの間の振幅差の大きさの平均、及び/又は連続した正のピークと負のピークとの間の振幅差の大きさの標準偏差を計算することができることが認識されよう。
【0492】
ピーク差特性は、波形のDC構成要素を取り除くので、バブリングの判定に特に有利であることがある。この手法は、不規則な変動が(フィルタ特性に依存して)DCフィルタによって取り除かれないことがあるが、ピーク差特性では取り除かれるはずであるので、DCフィルタリングよりノイズに強いことがある。
【0493】
一部の実施形態では、コントローラは、流量若しくは圧力及び/又は波形の測定値にハイパス及び/又はローパスフィルタを適用するように構成されてもよい。
【0494】
上記のように、平均及び/又は標準偏差(若しくは他の統計的測定)は、タイムウィンドウにわたって計算されてもよい。
【0495】
少なくとも1つのピーク差特性を判定することは、1つ又は複数のピークを検出することを含んでもよい。1つ又は複数のピークを検出することは、信号の極大値及び極小値を見出すことを含んでもよい。極大点及び極小点は、交互に見出されることがあり、例えば極大値の点は極小値の後に見出すことができ、新しい極小値は極大値の後のみに見出すことができる。ピーク検出に使用されるパラメータは、極大点と極小点との間の最小の許容可能な範囲(MinRangeTh)にあってもよい。
【0496】
用語平均は、中心傾向、例えば中間、中央値、最頻値、その他のあらゆる統計的測定値に適用してもよいことが認識されよう。
【0497】
一部の実施形態では、MinRangeThは、バブリング検出のためにフィルタリングされた信号を使用する時に、0.5L/分に設定されてもよい。
【0498】
一部の実施形態では、波形特性は、少なくとも1つの交差特性を含んでもよい。
【0499】
一部の実施形態では、交差特性は、(タイミングウィンドウ内で)波形がゼロと交差する1206回数を含む。図13Dは、(タイミングウィンドウ内で)波形がゼロと交差する1206回数が6である例を示す。
【0500】
一部の実施形態では、交差特性は、(タイミングウィンドウ内で)波形が閾値1208と交差する1207回数を含む。図13Eは、(タイミングウィンドウ内で)波形が閾値1208と交差する1207回数が6である例を示す。
【0501】
閾値は、波形の平均振幅、及び/又は波形の正のピークの平均振幅、及び/又は波形の負のピークの平均振幅であってもよい。
【0502】
一部の実施形態では、閾値は、予め設定され及び/若しくは設定され、又はユーザによって選択されてもよい。
【0503】
あらゆる閾値、タイミングウィンドウ、タイミングウィンドウの重なり、又は以下に記載されるモデルのあらゆる特徴は、感度設定に基づいて変化してもよいことが認識されよう。例えばより低く感度設定することにより、バブリングの判定は感度が低くなる(従ってエッジケースでバブリングが起きていると判定する傾向が多くなる)ことがある。例えばより高く感度設定することにより、バブリングの判定は感度が高くなる(従ってエッジケースでバブリングが起きていると判定する傾向が少なくなることがある。
【0504】
感度設定は、例えばユーザ設定、又は(本明細書のいずれかにより詳細に記載されているように)システムで使用される構成要素の同定に基づいてもよい。
【0505】
少なくとも1つの交差特性を判定する時に、ハイパス及び/又はローパスフィルタは(例えばDCオフセットを取り除くために)、波形に適用されてもよい。
【0506】
記載されたようにステップ1104では、バブリングが起きているかどうかの判定は、上記のように、少なくとも1つの波形特性に基づく。
【0507】
一部の実施形態では、バブリングが起きているかどうかの判定は、関連した閾値を超える少なくとも1つの波形特性に基づく。
【0508】
一部の実施形態では、バブリングの判定は、各波形特性に関連した1つ又は複数の波形特性因子を含む回帰モデルに基づいてもよい。
【0509】
波形特性因子は、それぞれの波形特性に加重を適用してもよい。
【0510】
波形特性因子は、実験的に又は機械学習若しくは他の管理された学習を通して判定されてもよい。
【0511】
一部の実施形態では、バブリングの判定は、人工ニューラルネットワークに基づく。
【0512】
一部の実施形態では、回帰モデルは、ロジスティック回帰(LogReg)モデルである。
【0513】
モデルは、正の(「バブリング」)サンプル及び負の(「非バブリング」)サンプルを使用して、管理された学習に基づいて訓練されてもよい。正及び負のサンプルは、デバイスに対して作業条件の範囲から収集されてもよい。サンプルは、バブリングが検出されるべき、又はされるべきではない広範囲のシナリオを提供してもよい。
【0514】
モデルは以下の関数によって定義されてもよい。
バブリング検出出力=
*正のピークの平均振幅
+w*正のピークの間の平均距離
+w*連続した正のピークと負のピークとの間の平均振幅
+w*正のピークの振幅の標準偏差
+w*正のピークの間の距離の標準偏差
+w*連続した正のピークと負のピークとの間の振幅の標準偏差
+バイアス
上式で、w、w、w、w、w、wは、因子(例えば波形特性因子)である。
【0515】
別の構成では、モデルは以下の関数によって定義されてもよい。
バブリング検出出力=
*平均振幅
+w*正のピークの平均振幅
+w*負のピークの平均振幅
+w*正のピークの間の平均距離
+w*負のピークの間の平均距離
+w*ゼロ交差の数
+w*閾値交差の数
+w*連続した正のピークと負のピークとの間の振幅
+w*平均振幅の標準偏差
+w10*正のピークの振幅の標準偏差
+w11*負のピークの振幅の標準偏差
+w12*正のピークの間の距離の標準偏差
+w13*負のピークの間の距離の標準偏差
+w14*連続した正のピークと負のピークとの間の振幅の標準偏差
+バイアス
上式で、w、w、w、w、w、w、w、w、w、w10、w11、w12、w13、w14は、因子(例えば波形特性因子)である。
【0516】
バブリング検出出力は、シグモイド関数に基づいてもよい。
【0517】
(例えば分類子に実装されたような)モデルの結果は、[0,1]の間の範囲の実数である。値が高いほど、サンプルが「バブリング」クラスに属する可能性が高い。
【0518】
ステップ1104では、指数フィルタは、連続するタイムウィンドウの出力を効果的に組み合わせる、各ウィンドウのモデルの出力に適用されてもよい。
【0519】
各ウィンドウに対するモデルの出力を組み合わせる他の方法は、例えばモデル出力にローパスフィルタを掛ける、又はウィンドウからの経過時間若しくは前のウィンドウに基づいた加重(すなわち前のウィンドウはモデル出力に加重が少ない)を掛けることが可能であることが認識されよう。
【0520】
一部の実施形態では、バブリングが起きているかどうかの判定は、0~1のバブリングが起きる確率である。
【0521】
一部の実施形態では、バブリングは、バブリングが起きる確率が0.5を超えた時に起きていると判定される。
【0522】
一部の実施形態では、バブリングが起きているかどうかの判定は、少なくとも1つの周波数特性に基づく。
【0523】
周波数特性は、流れ及び/又は圧力波形に基づいてもよい。
【0524】
周波数特性は、少なくとも1つの周波数帯、及び周波数帯の電力を含んでもよい。
【0525】
周波数特性は、上記のように、波形特性と同じ方法でバブリング検出モデルに提供されてもよい。
【0526】
周波数帯は、約5Hz及び約20Hz、又はバブリングに合わせた別の範囲であってもよい。
【0527】
上記のように、周波数帯の電力は、バブリングの検出に使用されるモデルに提供されてもよい。
【0528】
流れ及び/又は圧力センサの場所は、バブリング検出にも影響を及ぼすことがある。例えば流量発生器の近くに置かれた流れ及び/又は圧力センサは、バブリングパターンと重なる波形/スペクトル特性を有する流れ及び/又は圧力内に乱れを感知することがある。
【0529】
特に、高流治療も提供することがある装置内でバブリングを検出することは、センサの場所が必ずしもバブリングを最もよく判定するために最適な場所でないことがあるので、困難であることがある。例えばセンサは、呼吸補助装置内の流量発生器の近く(圧力調整器の近くと反対)に置かれることがある。従って装置の作動から(例えば流量発生器により)発生されたあらゆるセンサノイズは、圧力調整器内でバブリングを示す信号の一部のノイズと区別する必要がある。上記の実施形態は、バブリング信号を隔離するために、波形特性を使用することによりノイズの除去を促進する。
【0530】
バブリング検出は、例えば周囲圧力、温度、加湿チャンバ内の水の量、及び/又はガス混合物によって影響を受けることもある。
【0531】
一部の実施形態では、バブリングが起きているかどうかの判定は、周囲温度、装置の高度、ガス流路内に置かれた加湿器の水位の1つ又は複数に基づく。
【0532】
一部の実施形態では、装置は、周囲空気、及び補充ガスの組合せを提供するように構成されてもよく、バブリングが起きているかどうかの判定は、補充ガスに対する周囲空気の割合に基づく。
【0533】
一部の状況では、バブルCPAP治療に使用される流路の構成要素(例えば回路及び/又はインターフェース)は、バブリング検出に影響を及ぼすことがある。例えば導管の長さ及び直径並びにインターフェースは、波形に影響を及ぼすことがある。
【0534】
構成要素は、当技術分野で公知の1つ又は複数の方法による装置によって同定されてもよい(例えば連結された構成要素の電気抵抗の判定による。
【0535】
一部の実施形態では、バブリングが起きているかどうかの判定は、吸気導管及び/又は呼気導管の導管特性に基づいてもよい。
【0536】
一部の実施形態では、導管特性は、導管の長さ、導管の直径、及び導管の型の1つ又は複数を含んでもよい。
【0537】
一部の実施形態では、バブリングが起きているかどうかの判定は、患者インターフェースの特性に基づく。
【0538】
装置がバブルCPAPと互換性がない構成要素(例えばバブルCPAP治療に適さない導管又は患者インターフェース)に連結されている間にバブリングが検出された場合、装置は警報を発生することがある。
【0539】
圧力調整器内のバブリングの検出は、呼吸補助装置の適切な使用を確保するために有益であることがある。呼吸補助装置の適切な使用は、効果的な呼吸治療を確保するために重要であり、又は支援がユーザに提供される。バブリングの欠如又は不規則なバブリングパターンは、呼吸補助装置の不適切な使用を示すことがあり、例えば使用された周辺機器(例えば患者インターフェース、導管、その他)が誤っている、設定された呼吸補助治療が不適切である(例えば圧力調整器が高流治療モードの間に連結された)、又は選択された治療モードが誤っている(例えばバブルCPAPモードが必要であった時に、向流治療モードが選択された)。バブリング検出は、ユーザの安全及び快適性に有害であり得るような不適切な使用を防ぐか又は少なくとも軽減するために使用されてもよい。
【0540】
断続的なバブリング警報は、バブリングが断続的と検出された場合に発生されてもよい。例えばバブリングが検出され、次いで検出されない場合は、装置はバブリングが断続的であると判定することがある。
【0541】
バブリングが断続的であるという検出は、患者に提供された目標流量及び/又は目標圧力が、患者の需要を満たさないことを示すことがある。
【0542】
バブリングが断続的と検出された時に発生された警報は、目標流量及び/又は目標圧力を増加するための推奨も含むことがある。
【0543】
断続的なバブリングは、バブリングの発生とバブリングの非発生との間の移行数が、(例えば一定期間にわたって)閾値を超える場合に検出されることがある。
【0544】
追加として又は別法として、断続的なバブリングは、(例えば一定期間にわたって)バブリングが起きている時間に対するバブリングが起きていない時間の割合が、一定の範囲内である場合に検出されることがある。
【0545】
バブリングの検出は、(例えば常に、又は周期的に)装置が非バブルCPAPモード(例えば高流治療モード、及び/又はCPAPモード)で作動している間に起きることがある。装置が非バブルCPAPモードで作動している間にバブリングが検出された場合、装置は、警報を発生することがある(例えば装置は不正確なモードで作動していることがあり、及び/又は装置が正確なモードであることを確認するように、ユーザに示す)。一部の構成では、装置が非バブルCPAPモードで作動している時にバブリングを検出すると、装置は自動的にバブルCPAPモードに変わることがある。
【0546】
バブリングの検出は、患者インターフェースが患者と正しく係合されているかどうかを示すために使用されることもある。例えばバブリングが起きている場合、これは患者インターフェースが正しく係合されていることを示すことがあり、バブリングが起きていない場合、これは患者インターフェースが係合されていないことを示すことがある。
【0547】
患者インターフェースが患者と正しく係合されているかどうかを判定することは、追加として又は別法として、バブリングが断続的であることの検出に基づくことがある。断続的なバブリングは、インターフェースと患者との間の封止が弱い、及び/又はシステム内の漏れを示すことがある。
【0548】
一部の実施形態では、(任意選択で所定の時間に)バブリングが起きていることを検出した後、(任意選択で所定の時間に)バブリングが起きていないことをコントローラが検出した時に、コントローラは、患者インターフェースが患者と係合されていないと判定することがある。
【0549】
一部の実施形態では、バブリングが起きておらず、装置によって提供された流量が閾値未満である時に、コントローラは、患者インターフェースが患者と係合されていないと判定することがある。
【0550】
コントローラは、患者インターフェースが係合されていないと判定された場合、警報を発生することがある。
【0551】
バブリングの検出は、1つ又は複数のバブリング時間メトリックを判定するために使用されることもある。例えば1つ又は複数の治療セッション中のバブリングの検出は、治療が提供されていることを示すことがある。
【0552】
治療セッションは、装置がユーザに一定期間(例えば治療時間)にわたって治療を提供することであってもよい。治療セッションは、ユーザによって、及び/又はユーザへの治療の提供によって開始されてもよい。治療セッションは、ユーザによって、及び/又はユーザへの治療の提供の停止によって終了されてもよい。治療時間は、治療が例えば治療セッションの一部として提供される時間であってもよい。
【0553】
装置は、治療時間及びバブリングの検出に基づいてバブリング・インデックスを(例えばバブリング時間メトリックとして)発生することもある。インデックスは、バブリングの検出が起きている時の治療時間の割合であってもよい。インデックスは、例えばバブリングが起きている合計治療時間の百分率に関する百分率として表されることがある。
【0554】
装置は、バブリングが起きているバブリング時間メトリックとしてバブリング時間を計算することもある。
【0555】
バブリング時間は、治療セッション中にどの位の長さ治療が提供されたかを判定するために使用されることがある。
【0556】
バブリング時間は、治療が所定の時間提供されたかどうかを判定するために、閾値時間と比較されてもよい。
【0557】
装置は、バブリングが起きていないバブリング時間メトリックとして、非バブリング時間を計算することもある。
【0558】
非バブリング時間は、治療セッション中にどの位の長さ治療が提供されなかったかを判定するために使用されることがある。
【0559】
非バブリング時間は、治療が所定の時間提供されなかったかどうかを判定するために、閾値時間と比較されてもよい。
【0560】
装置は、追加として又は別法として、圧力に基づいたメトリックを判定することがある。圧力に基づいたメトリックは、患者に送達された圧力が閾値圧力より大きい場合の治療時間の百分率であってもよい。圧力に基づいたメトリックは、患者に送達された圧力が、バブリングが起きている閾値圧力より大きい場合の治療時間の百分率であってもよい。患者に送達された圧力は、例えばインターフェースにおける圧力及び/又は圧力調整器における圧力、及び/又はデバイスにおける圧力であってもよい。
【0561】
圧力メトリックは、バブリング時間メトリックに関して以下に記載されるように、サーバ(若しくは他のデバイス)に送信され、及び/又は報告の一部として提供されてもよい。
【0562】
バブリング時間メトリックは、1つの治療セッションに対する、又はいくつかの治療セッションにわたる治療時間に基づいてもよい。
【0563】
一部の実施形態では、1つ又は複数の警報は、閾値(任意選択で所定の時間)より下がるバブリング・インデックス(又は他のバブリング時間メトリック)に基づいて発生されてもよい。
【0564】
一部の実施形態では、コントローラは、バブリング・インデックス(又は他のバブリング時間メトリック)に基づいて提供されている治療が、閾値を超えることを示すように構成される。
【0565】
装置は、無線データ送信機及び/若しくは受信機、又はトランシーバ15を介して別のデバイス(例えばサーバ)にバブリング・インデックス(若しくは他のバブリング時間メトリック)を送信してもよい。
【0566】
装置は、バブリングが検出された時に、無線データ送信機及び/若しくは受信機、又はトランシーバ15を介して別のデバイス(例えばサーバ)に情報を送信してもよい。
【0567】
装置(及び/若しくはサーバ、及び/若しくは他のデバイス)は、1つ又は複数のバブリング時間メトリックの傾向を判定することがある。装置及び/若しくはサーバ、及び/若しくは他のデバイスは、傾向を表示することがあり、又はサーバ及び/若しくは他のデバイスに傾向を提供してもよい。
【0568】
装置(及び/若しくはサーバ、及び/若しくは他のデバイス)は、1つ又は複数のバブリング時間メトリックが改善しているか、又は悪化しているかに関してインデックスを判定してもよい。装置及び/若しくはサーバ、及び/若しくは他のデバイスは、インデックスを表示し、又はサーバ及び/若しくは他のデバイスにインデックスを提供してもよい。
【0569】
サーバ(例えば遠隔サーバ)及び/又は他のデバイスは、装置から送信された情報に基づいて報告を発生してもよい。上に論じたように、情報は1つ又は複数のバブリング時間メトリックであることがある。情報は、提供された治療に関した他の情報(例えば湿度、温度、及び/又は流量などの治療パラメータ)であることもある。
【0570】
報告は、1つ若しくは複数のバブリング時間メトリックに関する傾向、及び/又は1つ若しくは複数のバブリング時間メトリックに関するインデックスを含んでもよい。
【0571】
報告は、患者の状態が改善しているか、又は悪化しているかを臨床医が判定するために役立つことがある。例えば治療時間(例えばバブリングが起きている間)を減らすことは、患者の状態の改善、及び/又は患者が別の治療の型(例えば鼻高流治療)に移行できることを示すことがある。報告は、患者が一定期間にわたって所望の治療を受けているかどうかを判定するのに有益であることもある。
【0572】
報告は、一定期間(例えば1週、若しくは1月、その他)にわたって1つ又は複数のバブリング時間メトリックを示してもよい。
【0573】
バブリング・インデックスが、バブリング時間を低減しながら(若しくはバブリング時間が下がる傾向で)、一定期間にわたって閾値を超えて持続されることは、患者の状態の改善、及び/又は患者が別の治療の型(例えば鼻高流治療)に移行できることを示すことがある。
【0574】
圧力調整器134内のバブリングは、システム内の流れ及び圧力パラメータを推定するために使用することもできる。これは、バブリングを示す特性も、流れ及び圧力パラメータを示すことがあるからである。
【0575】
例えば図1~3Aのシステムの例では、ガス流路内の装置10の下流に圧力又は流量センサが置かれていないことがある。これにより、構成要素が少ない単純なシステムが可能になり、従ってコストを低くすることができる。しかしこの型のシステムの欠点は、装置が装置の下流(すなわち感知回路基板404のサーミスタ流量センサの後)のガス流路内のガスの流れ又は圧力を直接測定できないことである。
【0576】
ガス流路の様々な場所で流れ及び圧力の推定を有することは、他の態様、例えば較正又はセンサの冗長化に有利であることが認識されよう。
【0577】
一部の実施形態では、記載されたようにシステム内で推定流量及び圧力パラメータは、バブリングが起きていることを検出された時に(例えば上記のように)行われることもある。
【0578】
図14は、流れ及び/又は圧力推定アルゴリズムの実施形態の例を示す。
【0579】
ステップ1301では、圧力調整器134内のバブリングの特性が測定される。圧力調整器134内のバブリングの特性は、例えばバブリングの検出に関するあらゆる上記の特性であってもよい。
【0580】
しかし以下の例(図14A)は、例として流れ及び圧力測定値を(流量センサからのガス流路内のガス流量を示す信号として、及び/又は圧力センサからのガス流路内のガス圧を示す信号として)使用する。
【0581】
ステップ1302では、少なくとも1つの波形特性が、圧力調整器134内のバブリングの測定特性の少なくとも1つの波形に基づいて判定される。
【0582】
ステップ1303では、ガス流路内の推定流量及び/又は圧力は、(以下により詳細に記載されるように少なくとも1つの波形特性に基づいて判定される。
【0583】
ガス流路内の推定流量及び/又は圧力は、ガス流路内のいずれかの位置にあり得ることが認識されよう。
【0584】
ガス流路内の推定流量及び/又は圧力は、装置から下流の場所におけることがある。
【0585】
呼気導管の端部におけるガスの推定流量は、圧力調整器134におけることがある。
【0586】
ガス流路内の推定流量は、圧力調整器134における呼気導管130の端部(例えば開口終端136)を通る流量であってもよい。
【0587】
ガス流路内の推定流量は、装置における流量であってもよい。
【0588】
ガス流路内の推定圧力は、患者インターフェースにおける圧力であってもよい。
【0589】
ガス流路内の推定圧力は、圧力調整器134における圧力(例えば圧力調整器134における圧力設定点)であってもよい。
【0590】
ガス流路内の推定圧力は、圧力調整器134における呼気導管130の端部(例えば開口終端136)における圧力であってもよい。
【0591】
ガス流路内の推定圧力は、装置における圧力であってもよい。
【0592】
ガス流路内の推定流量は、圧力調整器134における呼気導管130の端部(例えば開口終端136)を通る流量であってもよい。
【0593】
上記のように、圧力調整器134内のバブリングの少なくとも1つの特性の追加として又は別法として、圧力調整器134内のバブリングの少なくとも1つの特性は、
視覚センサの出力としてバブラの画像を示す信号、
水位センサの出力としてバブラ内の水の表面を示す信号、
マイクロホンの出力としてバブラによって発生された音を示す信号、
光学センサの出力としてバブラ内の液体の光学特徴を示す信号、
ガス流特性センサの出力としてガス流特性を示す信号の1つ又は複数に基づいてもよい。
【0594】
上記のようなセンサは、システム内(例えば装置内、ガス流路内(例えば吸気及び/若しくは呼気導管並びに/又はあらゆるコネクタ内)、患者インターフェース、並びに/又は圧力調整器134内)のあらゆる点に置かれてもよい。
【0595】
圧力調整器134内のバブリングの少なくとも1つの特性は、ガス流路内のガス流量を示す信号に基づいてもよい。
【0596】
圧力調整器134内のバブリングの少なくとも1つの特性は、任意選択で流量センサの出力(例えば図14Aに示されたように、ガス流路内のガスの測定流量)として、ガス流路内のガス流量を示す信号に基づいてもよい。
【0597】
ガス流路内のガス流量を示す信号は、推定流量及び/又はガス流路内の推定流量が判定された場所と同じ又は異なる場所で(例えば測定)されてもよい。
【0598】
圧力調整器134内のバブリングの少なくとも1つの特性は、任意選択で圧力センサの出力(例えば図14Aに示されたように、ガス流路内のガスの測定圧力)として、ガス流路内のガス圧を示す信号に基づいてもよい。
【0599】
ガス流路内のガス圧力率を示す信号は、推定流量及び/又はガス流路内の推定流量が判定された場所と同じ又は異なる場所で(例えば測定)されてもよい。
【0600】
図14Aは、流れ及び/又は圧力推定アルゴリズムの実施形態の例を示す。
【0601】
ステップ1301'では、ガス流路内のガスの流量及び/又は圧力が測定される。
【0602】
上記のように、ガス流路内のガスの流量及び/又は圧力は、推定流量及び/又はガス流路内の推定流量が判定された場所と同じ又は異なる場所で測定されてもよい。
【0603】
ステップ1302'では、少なくとも1つの波形特性は、測定流量及び/又は圧力の少なくとも1つの波形に基づいて判定される。
【0604】
ステップ1303'では、呼気導管の端部における推定流量及び/又は患者インターフェースにおける推定圧力は、少なくとも1つの波形特性に基づいて判定される。
【0605】
図14Aの例示的実施形態では、推定流量は、呼気導管の端部におけるガスの推定流量であり、推定圧力は、患者インターフェースにおける推定圧力である。
【0606】
呼気導管の端部におけるガスの推定流量は、圧力調整器134におけることがある。
【0607】
ガス流路内の推定流量は、圧力調整器134における呼気導管130の端部(例えば開口終端136)を通る流量であってもよい。
【0608】
図14Aの実施形態では、圧力調整器134内のバブリングの少なくとも1つの特性は、(測定流量及び測定圧力に基づいて)ガス流路内のガス流量を示す信号、及びガス流路内のガス圧力を示す信号である。
【0609】
ガス流路内の推定流量及び/又は圧力に基づいて、装置は(例えばコントローラ13により)、1つ又は複数の警報を発生することがある。ガス流路内の推定流量及び/又は圧力が、閾値より大きい及び/又は小さい場合。
【0610】
図14Bは、(以下により詳細に記載される)ガス流路内の推定流量及び/又は圧力に基づいて発生する1つ又は複数の警報の例を示す。
【0611】
ステップ1303、1303'では、ガス流路内の推定流量及び/又は圧力が判定される。
【0612】
ステップ1304では、1つ又は複数の警報が、ガス流路内の推定流量及び/又は圧力に基づいて発生される。
【0613】
一部の構成では(例えば図14Aの実施形態では)、コントローラは、圧力調整器134を通るガスの推定流量及び/又は患者インターフェースにおける推定圧力に基づいて警報を発生することがある。
【0614】
コントローラは、圧力調整器134を通るガスの推定流量が閾値を超える場合に、警報を発生するように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【0615】
コントローラ13は、患者インターフェースにおける推定圧力が閾値を超える場合に、警報を発生するように構成されてもよい。
【0616】
警報は、上記のような(例えば上のバブリング検出の開示に関した)警報であってもよい。
【0617】
上記のように、装置は、ガス流路内のガスの流量及び/又はガス流路内のガスの圧力を測定するように構成された、少なくとも1つのガス特徴センサを含む。
【0618】
装置は、
ガス流路内の推定流量及び/又は圧力と、
ガス流路内のガスの測定流量及び/又はガス流路内のガスの測定圧力との間の比較に基づいて、1つ又は複数の警報を発生することがある。
【0619】
コントローラ13は、追加としてガス流路内のガスの流量とガス流路内のガスの圧力(例えばガス流路内のガスの測定ガス流量と圧力)との間の関係に基づいて、患者インターフェースにおいて圧力を推定するように構成されてもよい。
【0620】
コントローラ13は、ガス流路内のガスの測定流量と圧力調整器134を通るガスの推定流量との間の差に基づいて、システムの漏れ流量を推定するように構成されてもよい。漏れ流量は、例えば装置と圧力調整器134における呼気導管130の端部(例えば開口終端136)との間の漏れを介して消失される、ガスの流量を示してもよい。漏れの源は、マスク漏れ(すなわちインターフェースと患者との間の不完全な封止によって起きる)、又は連結漏れ(すなわちシステムの構成要素の間の不完全な連結によって起きることを含んでもよい。
【0621】
コントローラ13は、漏れ流量が漏れ閾値を超えた時に、警報を発生するように構成されてもよい。
【0622】
コントローラ13は、システムの漏れ流量が漏れ閾値を超えた時に、警報を発生するように構成されてもよい。
【0623】
コントローラ13は、漏れ流量が一定期間にわたって漏れの増加閾値より多く増加した時に、警報を発生するように構成されてもよい。
【0624】
コントローラ13は、圧力調整器134を通るガスの推定流量及び患者インターフェースにおける推定圧力に基づいて、圧力調整器134の設定点を推定するように構成されてもよい。
【0625】
コントローラは、患者インターフェースにおける推定圧力を少なくとも1つのディスプレイ上に表示するように構成されてもよい。
【0626】
ステップ1303で記載されたように、ガス流路内のガスの推定流量及び/又は推定圧力の判定は、(上のバブリングの開示の検出に関して)上記のように、少なくとも1つの波形特性に基づく。
【0627】
バブリングの検出に関する上記のような波形特性は、ガス流路内のガスの推定流量及び/又は推定圧力の判定に記載されたように、波形特性に等しく適用可能であることが認識されよう。
【0628】
図15は、ガス流路内のガスの推定流量及び/又は推定圧力の判定の実施形態による、全体構造の例を示す。
【0629】
ステップ1401では、圧力調整器内のバブリングを示す1つ又は複数の特性の波形がフィルタリングされる。例えばカットオフ周波数、例えば2Hz及び21Hz、又は2Hz及び40HzにおけるハイパスFIRフィルタは、あらゆるDCオフセットを取り除くために生信号に適用されてもよい。流量信号及び/又は圧力信号は、流量センサ及び圧力センサのそれぞれから引き出されてもよい。
【0630】
コントローラは、圧力調整器内のバブリングの特性の測定値にハイパス及び/又はローパスフィルタを適用するように構成されてもよい。
【0631】
ステップ1402では、波形は、次いで(例えば図12Aに示されたように)1つ又は複数のタイムウィンドウに分割される。
【0632】
一部の実施形態では、波形は、1つ又は複数のタイムウィンドウに分割されてもよい。
【0633】
ガス流路内のガスの推定流量及び/又は推定圧力の判定は、各タイムウィンドウに対して行われてもよい。
【0634】
一部の実施形態では、各タイムウィンドウは、約1秒~約6秒、又は約1.5秒~約3秒、約1秒~約180秒、約1秒~約60秒、約1秒~約30秒であってもよい。
【0635】
一部の実施形態では、各タイムウィンドウは、前のタイムウィンドウ、及び/又は次のタイムウィンドウと重なってもよい。
【0636】
一部の実施形態では、タイムウィンドウの重なりは、約1秒~約6秒、又は約1.5秒~約3秒、又は約5秒~約30秒、又は約1秒~約60秒、又は約1秒~約10秒であってもよい。
【0637】
図12Aは、タイミングウィンドウ1202、1202'が重なるタイミングウィンドウの例を示す。
【0638】
一部の実施形態では、単一のタイミングウィンドウが使用されることが認識されよう。
【0639】
ステップ1403では、1つ又は複数の波形特性が、タイムウィンドウ内の波形から判定される。
【0640】
ステップ1404では、1つ又は複数の波形特性が、ガス流路内のガスの推定流量及び/又は推定圧力を判定するために使用される。ガス流路内のガスの推定流量及び/又は推定圧力の判定は、(以下により詳細に記載されるように)モデルに基づいてもよい。
【0641】
バブリング検出におけるタイムウィンドウに関する上記の開示は、流れ及び圧力の推定に等しく適用可能である。
【0642】
一部の実施形態では、ガス流路内のガスの推定流量及び/又は推定圧力の判定は、関連した閾値を超える少なくとも1つの波形特性に基づく。
【0643】
一部の実施形態では、バブリングの判定は、各波形特性に関連した1つ又は複数の波形特性因子を含む回帰モデルに基づいてもよい。
【0644】
波形特性因子は、それぞれの波形特性に加重を掛けてもよい。
【0645】
波形特性因子は、実験的に、又は機械学習若しくは他の管理された学習を通して判定されてもよい。
【0646】
一部の実施形態では、ガス流路内のガスの推定流量及び/又は推定圧力の判定は、人工ニューラルネットワークに基づく。
【0647】
一部の実施形態では、回帰モデルはロジスティック回帰(LogReg)モデルである。
【0648】
モデルは、ガス流路内の測定流量及び圧力を使用して、管理された学習に基づいて訓練されてもよい。サンプルは、デバイスに対して作業条件の範囲から収集されてもよい。サンプルは、装置に対して広範囲のシナリオを提供してもよい。
【0649】
モデルは以下の関数によって定義されてもよい。
推定流量及び/又は圧力=
*平均振幅
+w*正のピークの平均振幅
+w*負のピークの平均振幅
+w*正のピークの間の平均距離
+w*負のピークの間の平均距離
+w*ゼロ交差の数
+w*閾値交差の数
+w*連続した正のピークと負のピークとの間の振幅
+w*平均振幅の標準偏差
+w10*正のピークの振幅の標準偏差
+w11*負のピークの振幅の標準偏差
+w12*正のピークの間の距離の標準偏差
+w13*負のピークの間の距離の標準偏差
+w14*連続した正のピークと負のピークとの間の振幅の標準偏差
+バイアス
上式で、w、w、w、w、w、w、w、w、w、w10、w11、w12、w13、w14は、因子(例えば波形特性因子)である。
【0650】
ステップ1404では、指数フィルタは、連続するタイムウィンドウの出力を効果的に組み合わせる、各ウィンドウのモデルの出力に適用されてもよい。
【0651】
各ウィンドウに対するモデルの出力を組み合わせる他の方法は、例えばモデル出力にローパスフィルタを適用し、又はウィンドウからの経過時間若しくは前のウィンドウに基づいた加重(すなわち前のウィンドウはモデルの出力に加重が少ない)を掛けることが可能であることが認識されよう。
【0652】
一部の実施形態では、ガス流路内のガスの推定流量及び/又は推定圧力の判定は、追加として又は別法として、少なくとも1つの周波数特性に基づく。
【0653】
周波数特性は、バブリング波形を示す1つ又は複数の特性に基づいてもよい。
【0654】
周波数特性は、少なくとも1つの周波数帯及び周波数帯の電力を含んでもよい。
【0655】
周波数特性は、上記のように、波形特性と同じ方法で推定流量及び/又は推定圧力モデルに提供されてもよい。
【0656】
周波数帯は、約5Hz及び約20Hz、又はバブリングに合わせた別の範囲(又はバブリングを示す1つ若しくは複数の特性)であってもよい。
【0657】
上記のように、周波数帯の電力は、ガス流路内のガスの推定流量及び/又は推定圧力の判定に使用されるモデルに提供されてもよい。
【0658】
流れ及び/又は圧力センサの場所は、ガス流路内のガスの推定流量及び/又は推定圧力にも影響を及ぼすことがある。例えば流量発生器の近くに置かれた流れ及び/又は圧力センサは、バブリングを示す1つ若しくは複数の特性と重なる、波形/スペクトル特徴を有する流れ及び/又は圧力内に乱れを感知することがある。
【0659】
特に、高流治療も提供することがある装置内でバブリングを示す1つ又は複数の特性を検出することは、センサの場所が必ずしもバブリングを示す1つ又は複数の特性を最もよく判定するために最適な場所でないことがあるので、困難であることがある。例えばセンサは、呼吸補助装置内の流量発生器の近く(圧力調整器の近くと反対)に置かれることがある。従って装置の作動から(例えば流量発生器により)発生されたあらゆるセンサノイズは、圧力調整器内でバブリングを示す信号の一部のノイズと区別する必要がある。上記の実施形態は、バブリング信号を隔離するために、波形特性を使用することによりノイズの除去を促進する。
【0660】
バブリングを示す1つ又は複数の特性は、例えば周囲圧力、温度、加湿チャンバ内の水の量、及び/又はガス混合物によっても影響を受けることがある。
【0661】
一部の実施形態では、ガス流路内のガスの推定流量及び/又は推定圧力の判定は、周囲温度、装置の高度、ガス流路内に置かれた加湿器の水位の1つ又は複数に基づく。
【0662】
(上により詳細に記載されたように)一部の実施形態では、装置は、周囲空気と補充ガスの組合せを提供するように構成されてもよく、ガス流路内のガスの推定流量及び/又は推定圧力かどうかの判定は、補充ガスに対する周囲空気の割合に基づく。
【0663】
一部の状況では、バブルCPAP治療に使用される流路の構成要素(例えば回路及び/若しくはインターフェース)は、バブリングを示す1つ又は複数の特性に影響を及ぼすことがある。例えば導管の長さ及び直径並びにインターフェースは、波形に影響を及ぼすことがある。
【0664】
構成要素は、当技術分野で公知の1つ又は複数の方法による装置によって同定されてもよい(例えば連結された構成要素の電気抵抗の判定による。
【0665】
ガス流路内のガスの推定流量及び/又は推定圧力(例えば圧力調整器を通るガスの流量及び/又は患者インターフェースにおける圧力)の判定は、吸気導管及び/又は呼気導管の導管特性に基づいてもよい。
【0666】
導管特性は、
導管の長さ、
導管の直径、
導管の型の1つ又は複数を含んでもよい。
【0667】
ガス流路内のガスの推定流量及び/又は推定圧力の判定は、患者インターフェースの特性に基づいてもよい。例えば異なるインターフェースは、圧力調整器内のバブリングに影響を及ぼすことがある。異なるインターフェースは、例えば異なる波形特性因子を有することがある。
【0668】
バブリング検出のあらゆる特徴は、流れ及び圧力推定のあらゆる特徴と組み合わされてもよいことが認識されよう。
【0669】
装置が作用を受けていると記載された時は、装置の一部として作用を受けている装置の1つ又は複数のコントローラであってもよい。更にコントローラが作用を受けていると記載された時は、作用は、分配されたコントローラの設定において1つ又は複数のコントローラ(若しくはコントローラのプロセッサ)によって受ける可能性があることが認識されよう。
【0670】
本開示では、用語コントローラ及びハードウェア・コントローラは交換できることが可能である。例えばコントローラ又はハードウェア・コントローラは、他の構成要素を制御するためにソフトウェア命令を備えたマイクロプロセッサ又はCPUであることが可能である。
【0671】
記載された方法及び工程は、汎用及び/若しくは専用コンピュータの1つ又は複数によって実行されたソフトウェア・コード・モジュールに具現化され、ソフトウェア・コード・モジュールを介して部分的或いは完全に自動化されてもよい。単語「モジュール」は、ハードウェア及び/若しくはファームウェアに具現化された論理、又はプログラミング言語、例えばC若しくはC++などで書かれた、恐らく入口及び出口点を有するソフトウェア命令の集合体を指す。ソフトウェア・モジュールは、コンパイルされて実行可能なプログラムにリンクされ、動的にリンクされたライブラリにインストールされてもよく、又は翻訳されたプログラミング言語、例えばBASIC、Perl、若しくはPythonなどに書かれてもよい。ソフトウェア・モジュールは、他のモジュールから若しくはそれら自体から呼び出し可能であってもよく、及び/又は検出された事象若しくは割込みに応答して呼び出され得ることが認識されよう。ソフトウェア命令は、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)などのファームウェアに埋め込まれてもよい。ハードウェア・モジュールは、ゲート及びフリップ・フロップなどの接続された論理ユニットを含んでもよく、並びに/又はプログラマブル・ゲートアレイ、特別用途向け集積回路、及び/若しくはプロセッサなどのプログラマブルユニットを含んでもよいことが更に認識されよう。本明細書に記載されたモジュールは、ソフトウェア・モジュールとして実装することができるが、ハードウェア及び/又はファームウェアにも表わされてもよい。その上、一部の構成では、モジュールは、別個にコンパイルされてもよいが、他の構成では、モジュールは、別個にコンパイルされたプログラムの命令のサブセットを表してもよく、他の論理プログラムユニットに利用可能なインターフェースを持たなくてもよい。
【0672】
特定の構成では、コード・モジュールは、あらゆる型のコンピュータ可読媒体若しくは他のコンピュータ記憶デバイスに実装され、及び/又は記憶されることがある。一部のシステムでは、システムに入力したデータ(及び/若しくはメタデータ)、システムによって発生されたデータ、並びに/又はシステムによって使用されたデータは、関係したデータベース及び/又はフラット・ファイル・システムなどの、あらゆる型のコンピュータ・データ・リポジトリに記憶することができる。本明細書に記載されたあらゆるシステム、方法、及び工程は、ユーザ、オペレータ、他のシステム、構成要素、プログラム等々と相互作用ができるように構成されたインターフェースを含んでもよい。
【0673】
本開示は特定の実施形態及び例の文脈で記載されてきたが、本開示は、具体的に開示された実施形態を超えて他の代替実施形態に広がり、及び/又は修正形態及びその等価物を使用し明らかであることが、当業者には理解されよう。加えて、本開示の実施形態の複数の変形が示され、詳細に記載されてきたが、本開示の範囲内である他の修正形態が、当業者には容易に明らかになろう。実施形態の特定の特徴及び態様の様々な組合せ又は部分的組合せが行われてもよく、依然として本開示の範囲内に収まることも企図される。例えば一実施形態に関連した上記の特徴は、本明細書に記載された異なる実施形態と共に使用することができ、組合せは依然として本開示の範囲内に収まる。開示された実施形態の様々な特徴及び態様は、本開示の実施形態の異なるモードを形成するために、互いと組合せ、又は取り替えることができることを理解されるべきである。このように本明細書の開示の範囲は、上記の特定の実施形態によって制限されるべきではないことを意図する。それに応じて、特段の記載がない限り、又は明らかに矛盾しない限り、本発明の各実施形態は、本明細書に記載されたその基本的な特徴に加えて、本明細書に開示された本発明の実施形態から互いに本明細書に記載されたような1つ又は複数の特徴を含んでもよい。
【0674】
具体的な態様、実施形態、若しくは例と併せて記載された特徴、材料、特性、又は群は、それと矛盾しない限り、本明細書の本章又はいずれかに記載されたあらゆる他の態様、実施形態若しくは例に適用可能であることを理解されたい。(あらゆる添付の特許請求の範囲、概要及び図面を含む)本明細書に開示された全ての特徴、及び/又はそのように開示されたあらゆる方法若しくは工程の全てのステップは、そのような特徴及び/又はステップの少なくとも一部が互いに相容れない組み合わせを除き、あらゆる組合せで組み合わされてもよい。保護は、あらゆる前述の実施形態の詳細に限定されない。保護は、(あらゆる添付の特許請求の範囲、概要及び図面を含む)本明細書に開示された特徴のあらゆる新規のもの、若しくはあらゆる新規の組合せ、或いはそのように開示されたあらゆる方法若しくは工程のステップのあらゆる新規のもの又はあらゆる新規の組合せに広がる。
【0675】
更に、別個の実装形態の文脈で本開示に記載された特定の特徴は、単一の実装形態に組み合わせて実装することもできる。逆に単一の実装形態の文脈で記載された様々な特徴は、複数の実装形態に別個に、又はあらゆる適切な部分的組合せで実装することもできる。その上、特徴は特定の組合せで作用するように上に記載されていることがあるが、主張された組合せからの1つ又は複数の特徴は、場合によっては、その組合せから削除することができ、組合せは、部分的組合せ又は部分的組合せの変形として主張されてもよい。
【0676】
その上、作動は特定の順番で図面に描かれ、本明細書に記載されることがある一方で、そのような作動は、所望の結果を達成するために、示された具体的な順番又は連続した順番で行う必要はなく、又は全ての作動を実行する必要はない。描かれていない又は記載されていない他の作動は、例示的方法及び工程に組み込むことができる。例えば1つ又は複数の追加の作動は、あらゆる記載された作動の前、後、同時に、又は間に行うことができる。更に作動は、他の実装形態に再配置又は再配列されてもよい。一部の実施形態では、示され及び/又は開示された工程で行う実際のステップは、図に示されたステップと異なってもよいことが、当業者には認識されよう。実施形態に依存して、上記の特定のステップは取り除かれてもよく、その他が追加されてもよい。更に上に開示された特定の実施形態の特徴及び属性は、追加の実施形態を形成するために異なる方法で組み合わされてもよく、その全ては本開示の範囲内に収まる。また上記の実装形態の様々なシステム構成要素の分離は、全ての実装形態のそのような分離が必要であると理解されるべきではなく、記載された構成要素及びシステムは、単一の製品又は複数の製品のパッケージに一緒に統合することが概ね可能であることを理解するべきである。
【0677】
本開示のために、特定の態様、利点、及び新規の特徴が、本明細書に記載されている。必ずしも全てのそのような利点が、あらゆる具体的な実施形態により達成され得るわけではない。このように例えば、本開示が、本明細書に教示され若しくは提案され得るような他の利点を必ずしも達成する必要はなく、本明細書に教示されたような1つの利点若しくは利点の群を達成する方法で、具現化又は実行されてもよいことが当業者には認識されよう。
【0678】
本明細書で使用された仮定的な言語、とりわけ、「can」、「could」、「might」、「may」、「e.g.」及び同種のものなどは、別段に明記されていない限り、又は使用される文脈から明らかでない限り、一般には、ある特定の実施形態がある特定の特徴、要素及び/又はステップを含むが、他の実施形態はそれらを含まないことを表すことを意図する。従って、そのような仮定的な言語は一般に、特徴、要素及び/又はステップがいかなる方法でも1つ又は複数の実施形態のために必要とされること、或いは1つ又は複数の実施形態が、他の入力若しくはプロンプトを用いて、又は用いずに、これらの特徴、要素及び/又はステップが任意の特定の実施形態に含まれるか、又は任意の特定の実施形態において実行されるべきかどうかを判定するための論理を必ず含むことを意図するものではない。用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」及び同種のものは、同義であり、包括的に非制限様式で使用され、追加の要素、特徴、行為、作動等々を排除しない。また用語「又は」は、その包括的な意味で(及びその排他的意味ではない)使用されるので、例えば要素の一覧を連結するように使用される時に、用語「又は」は一覧の要素の1つ、一部、又は全てを意味する。
【0679】
語句「X、Y、及びZの少なくとも1つ」などの接続語は、別段に明記されていない限り、事項、用語、その他がX、Y、又はZのいずれかであってもよいことを伝えるために概して使用されるように、文脈と共に理解される。従ってこのような接続語は、特定の実施形態が、少なくとも1つのX、少なくとも1つのY、及び少なくとも1つのZの存在を必要とすることを暗示するように概して意図しない。
【0680】
本明細書で使用する場合、用語「約(approximately)」、「約(about)」、「概して(generally)」、及び「実質的に(substantially)」などの、本明細書で使用される程度の言語は、依然として所望の機能を行う、若しくは所望の結果を達成する、記載された値、量、又は特性に近い値、量、又は特性を表す。例えば用語「約(approximately)」、「約(about)」、「概して(generally)」、及び「実質的に(substantially)」は、記載された量の10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、及び0.01%未満の量を指してもよい。別の例として、ある特定の実施形態では、用語「概して平行」及び「実質的に平行」は、厳密な平行から15度、10度、5度、3度、1度、0.1度以下、その他だけずれる値、量、又は特性を指す。
【0681】
本明細書に開示されたあらゆる方法は、列挙された順番で行う必要はない。本明細書に開示された方法は、医師によって行われるある特定の行為を含むが、それらの方法は、明示又は示唆されることにより、それらの行為のあらゆる第三者の命令も含むことができる。例えば「モータ速度を制御すること」などの行為は、「モータ速度を制御する指示をすること」を含む。
【0682】
本明細書に記載された方法及び課題の全ては、コンピュータ・システムによって行われ、完全に自動化されてもよい。コンピュータ・システムは、場合によって、記載された機能を行うためにネットワークを通して連通して相互作用する、複数の別個のコンピュータ又はコンピューティング・デバイス(例えば物理サーバ、ワークステーション、ストレージアレイ、クラウド・コンピューティング資源、その他)を含んでもよい。それぞれのこのようなコンピューティング・デバイスは、典型的にはメモリ若しくは他の非一時的コンピュータ可読記憶媒体若しくはデバイス(例えば固体記憶デバイス、ディスクドライブ、その他)に記憶されたプログラム命令又はモジュールを実行する、プロセッサ(又は複数のプロセッサ)を含む。本明細書に開示された様々な機能は、このようなプログラム命令に具現化されてもよく、及び/又はコンピュータ・システムの特別用途向け回路(例えばASIC若しくはFPGA)に実装されてもよい。コンピュータ・システムが複数のコンピューティング・デバイスを含む場合、これらのデバイスは、その必要はないが、共同設置されてもよい。開示された方法及び課題の結果は、固体メモリチップ及び/又は磁気ディスクなどの物理記憶デバイスを異なる状態に変換することによって持続的に記憶されてもよい。一部の実施形態では、コンピュータ・システムは、クラウド型コンピューティング・システムであってもよく、その処理資源は複数の別個の事業体又は他のユーザによって共有される。
【0683】
本開示の範囲は、本章若しくは本明細書のいずれかにおける好ましい実施形態の特定の開示によって限定されることを意図せず、本章若しくは本明細書のいずれかに存在するような、又は将来存在するような特許請求の範囲によって定義されてもよい。特許請求の範囲の言語は、特許請求の範囲に利用された言語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書に記載された例又は本出願の遂行中に限定されず、その例は非排他的として解釈されるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図4A
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図11A
図12
図12A
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14
図14A
図14B
図15
【国際調査報告】